私に「歯科」できない人生 - エイチ・エムズコレクション

し か
私に「歯科」できない人生
エイチエムズコレクション 月刊インタビューNo.3
2013.2 月
愛される秘訣は「肩の力を抜き、すべてを享受すること」
エイチエムズコレクション取 締 役 歯科臨床予防マネジメント専任講師 歯科衛生士 濱田智恵子 さん
北から南まで、クライアントは全国津々浦々。そしてどこに行っても、
「はまちえコール」が止みません。技術を指導する傍ら、スタッフのモチベーション
にも火をつける濱田智恵子さん。優しく照らしてくれる灯火のような笑顔の奥には、
まばゆい程の使命感と、人生を上手に楽しむ秘訣が隠れていました。
(インタビュー&文 フリーアナウンサー 栂安亜紀)
「人前は苦手でした」
何を隠そう、私は超がつくほどの恥ずかしがり屋でした。
出身は東京墨田区。下町情緒漂う町で、3つ下の妹が喜んで神輿を担ぐのに、
私は恥ずかしい。人前で話をするなんて、考えられなかったんです。
それが今や年間200回近く人前で話し、全国行脚するなんて、人生どうな
るのかわからない。でも、今でも人の書いた文章などは読もうとすると上手
に出来ません。人前で話をすることができるのは、自分の伝えたい想いが
ちゃんとあるからこそだと思います。
「あなた自営業の娘?」
幼少期の智恵子さん
よく聞かれます。「歯科医院の娘じゃないでしょ、あなた自営業の娘さん?」って。
自分でも、これ自営業の娘の発想だなぁと思う時、あります。
昔、近所に干物屋さんが数軒あって、祖父が私に聞くんです。「智恵子。この店と、あの店。
どうして客の入りがこんなに違うと思う?」って。そこで小学生なりに必死に考えるんです。
そうすると見えてくるものがある。このお店の人は笑顔で対応しているなとか、あのお店の中
は掃除が行き届いていないなとか。そうやって自分で考える癖がついたのだと思います。
今まさにマーケティングの仕事もしていますが、幼少時代の祖父の教えこそ、私の礎ではない
かと感じています。
「お大事に」 言葉の温かみに触れて
最初の憧れは薬剤師。薬局で「お大事に」と優しく言われ、薬剤師になりたいと思うようにな
りました。単純です(笑)。でも、もっと人とコミュニケーションをする仕事がいいのかな、歯科
衛生士という仕事があるけれど、あまり知られていないからこそ何だか惹かれる!
そうして選んだのが、自宅からほど近い東京都歯科医師会付属歯科衛生士専門学校でした。
週に6日、2年間通学し、念願の国家資格取得。余談ですが、成績は真ん中辺り。
「ほら成績トップだと、燃え尽きてその後勉強しなくなるかもしれませんからね」(笑)
21歳の女性患者との出会い
無事に衛生士学校を卒業し、就職先は額関節症治療で有名な中沢歯
科医院(東京都錦糸町)でした。ここで担当したある女性のことはよく覚
えています。重度の侵襲性歯周病でした。
暗くて自信がない表情。私も丁度同じ年齢でしたから、その辛さは
よくわかりましたね。一緒に頑張りましょうと励ましながら1年半
通院してくれました。人前で笑えないと言っていた彼女が、どんど
ん明るくなっていく。それは、本当に嬉しかったです。
中沢歯科医院には7年間お世話になりました。毎月の勉強会で
症例発表があり、準備は大変でしたが、人前で話す力も養われ
ました。今思うと、すべてが良い勉強でした。掃除もすべて。
嫌だなと思う仕事はありませんでした。
衛生士の理想と現実のギャップ?それも、ありませんね。
何事もこうではないといけない!とは思わず、何でも OK!
そうやって肩の力を抜いているからこそ、普段から苦しいと
思う事が、ほとんどないのかもしれません。
北原副社長、濱田社長(前)、濱田智恵子さん(後)
「出来ているよ」 これが私の使命です
その後フリーランスとして1年間、2つの医院でアルバイトを
していました。そんな時、エイチエムズコレクションの濱田
真理子社長に声をかけてもらいました。社長の第一印象は、
オープンで何でもいらっしゃい!というお姉さん(笑)。
一緒に仕事をしていくうちに、社長の弟さんとも知り合い、
結婚することに。まさか、社長と家族になるなんて。人生の巡
り合わせって不思議です。
今、様々な医院で技術指導を行う機会が多いのですが、
スタッフを見ていると、自分が出来ているのか出来ていない
のかわからない、だから自信が持てないという悪循環を感じ
ることがあります。
そこで同じ衛生士という立場で、また医院の外にいる人間で
ある私に求められているのは「ちゃんと出来ているよ」と教
えてあげる事ではないかと。
人って、何か一つ得意なものがあると頑張れるのですよ。
だから、コンサル先では、出来ない事を指摘するよりも、
「出来ている事を評価する。」それが私のコンセプトです。
コンサル先からの手紙はパワーの源
衛生士ほど素敵な仕事はないと本気で思います。
実は私の母が62歳で肺がんを患い、発見時には転移も見つかりステージ4。突然の出来事
に衝撃を受けました。母と自分を重ね合わせ、私も元気でいられるのは、あと20年位なの
かなと。一度の人生。死ぬ時に人生楽しかったと思いたい。やることはやった、頑張ったと
思いたい。だからこそ、今を大切にするべきだと思うんです。
私、歯科衛生士ほど素敵な仕事はないと思っています。だって調子の悪いところが良くなり、
「ありがとう」と言われる仕事です。娘にも是非勧めたいと思う程、誇りを持っています。
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