ディレイロケーターを使う

SIA Tech Note No.2
ディレイロケーターを使う
ディレイロケー
ターとは何をす
るものだろう ?
SIA Smaart のディレイロケーターは被験機 ( あるいはシステム ) のインパルス応答を計算するため
に使うものだ。この測定には 2 つの目的がある。
● 2 つの入力信号間の遅延を検出する…インパルス応答は電気的デバイスを通過したときやス
ピーカーとマイクの間に発生する遅延を正確に表示する。伝達関数測定のために信号を整合し
ディレイロケー
ターとは何のた
めに使うものだ
ろう ?
たり、ディレイマシンを設定するときに使われる情報だ。
● SIA のソフトウェアで詳細を分析するためのシステムや部屋に関する音響的な情報を収集する…
インパルス応答には反射の到達時間や残響の減衰など、その部屋に関する膨大な情報が含ま
れている。
どう機能するの
だろう ?
ディレイロケーターは連続信号ソースから入力信号を 2 つ使って数学的にインパルス応答を計算する。
この数学的技法では 2 つのパソコン音声入力が同じ信号を受信しているものと想定しているが、2 つの
信号は図 1 のように異なるシグナルパスを通っている。
スピーカー
信号ソース
イコライザー
アンプ
パソコン
測定マイクとプリアンプ
図 1 ディレイロケーター測定用の一般的なセットアップ
ディレイロケー
ターで最高の結
果を出すために
は?
本文はディレイの測定をテーマにしているが、測定の目的にかかわらずプロセスは同じで、下記に紹
介する手順は可能な限り最高の結果を得るのに有用だろう。
●まず 2ch のリアルタイムアナライザーモード ( 従来の RTA) から始めよう。リファレンス ( ソース )
信号は入力 1 に ( デフォルトでは淡い青のトレスで表示される ) 接続する。測定信号とは図 1 で
はシステムの出力をマイクで収音した信号だが、これを入力 0 に接続する。
●信号ソースを再生する…一般的にはノイズジェネレーターや CD プレイヤーで、ピンクノイズか
ノイズを再生で
きるようにする
音楽を再生する。これでシステムのゲインを測定スペースで有用なレベルからかなり高めにな
るよう設定する。
● 2 チャンネルモードのトレスができるだけ近い値になるようパソコンのレベルを調整する。瞬間
入力の振幅レベ
ルを合わせてお
く
的に通過する成分を持つ ( つまりクレストファクターが高い ) ピンクノイズなどの信号を使う場合、
RTA の入力レベルメーターが -12dB 程度になるようシステムのゲインを設定する。これで瞬間
的なピークによってサウンドカードの A/D コンバーターの入力部が過負荷になって歪むことはほ
とんどない。
●キーボードで [L] を押すか画面上の対応するボタンをクリックしてディレイロケーターモードに入
ディレイロケー
ターの入力オプ
ションを設定する
る。ロケーターの入力オプションはチェックしよう。測定前に3つの入力値を設定する必要がある。
本書ではテーマに合わせ、システムのインパルス応答を ( 数学的にではなく )「システムを通過したリファレンス信
号の変化を記述する信号」と定義した。
Tech note 2 - Using the SIA-Smaart Delay Locator
平均化数を増や
す と S/N 比 も 上
がる
★ Frame(s)…ON ボタンをクリックしてディレイロケーターが記録する FFT フレームの数
を決める。1 より大きい値を指定するとそのフレーム数が記録されて平均化されてからイ
ンパルス応答が計算される。平均化数を倍にするとインパルス応答の S/N 比が 3dB 向
上するが、その代わり記録と処理にかかる時間が長くなる。
サンプリング周
波数が測定に含
める周波数を決
める
★ SR( サンプリング周波数 )…これは FFT のデータを記録するときのサンプリング周波数
だ。サンプリング周波数は測定に含める周波数によって決めるが、これはそのサンプル
に含められる最高周波数がサンプリング周波数の半分 ( ナイキスト周波数 ) に等しいため
だ。一般的なルールとして、フルバンドでインパルス測定するときは 44100 以上にする。
サブウーファー、帯域を限定したシステム、減衰時間が 3 秒以上の部屋やシステムを測
るなど低くした方が良い場合もある。
FFT 時 定 数 が
十分な大きさに
なっていることを
確認しよう
★ FFT( サイズ )…ディレイロケーターの計算に使う高速フーリエ変換 (FFT) のサイズを指
定する。サンプリング周波数と FFT サイズはその測定の FFT 時定数あるいは「時間窓」
の長さを決定する要素になる (FFT サイズ÷サンプリング周波数 = FFT 時定数 )。有効
な測定のために重要なことは、FFT 時定数を被験システムの減衰時間より長くしておくこ
とだ。音響的測定の場合は一般的に測定する部屋の減衰より長くしよう。たいていの部
屋では減衰時間が 1 秒未満だが、疑わしいときは長めにしておく。時間窓が大きすぎ
たとしてもマイナス面は記録とデータ処理に時間がかかることだけだ。
ディレイロケー
ターをスタートす
る
小さな部屋のイ
ンパルス応答プ
ロット
●入力パラメータを設定したら入力レベルメーターの下にある Start ボタンをクリックする。ディレ
イロケーターは音声データを記録、処理して、それからインパルス応答の時間領域プロットを表
示する。
●インパルス応答が同じ部屋は 2 つとないが、音響的測定 ( マイクを使った測定 ) を dB( 対数 )
振幅スケールで表示すると図 2 のようになる。
図 2 小さな部屋のインパルス応答。
トレスのほぼ左端、6msec 付近に切り立ったピークがあることに注目していただきたい。
ディレイタイムを
検出する
●トレスの最初にある大きなピークは「初期到達音」または「直接音」を表す。デフォルトではシ
ステムのプロパゲーションディレイを正確に把握できるよう、トレスの最高ピークにロックカーソ
ルが表示される ( 次ページ図 3 参照 )。ロックカーソル表示部には絶対の極性 (+ または -) とと
もにピークの時間と振幅座標の両方が表示される。
Tech note 2 - Using the SIA-Smaart Delay Locator
図 3 ロックカーソルが初期到達時間
( システムや測定スペースのプロパゲーションディレイを合計したもの ) を表示する。
ロックカーソルがトレスに表示されたピークの時間と振幅を表示してくれるのだ。
時間スケールに
沿って拡大表示
するとより細かく
見ることができ
る
時間軸で拡大表示できるのでピークの構造をよりくわしく見ることができる。拡大表示するにはマウ
スカーソルをピークに移動してクリックすればいい。クリックし続ければ倍率が上がり、矢印キーを使え
ば時間軸に沿って左や右に移動する。インパルス応答をフル ( 時間 ) スケール表示に戻すには、ディレ
イロケーターウインドウをプロットエリアの外でクリックする。
図 4 図 3 で使用したインパルス応答を時間スケールに沿って拡大表示すると、
ピークを細かく確認することができる。 伝達関数測定の
ために内部ディ
レイを設定する
素早く呼び出せ
るよう測定した
ディレイタイムを
保存する
●内部ディレイをロックカーソルが表示した時間に設定する場合は、キーボードで [Ctrl] キーを押
しながら [ スペースバー ] を押す。この操作で Options ダイアログボックスの Delay タブが開き、
Delay Time にはすでにロックカーソルの位置が入力されている。
●この時点で F6 から F10 に割り当てられている 5 つのディレイプリセットレジスターに、このディ
レイタイムをアサインしておくと良いだろう (F5 はバイパス、つまりディレイを 0msec に設定する
ホットキーになっている )。アサインするにはマウスで「Delay Preset」ボタンの 1 つをクリックす
るだけだ。たとえばプリセットレジスターの F10 にディレイタイムをアサインしてある場合、キー
ボードで [F10] を押すだけでいつでも呼び出せる。
●前述の 2 つのステップを 1 つのコマンドでまとめて実行する場合は [Ctrl]+[F6 から F10] でショー
トカットできる。たとえば [Ctrl] を押しながら [F10] を押すと自動的に内部ディレイのディレイタイ
Tech note 2 - Using the SIA-Smaart Delay Locator
ムがロックカーソルの値に設定されてディレイプリセット F10 にその値をアサインし、ディレイロ
ケーターを終了することができるのだ。
● SIA Smaart の内部ディレイは最長 750msec だ。それを超えるプロパゲーションディレイを持つ
システムの伝達関数測定を同期したいときは外付けのディレイが必要になる。
電気的測定
電気デバイスの測定
デジタルディレイやデジタルシステムコントローラーなどの電気デバイスの通過遅延を定義する作業
も手順はほとんど同じだが、測定ポイントはどちらも電気的なものになる。ここでも 1 つのシグナルソー
スを分岐 ( たいてい Y ケーブルを使う ) し、一方をパソコンのサウンドカード音声入力の 1 にリファレン
ス信号として接続する。もう一方は前述の通り被験デバイス ( あるいはシステム ) に接続する。しかしこ
の場合測定されるデバイスの出力は直接 ( マイクやアンプ、スピーカーを通らずに ) サウンドカードの音
声入力 0 に測定信号として戻されることになる。
外付け
信号ソース
被験システム
またはデバイス
パソコン
図 5 Smaart でディレイロケーターや伝達関数の測定を行う場合の一般的なセットアップ
信号は両方とも電気的入力に接続されるためマイクを使った音響的測定とは異なり、リバーブユニッ
トのインパルス応答を測定しているのでなければ S/N 比がかなり高い 1 つの鋭いピークが表示され、
反射や長い減衰はないだろう。図6はディレイタイムを 10msec に設定したデジタルディレイマシンのイ
ンパルス応答だ。結果は見て通りだが、このディレイマシンには 0.9msec のレイテンシー、または通過
遅延と呼ばれるものがあり、ディレイロケーターが実際に測定したのは 10.9msec になっている。知っ
ていて損はない結果だ。
電気デバイスの
インパルス応答
図 6 デジタルディレイマシンのディレイロケータープロット
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一般的な問題と
その解決法
ディレイロケーターのトラブルシューティング
SIA Smaart でディレイロケーターを使うとき発生する問題は典型的に3つのカテゴリーに分けられる。
●リファレンスと測定信号入力が入れ替わっている
● S/N 比が悪い
● FFT 時定数 ( 時間窓 ) が短すぎる
「どうしてディレ
イロケーターは
マイクからスピー
カ ー ま で 500m
も離れてるだな
んて言うんだろ
う ?」
入力の入れ替え
3 つの中で最初のもの、入力が入れ替わっている事象は簡単にわかるし修正できる。リファレンス信
号が測定信号を想定している入力 0 に接続されている場合 ( そして逆もまた同様だ )、ディレイロケー
ターの結果であるトレスは「折り返した」ような状態になる。ピークはトレスの右端に現れ、極めて長
いディレイ時が表示される ( そしてたいてい S/N 比がひどい )。この問題を正すためにできることは、
●外部で 2 つの入力を接続し直す ( 推薦 )…接続ケーブルを入れ替えるか、ステレオミキサーを
接続している場合はパンをふり直してパソコンへの入力を切り替える。または
● Swap ボタンを使ってディレイロケーターの内部で切り替える…このオプションを選択して伝達
関数測定をすると、伝達関数の入力も切り替わっていることになるので、内部ディレイを使って
2 つの信号を同期させる場合はチャンネル 1 ではなくチャンネル 0 にディレイをかける。
ノート:測定信号に比べてリファレンス信号が遅れていると似たような問題が発生する ( しかしまれだ )。
通常はリファレンス信号を可能な限り直接パソコンに接続すれば簡単に回避できる。
「ルームアコース
ティックに関する
情報はどこだ ?」
S/N 比の問題
S/N 比の悪さも探すべき対象がわかっていれば簡単に検出できる。図 2 と3の音響的測定の結果は
S/N 比が良い。下の図7のS / N比はかなりひどい。
図 7 S/N 比が悪い音響的測定の例
ピークの頂上がノイズフロアから 15dB しか上がっておらず、その部屋の反射や減衰といった情報を見
ることができない。ディレイタイムを設定するだけならこのピークで十分役に立つが、この測定自体を
音響分析に使うことはできないだろう。また S/N 比が悪いということは何らか問題があることなので、
システムの周波数特性を見るためのリアルタイム伝達関数測定までに補正しておくべきだ。
測定の S/N 比を
上げるために
S/N 比が悪くなる原因と解決法がいくつか考えられる。
●音響的測定で原因として考えられるのは、単純に室内の環境ノイズを「圧倒する」のに十分な
信号を送っていないということだ。測定スペース内で信号を再生するスピーカーの出力を上げ
なければならないだろう。理想的には測定信号の音圧レベルを部屋のノイズフロアから 70dB
以上にしておくべきだ。
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●フレーム数を増やしても測定のS / N比を改善できる ( 前述の通りだ )。平均化数を倍にすれば
測定の S/N 比が 3dB 向上する。特にノイズの多い部屋や再生する信号レベルを最低限に抑え
たいときに有用な手段だ。交換条件は余計に時間がかかるようになることだけだ。
●もう 1 つ考えられるのがパソコンへの入力信号がミスマッチだったり、サウンドカード自身のノイ
ズを抑えるだけのレベルがないということだ。常に 2 つの信号が RTA の入力レベルメーターで
-12dB 程度になっていることを確かめてからディレイロケーターを起動しよう。
●使っているパソコンの内蔵マイクを使用不可にする。内蔵マイクが ON になっているとその信号
で測定を汚染する可能性がある。これを確かめる単純な方法は、外部からの入力をすべて外し
てリアルタイムのモードにして内蔵マイクに向かって口笛を吹いてみることだ。このとき 2 つのト
レスまたはメーターの反応を見ればいい。
内蔵マイクを無
効にする
Windows ではたいていのサウンドハードウェアがマイクロソフト標準のボリュームコントロールミキサー
ユーティリティーを利用している。内蔵マイクが生きていれば下記の手順で停止できるだろう。
★ボリュームコントロールユーティリティを開く…Windows タスクバーの右にあるシステムト
レーで小さいスピーカーアイコンをダブルクリックするか、「スタート」ボタンをクリックし
て「すべてのプログラム」>「アクセサリー >「エンターテイメント」または「マルチメディ
ア」>「ボリュームコントロール」を選択する。
★ボリュームコントロールで「オプション」メニューから「プロパティ」を選択する。
★プロパティ・ダイアログボックスで「録音」ラジオボタンをクリックして、下のリストでマ
イクロフォンとライン入力がチェックされることを確認し「OK」をクリックしてダイアログ
ボックスを閉じる。ボリュームコントロールウインドウのタイトルが録音コントロールになっ
ていて、フェーダーの組み合わせも変わっているはずだ。
★入力を使用不可にするにはマイク用のフェーダーの下にある「選択」ボックスからチェッ
クをはずす。そのままライン入力にチェックが付いていること、バランススライダーとフェー
ダーが有用なレベルになっていることを確認する。レベル調整が必要ならこの録音コン
トロール画面を開いたままにしておいてもいい。
ノート:数人のユーザーから、ソフトウェアで完全に内蔵マイクを OFF にできないというレポートを受け
取っている。この場合はダミープラグを外部マイク入力ジャックに差し込み、電気的に内部マイクを使
用不可にできる場合もある。くわしくはパソコンやサウンドカードの説明書を参照されたい。
測定に適切な時
間窓を定義する
FFT 時定数が短すぎる
室内で手をたたくと ( その部屋が偶然にも無響室でなければ )、エネルギーは直ちに拡散しないが、
部屋の大きさや音響的な特徴によって長さが決まる時間内には消えていく。信号が終わってから背景ノ
イと識別できなくなるレベルに達する時間の長さが減衰時間だ。有効なディレイロケーター測定のため
には、FFT 時定数を被験システムの減衰時間より長くすることが重要だ。
図 8 FFT 時定数が部屋の減衰時間より短い状態でディレイロケーター測定した場合の例
Tech note 2 - Using the SIA-Smaart Delay Locator
疑わしいときは
長めにしよう !
時間窓 (FFT 時定数 ) が短すぎると、堅いゴムボールを小さなコンクリートの部屋に投げ込んだとき
のような結果になる。ボールが壁に激しくぶつかるとそのエネルギーは完全に消耗することなくもう 1
つの壁にぶつかり、エネルギーがなくなるまでくり返す。図 8 のグラフを覚えておくと良いだろう。
この測定と図 2 の測定における唯一の差は FFT 時定数の大きさだ。図 2 では FFT 時定数がその部
屋やシステムのインパルス応答に必要な値よりかなり大きい。先ほどのたとえでいえばゴムボールがエ
ネルギーを消耗してゆっくり転がってついに止まるまで一方向に進めるほど、コンクリートの部屋が広い
ということだ。前ページ図8の測定ではそうではなかったのだ。
実際に図 8 の見るべきポイントがわかっていれば、6. 4msec にかろうじて識別可能なピークを見つ
けられるだろう。しかしこのデータはディレイを設定するためにも他の目的のためにも決して信頼できる
ものではない。
一方、FFT 時定数を長くしすぎたときのマイナス面はただ一つ、データを集めて処理するために要す
る時間が長くなることだ。この差は通常数秒間で、プロセスでは若干余分にノイズを拾うだけだろう。
前述のように原則は「疑わしければ長くせよ」だ。
ノート:音響分析用にインパルス応答を記録するとき、時間窓が長すぎるときのマイナス面として考えら
れるのは、ファイルが大きくなるため読み込むにも変換するにも、また Smaart で表示するにも時間が
かかることだ。簡単な回避策としてはノイズテールをカットしたファイルを作って分析に使うことだ。
その他によくある「オペレーターエラー」
最近の技術サポート要求でさまざまなことがわかってきた。わかっていてもつい忘れそうなことなの
で、ここで改めてご紹介しておこうと思う。
●測定前に内部ディレイをクリアし忘れる ( 笑い事ではなくむしろよくあるミスなのだ )…特に
Smaart を使い始めたばかりのユーザーや他のことに気を取られていると起こりやすい。
●入力信号がミックスされている…遅延を含む測定、たとえばスピーカーとマイクの間に距離があ
るのに時間 0 のところに強いピークが表示されているときは入力の設定をチェックしてほしい。
★リファレンス入力と測定入力はパンを反対の方向に振り切ってあるか ?
★ AUX やエフェクトバスで他の信号をミックスしていないか ?
★入力に過度のクロストークがないか ?
●デジタルデバイスを通しているのにそのディレイを計算していない…ディレイロケーターの測定
結果が実際のマイクとスピーカーの距離より 30cm 以上違うときはシグナルチェーンを確認しよ
う。デジタルイコライザーミキサー、システムコントローラーなど 1msec や 2msec のディレイを
追加する機器を挿入していないだろうか。たいてい気にしているのはシステム全体の遅延なの
でこの程度は重要ではないかもしれないが、多少当惑させられる原因になるだろう。
また音速が気温で変化するということも念頭に置かなければならない。SmaartLive5 では時間値から
距離を計算するために摂氏 20 度のとき毎秒 1127.4 フィート ( 343.6m) という固定値を使う。距離がか
なり長いために音速がわずかでも変われば距離の表示に大幅な違いが出てしまうだろう。
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