パラグアイ海外邦人安全対策情報 (平成26年1月~3月) 1 社会・治安

パラグアイ海外邦人安全対策情報
(平成26年1月~3月)
1 社会・治安情勢
(1)1月15日、17日及び21日、1月1日から開始された公共バス料金値上げ(2,000グアラニ
ーから2,400グアラニーへ)に反対する市民団体等による抗議デモが、アスンシオン市の旧
市街、大統領私邸前等において、実施されました。
(2)2月28日、カルテス大統領は、民間セクターにおける最低賃金を10%引き上げる旨の大統
領令に署名しました。これにより、3月1日から、最低賃金が1,658,232グアラニー(約365米
ドル)から、1,824,055グアラニー(約405米ドル)へ上昇することとなりました。
これに対して、生活コストの上昇等を考慮して、最低でも25%の引き上げを要求してきた労働
組合等は、要求の半分以下しか引き上げられないことを批判しました。
(3)3月26日、労組団体、農民団体、左派政党等が、官民連携法の廃止、法定最低賃金の引き
上げ率の変更(10%→25%)、農地改革、学生用バス料金の設定等を求め、アスンシオン市を
中心に全国規模のデモを実施しました。同デモは、十分な参加者が得られなかったために大規模
なものとはなりませんでしたが、セントラル県ランバレ市においては、デモ集団が一般車両へ投石
し、5人の逮捕者が出ました。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)国家警察庁がまとめた、平成25年度第4四半期(平成26年1月~3月)の犯罪認知件数に
よると、総犯罪認知件数は4,578件であり、前年同期(平成26年1月~3月)と比較して27件
増加しています。 犯罪種別の内訳は以下のとおりです。
① 殺人
431件 (前年同期比: 10件減)
② 傷害
547件 (前年同期比: 16件増)
③ 暴行・過失傷害
④ 強姦・強制わいせつ
1,021件 (前年同期比: 53件減)
77件 (前年同期比: 89件減)
⑤ 強盗
728件 (前年同期比: 10件増)
⑥ 窃盗
1,784件 (前年同期比:153件増)
(2)主な事件概要
○1月上旬
セントラル県サンロレンソ市に所在する薬局店に、客を装った2人組の男が侵入し、けん銃で店
員を脅迫の上、売上金230万グアラニー(約5万7,000円)を強奪し逃走しました。現場付近で
警戒中の警察官が犯人らを発見し発砲を行い、犯人の1人(男、20歳)が被弾し、その後、死亡
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が確認されました。もう1人の犯人は現場から逃走しています。
○1月上旬
アルト・パラナ県エステ市サンホセ地区の路上で、乳製品を配達中のトラックが、オートバイで
接近してきた2人組の男にけん銃で脅迫され、現金50万グアラニー(約1万2千円)と携帯電話1
台が強奪される被害に遭いました。
○1月上旬
アスンシオン市セントロ地区の路上で、通行人の男女が、3人組の男に凶器で脅迫され、タブレ
ット端末及び現金27万グアラニー(約6千750円)が強奪されました。警察のその後の捜査により、
犯人ら(23歳、20歳及び14歳)が逮捕されました。
○1月上旬
アスンシオン市ヘネラルサントス通りにおいて、駐車中の車両を窃取しようとした少年7人が、
警察により逮捕されました。情報によると、少年らは車両を押しながら移動していた模様です。
○1月上旬
セントラル県サンロレンソ市フロリダ地区の路上において、男性が買い物からの帰宅途中、凶
器を所持した3人組の強盗犯に襲われ、胸を刺されて死亡する事件が発生しました。警察は、犯
人らが麻薬中毒者である可能性があると見て、捜査しています。
○1月中旬
アマンバイ県ペドロフアンカバジェロ市内を移動中のビール会社のトラックが、オートバイで
接近してきた2人組の男からけん銃で脅迫を受け、現金500万グアラニー(約12万円)と小切手
が強奪される被害に遭いました。
○1月中旬
アスンシオン市パラグアイ川沿いに所在するコスタネーラ公園で、通行人が、凶器を所持した
4人組の男から脅迫を受け、現金及び携帯電話機が強奪される被害が発生しました。通報により
駆け付けた警察により、チャカリータ地区に居住する4人が逮捕されました。
○1月下旬
アスンシオン市に所在する不動産会社に2人組の男が侵入し、経営者の妻をけん銃で脅迫の
上、現金1,700万グアラニー(約42万円)、宝石及び携帯電話機等を奪い、車両で逃走しまし
た。
○1月下旬
セントラル県ニェンブ市内のガソリンスタンドに、2人組の男がオートバイで乗り付け、所持して
いたけん銃で同店店員(男性)を射殺の上、売上金2,000万グアラニー(約50万円)を強奪する
事件が発生しました。
○1月下旬
アスンシオン市内において、銀行から現金を引き出した後、オートバイで移動中の女性が信号
待ちで停車したところ、オートバイで接近しけん銃を所持する2人組の男から脅迫を受けました。
被害者が抵抗したところ、犯人から発砲を受け重傷を負う被害を受けました。
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○2月上旬
サンペドロ県ベインティシンコデ・ディシエンブレ市の国道を移動中の現金輸送車が、十数人の
武装グループから襲撃されたため、同輸送車は横転しました。その直後、同輸送車内にあった現
金約30万米ドルが強奪されました。その後の警察の捜査により、ブラジル国籍の男性が容疑者
として逮捕されました。
○2月中旬
セントラル県ランバレ市サンタルシア地区の路上で、銀行で現金を引き出しをした後、移動中の
男性が、オートバイで接近してきた犯人から発砲を受け足を負傷し、所持していた現金3,900万
グアラニー(約98万円)が強奪される事件が発生しました。
○2月下旬
アマンバイ県ペドロフアンカバジェロ市内のレストランにおいて、男性がオートバイで接近してき
た2人組の男から発砲を受け、射殺される事件が発生しました。麻薬密輸関係の縺れが原因であ
ると見られています。
○3月上旬
イタプア県エンカルナシオン市の路上で、捜査部隊による麻薬密輸取締中、犯人グループとの
間で銃撃戦が発生し、警察関係者1人が死亡、犯人1人が逮捕される事件が発生しました。
○3月中旬
アスンシオン市に所在するショッピングセンターの駐車場において、駐車中の車両の窓ガラス
が割られ、車内に置かれていた小切手、電子機器、書類等が盗難に遭う被害が発生しました。
○3月中旬
アマンバイ県ペドロフアンカバジェロ市における国家警察庁の捜査により、拳銃、防弾チョッキ、
不正な警察官バッチ等を所持する4人組の男が逮捕されました。警察は、犯人らが、企業家等を
ターゲットに短時間誘拐し、クレジットカード等で現金を引き出させる特急誘拐犯の可能性がある
と見て、捜査しています。
○3月中旬
セントラル県カピアタ市サンルイス地区に所在する食品店に2人組の武装犯が侵入し、店員を
けん銃で脅迫の上、金品を強奪しようとしたところ、犯行に気付いた巡回中の警察官が駆け付け、
武装犯らに向け発砲し、1人を逮捕、もう1人は現場から逃走する事件が発生しました。
○3月下旬
アスンシオン市に所在する銀行に入ろうとしたバス会社の男性職員が、オートバイで接近してき
た2人組の男から襲撃され、所持していた現金7,000万グアラニー(約175万円)が強奪される
事件が発生しました。
○3月下旬
セントラル県ルケ市において、プロサッカーチームのサポーター同士のトラブルが発生し、男性
が凶器で刺され死亡しました。
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3 テロ・爆弾事件等の発生状況
(1)1月中旬、アスンシオン市オブレロ地区に所在する弁護士宅のガレージに、爆発物が設置さ
れているのが発見されたたため、警察庁特殊部隊による爆発物処理が行われました。情報により
ますと、同爆発物は破壊力の高いものであった模様です。警察は、訴訟関係の縺れが原因で、同
弁護士が狙われた可能性があると見て捜査しています。
(2)1月下旬、セントラル県ビジャエリサ市に所在する運送会社において、不審物が発見されたた
め、至急、警察による移動措置が行われました。同不審物は、警察による移動途中に爆発したた
め、警察官3名が負傷しました。警察は、同社経営者を狙って爆発物が設置されたものと見て捜
査しています。
(3)本年(平成26年)、ATM(現金自動預払機)をダイナマイト等で爆破し、現金が強奪される手
口の犯行が発生しています。 主な事件は、下記のとおりです。
1月
上旬 エステ市
3月
中旬 セントラル県サンロレンソ市
下旬 セントラル県ルケ市
これら手口では、主に独立したATM機(大きな建物の一部でないATM)が狙われています。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
今期は、特になし。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
今期は、特になし。
6 安全に関する情報
(1)パラグアイ国内の都市部では、オートバイを使用し、けん銃や凶器で脅迫の上、現金や携帯
電話が強奪される手口の強盗が多発しています。また、銀行や金融機関に出入りする顧客を狙っ
た強盗も多く発生しています。移動中等は、不審なオートバイが近付いてきていないか等、周囲の
状況を常に確認するようにし、警戒の意識を保ちながら行動しましょう。
(2)アマンバイ県とブラジルの国境付近においては、麻薬組織関係者の縺れが原因と見られる殺
人事件が多く発生していますので、これらの事件に巻き込まれないよう、十分に注意する必要が
あります。
(3)最近、プロサッカーチームの熱狂的なサポーター同士による衝突等によって死者が発生する
事案も見られます。特に、人気クラブチーム同士の試合等では、スタジアムの周辺を通行する際
にも、衝突等に巻き込まれないよう十分に注意をしてください。
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