地域公共交通計画(PDF:6.1MB)

西脇市地域公共交通計画(案)
平成 27 年 3 月
はじめに
-目次-
頁
第1章 計画の目的と構成 ························································· 1
1.1 計画策定の目的······························································ 1
1.2 計画の位置付け······························································ 1
1.3 計画の区域·································································· 2
1.4 計画の期間·································································· 2
1.5 計画の構成·································································· 2
第2章 西脇市の交通を取り巻く現状と課題 ········································· 3
2.1 西脇市の概況································································ 3
(1) 位置・地勢································································· 3
(2) 人口 ····································································· 4
2.2 西脇市における交通の現状 ···················································· 6
(1) 鉄道の現状 ································································ 6
(2) 路線バスの現状 ···························································· 7
(3) コミュニティバスの現状 ···················································· 8
(4) バス停及び鉄道駅別乗車人数 ··············································· 11
(5) 公共交通のサービス圏域 ··················································· 12
(6) 高齢者・障害者の移動に対する福祉施策の状況 ······························· 13
(7) 道路交通の現状 ··························································· 14
2.3 西脇市における移動状況 ····················································· 16
(1) 西脇市における人の動きの概要 ············································· 16
(2) バス・鉄道利用者の特性 ··················································· 18
(3) クルマ移動制約者の移動特性 ··············································· 20
(4) 高校生アンケート調査結果からみる移動状況 ································· 23
(5) 高齢者アンケート調査結果からみる移動状況 ································· 25
2.4 西脇市の交通を取り巻く現状のまとめ ········································· 29
第3章 上位計画におけるまちづくりの目標 ········································ 30
3.1 総合計画の概要····························································· 30
3.2 都市計画マスタープランによる将来都市構造 ··································· 31
第4章 計画の方向性···························································· 32
第5章 公共交通網の整備方針 ···················································· 33
5.1 公共交通網整備方針の基本的な考え方 ········································· 33
5.2 公共交通の需要分析 ························································· 36
5.3 公共交通網整備方針 ························································· 37
(1) 公共交通網整備方針の設定方法 ············································· 37
(2) 公共交通網整備方針 ······················································· 39
5.4 公共交通機関別の役割 ······················································· 40
第6章 基本理念と施策体系 ······················································ 41
6.1 基本理念 ·································································· 41
6.2 目指すべき3つの視点(基本戦略)と計画目標 ··································· 41
6.3 施策体系 ·································································· 43
(1) 安心して暮らせる生活環境を支える公共交通 ································· 44
(2) 人にもまちにもやさしい公共交通 ··········································· 48
(3) 市民とともに支え合う公共交通 ············································· 53
6.4 事業プログラム一覧 ························································· 55
第7章 計画の実現に向けて ······················································ 56
7.1 公共交通を支える三者の協力 ················································· 56
7.2 持続可能な公共交通実現のための他分野との連携 ······························· 57
7.3 公共交通施策関連の財源確保 ················································· 57
7.4 公共交通事業運営方針の設定 ················································· 58
7.5 社会情勢の変化に対応した計画の見直し ······································· 59
第1章
計画の目的と構成
1.1 計画策定の目的
公共交通は、自動車運転免許を持っていない人や自動車を所有していない交通弱者などにとって重要
な移動手段であり、社会基盤として必要不可欠なものです。しかしながら、本市における公共交通の現状は、
自家用車への依存の高まりから利用者が減少している状況にあります。また、CO2 排出量の増加や高齢者
による交通事故の増加など、自家用車の利用増大に伴う悪影響についても懸念されています。
本計画は、中心市街地や周辺地域におけるさらなる高齢化の進展や過度な自動車利用による弊害など
も踏まえ、公共交通整備の今後の方向性を示し、交通弱者などが移動しやすい総合的な生活交通を確保
するために策定するものです。
1.2 計画の位置付け
本計画は、西脇市総合計画及び西脇市都市計画マスタープランを上位計画とするとともに、地域公共交
通の整備方針とその実現に向けた施策を示す係る基本計画として位置付けられます。
ひ
ょ
う
ご
公
共
交
通
10
カ
年
計
画
西脇市総合計画
西脇市都市計画マスタープラン
西脇市地域公共交通計画
- 1 -
1.3 計画の区域
本計画は西脇市内全域を対象とします。
1.4 計画の期間
平成 27 年度(2015 年度)~平成 36 年度(2024 年度)とします。
ただし、上位計画である総合計画及び都市計画マスタープランの計画期間が平成 30 年度(2018 年度)
までとされていることに鑑み、必要に応じて見直しを実施します。
1.5 計画の構成
西脇市の交通を取り巻く現状と課題を把握した上で、上位計画におけるまちづくりの目標を踏まえて、計
画の方向性を示しています。この計画の方向性を受けて、公共交通網の整備方針を示しており、その実現
のための施策をとりまとめています。
計画の目的と構成
(第1章)
西脇市の交通を取り巻く現状と課題
(第2章)
上位計画におけるまちづくりの目標
(第3章)
計画の方向性
(第4章)
公共交通網の整備方針
(第5章)
基本理念と施策体系
(第6章)
計画の実現に向けて
(第7章)
- 2 -
第2章
西脇市の交通を取り巻く現状と課題
2.1 西脇市の概況
(1) 位置・地勢
・西脇市は、兵庫県のほぼ中央に位置しています。また、日本列島のほぼ中心に当たる東
経 135 度・北緯 35 度の交差点があることから、「日本のへそ」としてのまちづくりを
進めています。
・周囲を山地や丘陵に囲まれ、中央部には加古川が流れる自然豊かな地域です。
・加古川は、市域南部で杉原川、野間川と合流し、これらの河川沿いに開けた平野部に集
落や農地が形成されています。
・瀬戸内式気候に属しており、一年を通して比較的温暖な気候です。
・東西約 19 ㎞、南北約 13 ㎞、総面積は 132.44 ㎞2です。
<西脇市の位置と概要>
平成 27 年 1 月1日現在
人 口: 42,520 人
世 帯:
16,715 世帯
面 積:
132.44 ㎞2
- 3 -
(2) 人口
・西脇市の人口は、2010 年(平成 22 年)国勢調査結果で、約4万3千人です。
・1980 年(昭和 55 年)以降、約 4 万 6 千人で横ばいで推移していましたが、2000
年(平成 12 年)から減少しており、2040 年(平成 52 年)には、約 3 万 2 千人に
まで減少すると推計されています。
・2010 年(平成 22 年)の 65 歳以上の人口は 28%を占め、高齢化が進んでいます。
・今後の人口減少に伴い、74 歳までの人口割合は減少していきますが、2040 年(平成
52 年)には、75 歳以上の人口が 23%を占め、約4人に1人が 75 歳以上になると推
計されています。
<人口・高齢化率・年少人口比率の推移>
(千人)
50
46
47
46
46
4%
7%
5%
8%
46
45
6%
9%
7%
9%
40
10%
44
11%
12%
13%
35
43
14%
14%
30
25
65%
65%
66%
66%
20
63%
61%
58%
15
41
16%
15%
56%
40
18%
15%
55%
38
36
21%
13%
55%
22%
13%
24%
22%
19%
1980
1985
1990
16%
54%
50%
11%
16%
15%
14%
13%
12%
11%
11%
10%
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040 (年)
推 計 値
実 績 値
年少人口(0~14歳)
23%
14%
17%
0
32
22%
54%
10
5
34
生産年齢人口(15~64歳)
0~14歳
15~64歳 前期高齢者人口(65~74歳)
65~74歳
75歳~
後期高齢者人口(75歳~)
出典) 2010 年(平成 22 年)以前:国勢調査
2015 年(平成 27 年)以降:「日本の地域別将来推計人口」(平成 25(2013)年3月推計)
国立社会保障・人口問題研究所
- 4 -
・西脇市の可住地面積*)は 38.47 ㎞2で、総面積の約 30%にすぎません。
・人口分布状況は、西脇地区、野村地区に集中し、国道や県道沿いに 100 人未満(メッシ
ュ**)当たり)の居住地がみられます。
・高齢化率 28%以上の地域が全体に広がっています。
*)可住地面積は、2011 年(平成 23 年)10 月1日。総面積から林野面積と主要湖沼面積を差し引いて
総務省統計局が算出したもの。出典は兵庫県市区町別主要統計指標平成 26 年版
**)メッシュは 1 辺約 500mの正方形
<地域別人口>
出典) 2010 年(平成 22 年)国勢調査地域メッシュ統計
<地域別高齢化率>
出典) 2010 年(平成 22 年)国勢調査地域メッシュ統計
- 5 -
2.2 西脇市における交通の現状
(1) 鉄道の現状
① 西脇市における鉄道の概要
・西脇市の中央にJR加古川線が南北に走っており、市内には、西脇市、新西脇、比延、
日本へそ公園、黒田庄、本黒田、船町口の7駅があります。
・JR加古川線は単線であり、西脇市駅から加古川方面は5時半頃から 22 時頃にかけて、
概ね1時間に1本、西脇市駅から谷川方面は5時から 21 時頃にかけて概ね2時間に1
本の頻度で運行しています。
<西脇市における鉄道の概要>
谷川方面
概ね2時間に1本
5:19~20:51
9本/日(平日)
西脇市駅
概ね1時間に1本
5:47~21:46
19本/日(平日)
加古川方面
② 鉄道乗車人員の推移
<1 日当たり鉄道乗車人員の推移>
・鉄道乗車人員は、2005 年(平成
17 年)以降、約 740 人/日で推
移していましたが、2010 年(平
成 22年)以降増加傾向にあり、
2013 年(平成 25 年)には、約
830 人/日となっています。
(人/日)
900
800
752 741 741 727 733 742
831
783 806
700
600
500
400
300
200
100
0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年度)
出典) 西脇市統計書
- 6 -
(2) 路線バスの現状
① 西脇市における路線バスの概要
・中国自動車道を利用し大阪方面を結ぶ高速バス
・西脇市駅、西脇(アピカ)、市立西脇病院、西脇営業所を中心に日野地区経由で多可町
と、芳田地区経由で多可町と結ぶ路線バス
・加東市・三ノ宮と結ぶ路線バス
・加西市から芳田地区経由で多可町を結ぶ路線バス
<西脇市における路線バスの概要>
② 路線バス乗車人員の推移
<路線バス乗車人員の推移>
・路線バスの乗車人員は、
2001 年(平成 13 年)
の約 250 万人/年から
減少し続け、2009 年
(平成 21 年)には、
190 万人/年でした。
・2011 年(平成 23 年)
に 210 万人/年に増加
しましたが、2013年
(平成 25年)には、
200 万人/年に減少し
ています。
(万人/年)
300
250
239
252 249
240 229
226 215
200
210
201 203 190
196 200
190
150
100
50
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年度)
*)神姫バス㈱西脇営業所が担当する全ての路線に係る数値を計上
**)2012 年(平成 24 年)10 月1日に一部の路線が神姫バス㈱から神姫グリーンバス㈱に移管
されたため、2012 年度(平成 24 年度)は神姫バス㈱西脇営業所及び移管された神姫グリ
ーンバス㈱の数値を計上
出典) 西脇市統計書
- 7 -
(3) コミュニティバスの現状
① 西脇市におけるコミュニティバスの概要
【コミュニティバスのルート】
・西脇市には、「しばざくら号」と「おりひめバス」のコミュニティバスがあり、「しばざく
ら号」は西脇市駅から神姫バス西脇営業所を、「おりひめバス」は西脇市駅から札場(住吉
町)を結んでいます。
・「しばざくら号」は、1990 年(平成2年)のJR鍛冶屋線廃線に伴い、新たに鉄道駅の中
心となった西脇市駅と従来のバスターミナルを結節するための代替輸送が前身となってい
ます。その後 1996 年(平成8年)10 月から本格運行(北回り・南回り)を始め、1999
年(平成 11 年)には路線バス廃止によりバス空白地区となっていた津万地区に循環運行(東
回り)を開始しています。しかし、2008 年(平成 20 年)12 月につくしバスの運行に伴
い、東回りを休止し、2009 年(平成 21 年)10 月にはおりひめバスの運行に伴い南回り
【おりひめバス】
【しばざくら号】
を休止し、西脇線・高田井線に再編され、2012 年(平成 24 年)10 月には乗車人数の低
迷により高田井線を休止し、現在では西脇線のみの運行となっています。
・「おりひめバス」は、札場線の路線バス撤退に伴い、国土交通省の「地域公共交通活性化・
再生総合事業」による補助金を活用し、2009 年(平成 21 年)10 月から畑谷線・比延谷線
の運行を開始しましたが、2010 年(平成 22 年)11 月に利用者低迷により比延谷線を休
止し、現在は畑谷線のみ運行しています。
<西脇市におけるコミュニティバスの概要>
しばざくら号
便 数
車 両
料 金
1990 (H2) 年 4 月
おりひめバス
西脇営業所→西脇市駅(復路)7便
西脇市駅→西脇営業所(往路)5便
平日のみ運行
往路・復路各5便
月~金曜日
低床式小型バス1台による運行
低床式小型バス1台による運行
160円から240円
(距離に応じて変動)
比延地区内での乗降は1回200円
比延地区外での乗降では
西脇営業所以東は200円又は300円
西脇営業所以西は上記に加えて距離
に応じて変動(最大500円)
(※中学校の長期休暇期間中は月・水・金)
JR鍛冶屋線廃線に伴う代替輸送とし
て運行開始(しばざくら号の前身)
1996 (H8) 年 10 月 本格運行開始(北回り・南回り)
東回り運行開始(路線バス廃止代替と
して津万地区に循環運行)
つくしバスの運行に伴い、東回りを
2008 (H20)年 12 月
休止
おりひめバスの運行に伴い、南回りを
2009 (H21)年 10 月
休止し、西脇線・高田井線に再編
1999 (H11)年 4 月
経
過
畑谷線・比延谷線運行開始
2010 (H22)年 11 月
利用者低迷により比延谷線を休止
乗車人数が低迷していた高田井線を
2012 (H24)年 10 月 休止し、西脇線を増便
その他ダイヤ等の改正
軽微なルート変更とダイヤ改正
- 8 -
② コミュニティバス乗車人員の推移
・コミュニティバスの乗車人員は、2004 年(平成 16 年)の約 15,400 人/年から
2009 年(平成 21 年)には約 6,900 人/年と半数以上減少しましたが、「おりひめ
バス」の運行や、「しばざくら号」の再編により、約 11,800 人/年に増加しました。
しかし、2010 年(平成 22 年)以降は減少傾向にあり、2013 年(平成 25 年)に
は 10,249 人/年まで減少しています。
・路線別にみると「しばざくら号」は 2010 年(平成 22 年)に約 6,500 人/年でした
が、高田井線の乗車人数の低迷やそれに伴う廃止などにより、2013 年(平成 25 年)
には 2010 年(平成 22 年)の約 70%の約 4,500 人/年にまで減少しています。
・「おりひめバス」は、運行が開始された 2010 年(平成 22 年)から減少傾向にありま
したが、2012 年(平成 24 年)のルート変更やダイヤ改正により、2013 年(平成
25 年)は前年と比較して約 1,000 人/年増加し、約 5,700 人/年になっています。
<コミュニティバス乗車人員の推移>
(人)
(人)
20,000
12,000
18,000
おりひめバス運行に伴い、
南回りを休止
西脇線・高田井線に再編
15,375 15,214 15,389
16,000
11,000
13,933
10,000
14,000 12,536
11,762
14,480
12,000
10,421
8,698
11,869
10,000
10,409
6,000
高田井線の廃止
西脇線増便
ダイヤ等の改正
2,000
2001
2002
計(左軸)
2003
2004
2005
2007
2008
2009
2010
「しばざくら号」(右軸)
2011
2012
2013
「おりひめバス」(右軸)
*) 2009 年(平成 21 年)までは「しばざくら号」のみの運行
**) 各年、前年の 10 月から当年の9月までの値
出典) 西脇市所管データ
- 9 -
6,000
4,941
5,239 4,828
4,707 4,504
2006
9,000
7,000
5,745
5,581
比延谷線休止
0
2000
軽微なルート変更
ダイヤ改正
6,523
畑谷線・比延谷線運行開始
4,000
10,249
8,000
6,870
8,000
9,648
5,000
4,000
参考:「つくしバス」について
・黒田庄地区には、地域のニーズにあった地域住民組織による自主運行バス「つくしバス」
があります。
< 「つくしバス」の概要 >
経
過
運 行 日
国土交通省の「地域公共交通活性化・再生総合事業」を活用し、
2008 年(平成 20 年)12 月から市コミュニティバス「つくしバス」
の実証運行を開始。平成 22 年1月にルート等の見直しを行い、
平成 23 年 10 月からより地域のニーズにあった運行形態を目指し
て「地域住民組織による自主運行バス」へ転換
毎週 月・水・金の週3日 往路・復路各3便(往復3便)
運行経路
車
両
ワゴン2台で運行
料
金
無料(当面の間)
(人/年)
8,000
6,093
6,330
6,267
6,000
4,574
利用者数
4,000
2,000
0
2010
2011
2012
2017 (年度)
*) 各年度4月~3月のデータ
- 10 -
(4) バス停及び鉄道駅別乗車人数
・鉄道乗車人数は西脇市駅が、712 人/日と最も多くなっており、次い
で本黒田駅が 36 人/日、黒田庄駅が 30 人/日と続きますが、西脇市
駅以外の乗車人数は少なくなっています。
・バス乗車人数は西脇(アピカ)が 104 人/日と最も多くなっており、次
いで西脇市駅のバス停が 75 人/日、西脇工業高校前が 62 人/日と多
くなっています。中心市街地のバス停が比較的多く利用されています
が、中心市街地以外では明楽寺や日野の乗車人数が多くなっています。
<データの定義>
・鉄道日乗客数
:平成 26 年西脇市統計書の平成 25 年度駅別乗客数
・路線バス日乗客数
:平成 24 年西脇市内移動調査データを用いて算出
・コミバス日乗客人数
:平成 26 年 10 月 1 日~3 日の 3 日間調査(コミバス利用者アンケート)から日単位の乗客数を算出
・つくしバス日乗客数計 :平成 25 年 4 月 1 日~平成 26 年 3 月 31 日の年間乗客数から日単位の乗客数を算出
※ 多可町コミュニティバス「のぎくバス」は含まない
- 11 -
(5) 公共交通のサービス圏域
・JR加古川線の各駅を中心に半径 500m、各バス停を中心に半径 300mをそれぞれの
徒歩圏(公共交通勢圏)と設定すると、市民の約4分の3を公共交通でカバー出来てい
ますが、まだ約4分の1の人が公共交通の全くない公共交通空白地に居住していると推
定されます。
<公共交通勢圏図>
公共交通サービス人口
「各メッシュ面積」と「各メッシュと公共交通勢圏とが重なる面積」から割合を算出し、
各メッシュ内人口に乗算(面積按分)することで公共交通サービス人口を算出します。
【人口構成】
公共交通
空白人口
10,363人
(24%)
公共交通
サービス人口
32,394人
(76%)
- 12 -
(6) 高齢者・障害者の移動に対する福祉施策の状況
・高齢者・障害者の在宅生活を支える福祉タクシー事業の支援状況は、2011 年(平成
23 年)で 1,002 万円/年でしたが、2012 年(平成 24 年)には 1,102 万円/年で
やや増加しています。
・2013 年(平成 25 年)には所得制限を変更しましたが、1,101 万円/年と前年とほ
ぼ同水準となっています。
<高齢者・障害者の移動に対する施策>
福祉タクシー事業
・高齢者・障害者の在宅生活を支える生活支援サービスのひとつで、自立生活の支
援及び積極的な社会参加を促進するために実施しています。
<平成 26 年度>
・満 80 歳以上の高齢者・重度障害者を対象(所得制限あり)
・タクシーの初乗り運賃を助成するタクシー券を交付
高齢者:年間最大 24 枚(一月当たり2枚)
障害者:年間最大 48 枚(一月当たり4枚)
<福祉タクシー事業の支援状況>
高齢者
(千円)
12,000
10,02
11,023
11,011
3,324
4,108
7,380
7,699
6,903
2011
2012
2013 (年度)
10,023
10,000
8,000
重度障害者
2,643
6,000
4,000
2,000
0
*) 2012 年度(平成 24 年度)から枚数を変更(重度障害者)
**) 2013 年度(平成 25 年度)から所得制限を変更(高齢者)
出典) 西脇市所管データ
- 13 -
(7) 道路交通の現状
① 自動車普通免許所有者数及び自動車保有台数の推移
・西脇警察署管内の自動車普通免許所有者数は、2005 年(平成 17 年)までは増加して
いましたが、2005 年(平成 17 年)の約4万6千人をピークに減少に転じています。
・自動車保有台数においても、2006 年(平成 18 年)までは増加していましたが、同年
の約3万8千台をピークに減少に転じています。
<自動車普通免許保有者数及び自動車保有台数の推移>
(百人・百台)
500
447
449
451
455
458
459
460
459
459
457
456
453
400
363
361
365
367
368
368
371
380
380
374
372
364
452
450
449
347
360
361
300
200
100
0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
運転免許保有者数
自動車保有台数
(保有者数:年・保有台数:年度)
出典) 交通年鑑
兵庫県市区町別主要統計指標
② 自動車交通量の推移
・西脇市の自動車発生集中交通量は、1980 年(昭和 55 年)以降増加し続け、1994 年
(平成6年)には 1980 年(昭和 55 年)の約 1.5 倍まで増加しました。
・1999 年(平成 11 年)以降はやや減少に転じています。
・2030 年(平成 42 年)には、現在よりも減少すると予想されています。
<西脇市関連トリップ自動車発生集中交通量の推移>
(千トリップエンド)
200
174
180
160
140
174
155
150
114
167
142
128
120
100
80
60
40
20
0
1980
1985
1990
1994
1999
2005
2010
2030 (年)
*) トリップエンドとは、ある地点からある地点へ移動する単位を「トリップ」といい、1つ
のトリップの出発地と到着地をそれぞれ「トリップエンド」という。
出典) 2005 年(平成 17 年)道路交通センサス
※2030 年(平成 42 年)の数値は 2005 年(平成 17 年)ベース将来推計
- 14 -
③ 交通事故の状況
・西脇警察署管内の交通事故件数は、2001 年(平成 13 年)の 498 件/年をピークに
減少傾向にあり、2013 年(平成 25 年)には 334 件/年になっていますが、高齢者
が第1当事者*)となる交通事故の割合は、減少する年もあるものの年々増加し、2012
年(平成 24 年)には、交通事故全体の 24%を占めるまでになっています。
*)最初に交通事故に関与した車両等の運転者又は歩行者のうち、その交通事故における過失が重い者を
いいます。また、過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいいます。
<高齢者が第1当事者となる交通事故件数の推移(西脇警察署管内)>
(件)
600
25%
24%
23%
22%
21%
498
500
20%
470
452
400
360
403
439
431
420
390
458
452
373
15%
15%
14%
14%
13%
200
9%
328
1 9%
20%
16%
386
385
387
334
15%
422
377
379
371
16%
329
1 2%
425
10%
332
18%
15% 14%
12%
11%
8%
441
403
334
300
19%
351
385
355
390
347
374
389
399
376
387
388
332
302
323
318
306
293
10%
298
251
271
306
7%
5%
100
0
28
32
41
39
48
30
56
57
67
63
71
73
63
53
71
84
62
69
71
86
73
90
78
63
0%
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
高齢者事故件数(左軸)
高齢者以外事故件数(左軸)
(年)
高齢者割合(右軸)
出典) 交通年鑑
- 15 -
2.3 西脇市における移動状況
(1) 西脇市における人の動きの概要
パーソントリップ調査とは…
「いつ」「どこから」「どこまで」「どのような人が」「どのような目的で」「どの
ような交通手段を利用して」移動したのかについて調査し、人の 1 日の全ての動きを
捉えるもので、国土交通省が中心となって 10 年に 1 回実施されています。西脇市は
近畿圏パーソントリップに該当し、直近では平成 22 年に実施されています。
<人の移動の例>
[人の移動量の単位]
人のある地点からある地点
までの移動を「トリップ」とい
います。トリップは、移動の目
的ごとに1トリップと数え、ひ
とつの目的での移動であれば、
交通手段をいくつ乗り換えて
も1トリップと数えます。
本資料では、人の動きをより
イメージしていただけるよう
に「トリップ=人」として表記
しています。
① 外出率
<年齢3区分別外出率の推移>
・西脇市民の外出率は平成 22 年では
79%となっています。
・年齢階層別に見ると、5~14 歳は
98%、15~64 歳は 87%と高い外
出率であるのに対して、65 歳以上で
は 56%と低くなっています。
・平成 12 年と平成 22 年を比較する
と、5~14 歳及び 15~64 歳ではあ
まり変化がみられませんが、65 歳以
上では約 10%増加しています。
H12
95%
100%
H22
98%
86% 87%
78% 79%
80%
56%
60%
47%
40%
20%
0%
全体
5~14歳
15~64歳
65歳以上
*) 平成 12 年京阪神都市圏パーソントリップ調査圏域内の居住者による集計結果
出典) 平成 12 年・平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
② 年齢別移動量
<年齢3区分別移動量の推移>
・平成 12 年から平成 22 年の西脇市
関連の移動量を年齢3区分別にみる
と、総量や5~14 歳、15~64 歳の
人の動きは減少していますが、65 歳
以上の人の動きは約 1 万 2 千人/日
から約 1 万 8 千人/日と 1.5 倍に増
加しています。
(千人/日)
120
5~14歳
15~64歳
65歳以上
101
100
12
(12%)
80
96
18
(19%)
60
40
79
(78%)
69
(72%)
20
0
10
(10%)
H12
9
(10%)
H22
*) 平成 12 年京阪神都市圏パーソントリップ調査圏域内の居住者による西脇市関連の移動量集計結果
出典) 平成 12 年・平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
- 16 -
③ 利用交通手段
・西脇市の利用交通手段の割合は、自動車利用が 75%で圧倒的に高い割合になっています。
・平成 12 年から平成 22 年の利用交通手段の推移をみると、自動車利用が大きく増加し
ており、自転車利用、徒歩が減少しています。また、バス利用は少ないものの、平成
12 年から平成 22 年にかけて、トリップ数が約 40%減少しています。
・年齢区分別に利用交通手段をみると、5~14 歳は徒歩の割合が高く、15~64 歳、
65 歳以上では自動車利用の割合が高くなっています。
・5~14 歳では、平成 12 年から平成 22 年にかけて自転車利用が減少し、自動車利用
割合が増加しています。
・15~64 歳では、自動車利用割合だけが増加しています。
・65 歳以上では、自動車利用割合だけでなく自動車利用量も大幅に増加しており、10
年前と比較して2倍以上増加しています。
<代表交通手段分担率の推移>
バス
1%
鉄道
H12
2%
自動二輪
自転車
原付
11%
3%
自動車
65%
H22 2% 1%
0%
20%
徒歩
18%
2% 8%
75%
40%
60%
計
(人/日)
101,322
13%
80%
1%
100%
<年齢3区分別代表交通手段分担率の推移>
(5~14 歳)
鉄道
0%
H12
バス
1%
自動車
19%
自動二輪
自転車
原付
23%
0%
95,879
徒歩
57%
計
(人/日)
10,070
0%
H22 2%
0%
28%
0%
20%
14%
56%
40%
60%
1%
80%
100%
(15~64 歳)
H12
鉄道 バス
2% 1%
H22 2% 1%
0%
計
(人/日)
自動二輪
自転車
原付
10%
2%
自動車
74%
81%
20%
60%
79,000
徒歩
11%
2% 8%
40%
80%
6%
鉄道バス
1% 3%
H22 1% 1%
0%
72%
20%
計
(人/日)
自動二輪
自転車
原付
10%
9%
自動車
46%
40%
徒歩
31%
2% 7%
60%
68,746
100%
(65 歳以上)
H12
9,336
80%
12,262
15%
2%
17,797
100%
*)平成 12 年京阪神都市圏パーソントリップ調査圏域内の居住者による西脇市関連の移動量集計結果
出典) 平成 12 年・平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
- 17 -
(2) バス・鉄道利用者の特性
① バス・鉄道利用者特性の分析方法
<バス・鉄道利用者特性の分析方法>
・西脇市におけるバス・鉄道利用者
の特性を把握するために、平成
22 年近畿圏パーソントリップ
調査結果と西脇市コミュニティ
バス利用者アンケート調査結果
を用いて、バス・鉄道利用者の個
人属性や利用目的などを全体と
比較することにより分析してい
ます。
・また、統計データ等からバス停や
鉄道駅別の乗車数を整理してい
ます。
平成 22 年近畿圏
パーソントリップ調査結果
西脇市コミュニティバス
利用者アンケート調査結果
バス利用者、鉄道利用者、
その他の人を分類
バス利用者、鉄道利用者、全体で
個人属性や移動目的などを比較
○西脇市コミュニティバス利用者アンケート調査の概要
・コミュニティバス「しばざくら号」及び「おりひめバス」の利用状況を把握するため、平
成 26 年 10 月1日~10 月3日の3日間において市職員が、コミュニティバスに始発か
ら最終バスまで乗車し、利用者に調査票を渡し、回答していただきました。
調査目的
調査方法
:しばざくら号及びおりひめバスの利用状況を把握するため
:市職員がコミュニティバスに乗車し、利用者に調査票を手渡しして
車内で回答していただき回収(一部ヒアリングも有り)
調査対象者:コミュニティバス利用者全員
回答者数 :計134名
調査日
:平成 26 年 10 月 1 日(水)、2 日(木)、3 日(金)
<回収状況>
バス
しばざくら号
調査日
回答数
10 月1日
18
10 月2日
12
10 月3日
23
小 計
おりひめバス
53
10 月1日
31
10 月2日
27
10 月3日
23
小 計
81
合 計
134
- 18 -
② バス・鉄道利用者の個人属性
・バス利用者の個人属性を全体と比較すると、バス利用者は、10 代及び 70 代以上、就
学者の人が多くなっています。
・鉄道利用者の個人属性を全体と比較すると、鉄道利用者は、20 代以下、就学者の人が
多くなっています。
・バス及び鉄道利用者は、全体と比較して運転免許証を持っていない人、世帯に車がない
人が利用している傾向があり、自動車を利用しづらい人の交通手段としてバスや鉄道が
利用されている傾向があります。
<個人属性の比較>
(年
コミュニティバス
利用者
10代
18%
20代 30代 40代
6% 2% 12%
バス利用者
50代
19%
47%
鉄道利用者
13%
21%
11%
0%
コミュニティバス
利用者
16%
20%
14%
(職
12%
17%
17%
60%
880
10%
4% 0%
1,105
9%
3%
80%
業)
100%
無職
46%
8%
20%
6% 1%
16%
40%
830
13%
47%
63%
7%
60%
80%
コミュニティバス
利用者
バス利用者
40%
100%
鉄道利用者
2%
20%
773
2%
40%
1,040
46%
77%
0%
83
59%
51%
西脇市関連
移動全体
計
(人)
持っていない
63%
1%
60%
46,345
21%
80%
100%
(世帯の車の保有状況)
コミュニティバス
利用者
世帯に車がある
51%
90%
鉄道利用者
89%
西脇市関連
移動全体
98%
0%
*)
**)
***)
****)
*****)
20%
計
(人)
80
世帯に車がない
49%
バス利用者
40%
10%
880
11%
1,105
2%
60%
1,004
46,739
14%
(運転免許証の有無)
自動車免許を持ってい
自動二輪・原付のみ
る
4%
34%
45,446
計
(人)
81
50%
西脇市関連
移動全体
計
(人)
120
0%
21%
14%
47%
0%
80歳以上
10%
16%
就学者 専業主婦・主夫
10%
16%
30%
鉄道利用者
70代
24%
10%
9%
40%
就業者
28%
バス利用者
60代
9%
0% 5% 2%
31%
西脇市関連
移動全体
齢)
80%
46,871
100%
コミュニティバス利用者:平成 26 年に実施したコミュニティバス利用者アンケート調査の回答者
バス利用者: 平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査より西脇市関連の移動で代表交通手段がバスの人
鉄道利用者:平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査より西脇市関連の移動で代表交通手段が鉄道の人
西脇市関連移動全体:平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査より西脇市関連の移動の人
不明を除く。
- 19 -
(3) クルマ移動制約者の移動特性
① クルマ移動制約者の定義と人数
・バスや鉄道は自動車を利用しづらい人に利用されている傾向があったことから、「自動
車運転免許を持っていない」又は「世帯に車がない」人をクルマ移動制約者と定義して、
その人の移動特性を分析しています。
・西脇市民のクルマ移動制約者数は平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査結果から推計
すると、32%の約1万3千人が該当します。
【クルマ移動制約者の定義】
次のいずれかに該当する人をクルマ移動制約者として設定
・自動車運転免許を持っていない
・世帯に車がない
<クルマ移動制約者の人口割合>
クルマ移動
制約者
13,251
32%
その他の人
27,791
68%
計:41,042 人
(5 歳以上人口)
出典) 平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
- 20 -
② 個人属性の比較
・クルマ移動制約者の個人属性をその他の人と比較すると、クルマ移動制約者は、女性、
65 歳以上、無職及び就学者の人が多くなっています。
・年齢階層別にクルマ移動制約者の割合を比較すると、18 歳未満では自動車運転免許を
取得できないことから 5~19 歳の割合は高くなっています。20 歳以上では年齢階層が
上がるごとにクルマ移動制約者の割合が高くなっていき、75 歳以上では 66%の人がク
ルマ移動制約者となっています。
<個人属性の比較>
(性 別)
男性
33%
クルマ移動制約者
その他の人
女性
67%
55%
0%
20%
5~14歳
32%
その他の人
40%
60%
80%
計
(人)
25%
20%
就学者
46%
その他の人
21%
60%
80%
27,791
100%
計
(人)
業)
専業主婦・主夫
10%
無職
34%
1% 9%
73%
20%
13,251
43%
40%
(職
就業者
9%
100%
齢)
79%
0%
0%
27,791
(自動車の運転について)
15~64歳
65歳以上
0%
クルマ移動制約者
13,251
45%
(年
クルマ移動制約者
計
(人)
40%
60%
80%
12,883
27,530
17%
100%
計
(人)
<年齢階層別にみたクルマ移動制約者の割合>
クルマ移動
制約者
96%
5~19歳
20~64歳
7%
93%
34%
65~74歳
75歳以上
20%
6,229
23,163
6,128
66%
66%
0%
その他の人
4%
34%
40%
60%
80%
100%
出典) 平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
- 21 -
5,522
③ 外出率及び平均移動回数の比較
・クルマ移動制約者とその他の人とを同年代で比較すると、クルマ移動制約者は外出率が
低いだけでなく、外出した人でも移動回数が少なくなっています。このことから、クル
マ移動制約者は自動車を気軽に利用できないことが原因で、移動しづらい状況が発生し
ていると考えられます。
<外出率の比較>
クルマ移動制約者
その他の人
97%
100%
88%
85%
80%
76%
69%
67%
67%
64%
60%
53%
40%
33%
20%
0%
全体
5~19歳
20~64歳
65~74歳
75歳以上
出典) 平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
<外出した人 1 人当たり平均移動回数の比較>
クルマ移動制約者
回/人
その他の人
5.0
4.0
3.1 3.2
3.2
3.0
2.7
2.6
3.1 3.3
3.0
2.6
2.3
2.0
1.0
0.0
全体
5~19歳
20~64歳
65~74歳
75歳以上
出典) 平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査
- 22 -
(4) 高校生アンケート調査結果からみる移動状況
① アンケート調査実施概要
・バス、鉄道利用が比較的多い就学者のうち、高校生の通学状況を把握するため、市内 3
高校(西脇高校、西脇工業高校、西脇北高校)の 1 年生と、社高校及び多可高校の西脇
市在住の 1 年生を対象に、各校のご協力をいただいて調査票を配布・回収し、アンケー
ト調査を実施しました。
調査目的
調査方法
調査対象者
調査日
回答者数
:西脇市内における高校生の通学状況を把握するため
:学校による調査票の配布・回収
:市内 3 高校(西脇高校、西脇工業高校、西脇北高校)の 1 年生全員
西脇市在住の社高校及び多可高校に通学する 1 年生
:平成 26 年 7 月 8 日~平成 26 年 7 月 18 日
:計 709 名 ※わずかな欠席者を除き、ほぼ全生徒
<回答状況>
高校
回答者数
西脇高校
316
西脇工業高校
239
西脇北高校
69
社高校
38
多可高校
47
合計
709
② 通学交通手段
・西脇市民の高校生は市内・市外を問わず約 80%の人が自転車で通学しています。
・残り約 20%の人のうち、市内の高校ヘは徒歩、市外の高校へは自動車で送迎してもら
っている人が多くなっています。また、市外の高校へバスで通学している人も 9%とな
っています。
・市外から市内高校へ通学する人も自転車が最も多く 59%となっています。次いで、鉄
道利用が 17%、バス利用が 15%と多くなっており、公共交通利用が約 30%を占めて
います。
<通学交通手段>
自動車
(家族の送迎)
バス
2%
0%
市内高校へ通学して
鉄道 バイク
いる市民
1% 0%
市外高校へ通学して
0% 9%
いる市民
市外から市内高校へ
通学している人
自転車
81%
15%
0%
17%
合計
9%
0%
計
(票)
15%
9%
7%
20%
徒歩
16%
0% 1%
76%
8%
0%
59%
0%
69%
40%
60%
その他
0%
7%
80%
82
1% 0%
357
0%
697
100%
*) 無回答を除く
- 23 -
258
③ バス・鉄道を利用しない理由
・市内高校へ通学している市民では「自宅から学校までの距離が近いから」バス・鉄道を
利用しない人が最も多くなっています。
・市外高校へ通学している市民では「バスや鉄道の料金が高くて負担になるから」バス・
鉄道を利用しない人が最も多くなっています。
・市外から市内高校へ通学している人では「バスや鉄道の料金が高くて負担になるから」
「バスや鉄道の運行本数が少なくて不便だから」バス・鉄道を利用しない人が多くなっ
ています。また、市域を越える通学であるにもかかわらず、「自宅から学校までの距離
が(比較的)近いから」バス・鉄道を利用しないと回答した人も多くなっています。
<バス・鉄道を利用しない理由>
〔市内高校へ通学している市民〕
80%
〔市外高校へ通学している市民〕
50%
71%
70%
計:75 票
40%
60%
35%
50%
30%
40%
25%
30%
20%
15%
20%
10%
0%
44%
45%
計:255 票
3%
7%
2%
4%
4%
6%
バ
ス
停
が
な
い
か
ら
通
学
時
間
と
あ
わ
な
い
か
ら
運
行
本
数
が
少
な
い
か
ら
料
金
が
高
い
か
ら
10%
1%
2%
時
間
が
か
か
る
か
ら
バ
ス
路
線
が
な
い
か
ら
1%
面
倒
だ
か
ら
わ
か
ら
な
い
そ
の
他
近
い
か
ら
時
間
が
か
か
る
か
ら
12%
7%
4%
5%
0%
近
い
か
ら
12%
8%
9%
9%
7%
1%
バ
ス
路
線
が
な
い
か
ら
バ
ス
停
が
な
い
か
ら
通
学
時
間
と
あ
わ
な
い
か
ら
運
行
本
数
が
少
な
い
か
ら
料
金
が
高
い
か
ら
面
倒
だ
か
ら
わ
か
ら
な
い
そ
の
他
〔市外から市内高校へ通学している人〕
35%
30%
32%
29%
<回答項目の詳細>
計:241 票
25%
19%
20%
15%
8%
10%
10%
8%
7%
4%
5%
0%
近
い
か
ら
時
間
が
か
か
る
か
ら
バ
ス
路
線
が
な
い
か
ら
バ
ス
停
が
な
い
か
ら
通
学
時
間
と
あ
わ
な
い
か
ら
運
行
本
数
が
少
な
い
か
ら
料
金
が
高
い
か
ら
面
倒
だ
か
ら
6%
わ
か
ら
な
い
8%
そ
の
他
近
い
か
ら:自宅から学校までの距離が(比較的)近いから
時 間 が か か る か ら:鉄道やバスを利用すると時間がかかるから
バス路線がないから:自宅近くにバスが走っていないから(バス路線
がない)
バ ス 停 が な い か ら:バスは走っているが、近くにバス停がないから
通学時間とあわないから :バスや鉄道の運行時刻(ダイヤ)が通学時間と
あわないから
運行本数が少ないから:バスや鉄道の運行本数が少なくて不便だから
料 金 が 高 い か ら:バスや鉄道の料金が高くて負担になるから
面 倒 だ か ら:帰りに用事や塾などに行くのに面倒だから
*) 複数回答
**) 無回答を除く。
- 24 -
(5) 高齢者アンケート調査結果からみる移動状況
① アンケート調査実施概要
・高齢者はバス・鉄道利用が比較的多いことや、自動車を気軽に利用できないクルマ移動
制約者が多いことから、高齢者の移動状況を把握するため、西脇市の老人クラブ会員
5,056 人を対象に老人クラブから調査票を配布して、郵送により回収する方法によりア
ンケート調査を実施しました。
調査目的
調査方法
調査対象者
配布日
回収期限
回収者数
:公共交通の主な利用者である高齢者の移動状況を把握するため
:老人クラブによる調査票の配布、郵送回収
:老人クラブ会員
:平成 26 年 9 月 8 日(月)~平成 26 年 9 月 12 日(金)
:平成 26 年 10 月 15 日(水)
:計:3,056 名
<回収状況>
地区名
西脇地区
津万地区
日野地区
野村・重春地区
比延地区
芳田地区
黒田庄地区
合計
配布枚数
544
528
711
625
517
601
1,530
5,056
回収数
312
348
401
394
394
309
898
3,056
回収率
57%
66%
56%
63%
76%
51%
59%
60%
② 移動交通手段
・高齢者の利用交通手段は、いずれの目的でも「クルマ(自分で運転)」が最も高い割合
になっており、全ての目的において約半数を占めています。
・「クルマ(送迎してもらう)」に着目すると、通院及び買物目的において、送迎の割合
が高くなっており、約 20%を占めています。
・「バス(路線バス・コミバス等)」は、いずれの目的でも利用は少ないものの、「通院」
で最も多く利用されています。
<目的別移動交通手段>
クルマ(自分で運転)
徒歩
鉄道
クルマ(送迎してもらう)
タクシー
その他
通院
バイク
送迎車
51%
自転車
バス(路線バス・コミバス等)
21%
4%
4% 3% 2% 4% 5% 1%
6%
計
(票)
2,647
1%2%
買物
56%
18%
4%
7%
3%
8% 1%
1%
2,601
1%2%
役所金融機関
54%
11%
5%
8%
7%
0%
11%
1%
2,225
0%
1,766
1%
9,239
1% 1%
その他施設
49%
10%
4%
6%
5%
22%
2%
2% 2%
合計
53%
16%
4%
7%
5%
11%
1%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
*) 無回答を除く。
- 25 -
③ バスや鉄道の利用頻度
・バスや鉄道の利用頻度は、「ほとんど利用しない」が約 90%を占めており、次いで「月
に1日程度」が多くなっています。
<バスや鉄道の利用頻度>
週に1日程度
1%
週に3日以上
1%
月に2~3日程度
4%
月に1日程度
6%
ほとんど利用しな
い
88%
合計:3,023 票
*) 無回答を除く。
・バスや鉄道を利用しない理由は、「車などほかの手段の方が便利だから」が 66%で最も
多く、「その他」を除くと、次いで「行きたい場所までのバスや鉄道がないから」が 19%
と多くなっています。
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
<バスや鉄道を利用しない理由>
計:2,837 票
66%
19%
車
な
ど
ほ
か
の
手
段
の
方
が
便
利
だ
か
ら
行
き
た
い
場
所
いま
かで
らの
バ
ス
や
鉄
道
が
無
11%
11%
朝
・
晩
な
ど
乗
り
なた
いい
か時
ら
に
バ
ス
や
鉄
道
が
時
間
が
か
か
る
か
ら
3%
3%
4%
運
賃
が
高
い
か
ら
利
用
方
法
や
バ
なス
い・
鉄
か道
らの
時
間
が
分
か
ら
外
出
す
る
の
に
介
護
支
援
が
必
要
だ
か
ら
13%
あ
ま
り
外
出
し
な
い
か
ら
22%
そ
の
他
*) バスや鉄道を「ほとんど利用しない」、「月に1日程度」 利用する人による集計結果
**) 複数回答
***) 無回答を除く。
- 26 -
④ 移動時の問題点
・移動するときの問題点は、通院目的では「問題あり」が 24%であり、他の目的より高い
割合になっています。
・年齢別に見ると、高齢になるほど移動するときに問題を抱えている人の割合が増加して
います。
<移動するときの問題の有無>
通院
問題あり
24%
買物
17%
計
(票)
特に問題はない
76%
2,232
2,082
83%
役所金融機関
14%
86%
1,681
その他施設
14%
86%
1,229
合計
18%
0%
7,224
82%
20%
40%
60%
80%
100%
*) 無回答を除く。
<年齢別にみた移動するときの問題の有無>
65~69歳
問題あり
8%
70~74歳
特に問題はない
92%
11%
75~79歳
1,789
1,794
70%
18%
0%
2,100
80%
30%
合計
1,252
89%
20%
80歳以上
計
(票)
7,224
82%
20%
40%
60%
80%
100%
*) 無回答を除く。
- 27 -
⑤ バスの今後のあり方
・バスの今後のあり方については、無回答を除くと、高齢者の約 9%の人はバスに対して
「運行補助金を減額すべき」という意向ですが、それを大きく上回る約 36%の人が「補
助金を増額すべき」「引き続き補助金を出すべき」と回答しています。
・「自治会や地域による運行や経費の一部負担」をすべきと回答した人も 12%を占めてお
り、地域別に見ると比延地区や黒田庄地区において、その傾向が強くなっています。
<バスの今後のあり方>
補助金を
増額すべき
西脇
5%
津万
6%
日野
4%
重春・野村
6%
比延
8%
芳田
8%
黒田庄
6%
合計
6%
0%
引き続き
補助金を出すべき
22%
運行補助金を
減額すべき
12%
6%
29%
9%
27%
11%
19%
20%
10%
9%
40%
30%
32%
34%
60%
7%
327
254
5%
80%
802
2,240
9%
*) 無回答を除く
- 28 -
320
19%
14%
12%
313
10%
32%
7%
276
13%
14%
計
(票)
268
8%
36%
12%
36%
30%
37%
36%
7%
11%
その他
13%
10%
12%
35%
わからない
42%
11%
27%
自治会や地域による
運行や経費の一部負担
100%
2.4 西脇市の交通を取り巻く現状のまとめ
西脇市の交通を取り巻く現状を統計データやアンケート調査結果等から整理し以下にまとめています。
【西脇市の交通を取り巻く現状】
・2010 年の人口は約 4 万 3 千人に対して、2040 年は約 3 万 2 千人まで減少(P4)
・高齢化は現在の 28%から今後さらに進展し、2040 年では高齢化率が 39%(P4)
・人口は中心市街地に集中し、中心市街地以外に広がる 100 人未満(500m四方当たり)の低密な居住
地(P5)
・高齢化率 28%以上の地域が市全域に点在(P5)
・最近5か年は乗車人員が増加傾向にある鉄道(P6)
・西脇市駅の乗車人数は多い(712 人/日)が、その他の駅では少ない利用者(36 人/日以下)(P11)
・路線バスやコミュニティバスの利用者数が減少傾向(P7、P9)
・市民の約 24%が公共交通空白地域に居住(P12)
・高齢者・障害者の移動に対する福祉タクシー事業の支援状況は約 1,100 万円/年(P13)
・自動車普通免許所有者数及び自動車保有台数は 2007 年から減少傾向(P14)
・減少に転じた自動車交通量(P14)
・事故件数は減少傾向にあるものの、増加している高齢者による事故割合(約 20%)(P15)
・活発に移動する高齢者の増加(P16)
・西脇市の移動の 75%と大半を占める自動車交通(P17)
・高齢者の移動も約 70%は自動車交通(P17)
・市民の 32%がクルマ移動制約者であり、そのうち 20 歳未満は 45%、高齢者は 44%(P20、P21)
・高齢者では年齢が上がるほど増加するクルマ移動制約者(P21)
・外出がしづらくなっているクルマ移動制約者(P22)
【アンケート調査結果等から整理した西脇市の交通の現状】
・バスは 10 代又は高齢者などの自動車を利用しづらい人に利用されている傾向(P19)
・市内高校への通学、市外高校への通学ともに多い自転車通学(P23)
・高齢者の移動手段は、いずれの目的でも「クルマ(自分で運転)」が約半数と最も多く、次いで多い「ク
ルマ(送迎してもらう)」(P25)
・クルマで送迎してもらっている高齢者の目的は「通院」と「買物」が多い(P25)
・バスや鉄道を「ほとんど利用しない」高齢者が 88%(P26)
・高齢者のバスや鉄道を利用しない理由は「車などほかの手段の方が便利だから」が 66%(P26)
・高齢者は主に「通院」と「買物」で移動するときに問題が多い(P27)
・75 歳~79 歳は 20%、80 歳以上は 30%が移動時に問題あり(P27)
・高齢者のバスの今後のあり方は「引き続き補助金を出すべき」が 30%(P28)
・比延地区、黒田庄地区が「自治会や地域による運行や経費の一部負担」が比較的強い傾向(P28)
- 29 -
第3章
上位計画におけるまちづくりの目標
3.1 総合計画の概要
西脇市総合計画では、平成 30 年度(2018 年度)を目標年次として「都市像」「将来像」「分野別の展望と
政策・施策体系」を以下のとおり示しています。
【都市像】
人輝き 未来広がる 田園協奏都市
【将来像】
いのちいきいき 自然きらきら 共生のまち にしわき
~市民が主役!地域が主体!次世代につなぐ ふるさとの創造~
【分野別の展望と政策・施策体系】
1.ともに支え合い、笑顔輝くあたたかなまち<健康・子育て・福祉>
2.産業が元気!活力とにぎわいあふれるまち<産業・経済>
3.こころ豊かな人が育ち、いきいきと活躍できるまち<教育・文化・スポーツ>
4.暮らしの安全を守り、安心が実感できるまち<生活安全・安心>
5.快適な暮らしを支える生活基盤が充実したまち<都市基盤・生活環境>
6.持続可能な循環型社会を築き、人と自然が共生するまち<自然・環境共生>
7.多様な主体による地域自治が確立したまち<地域自治>
8.時代に対応した行政経営が確立したまち<行政経営>
第5章 快適な暮らしを支える生活基盤が充実したまち<都市基盤・生活環境>
第1節 安全で快適な道路交通
■目指す姿
誰もが安心して利用することのできる道路が整備され、市内や周辺
地域との円滑な道路交通が確保されています。
第2節 円滑な移動を支える公共交通
■目指す姿
公共交通などの移動手段が機能的に整備されており、高齢者、障害
者、年少者など、全ての人が安心して、円滑に移動できます。
■施策の展開方針
5-201 利用者にやさしい公共交通網の整備・充実
5-202 公共交通機関の利用促進
5-203 新しい交通手段の確保・充実
- 30 -
3.2 都市計画マスタープランによる将来都市構造
西脇市都市計画マスタープランでは西脇市総合計画を受けて、平成 30 年度(2018 年度)を目標年次と
して「都市づくりの基本方針」「基本的な視点」「具体的な展開方針」「都市構造図」を以下のとおり示してい
ます。
将来都市構造は、市内の都市機能ゾーン等の各種ゾーンや市外を広域連携軸及び地域間連携軸で結
ぶことにより形成することを目指しています。
【都市づくりの基本方針】
『自然・田園・産業が共生し、生き生きとした暮らしや多様な交流を生み出す都市づくり』
【基本的な視点】
市街地再生と産業再生による都市活力の創出
【具体的な展開方針】
・安全・快適に暮らせるまちづくり
・活力とにぎわいあふれるまちづくり
・自然と共生しうるおい豊かなまちづくり
・多様な主体の参画と協働のまちづくり
【都市構造図】
- 31 -
第4章
計画の方向性
西脇市の交通の現状と課題、まちづくりの目標を踏まえて、今後の地域公共交通整備の方向性を以下
に示しています。
< 西脇市の交通を取り巻く現状と課題 >
 人口減少・高齢化社会の進展
・市全域で進展している高齢化
・活発に移動する高齢者の増加
⇒ 高齢者が移動しやすい環境づくりが必要
 利用者数が少ない公共交通利用者
・減少傾向にあるバス交通
・利用割合が低い公共交通
⇒ 持続可能な公共交通に向けた利用促進が必要
 残されている公共交通空白地
・市民の 24%が居住する公共交通空白地
⇒ 公共交通空白地削減に向けた取組が必要
 利用割合が高い自動車交通
・西脇市の移動の 75%と大半を占める自動車
交通
・高齢者の移動も約 70%が自動車交通
・増加している高齢者が加害者となる事故割合
⇒ 自動車だけに頼らない交通環境整備が必要
 移動しづらいクルマ移動制約者
・市民の 32%がクルマ移動制約者
・高齢者では年齢が上がるほど増加するクルマ移
動制約者
・外出率や移動回数が少ないクルマ移動制約者
⇒ 自動車がなくても移動できる交通環境整備が必要
 公共交通の現状
・中央部~西部にかけて広がる鉄道、バス交通網
⇒ 既存交通機関の有効な活用が必要
< まちづくりの目標 >
1.ともに支え合い、笑顔輝くあたたかなまち
2.産業が元気!活力とにぎわいあふれるまち
3.こころ豊かな人が育ち、いきいきと活躍できる
まち
4.暮らしの安全を守り、安心が実感できるまち
5.快適な暮らしを支える生活基盤が充実したまち
6.持続可能な循環型社会を築き、人と自然が共生
するまち
7.多様な主体による地域自治が確立したまち
8.時代に対応した行政経営が確立したまち
< 計画の方向性 >
 まちづくりの目標に向けて、暮らしを支え、地域を結ぶ公共交通ネットワークを、既存交通機関
を有効に活用して整備することが必要です。
 持続可能な公共交通を未来につなぐため、関係者みんなで支え合うことが必要です。
 地域の人と協力して、公共交通空白地削減に向けた取組が必要です。
 高齢化社会の進展に対応して、自動車に頼らなくても移動できる交通環境整備が必要です。
 隣接市町との連携を強化して、公共交通ネットワークの維持・改善が必要です。
- 32 -
第5章
公共交通網の整備方針
5.1 公共交通網整備方針の基本的な考え方
公共交通網の整備方針は、西脇市における移動状況から公共交通の需要分析を実施した上で、第4章
で示した 「計画の方向性」 や 「国土交通省における地域公共交通の確保・維持・改善の推進のための支
援の考え方」、「利用状況に応じた公共交通の運行イメージ」 を踏まえて、公共交通軸及び軸までの地域
内交通により形成される「公共交通網整備方針」を設定しています。
<公共交通網整備方針の検討方法>
西脇市における
移動状況
公共交通の需要分析
(第5章 5.2)
<公共交通網整備方針の基本的な考え方>
計画の方向性
(第4章)
①国土交通省における地域公共交通の確保・維持・
改善の推進のための支援の考え方
②利用状況に応じた公共交通の運行イメージ
公共交通網整備方針
(第5章 5.3)
- 33 -
① 国土交通省における地域公共交通の確保・維持・改善の推進のための支援の考え方
地域特性や実情に応じた地域最適な生活交通ネットワークを確保・維持するため、地域間生
活交通のネットワーク(地域間幹線系統)と当該ネットワークの支線として、高齢者等の生活を
支える地域内の一定の生活交通等の運行(地域内フィーダー系統)について一体的に支援してい
ます。
●地域間幹線系統補助【幹線】
地域特性や実情に応じた最適な生活交通ネットワークを確保・維持するため、地域間交
通ネットワークを形成する地域間幹線系統の運行について支援
●地域内フィーダー系統補助【支線】
地域特性や実情に応じた最適な生活交通ネットワークを確保・維持するため、幹線バス
等の地域間交通ネットワークと密接な地域内のバス交通・デマンド交通の運行について
支援
- 34 -
② 利用状況に応じた公共交通の運行イメージ
公共交通は多様な運行方法があるため、公共交通網整備方針の検討に当たっては、利用状況
に応じて適切な運行方法を選択することが重要です。基本的には、以下のような運行イメージ
に沿って、運行方法や車両を選択します。
利用者数が多い場合は定時定路線型の路線バスやコミュニティバスなどが適してい
ます。利用者数が少ない場合でも利用者数が一定あれば、より車両を小さくした定
時定路線型の乗合タクシー(ジャンボタクシー、セダン等)が適しています。
利用者数が少なく需要が分散している場合は、デマンド型や不定期乗合タクシーが
適してきます。利用者数が少ない場合は、既に輸送事業者が不在となっている場合
もありますが、そのような場合にはNPO等による過疎地有償運送による対応が必要
となることもあります。
利用者が多い
輸送密度 10 人以上
コミュニティバス
バス、マイクロバス
輸送人員に
余裕
【ニーズ】
通勤・通学
輸送人員に余裕
スクールバス
混乗型
福祉バス
混乗型
輸送密度 4 人以上
【ニーズ】
高齢者
乗合タクシー (ジャンボタクシー等)
輸送密度 4 人未満
乗合タクシー (セダン型)
輸送人員僅少
デマンド型・不定期
乗合タクシー
輸送事業者が不在等
輸送事業者では
対応不能
NPO 等による
福祉有償運送
NPO 等による
過疎地有償運送
利用者が少ない
出典) 「なるほど!!公共交通の勘どころ」平成 19 年度版 国土交通省 九州運輸局
- 35 -
5.2 公共交通の需要分析
公共交通の需要分析は、平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査結果を用いて、既にバスや鉄道の公共
交通を利用している移動を公共交通顕在需要として把握し、他方で送迎してもらっているクルマ移動制約
者の移動を公共交通潜在需要として把握し、それらを合わせることで公共交通需要を把握しています。
この公共交通需要の出発地から到着地までの移
動について、主要道路上を最短経路で移動すると
<公共交通の需要分析フロー>
公共交通需要軸の把握
平成 22 年近畿圏
パーソントリップ調査結果
仮定して分析します。<公共交通需要分析図>
公共交通需要が集中する中心市街地に加えて、
中心市街地から加東市方面
顕在需要の把握
潜在需要の把握
既にバスや鉄道を
利用している流動
送迎してもらっている
クルマ移動制約者の流動
中心市街地から多可町方面(日野経由)
中心市街地から加西市方面(芳田経由)
公共交通需要の把握
中心市街地から丹波市方面
に向かって公共交通需要軸が形成されています。
公共交通需要分析
<公共交通需要分析図>
凡例
(公共交通需要量)
100人/日未満
100人/日以上
300人/日以上
500人/日以上
1000人/日以上
- 36 -
5.3 公共交通網整備方針
(1) 公共交通網整備方針の設定方法
公共交通網整備方針は、公共交通需要軸を基本とした上で、移動に困っている人(既に公共交
通を利用している人を含みます。)をターゲットとして検討します。
近畿圏パーソントリップ調査結果を分析したところ、「自動車運転免許を持っていない」又は
「世帯に自動車がない」クルマ移動制約者は外出しづらいこと、高齢者や学生にクルマ移動制約
者が多いことを確認しましたが、高校生アンケート調査結果を受け、特に高齢者に着目して検討
することとしています。
まず、高齢者アンケート調査結果を用いて、既にバスや鉄道の公共交通を利用している移動を
顕在需要として、また移動時に問題を抱えながら送迎してもらっている移動を潜在需要として、
それらを合わせたものを公共交通需要として把握しています。この公共交通需要の出発地から到
着地までの移動を主要道路上の最短経路に落とし込むことで、高齢者の公共交通需要を分析して
います。
この高齢者の「公共交通需要分析結果」及び「上位計画における将来の都市構造」「計画の方
向性」「公共交通網整備方針の基本的な考え方」を踏まえて、公共交通網整備方針を設定しまし
た。
- 37 -
<公共交通網整備方針の検討フロー>
公 共 交 通 需 要 軸
公共交通網整備方針の検討
公共交通網整備方針検討のターゲット
移動に困っている人
(既に公共交通を利用している人も対象)
近畿圏パーソントリップ調査結果分析より
・クルマ移動制約者は外出しづらい
・クルマ移動制約者は高齢者や学生に多い
高齢者アンケート調査結果分析より
高校生アンケート調査結果分析より
・高齢者はクルマを自分で運転して移動し
ている人が最も多いものの、送迎しても
らっている人も多い
・高齢になるほど移動時の問題を抱えてい
る割合が増加
・移動するときの問題点としては、全ての
目的において「送迎してもらうのが何か
と大変」が最も多い
・市民が市内の高校へ通学する場合は、「近い
から」「自由度が高いから」「定期代がかか
らないから」等の理由で自転車通学が多く、
バスを利用する可能性が低い
・市域を越える通学流動には公共交通が必要で
あるが、特定地域を除き、市民は自転車で大
半が通学しており、バスを利用する可能性が
低い
・市外から市内高校への通学は、駅から近い立
地条件などもあり、自転車に加えて、鉄道や
既存の路線バス等で大半が充足されている。
高齢者に着目して公共交通網整備方針を検討
高齢者の公共交通需要分析
平成 26 年高齢者アンケート調査結果
顕在需要の把握
潜在需要の把握
既にバスや鉄道を利用している
高齢者の流動
移動時に問題点を抱えながら送迎
してもらっている高齢者の流動
高齢者の公共交通需要の把握
高齢者の公共交通需要分析
上位計画における将来の都市構造
(第 3 章)
<公共交通網整備方針の基本的な考え方>
①国土交通省における地域公共交通の確保・
維持・改善の推進のための支援の考え方
計画の方向性
(第 4 章)
②利用状況に応じた公共交通の運行イメージ
(第5章 5.1)
公共交通網整備方針
- 38 -
(2) 公共交通網整備方針
西脇市の公共交通網は「まちなか巡回軸」「鉄道軸」「路線バス軸」「コミバス軸」「軸までの地域内交通」で形成されることを目指し、軸ごとの整備方針を以下に示しています。
<公共交通網整備方針>
鉄道軸
西脇市と南北の市外とを結ぶ鉄道軸とし
て、利便性向上を目指します。
まちなかと黒田庄を結ぶコミバス軸
中心市街地(まちなか)と黒田庄地区を結
ぶコミバス軸の形成を目指します。
軸までの地域内交通
まちなか巡回軸、鉄道軸、路線バス軸、コ
ミバス軸以外の地域においては、各種軸ま
での地域内交通を整備していくことを目指
しますが、地域主体型交通とするか、行政
主体のコミバス等にするか、それぞれのメ
リット、デメリットに鑑みながら、各地域
の意見、意向等も踏まえつつ検討します。
西脇と多可を結ぶ路線バス 軸(ま ちなかと日野を結ぶ)
多可町方面へは高齢者の公共交通需要とし
ては日野地区までとなっていますが、西脇
市と多可町を結ぶ路線バス軸として、多可
町と連携しながら利便性向上を目指しま
す。
まちなかと比延を結ぶコミバス軸
中心市街地(まちなか)と比延地区を結ぶ
コミバス軸として、利便性向上を目指しま
す。
西脇と加西を結ぶ路線バス 軸(ま ちなかと芳田を結ぶ)
加西市方面へは高齢者の公共交通需要とし
ては芳田地区までとなっていますが、西脇
市と加西市を結ぶ路線バス軸の形成に向け
て、加西市及び多可町と連携しながらバス
路線のあり方について検討します。
まちなか巡回軸
中心市街地(まちなか)においては、まち
なか巡回軸を設定しますが、郊外の各種軸
を活用して巡回するか、単独路線としてま
ちなか巡回線を運行するかを検討します。
西脇と加東・京阪神を結ぶ路線バス軸
加東市・京阪神方面を結ぶ路線バス軸とし
て、利便性向上を目指します。
- 39 -
5.4 公共交通機関別の役割
公共交通網整備方針の実現に向けては、今後もさらに市民、交通事業者、行政が連携していくことが必
要であり、運行される各公共交通機関別に役割を分担していくことが重要です。
西脇市において、各公共交通機関に期待される役割については、以下のとおりです。
公共交通機関
鉄道
役
割
西脇市と市外を結ぶ市外連携を強化する広域連携軸
としての役割
鉄道がない方面における西脇市と市外を結ぶ市外連
路線バス
携を強化する広域連携軸としての役割に加えて市内
の地域間連携軸としての役割
路線バスでは対応が困難であるが、一定程度需要軸が
コミュニティバス
形成されている地域において、市が主体となって移動
手段を確保する市内の地域間連携軸としての役割
低需要な地域において、公共交通基幹軸までの移動手
段を地域が主体となって確保する役割
地域主体型交通
手法としては大きく分けて、路線バスと同様に定時定路
線型で運行する方法と、電話等の事前予約により予約に
応じて運行する予約型があります。この手法も含めて、
地域主体で行政と連携しながら検討していきます。
ドア・ツー・ドアや緊急時等の需要への対応、鉄道、バ
タクシー
ス運行時間外の需要への対応など、その他公共交通で
は対応できない需要に対する移動手段確保の役割
- 40 -
第6章
基本理念と施策体系
6.1 基本理念
本計画は、西脇市総合計画の都市像である 「人輝き 未来広がる 田園協奏都市」 を展望するとともに、
西脇市における交通の現状やまちづくりの目標から導き出された計画の方向性や公共交通網整備方針を
踏まえ、地域と地域をつなぎ、人々の安心な暮らしを支える公共交通体系を、関係者みんなで支え合うこと
により未来へつなげていくことを目指し、以下を基本理念とします。
ささ
『 ひと支え
むす
まち結ぶ
未来へつなげる公共交通 』
6.2 目指すべき3つの視点(基本戦略)と計画目標
基本理念の実現に向けて、以下の目指すべき3つの視点( 基本戦略 ) と各視点の計画目標により公共
交通施策を展開します。
基本戦略1
安心して暮らせる生活環境を支える公共交通
通院や買物、通勤、通学など市民の生活に欠かすことのできない活動を支え、家にこもりがち
な高齢者等の外出の機会を創出し、仕事や観光等を目的とした市外からの来訪者の移動にも対応
した公共交通網を整備することで、安心して暮らせるまちづくりを目指します。
基本戦略1の計画目標は「買物や通院・通学時の移動に困っている人の割合」が平成 36 年度
(2024 年度)に 27%まで減少することとします。
計画目標(指標)
現状(平成 26 年度)
指標の定義
及び算出方法
買物や通院・通学時の移動に困っている人の割合
38.8%
目標(平成 36 年度)
27.0%
各年度に実施するまちづくり市民アンケートにおいて、買物や通院・
通学時の移動に困っているとの質問に対して、「思う」「やや思う」
と回答した方の割合
- 41 -
基本戦略2
人にもまちにもやさしい公共交通
鉄道駅やバス車両のバリアフリー化をはじめ、交通結節点の機能強化などを実施し、誰もが利
用しやすい公共交通体系を整備することで、自動車利用だけに頼らない環境にもやさしいまちづ
くりを目指します。
基本戦略2の計画目標は「過去1年間に、市内外への移動に公共交通(路線バス・鉄道など)
を利用したことがある人の割合」が平成 36 年度(2024 年度)
に 50%まで増加することとします。
計画目標(指標)
過去1年間に、市内外への移動に公共交通(路線バス・鉄道など)を
利用したことがある人の割合
現状(平成 26 年度)
指標の定義
及び算出方法
基本戦略3
41.8%
目標(平成 36 年度)
50.0%
各年度に実施するまちづくり市民アンケートにおいて、過去1年間で
年1日程度以上、公共交通を利用したことがあると回答した方の割合
市民とともに支え合う公共交通
地域にとって必要な公共交通を維持・確保するための方策を、市民をはじめ関係者みんなの連
携と創意工夫により検討することで、持続可能な公共交通があるまちづくりを目指します。
基本戦略3の計画目標は「地域等が主体となる公共交通を実施・検討している団体数」が平成
36 年度(2024 年度)に4件まで増加することとします。
計画目標(指標)
地域等が主体となる公共交通を実施・検討している団体数
現状(平成 26 年度)
指標の定義
及び算出方法
1件
目標(平成 36 年度)
4件
各年度 3 月 31 日現在において、市町村有償運送、過疎地有償運送、
福祉有償運送の実施・検討に至った団体数
全体目標
本計画の目標年次である平成 36 年度(2024 年度)に向けた全体目標の指標として「公共交通
年間総利用者数」を設定します。
公共交通網整備や公共交通の利用促進などの施策全体の効果を鉄道、路線バス、コミュニティ
バス及び地域主体型交通を含む全ての公共交通の年間利用者数により評価します。
評価指標
公共交通年間総利用者数
現状(平成 24 年度)
指標の定義
及び算出方法
47 万人/年
目標(平成 36 年度)
44 万人/年
各年度の鉄道、路線バス、コミバス、地域主体型交通などの公共交
通年間総利用者数
平成 24 年度公共交通年間総利用者数
・鉄道年間利用者数:平成 25 年西脇市統計書の平成 24 年駅別日乗客数を年間利用者数に拡大推計
・路線バス年間利用者数:平成 24 年西脇市内移動調査データを年間利用者数に拡大推計
・コミバス年間利用者数:平成 24 年(平成 23 年 10 月~平成 24 年 9 月)の年間利用者数
・つくしバス年間利用者数:平成 24 年(平成 24 年 4 月~平成 25 年 3 月)の年間利用者数
※ 多可町コミュニティバス「のぎくバス」利用者数は含まない
- 42 -
6.3 施策体系
基本理念「ひと支え まち結ぶ 未来へつなげる公共交通」の実現に向けて定めた基本戦略「安
心して暮らせる生活環境を支える公共交通」「人にもまちにもやさしい公共交通」「市民ととも
に支え合う公共交通」について、基本戦略ごとに実施する施策をまとめ、体系化しています。
基本理念、基本戦略、施策のつながりは以下のようになります。
基本理念
基本戦略
安心して暮らせる生活
「
ひ
と
支 ささ
え
環境を支える公共交通
・鉄道軸の整備
・まちなか巡回軸の整備
・西脇と加東・京阪神を結ぶ路線バス軸の整備
・西脇と加西を結ぶ路線バス軸の整備
・西脇と多可を結ぶ路線バス軸の整備
・まちなかと比延を結ぶコミバス軸の整備
・まちなかと黒田庄を結ぶコミバス軸の整備
・公共交通軸までの地域内交通の整備
い公共交通
・鉄道駅における結節機能強化
・大屋線と大和線の結節機能強化
・まちなか巡回線の結節点整備
・公共交通軸と地域内交通を結ぶ結節点整備
・公共交通間でのダイヤ調整による接続強化
・バリアフリー対応車両への更新
・バス停の利用環境整備
・パーク&ライドのための駐車場の確保
・サイクル&ライド(バスライド)のための
駐輪場の確保
・公共交通の総合的なマップ、時刻表の作成・
配布
・ホームページ等の電子媒体を活用した情報
提供
・公共交通と連携した観光マップ等の作成
・福祉タクシー制度の実施
・免許返納制度の整備
市民とともに支え合う
・地域で支える公共交通の整備
・地域住民による駅周辺地域の活性化
・事業者の参画・協力推進
・利用しやすく分かりやすい公共交通の推進
・親しみやすい公共交通の推進
・自治体の枠組みを超えた公共交通の維持・
利用促進に向けた取組
ま
ち
結 むす
ぶ
未
来
へ
つ
な
げ
る
公
共
交
通
」
施策
人にもまちにもやさし
公共交通
- 43 -
(1) 安心して暮らせる生活環境を支える公共交通
① 鉄道軸の整備
〇現状
・JR加古川線が西脇市駅以南で1日19往復、西脇市
駅以北で1日9往復運行(平日)
〇取組方針
・鉄道事業者と連携しながら、需要に応じたダイヤ改
正を行うとともに、増便等の利便性向上を目指した
鉄道事業者と連携
しながら、需要に
応じたダイヤ改正
や、増便等の利便
性向上を目指した
取組を検討
取組を検討します。
凡例
鉄道駅
鉄道軸
中心市街地
(まちなか)
② まちなか巡回軸の整備
○現状
・しばざくら号が1日往路5便、復路7便運行
○取組方針
・現行のしばざくら号を基本に各種軸を活用してまちなかを巡回するか、路線等を再編(単独路
線)するか、その手法を検討し、必要な再編を行います。
案1:単独路線
案2:各種バス軸の活用
凡例
凡例
バス停
バス停
結節点
結節点
しばざくら号
しばざくら号
まちなか巡回線
その他バス軸
その他バス軸
まちなか巡回軸
まちなか巡回軸
まちなか巡回軸と各種バス軸をまちなか外縁部で結節
各種バス軸でまちなかを巡回し、西脇市駅まで運行
- 44 -
③ 西脇と加東・京阪神を結ぶ路線バス軸の整備
○現状
・西脇営業所と社高校(加東市)を結ぶ路線バスが1日
バス事業者や加
東市等と連携し
ながら需要に応
じたダイヤ改正
や増便等の利便
性向上を目指し
た取組を検討
1.5往復運行(平日のみ)
・西脇営業所から加東市を経由して三ノ宮を結ぶ急行
バスが1日19往復運行
・西脇営業所と大阪を結ぶ高速バスが1日16.5往復運行
○取組方針
凡例
・現行の路線バスを基本に、バス事業者や加東市等と連
バス停
高速バス
急行バス
携しながら、需要に応じたダイヤ改正を行うとともに、増
路線バス
便等の利便性向上を目指した取組を推進します。
中心市街地
(まちなか)
路線バス軸
④ 西脇と加西を結ぶ路線バス軸の整備
○現状
・西脇営業所から明楽寺経由で大屋(多可町八千代区)と結ぶ路線バス大屋線が1日5往復運
行(平日)
・加西市から明楽寺経由で大和(多可町八千代区)と結ぶ路線バス大和線は1日4往復運行(平
日のみ)しており、加西市方面へは明楽寺で乗換が必要
〇取組方針
・西脇のまちなかから明楽寺町付近までは需要が多くなっていますが、加西市までの需要はや
や少なくなっています。また、明楽寺経由での多可町までの需要についても少なくなっていま
すが、多可町とは経済や医療、教育など多様な分野において特に繋がりが強い点に留意する
必要があります。
・そのため、次のような手法による軸の確保を検討します。ただし、路線バス大屋線が大きく関係
し、多可町や加西市にも影響を及ぼすことから、バス事業者も含めて協議し、今後のあり方を研
究していく必要があります。
1) 現行どおり、路線バス大屋線及び路線バス大和線の明楽寺乗換により軸を確保。ただし、
大屋線については、コミュニティバスとしての路線確保も研究
2) 近隣市町やバス事業者と連携し、西脇市と加西市を結ぶ路線バス等に再編するか研究
凡例
バス停
大屋線
大和線
路線バス軸
中心市街地
(まちなか)
多可町及び加西市と協議し、今後のあり方を研究
- 45 -
⑤ 西脇と多可を結ぶ路線バス軸の整備
○現状
・西脇市駅と鳥羽上(多可町加美区)を結ぶ路
線バス(鳥羽上線)が1日12往復運行
・西脇市駅と山口(多可町加美区)を結ぶ多可
町コミュニティバスである「のぎくバス」も1日6
往復運行
○取組方針
・西脇のまちなかから野中町付近までは需要
が多くなっています。多可町までの需要は少
なくなっていますが、多可町とは経済や医療、
多可町と連携し
ながら需要に応
じたダイヤ改正
や増便等の利便
性向上を目指し
た取組を検討
教育など多様な分野において特に繋がりが
凡例
強いことから、現行の路線バスを基本に、バ
ス事業者や多可町と連携しながら需要に応じ
たダイヤ改正を行うとともに、増便等の利便性
バス停
鳥羽上 線
のぎく バス
路線バス軸
中心市街地
(まちなか)
向上を目指した取組を検討します。
⑥ まちなかと比延を結ぶコミバス軸の整備
○現状
・西脇市コミュニティバスの
「おりひめバス」が1日5往
復運行
○取組方針
現行の「おりひめ
バス」を基本に利
便性向上を目指し
た取組を検討
・現行の「おりひめバス」を
基本に利便性向上を目指
した取組を検討します。
凡例
バス停
おりひめバス
まちなか巡回線
コミバス軸
中心市街地
(まちなか)
- 46 -
⑦ まちなかと黒田庄を結ぶコミバス軸の整備
○現状
・地域主体型交通である「つくしバス」が3系統
あり、各系統とも週3日、1日3往復運行
○取組方針
・現行「つくしバス」の実態を踏まえ、住民主
体型交通として継続することを前提に見直し
を実施するか、行政主体のコミュニティバス
住民主体型交通として継続す
ることを前提に見直しを実施
するか、行政主体のコミバス
等に再編するか、それぞれの
交通モードのメリット・デメ
リットを勘案しながら、地域
の意見・意向を聞き検討
等に再編するか、それぞれの交通モードの
メリット・デメリットを勘案しながら、黒田庄地
域の意見、意向等を聞きながら検討します。
・現行「つくしバス」の門柳方面については、
利用状況、黒田庄地域の意見、意向等も踏
凡例
まえながら、ルート、ダイヤ等の再編や地域
バス停
つくしバスAルート
つくしバスBルート
内交通への転換など、そのあり方を含めて
つくしバスCルート
コミバス軸
検討します。
中心市街地
(まちなか)
⑧ 公共交通軸までの地域内交通の整備
○現状
・鉄道及びバスがない公共交通空白地
○取組方針
・鉄道軸又は路線バス軸・コミバス軸までの地域内交通について、地域主体型交通も含めて検
討します。
公共交通空白地の地域内
交通について地域主体型
交通も含めて検討
凡例
鉄道軸
路線バス軸
コミバス軸
中心市街地(まちなか)
地域主体型交通
orコミバス
- 47 -
(2) 人にもまちにもやさしい公共交通
① 鉄道駅における結節機能強化
○取組方針
・本市の玄関口となる西脇市駅について、地元自治
会とも協議しながら、駅舎、駅周辺道路等の整備・
充実を検討します。
・鉄道駅における路線バスやコミュニティバスとの接
続強化やICカード化等を図るなど、利便性と交通
結節機能の向上に向けて検討を進めます。
地元とも協議しな
がら、駅舎、駅周辺
道路等の整備・充実
を検討
路線バスやコミバ
スとの接続強化や
ICカード化等
の、利便性と交通
結節機能の向上に
向けて検討
凡例
鉄道駅
鉄道軸
中心市街地
(まちなか)
② 大屋線と大和線の結節機能強化
○現状
・大屋線と大和線は西脇市から加西市方面への接続が悪く、明楽寺バス停における乗継待ち時
間が50分以上かかります。
・明楽寺、明楽寺下、水尾町バス停ではいずれもベンチ及び上屋等がありません。
○取組方針
・大屋線と大和線について、より望ましい接続バス停を検討するとともに、加西市、多可町、バス
事業者と連携しながら、乗継時間の調整等の接続強化を図ります。
・接続バス停において、事業者と連携しながら、ベンチ及び上屋等の設置に向けた取組を検討
します。
・なお、本施策は、上記(1)「④ 西脇と加西を結ぶ路線バス軸の整備」の取組状況に対応して推
進していきます。
接続バス停の検討
事業者と連携し、大
屋線と大和線の接
続強化を図る
凡例
バス停
大屋線
大和線
中心市街地
(まちなか)
- 48 -
③ まちなか巡回線の結節点整備
○取組方針
・上記(1)「② まちなか巡回軸の整備」において、まちなか巡回線を単独路線で整備した場合、
まちなか巡回線と各種軸を結ぶ主要結節点として市役所、市立西脇病院、西脇市駅、茜が丘
複合施設「みらいえ」等を設定し、バス利用者のための待合環境整備を行うとともに各施設と連
携を図ります。
凡例
バス停
結節点
しばざくら号
まちなか巡回線
その他バス軸
まちなか巡回軸
④ 公共交通軸と地域内交通を結ぶ結節点整備
○取組方針
・医療機関や商業施設などの生活機能が縮小している市街地周辺部において、公共交通軸と
地域内交通を結ぶ交通結節点として、商業機能や交流スペース等を有する小さな拠点を整備
していくことを検討します。
出典)国土交通省
- 49 -
⑤ 公共交通間でのダイヤ調整による接続強化
○取組方針
・鉄道、路線バス、コミュニティバス、地域主体型交通の各運行主体と連携し、公共交通間での
ダイヤ調整を実施することで、接続強化を図ります。
⑥ バリアフリー対応車両への更新
○取組方針
・全ての市民が路線バスやコミュニティバス等を使いやすく快適
に利用できるように、車両の老朽化等を勘案しながらバリアフリ
ーに対応した車両への更新を検討していきます。
出典)国土交通省
⑦ バス停の利用環境整備
○取組方針
・市内バス停には、ベンチや上屋など、待合環境が充分に整備されていないバス停があり、市民
がバスを利用しづらい状況になっています。誰もが安心して快適にバスを利用できるよう、必要
性に応じて待合環境の整備を実施していきます。
・良好な待合環境の維持に当たっては、地域住民や地元企業等とも連携して実施することを検
討します。
⑧ パーク&ライドのための駐車場の確保
○取組方針
・パーク&ライドの拠点である西脇市駅
西駐車場は、運営主体である地元自
治会と協議し、より一層のパーク&ライ
地元自治会と協議し、
パーク&ライドの促進
を図るため近傍の料金
も勘案しながら料金の
見直し等について検討
ドの促進を図るため、近傍の料金も勘
案しながら料金の見直し等について検
討していきます。
凡例
バス停
鉄道駅
- 50 -
⑨ サイクル&ライド(バスライド)のための駐輪場の確保
○取組方針
・鉄道駅「西脇市駅」「日本へそ公園駅」「黒田庄
駅」や主要バス停「西脇(アピカ)」について、既
存駐輪場の駐輪設備、防犯カメラ等の適切な維
鉄道事業者と協議
しながら駐輪場の
整備
持管理を行い、必要量の確保に努めます。
・比較的利用者の多い「本黒田駅」については、
鉄道事業者とも協議しながら、駐輪場の整備を
検討していきます。
既存駐輪場の適切
な維持管理を行い、
必要量を確保
⑩ 公共交通の総合的なマップ、時刻表の作成・配布
○取組方針
・西脇市に関連する鉄道、路線バス、コミュニティバス、地域主体型交通など公共交通のルート
やダイヤ等を示したマップを作成し、公共交通の利用促進を図ります。また、作成したマップを
より多くの人に利用してもらえるよう、市役所や鉄道駅での配布、ホームページ等への掲載を行
います。
⑪ ホームページ等の電子媒体を活用した情報提供
○取組方針
・公共交通情報を集約したホームページの作成やモバ
イルサイトを構築することにより、公共交通に関する情
報が入手しやすい環境を構築します。
・市役所や茜が丘複合施設「みらいえ」等に設置するデ
バス
時刻表
9:36
10:22
ジタルサイネージ(電子看板)を活用して、バスや鉄道
の情報等を表示し、利便性の向上を図ります。
・スマートフォン等で、バスの運行状況等を確認できるバ
スロケーションシステムを導入し、利用者の利便性の向
上を図ります。
- 51 -
イメージ図
⑫ 公共交通と連携した観光マップ等の作成
○取組方針
・西脇市観光協会や鉄道、バス、タクシー等の交通事業者とも連携し、公共交通と連携した観光
マップを作成するとともに、公共交通を利用する新たな観光周遊ルートの発掘に努めます。
⑬ 福祉タクシー制度の実施
○取組方針
・80歳以上の高齢者や重度障害者の在宅生活を支援するため、タクシー運賃助成券を交付す
る福祉タクシー制度について引き続き実施します。
・助成券の利用方法、他の公共交通機関での利用拡大など、より利用しやすい制度に向けて検
討します。
⑭ 免許返納制度の整備
○取組方針
・自動車運転免許返納者に対するコミバス回数券、タクシー運賃助成券等の配布や顔写真付き
住民基本台帳カード等の交付など、自動車運転免許返納制度を整備し、無理な自動車運転
から公共交通利用への転換を促進します。
- 52 -
(3) 市民とともに支え合う公共交通
① 地域で支える公共交通の整備
○取組方針
・公共交通サービスが行き届かない地域は、運行方法等を地域住民と検討し、公共交通整備に
向けた取組を推進します。
・地域主体型交通の導入に当たっては、NPO法人等の設立等の組織体制整備を支援するとと
もに、初期投資や運行経費に対する支援についても検討を進め、地域主導の公共交通整備を
促進します。
凡例
鉄道軸
路線バス軸
コミバス軸
中心市街地(まちなか)
地域主体型交通
orコミバス
② 地域住民による駅周辺地域の活性化
○取組方針
・黒田庄駅に併設される黒田庄交流拠点施設あつまっ亭を活用し、地域住民が主体となって駅
周辺地域の活性化と鉄道の利用促進を図ります。
・西脇市駅駅舎の整備に当たっては、地元自治会とも協議しながら、駅周辺地域の活性化に向
けた施設の整備を検討します。
③ 事業者の参画・協力推進
○取組方針
・商業施設や医療機関等に、バス利用者等のための待合環境の整備を働き掛けるとともに、当
該施設での公共交通情報の提供や無料乗車券の配布を検討するなど、商業施設や医療機関
等と連携を図ります。
・バス車両、切符、バス停上屋に地元企業の広告を掲載するなど、運賃以外の収入の創出を図
るとともに、地元企業の広告掲出による地域経済の活性化を図ります。
- 53 -
④ 利用しやすく分かりやすい公共交通の推進
○取組方針
・交通事業者との協議を前提に、均一料金化や乗継割引の導入など、より利用しやすい運賃体
系に向けて研究を進めるとともに、コミュニティバスの名称や車体デザインの統一など、より分か
りやすい運行形態への移行を検討していきます。
・公共交通の主な利用者である学生や高齢者に対して、出前講座等を活用して公共交通の意
義や利用方法などを情報提供し、一人ひとりの交通行動を自動車から公共交通利用へ自発的
に変化するように促すモビリティ・マネジメントを実施します。
⑤ 親しみやすい公共交通の推進
○取組方針
・交通事業者や商業施設と連携しながら、車両や商業施設内に児童が描いた公共交通に関す
る絵画等を展示し、公共交通への関心の向上や利用促進を図ります。
・ミニチュア車両やキーホルダーなどの公共交通に関するグッズの制作や販売、企画切符の発
行など、公共交通に親しむきっかけづくりに取り組みます。
⑥ 自治体の枠組みを超えた公共交通の維持・利用促進に向けた取組
○取組方針
・加古川線等利用促進・沿線地域活性化協議会と連携し、沿線ガイドの発行やイベント列車の
運行など、鉄道を軸とした利用促進を図ります。
・定住自立圏の取組に基づき、近隣市町と接続する広域連携軸の確保に向けて、連携してバス
事業者を支援します。
- 54 -
6.4 事業プログラム一覧
基本
戦略
安
心
し
て
暮
ら
せ
る
生
活
環
境
を
支
え
る
公
共
交
通
前期
(H27~H30)
施策
① 鉄道軸の整備
増便、ダイヤ改正等の要望・調整
② まちなか巡回軸の整備
巡回軸の手法検討、ルート・ダイヤの再編
③ 西脇と加東・京阪神を結ぶ路線バス軸の整備
増便、ダイヤ改正等の要望・調整
④ 西脇と加西を結ぶ路線バス軸の整備
軸の確保方針の研究・検討
⑤ 西脇と多可を結ぶ路線バス軸の整備
後期
(H31~H36)
実施
検討
事業主体
行政・交通事業者
再編実施
行政・交通事業者
実施
行政・交通事業者
研究・検討
行政・交通事業者
増便、ダイヤ改正等の要望・調整
実施
行政・交通事業者
⑥ まちなかと比延を結ぶコミバス軸の整備
西脇病院以東の運行、ダイヤ改正等
実施
行政・交通事業者
⑦ まちなかと黒田庄を結ぶコミバス軸の整備
運行形態の検討、決定
⑧ 公共交通軸までの地域内交通の整備
地域主体型交通の導入支援
検討
西脇市駅駅舎その他周辺道路等の整備検討
再編実施
地域との調整・制度研究・支援
調整・検討
方針の決定
行政・交通事業者・市
民
行政・市民
行政・交通事業者・市
民
① 鉄道駅における結節機能強化
実施
ICカード化等の利便性向上
人
に
も
街
に
も
や
さ
し
い
公
共
交
通
② 大屋線と大和線の結節機能強化
乗継時間の調整、待合環境の整備検討
調整・要望
方針の決定
行政・交通事業者
③ まちなか巡回線の結節点整備
結節点における待合環境の整備検討
調整・検討
方針の決定
行政・一般事業者
④ 公共交通軸と地域内交通を結ぶ結節点整備
結節点としての小さな拠点の整備検討
研究・検討
方針の決定
行政・市民
⑤ 公共交通間でのダイヤ調整による接続強化
ダイヤ調整等による乗継等の接続強化
⑥ バリアフリー対応車両への更新
低床バス等のバリアフリー対応車両への更新検討
⑦ バス停の利用環境整備
ベンチ、上屋等の待合環境整備の検討
検討
再編実施
検討
調査
検討調整
要望
行政・交通事業者
実施
行政・交通事業者
方針の決定
実施
西脇市駅西駐車場の適正管理
行政・市民
行政・市民
⑧ パーク&ライドのための駐車場の確保
パーク&ライドによる割引サービスほか料金体系の見
直し
検討
方針の決定
実施
既存駐輪場の適正管理
⑨
行政・市民
行政
サイクル&ライド(バスライド)のための駐輪場の
確保
検討
本黒田駅駐輪場の整備検討
⑩ 公共交通の総合的なマップ、時刻表の作成・配布 総合的な公共交通マップ等の作成
市
民
と
と
も
に
支
え
合
う
公
共
交
通
交通事業者
検討
方針の決定
行政・交通事業者
実施
行政・交通事業者
⑪ ホームページ等の電子媒体を活用した情報提供
HP、デジタルサイネージを活用した情報発信
バスロケーションシステムの導入
実施
行政・交通事業者
⑫ 公共交通と連携した観光マップ等の作成
公共交通と連携した観光マップ等の作成
実施
行政・交通事業者・関
係団体
⑬ 福祉タクシー制度の実施
タクシー運賃助成券の交付
⑭ 免許返納制度の整備
コミバス回数券、写真付き住基カードの交付等の免許
検討
返納制度の整備
実施
行政
① 地域で支える公共交通の整備
地域主体型交通の支援の検討・実施
検討
実施
行政・市民
② 地域住民による駅周辺地域の活性化
あつまっ亭による地域活性化・利用促進
③ 事業者の参画・協力推進
待合環境整備等の事業者連携
企業広告等によるその他収入の創出
均一料金化、乗継割引等の検討
コミバスの名称、車体デザイン統一に向けた検討
実施
実施
調整
研究・調整
実施
方針の決定
行政
行政・市民
行政・一般事業者
行政・交通事業者
④ 利用しやすく分かりやすい公共交通の推進
⑤ 親しみやすい公共交通の推進
⑥
モビリティ・マネジメントの推進
実施
行政・交通事業者・市
民
児童絵画の商業施設等への展示
公共交通グッズの制作・販売
実施
行政・交通事業者・一
般事業者・市民
自治体の枠組みを超えた公共交通の維持・利用 沿線地域活性化協議会による利用促進
促進に向けた取組
定住自立圏による公共交通の維持
- 55 -
実施
行政
第7章
計画の実現に向けて
計画の実現に向けては、公共交通を支える市民・交通事業者・行政の三者の協力、持続可能な公共交
通実現のための他分野との連携、公共交通施策関連の財源確保、公共交通事業運営方針の設定、社会
情勢の変化に対応した計画の見直しの5つの項目が重要となります。
7.1 公共交通を支える三者の協力
地域にあった公共交通を確保する上で、利用者である「市民」、運営・運行を行う「交通事業者」、計画・
施策を立案する「行政」の三者が共通の目標に向けて、それぞれが自らの役割を認識し、協力することが重
要です。
<公共交通を支える三者の協力>
市民
・市民一人ひとりが日頃の交通手段を
見直し、積極的に公共交通を利用す
る。
・地域にあった公共交通の計画づくり
や利用促進等の取組に主体的に参加
する。
・行政や交通事業者が行うニーズ調査
に協力する。
交通事業者
行政
・安全で快適な公共交通サービスを提
供する。
・利用者や地域の意見を積極的に聞く。
・公共交通利用状況等の情報公開を行
い、関係者間で共有を図る。
・公共交通計画について、地域の団体
や行政に提案やアドバイスをする。
・地域にあった公共交通を整備・維持
するため、関係者が協議する場を提
供し、参加者間の意見調整を図る。
また、地域ニーズを把握する。
・公共交通サービスを維持・拡充する
ために、財政面以外も含めて支援を
実施する。
・公共交通利用促進の取組を推進する。
- 56 -
7.2 持続可能な公共交通実現のための他分野との連携
持続可能な公共交通を実現するためには、「 7.1 公共交通を支える三者の協力 」 だけでなく、以下に
示す 11 分野など交通分野以外の関連分野も含めて連携していくことが必要です。
例えば、自力で歩行することが困難な要介護者、障害者等に対しては、鉄道やバスといった公共交通で
は対応が難しい場合がありますが、福祉の分野と連携し、福祉タクシー制度での支援や福祉有償運送など
の手法により補完していくことが有効であると考えられます。
各分野において、公共交通の役割や効果を把握し連携を強化することにより、より効果的・効率的で持
続可能な公共交通体系が実現され、他分野においてもその効果が反映されることを目指します。
<公共交通が関係する分野>
福 祉
医 療
商 業
地 域
コミュニティ
交通安全
交通分野
防 災
教 育
環 境
観 光
建 設
まちづくり
7.3 公共交通施策関連の財源確保
公共交通施策を着実に推進するためには、安定した財源の確保が重要となります。公共交通は、経済性
に優れ、環境にもやさしい輸送手段であり、公共交通事業に投資することによって交通全体をより効率的・
効果的に整備することができると考えられます。そのため、交通事業者に対し自らの輸送効率を高めていく
ように求めるとともに、効果的な公共交通の整備に向けて、公共交通事業に運用できる多様な財源確保に
努めます。
- 57 -
7.4 公共交通事業運営方針の設定
公共交通は自動車運転免許を持っていない人や高齢者など、自動車を気軽に利用しづらい人の移動
手段確保等の重要な役割を担っています。
しかし、公費を際限なく投入して公共交通を維持・拡充し続けることは、近年の行政を取り巻く財政状況
からは困難であることから、一定の採算性も必要です。
今後、必要な場所に公共交通を導入し、さらに持続可能なものとしていくためには、公共交通事業の運
営方針を設定することが必要です。
したがって、今後の公共交通事業の運営には、公共性及び経済性の2つの視点を用いて公共交通事業
を評価し、さらなる改善に向けた取組を推進していきます。
<公共交通事業の評価イメージ>
高
路線維持
(利用者増加施策の検討)
経済性
基準値
低
経
済
性
公共性
抜本的見直し
(場合によっては廃止も考
慮)
路線維持
(サービス強化の検討)
公共性
経
済
性
高
路線維持
(コスト削減・収入増対策
の検討)
低
公共性
基準値
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:各系統の評価結果(イメージ)
7.5 社会情勢の変化に対応した計画の見直し
公共交通サービスを検討するに当たり、人口の減少や高齢化社会の進展、学校・医療施設・商業施設の
新設・統廃合など社会情勢や地域情勢は常に変化します。そのため、計画を定期的に見直し、社会情勢
や地域情勢の変化に対応した公共交通サービスに改善していきます。
特にコミュニティバスや地域主体型交通は、公共交通事業運営方針により常に評価(CHECK)し、改善
に向けた見直し(ACTION)を行います。
このように、PLAN(計画)・DO(実施)・CHECK(確認・評価)・ACTION(見直し)からなる PDCA サイクル
によって、社会情勢に対応したより良い計画に見直していきます。
<PDCAサイクル>
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