平成 27 年度版 ∼ 性別にとらわれず、自分らしくいきいきと ∼ 越谷市 人権・男女共同参画推進課 はじめに 社会活動や個人の生き方は多様化していますが、「男だから、女だから」という性別による 役割分担意識や考え方は、人々や社会の中に広く存在しています。このような意識や考え 方は、決して否定されるものではありませんが、性別に対する思い込みや決め付けが強すぎ ると、自分自身だけでなく他人に対しても、「自分らしく生きる」ことを妨げてしまうことがありま す。 このような役割分担の意識や考え方は、子どもの頃からの成長過程でさまざまな影響を 受けながら形成されていきます。子どもたちが性別にとらわれず、自分らしくいきいきと成長し ていくためには、子どもたちの身近にいる保護者や教職員の方々が、「性別にとらわれず、自 分らしく生きる」という男女共同参画の基本理念について理解を深めていくことが重要である と考えています。 そこで、教職員の皆様に、男女共同参画について改めて考えていただく機会となるよう、こ のリーフレットを作成しました。 「男は仕事、女は家庭」? 市政世論調査によると、「男は仕事、女は家庭」に代表される固定的な性別役割分担意識につい て、肯定的な考えの市民は、女性で約3割、男性で約4割となっており、男女間で差が見られます。 このような意識は、個人の考え方として否定されるものではありませんが、このような意識に基づい て、何気なく口にした言葉や指示などから、知らず知らずのうちに、子どもたちに性別役割分担意識 を植えつけてしまうおそれがあります。 ■ 「男は仕事、女は家庭」という考え方について (市政世論調査より) 【 女性 】 【 男性 】 「同感する」 「同感しない」 0% 50% 100% 平成22年度 平成19年度 3.9 3.7 25.6 28.1 26.4 17.6 28.3 31.6 22.7 15.0 25.1 2.1 46.6 4.4 H25年度 1.5 H22年度 2.1 「同感しない」 20% 60% 0% 15.3 平成25年度 「同感する」 6.3 31.2 23.1 36.6 6.1 H19年度 40% 20.7 80% 100% 17.3 3.8 18.3 13.5 20.4 27.9 27.4 1.8 40.8 1.9 平成16年度 平成11年度 18.1 21.8 43.2 44.5 同感する(賛成) 0% 10% 平成25年度 どちらともいえない 32.5 32.9 H16年度 4.3 0.5 H11年度 0.4 29.8 37.0 35.4 34.5 29.6 1.7 27.3 どちらかといえば賛成 20% 30% 40% どちらかといえば反対 同感しない(反対) 50% 60% 70% 80% 90% 100% わからない 無回答 ※平成 22 年度以降の調査では、「どちらともいえない」の選択肢を廃止 2.6 2.1 3.5 0.7 0.4 男の子と女の子で期待することがちがう? 市政世論調査によると、子どもに対して、男の子には「独立心」「責任」「忍耐力」、女の子には「や さしさや思いやり」「礼儀作法」「家事ができること」をもたせるといった期待が強く、「男らしさ、女らしさ」 のイメージが教育やしつけにも影響していることがわかります。 ■ 子どもに対する教育・しつけで大切だと思うこと 0 (平成 24 年度市政世論調査より) 20 40 14.9 独立心をもたせる 60 (%) 28.7 47.6 責任をもたせる 3.6 たくましさをもたせる 66.1 13.5 やさしさや思いやりをもたせる 礼儀作法を身につける 33.5 13.1 6.6 食事の支度や洗濯等身の回りのことができるようにする 40.0 25.3 4.6 3.3 無回答 78.5 61.4 61.4 45.2 17.5 忍耐力を養う 女の子は女の子らしく、男の子は男の子らしく育てる 80 女の子について 男の子について 「男だから、女だから」で進路や職業、地位が決まる? 次の3つのグラフは、①大学進学で選んだ専攻分野、②社会人として選んだ職業、③さまざまな 分野における「指導的地位」における、男女割合や女性の割合を示しています。 このように、進路や職業、さらには指導的地位において、性別による偏りが見られることがありますが、 これには「性別役割分担意識」が少なからず影響しているものと思われます。 ■ ① 大学生(学部)の専攻分野別の男女割合 0% 20% (文部科学省「学校基本調査」平成 26 年度より) 40% 60% 34.0 26.4 66.0 73.6 12.9 87.1 44.3 34.0 55.7 66.0 66.5 58.9 63.0 33.5 41.1 37.0 男子 ■ ② 就業者の職業別の男女割合 25 20 20.9 女 4.2 13.8 12.7 8.8 7.5 2.6 4.0 5.2 2.7 6.1 3.7 4.8 5.2 2.3 その他 公務 医療、福祉 教育、学習支援業 生活関連サービス 業、娯楽業 宿泊業、飲食サービ ス業 学術研究等 2.3 3.9 卸売業、小売業 1.9 運輸業、郵便業 2.7 製造業 3.2 11.4 情報通信業 3.9 建設業 0 11.9 農林漁業 5 男 19.9 14.2 15 10 女子 (総務省「労働力調査」(基本集計)平成 26 年度)より 20.2 (%) 100% 65.6 34.4 人文科学 社会科学 理学 工学 農学 医学、歯学 薬学、看護学等 教育 その他 80% ■ ③ 各分野における「指導的地位」に占める女性の割合 66.5 70 60 (%) 50 35.4 34.3 40 30 20 10 21.4 18.7 15.7 9.5 4.3 19.5 薬剤師 歯科医師 医師 自治会長 記者( 日本新聞協会) 教育・研究 研究者 大学講師以上 農林 水産 業 4.7 初等中等教育機関の教頭以上 人以上 に)おける管理職( 部長相当職) (100 農業委員 民間企業 雇用 19.6 21.5 14.6 16.3 6.0 6.3 人以上 に)おける管理職( 課長相当職) (100 司法 15.2 民間企業 弁護士 裁判官 行政 検察官( 検事) 都道府県における本庁課長相当職以上の職員 国の審議会等委員 本省課室長相当職以上の国家公務員 政治 9.2 7.2 3.3 国家公務員採用者( 総合職等事務系区分) 都道府県知事 都道府県議会議員 国会議員( 参議院) 国会議員( 衆議院) 0 8.9 18.1 メディ 地域 その他の専門的 ア 職業 (内閣府「平成 27 年度版男女共同参画白書」より) ま と め 市政世論調査(平成 25 年度)によると、各分野において男女平等になっていると感じて いる人の割合は、「職場の中」では 10.3%、「家庭の中」では 26.7%、「教育の中」では 39.0%となっており、教育は他の分野に比べて男女平等であるという意見が多くなってい ます。 しかし、子どもたちは、学校では男女平等が当たり前と感じているものの、さまざまな場 面で、男女平等とは言えない現実に直面することもあります。 そこで、周りの大人たちは、性別にとらわれることなく、なりたい自分に向かっていく子ど もたちを応援してあげられるような存在でありたいものです。 そのためにも、必要以上に「男子は、女子は」と性別で分けていたことはないか、「男らし く、女らしく」を先に考えてしまうことないかなどについて改めて考えていただき、男女共同 参画について理解を深める一助となれば幸いです。 発 行 平成28年1月 越谷市企画部人権・男女共同参画推進課 問合せ 男女共同参画推進担当 電話 E-Mail 048−963−9113(直通) [email protected]
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