私は、子どもの頃から運動が大の苦手だっ た。身体は硬く、足は遅い

№104
平成27年7月15日
【発行】
豊橋市立栄小学校 校長室
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梅雨明けは宣言されていないものの、眩いほどの朝
一言の重み
日が降り注ぐ中、クマゼミのけたたましい鳴き声を聞
いて、本格的な夏の到来を感じます。
夏休み前の授業は明後日まで。今年は曜日の巡り合
わせにより、例年より三日長く45日の夏休みとなり
ます。私たち教員は、子どもたちと違って夏休みでは
ありませんが、ちょっぴり得した気分になりますね。
東海地方への接近・上陸が心配されていた台風 11
号は、どうやら進路を北北西にとり、この地方への影
響は最小限に留まりそうな気配です。子どもたちの命
を預かっている学校の職員として、少しばかりほっと
しますね。
夏休みを前にして、職員の皆さんへのお願いは前号
でお伝えしました。子どもたちへは、夏休みを前にし
た朝会で、次のような話をしようと思っています。学
年の発達段階に応じ、咀嚼したり補足したりして学級
指導等にお役立てください。
1 忘れるな 早寝・早起き・朝ごはん
充実した夏休みにするための、基本中の基本。そ
れは規則正しい生活です。不規則な生活は、後悔し
か残りません。
2 続けよう めざせ!あいさつ日本一
児童会運営委員会の取り組みや、一人一人の心が
けによって、あいさつ日本一へ一歩一歩近づいてい
私は、子どもの頃から運動が大の苦手だっ
た。身体は硬く、足は遅い。チームプレイで
は足を引っ張るばかりだった。中でも水泳は
特に苦手だった。
小学三年生の夏のはじめ、私はまだ泳げなか
そして
った。水が怖くてしかたがなかった。担任の
先生は授業のたびに、手取り足取り、プール
の中で身体を支え、一生懸命指導してくれた。
いつしか、水に対する恐怖心も薄らぎ、
「泳げ
るようになりたい」
「泳ぎたい」と強く思うよ
うになっていた。私は、先生の身体につかま
りながら、必死に練習を繰り返した。
しかし、私なりに精いっぱいがんばったので
あるが、結局その夏のうちには泳げるように
ならなかった。そして、通知表の評価は、い
ちばん下であった。ただその通知表の所見の
欄に「やる気がすばらしく、すぐに泳げるよ
うになるでしょう」と書かれていた。私のが
んばりを認めてくれたのだと思い、とてもう
れしかったことを覚えている。
その後、先生の言葉を信じ、四年生で少し泳
ます。夏休みの間もその歩みを止めず、家や地域で
げるようになり、五年生で息つぎができ、二
元気のよいあいさつをしよう。
十五メートルまで泳げるようになった。
「やる
3 お手伝い 何か一つは やりきろう
家にいる時間がいつもより増えます。家族の一員
気がすばらしく、すぐに泳げるようになるで
として、お手伝いをすすんでしよう。何か一つ自分
しょう」通知表に書かれたこの言葉がなけれ
にできることを決めて、夏休みの間、毎日続け最後
ば、私は泳げないままだったかも知れない。
までやりきろう。
子どものがんばりを認めてくれた先生は、三
4 やっちゃいな 宿題・勉強 朝のうち
夏休み中は午前5時頃には明るくなります。朝の
涼しいうちに宿題や勉強をすませてしまいましょ
う。その日は、気分よく過ごすことができ、きっと
充実した一日となるでしょう。
十年以上たった今でも、私
にとって忘れられない大
切な人である。
「教育羅針盤」第三集より