第4回市民懇話会議事録

第4回
第四次国土利用計画(富士市計画)策定市民懇話会概要
平成 27 年 10 月 15 日(木)15 時~16 時 30 分
市役所9階第二委員会室
1
開会
2
議事
(1) パブリックコメント、県調整会議の結果について
資料に沿って説明
(2) 国土利用計画の推進に向けて(意見交換)
資料に沿って説明
座
長:皆さんから意見をいただきたい。
菅井氏:昭和 43 年当時は昼間も夜間も多くの人が活動していた。その頃は製紙産業・自動車産
業の工場で 3 交代勤務が多く、一つの工場で 1,300 人程度が勤務していたが、今は 1/3
程度に減っている。当然、町へ出てくる人も減っている。
また、今は車社会ということも考えないといけない。以前は“まちなか”に大型店舗が
あり、そこに家族連れで行きながら買い物をするということがあったが、今は吉原にも
富士本町にもそのような店がなく、郊外へ移ってしまっている。メインとなるものが“ま
ちなか”に必要なのではないか。
座
長:中心市街地に人に来てもらおうとするなら、現代は車社会であるということを踏まえて
検討すべきということか。行き来の利便性が悪いまま“まちなか”に来てくださいと言
ってもなかなか来ない。交通に関する支援、方法がないと“まちなか”にも来られない。
菅井氏:居住地域が広がっているが、結局車がないと中心部に来られない。車が移動の中心にな
っている。
座
長:交通ももちろんだが、町の中心部にメインになるものがないと人も来ないという意見を
いただいた。他にも意見をいただきたい。
渡井氏:車社会に関連し、今、公共交通機関が少なくなって高齢者などは大変困っている。一方
で“まちなか”には空き家が増え、人口も減少し、学校も空き教室が増えている。考え
方を変えて、空き家・空き教室を利用したい人に使ってもらえるように高齢者の憩いの
スペースにしたり、保育園にしたり、高齢者の方に優先的に入居してもらうようなこと
はできないだろうか。
座
長:公共交通機関を充実させることと同時に、“まちなか”に人に住んでもらうことが必要
だ。空き家対策については法律ができ、各地で計画づくりが進められているが富士市で
はどうなっているか。
事務局:来年・再来年度で計画づくりを進めるため、現在は調査中である。
座 長:今は全国で 12%程度が空き家となっている。空き家対策をどうしていくかが中心市街地
の活性化に大きく関わっていく。
勝又氏:空き家は今後も増えていくと考えられる。
座
長:空き家は老朽化して崩れるなど防災上の問題や、防犯上の問題など、安全の面でも空き
家対策をどうするかは非常に重要である。
石井氏:広報の点で聞きたい。地方の自治体が東京の事務所に移住支援のパンフレットなどを置
いて PR している例があるが、富士市ではどのようにしているのか。
事務局:静岡県の施設が東京にあり、U ターン・J ターンなどの支援について各市町のパンフレ
ットを置いている。富士市ではスミドキ U-40 のパンフレットを置いて希望者に案内を
していると聞いている。
座
長:このような制度は移住を迷っている人にとっては後押しになるので、しっかり広報する
べきである。
石井氏:新富士駅があるのが他とは違う特徴である。東京も通勤圏である。
事務局:産業政策課に企業誘致を担当するところがあり、企業を誘致するための制度の紹介や定
住促進の話もしていると聞いている。
座
長:全国で空き家バンクや空き家コーディネートなどの活動もある。そういったことも検討
できれば良いかもしれない。
渡井氏:人口を増やすことが市の活力につながると思う。なぜ子どもが増えないかということを
根本から考えなければならない。働く場所がなければ人は増えないのではないか。人を
呼べる画期的なことを積極的に考えていきたい。
アンケート結果には年代が書いてないので分からないが、年代によって全然違うと思う。
バスについても自宅からバス停まで歩いていくのは億劫に思える。車を運転できる人は
いくつになっても自分から免許を返納するのは難しい。
松本氏:以前は製紙産業・自動車産業が盛んだったという話が出たが、それが衰退していく時に
次にどうするかというのを考えなかったのだろうか。例えば、富士に IT 関連の会社が
集約した地区を作り、日本のシリコンバレーのようになっていたらどうだったろうか。
なぜそういったものを作らなかったのだろうか、という話を家族とした。産業が行き詰
った時に次にどうしたら良いかというのを早い時点で考えていくことが重要だ。
富士に行けばこういうものがある、という特長を打ち出せるような思い切ったことをす
る勇気と市民の力が必要である。また、しっかり相談に乗ってくれる体制を行政に期待
したい。
渡井氏:岳南鉄道も助成金を投じているが焼け石に水じゃないかという意見が多い。
松本氏:先日、クラブツーリズムの広告で岳南鉄道に乗ってシラス丼を食べるというプランがあ
った。
渡井氏:いろいろなことをしているがどれも一時的で長続きしない気がする。
座
長:話を聞いていると活かすものは活かすが、変えるものはドラスティックに変えないとい
けないという意見が多いようだ。
石井氏:何のためにやるかを掲げないといけない。目的を明確にして各世代に話を聞けばアイデ
ィアは出てくる。奇抜なものは却下されやすいが、後になると良かったということもあ
るので取捨選択は難しい。まず目的を明確にするべきである。
座
長:大きな目標と言えば、総合計画が上位にかかってくるビジョンである。常に、関連する
他の計画とも結びつけて考えなければならない。
自分の話になるが、私が以前住んでいたオランダでは食・住・子育ての関係が密接であ
った。アパートから職場まで 3kmほどあり、500mに 1 か所くらい保育施設があった。
子どもを預けて働ける環境が整っており、子どものいる女性の 9 割以上が働いている。
また、公共交通を使うシステムがしっかりしている。パークアンドライドの施設があり、
街中は駐車料金が高く設定されていて、公共交通の料金は安く、本数も多い。そのよう
にあらゆる面で“まちなか”に人が集まって来やすいようにしている。また、“まちな
か”の空き家を減らしていく施策も積極的に行っている。
富士は立地条件が良い。工業団地も完売した。工業地と住宅地を分けて、有効なものは
どんどん取り入れてやっていければ良いと思う。
勝又氏:人口減少は仕方ないことで、産業を活性化する。何をやるかと言うと、セルロースナノ
ファイバーを今、一生懸命やっている。それが軌道に乗っていけば頑張っていくのでは
ないか。
それからスミドキ U-40 については、親が子どもに「こういう制度があるから帰ってこ
い」と言って家を建てる例がある。市内の人にも広報するのが良いのではないか。市内
の人が知らないこともある。
座
長:市内の人がそれを知れば子どもに伝えるということもできる。
菅井氏:山の方に住居を持った若いころは車にも乗っていたし元気だったから不便はなかったが、
年を取って不便なことが増えてきた。コミュニティのバスやタクシーも申し込みが必要
で、なかなか出かけられない。結局、家を売って“まちなか”にアパート住まいする人
が増えてきている。だから、山の方に住んでいて不便になってきたら“まちなか”の空
き家に住まい、近くに買い物に行けるようなシステムというも一つの手ではないか。
座
長:広報を見ていると人口は毎月 100 人くらい減っているが世帯数は増えている。
渡井氏:天竜の農家のお母さんたちが数年前からやっていることだが、自分の土地で子どもたち
に農家民宿のような体験をさせている。そうするとその中から僕がやってもいいという
人が出たりしたそうだ。そのように若い人たちに体験をしてもらうのも良いのではない
かと思う。
座
長:無理やりやらせるのではなく、例えば山の方に住んでいる人が“まちなか”の方へ、そ
ういう志向のある人が自然と出てこられるような仕組み作りができると良い。空き家が
あるからどうですかと宣伝されると利用する人も出てくるかもしれない。
菅井氏:意外とそういう人は増えている。家を出たらアパートに住むしかないが、近くにこうい
う空き家がありますよ、商店がありますよと言われたら、自分が歩いて行けるところな
ら意外と手が出せるのではないか。富士市は今、母子家庭が多く大変な思いをして仕事
をしているが、例えばお元気な高齢者の方たちとコンタクトをとって子どもの面倒をみ
てもらえるシステムを作れれば、面白い。若者と高齢者がタイアップできるようなまち
づくりができれば良い。
座
長:オランダの例になるが奥さんが働けるようなシステムができて、近所で助け合うような
コミュニティができて、出生率が 1.5 くらいから 1.9 くらいまで上がった。人口も安定
してきた。そのように働くことを支援するまちづくりというのもあるのではないか。
勝又氏:富士市は傾斜地なので、そういう地形も考慮したまちづくりが必要である。
座
長:ドイツのシュツットガルトという町では LRT が走っているが住宅地が坂の上にあり、学
校などは下にある。高校生は朝、自転車で坂を下り、帰りは LRT に自転車ごと乗って帰
ってくる。地形に合わせたまちづくりという視点もある。
勝又氏:そういう感覚を持つといいのかなと思う。
座
長:市民の利便性を考え、その地域に合ったまちづくりでなければならない。
松本氏:富士市はこれから観光に力を入れたらどうかとよく市民から意見がある。20 数年前、
吉原商店街の街並みを高山のような、昔の宿場町のようなまちづくりをしたらどうかと
いう提言をしたことがある。その時は実現しなかったが、最近 400 年祭や時代祭りをや
っている中で、他にはない特長的な食べ物や景観があれば魅力になるのではないかと考
えた。
座
長:本来富士は歴史性もあるし、海・山もあり、他の町に比べて資源に恵まれている。やり
ようによってはいろいろあるが、今までうまくいっていたからこのままで良いというよ
うな保守的なところがあるかもしれない。
松本氏:富士は恵まれすぎているから、なかなか思いきった案がでないかもしれないが、若い人
たちに何か市が活性化するようなことを考えてほしいと思う。
座
3
長:他に意見がなければ以上で終了とする。
連絡事項
 年内中には、計画を冊子としてとりまとめる予定であり、完成した冊子は委員の皆さんに郵
送させていただく。
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閉会