第2回 平成20年9月18日開催分 - 土地総合情報ライブラリー

土地市場動向ヒアリングの概要について
(平成20年度 第2回 平成20年9月18日開催)
□
国土交通省土地・水資源局では、土地市場の動
向を適時適切に把握するため、市場動向に精通し
た実務者から定期的にヒアリングを行っていま
す。(平成20年度は4回予定。)
ヒアリングの分野とその実務者は、以下のとお
りです。
比較的好調に推移してきた再開発物件だが、
工事費高騰を受けて、高値の価格設定が増え、
苦戦物件も見られるようになってきた。
□
工事費の上昇と市況悪化により、着手物件で
事業推進上、難局に直面しているものも多い。
新築住宅市場担当:不動産会社
中古住宅市場担当:不動産流通会社
オフィスビル市場担当:オフィス事業等
コンサルティング会社
業務用仲介市場担当:信託銀行
証券化市場担当:不動産証券化関係団体
3.戸建用地の動向
□
戸建用地は年明けから質・量ともに良くなっ
てきている。
□
マンションの土地負担力減少に伴い戸建用地
としての検討物件が増えていること、また、中
小デベロッパー等が金融機関からの融資が難し
Ⅰ.新築住宅市場動向
くなっていることによる供給側(中小デベロッ
1.マンション用地の動向
□
パー、小規模戸建専業会社等)の減少という要
販売の市況が厳しさを増しているため、販売
因は継続している。
想定価格の設定が保守的になっている。
□
□
一方で工事費の高騰は続いているので、土地
って分譲ボリュームを維持するための戸建強化
負担力は低下を続けている。
の動きがあり、地場業者でも早めに仕入れを止
□ 特に、工事費ウエイトが高くなる郊外部では、
め、在庫を減らしてきたところでは取得を再開
土地価格の下落傾向が強まっている。
□
したところも出てきている。
中小デベロッパーの事業用地売却件数の増加
4.首都圏新築マンションマーケット
傾向は続いており、最近になって、価格面でも
□
一部に損切りにまで踏み込むケースも出てきた。
□
□
ため、競争相手は少なくなっているものの、事
供給を小分けしているほか、完成在庫の処理
を優先しているといった事情もある。
業化の検討ができる都心近傍の優良物件が少な
□ 4-7 月の成約率は 63.6%と、前年同期から約
くなっていることから、取得競争自体は続いて
10 ポイント悪化。7月は 53.5%で、特に埼玉は
いる。
40%を割る。来場から成約までの歩留まりが低
用地取得時における飛び抜けて高い応札価格
下傾向にあり、都心物件も、特に 1 億円超の高
は減ってきている。
額住戸など、動きが鈍くなってきている。
2.再開発・建替の動向
□
08 年4-7 月の供給戸数は、前年同期比▲
31.2%と大きく落ち込んでいる。
用地取得可能なデベロッパーは限られている
□
総合デベロッパーではマンションの減少を補
□ 7月末時点の完成在庫は 10,885 戸(不動産経
事業参加者募集への、大手デベロッパーの応
済研究所)と、昨年 12 月から 1 万戸を越える状
募意欲は相変わらず高いが、マンション専業デ
態が続いている。23 区が 3,455 戸と前年同期比
ベなど、大手以外は極めて慎重になってきてい
226%と増えている。なお、リクルートの調査で
る。
1
は 6 月末時点で 14,800 戸となっている。
□
□ 4-7 月のモデルルーム来場者(リクルート調
建築費の高騰には歯止めがかかりつつあるも
のの、市況の厳しさから、用地取得価格では保
べ)は、前年同期比▲38%と大きく減少してい
守的な見方が継続する。
る。集客キャンペーンに力を入れるところが増
□
直近の情勢では、リーマン・ショックが、金
えているが、物件による強弱も顕著で、駅前な
融機関の融資や海外ファンドの動向を通じて、
どポテンシャルの高い物件で、顧客にとって妥
不動産市場にどう影響してくるか。
当な価格と判断される物件は、順調に集客して
Ⅱ.中古住宅市場動向
いる。
□
1.レインズのデータ
最近の倒産記事による不安心理から、会社の
□
4-6 月対前年同期比(%)
□
信用性を重視する傾向が強くなっている。
億ションは、麻布、赤坂などの一部エリアを
売登録 売在庫 成約報告 成約単価
除くと、来場が減少、販売も不調になっている。
□
首都圏
130
136
103
103.4
近畿圏
116
121
107
99.4
中部圏
112
116
101
単身向けは、需要はあるが、投資層がトーン
ダウンしており、全体として契約率が下がって
□
いる。
□
年同期比マイナスの傾向から、4-6 月期はプラ
集客策として、期間限定キャンペーンを行う
スに転じた。特にマンションは 7%増となった。
ケースが多くなっているが、その対象物件では、
ただ、登録は増加率が幾分下がったとはいえ、
同時に値引き販売を行うケースが多い。
数としては増加しているため、在庫数は依然増
5.首都圏新築戸建マーケット
□
加傾向にある。登録価格は全体で前年同期比
4-6 月の着工戸数は前年同期比▲13%とマ
6.9%、マンションでは 15.8%と上昇してはいる
ンションほどは落ちていない。
ものの、その上昇率は小さくなってきている。
□ 成約率は今年に入り 40%前後(不動産経済研
成約価格は全体では 3.4%アップと上昇率が小
究所)で推移している。平均価格はマンション
さくなっているが、マンションでは 10.2%と依
のような上昇感は感じられない。
□
然高めで推移している。
反響数やモデルルーム来場数は減少傾向にあ
□
るが、現場からは、マンションほどの顧客マイ
を含めて、それほど悪い市況ではない。
との声もある。
□ 中部圏は、成約報告件数が、今年に入り 5 月
都心の億超え物件の動きは鈍くなっているが、
と 8 月に前年を割っており、少し停滞感が見ら
田園都市線のスポット的な好立地物件では億超
れる。
えも動いており、底堅い需要は感じられる。
□
2.首都圏の仲介市場の動向
マンションとの比較検討客は少なく、景気に
□
も左右されにくい感がある。
マンションの買い情報件数は前年同期比で
7%増えており、売り価格もこなれてきた。買/
6.今後の見通し
□
近畿圏は、成約価格が下落しており、価格調
整が進んでいる状況が見られる。在庫数の推移
ンドの低下は感じられず、検討客が増えてきた
□
首都圏の成約報告数は、昨年度を通じての前
売情報量倍率は、前期と同じ 3.5 倍で、バラン
完成在庫の積み上がりや、割高感、景気後退
スラインの 4 倍をきる状態が 1 年間続いている。
による購買意欲の減退から、しばらくは、価格
□ 業者の取引は売・買ともに厳しい状況にある。
調整局面が継続する。
2
特に業者買いが減少している。マンション成約
停滞しており、郊外部では尾張で下落傾向が目
ではエンドの売りが前年同期比 109%、買いが
立ち、三河ではわずかながら上昇している。
前年同期比 118%と増えている中、業者の売り
4.首都圏定点観測
は 96%、買いは 56%(前期は 59%)と落ち込
□
10-12 月期から連続して、マンション、住宅
地とも下落している。4-6 月期は 1-3 月期と
成約は 57%と、前期(53%)に引き続き低迷し
比べ、マンションで▲0.9%、住宅地で▲2.0%
ている。
となり、年間ではマンションは 0%と横ばい、
□
んでいる。また、土地・戸建でも、業者の買い
住宅地は▲4.8%のマイナスになっている。
予算別の買(エンド)委託件数は、マンショ
ンで 2,000 万円台~7,000 万円台が増え、8,000
□
エリア別では、マンションで横浜・川崎を除
万円以上は減少気味になっている。土地/戸建
く神奈川で横ばいになった以外は下落した。年
でも 5,000 万円以上は減少傾向にある。
間で見ると、23 区の住宅地で▲9.9%と下落率
3.マーケット概況
が大きく、マンションでも、23 区は▲3.0%と
□<首都圏> 依然として大変厳しい状況が続い
なっている。
ている。業者は在庫処分にほぼ限られ、エンド
売買が中心になっているが、買い手市場に変化
Ⅲ.オフィス賃貸市場動向
しており、成約まで時間がかかっている。都心
1.
「大規模ビル市場動向」
(9 月 18 日)
湾岸部の一部タワーマンションなどを除くと、
□ 自社調査対象エリア(23 区)における、バブ
特に都下や郊外部での価格調整が続いている。
ル期の 1992 年竣工ビルは約 1,100 棟で、その
住宅ローンは一般エンドには大きな変化はな
うち延床 10,000 坪以上の大型物件は 6 棟、延床
いものの、高額物件や自営業者に対しては厳し
面積では約 20%に止まっていた。棟数は非常に
く、その一方で優良顧客の囲い込みの動きも見
多いが、小型ビルが中心で、本社移転ができる
られている。
ような規模のものは少なく、せいぜいが分室移
転止まりだった。
業者への融資は、資金回収圧力が強く、貸し
2007 年を見ると、竣工棟数は 95 棟と少ない
□
渋り・貸し剥がしが顕著になっている。在庫処
分が終わらないと新規融資が難しく、業者は在
が、合計面積は 92 年の 3 分の 2 の大きさにな
庫がなくなるまで、新規の仕入れができない。
っている。延床 10,000 坪以上の大型物件は 14
更に、業者物件は買い指値に対して金融機関の
棟あり、延床面積の約 86%を占め、都心部に多
了解が得られないケースも一部に出ており、成
く供給されている。このように 1992 年当時と
約を一層難しくしている。
比較すると質的には大きな変化を示していると
いえる。
□<近畿圏> 買い希望は一定数あるが、希望価
□
格の低下は大きい。物件選別は厳しく、価格が
今後の大型ビルの供給予定を見ると、東京駅
こなれた物件や駅近・人気エリア物件に集中す
周辺や赤坂・六本木周辺のほか、西新宿、大崎
る傾向がある。
駅周辺、豊洲周辺、臨海地区と、その供給エリ
アの拡散が見られる。
□<名古屋圏> 名古屋市内では売・買ともにわ
23 区の 3,000 坪以上の新規ビル供給は、2006
□
ずかながら情報量が増加しているが、近郊の郊
外部ではエンド売・買情報ともに減少している。
年が 14.7 万坪、07 年が 23.1 万坪。これに対し
成約価格は、名古屋市中心部の高額物件取引が
てその新規需要量は、06 年は 19.6 万坪と供給
3
量を上回ったが、
07 年は 21.6 万坪と下回った。
□ 大阪市は前月比 0.2 ポイント上昇して 6.3%と
なお、08 年上半期の 3,000 坪以上のビルの新規
なった。ただし、Aクラスビルは 2.2%、Sクラ
需要量は 2.5 万坪に縮小しており、弱含みの状
スビルは 1.3%と、ともに空室率が上昇したとは
況が見られる。
いいながら、依然低い水準にある。
□ 需給バランスの推移を見ると、A クラスビル、
□ 名古屋市は 0.3%上昇の 7.5%(Aクラスビル
S クラスビルともに、直近の 08 年第 2 四半期で
は 3.1%)と、東京や大阪より上昇ペースが速く
は、需要がマイナスに転じている。A クラスビ
なっている。これは供給増が背景にある。今年
ルの空室率を築年数別で見ると、築 5-10 年の
の新規供給は 30 棟以上で、賃貸床ベースで
ビルの空室率が 4%弱と高くなってきている。
37,000 坪以上の想定になる。このうち延床面積
これについては、2003 年問題を控えた時期に比
で 1 万坪クラスはインターシティのみ。
較的廉価な賃料水準で入居したテナントの再契
約(定期借家契約が前提)時期を近年迎えてお
Ⅳ.業務用仲介市場動向
り、これらのテナントが再契約時の賃料アップ
1.全般の状況
に耐え切れず退去した際の、後継テナントの決
□
市況回復が当面期待できないという見方から、
定に時間を要していること(高額賃料にテナン
取得原価を超える購入者が現れれば、売却に応
トがついてこれない傾向にあるため)が影響し
じる国内外の投資家が多い。
□
ている。06-07 年までは、転出部分を内部借り
長期投資の生保と一部の欧州系投資家以外は
増しで埋めてきたが、ここに来てそのような動
不動産投資に慎重姿勢。ただし、資金力のある
きも少なくなってきた。
大手不動産会社や商社は、優良物件を厳選して
□
投資している。
当初の募集設定賃料の水準が高すぎるといっ
□
た問題はあっても、実際に合意されている新規
マンション用地は弱含みで、購入者も大手が
中心。
賃料は、当然に既存テナントの継続賃料よりは
□
高い水準になっており、現状が賃料下落局面に
られる。
あるということではない。
□ 企業景気判断 BSI は、大企業については 08
2.外資系投資家
□
年下期にかけて持ち直しの予想が多く、従業員
下落がまだ続くという判断から、購入意欲が
強い投資家は少ない。積極姿勢の投資家も、ノ
の不足感も続いている。
□
一般事業法人の買いは、最近、慎重姿勢が見
ンリコースローンの条件が合わないケースが大
今後のビル需給については、高すぎた募集賃
半になっている。
料水準の調整が行われる中で、空室率が急上昇
□
するという局面を迎えることはない。
ドイツを中心とする欧州系の投資家には、都
心オフィスを対象に、積極姿勢のところもある。
2.空室率の動向
□ 8 月期の主要 5 区の空室率は、前月比 0.1 ポ
□
市況回復が当面期待できないとの判断で、取
イント上昇して 2.2%となった。Aクラスビルは
得原価を超えれば売却に応じる投資家が多い。
1.7%で横ばい、S クラスは.0.1 ポイント低下し
また、レンダー主導で、ローンの返済期限が到
て 2.7%になった。空室在庫が依然として少ない
来した物件を、原価を割っても売却に踏み切る
中、景気に対する先行き不安などから、まとま
ケースも出てきている。
った面積のテナント移動も少ない。
3.デベロッパー・ゼネコン
4
□
販売状況が芳しくないなかで、建築費の高騰
検討する投資家がいる。賃貸マンションは買い
から、なかなか販売価格を下げきれないが、価
手なし。
格を下げてきた物件も一部出てきている。
□
仙 台 の オフ ィ ス 新 規物 件 の 平均 空 室 率は
デベロッパーや投資家の破綻で、工事代金の
50%を超えた。特に仙台駅東口は供給過剰で、
回収ができず、資金繰りが苦しくなるゼネコン
取引が成立しにくくなっている。賃貸マンショ
が出てきている。また、SPC が発注する案件で
ンの取引もほとんどない。
□
は、投資家が竣工時に債務不履行で完成物件を
□
東京は優良オフィスの売買は下落幅が小さい
購入できなくなるケースが出たことから、SPC
ため成立しているが、それ以外は、売主と買主
からの受注をしない会社も見られる。
の価格ギャップが大きく、取引成立は少ない。
4.事業法人等
名古屋の中心部のオフィスは空室率が 7~
□
非営利法人や民営化法人は、引き続き有力な
8%に上昇、10%を超えるエリアも出てきた。賃
不動産供給セクターで、下降気味の不動産価格
貸マンションは入居率 80%以上・グロス利回り
に対する認識が進んだところは、資金力のある
(賃貸収入を単純に投資金額で割ったもの)
大手デベロッパーを買い手に堅調な取引。
10%超なら検討先が出る状況。
□
□
事業法人の本社ビルや工場、配送センター等
□
大阪のオフィスは梅田駅周辺と御堂筋以外で
の取得ニーズは減少していない。収益物件の購
は動きが鈍い。賃貸マンションは 10 億円前後ま
入を指向する会社も出てきている。
では個人投資家がいる。
□
投資家ほどではないものの、購入ニーズのあ
□
福岡は、天神や博多駅前の店舗やオフィスに
る法人も、最近の不動産市況から、意思決定が
ニーズはあるが、その他の地域では全空ビルも
慎重になったり、交渉中に価格の変更を申し出
あり、投資ニーズは弱い。
るところも出ている。
※矢印はキャップレートの上下
5.国内投資家
オフィス
賃貸マンション
生保の投資意欲は旺盛だが、市況回復まで時
札幌
8%↑
10%~→
間を要すると見る大手デベロッパーや商社は、
仙台
8~9%→
10%~→
東京
4.5~6%↑
□
厳選投資を計っている。
□
資金調達ができない投資家は、破綻するとこ
ろも出てきた。
□
7%↑
名古屋 6.5~7%→
8~9%↑
大阪
4.5~7%↑
7~8%↑
福岡
6~7%↑
7~8%↑
取得原価を超えれば売却に応じる投資家が多
い。また、レンダー主導で、原価を割っても売
Ⅴ.不動産証券化市場動向
却に踏み切るケースも出てきている。
1.J-REIT の現状
J-REIT は、
投資口価格の低迷で増資に踏み切
□
7/末
4/末
42
42
れず、借り入れ能力のあるところは優良物件を
ファンド数
選別購入しているが、そうでないところは配当
保有物件数
確保のため、簿価の低い資産の売却を指向して
運用資産額
74,343 億 72,914 億
いる。
時価総額
39,139 億
□
1,864
0
25
1,429 億
42,090 億 ▲2,951 億
9 月 3 日時点の時価総額は 35,151 億円で、
□
6.地方事情(自社各支店情報)
1.889
増減
TOPIX に占める割合は 0.901%に低下。
札幌の一等地は、利回り 8%程度なら購入を
5
□ 9 月 5 日時点の東証 REIT 指数(2003 年 3 月
□ リプラス・レジデンシャルは 8 月 12 日にオラ
31 日=1,000・配当なし)は 1,114.04 で、昨年
ンダのオーシーエム系列法人など 3 社に対する
5 月の最高値 2,612.98 の 42.6%にまで低下。
第三者割り当て増資などを発表。約 122 億円を
□ 投資部門別(生保/金融・銀行・投資信託・事
調達する。
□ 産業ファンド投資法人は、7 月 1 日、予定し
業法人・国内個人・外国法人/個人)売買状況
ていた 300 億円弱の増資を中止したと発表した。
を見ると、金融機関の売り越しが目立っている。
売り越し額は、銀行が7月 38 億円・8月 88 億
J-REIT の格付けで、
オリックス不動産投資法
□
円、生損保は 12 億円・23 億円、信金他が 17
人は S&P が「安定的」から「ポジティブ」に
億円・39 億円となっている。
引き上げた。一方で、クリード・オフィス投資
一方、外国法人・個人は7月 115 億円、8 月
法人は R&I が「安定的」から「ネガティブ」に、
33 億円の買い越し、投資信託も8月には 70 億
ニューシティ・レジデンス投資法人は、ムーデ
円の買い越しとなっている。
ィーズが「A2」から「A3」にそれぞれ引き下げ
□
投資口価格の下落により平均配当利回りが 5
た。
-6%台にまで上昇した。10 年国債とのスプレ
□ プロスペクト・レジデンシャル・アドバイザ
ッドも、2007 年半ばには 1%を割る水準まで低
ーズ(株)に対して、9 月 5 日、金融庁は金融
下した時期があったが、現状は 3%台半ばまで
商品取引業法§51 の規定に基づく行政処分を
拡大している。銘柄タイプ別では、オフィス以
おこなった。
外のタイプで配当利回りの上昇が大きい。
月 13 日・2,558 億円)
、ゼファー(7 月 18 日・
2.5~7 月の物件取得・売却の動向
物 件 数
(うち信託受益権)
(うち信託受益権)
取得
売却
949 億円)のほか、セボン、創建ホームズ、マ
39
14
ツヤハウジング、ダイドー住販が倒産(民事再
(27) (13)
1,763
金額=億円
7-8 月に、アーバン・コーポレーション(8
□
生法申請)した。
334
□ 不動産特定共同事業に基づく不動産投資ファ
ンド事業を行っていた丸美(福岡市)が、8 月 5
(1,469) (317)
□ 取得累計は 2,085 件・7 兆 9657 億円、売却累
日に民事再生法の適用を申請した。
計は 196 件・5,313 億円。
4.機関投資家の不動産投資に関するアンケート
□ 2-4月と比べて、取得物件数は 69 件、また
□ 今回の調査(第 8 回)では、増加傾向にあっ
取得金額では 3,302 億円と、減少している。1
た「現在の不動産への資産配分」が、年金で昨
-6 月期で見るとほぼ前年同期並みで推移して
年の 2.4%か 1.3%へ、一般機関投資家(地銀等)
おり、7月以降の鈍化が著しい。
では 9.8%から 1.3%へと減少している。
□ 今後 1 年間の市場見通し(DI=上昇-下降)
3.トピックス
□ ニューヨーク証券取引所に、9 月 8 日にノー
では、
「地価」が年金では昨年の 58 から 1 に、
ザントラストが東証 REIT 指数連動型 ETF 上場。
一般機関投資家では 84 から▲17 と横ばいない
東証へは野村アセットが 9 月 18 日に上場。
し下落を予想。また「オフィス賃料」はそれぞ
□ フロンティア投資法人が 7 月 24 日に 200 億
れ 53 から 4、92 から 9 へと見通しが厳しくな
円弱の増資を実施した。
っている。
6
7