通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 1 肺癌外科治療の術式、合併症、 肺癌 肺癌症例のデータベース 予後を把握し治療手技の評価等 構築による臨床・病理学 を行うためにデータを集積して、 第2233号 昭和49年1月1日~ 的因子のレトロスペクティ データベース化を行い今後の治 平成24年10月25日 ブ解析 療に活用する。 2 MTXを第一選択薬とし、生物学 的製剤を早期に導入することに より、感染症のリスクが増加して 関節リウマチ 関節リウマチ(RA)におけ いる。感染率の高さにはRA自体 第2304号 る感染症のリスク因子に の病態、疾患活動性、治療が関 平成19年4月1日~ 係しているとの報告もある。入院 ついての検討 平成24年3月31日 を必要とするRA患者における重 度感染症のリスク因子を研究し、 重度感染症の減少につなげる。 500例 平成24年12月22日 平成29年3月31日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 永渕 裕子 3 女性ホルモンが減衰する更年期 以降は冠動脈疾患の最大のリス クファクターである。LDL-コレス テロールは急速に増加し、それ が冠動脈疾患の相対危険度を 上昇させる。一方、ホルモン補充 頸動脈エコーを用いた早 療法はLDL-Cを著明に低下させ 発閉経及び更年期女性 るとされている。早発卵巣機能不 第2390号 に対するホルモン補充療 全の患者や更年期障害のために 法の動脈硬化予防効果 HRTを施行している患者、更年 期障害がありながらも、乳がんの の検討 既往などによりHRTではなく漢方 薬などで治療を行っている同世 代の患者に対して、冠動脈を含 む全身の動脈硬化のマーカーと される頸動脈病変の有無と、脂 質代謝異常について検討する。 200例 平成25年04月03日 平成29年03月31日 産婦人科学 五十嵐 豪 年齢、性別、高血圧症、糖尿病、 高脂血症、慢性腎不全といった risk要因が、頸動脈狭窄進行と 頭蓋内主幹動脈狭窄それぞれに 「頭蓋内主幹動脈狭窄性 どのように影響するか、両者の 第2438号 病変の進行予測と頸動脈 進行の観点で説明したものはこ 硬化」に関する研究 れまで報告されていない。頭蓋 内主幹動脈狭窄進行および頸動 脈狭窄進行に寄与するrisk要因 を明らかにする。 1,400例 平成24年11月6日 平成30年3月31日 早発閉経、更年期障 害、脂質代謝異常 平成22年1月1日~ 平成25年3月15日 頭部MRI、頸動脈US を同時期に施行 外科学 (呼吸器外科) 中村 治彦 120例 平成25年6月4日 平成30年3月31日 内科学 (神経内科) 清水 高弘 5 不整脈領域のカテーテルアブ レーションの治療において、心腔 内心筋性状に関する情報が重要 となっている。心臓3Dマッピング 心房細動 心臓3Dマッピングシステ システムは、心腔内超音波画像 第2495号 ムのCTとの融合に与える をCTやMRIと融合を行うなど、安 平成22年4月1日~ 影響因子の検討 全に詳細な解剖学的位置情報 平成25年7月31日 の取得が可能となっている。この 解剖学的位置情報取得時におけ る影響因子等を検討する。 300例 平成25年8月10日 平成30年3月31日 クリニカルエンジニア 部 佐藤 尚 6 近年、高齢化に伴い大動脈弁狭 窄症患者数と心血管系の有害事 象(突然死など)発生頻度が増加 傾向にあり、発症後、放置すると 致命的となる場合がある。大動 脈弁狭窄症では大動脈弁置換 術が推奨されているが、近年で は僧帽弁と大動脈弁が解剖学 的・形態的に影響し合っていると 僧帽弁複合体と大動脈弁 報告されている。僧帽弁と大動 複合体の解剖学的関係 脈弁・線維性組織を併せて 第2496号 性が心機能に及ぼす影 Mitral-Aortic valvular coupling 響についての後ろ向き研 (MAC)と呼ぶ。大動脈弁狭窄症 では僧帽弁逆流が多く存在する 究 が、僧帽弁形成術・置換術の追 加判断はしばしば困難であり、エ ビデンスも少ない。また近年はカ テーテル治療も本邦に導入予定 であり、これら評価法の確立は 大変重要な課題と考える。本研 究は、3次元心エコー検査を用い て正常者及び大動脈弁狭窄患 者のMACの評価を目的とする。 110例 平成25年8月19日 平成29年12月31日 4 平成12年1月1日~ 平成25年5月30日 大動脈弁狭窄症患 者 比較対象者:正常者 平成21年4月1日~ 平成25年8月6日 内科学 (循環器内科) 出雲 昌樹 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 7 8 9 10 11 課題名 研究概要 胃切除術患者は手術により大き な侵襲を受け、絶食期間を経た 後に徐々に食事を開始するが、 食事摂取状況は個人により差が ある。今回、胃切除術患者の術 胃切除術患者の術式によ 後期間内の食事摂取量を調査 第2528号 る栄養評価について し、必要栄養量に対する充足率 を求め、術式による栄養摂取充 足率および体重変化率等や栄養 状態のちがいについて調査した いと考えた。 重症不整脈の予知に関する心室 遅延電位測定は保険適応とな り、ますます臨床での評価が高 まっている。健診センターでは心 室遅延電位測定可能なホルター 心電図を使用しており、通常のホ ルター心電図結果に加え1日を 人間ドックにおけるホル 通した心室遅延電位測定が可能 第2571号 ター心電図による心室遅 である。通常のホルター心電図 ではわからない不整脈の予知が 延電位測定の意義 期待できる。そこで今回、H24年 に当院人間ドックのオプション検 査であるホルター心電図を施行 した結果をコンピューター解析す る。心室遅延電位の有無を確認 し、今後人間ドックでの検査項目 としての有用性を検討する。 鉄キレート薬Deferasirox 第2583号 による腎機能障害・尿異 常の縦断的調査 Deferasirox懸濁用錠(エクジェイ ドR)は頻回の赤血球輸血による 慢性鉄過剰症に対して投与され る鉄キレート剤である。我々は本 剤の内服開始後に腎機能悪化を 認め、Fanconi症候群と診断し得 た症例を経験したが、文献的に もそのような腎機能に与える影 響を示唆する報告が相次いでい る。しかし、本邦における報告は ほとんどないため、当院での Deferasirox使用患者における腎 障害の状況を把握する。 過去2年間に治療がなされた急 性胆道炎のドレナージおよび手 術の前後に使用された抗菌薬お よび胆汁・血液からの検出菌を 解析し、アウトカムとの関連性を 明らかにする。日本肝胆膵外科 学会の認定する高度技能修練施 設で共同研究を行う。さらに台湾 の消化器外科医、消化器内科 国際胆道炎特別研究プロ 医、感染症科医の研究協力者を 第2603号 ジェクト 募って研究を行う。集積された データを解析し、国際胆道感染 診療ガイドラインTokyo Guidelines 2013(TG 13)の推奨 事項について、これまでに明らか にされていない胆道感染症の最 適治療法(ベストプラクティス)を 今回のアウトカム指標によって検 証する。 特定健康診査(以下、特定健診) の65歳以上の受診者を対象者と し、高齢者に対する健康診断の 効率性に関して検討することを 特定健診からみた高齢者 目的とする。本研究を行なうこと 第2718号 における動脈硬化性疾患 により、高齢者に対する健診に の病状推移 ついて新しい施行方法の検索 や、高齢者における動脈硬化性 疾患治療への基盤となる可能性 がある。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 胃癌のため胃の手 術を行った患者 50例 平成25年9月11日 平成28年8月31日 69例 平成25年11月14日 平成28年9月30日 20例 平成25年12月9日 平成22年4月1日~ 平成25年8月31日 H24年にホルター心 電図を施行した人間 ドック受診者 平成24年1月4日~ 平成24年12月28日 骨髄異形形成症候 群、 再生不良性貧血、 骨髄線維症 所属 実施責任者 栄養部 【西部病院】 柴田 みち 内科学 (循環器内科) 原 正壽 平成30年3月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 柴垣 有吾 平成25年12月24日 平成28年12月31日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 平成22年1月1日~ 平成25年11月30日 400例 (胆嚢炎200 例、 急性胆道炎および急 胆管炎200例) 性胆管炎 平成23年1月1日~ 平成24年12月31日 期間内の特定健診 の65歳以上の受診 者 平成23年4月1日~ 平成26年3月31日 全体: 胆嚢炎3,000 例、 胆管炎1,000~ 2,000例 2,000例 平成26年4月28日 平成30年3月31日 内科学 (総合診療内科) 鳥飼 圭人 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 12 乳癌検診および乳癌の診断にお いてマンモグラフィは広く使用さ れているが、背景乳腺の濃度に より乳癌の検出能が変化すると の報告もあり、視覚的評価では マンモグラフィ 乳腺密度3次元自動評価 客観性に乏しいことが指摘され 第2808号 ソフトウェア(Volpara)を用 ている。欧米では3次元自動評価 平成24年1月1日~ ソフトウェア(Volpala)を用いた背 いた背景乳腺の検討 平成26年7月31日 景乳腺の濃度評価の報告がある が、本邦ではわずかである。本 研究は日本人の乳房における3 次元自動評価ソフトウェアの有用 性について、検討を行なう。 13 血管炎とは血管壁に炎症をきた す病変であり、多彩な臨床症状・ 疾患群を血管炎症候群と呼ぶ。 血管炎はサイズにより大・中・小 型等に分類され、免疫複合体性 の血管炎のほか、病変部位に免 疫複合体が検出できないPauciimmune型の血管炎があり、顕微 鏡的多発血管炎(MPA)、多発血 管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球 性多発血管炎性肉芽腫症 (EGPA)の3疾患がある。この3疾 患はともに肺・腎の小型血管を 好んで侵し、障害組織への免疫 ANCA関連血管炎 複合体沈着に乏しく、、抗抗中球 ANCA関連血管炎の臨床 細胞質抗体(ANCA)がしばしば 第2809号 平成21年4月1日~ 像と長期予後の解析 検出されるなどの共通点が多く 平成26年6月30日 みられることから、総じてANCA 関連血管炎と呼ばれる。 欧米と比較して、我が国では前 述のMPAが比較的高頻度に見ら れ、また高率に間質性肺炎をは じめとする様々な肺病変を合併 することが知られている。しかし、 欧米諸国では肺病変の合併は 稀であるため、MPAの肺病変に 関する報告は少ない。 本研究はMPAを中心とした肺 病変に注目し、その他の臓器病 変と共にその特徴・治療反応性・ 予後などを明らかにする。 150例 14 寝返り、起き上がり、移動等の起 居移乗動作が自立して行なえる か否かはQOLに影響をきたす。 また、これらの動作は人的な介 助の必要性を左右するため、本 人・介助者の介護負担にも関わ る重要な動作である。医学的リ ハビリテーションにおいては起居 移乗動作の獲得を目標に介入を 行なうことが少なくない。しかし、 起居移乗動作を独力で行なえる 水準について検討した報告は少 なく、自立に必要な身体機能は 明らかでない。 入院患者を対象とした起 したがって、起居移乗動作の獲 居移乗動作能力と身体機 得に必要な身体機能の水準が 第2811号 能の関連に関する後ろ向 明らかになれば、介入を行なう際 の目標がより具体的に提示でき き調査 るほか、起居移乗動作に障害が ある場合、原因が身体機能にあ るか、あるいは技術や学習過程 にあるのか明らかになれば、より 効果的な介入を行なう上で有用 である。また、起居移乗動作の 獲得に順序性や練習時間との関 連があれば、予後の予測も可能 になると考えられる。 本研究は、(1)起居移乗動作 の獲得に必要な身体機能の因 子およびその水準を明らかにし、 (2)起居移乗動作の順序性と時 間的関連を明らかにする。 20例 約2,000例 ブレスト&イ メージング先端 医療センター附 属クリニック 約 1,000例 平成29年3月31日 放射線医学 奥田 逸子 平成26年9月9日 平成30年3月31日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 松下 広美 平成26年9月22日 平成29年3月31日 リハビリテーション部 最上谷 拓磨 平成26年9月9日 脳卒中および虚弱者 高齢者 平成24年4月1日~ 平成26年3月31日 所属 実施責任者 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 15 脊髄小脳変性症は小脳と脊髄を 中心とした神経変性疾患の総称 である。近年、遺伝子診断により 様々な型に分けることが可能と なってきたが、進行を抑制しうる 治療法は未だ確立されていな い。MRIなどの画像診断が進歩し た今日、脊髄・小脳の経年的萎 縮を観察することは可能である が、萎縮の進行と臨床症候、病 型との対比に関する研究はほと んどない。MRIの経時的観察によ る萎縮のスピードや萎縮部位か ら日常動作の低下、寝たきりとな る時期、経管栄養を要する嚥下 障害の出現時期等、早期に予測 できれば、治療介入が容易とな 脊髄小脳変性症の小脳 り、本疾患の治療法の向上に寄 脊髄小脳変性症 堆積の経時的変化と臨床 与すると考えられる。 第2816号 症候との対比に関する研 以上よりこれまで我々が入院あ 平成16年1月1日~ るいは外来で治療を行なってき 平成26年8月24日 究 た脊髄小脳変性症患者の臨床 データを後方視的に調査し、施 行されたMRIの小脳体積を計測 して、臨床症候の経時的変化と の対比を行なうこととした。 本研究は小脳および大脳の脳 萎縮の速度と臨床症状との相関 を明らかにし、脊髄小脳変性症 の病型別脳萎縮の年間萎縮率 を計測し、年間萎縮率や小脳の 実体積から日常生活動作低下の 予測、寝たきりとなる時期、経管 栄養を要する嚥下障害の出現時 期、気管切開を要する時期など の主要な転帰を予測できるか、 その可否について明らかにす る。 180例 16 前庭神経炎は、強い回転性めま い発作で発症し、一側の前庭機 能が障害されるために体動時あ るいは歩行時のフラツキ感が長 期に残存する原因不明の難治性 前庭機能障害疾患である。ま た、両側前庭機能障害も、両側 前庭神経炎 の前庭機能が障害されるために 前庭神経炎と両側前庭機 体動時あるいは歩行時のフラツ 第2844号 平成21年4月1日~ 能障害に関する疫学研究 キ感が長期に残存する原因不明 平成26年9月16日 の難治性前庭機能障害疾患で ある。本研究では、当院の耳鼻 咽喉科を受診した前庭神経炎お よび両側前庭機能障害患者の臨 床症状、検査所見、予後などに ついて、後ろ向きに疫学調査を 行う。 50例 (全体800例) 平成26年10月21日 平成29年3月31日 耳鼻咽喉科学 肥塚 泉 17 メニエール病は、耳鳴、難聴を伴 う回転性めまい発作を反復する 原因不明の難治性前庭機能障 害疾患で、病態は内リンパ水腫 である。遅発性内リンパ水腫は、 先行する高度感音難聴の後、遅 メニエール病および遅発 発性持続性に内リンパ水腫が生 第2845号 性内リンパ水腫に関する じ、回転性めまいを繰り返す難治 疫学研究 性前庭機能障害疾患である。本 研究では、当院の耳鼻咽喉科を 受診したメニエール病および遅 発性内リンパ水腫患者の臨床症 状、検査所見、予後などについ て、後ろ向きに疫学調査を行う。 100例 (全体16,000 例) 平成26年10月21日 平成29年3月31日 耳鼻咽喉科学 肥塚 泉 メニエール病および 遅発性内リンパ水腫 平成21年4月1日~ 平成26年9月16日 平成26年9月9日 平成29年3月31日 内科学(神経内科) 長谷川 泰弘 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 18 19 20 21 課題名 研究概要 子宮頚癌傍大動脈転移は遠隔 転移であり予後不良とされるが、 近年骨盤領域に加え傍大動脈 領域を含む拡大した照射域への 子宮頚癌傍大動脈転移 放射線治療により、長期生存例 第2861号 症例に対する放射線治療 が報告されるようになった。今 成績の検討 回、この拡大照射野への放射線 治療の効果と安全性の検討を目 的として、当院における治療成績 を遡及的に調査する。 循環器疾患患者における 入院期および回復期以降 の 心臓リハビリテーション進 第2862号 行に関わる要因に関する 研究 ~合併症をはじめ とする臨床背景因子の影 響を考慮して~ 本邦では、心臓リハビリテーショ ン(以下心リハ)の進行にあたり、 「心大血管疾患におけるリハビリ テーションに関するガイドライン 2012」が制定されているが、その 基となる研究報告の多くは、安定 期にある循環器疾患患者を対象 とした検討であり、急性期の心リ ハ進行に関わる明確なプログラ ムは確立されていない。また、回 復期以降の心リハにおいても、 有効な効果指標や、継続率を向 上させるような介入手段につい ては、未だ不明な点も多い。さら に、超高齢化が進行している本 邦では、合併症罹患により重複 障害を呈する心リハ患者の割合 が増加しているため、合併症に 伴うリスクや特異性に対応した心 リハプログラムの確立が必須で ある。本研究の目的は、(1)循環 器疾患患者における入院期およ び回復期以降の心リハ進行に関 わる要因について、(2)年齢や 重複障害をはじめとする臨床背 景因子の影響について明らかに することである。本研究成果によ り、従来の集団的心リハプログラ ムに加えて、テーラーメイド型の 介入を視野に入れた、より効果 的な指導方策を導き出せる可能 性がある。 IgA腎症は、主に免疫グロブリン の一種であるIgAが免疫複合体 を形成し、腎糸球体メサンギウム 領域に沈着することを特徴とする 疾患である。世界で最も頻度の 高い原発性糸球体腎炎であり、 ネフローゼ症候群を伴う 特に日本をはじめとするアジア諸 第2863号 IgA腎症の長期予後につ 国に多く発症する。IgA腎症は通 常軽度から中等度の蛋白尿を伴 いて う場合が多く、ネフローゼ症候群 を呈することは少ない。そのため ネフローゼ症候群を呈するIgA腎 症の長期予後は不明であり、そ の長期予後を明らかにすること が重要である。 本邦では2011年3月にNOACsで あるダビガトランが、非弁膜症性 心房細動患者における虚血性脳 卒中および全身性塞栓症の発症 抑制を適応とし発売されて以来、 順次、リバーロキサバン、アピキ Non-vitamin K antagonist サバン、エドキサバンが使用可 oral anticoagulants 能となった。これらは出血合併症 第2877号 (NOACs)内服中に発症し が稀少とされるも使用頻度増加 た症候性頭蓋内出血例 と共に頭蓋内出血例が散見され の臨床的検討 るようになってきたが、その臨床 的特徴の報告は少ない。本研究 ではNOACs内服中に発症した症 候性頭蓋内出血例の臨床的特 徴をワーファリンと比較し明確化 することを目的とする。 対象疾患 (調査対象期間) 根治目的で放射線 治療を行った傍大動 脈リンパ節転移をも つ子宮頚癌症例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 放射線医学 五味 弘道 20例 平成26年10月27日 平成30年12月31日 200例 平成26年11月5日 平成29年9月29日 リハビリテーション部 木田 圭亮 100例 平成26年10月27日 平成28年12月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 今井 直彦 平成19年1月1日~ 平成25年12月31日 当院救命病棟および ハートセンターに入 院し、リハビリテー ション依頼があった 循環器疾患患者(急 性心筋梗塞、狭心 症、心不全、大血管 疾患、開心術後)の うち、各評価項目が 測定できた連続症例 平成20年1月1日~ 平成26年9月29日 ネフローゼ症候群を 呈するIgA腎症 平成元年1月1日~ 平成26年3月31日 NOACsまたはワー ファリン内服中に発 6例(NOACs) 症した症候性頭蓋内 +32例(ワー ファリン) 平成26年11月25日 平成29年3月31日 出血 平成23年3月1日~ 平成26年9月30日 計38例 内科学 (神経内科) 秋山 久尚 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 22 課題名 研究概要 世界で2010年、本邦でも2011年 11月に認可された多発性硬化症 治療剤であるフィンゴリモド(ジレ ニア/イムセラカプセル)の使用 頻度が、この3年間に徐々に増 加し、フィンゴリモド導入例におけ る長期的有効性と安全性の再評 多発性硬化症に対する 価が必要な時期となってきてい フィンゴリモド導入例にお る。しかし、適応疾患が多発性硬 第2879号 ける有効性と安全性の長 化症のみと限定的であり、臨床 期的評価 的効果や副作用の蓄積も十分で ないのが現状である。これに鑑 み、当院でフィンゴリモドを導入し た12症例を対象に有効性と安全 性の長期的評価を調査し、今後 の同薬使用の注意点探索・評価 を目的とする。 腎移植ドナーのフォロー の現状について 対象疾患 (調査対象期間) フィンゴリモドを導入 した多発性硬化症 23 第2881号 24 脳卒中発症後の回復期リハビリ テーション終了時の屋内歩行自 立の可否は、在宅復帰を考える 際の重要な因子である。脳梗塞 後の歩行自立度には機能障害、 能力障害、高次脳機能障害など の多くの因子が関連しているが、 脳卒中症例の屋内歩行 発症後早期よりその可否に関連 急性期脳血管障害 自立に関連する因子の検 する因子を明らかにできれば、急 第2896号 討 性期リハビリテーションにおける 平成21年4月1日~ ‐急性期病院退院時評価 重点目標も立案しやすい。しか 平成26年9月30日 による検討‐ し、この因子についての報告は 少ない。本研究は、急性期リハビ リテーション退院時評価から、回 復期リハビリテーション終了時の 屋内歩行自立の可否に関連する 因子を明らかにすることを目的と する。 25 関節リウマチを発症した患者は 初回治療として7-8割がMTXの 投与を受けているが、MTX投与 症例の中には悪性リンパ腫を発 生することが知られている。MTX 関節リウマチ患者におけ 関連リンパ腫は通常の悪性リン 第2898号 るMTX関連リンパ腫の解 パ腫とは異なり、MTX中止により 軽快することがある。本研究で 析 は、当科における関節リウマチ 患者におけるMTX関連リンパ腫 症例についてその臨床的特徴を 明らかにするために、解析を行 う。 26 乾癬性関節炎の臨床的 第2899号 特徴の解析 平成26年11月25日 平成29年3月31日 内科学 (神経内科) 秋山 久尚 130例 平成26年11月25日 平成28年12月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 今井 直彦 平成27年1月13日 平成29年3月31日 リハビリテーション室 【東横病院】 八木 麻衣子 平成29年11月30日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 永渕 裕子 平成29年11月30日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 永渕 裕子 1,200例 MTX関連リンパ腫、 MTX関連リンパ 対照群として関節リ 腫50例、 ウマチ 平成16年4月1日~ 平成26年11月30日 所属 実施責任者 12例 平成23年11月1日~ 平成26年9月30日 腎移植は腎代替療法のオプショ ンの一つであり、生体腎移植と 献腎移植に分けられる。本邦の 腎移植はそのほとんどが生体腎 移植でありドナーが重要な役割 生体腎移植ドナー を果たす。ドナーの長期予後は 良好と言われてはいるが、中に 平成10年1月1日~ は末期腎不全にいたるものもい 平成25年12月31日 る。このため腎移植後も定期的 なフォローが重要であり、当院に おけるドナーフォローの現況を調 査する。 乾癬性関節炎は乾癬にリウマチ 反応陰性の関節炎が伴う疾患 で、皮膚症状が先行しない症例 があり、関節リウマチとの鑑別が 重要な疾患である。当科の乾癬 性関節炎の臨床的特徴を解析し 明らかにする。 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 平成27年1月6日 関節リウマチ50 例 乾癬性関節炎、 関節リウマチ 乾癬性関節炎 50例、 平成16年4月1日~ 平成26年11月30日 関節リウマチ50 例 平成27年1月6日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 27 28 29 課題名 研究概要 関節リウマチは対称性多関節炎 を特徴とするが、単関節炎の関 節リウマチの存在も報告されて いる。関節リウマチのACRの分 関節リウマチ 類基準が改訂され、早期関節リ 単関節炎の関節リウマチ ウマチの早期診断、早期治療介 第2900号 平成16年4月1日~ の臨床的特徴の解析 入のため、単関節炎でも関節リ 平成26年11月30日 ウマチと診断できる症例が増え ている。本研究は、単関節炎の 関節リウマチの臨床的特徴を解 析する。 小児期に発症するてんかんは予 後良好なものが多いが、一部の 患者においては治療に抵抗し、 発作が持続かつ遷延し知的障害 や各種神経障害を合併する。こ てんかん性脳症の神経学 のような症例はてんかん性脳症 的予後に関する研究:治 と呼ばれ小児科領域で大きな問 第2924号 療介入による差異につい 題となっている。今回、てんかん 性脳症の予後を調査し各種治療 て 介入の正当性について評価す る。適切な抗てんかん薬の組み 合わせ、早期のてんかん外科治 療の有効性を検証し、今後の治 療に反映させる。 近年、癒着胎盤に対し胎盤を子 宮内に残し消失を待つ保存的治 療が注目されている。保存的治 療は術中出血量の軽減や妊孕 性温存などの利点がある一方、 癒着胎盤に対し保存的治 術後出血、感染などの合併症を 療を行った場合の胎盤血 引き起こす可能性があり、その 第2931号 流の推移とその評価法の 管理法は未だ確立していない。 検討 帝王切開後に動脈塞栓術を行な い、残置した胎盤の血流と画像 上の変化の推移を評価し、保存 的治療における塞栓術の有用性 と安全性を検証する。 パーキンソン病における 低血糖 てんかん性脳症: てんかん発作が持 続かつ遷延し知的障 害や各種神経障害 を合併している症例 第2942号 31 自己免疫疾患については罹患率 が稀であることから、大規模な観 自己免疫疾患(ベーチェッ 察研究が難しい。本学は自己免 第2944号 ト病、強直性脊椎炎等)に 疫疾患患者が多く、大規模・長期 にわたる診療が行われているこ おける観察研究 とから、予後・治療経過について 疫学調査を行う。 良性発作性頭位めまい症 (BPPV)患者に対しては、運動療 法が施行されることが多い。 Rolling-over maneuver(ROM)は BPPV病型におけるROM 非特異的運動療法としてBPPV 第2953号 療法の効果の差異につい の病型にかかわらず有効である て といわれているが、それを評価し た研究は少ない。今回、BPPVの 病型によってROMの効果に差異 があるかどうか評価する。 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 単関節炎50 例、 所属 実施責任者 平成27年1月6日 平成29年11月30日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 永渕 裕子 15例 平成27年2月6日 平成28年12月31日 小児科学 山本 仁 6例 平成27年2月17日 平成29年12月31日 産婦人科学 五十嵐 豪 30例 平成27年2月26日 平成28年12月31日 内科学 (神経内科) 眞木 二葉 多関節リウマチ 50例 平成17年1月1日~ 平成26年12月31日 帝王切開施行時に 癒着胎盤と診断し、 胎盤の一部または 全部を子宮内に残 置した症例 平成26年1月1日~ 平成26年12月31日 パーキンソン病と耐糖能低下に ついての報告は多いが、低血糖 との関連を報告した研究は少な パーキンソン病 い。罹患年数が長期になると低 血糖発作を生じ入院となるパー 平成25年7月1日~ キンソン病患者を数例経験した 平成26年8月31日 ため、パーキンソン病の血糖が 低下傾向にあるのか明らかにす る。 30 32 対象疾患 (調査対象期間) 自己免疫疾患(ベー チェット病、強直性脊 椎炎など)とその対 象疾患 300例 平成27年3月5日 平成31年3月31日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 大岡 正道 200例 平成27年3月18日 平成30年3月31日 耳鼻咽喉科学 肥塚 泉 平成16年4月1日~ 平成26年2月1日 良性発作性頭位め まい症 平成26年1月1日~ 平成26年12月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 自己免疫疾患の治療には、免疫 抑制療法(副腎皮質ステロイドを 含む)が頻繁に用いられている が、近年は免疫抑制療法によ り、B型肝炎既感染例の肝炎再 リウマチ性疾患におけるB 燃例(de novo 肝炎)が報告され 第2964号 ている。本研究では診療記録を 型肝炎の調査 用いて関節リウマチを中心とした 自己免疫疾患のB型肝炎感染歴 と免疫抑制療法に伴うB型肝炎 の再活性化、およびde novo 肝 炎発症の有無を調査する。 対象疾患 (調査対象期間) 関節リウマチ、膠原 病(全身性エリテマ トーデス、血管炎症 候群など) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 400例 平成27年4月9日 平成29年3月31日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 【西部病院】 柴田 朋彦 34 小児の急性虫垂炎は成人に比 べ重篤化することが多い。しか し、患者は自分の症状などを訴 急性虫垂炎 えることが困難で、身体診察など 当科における急性虫垂炎 も制限される。今回、小児の急性 第2965号 平成18年1月1日~ の検討 虫垂炎症例において術前検査で 平成27年3月31日 術後合併症を予測できる因子が 挙げられないか検討を行い、今 後の周術期管理の指針とする。 668例 平成27年4月9日 平成30年3月31日 外科学 (小児外科) 脇坂 宗親 35 前置癒着胎盤における管理法の 一つとしてcesarean hysterectomy(CH)があるが、出 血量の増加や膀胱損傷等の問 題点が挙げられ、近年では子宮 温存を図る保存的療法に関する 報告も散見される。当院の前置 前置癒着胎盤 保存的療法を施行した前 癒着胎盤症例における保存的療 第2967号 置癒着胎盤5症例に関す 法の適応は、今後の挙児希望の 平成26年1月1日~ る検討 ある症例やCHに伴う膀胱合併症 平成26年12月31日 が予想される症例のうちイン フォームドコンセントが得られた 症例としている。今回、保存的療 法を施行した前置癒着胎盤症例 の臨床経過を明確にすることを 目的として検討を行う。 5例 平成27年4月9日 平成28年12月31日 産婦人科学 名古 崇史 36 当院放射線科ではNBCA-lipiodol を用いた塞栓術を積極的に実施 してきた。膵頭部領域の塞栓術 は術後の致死的な出血性合併 症への対処法として重要な役割 を果たすが、消化管穿孔や急性 膵頭部領域における 膵炎などの重篤な副作用も生じ NBCA-lipiodolを用いた塞 うることがあり、膵頭部領域に 第2975号 栓術の安全性に関する後 NBCA-lipiodolを用いて塞栓術を 方視的検討 実施した場合の合併症頻度と重 症度の詳細はよく知られていな い。本研究では当院における成 績を評価し、合併症頻度と重症 度についての実態を明らかにす る。 20例 平成27年4月20日 平成29年3月31日 放射線医学 橋本 一樹 550例 平成27年4月23日 平成28年12月31日 33 37 日常の臨床では、DCIS症例に対 して乳房部分切除後には通常、 残存乳房への放射線照射を行っ ているが、組織型・年齢・病変の Low grade DCISに対する 広がりの範囲・異型度・切除断端 第2983号 術後放射線照射の有効 からの距離などを参考に、照射 性に関する後ろ向き検討 を省略することがある。本研究で は、当科でのDCIS症例に対する 術式や照射の有無とその予後に 関する後ろ向き検討を行う。 平成24年1月1日~ 平成26年4月30日 肝胆膵術後出血、十 二指腸潰瘍、肝細胞 癌など膵頭部領域で NBCA-lipiodolを用い た塞栓術を行った症 例 平成17年4月1日~ 平成27年3月31日 非浸潤性乳管癌 (DCIS)と診断され、 手術が施行された症 例 平成16年1月1日~ 平成24年12月31日 外科学 (乳腺・内分泌外科) 小島 康幸 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 38 39 課題名 研究概要 Eribulinは乳癌治療において、ア ンスラサイクリン、タキサン系の 薬剤を既使用の症例で、再発し た際に有効性が期待される薬剤 である。本邦では再発1stから使 用が認可されているが、欧州で はEMAが301,303試験の検討結 果を統合解析したevidenceに基 進行・再発乳癌に対する づき、Eribulinの2nd lineからの使 第2984号 Eribulinの使用状況につい 用を認めるなど、使用状況には 地域差が生じている。Eribulinの ての後ろ向き検討 承認後より、当院ではEribulinを 用いた治療実績を重ねてきたが 今後、前向き試験実施を検討し ている。その際の参考とするた め、本研究では現在までに得ら れた診療情報から使用状況と有 効性について後ろ向きに検討を 行う。 近年、大腸鋸歯状病変、特に SSA/Pは、散発性大腸癌の約 15%を占めるMSI陽性癌の前駆病 変として注目されているが、比較 的新しい疾患概念であり、その 内視鏡診断や臨床的取扱いに 大腸鋸歯状病変に対する 関しては一定のコンセンサスが 第2993号 拡大内視鏡診断の有用 得られていないため、大腸癌の サーベイランスを行う上で今後、 性についての検討 鋸歯状病変に対する内視鏡診断 を確立することは重要課題であ る。本研究では、当院にて切除さ れた大腸鋸歯状病変の内視鏡 所見と病理診断を対比し、特徴 的な所見を明らかにする。 対象疾患 (調査対象期間) 進行・再発乳癌と診 断され、Eribulinが投 与された症例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 平成27年4月23日 平成28年12月31日 外科学 (乳腺・内分泌外科) 小島 康幸 118例 平成27年5月13日 内科学 (消化器・肝臓内科) 【多摩病院】 石郷岡 晋也 700例 平成27年6月17日 平成28年12月31日 90例 平成22年4月1日~ 平成27年3月30日 内視鏡、もしくは外 科的に切除された大 腸鋸歯状病変群 平成30年3月31日 平成20年1月1日~ 平成23年9月30日 40 早発卵巣不全は、若年で卵巣機 能が低下し、重度の不妊症を呈 する疾患である。不妊治療は難 渋するものの、妊娠に至った報 早発卵巣不全 告が散見されるが、大規模な報 早発卵巣不全に対する不 告事例は未だなされていない。 第3017号 平成19年1月1日~ 妊治療の臨床成績 当院では早発卵巣不全の不妊 平成27年5月8日 治療を積極的に施行していること から、当院における早発卵巣不 全患者の採卵率、胚移植成功率 について後方視的に検討する。 41 再発性多発軟骨炎(RP)は、全 身の軟骨およびムコ多糖類を多 く含む組織を侵す原因不明の稀 な難治性疾患であり、中でも気 道病変は気管軟骨の炎症と脆弱 化によって気管支軟化症を発症 し、気管閉塞・虚脱、窒息による 突然死リスクの予後予測因子の 一つとされている。現在呼吸器 内科では気道病変の診断と治 療、管理を主に行なっており、RP は被曝のリスクがあるものの、病 再発性多発軟骨炎患者 状評価に欠かすことができない。 第3021号 におけるCTと呼吸機能検 一方、重度の気管支軟化症を発 査による気管狭窄の評価 症し切開を受けた患者では機能 的な評価は難しい。そのため今 回、呼吸機能検査とCT画像解析 の相関の検討を行い、気管切開 を施行した患者の呼吸機能的 フォローアップ手段にCT解析が 応用できるのではないかと考え た。CTを用いてRPにおける気道 断面積の解析を行い、RPにおけ る中枢気道病変がCTと呼吸機 能検査の聞に相関があるかを検 討する。 再発性多発軟骨炎と 診断され、当院呼吸 器内科を受診し、CT と呼吸機能検査を施 行された患者 平成20年4月1日~ 平成26年3月31日 所属 実施責任者 26例 平成27年7月6日 平成28年7月5日 産婦人科学 吉岡 伸人 内科学 (呼吸器内科) 半田 寛 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 42 課題名 研究概要 本研究は厚生労働省難治性疾 患克服研究事業難治性血管炎 の大型血管炎の研究班の中で 行う臨床研究である。平成19年4 月1日から平成26年3月31日の間 に高安動脈炎あるいは巨細胞性 動脈炎と診断された患者で、新 たにステロイド療法が開始された 高安動脈炎と巨細胞性動 症例あるいは再発例に対してプ 脈炎の治療の現状とその レドニン(PSL)0.5mg/kg以上を開 第3024号 有効性と安全性に関する 始した患者あるいは生物学的製 観察研究 剤の投与が新たに開始された患 者を対象とする。登録された患者 に関して(1)これらの疾患の人口 統計学的特徴と疾患特性、(2) 実施されたステロイド療法、免疫 抑制剤の内容と寛解導入率、再 発率、予後、(3)ステロイド治療 の安全性、有害事象の発現状況 を後方視的に検討する。 対象疾患 (調査対象期間) 高安動脈炎、巨細胞 性動脈炎 43 44 血液透析にはバスキュラ―アク セス(血液を体内から取り出し、 返血する経路)が必要である。本 邦では以前からシャント作成が 末期腎不全患者に対する 困難な症例に上腕動脈表在化と 第3035号 動脈表在化手術の有効 いう手術が施行されてきたが、海 性に関する研究 外での報告は少ない。本研究で は、国内において多施設の調査 を行い、動脈表在化の効果や開 存期間、合併症を調査する。 所属 実施責任者 10例 平成27年6月23日 平成29年3月31日 内科学 (リウマチ・膠原病・ アレルギー内科) 山田 秀裕 50例 平成27年7月22日 平成28年8月31日 麻酔学 小幡 由美 平成19年4月1日~ 平成26年3月31日 頚部膿瘍は換気困難、挿管困 難、嚥下障害を来す疾患であり、 全身麻酔導入においては自発呼 吸の温存と気管挿管、もしくは気 頚部膿瘍 頸部膿瘍手術における麻 管切開を行うかの明確な判断基 第3033号 酔導入方法、抜管基準の 準がない。今回、過去10年間の 平成17年1月1日~ 検討 頚部膿瘍症例における麻酔導入 平成27年5月31日 方法を後ろ向きに検討し、症例ご との適切な麻酔導入方法と抜管 の基準について検討を行う。 45 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 末期腎不全で血液 透析を施行中もしく は施行予定で動脈 20例 表在化手術を行った (全体200~300 平成27年7月15日 平成28年12月31日 患者 例) 内科学 (腎臓・高血圧内科) 末木 志奈 平成24年1月1日~ 平成25年12月31日 乳癌におけるセンチネルリンパ 節生検(sentinel node biopsy、 SNB)はアイソトープ法から始ま り、20年が経過した。SNBは臨床 的リンパ節転移陰性(NO)乳癌 において腋窩リンパ節転移を正 確に診断できる生検法であること が検証され、転移陰性であれば 非郭清でも予後が変わらないこ 原発性乳癌 センチネルリンパ節転移 とが証明されている。さらに近 第3043号 陽性・非郭清乳癌の予後 年、微小転移や少数のリンパ節 平成20年1月1日~ 転移例に対しても非郭清の適応 に関する後ろ向き研究 平成23年12月31日 が拡大しつつある。今回、術中迅 速病理検査で偽陰性となり、結 果的に非郭清となったpN1mi (sn)乳癌またはpN1(sn)乳癌を 対象に、集学的乳癌治療におけ る非郭清の妥当性を検討するた め、SNB後の非郭清症例を後ろ 向きに集積し、その予後を解析 する。 20例 (全体200例) 平成27年7月27日 平成31年3月31日 外科学 (乳腺・内分泌外科) 津川 浩一郎 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 46 47 48 49 50 課題名 研究概要 COPDは閉塞性換気障害を来す 疾患であり、治療には抗コリン薬 や長時間作用型β2刺激薬の吸 入を行う方法がとられているが、 COPDにおける気管支拡 呼吸機能や画像所見における改 第3059号 張薬が肺血管体積に与え 善効果は乏しい。血管体積と換 気障害との相関を示す報告はあ る効果の検討 るが、本研究ではCOPDに対し、 薬物治療による自覚症状の改善 と呼吸機能及び肺血管体積の関 係についての評価を行う。 320列面検出器型CT (320-ADCT)における大 第3063号 動脈弁ボーダートラッキン グ法を用いた大動脈弁狭 窄症の診断、予後の関連 大動脈弁狭窄症(AS)は日本人 に最も多い弁膜症である。ASの 重症度評価は、一般に心エコー 図法を用いて算出されるが、算 出値と実際の重症度が一致しな いこともある。近年の画像診断の 進歩により、マルチスライスCTで も冠動脈について評価できるよう になり、経カテーテル的大動脈弁 置換術前の標準的検査となった が、心臓CTが大動脈弁重症度 の診断に有用であれば、術前検 査とAS診断を一度に行える可能 性があるため、検討を行う。 食道悪性手術は頚部、胸部、腹 部と範囲が大きく、また術中、分 離肺換気を必要とするため麻酔 管理は同一麻酔科医が行ってい るが、手術手技、麻酔管理ともに 難渋することが多い。周術期死 胸腔鏡下食道悪性手術 亡率、合併症が多く見られたた 第3076号 における術中管理・術後 め、2014年4月より診療科にて打 合併症に関する検討 ち合わせを行い、食道悪性手術 時の気管挿管チューブの選択、 分離肺換気の方法などを変更し ている。今回、変更前後において 術中合併症、術後転機がどのよ うに変化したか調査を行う。 心臓MRI検査は心臓の構造や機 能、線維化の検出などあらゆる 点で利点がある。近年、シネMRI 画像のみで心筋重量や運動評 価を簡易に定量することが可能 心臓MRI検査と心臓超音 (Feature tracking法)になり、心 第3102号 波検査の心臓パラメー 臓MRI検査の臨床応用の可能性 ターを比較する が期待されている。本研究では、 臨床において標準として使用さ れている心臓超音波検査と、新 しいFeature tracking法の関連に ついて観察する。 心臓MRI検査は心臓の構造や機 能、線維化の検出などあらゆる 点で利点がある。また、心臓CT 検査は冠動脈の狭窄の評価や 心内血栓の評価に優れているも のの、心臓CT検査での心筋性状 心臓MRI検査と4次元心 の評価には検討すべき点が存在 第3103号 臓CT検査の心臓パラメー する。近年、4次元心臓CT検査 ターを比較する が行われるようになり、臨床応用 の可能性が期待されているが、 本研究では、標準として施行され ている心臓MRI検査と、新しい4 次元心臓CT検査の関連につい て検討を行う。 対象疾患 (調査対象期間) 20歳以上の未治療 のCOPD患者におい て、薬物治療開始前 と開始後半年以内に CTを施行したもの 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 20例 平成27年8月6日 平成29年6月30日 内科学 (呼吸器内科) 竹村 仁男 100例 平成27年8月12日 平成29年3月31日 内科学 (循環器内科) 米山 喜平 30例 平成27年9月1日 平成28年12月31日 麻酔学 加藤 篤子 平成25年7月1日~ 平成27年6月30日 心臓CTを施行した 結果、大動脈弁狭窄 症が疑われた症例 平成25年4月1日~ 平成26年8月31日 食道悪性腫瘍手術 を施行した症例 平成24年4月1日~ 平成27年3月31日 陳旧性心筋梗塞、狭 心症、心筋症例 50例 平成27年10月19日 平成29年3月31日 内科学 (循環器内科) 米山 喜平 50例 平成27年10月13日 平成29年3月31日 内科学 (循環器内科) 米山 喜平 平成25年4月1日~ 平成27年8月5日 陳旧性心筋梗塞、狭 心症、心筋症例 平成25年4月1日~ 平成27年8月5日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 51 52 53 54 課題名 研究概要 心臓カテーテル検査で行われる 冠動脈造影と左室造影は標準的 に同時施行されている。冠動脈 狭窄を描出することに加えて、左 室駆出率や血行動態指標を同 時に測定できることが利点であ 心臓カテーテル検査を施 る。Obesity paradoxという概念が 第3107号 行した症例の予後におけ 提唱されており、BMIが高いほど るBMIの有用性について 心疾患患者が多い一方、BMIが 低い心疾患患者ほど予後が悪い と言われる。上記の提唱をもとに 今回、心臓カテーテル検査を施 行した症例の予後についてBMI の有用性を検討する。 副腎腫瘍における131I-adosterol scintigraphyの左右差の判定は 判定者の主観により異なる可能 性がある。腫瘍側ならびに健側 での核種集積率のカットオフ値に 明らかな基準はない。副腎性サ 軽微なコルチゾール産生 ブクリニカルクッシング症候群の 副腎腫瘍における 診断基準である(1)ACTH分泌の 第3108号 131I-adosterol 抑制、(2)コルチゾール日内リズ scintigraphyの臨床的意 ムの消失、(3)血中DHEA-Sの低 義 値、(4)デキサメサゾン抑制試験 におけるコルチゾールの自律性 分泌、代謝合併症と照らし合わ せることにより131I-adosterol scintigraphyの集積率の基準を明 らかにする。 気道狭窄症例の気流制 第3126号 限解除前後での血管断 面積と肺血流の関連 悪性腫瘍などによって気道狭窄 をきたした症例に対して、気流制 限解除を目的としてステント留置 や気管支拡張などの呼吸器イン ターベンション治療が行われてい る。その治療効果判定の一環と して肺血流シンチグラフィを治療 前後で評価することがある。 Rainerらは、片側気道狭窄に対し て気流制限の解除を行うと、前 後で血流シンチグラフィの均等化 が認められることを報告してい る。またMatsuokaらの研究により 定量的CTでの肺小血管断面積 と、肺血流の相関が示されてい る。 本研究の目的は、気流制限解除 による肺血流の改善を評価する 画像検査として、CTから測定さ れる肺小血管断面積が、肺血流 シンチグラフィの代替法となりう るか評価することにある。 メディカルサポートセンター (MSC)では、特に在宅医療移行 において、患者やその家族が望 む場合に自宅での看取り(在宅 死)も視野に含めた介入を心が けている。紹介先を決定するた めの患者や家族との面談では 「生活の場」などの希望のみでな がん患者の終末期医療 く「看取りの場所」に対する希望 における看取り場所の希 も聴取し、環境調整を行ってい 第3127号 望: る。事前に看取り場所の希望を 聖マリアンナ医科大学病 聴取することは、終末期緩和医 院における後方視的検討 療において1つの目標となり、そ の後の診療や経過に大きく影響 すると考えられる。本研究では、 化学療法終了後に緩和医療へ 完全移行する際に、看取り場所 の希望を聴取することの意義 や、その後の経過の実態を明ら かにする。 対象疾患 (調査対象期間) 陳旧性心筋梗塞、狭 心症、心筋症カテー テル検査を施行した 症例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 1,095例 平成27年10月13日 平成29年3月31日 内科学 (循環器内科) 米山 喜平 100例 平成27年10月13日 平成29年3月31日 内科学 (代謝・内分泌内科) 石井 聡 10例 平成27年10月13日 平成29年3月31日 内科学 (呼吸器内科) 西根 広樹 200例 平成27年10月19日 平成28年7月31日 臨床腫瘍学 津田 享志 平成21年4月1日~ 平成24年8月31日 131I-adosterol scintigraphyを行った クッシング徴候を伴 わない片側性の副 腎腫瘍。 (褐色細胞腫、原発 性アルドステロン 症、副腎癌を除く) 平成15年4月1日~ 平成27年3月31日 悪性腫瘍によって気 道狭窄をきたし、そ の後、呼吸器イン ターベンション治療 により気流制限が解 除され、その前後で 胸部CTおよび肺血 流シンチグラフィを施 行した患者 平成23年1月1日~ 平成27年7月31日 腫瘍内科からMSC へ依頼した症例 平成24年1月1日~ 平成25年12月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 55 外脛骨障害は日常診療で遭遇 することが多い疾患であるが、保 存療法に抵抗する例も少なくな い。また、扁平足との関連性や、 外脛骨障害に対する手術療法に 外脛骨障害 ついても未だ確立されていない。 外脛骨障害による成人期 本研究では、成人期の外脛骨障 第3129号 平成17年4月1日~ 扁平足の診断と治療 害症例の後脛骨筋腱‐外脛骨‐ 平成27年7月30日 ばね靱帯複合部の鏡視および MRI所見から扁平足変形への進 展について病態を考察すること と、外脛骨前進骨接合術の術後 成績について検討を行う。 30例 平成27年10月13日 平成29年8月30日 整形外科学 仁木 久照 56 様々な病態を伴って救急外来を 受診する患者や集中治療室に入 院中の患者ではしばしば胸水が 認められる。こうした患者に対し て第一に行われる画像検査には ポータブルの胸部単純X線写真 があり、迅速な診断や治療方針 決定上、この画像で胸水の有無 ポータブル胸部写真によ や経時変化を評価できる意義は 第3142号 る胸腔内液体貯留評価 大きい。本研究では、ポータブル 胸部単純X線写真(以下、ポータ ブル胸部)上の画像所見を、同 一時間帯に撮られた胸部CTを ゴールドスタンダードとして対比 し、胸水量とポータブル胸部上の 画像所見との相関を評価し、 ポータブル胸部で胸水量を予測 できるか検討する。 500例 平成27年10月19日 平成29年3月31日 救急医学 松本 純一 ポータブル胸部の撮 影前後1時間以内に 撮影された胸部CT にて胸水が確認さ れ、かつ肺野にその 他の異常所見を認 めないもの 平成24年11月30日 ~ 平成27年3月31日 57 糖尿病患者の慢性合併症の阻 止には、より厳格な血糖コント ロールが必要であり、薬物治療 の進歩によりその目標は徐々に 達成されつつあるが、一方で薬 物治療に関連した低血糖のリス 当院における糖尿病治療 クが増大する危険も危惧される。 第3143号 に関連した重症低血糖発 重症低血糖は発症時に第三者を 症時の実態調査 巻き込む事故の誘因となる可能 性があり、可及的に回避すべき 重要課題である。本研究では、 当院における重症低血糖発症時 の背景等を調査し、療養指導の 充実化を図ることが目的である。 58 特発性食道破裂は、嘔吐などに よる急激な食道内圧の上昇に よって食道壁が全層にわたり破 裂し、胃内容物による縦隔およ び胸腔内の汚染をきたすまれな 疾患である。治療が遅れると重 篤な経過をとり致命的となるた 特発性食道破裂 特発性食道破裂に対する め、早期診断と適確な治療が重 第3149号 要となる。一般的には緊急の手 昭和62年1月1日~ 手術症例の検討 術治療が選択されるが、穿孔部 平成26年12月31日 が縦隔に限局しており、臨床症 状が軽度な症例では保存的治療 も考慮される。本研究では当科 で外科的治療を行った特発性食 道破裂の症例について、後方視 的に検討を行う。 重症低血糖を発症し 左記期間内に た糖尿病症例 重症低血糖を 平成27年10月13日 平成31年3月31日 発症した糖尿 平成23年4月1日~ 病症例全例 平成26年3月31日 10例 平成27年11月5日 平成28年12月31日 内科学 (代謝・内分泌内科) 加藤 浩之 外科学 (消化器・一般外科) 民上 真也 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 59 本研究は厚生労働省難治性疾 患克服研究事業難治性血管炎 の研究班として実施する研究で ある。平成19年4月1日から平成 26年3月31日の間に高安動脈炎 あるいは巨細胞性動脈炎と診断 された方の中で、新たにステロイ ド療法が開始された症例あるい 高安動脈炎と巨細胞性動 は再発例に対してプレドニン 脈炎の治療の現状とその (PSL)0.5mg/kg以上を開始した 第3153号 有効性と安全性に関する 方あるいは生物学的製剤の投与 観察研究 が新たに開始された方を対象と し、(1)疾患についての人口学 的特徴と疾患特性、(2)実施さ れたステロイド療法・免疫抑制剤 の内容と寛解導入率・再発率・予 後(3)ステロイド治療の安全性、 有害事象の発現状況を後方視 的に検討する。 60 虫垂炎は外科手術による治療が 中心となるが、炎症の軽度な症 例では保存的治療、膿瘍形成性 虫垂炎に対しては急性期に保存 虫垂炎に対する虫垂切除 的治療を行い、炎症改善後に手 第3154号 術を中心とした治療方針 術を行うinterval appendectomy の方針を選択することも多い。本 の妥当性の検討 研究ではこれらの治療成績につ いて後方視的に解析を行い、現 行の治療方針の妥当性を検討す る。 61 62 63 膵体尾部切除術は合併症の一 つである膵廔の発生が多い。各 施設で様々な工夫を行っている が、合併症の発生率は未だ十分 に軽減できていない。膵廔は入 膵体尾部切除術における 院期間の延長や、生命危機に至 第3155号 手術手技および周術期管 る可能性をも含む合併症である 理と合併症発生の関係 が、発生率は10~20%とされて いる。本研究では膵切離方法に よる膵廔の発生率の差異や、膵 切離法以外の膵廔発生因子を 後方視的に検討する。 膵頭十二指腸切除術は過大な 侵襲を伴う術式であり、合併症も 多い。各施設で様々な工夫を 行っているが、合併症の発生は 未だ十分に軽減できていない。 膵頭十二指腸切除術に 術前栄養管理やシンバイオティ おける手術手技および周 クス、リンパ節郭清範囲、出血量 第3156号 術期管理と合併症発生の や手術時間、膵空腸吻合手技、 関係 消化管吻合手技、予防抗菌薬、 術後管理(Enhanced recovery after surgery)などの因子と術後 合併症の発生との関連性につい て、後方視的に検討する。 第3157号 腹腔鏡下胆嚢摘出術に 関する検討 腹腔鏡下胆嚢摘出術は良性の 胆嚢疾患に対する標準的な術式 である。従来、同術式には臍に 11~12mm、心窟部・右季肋部お よび右側腹部に5mm、計4本の ポートを用いていたが、近年では reduced port surgery(ポート数を 減らす)を実施することも多い。し かし、reduced port surgeryは整 容性に優れるが、手術侵襲を軽 減できているかは未だ議論がな されている。本研究では当院に おける腹腔鏡下胆嚢摘出術の治 療成績を後方視的に解析し、 reduced port surgeryについて検 討する。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 10例 高安動脈炎、巨細胞 (全体:高安動 性動脈炎 脈炎200例以 平成27年11月27日 平成29年3月31日 上、巨細胞性 平成19年4月1日~ 動脈炎200例以 平成26年3月31日 上) 入院治療を行った虫 垂炎症例 皮膚科学 川上 民裕 500例 平成27年11月4日 平成30年3月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 120例 平成27年11月4日 平成30年3月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 260例 平成27年11月4日 平成30年3月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 500例 平成27年11月4日 平成30年3月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 膵体尾部切除術を 施行後に、膵廔・SSI などの合併症が発 生した症例 所属 実施責任者 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 膵頭十二指腸切除 術を施行後に、膵 廔・SSI・胃内容排泄 遅延・胆管炎・脂肪 肝などの合併症が 発生した症例 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 腹腔鏡下胆嚢摘出 術症例 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 64 65 66 67 課題名 研究概要 胆嚢炎に対しては外科手術が治 療の中心となっているが、炎症 の程度や患者の基礎疾患(抗凝 固剤内服など)により、緊急手 術・待機手術・胆道ドレナージ後 の順緊急手術など手術時期は 様々である。2015年に胆嚢炎・ 胆嚢炎に対する胆嚢摘出 胆管炎の診療ガイドラインが発 第3158号 術の施行時期に関する検 行され、おおむねガイドラインに 沿った治療方針がとられている 討 が、個々の症例における手術の タイミングについては施設間で若 干の差があるのが現状である。 本研究では当院における胆嚢炎 症例の治療成績を後方視的に解 析し、現行の治療方針が妥当で あるか検討する。 アルドステロン産生腺腫(PA)の 病態・病型は多様であるが、その 約10%を占めるPAは、軽症型で ある特発性アルドステロン症と比 較してアルドステロン産生量が多 く、標的臓器障害の頻度、予後 の面からも重症型PAに位置づけ られており、特異的な病型診断と 効果の高い治療方針の確立が 重症型原発性アルドステ 必須である。本研究では重症型 第3165号 ロン症の診療の質向上に PAの治療効果を高めるため、後 方視的な検討を行い、(1)非観 資するエビデンス構築 血的な検査のスコア化で病型予 知が可能か、(2)副腎静脈サン プリング(AVS)の標準的な実施・ 判定法は何か、(3)手術・薬物 治療の内、いずれの治療効果が 高いかについて、3つの主要クリ ニカルクエッション(CQ)を解決 し、診療ガイドライン改訂に資す るエビデンスを構築する。 舟状骨骨折は初診時に診断が 困難な場合があり、患者の放 置、医療者の見落としもしばしば 散見されることがある。新鮮骨折 ではスクリュー固定が標準的な 治療になりつつあるが、舟状骨 の特殊な形態から、その手術手 技は決して容易でない。不適切 なスクリュー固定、治療時期の遅 れにより偽関節に陥ると、再手術 や骨移植、血管柄付き骨移植が 舟状骨骨折の疫学調査 必要となり難渋する。診断におい 第3168号 および骨折形態、治療法 ても単純X線画像では周囲手根 の検討 骨との重なりにより正確な診断に 習熟を要することから、早期診 断・早期治療が原則であるが、こ のことは偽関節に陥る症例を減 少させることにもつながる。以上 から、本研究では舟状骨骨折に おける受傷機転・患者背景・診断 方法・治療方法について後方視 的に調査し、より正確な診断法、 骨折形態の把握、適切な治療選 択基準を見出す。 当院におけるオマリツマ 第3169号 ブ使用症例の検討 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 入院治療を行った胆 嚢炎症例 平成30年3月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 100例 平成27年11月10日 平成30年3月31日 (全体1,500例) 内科学 (代謝・内分泌内科) 方波見 卓行 500例 平成27年11月4日 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 PAと診断され、原則 としてAVSを実施さ れた症例 平成18年1月1日~ 平成26年12月31日 舟状骨骨折、舟状骨 偽関節症例 100例 平成27年11月24日 平成28年9月30日 整形外科学 内藤 利仁 平成27年11月26日 平成28年9月30日 内科学 (呼吸器内科) 【西部病院】 駒瀬 裕子 平成19年1月1日~ 平成27年9月30日 抗IgE抗体であるオマリツマブは アトピー素因を有する重症喘息 症例に対して有効とされている。 しかし、自覚症状が改善する患 者は全体の70%程度であり、効 果がない患者は30%程度存在す る。また、呼吸機能も改善する患 気管支喘息症例 者数は少ないとされている。当院 におけるオマリツマブ使用患者 平成22年3月1日~ は発売当初より現在までで54例 平成27年9月30日 であり、神奈川県でも有数の使 用施設である。本研究では、当 院におけるオマリツマブ使用患 者を後方視的に解析し、有効例 と無効例の臨床背景について検 討を行う。 所属 実施責任者 54例 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 対象疾患 (調査対象期間) 68 腎移植は腎代替療法のオプショ ンの一つであり、生体腎移植と 献腎移植に分けられる。本邦の 腎移植はそのほとんどが生体腎 生体腎移植ドナー 高齢腎移植ドナーの予後 移植でありドナーが重要な役割 第3185号 を果たす。本邦では夫婦間生体 平成10年1月1日~ について 腎移植も多く、ドナーにしめる高 平成26年12月31日 齢ドナーの割合も大きい。当院に おける高齢ドナーの予後につい て調査する。 69 子宮体がんは増加傾向にあり、 本邦での発生数もこの10年間で 2倍以上となっているが、半数以 上が低悪性度であることから、予 後は良好である。ただし、再発率 は低いものの、再発すると一般 的に根治は難しく、子宮体がん 治療ガイドラインでは患者の状 態や再発部位、初回術後の補助 療法の有無・内容によって手術 療法や放射線療法、ホルモン療 法、化学療法、支持療法を適 宜、選択することとされている。 再発子宮体がんの最適な 子宮体がんの術後再発の好発 第3186号 治療法を探索するための 部位は膣、骨盤内、腹腔内、遠 後方視的研究 隔臓器であり、現在は多くの施 設で化学療法が行われている が、化学療法施行後の再発にお ける、薬剤選択の明確な基準と なるエビデンスはまだない。この ため、本邦における初回治療後 の再発子宮体がん症例の再発 様式や時期、再発部位、施行し た各種治療法の有効性、有害事 象について、多施設後方視的調 査研究で調査・検討を行い、再 発子宮体がん患者に対する適切 な治療アプローチに役立てる。 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 約130例 再発子宮体がん 1)組織学的に子宮体 がんであることが確 認されている症例 2)2005年1月1日以 降に治療を開始し、 2012年12月31日ま 50例 でに初回治療を終了 (全体150例) した症例 3)2014年12月31日 時点で再発が確認さ れた症例 所属 実施責任者 平成27年12月14日 平成28年12月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 今井 直彦 平成28年02月09日 平成30年03月31日 産婦人科学 細沼 信示 平成17年1月1日~ 平成27年4月1日 70 外傷性膵損傷は、頻度は少ない が救命率が低く、難治性のもの である。損傷の程度と全身状態 によって、保存的治療や内視鏡 外傷性膵損傷例 的膵管ドレナージ、緊急手術の 外傷性膵損傷に対する治 方針をとるが、画一した治療方針 第3188号 平成17年1月1日~ 療方針に関する検討 はなく、施設ごとで異なるのが現 平成27年10月5日 状である。当院で経験した外傷 性膵損傷の症例を検討し、当院 における治療方針の妥当性につ いて検討する。 10例 平成27年12月14日 平成30年03月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 71 膵臓癌の多くは管状腺癌である が、約2%に腺扁平上皮癌を、ま た0.2%に退形成癌を認める。こ れらは特殊型膵癌と呼ばれ、ま れな組織型の膵癌である。特殊 型膵癌は管状腺癌と比べ大型で 発見されることが多く、膨張性発 特殊型膵癌症例 特殊型膵癌における臨床 育を呈し、やや血流が多い腫瘍 第3189号 病理学的特徴に関する検 として画像所見でとらえられる。 平成17年1月1日~ 討 また管状腺癌より予後不良と報 平成27年10月5日 告されている。しかし、症例数が 少ないため生物学的特徴は未だ 不明な点が多い。当院で経験し た特殊型膵癌の症例について臨 床病理学的検討を行い、その特 徴を見出すことを目的とする。 20例 平成27年12月14日 平成30年03月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 72 73 74 75 課題名 研究概要 膵頭十二指腸切除術は工程の 多い術式であり、特に肛門部お よび上腸間膜動脈(SMA)周囲の 廓清を要するので、同部の複雑 な脈管解剖についての知識を要 する。一方で肝動脈、胆管、上腸 間膜動静脈の分枝は分岐・合流 形態に変異があり、個々の症例 で術前に変異を知ることが重要 膵頭十二指腸周囲におけ である。一般にリンパ廓清は領 第3190号 る血管解剖変異に関する 域動脈をenblockに切除するが、 主要動脈がreplaseしている場合 検討 には動脈を温存しつつ廓清を行 う必要があり、廓清手技が煩雑と なる。本研究では肝動脈、SMA、 上腸間膜静脈(SMV)の変異形 態の頻度を検討するとともに、正 常解剖症例と変異症例を比較し て手技が煩雑となるか、またリン パ再発が多いかどうか検討す る。 リコンビナントトロンボモジュリン (rhTM)の治療効果に関するエビ デンスは十分と言えず、海外に おける第Ⅲ相試験(ART-123 trial)が現在進行中である。当院 リコンビナントトロンボモ では2010年以降、その治療効果 第3215号 ジュリンがDIC治療に与え が明らかでないことから、救命病 棟では使用せず、一般病棟では る影響 適応があれば使用する治療体制 をとってきた。これらの結果を調 査し、敗血症性DIC治療に与えた rhTMの治療効果を明らかにす る。 原発性アルドステロン症(PA)で は、本態性高血圧症(EH)よりも 心血管イベントが多いことが知ら れている。しかしながら、PA患者 で手術治療もしくはミネラルコル チコイド受容体拮抗薬(MRB)に 原発性アルドステロン症 よる介入後の心血管イベント 第3217号 患者における心血管イベ (CVEs)についての報告は少な ント発症について い。また長期フォローの研究デー タもほとんどない。従って、本研 究ではPA患者とEH患者における 心血管イベント発症について、長 期介入での発症頻度を検討す る。 大動脈弁狭窄症は最も頻度の高 い弁膜症であり、超高齢社会を 迎えた日本において爆発的に増 加している。大動脈弁狭窄症に おける重症度診断のゴールドス タンダードは心エコー図であり、 弁口面積、最高血流速度、平均 圧較差に乖離を認める症例が多 く存在することが報告され、重症 度診断に悩む症例も少なくない。 大動脈弁狭窄症における また、低圧較差の群に関する予 第3224号 新たな心エコー図指標の 後に関しては一定の見解が得ら 検討 れてなく、その治療方針決定に 関しても日常臨床において大変 重要な問題である。今回、我々 は大動脈弁位ドップラー波形か ら、弁口面積や圧較差ではない 時相解析による新たな目標、 acceleration time/ejection time ratioが重症度診断及び予後推 定に有用であるかどうかを検討 する。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 膵頭十二指腸切除 術を施行した症例 260例 平成27年12月14日 平成30年03月30日 外科学 (消化器・一般外科) 小林 慎二郎 100例 平成28年01月20日 平成32年12月31日 外科学 (消化器・一般外科) 片山 真史 200例 平成28年01月26日 平成29年08月31日 内科学 (代謝・内分泌内科) 【西部病院】 福田 尚志 300例 平成28年01月26日 平成30年03月31日 内科学 (循環器内科) 出雲 昌樹 平成17年1月1日~ 平成27年10月5日 播種性血管内凝固 症候群 平成22年1月1日~ 平成27年9月30日 2006年1月から2015 年1月までの間に当 院でPAもしくはEHと 診断された20~90歳 の症例 所属 実施責任者 平成18年1月1日~ 平成27年1月1日 経胸壁心エコー図を 施行した大動脈弁狭 窄症例 平成24年12月1日~ 平成27年3月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 76 77 78 79 課題名 研究概要 腎不全患者が腎移植施設を選 択する時には、その施設の成績 がwebsite上に公表されているこ とを重視しており、当院では腎移 植の成績を常に公表し、更新す る必要がある。このため、患者の 当院における腎移植症例 年齢・性別・原疾患・透析歴・免 第3227号 疫抑制法の種類・ドナーの年齢・ の臨床的検討 性別・腎機能・血液型の一致・不 適合などの基本情報に加え、拒 絶反応の発症率・移植腎生着 率・移植患者生存率・ドナーの予 後などを継続的に調査研究を行 う。 人口の高齢化に伴い、悪性疾患 で死亡する患者数は増加してい るが、当院は急性期病院である ことから、自ら治療した患者を最 期まで経過観察することは容易 でない。一方、患者が治療施設 当院における泌尿器科系 を選択する際は各施設の 第3228号 がん患者の治療成績に website上で公表されている治療 成績を参考にすることが増えて 関する検討 いる。このため、当科で治療を 行った泌尿器科系がん患者(腎 癌・腎盂尿管癌・膀胱癌・前立腺 癌・精巣癌)について、その治療 成績を把握するとともに、公表す ることを目的として調査を行う。 心房細動は65歳以上の約4%に 認められ、先進諸国において増 加の一途を辿っている。心房細 動の大きな問題点の一つとして 心原性血栓塞栓症が挙げられ、 そのリスク層別化に臨床情報を 用いたCHADS2スコアが簡便か つ有効な指標として広く使用さ れ、抗凝固薬の適応基準として 用いられている。しかしながら CHADS2スコア低リスク群でも塞 心房細動患者に対する新 栓症は約2.8%の確率で発症して おり、低リスク群に対する抗凝固 第3229号 たなリスク層別化:心エ 薬に関して、一定の見解は得ら コーによる検討 れておらず、更なる層別化が望 まれている。血栓リスク評価とし て塞栓源である左心耳機能の経 食道心エコー図による直接評価 が古くから用いられているが、経 食道心エコー図は侵襲的であ り、心房細動患者全例に対して 行うことは不可能である。今回、 我々は経胸壁心エコー図による 血栓塞栓症リスク層別化が可能 かについて検討を行う。 特発性間質性肺炎合併 第3256号 肺癌患者の内科治療に 関する後ろ向き調査 特発性間質性肺炎(IIPs)には高 率に肺癌が発生し、特に特発性 肺線維症(IPF)での肺癌の発生 率は10~30%、相対リスクは7~ 14倍とされる。IIPsに合併した肺 癌に対して治療を行う場合、手 術、放射線療法、化学療法のい ずれも急性憎悪の契機となるこ とが問題になる。IIPs合併進行/ 術後再発肺癌に対しては化学療 法や緩和療法が行われるが、化 学療法の大規模な前向き試験は なく、緩和療法単独の頻度も明ら かでない。このため、IIPs合併進 行肺癌の治療について、ガイドラ イン策定に寄与する最新の実態 調査を行うことを目的とする。さら に、化学療法の効果と急性憎悪 の危険因子を検討する。また、緩 和療法単独が選択された症例に 関する検討を行う。 対象疾患 (調査対象期間) 当科で施行した腎移 植症例およびそのド ナー 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 164例 平成28年01月26日 平成28年12月31日 腎泌尿器外科学 力石 辰也 500例 平成28年02月22日 平成30年12月31日 腎泌尿器外科学 力石 辰也 300例 平成28年01月26日 平成29年03月31日 内科学 (循環器内科) 出雲 昌樹 (1)IIPsに合併した進 行肺癌(臨床病期: 期間中に該当 Ⅳ期または術後再 する全例 平成28年04月14日 平成30年12月31日 発) (全体3,000例) (2)原発性肺癌の病 理診断例 内科学 (呼吸器内科) 峯下 昌道 平成10年7月1日~ 平成27年12月31日 当科で治療を行った 泌尿器科系がん患 者(腎癌・腎盂尿管 癌・膀胱癌・前立腺 癌・精巣癌) 平成12年1月1日~ 平成27年12月31日 経食道及び経胸壁 心エコー図を施行し た心房細動患者 平成23年4月14日~ 平成26年5月12日 20歳以上の下記症 例 平成24年1月1日~ 平成25年12月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 子宮頚部細胞診の診断に意義 不明の異型細胞(ASC)という分 類がある。ほとんどの場合は軽 度異形成程度の異常であるが、 稀に浸潤癌が発見されることが 子宮頚部細胞診における あり、臨床的に慎重な対応をす 第3257号 ASCの検討 る必要がある。今回の検討で ASCと診断された症例の最終組 織診断と調査し、細胞の所見の 特徴や臨床的な対応の妥当性 について検討する。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 子宮頚部細胞診結 果がASCの症例 所属 実施責任者 4,000例 平成28年03月01日 平成28年12月31日 産婦人科学 戸澤 晃子 81 わが国における皮膚悪性腫瘍の 発生数や予後、治療方法に関し ては、全国的な統計調査が行わ れていないこともあり、不明な点 が依然として多い。皮膚悪性腫 瘍の発生数に関しては、高齢化 に伴い増加している印象はある ものの、それを裏付けるデータは 皮膚悪性腫瘍 不十分である。また、皮膚悪性 皮膚科における皮膚悪性 腫瘍は皮膚という目に見える場 第3258号 平成12年1月1日~ 腫瘍患者の統計的解析 所に発症するにも拘わらず、受 平成27年12月31日 診が遅れることがしばしば指摘さ れているが、具体的なデータが 未だ乏しい。今回、当科における 2000年から2015年の皮膚悪性 腫瘍患者に関して統計学的調査 を行い、発生数や予後、治療方 法、受診までの期間などについ て分析を行う。 300例 平成28年03月01日 平成29年12月31日 皮膚科学 門野 岳史 82 本邦における昨年1年間の悪性 腫瘍合併妊娠を集積し、現在行 われている治療方法を明らかに し、その治療効果、ならびに悪性 悪性腫瘍合併妊娠 腫瘍の治療が妊娠・分娩・産褥 本邦における悪性腫瘍合 にどのように影響したかを解析 第3259号 平成26年1月1日~ 併妊娠の調査 し、今後の治療方針の一助とす 平成26年12月31日 ることを目的とする。また、悪性 腫瘍の治療が、出生時の胎児状 況にどのように影響したかを解 明する。 1例 (全体223例) 平成28年03月01日 平成29年06月30日 産婦人科学 鈴木 直 80例 平成28年03月01日 平成29年03月31日 ブレスト&イメージング 先端医療センター 後藤 由香 80 83 第3261号 乳房MRIにおけるBPEと 乳癌サブタイプの検討 乳癌画像診断においてMRIは感 度が高い検査である。一方、背 景乳腺の増強効果 (BPE:Background Parenchymal enhancement)により診断に苦慮 する症例もある。BPEは月経周 期に影響されることが知られてお り、また乳癌もホルモン依存性が ある。乳癌は病理検体よりエスト ロゲン受容体(ER)、プロゲステ ロン受容体(PgR)、HER2の発現 状況を測定し、生物学的性状の 異なるサブタイプに分類すること により予後予測や治療方針決定 がなされている。過去にBPEが乳 房MRIの病変検出感度・特異度 に影響するという報告はあるが、 BPEとサブタイプについて検討し た報告はない。そこで今回、我々 は月経周期をガイドライン推奨期 間に合わせて乳房MRIを施行し た乳癌症例について、BPEとサブ タイプに傾向がないか検討する。 平成21年9月1日~ 平成27年9月30日 乳癌(月経周期をガ イドライン推奨期間 に合わせて術前乳 房MRIを当院で施行 し、手術検体で病理 学的診断がなされて いる症例) 平成22年1月10日~ 平成27年7月30日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 84 85 86 87 88 課題名 研究概要 硬膜穿刺後頭痛は、脊髄くも膜 下麻酔や硬膜外麻酔に伴う合併 症であり、発生してしまうと追加 治療を要することや、入院期間 延長など、患者のQOLに影響す 院内での遡及的調査に基 る。この研究の目的は、当院でイ 第3267号 づいた硬膜外穿刺後頭痛 ンシデントレポートにより硬膜穿 刺後頭痛として報告された症例 の予防・治療法の検討 から、頭痛発生の背景、症状の 程度、対応を遡及的に調査検討 する。その結果から、硬膜穿刺 後頭痛に対する治療・管理マ ニュアルを作成する。 最近2年間で気管切開後両側気 胸が生じた症例が2例あった。気 管を逆U字に切開する施設が多 い中、当科では伝統的に横切開 当科における気管切開の を行い皮膚と気管を上下で数か 第3270号 所縫合する方法を行っている。 臨床統計的検討 今回、臨床統計にて合併症の頻 度を中心に検討し、横切開の利 点、欠点を考察する。また気胸が 生じた機序についても考察する。 頚部郭清術後患者のQuality Of Life(QOL)を低下させる要因とし て副神経障害は重要な位置を占 めており、術後のリハビリテー ション(rehabilitation:RE)の重要 性が報告されるようになった。副 神経を切断した症例だけでなく、 温存した症例においても早期に 副神経を保存した頸部郭 適切なREが行われないと癒着性 第3271号 清術における肩関節機能 関節包炎をきたし、肩関節可動 について 域制限や疼痛につながると報告 されている。今回、副神経を保存 し、早期からREを導入した症例 の肩関節機能における経時的な 変化について検討する。肩関節 機能で副神経の麻痺の頻度、回 復率、回復までの期間などを導 き出す。 甲状腺手術時、反回神経を温存 しえたと考えられる症例でも麻痺 を来たすことがある。また術直後 に麻痺を認めず、翌日以降に麻 甲状腺手術における反回 痺を認めることも稀にある。神経 第3272号 を温存したにもかかわらず、術後 神経麻痺症例の検討 反回神経麻痺を認めた症例を中 心に、可動性回復までの期間や 麻痺の要因などについて検討す る。 対象疾患 (調査対象期間) インシデントレポート で報告された硬膜穿 刺後頭痛症例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 10例 平成28年03月15日 平成29年03月31日 麻酔学 佐藤 弥生 250例 平成28年03月15日 平成29年03月31日 耳鼻咽喉科学 春日井 滋 50例 平成28年03月15日 平成29年03月31日 耳鼻咽喉科学 春日井 滋 約100例 平成28年03月15日 平成29年03月31日 耳鼻咽喉科学 春日井 滋 15例 平成28年03月15日 平成28年12月31日 麻酔学 升森 泰 平成20年4月1日~ 平成27年3月31日 気管切開を施行した 症例 平成22年4月1日~ 平成27年11月30日 頭頚部癌で頚部郭 清を施行した症例 平成20年4月1日~ 平成27年3月31日 当科で甲状腺手術を 施行した症例 平成20年4月1日~ 平成25年3月31日 癒着胎盤は近年の帝王切開術 の施行頻度上昇に伴い増加して いる。その分娩管理方針につい ては現在のところ、一定した見解 が得られておらず、症例ごとに慎 重に検討されているのが現状で 癒着胎盤症例 ある。関連各科の連携が重要で 当院における癒着胎盤症 あり、周術期において麻酔科の 第3274号 平成23年4月1日~ 例の周術期管理の検討 担う役割は非常に大きい。今回、 平成27年3月31日 当院の過去の癒着胎盤症例に 関し、患者年齢、帝王切開時の 手術時間、麻酔時間、術中出血 量、術後合併症等の項目につい て、治療方針の違いにより差が 生じるかを検討する。 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 医薬品使用実態調査Medication Use EvaluationH(MUE)とは、医 薬品の使用のみならず、医薬品 使用プロセス等の実態を把握す ることにより、医薬品適正使用の 推進・患者の安全の向上を図る ものである。MUEは他職種連携 で行うことで、調査結果を臨床現 場に反映できるとされる。当院で は平成23年よりMUEを実施し、 平成26年からは薬事委員会の同 非弁膜症性心房細動患 種同効薬による採用基準が改訂 者における虚血性脳卒中 され、既存の同種同効薬の採用 及び全身性塞栓症の発 がある場合は原則、後発医薬品 第3283号 症抑制に用いられる新規 等の廉価な薬剤を優先し、有効 経口抗凝固薬(NOACs) 性や安全性に明らかな差がない の使用実態調査。 場合は採用していない。また同 種同効薬は原則、2剤までとし、 経済性を考慮した「フォーミュラ リー」を作成し、院内の使用推奨 基準を設けることとなった。今 回、ダビガトラン(プラザキサ)、リ バーロキサバン(イグザレルト)、 アピキサバン(エリキュース)、エ ドキサバン(リクシアナ)のフォー ミュラリー作成のため、院内での 使用実態調査を行う。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 (1)当院で治療を開 始したプラザキサ、 イグザレルト、エリ キュース、リクシアナ を処方された非弁膜 症性心房細動症例 →平成27年9月1日 ~ 平成28年2月29日 (1)100例 (2)100例 平成28年03月14日 平成29年03月31日 薬剤部 土岐 真路 90 IgA腎症は20年以上の経過で約4 割が末期腎不全に至る予後不良 の疾患である。このため、医師・ 患者双方にとって正確な予後お よび治療効果の予測を行うこと が必要であり、特にステロイド治 療を行う場合については重要と 考えられる。しかし、現時点で報 告されている予測モデルは、血 圧や蛋白尿について2年間の観 察期間を要することなどから、診 断時の意思決定に用いることが IgA腎症 IgA腎症における病理組 困難である。IgA腎症における病 織分類(Oxford分類)を用 理組織所見は診断の根幹をな 第3287号 平成20年1月1日~ いた予後予測モデルの構 し、潜在的なリスクの検討が可能 平成27年12月31日 築 である。以前は再現性と外的妥 当性の高い病理組織分類が存 在しなかったが、近年報告された Oxford分類は再現性が高く、腎 機能の進展に対して腎機能・血 圧・蛋白尿と独立した因子である ことから、これらの問題点を解決 しうるものと考えられている。本 研究ではこのOxford分類を基に 予後予測モデルを構築し、複数 のコホート研究において検証を 行うことを目的とする。 70例 (全体400例) 平成28年04月14日 平成28年09月30日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 市川 大介 91 本研究の目的は2010年の本邦 における原発性肺癌手術症例の 肺癌症例 全国肺癌登録調査;2010 詳細と手術治療成績を解析し、 第3288号 年肺癌手術症例に対する 今後の治療成績の向上に役立 平成22年1月1日~ て、臨床研究成果を国内外に発 登録研究 平成22年12月31日 信し、世界の肺癌治療の成績向 上に貢献することである。 90例 (全体15,000 例) 平成28年03月28日 平成29年12月31日 外科学 (呼吸器外科) 佐治 久 92 腹膜透析患者において心血管イ ベントは重要な死亡イベントであ る。また、経動脈硬化は心血管イ ベントの重要な予後予測因子と なることが知られている。近年、 一般人で外来血圧変動性が脳 腹膜透析患者における頸 卒中・総死亡の独立した予測因 第3292号 動脈硬化と外来血圧変動 子であることが大規模研究で示 され、高齢者において外来血圧 性の関連 変動性が頚動脈硬化と関連する ことが報告された。しかし、腹膜 透析患者における外来血圧変動 性と頚動脈硬化の関連性につい ては報告がないため、本研究で は後方視的に解析を行う。 26例 平成28年04月14日 平成28年12月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 櫻田 勉 89 (2)虚血性脳卒中 (心原性または原因 不明)を発症した患 者で上記のNOACs またはワーファリン の治療を受けていた 症例 →平成23年3月1日 ~ 平成28年2月29日 月1回の外来受診を 12回連続で行った症 例のうち、2015年2月 に頚動脈超音波検 査を施行した症例 平成26年2月1日~ 平成27年2月28日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 93 94 95 96 97 課題名 研究概要 本研究では、難治性副腎疾患の 代表疾患である副腎腫瘍のう ち、褐色細胞腫(PHEO)、副腎腺 腫によるクッシング症候群(CS) およびサブクリニカルクッシング 症候群(SCS)、ACTH非依存性 大結節性副腎皮質過形成 難治性副腎疾患の診療 (AIMAH)、副腎皮質癌(ACC)を 第3304号 の質向上と病態解明に関 対象として1)新たな診断・治療法 する研究 の開発の基盤となる疾患レジスト リーの構築と疾患コホートの形 成、多施設共同研究体制の構 築、2)診療ガイドラインの質向上 に資する検査・治療法、疾患予 後に関するエビデンス創出を目 的とする。 ループス腎炎の予後は改善した とされるが、日本人における長期 的予後解析は十分なされていな い。近年、生命予後だけでなく治 療関連の副作用などで生じる臓 ループス腎炎患者の長期 器ダメージに着目した解析が重 第3305号 的予後の解析 要視されている。よって、本研究 では通常診療で得られた診療情 報を基に、臓器ダメージと長期予 後の関係、その予後予測因子を 同定する。 第3307号 当院におけるIPMNの現 状把握と分析 膵管内乳頭粘液性腫瘍 (Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm:以下、IPMN)は膵管 上皮に発生する囊胞状の腫瘍性 病変である。ほとんどが予後良 好であるが、IPMNの数%は悪性 化することや膵癌の危険因子で あるとされている。悪性化の危険 因子には囊胞径と囊胞内部の壁 在結節の有無・大きさで手術を 検討するようガイドラインが示さ れているが、手術された中には 良性のものも存在する。その他 の危険因子や有病率など不明な 点も多く、現在本邦では多くの施 設で臨床研究がなされている。 今回、当院でのIPMNの現状把握 と悪性化の危険因子などを分析 する。 SAPHO症候群(掌蹠膿疱症性関 節炎)は掌蹠膿疱症にリウマチ 反応陰性の関節炎が伴う疾患 で、皮膚症状が先行しない症例 SAPHO症候群の臨床的 もある。SAPHO症候群は希少疾 第3310号 特徴の解析 患であるため、症例報告に留 まったものが多く、まとまった報 告は少ない。当科のSAPHO症候 群の臨床的特徴の解析を行う。 慢性心房細動に対してのカテー テルアブレーションは、治療法の 一つとして選択されているが、ア 慢性心房細動患者に対し ブレーションが左室機能に与える てのカテーテルアブレー 影響はまだ不明な点が多い。心 第3316号 ションが左室機能に与え 機能評価として心臓超音波検査 る影響。Speckle-Tracking を用いて、更に正確な評価が可 Echoを用いた検討 能なSpeckle-Tracking Echoによ り、アブレーション前後の左室機 能に与える影響を評価する。 対象疾患 (調査対象期間) 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 褐色細胞腫、クッシ ング症候群、サブク リニカルクッシング症 候群、AIMAH、副腎 150例 平成28年04月22日 平成30年03月31日 皮質癌、非機能性副 (全体1,050例) 腎腫瘍 所属 実施責任者 内科学 (代謝・内分泌内科) 【西部病院】 方波見 卓行 平成18年1月1日~ 平成27年12月31日 当院を受診し、1987 年のアメリカリウマチ 学会の分類基準を 満たし、腎生検で診 断したループス腎 炎、もしくはそれに準 ずる症例。ただし、追 跡不能例は脱落例と する 100例 平成28年04月18日 平成30年03月06日 内科学 (リ・膠・ア内科) 花岡 洋成 500~600例 平成28年05月09日 平成29年03月31日 内科学 (総合診療内科) 松田 隆秀 50例 平成28年04月22日 平成30年12月31日 内科学 (リ・膠・ア内科) 永渕 裕子 33例 平成28年04月22日 平成30年12月31日 内科学 (循環器内科) 松田 央郎 平成13年1月1日~ 平成28年3月6日 膵管内乳頭粘液性 腫瘍(IPMN)、その 他の膵腫瘤性疾患 平成25年1月1日~ 平成28年3月31日 掌蹠膿疱症、掌蹠膿 疱症性関節炎 (SAPHO症候群)と 診断された症例 平成16年4月1日~ 平成27年12月31日 慢性心房細動と診断 された症例 平成18年8月1日~ 平成23年12月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 98 99 課題名 研究概要 近年、我が国において緩和ケア の認識が高まり、その必要性が 増している。その中で多くの癌患 者の治療を行う大学病院におい ても、緩和ケアの重要性が増し 大学病院での外科医を中 ていると考えられる。そこで、当 第3317号 心とした緩和ケアとチー 科では癌患者の多くの治療過程 ム医療の有用性 に携わる消化器外科医が多職種 による緩和ケアチームを結成し た。今回、緩和ケアチームの結 成過程、チーム結成後の効果に ついて検討する。 変形性足関節症の重症度評価 法として、X線学的に評価できる 高倉分類が重症度判定、治療方 針決定に際し重要な役割を担っ てきた。一方で変形性関節症全 般においては近年、X線学的所 見と合わせてCTやMRI、関節鏡 などの診断ツールが普及し、X線 変形性足関節症に対する 診断では得られない関節軟骨周 画像診断、関節鏡診断に 辺の状態などから重症度や予後 第3318号 よる重症度評価・疫学研 を判定する方法が注目されてい 究 る。しかし、足関節領域において は未だこれらの評価法による重 症度評価や予後予測に対する一 定した見解は得られていない。 本研究の目的は変形性足関節 症の重症度や長期予後を推定す る画像診断所見、関節鏡所見を 明らかにすることである。 対象疾患 (調査対象期間) 入院中の癌性疼痛 を訴える消化器癌患 者 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 100例 平成28年04月22日 平成29年12月31日 外科学 (消化器・一般外科) 四万村 司 1,000例 平成28年04月22日 平成30年12月31日 整形外科学 三井 寛之 平成17年8月1日~ 平成18年7月31日 下記期間中に変形 性足関節症と診断さ れた患者 所属 実施責任者 平成15年1月1日~ 平成27年12月31日 我が国の診断基準によると、副 腎性サブクリニカルクッシング症 候群(SCS)にはデキサメタゾン (Dex)1mg~8mg負荷が、下垂体 性(SCD)にはDex0.5mg~8mg負 荷が推奨されているが、しかし Dex 0.5mgと1mg、8mg負荷後の コルチゾール濃度と、Dex血中濃 度も含め比較した論文報告はほ とんどない。SCSとSCDでは 副腎腫瘍 副腎、下垂体腫瘍におけ ACTH抑制の差が負荷後コルチ るデキサメサゾン抑制試 ゾール値に影響する可能性が推 100 第3324号 平成15年4月1日~ 験の臨床的意義と問題点 測される。また、2008年の米国内 平成27年3月31日 に関する検討 分泌学会のクッシング症候群ガ イドラインでは唾液中のコルチ ゾールの測定を推奨している が、判定基準値に関する国際的 合意はない。そこで、液体クロマ トグラフィーダンデム型質量分析 (LC-MS/MS)を用いたDex血中 濃度測定、Dex 0.5mg、1mg、8mg 負荷前後の唾液中の値を比較 検討する。 100例 平成28年05月09日 平成30年03月31日 内科学 (代謝・内分泌内科) 【西部病院】 方波見 卓行 高齢化が進む先進諸国において 大動脈弁疾患の罹患率は増加 傾向にある。大動脈弁閉鎖症 (AR)における重症度評価は心 エコー図がゴールドスタンダード であり、2D心エコー図により算出 される逆流量や有効逆流弁口が 推奨されている。しかしながら、 逆流弁口が円であることや、吸 い込み血流が半円球であること 3D心エコー図による大動 など様々な仮定のもとに算出さ 脈弁閉鎖不全症の定量 れており、日常診療においてAR 101 第3327号 的評価の妥当性:MRIと の臨床像と心エコー図による重 の比較 症度とに乖離を認める症例が少 なくない。近年開発された3D心エ コー図は仮定を用いることなく逆 流弁口を計測することができ、よ り正確なARの定量評価及び重 症度診断が可能である。今回、 我々は3D心エコー図によりAR定 量評価を行い、MRIとの比較検討 することにより、その妥当性を検 証する。 50例 平成28年05月09日 平成29年05月08日 内科学 (循環器内科) 出雲 昌樹 2D、3D心エコー図及 び心臓MRIを施行し た大動脈弁閉鎖不 全症例 平成24年2月13日~ 平成28年3月23日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 硬化性大動脈弁狭窄症は、超高 齢化を迎えた先進諸国において 爆発的に増加している。大動脈 弁狭窄症の重症度は経胸壁心 エコー図から得られる平均圧較 差と弁口面積により診断される が、近年、圧較差と弁口面積とに 乖離を認める症例が30%程ある と報告されており、、重症度診断 に悩む症例も少なくない。近年、 左室駆出率が保たれている症例 において、弁口面積が小さいに も関わらず圧較差が低い症例が 大動脈弁狭窄症における 存在し、更にその予後は不良で 新たな重症度指標:経胸 あると報告されている。今まで中 102 第3328号 壁心エコー図Mモード法 等度と診断されていた症例にお による大動脈弁位時相解 いても予後良好・予後不良例が 析の有用性 混在しており、一定の見解が得ら れていないため、重症度診断に 関して新たな指標が求められて いる。経胸壁心エコー図Mモード 法は開発当初から弁動態や心機 能解析に応用されている古典的 な方法であるが、時間分解能に 優れ、広く普及した検査方法であ る。今回、経胸壁心エコー図M モード法を応用した大動脈弁時 相解析が、大動脈弁狭窄症の重 症度診断に有用であるか検討を 行う。 脳動脈瘤クリッピング術における 合併症の中にクリッピング後の 脳虚血における術後運動麻痺が あるため、脳虚血モニタリングと 脳動脈瘤クリッピング術 して有用な術中運動誘発電位 103 第3329号 におけるMEP刺激方法と (Motor Evoked Potential:MEP) モニタリングを行っている。今回、 その影響の検討 刺激方法を検討し変更したこと から、変更前後でのMEPモニタリ ングへの影響と術後麻痺の有無 を検討する。 食道癌の治療において、食道大 動脈廔は致命的な合併症であ 食道大動脈廔に対してス り、突然死の報告が多い。当院 104 第3336号 テントグラフトで救命した2 で食道癌治療中に食道大動脈 廔を合併し、大動脈グラフトにて 例 救命した2例について、報告を行 う。 T4(癌腫が食道周囲臓器に浸潤 している)食道癌の合併症である 廔孔形成はQOLを損ね、予後不 良とされるが、詳細なデータは少 ない。T4に対する治療戦略も、 通過障害があれば放射線化学 療法を行うのが標準とされている が、比較第Ⅲ相試験はほとんど T4食道癌の廔孔形成に ない。さらに、放射線化学療法に 105 第3337号 おける臨床経過について おける廔孔の頻度や廔孔例の臨 床経過に関する詳細なデータは ない。T4食道扁平上皮癌と診断 した症例の臨床経過および、廔 孔形成例における臨床的特徴お よび画像的予測所見を探索的に 検討することは、治療前患者へ の情報提供の観点から意義のあ ることである。 対象疾患 (調査対象期間) 経胸壁心エコー図を 施行した大動脈弁狭 窄症例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 250例 平成28年05月16日 平成29年03月24日 内科学 (循環器内科) 出雲 昌樹 100例 平成28年05月20日 平成28年12月30日 クリニカルエンジニア 部 西原 恵理子 2例 平成28年05月24日 平成28年12月31日 臨床腫瘍学 谷山 智子 39例 平成28年05月24日 平成28年12月31日 臨床腫瘍学 谷山 智子 30例 平成28年05月24日 平成30年03月31日 耳鼻咽喉科学 赤澤 吉弘 平成27年3月~ 平成28年3月24日 脳動脈瘤クリッピン グ術時にMEPモニタ リングを施行した症 例 所属 実施責任者 平成20年5月13日~ 平成28年2月29日 当院で治療した食道 癌のうち、院内で食 道大動脈廔を起こし 大動脈グラフトで救 命した症例 平成22年7月1日~ 平成26年8月31日 T4食道癌と診断され た症例のうち、当院 で治療(緩和も含む) をした症例。ただし、 腺癌は除く。セカンド オピニオンや、受診 直後に転院した症例 は除く。 平成22年7月1日~ 平成26年8月31日 2012年から頭頚部癌の標準治療 の一つに加わったセツキシマブ 頭頚部癌 セツキシマブ併用放射線 併用放射線療法は、従来の化学 106 第3338号 療法に関する有害事象の 放射線療法では見られなかった 平成25年8月1日~ 有害事象がある。当院で経験し 検討 平成28年4月5日 た有害事象をまとめ、その対策を 検討する。 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 現在、血液透析患者の腎性貧血 の管理について、本邦・西欧諸 国から多くのガイドラインが発表 されているが、いずれもその根拠 となる臨床研究は透析前のヘモ グロビン(Hb)濃度について検討 されたものである。一方でHb濃 度は透析後に濃縮されることが 透析後ヘモグロビン濃度 予想されているにも関わらず、透 107 第3339号 が血管アクセスに与える 析後Hb濃度が患者に与える影 響を検討した臨床研究は、現在 影響の検討 に至るまでほぼない。本研究で は、透析後におけるHb濃度が血 管アクセスの予後とどのように関 連するかを明らかにする。また、 現在、標準的な指標として用いら れている透析前Hb濃度で検討さ れたアウトカムとの関連とも、効 果指標について比較検討する。 対象疾患 (調査対象期間) 慢性腎不全、維持血 液透析施行中の症 例 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 所属 実施責任者 51例 (全体150例) 平成28年05月24日 平成29年03月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 谷澤 雅彦 100例 平成28年05月24日 平成28年12月31日 内科学 (腎臓・高血圧内科) 櫻田 勉 一般的に、頚動脈狭窄症に対す るステント留置後には20~50% の割合で無症候性の微小脳梗 塞が生じると言われる。その因 子としてプラークの脆弱性、アプ 頚動脈狭窄症 経動脈狭窄症に対するス ローチルートの動脈硬化性変 109 第3341号 テント留置術後に合併す 化、術前の脳血流量、術中や術 平成25年4月1日~ る微小脳梗塞の病態調査 後の低血圧などが挙げられる。 平成28年2月29日 また我々は治療側大脳だけでな く、対側大脳や小脳にも認められ ることに以前より注目しており、こ れらの因子を解明し、報告した い。 60例 平成28年05月20日 平成30年03月31日 脳神経外科学 伊藤 英道 現在、大腸癌治療ガイドライン (2014年度版)では、直腸癌に対 する腹腔鏡下手術の有効性と安 全性が十分に確立されていない としており、今後、腹腔鏡下手術 の普及が進むにつれて、この有 効性、安全性に関するデータが Computed Tomography Colonography(CTC)を用 必要と考えられる。そこで今回、 110 第3342号 いた直腸癌に対する腹腔 Computed Tomography 鏡下手術の難易度に関 colonography(CTC)を用いて得 られる骨盤容積、直腸容積、腫 連する因子の検討 瘍容積を数値化し、占有率を算 出することにより、実際に腫瘍容 積が大きいほど手術難易度が増 すかどうか、また骨盤容積、直腸 容積、腫瘍容積が術後の生存率 に関与するか等を検討する。 100例 平成28年05月20日 平成29年03月31日 外科学 (消化器・一般外科) 牧角 良二 当院では2011年1月より、慢性腎 臓病患者に対する1週間の教育 入院を実施している。その効果 については第54回日本腎臓学会 学術総会において、入院後の腎 慢性腎臓病教育入院が 機能低下速度が入院前と比較し 腎機能低下速度へ及ぼ て緩徐となることを報告した。し 108 第3340号 す影響とその要因に関す かし、この教育入院がどのような 背景をもった慢性腎臓病患者に る検討 対して有効であったかについて 明らかとなっていない。このた め、入院前・入院後の腎機能低 下速度を比較し、患者背景との 関連性について後方視的に検討 する。 平成22年4月1日~ 平成27年3月31日 慢性腎臓病教育入 院を行った症例のう ち、入院6カ月前と入 院6カ月後の血清Cr が測定されている患 者 平成23年1月1日~ 平成27年12月31日 直腸癌(Rs、Ra、Rb) で術前にComputed Tomography Colonography(CTC) を施行し、直腸癌に 対する手術を行った 症例 平成24年10月1日~ 平成27年12月31日 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 当院周産期センターNICU における27年間の診療実 績の総括-神奈川県周産 111 第3343号 期医療の地域化 (Regionalization)の変遷 に照らした考察- 研究概要 周産期医療が抱える人材確保と いう普遍的問題を検討する際、 自施設の診療実績を周産期医 療の地域化(Regionalization)の 歴史と変遷に照らして検証し、把 握しておくことは、新たな人材確 保に説得力をもって理解を得る ために重要なことであると考え る。そこで、当院周産期NICUの 開設から27年間の診療実績を3 期(前、中、後期)に分け、神奈 川県の周産期医療の地域化の 歴史と変遷に照らして検証し、今 後の課題と未来に向け果たすべ き役割を明確にする。 対象疾患 (調査対象期間) 下記期間中に当院 NICUに入院した症 例 小児ステロイド依存性(難治性) ネフローゼ症候群ではステロイド 薬の副作用を回避する(ステロイ ド薬を可能な限り減量する)目的 で通常免疫抑制薬を併用する。 その一つであるミゾリビンは副作 用が少なく、長期的に使用するこ とも可能な薬剤である。その効果 を得るため、指標として血中濃度 小児ネフローゼ症候群に を参考にするが、同一患者にお おけるミゾリビン血中濃度 いても血中濃度にばらつきが生 114 第3355号 に影響を与える因子の検 じ、十分な効果が得られないこと がある。血中濃度がばらつくと効 討 果にも影響し、血中濃度低下に よる再発防止のため、その都度 ステロイド薬を増量することもあ る。また、これに伴いミゾリビンの 増量を余儀なくされたり、他の免 疫抑制薬に変更することも考え られる。本研究ではミゾリビン血 中濃度に影響を与える因子を明 らかにする。 造影剤アレルギーを 発症した造影剤CT 施行症例 5,182例 平成28年05月26日 平成29年03月31日 7例 (全体72例) 平成28年06月20日 平成29年12月31日 産婦人科学 五十嵐 豪 約90例 平成28年06月20日 平成29年03月31日 薬剤部 【多摩病院】 坂下 裕子 30例 平成28年06月22日 平成29年05月31日 小児科学 齋藤 陽 平成27年4月1日~ 平成28年3月31日 小児期発症ネフロー ゼ症候群のうち、ミゾ リビンの投与を受け た方 平成17年4月1日~ 平成28年3月31日 所属 実施責任者 小児科学 (周産期センター) 【西部病院】 正木 宏 昭和63年5月1日~ 平成25年3月31日 前置胎盤は分娩時に大量出血を 生じる妊娠異常の一つである。 帝王切開術や子宮内容除去術 などの既往子宮手術後における 前置胎盤例では、胎盤が筋層に 強固に付着する「癒着胎盤」の合 併に留意する必要がある。「前置 癒着胎盤」症例の周術期管理は (1)子宮全摘出術、もしくは(2) 胎盤を残した状態での子宮温存 (保存療法)の2つに分類され る。Interventional radiologyの普 前置癒着胎盤例 我が国における前置癒着 及に伴い、一時的血流遮断や子 112 第3353号 胎盤の周産期管理に関 宮動脈塞栓術を用いた出血制御 平成22年1月1日~ する調査 を導入する方法も提唱されてい 平成26年12月31日 るが、全国規模における動向は 不明である。次回妊娠の希望が 強い場合は前述(2)の保存療法 が理想的であるが、産褥期にお ける感染や異常性器出血などの 合併症も指摘されており、本邦に おける多数の予後解析は行われ ていない。本研究では、前置癒 着胎盤の周術期管理の実態なら びに「胎盤残置例」の予後を明ら かにする。 当院ではCT検査時に造影剤を 使用した患者において、造影剤 による副作用が年間約90例発生 CT造影剤の副作用発現 している。副作用が発生した造影 113 第3354号 剤の種類や副作用の重症度・対 状況の調査 処方法等を把握するため、CT造 影剤の副作用発生状況を調査す る。 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 通常診療により得られた診療情報を用いる観察研究 (平成 28年 7月1日現在) No. 承認番号 課題名 研究概要 手術手技・周術期管理の改善、 症例の蓄積により、大腸癌肝転 移に対する肝切除は一般的に、 安全性が高く、かつ根治性が高 い標準治療として位置付けられ ている。しかしながら、他臓器を 原発とする転移性肝癌では、肝 切除が必ずしも第一選択となら ない。非大腸癌肝転移に対する 肝切除の安全性・有用性を示す 報告は欧米より発表されたもの 非大腸癌肝転移に対する が多く、本邦における報告は少 肝切除後の予後因子およ ない。また、本邦の報告について 115 第3356号 び切除適応に関する検 は1980~90年代以降に単施設 討:多施設共同後ろ向き で症例を蓄積したものが多いこと から、症例数が少なく、現在の医 観察研究 療水準を反映していない等の問 題点がある。一方、転移性肝癌 に動脈塞栓療法や熱凝固療法 が奏効した報告もあり、転移性 肝癌については標準治療が確立 されていない。本研究では、2000 年以降に多施設で肝切除を施行 した非大腸癌肝転移症例を対象 に後ろ向き解析を行い、予後因 子を明らかにして肝切除の適応 を確立する。 対象疾患 (調査対象期間) 部分切除術以上の 肝切除術を受け、病 理組織学的に他臓 器を原発とする転移 性肝癌を診断された 方 平成12年1月1日~ 平成25年12月31日 予定症例数 実施期間(開始日) 実施期間(終了日) 50例 (全体300例) 平成28年06月22日 平成28年12月31日 所属 実施責任者 外科学 (消化器・一般外科) 星野 博之
© Copyright 2024 Paperzz