宇治山田港旅客ターミナル施設についての市民懇談会 1.開 催 日 【港地区】 平成 22 年4月9日(金) 19:30~21:00 2.場 所 港中学校体育館 3.参加者数 56 人 4.懇談内容 (◎は意見・質問、☆は市の回答) ◎今回の懇談会は、市長の最終的な決断をするための懇談の場として理解してよいか。 ↓ ☆3年近くの期間、有効活用について協議を行ってきたが、現状では、有効活用できるも のはないと考えている。そういった中で、現実的に、こういう計算をして、こういう事 業者を呼んできて、これくらい税金をかけて、これくらいの収入を入れれば何とかなる、 という意見があれば聞かせていただきたい。 ◎建物を残すにしろ、撤去するにも、お金の出所が問題である。今回の事業については一 番最初の計画の段階、施設施工の段階でミスがあったと思う。撤去するにしても、税金 を投入するのは絶対反対。その費用をどう捻出するか、例えば、市議会議員や職員の固 定費を削減し、撤去費用に充てるのであれば、市長の意見に賛成する。 ↓ ☆責任の話があったが、当時、担当の職員を訓告の処分をしたと聞いている。また、現在、 住民の方々から市に対して住民訴訟が提訴されている。このことについては、司法の判 断を受けたいと考えている。固定費の削減という話もあったが、これは非常に難しい話 であるが、現状の中で税金の無駄使いは1円でも無くして、節約をして少しでもその費 用に充てるというふうに考えている。 ◎事業者を誘致する考えはどうか。以前に、津エアポートラインの社長が伊勢航路の開設 を表明していたと思うが、市長は津エアポートラインの要請を考えていないのか。 ↓ ☆中部国際空港の便数も減っており、非常に厳しい状況になっている。鳥羽のフェリーの 撤退の問題もある。もし、中部国際空港の利用者が増加し、将来的に利益がとれる根拠 づけが出来れば、その方法もあるが、非常に困難だと思う。 そして、選挙の折にそのことを訴えて、市民の皆様が海上アクセスはやはり中止すべき だと判断いただいたと考えている。 -1- ◎津エアポートラインの社長が、昨年7月に松阪航路を吸収するときに、定期航路をする つもりはないと言っている。観光目的で臨時便はあるにしても、どんな頻度で運航する かもわからない状況で、浚渫費に莫大なお金がかかるのであれば、(誘致の)計画には疑 問がある。 ◎浚渫費5億円は本当に必要なのか。今までも 500tくらいの船が入ってきているが。 ↓ ☆今回の浚渫工事費として計上しているのは、三重県の測量をもとにマイナス 3.5mで浚渫 を行った場合の土量から試算した。マイナス 3.5mとは、以前、船舶のチャーターをする ことを考えた場合に、業者に確認したところ、安心して入ってくるにはマイナス 3.5mの 水深がほしいという話があった。 大きな船が入っているということだが、恐らく潮を見ながら(満潮の時に)入ってきて いると思われる。もし、旅客船を持ってくる場合は、いつでも安心して入ってこれるこ とが必要であると考える。 ↓ ◎(施設を)維持していく場合は4億 8,000 万円だが、撤去の場合は8億円かかる。なの に金額の大きい方を選ぶのはおかしい。せっかくできた建物を、1年も経たないうちに 壊すのではなく、もっと有効利用について考えてほしい。 ↓ ☆前市長が3年間ずっと一生懸命、新たな事業者を全国探し回ったが、市税の投入がなけ れば参入は難しいという答えであった。中部国際空港の現状も厳しく、事業者の誘致は 非常に難しいと考えている。 ◎旅客ターミナル施設は壊したって、交付税措置がもらえない4億何千万円は、市民も含 めて計画したわけだから、市の負担で賄ったらいい。一方では、何か有効活用する方法 が見つかれば、交付税措置もしてもらえるのでは。我々にとって何が一番経費が安くて、 みんなが幸せになれるか、この方向を目指して考えてほしい。過去の責任を問うても、 何ともならない。 ◎当時は四日市、津、松阪と全部開港しているのに、なぜ伊勢が単独で進めたのかが疑問 である。採算性についての試算も適当な数字であった。民間であればこんな経営では成 り立たない。当時の市長や事業に賛成した議員に責任を取ってほしい。市長は、決断し ていただいて、正しい方向で断行してほしい。 ◎アクセス事業が良く見えた時代もあるが、経済状況が悪くなると問題となってくる。撤 -2- 去するのはいい案だと思う。しかし、一時にここまで来てしまったものを、一時に消す というのは、もう一つの問題も出てくる。十分に考えたほうがいい。 ◎アクセス事業以外の有効活用をもっと考えてはどうか。例えば、マリンスポーツの拠点 としての活用や、遊漁船の係留施設としての利用、防災施設として利用するなど、いく らでも有効活用の手段があるのでは。他の懇談会でも有効活用の意見があったのでは。 また、海上アクセス事業を行うのであれば、浚渫は必要だと思うが、有効活用を考えた 場合は、浚渫までは必要とならないのでは。 ↓ ☆有効活用の案については、3年以上も検討を行ってきた。検討委員会を立ち上げ、その 中でアイデアも募集し、活用方法を探った。その中では、色々な活用案も出たが、実際 に現実的な案は無かった。 ◎国土交通省が行っている、勢田川の不法係留対策の委員になっている。その中で、暫定 係留施設の確保の問題も出ている。そういうことも含めて、運航ではなく係留施設なん かを国や三重県と相談しながらとなると、1年、2年もっとかかるかもわからない。そ の間の経費、賃貸料なんかが垂れ流しになっていく。そういうのを税金ではなく、市職 員などの負担で賄ってほしい。 ◎利用するのは、アクセスでなくても、浚渫しないと通らないような大きな船になるとも わからないうちに、浚渫費を入れるのは無理がある。「維持管理」が5億円、撤去が8億 円、その差額の3億円を「維持管理」につぎ込めば、市民が喜ぶ事業が増えるのではな いか。どう考えても撤去の選択には納得がいかない。 ↓ ☆市民にとって喜んでもらえることが、一番いいことだと思っている。施設を残したまま、 何もしないわけにはいけない。何かしらの有効活用をしなければいけない。しかし、3 年間検討したものの具体的な活用方法が無かったものを、再度考えた場合、すぐに案が 出るのか、3年・5年・10 年経ってもいい案が出るかどうかわからない。そういった先 の見えないものへの税金の投入はきついと思う。 浚渫は、本来、三重県が行うものであるが、市から要望をしているものの、現在のとこ ろ、三重県には浚渫の予定はないとの回答である。このままの状態でターミナル施設を 直し、置いておけるといいが、有効活用をする場合には、何かしらの事業はしなければ ならない。 そうした場合、例えば、観光船などを呼ぼうとすると、マイナス 3.5mは必要といわれて いるので、必ずしも浚渫がいるとは限らないが、市が浚渫を行う場合として、試算をし ている。 -3- ◎施設ができた事がうれしい。昔の宇治山田港は、伊勢市中のし尿を集めて沖へ投棄して いた。今度は、下水処理場もできた。その後、産業廃棄物の処理場ができる話もあった。 そんな中でターミナルができたのがうれしかった。景色もいい場所。維持の方法を考え てほしい。議会で決めたものを、議会で壊そうとしている。税金の無駄遣いの無いよう に考えてほしい。 ◎カッター、ヨットなどを地元の小学生などがしている。この地区だけでなく、市内全域 での教育の場として施設の活用を考えては。防災の拠点としての活用についてもどうか。 ↓ ☆ターミナルは港湾法に基づく旅客施設として建築した。そのため、有効活用する場合、 まず浮桟橋の修理が必要となる。施設の性格によって有効活用の制限がかかってくる。 防災拠点としての活用については、もともと海上アクセス事業として整備したものであ り、それに付随する形で、後から防災拠点の話が出てきた。現在、鳥羽商船と災害協定 を結んでいるが、鳥羽商船の船は大きな船なので、沖にその船をつけて、小型ボートで こちらへ入ってくる。 ◎経済効果の数字については、大きく見積った数字だろうと。私も当時、市議会議員であ り、港を造るのがこの地域にとって大切だとの判断で賛成をした。浚渫について、市に 質問をした際、 「市が代わりに浚渫を行う事があるのか」との質問をしたが、三重県は「通 常の港湾工事の負担金は別として事例はない」との回答であった。市からも、「平成 19 年度において泊地の浚渫と共に船舶の安全航行を図るため、航路の一部を市の事業とし て浚渫を行った。」との回答であった。ずさんな理由付けで貴重な財産を潰してしまうの は、同じようなずさんさ。この点について、市長の見解を。 ↓ ☆精度の高い、皆さんに納得できる内容のものに詰めていかなければならない。 ↓ ◎具体的な提案があれば言ってほしいとの話があったが、無礼な話である。行政が市民に とって有利な事を考えるのが必要である。数字の如何を問わず、施設を壊す。その前提 で懇談会を開いている気がする。 ◎旅客ターミナル以外の有効活用は無理であるのなら、有効活用を市民に聞いても案が出 てこないと思う。選択肢としては、維持か撤去しかない。平成 29 年度までの経費を考え るのであれば、すぐに撤去を考えずに、ターミナル以外の活用ができないか努力して、 子供たちへの投資も考えて、事業の優先順位を決めてほしい。 ◎数字を冷静に判断し、市民にとって一番有利になる選択をしてもらいたい。 -4-
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