説明会の要旨 - バイテック

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企 業
9957
バイテック
岩
本
永三郎
(イワモト
エイサブロウ)
株式会社バイテック社長
自社技術を最大活用して
新ビジネス・商材を拡充
◆主力商品の単価が下落し、売上総利益率が低下
当社は、来年4月に創立20周年を迎える。当初はソニーの特約店として設立されたが、その後、ソニー以外
の製品も取り扱うようになり、グローバルな技術商社として成長してきた。主なグループ会社としては、技術
サポートのバイテックシステムエンジニアリング社(VSE)、NXP社(旧フィリップス)のデバイスを取り扱
う商社インフォニクス社、物流をサポートするアルスネット社がある。
2007年3月期中間期の売上高は、単体・連結共に前年同期を上回り、単体で419億56百万円、連結で542億
79百万円を達成したが、単価の下落、売上総利益率の低下等により、営業利益、経常利益は前年同期を下回
る結果となった。売上総利益は単体で18億90百万円、連結で27億93百万円、経常利益は単体で5億4百万円、
連結で6億56百万円となっている。当期利益については、前年同期に子会社のジーマック社を整理したことも
あり、前年同期比で増加となった。
売上高については、NANDフラッシュメモリーや液晶バックライトモジュール等が大きく伸張したことに
加え、主力商品であるCCD、L-LCDが数量的に伸張したものの、単価の下落が大きく、伸び悩んだ。販管費
については、大きな開発投資が一段落したことに加え、生産子会社が工場を閉鎖したため減少しているが、売
上総利益の減少をカバーするに至らず、経常利益は減少した。連結経常利益の増減要因は、売上総利益の減少
で3億31百万円減、販管費の削減で1億82百万円増、営業外損益(為替差損等)で1億5百万円減となっている。
連結の仕入先別売上高は、ソニーのセミコンが304億51百万円(構成比56.1%)、ソニーのコンポが72億19
百万円(同13.3 %)となっており、ソニーが全体の70 %強を占めている。HYNIX は36 億91 百万円(同6.8
%)、NXPは70億2百万円(同12.9%)、その他は59億16百万円(同10.9%)である。当中間期の主な変動要
因として、ソニーのセミコンについてはDSC、DVC向けCCD、L-LCDが堅調に推移した。ソニーのコンポ
については、液晶モジュール用バックライトが増加している。HYNIXはメモリーカード用フラッシュメモリー
が増加、NXPはテレビ系の民生用半導体および車載が増加した。その他については、海外部品調達事業が減
少している。主な販売先については、ソニー系のデバイスがキヤノン、松下電器産業、三洋電機、シャープ、
アルプス、HYNIXが松下電器産業、NXPが松下電器産業、エプソン、アルパイン、クラリオンとなっている。
その他の仕入先としては、ProMos(台湾系半導体メモリーメーカー)、Broadcom(DSP)、SDI、ルネサ
ス、ローム、サンケン電気等がある。
顧客別売上高については、キヤノングループの構成比が高くなっているが、単価下落の影響で前年同期比で
は減少となった。松下電器産業については、HYNIXのフラッシュメモリーを中心に増加している。ソニーグ
ループに対しては、ソニー以外のデバイスを販売しているが、メモリーが直販になったこともあり、当中間期
は大きく減少した。
連結対象子会社の売上高については、海外現地法人が17億5百万円(前年同期比7億51百万円増)となって
おり、台湾の監視カメラ用CCDビジネスが増加している。なお、香港等の支店を含めた海外での取扱高は100
億円強となっている。ジーマックについては66百万円(同5億35百万円減)となっているが、これは工場を閉
鎖し、機械レンタル事業に特化したことが要因である。
◆グローバルデバイスを拡充
通期業績については、年初の計画で売上高が単体で900億円、連結で1,160億円、営業利益が単体で14億50
百万円、連結で19億円となっていたが、売上・利益共に下方修正した。修正後の売上高予想は、単体で820億
円、連結で1,070億円となっている。
マーケットの状況として、主要デジタル家電のセット別市場予測では、薄型TV、DVDレコーダーの伸張率
が高く、DSC 等も引き続き堅調に推移するとみられている。当社の主要顧客の生産動向を見ると、DVC、
DSC、フラットTV、携帯電話、プリンターが市場の伸び率を上回る状況となっており、今後も当社の商品を
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日本証券アナリスト協会 R に属します。
ソリューションとして提案していきたいと考えている。
今後の取り組みとして、ソニーデバイスについては、CCD、CMOS Sensor、L-LCD、M-LCD/SXRDと
いった映像系のデバイスを中心として、新たな商品群を増加させていく。特に、今期から取り扱いを開始した
Felica IC、化成品等に注力していきたい。これまでは、強いデバイスを中心とした総取り作戦を展開してき
たが、新たなカテゴリーのBluについては、DSPだけではなく、LASER、Pick-Upにも注力し、総合商品と
して取り組んでいく。また、ソニーデバイスだけでは顧客の要求を満たすことが難しいため、今後はグローバ
ルデバイスにも積極的に取り組む。ディスプレー関係ではSDI製の有機ELパネル、台湾製の中型パネル、メ
モリーについてはProMos製のD-RAM、HYNIXのフラッシュを販売していく。海外のサプライヤーとも積極
的にコンタクトを取っており、小型HDD、メディアプロセッサー、各種センサー等の商談を進めている。NXP
(旧フィリップス)デバイスについては、DSPの車載用、TV用が二本柱となっており、VSE社の技術サポー
トも含めてトータルで付加価値を提供していく。また、LAMPについても引き続き注力し、新たな商材として
HCFLを積極的に紹介している。
◆高利益率のソリューションビジネスを展開
ソリューションビジネスについては、社内に技術部隊を有していることもあり、高付加価値化への取り組み
を続けてきたが、今回、車載用ワンセグDTVユニット、ポータブルDVD向けワンセグDTVの商談が成約した。
今後は、これらをベースとして、中国、欧州等の海外デジタル放送に展開していく。ソリューションビジネス
のビジネスモデルとしては、EMSメーカーに部品販売を行い、EMSメーカーがメーカーに完成品を納める際
には、設計の支援やソフト販売を行う。その後、メーカーの完成品を当社が仕入れ、ユーザーに対して販売し
ていく形で、高利益率のビジネスを展開していく。
VSE社は、マイコンのソフトでサポートするために生まれた会社である。その後、ソニーの撤退に伴って
マイコン部分は縮小したが、培った技術を他の分野に生かしている。今後の取り組みとしては、これまでの光
ディスクの技術から、CCD/CMOSセンサーのネットワーク対応、監視カメラのサポート等に転換していく。
注力分野のデバイス設計支援については、北九州に拠点を設けて監視カメラ系ASIC設計支援を行う。車載系
のサポートとしては、Audio・Videoネットワーク組み込みソフトを展開していく。
ビジネスにおける注力ポイントとしては、ソニーとの新たな関係強化の中でのビジネス拡充、グローバルデ
バイスの拡充、自社技術を最大活用した新ビジネス・商材の拡充、重要顧客へのサポート強化および新規顧客
開拓が挙げられる。ソニーとのビジネス拡充の具体策として、仕入れ商品については、映像系に加えて新規商
品の開拓・拡充を図り、強いデバイスを核とした商品の展開、ソニー関連会社商品の積極導入を進めていく。
売り商品については、海外サプライヤーを含む商材を拡充していく。経営改革のポイントとしては、透明性の
確保とスピード感のある経営体制を目指していく。
(平成18年12月7日・東京)
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