1. - インテル

紛争鉱物が消費者に
届くまでの道のり
intel.co.jp/conflictfree
1. 鉱山
主要な4つの紛争鉱物である、
スズ、
タンタル、
タングステン(これら
は「3T」
とも呼ばれます)、
そして金は、主にコンゴ民主共和国の東
の国境付近にある鉱山で産出されています。
現在、
これら鉱山の多
くは武装集団の管理下に置かれています。
武装集団は鉱山労働者
に対し、違法に「税」を課しながら、地域の労働者を劣悪な環境で
働かせ、
利益を得ています。
労働者の平均的な報酬は1日あたり約
1∼5ドルです。
インテルを含む各企業は、NGO や各国政府と協力しながら、
「袋詰
めとタグ付け(bag and tag)」方式を通じて、コンフリクト・フリー 1
ウガンダ
ケニア
を実現する鉱山から産出されたものかどうか特定できるよう取り組ん
でいます。同時に、それらがサプライチェーン上を流れる際に改ざん
されるリスクを軽減するための取り組みを行っています。タグは製錬
所でその鉱石がコンフリクト・フリーを実現する原産地で産出された
ものであるという証明書として使われたのち、回収されます。
ルワンダ
コンゴ民主共和国
ブルンジ
タンザニア
2. 取引と輸送
インド洋
鉱山から採掘された鉱物は地域の取引所で評定され、仕分けら
れたのち、輸出業者の間で処理、売買されます。そしていくつも
の国を通じて輸送されていきます。残念ながら、そうした輸送経
路にも数々の武装集団が存在し、強い影響力のもとで利益を手に
しています。政府が関わることさえあります。というのも、厳密な
文書もなく原産地の証明も口頭だけという手続きが常態化してい
るためです。
「袋詰めとタグ付け」方式や、より厳格な文書化を求
める継続的な取り組み、コンフリクト・フリーを実現する原産地の
原料であることを証明するための監視は、それぞれ有意義である
ものの、やるべきことはまだまだ数多く残されています。
3. 製錬業者と精製業者
製錬業者と精製業者はアジアと中東を中心に数多く存在し、そこ
では紛争地域原産の原料とそうでない出所の原料を合わせて巨
大な溶鉱炉で化学的に処理されます。別々の出所の原料を混合
することがあるため、加工に先立って、鉱石の原産地を調べ、ど
の鉱物がコンフリクト・フリーであるかを特定しなければなりませ
ん。この段階は監査プロセスの重要な部分となります。なぜなら
多くの製錬業者と精製業者は比較的経営が安定していて、管理
も行き届きやすく、関連の企業と協力して作業にあたることができ
るからです。
インテルと他の組織が推進する監査プログラムにより、製錬業者は、各
鉱物の原産地を文書化し、鉱物の仕入れをコンフリクト・フリーである
鉱山からのみ行うという責任を負っています。
4. メーカー
電子機器業界は、コンゴ民主共和国の東地域の鉱物を使用する
大口の消費者です。それらの資源はメーカーに届くまでの間に、
携帯電話やコンピューターなど、一般的な消費者向け電子機器の
内部に組み込まれる加工済みの金属に形を変えます。ほかにも私
たちが日常的に利用する自動車、航空機、照明、宝飾品など、さ
まざまなモノにこれらの金属が使われています。
インテルは電子機器ブランドとして初めて、DRC コンフリクト・フリー
であると認められた製錬業者から仕入れた原料でマイクロプロセッ
サーを製造し、市場に提供しました 2。この率先的な試みは、コンフ
リクト・フリーを追求するうえで他の家庭用電子機器メーカーの規範
となりうる、最初の重要な一歩です。
5. 消費者
サプライチェーンの最後の段階は、あなたです。3T や金のような
鉱物に依存する機能を持つ製品を購入・使用する、世界中の人々
が該当します。紛争鉱物の現実を知ったあなたは、この問題をめ
ぐる問題意識を広める機会を手にしています。人々の意識が高ま
れば、コンフリクト・フリーを実現する調達方法に対する取り組み
が、鉱物を含む商品の製造と購入における標準となる日が来るで
しょう。
情報の出典は Enough Projectとインテルです。アイコンなどの作成は、Noun Project の Ben Rex Furneaux、Gerardo
Martin Martinez、Andrew J. Young、Berkay Sargın によります。地図は Vector Free Maps.com からのものです。
1 「コンフリクト・フリー(紛争に関与しない)」とは、
「DRC コンフリクト・フリー」を意味し、米国証券取引委員会の規則により、
直接的あるいは間接的にコンゴ民主共和国(DRC)または周辺国の武装集団の資金源や利益となる紛争鉱物(スズ、タンタル、
タングステン、および / または金)を使用していない製品をいうと定義されています。
2 インテルは、コンフリクト・フリーを実現したプロセッサーを、メーカーとして世界で初めて量産し、市場に提供しています。