「山を守りながら活用する。それでいて明日のご飯も、10年後のご飯も食べ ていける林業をやりたい。」 百年の森林事業を始めて7年、木材の搬出量は10倍になり、林業関係の売上は1億 から8億に。でも、足元をみてみると、山を預かる数は頭打ち、施業技術の向上は進 まない。増える需要に応えたいけど、今のままでは、はげ山だらけになってしまう。 それでは百年の森林にならない。施業の計画から管理、需要把握まで、もっと一体に なって動けたら・・・ 「そうだ、林業の全てを統括する、森林管理組織を立ち上げよ う!」 森林も経済もぐるぐるめぐる、新・林業を西粟倉から! 現状と課題 村役場が村が個人有林を含め、村内森林の一括管理を行う「百年の森林事業」を開始して7年。従来500m3/年程度で あった木材搬出量も、約5,300m3/年(7年で10倍以上)に成長。しかし、持続可能な森林経営を実施するには、下記の課 題を解決する必要がある。 川上部門 ・長期森林管理委託契約獲得面積の伸び悩み(目標3,000haに対し、現状1,300ha) →主な担当である役場の事務量過多により、契約獲得に多くの時間を割けていない。また、施業管理・施業技術の不足に よる山林所有者からの信頼損失のため、自信を持って獲得交渉に望めていない。 ・計画性の欠如 →正確な森林情報が整備されておらず、5年後、10年後を見据えた事業計画がない。そのため実施当年度に林分調査から 施工まで行っており、自転車操業となっている。 ・施業管理、調査設計の人員不足(現状3名。目標を達成するには少なくとも2名の増員かつ質の向上が必要と推測) →現場管理の質・量が向上せず、監督業務を担う役場が実質的な現場管理者となり、事務の停滞を招いている。また、ベ テランの技術を受け継ぐ体制が構築されないまま世代交代が進んでおり、「記憶から記録へ」の作業ができていない。 ・付加価値を高める施業、採材等の技術不足 →技術向上の気風が育っていない。そのため、山林所有者からの信頼も得ることができず、長期委託契約獲得数減少にも つながっている。 川下部門 ・伸びる需要に対する供給不足(A材の供給:現状800㎥)→村外からの材の調達となり、割高となっている。 ・質が悪い間伐材でも商品化することにより森林が良くなるコンセプトだが、悪い材の活用度が低い。 全体のとりまとめ機能の不足 →百年の森林事業は、役場、森林組合、森の学校の3者が協議しつつ稼働しているが、森林組合は、広域森林組合であり、 村だけのために動けない。また、役場は、役場としての仕事もあるため、百森だけのために動けていない。森の学校は、 木材の流通を担っているが、自走することが第一であり製品販売業務へ注力したい。このように、3者3様の理念で動く必 要があるため、一体的な管理ができていない。 課題解決に向けた システム設計 森林管理委託 百森センター 村有森林 管理委託 森林所有者 役場 満足度UPにより、 委託契約増 ここに人材が欲しい 村内森林の川上~川下 までを一括管理、安定 的な経営を実現 こんなこと がしたい人材 丸太販売 製材工場等 林業経営マネジメント 森林施業管理 所有者対応・情報管理 丸太販売管理 フォレスター研修受入 施業に注力 →技術・施業品質向上 →長期契約獲得増 施業実行 丸太納入 林業事業体 林業事業体 林業事業体 施業発注 管理 研修受入 村内での材調達が大半 →経費節減 製品販売業務へ注力 →新規需要開拓へ 他地域 フォレスター ハブノウハウを他地域へ伝授 →横展開による収入、センター自走へ 目指すは村内永続的な森林一括安定管理、そして他地域への横展開 →新・林業を全国の山村に!
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