平成 20 年 8 月 Adobe Premiere 6 LE でより質の高い映像をつくろう! 1. 基本的なビデオ編集の流れを理解しましょう 素材となる映像を撮影する。 撮影した映像・音楽をキャプ 必要な音楽(CDなど)を用 チャする(取り込む) 。 意する。 トランジション、モーション、 必要な映像・音楽を編集し、 タイトルなどで映像を演出す つなぎ合わせる。 る。 メディア(DVテープやCD 楽しむ! など)に書き込む。 2. 実際にやってみましょう ①Adobe Premiere 6 LE を起動する スタートメニュー → Adobe → Premiere 6 LE → ADOBE PREMIERE 6 LE を起動 下のような画面が出てきます ②撮影した映像・音楽を取り込む(キャプチャ) 編集の準備として、編集の素材となる映像・音楽・画像をコンピューターに取り込んで保存します。この 作業を「キャプチャ」と呼んでいます。 この PREMIERE 6 LE ではデジタルビデオカメラ(DV カメラ)の映像、PC に保存してある映像、デジタ ルカメラの画像、CD に入っている音楽などを取り込むことができます。 (このソフトでは DVD の映像を取り 込むことができません) (1) まず DV ビデオを接続する PC と DV カメラを接続するためには専用のケーブル(IEEE1394 ケープル、または「Firewire」もし くは「ⅰ.Link」とも呼ばれています。別売りの場合が多いです。)が必要です。使用する PC に応じ た DV ケーブルをご用意ください。このケーブルを使って PC と DV カメラを接続し、ビデオ(再生) モードで電源を入れるとキャプチャの用意が完了します。 (2) キャプチャウインドウを表示する 「ファイル」→「キャプチャ」→「ムービーキャプチャ」を選ぶと、キャプチャウインドウが表示さ れます。 ※Windows XP では接続した DV カメラの電源を入れ たときに図のようなダイアログが表示されるので 「Adobe Premiere 6 LE 使用」を選択するとキャプ チャウインドウが表示されます ※このソフトで読み込むことのできないファイルも ありますので、あらかじめ変換する必要があります。 (3) DV カメラの映像をキャプチャする キャプチャ画面のボタンでテープの映像 がコントロールできますので、必要なシーン で録画ボタン(赤い○)を押すとキャプチャ がスタートします。キャプチャを終わるとき には停止ボタン(■)を押すとキャプチャが ストップし、右下のような画面が出てきます。 これはキャプチャした映像にファイル名を このボタンで DV カ メラをコントロール つけるものなので、編集がしやすいようにわ かりやすい名前を入れておくと良いでしょ う。 ※ 撮影した映像すべてを一気にキャプチャするこ ともできますが、後の編集の作業の能率を上げ るために必要な映像を細かく区切ってキャプチ ャすることをお勧めします。 キャプチャが終了したらキャプチャ画面を閉じます。 キャプチャが正常に行われていれば、画面左上のプロジェクト画面にキャプチャした映像(「.avi」というフ ァイルになっています)がリストアップされているはずです。 どのような映像がキャプチャされているかを見るには、その映像ファイル(このようなファイルを「クリッ プ」といいます)をダブルクリックすると、右上のプレビュー画面で表示されます。 (4) 音楽などのオーディオファイルを読み取る 編集に必要な音楽や効果音などの音声を取り込みます。ここではCDの音源をいったんコンピューターに取 り込み、そのあと編集用に読み取る方法を紹介します。 CD2WAV32 Adobe Premiere 6 LE では音声ファイ ルとして取り込むことができるのは「.wav」 という拡張子のついたファイル(WAVE ファイ ル)に限られています。そこで CD の音楽など をいったん WAVE ファイルに変換する必要が あります。 ファイルの変換には専用のソフトが必要で す。ここではフリーソフトの「CD2WAV32」 次のような画面が出てきます を紹介します。このソフトはインターネットを 通じて無料でダウンロードすることができま す 。( 参 考 : 窓 の 杜 ( ま ど の も り 、 http://www.forest.impress.co.jp/lib/pic/music/ mp3/ ) 画面下のトラックビューで表示されたトラック から変換するファイルを選び、「取り込み」ボタン をクリック、ファイル名をつけて任意のフォルダに 保存します。 次にオーディオファイルを読み込みます。 「ファイル」→「読み込み」→「ファイル」を選択し、必要 なオーディオファイルを選択してください。先ほどの映像と 同様、左上のプロジェクトウィンドウにクリップが表示され ていればオーディオファイルの読み込みは完了です。 ※このキャプチャは必要なときに適宜行うことができます ので、特にはじめにすべてを行う必要はありません。 ③映像・音楽を編集し、つなぎ合わせる トラックビュー 編集するための素材であるクリップがそろったところで、基本的な編集技術をマスターしましょう。編集す るには「ストーリーボードでの編集」と「タイムラインでの編集」の2つがありますが、ここではクリップの 調整がしやすく、編集した映像の時間がつかみやすい「タイムラインでの編集」を行っていきます。 (1) クリップをタイムラインにドラッグ &ドロップする まず必要なクリップをプロジェクトウィン ドウからドラッグ&ドロップしてタイムライ ンに移していきます。タイムライン内でのク リップの順番の入れ替えも自由に行えます。 また同じクリップを何度も使用することも できます。 (2) クリップの長さを調整する クリップの長さの調整にはトリミングを行 うと良いでしょう。トリミングをするにはク リップの前または後ろにカーソルを持ってい きます。すると赤いカッコが表示され、この 赤いカッコをドラッグ&ドロップするとクリ ップの長さが調整できます。元に戻すことも 可能ですが、もともとのクリップの長さ以上 にはなりません。 もうひとつ、クリップを分割することもで きます。タイムラインにあるレザーツールを 使って、クリップ上の分割したいポイントで クリックすると、クリップが分割されます。 分割されたクリップはそれぞれ別のクリップ として編集が行えます。 (3) ビデオとオーディオを別々のクリップとして扱う。 ビデオとその音声のオーディオのクリップは通常、どちらかをクリ ックすると両方選択されるようになっていますが、同期モードの切り 替えを行うとビデオとオーディオとを別々のクリップとして扱うこ とができるようになります。ビデオの映像のみ、またはオーディオの み使用したい場合に便利です。 (4) タイムラインの時間の長さを変える 細かいクリップの調整をおこなったり、全体的な映像の構成を考え 同期モード切替 たりと、時々に応じてタイムラインの時間の長さを変える必要があり ます。タイムライン左下のタイムズームレベルを変更して、編集しや タイムズームレベル すい環境をつくりましょう。 ④トランジション、モーション、タイトルなどで映像を演出する 基本的な編集が終わったら、様々な映像効果やタイトルなどで映像を演出していきましょう。 (1) トランジション(クリップ切り替え効果)で映像に変化をつける クリップの切り替えに場面転換の効果をつけましょう。 まず、ビデオ1Aトラックとビデオ1B トラックに2つのクリップを配置します。 このとき2つの2つのクリップをトラン ジションの長さ分だけ重ねて配置してく ださい。 トランジションパレットで効果を選択 して、トランジショントラックに配置しま す。(パレット内の各トランジションをダ ブルクリックすると、その効果を見ること ができます。)トランジションの長さもド ラッグで自由に調節することができます。 またトランジションの変更も自由に行え ます。 主なトランジションの例 ワイプ :2画面の境界を移動させて、クリップが切り替わ ります。 ページピール:ページがめくれるように画面が切り替わります。 帯状スライド:2つのクリップが帯状に交差しながら画面が切り 替わります。 (2) モーションでクリップに動きをつける モーションの機能を使って、クリップに動きをつけてみましょう クリップを選択して 右クリック、クリップメ ニューの「ビデオオプシ モーションパス プレビューウィンドウ ョン」→「モーショ ン」を選びます。 「モーシ ョン設定」ウィンドウが 開いたら、ここで位置や サイズ、回転など様々な 設定を行います。 モーションタイムウィンドウ ディストーション プ レビ ュー ウ ィン ド ウ プレビュー再生をして、動きをチェックします。 モーションパス クリップの動きを決めます。モーションパス上をクリックしてキーフレームをつくると、モーションパ スに四角の、モーションタイムラインに三角のマークが表示され、それをドラッグで移動させることによ って、より複雑な動きを作り出すことができます。 ディストーション キーフレームを選択し、ディストーションで四隅をドラッグしてクリップを変形させると、クリップに 奥行きのある動きがつきます。 回転・ズーム・遅延 キーフレームごとの回転率、ズーム率、動きの遅延率が設定できます。 これを利用すると、2つの画面を合成させ(最も一般的には、1つの画面の中にもう1つの小さい画面が ある状態)、さらに動きをつくることができます。 (3) タイトルやテロップを作成する 作品のタイトルや映像の説明をするテロップ、さらにエンドロールなどを作成しましょう。 「ファイル」→「新規作成」→「タイ トル」でタイトルウィンドウを表示させ、 テキストや図形作成ツール ツールを使って図形やテキストを作成し ます。 クリップ内にテロップを合成させる場 図形の線の太さを設定 図形や文字の色を設定 合は、テロップをつけたいクリップをタ イトルウウィンドウにドラッグすると、 グラデーションや不透明度を設定 プレビューしながらテロップが作成でき ます。 出来上がったタイトルやテロップは、 保存するとプロジェクトウィンドウに自 動的に読み込まれるので、他のクリップ と同様にすぐに編集に使用することがで きます。 テキストや図形に影をつけます ※エンドロールのつくり方 a)タイトルウィンドウにある「ロール/ク ロールタイトルツール」を選択し、左上か ら右下にドラッグします。 b)テキスト入力エリア表示されるので、こ こにテキストを入力します。余白をしっか りと取っておくようにしてください。 c)入力が終わったら右クリックでタイトル メニューの「ロール/クロールタイトルオ プション」を選び、移動する方向などを決 めます。ロールの様子はタイトルウィン ドウ左下のスライダで確認することがで きます。 (4) その他の効果について サウンドの編集 オーディオクリップをオーディオトラックに 配置します。その際、調整のために▽マークをク リックしてトラックを開いておきます。オーディ オクリップの赤いラインはボリュームを表して いますので、このハンドルを上下させることで音 量の調整が可能です。またラインの途中をクリッ クすることで新しいハンドルができますので、微 妙な音量の調節が可能です。 クリップのスピードを変える クリップのスピードを変えたい場合、クリップ を選択し右クリックでクリップメニューの「速度」を選び ます。新規レートの%を変化させるとクリップのスピード が変わります。この%を「−(マイナス) 」にするとクリ ップが逆回転します。静止画にも利用できます。 その他、いろいろと試してみてください。 3. 完成したムービーをメディアに書き込む ようやく完成した作品をみんなに見てもらうために、メディアに書き込んでいきましょう。 今回は DV テープに録画する方法をとりましょう。 (1) PC に DV カメラを接続する。 キャプチャのときと同様に PC に接続してください。電源もビデオモードで入れてください。 (2) DV テープへ書き出しを行う 「ファイル」→「タイムラインを書き出し」 →「テープへ書き出し」を選択する。 ※このとき、自動的にプレビューをつ くる作業(レンダリングといいます) に入ります。テープへ書き出しを行う 前に必ず、編集したすべての映像がワ ークエリアに指定されていることを 確認してください。レンダリングが正 しく行われないと、せっかく作成した トランジションやタイトルが録画さ れ ないことになります。 テープ設定へ書き出しの画面が出たら 「録画デッキをアクティブ」ボックスにチ ェックを入れます。録画させたいテープの 書き込みのタイムコードを設定する場合や、 録画開始とムービー再生開始のずれを補正 する場合はそれぞれ設定を行ってください。 録画の設定ができたら、 「録画」ボタンを クリックします。すると DV カメラでの録画 が始まります。 録画が終了したら、録画されているかチェックをしてください。 ※「ファイル」→「タイムラインを書き出し」→「ムービー」を選択すると、つくった作品をコンピュー ターのモニターで見られるファイルにすることもできます。このときファイルの種類を「Microsoft AVI」ファイルか、 「Multimedia Quicktime」ファイルのどちらかで保存することになります。このファ イルをもとにして、DVD を作成することもできます。 (ただし DVD 作成には専用のソフトが必要です。) これで Premiere 6 LE を使った基本的な編集についての説明は終わりで す。みなさん、どんどん編集作業を行って、工夫ある質の高い映像を創 りだしていってください!!
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