狂犬病ワクチンの考え方と対処法《2016》

狂犬病ワクチン
狂犬病ワクチンの考え方
ワクチンの考え方と対処法
の考え方と対処法《
と対処法《2016
2016》
2007 年に国内で 36 年ぶりの狂犬病が2例、続けて報告されました。2例ともフィリピ
ンで犬に咬まれましたが、狂犬病に対する認識がなかったために、咬傷後のワクチン接種を
していませんでした。このようなケースは今までにも幾つかあったかもしれませんが、今回
は主治医の的確な判断によりたまたま診断されたと考えています。
狂犬病は、日本やニュージーランドや英国など検疫のしっかりした一部の島国以外、ほぼ
全世界で発症しています。狂犬病ウイルスに感染した、犬・猫・狐・コウモリなどの哺乳類
に咬まれたり、傷口をなめられたりして人に感染します。咬まれてから発病までの潜伏期は、
週間から2
ヶ月〔通常は約1カ月〕
〔通常は約1カ月〕さらには数年に及ぶものなど
さらには数年に及ぶものなど様々です。発病した
約1週間から
2-3ヶ月
〔通常は約1カ月〕
さらには数年に及ぶものなど
ら、もはや治療法はありません。致死率
100%
致死率 100
%です。運よく救命できても植物状態です。
咬まれたら発病する前に、できるだけ早くワクチン接種〔曝露後接種〕を始めます。通常
は咬まれた当日から
咬まれた当日から((遅くとも
遅くとも7
日以内に))接種し始め、その後は初回接種から
接種し始め、その後は初回接種から3
、7日、
咬まれた当日から
7日以内に
3日、7
日、
日、30
日後に接種します。日本の基準では
接種します。日本の基準ではさらに
日後に6
回目を追加することもあ
14 日、
30 日後に
接種します。日本の基準では
さらに 90 日後に
6回目を追加
ります。狂犬病の危険が高いときは初回接種時にヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)を受傷
部周囲に接種しますが、残念ながら日本では手に入りません。また年齢によっては、同時に
破傷風トキソイドまたは DPT
《破傷風ジフテリア百日咳》3種混合または4種混合(DPT-IPV)
ワクチンの接種も必要です。昭和 44 年以降生まれで、DPT 世代の人は 1 回で十分です。
狂犬病ワクチンは、
狂犬病ワクチンは、基本的に
ワクチンは、基本的には
基本的には咬まれてから接種する治療
咬まれてから接種する治療ワクチン
治療ワクチンです。事前に接種する
ワクチン
こともできますが〔暴露前免疫〕、咬まれたら必ず数回の追加接種が必要です。
曝露前接種は3回で基礎免疫です。日本では 2-4 週間後に2回目、6ヵ月後に3回目です。
これは半年以上、続けて国内いるなら可能ですが、非現実的で推奨できません。WHO
WHO 方式
では1
2-3 回
では1週間後と3
週間後と3週間後の
週間後の3回接種します。基礎免疫があれば1週間程度遅れても
回接種
の追加接種〔2 年目までは 2 回、それ以降は 3 回〕だけで大丈夫といわれています。基礎免
疫が間に合わず 1-2 回までの不完全な接種ならやはり5回の追加接種が必要です。ワクチン
が手に入る地域に出かけるなら暴露前接種は不要です。咬まれたら直ぐに現地の医療機関を
受診して、傷口の処置とワクチン接種を始めて下さい。なお基礎免疫が済んでいれば 3(-5)
年間は有効ですので、必要な方は 2-3 年に1回追加接種してください。狂犬病の研究者など
ハイリスク者は WHO 方式 3 回後の 1 年後にも追加して、常に免疫を高めておきましょう。
中国・タイ・マレーシア・ベトナム・スリランカなど多くの地域では都市部に出れば手に入り
ます。インドネシア・フィリピン・インド・ネパールなどの南西アジア・インドシナ諸国や中南
米やアフリカまた中近東などでも首都や主要都市に出れば大丈夫でしょう。紛争地域や町に
出るのに数日かかるような奥地へ出かける時は曝露前接種もしっかり準備ください。勿論、
欧米などの先進国では手に入りますので、直ぐに地元の医療機関を受診して、指示に従って
曝露後の対応をすれば心配ありません。若者などの冒険旅行や野生動物の調査、洞窟探検や
トンネル工事など、さらに世界一周旅行などは曝露前接種を考慮ください。渡航先で頻繁に
出張が入り、都市部に滞在できないような場合も検討ください。
海外では飼い犬を含めて動物には
動物には極力触れない、
極力触れない、咬まれない
咬まれないことと、咬まれたら直ぐに洗
動物には
極力触れない、
咬まれない
直ぐに洗
剤で良く洗浄し
浄し、早々に
、早々に町の病院
町の病院を
必ず受診
受診してください。傷口の処置とワクチン接種を始
剤で良く洗
浄し
、早々に
町の病院
を必ず
受診
めます。流行地では通常は現地の病院で対応可能です。北米・中南米
北米・中南米は
北米・中南米は、狂犬病発症の大多
狂犬病発症の大多
数がコウモリ
コウモリから感染していますので、危険を感じたら地元の医療機関に相談してください。
数が
コウモリ
なお、日本
日本国内の犬や猫や
国内の犬や猫やコウモリ
コウモリは大丈夫
は大丈夫ですので、冷静に対応してください。
日本
国内の犬や猫や
コウモリ
は大丈夫
2016.9 名鉄病院予防接種センター