サイバー法後期レポート 「電子投票導入の是非について」 S.S. 1 【目次】 1 はじめに 2 電子投票とは 3 日本での導入経緯 4 電子投票の特徴 (1) 従来の投票との差異 (2) 利点 (3) 欠点 (4) 選挙無効との関係 5 諸外国での導入 6 電子投票導入の検討(私見) (1) 電子投票制度の評価 (2) 国政選挙への導入検討 (3) 第2・3分類の電子投票導入検討 7 おわりに 2 1 はじめに 昨今、インターネットの普及に伴い、ネット通販など生活する上、インターネットを利用して便利 になってきているという印象を、世間に与えている。その中で、選挙という公的かつ民主主義の根 幹を構成する事項についてもインターネットないし電子的な方法によることが導入され始めている。 授業で電子投票についての話があるまで、恥ずかしながら、私は、電子投票についてほとんど無 知であった。 私は、現在 24 歳で、投票権を得てから 4 年、いくつかの選挙に足を運んだが、電子的手法を取 り入れる必要を感じることはなく、従来どおりの手法で十分であるばかりか、このような重大な事 項にまで電子的手法が妥当といえるか疑義を感じた。実際に、先生のお話では、国内外通して、 否定的な流れにあるという。 そこで、電子投票の可否および可能性をこの機会に考えてみようと思い、本レポートのテーマ に設定した次第である。 2 電子投票とは 電子投票と一概に言っても、その内容には段階があり、一般的には、3 段階に分類されている。 第 1 段階は、選挙人が指定された投票所において電子投票機を用いて投票する段階、第 2 段階 は、指定された投票所以外の投票所においても投票できる段階、そして、第 3 段階は、投票所で の投票を義務付けず、個人の所有するコンピューター端末を用いて投票する段階である。この整 理は、「電子機器利用による選挙システム研究会」が 2000 年 8 月に行った中間報告の中の理解 である。 また、これを電子投票の枠内に定義するかは議論があるが、第 1 段階の前段階として、投票所 でマークシートやパンチカードを用いて投票する方法のいわゆる集計における電子投票という段 階も観念することができる。 3 日本での導入経緯 日本では、2001 年 1 月の「e-japan 戦略」における電子政府に向けた具体的な動きが見られ、 同年 6 月 26 日にIT戦略本部が発表した「e-japan2002 プログラムー平成 14 年度IT重点施策に関 する基本方針」で、2002 年度における重点的なIT施策として5つの柱が明示された。そこで初めて、 「電子投票」という言葉が登場している。ここにいう5つの柱とは、①高速・超高速インターネットの 普及の推進、②教育の情報化・人材育成の強化、③ネットワークコンテンツの充実、④電子政府・ 電子自治体の着実な推進、⑤国際的な取組の強化であるが、そのうち④の中に、電子投票が挙 げられている。そこでは、地方選挙における電子投票という項目で、有権者の利便性の向上や開 票の迅速性という目的を掲げていた。 これを受けて、2001 年 11 月 30 日には、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電 磁的記録方式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(以下、「電磁記録投票法」と いう)」が第 153 回臨時国会で成立した。12 月 7 日には同法は公布され、2002 年 2 月 1 日に施行 された。同法は、地方議会の議員や首長の選挙のみを対象として、各地方公共団体が独自に条 例を制定してから電子投票を実施できるものとしている。 3 ここにいう電子投票とは、電磁的記録式投票機と呼ばれる「当該機械を操作することにより、当 該機会に記録されている公職の候補者のいずれかを選択し、かつ、当該公職の候補者を選択し たことを電磁的記録媒体に記録することができる機械」(電磁記録投票法 2 条)を利用したもので、 前述の分類における第 1 段階のものであり、同法 3 条が投票所での投票に限定し、4 条がネット ワーク接続を禁止しており、第 2・3 段階を採らないことを明らかにしている。 これは、第 2・3 段階を採用することは、特に第 3 段階では、通常のインターネット回線を利用す るため、セキュリティが問題となるし、選挙人名簿による本人確認ができないため本人性が問題と なることを根拠とする。また、投票所での立会人のような第三者の存在がないため、投票の自由 の確保等の観点からも時期尚早であるとして、スタンドアロンを前提としたものを試験的に採用し たものである。 同法の制定後、実際に 2002 年 6 月 23 日に岡山県新見市・市議選において、全国初の電子投 票が行われた。これに続いて、2003 年は、広島県広島市、宮城県白石市、福井県鯖江市、岐阜 県可児市、福島県大玉村、神奈川県海老名市で実施され、2004 年は、青森県六戸町、京都府京 都市、岡山県知事選、宮城県白石市、三重県四日市市で実施、2005 年は、六戸町で実施された。 最近では、2009 年 4 月 12 日に、岡山県新見市の市長選・市議選で実施されている。この傾向か らは、年々利用が減少しているのが現実であり、可児市と海老名市では、機器のトラブルがあり、 前者では、後述の通り選挙無効判決がなされた。他に、財政難等の理由で、鯖江市などでは、電 子投票条例自体が廃止されるケースも見られる。 なお、国政選挙への導入については、2007 年に法案が提出された、衆議院では可決したが、 参議院で審議未了廃案となっている。 4 電子投票の特徴 (1) 従来の投票との差異 従来の投票方法(「従来」という文言を便宜的に用いているが、今現在も一般的な方法である) は、投票用紙を用いて、紙という媒体に有権者が自書して行うものであり、電子投票は、この過程 で電子投票機を利用して行う点に差異がある。端的に言えば、その差は、電子投票機を用いるか 否かという点だけである。 ただし、この差異は、投票への人の関与という差を導くことになる。すなわち、自書方式によれ ば、投票から開票にいたる過程が人の知覚によって可視的な方法で進行するのに対して、電子 投票は、その過程が人の知覚によっては認識できない方法によって進行することになる。この違 いが、以下のような利点及び欠点を導くことになる。 (2) 利点 まず、投票機を用いることによるメリットを見ていく。 第 1 に、機械による投票であるため、有権者にとって投票が簡素化することである。自書式投票 において、有権者は、投票用紙に手書きで投票内容を記載するが電子投票では、投票機の画面 上に示された候補者名に触れることで投票が完了する。 このメリットは、特に肢体不自由な有権者にとっては、投票を容易にしてくれるものであり、意義 4 を有する。また、投票から開票までの時間短縮・迅速化という恩恵ももたらしうる。 第 2 に、投票の正確さを挙げることができる。電子投票の場合、候補者が画面上に表示されて いるため、候補者以外の者に投票することができない。これにより、候補者以外への投票による 無効票を排斥することが可能となる。また、候補者の姓のみを記載して投票する場合に、これが 複数の候補者に該当する場合に、得票按分をする必要が生じるが、これを未然に防ぐことにも資 する。 第 3 に、バリアフリーを挙げることもできる。これは、第 1 に挙げた簡素化にも通ずるもので、高 齢者や肢体不自由の者への選挙の容易化を意味する。視覚障害者には、音声ガイダンスによる 投票という可能性も開き、より民意を拾うことが可能となる。 第 4 に、紙資源や人件費を削減することが可能となる。 (3) 欠点 これに対して、電子投票機を用いるうえでのデメリットも認められ、メリットに対応する事項が挙 げられる。 すなわち、まず、メリットとして正確性・バリアフリー化を挙げていたが、投票機の操作ミスによる 誤った投票結果が生ずるおそれがある。 また、簡素化・迅速化というメリットに対応して、機械自体が故障することにより、投票自体が成 り立たなくなり、結果として選挙の遅延を招く恐れもある。 そして、紙資源や人件費を削減することができるとするが、電子投票機のコストが高いため、地 方自治体の財政難を導く点もある。実際に、コスト高を理由に電子投票条例を廃止した自治体も 複数存在する。 しかし、実際は、電子投票の実施に際して、特別交付税措置が導入されており、投票所や開票 所の数や規模に応じて、財政的な支援がなされている。具体的には、投票所と開票所の数に応じ て、定められた単価を掛けることによって算定される金額である。この財政支援があることから、コ スト高というイメージも必ずしも事実と一致するものではなく、大きなデメリットとされるものではな い。 以上からすれば、電子投票のデメリットは、機械を用いることにより付随する操作ミスや故障と いったトラブルが主なものであり、これに伴い、有権者の機械に対する不信感が生じて、電子投票 消極の流れが生じているといえる。 (4) 選挙無効との関係 電子投票のデメリットとして、機械に対する不信感が主な要素としたが、実際に機械トラブルに より、選挙無効判決が出された事案がある。ここで、その事案を概観し、選挙無効との関係につい て一考察をしておきたい。 問題となったのは、2003 年 7 月 20 日に行われた岐阜県可児市市議選であり、投票データを記 録するサーバの過熱により全 29 投票所で一時的に投票機から投票できなくなるという障害と、一 部の有権者による複数投票が発生した。可児市では、各投票所に設置した投票機をネットワーク を介して中央サーバと接続し、中央サーバの記憶媒体に保存するクライアントサーバー方式を採 5 用したが、冷却ファンの位置を間違えて、熱暴走をしたことが原因とされている。さらに、投票後に 投票成功の表示がなかったために再度投票をしてしまい、複数投票という問題も生じたといわれ ている。 この選挙で落選した者を含む X ら 15 名が、選管委員への異議を経て、選挙無効を求めて提訴 した。 名古屋高裁平成 17 年 3 月 9 日は、本件各トラブルにより、電磁記録投票法の定める要件を満 たしていない状態が一時的にせよあったこと、また、最下位当選者と次点者との得票差は、35 票 であるのに対して、選挙の結果に異動を及ぼす虞がある投票が 27 票あり、かつ、機械故障により、 投票を断念した者も複数いることから、本件選挙は無効である旨判示した。 被告である選管委員会は上告したが、これは棄却され、上告受理申立ては不受理となった(最 判平成 17・7・8 判自 276 号 35 頁)。 公職選挙法 205 条は、選挙無効判決の要件を定めているが、同 1 項の「選挙の規定に違反す ることがあるとき」とは、選挙を管理する機関が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違 反するとき、又は明文の規定はなくとも選挙の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく疎 外されるときを指すものとされ、「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合」とは、その違反がな かったならば、候補者の当落について現実に生じたところと異なる結果を生じる可能性がある場 合をいう(最判昭和 29・9・24 民集 8 巻 9 号 1678 頁)。 これを本件事案で見るに、機械故障により電磁記録投票法 4 条各号の要件を満たさないことが 明文規定に反するとされ、具体的に選挙の結果に異動を及ぼす虞があったと判断されたもので正 当といえる。 しかし、ここで問題となるのは、公職選挙法 205 条 1 項の「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある 場合」の具体的判断である。現在使用されている電子投票機は直接記録方式(DRE 方式)電子投 票機である。この場合、有権者の選択の表示を電子投票機内部のメモリまたは記録媒体に直接 記録することが前提となっており、直接記録する際に不正行為があったり障害が発生したりしたた め真正の投票方向とは異なる記録がされた場合、これらのバックアップでは真正の投票方向を確 認することはできない。 したがって、「このような DRE 方式電子投票機の特性を勘案すると、各種の正常に投票が完了 していない票の発生や、原本と複本との間の記録の不一致などの発生は、投票の記録の正確性 を疑わせるに足るものである。正常に投票が完了していない票が数票から数十票程度しか確認さ れなかったからといって、実は正確に記録されていなかった票が大量に存在していた可能性は否 定しきれない」(後掲・湯浅・122 頁)といえ、選挙無効判決を裁判所が適切に行えるかにも疑義が 残ることになる。 5 諸外国にみる電子投票 アメリカにおいて、2004 年の大統領選挙までに旧式の投票制度を一掃して、電子投票を全米で 採用する予定であったが、2004 年大統領選挙の際には、全米で約1割の郡、有権者登録を済ま せた有権者のうち 12 パーセントがパンチカードを使用して投票を行い、電子投票を利用したのは 6 全米で約 2 割の郡、有権者登録を済ませた有権者のうち 29 パーセントにとどまった。 電子投票の先進国であるアメリカにおいても、その全面的な採用にはまだ時間がかかると思わ れる。 6 電子投票導入の検討(私見) (1) 電子投票制度の評価 以上から、私としては、電子投票の導入については、積極的に解してよいのではないかと考え る。 なぜなら、前述の電子投票のメリットを第 1 の根拠とすることができる。さらに、前述の無効判決 においても、機器の故障というデメリットは、機械を利用する以上やむを得ないところである。実際 の故障原因が冷却ファンの設置ミスという単純なものであることからすれば、このような人為的ミ スが生じないよう慎重な運用がなされれば足りるもので、人為的ミスは、その結果の程度の差異 はあれど、自書方式投票でも可能性は残るものである。 さらに、技術的課題については、2006 年 12 月 18 日に、総務省が技術的条件見直しと、「電子 投票システムの技術的条件に係る適合確認実施要綱」を発表している。これは、ベンダーから検 査の申し出があった後、総務省が委託契約を結んだ民間の検査機関によって技術的条件の適合 確認が行われ、その検査結果が公表されるものである。各自治体は、具術的に一定の基準に達 した機器を用いることができることになり、認証制度の活用が期待される。 仮に、故障等のトラブルが生じた場合には、これを無効とするかどうかが問題となるが、電磁的 記録投票法の要件を満たさなければ、無効とする厳格な司法判断が期待されるべきと考える。な ぜなら、電磁的記録投票法の定めた要件は、電子投票による弊害が自書方式と比較して、より大 きくなることから、厳格に選挙の公正を図ろうとしたものであるといえる。とすれば、現実の弊害の 程度を勘案して、無効としない判断をするには適さないものであり、選挙結果への影響を検証す ることが困難であることも併せれば、従来の選挙無効判決の射程とは異にするものであると考え るのが適当と考えられるからである。 (2) 国政選挙への導入検討 そこで、電子投票導入を一歩進めて、国政選挙への導入を検討するに、これは必ずしも積極的 に解することはできない。 機器の故障や、取扱い上のミスのおそれが完全に払拭できない現状において、その対応の具 体的イメージ・対策が明確にならない以上、一つのトラブルが、全国の選挙の公正・平等を侵害す ることになる。選挙の有効性を厳格に行うという私見からしても、事情判決の法理により、再度の 選挙が期待できない国政選挙では、司法による事後的救済でも不十分である。かといって、選挙 全体を無効とするのも、その影響の大きさから適当ではない。 よって、国政選挙への導入は、機器の安全性が十分に確保され、かつ、トラブルへの対応策が しっかりと練られたことを条件に許されてもよいとはいえるが、これは現実には難しいと言わざるを 得ないのではないか。 (3) 第 2・3 分類の電子投票導入検討 7 最後に、電子投票の第 2 分類・第 3 分類の導入の可能性を検討する。 この点、早稲田大学政治経済学部の松本保美教授は、「究極の選挙制度」として、インターネッ トを利用した電子投票に期待する。松本教授は、選挙制度改革の三本柱は、①1 票の重さの不平 等、②投票率の低下、③投票結果の信憑性とする。機械的に処理する自動化された選挙制度シ ステムを考えると、1 票の格差是正の問題は、選挙区割りや定数の自動的・機械的変更、あるい は、あらかじめ決められた一定得票数を上回る票を集めた候補者を当選とするという問題に置き 換えられ、これが実現すれば、選挙制度は、その時その時の政治情勢から独立し、事前に決めら れたルールだけに従う自律的システムとなるという。これにより、①の問題は、ソフトウェアによる 格差是正という次元に置き換える。また、在宅投票システムの採用により②の問題を、機械的作 業により③の問題を解決できるという。 そして、インターネットを利用した選挙制度のデメリットについて、有権者への買収・脅迫による 自由意思での投票阻害、投票の秘密保持、選管の作為操作、セキュリティを挙げているが、これ らは対策可能という。すなわち、自由意思阻害については、テレビ電話・携帯電話等の利用で、抑 止できるという。次に、投票の秘密保持については、投票したという証拠だけを残して、それ以外 の記録を消してしまうソフトの開発により対応できるとする。また、選管の作為については、情報の 公開制度により抑止するという。そして、セキュリティ、換言すれば、ハッカーやウィルス対策につ いては、これを完全に防ぐ手段がないが、これらによりシステムが侵害されても、その後復旧して から再度投票をすることは可能であるという。 しかし、松本教授のデメリットに対する対策案は、技術的に期待可能性を欠く点も多々見られ、 憲法 15 条 4 項が、秘密選挙を保障しているのに対して、これへの対策を技術面に委ねるのは妥 当性を欠く。さらに、セキュリティ対策がもっとも、重要な問題であるのに対して、これに対する意 識が甘いとも思える。 確かに、投票率の低下に対する策として、在宅投票システムが大きな意義を有することには異 論はない。しかし、これを求めるあまり、選挙全体の公正を危険にさらすことは本末転倒の感は否 めない。 さらに、現行の公職選挙法では、投票箱ないし電磁的記録媒体とともに、投票録や選挙人名簿 又は沙本も開票所に送致することが定められている。そのため、ネットワーク経由で投票データが 送致されたとしても、他のものが届かなければ、開票作業は開始できないようになっている。とす れば、第 2・3 分類の電子投票を採用するには、公職選挙法の改正が必要条件となる。 よって、技術的問題からして、第 2・3 分類の電子投票を採用するには、セキュリティの問題を解 決することは難しく、採用には消極的にならざるをえないと考える。 7 おわりに 以上で、電子投票について、概観し、検討を加えてきたが、電子投票は、従来の選挙制度を大 きく変える可能性を有するものとして、重要な価値があるものだと思った。一方で、電子的手法を 利用することの危険性も否定することはできず、これに頼りすぎることも危険であるとの印象もあ る。 8 選挙は、民主主義の根幹を支えるもっとも重要なものであり、これを電子的手法で利便化する ことには、一定の躊躇があって当然で、かなり慎重になされることが期待される。 以上 【参考文献】 夏井高人ほか 「IT ビジネス法入門―デジタルネットワーク社会の法と制度―」(TAC 出版、2010 年) 湯浅墾道 「電子投票の諸問題(判例タイムズ 1169 号 118 頁)」(2005 年) 岩崎正洋 「eデモクラシーと電子投票」(日本経済評論社、2009 年) 松本保美 「理論とテクノロジーに裏付けられた新しい選挙制度」(木鐸社、2003 年) 白井均ほか 「電子政府最前線―こうすればできる便利な社会」(東洋経済新報社、2002 年) 太田幸夫 「可児市議会議員選挙無効判決(判例タイムズ 1245 号 285 頁)」(2007 年) 9
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