平成 28 年度 緑の環境調査

平成 28 年度
緑の環境調査
はじめに
佐久市では、環境の状態を把握するとともに環境保全に対する意識啓発を図るため、緑の
環境調査を実施しています。
今年度は、環境基本計画の改定に向け、市内の特徴的な生きものや、めずらしい生きものな
どについて調査し、市内の自然環境における生物多様性の状況を把握するため「佐久市生きも
のさがし」を実施します。
調査期間
調査場所
平成 28 年 5 月 1 日~平成 28 年 12 月 31 日
佐久市内
市内で見つけた生きものを報告してください。
調査する生きもの
3ページ以降にある主な調査対象の「生きもの」を見つけたら報告してください。
また、調査対象にない場合でも、「何という生きものだろう?」「めずらしいかも!?」など
気になる「生きもの」をぜひご報告ください!!
報告方法
広報5月号と一緒にお配りしているチラシについている報告ハガキに、見つけた「生きもの
の番号若しくは名前」、「場所・環境」、「日にち」、「気づいたこと・感想」など必要事項を記入
の上、ポストへ投函してください。(切手不要)
その他、メールや市ホームページからも報告できます。
POST
〒
いただいた写真は、市ホームページや報告書などで活用させていただきます!
また、写真があると、何という生きものなのか分からなくても、専門の先生に聞くことがで
きます。
写真は全体が分かるもの、いろいろな角度から撮ったものがあると調べやすくなります。
送付先
[email protected]
○報告先
●TEL:0267-62-2917
●FAX:0267-62-2289
●メール:[email protected]
●その他:市ホームページからも報告できます。
【くらし・手続き→環境・公害→佐久市生きものさがし】
1
こんなところを探してみよう
佐久市には、多様な生きものたちに出会えるスポットがあります!
小諸発電所第一調整池(佐久市中込)
洞源湖(佐久市前山)
渡り鳥の中継地として、秋から春にかけて多くの
野鳥が訪れる。ここで観察される鳥類は 50 種類
にも及ぶ。杉の木貯水池とも呼ばれる。
例年、市でも野鳥観察会を実施。
水生植物のガマが生育しており、ガマを棲家とする
小型のサギ「ヨシゴイ」の繁殖地として貴重な場所。
千曲川沿い
美笹湖周辺(佐久市前山)
美笹自然観察園(佐久市前山)
佐久地方では希少なハンノキ林が残っており、キビ
タキ、サンショウクイなどの林の鳥が生息。サクラ
ソウなど植物の種類も豊富で、ニホンリスなどの野
生動物にも出会える。
水生生物をはじめ、それを餌とする鳥類や水辺に
生育する植物がみられる。
また、ミンクなどの外来種も目撃される。
例年、市でも川の生きもの観察会を実施。
○その他のスポット:平尾山周辺、湯川沿いなど
もちろん、家や田畑、学校や職場のまわりなど皆さんが普段よく行くところでの記録も貴重な
データになります!!
2
主な調査種
昆虫類
クマバチ
分
類
ハチ目ミツバチ科クマバチ属
大 き さ
2cm ほど
活動時期
4月~10月ごろ
食べもの
花蜜・花粉
○日本固有種のハチで、針がなく温厚な性格。
○黒く丸い腹と黄色の胸が特徴。
ホタル
分
類
コウチュウ目ホタル科
大 き さ
数 mm~30mm 程度
活動時期
5月~8月ごろ
食べもの
カワニナ類ほか
○ゲンジボタルやヘイケボタルなど
種類が分かれば記載してください。
ゲンジボタルとヘイケボタルの見分け方は?
主に次の点が異なります。
生 息 域
ゲンジボタル:河川などの流水域
ヘイケボタル:止水域にも生息
体
長
ゲンジボタル:2cm前後
ヘイケボタル:1cm前後
活動時期
ゲンジボタル:5月~7月
ヘイケボタル:6月~8月
光る間隔
ゲンジボタル:3、4秒に 1 回
ヘイケボタル:約 1 秒に1回
ゲンジボタルやヘイケボタル以外にもヒメボタルやマドボタルなどの種類がいます。
3
ゲンゴロウ
分
類
コウチュウ目ゲンゴロウ科
大 き さ
3~4cm程度
食べもの
昆虫類、小魚類など
環境省レッドリスト
絶滅危惧Ⅱ類
○水田や池などの止水域や地下水などにも生息する。
○胴体の外側の黄色い線が目印。
○ガムシに酷似しているため注意!
オオムラサキ
分
類
チョウ目タテハチョウ科
大 き さ
5cm程度
活動時期
6~8月
食べもの
樹液・花蜜
環境省レッドリスト
準絶滅危惧
○日本の国蝶で、7 月初め頃からクヌギやコナラ、ヤナギなどの樹液に集まる。
佐久市は国内でも有数の繁殖地域です!
平尾山公園は、オオムラサキの幼虫時代の食樹となるエノキの木が約400本植えられ
ています。
そのため、オオムラサキにとって住みよい環境となっているようです。
4
ミヤマクワガタ
分
類
大 き さ
食べもの
コウチュウ目クワガタムシ科
オス
2~7cm程度
メス
2~5cm程度
樹液
○涼しい地方の山深い雑木林に生息する。
○ミヤマクワガタのミヤマは「深山」という意味。
○「ハコショイ」とも呼ばれ、数が減りつつある。
イナゴ
分
類
バッタ目イナゴ科
大 き さ
3cm程度
活動時期
6~9月ごろ
食べもの
イネ科植物
○栄養価の高い食材として佃煮などで食されている。
○農薬の空中散布により数が減少している。
5
植物類
アレチウリ
分
類
ウリ目ウリ科
花
期
4~11月
○北アメリカから来た荒地に生えるツル植物。
○特定外来生物で、市内でも大変増えている。
特定外来生物とは?
もともとその地域にいなかったものの、人間の活動によって、他の地域から持ち
込まれた生物(外来生物)のうち、地域の自然環境に大きな影響を与えたり、農作
物に被害を与えたりするものを法律で「特定外来生物」として指定しています。
クズ
分
類
マメ目マメ科クズ属
花
期
8~9月
○秋の七草の一つ。良い香りのする紅色の花と大きな豆をつける。
○クズカズラとも呼ばれ、つるは長くて10mほど伸びる。
○根に含まれるでんぷんは「葛粉」として、食用にされる。
6
サクラソウ
分
類
ツツジ目サクラソウ科
花
期
4~5月
環境省レッドリスト
準絶滅危惧
長野県版レッドリスト
絶滅危惧Ⅱ類
○花は桜に似ていて、多くの園芸品種が生まれているが、野生のものは絶滅が心配される。
○草原が適地だが、生育地が減っている。
センブリ
分
類
リンドウ目リンドウ科センブリ属
花
期
8~11月
長野県版レッドリスト
準絶滅危惧
○昔から胃腸薬として使われ、最も効能がある
花のときに摘まれるが、現在では非常に少ない。
○草原に生育する。
7
シナノタンポポ
分
類
キク目キク科
花
期
4~11月
○自然の草地や田畑の土手などに生育する。
○総苞(写真の点線内)がそり返っていない。
セイヨウタンポポ
ここが違う!
ツユクサ
分
類
ツユクサ目ツユクサ科
花
期
6~9月
○1.5~2cmほどの青い花をつける。
○早朝に咲いた花は午後にはしぼんでしまう。
○花の白いシロバナツユクサがみられることがある。
8
魚類・両生類・はちゅう類
カエル類
分
類
両生綱無尾目
○流れの緩やかな河川、池沼、湿地などに
生息する。
○トノサマガエルやウシガエルなど種類が
分かれば記載。
○写真はトノサマガエル。
ヘビ
分
類
有鱗目ヘビ亜科
○市内には、アオダイショウ、シマヘビ、ヤマカ
ガシなどが生息している。
○毒があるものもいるので注意。
○写真はヤマカガシ。
9
ドジョウ
分
類
大 き さ
コイ目ドジョウ科
10~15cm程度
○黒の小さい斑点とひげがある。
○水田、用水池などに生息する。
○ホンドジョウやシマドジョウなど種類が
分かれば記載。
サワガニ
分
類
エビ目サワガニ科
大 き さ
5~7cm程度(脚を含む)
食べもの
雑食性
○日本固有種の純淡水産のカニである。
○水のきれいな小川、山間部の沢地に生息する。
10
カワニナ
分
類
大 き さ
吸腔目カワニナ科
3cm程度
○色は茶黒系。
○池沼、湖の浅い所に生息する。
○ホタルの幼虫の餌にもなる。
ブラックバス
分
類
大 き さ
スズキ目サンフィッシュ科
種による
小型種(成魚)で40cm程度
大型種(成魚)で80cm程度
食べもの
魚類、昆虫類
○河川や湖沼に生息する。
○オオクチバス・コクチバス・フロリダバスの3種が外来種として記録される。
11
生きものには、それぞれ棲むのに適した環境があります。そのため、そこにいる生きものを
調べれば、どんな環境なのかを知ることができます。
そこがどんな環境かを示す生きものを指標生物といい、水質を示す指標生物には下記の
生きものがいます。
水質
指標生物
水質階級
カワゲラ類
ヒラタカゲロウ類
【水質階級Ⅰ】
ナガレトビケラ類
水
質
階
級
Ⅰ
き
れ
い
な
水
水は透明で、川底まで見えるようなとこ
アミカ類
ろ。
ヨコエビ類
川底には石がたくさんあり、川岸には植物
ヘビトンボ
があり、日陰もあるようなところ。
ブユ類
・調査種では
サワガニ
「サワガニ」が該当!
ナミウズムシ
コガタシマトビケラ類
水
質
階
級
Ⅱ
や
や
き
れ
い
な
水
【水質階級Ⅱ】
オオシマトビケラ
周りには田んぼがあり、水がやや濁ってい
ヒラタドロムシ類
るようなところ。
ゲンジボタル
・調査種では
コオニヤンマ
「ゲンジボタル」
「カワニナ類」が該当!
カワニナ類
ヤマトシジミ
排水路が川につながっていたり、周りには
ミズカマキリ
多くの人家が見られたりするようなとこ
ミズムシ
ろ。
タニシ類
川底は泥っぽくなっている。
シマイシビル
ニホンドロソコエビ
【水質階級Ⅳ】
イソコツブムシ類
周りには工場等も多く、人がたくさん住ん
でいるようなところ。川に水は灰色っぽく
ユスリカ類
水
質
階
級
Ⅳ
と
て
も
き
た
な
い
水
水
質
階
級
Ⅲ
き
た
な
い
水
【水質階級Ⅲ】
イシマキガイ
濁り、ごみなどがたまりやすくなっている
チョウバエ類
ような場所。
アメリカザリガニ
エラミミズ
サカマキガイ
「川の生きものを調べよう
水生生物による水質判定」環境省 水・大気局/国土交通省
12
水管理・国土保全局 編
より
鳥類
【姿は見えなくても鳴き声で確認できた場合もご報告ください】
フクロウ
分
類
フクロウ目フクロウ科
大 き さ
50~60cm程度
鳴き声を聴いてみよう!
○低山から山地の林に棲む。大木の樹洞に営巣する。
○夜中に活動するが、昼間見られることもある。
○鳴き声:「ゴロスケ、ホッホ」
カワセミ
分
類
大 き さ
ブッポウソウ目カワセミ科
15~20cm程度
鳴き声を聴いてみよう!
○水辺に姿をみせる。市内では小諸発電所第一調整池(杉の木貯水池)などでみられるが、
個体数は少ない。
○鳴き声:「チチチチ」と高く鳴く。
13
オオルリ
分
類
大 き さ
オス
スズメ目ヒタキ科
16cm程度
鳴き声を聴いてみよう!
メス
○幸せの青い鳥として知られる夏鳥。沢沿い、高原の笹やぶに生息する。
○鳴き声:「ピリー、ポリーリ、ジジ」
ヒバリ
分
類
スズメ目ヒバリ科
全
長
17cm程度
鳴き声を聴いてみよう!
○スズメ大の大きさで、頭に短い冠羽がある。
○ところどころに土が見えるような丈の低い草地、川原に棲む。
○鳴き声:「ピー、ジュルジュル」
14
カッコウ
分
類
カッコウ目カッコウ科
大 き さ
鳴き声を聴いてみよう!
○5月中旬頃に飛来。
○自分では巣を作らず、他の鳥の巣に卵を産んで育てさせる。(托卵)
○鳴き声:「カッコウ、カッコウ」
オナガ
分
類
スズメ目カラス科
大 き さ
35cm程度
鳴き声を聴いてみよう!
○ハト大で、長い尾を持つ。頭が黒く、尾と羽は淡い青色。
○子育ての時期以外は群れで生活する。
○鳴き声:「ギュイー、クイックイッ」
15
哺乳類
ニホンリス
分
類
大 き さ
ネズミ目リス科
20cm程度
○早朝や夕方に活動する。
○木の実や芽を食べ、木の下に食べ殻などが散乱していることもある。
ノウサギ
分
類
ウサギ目ウサギ科
大 き さ
50cm程度
食べもの
草本類・樹枝・樹皮
フン
○全身が褐色。
○姿がなくても丸いフンを手掛かりに、新しいものを見つけたら、生息していると考えて
よいでしょう。
16
ハクビシン
分
類
ネコ目ジャコウネコ科
頭 胴 長
61~66cm程度
尾
40cm程度
長
○額から鼻にかけて白い線がある。
○雑食性。特に果実や野菜を好んで食べる。
ニホンジカ
分
類
頭 胴 長
鯨偶蹄目シカ科
110~170cm
○草原または森林に生息し、市内の山間部全域に生息域が広がっている。
○ジャンプ力は 1.5~2m程度。
17
モグラ類
分
類
トガリネズミ目モグラ科
○姿がなくても土手や田畑に土が盛り上がっている巣を見つけたら、生息していると考え
てよいでしょう。
コウモリ類
分
類
コウモリ目
○羽ばたきが激しく、キーキーと高い声を出す。
○家の屋根裏にいることもあり、小さなふんが落ちている。
18
調査対象以外にもめずらしい生きもの、気になる生きものに出会うことがあると思います。
そんな時はぜひ報告してください。佐久市にはどんな種類の生きものがいるのか皆で明らか
にしていきましょう!
※写真も添えていただけると、専門の先生に調べてもらうことができます。
環境省レッドデータ掲載。
準絶滅危惧種に指定されている。
全国でもめずらしく、レッド
データに掲載がある県も多い。
幻のヘビと言われている。
関西地方など暖かい地域に生息
するため、中部地方ではあまり
みられない。
19
〒385-8501 佐久市中込3056
TEL:0267-62-2111(代表)
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