株式会社インベストメントブリッジによる当社のIRレポートを掲載

ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
Bridge Report
アドアーズ(4712)
会社名
証券コード
市場
業種
会長
所在地
事業内容
藤澤 信義会長
http://www.bridge-salon.jp/
決算月
HP
アドアーズ株式会社
4712
JASDAQ
サービス業
藤澤 信義
東京都港区虎ノ門 1-7-12 虎ノ門ファーストガーデン
ゲーム施設運営大手。Jトラスト系。パチンコホール向け設計、施工も。レンタ
ルビデオ進出
3月
http://www.adores.co.jp/
- 株式情報 -
株価
発行済株式数'自己株式を控除(
75 円
DPS'予(
120,535,980 株
配当利回り'予(
未定
EPS'予(
-
時価総額
ROE'実(
9,040 百万円
PER'予(
1.08 円
売買単位
10.9%
BPS'実(
69.4 倍
1,000 株
PBR'実(
77.29 円
1.0 倍
*株価は 2/22 終値。発行済株式数は直近期決算短信より'発行済株式数から自己株式を控除(。ROE、BPS は前期末実績。
- 連結業績推移 -
決算期
'単位:百万円、円(
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
2009 年 3 月(実)
27,500
915
645
2010 年 3 月(実)
26,034
848
637
2011 年 3 月(実)
25,945
263
74
2012 年 3 月(実)
21,847
1,002
931
2013 年 3 月(予)
20,000
400
300
EPS
353
DPS
7.82
7.00
270
5.91
7.00
-4,197
-39.77
0.00
920
7.94
1.00
130
1.08
未定
*予想は会社予想。
JASDAQ に株式を上場するアドアーズ株式会社の会社概要、2013 年 3 月期第 3 四半期決算概要について、ブリッジ
レポートにてご報告致します。
1. 会社概要
2. 特徴と強み
3. 2013 年 3 月期第 3 四半期決算概要
4. 2013 年 3 月期業績見通し
5. 今後の注目点
参考:中期 Vision・方針
1
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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今回のポイント
・首都圏を中心に全国 66 ヵ店のゲームセンター等の遊戯施設を展開・運営する、アミューズメント施設総合
開発企業。店舗等の設計・施工事業や、不動産事業も展開。シェアの継続的な拡大、独自の出店戦略、アミ
ューズメント以外への事業展開などが特徴・強み。J トラストグループの一員。
・13/3 期 3Q は厳しい外部環境を受け、アミューズメント施設運営事業は引き続き苦戦。設計・施工事業も震
災後需要の反動から減収となり、売上高は前年同期比 15.2%の減収となった。各種コストの削減を進めた
が、閉店による売上減や既存店売上の低迷などで営業利益、経常利益ともに大幅に減尐した。
・足元の既存店売上も低迷しており、13/3 期通期も減収・減益の予想。配当は未定。短期的には既存店動
向が最も注視されるが、今回の M&A により、主力であるアミューズメント施設運営事業および「第 2 の柱」と
期待される建築・不動産事業の強化がどの程度のスピードで顕在化してくるのか?も注目したい。
1.会社概要
首都圏を中心に全国 66 ヵ店のゲームセンター等の遊戯施設を展開・運営する、アミューズメント施設総合開発企業。
「夢と感動あふれる遊空間の提供を通じて、人々にうるおいと笑顔を運ぶ」という経営理念の下、アミューズメントカジ
ノやカラオケ等の様々なタイプのアミューズメント施設を運営している。また、各種商業施設の設計・施工や、不動産
事業も展開。シェアの継続的な拡大、主力であるメダルゲーム運営、アミューズメント以外への事業展開などが特
徴・強み。
筆頭株主は J トラスト株式会社'持株比率 32.95%(で、J トラストグループの一員。J トラスト株式会社の代表取締役
社長の藤澤 信義氏が、同社の代表取締役会長を務めている。
【沿革】
1967 年の創業以来、メダルゲームのパイオニアとして、また様々な革新的な取り組みによって業界をリードしてきた。
幾度かの筆頭株主の変遷の後、2012 年に J トラスト株式会社'大証 2 部、コード 8508(の連結子会社となり、J トラス
トグループの一員となる。
1967 年 12 月
1971 年 12 月
1972 年 7 月
1983 年 10 月
1985 年 7 月
1997 年 12 月
1998 年 11 月
2000 年 2 月
10 月
2002 年 5 月
2006 年 3 月
4月
8月
輸入娯楽機を中心としたゲーム機設置営業を目的として、株式会社シグマ'資本金 50 万円、東
京都世田谷区(を設立
新宿区歌舞伎町の東急文化会館新館内に同社 1 号店『ゲームファンタジア ミラノ店』開設
ゲーム機器の自社開発を開始
米国ネバダ州より国外'州外(企業としては初めてのゲーミングマシン'カジノ向け機械(製造業
者ライセンスを取得'株式公開準備のため 1991 年 5 月に返上(
東京都豊島区の池袋サンシャイン 60 通りに、当時の室内アミューズメント施設としては世界最大
級の床面積を誇る『ゲームファンタジア サンシャイン店』開設
東京湾横断道路アクアラインのパーキングエリア『海ほたる』内に、有料道路パーキングエリア内
では日本初の本格的アミューズメント施設として『ゲームファンタジア アクアライン店』開設
日本証券業協会'現大阪証券取引所 ジャスダック市場(に株式を店頭登録
アルゼ株式会社の資本参加によりアルゼグループ in
株式会社シグマ、株式会社テクニカルマネージメント、株式会社環デザインの 3 社が合併し、社名
をアドアーズ株式会社に変更
神奈川県横浜市に、アドアーズブランドでの第 1 号店『アドアーズ鶴見店』開設
GF 投資ファンド投資事業有限責任組合が筆頭株主となる
同社最大の床面積を誇る『アドアーズ錦糸町店』開設
アルゼ株式会社'現株式会社ユニバーサルエンターテインメント(より自己株式 1,800 万株を取得
'同グループ out(
2
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
2009 年 5 月
3月
11 月
2011 年 4 月
6月
2012 年 3 月
6月
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株式会社ネクストジャパンホールディングスとの資本業務提携を実施
株式会社ネクストジャパンホールディングスが第 2 位株主となる
中国人観光客に向けた銀聯カード対応サービスを主要繁華街型店舗 6 店舗にて開始
株式会社ゲオへのカプセル自販機設置業務一括受託に伴い、新規事業としてベンディング事業
を開始
資本提携先である株式会社ネクストジャパンホールディングスへの第三者割当増資により同
社が筆頭株主となる
J トラストグループの KC カード株式会社とレンタル業務における業務提携契約を締結
Jトラスト株式会社'大証 2 部:8508(が親会社ならびに筆頭株主になる
◎J トラストグループについて
J トラスト株式会社'以下:J トラスト(のもと、主として事業者向け金融、消費者向け金融、信用保証、クレジットカード、
サービサー、海外金融など幅広い金融事業を手掛ける一方、アミューズメント事業、不動産事業、IT システム事業、
総合印刷事業等も展開。
2012 年 7 月 1 日を効力発生日として、アドアーズ筆頭株主であった、株式会社ネクストジャパンホールディングス'以
下:NJHD(を吸収合併し、それに伴い J トラストがアドアーズの筆頭株主となる。
【企業理念・ビジョン】
「夢と感動あふれる遊空間の提供を通じて、人々にうるおいと笑顔を運ぶ」という経営理念の下、経営方針として以
下のような各ステークホルダーに対するメッセージを掲げている。
お客様のために
アドアーズは、お客様の様々な願い・夢をあたえるため“CREATE HAPPINESS (幸せ創造(”のプロフェッショナルとし
て夢と感動あふれる遊空間を提供し、お客様にうるおいと笑顔を運んで参ります。
社員のために
アドアーズは、社員一人ひとりの人間性と個性を尊重し、個人としての成長と発展が出来る企業風土を提供すること
で、社員であることをいつまでも誇りに思い、企業理念実現のため、努力し、挑戦し続けることができる環境を創造致
します。
株主のために
アドアーズは、理念の理解者であり、支援者である株主のために、透明性のある企業運営を推進し、健全な持続的
成長と社会における存在価値・企業価値向上に努めて参ります。
社会のために
アドアーズは、遊びの文化を守り、発展させるリーディングカンパニーとして、高い倫理観と規律の遵守を持って、地
域社会から愛され、信頼されるよう積極的な貢献活動を推進致します。
3
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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【事業内容】
主要事業は、アミューズメント施設運営事業'レンタル DVD・ビデオ事業、カプセル自販機の設置・運営事業含む(、
設計・施工事業、不動産事業の 3 事業となっている。
<アミューズメント施設運営事業>
売上高 18,029 百万円、セグメント利益 1,497 百万円、営業利益率 8.3%
'2012 年 3 月期実績。セグメント利益は調整前。(
同社の中核事業であり、北海道、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、和歌山県で 66 店のアミュ
ーズメント施設を展開。
近年の細分化する遊戯ニーズに対応するため、同社の強みであり、最も得意とするメダルゲームを中心に据えたゲ
ームセンターの他、レトロスロット・アミューズメントカジノ・カラオケなどの各種専門業態店舗も運営している。
2012 年 3 月期は出店 0、閉店 14 で合計 66 店舗。2013 年 3 月期 3Q 時点では出店 1、閉店 1 で合計店舗数は 66 と
前期末と変わらず。
◎アミューズメント施設:「アドアーズ」、「ゲームファンタジア」
最新のプリクラ、ビデオゲーム、高い人気を誇るクレーンゲーム、同社の得意とするメダルゲーム等をバランス良く取
り揃え、提供する中核業態。
北海道、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、和歌山県で 66 ヵ店舗を展開している。
◎カラオケ:「カラオケアドアーズ」
最新カラオケシステムを多数導入し、2012 年 8 月にオープンした秋葉原店では、一人カラオケ専用フロアも設置。楽
器レンタルも行っている。東京都で 2 店舗運営。
4
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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「カラオケアドアーズ 秋葉原店'3~10F(」
◎レトロスロット専門アミューズメント施設:「アド★スロ」
現在のパチンコ・パチスロホールで使えなくなってしまった、スロットを一堂に集めた、「レトロスロット」専門のアミュー
ズメント施設。過去流行した多数の人気台をアミューズメント仕様として取り揃えている。
東京都で 1 店舗運営。
◎アミューズメントカジノフロア:「addict」
テーブルゲームを楽しめる、「アミューズメントカジノコーナー」。同社第 1 号店舗であるアドアーズミラノ店 3 階'東京
都新宿区(で運営。カードゲームのほかに飲食も提供する。
◎メダルゲーム専門フロア:「メダルファンタジア」
同社が 1971 年に開設した第 1 号店舗「アドアーズ ミラノ店'旧ゲームファンタジア ミラノ店(」で。全てメダルゲーム
で構成した専門フロア運営している。
上記店舗運営の他、全国 17 ヶ所の営業拠点においてカプセル自販機の設置・運営事業を行っている。
DVD、CD レンタル・ゲーム販売の全国ネットワークを有する(株)ゲオホールディングスの店舗を中心に、約 800 店舗・
9,000 台弱のマシンを設置・運営している。
なお、2012 年 3 月に業務提携した KC カード株式会社との共同事業である CD・DVD レンタル事業は、人員・資材の
集中を図るため 1 号店として開店した店舗を 2012 年 10 月 31 日付で閉店した。
5
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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<設計・施工事業>
売上高 2,917 百万円、セグメント利益 113 百万円、営業利益率
'2012 年 3 月期実績。セグメント利益は調整前。(
3.9%
2000 年 10 月に合併した環デザイン社は、店舗のデザイン・設計・施工の豊富な実績を有しており、同年以降多くのア
ドアーズ店舗はデザイン・設計・施工までを自社にて行っている。
この自社店舗の開設で培った「エンターテイメント性」や「効率的な顧客誘導・動線」、「短納期」などの、同社ならでは
のノウハウを活かして、自社以外のアミューズメント施設やパチンコホールに加えて、各種飲食施設や娯楽・健康施
設、オフィスビルなど様々な建築物の設計、施工を手掛けている。
<不動産事業>
売上高 868 百万円、セグメント利益 17 百万円、営業利益率
'2012 年 3 月期実績。セグメント利益は調整前。(
2.0%
不動産開発・商業施設のサブリースなどを行っている。
アドアーズ直営のアミューズメント施設を核とした不動産開発や、商業施設のサブリース(転貸)事業、不動産のプロ
パティマネジメントなど、多様な不動産活用事業を展開している。
<その他事業>
売上高 31 百万円、セグメント利益 4 百万円、営業利益率
'2012 年 3 月期実績。セグメント利益は調整前。(
13.9%
パチスロ機周辺機器のレンタルを行っている。2013 年 3 月期第 1 四半期より、従来報告セグメントであった「レンタル
事業」が計画的な事業収束に向かっていることから報告セグメントに含まない「その他」へ区分している。
【市場環境と同業他社】
リーマンショックに端を発した景気低迷、個人消費の減退の影響でアミューズメント施設運営市場は淘汰・縮小が進
んでいる。
日本アミューズメント産業協会が発表した「平成 23 年度アミューズメント産業界の実態調査」によると、アミューズメン
ト市場の全体額は 2 兆 391 億円で前年に比べ 16%の減尐となっている。
分野別で見ると、オペレーション売上高は微減、業務用 AM 機製品販売はほぼ前年並み、家庭用ゲーム'ハード・ソ
フト(販売高が大きく減尐という内訳になっている。
'日本アミューズメント産業協会「平成 23 年度アミューズメント産業界の実態調査」より(
6
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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オペレーション分野に関しては、売上、設置台数、店舗数とも 2~3%程度のマイナスとなっている。
ただ、1 店舗当たりの売上高は前年を上回っており、不採算店の閉鎖が進む中でも企業の努力により店舗運営の効
率化は進んでいるようだ。
しかし、アミューズメント施設運営市場が傾向的に縮小していることは明確で、今後も競争は激しくなっていくことが予
想され、同社の基本戦略も残存者利益の享受となっている。
関連企業をウォッチする際には「シェアアップのための差別化戦略」に加えて、「勝ち残るための企業体力」、「アミュ
ーズメント以外の分野への展開力」などがキーポイントとなるだろう。
2.特徴と強み
先述のように、トレンドとしてアミューズメント施設運営市場は、縮小することが避けられない見通しだが、そうした中
でも同社は、下記のような特徴・強みによって、勝ち残りを図り、残存者利益の獲得を目指している。
① 安定的なシェア拡大
同社の調べによると、アミューズメント施設運営市場が 2008 年から 2012 年にかけ 3 割縮小する中で、同社の業界全
体におけるシェアは 2.8%から 3.8%へ、上位 6 社におけるシェアも 5.5%から 7.4%に上昇している。
② 首都圏駅前立地と既存会員顧客網
シェア拡大の背景の一つには同社の出店戦略が上げられる。
同社の 66 ヶ店のうち 58 ヶ店、9 割弱が首都圏の駅前立地となっている。業界上位の平均は 50%程度であることと
比較すると大きな特徴である。
集客力や効率性に優れていることに加え、首都圏駅前立地店舗の運営ノウハウの蓄積も、同業他社に対する優位
性となっている。
また、人口の多い首都圏で店舗展開を行っていることに加え、2006 年に会員制度を刷新したことで会員顧客数は着
実に拡大。2008 年 3 月には 35 万人だった会員数は 2012 年 11 月には 70 万人に達している。
この顧客網を有効に活用し、ニーズを汲み上げサービスの更なる向上に役立てるほか、新たな新規サービスの開
発・展開に際しての重要な顧客資産になるものと考えている。
③ 新規顧客獲得の先駆的存在
縮小が予想されるアミューズメント施設運営市場だが、同社の調べによればゲームセンターへの来場人口は増加し
ている。1980 年代半ばの「スペースインベーダーブーム」終息後には約 1,000 万人だった来場者数が、直近では
3,000 万人と国民およそ 3 人に 1 人が楽しむ日常的な娯楽となっている。
また、60 歳以上のゲームセンター来場比率は 2002 年度の 2.5%から 2010 年度には 6.3%へと上昇している。
これは 1970 年代後半から 1980 年代のスペースインベーダーブーム時に 20~30 代だった層が、ゲームセンターが
明るく入り易くなったこともあって足を運ぶようになったことが理由と考えられている。今後は 1990 年代に流行したフ
ァミコン世代'当時 10~30 歳(の来場も見込まれ、人口減尐の中でも当面はゲームセンター来場率の上昇が期待で
きると同社では考えている。
そこで、こうした 50 歳以上の新規顧客獲得に関しても積極的に取り組んでいる。
メディアへの露出を増やして認知度を向上させる一方、接客サービス水準の向上や付加価値の高いシニア向けサー
ビスの提供により、来場したシニアをリピーターとする考えだ。
こうした取り組みにより、全会員における 50 歳代以上の構成比は 2009 年 2 月の 9%から 2012 年 6 月には 15%へ
と 6 ポイント上昇している。
同期間における会員増加率も 50~69 歳で*152%、70 歳以上で+211%と顕著な伸びを示しており、これは業界平均
の約 2 倍の数字ということだ。
他にも銀聯カード'中国で発行されているクレジットカード(への対応や、英文ガイドの設置など、外国人向けサービ
スにも着手しており、新規顧客獲得を積極的に進めている。
7
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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④ アミューズメント以外への事業展開
設計・施工事業の売上構成比は 2012 年 3 月期で約 13%とまだ小さいが、アミューズメント施設運営事業と顧客層が
異なることから、短期的な景気サイクルにおいてのみならず、先述のようにアミューズメント施設運営市場が縮小し
競争激化が想定される中長期トレンドにおいても、より安定した売上、利益をあげるための重要な事業だ。
また、自店舗開発で培った「運営をも見据えた設計・デザイン力」が顧客から高く評価され、遊戯施設などアミューズ
メント関連のみならず、飲食店等顧客層は広がりを見せており、前 2012 年 3 月期の新規顧客獲得数は、前年比約 3
倍となっている。
⑤ J トラストグループとしてのシナジー効果
今回 J トラストの子会社 2 社を完全子会社化したように'説明は後述(、グループ力を活かした新規事業への展開力
などシナジー効果が期待できる点も、同社の今後を見る上で重要なポイントだ。
藤澤会長は、アミューズメント施設運営という枠に限定することなく、不動産、金融といった J トラストグループの強み
を活かした事業展開を目指してきたいと考えている。
3.2013 年 3 月期第 3 四半期決算概要
'1(業績'累計(
'単位:百万円(
12/3 期 3Q
売上高
構成比
13/3 期 3Q
構成比
前年同期比
17,127
100.0%
14,526
100.0%
-15.2%
売上総利益
2,585
15.1%
1,803
12.4%
-30.3%
販管費
1,631
9.5%
1,490
10.3%
-8.6%
営業利益
954
5.6%
313
2.2%
-67.2%
経常利益
880
5.1%
285
2.0%
-67.5%
四半期純利益
938
5.5%
456
3.1%
-51.4%
不採算店閉鎖と既存店売上減で減収・減益
軟調な消費傾向、震災後の節約志向など厳しい外部環境を受け、アミューズメント施設運営事業は引き続き苦戦。
設計・施工事業も震災後需要の反動から減収となり、売上高は前年同期比 15.2%の減収となった。
利益面では、各種コストの削減を進めたが、閉店による売上減や既存店売上の低迷などで営業利益、経常利益とも
に大幅に減尐した。
'2(セグメント別動向
'単位:百万円(
売上高
12/3 期 3Q
アミューズメント施設運営事業
セグメント利益
13/3 期 3Q
増減率
12/3 期 3Q
13/3 期 3Q
増減率
13,806
12,299
-10.9%
1,276( 9.2%)
748 ( 6.1%)
-41.4%
2,636
1,596
-39.4%
127( 4.8%)
40( 2.5%)
-68.6%
657
619
-5.8%
21( 3.3%)
9( 1.5%)
-56.9%
その他
26
10
-59.3%
5(19.7%)
6(61.6%)
+27.3%
調整額
-
-
-
-477
-491
-
17,127
14,526
-15.2%
954( 5.6%)
313( 2.2%)
-67.2%
設計・施工事業
不動産事業
3Q 損益計算書計上額
)カッコ内は営業利益率。
<アミューズメント施設運営事業>
売上高は、不採算店舗の閉鎖のほか、顧客単価の減尐や在客数低迷で既存店売上が 9 月以降前年を 1 割程度下
回る状況が続き、前年同期比 10.9%の減収となった。
セグメント利益も同 4 割の減益となった。
8
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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◎既存店売上高の前年同月比推移
2012 年
2013 年
4月
5月
6月
7月
8月
9月
93.8%
93.3%
95.3%
92.5%
92.6%
90.7%
10 月
11 月
91.9%
12 月
90.9%
90.7%
1月
90.3%
こうした環境下、下記のような施策を進めた。
)2012 年 10 月、現状のメダルマシン、遊戯スタイル、ニーズに合わせ、提供するメダル会員サービスを 6 年ぶりに
刷新した。従来のヘビーユーザーに重点を置いたサービスから、ライト~ミドルユーザー層の育成にシフトする。
)全アドアーズ店舗での合同イベント「アドアーズ設立 45 周年記念イベント」を 12 月上旬より展開したほか、有名キ
ャラクターとコラボレーションしたプライズゲームイベントや、人気アニメコンテンツとのコラボイベントなども積極的に
提供し、ライトユーザー層の取り込みに重点をおいた集客戦略を展開した。
)2012 年 10 月からは公式ツイッターを開始したほか、立地・戦略上注目度の高い新店「カラオケアドアーズ秋葉原
店」を軸とした多数のメディアを活用した販促・広報戦略も推進した。
<設計・施工事業>
強化した社内デザイン体制を強みとし、企画・設計から施工までのトータルプロデュースができる提案型営業を積極
的に展開することで、継続して新規パチンコホール案件を獲得することができたが、震災後需要が集中した前年上
半期における施工高を埋めるには至らなかった。また、競争激化から利益率が低下した事、案件のずれ込み等によ
り減益となった。
<不動産事業>
テナントリーシング件数は堅調に推移し、管理不動産物件の入居率は概ね計画通りに推移したものの、一部テナン
トからの減額要請もあり、減収・減益となった。
'3(財政状態及びキャッシュフロー
<財政状態>
'単位:百万円(
12/3 月末
12/12 月末
12/3 月末
現預金
3,364
2,187
買入債務
売上債権
1,279
769
流動資産計
5,491
3,933
AM 施設機器
3,086
2,988
建物
1,914
1,910
固定負債計
土地
1,306
1,134
負債合計
有形固定資産計
6,530
6,247
純資産合計
投資その他の資産計
7,340
6,899
固定資産合計
14,420
資産合計
19,911
短期有利子負債
流動負債計
長期有利子負債
12/12 月末
3,048
2,487
5,291
1,133
9,419
4,397
534
2,806
1,174
3,570
10,594
7,967
9,316
9,594
負債純資産合計
19,911
17,562
13,629
有利子負債合計
5,826
3,940
17,562
自己資本比率
46.8%
54.6%
引き続き、効率的な投資、不採算資産の圧縮などによる資産のオフバランス化と、無借金経営に向けた有利子負債
の圧縮による財務体質の健全化を進めた。
有利子負債残高については、2009 年 3 月期の 16,150 百万円から 3Q 期末は 39 億円へと順調に圧縮が進んでおり、
前 2Q 比でも約 4 億円減尐した。また、前回レポートでも記したように、2012 年 6 月末において短期借入中心から、
大半を 5 年長期借入へリファイナンスすることができたため安定性が向上している。
自己資本比率は前 2Q 比 3.3 ポイント上昇の 54.6%となった。
9
ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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4.2013 年 3 月期通期業績見通し
'1(通期業績
'単位:百万円(
12/3 期 実績
売上高
構成比
13/3 期 予想
構成比
前期比
3Q 進捗率
21,847
100.0%
20,000
100.0%
-8.5%
72.6%
営業利益
1,002
4.6%
400
2.0%
-60.1%
78.3%
経常利益
931
4.3%
300
1.5%
-67.8%
95.0%
当期純利益
920
4.2%
130
0.7%
-85.9%
350.8%
四半期毎業績推移
'単位:百万円(
1Q'4-6 月(実績
売上高
2Q'7-9 月(実績
3Q'10-12 月(実績
4Q'1-3 月(予想
4,966
4,701
4,859
5,474
営業利益
274
123
-84
87
経常利益
246
124
-85
15
当期純利益
287
108
61
-326
通期見通しに変更なし。4Q のリカバリーを図るも、減収・減益へ。
通期の見通しに変更はない。4Q は 3Q'10-12 月(の営業損失からのリカバリーを図るが、利益は低水準に留まる見
通し。有利子負債の圧縮も順調に進んでいるが、足下の収益状況を考慮し、現時点では配当は未定としている。
◎主な取り組み
アミューズメント施設運営事業においては、以下の様な取り組みを進めていく。
)シニア層やソーシャルゲーム等で新たにゲームに接した新規顧客を取り込むべく、引き続き PR 活動や有力コンテ
ンツとのタイアップ、独自商品の開発に注力する。
)各種新規入会キャンペーンや直近でも人気の高かったイベントをブラッシュアップするなど、新規顧客層への提
案・訴求の強化を図る。
)第 6 回目となる接客コンテストの実施等を通じて、環境面の充実努める。
また、他の事業においては、部門間の垣根を越えた連携をさらに推し進め、新規案件の獲得と収益性の向上を図る。
管理部門も含めた全社的な店舗支援体制の強化と合理化策を継続して進めていく。
加えて、外部有力企業とのアライアンスの強化や J トラストグループ企業との更なるシナジー効果の最大化を図り、
収益の拡大につなげていく。
'2(トピックス
◎J トラスト(株)の 2 子会社を完全子会社化
同社は、J トラスト(株)の子会社 2 社、キーノート(株)と(株)ブレイクを 2013 年 3 月 12 日を効力発生日とし、株式交換
により完全子会社とすることを 2013 年 2 月 18 日開催の取締役会で決議した。
<目的>
①AM 施設運営事業におけるプライズジャンルでの商品力の強化・収益体質の改善
プライズゲームジャンルは同社のアミューズメント売上の 1/4 を占め店頭集客の要であるが、個人消費の低迷により
顧客単価の減尐が長期化するという現在の外部環境下、顧客ニーズに対応するためのアミューズメント機器の高性
能・高額化によるコスト増やヒットマシンの減尐により、アミューズメント施設運営事業の収益は大変厳しい状況とな
っている。そのため、同ジャンルの強化は急務であり、収益性改善のため、極めて重要な課題となっている。
同社はプライズ景品をブレイク社から一括して仕入れており、またオリジナル景品の共同開発も行っている。
今回の完全子会社によって同社が持つ全店舗のシステムや売上データをタイムリーに共有化することができ、商品
開発や提供状況の深化・効率化が図れるものと考えている、
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ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
http://www.bridge-salon.jp/
また連結会計上、年間数億円規模でのプライズ景品コストの減尐も見込むことができる。
<(株)ブレイク概要>
2012 年 7 月期
売上高
2,947
営業利益
157
経常利益
103
当期純利益
85
純資産
220
総資産
1,848
②建築・不動産事業の強化
建築不動産事業においては今期から新役員体制の下、アミューズメントの店舗開発や運営で培ったノウハウ、物件
開発から設計・デザイン・施工まで一気に行える総合力、デザイン力を武器に昨年の 2 倍以上の新規顧客を獲得し
てきたが、利益率向上の観点からスケールメリットの追求や協力会社の更なる発掘が不可欠と認識している。
そこで、戸建分譲事業を中核事業とするキーノート(株)と連携することにより、物件開発力、デザイン力の強化はもと
より、規模の拡大によるコスト競争力の強化が可能と考えている。
また両社のノウハウの融合により、住宅、商業施設双方に対応可能な的確なソリューションを両社の顧客に提供す
ることが可能であり、更なる受注拡大につなげたいとしている。
<キーノート(株)概要>
2012 年 3 月期
売上高
2,651
営業利益
51
経常利益
21
当期純利益
7
純資産
723
総資産
1,889
以上 2 件の完全子会社によって同社は J トラストグループにおける不動産事業およびアミューズメント事業の中核を
担うことになる。また J トラストの同社議決権所有割合は約 43%まで引き上げられる見込みであり、同社と J トラスト
の関係は一段と強化される。そうした関係強化をベースに、J トラストグループが保有する様々な経営資源を有効に
活用して、企業価値の向上を図りたいと同社は考えている。
6.今後の注目点
2012 年後半より円安・株高の進行など外部環境に明るさも見え始めているが、AM 施設運営事業の 2013 年 1 月の
既存店売上高は前年比 90.3%と依然として厳しい状況が続いている。
短期的には既存店動向が最も注視されるが、今回の M&A により、主力であるアミューズメント施設運営事業および
「第 2 の柱」と期待される建築・不動産事業の強化がどの程度のスピードで顕在化してくるのか?も注目したい。
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ブリッジレポート'4712( 2013 年 3 月 5 日
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<参考:中期 Vision・方針>
◎基本方針&事業戦略
以下の「経営方針」と「行動指針」を掲げている。
1「経営方針」
① 基本に忠実に
② 変化に敏感で
③ 多角的な視野で
2「行動指針」
① 常にプラス思考
② プロとして基本を学び、当たり前のことを当たり前に
③ Never Give Up の精神
この基本方針の下、以下 4 つの事業戦略を推進する。
①
②
③
④
財務体質安定化を継続し、数年先には実質的な無借金経営を目指す
主力アミューズメント施設運営事業における、リアル店舗の強みを活かした集客施策と事業の推進
建築不動産事業本部における、新規受注先の拡大・強化
グループ内シナジー強化と、新たな収益機会の創出に向けた新規事業の積極的な研究・展開
◎中長期の目標
中長期のスパンで以下 3 つの目標達成を目指す。
)経常利益率 10.0%'2013 年 3 月期予想 1.5%(
)ROE10.0%'2013 年 3 月期予想 1.4%(
)アミューズメント施設運営専業オペレーター No.1
'目標達成のための施策(
・老若男女、世代間を越えて楽しめる「次世代アミューズメント施設」の開発に向けた各種サービス・集客施設展開
・不動産開発から設計デザイン力とファイナンスのバックボーンを有効活用した効率的な受注案件の拡大
・リファイナンスの実施によって、先行投資の掛かる主力のアミューズメント施設運営事業をはじめ、各事業における
長期的施策展開の可能性
◎今後の方針
以上に掲げた方針の下で、戦略、施策を展開し、『消費の上流から下流までを網羅した B to C ビジネスへの昇華』
を目指す。
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