情報資源共有化研究会 第1回スタディ・ツアー報告

地域研究コンソーシアム
情報資源共有化・地域情報学合同研究会
情報資源共有化研究会
第1回スタディ・ツアー報告
京都大学東南アジア研究所 北村由美
京都大学附属図書館 天野絵里子 江上敏哲
東京外国語大学附属図書館 大和加寿子 上田 誠治
2005年12月5日
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日程 (2005年9月18日〜25日)
テーマ:ヨーロッパにおけるアジア情報
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9月18日〜20日 (アムステルダム,ライデン)オランダ
Netherlands Institute for War Documentation
(NOID) ,KITLV/Royal Netherlands Institute of
Southeast Asian and Caribbean ,ライデン大学図書
館,IDC 他
9月21日〜22日 ルンド(スウェーデン)
ルンド大学 EAJRS/European Association of
Japanese Resource Specialists 参加
9月23日〜24日 コペンハーゲン (デンマーク)
NIAS/Nordic Institute of Asian Studies,デンマーク
王立図書館
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アムステルダム
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Netherlands Institute for War
Documentation (NIOD) (1)
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ヨーロッパにおける第二次世界大戦に関する資料を、形態に
関らず収集。個人関係の資料が多い点が特徴。
対象地域:ヨーロッパ及びアジア太平洋(特にインドネシア)
所蔵資料:
図書約2万冊
アーカイブ(第二次世界大戦期の政府関係資料、公文書、日本占領
下のインドネシア資料、ビデオ・ポスター・写真なども含む)
テレビの録画資料
新聞記事のクリッピング(戦後すぐ開始)
インドネシア新聞の保存プロジェクト
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Netherlands Institute for War
Documentation (NIOD) (2)
日本占領期のインドネシアの
ポスターコレクション
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写真のコレクション
(写っているのは市販のもの)
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Netherlands Institute for War
Documentation (NIOD) (3)
温湿度管理された資料の収蔵庫
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Netherlands Institute for War
Documentation (NIOD) (4)
„
その他:
個人資料が多いため、利用者から、出版の際に資料内の実名を使
わないなどという個人情報取り扱いに関する規定に同意を得ている。
資料収集体制における研究者の連携がスムーズに行われている。
旧銀行の建物を使用しており、アーカイブなど主要資料は地下に所
蔵。運河沿いにあるが、洪水対策は全くしていない。
„
公文書、個人資料、視聴覚資料、新聞雑誌記事等、形態を
問わずあくまで第二次世界大戦というテーマから資料収集を
行い、二次情報だけでなく一次情報を提供する努力をしてい
る点が、情報提供支援に携わる図書館員として非常に興味
深く、学ぶべき姿勢だと感じた。
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Amsterdam Public Library (OBA) (1)
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貸出・返却・延長は3機能が一体となった作り付けの
機械で行われている。利用者は多く、積極的に利用
されていた。
カウンターはレファレンスやパソコン・インターネット
の利用手続き中心。
日本の公共図書館では貸出・返却等の作業の大部
分は人の手によっておこなわれているが、今回訪れ
たいくつかの公共図書館では、貸出・返却等の作業
を積極的に自動化し、その分レファレンスなどに人
手を割いているところが印象的だった。
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Amsterdam Public Library (OBA) (2)
書架の最下段は背表紙が
見やすいように倒してある
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図書館員による図書紹介の
ディスプレイが印象的
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KIT
Koninklijk
Instituut voor
de Tropen
Royal Tropical
Institute
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KIT
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Tropenmuseum
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KIT
1910年 The Colonial Institute として設立
開発、ジェンダー、公衆衛生などの分野
地域: 植民地 → “all tropical regions”
博物館、劇場、図書室、出版部門
図書室
„ 主に西洋言語資料
„ 旧植民地の地図等、貴重資料
„ 電子化と保存事業
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Leiden
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KITLV
Koninklijk Instituut
voor Taal-, Landen Volkenkunde
Royal
Netherlands
Institute of
Southeast Asian
and Caribbean
Studies
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KITLV
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KITLV
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KITLV
1851 創立
デルフト → ハーグ → ライデン
„ 出版部門,ジャカルタ事務所
„ 地域:インドネシア,東南アジア,カリブ地域
„ 図書室
„
約50万冊
西洋言語だけでなく現地語資料も収集
マレーシア政府寄託図書
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Leiden
University
Library
The Oriental
Collections
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IDC
Publishers
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IDC Publishers
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IDC Publishers
Is not just a Publisher!
„ 1957 スウェーデンで設立
„ 人文系一次資料のマイクロフィルムを編集・
販売
„
The COMINTERN archive, etc.
マーケティング,資料の選定,再構成,
メタデータ付与
„ 電子媒体での提供も
„
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EAJRS(ルンド)
NIAS(コペンハーゲン)
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Nordic Institute of Asian Studies
(NIAS) (1)
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コペンハーゲン
北欧5カ国(アイスランド・フィンランド・デンマーク・ス
ウェーデン・ノルウェー)におけるアジア研究、及び
そのためのサービス・支援を行なう、中心機関(hub)
1968年創設
研究のためのネットワーク作り、学生支援プログラ
ム等
館内に図書館あり、アジア関係資料を収集
http://www.nias.ku.dk/
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Nordic Institute of Asian Studies
(NIAS) (2)
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„
西洋言語のアジア関係資料を収集
(英語が主。中央アジアはロシア語)
社会科学(現代社会・政治・経済)中心
原語資料はほとんどない
単行書: 32000冊
雑誌: 1500誌 (カレント:500誌)
2004年年間受入冊数: 1200冊
基本的にすべて開架
地域>国別分類
図書館スタッフ: 5名
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Nordic Institute of Asian Studies
(NIAS) (3)
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Asiana (OPAC)
REXのひとつを構成
ILL
デリバリー体制を整備し、重複購入で備える
Specialized Bibliographies
研究者のリクエストに応じて特定主題の書誌を作成
(単行本単位・記事単位とも、所蔵・非所蔵とも)
成果物をWebで公開
“Terrorism in Southeast Asia” “Women and politics in
Asia”
Web Portal
“Tsunami Disaster Portal”
http://www.niaslinc.dk/gateway_to_asia/Asia_insights/Tsunami_disaster.asp
„
各国情報
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European Association of Japanese
Resource Specialist (EAJRS) (1)
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日本資料専門家欧州協会(European Association
of Japanese Resource Specialists: EAJRS)
1989年創設
ヨーロッパにおける日本研究者・司書等により、情
報交換・研究発表・ネットワーク形成等を目的として
創設されたもの。
年次集会(年1回)
ニュースレター発行
各種プロジェクト
(欧州内NC参加館による総合目録形成等)
http://akira.arts.kuleuven.ac.be/EAJRS/
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European Association of Japanese
Resource Specialist (EAJRS) (2)
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年次集会
ヨーロッパの
日本研究者
日本専門司書・学芸員・アーキビスト
(→東アジア担当司書・学芸員・アーキビスト)
北米の日本専門司書
NII・NDL・日文研・国文研関係者
日本の司書・研究者
日本書籍代理店関係者
2005年第16回年次集会
ルンド(スウェーデン) 76名参加
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European Association of Japanese
Resource Specialist (EAJRS) (3)
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ベルリン国立図書館の東・東南アジア資料バーチャ
ルライブラリー
フランスにおける研究図書館のUNICODE対応総
合目録構築プロジェクト(BULAC)
日文研と米国議会図書館との浮世絵デジタルアー
カイブ共同事業
北米日本語図書目録におけるローマ翻字に関する
研究
Directory of Open Access Journal (ルンド大学)
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European Association of Japanese
Resource Specialist (EAJRS) (4)
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「A step towards sharing of area related
information : Formation of JCAS」
→参加者との連携の提案
京都大学附属図書館の地域研究資料の紹介
京都大学東南アジア研究所の紹介
C-DATSの紹介(東京外国語大学)
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総括
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スタディ・ツアーの意義
参加者間交流
訪問先を含めたネットワーク形成
テーマへの深い理解(各自の今後に反映)
„
今後への提案
より研修の要素が強いプログラムの企画(例:資
料保存、マニュスクリプトを使った授業、各国の情
報リテラシー教育プログラム などへの参加)
図書館・文書館以外の情報共有・発信機関(新聞
社・出版社・図書館システム業者)の訪問し、情報
資源共有化に多角的にアプローチする
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