宇治山田港旅客ターミナル施設についての市民懇談会 1.開 催 日 【厚生地区】 平成 22 年 4 月 15 日(木) 19:30~21:00 2.場 所 市民活動センター 3.参加者数 42 人 4.懇談内容 (◎は意見・質問、☆は市の回答) ◎「維持管理+事業」の試算で、浚渫費5億円とあるのは、1回限りの浚渫費用か。 ↓ ☆5億円というのは、三重県が行った宇治山田港の深さを調べる測量をもとに、マイナス 3.5mで土砂を浚えたときの土量をもとに計算している。マイナス 3.5mというのは、今 まで伊勢湾で船を運航している業者によると、例えばチャーター船をもってくる場合、 安全に航行するにはマイナス 3.5mの水深を確保してほしいと言われる。そこから土砂量 を計算すると、5万㎥くらいである。金額は持っていく場所や土の固さによって変わる ので、それらを含めて5億円と計算した。これは、1回浚渫を行った場合の金額である。 本来、管理者は三重県なので三重県が行うべきであるという考えではあるが、三重県も 財政が厳しく予定がないということで、ここに計上した。 ↓ ◎川が流れる以上、埋まってくる。以前、市に水深を聞くと、干潮時が3m、満潮時は5 mという返事があった。これだと船は着けられない。そのとき、船舶が接岸できない港 を造ってしまったのかと思ったが。 ↓ ☆当時、持ってこようと考えていた船は双胴船で、それだと水深がわりと比較的浅いとこ ろでも入ってこれる。そのため、当初は、浮桟橋を置いたところの浚渫はしたが、航路 については浚渫を考えていなかった。 ↓ ◎市に聞いたら、川の中心は三重県の管理で、両岸が市の管理であるため、浚渫するにし ても真ん中と両岸では違うという返事があった。この点についてはどうか。 ↓ ☆宇治山田港は三重県の管理であり、平成9年から 13 年にかけて、三重県が航路の浚渫を 行ったところもある。ただ、上流からの土砂の供給もあり、その当時マイナス 4.5mで浚 渫されたところだが、それがまた浅くなってきているところも部分的にはある。 ↓ ◎川の流れに対して、直角に造っている。直角に造ると、川の急流の所は掘れていくが、 流れが緩やかな所はだんだん埋まってくる。そのようなことも加味して港を造ったのか -1- と思ったが、見に行ったらそのようなことはなかった。 ◎経費の試算について、市長は、「維持管理」で交付税措置を受けるにはなんらかの事業を 行わなければならないと話されたが、例えば、勢田川への木造船の運航とか、その程度 でも事業となるのか。また、平成 21 年5月の新都市マスタープランで宇治山田港が広域 流域拠点として、伊勢湾海上交通軸、勢田川歴史文化交流軸として位置づけられ、基本 計画となっている。私たちは勢田川流域にいて、外宮参道及び、JR伊勢市駅前の活性 化ということで、できれば勢田川をなるべく利用して、一つの交通としての目的で使っ てもらえばこのマスタープランが有効かと思うので、市長はこの計画をどのように今後 考えられるか。 ↓ ☆交付税措置については、基本的には宇治山田港旅客ターミナルということなので、旅客 施設、いわゆる、船が着く施設であることが大前提となる。そのため、船が着くための 事業をして、その地域の活性化に資するものであれば、合併特例債の交付税措置が受け られる。木造船でもいいのかという話だが、今「みずき」が動いているが、その船が着 くのが最低の条件である。しかし、それだけでは活性化ということに対して不十分な部 分もあるのではないかと思う。チャーター船が着く港であるとか、大きな事業をしてい く必要があるだろうと考えている。そのためには、浚渫や他の事業を組んでいかなけれ ばならず、プラスの経費が必要となってくる。 ↓ ☆都市マスタープランについて、特に観光産業は伊勢市にとって大切なもので、駅前の状 況、外宮前の状況も何とかしなければと言って 10 年も 20 年も経ったというのが現実で ある。今まで賑やかだった駅前の状況と、今これからどうやって駅前を活性化していく かということは、また違う視点を持たなければならないと思っている。 ↓ ◎今、木造船でいいという話なら、賃貸借契約が平成 29 年までで、支払わなければならな いのなら、あえて今壊すのではなく、ご遷宮が終わるくらいまで、「みずき」が使えるよ うな形にして、もう少し社会状況が変わるのを待ってもいいのではないか。 ↓ ☆状況判断として、特に中部国際空港の状況が厳しい。当時から、リーマンショックによ る金融危機等もありながら、中部国際空港へ海外から来られるお客様が非常に少なくな り、航空会社も減便が相次いで、未だに貨物、旅客ともつい2週間前も減便したニュー スが入ってきており、現実的に収入を得れるのかという難しい問題があると考えている。 海上アクセスを進めてきた当時は、年間6億円の経済効果が伊勢志摩にあるという話だ ったが、その目的はまず難しいと判断しており、なおかつその事業を継続することでそ の規模を達することはまず不可能であろうと判断している。 ◎昨年度の市長選挙では、海上アクセスの是非を問うということを争点にしての選挙で、 -2- 海上アクセスの中止については市民の大多数の支持を得たが、ただ、ターミナルについ ては、就任後も市民の負担の少ない方法を選びたいという発言であった。ところが、タ ーミナルの完全撤退、施設の撤去を言われた後、市民を集めて市民から意見を聞くとい うことについてどういうことか。市民の意見を聞いて何か結論が出るのかという疑問が わく。混乱する原因となるのではないか。 ↓ ☆まず、私の意思を皆さんの顔を見てお話する場を作りたい、説明責任を果たしていかな ければならないというのが第一の理由。そのうえで、いろいろなご意見が出て、私が議 会の頃から精査してきた数字の部分や世の中の情勢の部分が、万が一でもひっくりかえ るという話もあるのではないかということもある。説明責任を果たせる場所をつくると いう意味。 ◎施設撤去費が3つとも載っていて、 (注釈)にいずれもいつかは必要になるからとあるが、 このことがわからない。それと、浚渫費だが、どのくらいの大きさの船を設定している のか。例えば、木造船だったらこのままでもいけるのではないかという話があったが。 とりあえず木造船なりチャーターだけでも使えば港として浚渫しないで使えるのではな いか。いずれは、社会情勢を見て撤去しなければならないときが来るかもしれないが、 ただ努力していい方向へ向くかもしれない。それを、今壊すというのはどうかと思う。 ↓ ☆まず、工事費の関係で、「維持管理」、「維持管理+事業」については試算が平成 22 年か ら平成 29 年ということであがっている。全体のトータルコストとして考えると、 「中止・ 撤去」については当然撤去費が入ってくるが、 「維持管理」 、「維持管理+事業」について も、いずれの時期には撤去費用が必要ではないかという意見もあり、検討し資料に入れ た。 浚渫についてどれくらいの船を想定しているかについて、現在の水深でいくと、伊勢湾 だと波をきってくるような形の船を考えると、例えば、100 人以上のチャーター船でも今 の状況では入ってこれないので、安全航行ということで、比較的大きな船でも入ってこ れるような浚渫の土量になっている。初めての船会社が船をもってくるにはこれくらい の深さが必要として試算した。 ↓ ☆セラヴィ社が撤退してから約3年間、船を運航してくれる会社を全国探し回った経緯が あるが、民間での船の運航が難しく、努力が実らなかった。社会情勢を見て待てばとい う意見もありがたいと思うが、今光が見えていないのが現状である。待っているだけで 情勢が変わるということは、私としては責任がもてる話ではないと考えている。 ↓ ◎中部国際空港へのアクセスではなくて、もっと少しのこと(利活用)で使っていっては どうか。それと、津の方の会社が名乗りをあげていたと思うが。船会社が全部責任をも ってやってくれると。色々な経費が伊勢市としてはかかると思うが、船と運航について は、伊勢市が負担しなくてもいいような話があったときは、それをしてもいいと思うが。 -3- ↓ ☆中部国際空港とのアクセスについては、市長も反対しており、それをもって選挙を戦っ たのでその意思表示はまとまっていると思う。それ以外の使い方について、やはり旅客 ターミナルという目的があるので、船を着ける施設として使わなければならない。 そこで、小さな船でもいいのではという話もあるが、運航事業者の意見としては、安全 に航行できる場所でないと入っていけないということがあり、マイナス 3.5mの航路を確 保してほしいというのが運航事業者の要望である。 津の運航事業者については、そこが入れる航路かどうか事業者として自社で調査をする という返事を頂いた。それ以降返事がなかったということなので、恐らくその話は難し かったと理解している。 ◎市長は海上アクセスを止めるということで支持されたということは、第一に考えなくて はならないと思う。そして、聞くところによると、「みずき」は客が 1 人か2人で、「み ずき」が走るにしても、運転する人や切符を切る人など人件費、維持費、借地料もいる。 それから、高齢化の問題、待機児童もたくさんいるなど聞き、伊勢市には山積する問題 がある。いつまでも引きずっていると、維持だけでも経費がいる。借地料も「みずき」 で賄えるものではなく桁違いである。早く、これらの問題に取り組んでほしい。 ◎平成9年から 10 年の中部国際空港推進調整会議で、三重県から伊勢、鈴鹿は選考されず ということで、四日市、津、松阪、鳥羽は港湾施設がもともとあるわけで、だから、勢 田川の下に莫大なお金のかかる港湾施設を建てることが第一の問題であった。 平成 11 年7月、宇治山田港湾整備促進協議会設置ということで、構成団体のメンバーは どのような意見を言われたのか疑問に思っている。 平成 18 年の 10 月にセラヴィ社から施設整備の要望書が提出され、12 月に市議会定例会 で整備事業に係る補正予算を審議・可決したと、このような大事なことを2ヶ月という 短い期間で決裁することも問題である。 それから、港地区では地元に立派な施設を建てていただいたということで、有効利用を してほしいという方がたくさんいた。港湾法に海上アクセスについては、旅客施設とい うことになるが、例えばヘリポートとしては利用できないのか。 ↓ ☆基本的には旅客施設ということなので、船が着く場所として計画したということが大原 則になる。例えば、海岸べりの公園など、一部認められはするが、施設を建設するとき の目的が旅客施設として合併特例債をお認めいただき、三重県のほうにも建築確認申請 も提出しているので、そういうことが大前提となる。 ↓ ◎ホームページで、三重県が 18 億円くらいかけて浚渫し、そのうちの5億円くらいが漁業 補償ということで支出している。だから、仮に事業計画を維持して何かの事業をし、5 億円で浚渫したとき漁業補償は発生しないのか。 -4- ↓ ☆以前に三重県が4~5年かけて浚渫をしたとき、浚渫費と漁業補償を含めて総額 18 億円 ということになる。仮に浚渫する場合、今後の協議になるのでどのような形になるかわ からないが、あくまで今の5億円というのは、マイナス 3.5mの航路を確保するために、 約5万㎥の土砂を算出額とし、単価が1㎥約1万円程度として算出している。そのなか に漁業補償費は含んでいない。 ↓ ◎それなら、今の時点できっぱりと撤去して、市民には痛みが伴うということになるが、 維持管理だけでも年間1億 6,000 万円くらいかかるのなら、公共施設とか市民病院の問 題とかそちらの方にお金を回していただきたい。即、「中止・撤去」でお願いしたい。 ◎ターミナルのところは、大潮の引き潮になるとあさりを採る所に港を造ることが理解で きない。満潮になると、もう少し喫水の深い船が来たら多分座礁する。5億円の浚渫費 で足りるかどうかわからないと思う。 ◎施設撤去費は、「維持管理」、「維持管理+事業」、「中止・撤去」全てにあがっているが、 原則的には「中止・撤去」に賛成だが、例えば、「維持管理」でいっておいて、撤去費も あがっているのなら、10 年経ってから撤去しても市の負担が少なくなるのではないか。 ↓ ☆10 年おくことになると、それに対してなんらかの経費、事業費が必要になってくると考 える。 ◎収入の部で総務省からの交付税が4憶 4,288 万円とあるが、これを中止とした場合には 他にまわすことはできないのか。 ↓ ☆合併特例債は、事業を実施するときに目的を決めてお借りしている。今回は、宇治山田 港旅客ターミナル等の建設という目的で、国から認めてもらっている。そのため、目的 から外れると、目的外の利用ということでもらうことができなくなる。 ↓ ◎他の目的を作ればいいのではないか。他の事業でまた申し込むことはできないのか。 ↓ ☆この事業については、あくまで6億 5,000 万円くらいの事業をして、そのうちの4億円 いくらかを合併特例債というかたちで払いますという約束で借金をした。だから、目的 外のものに使うとなると目的外の使用となるので、これは一旦返しなさいとなる。ただ、 次に新しい事業をするのであれば、それはそれとして借りることを許可するというかた ちになる。 ↓ -5- ◎このような大きな事業をする場合、市民とのこのような場を作っていただいて、計画を 組んでほしい。船の問題については、市民の反対を押し切ってやっている。市長、市議 会議員の責任は非常に重大なもの。市長は 30%の給料削減をされたようだが、賛成され た市議会議員は何もやっていない。そのような責任を事業をする場合にはしっかり考え て行ってほしい。 ◎この港を造るときには日本航空も潰れかかっており、経済が駄目だった。そのようなと きにどうしてこの港を造ったのか。市議会議員 30 名近くおり、市長もおり、どう考えて も駄目なことをどうして駄目だと思わなかったのか。浚渫にしても要するに浅すぎる。 浮桟橋は、中古品の不良品を買わされ、どうして返品できないのか。造った業者に1億 5,000 万円返せとどうして言えないのか。不良品は返品されるのが当然である。今後事業 をするときは、事前にこのような懇談会を開いて、市民の意見を聞くようにしてほしい。 ↓ ☆中古台船を利用して、浮桟橋を造ったのは事実である。中古台船の安全性、強度不足が 判明し、それを補修しなければ安全性が確保できない、いわゆる港湾の施設として安全 確保できないということがわかってきた。その場合に、業者に負担させたらいい、返品 したらいいという話だが、市が中古台船の見本を示し、それと同じ程度のものを使うよ う発注し、請負業者はそれと同じものを買った。そして、市と業者と調整、確認をしな がら、市の方から指示をしており、市の指示が間違いであったと言えるので、業者の方 に責任を問うことは非常に難しいと考えている。 ↓ ◎ものを購入するときには、私たちは全て検査をする。それをなぜしなかったのか。 ↓ ☆例えば、浮桟橋を造るときに基準がある。そのときに「はしけ」、いわゆる動く台船の基 準で造りなさいという指示をした。あの施設は「港湾の施設の技術上の基準」に基づい て造らなければならないところを動く「はしけ」の基準で造ってしまった。業者は市か らの指示通りに造ったので、指示をした市のミスということになる。 ↓ ◎港をつくるときに市に専門的知識を持った人がいないのなら、大学教授とか専門的知識 を持った人に判断してもらうということはできなかったのか。 ↓ ☆今となってはそれをいかに活かしていくか非常に大切だと考えている。こういった大き な事業を進めるときに、住民の方に説明をし理解をしていただくこと、市役所がこれま でしたことのない事業に対してどのようにフォローしていくか、専門性の部分、そして その事業自体が成功に結びつくかどうかを検証できることを市役所の中の仕組みとして 取り組んでいる最中である。 ◎「中止・撤去」の場合も、最終的に地代は 10 年間払うということなのか。アサリも試算 -6- に入っているのか。 ↓ ☆地代は、協議にもよる。アサリは、試算に入っている。 -7-
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