平成 26 年度派遣留学生 留学成果報告書 リーズ・ベケット大学(イギリス) 経営学部国際経営学科 12MI184 山沢 雄大 私の留学生活 この度、九州産業大学から Leeds Beckett University に派遣され、イギリス 国内で派遣留学生として約半年間の生活並びに大学生活を過ごしたことによっ て得た、生活面での習得および学業面での成果をここに報告します。 はじめにイギリス国内での日常的な生活に関してですが、概ね問題なく過ご すことができました。大方の懸念であった食事に関しては事前にイメージして いたよりもだいぶ良く、毎食のように頭を思い巡らすこともありませんでした。 しかし、私がとった食事はというと、フライドチキンやシンプルなパスタ、ス テーキなどで、日本で慣れ親しんだ食事をとることはほとんどありませんでし た。寮からバスで45分ほど行くと、シティセンターに出ることができ、ここ では日本食に近い食べ物を買うことができました。店の名前は「わさび」と言 って寿司や日本的なカレーライスを食べることができました。値段は少々張り ますが日本食が恋しくなった時はよく利用しました。寮内での生活については というと当たり外れが強い印象です。というのも日本国内で想像していた寮と は少し違っていたからです。まず寮の大学職員の方が私たちに関与することは ほとんどありませんでした。あるフラットがうるさくてもやかましく注意する ことはほとんどなかったですし、大学生=大人という価値観の元で職員の方は 動いている印象です。私のフラットも可もなく不可もなくといった感じで、両 隣が大きめの音楽をよく聴いていたため何度か話をしに行ったことがありまし た。英語力が低くてもよく話し合うことが重要だと実感した事柄の一つです。 日本にいると体験できない細かなマイナートラブルも幾つか経験しました。一 つは共用のランドリーが急に止まってしまったことです。原因は不明ですがそ の時、私はたまたま寝具一式を洗濯していたため洗剤混じりのシーツなどを手 で洗い、洗濯機が使えるまで室内で干す羽目になってしまいました。もう一つ はバスが一本まるまる来なかったことです。遅れるということは日本でもしょ っちゅうですが、来ないということはそうそうありません。日本での普段の生 活から日本人の国民性を少し垣間見ることができました。 次に派遣先大学および国についてです。この留学生活は私にとって初めて訪 れる国で長期間生活するというとても貴重な体験となりました。イギリスとい う国は日本と同じ島国で皇室を共に持っている国ですが、日本とはだいぶ違っ た印象を持ちました。国民性は日本人以上にフレンドリーで、よりオープンな 面持ちをしていると感じました。リーズに位置する Leeds Beckett University という大学は私にとって初めての海外の大学だったわけですが、とても国際色 豊かな大学でした。共に勉強した学生たちの出身国はというと、中国、オマー ン、サウジアラビア、キプロス、パキスタン、バーレーンなどで、日本の大学 で勉強していたら接することのできない国の出身者ばかりでカルチャーショッ クを度々経験しました。キャンパス自体もとても伝統的な作りになっており、 イギリスで勉強しているのだなと感じるには十分な環境でした。 肝心の Leeds Beckett University 内で受けた講義内容等についてです。大き く三つに分けられた講義を週に複数回に及んで受けることができました。 English Skills 1 では文法を始めリーディング、リスニング、スピーキング、ラ イティングなど様々な方向から英語に向き合い、私自身の英語力を高めること ができました。講義中は英語以外の言語を話してはいけないなど幾つかのルー ルが定められており比較的快適に講義を受けることができました。中でも Synthesis Assessment(リーディングおよびライティング関連のテスト)に関 わる時間は私にとってとても有益なものとなりました。複数回の練習ののち、 最終的なテスト内容は三つの記事を事前に読み、テスト時間に出される一つの 問題に対して自分の意見を含まずにエッセーを書き上げるというもので、この 際にはどの記事から参照したのかをも含まなければならず学問的英語を知るい い機会になりました。今後の九州産業大学からの派遣留学生にとってもいいプ ログラムだと感じました。Living in Britain では毎週 200 ワードの課題に加え て最終的には 3,500 ワード以上の課題をこなすことができました。二年次に受 けた Domestic Job Training がこの課題をこなすのに大きく役立ったと思いま す。派遣留学とは直接関係はないのですが、最終的に派遣留学生になるために もこの講義を受けることを後輩の方々には強くお勧めします。World of Work ではグループでポスターおよびプレゼンテーション用のパワーポイントを作成 しました。おそらく三つの講義の中で最も苦労した講義と言えるのではないか と思います。国も性別も違う環境の中でグループ全体として課題をこなすのは 非常に大変でしたが、この講義を通して相手の意見を聞く大切さと、反対に自 分の意見をしっかりと言うことの重要性を肌で感じました。 最後に後輩の方々へのアドバイスです。まず始めに話の腰を折るようですが、 急激な英語力の向上は望めないと思っておいたほうがいいと思います。私自身、 約半年間イギリスで過ごして幾分かの英語力の向上は見られましたが劇的に英 語力が向上したとは思えません。それ以上に短期間ではありましたが一人で海 外に住むことの重要性に気付けたと思います。昨今、学生たちは内向きと言わ れ海外に出たがらないと聞きます。確かに日本国内で四年間みっちりと大学生 活を過ごせば多くの経験をすることができると思います。ですが、短期間であ っても海外で生活すればそれ以上の素晴らしい経験をすることができると思い ます。 以上 平成 26 年度派遣留学生 留学成果報告書 リーズ・ベケット大学(イギリス) 商学部第一部商学科 12CC072 小倉 明子 私は派遣留学を通して、語学力はもちろん、忍耐力や友情を得ることができ ました。留学に行く前の私の英語力は大変乏しく、海外で生活するなんて考え られませんでした。しかし、4 か月間イギリスで過ごすことにより、まだまだ スピーキング力は低いですが、リスニングはかなり上達したと実感しています。 私が通ったリーズ・ベケット大学は、スポーツで有名な大学だそうです。キ ャンパスは 2 つあり、私が通ったヘディングリーキャンパスはスポーツ施設が 整っており、ジムやテニスコートなどを利用することができます。シティキャ ンパスで授業を受けることはなかったのですが、フレッシャーズウィークでの 説明会などは頻繁にシティキャンパスで行われました。また、どちらのキャン パスの図書館も 24 時間利用できます。 授業は 1 クラス 28 人で行われましたが、全員が揃うことはありませんでし た。私のクラスは IELTS のスコアが 4~4.5 の生徒のクラスでした。授業では 文法を学ぶだけでなく、ディスカッションやプレゼンテーションを行いました。 授業を通して感じたことは、留学生の授業に対する積極性の強さです。日本で の英語のネイティブの先生との授業では学生が発言せず、先生が戸惑ってしま う場面をよく目にしますが、ここではそのようなことは全くありませんでした。 これは国民性なのかもしれませんが、中東や中国出身の学生がとても積極的に 発言していて、圧倒されました。しかし、その反面、彼らは平気で授業に遅れ てきたり、授業中に iPhone で遊んでいたりして、少し授業の妨害ともいえる ような行動をとっていたり、意見を交換するときや問題を指摘されたときに、 他人の意見を受け入れないようなところが見えました。福岡で暮らしていて、 中東出身の方々に会うことは非常に稀で、ましてや、共に何かを成し遂げてい く機会などありません。なかなか大変ではありましたが、彼らと一緒にグルー プワークをしたことによって、その人々それぞれに応じた柔軟な対応力が身に ついたと思います。 寮ではイギリス人の女の子 4 人と 1 フラットを共有しました。私が過ごした Kirkstall Brewery は新入生が多く、毎晩騒がしかったです。また、しょっち ゅう火災報知器が鳴るのも嫌でした。建物は新しくなかったのですが、特別困 ることはありませんでした。しかし、部屋に備え付けてある洗面台の水が止ま らなくなったり、シャワーの排水溝の流れが悪くなったりというちょっとした 不便さなどはありました。私の入寮の手続きにおいて、システム上で問題が発 生したのですが、レセプションの方が親身に対応してくださり、心強かったで す。Kirkstall Brewery には係りの方が 2 人いたのですが、そのうちの1人が 日本に留学経験のある方で、何か問題や相談事があった時はいつでも来てね、 と声をかけていただきました。システムの問題が発覚した時は、もしかしたら 寮から出なければならないのかなどとても不安でしたが、彼女のおかげで緊張 もほぐれました。 私がこれからリーズに派遣留学する皆さんに強く勧めたいのがグローバルカ フェです。これは週に 1 回、クリスチャンを中心にシティキャンパスで行われ るクラブ活動のようなものです。毎週、ゲームやイベントが企画され、語学や 文化を学ぶことができます。また、月に 1 度ほど、週末に田舎のほうへ行くイ ベントが開催されることもあります。これの参加者はだいたい、リーズ・ベケ ット大学に通う留学生です。ある週のイベントでは自分たちの国の遊びやダン スを紹介しました。私は折り紙を紹介し、ルーマニア人の友達はダンスを、イ ンド人の友達は伝統衣装を紹介しました。また、別の週のインターナショナル フードがテーマの週では、参加者が自国の食べ物を持ち寄りました。私は日本 人の友達と 3 人でお好み焼きを作って持っていきました。私はこのグローバル カフェを通してたくさんの友達を得ることができ、そして、その友達を通して 多くの貴重な体験、経験をさせてもらいました。ここで出会った友達と一緒に 他大学のイベントに参加してみたり、旅行に行ったりしました。帰国後も連絡 を取り合っていて、将来、それぞれの国に遊びに行くと約束をしています。ま た、グローバルカフェで得た友人は学生だけでなく、運営側の人もいます。こ れは運が良かっただけなのですが、仲よくしてもらった運営側の人たちと、私 が住んでいた寮が近かったのです。放課後や週末にはお家にお邪魔して、ご飯 を御馳走してもらったり、一緒にお菓子作りをしたりしました。地元の人たち と過ごすことで、学生と過ごすだけでは知りえなかった知識を得ることができ ました。 また、今回の留学は私にとって、宗教について考えるとても良い機会となり ました。私は今まで日本で生活していて、宗教について深く考えたことはあり ませんでした。しかし、イギリスで出会った友達はイスラム教徒やヒンドゥー 教徒であり、彼らが制限されているものや考え方はとても興味深く、もっと宗 教について知りたいという気持ちが強くなりました。 この 4 か月間、私は様々なことに挑戦、体験する機会に恵まれていました。 もちろん、運が良かったのもあるのですが、これは私が積極的に様々なグルー プにどんどん飛び込んでいった成果でもあると自負しています。一人で知らな い団体や、何か新しいことに飛び込むのはとても怖くて不安で、勇気がいりま す。もしかしたら、嫌な思いをすることもあるかもしれません。しかし、それ 以上に得るものがあります。たった 4 か月しかイギリスで過ごすことができな いけれど、たくさんのことを経験したいという気持ちと、自分は留学生だから 何か失敗しても仕方ないという半ば開き直りのような、失敗を恐れない気持ち で挑んだこの派遣留学で過ごした時間や得たものは私の一生の財産です。 以上
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