その他の教育活動との関連 ○飲酒に関する指導は、学校全体で指導を行うことが求められています。保健体育科に限らず、他の教科や 教育活動のなかで実践することができます。 ・道徳(法について考える―主として集団や社会とのかかわり) 身近な法(例:未成年者飲酒禁止法)や決まりについて考え、法律や決まりは自分たちの生活や権利を守るためにあるこ と、遵守することの大切さについて気づかせる。 ・特別活動(学級活動) 「依存」をしないための適切なストレス対処方法について考える。 ・国語、美術 飲酒は身近な人から誘われる機会が多い。自分たちで人間関係を壊さない効果的な断り方を考え、未成年者飲酒防 止を啓発するための標語やポスターで表現する。 参考資料 「かけがえのない自分、かけがえのない健康」(中学生用補助資料) http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08111804.htm 文科省(中学生用) 国税庁 未成年者の飲酒防止 / 適正飲酒の推進 https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/miseinen/mokuji.htm アルコール健康医学協会 お酒と健康 未成年者飲酒防止 http://www.arukenkyo.or.jp/health/minority/ Eヘルスネット情報提供 (厚生労働省) 特定非営利活動法人 アスク 中 お酒と 私たちの健康 【教師用指導の手引き(中学校用)】 ビール酒造組合 はじめに 健康情報サイト(「飲酒」で検索) http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol この度ビール酒造組合では、中学校・高等学校用に未成年者飲酒防止を目的とした DVD「お酒と アルコールを中心に依存性薬物問題の予防に取り組んでいる。 飲酒に関する実例やデータなど掲載。 http://www.ask.or.jp/ 私たちの健康 ∼お酒を勧める大人より断るあなたの方がもっと健康の理解者∼」を作成しました。 学校での未成年者飲酒防止教育の主な学習内容は、1)アルコールの心身への影響について、2) 飲酒の開始要因とその対処についてです。本教材は、中学校・高校段階で、この2つを教える際の 未成年者飲酒防止 ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン 募集締め切り 9月末予定 (詳しくは公式サイト参照) さまざまな未成年者飲酒の有害性を未成年者自身に考えてもらうため、中学生・高校生を対象にしたポスター・ スローガン・学校賞を募集しています。詳しくは公式サイトをご覧ください。 学校で取り組んだ学習の成果や生徒の課題として、ぜひご活用ください。 応募方法 ◎ ポ ス タ ー 部 門 八つ切り(27×38cm)∼四つ切(38×54cm)のサイズ以内。 コンピューターグラフィックスでの応募も可。 (出力サイズB4またはA3) ◎スローガン部門 ◎ 学校 賞部 門 応募先 公式サイト ハガキ1通に1作品を記入 エントリーシートに必要事項を記入 (エントリーシートは下記URLにてダウンロードができます) 利用を意図して作成されています。また、 「教師用指導の手引き」は、中学校指導用と高等学校指導 用のそれぞれが作成されており、中学校については、未成年者のアルコールの影響、アルコールと脳、 アルコールの害、アルコールを分解する体質などを理解したうえで、飲酒を誘われたときの対処を 考え実践するよう構成されています。高校については、アルコールの急性影響と慢性影響、飲酒開 始の個人的要因と社会的要因、飲酒の社会的対策など理解したうえで、飲酒を誘われたとき、特に イッキ飲みのような危険な行為を求められたときの対処を考え実践するよう構成されています。 DVD 内で解説される科学的根拠によって、生徒が納得する授業展開が期待できます。またロール プレイングの模範を参考にし、断り方を実践することによって、お酒を誘われたときの意志決定・ 行動選択をより実践的に考え学ぶことが期待できます。 聖心女子大学教授 植田誠治 〒108-0023 港芝浦郵便局留め 「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」事務局 電話03-5443-1232(土・日・祝日を除く10:00∼18:00受付) 目次 http://www.brewers.or.jp/ 〈個人情報の取扱いについて〉 1.個人情報の利用目的:お送りいただいた個人情報は、お礼発送のほか、個人を特定しない統計的情報の形で利用させていただきます。 2. お送りいただいた作品の著作 権はビール酒造組合(以下「組合」 という。) に帰属し、広報資料等として使用する場合がございます。予めご了承ください。 3.個人情報保護対策:個人情報の管理、運用に ついての責任を有する者として、個人情報統括管理責任者を置き、個人情報保護規定、情報システム資源取扱規定等を定め、遵守することを役員及び従業員に義務付けています。 4.外部委託:当法人は、組合の一部もしくは全部について当法人所定の評価基準により、適切と判断した取引先に対し、業務委託契約及び秘密保持契約を締結した上で行 う場合がございます。 5.個人情報の開示、利用目的の通知、保有する個人情報の内容が事実に反する場合等における訂正、利用停止(以下「開示等」 という。) のご請求を 受付いたします。開示等の請求の具体的な手続きに関しましては、組合までお問い合わせください。 発 行:ビール酒造組合 制作協力:日本教育新聞社 監 修:玉木武(公益社団法人アルコール健康医学協会理事長)、植田誠治(聖心女子大学教授)、丸山勝也(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター名誉院長) 編集協力:荻原芳彦(米沢市立第七中学校) デザイン:株式会社エディット [平成 28 年 2 月発行] ●教師用指導の手引きに関するお問い合わせ 4 日本教育新聞社 電話03-5510-7800 FAX03-5510-7802(月∼金 9:00∼17:00) …… P2 授業用資料 ① 飲酒の健康への影響を題材とした場合の展開例 授業用資料 ② 飲酒をすすめられたときの対処を取り入れた展開例…… P3 授業用資料 ③ その他の教育活動との関連 …………………………… P4 ※こちらの展開例は DVD と組み合わせた活用もできるよう設定しております。 チャプターごとに分けて活用ができますので、授業内容に合わせてお使いください。 飲酒の健康への影響を題材とした場合の展開例 飲酒をすすめられたときの対処を取り入れた展開例 1 単元 「健康な生活と病気の予防」 題材 「飲酒と健康」(中学校 保健体育科) 1 特別活動(保健指導) 題材「飲酒をすすめられたときの対処」 2 本時の目標 ①未成年者の飲酒がなぜ禁止されているのかについて、理由をあげて説明することができる。 (知識・理解) ②一人ひとりアルコールに対する体質の違いがあることに気づき、それによって飲酒行動を考えなければならないこと に関心を持つことができる。 (関心・意欲・態度) 3 準備物 2 本時の目標 ・飲酒を誘われたとき、いろいろな断り方があることを考えることができる。 (思考・判断・実践) ・断り方を学習し、どれが適切であるか状況に合わせて判断し、実践することができる。 (思考・判断・実践) 3 展開 付箋、A3用紙、消毒用アルコール、ガーゼ、テープ 4 展開 導入 2分 1.お酒の缶を見て、隠されている部分 に何が書いてあるか予想する。 2.なぜ未成年者の飲酒が禁止されてい るのか理由を考える。 ・グループで理由を考え、付箋を使 って用紙に貼る。 ・付箋に書いた理由からアルコール と健康に関わるものを分類する。 教師の発問・指導 DVDとの 関連 ○ 「お酒は 20 歳になってから」の表示を隠したお酒の缶を 用意し、隠されている部分に何が書かれているか考えるよ う促す。 ○2∼3名の生徒を指名する。 ○隠した表示の部分を見せる。 ○未成年者の飲酒が禁止されている理由について、グループ に分かれ考えるように促す。 ○グループで出た意見の中から、アルコールと健康に関わる ものを取り上げるよう指示する。 (時間があればDVDを使用する) 導入 3分 学習内容・学習活動 学習内容・学習活動 教師の発問・指導 1.未成年者の飲酒場面の統計から、数値 を把握する。 ○未成年者の飲酒場面の統計データを提示する。 (参考:アルコール健康医学協会HP「お酒と健康・未成年者飲酒防止」 表:中学・高校生にみる飲酒場面) ○「友達・仲間からの誘い」の数値が高いことをあげ、な ぜ誘いを断ることができないか理由を考えるよう促す。 2.統計結果から、友達・仲間からの誘い が飲酒のきっかけとなる数値がなぜ高 いか理由を考える。 3.未成年者が友達・仲間からの誘いを断 ることができない問題点を考える。 チャプター 1 4.3つの断り方の例から、どの断り方が 状況に適しているか考える。 ○飲酒を誘われる場面を想定し、断り方の例を3つ提示 する。 ・身近な友達から「一口飲んでみない?」と誘われた 場合 ①強く断る。(「嫌だよ!お酒なんて飲まないよ!」 、 「や めてよ!」) ②あいまいな答えをする。(「えっ、私はいいや…」 、 「い やーどうしようかな…」) ③やわらかく、しかししっかり自己主張する。 (「今日は体調がすぐれないし、お酒以外で楽しむよ」 、 「明日部活動(塾・習い事)に響くといけないからや めとくよ」) ○断りにくい状況があることに気づくよう促す。 5.グループに分かれ、3つの断り方のロ ールプレイングを行う。 ○どのように断ることが効果的か考えるよう促し、2∼ 3名の生徒を指名する。(その際、ロールプレイングを 行ってみて感じたことも意見として発表するよう指示 する) ○時間があれば、飲酒の誘いを想定させる場面設定を変 えて、ロールプレイングを行う。 ・親戚から「今日はお祝いだから飲みなさい」と言わ れた。 ・部活動の先輩から「みんなで乾杯しよう」と誘われた。 5.アルコールパッチテストを実施する。 チャプター 3 6.本時の学習を振り返る。 ロールプレイングから、これから自分 の生活にどう生かすことができるか考 え、発表する。 ○板書やロールプレイングを振り返り、考えをまとめる よう促す。 チャプター 2 ○未成年者にとって、飲酒は禁止されていることを再確認す る。 ○ノートに自分の考えをまとめるよう促す。クラスで考えを 交流する。 5 評価のポイント ・未成年者の飲酒が禁止されている理由について説明することができたか。 ・自分の体質を考え、行動する必要があることに関心を持つことができたか。 6 配慮事項 ・科学的知識をもとに、飲酒による体への影響が理解できるよう、説明・解説のわかりやすさに配慮する。 ・グループワークの部分で考えや意見が出ない場合は、具体例を挙げ補足したり、考えを促したりできるよう説明の わかりやすさに配慮する。 7 他の教育活動との関連 2 道徳、特別活動、総合的な学習の時間など まとめ2分 まとめ5分 6.本時の学習を振り返る。 飲酒についての自分の考え、イメー ジがどう変わったか考えをまとめる。 45 分 分 4.未成年者の飲酒は特に、急性アルコ ール中毒の危険性や依存症となりや すいことを学習する。 展開 展開 43 ○アルコールの主成分について説明する。 ○アルコールの成分は脳の中に入る特徴を持った物質であ り、酒量によって、私たちの言動や行動に変化をもたらす ことを説明する。 ○飲酒を続けることにより肝臓病を始めとするさまざまな身 体障害(脳への障害や生殖器への障害など)を引き起こす ことを説明する。 ○急性アルコール中毒、アルコール依存症について説明し、 未成年の飲酒の危険性について確認できるようにする。 ○未成年者飲酒禁止法に触れる。 ○未成年者飲酒による社会的影響について触れる。 ○20 歳を超えても、飲酒を自由にして良いという訳ではな いことを説明する。 ○体質によって、お酒が飲めない人もおり、飲める人でも飲み すぎると健康を損なうことを説明し、パッチテストはお酒が 飲めるか飲めないかだけの判断ではないことを確認する。 ○友達や先輩など仲の良い人からの誘いを断ることがで きない理由から、何が問題であるのか整理する。 飲酒の誘いに対する断り方を考えよう アルコールによる健康への影響について理解する 3.アルコールは脳に作用し、それによ って体や行動が変化することを知る。 DVDとの 関連 チャプター 13.14.15 4 評価のポイント ・飲酒を誘われたとき、いろいろな断り方があることを考えることができたか。 ・適切な断り方を、状況に合わせて判断し、実践することができたか。 5 配慮事項 ・飲酒の誘い役は教員が行うものとし、生徒は断り役のみロールプレイングを実施できるよう配慮する。 6 他の教育活動との関連 保健体育科「保健」、道徳など 3
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