被災地の祭を皆の力で復活させよう!

2012 年 7月1日発行
(1、4、7、10 月の 1日発行・年 4 回)通巻1137 号 昭和 26 年11月 24 日 第三種郵便認可 ISSN1340-6442
1137
Vol.
△
2012 July
©日本ユネスコ協会連盟
Contents
2
[特集]
東日本大震災
文化復興支援、奨学金支援 ほか
被災地の祭を皆の力で復活させよう!
被災地の祭を絶やしてはいけない。祭は人びとの気持ちをつ
なぐ故郷の証だから。
5 月初旬、宮城県石巻市旧雄勝町の 3 つの浜で、春の例大祭が
6
第 3回「プロジェクト未来遺産」
授賞式レポート
日本テトラパック社と日本ユネスコ協会連盟の協力で復活した。
7
ESD 国際交流プログラム
立浜では太鼓の音に合わせて神輿が巡行し、仮設の舞台の脇に
8
理事会・評議員会報告、AFUCA 執行委員会
鎮座して、舞台で繰り広げられる法印神楽の奉納を見守った。
9
被災地・岩手から
「伝統を未来につなぐ」チャリティイベント
復興という神輿を担ぎ、浜で神楽を舞うのは被災した氏子の
人びと。仮設住まいの人や故郷を離れていった人も、この日、神
10
お知らせ・募集
楽を見ようと故郷に戻ってきた。各地のボランティア団体が、
12
世界遺産『平泉』
これまでとこれから
出店という支援物資をもって祭に花を添える。復興の象徴とし
13
寺子屋のいま アフガニスタンから
ての雄勝法印神楽。蒼天のもと、被災した人びとはしばし悲し
14
2011年度 海外支援報告
みを忘れ、神楽を見ながら笑いと興奮の中に身を委ねた。
16
世界遺産の現場 デルフィの古代遺跡
被災地の祭を皆の力で復活させよう!(詳細は p.2)
東日本大震災
伝統芸能を通じた地域コミュニティ再生への挑戦
宮城県
石巻市雄勝町
宮城県
仙台市
2
石巻市雄勝町
岩手県
宮城県東部沿岸部にある石巻市旧雄勝町。震災後 1 年 2 ヵ
月を経たいまも、雄勝小学校の校庭は高い瓦礫の山に覆わ
れている。震災前はウニやホタテ、カキ漁などが盛んな港
町だったが、町の 90%が大津波に襲われた。
いまも町の人口 4300 人のうち、約 3000 人が石巻市内や
周辺の仮設住宅で暮らす。雄勝小・中学校は間借り校舎で
再開したものの、転校を余儀なくされた児童・生徒は少な
くない。復興に向けての展望はなかなか見えてこない。
雄勝町が誇る国指定の重要無形民俗文化財「雄勝法印神
楽」
。津波は無情にも、神楽面、太鼓、笛、衣装などのほとん
どを持ち去った。しかし、
「なんとか神楽を復活させたい!」
-雄勝の人びとの強い思いに打たれ、日本ユネスコ協会連
盟は日本テトラパック株式会社の協力を得て、昨年秋から
お面の復刻、神楽用具の支援を行ってきた。そしてついに 5
月、3 地区の浜で春の例大祭の実現にこぎつけた。大須地区・
桑浜羽坂地区・立浜地区で復活した祭のようすを報告する。
海に浸かって勇壮に神輿を担ぐ
大須地区
5 月 5 日(土)
。午前 8 時、宮守の佐藤さん宅より神
饌を三方に乗せ、宮司を先頭に列をなして八幡神社へ
向かう。境内では、震災後初の例大祭を心待ちにして
いた観衆と神輿の担ぎ手、お囃子担当などがひしめい
ている。9 時、神事(神前に祈りを捧げること)の後、
ご神体を神輿に移して地区内を巡行する。江戸時代の
文久年間より伝わる神輿は、ここ大須の宝であり誇り
会場が一体となって神楽を楽しんだ
桑浜羽坂地区
5 月 9 日(水)
。午前 9 時、鎮守の社、白銀神社で神
事が始まる。11 時頃から湯立神事、それから午後 4 時
まで神楽の奉納が行われた。
祭が始まると人びとが続々と集まってきた。震災前
は 150 人ほどだったが、今年は約 200 人もの人が集
震災後に生まれた赤ちゃんが出演
立浜地区
5 月 13 日(日)
。立浜は最も甚大な津波被害を受け
た地区だ。神楽を開催していた会館が流出したため、
跡地の浜辺に舞台やテントを設営しての開催となっ
た。早朝から港の臨時駐車場に車が続々と集まってく
る。震災前は 150 人ほどだったのが、今回は全国から
のボランティアも含め 300 人以上の大入りとなった。
立浜地区。復興の象徴として「産屋」に出演した赤ちゃん
である。海岸では肩まで海に浸かり神輿を担ぐ勇壮な
姿に、大きな歓声が沸いた。
昼頃、
宮守宅に神輿が鎮座した。湯を沸かして神事を
行う湯立神事に続いて、神楽奉納。神楽舞台の真正面
に神輿が鎮座する。参加者は例年は 200 人ほどだが、
今回は約 500 人もの人が集まった。トリの演目「日本
武尊」で鬼女が櫓の天井に仁王立ちになった瞬間、会
場の熱気は最高潮に。
「来年もこの地で神楽を見たい」
。
誰もがそう思ったに違いない。
まった。仮設住宅で暮らす人たちは再会を懐かしみ、
近況を語り合っている。笛や太鼓に合わせて踊る人、
曲を口ずさむ人、舞台に駆け寄る子どもたちなど、心
から神楽を楽しむ人たちの姿があった。
地元の子どもたちも舞台に上がり、綱引きのように
紐を引いて神楽に参加した。会場からはやんやの応援。
震災直後には考えられなかった光景だ。
9 時過ぎに神輿渡御が始まり、湯立神事の後、お昼
から午後 5 時頃まで神楽 8 番が奉納された。
「産屋」と
いう演目では、1 歳足らずの赤ちゃんが神楽師に抱か
れて出演。
「皆さん、3 月 11 日には津波から必死で逃
げたと思います。その中に身重の女性がいて、皆でと
ても心配したことを覚えているでしょうか。彼女から
無事に産まれたのがこの子です。この子は雄勝町の発
展を担う復興の象徴です」
。
神楽師の言葉に何人もの人が涙をぬぐった。
「雄勝法印神楽」は地区毎に少しずつ異なる特徴を持つ。しかし、いずれの地区でも神楽が地元の人たちの生活の一
部となり、絆となっていることに変わりはない。今回の春祭の開催支援は、震災でバラバラになり復興への道を模索す
る雄勝町の人びとにとって、コミュニティ再生への手がかりとなっただろうか。地域文化で復興への原動力を生み出し
てゆこう。挑戦は始まったばかりである。この法印神楽復興への道のりを例に、日ユ協連では、伝統芸能を通じたコミュ
ニティ再生への挑戦を描くドキュメンタリー映画の制作にも取り組んでいる。完成予定は9月末。ご期待ください。
ユネスコ 2012.7
2012 年 5 月 14 日( 月 )付 の 朝 日 新 聞「 私 の 視 点 」に、松 田 昌 士 会 長 の 投 稿 記 事 が 掲 載 さ れ た。
被 災 地 の 子 ど も た ち が 直 面 し て い る 現 状 を 伝 え、継 続 的 な 就 学 支 援 の 重 要 性 を 訴 え て い る。
ここに改めてその全文を掲載します。
被災地の就学危機
奨学金と雇用で親を支援
日本ユネスコ協会連盟会長 松田 昌士
「子どもたちには、お金の心配はさせたくない」
。
小中学生をもつ親の多くは30 代、40 代の若い世代
東日本大震災の被災地で、我が子の寝顔を見つめな
だ。彼ら、彼女らはまた、本格的な復興へ向けての中
がら、そうため息をついている親御さんは多いに違い
核世代でもある。教育費への不安を軽減し、復興へ向
ない。
けての前向きな意欲を下支えすることは、社会の要諦
震災で仕事が失われ生計が立たなくなった家庭に、
といえる。就学支援が必要なゆえんである。
子どもの養育費は重くのしかかる。国は昨年度、補正
そのために、政府に迅速な雇用対策を求めたい。
予算で特例交付金を決定。経済的な理由で就学が難
まずは親たちが仕事を得て、安定した収入を得ること
しくなった世帯の子どもに、給食や通学費などを援助
こそが、問題解決への正道だからだ。また、メディア
するとした。対象は小中学生だけで約 3万 9000 人に
には就学支援の危機をきちんと報道してほしい。危機
達する。
を認識すれば、支援の輪がさらに広がるはずだ。
ただ、子どもにかかる費用はそれだけではない。
奨学金事業実施団体の連絡会議も有益だろう。
衣服や本も買わなければいけないし、育ち盛りの子ど
震災後、被災した子どもを対象にさまざまな奨学金
もに食費は欠かせない。にもかかわらず、失業保険が
が新設されたが、その全体像、実態は明確ではない。
切れても新しい仕事が見つからない家庭では、手元の
連絡会議で整理して情報を発信すれば、利用希望者
お金は減るばかりで、やりくりは厳しい。
の使い勝手が格段によくなるに違いない。
家庭の経済環境を回復できるか否かが、子どもの
苦境にある人を助けて生きていくことは、平和社会
教育を大きく左右する。奨学金が非常に重要になって
構築の原点だと思う。
「この子のために頑張ろう」と誓
いる。気仙沼市の教育長のこの訴えを受け、私たちは
う親たちをどう支援
昨年10月、ユネスコ協会就学支援奨学金を新設した。
するか。それが就学
毎月2 万円を 3 年間 給 付。社 会 全 体 で 被 災 家 庭
の危機を救い、ひい
の教育を支えるというコンセプトに、多くの企業や
ては平和な日本社会
個人から賛同をいただき、約 2000 人の小中学生に
の 構 築につな がっ
返還義務のない奨学金を給付できるめどがたった。
ていく。そう信じて
しかし、これだとまだ全体の5%にすぎない。
いる。
「未来の気仙沼のことを考えたい」
地元のことについ
~ユネスコ協会就学支援奨学生たちはいま~
ては「去年はできなかったお祭やイベントが今年は実施さ
4 月に中学校に進学したばかりの山本ユリさんとエリさ
さん。毎年楽しみにしていた夏の「港まつり」も今年は開催
ん(仮名)は、気仙沼市内に住む双子の姉妹だ。震災から
1 年が過ぎたこの春、新しい学校生活や気仙沼への思いに
ついて聞いてみた。
「いちばん楽しいのは、休み時間に友だちといろいろお
れると聞くと、復興してきているのだなと感じます」とユリ
が決まり、学校の皆と行くのを楽しみにしているそうだ。
「気仙沼が震災から復興するため、いま、自分たちにで
きることは?」と聞いてみると、ふたりはじっと考えて、
こう答えてくれた。
しゃべりすること」とエリさん。ふたりとも小学校のとき
「未来の気仙沼について考えることだと思う。10 年後の
はブラスバンド部で活動していたが、中学校では新しい
気仙沼を背負っていく人間として、私たちが考えるだけで
ことにチャレンジしようとテニス部に入った。早く上手に
も復興のためになるかな。早く漁業を再開して皆、笑顔に
なって、試合に出たいと意気込んでいる。
なってほしい」
。
ユネスコ 2012.7
3
東日本大震災
MUF G・ユ ネ ス コ 協 会 東 日 本 大 震 災 復 興 育 英 基 金
子どもたちの未来を支える奨学金
MUFG・ユネスコ協会 東日本大震災復興育英基金奨学金は、東日本大震災で両親もしくは片親を亡くした小学生から
高校生までを対象にしている。今年度は新1年生を含む約100 人の遺児 ・ 孤児が奨学生の仲間に加わる予定である。
奨学生たちの置かれた現状から、今後の課題を探りたい。
初年度は1233 人が奨学生に
奨学金を立ち上げた初年度(2011年度)は、1233 人の
奨学金受給者世帯の平均で 308 万
奨学生に対して4 億1900 万円を給付することができた。
円。世帯主の年齢などが異なるた
奨学生が多いのは、岩手県では沿岸の陸前高田市、
め単純に比較はできないが、全国
釜石市、山田町、大船渡市、宮古市、大槌町。宮城県では、
平均の 697. 3 万円(2011 年度の
やはり海岸に面して人口の多い石巻市、仙台市、気仙沼
児童がいる世帯/厚生労働省)と
市。また福島県では相馬市、南相馬市となっている。
比較してもかなり少ない。そし
奨学生の家庭状況としては、全
て、給与所得が収入源となってい
体 を 1233 人(100 %)と す る と、
る世帯は半数程度しかなく、主
母 子 世 帯 が 609 人(49. 4 %)
。父
たる収入は年金という世帯が多いこともわかった。ここ
子 世 帯 が 465 人(37. 7 %)
。父 母
からも遺児 ・ 孤児たちの切迫した経済状況が見えてくる。
以外が保護者となっている世帯が
今年度も新しく募集を開始した。安心して勉強に集中
159 人(12. 9%)という状況だ。
できる日がくるまで、教育の格差を減らすお手伝いを、こ
現在の年間の世帯収 入 額は、
の奨学金で実現していきたい。
奨学生を取り巻く環境は
〜保護者の声
奨学生の保護者の状況もさまざまだ。復興に向けての課題や子どもたちへ
の思いなど、お寄せいただいたご意見やメッセージをいくつか紹介したい。
大きな不安の中の小さな支えに
子どもたちに将来を選ぶチャンスを
◦「‌無職の私が、孫 3 人をこれから育てていくにあたって
◦「‌子ども 4 人を抱え、主人を亡くしてどう生きていった
不安はありますが、奨学金をいただけるととても助か
らいいか、とくに経済がいちばん不安でした。そんな
ります。本当にありがとうございます。
」
◦「‌震災後の大きな不安の中で、子どもたちを支える取
中でも、子どもには十分な教育を受けさせてあげた
い。親の思いや事情で子どもの将来を決めるのでは
り組みが始まったのは、私にも小さな支えとなりまし
なく、子ども自身に選択するチャンスを与えてあげた
た。行方不明のまま主人の死亡届を提出するときは
い。そう思っていたところ、この奨学金を受けること
何ともいえない気持ちでしたが、いまはただ前に進ま
ができ、心から感謝しています。
」
なければという思いだけです。
」
その他の復興育英基金プログラム
MUFG・ユネスコ協会 東日本大震災復興育英基金は、
バターづくりなどを体験してもらった。
上記奨学金のほか 3 つのプログラムから構成されている。
「花壇再生プログラム」では、学校の花壇を整備した。
2011年度のハイライトを紹介したい。
2011年度は岩手から福島までの小学校 5 校・中学校 1校
8月10 日(水)
・11日(木)
、仙台市で実施した「心豊
で、花壇の土の入れ替えや花苗の植え付け、植樹など、各
かな成長プログラム」は、気仙沼の先生たちを対象に、心
学校の要望に沿った花壇整備を実施した。
からリラックスして生徒たちに円滑な対応ができるよう
これらのプログラムに取り組んだのは、三菱東京 UFJ
研修を行った。また奨学生の交流としては、8 月に劇団四
銀行をはじめとした MUFG グループの社員の皆さん。京
季が被災地の学校で開いたミュージカル「ユタと不思議
阪神地方から参加した人もおり、ともに流した汗はきっ
な仲間たち」に、宮城と福島の奨学生を計 8 回招待した。
と学校の子どもたちの笑顔につながったに違いない。
11月には岩手県の奨学生を小岩井農場まきば園に招き、
4
ユネスコ 2012.7
東日本大震災 子ども支援募金 中間報告
2011 年 3 月 14 日にスタートした東日本大震災 子ども支援募金事業。被災地への協力が徐々に減ってきていると報
道されている。復旧が遅々として進まず雇用状況もなかなか回復しない中、日本ユネスコ協会連盟では奨学金事業
を中心に、本年度も支援を継続していく。
学校支援
いち早くスタートした学校への教材・備品・遠足の費
用などへの支援。皆さまに多大なご協力をいただき、岩
ユネスコ協会就学支援
親を亡くした子どもたちを対象とした MUFG・ユネス
コ協会 東日本大震災復興育英基金奨学金に続いて始まっ
た、奨学金事業のもうひとつの柱。それが、経済的に困難
な世帯の子どもたちを対象としたユネスコ協会就学支援
奨学金だ。この事業にも個人・企業・団体の皆さまから
手県 26 校・園、2 教育委員会、宮城県 73 校・園、福島県
45 校と、合わせて 144 校・園、2 教育委員会を支援するこ
とができた。本年度は、支援した物品などがどのように
使われているかを継続して調査する予定である。
引き続き厚いご支援をいただいている。2011 年度は岩手
県大槌町、陸前高田市、宮城県石巻市、気仙沼市、仙台市
の各市町で奨学金給付を行った。また 5 月末には、南三陸
町での奨学生も決定し、総計で 1535 人が奨学生となった。
3 月には、主要新聞紙上で就学支援を呼びかける広告
を掲載。今後は他の自治体でも奨学金事業を実施できる
よう検討していく。
学校以外の教育への支援
日本テトラパック社とトレンドマイクロ社よりご
支援を受け、岩手県洋野町(4 月)と宮城県気仙沼市
(5 月)に移動図書館車が寄贈された。これで移動図
書館車の寄贈は 5 台目となった。本年度は今後、気仙
沼市でのコミュニティ図書館建築が予定されている。
▲日本テトラパック社から岩手県洋野
町に寄贈されたテトラパック号
▲ト レンドマイクロ社から宮城県気仙
沼市に寄贈されたおおぞら号
力士会による相撲場支援
横綱白鵬関の呼びかけで現役力士の会「力士会」からご支援をいただき、岩手
県山田町に建設していた相撲場が 4 月 27 日(金)に完成した。8 月初旬には力士
会関係者が同町に赴き、式典を行う予定である。
真新しい相撲場に歓声が響くのも間近だ
なお、2011 年度事業を総まとめした報告書「絆の一年(仮タイトル)」が 6 月下旬に完成する。
3・11 鎮魂と復興の鐘を鳴らそう ~東日本大震災鎮魂と子どもたちの応援~
東日本大震災 1 周年の 2012 年 3 月 11 日(日)午後 2 時 46 分、犠牲者の鎮魂と子どもたちの
健やかな成長を願い、日本全国で平和(鎮魂)の鐘を鳴らした。同時に、ユネスコ協会就学
支援奨学金への協力を呼びかけた。ここでは、全国から参加した 30 のユネスコ協会の中か
ら、2 協会の取り組みを紹介する。今後も、全国各地のユネスコ協会から復興への希望の輪
を広げていきたい。
大分県ユネスコ協会連盟
広島ユネスコ協会
昨年度中は震災復興として大小 8 回の募金活動を行ってき
平和記念公園にある「平和の鐘」鐘楼前で「鎮魂の鐘」
た。3 月 11 日は、多くの団体が震災復興や生活支援などの呼び
を実施した。当日は、広島ユネスコ協会主催の「広島ユ
かけを行う中、高校ユネスコクラブの高校生たちとともに、大
ネスコ活動奨励賞」を受賞したクラーク記念国際高校の
分市中心部のアーケード内で街頭募金を実施。午後 2 時 46 分か
生徒や、記念公園の近隣にある市内本川学区子ども会の
ら黙祷を行い、県立芸術緑丘高校生徒 4 名によるフルート演奏
子どもなど約 100 名が参加し鐘をついた。また、同高校
で鎮魂と復興の祈りを捧げた。鐘を鳴らす代わりとして吹奏楽
の書道部が「繁」
「 想」と書いた紙に、参加者が被災地へ
を演奏する形となったが、多くの市民が足を止めて聴き入った。
のメッセージを寄せ書きし、被災地へのエールとした。
ユネスコ 2012.7
5
未来遺産運動
第3回「プロジェクト未来遺産」
授賞式レポート
2011年 12 月19 日(月)東京大学で未来遺産委員会を開催し、第 3 回
「プロジェクト未来遺産」として 10 プロジェクトの登録を決定した。
前号に続き、3 月に開催された 4 団体の授賞式のようすを紹介する。
ニッポンバラタナゴを守る伝統的な
溜池浄化法“ドビ流し”の継承
未来に遺す生きた鉄道博物館
〜100年レイル肥薩線への情熱 〜
NPO 法人ニッポンバラタナゴ高安研究会(大阪府八尾市)
3 月 10 日(土)
大阪経済法科大学ホール
人吉鉄道観光案内人会(熊本県人吉市)
3 月 17 日(土) JR 人吉駅 1 番ホーム
ニッポンバラタナゴは大阪府、奈良県、香川県の溜池
および九州北部の用水路など一部の水域に生息する希
少淡水魚。産卵床となる淡水二枚貝ドブガイが自然繁殖
できる伝統的な農業管理方法“ドビ流し”
と、高安地域の
生物多様性を継承するための活
動を続ける。
「多くの協働団体ととも
受賞の
声 に続けてきたニッポンバ
ラタナゴの保護活動が、100 年後
の子どもたちへ受け継がれるよう
実践していきます」
(加納会長)
伝統行事を支えていく
未来の担い手育成事業
春を呼ぶ会(三重県名張市)
3 月 10 日(土)
赤目公民館
関西に春を告げる「お水取り」
(東大寺二月堂修二会)
で使われる松明木を 760 年前より寄進している「伊賀一
ノ井松明調進行事」。後継者不足などの問題を解決すべ
く、伝統行事や地域文化を積極的に PR し、若者たちの
参加も進めていく。
「地域の伝統文化を未来へと継承するため、若
受賞の
声 者を中心に体感していただける事業を展開し、
郷土愛のある人材育成
に頑張っていきます」
(福本代表)
※今 回の授与式開催にあたって
は、地元の名張ユネスコ協会に
多大なご協力をいただいた。
JR肥 薩 線 は、明
治時代建造の駅舎
や鉄橋など、歴史あ
る鉄道施設が数多く
残る貴重な路線。人
吉鉄道観光案内人会
は、肥薩線を後世に
語り継ぐべく国鉄 OB らが設立。沿線の清掃活動などの
ほか、地元小中学生が肥薩線に乗車して鉄道遺産を案内
する「肥薩線こども塾」などを実施する。
「肥薩線は、明治期の鉄道遺産が完璧な姿で見
受賞の
声 られる『生きた鉄道博物館』。鉄道退職者を中心と
して、未来の子どもたちへ伝承していく新たな責任を噛
みしめています」
(立山会長)
いな おい がわ
さん ぼん ぎ
はら
稲生川開削と三本木原開拓の志を
活かし、共創郷土の伝統を未来に
「太素の水」保全と活用連合協議会(青森県十和田市)
3 月 18 日(日)
サンロイヤル十和田
太平洋に達する人工河川の稲生川開削と三
本木原開拓の志を伝承する―。人と自然の共生
や生物多様性の認識を深め、今後も美化活動、
自然観察会などを通して地域の発展を目指す。
「先人が育んだ稲生川の自然、歴史、
受賞の
声 文化を守り、開拓の志をここに住む者
の誇りとして 100 年後の未来へつないでゆき
たい」
(新渡戸会長)
特別協力/東日本旅客鉄道株式会社、レクサス
第3回
私のまちの
たからものコンテスト
授賞式
本コンテストでは、世界の人たちに伝えたい“私のまちのたからもの”をテーマに、子どもたち自
身が撮影した写真に文字やナレーション、音楽を組み合わせたスライドショーを募集している。
第 3 回の入賞作が決定し、3 月 26 日(月)東京で授賞式が開催された。受賞作品は、http://
www.unesco.or.jp/mirai/result/contest/003/ で公開中。
優秀賞 ◇ D-project 賞
最優秀賞 ◇日本ユネスコ協会連盟賞
鳥取県米子市立淀江中学校 2 年
いしくら な
な
み
おおやま み さと
おおむら も ね
まつなみ り
ほ
石倉菜々美、大山美里、大村萌音、松南里歩
作品名:
『よいとまかせ』
6
ユネスコ 2012.7
富山県氷見市立朝日丘小学校
4 年 1 組 23 名
作品名:『俳句でつづる 氷見の宝』
優秀賞 ◇あいおいニッセイ同和損害保険
株式会社賞
おのうえせい こ
もり や あゆ み
岡山県立矢掛高等学校 2 年 尾上聖子、守屋歩美
作品名:『柿干せば 人が集まる 山ノ上』
ユネスコ活動のひろば
第
2回
ESD国際交流プログラム
本プログラムは、三菱東京 UFJ 銀行の協力により、ESD の普及を目的として昨年始まった。2012 年 3 月 24 日(土)~
31日(土)の 8 日間、全国のユネスコスクールから作文コンテストによって選抜された 10 名の高校生が、ドイツ ・
ハイデルベルグとフランス ・ パリを訪れた。
環境保護活動は大勢を巻き込んで
た銅版の折り鶴、折り紙、ぼうずめく
〜ドイツ ・ ハイデルベルグで地元高校生と交流
り、けん玉、茶道、歌はどれも好評で、
ハイデルベルグでは、2008 年から
とき、必ずしもそうではないと、日本
IGH の生徒たちからも「素晴らしい
環境教育をテーマとして掲げるユネ
と IGH の生徒で共通の問題意識があ
1日が過ごせた」との感想が聞かれた。
スコスクール、International Gesamt-
ることがわかった。そして「一部の人
shule Heidelberg(IGH)を訪問。参加
だけでなく、皆を巻き込むことが一番
者は、自分の学校の ESD 活動を発表
の課題」という声が上がった。
し、現地の高校生と「学校でできる環
その後は、小グループに分かれて
境保護活動」をテーマに意見交換を
ハイデルベルグ旧市街を散策したり、
行った。環境のためにさまざまな工夫
お互いの文化を紹介するなど、大いに
が実践されている一方で、
「実際に効
楽しみながらの国際交流となった。日
果を上げているかどうか?」を考えた
本の高校生たちが出発前から用意し
海外で働く先輩たちに大いに刺激を受ける
〜フランス ・ パリでは UNESCO を訪問
ドイツの高校
生
(3/26 IGH と活発にディスカッション
にて)
帰国後、
「三菱東京 UFJ 銀行パリ支店
で聞いた『ギブアンドテイクとよくいわ
パリでは、UNESCO のイリー
使から、UNESCOおよび代表部の組織や
れるけれど、海外ではとくに、たくさん
ナ・ボコバ事務局長を表敬訪
役割の説明を受け、参加者たちは日本の
ギブができて初めてテイクが得られる』
問した。事務局長からは歓迎の
ESD への取り組みや「ESD の10 年」終了
という話は、とても勉強になりました」
言葉と、地球規模の問題解決の
後の方針について積極的に質問していた。
との感想も寄せられた。
ため ESD がいかに重要かとい
三菱東京 UFJ 銀行パリ支店では、支店
参加者たちは 4 月の新学期から、各校
う趣旨の挨拶があった。
長、副支店長をはじめ 7 名の日本人行員
内や地域で報告会を行っている。
ここでも高校生たちは ESD
と昼食をともにするという機会が設け
の活動を発表し、UNESCO 教育
られた。海外で働くために大切にしてい
局職員と意見交換を行った。そ
ること、勉強していてよかったことや、
して「高校生でも発信力を持
しておけばよかったと感じることなど、
ち、世界を変える何かができ
たくさんの質問に対して、どの行員も多
る」
「ESD で世界がつながれば
忙にも関わらず真摯に、しかし気さくに
いいと思う」
「 地球を大切に思
応えてくれた。その姿に、高校生たちは
うなら、まず自分の住む地域に
将来への希望をふくらませていた。
誇りを持つことから始めよう」
イリーナ・ボコバ
事務局長を囲んで
(3/28UNESCOに
て)
など、それぞれの思いを新たに
していた。とくに UNESCO の日
本人職員との懇談では、将来の
夢を語り合う場面もあり、ESD
の第一線で働く大人たちから、
あるいは仲間の言葉から多く
の刺激を受け、一人ひとりが表
情を引き締めていた。
また、UNESCO日本政府代表
部では木曽功大 使、門田公 秀
公使参事官に面会した。門田公
ユネスコ 2012.7
7
ユネスコ活動のひろば
東日本大震災 子ども支援募金の進捗
スコ協会の秋元会長は、ユネスコ協会
報告と今後の支援について寺尾次長
の支援活動について発表した。会場か
5 月 26 日(土)
、東京都で第 482 回理
より説明があった。松田会長より岩手
らは財政改善へのアイディアやユネス
事会を開催した。会員の入退会、2011
県連、宮城県連、福島県連に対して東
コスクールとの協力について多くの意
年度事業報告書(案)および収支計算
日本大震災ユネスコ協会応援金が贈
見が出された。
書(案)
、第 69 回日本ユネスコ運動全
呈された。
第 482 回 理事会
加盟承認された彦根ユネスコ協会、
国大会、東日本大震災 子ども支援募
太田原理事が日ユ協連の被災地支
平和の文化東京ユネスコクラブ、
ウィズ
金ユネスコ協会就学支援奨学金の選
援について感謝の意を述べ、気仙沼ユ
みえユネスコクラブに、松田会長より
考について説明があり、いずれも全会
ネスコ協会の佐藤副会長、釜石市ユネ
加盟証書とユネスコ旗が授受された。
一致で承認された。日本ユネスコ協会
連盟の事業報告(2012 年 1 月から 5 月
まで)などについて報告があった。
第 27 回 評議員会
新 構 成 団 体 紹 介
協会名:亀山ユネスコ協会
会員種別:構成団体-単位ユネスコ協会
議事に先立ち、松田会長より挨拶が
あり、ユネスコ協会就学支援奨学金へ
の募金協力を継続して呼びかけるこ
と、財政的課題の克服のため収入増を
会員数:30 名
代表者:明石 直大 設立年月日:7 月 22 日(日)
事務責任者:下村 千代美
事務局所在地:〒 519-0121 三重県亀山市江ヶ室 2 丁目 4-37
事業内容:
①亀山市の名所旧跡の維持保存に寄与し、後世に継承するため、環境・歴史・
教育を軸に活動する はかることなどを述べた。
第 26 回評議員会議事要録は、全会
一致で承認された。2012 年 1 月から 5
月までの事業報告および今後の日程、
②東海道関宿クリーンアップ、亀山市内文化遺跡の調査・資料作成 ③外国人との文化交流(日本文化の理解浸透)
④書きそんじハガキの回収、台風・震災等における募金活動(通年事業)
第 21 回アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟(AFUCA)執行委員会開催
第 21 回 AFUCA 執行委員会が、2012 年 5 月 1 日(火)
イクン)氏(韓国ユネスコ協会クラブ連盟会長)が就任。
~ 5 日(土)
、ネパール・カトマンズで開催され、日本ユ
これまで会長を務めてきた松田昌士日ユ協連会長は、
ネスコ協会連盟から野口昇理事長、大瀧太市監事らが
任期満了に伴い、名誉会長に就任した。AFUCA 事務局
出席した。
は引き続き日ユ協連が引き受け、野口理事長は事務局
今回の執行委員会では、4 年に一度の役員改選が行わ
れた。その結果、AFUCA 会長には柳在乾(ユー・ジェ
?
新会長ってどんな人
ユー
ジェイ ク ン
柳 在 乾 氏
(韓国ユネスコ協会クラブ連盟会長)
韓国ユネスコ国内委員会勤務を経て渡米。
韓国に帰国後、国会議員を 3 期務める。2009 年に韓国
ユネスコ協会クラブ連盟会長に就任。現在、韓国ユネス
コ協会クラブ連盟の主要事業のひとつが、世界遺産理
解促進プロジェクトで、世界遺産の意義を広く伝える
ことを目的に、学校の先生方を対象とした研修を行っ
ている。韓国には日本のユネスコ協会と姉妹協会の関
係にあるユ協も多く、日ユ協連にとっても関係の深い
国のひとつだ。
8
ユネスコ 2012.7
長を務める。次期執行委員会(2014 年)はタイで開催の
予定。
【AFUCA 役員名簿 】
[名誉会長] 陶 西平(中国)
李 平宇(韓国)
松田 昌士(日本)
ダムダール・タパ(ネパール)
[会 長] 柳 在乾(韓国)
[副 会 長] ディレンドラ・バトナガール(インド)
エジントラ・チョサクルチャット(タイ)
[事務局長] 野口 昇(日本)
[監 事] マフブディン・チョードリー
(バングラデシュ)
[加 盟 国] バングラデシュ、中国、インド、日本、
モンゴル、カザフスタン、ネパール、韓国、
ロシア、タイ、ベトナム
第3回
岩手県
岩手県の沿岸には、北から、
久 慈 ユ ネ ス コ 協 会、宮 古 ユ ネ
スコ協会、釜石ユネスコ協会、
大船渡ユネスコ協会、陸前高田ユネスコ協会がある。
たのは釜石ユネスコ協会だ。そのほか、釜石で支援を必要と
している無形文化財をご紹介いただいた。
大船渡ユネスコ協会では、震災の記憶を後世に残し、防災
に役立てようと、東日本大震災の体験を基に
1969 年に設立された久慈ユネスコ協会では、幸い会員に
した津波防災学習資料を発行した。題して
大きな被害はなく、今後の発展に向けて協会の若返りなどを
「津波はいつかまた来る」
。県内の小中学校に
図り通常の活動に励んでいる。宮古ユネスコ協会は、町が被
災した中、春休み期間中に駅前のデパートでいつも通り寺子
屋のパネル展を開催した。
配布している。
大きな被害を受けた陸前高田ユネスコ協会
は、
新年度よりユネスコ活動を再開しようと、
日ユ協連の学校支援や移動図書館車寄贈などで、釜石市
教育委員会や図書館とのコーディネートをやっていただい
徐々に企画を検討しているところである。
大船渡ユネスコ協会発行の「津波はいつかまた来る」
チャリティイベント“A Night to Support Children in Tohoku ”
5 月 25 日(金)
、
「伝統を未来につなぐ」をテー
さらにグッチは日本限定チャリティネックレス
マに、グッチ(GUCCI)と 歌舞伎役者の中村吉
を制作・販売し、売上げの全額をユネスコ協会就
右衛門氏がパレスホテル東京で標記チャリティ
学支援奨学金へご寄付いただいた。クリエイティ
イベントを開催。イベント参加費と寄付金はすべ
ブ・ディレクター、フリーダ・ジャンニーニ氏のメッ
て、ユネスコ協会就学支援奨学金にご寄付いた
セージをここに紹介する。
「このネックレスを通じ
だいた。チャリティオークションでは、UNESCO
て、被災地の子どもたちの教育支援に参加してく
スポーツチャンピオンの白鵬関も出品してくだ
ださることを願っています。教育は、すべての子
さった。
どもたちにとって永遠の贈りものなのです」
。
ユネスコ 2012.7
9
お知らせ・募集
お知らせ
●日ユ協連フェイスブックページ開設
決定。全国 45 校、2433 名もの子どもたち
●事務局人事(5 月1日現在)
がリーフレットづくりに取り組みました。
専務理事・事務局長:内田眞朗
受賞作品は、2 月にインターネット上で
日本 ユ ネ スコ協 会 連 盟 の 公 式 ファン
実施した一般投票と審査員による選考を
ページとしてフェイスブックを開設しま
経て決定。最優秀賞「日本ユネスコ協会連
事務局次長:寺尾明人
事務局参事:西片三栄子
【渉外部】
渉外部長:川上千春
した。活動のようすや現地の情報、トピッ
盟賞」には、
福岡県立城南高等学校 1 年(以
クスなどをいち早くお届けします。ぜひ
下すべて当時)澤野美咲さんと近藤美鈴
「いいね!」をクリックしていただき、多く
さんの作品が選ばれました。この作品は、
教育文化事業部長:寺尾明人
2012 年度の世界寺子屋運動「書きそんじ
主任:尼子美博/木村まり子
の方々との情報共有をお願いします。
【教育文化事業部】
◇問合せ:教育文化事業部
ハガキ・キャンペーン」の公式リーフレッ
職員:青山由仁子/鴨志田智也/本間雅
●民間ユネスコ運動の日
トの素案として採用される予定です。優秀
子/間辺初夏
夏のキャンペーンスタート
賞(D プロジェクト賞)には武田唯香さん
7 月1日(日)に、民間ユネスコ運動の日・
(富山市立中央小学校 6 年生)
、優秀賞(教
アシスタント:川西紗実/鈴木絢香
【組織部】
夏のキャンペーンが始動しました(8 月 31
育新聞社賞)には榮嶋千紘さん(奈良教育
組織部長:長倉義信
日(金)まで)
。7 月 19 日(木)の「民間ユ
大学附属中学校 2 年)
、優秀賞(紀伊國屋
主任:古澤真理子
※
ネスコ運動の日」
を含む夏の 2 ヵ月間、全
書店賞)には野村章子さん(富山市立中央
国各地のユネスコ協会がいっせいに、東日
小学校 6 年)が選ばれました。受賞作品は
本大震災ユネスコ協会就学支援などの募
ホームページをご覧ください。
金活動や、平和の鐘を鳴らそう!運動、平
◇問合せ:教育文化事業部
などさまざまなイベントを実施。平和を祈
り、平和について考える機会を社会に投げ
かけます。
◇問合せ:組織部
※民 間ユネスコ運動が世界で初めて仙台
に誕生した 7 月19 日を記念し、
「民間ユ
ネスコ運動の日」と定め、この前後に全
総務部長:佐渡谷浩司
「日本ユネスコ協会連盟賞」受賞作
和学習会、チャリティコンサート、講演会
職員:宍戸亮子/竹内梓
【総務部】
総務部副部長:関口広隆/ファイン荒井
千香子
職員:上岡あい/杉田研一/根本清美
アシスタント:佐藤麻衣
募集
●ユネスコ子どもキャンプ参加者募集
ユネスコ子どもキャンプが 8 月 9 日(木)
国でユネスコ運動の PR を行います。
から山口県で開催されます。青年が運営の
●第 68回日本ユネスコ運動全国大会 in高松
主体となるこのキャンプの参加者と、青年
直前情報と変更のお知らせ
スタッフを募集します。5 月、6 月のユネス
既に春号の付録で募集要項をお送りし
コ協会便に要項、申込書を同封しています
ていますが、標記全国大会が「つなげよう
平和の心 築こう平和の文化」を大会テー
●ブロック担当職員が変わりました
2012 年度より、事務局職員のブロック
ので、奮ってご応募ください。
◇日時:8 月 9 日(木)~ 12 日(日)
マに、9 月 15 日(土)
、16 日(日)の日程で
担当が変更となりました。各ブロックの取
※8 月 8 日(水)はスタッフ事前研修会
行われます。参加申し込みの締切は 7 月 31
り組みがより充実したものとなり、民間ユ
◇場所:山口県ふれあいパーク(山口県岩
日(火)となっていますが、大会開催日は
ネスコ運動のさらなる活性化につながる
三連休で人出が見込まれるため、早めのお
よう、引き続き事務局一同でサポートしま
申し込みをお願いいたします。
◇主催:日ユ協連、香川県ユネスコ連絡協
議会、高松ユネスコクラブ、高松ユネス
コ協会
◇会場:アルファあなぶきホ-ル(県民ホ
-ル)
◇変更点:
◦対談から鼎談となり平野啓子氏(日本ユ
す。新担当は以下の通りです。
[北海道]竹内梓[東北]宍戸亮子[関東]
上岡あい・杉田研一[中部東]本間雅子
国市由宇町)
◇参加対象:小学 4 年生~中学 3 年生
※ 青年スタッフもあわせて募集
◇主催:日ユ協連、山口県ユネスコ協会連
盟、岩国ユネスコ協会
[ 中 部 西 ]間 辺 初 夏[ 近 畿 ]木 村 ま り 子
◇問合せ:組織部
[中国]
鴨志田智也[四国]
宍戸亮子[九州]
●みどりの絵コンクール作品募集
青山由仁子
●第 8 回オールドパー 「 伝承の響宴 」
5 月 8 日(火)
、標記イベントが、4 月に
みどりの絵コンクールは「守ろう地球の
たからもの」プロジェクトの一環として、
三菱 UFJ 環境財団との共催で実施してい
オープンしたばかりの東京・渋谷ヒカリ
る絵画展です。子どもたちが描くことを通
◦パネルディスカッション・コーディネー
エホールで開催されました。同ホールで
じて自然に親しみ、自然の美しさ・大切さ
ターが山下邦明氏から竹内守善氏(香
開催されていた四代目 市川猿之助襲名記
を知ってもらうことを趣旨としています。
川県地域振興参与・地域振興アドバイ
念「二代目 市川亀治郎大博覧会」の最終日
第 37 回となる本コンクールの作品を募集
ネスコ国内委員会初代広報大使)
が出演。
ザー)に変更。
前日に行われ、二代目市川亀治郎としての
しています。応募先は三菱 UFJ 環境財団で
◇問合せ:組織部
最後の舞が披露されました。このイベント
す。詳細は 6 月のユネスコ協会便に封入の
●ユネスコ寺子屋プロジェクト
は、MHD モエ ヘネシーディアジオ株式会
募集要項をご覧ください。
社が 2005 年から毎回開催しており、収益
◇締切:9 月12 日(水)消印有効
の一部が日ユ協連に寄付されます。
◇問合せ:組織部・みどりの絵コンクール係
リーフレットコンテスト受賞作品決定
2011 年度標記コンテストの受賞作品が
10
ユネスコ 2012.7
●三菱アジア子ども絵日記フェスタ
2012 〜 2013 絵日記作品募集
を込めてフランス、パリの UNESCO で富士
でご案内します。お楽しみに。
山展示会(仮)を開催します。
◇問合せ:教育文化事業部
三菱アジア子ども絵日記フェスタは、三
なお会 期中に、UNESCO 見学やパリを
菱グループの全面的な協力のもと、絵日記
巡るツアーを計画中です。ツアー詳細は未
を通じた、子どもたちの相互理解と交流の
定ですが、ユネスコ協会便やホームページ
促進を目的に 2 年ごとに開催されていま
われる授賞式に招待されます。
機関誌「ユネスコ」の発行(年 4 回発行)/メールマガジン配信、HP 更新/ユネスコ
活動の促進
今回もたくさんの絵日記作品をお待ち
しています。
◇主催:三菱広報委員会、アジア太平洋ユ
ネスコ協会クラブ連盟、日ユ協連
◇募 集作品:絵日記 5 日分(1 作品 A4 で 5
◇募集対象:6 ~ 12 歳(応募時点)
◇テーマ:
「伝えたいな、私の生活」
◇問合せ:組織部
詳しくは以下のホームページをご覧く
ださい。http://enikki.mitsubishi.or.jp/
● 10 月、UNESCO へのツアー計画中!
や、フランスの皆さまから多くのご寄付を
いただきました。これを受けて 10 月、感謝
2013
昨年度は、東日本大震災の被災地支援
として、UNESCO から心温まるメッセージ
6 / 30 〜 7 / 1 第 10 回「守ろう地球のたからもの」植樹活動(青森県)
7 / 28・29
近畿ブロック・ユネスコ活動研究会(滋賀県長浜市)
8/3〜5
「守ろう地球のたからもの」子ども自然体験教室(青森県)
8 / 9 〜 12
第 44 回 ユネスコ子どもキャンプ(山口県岩国市)
9/1
第 484 回 理事会・第 28 回 評議員会
9 / 8・9
中部東ブロック・ユネスコ活動研究会(山梨市)
9 / 15・16
第 68 回 日本ユネスコ運動全国大会 in 高松(香川県)
10 / 13・14
東北ブロック・ユネスコ活動研究会(岩手県西磐井郡平泉町)
10 / 13・14
関東ブロック・ユネスコ活動研究会(茨城県つくば市)
10 / 20・21
北海道ブロック・ユネスコ活動研究会(北海道旭川市)
10 / 27・28
中部西ブロック・ユネスコ活動研究会(富山県氷見市)
10 / 27・28
九州ブロック・ユネスコ活動研究会(鹿児島市)
11 / 10
第 485 回 理事会
11 / 17・18
中国ブロック・ユネスコ活動研究会(山口県宇部市)
2012
枚つづり)
◇締切:2013年 1月18日(金)
(当日消印有効)
ぜ ひ ご 覧 く だ さ い。
主な行事予定
通年
す。日本と各国の受賞者は来年、神戸で行
facebook 更新中 !!
1 / 19
2 / 2・3
3 / 16
第 486 回 理事会・第 29 回 評議員会・新年懇親会
四国ブロック・ユネスコ活動研究会(徳島市)
第 487 回 理事会
ユネスコ 2012.7
11
ね!
いい
登録再チャレンジとその後
中尊寺金色堂や毛越寺の浄土庭園をはじめとする
平泉の文化遺産は、昨年 6 月 29日に世界遺産リストに
記載されました。
『平泉』登録の取り組みは、平成 13 年
の暫定リスト入りから本格化しましたので、足かけ 10
宝物として認められたことは、経済的な波及効果だけ
平泉
世界
遺産
でなく、さまざまな形で震災復興にも役立っていくで
しょう。
これからの取り組み 拡張登録に向けて
世界遺産の取り組みは、人類共有の宝物を将来にわ
年で目標を達成したことになります。しかし、その間
たってよりよい姿で継承していくことを目的としてい
の道のりは決して平坦なものではありませんでした。
ます。つまり「登録はゴールではなくスタート」なので
平成 20 年 7 月の世界遺産委員会では日本初の登録
延期となり、内外に大きな衝撃が走りました。その後
3 年にわたる再チャレンジは、物理的に実現可能な最短
コースでの取り組みでした。ゼロベースからの出発で
あり、推薦コンセプトの見直しから構成資産の絞り込
みまでは全く先が見えず、目前の課題を黙々とこなし
ていくことで精いっぱいだったことが思い出されます。
平成 21 年 4 月、文化庁・岩手県・一関市・奥州市・
平泉町の代表者による協議では、再推薦にあたって
これまでとこれから
は、現段階で価値証明が可能な資産に絞り込んで
「確実な登録」を目指し、その後「段階的に拡張推薦」
での登録、そして将来の拡張登録という二段構えの取
り組み方針が示されたわけです。
その後、非常にタイトなスケジュールでしたが、推
薦作業は計画どおりに進められ、昨年の登録決議に
至ったのでした。
専門機関であるイコモスからの登録勧告、そして
パリの UNESCO で開催された世界遺産委員会が、東
日本大震災という未曾有の災害に遭遇して間もなく
産の保存管理についていくつかの要請を受けました。
平泉には毛越寺庭園をはじめ、浄土の世界を表現し
た寺院庭園が 4 つありますが、そのうちの 2 つが未整
備の状態です。それらの修復(再生)について、世界
遺産センターおよびイコモスの助言を受けて進めるこ
と、また資産やその周辺で行われる道路整備事業など
の開発行為について、事前に資産に対する影響評価を
行うこと、観光の圧力から資産を守るため、その受容
ることなどです。
平泉町世界遺産推進室 室長補佐
していくことで合意されました。ここに、第一に最速
す。
『平泉』の登録に際しても、世界遺産委員会から資
力を調査研究したうえで来訪者の管理戦略を策定す
千葉 信胤
1C
世界遺産活動
いずれにせよ、最速での登録という第一段階の目
標が達せられたことから、文化庁・岩手県そして関係
市町は、次なるステップである拡張登録に向けた取り
組みをスタートしました。当初の推薦時には構成資産
だったものの、再チャレンジに際して推薦が見送られ
た資産、そして昨年の登録の際に除外された資産、あ
わせて 5 つの資産を拡張推薦しようという我が国初の
取り組みです。
近年、世界遺産登録を取り巻く状況は、次第に厳し
だったことから、
『平泉』登録という明る
さを増してきました。登録資産数が増加
い話題は、地元のみならず東北地方全体の
し、まもなく1000 件を超えようとしている
復興の励みになりました。
ことなどが大きな要因としてあげられて
平泉は震災の被害が比較的軽微で、幸
います。
いなことに資産も無事でした。震災以降、
『平泉』の拡張登録は、追加される資産の
観光客がパッタリ途絶えていたのですが、
価値、
すなわち「顕著な普遍的価値」をわか
登録決定が伝えられると再び賑わいを取
りやすく説明し、専門機関や世界遺産委員
り戻しました。いわゆる「世界遺産効果」
会の同意を得ることによって初めて実現
による来訪者の増加は、当初の想定を大き
されます。これまでのことを反省しつつ、
く上回って推移しています。平泉が世界の
12
ユネスコ 2012.7
仏教の理想世界である浄土を表す庭園として
高く評価された毛越寺の浄土庭園
着実に取り組んでいきたいと思います。
寺子屋のいま
亡き父の言葉を胸に
母と一緒に寺子屋で勉強中
14 歳で初めて学んだ文字の読み書き
アフガニスタン カブール県カブール市 第 12 地区寺子屋 識字・裁縫クラス学習者
アミーナ
(15)
さ
ん
「アフガニスタンにソビエトが侵攻(1979 年)し
た。そして、アミーナさんを誘って二人で寺子屋
てくるまでは、土木技師だった父には十分な収入
に通おうと決めた。いま、2 人は同じクラスで読み
があったので、両親は幸せな暮らしをしていた、
書きと裁縫を学んでいる。
と母がよく話しているわ。でも戦争は長引き、ソ
※
「読み書きと裁縫をいっぺんに身に付けられる
ビエト撤退(1989 年)後も、ムジャヒディン 同
なんて、いままで夢にも思わなかったわ。ほかと
士の内戦になったので、両親は祖国を離れ、パキ
違って、寺子屋では授業料がかからないからあり
スタンに難民として逃れたの」。
がたいの。母も私も寺子屋のおかげでお金を稼げ
アミーナさん、15 歳。カブール氏第 12 地区の
るようになったのよ。寺子屋ではお友だちもたく
寺子屋で学ぶ彼女は、パキスタン生まれだ。タリ
さんできて、毎日がとても楽しいわ」と嬉しそう
バン政権崩壊(2001 年)後、家族とともに祖国ア
に語るアミーナさん。自分が着ている服を指差し
フガニスタンに戻ってきた。しかし、父親に仕事
て「これ、私がつくった服なのよ」と得意げに教え
は見つからず、家族は貧しい生活に苦しんだ。大
てくれた。
きな精神的ストレスの中で父親は心臓病を患っ
寺子屋で学び始めてから、アミーナさんの人生
たが、医者にかかって治療を受けることもできな
は大きく変わった。母親とともに仕立ての仕事か
かった。
ら収入を得られるようになったため、もう親戚に
父親が病床に就いてから、母親は金持ちの家の
頼らなくても生活できるようになった。何より、自
お手伝いとして働き始めた。その間、アミーナさ
分に誇りを持ち、堂々と夢を語れるようになった。
んは母親の代わりに兄弟の面倒や家事に追われ、
小学校に入学することはできなかった。
アミーナさんが 7 歳のとき、父が他界。彼女はい
アミーナさんの夢は、亡き父の言葉を胸に、書
道と英語を学ぶこと。そして、高校を卒業して寺
子屋の先生になること。天国にいる父は、そんな
までも、父が優しい笑顔でこう語りかけてくれた
娘を優しく見守ってくれているに違いない。
ことを覚えている。
「アミーナ、たくさん勉強して、
※イ スラム教のジハード(聖戦)
に参加する戦士。ソ連のアフ
ガニスタン侵攻後、それ
に対して立ち上がった
イスラム教徒ゲリラの
総称として使われる
ことが多い。
大きくなったらお医者さんになるんだよ」。
その後、一家は帰還難民が多く暮らす現在の地
区に引っ越した。家賃がとても安かったからだ。
ただ、読み書きのできない母に、賃金のよい仕事
が見つかるはずもなかった。
2011 年の春、母親は第 12 地区の寺子屋と、そこ
での活動について親戚から話を聞き、興味を持っ
寺子屋のミシンで服を
仕立てるアミーナさん
ユネスコ 2012.7
13
海外支援報告
度
2011年
海外支援報告
2011 年度は、カ
ン ボ ジ ア、ア フ ガ
ニ ス タ ン、ネ パ ー
ル、ラオス、インドの 5 ヵ国で支援活動を行った。それぞれ
の寺子屋では、読み書きを学ぶ機会のないまま大人になっ
た人びとに識字クラス、学校に行けない子どもたちには小
学校クラスを開き、基本的な人権である基礎教育の機会を
提供した。しかし、2011 年度に私たちがこのような機会
を提供できたのは、わずか 3779 人に過ぎない。2015 年の
EFA(Education for All:すべての人に教育を)ゴールに
向けて、今後もっと多くの人びとに教育の機会を提供でき
るよう、支援の仕組みについて工夫するとともに、協力者
を増やしていくことが課題だ。
寺子屋では基礎教育だけでなく、読み書きを学ぶ大人の
学習意欲を高め、貧困のサイクルから抜け出す技術を身に
つけるため、収入向上を目指したさまざまなクラスも開催
された。それらを含めた寺子屋の 2011年度総利用者は約
18 万 8823 人。皆さまにご支援いただいた寺子屋は多くの
村人に役立ち、地域の発展を促進している。
なお、活動報告の詳細については、7 月下旬よりホーム
ページに「活動レポート」を掲載しますので、そちらをご覧
ください。
ジア
カンボ
村全体で民家の識字クラスを実施
2006 年以降、9 つの村で活動を継続している。寺
割は女性)が 9ヵ月間の識字クラスを修了し、1万
子屋での識字クラスは、15 ~ 45 歳が対象。最初のこ
2553 人が寺子屋を利用した。しかし、2011年度に
ろ完成した寺子屋では、
寺子屋が完成したタトラウ村では、15 ~ 60 歳の大人
通える範囲に住む人び
1279 人のうち450 人(35.5%)はまだ読み書きがで
とがほぼすべて識字者
きず、大きな課題が残っている。
になったため、寺子屋
また、小学校に入学したものの、途中で学校をやめ
に通えない地域で民家
てしまう子どももたくさんいる。その主な理由は家庭
を借りて識字クラスを
の貧困である。親が貧しいため学校に通わせられない
実 施 し た。そ の 結 果、
のだ。2012 年度より寺子屋では、学校を中途退学した
2011年度は 538 人(8
子どもたち向けの復学支援クラスも実施する予定だ。
ン
ニスタ
ガ
フ
ア
厳しい治安情勢の中でも学び続ける女性たち
2002 年以降、13 の地区と村で活動を継続してい
る。ニュースでも報道されているとおり、アフガニス
書きそんじハガキ報告
14
につけられるよう工夫して、学習意欲を高めた。
いまだ世界でも最低レベルの識字率に苦しむアフ
タンの治安回復は遠く、日本人職員も現地へ出張で
ガニスタン。読み書き
きない状態が続いている。そのような中、アフガニ
を修得しながら、貧困
スタン事務所職員の献身的な努力によって、寺子屋
からの脱却を図るた
とその周辺民家の識字クラスで 1217 人が学び、2 万
めに、世 界 寺 子 屋 運
3733 人が寺子屋を利用した。その多くは、通える小
動は皆さまのご支援
学校がない村の女の子や女性たち。ミシン教室や料
を受け、さらに課題に
理教室など、女性が家庭で活かせる技術も一緒に身
取り組んでいく。
2011 年 12 月から始まった「書きそんじハガキ・キャ
ンペーン 2012」では、これまでで最多の 137 ユネスコ
協会の参加申し込みがあった。さらに、渋谷ビジョンや
ユーチューブで CM を流すなど、新しい試みも行った。
また前回に引き続き、参加ユネスコ協会にはハガキを
未使用切手に換えて送っていただくことで、迅速な処理
ができるようになった。
2011 年 12 月 1日(木)から 2012 年 4 月 30 日(月)ま
ユネスコ 2012.7
でに、2400 万円相当のハガキと未使用切手が事務局に
届けられた。これは、前年の同じ時期と比較して 500 万
円以上多い額となる。
皆さまから寄せられた書きそんじハガキによって、ア
ジア 5 ヵ国で、字の読み書きのできない人びとや学校に
行けなかった子どもたちに、学ぶ機会を提供することが
できる。今後とも引き続きご支援のほど、よろしくお願
いいたします。
ル
ネパー
最下層の人たちにも学びの機会を
2002 年以降、16 の村で活動を継続している。寺
ル寺子屋では、20 人の生徒のうち 15 人が最も低い
子屋活動を展開するネパール南部の地域では、残念
カーストに属している。インド独立の父ガンジーが
ながら大きな社会差別が存在する。伝統的なカース
「ハリジャン(神の子)
」という呼び名に変えた人びと
ト制度の中で、社会階層の低い人びとはなかなか教
だが、彼らもすべて、読み書きができるようになった。
育を受ける
2011 年度は、寺子屋を中心として合計 773 人が読
ことができ
み書きを学び、寺子屋を利用した人は 2 万 4477 人に
ない。しか
上る。
し、寺子屋
寺子屋での収入向上クラスでは、識字クラスの修
では人は皆
了者を主な対象として、野菜栽培、ヤギ飼育、魚の養
平等だ。バ
殖、養蜂、養鶏などあわせて 3983 人が研修に参加し、
グワンプー
さまざまな技術を身につけることができた。
ラオス
識字教室と技術訓練をセットで
2008 年以降、山岳地域の貧しい 12 の村で活動を
にとって初めてのチャレンジとなった。人口の少ない
継続している。学んでいるのは、15 ~ 45 歳までの少
山岳地域で、どのように生活を向上させながら識字
数民族の女性たち。普段は民族の言語を話して暮ら
教育を普及していくかが大きな課題だ。
しているが、識字クラスでは、ラオスの国語であるラ
オ語を勉強している。16 の識字クラスで 351人が読
み書きできるようになり、3 万 7025 人が寺子屋を利
用した。
電気も水道も舗装道路もない、峻険な山岳地帯に
住む人びとの暮らしを少しでも楽にするため、寺子
屋では養豚、養鶏、養山羊をはじめ、家庭菜園やキノ
コ栽培のトレーニングも行った。キノコ栽培は人びと
インド
文字が読めて、自立への道が拓ける
2002 年以降、45 村で展開してきた寺子屋運動。
識字クラスでは 900 人の女性たちが現地のカンナダ
族や村の名前を読んだり書いたりできる!」と学んだ
女性たちは皆、誇らしげに語ってくれた。
語を学んだ。ある女性は「いつもバスの行き先や店の
また、子どもたち向けの補習クラスでは、1200 人
名前などを人に尋ねていたけど、識字クラスに参加し
以上が算数やカンナダ語を学び、225 人が裁縫クラ
て自立したい」
スを受講した。寺子屋を利用したのは 6 万 1035 人に
と参加の動機を
上る。
語ってくれ た。
インド事業は 2012 年 7 月に終了の予定。まだまだ
そ の 結 果、
「カ
貧困撲滅へ向けての課題は残っているが、村の選挙
ンナダ語が読
で選ばれたボランティアの寺子屋運営委員や、これ
めるようになっ
まで協力してきたベルガウム農村開発協会が、今後
た!」
「自分や家
とも寺子屋運営をサポートしていく。
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