DEUTSCH-JAPANISCHER WIRTSCHAFTSKREIS 4 季刊誌 05 2005 年 DJW ニュース テーマ 1 「競技場等におけるスポンサー費用等の取扱いに関する連邦財務省通達 1」 2006 年 6 月のサッカーワールドカップのドイツ大会開幕 に向けてドイツでは既に様々なキャンペーンが行われて いるなど、話題に事欠きません。今回はそれに関するニ ュースを PWC デュッセルドルフの税理士である天野史子 さんに 2 回にわたって提供していただきます。 スポーツ団体やスポーツ施設に対するスポンサー費用等 の税務上の取扱い、特に競技場等の VIP ラウンジの利用 費の処理に重点を置いたドイツ連邦財務省通達が 2005 年 8 月 22 日付けで公表されました。 通常、スタジアムやスポーツ団体とスポンサー企業との 間で契約を締結する際、競技場フェンスやスクリーン、 場内放送を利用した広告宣伝以外にも、入場券の提供や ラウンジの利用、飲食などが包括的に合意され、これに 対して包括契約額が請求されますが、当該通達において は、この包括契約額をさらに贈答費、接待費、給与、広 告宣伝費などに細分化し、費用の性質に応じた正しい収 益税上(所得税ならびに法人税)の取扱いを行うことが 指示されています。ドイツの税法上、事業目的に合致し た広告宣伝費は全額費用算入できますが、贈答費は受領 者一人当たり年間総額 35 ユーロを超える場合は全額費用算 入が否認され、また、飲食等を伴う接待費の費用算入は適切 な額の 70%(2003 年 12 月 31 日以前は 80%)までに制限 されています。他方、贈答品等の受領者の側では原則として 事業収入または給与所得として課税を行わなければなりませ ん。また、従業員に対する贈答(ベネフィット)については 雇用主サイドでは全額費用算入されますが、ベネフィットを 受けた従業員の給与課税の対象となります。ところが、この ようなスポンサー契約等は往々にしてサービスの内容ごとの 対価を定めない包括契約となっており、契約額のうちのどの 部分が贈答費(入場券を取引相手先に配布している場合な ど)に相当し、また飲食を伴う接待費(取引相手先を VIP ラウンジに招待し飲食を提供する場合など)になり、どの部 分を従業員への給与として課税すべきか(入場券を従業員に 配布した場合など)が不明なことが多くあります。 次号ではこの続きをご紹介いたします。この記事に関してご 質問等ございましたら、DJW ([email protected])までお気軽にお 問合せくださいませ。 テーマ 2「日本におけるドイツ年・途中経過」 「日本におけるドイツ年 2005/2006」は、今年 4 月より ドイツ外務省が調整役となり、連邦各省、各州、ゲーテ・ インスティトゥートなどのドイツの各種文化仲介機関、 研究機関、民間団体が積極的に協力しています。 今までに文化、経済、科学の 3 分野に重点をおいた 900 余りのイベントが終了しましたが、経済パートナーであ り、教育・科学・投資の拠点でもあるドイツが身近に感 じられたのではないでしょうか。 文化面でのハイライトとして好評を博したベルリンの至 宝展やドレスデン国立美術館展が挙げられますが、それ 以外の 50 以上もの展覧会の中にはゲルハルト・リヒター 展などのドイツの現代美術を紹介するものもあり、ジョ ン・ノイマイヤーとハンブルク・バレエ団の舞踏芸術 や、ライフスタイルやポップミュージック、写真の分野 のイベントなどもドイツの新たな一面を紹介しました。 ドイツのクラッシック音楽も文化行事の一つとして、来 日した有名オーケストラ、例えばバイエルン国立歌劇場 やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などの数は 20 以 上に及び、ドイツからのオペラ公演と並んで日本のファ ンを魅了してきました。 更に 10 月 3 日のドイツ統一の日より約 2 ヵ月間、東京に ドイツ体感スクエア「D-ハウス」が設置され、2006 年 の W 杯に因んで作られたサッカーボールの地球儀のミニ 版 „German Football-Globe“ が展示や、フランツ・ベ 1 日独産業協力推進委員会 ッケンバウアー氏の訪問など、日本の若者達にドイツを知っ てもらうよい機会になったと思われます。 科学の分野では、特に環境・交通・医学、バイオ/ナノテク ノロジーにおける既に 80 以上のイベント等が開催され、ド イツ年全体の成功において重要な役割を担っています。 100 あまりの経済関連イベントの一つとして、経済分野では 6 月に東京にてドイツの消費財特別展「ジャーマン・リビン グ」が開催され、幅広い層の来訪者を迎えました。 また、これまでのトップ・ニュースの一つとなるのが愛・地 球博のドイツ館「ビオニス」で、来場者より人気のあるパビ リオンの 1 つに選ばれ、主催者からも博覧会のテーマ「自然 の叡智」を実践したとして表彰されました。 ドイツの各州もドイツ年に積極的に参加しており、ノルトラ イン=ヴェストファーレン州は最高の 260 万ユーロ(約 3 億 6 千万円)を提供した他、東京で「NRW フォーラム」の枠組 みの中で、州内のエネルギー、環境テクノロジー、化学、物 流、デザインなどの分野をプレゼンテーションしました。 公式マスコット「マウス」も、多くのイベントなどで広く日 本人に知られるようになり、都内ではマウスとドイツ年の車 体広告つきの地下鉄も走っています。 来年春のドイツ年終了まで、合計 1200 を超えるイベントを 通じてドイツが紹介され、伝統的なドイツのイメージに現代 からの視点を加えた新しいドイツの姿が日本人の心により強 く印象づけられるようにと期待されています。 ドイツのクリスマスマーケット ドイツでは 10 月の最終日曜日に時計の針を一時間戻して 夏時間から冬時間に切り替えます。すると急に寒い日が 多くなって日もどんどん短くなり、人々はこれから始ま ろうとしている長い冬の到来を感じます。まもなくやっ てくる一年で一番大切な行事クリスマスと、その準備期 間アドヴェントのことを楽しく考え始めるのもこの時期 です。 「ヨーロッパのクリスマスと言えばドイツ」というイメ ージが定着しつつあるようですが、その特徴は何といっ てもドイツのクリスマスマーケットにあるのではないで しょうか。 どの町の中心広場にもクリスマスから遡って 4 週間前、 11 月末よりクリスマスマーケットが町の中心に立ち並 び、子供から大人までが心躍らせます。そんな地元の人 と触れ合いながら、その土地独特のツリー用装飾品、焼 きソーセージ、レープクーヘン(香辛料入りのクッキー)、 ホットワイン「グリューワイン」なども売り出されま す。グリューワインは赤ワインにレモンやオレンジの 皮、香料やスパイス、砂糖や蜂蜜などを加えて温めたも ので、マグカップで飲みます。この時期のドイツはとて も寒いので暖かいグリューワインを飲むと体が中から温 まります。グリューワインは家庭で簡単に味わうことも 出来ます。レシピをご希望の方は DJW([email protected]) までメールにてお問合せ下さい。 それぞれに地域の特徴の出るクリスマスマーケットです が、その中でも特に大きく有名な三大クリスマスマーケ ットは、「世界一有名なニュルンベルク」、「世界最大のシ ュトゥットガルト」、「世界最古のドレスデン」だそうで す。ドイツ国内はもとより近隣諸国から観光バスでツア ー客がやってきて特に週末は身動きがとれないほどの人 で溢れかえります。大きい町のクリスマスマーケットは毎日 10 時から 20 時頃までオープンしていますが、小さい村など では週末だけの開催というところもあります。小さいクリス マスマーケットは落ち着いた雰囲気でかわいらしいものが多 く、地元の人とも触れ合えるので、大きいところとはまた違 った良さが発見できるかもしれません。 クリスマスマーケットは日が暮れる午後 5 時頃からが特に美 しく、イルミネーションに包まれてキラキラと輝くクリスマ スマーケットはまるで夢のようです。クリスマスマーケット の期間は 11 月末の週末からクリスマス前までの 4 週間が一 般的で 12 月 24 日には終わっているところがほとんどです。 主な都市でのクリスマスマーケットの詳細(ドイツ語)につい ては以下のリンクをご覧下さい。 都市名 ニュルンベルク シュトゥットガ ルト ドレスデン ドルトムント デュッセルドル フ ミュンヘン ベルリン リンク http://nuernbergerchristkindlesmarkt.de www.stuttgarttourist.de/deutsch/stuttgart/feste/weihn achtsmarkt.html www.besuchen-siedresden.de/index.php?act=striezelmar kt-dresden www.weihnachtsmarktdortmund.de/index.php www.duesseldorftourismus.de/neu/article.php?articleID =38 www.muenchen.de/Rathaus/raw/fremd verkehr/veranstaltung/christkind/38876 www.weihnachtsmarkt-spandau.de 日独イベント情報 「K20 におけるアンリ・マティス展に関する見学ツアー と小講演」 20 世紀を代表するフォーヴィズム(野獣派)の画家の一 人です。来年には日本での展覧会も予定されています。 日時:1 月 24 日(火) 午後 6 時半-9 時 会場:デュッセルドルフ、K20NRW 州立美術館 am Grabbenplatz, Grabbenplatz 5 主催:DJW、DJG、K20K21 州立美術館、 K20K21Veranstaltungs GmbH その他:見学ツアーには参加手数料として DJW または DJG 会員より 10 ユーロ、非会員より 15 ユーロを当日現 金にてお支払いいただきます。ツアーは日本語とドイツ 語(予定)で行われます。ツアー終了後には軽食のご用意が ございます。事前にお申し込み下さい。 発行: 日独産業協力推進委員会(DJW) 編集: 西田真奈 発行責任者: DJW, Stockumer Kirchstraße 61, 40474 Düsseldorf, Germany Tel./ Fax: +49(0)211-4560-8385 / -8511 「経済シンポジウム」 毎年恒例の日本デーに引き続き行われる今年度の経済シンポ ジウムのテーマは、来年 6 月にドイツで開催されるサッカ ーワールドカップにちなんで「スポーツのもたらす経済効果 (仮題)」です。スポーツビジネス分野で著名な講演者をお迎 えする予定です。席に限りがございますのでお早めにお申し 込み下さい。 日時:5 月 19 日(金)午後 2 時-6 時(予定) 主催: 日本デー・デュッセルドルフ e.V.、デュッセルドルフ 市、NRW 経済振興公社など その他:講演は日本語とドイツ語の同時通訳で行われます。 事前にお申し込み下さい。参加費無料。 DJW ニュースはEメールで無料購読できます。 お申し込み方法:件名に“Newsletter J“とご記入の上 [email protected] までお送り下さい。ホームページ www.djw.de から直接ダウンロードもできます。 DJW ニュースは DJW 援助会員である Messe Düsseldorf, GfW, Düsseldorf 市の援助により発行されています。 免責事項:DJW ニュース上の情報に関しては万全を期し ておりますが、その内容の正確性および安全性を保証す るものではありません。当該情報に基づいて被ったいか なる損害についても、DJW 及び情報提供者は一切の責任 を負いかねます。 2 日独産業協力推進委員会
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