1 第2回 男女共同参画社会について 1.設問 【問1】 「男は仕事・女は

第2回
男女共同参画社会について
1.設問
【問1】 「男は仕事・女は家庭」
「男性は主要な業務・女性は補助的業務」等のよう
に性別を理由として、役割を固定的に分けて考える人が社会全体の4割近
くいます。あなたは、このように性別を理由として、役割を固定的に分け
て考えることに賛成ですか、反対ですか。以下の3つから一つ選んでくだ
さい。
1.賛成である。
2.反対である。
3.どちらともいえない。
【問2】
雇用等の分野における男女共同参画に関する施策や成果目標を御覧になっ
て、あなたがお考えになったことや疑問に思ったこと等自由にお書きくだ
さい。
【問3】
質問2でお書きになったことも踏まえ、御自身の経験等から、男女共同参
画に関する御意見・御提案があれば自由にお書きください。
2.背景
「男女共同参画社会」とは、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合
い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができるような社会
である。このような社会を目指すべく、1999 年には「男女共同参画社会基本法」が施
行された。しかし、この法律が施行されて 10 年以上たった今も、男女の地位に関して
不平等と感じている人は社会全体の7割近くいる。また、
「夫は外で働き、妻は家庭を
守るべきである」というように性別を理由として役割を固定的に分けて考える人は社
会全体の4割近くいる。
そこで、今後、男女共同参画社会を実現するための広報・啓発活動や、男女共同参
画が進んでいない分野における具体的施策を検討する際の参考とするため、ユース特
命報告員の意見を調査した。
3.意見回収期間
平成 23 年 11 月 29 日~12 月 18 日
4.回答者数等
12 歳から 29 歳の 186 名、男性 87 名(46.8%)、女性 99 名(53.2%)、提出率 63.9%。
1
5.問の分析
【問1】
「男は仕事・女は家庭」「男性は主要な業務・女性は補助的業務」等のよ
うに性別を理由として、役割を固定的に分けて考える人が社会全体の4割
近くいます。あなたは、このように性別を理由として、役割を固定的に分
けて考えることに賛成ですか、反対ですか。以下の3つから一つ選んでく
ださい。
1.賛成である
2.反対である
3.どちらともいえない
■全体的な傾向
全体の約6割が性別を理由として、役割を固定的に分けて考えることに「反対で
ある」と回答。「賛成である」は 14.0%であった。
賛成である
14.0%
どちらともい
えない
24.7%
反対である
61.3%
2
■男女別の回答
0%
賛成である
20%
40%
60%
80%
57.7%
100%
42.3%
男性
どちらともいえない
反対である
52.2%
47.8%
42.1%
女性
57.9%
■職業別の回答
上段:件
下段:%
全体
学生
正規職員
職業
非正規職員
家事従事者
無業者
合計
どちらともいえ
賛成である
ない
反対である
186
26
46
114
100%
14.0%
24.7%
61.3%
89
8
22
59
100%
9.0%
24.7%
66.3%
65
12
15
38
100%
18.5%
23.1%
58.5%
19
2
5
12
100%
10.5%
26.3%
63.2%
11
4
3
4
100%
36.4%
27.3%
36.4%
2
0
1
1
100%
0.0%
50.0%
50.0%
3
【問2】
雇用等の分野における男女共同参画に関する施策や成果目標を御覧になっ
て、あなたがお考えになったことや疑問に思ったこと等自由にお書きくだ
さい。
■全体的な傾向
男女共同参画に関する施策や成果目標について、
「 まだまだ男女共同参画が進んで
いないと感じる」が 46.2%で最も多く、次いで「国際基準にあわせる必要はない」
13.4%、「雇用状況がきびしい現在、男女共同参画は推進しにくい」8.1%などとな
っている。「男女共同参画が以前より進んでいると感じる」は 3.8%であった。
男女共同参画が
以前より進んでい
ると感じる
3.8%
その他(少子
高齢化対策と
の連携、多様
性を認めるべ
き等)
28.5%
まだまだ男女共同
参画が進んでいな
いと感じる
46.2%
雇用状況がきびし
い現在、共同参画
は推進しにくい
8.1%
国際基準にあわ
せる必要はない
13.4%
4
■男女別の回答
0%
20%
男女共同参画が以前より進んでいると感じる
40%
28.6%
まだまだ男女共同参画が進んでいないと感じる
60%
80%
100%
71.4%
41.9%
58.1%
男性
国際基準にあわせる必要はない
56.0%
雇用状況がきびしい現在、共同参画は推進しにくい
53.3%
46.7%
その他(少子高齢化対策との連携、多様性を認める
べき等)
50.9%
49.1%
女性
44.0%
■職業別の回答
上段:件
下段:%
全体
学生
正規職
員
職業
非正規
職員
家事従
事者
無業者
男女共同参
画が以前よ
り進んでい
ると感じる
合計
まだまだ男
女共同参画
が進んでい
ないと感じ
る
国際基準
にあわせる
必要はない
雇用状況が
きびしい現
在、男女共
同参画は推
進しにくい
その他(少
子高齢化対
策との連
携、多様性
を認めるべ
き等)
186
7
86
25
15
53
100%
3.8%
46.2%
13.4%
8.1%
28.5%
89
3
37
17
3
29
100%
3.4%
41.6%
19.1%
3.4%
32.6%
65
3
33
7
4
18
100%
4.6%
50.8%
10.8%
6.2%
27.7%
19
0
10
0
4
5
100%
0.0%
52.6%
0.0%
21.1%
26.3%
11
1
5
1
3
1
100%
9.1%
45.5%
9.1%
27.3%
9.1%
2
0
1
0
1
0
100%
0.0%
50.0%
0.0%
50.0%
0.0%
5
【提出された主な意見の要旨】
■男女共同参画社会が以前より進んでいると感じる
・ 男女共同参画により、戦後から現在に比べ男女間における差別は減少し、女性の
活躍できる場が確立されている(男性・27 歳・正規職員)
・ 昔に比べれば、かなり男女共同参画が進んだように感じる。男尊女卑という時代
遅れな制度を整理し、出産や子育てに時間を割かなければならない女性にとって
も男性同様に活動できるような場を確保してもらいたい(女性・29 歳・正規職員)
■まだまだ男女共同参画が進んでいないと感じる
(全般について)
・ 日本は遅れていると思う。以前から、日本には女性の政治家が、外国に比べて少
ないと思っていたが、まだ「男は仕事・女は家庭」の考え方が根強いのなら当た
り前だと感じた(女性・15 歳・中学生)
(職場環境、企業の取組について)
・ 女性は出産や子育てで職場を離れることもあるが、同じ職場に復帰した時に働き
やすい空間であるようにしなければならない(女性・17 歳・高校生)
・ 男女共同参画のために多くの政策を打ち出しているが、実際にはあまり浸透して
いない。育児介護休業法をとってみても、国が頑張っても職場の理解が得られず
取得率は低い(女性・18 歳・大学生)
(女性の意識について)
・ 雇用の面では相変わらず男女間での給与格差および正規・非正規雇用の格差があ
ると感じるが、問題は女性自身の意思がどうなのかということである。私の周り
では、責任の重い仕事をすることについて敬遠する女性もいる(男性・27 歳・正
規職員)
・ 成果目標はどれもすばらしいと思うが、具体性に欠けている。女性の活躍を支援
するのは大事だが、活躍するかどうか決めるのは女性自身であり、国ができるこ
とはあまりない(男性・19 歳・大学生)
(行政の取組について)
・ この施策や制度が、社会に浸透したら、とても良いこと。掲げている目標は、は
っきりとしているので、その目標にたどり着くまでの過程をもっと濃く深いもの
にすべきである(男性・17 歳・高校生)
■国際基準に合わせる必要はない
・ 日本の伝統行事や文化までもが否定されてしまうのではないか(男性・21 歳・大
学生)
・ 男女共同参画の比較として主に欧米の国が用いられていることに疑問を覚える。
確かに欧米に先進国が多いが、各々の社会の歴史的経緯は異なっている(女性・
29 歳・専門学校などその他の学校の学生)
6
■雇用状況が厳しい現在、男女共同参画は推進しにくい
・ 30%も女性が指導的順位を占めたら、男性の働く場が減るのではないかと心配(女
性・22 歳・家事従事者)
・ 雇用そのものが悪化し、失業率が嘆かれている現状で、女性が活躍する場に男性
が進出して、女性の働く機会が減ることが心配(女性・23 歳・パート・アルバイ
ト)
■その他
・ 男性が安定的に雇用され、女性が労働市場に参入しないことを標準とみなすよう
なジェンダーバイアスが日本では特に強いと感じる。諸外国では男性が家事に費
やす時間が日本の何倍かになる国も多々ある(女性・29 歳・家業手伝い)
・ 少子・高齢化で働き手が減少しているため、女性にも仕事をさせて労働人口を確
保しようという考えなのであろうか(女性・24 歳・専門学校などその他の学校の
学生)
・ 闇雲に男女が平等になることを目指すのではなく、互いの性差を尊重しバランス
を重視するのが重要である(男性・27 歳・正規職員)
7
【問3】
問2(雇用分野における男女共同参画に関する施策や成果目標)でお書きに
なったことも踏まえ、御自身の経験等から、男女共同参画に関する御意
見・御提案があれば自由にお書きください。
■全体的な傾向
男女共同参画に関する意見としては、
「女性の社会参画を支援する取組が必要」が
50.5%で最も多い。一方で、「男女共同参画社会の実現は困難、必要性を感じない」
との意見も 11.8%あった。
その他(経済的
問題が要因、企
業の協力に期
待等)
33.9%
女性の社会参
画を支援する取
組が必要
50.5%
家庭・学校等で
の教育が必要
3.8%
男女共同参画
社会の実現は
困難、必要性を
感じない
11.8%
■男女別の回答
0%
女性の社会参画を支援する取組が必要
20%
40%
34.0%
男女共同参画社会の実現は困難、必要性を感じない
60%
80%
100%
66.0%
72.7%
27.3%
男性
女性
家庭・学校等での教育が必要
28.6%
その他(経済的問題が要因、企業の協力に期待等)
71.4%
58.7%
8
41.3%
■職業別の回答
女性の社会参
上段:件
下段:%
合計
画を支援する
取組が必要
全体
学生
正規職
員
職業
非正規
職員
家事従
事者
無業者
男女共同参画
社会の実現は
困難、必要性
を感じない
家庭・学校等
での教育が必
要
その他(経済
的問題が要
因、企業の協
力に期待等)
186
94
22
7
63
100%
50.5%
11.8%
3.8%
33.9%
89
51
10
2
26
100%
57.3%
11.2%
2.2%
29.2%
65
31
7
3
24
100%
47.7%
10.8%
4.6%
36.9%
19
8
5
2
4
100%
42.1%
26.3%
10.5%
21.1%
11
4
0
0
7
100%
36.4%
0.0%
0.0%
63.6%
2
0
0
0
2
100%
0.0%
0.0%
0.0%
100%
9
【提出された主な意見の要旨】
■女性の社会参画を支援する取組が必要
・社会(職場)の中で女性が今より活躍するためには、働き方をもっと多様化させる
ことが必要。現在は女性でも総合職で採用され、男性と同じように働くことも多い
が、特に出産は女性にしかできないし、やむを得ず退職、キャリアを中断する人も
多い。しかし、例えば総合職も簡単に一般職に転換できるなどそれぞれのライフパ
ターンに合わせて、もっと働き方の選択ができる社会になれば離職は減るのではな
いかと思う(女性・27 歳・家事従事者)
・結局は法律によって企業に男女間での差をなくす取組をさせることが一番効果的で
はないかと思う。家庭や地域において、いくら法的に是正させようとしても、経済
的にも時間的にも生活の中心となっているのが企業である限り、こちらを変えなけ
れば家庭や地域での役割も変わらない(女性・23 歳・正規職員)
・日本でも有効な政策が施されれば、ジェンダーのあり方を短い期間である程度は変
えることが可能なのではないかなと思う。また、女性の就業にとって出産はやはり
大きな問題である。
「指導的地位」に占める女性の割合を高めるためには、出産後に
復職しやすい環境を整えることが重要ではないか(男性・23 歳・大学生)
■男女共同参画社会の実現は困難、必要性を感じない
・欧米のような男女共同参画制度を日本に導入することは労働環境の変化なしにあり
えない。長時間労働を強いられる労働環境は男女分業の慣習の元で構築されたもの
であり、その環境の中で女性が活躍することは非常に困難だと思われる(女性・29
歳・専門学校などその他の学校の学生)
・「均等に」とか「差別なく」という言葉には違和感を覚える。そもそも男性と女性
は違う生き物で、体格だけでなく脳の作りまで違うという話を聞いたことがあるの
で、そこを平等に評価するというのはとても難しい事だと思う。ただし、女性の活
躍できる場が社会の中でまだまだたくさんあるのに、それを活かしきれず「女性だ
から」という理由で雇用されないという人がいるのはおかしい(女性・22 歳・大学
生)
・現状の男女共同参画自体に反対である。現状の施策や制度が「女尊男卑」にしか感
じられないからである。夫が主夫で妻が仕事といった風に、性別ではなく適材適所
が大事である(男性・24 歳・専門学校などその他の学校の学生)
■家庭・学校等での教育が必要
・長期的には、大事なのはやはり教育だと思う。学校が先生から生徒まで、男女平等
のシステムになっていれば、子供はそれが当たり前として育ち、社会に出た時に共
同参画でない社会を変えていくきっかけになる。平等を重視するあまり、男女の違
いを否定し、それぞれの長所を活かせなくするのはもったいない(女性・15 歳・高
校生)
・就職活動中の学生等、若いうちから考えを持ってもらうことがよい。高校、大学や
各種専門学校、就職博覧会などで、もっと呼びかけや説明をする機会を設けるべき
である(女性・29 歳・パート・アルバイト)
10
■その他
・まだ高校生なので、今まであまり男女共同参画について意識したことはなかった。
高校では男女平等という考えが基本だと学んだが、今回の記事を読んで、男女共同
参画について知るきっかけができてよかった(女性・17 歳・高校生)
・男女共同参画の推進は、少子・高齢化社会の改善という、日本の緊急課題を解決す
る可能性を秘めている(男性・26 歳・正規職員)
11