「モデルベース開発手法によるスマートハウス電源 制御システムの開発」 dSPACE Japan 株式会社 代表取締役社長 有馬 仁志 2010年8月3日 タイトル「第1回オープンクラス(公開講座)」 主催 東海大学専門職大学院組込み技術研究科 (共催:組込みスキルマネジメント協会) 日時 8月3日(火)13:00-17:00 場所 高輪キャンパス 目次 環境指向時代の到来 車載エレクトロニクス開発の現状 モデルベース開発の必要性 モデルベース開発:自動車業界20年の軌跡と実績 開発フェーズとツール ラピッドコントロールプロトタイプ 量産コード自動生成 HILシミュレータ 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ 開発・適用事例 まとめ 2 環境指向時代の到来 環境指向時代の到来 ∼世界市場動向∼ 世界のあらゆる地域で温室効果ガスの大幅削減に向け、再生可能エネルギーへの転換が加速 している アメリカ 2012年までに電力供給量の 10%を賄い、2025年までに 25%を賄う メキシコ 2012年までに電力供給量の 25%を賄う EU 2020年までに全電力消費量 の20%を賄う チリ 2010年までに電力供給量の 5%を賄う 新エネルギー市場は2005年頃から 急成長を続けている 2008年 20兆円 規模 2020年 76兆円 規模予想 2030年 100兆円規模予想 アメリカではグリーン・ニューディール政策の一環として、2030年までに ARRA(American Recovery and Reinvestment Act)をはじめ、電力関連へ 計 1.5兆 米ドル(約135兆円)の巨額投資を行う試算がある 米 Brattle Group試算 4 環境指向時代の到来 ∼世界市場動向∼ このような世界動向は日本においても例外ではない 2030年までに電力供給量の50%以上を再生可能エネルギーと原子力発電に 太陽光発電量を2005年比で2020年までに約20倍、 2030年までに約40倍に 再生可能エネルギーの大量導入は必至 2次電池とセンサー制御を駆使した次世代電力網 の構築が鍵を握る スマートグリッド 5 環境指向時代の到来 ∼スマートグリッド∼ 再生可能エネルギーは気象条件により発電量が大きく変動するため、従来の発電に比べ扱い難く高率の再生可能エネルギーを 導入すると現在の電力系統に支障をきたす(周波数変動、逆潮流) スマートグリッド を構築し、 発電側と負荷側を最適制御することで、電力品質の安定を維持する必要がある <主要な具体策> 集中型・分散型電源の出力を、大容量2次電池でバッファして安定化させる 需要家側の要求をネットワークにより接続したセンサで監視・制御する 需要家 スマートメーターによる電力の見える化を促進する 電気・情報 集中型電源 送配電ネットワーク 分散型電源 6 環境指向時代の到来 ∼日本の電力事情∼ スマートグリッドが描く将来像はまだしも、各国の電量事情から 実現へ向けたプロセスは異なる 日本では米国と異なり、既にスマートな電力系統を構築している 再生可能エネルギーの導入で比較した場合 ー日本は再生可能エネルギーの導入量が各国に比べ少ない 2007年における総エネルギー使用量にしめる割合 (日本:2% アメリカ:2.5% イギリス4% ドイツ10% スペイン10% デンマーク27%)程度 真にスマートな電力供給網は再生可能エネルギーを有効活用し かつ電力の安定供給が可能なシステムのはず 日本既存の電力系統では再生可能エネルギーなどの不安定な電力を 1000万kW程度しか吸収出来ないと推定されている 日本版スマートグリットとそれに至るプロセスを早急に検討 する必要がある 7 環境指向時代の到来 ∼日本版スマートグリッド∼ 我が国日本では、 電力を監視するセンサや通信ネットワークが配電網に導入済み 小規模な太陽光発電のような分散型電源の導入が急速に進む見通し であることから、電力事業者が需要家の負荷を制御するのではなく、蓄電池の配置に関して前向き である 需要家毎に蓄電池を 配電網 変電所 設置し、建物内で負荷 制御を完結させエネル ギーの最適化を図る 電力会社でなくとも 事業展開が可能 配電用の変電所に 蓄電池を配置することで、 需給バランスを最適化する 大容量 蓄電池 8 環境指向時代の到来 ∼住宅内エネルギー最適化∼ 電力供給に従来の交流だけではなく、直流も利用し高効率を 実現するいわゆる「直流ハウス」も話題を集めている 太陽電池 DC−DC コンバータ 双方向AC−DC コンバータ スマートエナジー研究所 では双 方向AC/DC、DC/DCコンバータで 構成される機器を接続した住宅 内エネルギー最適化のグランドビ ジョンを策定している 双方向DC−DC コンバータ 負荷 通信 資料提供:スマートエナジー研究所 蓄電池 EV AC DC 9 環境指向時代の到来 ∼環境ビジネスにおける主役∼ このような状況から、今後以下の分野が活性化すると考えられる スマートグリッド 太陽電池 蓄電池 家電 セキュリティ メーター ICT 風力発電機 インフラ 建物 電気自動車 各ドメインは有機的に結合しており、総じて加速的に市場が拡大する可能性を秘めている 10 環境指向時代の到来 ∼事例:長崎県五島プロジェクト∼ 三菱自動車は長崎県五島列島と提携し、同社電気自動車i-MiEVのレンタカーを100台配置する 急速充電駐車場や次世代ITSビーコンを島内に配備することで、観光用途として 公共交通手段とEVレンタカーの連携 ITSを用いたオプショナルツアーへの誘導 ITSを用いた自動代金決済 の実証試験を行う EV・ITS Google Map, SK M&C, ZENRIN 11 環境指向時代の到来 ∼事例:浮体式洋上風力発電∼ 佐世保重工業(株)、京都大学、戸田建設(株)、日本ヒューム(株)は 浮体式洋上風力発電施設用プラットフォームを共同で開発し、1/10モデルの実海域実験で その有効性を確認したことを発表した 現在、日本の電力供給における風力発電の割合は少ないが、 日本は世界第6位の排他的経済水域を保有する 洋上は風況が陸上より好ましい 設置に関して浮体式は着底式に比べ、水深の影響を受けにくい 2MW級 実物大イメージ ことから、海洋資源を有効活用するための技術として注目を集めている 実海域実験 12 環境指向時代の到来 ∼事例:環境省が洋上風力発電の実証実験を始める∼ 環境省は「浮体式」洋上風力発電の実証実験を始める 「浮体式」を採用することで風車の土台を海底に固定する 「着床式」に比べて、深い海域を含む5倍以上の場所に 導入が可能となる。2000キロワット規模を想定し、環境省 は20億円を拠出する。 建設や性能を評価する企業・大学を募集し、地上への送電 に関する研究は、住友電気工業と日立電線が出資する ジェイ・パワーシステムズと海上技術安全研究所が実施する。 出典:日本経済新聞 日本は国土が狭く、風力発電機設置の場所を確保することが難しい。洋上での設置場所を確 保するため、浮体式の技術開発は急務であり、注目されている。 13 環境指向時代の到来 ∼事例:ニューメキシコ日米合同実証∼ NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構) ニューメキシコにおける日米共同実証研究プロジェクトの公募を募る 事前調査委託先 31社 伊藤忠商事、NTTファシリティーズ、シャープ、清水建設、財団法人電力中央研究所、 東京ガス、東芝、日本電気、パナソニック、日立製作所、富士通、富士電機システムズ、 三菱重工、三菱電機、など 各社の思惑 1. 国内とは異なる環境での各種装置の性能や、国内では規制等で実施困難な技術を評価することで日 本におけるスマートグリッド研究開発に知見をフィードバックする 2. 日本のエネルギー機器を実系統へ導入実証し、米国をはじめとする世界展開への足掛かりとする 3. 今後早急に進むと予測されるスマートグリッド標準化活動に資することが期待できる 実証課題 ロスアラモス郡におけるマイクログリッド実証 ロスアラモス郡におけるNEDOスマートグリッドハウス実証 14 「スマートコミュニティ・アライアンス」設立 電気や自動車、電力など287の企業・団体と経済産業省から成る 官民協議会「スマートコミュニティ・アライアンス」が設立された。事務局はNEDOが務める。 スマートコミュニティ関連市場に日本企業が積極的に参画出来るよう共通の課題に官民一体で取り組むことで 、日本の技術力を核としたスマートグリッドの早期実現に向け邁進する。 「スマートコミュニティ・アライアンス」設立総会の様子 出典:NEDO Webサイト 同アライアンスは、米国でIBMやゼネラル・エレクトリック(GE)など民間企業が参画しスマートグリッドの普及を 模索するグリッドワイズアライアンスとの連携を決定した。 日米で技術開発や標準化活動を展開していく計画だ。積極的に日米合同セミナーを開催し、今秋には米国の「 グリッドウィーク」でワークショップを展開することが決まっている。 15 日本型スマートグリッドの構築と海外展開を 目指す国家プロジェクトが始動 経済産業省はスマートグリッドの大規模な実証事業を行う 4箇所の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」を選定・発表した 横浜市 愛知県豊田市 けいはんな学研都市 トヨタ自動車、新日鉄、アクセンチュア、 東芝、パナソニック、日産自動車、 電力会社、ガス会社をはじめ有力企業が 多数協力する 北九州市 全国5000世帯で実証実験を行い、総事業費は5年で1000億円 • 大規模な再生エネルギーの導入 • エネルギーマネジメントシステムの確立 • 電力系統と地域システムとの相互補完 • 大幅な省エネ、CO2削減 • 2000台のEVを導入・実証 • 新しいライフスタイルの提案 等 日本版スマートグリッドの構築 確立した技術を世界へ売り込む 16 車載エレクトロニクス開発の現状 増大する制御ソフト 制御ソフト: 200万ステップ? 400万ステップ? 本体700万+ナビ1000万 出典:日経エレクトロニクス =中規模銀行基幹システム 2004年11月号 出典:トヨタ自動社ホームページ 18 車載エレクトロニクスの現状 ハイブリッド/燃料電池 ディーゼル ガソリン 4∼16気筒 MPI、GDI ターボチャージャ F1 4∼12気筒 ターボチャージャ コモンレール 磁気インジェクタ 圧電インジェクタ 乗用車およびトラック ガソリン&ディーゼルHEV 燃料電池コントローラ 配電 ACC インストルメントクラスタ 車体制御ユニット エアコンディショニング エアバック ... 車両エレクトロニクス エンジン トランスミッション ビークルダイナミクス ブレーキシステム ABS、ASR ビークルダイナミクス制御 (ESP) 電子制御パーキングブレーキ CDC、エアサスペンション 自動ステアリング アクティブボディコントロール 電気油圧式ブレーキ オートマチックトランスミッション CVT 自動マニュアルトランスミッション ダブルクラッチトランスミッション 4WDトランスファ 19 車載エレクトロニクス開発の問題点と対策 車両作製コストにおける電気/電子機器割合 o iti n ig l ro t n co l d n s n ro t ll e o i ke tio n s s o a c o r r t c is n je br to m m in on tio ine its c s i e ca t c l n t i c n n s c g u u e d e ra tra ctio sy in bl inj ire en ol d r a d c c t t c i e ic n e k ni ni je on hy in up ron tron ni tro ng ro el in ati co ro l t t o a t o k r tr ec w o ec ec s vig SP ec ec as st lo Je El E El DieNa El Lo El G El a G c D re Fo 60 Percentage of Manufacturing Costs n 55 • 電子技術の貢献により15年でその価値が20%から40%も向上 50 45 • 電子技術の躍進により増え続ける機能 (商品の差別化) • 40単体ECUで実現 35 • 複数ECUで統合的に実現 30 • 巨大化、複雑化するシステム 25 • 20レクサスLSのソフトウェアは車両制御で700万行、情報系も含めると1700万 Exhaust 行。ECUは100個使用されている。 legislation 15 42-V board net 10 Electronics ⇒ いかに効率良く高品質な物を作りあげるか?(時間、コスト、品質) Electrics 5 0 1965 1970 1980 1990 2000 2010 http://www.cs.tu-bs.de/ips/mutz/papers/HDT_STEP-X.pdf 20 車載エレクトロニクス開発の問題点と対策 市場における車両トラブルの種類 ⇒ 電子システムが55%を占める。 電気/電子システム 32.1% 14.0% イグニッションシステム* 11.7% エンジン 8.2% ラジエータ/クーリングシステム 車輪またはタイヤ 7.0% 燃料システム 6.3% インジェクションシステム* 6.1% ギア/トランスミッション シャーシ* その他 5.5% * 電子制御機能を含む 4.0% 5.1% データ: German Automobile Association (ADAC) 21 車載エレクトロニクス開発の問題点と対策 個々のECUでは問題無いが、統合したときに問題が起きる 電源電圧変動に伴う個々のECUのリセット、Wake−Up/Sleep ネットワークマネージメントCANメッセージによるWake-Up/Sleep 複数のECUにて実現される機能 個々のECUの相互依存(閉ループでの機能) 他のECUの情報(例えばCAN上の情報)によって影響をうける機能 センサー情報が他のECUより供給される場合 個々のECUのダイアグノステックエラーによって機能を切り替える必要が有る場合 個々のECU検証HILSと統合システムのHILSを効率良く実現したい。 拡張性の有るHILSシステムが必要 22 モデルベース開発の必要性 自動車制御系開発への要求 社会から求められること 高効率、安全性、快適性、環境問題対策 システムの高機能化 プログラム数の増加・複雑化 システムの複雑化(ネットワーク) 数学モデルを使った 開発手法 MBD 開発期間は短縮傾向 Model Based Development ソフトウェアの開発工程において、効率的な設計や検証が行わなければならない システマティックなアプローチとそれに対応するツールが必要 24 Matlab/Simulinkによる制御設計の確立 制御器の 数学モデル 制御対象の 数学モデル ma (t ) = dv(t ) + Cx (t ) t ω s 1 +ε +λ 2 (s + τ ) s s + ζ 1s + ω1 2 1 2 v(t ) = ∫ a(t )dt + v(t0 ) t0 t x(t ) = ∫ v(t )dt + x(t 0 ) t0 コントローラ 制御対象(プラント) 実際に動作するモデルを仕様書として活用 25 モデルベース開発におけるVサイクル Vサイクル全体にモデルをフル活用 ⇒ 工数の低減、開発期間の短縮を図る。 モデルを用いた設計に始まり、PC上でのシステム設計の検証を経て、プロトタイプハードウェアによる検証を実施する。更にモデルをベースとして量産 コードを生成し、システム検証におけるシミュレーションにモデルを継承する。 適合・車両確認 要求分析 動く仕様書 設計 システム 仕様設計 システム検証 検証 コンポーネント 検証 コンポーネント 機能設計 量産コード生成 26 モデルベース開発におけるモデルと実機の関係 システム設計 適合 & 計測 制御 設計 実ECU モデル モデル RCP HIL 実ECU モデル 実機 モデル 実機 ACG 量産コード生成 モデル 量産ソフトウェア 27 モデルベース開発とVサイクルモデル システム設計 最終目標 モデルを使った 机上検討 適合 計測 制御 設計 モデルベース開発をサポートするツール ラピッドコントロール プロトタイピング HIL RCP HILシミュレータ (Hardware-in-the-Loop Simulation) ACG 量産コード自動生成 28 開発フェーズとツール ラピッドコントロールプロトタイプ モデルで実機を制御する ⇒Rapid Control Prototyping システム設計 出発点=モデル 最終目標 適合 & 計測 制御 設計 RCP HIL ACG 30 ラピッドコントロールプロトタイピング モデルベース制御ロジックをリアルタイム環境へスムースに実装 制御アルゴリズム Regelalgorithmus プロトタイプのハードウエアを用いて制御対象のプラントを、 リアルタイムに制御(例えばエンジン) ラピッドプロトタイピング: 早期にモデルを稼動させ設計を検証すること 31 ラピッドコントロールプロトタイピングとは? ラピッドコントロールプロトタイピング(試作ECU) 高速演算、浮動小数点 大容量メモリ、 多彩なI/O Simulinkで作成した制御モデルを即座にプロトタイプコントローラへ自動実装 ハンドコード不要 制御モデルの入力、出力にRTI(リアルタイムインターフェース)接続 制御モデルをリアルタイムで動作させ実プラントを制御し、評価可能 カーネルの自動生成 Simulinkブロックセットを用いたビジュアルなI/O構築 ECUモデルの機能評価を即座に実現 → コスト削減・期間短縮 回路試作の必要無し プログラム作成必要無し(I/Oプログラミングも含め) 32 ラピッドコントロールプロトタイピング プロトタイピング環境 モデリング・シミュレーション 制御設計・解析 I/Oライブラリ リアルタイム試験 Build Build モニタリング、チューニング RCP system RTI実装 33 ControlDeskにおけるパラメータチューニング すべてのSimulinkブロック 変数にアクセス可能 34 ハイエンドなラピッドコントロールプロトタイピングシステム の実環境への接続 RapidPro SC Unit Signal Conditioning センサ RCP システム RapidPro Power Unit アナログおよびデジタル信号 アクチュエータ Power Stages USB ConfigurationDeskによ るハードウェアの設定変更 ControlDeskまたはCalDesk による計測および適合 35 ラピッドコントロールプロトタイピング適用事例: 日産自動車 エンジン制御 VQエンジンのセンサとアクチュエータの信号は、シグナルコンディショニングおよびパワーステージ 機能を持つRapidProプロトタイプを介し、MicroAuoBoxプロトタイピングシステムに適用 出典:dSPACE News 01/2005 36 適用事例: GETRAG & BOSCH ∼ Hybrid車両用トランスミッション開発 トルク伝達、駆動方式などに様々なバリエーションがHV車両には求められている GETRAGはクラッチ・ギアを全て電気駆動する6-speed PowerShift® DCT (dual clutch transmission )を開発 パワーエレクトロニクス、電動モータコントローラはBOSCH社が担当 このトランスミッションシステムはdSPACE RCPシステムを用いて開発が進められている 出典: [dSPACE Magagine 1/2010] 37 適用事例: GETRAG & BOSCH ∼ Hybrid車両用トランスミッション開発 MINIをベースとしたデモ車両を製作し、HEV駆動系評価のため5種類の駆動系に切り替え可能 1) 従来のエンジンのみの駆動系 2) 従来のエンジン駆動系 + 自動スタートストップ機能 3) HEV (GETRAG PowerShiftトランスミッション + 電気式リアアクスル) 4) HEV (GETRAGトルク分割トランスミッション) . 5) HEV (GETRAGトルク分割トランスミッション + 電気式リアアクスル) “dSPACEシステムはフレキシブルであり、Hybridの制御開発に必要な機能を提供してくれた。” Tibor Niedermayer, GETRAG 出典: [dSPACE Magagine 1/2010] 38 ラピッドコントロールプロトタイピング適用事例: BMWにおけるFlexRay量産開発 BMWグループは、2006年FlexRayバス搭載の車両を市場に導入した最初のOEM 動的安定性のための新ダンパーコントロールシステム セントラルECU (制御ストラテジ) 車輪付近に4つのサテライトシステム FlexRayによる通信 39 デンソー 運転支援システム プリクラッシュ及びアダプティブクルーズコントロール(ACC)製品の開発のため、 デンソーは計測と適合の汎用ソフトウェアCalDeskを使用 CalDeskはECUおよびMicroAutoBoxへの並列アクセスが可能であり、またASAM-MCD 3 COMインタフェースによりレーダ/画像処理ソフトウェアとのデータ交換が可能 運転支援システムの開発構成 出典:dSPACE NEWS 2/2006 40 デンソー 運転支援システム 出典:dSPACE NEWS 2/2006 運転支援システムの機能 上記評価シナリオでは、車両の陰から歩行者が飛び出したという設定で、 レーザセンサにより歩行者を検知し、ブレーキとシートベルトテンショナを作動 CalDesk:計測と適合のためのソフトウェア RTI Bypass Blockset:バイパスアプリケーションの設定、ECUアドレスへの割り当て Calibration and Bypassing Service:ECUへの追加サービスコード MicroAutoBox:リアルタイム計算のためのプロトタイピングシステム DCI-GSI1:デバックインタフェースからECUにアクセスするためのシリアルインタフェース 41 モデルベース開発 量産コード自動生成 量産コードの自動生成 システム設計 適合 & 計測 制御 設計 モデル モデル RCP HIL Int16 x1, x2, y; モデル 実機 実ECU モデル /* declaration */ Int32 dummy; dummy = (Int32)x1 + (Int32)x2; ACG /* addition */ if (dummy > 32767) /* saturation */ y = 32767; else if (dummy < -32768) y = -32768; else y = (Int16)dummy; 43 仕様書による工程間のやり取り 制御対象、制御ロジックのSimulinkモデルを作成 シミュレーションによるロジック検証 関数仕様書 関数名 Control 入力 a:Integer b:Float 出力 c:Integer コントローラモデル 機能設計者 与えられた入力a、bに対し 以下の演算を行い、出力する Int16 x1, x2, y; /* declaration */ Int32 dummy; c = a×12.3+b/256 ・・・・・・・ dummy = (Int32)x1 + (Int32)x2; /* addition */ if (dummy > 32767) y else y else y /* saturation */ = 32767; if (dummy < -32768) = -32768; 制御ロジックの仕様書 = (Int16)dummy; ソースコード ソフトウエアエンジニア 仕様書を元にECUコードを作成 仕様通りに動作するかECUコードを検証 44 モデルを仕様書として活用 制御モデル 制御ロジック開発 =仕様書 自動変換 TargetLink ラピッドプロトタイプ コントローラ ブロック コード生成 量産Cコード ◇モデルが制御仕様書 Int16 x1, x2, y; /* ◇制御モデルと同一の演算を行うプログラムの 作成という、明確なゴール設定 declaration */ Int32 dummy; dummy = (Int32)x1 + (Int32)x2; /* addition */ if (dummy > 32767) 開発時間の短縮とソフト品質の向上 の達成 y else y else y /* saturation */ = 32767; if (dummy < -32768) = -32768; = (Int16)dummy; 45 量産に適用可能なコードを生成 プロトタイプ用のコード bool1 = (In >= 10); bool2 = (In <= -10); bool3 = bool1 || bool2; tmp1 = table_lookup(Table, In); tmp2 = In; if (bool3) out = tmp1; else out = tmp2; TargetLinkによって生成されるコード TargetLinkによる生成コードは・・・ −手書きのコードに匹敵するスピードとメモリー効率 −読みやすく、理解しやすい記述形式 if ((In >= UT) || (In <= LT)) out = table_lookup(Table, In); else out = In; 46 コードの効率性 Delphi, 2002 ROM RAM Stack Speed 0.96 – 1.1 0.97 – 1.2 1.2 – 1.25 0,75 – 1.2 自動生成コードがハンドコードを上回る Source: Lev Vitkin, Delphi, USA German Tier One Supplier, February 2006: Manual Code 100% TargetLink 90% Manual Code TargetLink 80% ROM [bytes] 2182 (100%) 88,5% 70% RAM [bytes] 104 (100%) 97,1% 60% Run time [msec] 2,27 (100%) 100,4% 50% ROM RAM Run time 47 コードの検証 Model-, Software- and Processor-in-the Loop Simulation 3種類のシミュレーションモードを持つ統合開発環境。 −浮動小数点 演算 −固定小数点 演算 モデルの検証 -アルゴリズムの有効性 -スケーリング (自動・手動) -オーバーフロー検証 ソフトウエアの検証 -量子化誤差の影 -モデル動作の保証 -実装オプション決定 ターゲットの検証 -実行時間の実測 -スタックサイズの実測 -RAM/ROMの計測 48 各種モデリングガイドライン MISRAガイドライン MISRAでは、TargetLink向けに公式な MISRAモデリングガイドラインを発行 機能安全にフォーカスされた内容 MAAB Controller Guidelines SimulinkおよびStateflowにおける命名規則、 モデルのアーキテクチャや設定の問題、および 設計パターンを網羅する汎用ガイドライン TargetLink Modeling Guidelines (Targetlinkモデリングガイドライン) MISRA TargetLinkガイドラインおよび MAABのガイドラインの内容を補完する 理想的な資料 コード効率やAUTOSARに関する記述 を追加 ここで示すガイドラインはすべてベース ガイドラインとして使用でき、会社個別または 製品個別に改変および追加も可能 49 TargetLinkリファレンスワークフロー Model-Based Reference Workflow for the development of safetyrelated software 安全関連ソフトウエアを開発するためのモデルベースの リファレンスワークフロー Based on best practices and experiences that are of particular interest for the development of safety-related software 安全関連ソフトウエアの開発担当者にとって特に重要なベストプラクティ スと経験がベース Does not try to introduce a new development approach 新しい開発アプローチの導入は行わない Does not question well established MBD processes and workflows 定評あるMBDプロセスおよびワークフローの有効性については議論しな い Many of the proposed methods are directly recommended by ISO 26262 and IEC 61508 提案手法の多くはISO 26262とIEC 61508によって直接的に推奨 Workflow has been approved by TÜV (German certification authority) TÜV(ドイツの認証機関)がワークフローを認定 50 NISSAN:TargetLinkによるエミッションの低減 P-ZEV適合を達成したSentra用 日産Sentra CA エンジンと触媒コンバータ 2000年 2000年 日産Sentra 日産Sentra CA:世界初ゼロ排気車 CA:世界初ゼロ排気車 (カリフォルニア (カリフォルニア ゼロ排気車用排気規定に対応) ゼロ排気車用排気規定に対応) 新しい空燃比コントローラ開発にTargetLinkを採用 新しい空燃比コントローラ開発にTargetLinkを採用 プロジェクトはわずか3ヶ月で完了、開発期間を40%短縮 プロジェクトはわずか3ヶ月で完了、開発期間を40%短縮 日産ブルバードシルフィ:超低排出ガス車「日本U-LEV」 日産ブルバードシルフィ:超低排出ガス車「日本U-LEV」 変更作業をわずか1ヶ月以内で完了 変更作業をわずか1ヶ月以内で完了 出典:dSPACE News 2000 51 AIRBUS:A380 Cabin Pressure Control A380のCabin Pressure Control 装置をTargetLinkで開発 高い信頼性を要する分野も自動コード生成を適用 出典:dSPACE News 3/2006 出典:dSPACE MAGAZINE 1/2009 52 モデルベース開発 HILシミュレータ シミュレータでの検証 システム設計 適合 & 計測 制御 設計 モデル モデル RCP HIL 実ECU モデル 実機 モデル Int16 x1, x2, y; /* declaration */ Int32 dummy; dummy = (Int32)x1 + (Int32)x2; ACG /* addition */ if (dummy > 32767) /* saturation */ y = 32767; else if (dummy < -32768) y = -32768; else y = (Int16)dummy; 54 HILS(Hardware In the Loop Simulator)とは? リアルタイムシミュレーター 制御器 制御対象 制御アルゴリズム プラントモデル コントローラ プラント 制御対象(プラント)を実時間で実行する演算装置 ECUとのI/Oインタフェースとバスシステム 55 HILS構成要素 電気的 な値 物理的 な値 センサー シミュレーション モデル アクチュエーター テスト対象 ECU プラントモデル & プロセッサ 実験環境 I/Oライブラリ(RTI) リアルタイムハードウエア 56 HILSによるテスト自動化 テストオートメーションの特長/利点 Î ECU機能および診断機能のテスト Î テストは常時(24/7)実行可能 Î テストは再利用可能 Î テストカバレッジの向上 Æ 品質の向上 AutomationDesk ホスト PC Î 時間とコストの削減 ビークルダイナミクスモデル モデル変数の読み込み /書き込み Engine Drivetrain Vehicle dynamics Environment ターミナル30(バッテリ) ギア その他 dSPACE ASMはHILシミュレータ上でシ ミュレートするESPのテストを行なうため の精密なモデル (ASM = Automotive Simulation Model) ECU HILシミュレータ 57 HILSによるECUネットワークテスト Vehicle Dynamics HIL Host Interface Engine HIL Transmission HIL Gigalink CAN 58 HILS:モーターシミュレーションへの適用 ECU current contoller 3 phase voltages vehicle application current signal application controller position signal Controller Power Stages transmission sensor signals Electric Motor Mechanics 信号レベル パワーレベル メカニカルレベル 59 HILS:バッテリーシミュレーションへの適用 battery management ECU cell measurement module precharge / power on current measure ment isolated CAN CAN bus voltage signal HV relay control current signal コントローラ 計測部 バッテリー 信号レベル 高電圧レベル 60 HILSのメリット 9 実機レス - 実機が無い状態でもテスト可能、テストコース、ドライバー確保の必要無し 9自動テスト - OBDなど定型化されたテストを自動化、24時間テスト 9 再現性 - 複雑な不具合事象であってもパラメータ設定により確実に再現 9網羅性 - 環境条件、運転条件を自在に変更することで試験の網羅性を向上 9安全性 - テストドライバの安全に関わるテストシナリオでもHILSで実現 9再利用性 - 一度作成したテストシナリオ、評価関数は再利用が可能 61 ユーザ事例:三菱自動車工業株式会社様 ーバーチャル アウトランダー 新型アウトランダーの開発にVirtual Vehicleを導入。車 両モデルにはdSPACEのASM (Automotive Simulation Models)が使用された 20 個のECUがネットワークシミュレータに接続 2人のエンジニアが1週間かけて再現できなかった不具 合をHILSにて1晩の試験で再現 三菱 Outlander リアルタイムのVirtual vehicle テストは 複雑なECUシステムの品質向上には欠 かせない 出典: [2007 dSPACE User Conference] 三菱自動車工業株式会社 酒井様 ラボに設置されたバーチャルビークルテストシステム 62 ユーザ事例 : C-Classバーチャルビークル Mercedes-Benz 2007 C-Class ボティとシャシ系ECU32個 ボティとシャシ系ECU32個 PT系ECU17個 PT系ECU17個 9 CAN 12 LIN Source: [ATZ/MTZ Special Edition C-Class, 04/2007] 63 ユーザ事例:三菱自動車工業社 電気自動車「i-MiEV」のHILSテスト dSPACE HILシミュレーションによる 電気自動車専用ECUのソフトウエア品質の確保 ECUへの入力を設計通りのタイミングで模擬操作 する手段として、dSPACE Mid-Sizeシミュレータを 採用、さらに試験パターンを迅速に作成する手段 としてテスト自動化ツールAutomationDeskを活用 。 テストすべき項目を忠実に試験パターンとして自 動的に実行する事ができ、また従来のテストで は発見できないソフトウェアバグを発見する事が 出来るため、電気自動車の開発にはなくてはな らないものでした。 開発本部 副本部長 早舩 一弥氏 64 ユーザ事例:三菱自動車工業社 Honda Aircraft 統合テストへHILSを利用 Honda Aircraft Company、dSPACE HILシミュレータを導 入、HondaJet向け統合テスト用シミュレータに採用 Honda Aircraft Companyは、航空機の電気系統お よびアビオニクスサブシステムの自動統合テストの ために、dSPACEシミュレータを使用します。ネット ワー ク化されたdSPACE HILプラットフォームで実 行する高精度フライトダイナミクスモデル、エンジン モデル、およびエンジニアリングプロトタイプを使用 して、量産航空機サブシ ステムと列線交換ユニット (LRU)をテストします。 65 自動車の開発ツールを エネルギーマネジメントの世界へ 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼汎用電源の開発∼ グリッドシミュレーション用汎用電源をスマートエナジー研究所と共同で開発検討中 同汎用電源はパワーインタフェース・パワーユニットとdSPACEシミュレータより構成される制御可 能な電源である 汎用電源の状態計測、 パラメータチューニングは リアルタイムで実行可能 汎用電源 パワーインタフェース パワーユニット CAN Bus シミュレータへのモデルの ダウンロードは全自動で行われる Host PC 制御ロジックはThe Mathworks社 MATLAB / Simulinkを用いてモデリングする 67 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼汎用電源のユースケース∼ 汎用電源 パワーインタフェース パワーユニット 系統シミュレーション 太陽電池 電源シミュレーション DC−DC コンバータ 双方向AC−DC コンバータ 双方向DC−DC コンバータ 汎用電源 パワーインタフェース パワーユニット 負荷 通信 蓄電池 AC DC 負荷シミュレーション EV 蓄電池、EVの シミュレーション 68 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼汎用電源のメリット∼ 気象条件により変動する風力発電や太陽光発電 において、実機を用いて起こり得る電力変動を全て 検証することは膨大な時間がかかり不可能に近い 風が吹く日を 待たなくてはならない 晴天・雨天の日を 待たなくてはならない <メリット> 汎用電源を用いてシミュレーションすれば、 事前にインプットしておいたデータに沿って 短時間のうちにテストすることが可能となる 69 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼グリッドシミュレータ∼ 自動車、航空業界で培った技術・経験を生かし、次世代電力網市場でも貢献する 特にその有用性は既に確認済みのdSPACE シミュレータを用いることで、 住宅内に接続されたEV等のデバイス グリッドに接続された需要家 等の電力シミュレーションを実機レスで行うことが可能となる スマートグリッド 太陽電池 蓄電池 家電 セキュリティ dSPACE シミュレータ シミュレータ メーター ICT 風力発電機 インフラ 建物 電気自動車 70 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼グリッドシミュレータ∼ 住宅内に接続されたデバイス単位のシミュレーション 分散電源シミュレーション EVシミュレーション dSPACE シミュレータ 利点 グリッドに接続された需要家のシミュレーション 配電網 需要家シミュレーション グリッドにシミュレータを接続 することで、実機レス24時間のテ ストを行うことが可能 シミュレータの制御ロジックは プログラマブルであり、負荷・電源 ・需要家といった様々な用途への 活用が期待される 71 自動車の開発ツールをエネルギーマネジメントの世界へ ∼急速充電器の開発における、バッテリーシミュレータ活用のメリット∼ 問題点 急速充電器の開発や試験において、実際のEVによる 試験には膨大な時間を必要とする。 EVの充電状態を実車で作り出すのは困難である。 世界各地の充電器メーカに実車を持ちこんでテストを 行うことは事実上不可能である。 EV実車なしで急速 バッテリーシミュレータを活用する 充電器充放電の試験が可能 メリット 自動車のバッテリーを模擬する充放電のシミュレーション と実際の出力電源を用いて、急速充電器の開発を行う。 この方式を使えば、バッテリー試験の度に実車を使う 必要がなくなる。 72 モデルベース開発による インバータ制御 開発事例 •事例 自立型DC/ACインバータ •開発のステップ •電源回路シミュレータ(スケール)によるインバータシミュレーション •モデルベース開発によるインバータ制御開発事例 •量産開発 •コード自動生成 •DSPへのコード実装 74 Simulinkによりダイナミクスを容易に表記、計算 例) 機械系: バネマスダンパモデル ma (t ) = dv(t ) + Cx (t ) t v(t ) = ∫ a(t )dt + v(t0 ) 積分ブロック t0 t x(t ) = ∫ v(t )dt + x(t0 ) t0 m C d 75 Simulinkによりダイナミクスを容易に 表記、計算 例) 電気系: RLC 積分ブロック RLC回路図 R u L C x 76 ブリッジ型インバータ設計 電源回路シミュレータ(SCALE)による設計 SCALE:崇城大学中原教授開発のスイッチング電源シミュレータ 77 ブリッジ型インバータorPFC設計 モデルベース開発によるインバータ制御開発 Simulinkで記述 78 ブリッジ型インバータ設計 モデルベース設計によるプロトタイピング 入力 DC 出力 AC ブリッジ回路 電圧 センサ 電流 センサ A/D 電流 センサ ドライバ 電圧 センサ A/D PWM dSPACE インターフェイス (DS1104 Connector Panel) dSPACE DS1104 R&D Controller Board 内蔵 79 MATLAB/SimulinkからdSPACEへ ドラッグアンドドロップで 実装 Simulinkの設計画面 DS1104用のファイル作成 出来上がったファイル 80 PC上のdSPACE操作画面 サインジェネレータのパラメータ表示 (このパネル上から可変) プログラム実行時間 スタートストップボタン サインジェネレータの出力波形や 出力の実測波形を表示 81 インバータ回路とdSPACEの接続 dSPACE DS1104 Connector Panel ゲートドライブ回路 IGBTブリッジ回路 フィルタ、負荷 PWM入力 82 実験風景 モデルベース設計によ るプロトタイピング 電源回路シミュ レータ(SCALE) による設計と シミュレーション インバータ動作実験風景 83 実験風景 オシロスコープで 実測波形を確認 インバータの 出力波形等を 設定 インバータ動作実験風景 84 全容 PC内 dSPACEによる 制御画面 インバータの出力波形を表示 dSPACEのハードウェア DS1104 IGBTを用いたインバータ回路 インバータ動作実験風景 85 出力波形の確認 86 出力波形の確認:ソフトスタート 87 出力波形の確認:ソフトストップ 88 スマートミニハウスのご紹介 福岡スマートハウス・グランドビジョン スマートグリッドグランドビジョン 2010/5/26 電力系統 風力発電 太陽光発電 MPPT DC-DC コンバータ DC-DC コンバータ 双方向 DC-AC インバータ 双方向 DC-DC ZigBee SE コンバータ HEMS Home Gateway 蓄電池 家電 電気自動車 直流(DC) 交流(AC) Service Provider Data Center ITサービス との融合 イン ホーム モニタ 遠隔管理/制御 90 モデルベース開発を全面的に採用 Step-1 回路と制御アルゴリズムの 連携シミュレーション Step-3 dSPACE プロトタイパーによるRCP検証 SCALEによるシミュレーション 崇城大学 EE研究所 中原教授開発 Step-2 Simulinkモデル作成 91 スマートミニハウスによる先行検討 dSPACE DS1103 太陽光パネル 操作パネル DCバス電圧計 バッテリー 実測波形 (オシロスコープ) 低電圧/低電流ながら、実システムと同一の回路構成 92 スマートミニハウス・システム ミニスマートハウス基板 dSPACE DS1103ボード 40kHz PWM出力 アナログ電圧入力 PowerPC 750GX 1GHz プロセッサ搭載 基板:アバール長崎製作 4個のコンポーネントを同時に制御 主要コンポーネントを1枚の基板に実装 太陽電池用 昇圧DC/DCコンバーター 系統連係 双方向AC/DCインバータ 風車などの発電機用 AC/DCインバーター バッテリ充放電用 双方向DC/DCコンバーター 93 MATLAB/Simulinkを用いた制御開発 A/Dコンバータブロック 制御ロジック部 PWM出力ブロック AC/DCコンバータ 双方向DC/DCコンバータ 昇圧DC/DCコンバータ dSPACEのRTIブロックを使うことで A/D入力やパルス出力を容易に実現 Bit出力ブロック 94 RTIブロックの設定例 3相PWM出力ブロック RTIブロックにより割り込み等の知識 無しでも高速PWM出力可能 95 複雑なロジックも図形で見える化 96 dSPACEソフトで操作も見える化 メインパネル dSPACE社 Control Desk で、リアルタイムに見える化 97 詳細データもリアルタイムで確認 プロセッサ実行時間 電流位相の確認 AC/DCコンバータ画面 DC/DCコンバーター画面 98 スマートミニハウス・システム 99 最新適用事例 Younicos AG社 再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 Younicos AG:再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 Younicos AG社は大西洋中部のアゾレス諸島のグラシオザ島で自立的な電力供給の実現に向 けてシステムを開発中 ディーゼル発電から、風力発電基地と太陽電池システムにおる再生可能エネルギーをベースに したカーボンニュートラルなシステムへ 必要なエネルギーの70 ∼ 90%は太陽と風から、残りの10 ∼ 30%は島のバイオ燃料から 3メガワットのNAS(ナトリウム硫黄)電池を用いて電力の変動を吸収 出典:dSPACE MAGAZINE 01/2010 101 Younicos AG:再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 島での施設設置に先立ちベルリンにてテスト環境を構築 極限状態のシミュレーション、さまざま制御方式の確認、経済性を含めたコンセプトの確認を実施 テストシステムには完全な電力供給網を組み込んだ バッテリーコンバーターの制御システムにdSPACEのシミュレータを使用 102 Younicos AG:再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 風と太陽から得られるエネルギーは変動し、長期的な予測が不可能 風力タービンとソーラーパワープラントをシミュレーションするために、独自のモデルを使用 モデルは複数のdSPACE DS1005PPC Board で実行 利用可能な電力を確認するための入力パラメータは、グラシオザ島で測定された実際の風と太 陽のデータをベースとしている 利用可能な電力が、一日を通した島民全体のエネルギーの必要量を表す消費プロファイルと比 較しコンバーターを制御 103 Younicos AG:再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 コンバータの最適な制御を見つけ出すために、ラピッドプロトタイピングを使用 さまざまな電圧と周波数の制御アルゴリズムのテストを実施 DS1005 Processor Board とDS5202 FPGA Base Boardから構成 アルゴリズムに何らかの変更が加えられた場合は、その変更内容を直ちにシステムに反映 104 Younicos AG:再生可能エネルギーのみで島全体に電力供給 テストにより、再生可能エネルギーに基づく安定したエネルギーが、技術的に実現可能であり、経済的にも魅 力があるということを証明する 電力網に供給できる再生可能エネルギーの量は、供給網の安定性を損うため、これまでは制限されてきた バッテリと高度なコンバータ制御システムを組み合わせて、島の電力供給網を安定させ、再生可能なエネル ギー源から得られる電力供給量を次第に増やしていくことに問題ないことを示す 2 年間のテスト段階が完了したら、そこから得られた結果を使用して、グラシオザ島の電力供給を完全に風力 と太陽エネルギーに変える予定 105 まとめ シミュレータ技術を用いて可能なこと 急速充電器開発のために電気自動車をシミュレートする 仮想的電源環境を高速にシミュレーションすることにより、安定した電源制御システムを開発 家庭内の電力負荷の状態を作りだして、制御、ネットワークの評価が可能 太陽光発電、風力発電器の発電状態を作り出して、系統連携、家電ネットワーク制御の評価 家庭内に電気自動車を接続した電力評価。蓄電池としての利用評価 電力網上での発電モデル、負荷もモデル、変圧器モデル、遮断機モデルなどを用いてた 電力網管理、制御システムの検証、品質の向上。 24時間の自動テストによる試験時間の短縮、不具合状況の把握、テストの網羅性の向上、 再現テスト、テストシナリオや評価関数の再利用 家庭用スマートメータなどの機能評価、信頼性の向上 電源環境のシミュレーションを行い制御盤の操作を行うオペレータの教育 etc....... 107 今後はエネルギー制御・環境分野への モデルベース開発の適用が進む Simulink によるシミュレー ションモデルと制御モデル 評価試験例 スマートハウスエネルギー評価 エネルギーマネジメント系統解析シ ミュレータ スマート電力メータ評価 dSPACEリアルタイムハードウエア シミュレーションと接続して各種環境を 生成して試験可能 108 ご清聴ありがとう ございました Thank you © Copyright 2010 by dSPACE. ブランド名および製品名は、各社または各組織の商標または登録商標です。 Proprietary ¦ 第1回オープンクラス(公開講座) ¦ August 3, 2010 ¦ dSPACE Japan ¦ Hitoshi Arima 本件に関するお問合せ dSPACE Japan株式会社 営業部 TEL: 03-5798-5460 E-mail:[email protected] 109
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