2月2日(月)奈良女子大学(開講式、ワークショップ) 奈良県庁表敬訪問

2月2日(月)奈良女子大学(開講式、ワークショップ)
奈良県庁表敬訪問(9:00∼10:30)
県庁職員、研修員の紹介の後、研修員代表による挨拶があり、研修で学んだことを、教育
の現場に生かしていくことが宣言された。それに対し増井副知事は、「今回の研修で実り多
い成果を持ち帰り、アフガニスタンでの教育に貢献してほしい。そして、両国の友好関係が
発展することを願う」と挨拶した。
記念館見学・開講式・歓迎会(10:30∼14:00)
まず重要文化財である記念館を見学した後、開講式が開かれた。久米学長の挨拶に続き、
野口研修担当委員から、奈良女子大の概要と研修プログラムの説明がなされた。
昼食は歓迎会を兼ねて行われた。重定副学長、研修員代表の挨拶の後、研修員から奈良女
子大学に、アフガニスタンの地図を模した大理石の置物がプレゼントされた。
ワークショップ「戦後の食生活の改善と女性の社会的役割」(14:10∼16:10)
講師:大久保節子氏(奈良県栄養士会名誉会長、元奈良県職員)
飯田 明美氏(奈良県農林部参事)
岩崎雅美研修担当員の導入に続き、飯田明美氏が、「奈良県における農村生活の改善」と
いう題で講義を行った。戦後の混乱と貧しさが残る中で、食料確保と近代化のために農村生
活の三大改善が行われた。その改善方法は、農業者がグループ共同体という形で、自発的に
問題を解決するように国や県がサポートする、という教育的なものだったことことが説明さ
れた。
次に、大久保節子氏が講義を行った。大久保氏はまず、自らの戦争体験から、民主的な教
育を通じて栄養士としても成長し、奈良県庁で女性として2人目の係長になるに至る半生を
語った。次に、栄養士の業務について述べた。戦後は栄養面、衛生面においても問題があっ
たので、まずは学校から食生活の改善が行われた。街頭活動やキッチンカーを利用して一般
市民への働きかけを行ったこと、食生活改善のリーダーを養成することを通し、地域の中で
女性が主体となって食生活改善していったこと、そして何よりも、地域と密着している学校
が、戦後の食生活の改善において果たした役割の重要性について述べた。
またその後、幼稚園・保育園児を対象とした地域における栄養教育の教材として、「3色
の栄養群」についての紙芝居(新庄町健康づくり推進員制作)が紹介された。研修員にはそ
れらの栄養群に属する食材の例が描かれたナプキンと、郷土料理「はげしょ餅」が配られ、
食べ慣れない餅に苦戦しながらも、楽しそうに「3色」という栄養群の概念について学んで
いた。
講義後、研修員からさまざまな意見、質問が出た。アフガニスタンでは野菜はあまり食べ
ないことや、国での食生活には油分が多いことへの反省が出され、改善を叫ぶ声が聞かれた。
また、カロリーについての質問も多く挙げられ、アフガニスタンでの食生活の改善に対する
意見が飛び交った。