色彩で見るパリの住空間本研究の主張と展開 ◆問い：住まいに色を鮮やかに使用しているのはなぜか。 ◆仮説：①日本は周囲との調和を重視すると言われているように、空間においても調和を大切にしていて、フランスはオリジナルなアート感覚溢れる空間を大切にしているのではないか。 ②日本は“生活する場所”であり、家族だけの空間に比べて、フランスは“楽しませる場所”であり、家を訪れる人のことも考えた空間なのではないか。日本とフランス ◆色彩感覚のルーツをたどる日本：豪華絢爛の桃山文化とともに生み出された「幽玄」「侘び」「さび」江戸時代のひかえめな色彩文化「粋」フランス：キリスト教「色彩を光と捉える」 ◆色彩に見る国民性日本：濁色文化グラデーション型…同質による《まとまり》 ⇒刺激を和らげるフランス：清色文化セパレーション型…異質による《きわだち》 ⇒刺激を与える先行研究『「快適空間」を考えるモード・都市・芸術』宍戸修著私的な空間には、自由があり、個人の空間というものが存在する。 ⇒本当に住空間に自由はあるのだろうか『ヨーロッパの色彩』ミシェル・パストゥロー著色の選択は消去法という手段を選択した時点から始まっている。市場に出回る範囲ある色の中に「わたしの色」を見出す行為を選んではいないだろうか。 ⇒色の選択肢は住空間を制限していないだろうか調査内容 ◆目的：「くらしの空間において何を大切にしているか」を知る ◆調査の重点項目： ①その空間は何を中心にデザインされているか ②中心になっている色の用いられた物は何か ③何があってその場が調和されているか ④空間の調和とは何なのか＊⑤どの部屋が中心になっているか Best Western Hotel Faubourg Saint-Martin 左：ベッドルーム枕側の壁紙左下：フロント横の壁紙右下：ロビー横のスペース左：朝食をとる地下のダイニングルーム右：ダイニングルーム左側の壁と食器調査結果の考察空間に登場する色数が多く統一されていない分、一色の効果が小さく、視界に入ってくる情報が多い ⇒ 多くの色を空間に配置し、見る人が色を混ぜ合わせて初めて完成する未完成な空間 ⇒インスピレーションを刺激『色彩の基本と実用―システムと美学―』ハンス・ゲケラー著色の配色は冒険しなければユーモアは生まれない。新しい配色に挑戦した空間は、調和と緊張の迫力が見るものを惹きつける。 ⇒ユーモア結論 ◆住空間には美意識が現れやすく、空間の心地よさを決定づけるものの多くが色彩となる。 ⇒美意識を色彩に表すことで初めて本当の心地よい住空間となる。 ◆自分の中にあるすでに知っているイメージをこわされたとき、色に対する固定観念をなくす。 ⇒ユーモアを生み出して見る人も自分も楽しむために色を鮮やかに使用している。 ◆『人生は楽しむもの』というスタンスをフランス人は常に持っている。 ⇒“心のゆとり”であり、ユーモアのセンスである。引用・参考文献一覧 • • • • • • • • • • 岡本昌裕「My Odyssey masahiro’s website『快感原則論―楽しく生きる―』日本図書刊行会、1997」July.04.2001更新http://www.sky-net.or.jp/masahiro/humor.htm（2011.11.28入手）加藤雪枝（他）編『新版生活の色彩学』朝倉書店、2001。川崎秀昭（2005）「日本人の美意識と色彩感覚―そのルーツをたどる―」『2005 spring issue REAL PRESS』www.real-chemical.co.jp/pro/pdf/18_2.pdf（2010.10.25入手）ゲケラー,H.（長谷川敬訳）『色彩の基本と実用―システムと美学―』美術出版社、1990。宍戸修『「快適空間」を考えるモード・都市・芸術』相模書房、1999。トーザン,D.『生粋パリジェンヌ流スタイルのある生き方』（ヴィレッジブックス）、ソニー・マガジンズ、2004。パストゥロー,M.（石井直志、野崎三郎共訳）『ヨーロッパの色彩』パピルス、1995。ヒロセ,K.「欧州の色彩感覚-1」『女性専門家のキャスティングならBLOGCASTER』 September.04.2007更新http://www.blogcaster.jp/koko_hirose/archive/3（2010.10.26入手）「Hotel.com」http://jp.hotels.com/ho282486/besutou-esutan-hoteru-foburu-san-marutanpari-furansu/#description（2011.11.26入手）「Hotel.com」http://jp.hotels.com/ho249682/konfoto-hoteru-pari-rafaietto-parifuransu/#description（2011.11.26入手）