第1部「安全・安心なワイン造りについて」資料 有限会社 [設 立] 山﨑ワイナリーの経営概要 平成 13 年 2 月 1 日 ㈲山﨑ワイナリー 代表 [所 在 [社 [経営 地] 三笠市達布 791-22 員] 5 人(家族 5 人) 規模] 山﨑和幸 ぶどう畑 7.5ha 小麦 15ha その他 13.5ha 合計 36ha ● ぶどう栽培品種 白品種 バッカス.ケルナー.シャルドネ. ソーヴィニヨンブラン.ピノグリ 赤品種 ピノノワール.メルロー ツヴァイゲルトレーベ. [醸造 免許] 平成 14 年 10 月 平成 18 年 2 月 [設 備] 期限付き免許取得 永久「果実酒製造免許」交付 約 3 万ℓ 醸造能力 5 万本(750ml)可能 熟成保管庫 ワイン直売所 宿泊施設(ファームイン) [販 売] 100%自社畑産のみの葡萄で醸造・販売 約 1.5 万ℓ〜2 万ℓ製造 直販率 70%(FAX.ネット注文含) [今後の計画] 平成 24 年よりスパークリングワイン製造設備準備 ●ワイナリーの所在地 空知平野の中心から石狩川支流の幾春別川をさかのぼると、左側の山地の最 前線にあるゆるやかな盛り上がりが、達布山。その達布山展望台に向かう道 を進んでいくと、山の反対側の斜面は開けた畑地となっています。展望台の 足元から坂を西側に上がったところが「山﨑ワイナリー」。 ワイナリーを背に北側を望むと道路を挟んで整然と並ぶブドウの垣根が一望 できます。その南斜面の一枚畑が山﨑ワイナリーのブドウ畑です。 ●ワイナリー経営に至った経緯 この土地で農業を始めたのは祖父で、私は三代目です。祖父も父もすでに亡 くなっていますが、私が父を手伝うようになった 1970 年代ころから農業の機 械化と農地の拡大が叫ばれるようになり、私もそこそこの規模の農家になっ ていました。しかし、皆が同じ作物をつくり、自分の育てた作物が、どのよ うな人たちに、どう消費されているかも知らないまま、常に収量と品質(形 状重視)の向上を求められていました。 【転機】 私は 30 代半ばに農業研修でニュージーランドを訪れる機会をいた だき、その国の農業経営に対する意識の違いを感じてきました。自由の中に 厳しさがあり、本当の意味での「自立」した農業形態を学びました。 また、その研修先で初めてワインと出会いました。 【実践】 達布の自然環境を活かし、農業体験を通して消費者と直接ふれあ うことのできる拠点づくり「ファームイン」を建設。(1996 年) 【運命の出会い】 ファームインの建設中に偶然にも新潟のワイナリーオー ナーと出会い、傾斜地のため水はけが良いことや、雪でブドウの凍害を防ぐ ことができるなどワイン造りに最適な場所だと勧められ、直ぐに行動を起こ す。(1997 年) 【決意と行動】 さっそく税務署へ相談に行くが、ハードルはかなり高いこ とを知りました。醸造免許の条件をクリアするため、まずは原料ブドウを植 えないことには始まりません。それまで麦畑だった一等地の南斜面に、順次 植えて行きました。そのとき最初に植えたのが、ピノノワール品種でした。 このブドウ品種を植えたことが、山﨑ワイナリーの現在があるように思って います。それはその土地や自然環境を醸し出す品種とされ、ワインの世界で は最高峰と言われているからでしょう。 ●醸造免許の取得 「資金の裏付け」が最大の壁でしたが、当時の農林漁業金融公庫(現在は日 本政策金融公庫)の支援で 2002 年春に準備(工場建設)へと進むことが出来、 その年の 10 月に期限付き免許を取得することが出来ました。 【販路】 2002 年のブドウ収穫時期は晴天が続き、いきなり素晴らしいブドウ となり、ワインの発売スタート(2003 年春)では、すでにピノノワールが口 コミで評判となっていたのでした。また、販売方法として直売所をメインと し、卸問屋はもちろん量販店には出しませんでした。その理由として消費者 が直接ブドウ畑を見ることで、栽培環境の良さをアピールするためです。 ●栽培のこだわり 基本的に無農薬では収穫は不可能と思っています。 しかしながら、「土づくり」をモットーに化学肥料や除草剤は使用していま せん。ましてや、ブドウの樹は一度植えると移動するものではないので、極 力ストレスを与えないことが大事です。そのために、植え付け前の排水対策 (暗渠)を施行し土壌改良(pH の調整)を行うことが大切です。また、ワイ ンの味わい(ミネラル感)に影響すると言われるカルシウム分の補給として、 ブドウ畑に貝化石(太古の化石)の投入を毎年続けています。幸いにもこの 地帯の地層には、ところによって化石層があります。その他、畑にスピーカ ーでクラッシック音楽を流す工夫もしています。 ●山﨑ワイナリーの目指すもの 創業時より 100%自社畑のブドウのみでのワイン造りを守り続けること。そ れは土地に敬意を払い、そこから生産されるブドウのみでワインを造ること が、ドメーヌワイナリーとしての信頼と信用を得られることだと考えている からです。 ☆ ドメーヌとは 海外のワインで耳にする「ドメーヌ」と言う言葉は、100%自社畑産のブドウでワイン を造るワイナリーのことを意味している。日本では生食用の余ったブドウでワイン造りが 始まった。栽培農家からブドウを買い付けて、ワインを造ることが当たり前のように続い て来た。それどころか海外産の濃縮果汁や輸入ワイン(バルクワインと言う)に頼るワイ ナリーが多いのが現状です。
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