「総合型地域スポーツクラブ」 の展望

教育長だより
潮見の風
木更津市教育委員会教育長
(題字
西村
千代倉
堯
桜崖)
「
総合型地域スポーツクラブ」
の展望
10月20日(日)の夜、富来田公民館で 、「総
合型地域スポーツクラブ」に関する講演会が、筑
波大学の柳沢和雄先生を講師に迎えて開催された 。
併せて、この「クラブ」の設立準備委員会を発足させている金田地区の会長の山中隆雄氏
からも実践発表があった。
講演をお聞きして 、「総合型地域スポーツクラブ」とは 、「いつでもだれでもがスポー
ツに親しみながら、地域の人と人とのつながりを一層強める活動である」ということがよ
く分かった。
私は、これまで、既設のスポーツ団体の集合体かなと考えていたが、そうではなく、む
しろ枠を広げて、新スポーツ(インディアカ、グランドゴルフ、ウォーキングなど)も含
めて、地域づくりにウエイトを置いたクラブ活動であると認識を新たにした。
講演では、地域スポーツの課題はたくさんあることが指摘された。
まず、第1に、子どもたちの体力の低下の問題である。先頃発表された文科省の「体力
・運動能力調査」の結果を見ても明らかである。地域のスポーツ団体に加入している子ど
ももいるが、学校の体育授業以外に、全くスポーツをしない、外遊びもしないという子ど
ももいて、両極端である。スポーツが地域で日常化・生活化していない。
第2には 、主として 、中学校の部活動の問題点である 。教員の高齢化による指導者不足 、
時間外勤務の常態化、極端な勝利至上主義・精神主義などが問題として指摘されている。
第 3に は、地 域ス ポー ツが、 チャ ンピ オ
ンス ポー ツ化、 エリ ート スポー ツ化 の傾 向
にあ るこ とであ る。 スポ ーツを 楽し むと い
うよ り、 勝つこ とに こだ わり過 ぎて 、結 果
とし て、 スポー ツ人 口の 減少に つな がっ て
いる 。(未熟な人は参加できない)
こ れら の課題 を克 服す るため の方 策と し
てぜひ 、「総合型地域スポーツクラブ」を立
ち上げたい。木更津市教育委員会としては、
平成 13 年度に 「推 進委 員会」 を設 けて 、
アン ケー ト調査 の実 施や 、先進 地域 の視 察
研修 を実 施して きた 。さ らに、 スポ ーツ 振
興審 議会 の審議 を経 て、 金田地 区と 富来 田
地区 を推 進地区 とし て指 定し、 関係 者の ご
協力 を得 ながら 、ク ラブ 設立に 向け て、 努
力いただいている。
金田地区の山中さんの発表で
...... 、「健康づく
り、仲間づくりを楽しみながらやっている」
という言葉が印象的であった。
教育長だより第99号
平成14年11月15日発行