SOLAS V 章 2000 年改正の概要 1. はじめに SOLAS 第 V 章全面改正案は、1992 年に提案されてから航行安全委員会(NAV)で審議が行われ、最終案が 2000 年 12 月に開催のIMO の海上安全委員会第73 回会議(MSC)において採択され、 2002 年7 月1 日に発効の予定である。 本改正は、 ① V 章の再構成、 ② 機能要件の明示及び代替の設備・措置の承認に関する規則の新設、 ③ V 章の既存設備の要件を強化及び新技術による機器の設置などの要件の新設 からなっており、一部は現存船にも遡及適用される。 ここでは、航行設備と機器に係る改正の概要について旅客船、高速船を除く船舶(以下「船舶」という。 )への 適用について述べる。 2. 規則の概要 2.1 適用船舶 1) 他に別段の明文規定がない限り、軍艦等非商船及び五大湖のみを航行する船舶等を除くすべての航海に従 事するすべての船舶に適用する。 2) 主官庁は、専ら国内規則で規定される沿岸部を航行する船舶に対して、V 章の適用の程度を決めることが できる。 3) 主官庁は次の種別の船舶に対して航行設備の要件の適用の程度を決定する。 .1 全ての航海に従事する総トン数 150 トン未満の船舶 .2 国際航海に従事しない総トン数 500 トン未満の船舶 .3 漁船 2.2 航行設備の適用時期及び現存船への遡及適用 1) 2002 年7月1日以降に建造される船舶は、航行装置及び機器(第 19 規則 2.1 から 2.9)を備える。 2) 2002 年7月1日より前に建造される船舶は次による。 .1 2002 年7月1日より前に発効された 74SOLAS の V/11 規則(信号灯)及び V/12 規則(船舶に備える航 行設備)及び V/20 規則(航海用刊行物)の要求を満たす機器を備える。 .2 第19 規則2.1.6 に規定された全地球的衛星航法装置又は全地球的無線航法装置を2002 年7月1日より 前に発効された 74SOLAS の V/12(p)規則に規定される無線方向探知機が要求されなくなる 2002 年7 月1日以降の最初の検査より前に備える。 3) 第 19 規則 2.4 に規定された自動船舶識別装置(AIS)を次の時期までに備える。 .1 国際航海に従事する 300GT 以上のすべての貨物船 1.1 1.2 1.3 タンカーは 2003 年 7 月 1 日以降の最初の SE 検査までに備える。 タンカー以外の 50,000GT 以上の貨物船は 2004 年 7 月 1 日までに備える。 タンカー以外の 10,000GT 以上 50,000GT 未満の貨物船は 2005 年 7 月 1 日までに備える。 51 1.4 1.5 タンカー以外の 3,000GT 以上 10,000GT 未満の貨物船は 2006 年 7 月 1 日までに備える。 タンカー以外の 300GT 以上 3,000GT 未満の貨物船は 2007 年 7 月 1 日までに備える。 .2 国際航海に従事しない 500GT 以上の貨物船は 2008 年 7 月 1 日までに備える。 (注)タンカーとは、SOLAS 第Ⅰ章 2(h)規則で定義される「引火性の液体貨物のばら積み運送のために建造 し又は改造した貨物船」で 73/78MARPOL 議定書付属書Ⅰ第 1 規則に掲げる油を輸送するタンカー、 IBC コード第 17 章に掲げる液体物質のばら積み運送のために建造し又は改造された貨物船(不燃性 物質のみ積載する場合を除く) 、IGC コード第 19 章に掲げる液化ガスその他の物質のばら積み運送の ために建造し又は改造した貨物船(非引火性物質のみ積載する場合を除く)を言う。 4) 第 20 規則に規定された航海記録装置(VDR)は次の時期までに備える。 .1 2002 年 7 月 1 日以降に建造される 3,000GT 以上の貨物船に備える。 .2 主官庁はロールオンロールオフ旅客船を除く 2002 年 7 月 1 日より前に建造された船舶に対して、現 存設備との VDR の連携が不合理かつ不可能であると証明される場合、VDR の設置を免除することが できる。 (注) 現存船への遡及適用については、IMO で検討中。 5) その他 船橋監視アラーム・システム(Bridge watch alarm system)の性能要件については、NAV47 において検討 中で、装備については未定。 このシステムは、当直航海士の監視が行われているかをモニターし、時間を経過しても警報を確認しな い場合は延長警報を発するシステムである。 52 対象船舶 航海設備 02/7/1 前の 及び機器 建造船 (現存船) 電子航法 装置(GPS 等) 全ての船舶 02/7/1 以降の 建造船 (新船) 全ての船舶 適用期日 02/7/1 建造日 02/7/1 より後 の 最初 の検査 06/7/1 07/7/1 08/7/1 ● 国際航海 300GT 以上のタンカー 国 際 航 海 50,000GT 以 上 の貨物船 国 際 航 海 10,000GT 以 上 の貨物船 国際航海 3,000GT 以上の 貨物船 国際航海 300GT 以上の貨物船 非国際航海の旅 客船及び 500GT 以上の貨物船 ● ● ● ● ● ● ● 国 際 航 海 RO/RO 旅客船 ● 国際航海の そ の他旅客船 04/1/1 ● 国 際 航 海 3,000GT 以上 の貨物船 現存貨物船 ● 遡及適用については、IMO で検討中 新船 現存船 05/7/1 ● 国際航海の全 ての旅客船 その他の 航海設備 04/7/1 ● 国際航海の旅客 船 VDR 03/7/1 以降の 最初の SE 検査 ● 全て の 旅客 船,300GT 以 上の国際航海 貨物船 500GT 以上の非国際 航海貨物船 AIS 03/7/1 ● 2002 年 7 月1 日前に発効された 74SOLAS の V/11, V/12 及び V/20 規則の要求を満足する機器 を備える。 無線方向探知機は 2002 年7 月1 日以降最初の検査までに無線航法装置を備えることで要求され なくなる。 53 2.3 航行設備及び機器に係る新設規則 航行設備の搭載要件は、第 15 規則、第 16 規則、第 17 規則、第 18 規則、第 19 規則、第 20 規 則 、第 21 規則、 第 22 規則 、 第 24 規 則 、 第 27 規 則 、 第 28 規 則 で 規 定 さ れ て い る 。 1) 第 15 規則 船橋設計、航行設備及び機器の設計及び配置、並びに船橋作業手順に係 わ る原則 ― 船 橋 機 器 及 び 配 置 の た め の 人 間 工 学 的 基 準 に 係 わ る 指 針 (Guidelines on ergonomic criteria for bridge equipment and layout; MSC.Circ.982)、統合型船橋システム IBS の性能 基準(Performance standards for Integrated Bridge System; MSC.64(67); annex 1)、統合型 航海システム INS の性能基準(Performance standards for Integrated Navigation System; MSC.86(70); annex 3)を 参照する。 ―新規則第 19、22、24、25、27、28 規 則 を 適 用 す る た め の 決 定 、船 橋 の 設 計・機 器 配 置 ・ 船橋作業に影響を与える決定が次に掲げる目的のために行われなければならない。 1. 全 て の 運 航 状 態 に お い て 、 状 況 の 完 全 な 評 価 を 行 い 、 船 舶 を 安 全 に 運 航 さ せ る ため に船橋当直員と水先案内人により行われる業務を容易にすること。 2. 効果的で安全な船橋における資源の管理を助長すること。 3. 船 橋 当 直 員 及 び 水 先 案 内 人 が 、 明 瞭 か つ 明 白 に 提 示 さ れ る 重 要 な 情 報 を 、 制 御 及び 表 示 す る 標 準 化 さ れ た シ ン ボ ル 及 び コ ー ド 変 換 シ ス テ ム を 使 用 し て 簡 単 に 継 続 して 得ることを可能にすること。 4. 自動化された機能並びに一体化された部品、装置及び/又は補助装置の動作内容 を 表 示すること。 5. 船 橋 当 直 員 及 び 水 先 案 内 人 に よ っ て 処 理 さ れ 決 済 さ れ る 、 消 費 的 、 継 続 的 か つ 実務 的な情報を受容すること。 6. 過 剰 又 は 不 必 要 な 業 務 、 並 び に 船 橋 当 直 員 及 び 水 先 案 内 人 の 疲 労 の 原 因 と な る 又は 緊 張 業 務 の 妨 げ と な る 、 船 橋 で の い か な る 状 態 又 は 精 神 的 混 乱 を 防 止 又 は 最 小 限と すること。 7. 人 的 間 違 い の 危 険 性 を 最 小 限 に し 、 そ の よ う な 間 違 い が 起 き た 場 合 に は 、 監 視 及び 警 報 装 置 を 通 し て 、 船 橋 当 直 者 及 び 水 先 案 内 人 が 適 切 な 行 動 を 取 れ る よ う に 、 それ を探知すること。 * 人 間 工 学 的 基 準 に 係 わ る 指 針 を 参 照 し 、 ヒ ュ ー マ ン エ レ メ ン ト /Bridge Resource Management について考慮された設計・配置を可能な限り実施する。 2) 第 16 規則 機器の保守 ―主官庁は V 章で要求される機器の性能が維持されることを確実にするための適切な措 置が取られるようにする。 ―第 I 章第 8 規則(条約適用の総トン数 500 トン以上の貨物船の救命設備及び航行設備 の 検 査) に規定 され たもの を除 き、V 章 で要 求さ れる 機器の 故障 に対し て、 船長に よ り 適切な措置が取られていれば、修理のため船を遅延させる理由としない。 3) 第 17 規則 電磁両立性 ―2002 年 7 月 1 日以降に建造される船舶について、船橋又は船橋の近傍に設ける全て の 電気及び電子機器が、電磁両立性(EMC)について試験されること。 ( 注) 電磁両 立性を 確認 するた めの 試験は、電 磁波、雑音 等の放 出量 が一定 の値 以下で 54 あ ること を確 認する ため の試験(エ ミッシ ョン 試験)と一 定の値 の電 磁波、雑音 等 に 対し機 器が 耐性を 有し ている こと を確認 する ための 試験(イミ ュニ ティ試 験)に 分 けられ 、そ れぞれ の試 験に合 格す ること によ り両立 性が 成り立 つこ とにな る。 ― 電 気 及 び 電 子 機 器 は 、 電 磁 的 干 渉 が 航 行 設 備 及 び 機 器 の 正 常 な 機 能 に 影 響 を 与 えな い ように設置されること。 * 船 内 で 最 も 大 き な 電 磁 的 干 渉 の 発 生 源 と し て は 無 線 設 備 の 送 信 ア ン テ ナ か ら の 電波 の放射による放出が考えられる。 * 試運転で航海設備などが支障なく作動するか確認する。 ― 持 ち 運 び 式 電 気 及 び 電 子 機 器 は 、 航 行 設 備 及 び 機 器 の 正 常 な 機 能 に 影 響 を 与 え る恐 れ がある場合には船橋で使用しないこと。 ― A.813 General requirements for electromagnetic compatibility for all electrical and electronic ship’s equipment を参照する。 * 機器の試験内容は IEC60945, IEC61000-4 による。 4) 第 18 規則 航行設備、機器及び航海記録装置(VDR)の承認及び検査並びに性能基 準 ― 主官庁の型式承認を受けたものとすること。 * AIS, HCS, TCS, EPA/ATA, VDR, SRS, THD, ECDIS につ いては国内の型式承認基準を 検討中。 * IBS, INS に ついては国内では当面型式承認しない。機能別に個別承認となる。 ― 2002 年 7 月 1 日以降に設置される航海設備・機器(予備を含む)は機関により採択 さ れた性能基準に適合すること。 * AIS, VDR, SPEED DISTANCE IND., EPA/ATA については IEC 最終試験基準を投票中 。 Radar Reflector(9/3GHz), Daylight Signal Lamps, THD につ いては性能基準作成中。 ― 2002 年 7 月 1 日前に建造された船舶において航行設備及び機器が交換又は追加され た 場合には、最新の性能基準に適合したものとすること。 * GPS を 引き続き使用する場合は、特別な指示がなければ新しい性能基準の適用が 免 除される。但し、AIS などに接続する場合は、その要求に適合する必要がある。 ― 機 関 に よ る 性 能 基 準 の 採 択 前 に 設 置 さ れ た 航 行 設 備 及 び 機 器 に つ い て は 、 性 能 基 準に 注 意 を 払 っ た う え で 、 主 官 庁 の 指 示 に よ り 引 き 続 き そ れ ら の 基 準 に 対 す る 全 面 適 用か ら免除される。 * ECDIS を海図の代わりの機器として使用する場合は、設置時期において有効な機 関 により採択された性能基準を下回らないこと。 1999 年 1 月 1 日前に設置された 装 置については 1995 年 11 月 23 日の時点で機関が採択している性能基準を下回らな い こと。 ― 主 官 庁 は 、 製 造 者 が 型 式 承 認 の 状 態 に 継 続 し て 適 合 し て い る こ と を 確 保 す る た めに 、 監 査 を 受 け た 品 質 管 理 シ ス テ ム を 有 す る こ と を 要 求 す る 。 こ の 代 わ り と し て 型 式 承認 55 を 取 得 し て い る こ と が 検 証 さ れ て い る 製 品 に 対 し て 最 終 製 品 段 階 に お け る 確 認 手 法を 用いることができる。 ―VDR につ いては、すべてのセンサーを含め、年次性能試験を行う。この試験は、承 認 さ れ た 試 験 所 も し く は サ ー ビ ス 機 関 に お い て 、 記 録 さ れ た デ ー タ の 精 度 、 持 続 性 及び 復 元 性 を 確 認 す る た め に 行 わ れ る 。 更 に 、 試 験 及 び 検 査 は 、 す べ て の 保 護 外 被 及 び位 置 を 認 識 す る た め の 装 置 の 有 効 性 を 決 定 す る た め に 行 わ れ る 。 効 力 日 及 び 適 合 可 能な 性能要件について記載された試験所が発行する適合証書を船舶に備える。 5) 第 22 規則 航海船橋の視界 ―ほぼ現行通り。 6) 第 24 規則 ヘディングコントロールシステム及び/又はトラックコントロールシステム の使用 ― オ ー ト マ チ ッ ク パ イ ロ ッ ト の 規 定 が ヘ デ ィ ン グ コ ン ト ロ ー ル シ ス テ ム 及 び ト ラ ック コ ントロールシステムに変わった。 7) SOLAS 条約付属書付録の改正 ―貨物船安全設備証書に対する設備の記録(様式 E)に新 V 章の改正にあわせて航行設備 の リストが追加された。 56 3 航行設備及び機器の搭載要件 3.1 第 19 規則、第 20 規則、第 21 規則、第 27 規則、第 28 規則で規定される航行設備等の搭 載要件 (150GT 未満の船舶及び非国際航海の 500GT 未満の船舶は主官庁が要件を決定する。) 適 用船舶 ①全 船 航 行設備 Navigational systems and equipment ・ 標準磁気コンパス及び操舵場 所 への標 準手 順 ・ 方位盤又はコンパス方位測定 具 ・ 真方位 への 修正手 段 ・ 海図又は ECDIS ・ ECDIS のバ ックア ップ (電 子海図 を使 用する 場合 ) ・ 航海用刊行物(水路誌、灯台 表、水路通報、潮汐表、その 他 必要な 航海 用刊行 物) ・ 電子航海用刊行物のバックア ッ プ (電 子 化 さ れ た 航 海 情 報 を 使 用する 場合 ) ・ 電子航法装置など船位情報を 得 る手段 ・ Standard magnetic compass for heading information at the main steering position (19.2.1.1) ・ Pelorus or compass bearing device (19.2.1.2) ⑤ 300GT か ら 500GT 未 満 (④ に 加 え て 装備 ) ・ Back up arrangements for electronic nautical publications (19.2.1.5) ・ Receiver for a global navigation system/terrestrial radionavigation (19.2.1.6) ・ Sound reception system (19.2.1.8) satellite system position ・ ロ グブッ ク (国 際航海 の船 舶 ) ・ Telephone to (19.2.1.9) ・ Log books (28) ・ レーダ ーリ フレク ター ・ Radar reflector (19.2.1.7) ・ 予備の 磁気 コンパ ス ・ 昼間信 号灯 ・ Spare magnetic compass (19.2.2.1) ・ Daylight signaling lamp (19.2.2.2) ・ 音響測 深機 ・ Echo sounding device (19.2.3.1) ・ 9GHz レ ーダ ー ・ 9 GHz radar (19.2.3.2) ・ 船速距 離計 (対水 ) ・Speed and distance measuring device (through the water) (19.2.3.4) ・ Automatic identification system (AIS) (19.2.4) ・ 音 響 受 信 装 置 (全 閉 囲 船 橋 の 船 舶) ・ 非 常操舵 場所 との通 信手 段 ② 150GT 未 満 (① に 加 え て 装備 ) ③ 150GT 以 上 (① に 加 え て 装備 ) ④ 300GT 以 上 (③ に 加 え て 装備 ) ・ Means of correcting heading and bearing (19.2.1.3) ・ Nautical chart/ECDIS (19.2.1.4) ・ Back up arrangements for ECDIS (19.2.1.5 & 19.2.1.6) ・ Nautical publications (19.2.1.4 & 27) ・自 動船舶識 別装置 (AIS、国際 航 海 の船舶 ) ・ 国 際信号 書 (SOLAS 適 用 の無 線 設備を 設け る船舶 ) ・ 電 子プロ ティ ング装 置 (EPA) ・ 指 針伝達 装置 (THD) emergency steering ・ International Code of Signals (21) ・ Electronic plotting aid (EPA) (19.2.3.3) ・ Transmitting heading device (THD) (19.2.3.5) 57 適 用船舶 航 行設備 Navigational systems and equipment ⑥ 500GT 以 ・ ジ ャイロ コン パス 上 (④ に 加 え ・非常操 舵場所 用ジャ イロ レピー て 装備 ) タ ・ 方位測 定用 ジャイ ロレ ピータ ( 1600GT 未満 の船舶 は可 能な 限 り設置 ) ・舵角表 示器、プロペ ラ軸回 転計 、 ピ ッチ角 指示 計、操 作モ ード表 示器 ・ 自動物 標追 跡装置 (ATA) ・ 故障代 替え 機能 ・自 動船舶識 別装置 (AIS、非国 際 航 海の船 舶 ) ⑦ 3,000GT ・ 第 2 のレ ーダ ー 以 上 (⑥ に 加 ・ 航海デ ータ 記録装 置 (VDR) (国 え て装備 ) 際 航海の 船舶 ) ⑧ 3,000GT ・第 2 の 自動 物標追 跡装 置 (ATA) 以上 10,000GT 未 満 (⑦に加 え て 装備 ) ⑨ 10,000GT ・自動操 舵装 置(船 首方 位制御 装 以 上 (⑦ に 加 置 (HCS)/航跡 制御装 置 (TCS)) え て装備 ) ・自動 衝突予 防援助 装置( ARPA) ⑩ 50,000GT ・ 回頭角 速度 計 以 上 (⑨ に 加 ・ 船速距 離 (対 地 ) え て装備 ) ・ Gyro compass (19.2.5.1) ・ Gyro compass heading repeater (19.2.5.2) ・ Gyro compass bearing repeater(s) (19.2.5.3) ・ Rudder, propeller, thrust, pitch and operational mode indicator (19.2.5.4) ・ Automatic tracking aid (ATA) (19.2.5.5) ・ Ability for 2.1.1, 2.1.2 & 2.1.4 (19.2.6) ・ Automatic Identification System (AIS) (19.2.4) ・ Second radar (3 GHz/9 GHz) (19.2.7.1) ・ Voyage data recorder ・ Second automatic tracking aid (19.2.7.2) ・ Heading or track control system (19.2.8.2) ・ ARPA (19.2.8.1) ・ Rate of turn indicator (19.2.9.1) ・ Speed and distance measuring device (over the ground in the forward and athwartships direction) (19.2.9.2) 搭 載要件 の強 化・新 たな 設備の 設置 要求の 航行 設備 ―AIS は機関の採択した運用に関する指針を考慮して運用される。(NAV47/5) ・ 使用者は機器の運用に習熟しなければならない。 ・ 船舶同士の衝突回避の状況で AIS を使用する場合、AIS は航海支援のための情報システムで あること、AIS の使用が国際海上衝突予防法における当直職員の責任を免ずるものではない。 ―航海機器及び装置は、故障を最小限とするように設置され、試験されなければならない。 ―操作の代替モードを有する航海機器及び装置は、実際に使用しているモードについて表示 しなければならない。 ―集中船橋設備(IBS)は、1つの補助設備の故障により当直航海士に対して可視可聴警報によ る迅速な注意を喚起するものでなければならない。また、その故障がその他の補助設備を 故障させる原因となってはならない。集中航行設備(INS)の一部が故障した場合には、個々 の機器をそれぞれ操作することができるか、又は、装置の一部を分離して操作することが できなければならない。 58 3.2 航行設備及び機器の機能要件 第 18 規則に規定された航行設備の機能要件は次の通り。 ① 航行設備及び機器は、主官庁の型式承認を受けたものとする。 ② 2002 年 7 月 1 日以降に設置される航行設備及び機器は、予備装置を含み、適用可能な限 り機関により採択された性能基準を下回らない適当な性能基準に適合すること。 ③ 一般要件は、A.343(IX), A.529, A.575(14), A.694(17), A.813(19), A.830(19), MSC. Circ.982 及び IEC61162, IEC60945, IEC61000-4 を参照する。 航行設備及び機器の仕様と改正点 設 備 Standard magnetic compass for heading information at the main steering position Spare magnetic compass Pelorus or compass bearing device Ability for 2.1.1, 2.1.2 & 2.1.4 Means of correcting heading and bearing ECDIS, Back up arrangements for ECDIS & Back up arrangements for electronic nautical publications Receiver for a global navigation satellite system/terrestrial radio-navigation system 仕 様 改 正点 現 行通り 反 映式磁 気コ ンパス 性 能基準 A.382(X) 現 行通り 予 備の羅 盆 現 行通り ア ジムス サー クル 新設 磁 気コン パス ,コンパ ス方 位 測定器 ,紙海 図を選 択す れ ば不要 現 行通り 自 差修正 手段 新設 電 子海図 情報 表示装 置 (ECDIS): 電 子海図 (SENC)の 表示 ,航 海 情報の 表示 (Radar 情報 , 航 海計画 情報 ) バ ックア ップ (海図と の組 合 せも可 ) 新設 GPS; DGPS; GLONASS; DGLONASS; GPS/GLONASS 一 体 型 59 A.817(19) 1995, MSC.64(67) Annex 5 (1999.1.1-) MSC.86(70) Annex 4 (2001.1.1-) A.819(19), MSC.53(66), MSC.64(67) Annex 2, MSC.74(69) Annex 1 (2000.1.1-), MSC.112(73) MSC.113(73) MSC.114(73) MSC.115(73) 設 備 Sound reception system Telephone to emergency steering position Radar reflector Daylight signaling lamp 仕 様 改 正点 新設 音 響受信 装置 (SRS) MSC.86(70) Annex 1 (2000.1.1-) 現 行通り 電 話また はト ークバ ック 新設 レ ーダ反 射器 A.384(X) 新 基準 pending 船 内電源 から 独立 し た内蔵 蓄電 池が 必要 新 基準へ の適 合 昼 間信号 灯 Echo sounding device 現 行通り 9 GHz radar 現 行通り Second radar (3 GHz/9 GHz) 現 行通り 3 GHz レ ーダ ,主官庁 が認 め た 場合は 9 GHz レ ーダ 新 基準へ の適 合 レ ーダー (EPA: 10 目 標の 手 動電子 プロ ッター 付) 新 基準へ の適 合 レ ーダー (ATA: 10 目標 の 自 動捕捉 ・自 動追尾 付) 現 行通り レ ーダー (ARPA: 20 目標の 自 動追尾 ,衝突 予防援 助付 ) 新設 全 世界船 舶自 動識別 装置 :送 受信動作 モード(自 律、被 指 定 ,ポーリング),送 信停止 ,自 己 診断 ,構 成 (トランスポンダー,1 台 の送信 機 ,2 台の受 信機 ,1 台の DSC 受 信 機 ), 接 続機器( GPS,GYRO,TURN RATE METER) ,情報(静 的 情 報、動 的情 報 ,航海 情報 , 安 全メッセージ,他 船情報 ,警 報) Electronic plotting aid (EPA) Automatic tracking aid (ATA) Automatic radar plotting aids (ARPA) Universal shipborne automatic identification system (AIS) using VHF TDMA 性 能基準 60 MSC.95(72) (2002.7.1-) MSC.74(69) Annex4 (2001.1.1-) MSC.64(67) Annex4 (1999.1.1-) MSC.64(67) Annex4 (1999.1.1-) MSC.64(67) Appendix 2 (1999.1.1-) MSC.64(67) Appendix 1 (1999.1.1-) A.422(XI) A.823(19) Annex 4 Annex 4 MSC.43(64) MSC74(69) Annex3 (2000.1.1-) 設 備 Speed and distance measuring device (through the water) Speed and distance measuring device (over the ground in the forward and athwartships direction) Transmitting heading device (THD) Gyro compass, heading repeater, & bearing repeater Rudder, propeller, thrust, pitch and operational mode indicator Voyage data recorder 仕 様 改 正点 新 基準へ の適 合 EM LOG, DOPPLER LOG 新設 ド ップラ ーソ ナー: 前 方及び 横方 向の対 地速 力 及び距 離 新設 船 首 情 報 伝 達 装 置 (THD): 方 式 (ジ ャ イ ロ ,磁 気 コ ン パ ス ,GPS, 電 子 磁 気 コ ン パ ス 等 の方式 ) 現 行通り ジャイロコンパス及びレ ピ ータ 現 行通り 舵 角 計 ,プ ロ ペ ラ 回 転 計 ,ス ラ ス ト 計 ,プ ロ ペ ラ ピ ッ チ 計 ,操作モ ード 表示器(推 進 方 式によ り選 択) 新設 VDR: カ プセル(耐 火・耐圧固 定 式 又 は 浮 揚 式 ,離 脱 機 構 及 び 水中ビ ーコ ン付) , 主 演算装 置 (自 動連 続 12 時 間 記 録 ,2 年 間 記 録 維 持 ),再 生装置,電源(非常及び補 助 ), 記 録 デ ー タ ( 日 付 ,時 刻 ,船 位 ,船 速 ,船 首 方 位 ,船 橋 音 声 , 通 信 音 声 ,レ ー ダ 映 像 ,水 深 , 風 向 ・ 風 速 ,主 警 報 ,舵 角 指 令 実 舵 角 ,エ ン ジ ン 指 令 応 答 ,船 倉 扉 開 閉 状 態 ,水 密 ・ 防火扉状態,船体ストレ ス), デ ータ表 示装 置(オプシ ョ ン ) ,再現 装置 (陸上 設備 ) (注 )浮 揚 式 カプセルに つ い て は 、 NAV で検 討中。 61 性 能基準 A.824(19) MSC.96(72) Annex 14 (2002.7.1-) A.824(19) MSC.96(72) Annex 14 MSC.116(73) Annex 29 (2002.7.1-) MSC.86(70) Annex –TMHD (2000.1.1-) A.424(11) A.861(20) 2 設 備 Heading or control system 仕 様 track Rate of turn indicator Integrated system (IBS) bridge Integrated navigational system (INS) 改 正点 新設 オ ートパ イロ ット (HCS: 針 路 保 持 +ヘ デ ィ ン グ モ ニ タ ー) ま たは オ ー ト パ イ ロ ッ ト + ECDIS ( TCS: 航 路 計 画 に 基 づ き 変針点を結んで進路を制 御) 現 行通り 回 頭角速 度計 新 設 (装備 する 場合 ) 集 中 船 橋 設 備 ( IBS ) は 、 1つの補助設備の故障に より当直航海士に対して 可視可聴警報による迅速 な注意を喚起するもので な ければ なら ない。 また、 その故障がその他の補助 設備を故障させる原因と な っては なら ない。 集 中船橋 では 、航 海、通信 、 機関制御、荷役制御、安 全・保 安に関 する 2 つ以 上 の 操作を 行う。故 障分析 が 必 要。 新 設(装 備す る場合 ) 集 中 航 海 設 備 (INS) の 一 部 が 故障し た場 合には、個 々 の機器をそれぞれ操作す ることができるか、また は、装 置の一 部を分 離し て 操作することができなけ れ ばなら ない。集 中した 航 海設備は航海士を支援す る シ ス テ ム で 、 INS(A)は 集 中 情 報 表 示 、 INS(B)は 統 合 情 報 表 示 、 INS(C)は 自 動 航 行 操船ま で含 む。 62 性 能基準 A.342(IX) MSC.64(67) Annex 3 (1999.1.1-) MSC.74(69) Annex 2 (2000.1.1-) A.526(13) MSC.64(67) Annex1 A.529(13) A.815(19) MSC.86(70) (2000.1.1-) Annex3 3.3 代替の設計及び措置の承認に関する規則の新設 第 19 規則で代替え手段を認めている航行設備は次の通り。 ―Standard magnetic compass, Spare magnetic compass, Gyro compass, Gyro compass repeater, Heading or Track control system, Pelorus or Compass bearing device, Transmitting heading device, ECDIS, Receiver for a global navigation satellite system, 9 GHz radar, ARPA, ATA, EPA, Speed and distance measuring device, Echo sounding device, Rudder angle indicator, Shaft revolution indicator, Propeller pitch indicator, Operational mode indicator, Rate of turn indicator, Sound reception system, Telephone to emergency steering position, Daylight signal lamp, Radar reflector *AIS, VDR については代替え手段を認めていない。 ―この規則に基づいて「他の手段」が認められる場合、この手段については第 18 規則に従っ て主官庁が承認する。 3.4 免除及び同等物に関する規則の新設 第 3 規則で主官庁は、非自航船、ある一定の航行区域を航行する船舶で第 V 章を全面的に適 用することが不合理又は不必要である船舶に対して部分的又は条件付きの免除及び同等物を 認めることができる。 4. 安全航行に関する新設規則 1) 第 14 規則 船舶配員 ―国際航海に従事する船舶においては、船舶同士及び船舶と陸上との安全通信並びに 本船 上での水先案内人と当直員との間の交信のための使用言語として英語が船橋で使われ ること。 2) 第 28 規則 航海行動の記録 ―国際航海に従事するすべての船舶は、航海の安全のために重要であって、航海中の全て の記録を復元するために十分詳細な内容を含む航海行動及び事故の記録を船内に保持 する。この記録については、機関により採択された勧告を考慮する。このような情報が 船 用 航 海日誌 で 維 持され な い 場合は 、 主 官 庁 に よ っ て 承 認 さ れ た 他 の 様 式 で 維 持 す る 。 ・ 機関により採択された勧告 NAV47/5/2 3) 第 34 規則 安全航行及び危険回避 ―出港に先立ち、船長は関連する海域の海図及び航海用刊行物を使用して予定する航 海を 計画する。 ・ 機関により作成された指針 A.893(21) ・ 詳細な航海計画は、利用するパイロットのサービスエリアを含め、バースからバースま での全航程をカバーするものであること。航路は適切な尺度の海図にプロットされて い ること。 ・ 航路計画の詳細は明確に区別しておくこと。認められる場合は、海図上及び航海計画ノ ートあるいはコンピュータ記憶装置に記録しておくこと。 ・ 各々の航海計画は、その航海の開始前に船長の承認を得たものでなければならない。 以上 63
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