実 習 報 告 書 宮城 徳士 学部・学科・年次 氏 法経学科 法経学部 3年次 実習日 有限会社楽園計画 名 実 宮城 徳士 実 習 習 先 有限会社 楽園計画 内 容 実習初日。朝礼をし、軽い雑務をこす。次に出版する雑誌の企画会議に参加。そ 8 月 16 日(水) の後、ファイリングされた泡盛リストを差し替える作業。午後からは社員の栃岡 さんと、クライアントの方々へ雑誌を納品するため外出。15件程の会社を回り、 初日の実習は終了。 早めに出勤したので、団塊世代向けの雑誌に目を通す。ward で書類を作成。午 8 月 17 日(木) 後からは雑誌の納品のため外出。初の単独での納品だったが難なくこなせ、ひと 安心。2日目終了。 いつも通り朝礼をした後、実習担当の永峯さんとキャリア・プランという企業へ。 企画の相談や打ち合わせに同行。その後、何件か雑誌の納品に行き午前の勤務は 8 月 18 日(金) 終了。午後からは、web で沖縄の移住者インタビューを拝見。その後、エクセル でデータの修正を行い、帰りがけに雑誌の納品を済ませた。 田崎社長と永峯さんが出張のため、社員の栃岡さんとアシスタントの照屋さんの 3 人で業務を行った。午前中は、県外からの移住者である栃岡さんへ沖縄に関す 8 月 21 日(月) るインタビューを取り、まとめた。午後は web を使ってお酒関連の同好会などを ピックアップ。その後、県外から移住してきた大学の友人に沖縄に関するインタ ビューを取りに行った。 この日も田崎社長と永峯さんは出張で不在。いつも通り朝礼を行った。田崎社長 に言われていた、泡盛の本を効率よく売るためにはどうすれば良いのか、という 8 月 22 日(火) ことを考え、意見を出し合った。その後は、ピックアップしたお酒関連の同好会 をさらに増やし表にした。 朝礼後、コピーなどの雑務。田崎社長から、お酒関連の同好会リストに泡盛の同 8 月 23 日(水) 好会が少ないということで、再び調べ始める。午後からは雑誌の納品のため外出。 帰社後、永峯さんに同行し琉球銀行を見学。その後、買出しに行き終了。 午前はデジタル・ドリームワークスという web デザインを行なっている会社を見 8 月 24 日(木) 学。午後からは永峯さんに同行し、法務局を見学。その後、吉川教授の研究室へ 行き、スローフードについて生徒が講義でまとめた資料を拝見。 8 月 25 日(金) 「泡盛王国」という本を売るため、営業回りの助手として社員の栃岡さんに同行。 帰社後、田崎社長に言われていた泡盛の同好会リストを完成させる。 日経ビジネスの記事に目を通す。「沖縄に住む」という雑誌に関するアンケート 8 月 28 日(月) を集計し、エクセルで表にまとめる。その後、前日の営業で本を買って頂いた会 社に納品に行き、帰社後アンケート集計の続きを行い終了。 実習最終日。いつも通り朝礼。前回も行ったキャリア・プランさんを訪問。これ 8 月 29 日(火) からの企画を話し合う。午後には、与那原町役場に雑誌を納品。帰社後、田崎社 長から企画書の書き方を教わる。その後は軽く雑務をこなし実習最終日が終了。 企業実習体験 レポート 「編集者を目指して」 ∼実習部署:有限会社 楽園計画 企画・編集部∼ 04S173 はじめに 宮城 徳士 早々に学ぶことがあり、これから始まる実習に期待が 実習をするなら、近い将来自分のためになる様な所で 持てた。 行ないたい。そう考え選んだのが「有限会社 楽園計画」 である。楽園計画とは、団塊世代をターゲットにした沖 縄への移住を促進、またはそのお手伝いといった事を主 実習内容 実習初日が、 「沖縄に住む」という雑誌の発売日だとい に行っている会社である。 「沖楽」や「沖縄に住む」等の う事もあり、出来上がった見本誌を届けるため、様々な 雑誌を出版しており、出版業界への就職を目指している 企業に伺えるという機会に恵まれた。 私にとっては最良の場所だと考えた。また、編集や出版 出勤は9時。毎朝朝礼から仕事が始まる。実習内容と だけでなく、飲食店の経営・プロデュース、広告代理店 しては、Word や Excel を使ったデスクワークや簡単な雑 業務など、沖縄の様々な分野において活動している会社 務に加え、営業回りや雑誌の納品、「沖縄に住む No.2」 なので沖縄を知るには最適なところだと言えるであろう。 出版に向けての企画会議参加、沖縄移住者へのインタビ ューなどを体験した。また、実習担当の永峯さんに同行 会社概要 社 名 所在地 し、様々な場所へ訪問。田崎社長からは直々に企画の書 有限会社 楽園計画 き方を教わるなど、この実習で行なう殆どのでき事が私 沖縄県那覇市樋川1丁目11番地11号 にとって初体験。まさに勉強の日々である。 ライオンズマンション開南通り202号 設 立 平成4年12月15日 企画会議へ参加 代表者 代表取締役社長 田崎 聡 各種会員 沖縄・奄美スローフード協会会長 沖縄キューバ協会事務局 企画会議に参加させてもらった。まず発売したばかりの 「沖縄に住む」の反省を行った。写真の明るさ、文字の 事業内容 書籍・雑誌の出版・編集 大きさ、カラー使い、デザインの事細かい所を確認し、 飲食店経営 次へ繋げる。 コンサルティングプロデュース 初日にも関わらず「沖縄に住む No.2」出版に向けての そして本題へ、スタッフがそれぞれ企画案を考えて持 商品開発・特産品開発 ち寄り発表する。その企画が流行に沿っているか、受け 広告企画・立案・製作 手が興味を持つか、自分たちの雑誌に合ったものか、他 地域活性化プロジェクト企画・運営 沖縄ライフスタイル WEB の出版社と方向性は重複していないかなどを考慮した上 で次に出す雑誌の企画を考えていく。まさに、この分野 (「住宅情報」)運営 に関する知識が豊富でなければできないことである。出 版社らしい動きに感動を覚えつつ、今後の実習に期待を オリエンテーション 実習を一週間後に控え、事前に会社の方へ訪問をする 機会を頂いた。初顔合わせということもあり、非常に緊 膨らませていた。また、これを機に、雑誌を読む際には、 ただ読むのではなく文章の書き方やデザインなどに気を 配りながら読むようにもなった。 張していた。田崎社長から会社の説明を受け、仕事の内 容などを聞いたのだが、顔合わせの段階から勉強するこ とになる。楽園計画に対して、知識不十分で訪問したた 納品作業 楽園計画が出版している雑誌が発売日だと言うことも め、田崎社長の「取材などを行なうときは、事前にその あり、クライアントの方々へ贈呈本の納品を行った。地 人物を調べた上で行なう様にすること」という言葉を聞 図と住所を便りに目的地を探す。沖縄の地理に詳しくな いて、自分が非常に軽率だったと感じた。 ったのは言うまでもない。それも然ることながら、初の 納品という試みではあったが、クライアントさんとのや り取りに苦労することはなかった。様々な企業へ伺え、 要所だけをメモに取る。思っていた以上に難しかった。 そして、記録したインタビューと頭の中に記憶している むしろ現状を楽しんでいた程である。 ものを組み合わせ文章にしていく。最後は読み易い様に まとめ、本人に確認し完成。記事としては簡単なもので 永峯さんに同行して 実習担当の永峯さんに同行しいくつかの企業を訪問さ あったと思うのだが難しさや面白さを実感でき、とにか く良い経験になったのは確かだ。 せてもらった。その中から印象に残っているものをいく つか紹介したい。 楽園計画もうひとつの顔 まず、キャリア・プランという会社との打ち合わせに 参加させてもらった時のこと。沖縄に、移住者向けの住 永峯さんと共に沖縄大学吉川教授研究室を訪れた。ス ローフードについて生徒が講義でまとめた資料を拝見す 宅を建てようと考えているキャリア・プランに対し、そ る為だ。 の分野に関して数多くの情報を持っている楽園計画。両 楽園計画には、沖縄・奄美スローフド協会というもう 企業が自己の特徴を生かすことによって、お互い2倍に ひとつの顔がある。ちなみにスローフード協会とは、フ も3倍にも良い仕事ができる様になる。企業同士の関係 ァーストフードなどの発展によって、無くなりつつある というのはこのように生まれていくのであろう。 地産地消の理念を大事にし、地元の食材や郷土料理を守 続いて北谷町にあるデジタル・ドリームワークスとい う WEB デザインの会社。中でも、ひときわ目を引いたの り、食の大切さを継承していくことを目的とし設立した もの。本部はイタリア・スローフード協会。各地に40 が社長室のデスク。お洒落の一言である。さすがデザイ の支部がある。楽園計画では、沖縄の地域発展だけでな ン会社…。そして職場で使用されているパソコンは Mac。 く、食文化を守っていくといった活動も積極的に行って 流れている音楽はレゲエ。Mac というパソコンがデザイ いる。 ン性に優れているというのはご存知の通りだと思うのだ が、音楽がレゲエなのにも訳があった。WEB のデザイン というのは華やかなものが多い。そのため、テンポの良 「泡盛王国」の営業周り 「泡盛王国」という書籍を売り込むため、栃岡さんの い曲を聞くと仕事にも効果が良いらしいのだ。ちなみに、 助手として営業回りを行った。まず、伺う会社を何件か 文章などを書く際は、ジャズなどが適しているとの事。 上げ、会社の立地場所と照らし合わせながら、訪問する また永峯さんと昼食をとった際、面白い話を聞くこと 時間帯を決めアポをとっていく。相手側にも都合がある ができた。ライターは、食べ物の記事を書く場合、実際 ため、なかなか思い通りにはいかない。そこがアポ取り に食べてコメントを書かなくてはならない。短期間で多 の面白い所だと思えれば良いのだが・・・。何はともあ くの物を食べるため、体に様々な負担が掛るらしい。ま れ悩みながらも出発。意外に順調に周れることに気づか さに体当たり取材である。 される。しかし、訪問して買ってくれるかというと、そ インタビュー取材 ういう訳ではない。印象の良い所もあれば、悪い所もあ る。やはり根本的なところは学園祭のスポンサー探しと 永峯さんから、WEB に掲載するための沖縄移住者イン タビューを社員の栃岡さんと大学の友人から取ってくる よう課題が出された。 変わらない。 営業回りをしながら、栃岡さんから編集というのはラ イターとデザイナーとの連携が必要だということを教わ まず WEB で沖縄移住者のインタビューを拝見。質問項 った。ライターとデザイナーの意図が噛合って始めて、 目などに気を配りながら読んでみた。普段からサッカー 本当にいい作品が生まれる。まさにサッカーと同様だ。 雑誌などでインタビュー記事を読むこと事があるのだが、 いくら個々の能力が高かったとしてもチームの連携が取 会話の流れで質問を出せることに毎回感心させられてい る。 れていなくては良いサッカーはできない。これは全ての 仕事にも当てはまることだろう。会社全体が一丸となる 拝見したインタビューを基に質問する項目を考え、話 ことで、より良いものを生み出すことができるのだと。 がスムーズに進む様、並べ替える。後は考えても仕方が 営業回りを終えた後日。楽園計画に喜ばしい一報が届 ないのでアドリブでと意志を固め、いざインタビューへ。 く。営業の際に伺った喜屋武酒店の方が「泡盛王国」を 話してくれたことを全て記録することは不可能なため、 20冊お買い上げ下さったのだ。すぐにお届けの準備に 取り掛かった。そして、栃岡さんと出発。あいにく社長 実習を終えて は留守にしていたのだが、 感謝の気持ちと共に本を納品。 この2週間を振りかえると、長いようで非常に短かっ 前日行った営業回りが実を結んだ瞬間だった。喜びがあ た。しかし、この短期間を楽園計画で過ごせ本当に良か るからこそ、辛い営業回りも頑張れるのだと感じた。 ったと感じている。雑誌を作成する上で、最初の段階で ある企画会議への参加、 インタビュー取材、雑誌の納品、 企画書のつくり方 書籍の営業など数多くの仕事をこなす事ができた。 実習最終日に田崎社長から企画書の作り方を教わった。 また、田崎社長の「書いた書類や記事、これから行な 下記の事項を念頭に企画書を作成すると良いものを生み う仕事などは、自分自身だけで判断し処理するのではな だせるらしいのだ。 <企画書を作成する上での原則> く、周りに確認をさせ、見直せるように」との話が非常 に印象深く頭の中に残っている。特に書籍や雑誌という ・5W2H のは一度出版してしまえば直す事が不可能。迅速な作業 ① When(いつ) の中で、より正確さが求められる。確認するという事が ② Where(どこで) 非常に大切であると感じた。 ③ Who(誰が) さらに今回は出版業務だけではなく、沖縄企業の経済 ④ What(何を) 的な動き、スローフードの取組みなどを知る事もできた。 ⑤ How(どうする・どのように) ⑥ Why(何故) そしてなによりも、会社というきっちりとした雰囲気の 中、実習を行えた事が非常に大きい。本当に数多く学び、 ⑦ Howmuch(いくらで) 身につける事ができた。このような経験は他では決して 出来なかったであろう。今後どのような職種に就くにし <企画書作成の手順> ろ、ここ楽園計画で学んだことを生かしていきたい。 1.市場環境を調べる(マーケティング) (競合、社会問題、消費動向) ↓ 2.問題点 (スタッフオペレーション、マネージメント) ↓ 楽園計画という会社は、様々なところで活動し、沖縄 の将来に夢と希望を与えているような気がした。 今後の更なる活躍に期待したい。 最後に有限会社 楽園計画の皆様へ この度は、私、宮城徳士を企業実習にお引き受け頂き 3.ポジショニング 誠にありがとうございました。2週間ではありましたが (自分のスタンスを確認) 大変お世話になりました。お役に立てたかは分かりませ ↓ んが、非常に多くを学ぶことができました。本当に有り 4.ターゲット (性別、年齢層など) ↓ 5.基本コンセプト(方向性) ↓ 6.コンセプト計画 (A,表現計画 B,媒体計画 C,PR計画 D,SP計画) ↓ 7.コンセプト計画のまとめ ↓ 8.予算計画 ↓ 9.アフター計画 難うございます。 最後になりましたが、この実習を通して多少スローフ ドに関して興味が湧いたので、収入が安定した頃にスロ ーフード協会の会員になろうかと考えています。 企業実習体験 第2レポート 04S173 宮城 徳士 「サッカーにおける経済効果」 私は今回、(有)楽園計画で企画等について学ぶ事ができた。また、本土には沖縄移住に関心のある人々が多く いる事、そしてその経済効果も少なくない事を知った。第2レポートでは、注目度が高く、私個人も大好きで今 後の展開を期待しているサッカーリーグの経済効果について調べてみた。 < はじめに > Jリーグ(社団法人日本プロサッカーリーグ)が設立され、早や十五年が過ぎた。98年に FIFA W 杯フラン ス大会が行われ、日本が初出場を果たしている。その後、至上初の共同開催となった2002年日韓大会、今夏 に行われた2006年ドイツ大会と、日本の W 杯3大会連続出場に、サッカーが大いに盛り上がりを見せている。 これに伴い、サッカー市場も大きな経済効果を確立してきた。人々がサッカーをプレー、または観戦するにあた って様々な市場経済が動き出す。そんなサッカーにおける経済効果について考えて行きたい。 < J リーグにおける経済効果 > まず、地域がスポーツを行っていくだけでもスポーツ施設や、スポーツ用品店において需要が生まれる。それ がプロリーグの存在により、さらに市場が拡大する。現在 J リーグには、多くのスポンサーが協賛しており、支 援の方法も様々である。大会名の頭に企業名を入れ、全ての試合に看板を出すカップスポンサー(ヤマザキナビ スコ株式会社の「ナビスコ杯」、キリンビバレッジ株式会社の「キリンチャレンジカップ」、TOYOTA の「世界クラ ブ選手権・トヨタカップ」など)。また、フィールドの周囲を囲む看板に広告を掲載するオフィシャルスポンサー (現在9社が契約中)。その他、自社製品を独占的にチームや選手個人に提供できるオフィシャルサプライヤーや ネットワークを担当するネットワークパートナーなどがある。さらに個々のチームと直接契約を結ぶスポンサー も忘れてはならない。その場合、チームユニホームの胸、背中、袖に広告を載せることができる。 J リーグに所属しているクラブチームの収入源は、試合の入場料、スポンサーからの広告料、スタジアムの看 板掲示料、リーグからの分配金(放映権料、商品ライセンスの商品化権料などをチームごとに公平に分配したも の)、選手育成事業からの収益、グッズの売上で成り立っている。反対に支出としては、試合の運営費、選手やク ラブ役員への給与、リーグの会費、その他経営上の費用である。ちなみに、クラブ最大の収入源はやはり入場料 である。各クラブの収入だけでなく、J リーグ全体の経済状況がこれに懸かっている。年間観客動員数は600 万人弱で近年安定しているものの、今後さらに発展させていくため「ホームタウンサッカー教室」やキッズを対 象とした「サッカースクール」を開校。サッカーの楽しさと、スポーツの素晴らしさを伝え、スポーツ社会の実 現に向けて「まちづくり」「地域づくり」に力を入れていきたいと考えられている。 < W 杯における経済効果 > サッカー界において最も経済効果を発揮するのが W 杯であろう。ドイツ W 杯もさることながら、少しだけ歴史 を振りかえり、日韓共催 W 杯の経済効果をひも解いていきたい。 世界的なスポーツイベントとして、一ヶ月間という長い期間と観客動員数を考えると紛れも無く世界最大の祭 典である。大きなグローバル規模のイベントがあれば、人が動き、物も動く。そこに大きな経済効果が創出され るのは当然である。全64試合放送のスカイパーフェクト TV 加入者は急増し、液晶テレビも飛ぶように売れた。 最高視聴率が70%を上回ったのもうなずける。座席チケット売れ残りといった多少の問題も起こったが、チケ ットの販売利益、W 杯関連商品の売り切れ、記念雑誌、飲食、宿泊、交通機関、海外からの訪問者の土産など利 益を出す大きなチャンスであったと考えられる。経済波及効果が3兆3000億円といわれているのもわからな いでもない。 < サッカーくじ「totoCALCIO」と「toto」 > イタリアのサッカーくじ「totoCALCIO」。toto(賭け)と calcio(サッカー)の合成語で、イタリア人にとっては サッカーと共に重要な生活の一部である。秋から冬にかけてのサッカーシーズンになると、毎週日曜ごとにホー ム&アウェイ方式で試合が行われる。その週ごとに行われる試合のうち、13試合の勝ち負け引き分けを予想し 全て当てると、巨額の配当金が手に入るという仕組みなのだ。あたる確率は160万分の1という事だから簡単 には当たらない。試合のある数日前から「totoCALCIO」売り場の周りには人垣ができ、試合の予想や選手のうわ さ話で持ちきりとなる。販売状況は97年の統計で2兆1030億リラ(1577億円)。値段は1600リラ(1 50円)でとても買いやすい金額である。総売上のうち約三分の一強が払戻金、二七%が国庫金、さらに残りの 三五%がイタリアスポーツ振興のために CONI(イタリアオリンピック委員会)に配分される。国民一人当たり六万 リラを「totoCALCIO」に賭けている勘定になるが、政府はスポーツに金を出さないかわりに、この上がり金をす べて CONI に委託し、さらにその中から種目別競技団体とスポーツ振興団体の各組織に配分していく。まさに 「totoCALCIO」はイタリアスポーツの活力であり、イタリア社会の活力となっている。 一方の日本盤サッカーくじ「toto」はというと、イタリアと同じく十三試合を予想するという形は代わらない のだが、非常に伸び悩んでいる。大衆が買いやすい様にコンビニで発売したり、配当金を下げ予想数を減らした りと様々な手を駆使し人気上昇を図っているのが現状である。イタリアの様な売上を出すには、J リーグの歴史 をまだまだ積み重ねていく必要がありそうだ。 < 選手のブランド化と経済効果 > 選手個人の知名度だけでも、大きな経済効果を得る事ができる。現在はリーガ・エスパニョーラ(スペイン) の FC バルセロナに所属するロナウジーニョの経済効果が一番高いという分析結果がスペインのナバラ大学から 出されている。 確かに現在ロナウジーニョはサッカー界で最も知名度の高い選手である。その結果も納得できる。 要するに選手がブランド化することにより、その選手と契約することで、チームの利益を格段と伸ばすことがで きるはずである。 これもまた、リーガ・エスパニョーラのチーム。かの有名なレアル・マドリッドとデビッド・ベッカム選手の 例を上げようと思う。彼のファンは世界各国に存在し、その数も非常に多い。チーム名のみがプリントされたユ ニホームの価値は、1枚8000円程度であるが、そこにベッカムの背番号と名前をプリントすれば、その価格 を一枚一万円としても、ファンは喜んで購入する。もちろん、デビット・ベッカムというブランドを活用する手 立てはユニホーム販売に限らない。多様な関連グッズによる収入や、同選手のテレビ CM 出演など、肖像権を活用 した諸々のビジネス展開によって売上を拡大していく事ができるのである。彼がチームに移籍してくることで、 普段では得られないような経済効果を手にする事ができるのだ。個人の力がどれほど大きいかが分かる。 これまで見てきたように、サッカーに関する経済効果だけでも数多く考えられる。
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