ダートトライアルにおける首部保護装置について - ajsaa

平成 27 年 12 月 13 日
関係者各位
全日本学生自動車連盟九州支部
常任委員長 山田 拓也
ダートトライアルにおける首部保護装置について
先日の全日本総会において、2016 年度の全日本学生ダートトライアル大会に
おける、首部保護装置の装着が義務化された。
この背景としては、全日本学生ダートトライアルのコース設定が、高速区間
の非常に多いものであり、クラッシュや転倒により、保護されていない首部へ
のダメージが無視できなくなっていることがある。
この規則においては、国際レースやラリーでは装着が一般化し、ダートトラ
イアルを含む JAF による全日本選手権大会においても、一部選手による自主的
な装着が始まっている、HANS(Head and Neck Support)の装着が推奨されている。
だが、HANS は最低でも 5 万円以上で、かつ HANS に対応した専用のヘルメッ
トが必要となることから、代替措置として、バイク用具として用いられるネッ
クガードの装着を、最低限求めている。
HANS は、ヘルメットとシートベルトを間接的に固定するものである。HANS
非装着時には、体がシートベルトにより車体に固定されているのに対し、頭部
は全く固定されていない。そのため、クラッシュ時に衝撃で首が伸び、頚椎の
損傷や、振り回された頭部と車内部品の衝突による脳への障害が問題となる。
これを防ぐため、頭部が胴体から一定以上離れないように拘束する、というも
のが HANS である。
一方ネックガードは、バイクでの転倒時にヘルメットに打撃を受け、ヘルメ
ットが胴体方向に押し込まれた際に、鎖骨を圧迫して骨折に至る、という事故
を防止する。よって、ロールケージの装着された競技車両では、ロールケージ
が完全に潰されて、ヘルメットがルーフに押し込まれる状況でのみ機能する。
以上を踏まえて、来年度以降の全九州学生ダートトライアル大会において、
参加者に首部保護装置の装着を求めるかどうかを議論したい。