動物実験による基礎的研究のレビュー The Effects of Acupuncture on

30
全日本鍼灸学会雑誌、2003年第53巻1号,30-35
(30)
第51回 全日本鍼灸学会学術大会
セミナーⅠ
「基礎と臨床の対話:ここまでわかった鍼灸医学−末梢循環に対する鍼灸治療の効果−」
動物実験による基礎的研究のレビュー
内田 さえ
東京都老人総合研究所 運動・自律機能相関研究グループ
The Effects of Acupuncture on Peripheral Circulation:
Review of Basic Research in Experimental Animals.
UCHIDA Sae
Motor and Autonomic Nervous System Integration Research Group,
Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
これに対して、正常なラットに対しても、麻酔
Ⅰ.はじめに
近年、末梢循環に対する鍼灸治療効果のメカニ
下で呼吸や体温を生理的状態に維持するように注
ズムが、動物実験を用いた基礎研究によって徐々
意すると、鍼が血圧にわずかな変化を及ぼすこと
に明らかにされてきている。各器官の血流は各器
がOhsawaら3)により明らかにされてきた。麻酔ラ
官の血管に分布する自律神経による調節や全身血
ットの後肢の足三里相当部位へ鍼刺激を行なうと
圧による影響を受けて変化する。このため、鍼灸
多くの例で血圧低下が起こり、特に皮膚ではなく
刺激は全身血圧や自律神経を介して各器官の血流
筋肉が刺激されると血圧低下が起こりやすい。そ
を調節していると考えられる。本稿では、近年の
の血圧低下の原因は、腹部臓器の血管を支配する
動物を用いた基礎研究によって鍼刺激効果のメカ
交感神経活動が低下する事による。
ニズムが明らかとなってきた脳、眼底、神経の栄
その後、鍼刺激を麻酔ラットの種々の部位に加
養血管、骨格筋、子宮の血流について取り上げ、
えると、後肢や背中のように筋肉の多い部位では
紹介する。
血圧が低下しやすく、前肢や後肢の足蹠のように
皮膚の多い部位では血圧が上昇する反応が見出さ
れた。この血圧上昇反応も、血管支配の交感神経
Ⅱ.全身血圧に及ぼす鍼の効果
はじめに、各末梢器官の血流に入る前に、全身
血圧に及ぼす鍼刺激効果について紹介する。
活動の亢進による。
実験には通常、160μmや340μmの太さの鍼灸
鍼が全身の血圧に及ぼす効果については、1981
針が用いられるが、太い鍼の方が血圧反応が大き
年にYaoらが高血圧ラットに対して体性神経刺激
くなる特徴がある。また、鍼通電の場合は刺激強
が血圧低下作用を示すことを報告している1)。そ
度が強くなるほど血圧反応が大きくなる、すなわ
の後、中国のPeng Liら は、鍼は麻酔した正常な
ち、細い体性感覚神経線維が興奮すると血圧反応
ラットには効果がなく、高血圧や低血圧のような
が大きくなる特徴が見られる。
2)
病的な状態を正常化すると報告している。
〒173-0015
東京都板橋区栄町35-2
東京都老人総合研究所 運動・自律機能相関研究グループ
2003.2.1
内田 さえ
鍼刺激はこのように交感神経を介して全身血圧
(31)
31
わらない状態にすると、鍼刺激による脳血流増加
反応は完全に消失する。また、これらの体性感覚
に反応を起こす。
神経の求心性活動を記録すると、前肢足蹠の鍼刺
Ⅲ.大脳皮質血流に及ぼす鍼の効果
動物実験では様々な血流測定方法があるが、連
激によりどの神経も興奮する。この結果から、鍼
は刺激部位に分布する体性感覚神経を興奮させて
続測定ができるレーザードップラー血流測定法が
情報を伝え、脳血流増加を起こすと考えられる。
よく使われている。
体性感覚神経はⅠ∼Ⅳ群線維よりなるが、この脳
脳の大脳皮質血流に対する鍼刺激効果を麻酔ラ
4)
ットで調べた研究 を紹介する。
鍼刺激を1分間加えると、顔、前肢足蹠、後肢
血流増加にはⅢ群とⅣ群繊維の関与が大きいこと
が、鍼通電刺激を用いて刺激強度を変えて調べた
実験により明らかにされている。
足蹠の刺激により、脳血流と血圧ともに鍼刺激中
大脳皮質血管には頸部交感神経と、顔面神経に
に増加し、刺激終了後徐々に元に戻る反応を示す
含まれる副交感神経が分布する。これらの神経を
(図1)。胸部への刺激では殆ど変化しない。脳局
外科的に切断しても、依然として鍼刺激による脳
所血流は血圧が上昇すると受け身で二次的に増加
血流増加反応は認められる。大脳皮質の血流は自
することが知られているため、この鍼刺激による
律神経の他に、脳内の内因性神経によっても調節
脳血流増加反応が血圧上昇による二次的反応であ
されている。脳内の前脳基底部のマイネルト核か
る可能性がある。しかし、血圧が変化しにくい特
ら大脳皮質に投射するアセチルコリン(ACh)を
殊な実験モデル(第1─2胸髄レベルで脊髄を切
伝達物質とするコリン作動性神経は、アルツハイ
断した実験モデル)を作成して、前肢の刺激効果
マー病で死にやすい事が知られている。1989年に
を調べた結果、血圧が変動しない状態でも脳血流
Satoの研究グループにより、この神経の興奮が大
は増加する。すなわち、前肢への鍼刺激は血圧に
脳皮質血流を増やすことが見出された5)(図2A)
。
依存しない積極的な脳血流増加反応を誘発する。
鍼刺激による脳血流増加に自律神経が関与しない
鍼は皮膚と筋肉に刺しているので、皮膚と筋の
ことから、このような脳内の内因性神経が働いて
感覚神経を介して脳血流に影響を及ぼすことが予
いることが予想できる。大脳皮質の細胞外ACh量
想される。前肢足蹠に分布する体性感覚神経であ
は、前肢足蹠への鍼刺激中に増加する(図2B)。
る橈骨神経、尺骨神経、正中神経を腕神経叢で切
さらに、鍼刺激による脳血流増加はAChのムスカ
断して、鍼刺激による感覚情報が中枢神経系へ伝
リン性とニコチン性受容体の遮断薬によりそれぞ
図1
鍼刺激による脳血流増加に対する脳内コリン作動性神
経の関与
種々の部位への鍼刺激が大脳皮質血流に及ぼす効果
A: 脳血流(上段)と平均血圧(下段)の反応の典型例
B: 鍼 刺 激 に よ る 脳 血 流 と 平 均 血 圧 の 反 応 の ま と め
(Uchida et al., 2000).
図2-A
前脳基底部マイネルト核のコリン作動性血管拡
張系を示す模式図。mAChR; ムスカリン性受容
体、nAChR; ニコチン性受容体。
32
(32)
セミナー1
図2-B 鍼刺激による大脳皮質細胞外ACh放出量の変化
全日本鍼灸学会雑誌53巻1号
顔面神経の中に含まれる副交感神経により拡張性
に調節される。血圧が変化しにくい実験モデルを
用いて、眼底血管支配の顔面神経を切断し、交感
神経を無傷の状態で前肢にピンチ刺激を加える
と、血流低下が見られる。この血流低下はαアド
レナリン受容体遮断薬投与で遮断されることか
ら、交感神経性に血流低下が起こったものと考え
られる。一方、副交感神経は無傷のままで、頸部
交感神経を切断したラットでは、前肢ピンチ刺激
で眼底血流が増加する。この血流増加反応はアセ
チルコリン(ACh)のムスカリン性受容体遮断薬
の投与では影響を受けず、一酸化窒素(NO)合
成阻害薬の投与で遮断される。副交感神経による
眼底血流増加は、AChではなく、AChと一緒に放
出されるNOが血管を拡張させ血流を増やすこと
図2-C
鍼刺激による脳血流増加に対するアトロ
(mAChR遮断薬)とメカミルアミン(nAChR
遮断薬)の影響。
(Uchida et al., 2000)
が米国のSteinleら 7)により明らかにされている。
従って、前肢ピンチ刺激による眼底血流増加は副
交感神経の活動亢進によると考えられる。皮膚侵
れ減弱する。
(図2C)
。
害性刺激で起こる上記の眼底血流反応は皮膚の非
従って、鍼刺激は、マイネルト核からのコリン作動
侵害性ブラシ刺激では見られない。
性神経を働かせて、大脳皮質にAChを放出し、ム
以上の結果から、皮膚刺激による眼底血流増加
スカリン性とニコチン性受容体を介して脳血流を
が見られるが、この反応には、前肢の皮膚のⅢ、
増加させると考えられる。
Ⅳ群繊維を求心路とし脳を介して副交感神経を遠
以上の結果から、前肢足蹠への鍼刺激は体性感
心路とする血流増加反応と、交感神経を遠心路と
覚神経のⅢ群、Ⅳ群繊維を求心路とし、脳内のマ
する血流減少反応、さらに血圧上昇に依存した血
イネルト核のコリン作動性神経を遠心路として反
流増加反応の機序がある。
射性に脳血流を増加させる。このようなメカニズ
ムが人における鍼治療でも働いて、脳循環が改善
されることにより、脳血管障害に伴う疾患が改善
すると考えられる。
Ⅴ.子宮血流に及ぼす皮膚刺激の効果
子宮の血流に対する皮膚機械的刺激の効果を調
べたHottaら8)のデータを紹介する。種々の部位に、
皮膚ピンチ刺激を加えると、後肢足蹠と会陰部の
Ⅳ.眼底血流に及ぼす皮膚刺激の効果
刺激でのみ子宮血流が増加する。会陰部では、非
眼底血流に対する皮膚機械的刺激の効果を麻酔
侵害性のブラシ刺激でも子宮血流が増加する。全
ラットで調べたShimuraら6)のデータを紹介する。
身血圧の上昇が起こる前肢足蹠の刺激では子宮血
前肢足蹠に皮膚ピンチ刺激を加えると、眼底血
流に変化が見られないことから、子宮の血流は血
流が増加する。このとき血圧も上昇する。血圧が
圧上昇による二次的な影響を受けにくい臓器とい
変化しにくい特殊な実験モデル(第4胸髄で脊髄
える。
を切断した実験モデル)では、皮膚ピンチ刺激は
眼底血流に対しても殆ど変化を及ぼさない。
眼底部の血管は頸部交感神経により収縮性に、
子宮血管は交感神経である下腹神経により収縮
性に、仙髄から出る副交感神経である骨盤神経に
より拡張性に調節される。後肢や会陰部刺激によ
2003.2.1
内田 さえ
(33)
33
る子宮血流の増加反応は、下腹神経のみを切断し
臨床的に、鍼による刺激部位近傍で見られる血
ても影響を受けず、一方、骨盤神経を切断すると
流改善効果は、軸索反射によると理論的に説明さ
完全に消失する。骨盤神経の遠心性活動を記録す
れている。軸索反射による血管拡張反応は皮膚で
ると、後肢足蹠と会陰部の刺激で興奮する。従っ
は良く知られた現象で、皮膚の体性感覚神経の興
て、皮膚刺激により反射性に骨盤神経活動が高ま
奮が枝分かれした軸索に沿って逆行性にも伝達さ
り、子宮血流が増加したと考えられる。
れて皮膚血管を拡張させるものであるが、筋肉で
脳と脊髄の間の連絡を絶った脊髄切断ラットで
も、依然として後肢や会陰部の刺激で子宮血流が
増加し、むしろ反応が大きくなる。この結果から
この子宮血流の反応は、脊髄分節性の反射である。
以上の結果から、後肢や会陰部刺激による子宮
は証明されていなかった。筋血流について調べた、
Satoら10)の仕事を紹介する。
大腿二頭筋の血流を測定し、後肢の体性感覚神
経が入力する下部腰髄の脊髄後根を切断し、末梢
側へ向けて逆行性に刺激する(図3A)。
血流の増加は、皮膚のⅡ、Ⅲ、Ⅳ群繊維を求心路、
脊髄後根には遠心性の自律神経や運動神経が含ま
骨盤神経を遠心路とする、脊髄分節性反射である。
れず、感覚神経だけが含まれる。後根神経を末梢
側に刺激すると、無髄のIV群(あるいはC繊維)
Ⅵ.骨格筋血流に及ぼす鍼通電刺激の効果
骨格筋血流に対する鍼通電刺激の効果を調べた
Noguchiら9)のデータを紹介する。
の興奮する強度の刺激で、筋血流が増加する(図
3B)。今まで紹介してきた鍼などの刺激効果は、
刺激中に見られ、刺激後1分以内に回復する短い
麻酔ラットで大腿二頭筋の血流を測定し、後肢
反応であるが、この筋血流増加は30秒の短い刺激
足蹠に鍼通電刺激を加えると、Ⅲ群繊維の興奮す
で約5分にわたる長い血流増加反応が見られる特
る刺激強度以上で、筋血流が増加する。このとき
全身血圧も上昇する。血圧が変化しにくい特殊な
骨格筋(大腿二頭筋)血流に対する後根神経の逆行性
刺激の効果
実験モデル、この場合は腹部内臓血管支配の交感
神経を切断したモデルを用いると、同じ刺激で筋
血流の増加は見られず、むしろわずかに減少する。
後肢の筋血管を支配する交感神経を、腰部交感神
経幹で切断すると、筋血流の減少反応は消失する
ので、交感神経活動の亢進による筋血流減少と考
えられる。
従って、後肢への鍼通電刺激による筋血流増加
には、Ⅲ、Ⅳ群を求心路とし、筋血管支配の交感
図3-A 方法を示す模式図
神経を遠心路として反射性の血流減少と、全身血
圧上昇反応による受動的な血流増加反応の機序が
ある。
Ⅶ.骨格筋血流・神経血流に及ぼす後根神経の逆
行性刺激の効果
以上に述べた血流反応は中枢神経系を介する反
射であるが、次に筋血流の調節に関して、別の視
点、すなわち中枢を必要としない軸索反射の視点
からの研究を紹介する。
図3-B
34
セミナー1
(34)
徴がある。体性感覚神経にはサブスタンスPや
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)など
図4
全日本鍼灸学会雑誌53巻1号
鍼を含めた体性感覚刺激による各種器官の反射性
血流調節を示す模式図
の神経ペプチドが含まれることが知られている
が、この血流増加反応はCGRP受容体遮断薬投与
で完全に消失する(図3C)。Sakaguchiら 11) は、
後根の逆行性刺激でCGRPが筋に放出されること
を明らかにしている。
図3-C
B, C: 後根刺激による筋血流反応の典型例(B)
とまとめ(C)、およびCGRP受容体遮断薬の
効果(C)。(Sato et al., 2000)
従って、細い無髄の感覚神経が逆行性に興奮す
の影響を受けやすい器官と受けにくい器官があ
ると、CGRPが放出して骨格筋血流が増加する。
る。筋血流については、血流改善をねらう筋への
これと同様の結果は、坐骨神経の栄養血管の血流
刺激で、今までのメカニズムに加えてCGRPを介
でも明らかにされている 。鍼の刺激がこのよう
する血流増加があることが示唆された。このよう
な感覚神経の逆行性興奮を起こして、筋血流や神
な麻酔動物で見出されたメカニズムが、人に対す
経血流を改善させる可能性が予想される。
る鍼灸治療の際にも働いていると考えられる。今
12)
後、意識下の動物や病態モデル動物を用いた研究
Ⅷ.おわりに
に発展させていく必要があると思う。
以上のように、情動の影響を除いた麻酔ラット
を用いた基礎研究により、鍼などの刺激は、体性
文 献
感覚神経を求心路とし、自律神経を遠心路として
1)Yao T, Andersson A, Thoren P. Long-lasting
反射性に各器官の血流を調節するメカニズムが、
cardiovascular depressor response to somatic
明らかになってきた。
stimulation in spontaneously hypertensive rats.
この反射性の血流調節は各器官で異なる特徴を
Acta Physiol. Scand. 1981;111:109-11.
もつ(図4)。求心路については、Ⅱ群線維の興
2)Li P, Sun F Y, Zhang A Z. The effect of acupuncture
奮で血流反応を起こす器官と、Ⅲ、Ⅳ群線維の興
on blood pressure: the interrelation of sympathetic
奮で反応を起こす器官がある。遠心路は、交感神
activity and endogenous opioid peptides. Acupunct
経が働く場合、副交感神経が働く場合、脳の内因
Electrother Res. 1983;8:45-56.
性神経が働く場合がある。反射中枢はまだ明らか
3)Ohsawa H, Okada K, Nishijo K, Sato Y. Neural
にしていない器官もあるが、脳を必要とする反射
mechanism of depressor responses of arterial
と、脊髄で起こる反射がある。さらに、全身血圧
pressure elicited by acupuncture-like stimulation
2003.2.1
内田 さえ
(35)
35
to a hindlimb in anesthetized rats. J.Auton. Nerv.
reflexively regulated by cutaneous afferent
Syst.1995;51:27-35.
stimulation in anesthetized rats. J. Auton. Nerv.
Syst. 1999;75:23-31.
4)Uchida S, Kagitani F, Suzuki A, Aikawa Y.
Effect of acupuncture-like stimulation on cortical
9)Noguchi E, Ohsawa H, Kobayashi S, Shimura M,
cerebral blood flow in anesthetized rats. Jpn. J.
Uchida S, Sato Y. The effect of electro-
Physiol. 2000;50: 495-507.
acupuncture stimulation on the muscle blood
flow of the hindlimb in anesthetized rats. J.
5 ) Biesold D, Inanami O, Sato A, Sato Y.
Auton. Nerv. Syst. 1999;75:78-86.
Stimulation of the nucleus basalis of Meynert
10)Sato A, Sato Y, Shimura M, Uchida S. Calcitonin
increases cerebral cortical blood flow in rats.
gene-related peptide produces skeletal muscle
Neurosci. Lett. 1989;98: 39-44.
6)Shimura M, Uchida S, Suzuki A, Nakajima K,
vasodilation following antidromic stimulation of
Aikawa Y. Reflex choroidal blood flow
unmyelinated afferents in the dorsal root in rats.
responses of eyeball following somatic sensory
Neurosci. Lett. 2000;283:137-40.
11)Sakaguchi M, Inaishi Y, Kashihara Y., Kuno M.
stimulation in rats. Auton. Neurosci. 2002;97:35-
Release of calcitonin gene-related peptide from
41.
nerve terminals in rat skeletal muscle. J. Physiol.
7)Steinle J J, Krizsan-Agbas D, Smith P G.
1991;434:257-70.
Regional regulation of choroidal blood flow by
12)Sato A, Sato Y, Uchida S. Blood flow in the
autonomic innervation in the rat. Am. J. Physiol.
Regulatory
Integrative
Comp.
sciatic nerve is regulated by vasoconstrictive and
Physiol.
vasodilative nerve fibers originating from the
2000;279:R202-R209.
ventral and dorsal roots of the spinal nerves.
8)Hotta H, Uchida S, Shimura M, Suzuki H.
Neurosci Res. 1994;21:125-33.
Uterine contractility and blood flow are
要 旨
鍼などの刺激は、体性感覚神経を興奮させ、反射性に自律神経を働かせて各器官の血流を調節する機序
が、麻酔動物を用いた基礎研究により明らかにされてきた.この反射性血流調節は各器官で異なる特徴を
もつ。
キーワード:鍼、大脳皮質血流、眼底血流、子宮血流、骨格筋血流、神経血流、体性自律神経反射、軸索
反射
Key words:acupuncture, cerebral cortical blood flow, choroidal blood flow, uterine blood flow, muscle blood flow,
nerve blood flow, somato autonomic reflex, axon reflex