NCCN Guidelines™ Version 1.2011

NCCN Guidelines™ Version 1.2011
NCCN Guidelines Index
Genetics Table of Contents
Discussion
NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines™)
(NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)
乳癌および卵巣癌における
遺伝的/家族性リスク評価
2011年 第1版
NCCN.org
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
NCCN Guidelines™ Version 1.2011 委員会メンバー
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
* Mary B. Daly, MD, PhD/Chair †
Fox Chase Cancer Center
Jeffrey Allen, MD ‡
St. Jude Children’s Research
Hospital/University of Tennessee Cancer
Institute
Jennifer E. Axilbund, MS, CGC Δ
The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer
Center at Johns Hopkins
Saundra Buys, MD † Þ ‡
Huntsman Cancer Institute at the University
of Utah
Beth Crawford, MS, CGC Δ
UCSF Helen Diller Family Comprehensive
Cancer Center
Carolyn D. Farrell, MS, CNP, CGC Δ
Roswell Park Cancer Institute
Susan Friedman, DVM ¥
FORCE-Facing Our Risk of Cancer
Empowered
Judy E. Garber, MD, MPH †
Dana-Farber/Brigham and Women’s Cancer
Center
NCCN
Mary Dwyer, MS
Maoko Naganuma, MS
NCCN ガイドライン委員会に関する情報開示
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
Stephen B. Gruber, MD, PhD, MPH Δ
University of Michigan Comprehensive
Cancer Center
Tuya Pal, MD Δ
H. Lee Moffitt Cancer Center & Research
Institute
Heather Hampel, MS, CGC Δ
The Ohio State University Comprehensive
Cancer Center - James Cancer Hospital
and Solove Research Institute
Boris Pasche, MD, PhD ‡ Þ Δ
University of Alabama at Birmingham
Comprehensive Cancer Center
Virginia Kaklamani, MD ‡
Robert H. Lurie Comprehensive Cancer
Center of Northwestern University
Robert Pilarski, MS, CGC Δ
The Ohio State University Comprehensive
Cancer Center - James Cancer Hospital and
Solove Research Institute
Wendy Kohlmann, MS, CGC Δ
Huntsman Cancer Institute at the
University of Utah
Gwen Reiser, MS, CGC Δ
UNMC Eppley Cancer Center at The Nebraska
Medical Center
Allison Kurian, MD, MSc † Þ Δ
Stanford Comprehensive Cancer Center
Kristen Mahoney Shannon, MS, CGC Δ
Massachusetts General Hospital Cancer Center
Jennifer Litton, MD †
The University of Texas MD Anderson
Cancer Center
Elizabeth Swisher, MD Ω
University of Washington Medical Center/
Seattle Cancer Care Alliance
P. Kelly Marcom, MD †
Duke Comprehensive Cancer Center
Jeffrey N. Weitzel, MD † ‡ Δ
City of Hope Comprehensive Cancer Center
Kenneth Offit, MD † Þ Δ
Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
つづく
Alison Whelan, MD
Siteman Cancer Center at Barnes-Jewish
Hospital and Washington University School of
Medicine
† 腫瘍内科学
Δ 腫瘍遺伝学
Þ 内科学
‡ 血液学/血液腫瘍学
Ω 婦人科腫瘍学
¥ 患者擁護担当
* 作成委員会メンバー
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
NCCN Guidelines™ Version 1.2011 目次
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
NCCN 乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
委員会メンバー
ガイドライン更新の要約
乳癌・卵巣癌遺伝的評価(BR/OV-1)
遺伝性乳癌・卵巣癌(HBOC-1)
HBOC 症候群管理(HBOC-A)
リ・フラウメニ症候群(LIFR-1)
リ・フラウメニ症候群管理(LIFR-A)
カウデン症候群(COWD-1)
カウデン症候群管理(COWD-A)
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者に
とって、最良の管理法は臨床試験にある
と考えている。臨床試験への参加が特に
推奨される。
NCCN加盟施設における臨床試験のオン
ライン検索はこちら:
nccn.org/clinical_trials/physician.html
NCCNのエビデンスとコンセンサスによ
るカテゴリー:特に指定のない限り、
すべての推奨はカテゴリー2Aである。
NCCNのエビデンスとコンセンサスによ
るカテゴリーを参照
NCCNガイドラインTMは、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。NCCNガイド
ラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行うことが期待さ
れる。National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではなく、
いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。NCCNガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer
Network®にある。無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、NCCNガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製すること
は、いかなる形においても禁じられている。©2011
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
NCCN Guidelines™ Version 1.2011 更新
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
NCCN「乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価」ガイドラインの 2010 年第 1 版から 2011 年第 1 版への更新内容は以下の通りである:
遺伝的/家族性リスク評価:
BR/OV-1
 詳しいリスク評価の基準が、
「患者」と「家族歴を有す非発症者」の 2 つの
項目に分けられた。
 患者については、以下の項目が追加された:
 トリプルネガティブ(ER-、PR-、HER2-)乳癌
 年齢を問わず乳癌で、かつ
◊ 近親者に50歳以下の乳癌患者が1人以上いる、または
◊ 年齢を問わず近親者に上皮性卵巣/卵管/原発性腹膜癌患者が1人以上いる、
または
◊ 年齢を問わず近親者に乳癌および/または膵癌患者が2人以上いる
 脚注「b」に、
「詳しいリスク評価と遺伝子検査の基準は同一ではない」が
追加された。
 脚注「h」に、
「遺伝性症候群の基準を満たす可能性のある患者のカウンセ
リングでは、遺伝カウンセラー、遺伝専門医、腫瘍専門医、外科医、腫瘍
専門看護師、またはその他の癌遺伝学の専門知識と経験を有す医療専門家が
早期に関与すべきである。遺伝子検査が…になれば、遺伝カウンセリングが
強く勧められる」が追加された。
BR/OV-3
 脚注「i」に、第三度近親者の例「大おじ・大おば、ひ孫」が追加された。
遺伝性乳癌・卵巣癌:
HBOC-1
 乳癌+以下のうち 1 つ以上の個人歴のある患者について、2 つの基準が追加
された:
 60歳未満でトリプルネガティブ乳癌と診断された。
 50歳未満で限られた家族歴と診断された。
 膵癌に関する 2 つの基準が追加された:
 年齢を問わず乳癌または卵巣癌の個人歴があり、近親者に年齢を問わず
膵癌患者が2人以上いる
 年齢を問わず膵臓腺癌の個人歴があり、近親者に年齢を問わず乳癌および/
または卵巣癌および/または膵癌患者が2人以上いる
 脚注 b として、「同種骨髄移植を受けた患者は、ドナーDNA の混入がある
ため血液または口腔内検体を用いる分子遺伝学的検査を受けないこと 。
DNA は線維芽細胞培養から抽出する」がページに追加された。
 脚注「c」から、「トリプルネガティブ乳癌の早期発症(40 歳以下)患者
では、BRCA1/2 変異検査を考慮する」が削除された。
 脚注「h」で、「アイスランド人、スウェーデン人、ハンガリー人、オラン
ダ人など他の創始者集団の例」が削除され、「創始者変異が他の集団で存在
する」が追加された。
 脚注 i として、「患者で実施できない場合は非発症近親者の検査を考慮する
こと。検査結果解釈上の重大な限界を議論しなければならない」がページに
追加された。
HBOC-2
 脚注 l として、「18 歳未満の小児での家族性 BRCA1/2 の遺伝子検査は通常
勧められない」がページに追加された。
HBOC-A 1/2
 女性の HBOC 管理:
 最初の項目で、「毎月の定期的な乳房自己検診」が削除された。
 2番目の項目の問診・視触診の間隔が、「半年毎」から「6~12ヵ月毎」に
変更された。
 5番目の項目に、「...望ましい自然閉経最高年齢までの可能な短期ホルモン
補充療法(HRT)...」が追加された。
 6番目の項目で 、「同時経腟超音波検査」に「閉経前女性のできれば月経
周期1~10日目に」が、「+CA-125」に「閉経前女性のできれば月経後5日
目に」が追加された。
 脚注「2」 の乳房 MRI 実施日を、「1~15 日目」から「7~15 日目」に修正
した。
HBOC-A 2/2
 男性の HBOC 管理:
 最初の項目で、「毎月の定期的な乳房自己検診」が削除された。
 2番目の項目の問診・視触診の間隔が、「半年毎」から「6~12ヵ月毎」に
変更され、「35歳から」が追加された。
 3番目の項目の「ベースラインのマンモグラフィを考慮し」に、
「40歳時に」 が追加された。
 生殖に関する選択肢:
 2番目の項目で、「両性ともBRCA2変異を保有する場合」 が追加され、
「創始者変異頻度の高い集団」が削除された。
次ページにつづく
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
UPDATES
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
NCCN「乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価」ガイドラインの 2010 年第 1 版から 2011 年第 1 版への更新内容は以下の通りである:
リ・フラウメニ症候群:
LIFR-1
 リ・フラウメニ症候群検査基準:「Chompret 基準」とそれに関する参考文献が追加され、「リ・フラウメニ様症候群の基準」が削除された。
 リ・フラウメニ症候群に関連する癌として「脈絡叢癌」を追加した。
LIFR-A
 乳癌リスク:
 最初の項目で、「毎月の定期的な乳房自己検診」が削除された。
 2番目の項目の問診・視触診の間隔が、「半年毎」から「6~12ヵ月毎」に変更された。
 脚注「2」に、「閉経前女性では、できれば月経周期7~15日目に乳房MRIを実施する」が追加された(COWD-Aに対しても追加)
カウデン症候群:
COWD-A
 女性:
 最初の項目で、「毎月の定期的な乳房自己検診」が削除された。
 2番目の項目の問診・視触診の間隔が、「半年毎」から「6~12ヵ月毎」に変更された。
 女性と男性で、新しい項目が追加された:
 35歳から5~10年毎の大腸内視鏡検査の開始を考慮し、症候性またはポリープが発見された患者は、より頻繁に検査する。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
UPDATES
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
乳癌・卵巣癌遺伝的評価
詳しいリスク評価の基準 a
以下のうち1つ以上に該当する患者:
 若年発症乳癌 b
 トリプルネガティブ(ER-、PR-、HER2-)乳癌
 1 人に 2 つの原発乳癌 c
 年齢を問わず乳癌で、かつ
 近親者 dに50歳以下の乳癌患者が1人以上いる、または
 近親者 dに年齢を問わず上皮性卵巣/卵管/原発性腹膜癌患者が1人以上いる、または
 近親者 dに年齢を問わず乳癌および/または膵癌患者が2人以上いる
 一方の家系に乳癌と以下のうち 1 つ以上が集積: 甲状腺癌、肉腫、副腎皮質癌、子宮内膜癌、
膵癌、脳腫瘍、びまん性胃癌 e、皮膚症状 f、白血病/リンパ腫
 卵巣/卵管/原発性腹膜癌
 男性乳癌
癌遺伝学専門医
への照会が推奨
される h
評価
(BR/OV-2)
を参照
以下のうち1つ以上家族歴を有す非発症者:
 一方の家系(母方または父方)に、原発乳癌患者が 2 人以上いる
 一方の家系(母方または父方)に、原発卵巣癌が 1 人以上いる
 一方の家系に乳癌と以下のうち 1 つ以上が集積: 甲状腺癌、肉腫、副腎皮質癌、子宮内膜癌、
膵癌、脳腫瘍、びまん性胃癌 e、皮膚症状 f、白血病/リンパ腫
 乳癌感受性遺伝子の既知の変異
g
 高リスク集団出身
 男性乳癌
a
e
b
f
家族性の癌パターンについて、母方と父方の家系は別々に検討しなければならない。
複数の試験で早期発症を40歳以下または50歳以下のいずれかに規定しているため、臨床的に
は50歳以下を使用する。詳しいリスク評価と遺伝子検査の基準は同一ではない。
これらのガイドラインの目的では、浸潤性および非浸潤性乳管癌が含まれる。
c
2つの原発乳癌には、両側性疾患や、明らかに異なる複数の同側性原発腫瘍が存在する症例を
含める。
d
近親者には、第一度、第二度、第三度の血縁が含まれる。
(BR/OV-3を参照)
小葉乳癌およびびまん性胃癌では、CDH1遺伝子検査を考慮してもよい。
皮膚症状についてはCOWD-1を参照。
g
高リスク集団 では、対象の要件を変更してもよい(アシュケナージ系ユダヤ人家系で、
年齢を問わず乳癌または卵巣癌女性など )。
h
遺伝性症候群の基準を満たす可能性のある患者のカウンセリングでは、遺伝カウンセラー、
遺伝専門医、腫瘍専門医、外科医、腫瘍専門看護師、またはその他の癌遺伝学の専門知識と
経験を有す医療専門家が早期に関与すべきである。遺伝子検査が提案されて結果が明らかに
なれば、遺伝カウンセリングが強く勧められる。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
BR/OV-1
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
乳癌・卵巣癌遺伝的評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
評価
患者のニーズと懸念:
 利益、リスク、限界を含めた、癌リスクに関する遺伝子検査の知識
 家族性癌リスク評価の目標
詳細な家族歴:
 第一度、第二度、第三度の近親者(親、子、兄弟姉妹、おじ、おば、
おい、めい、祖父母、孫、片親の異なる兄弟姉妹、曾祖父母、大おじ、
大おば、ひ孫、いとこ)を含む広範な家系
(BR/OV-3を参照)
 癌のタイプ
 両側性
 診断時の年齢
 化学的予防またはリスク低減手術歴
 診療記録、特に原発癌の病理所見報告書
以下の検査基準を参照
遺伝性乳房・卵巣症候群(HBOC-1)
リ・フラウメニ症候群(LIFR-1)
詳細な病歴および手術歴:
 個人の癌病歴
 発癌物質曝露(放射線治療歴など)
 生殖歴
 ホルモン使用
 乳房生検歴
カウデン症候群(COWD-1)
集中的身体診察 (特異的な症候群を参照):
 乳房/卵巣
 口腔粘膜を含む皮膚 f
 頭囲
 甲状腺
f
皮膚症状についてはCOWD-1 を参照。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
BR/OV-2
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
乳癌・卵巣癌遺伝的評価
家系図: 創始者からの第一度、第二度、第三度近親者 i
2
2
2
父方の祖母
父方の祖父
母方の祖父
2
母方の祖母
2
1
1
2
おば
父
母
おじ
3
1
1
姉妹
兄弟
いとこ
(男)
本人
i
2
2
おい
めい
1
1
娘
息子
2
2
女の孫
男の孫
第一度近親者: 親、兄弟姉妹、子
第二度近親者: 祖父母、おじ、おば、おい、めい、孫、片親の異なる兄弟姉妹
第三度近親者: 曾祖父母、大おじ、大おば、ひ孫、いとこ
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
BR/OV-3
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群検査基準 a,b,c
 既知の有害なBRCA1/BRCA2変異がある家系出身者
 乳癌の個人歴 d+以下のうち1つ以上に該当:
 45歳以下での診断
 50歳以下で診断され、かつ、近親者 eに、50歳以下で診
断された乳癌患者が1人以上、または年齢を問わず上皮性
卵巣/卵管/原発性腹膜癌患者が1人以上いる
 50歳以前の最初の乳癌診断時に2つの原発乳癌 fの存在
 60歳未満でのトリプルネガティブ乳癌の診断
 50歳未満での限られた家族歴 cの診断
 本人の診断年齢にかかわらず、近親者 eに年齢を問わず乳
癌および/または上皮性卵巣/卵管/原発性腹膜癌患者が2人
以上いる
 男性の近親者 eに乳癌がいる
 上皮性卵巣g/卵管/原発性腹膜癌の個人歴
 高い変異頻度(アシュケナージ系ユダヤ人など)と関連
する民族出身者では、それ以上の家族歴 は不要である h
 上皮性卵巣g/卵管/ 原発性腹膜癌の個人歴
 男性乳癌の個人歴
 年齢を問わず乳癌または卵巣癌の個人歴があり、
近親者 eに年齢を問わず膵癌患者が2人以上いる
 年齢を問わず膵癌の個人歴があり、近親者 eに年
齢を問わず乳癌および/または卵巣癌および/また
は膵癌患者が2人以上いる
 家族歴のみ:i
 第一度または第二度近親者が上記基準のいずれ
かを満たす
 第三度近親者が乳癌および/または卵巣 g/卵管/
原発性腹膜癌で、近親者 eに乳癌および/または
卵巣癌患者が2人以上いる(少なくとも1人は50
歳以下の乳癌)
a
これらの基準の1項目以上に該当すれば遺伝性乳癌・卵巣癌症候群が示唆され、さらなる専門的
評価を要する。母方と父方で別々に検討しなければならない。一部のHBOC家系で報告されたそ
の他の悪性腫瘍として、前立腺癌およびメラノーマがある。
b
同種骨髄移植を受けた患者は、ドナーDNAの混入があるため血液または口腔内検体を用いる分子
遺伝学的検査を受けないこと 。DNAは線維芽細胞培養から抽出する。
c
いずれかの家系で第一度または第二度の女性近親者または45歳以降まで生存している女性近親者
が2人未満など、限られた家族歴を有する者は、家族性変異の確率が過小評価されている可能性
がある。
d
これらのガイドラインの目的では、浸潤性および非浸潤性乳管癌が含まれる。
HBOC
基準を
満たす
フォローアップ
(HBOC-2)を
参照
HBOC
基準を
満たさ
ない
NCCN Breast
Cancer
Screening and
Diagnosis
Guidelinesを参照
e
近親者には第一度、第二度、第三度の血縁が含まれる。
(BR/OV-3を参照)
f
2つの原発乳癌には、両側性疾患や、明らかに異なる複数の同側性原発腫瘍が存在する症例を含める。
g
卵巣癌は遺伝性非ポリポーシス大腸癌/リンチ症候群を構成する腫瘍で、この症候群の臨床症状に注意
する。
NCCN大腸癌のスクリーニングガイドラインを参照。
h
アシュケナージ系ユダヤ人の特異的創始者変異の検査を最初に実施すること。祖先に非アシュケナー
ジ系ユダヤ人が含まれているか、他のHBOC基準を満たしている場合は、全塩基配列決定を考慮する。
創始者変異が他の集団で存在する。
i
患者で実施できない場合は非発症近親者の検査を考慮すること。検査結果解釈上の重大な限界を議論
しなければならない。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
HBOC-1
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
HBOC の
フォローアップ
近親者の状態
BRCA1/BRCA2
の病的な家族性
変異あり
HBOC
検査基準
に合致
リスク評価と
カウンセリング:j
 心理社会的評価
および支援
 リスクカウンセ
リング
 教育
 遺伝子検査につ
いて話し合い
 インフォームド
コンセント
BRCA1/BRCA2
の家族性変異不
明
遺伝子検査 k,l
検査結果
特異的な家族性
変異に関する
BRCA1/BRCA2
検査を推奨 m
家系で
BRCA1/BRCA2
変異の可能性が
最も高い患者の
検査を考慮 i,n,o
家族性 BRCA1/BRCA2
変異陽性
BRCA1/BRCA2 検査
実施せず
患者で実施できない場合は非発症近親者の検査を考慮すること。検査結果解釈上の重大な限界を議論
しなければならない。
j
遺伝性症候群の基準を満たす可能性のある患者のカウンセリングでは、遺伝カウンセラー、遺伝専門医、
腫瘍専門医、外科医、腫瘍専門看護師、またはその他の癌遺伝学の専門知識と経験を有する医療専門家が
早期に関与すべきである。遺伝子検査が提案されて結果が明らかになれば、遺伝カウンセリングが強く
勧められる。
NCCN Breast Cancer
Screening and Diagnosis
Guidelinesに従い乳房スク
リーニング
近親者の検査により
変異発見
HBOC 管理 HBOC-A を
参照
近親者は検査せず、
または検査したが
変異見られず k,p
個人歴および家族歴に
応じ、研究および個別
の推奨を提案(可能性
が 2 番目に高い近親者
の検査など)
o
家族性変異が不明なアシュケナージ系ユダヤ人では、患者および非発症者にいずれでも、3つのよ
く見られる変異を最初に検査する。3つの変異が陰性であれば、祖先に非アシュケナージ系ユダヤ
人も含まれているか他のHBOC基準を満たしている場合に全塩基配列決定を考慮してもよい。近親
者の全患者が死亡している場合、DNAが得られるようであれば死亡した近親者のパラフィン包埋
サンプル由来DNAの検査を考慮する。非アシュケナージ系ユダヤ人で家族性変異が不明の人で検
査を実施する場合、患者および非発症者にいずれでも、全塩基配列決定が検査法となる。
p
乳癌患者が30歳未満で、特に肉腫、脳腫瘍、または副腎皮質癌の家族歴がある場合、p53遺伝子
検査を考慮する。
q
重要性不明の変異型の検査を臨床目的で使用してはならない。変異型の機能的影響を決定するた
めの調査研究の照会を考慮する。
k
特定の変異(大規模な欠失)は一次配列決定で検出されず、追加検査が必要になる場合がある。
18歳未満の小児での家族性BRCA1/2の遺伝子検査は通常勧められない。
m
アシュケナージ系ユダヤ人家系の場合、 特異的な家族性変異に加え、3つすべての創始者変異の検査も
実施する。
n
複数の患者がいる場合、診断年齢が最も早い人、両側性疾患のある人、複数の原発癌のある人、卵巣癌の
ある人、創始者/患者/相談者に最も近い人を最初に考慮する。
生存している乳癌または卵巣癌近親者がいない場合、第一度または第二度の近親者で、前立腺癌、膵癌、
メラノーマなどBRCA1/BRCA2に関連すると思われる癌患者の検査を考慮する。
HBOC 管理 HBOC-A を
参照
家族性
BRCA1/BRCA2
変異陰性
重要性不明の
変異型発見
(情報価値なし)k,q
i
スクリーニングの推奨
l
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
HBOC-2
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
HBOC 症候群管理(1/2)
女性
 18歳から、乳房自己検診の訓練と教育を開始する。
 25歳から、6~12ヵ月毎1の問診・視触診を開始する。
 25歳、または家系で最も早い発症年齢に基づき個別に年1回のマンモグラフィおよび乳房MRI2スクリーニングを開始する3。
 リスク低減乳房切除術の選択肢について個別に話し合い、リスク低減効果、再建の選択肢、リスクについて助言する。
 リスク低減卵管卵巣摘出術4については、 理想的には35~40歳の出産終了時、または家系の最も早い卵巣癌発症年齢に基づき個別に勧める。
カウンセリングでは、生殖に関する希望、発癌リスクの程度、乳房癌と卵巣癌からのリスク低減効果、更年期障害の管理と望ましい自然閉経
最高年齢までの可能な短期ホルモン補充療法(HRT)、および関連する医学的問題について話し合う。
 リスク低減卵管卵巣摘出術を選択しなかった患者では、35歳、または家系で卵巣癌の最も早い初回診断年齢の5~10年前から、6ヵ月毎の同時
経腟超音波検査(閉経前女性のできれば月経周期1~10日目に)+CA-125(閉経前女性のできれば月経後5日目に)5を考慮する。
 リスクと利益6の話し合いを含め、乳癌と卵巣癌に対する化学的予防の選択肢を考慮する
(NCCN Breast Cancer Risk Reduction Guidelinesを参照)。
 可能であれば、画像診断やスクリーニングを検討する(新しい画像技術やスクリーニング間隔の短縮など)臨床試験への参加を考慮する。
次ページにつづく
1
問診・視触診と無スクリーニングを比較するランダム化試験は実施されていない。6~12ヵ月毎の問診・視触診を推奨する根拠は中間期乳癌の懸念である。
高品質乳房MRIの限界として、乳房専用コイルの必要性、MRIガイド下生検実施能力、乳房MRIに精通した放射線科医、地域的な利用可能性が挙げられる。
閉経前女性では、できれば月経周期7~15日目に乳房MRIを実施する。
3
画像診断スケジュールの妥当性はまだ検討中である。
4
潜在性疾患が高率でみられるため、卵巣と卵管の検体採取と病理検査には特別な注意が必要である。(詳細は考察を参照)米国病理学会の卵巣癌患者の標本検査プロ
トコル(Protocol for the Examination of Specimens from Patients with Carcinoma of the Ovary)を参照
5
年1回の経腟超音波検査 + CA-125は、高リスク女性での卵巣癌スクリーニングとして効果的な方法ではないとのデータがある。6ヵ月間隔のスクリーニングの有効性
に関するデータは限られているため、これらのデータが得られるまでは、高リスク女性でのこの手法について、特に臨床研究の中で検討することが適切である。
6
データは、BRCA変異保持者で、経口避妊薬(OC)が卵巣癌リスクを軽減することを示唆する。OCが乳癌リスクを増加させるという反対のエビデンスがあり、
リスク便益比は明らかでない。ただし、避妊のためのOC使用は認められる。(詳細は考察を参照)
2
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
HBOC-A
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遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
HBOC 症候群管理(2/2)
男性
 乳房自己検診の訓練と教育を35歳から開始する。
 6~12ヵ月毎の問診・視触診を35歳から開始する。
 40歳時にベースラインのマンモグラフィを考慮し、ベースライン検査で女性化乳房または実質性/腺性の陰影が認められれば年1回の
マンモグラフィを実施する。
 前立腺癌についてはスクリーニングガイドラインを厳守すること(NCCN前立腺癌の早期発見ガイドラインを参照)。
男性および女性
 癌の徴候と症状に関する教育、特にBRCA遺伝子変異に関連する教育。
 他の癌のスクリーニングについては適切なNCCNガイドラインを参照のこと7
(NCCN Guidelines for Detection, Prevention, and Risk Reduction of Cnacerを参照)。
近親者へのリスク
 近親者の遺伝性癌リスクの可能性、リスク評価の選択肢および管理について助言する。
 遺伝カウンセリングとリスクのある近親者の遺伝子検査を考慮することを勧める。
生殖に関する選択肢
 子どもが家族性BRCA変異をもたないことを希望するカップルには、出生前診断や着床前遺伝子診断などの生殖補助医療の選択肢について
助言する。話し合いには、これらの技術の既知のリスク、限界、利益も含めること8。
 BRCA2変異保持者に対しては、両性ともBRCA2変異を保有する場合に、子どもにまれな(劣性)ファンコニー貧血/脳腫瘍が現れるリスクを
議論しなければならない9。
7
メラノーマに関する全身皮膚検査と検討中の膵癌プロトコルを考慮する。
8
詳細は考察を参照。
9
Offit K, Levran O, Mullaney B, et al. Shared genetic susceptibility to breast cancer, brain tumors, and Fanconi anemia. J Natl Cancer Inst 2003;95:1548-1551.
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
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ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
リ・フラウメニ症候群
リ・フラウメニ症候群検査基準 a
フォローアップ
 既知のTP53変異がある家系出身者
 古典的なリ・フラウメニ症候群の基準:
 以下の組み合わせ:45歳未満で肉腫 bと診断され
かつ
第一度近親者が45歳未満で癌と診断され
LFS 検査
基準合致
フォローアップ(LIFR-2)を
参照
LFS 検査基準
合致せず
個人歴および家族歴に
従った個別の推奨
かつ
他に同じ家系の第一度または第二度近親者が45歳未満で癌、または年齢を
問わず肉腫と診断された。
 Chompret基準 c,d
 肉腫、脳腫瘍、乳癌または副腎皮質癌を36歳前に発症した患者で、46歳未
満で癌(創始者が乳癌であった場合は乳癌以外)を発症した第一度または
第二度近親者が1人以上、または年齢を問わず複数の原発癌を発症した近親
者がいる。
または
 家族歴にかかわらず複数の原発腫瘍を有す患者で、そのうちの2つが肉腫、
脳腫瘍、乳癌または副腎皮質癌で、最初の癌は36歳前に発症した。
または
 年齢を問わず発症した副腎皮質癌または脈絡叢癌 d患者で、家族歴にかかわ
らない。
 若年発症乳癌:
 30歳未満で発症した乳癌患者で、特に肉腫 b、脳腫瘍、副腎皮質癌、また
は脈絡叢癌 eの家族歴がある場合はBRCA1/BRCA2検査が陰性。
リ・フラウメニ症候群に関連する癌には
以下のものがあるが、これに限らない:
 閉経前乳癌
 骨肉腫と軟部組織肉腫
 急性白血病
 脳腫瘍
 副腎皮質癌
 脈絡叢癌
 結腸癌
 他の腺癌の早期発症または他の小児癌
a
Adapted from: Varley JM, Evans DGR, Birch JM: Li-Fraumeni syndrome - A molecular and clinical
review. Br J Cancer. 1997;76:1-14, by permission of Nature Publishing Group.
b
ユーイング肉腫は他の肉腫より、リ・フラウメニ症候群との関連が低い。
c
Chompret A, Abel A, Stoppa-Lyonnet D, et al. Sensitivity and predictive value of criteria for p53
germline mutation screening. J Med Genet 2001;38:43-47.
d
Tinat J, Bougeard G, Baert-Desurmont S, et al. 2009 version of the Chompret criteria for Li Fraumeni
syndrome. J Clin Oncol 2009;27:e108-9.
e
Gonzalez KD, Noltner KA, Buzin CH, et al. Beyond Li Fraumeni Syndrome: Clinical characteristics of
families with p53 germline mutations. J Clin Oncol 2009;27:1250-1256.
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
LIFR-1
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ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
リ・フラウメニ症候群
リ・フラウメニ症候
群のフォローアップ
近親者の
状態
遺伝子検査
検査結果
家族性 TP53 変異陽性
家族性
TP53 の病
的変異あり
リ・フラ
ウメニ
検査基準
合致
リスク評価と
カウンセリング:
 心理社会的評価
および支援
 リスクカウンセリング
 教育
 遺伝子検査について
話し合い
 インフォームド
コンセント
特異的な家族性
変異に関する
TP53 検査を考慮
(成人はカテゴ
リー2A、小児は
カテゴリー2B)
リ・フラウメニ管理
(LIFR-A)を参照
TP53 検査実施せず
家族性 TP53 変異陰性
近親者の検査により
変異発見
家族性
TP53
変異不明
スクリーニングの
推奨
近親者で TP53
変異の可能性が
最も高い患者の
検査を考慮 e,f
近親者は検査せず、
または検査したが
変異見られず
重要性不明の
変異型発見
(情報価値なし)g
NCCNスクリーニング
ガイドラインに従い
平均的リスクの
癌スクリーニング
リ・フラウメニ管理
(LIFR-A)を参照
研究の提案および
個人歴および
家族歴に従った
個別の推奨
e
最も早い診断年齢、両側性疾患、複数の原発癌、45歳未満での肉腫。
患者で実施できない場合は非発症近親者の検査を考慮してもよい。検査結果解釈上の重大な限界を議論しなければならない。
g
重要性不明の変異型の検査を臨床目的で使用してはならない。変異型の機能的影響を決定するための調査研究の照会を考慮する。
f
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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LIFR-2
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リ・フラウメニ症候群
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
リ・フラウメニ症候群管理
乳癌リスク
 18歳から、乳房自己検診の訓練と教育を開始する。
 20~25歳、または家系で最も早い乳癌発症年齢の5~10年前(いずれか早い方)から、6~12ヵ月毎の問診・視触診を開始する。
 20~25歳、または家系で最も早い発症年齢に基づき個別に、年1回のマンモグラフィおよび乳房MRIスクリーニングを開始する1,2。
 リスク低減乳房切除術の選択肢について個別に話し合い、リスク低減効果、再建の選択肢、およびリスクについて助言する。
その他の癌リスク
 リ・フラウメニ症候群に関連する多くの癌のスクリーニングの限界に対処する。さらなる原発腫瘍のリスクが顕著なため、
リ・フラウメニ症候群の生存者で以前の腫瘍の予後が良好な患者ではスクリーニングを考慮してもよい。
 まれな癌および二次性悪性腫瘍疑いの指標が高い癌生存者の年1回の総合的身体診察:皮膚および神経系の入念な検査など。
 乳癌に対する治療的RTは慎重に使用すること。
 25歳までに2~5年毎の大腸内視鏡検査の開始を考慮する。
 小児科医に患者家族の小児癌リスクを知らせること。
 可能であれば、PETスキャン、腹部超音波、脳MRIなどの技術を用いた新しいスクリーニング法の臨床試験への参加の選択肢を話し合う3。
 個別の家族歴に基づく対象の調査。
 癌の徴候と症状に関する教育。
近親者へのリスク
 近親者の遺伝性癌リスクの可能性、リスク評価の選択肢および管理について助言する。
 遺伝カウンセリングとリスクのある近親者の遺伝子検査を考慮することを勧める。
1
画像診断スケジュールの妥当性はまだ検討中である。
高品質乳房MRIの限界として、乳房専用コイルの必要性、MRIガイド下生検実施能力、乳房MRIに精通した放射線科医、地域的な利用可能性が挙げられる。
閉経前女性では、できれば月経周期7~15日目に乳房MRIを実施する。
3
いくつかの施設が、試験ツールとして新しい画像診断技術を評価している。
2
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
LIFR-A
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ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
カウデン症候群
カウデン症候群検査基準 a,b
 PTEN変異が既知の家系出身者
 次の個人歴を有す人:
 バナヤン・ライリー・ルバルカバ症候群(BRRS)、または
 成人レルミット・デュクロ病(LDD)(小脳腫瘍)、または
 自閉症圏障害と巨頭症、または
 複数の生検で証明された外毛根鞘腫、または
 複数の主要基準(1つは巨頭症であること)、または
 巨頭症以外の3つの主要基準、または
 1つの主要基準と3つ以上の副次的基準 c、または
 4つ以上の副次的基準
 検査を実施せずにカウデン症候群またはBRRSの臨床診断を受けた近親
者のいるリスクのある人d
 リスクのある人は以下を有さなければならない:
◊ 主要基準のいずれか1つ、または
◊ 2つの副次的基準
主要基準:
 乳癌
 粘膜皮膚病変 e
 生検で証明された1つの外毛根鞘腫
 複数の掌蹠角化症
 多発性または広範な口腔粘膜乳頭腫
 複数の顔面皮膚丘疹(しばしばいぼ状)
 陰茎亀頭の斑状色素沈着
 巨頭症 (巨大頭蓋症)(97パーセンタイル値:成人女性58cm、
成人男性60cm以上)f
 子宮内膜癌
 非髄様性甲状腺癌
 複数の消化管過誤腫または神経節腫
a
これらは検査基準であり、臨床診断基準ではない。
b
同一の構造/器官/組織に2つの基準が関与する場合、両方とも基準として含める。例えば、乳癌
(主要基準)と線維嚢胞性乳腺疾患(副次的基準)。
c
乳癌や非髄様性甲状腺癌など複数の主要基準を有すが、巨頭症がない人の場合、主要基準の1つ
を3つの副次的基準に含めて、検査基準に合致させてもよい。
フォローアップ
カウデン症候群検査
基準合致
フォローアップ
(COWD-2)を参照
カウデン症候群検査
基準合致せず
個人歴および家族歴に
従った個別の推奨
副次的基準:
 その他の甲状腺病変(腺腫、小結節、甲状腺腫など)
 精神遅滞(IQ75以下)
 自閉症圏障害
 単一の消化管過誤腫または神経節腫
 乳房の線維嚢胞性疾患
 脂肪腫
 線維腫
 腎細胞癌
 子宮筋腫
d
リスクのある人を患者または創始者の第一度近親者として定義できる。第一度近親者が検査不能、
または検査を受けたくない場合、 より遠い近親者に検査を依頼すること。
e
粘膜皮膚病変について入手できる文献は、カウデン症候群の主要基準に必要とされる粘膜皮膚病変
の数や程度を正確に特定するのに適切ではない。臨床的判断を使用すべきである。
f
Roche AF, Mukherjee D, Guo SM, Moore WM. Head circumference reference data: Birth to 18 years.
Pediatrics 1987;79:706-712.
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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COWD-1
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カウデン症候群
カウデン症候群の
フォローアップ
近親者の
状態
遺伝子検査
検査結果
家族性
PTEN 変異
陽性
PTEN の病
的な家族性
変異あり
カウデン
症候群
検査基準
合致
リスク評価と
カウンセリング:
 心理社会的評価
および支援
 リスクカウンセリング
 教育
 遺伝子検査について
話し合い
 インフォームド
コンセント
PTEN の家
族性変異
不明
特異的な家族性変異
の PTEN 検査を
考慮する
近親者で PTEN
変異の可能性が
最も高い患者の
検査を考慮する g
h
i
スクリーニングの
推奨
カウデン症候群管理
(COWD-A)を参照
PTEN 検査
実施せず
家族性
PTEN 変異
陰性
NCCN Breast Cancer
Screening and Diagnosis
Guidelinesに従い乳房スクリ
ーニング
近親者の検査により
変異発見
カウデン症候群管理
(COWD-A)を参照
近親者は検査せず、
または検査したが
変異見られず h
重要性不明の
変異型発見
(情報価値なし)h,i
g
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
研究の提案および
個人歴および
家族歴に従った
個別の推奨
患者で実施できない場合は非発症近親者の検査を考慮してもよい。検査結果解釈上の重大な限界を議論しなければならない。
特定の変異(大規模な欠失)は一次配列決定で検出されず、追加検査が必要になる場合がある。
重要性不明の変異型の検査を臨床目的で使用してはならない。変異型の機能的影響を決定するための調査研究の照会を考慮する。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
COWD-2
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
カウデン症候群
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
カウデン症候群管理
女性
 18歳から、乳房自己検診の訓練と教育を開始する。
 25歳、または家系で最も早い乳癌発症年齢の5~10年前から、6~12ヵ月毎の問診・視触診を開始する。
 30~35歳、または家系で最も早い乳癌発症年齢の5~10年前(いずれか早い方)から、年1回のマンモグラフィまたは乳房MRIス
クリーニングを開始する1,2。
 子宮内膜癌スクリーニング 3については、患者教育、症状への迅速な対応およびスクリーニング法の有効性と必要性を決定する
臨床試験への参加を奨励する。
 個別にリスク低減乳房切除術と子宮摘出術の選択肢を話し合い、リスク低減効果、癌リスクの程度、再建の選択肢について助言す
る。
男性および女性
 18歳、または家系で最も早い関連する癌診断年齢の5年前(いずれか早い方)から、年1回の総合的身体診察を開始する。
特に乳房と甲状腺の検査に注目する。
 18歳でベースラインの甲状腺超音波検査を行い、それ以降年1回の検査を考慮する。
 35歳から5~10年毎の大腸内視鏡検査の開始を考慮し、症候性またはポリープが発見された患者は、より頻繁に検査する。
 年1回の皮膚検査を考慮する。
 癌の徴候と症状に関する教育。
近親者へのリスク
 近親者の遺伝性癌リスクの可能性、リスク評価の選択肢および管理について助言する。
 遺伝カウンセリングとリスクのある近親者の遺伝子検査を考慮することを勧める。
1
画像診断スケジュールの妥当性はまだ検討中である。
高解像度乳房MRIの限界として、乳房専用コイルの必要性、MRIガイド下生検実施能力、乳房MRIに精通した放射線科医、地域的な利用可能性が挙げられる。
閉経前女性では、できれば月経周期7~15日目に乳房MRIを実施する。
3
カウデン症候群における子宮内膜癌の生涯リスクに関するデータは限られている。サーベイランススクリーニングおよび外科的介入は個別に実施すること。
2
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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COWD-A
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遺伝 目次
考察
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ると考えられ、これらの人に発生する癌は、遺伝性または家族
考察
性の癌として分類される。
NCCN のエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー
遺伝性癌は、癌発生の高い確率と関連する変異(高浸透度遺伝
カテゴリー1:高レベルのエビデンス(例、ランダム化比較試験)に基づ
子型)、父母のいずれかからの垂直伝播、他の種類の腫瘍との
く推奨で、NCCN の統一したコンセンサスが存在する。
関連性で特徴づけられることが多い
カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN の
多く、常染色体優性遺伝形式を示す(遺伝子の 1 コピーのみの
統一したコンセンサスが存在する。
変異で発現する)。家族性の癌では、遺伝性癌の特徴の一部が
カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN の
共通するが、すべてが共通しているわけではない。例えば、家
統一したコンセンサスは存在しない(ただし大きな意見の不一致もな
族性乳癌は特定の家系で一般集団より高頻度で発生するが、通
い)
。
常、遺伝性癌に一致する遺伝様式や発症年齢を示さない。家族
カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づく推奨ではあるが、
大きな意見の不一致がある。
特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2A である。
。早期に発症することが
性の癌は、家系内での散発性癌症例集積の可能性、低浸透度遺
伝子の遺伝的多様性、共通の環境、またはこれらの要因の組み
合わせに関連すると考えられる
5-8
。
家族性または遺伝性癌に関する個々人のリスク評価は、家族歴
概要
すべての癌は、細胞増殖の調節や DNA 修復に関与する遺伝子な
ど、特定の遺伝子の変異の結果として発生するが
3,4
1,2
、これらの
変異のすべてが親から遺伝するわけではない。例えば、散発性
変異は体細胞/腫瘍細胞のみで起こり、de novo 変異は生殖細胞
(卵子または精子)または胚発生初期の受精卵そのものに最初
に起こり得る。しかし、家系解析で、数種類の癌リスクが患者
の第一度近親者(親、兄弟姉妹、子)と第二度近親者(祖父母、
おじ、おば、孫、めい、おい)で増加することが長く実証され
の徹底的な評価に基づく。遺伝性癌に関して、分子遺伝学の進
歩により、遺伝性の乳癌や卵巣癌の感受性に関連する多くの遺
伝子(BRCA1 、 BRCA2 、 PTEN 、 TP53 、 CDH1 など)が同定
され、特異的な遺伝子変異または高い癌リスクを示す特定の個
人及び家系に存在する変異の特徴を明らかにする手段が示され
た。癌遺伝学分野は、予防、スクリーニング、治療など、遺伝
性または家族性癌患者の癌管理のすべての側面に対して影響を
及ぼす。
てきた。これらの人では、親の生殖細胞系列細胞に存在する 1
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価の NCCN
つ以上の遺伝子変異の結果、癌に対する感受性が高くなってい
腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCN ガイドライン
TM
)は、急
2011年第1版 04/07/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。
MS-1
NCCN Guidelines™ Version 1.2011
乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
速に出現した分子遺伝学分野の臨床応用に関するわれわれの知
伝子と同様に、TP53 遺伝子と PTEN 遺伝子は、DNA 修復や細
識の多くが予備的なものであることを鋭敏に認識し、ガイドラ
胞周期制御など、腫瘍抑制に関連する過程に関与する蛋白質を
インを個々の家系に適用する際には柔軟性を要するとの判断の
コードする。遺伝性びまん性胃癌(HDGC)は別のまれな遺伝
もとに策定された。さらに、これらのガイドラインは専門的な
性症候群で、これも小葉乳癌の発生に関連する。この症候群は、
遺伝カウンセリングの代用として作成されたものではない。む
腫瘍抑制遺伝子産物をコードする CDH1(カドヘリン 1、タイ
しろ、癌リスク評価及び遺伝カウンセリングから利益を得られ
プ 1、E- カドヘリン[上皮性])遺伝子の変異により生じる
る可能性のある人を特定する際に医療提供者の役に立ち、遺伝
特定の CDH1 変異を有するニューファンドランドの 4 つの主に
カウンセラーに個々の乳癌・卵巣癌リスクを評価するための最
胃癌の家系の分析では、75 歳までに 52%の累積リスクで小葉
新 の ツ ー ル を 提 供 し て 遺 伝 子 検 査 に 関 連 す る 判 断 の 指 針 を 示 し 、 乳癌になると推定された
15,16
。
。さらに、生殖細胞系列 CDH1 変
遺伝性乳癌・卵巣癌リスクの高い人の管理における集学的アプ
異は、びまん性胃癌がみられなくても小葉乳癌と関連すると考
ローチを促進することを意図している。乳癌と卵巣癌以外の癌
えられる
17
14
。
がこれらの遺伝性症候群に関連するが、本 NCCN ガイドライン
TM
の主な焦点は、これらの人における乳癌と卵巣癌リスクの管
理である。
これらの遺伝性症候群には、乳癌リスクの増加以外にいくつか
の共通の特徴がある。これらの症候群は伴性遺伝子内ではない
常染色体内の生殖細胞系列の遺伝子変異に起因するため、変異
参考のため、表 1 に遺伝学用語を解説する。
は父母のいずれかから遺伝した可能性がある。症候群は乳癌の
早期発症及び他の種類の癌発生と関連し、常染色体優性遺伝形
式を示す(表 1 を参照 )。これらいずれかの遺伝性症候群患者
遺伝性乳癌または乳癌・卵巣癌症候群
の子どもでは、変異を受け継ぐ確率が 50%である。さらに、こ
乳癌は米国女性で最も多くみられる癌で、米国における女性の
れらの遺伝性症候群患者では、複数の早期発症疾患や両側性疾
癌による死亡原因の第 2 位である 9 。乳癌の最大 10%は単一遺
患のリスクが増加することも共通する。これらの遺伝性症候群
伝子の特異的な変異によるもので、家系で遺伝する
6,8
。遺伝性
乳癌・卵巣癌の特徴的なパターンは、BRCA1 または BRCA2 遺
伝子の変異と関係している
10,11
。さらに、極めてまれな 2 つの
に関連する遺伝子変異は浸透度が高いと考えられるが、癌のイ
ニシエーションには遺伝性変異のない方の対立遺伝子で引き続
く変化が必要と考えられている(2 ヒット仮説) 1 8 , 1 9 。さらに、
遺伝性癌症候群であるリ・フラウメニ症候群(LFS)とカウデ
これらの遺伝性症候群の徴候(発現)は、同じ家系内の個々人
ン症候群は、高い乳癌リスクを示し、それぞれ TP53 遺伝子と
で異なることが多い(発症年齢、腫瘍部位、原発腫瘍の数な
PTEN 遺伝子の生殖細胞系列変異に関連する
12,13
。BRCA1/2 遺
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MS-2
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
ど ) 。 こ れ ら い ず れ か の 遺 伝 性 症 候 群 患 者 で の 癌 発 生 リ ス ク は 、 たとえ同じ変異を有する家系でもさまざまである 33-35。乳癌生涯リス
クの浸透度は推定 45~84%で、高い対側乳癌リスクを示す 36-38。さら
性別や年齢など多くの変数に依存する。
に、これらの遺伝子の女性保持者の卵巣癌の生涯リスクは、試験集団
により異なるが 11~62%と推定される 36-40。現在のところ、浸透度が
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
家系で確認された特異的な変異と関連するか、遺伝的または環境的な
BRCA1 及び BRCA2 遺伝子内の疾患関連変異の全保有頻度は、それぞ
れ 300 分の 1 と 800 分の 1 と推定される
20,21
。最近、BRCA1 及び
他の因子が疾患発現に影響を及ぼすかは不明である。しかし、BRCA1
または BRCA2 遺伝子の変異保持者には乳癌と卵巣癌両方の高いリス
BRCA2 両遺伝子内で数百の単独変異(unique mutation)が確認され
クがあることが一般に受け入れられており、このことがより集中的な
た。しかし、いくつかの創始者効果(表 1 を参照)が特定の集団で観
予防法とスクリーニング法を検討する理由である。
察されており、そこでは同じ変異が複数の関連のない家族で認められ、
遡ると共通の祖先に行き着くことができる。例えば、アシュケナージ
いくつかの病理組織学的特徴が、BRCA1/2 変異で特徴づけられる乳
系ユダヤ人集団では BRCA1 内の 187delAG と 5385insC 変異及び
癌でより高頻度に認められることが報告されている。例えば BRCA1
BRCA2 内の 6174delT 変異の頻度は約 40 分の 1 である
6,22
。特定の創
始者変異が他の集団でも確認されている 20,23-28。乳癌と卵巣癌の両方
を有する家系での早期発症癌の 90%超が、BRCA1 または BRCA2 遺
伝子内の変異によると推定されている 29。したがって、乳癌と卵巣癌
乳癌は、ER-、PR-、HER2-陰性(「トリプルネガティブ」)として
特徴づけられる可能性が高いことがいくつかの研究で示されている 4144
。複数の研究で、トリプルネガティブ乳癌患者の 11~28%に
BRCA1 変異があることが報告されている 44-47。さらに、トリプルネ
の両方を有する患者及び乳癌と卵巣癌の両方の家族歴を有する人では、 ガティブ疾患の患者のなかで、BRCA 変異保持者は非保持者に比較し
てより若年齢で診断された 46,48。最近の試験(N=284)で、トリプル
BRCA 変異が臨床的に疑われる程度は極めて高いと考えられる。
ネガティブ疾患で BRCA1 変異保持者では、平均診断年齢が 40 歳
BRCA1 と BRCA2 の両遺伝子は、腫瘍抑制に関わる蛋白質をコードす
(28~57 歳)であることが報告された 45。さらに最近の試験で、ト
る。BRCA1 遺伝子は 17 番染色体上に座位する。DNA 損傷の修復と
リプルネガティブ乳癌早期発症患者(診断年齢 40 歳以下)のうち
DNA 損傷に対する反応の細胞周期チェックポイントの制御に関与する
BRCA1 変異を保有する割合は 11~47%であった 44,45。
と考えられている。しかし、BRCA1 がゲノム安定性を保つために機
能する分子機構は依然不明である 30。13 番染色体に位置する BRCA2
BRCA1 または BRCA2 遺伝子に単一または複数の変異を有する家系に
遺伝子は、複製を介した二本鎖切断の修復に関与する 31,32。
おける他の悪性腫瘍の頻度の増加が報告された 49。生殖細胞系列の
BRCA1 と BRCA2 変異は前立腺癌リスク増加と関連し 35,50-52、
BRCA1 または BRCA2 遺伝子の変異の浸透度は高い(表 1 を参照)
BRCA2 変異保持者は膵癌とメラノーマのリスクも高いことが報告さ
と考えられるが、BRCA1 または BRCA2 変異保持者での癌発生確率は、 れた 50,51,53,54。BRCA1 と BRCA2 変異はいずれも膵癌発生の増加傾向
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考察
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
と関連している
54-57
。家族性膵癌患者(家系の 3 人以上が膵癌患者で、 興味深いことに、遺伝性乳癌リスクが高いが部位特異的 BRCA
そのうち 2 人以上が第一度近親者)から採取した検体分析で、17%の
57
患者検体で BRCA2 変異が検出された 。アシュケナージ系ユダヤ人
集団では、膵癌患者の約 4%で BRCA2 変異が検出されている
53,58
。
この集団における癌リスクに関連するいくつかのデータは、乳
房/卵巣以外のいくつかの部位について矛盾する
59
。例えば、一
変異のない家系の女性では卵巣癌リスクが高くないことを前向
き研究の結果が示唆しているが、これらの結果は民族的特性と
試験集団の大きさによる交絡があった可能性がある
71
。
男性の BRCA 遺伝子変異保持者も癌感受性リスクが高い
51
。男
性乳癌患者が 1 人以上いる 26 の高リスク家系の研究で、77%
29
部の BRCA1 または BRCA2 変異保持者で観察された子宮内膜
が BRCA2 変異を示した
癌のリスク増加は、主にこれらの女性がタモキシフェン療法を
ていない男性乳癌患者では、生殖細胞系列 BRCA2 変異検査で
使用したためであり、遺伝子変異の存在によるものではないこ
陽性を示したのはわずか 4~14%であった
とが示唆された
60
。
。しかし、家族歴に基づき選択され
72,73
。BRCA2 変異
のある男性で、80 歳までの乳癌リスクは 6.9%と推定されてい
る
BRCA1 及び BRCA2 の生殖細胞系列変異は、上皮性卵巣癌(卵
巣の表面で発生する卵巣癌)の 5~10%に関与する
61
74
。一方、このような変異のない男性では、乳癌の生涯リス
クは 1%の 10 分の 1(1,000 分の 1)と推定される
75
。
。卵管癌
と原発性腹膜癌のリスク増加もこの集団で観察される。
リ・フラウメニ症候群( LFS)
BRCA1 または BRCA2 変異保持者での卵巣癌の組織像は、漿液
リ・フラウメニ症候群(LFS)は、生殖細胞系列 TP53 遺伝子
性腺癌と特徴づけられやすく、変異非保持者の卵巣癌より悪性
変異に関連するまれな遺伝性癌症候群である
13
わずか約 1%に関与すると推定されているが
76
度が高いが、一方で変異保持者集団で類内膜及び明細胞卵巣癌
も報告されている
61-65
。浸潤性卵巣癌と診断された人では、任
意抽出者の 15%もの患者が生殖細胞系列 BRCA1 または
BRCA2 変異を保有すると考えられる
66,67
遺伝的素因がある家系の約半分では BRCA1/ 2 遺伝子変異が確
認されないことが報告されている
68
。したがって、卵巣癌の病
因になる他の遺伝子変異が存在すると考えられる
69
。注目すべ
きは、卵巣癌がミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異に関
連するリンチ症候群を構成する腫瘍に含まれることである
70
。
、最近の研究結
果で生殖細胞系列 TP53 遺伝子変異はこれまで考えられていた
より多いことが示唆されている
。しかし、卵巣癌の
。遺伝性乳癌の
番染色体上にあり
78,79
77
。腫瘍抑制遺伝子 TP53 は 17
、TP53 遺伝子産物の蛋白質(p53)は細
胞核内に存在して直接 DNA に結合する。「ゲノムの守護者」と
呼ばれ、細胞周期の制御やアポトーシスで重要な役割を果たす
78-80
。TP53 遺伝子の生殖細胞系列変異は、 LFS の古典的定義
(ガイドラインのリ・フラウメニ症候群検査基準の項目を参
照)に合致する家系の 50%超(一部の研究では 70%超)で認
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考察
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
められる
13,77,81
。これらの基準を満たすが生殖細胞系列 TP53
変異を保有しない家系で、他の遺伝子変異の可能性を検討する
ためにさらなる研究が必要である
82
の 2 セットを使用して、TP53 遺伝子変異検査の候補者の特定
を促進する。
。
LFS 家系の 24 人を対象にした Li と Fraum eni の研究に基づく
高い生涯癌リスクに関連し、浸透度が高い癌症候群である LFS
古典的な LFS 基準は、次の通りである:TP53 変異が知られる
は、早期に発生するさまざまな新生物に特徴づけられ、軟部組
家系出身者;本人が年齢 45 歳以下で肉腫と診断され、かつ 45
織肉腫、骨肉腫(ただしユーイング肉腫は LFS との関連性が低
歳以下で癌と診断された第一度近親者がおり、他にこれと同じ
い)、閉経前乳癌、急性白血病、結腸癌、副腎皮質癌、脳腫瘍
家系の第一度または第二度近親者が 45 歳未満で癌または年齢を
と関連する
13,77,80,83-88
。肉腫、乳癌、副腎皮質腫瘍及び特定の
問わず肉腫と診断された(ガイドラインのリ・フラウメニ症候
脳腫瘍は、TP53 遺伝子の生殖細胞系列変異 保持者で見られる癌
群検査基準の項目を参照)。古典的な LFS 基準では、高い陽性
のほとんどを占め、またある研究で、生殖細胞系列 TP53 遺伝
適中率(推定値 56%)と高い特異性を示すが、感度は比較的低
子変異を有する全家系の 1 人以上でこれらの癌の 1 つ以上が認
い(推定値 40%)と推定されている
められたため
77
、LFS の「中核」(core)癌といわれている。
LFS 患者では幼児期に特定の癌(軟部組織肉腫、脳腫瘍、副腎
皮質癌など)が発症することが多く
癌が発生するリスクが高い
89
85
77
。したがって、これらの
基準以外の癌パターンを示す人が生殖細胞系列 TP53 変異保持
者であることは珍しいことではない
88,91
。古典的な LFS 基準が、
、一生の間に複数の原発
ガイドラインの 1 セットとして基準に含まれ、 TP53 遺伝子変
。小児軟部組織肉腫の患者 159 例
異検査の対象者を選択する指針となっている(ガイドラインの
の家族歴を収集したデータの分離比分析の結果は、生殖細胞系
列 TP53 変異保持者の癌リスクが 45 歳と 70 歳まででそれぞれ
約 60%と 95%と推定されることを示した
90
。性特異的癌を考
慮しな い場 合、 LFS の男女 で同 程度の 癌リ スクが 認め られる が、
通常は女性の乳癌が症候群に関連する
77
。患者の多い家系は特
定されやすく、以降の研究の被験者になりやすいため、LFS に
関連する癌リスクの推定は、選択バイアスにより少なくともあ
る程度限定されることに言及することが重要である。
リ・フラウメニ症候群検査基準の項目を参照)。
他のグループは、古典的な LFS 基準を拡大して LFS 患者の特
定を促している
83,92-94
。Birch らが提案したこれらの厳密性が
低い基準のセットは、多くの特徴が古典的な LFS 基準と共通す
るが、より広範な癌が含まれる
83,77
。まれに、de novo の生殖
細胞系列 TP53 変異(生物学的親のいずれで も変異がない)を
持つ人が確認されているが
77,84,95
、これらの症例は古典的な
LFS 基準では家族歴を要件とするため、TP53 検査候補として
多くの異なる基準セットが LFS 患者を特定する手立てとして使
特定されないであろう。この問題は Chompr et らが提案した
用されてきた。NCCN ガイドラインの目的では、これらの基準
TP53 検査基準では部分的に回避されている。この検査基準では、
家族歴にかかわらず 2 種類以上の「中核」腫瘍(肉腫、乳癌、
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
77,99,100
副腎皮質癌、脳腫瘍)を含む複数の原発腫瘍患者で最初の腫瘍
7%であった
が 36 歳未満で診断された人、及び年齢を問わず副腎皮質癌と診
列 TP53 遺伝 子変異 保有率がさらに低いこ とが明らかになった。
断された患者に対して検査を推奨している(ガイドラインの
例えば Bougeard らは、任意抽出した 33 歳未満の乳癌女性で
93
リ・フラウメニ症候群検査基準の項目を参照) 。Chompret 基
準では陽性適中率が 20~35%と推定され
77,93
、これを古典的な
。他の研究では、この集団での生殖細胞系
は、生殖細胞系列 TP53 変異保持者はわずか 0.7%であること
を報告した
96
。さらに Ginsburg らは、過去に BRCA 変異検査
LFS 基準と併せて TP53 検査基準の一部として含めた場合、感
陰性であった若年発症乳癌女性から任意抽出した 95 人に生殖細
度が 95%に向上することが示されている(すなわち、
胞系列 TP53 変異がみられないことを見出した
Chompret 基準を古典的な LFS 基準に追加すると TP53 変異患
者の 95%が検出される) 7 7 。Chompret 基準は NCCN ガイドラ
インに含まれる 2 番目の基準セットである。 Chompret らによ
り最初に公表された旧基準セットの一部ではないが、当委員会
98
。
最後に、既知の TP53 変異を有する家系出身者は、他の危険因
子がなくても遺伝子変異検査をすべき十分なリスクがあると考
えられる。
は、診断年齢及び家族歴にかかわらず脈絡叢患者での検査を推
奨する。これは、脳腫瘍のまれなタイプである脈絡叢癌患者で
認められる TP53 変異の高い保有率の報告に基づいている
77,84,96,97
。上記の脈絡叢癌患者を検査に含めること(最新の
Chompret 基準)が最近 Tinat らにより提案され
97
、NCCN ガ
イドライン委員会から支持されている。
齢 30 歳未満)女性は、特定の状況下で TP53 遺伝子変異検査を
考慮してもよいもう一つのグループである。いくつかの最近の
研究で、本集団での生殖細胞系列 TP53 変異の可能性が検討さ
77,96,98-100
。単一の基準研究室において評価した TP53
変異の研究で、Gonzalez らは、第一度及び第二度近親者に中
核癌患者が 1 人以上いる 30 歳未満の乳癌女性(n=5)がすべ
て生殖細胞系列 TP53 変異を保有することを見出した
まれな遺伝性癌症候群であるカウデン症候群は、1963 年に最初
に記述され、疾患の徴候が最初に記載された家系であるカウデ
ン家にちなんで命名された
101
。カウデン症候群の発生率は 20
万分の 1 と報告されているが、疾患の臨床診断の困難さのため
中核腫瘍の家族歴の有無にかかわらず、若年発症乳癌(診断年
れている
カウデン症候群
77
。家族
歴のない 30 歳未満の乳癌女性では、TP53 変異保有率は 3~
過小評価されている可能性が高い
102,103
。PTEN 過誤腫症候群
(PHTS)の一部と考えられ、PHTS は他にバナヤン・ライリ
ー・ルバルカバ症候群(BRRS)、プロテウス症候群、プロテ
ウス類似症候群
104
を含む(真のプロテウス症例が PTEN 変異
を保有することが示されているかどうかについては議論がある
105
)。これらの症候群で共通の徴候である過誤腫は、正常組織
の過剰増殖による良性腫瘍である。10 番染色体上にある PTEN
(「10[TEN]番染色体で欠失したホスファターゼ
[Phosphatase]とテンシン[TENsin]ホモログ」 1 0 6 )遺伝
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
子は、細胞周期制御と細胞の生存に関与する腫瘍抑制蛋白質を
コードする
12
。
癌性病変)を発症したと思われる患者の比較的若い時期の症例
報告の収集によるもので、これらのデータは選択バイアスによ
る交絡が生じているとも考えられる
カウデン症候群は、立証された悪性腫瘍の病因と関連する唯一
の PHTS 障害であるため、これらのガイドラインで取り上げら
れている。しかし、PTEN 変異と関連する他の PTHS と診断さ
れた患者もカウデンに関連する癌リスクがあると仮定すべきで
12
。さらに、これらの研究
のかなりの数は、1996 年の国際カウデンコンソーシアムにおけ
る症候群の診断基準確立以前に発表されたものであり、公表デ
ータ及び主に北米と欧州の施設を代表する専門家の意見に基づ
いた
12,113
。
あると示唆されてきた。カウデン症候群は、皮膚、粘膜、乳房、
甲状腺、子宮内膜、脳などさまざまな器官や組織の複数の過誤
腫性及び癌性病変と関連する
12,107
。
古典的な疾患の特徴として、皮膚粘膜乳頭状丘疹、掌蹠角化症、
外毛根鞘腫(毛包の外毛根鞘上皮由来の良性腫瘍)などがある
12,114
カウデン症候群と診断された女性では、良性線維嚢胞性乳腺疾
患のリスクが高く、乳癌の生涯リスクは 25~50%と推定され、
診断時の平均年齢は 38~46 歳である
107,108
。カウデン症候群
の男性における乳癌報告はわずか 2 症例である
12
。良性多結節
性甲状腺腫、腺腫性小結節、濾胞性腺腫などの甲状腺疾患の発
症がカウデン症候群患者の最大約 70%で報告されており
109
、
甲状腺癌(濾胞性または乳頭状)の生涯リスクは 3~10%と推
定されている
12,110
。多くの他の遺伝性癌症候群と同様、患者で
は両側臓器における両側性及び多巣性の癌が発生しやすい
111
。
十分に明らかにされていないが、カウデン症候群の女性では子
宮内膜癌のリスクが 5~10%となり
12,112
。カウデン症候群患者のほとんどは 20 歳代までに特徴的
な皮膚粘膜病変を示し、このような病変の発生がカウデン症候
群患者の 99%で報告され、症候群はほぼ完全な浸透度を示す
61,104
。複数の外毛根鞘腫の存在がカウデン症候群に特徴的であ
ることが報告されている
115,116
。しかし、このエビデンスのほ
とんどは古い文献によるものであるため、これらの 2 つの関係
がいくぶん過大評価されている可能性がある
12
。カウデン症候
群ではない孤立性外毛根鞘腫患者の報告がある
115,116
。しかし、
これらの病変とカウデン症候群との強い関連性及び外毛根鞘腫
と他の皮膚粘膜病変の臨床的な区別の困難さのため、外毛根鞘
腫の診断は組織学的に確認することが重要である。
、子宮筋腫のリスクも
高まる。さらにカウデン症候群患者では、皮膚癌、腎細胞癌、
大腸癌、脳腫瘍、器官に影響を及ぼす血管奇形がたまに認めら
れるが、これらの疾患の発生リスクは十分に解明されていない。
しかし、注意すべき重要な点は、カウデン症候群の臨床像の頻
度に関するデータのほとんどが、後に疾患の追加徴候(新規の
カウデン症候群患者の約 40%には消化管ポリープ(多くは結
腸)があることが歴史的に報告されているが、ごく最近のデー
タはこのリスクが 80%以上であることを示唆する。実際、
PTEN 変異保持者の最近の解析で、93%の患者で消化管ポリー
プが報告された
117
。ポリープのほとんどは過誤腫性であるが、
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
神経節腫(まれな良性末梢神経系腫瘍)の発生も報告されてい
る
12,118
。しかし、早期発症(50 歳未満)大腸癌が PTEN 変異
関連カウデン症候群患者の 13%で報告され、この集団における
日常的な大腸内視鏡検査の必要性が示唆される
117
成人レルミット・デュクロ病(LDD)及び巨頭症を特徴とする
自閉症圏障害はカウデン症候群と強く関連する
104,111,119
。まれ
で成長の遅い脳の良性過誤腫性病変である LDD は小脳の異形成
神経節細胞腫である
12
。多数のエビデンスは成人発症 LDD と
PTEN 遺伝子変異の存在との間の強い関連性を支持するが
例外も報告されている
120
111
、
。さらに、自閉症圏障害及び巨頭症患
者の 10~20%が生殖細胞系列 PTEN 変異を保有することを支
持するエビデンスも比較的多くある
121-125
。巨頭症(頭囲が 97
パーセンタイル値より大きいと定義) 1 2 6 はカウデン症候群患者
でよく見られる所見である。本症候群患者の約 80%がこの臨床
所見を示すと推定されている
12
。
プ、巨頭症、血管腫、発育遅延及び男性における陰茎亀頭の色
127
、この症候群の正式な診断基
準は確立されていない。BRRS の特徴を持つ患者の PTEN 遺伝
子変異検査が、これらの患者の約 60%で報告されている
128
。
また他のある研究で、PTEN 遺伝子変異検査が陰性であった
BRRS 患者の 10%は、PTEN 遺伝子の大きい欠失の保持者であ
ることが示された
119
。
者における PTEN 変異頻度は約 80%と推定されている
12
。国際
カウデンコンソーシアム基準は 1996 年以降数回更新され
、NCCN ガイドラインに含まれる基準リストの基礎
となっている。文献報告と専門家の合意に基づき、当委員会は
最近この遺伝性症候群に関連する基準リスト及び PTEN 遺伝子
変異検査の候補者を規定する基準の組み合わせ(ガイドライン
のカウデン症候群検査基準の項目を参照)を改訂した。旧版と
同様に、基準は 3 つの一般的カテゴリーに分けられている。特
定の基準またはこれら 3 カテゴリーの基準の組み合わせを満た
すかどうかに基づき、患者の PTEN 遺伝子変異検査が考慮され
る。最初の基準カテゴリーには、BRRS、成人 LDD、巨頭症を
伴う自閉症圏障害、生検で証明された複数の外毛根鞘腫の個人
歴が含まれる。これらの 1 つ以上の診断を受けた患者は、
PTEN 検査を実施すべきである。過去にこのグループの一部の
基準が「特徴的」と言われたことがあったが、先に考察したよ
BRRS 変異型 PHTS は、複数の脂肪腫、過誤腫性消化管ポリー
素斑の存在で特徴づけられるが
カウデン症候群の国際カウデンコンソーシアム基準を満たす患
12,104,129,130
。
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
うに、これらの疾患が単独でカウデン症候群の確定診断の基準
になるとは考えられない。PTEN 遺伝子変異検査の理由として
十分と考えられる他の基準は、既知の有害な PTEN の病的 変異
の存在を含む家族歴である。
次の基準カテゴリーは、カウデン症候群に関連する「主要な」
特 徴 で あ る 。 主 要 基 準と し て 、 乳 癌 、 巨 頭 症( 巨 大 頭 蓋 症 ) 1 2 6 、
子宮内膜癌、非髄様性甲状腺癌、複数の消化管過誤腫または神経
節腫、及びカウデン症候群患者でよく観察される特定の皮膚粘
膜病変(生検で証明された 1 つの外毛根鞘腫、複数の掌蹠角化
症など)の存在がある。複数の主要基準を示し、そのうちの 1
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
つが巨頭症の患者は、検査基準を満たす。また、3 つ以上の主
因遺伝子の伝搬は父方と母方で同じ確率であることにも留意しなけれ
要基準を満たせば検査実施に十分と考えられる。皮膚粘膜病変
ばならない
の存在に関連する判断に関して、カウデン症候群の主要基準と
して規定される状態に必要なこれらの病変の数や程度を正確に
本人または近親者が NCCN ガイドライン(ガイドラインの詳しいリス
特定する上で、当委員会は入手できる文献が適切ではないと考
ク評価の基準の項目を参照)に示された以下の基準のいずれかを満た
えており、これらの病変の評価では臨床的判断を要する。
した場合、本人の乳癌及び卵巣癌リスクが高いと考えられ、遺伝的評
価への照会が推奨される。家族性の癌パターンについて、母方と父方
最後の基準カテゴリーは、カウデン症候群との関連が「小さい
の家系は別々に検討しなければならない。
(副次的)」特徴である。これには、非髄様性甲状腺癌以外の
甲状腺病変、精神遅滞、自閉症圏障害、単一の消化管過誤腫また
1 つ以上の遺伝性癌症候群について確立された基準を満たす可能性の
は神経節腫、乳房の線維嚢胞性疾患、脂肪腫、線維腫、腎細胞
ある人では、適切な検査前カウンセリングとともに遺伝子検査を考慮
癌、子宮筋腫が含まれる。検査基準を満たすためには、4 つの
すべきである。遺伝カウンセラーまたは遺伝専門医がこの過程に関わ
副次的基準または 3 つの副次的基準と 1 つの主要基準を示さな
るべきである。検査基準を満たさないが依然家族性乳癌リスクが高い
ければならない。また、複数の主要基準を満たすが巨頭症がな
と考えられる人も、適切なリスク低減策(乳癌スクリーニングの頻度
い場合は、主要基準の 1 つを副次的基準の代わりにすることが
や使用する手法の変更など)から利益を得られると考えられる 5。当
できる(ガイドラインのカウデン症候群検査基準の項目及び考
委員会は、これらの人に対して乳癌のスクリーニング及び診断に関す
察のリスク評価、カウンセリング及び管理:カウデン症候群の
る NCCN ガイドラインの推奨に従うことを勧める。
項目を参照)。
正式なリスク評価及び遺伝カウンセリング
初期リスク評価
リスク評価
乳癌または卵巣癌の遺伝的傾向が懸念または疑われる患者では、正式
癌の遺伝的リスク評価と遺伝カウンセリングは、家族性または遺伝性
なリスク評価を実施すべきかどうかを判断するために初期リスク評価
癌リスクのある人の特定とカウンセリングの多段階過程である。
を実施すべきである。この初期評価の第一段階は、乳癌及び卵巣癌に
関する個人歴及び家族歴の広範で柔軟な評価である 131,132。リスクの
癌の遺伝的リスク評価では、家族歴から散発性、家族性、遺伝性癌が
程度は、家系内の患者数、関係の近さとともに増加し、近親者の患者
示唆されるかどうかを判定するために、利用可能なリスク評価モデル
の診断年齢により影響を受ける 133,134。診断年齢が若いほど、遺伝的
による家系分析が用いられる。リスク評価には、本人の乳癌または卵
要素が存在する可能性が高い。家族歴の遺伝様式の評価で、乳癌の病
巣癌の絶対的リスク評価、及び家系にある遺伝性の遺伝子変異が本人
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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遺伝 目次
考察
にある可能性の推定の両方が含まれる。遺伝的リスク評価は動的な過
的ニーズと優先事項に対処することを保証することである。い
程であり、他の近親者が癌と診断されれば変化する可能性がある。
くつかの研究で、乳癌の家族歴があり、癌リスクカウンセリン
グを求める女性では、リスクに対する過剰な感覚があることが
140
乳癌発症の年間リスク及び生涯リスクを推定するために、個人
記述されている
歴及び家族歴の特性に基づく統計モデルが開発されている。例
性のある状況である。さらに、遺伝子検査の利益、リスク、限
えば、第一度または第二度の女性近親者に 1 人または 2 人の乳
界に関する患者の知識及び患者の目標を評価しなければならな
癌患者がおり既知の癌関連遺伝子変異を持たない白人女性の乳
い。カウンセリングチームとの前向きで協力的な関係が、カウ
癌リスクを推定するのに、Claus の表が有用と考えられる
135
。
さらに、BRCA1/ 2 変異存在の可能性を推定するために開発され
た決定モデルとして、BRCAPRO
136,137
ルで評価された乳癌の生涯リスク 20~25%以上が、いくつかの
ガイドラインで、乳癌リスクの高い女性の特定に使用されてい
る。例えば、米国癌協会(American Cancer Societ y :ACS)
の乳房スクリーニングに関するガイドラインの磁気共鳴画像法
(MRI)を取り入れた最近の改訂で、このリスク域が使用され
138,139
ンセリング過程の最終的な満足度と推奨された健康行動遵守の
重要な決定因子である。
と乳房と卵巣疾患発症
率解析及び保持者推定アルゴリズム(Breast and Ovarian
Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation
Algorithm :BOADI CEA) 1 3 6 がある。主に家族歴に基づくモデ
た
。これは適切な健康行動の採用を妨げる可能
。
BRCA1/2、TP53 または PTEN 遺伝子に既知の有害な遺伝子変
異がある人の第一度近親者では、変異を保有するリスクは 50%
と考えられる。
患 者 の ニ ー ズと 懸 念 の評価
個人の遺伝性乳癌リスク評価の第一段階は、本人の懸念とカウ
詳細な家族歴
詳細な家族歴が有効な遺伝カウンセリングの要である。家族歴
の調査では、創始者(初発症例)の健康から始まり、第一度、
第二度、第三度近親者を含め母方と父方両方の遠くの親類まで
収集した広範な家系図の作成を行う。家系の正式名称を使用す
ること
141,142
。非発症者の家族歴も遺伝的リスクの程度に関す
る情報を提供するため、生存者・死亡者両方の非発症者を含め
る。
収集する情報は、原発部位別の癌診断、診断年齢、両側性(該
当する場合)、現在の年齢または死亡年齢などである。可能で
あれば、医療記録、病理所見報告書、または死亡診断書を入手
して、癌診断を確認する。女性近親者の「腹部」の癌ではこれ
が特に重要である。子宮頸部、子宮、卵巣、結腸の癌が混同さ
れることが多いためである。個人の祖先/民族を知ることも重要
である。
ンセリングを求める理由を評価し、カウンセリング過程で個人
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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考察
乳癌または卵巣癌と関連するまたは病因となる可能性のある他
ある。病歴聴取時に、医師はカウデン症候群の身体的徴候、特
の医学的状態にも注意すべきである。次に、正式名称を用いて
に皮膚の状態にも注意すべきである。
家族歴データを家系図上に記載して、家族の関係及び疾患情報
を図示する。家系図の情報の有用性を制限する因子は、少ない
家族数、性特異的な癌について対象の性の人数が少ないこと、
低い浸透度、家族の早期死亡(成人疾患発生の可能性が排除さ
れる)、後に癌リスクのある器官を除去する予防的手術(子宮
筋腫に対する子宮摘出術で卵巣も除去する場合など)、養子縁
組、家族の不正確または不十分な情報である
5,143
。
50 歳未満で乳癌と診断され、第一度または第二度近親者に乳癌
生殖変数は乳癌と卵巣癌両リスクの重要な決定因子で、これら
の癌の原因に対するホルモンの重大な寄与を示唆する。これら
が関係する可能性は、外来性エストロゲン及びプロゲスチンに
長期間曝露した女性でみられる乳癌リスク増加及び経口避妊薬
使用を報告した女性でみられる卵巣癌リスク減少により裏付け
られる
147-150
。
集 中 的 身 体 診察
または卵巣癌患者がいない女性 306 人を対象にした最近の前向
身体診察はリスク評価の一部である。特定の遺伝性乳房・卵巣
き登録試験で、家族歴が限られる人(第一度または第二度の女
症候群で影響を受けることが知られる器官/体の部位に特に注目
性近親者が 2 人未満またはいずれかの家系で 45 歳以降まで生存
すべきである。例えば、皮膚粘膜徴候の特定のパターンがカウ
した女性近親者が 2 人未満と定義)では、家族歴に依存したモ
デン症候群と関連する。
デルに基づく BRCA1/ 2 遺伝子変異の可能性が過小評価される
ことが示された
144
。
病 歴 及 び 手 術歴
創始者からの詳細な病歴及び手術歴の収集により、カウンセラ
ーが乳癌リスク判定で家族歴と相互作用するまたは修飾する可
能性のある他の危険因子の寄与を推定できるようになる。過去
の乳房生検歴は、特に病理検査で異型過形成または非浸潤性小
葉癌(LCIS)が明らかになった場合、乳癌リスクの増加と関連
する
145,146
。これらの診断の病理検査による確認が推奨される。
発癌物質曝露歴(放射線療法など)も患者評価に含めるべきで
遺伝カウンセリング
遺伝カウンセリングは癌のリスク評価過程の重要な構成成分で
ある。遺伝性乳癌または卵巣癌のカウンセリングで、他の関連
する危険因子と照らして遺伝的リスクを判定するために広範な
アプローチを使用し、個人の経験に個別化したカウンセリング
を行う。癌の遺伝カウンセリングの目的は、個々の癌診断及び
疾患リスクに関連する遺伝的、生物学的、環境的因子について
教育し、癌の遺伝情報から個人的な意味を引き出すのを助け、
遺伝子検査、癌スクリーニング、癌防御に関して知識と情報に
基づいた判断ができる力をつけることである。個々人は、関連
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ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
する遺伝的、医学的、心理社会的情報を理解し、情報をまとめ
が必要である 7 。BRCA1/2、PTEN、TP53 のいずれかの遺伝子
てから情報に基づく判断できることが必要である。情報の提示
変異が陽性で、系列が問題になる場合、両親の遺伝子検査の提
は、カウンセリングを受けている人の年齢と教育、疾患の罹患
案も適切と思われる。
状況、リスクの大きさ、社会的環境に合わせて実施するのが最
遺伝子検査
も効果的である 7 。
遺伝性癌症候群に関連する遺伝子変異の遺伝子検査を考慮して
いる場合、検査前カウンセリングが遺伝カウンセリング過程で
必須の要素である 7 。検査前遺伝カウンセリングを実施する根拠
はインフォームドコンセントの原則による。検査前カウンセリ
ングには、なぜ検査が提案されているか、検査結果が医学的管
理にどのように影響するかについての話し合い、問題の遺伝子
変異に関連する癌リスク、考えられる検査結果の重要性(以下
の遺伝子検査の項目を参照)、陽性結果が得られる可能性、検
査の技術面と正確性、経済的な配慮、遺伝差別のリスク、心理
社会的側面、守秘義務の問題、及びその他の話題が含まれる 7 。
守秘義務の問題の話し合いでは、2008 年に成立した遺伝情報差
遺伝子検査の適切な候補者の選択は、変異保持者である事前確
率を判定できる個人的・家系的な特性、及び遺伝子検査の結果
を受け入れる心理社会的準備状況に基づく。遺伝子検査の潜在
的利益、限界、リスクも決心する過程で重要な考慮事項である。
多くの女性は乳癌の発生リスクを最小限に抑えるあらゆること
を既に行っていると感じており、また別の人は、変異保持者で
あることがわかった時、特に変異が遺伝するリスクのある子ど
もがいる場合の感情的な痛手を恐れている。検査を受けないこ
とを選択した人に対しては、カウンセリングチームは個人歴及
び家族歴に対して一次的及び二次的な防御に関する個別の推奨
を行う。
別禁止法(Genetic Inf ormation Nondiscr imination Act :
米国臨床腫瘍学会が 2003 年に更新した癌感受性の遺伝子検査
GINA)と、それが医療保険会社と雇用主に遺伝子検査結果に基
に関する声明で、次の場合に遺伝子検査が推奨されるとしてい
づく差別を禁止していることを説明しなければならい
151
。
検査後カウンセリングも実施し、結果を示して、結果の重要性
についての話し合い、個人の感情に対する結果の影響評価、個
人の医学的管理に対する結果の影響についての話し合い、患者
をどこでどのようにフォローするかについて助言しなければな
らない。さらに、乳癌または卵巣癌の遺伝性病因に関連する遺
伝子変異が特定された人では、近親者への癌リスク遺伝の可能
る : ( i )遺 伝 的癌 感受 性 を 示唆 する 個 人歴ま た は 家族 歴が あ る 、
(ii)検査について適切に説明できる、(iii)結果が診断に役立
つか、患者若しくは遺伝性癌リスクのある家族の内科的・外科
的管理に影響を及ぼす
152
。遺伝性乳癌または卵巣癌を引き起こ
すことが知られる遺伝子変異の検査に関して、2010 年の米国臨
床腫瘍学会の癌感受性の遺伝子及びゲノムの検査についての更新
で、これらの勧告が改めて表明された
153
。
性と検査結果を家族に伝えることの重要性についての話し合い
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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遺伝 目次
考察
検 査 前 カ ウ ン セ リ ン グ の 一 部 と し て 、 カ ウ ン セ ラ ー は 真 の 陽 性 、 父方、母方の両家系で遺伝性乳癌または卵巣癌パターンに一致
真の陰性、不定(または情報なし)、未定(または重要性不明
する家族歴を有する人では、家族に 2 つ目の病的変異がある可
の変異型)の検査結果(表 2 を参照)の区別、及び検査過程の
能性を考慮しなければならず、全塩基配列決定が望ましい。
技術的限界について確認する。変異保持者の可能性と癌発生の
可能性について明確に区別する。遺伝子検査結果の確率的な性
家系での病的変異が明らかではなく患者で検査ができない場合、
質及び他の家族に対する影響の可能性についても話し合わなく
非発症家族の検査を考慮してもよい。この場合に検査結果が陰
てはならない。
性であれば不定と考え(表 2 を参照)、家系に既知の病的変異
がある場合と同じレベルの情報を提示しない。
他の家族で病的変異が既に確認されている場合、遺伝子検査を
行うことが強く勧められる。この場合、遺伝子検査室はそれ以
遺伝性乳癌・卵巣癌(BRCA 変異)について、家族に生存して
外 の 家 族 で の 変 異 の 探 索 を 遺 伝 子 の 同 じ 部 位 に 限 定 し て も よ い 。 いる乳癌または卵巣癌患者がいない場合、問題の病的変異に関
乳癌の病因となる既知の家族性遺伝子変異の検査が陰性であっ
連すると考えられる癌(前立腺または膵癌)に罹患している第
た人に対しては、ほとんどの場合日常的な乳房スクリーニング
一度または第二度の近親者の検査を考慮してもよい。
でフォローすればよい。検査基準を満たすが遺伝子検査を受け
ない人で、近親者に病的変異の保持者がいる場合は、遺伝子変
もう一つのカウンセリングのジレンマは、重要性が不明(表 2
異(BRCA、PTEN、TP53 遺伝子変異)が存在する場合と同様
を参照)の変異型や変異の発見によりもたらされる。実際は乳
にフォローしなければならない。
癌リスク増加に関連のない良性の多型を表しているのか、乳癌
リスクの増加を示しているのか不明の変異である。このような
家族のほとんどで変異の状態が不明の場合は、患者、特に早期
状況では、その重要性を明らかにするにはこの特異的な変異に
発症疾患、両側性疾患、または複数の原発癌のある患者を最初
関する追加情報が必要になるため、カウンセリングを行わなけ
に検査するのが最適である。このような人では陽性の検査結果
ればならない。これらの患者は、遺伝子変異の機能的影響を規
が得られる可能性が最も高いためである。患者が特定の創始者
定するための研究への照会を考慮するべきである。
変異が明らかな民族に属していない限り、通常遺伝子の全塩基
配列を決定する。
最後に、特定の大きい遺伝子再構成は一次配列決定では検出さ
れず、場合によっては追加検査が必要になることに言及するこ
とが重要である
154-157
。例えば、BRCA1/ 2 遺伝子の塩基配列決
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考察
定によっては検出されない BRCA1 及び BRCA2 遺伝子のまれ
て記述されており、男性の BRCA1/2 変異保持者における前立腺癌リ
で大きい癌関連の DNA 再構成を検出する検査がある。
スク増加の課題もある 158,159,160。
リスク評価、カウンセリング及び管理:遺伝性乳癌・卵巣癌症候群
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群の医学的管理の推奨は、BRCA1/2 保持者
における疾患の早期発症、卵巣癌リスクの増加、男性乳癌リスクの認
BRCA1/2 変異保持者であることが疑われる人が遺伝子検査を考慮す
識に基づく。遺伝子検査を受けないが、近親者に BRCA1/2 の病的変
べきかどうかを評価するなかで、意思決定過程の一部を構成する一連
異保持者がいる人に対しては、BRCA1/2 変異保持者と同じガイドラ
の特異的リスク評価基準が NCCN ガイドラインに詳細に示される(ガ
インに従ってフォローしなければならない。家族性乳癌リスクが増加
イドラインの遺伝性乳癌・卵巣癌症候群検査基準の項目を参照)。例
している人を含め検査基準を満たさない人に対しては、NCCN 乳癌ス
えば、45 歳以下で乳癌と診断された女性の個人歴、60 歳未満でトリ
クリーニング・診断ガイドラインの推奨に従いフォローすべきである。
プルネガティブ乳癌と診断された個人歴、男性乳癌の個人歴、上皮性
卵巣/卵管/原発性腹膜癌の個人歴は、検査基準を満たすのに十分と考
えられる。遺伝性乳癌・卵巣癌症候群検査基準を満たした人では、リ
スク評価とカウンセリングに続いて、遺伝子検査を考慮すべきである。
NCCN ガイドライン委員会は、患者が BRCA1 または BRCA2 に病的
変異を有する家系であれば、このような検査を推奨する。通常、18 歳
未満の小児での検査は推奨されない。検査基準を満たした人がアシュ
ケナージ系ユダヤ人家系である場合には、3 つの既知の創始者変異の
初期検査が推奨される。検査基準を満たす他の民族出身者には、全塩
基配列検査が推奨される。
スクリーニングの推奨
遺伝性乳癌・卵巣癌でみられる早期発症を反映して、標準の推奨より
かなり早期の初期スクリーニングを強調する 161。BRCA1/2 変異保持
者の女性では、乳房自己検診の訓練と月 1 回の定期的な実施を 18 歳
に開始し、年 2 回の問診・視触診を 25 歳までに開始すべきである。
25 歳から、または家系で最も早い癌発症年齢に基づく個別のスケジュ
ールで年 1 回のマンモグラフィと乳房 MRI スクリーニング(閉経前女
性は月経周期の 7~15 日目に実施)を開始すべきである 138,161-164。
BRCA1/2 変異が疑われるまたは明らかで、若くて乳房密度が高い女
男女の BRCA1/2 変異保持者に特異的なカウンセリングの課題として、 性を対象にした試験で、スクリーニングのマンモグラフィの全体的な
膵癌及びメラノーマの発生率の増加がある。また、既知の BRCA1/2
感度はわずか 33%であることが報告された 165。BRCA1/2 変異を保有
遺伝子変異保持者に対する遺伝カウンセリングの重要性に加え、その
する女性でマンモグラフィの感度が低いその他の理由として、マンモ
家族のリスク(考察のリスク評価及び遺伝子検査の項目を参照)も話
グラフィで良性の特性を示す腫瘍の発生(スピキュラを伴う腫瘤とは
し合うべきである。カウンセリングの課題として特に男性乳癌に関し
認識できない)の可能性が高いことがある 166。乳癌の遺伝的な病因を
持つ 25 歳以上の女性に対して、スクリーニングマンモグラフィと問
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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考察
診・視触診に加えて年 1 回の MRI が、ACS の最近のガイドラインで
が示された 169,170。BRCA1/2 変異を保有する女性が RRM により乳癌
支持されている 138。
から高度に防御されるとの結論が、フォローアップ期間の短い小規模
前向き試験の結果により裏付けられた 171,172。
卵巣癌リスク低減手術を選択しなかった女性は、卵巣癌を早期発見す
るために、35 歳または家系で最も早い卵巣癌初回診断年齢の 5~10
NCCN ガイドライン委員会は、女性に対する RRM の選択肢をケース
年前から、6 ヵ月毎の同時経腟超音波検査と CA-125 測定を考慮すべ
バイケースで話し合うことを支持する。このような手術で得られるリ
きである(ガイドラインの HBOC 症候群管理の項目を参照)。経腟超
スク低減効果及び癌リスクの程度に関するカウンセリングを実施すべ
音波検査と血清 CA-125 レベル測定による年 1 回の卵巣スクリーニン
きである。
グは卵巣腫瘍の早期発見の効果的な手段でも、リスク低減両側卵管卵
RRM の潜在的心理社会的影響については十分研究されていないが、
巣摘出術の妥当な代替法でもないことを示す後ろ向きデータがあるが
これに対処することが重要である 173。手術前の集学的カウンセリング
167,168
が推奨され、カウンセリングでは手術のリスクと利益、及び乳房再建
した場合のデータは限られている。画像診断及びスクリーニングを検
術の選択肢に関しても話し合うべきである。多くの女性にとり RRM
討する試験をこの集団で考慮してもよい。
後の即時乳房再建術が一つの選択肢となり、即時または後の乳房再建
、これらのスクリーニング介入の有効性に関して 6 ヵ月毎に使用
を考えている女性では再建外科医との早期のカウンセリングが推奨さ
BRCA1/2 変異検査陽性の男性は、35 歳から年 2 回の問診・視触診を
受け、乳房自己検診の訓練と月 1 回の定期的な実施を始めるべきであ
れる 174。
る。40 歳時にベースラインのマンモグラフィを考慮し、ベースライン
両側卵管卵巣摘出術
検査で女性化乳房または実質性/腺性の陰影が認められれば、年 1 回の
BRCA1/2 変異を保有する女性は、乳癌と卵巣癌(卵管癌と原発性腹
マンモグラフィによるスクリーニングでフォローする。前立腺癌の集
膜癌を含む)両方のリスクが高い 175,176。BRCA1/2 変異保持者におけ
団スクリーニングガイドラインに含めることが推奨される。BRCA1/2
る卵巣癌リスクは通常乳癌リスクより低いと考えられるが 36,177,178、
変異検査陽性の男女で、メラノーマスクリーニングのための全身皮膚
確実な早期発見法がなく、進行卵巣癌の予後が不良なため、これらの
検査と検討中の膵癌スクリーニングプロトコルを考慮すること。
女性では出産終了後の両側のリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)実
リスク低減手術
施が支持される。Rebbeck らの研究で、BRCA1/2 保持者の卵巣癌診
断時の平均年齢は 50.8 歳であった 179。
両側全乳房切除術
中央値 13~14 年間のフォローアップ期間の後ろ向き解析で、中~高
リスク女性及び既知の BRCA1/2 変異保持者においてリスク低減両側
乳房切除術(RRM)により乳癌発症リスクが 90%以上減少すること
BRCA1/ 2 変異保持者における卵巣癌リスクを軽減する RRSO
の有効性が、多くの研究で立証されている。例えば、BRCA1/2
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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考察
変異保持者を対象にした 10 試験のメタアナリシスの結果は、
RRSO を受けた BRCA1/2 変異保持者の乳癌リスクの減少は、手術に
RRSO 後の卵巣または卵管癌リスクの約 80%の軽減を示してい
よる卵巣摘出後のホルモン曝露量の減少に関連するかもしれない。40
る
180
。BRCA1 または BRCA2 の病的変異を保有する女性を対
象にした大規模前向き研究(N=1079)で、3 年間のフォロー
歳以下で RRSO を受けた BRCA1 変異を保有する女性(オッズ比=
0.36、95%CI 0.20~0.64)では、41~50 歳でこの手技を受けた
アップ期 間中 の BRCA1 に関 連す る婦人 科 腫瘍のリ スク (卵巣、 BRCA1 変異保持者(オッズ比=0.50、95%CI 0.27~0.92)に比較し
卵管、原発性腹膜癌など)は、RRSO では観察に比較して 85%
てより大きい乳癌リスクの減少がみられた 186。51 歳以降の女性の数
の有意な減少を示した(ハザード比=0.15、95%CI 0.04~
が少なかったが、このグループの女性では乳癌リスクの有意な減少は
0.56、P=0.005)
181
。しかし、一部の試験で 1~4.3%の原発
性腹膜癌の発生リスクが報告されている
179,180,182-185
。
見られなかった 186。しかし、Rebbeck らの結果(1999)も年齢 50 歳
以降の RRSO は乳癌リスクの顕著な減少と関連しないことを示唆する
185
。データが限られているため、RRSO の最適年齢を特定するのは困
RRSO は BRCA1/2 変異保持者での乳癌リスクを約 50%軽減すること
も報告されている
179,180,185,186
難である。
。Eisen らの国際症例対照研究において、
BRCA1 変異保持者と BRCA2 変異保持者で RRSO 後にそれぞれ 56%
NCCN ガイドライン委員会は、既知の BRCA1/2 変異を保有する女性
(オッズ比=0.44、95%CI 0.29~0.66、P<0.001)と 43%(オッズ比
に、理想的には 35~40 歳の出産終了時または家系で最も早い卵巣癌
=0.57、95%CI 0.28~1.15、P=0.11)の乳癌リスクの減少(経口避
診断年齢に基づく個別の年齢での RRSO を推奨する。手術時に腹腔洗
妊薬使用及び出産歴で補正)が報告された
186
。BRCA1/2 変異を保有
浄を実施し、病理学的評価に卵巣及び卵管の薄切片を含めるべきであ
し RRSO を受けた女性と観察のみを選択した変異保持者とで乳癌リス
る 187。標本評価の詳細については米国病理学会が公表したプロトコル
クを比較した他の 2 試験で、ハザード比は 0.47(95%CI 0.29~
(2009)を参考にすることができる 188。
0.77)179 と 0.30(95%CI 0.11~0.84、P=0.022)184 と報告された。
これらの試験はさらに最近のメタアナリシスで裏付けられた。このメ
RRSO に関して対処すべきその他の話題として、早発閉経に伴う骨粗
タアナリシスで、BRCA1 及び BRCA2 変異保持者で RRSO 後の乳癌
鬆症と心血管疾患リスク増加、認知変化、骨減少の促進、血管運動症
リスクは約 50%の同程度の減少を示すことが明らかになった
180
。た
状の生活の質に対する影響の可能性がある。
だし前向きコホート研究の結果は、BRCA2 変異保持者では BRCA1 変
異保持者に比較して RRSO に関連する乳癌リスクの減少がより大きい
RRSO を受ける女性での短期ホルモン補充療法(HRT)は、手術に伴
可能性を示している 181。
う乳癌リスクの減少を打ち消さないことが報告されている
189
。さらに、
最近の BRCA1 変異保持者の症例対照研究の結果は、閉経後の
BRCA1 変異保持者で HRT の使用と乳癌リスク増加に関連がないこと
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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考察
を示した 190。しかし、非ランダム化試験に特有の限界を考慮し、変異
BRCA1/2 変異保持者における乳癌リスクに対する経口避妊薬使用の
保持者で RRSO 後に HRT の使用を考慮する場合は注意すべきである
影響に関する研究で、相反するデータが報告されている。ある症例対
191,192
照研究では、BRCA1 変異保持者で経口避妊薬使用は中程度であるが
。
統計的に有意な乳癌リスク増加と関連したが(オッズ比=1.20、95%
化学的予防
CI 1.02~1.40)、BRCA2 変異保持者では関連しなかった 197。BRCA1
Breast Cancer Prevention Trial(BCPT)における BRCA1/2 変異を保
変異保持者での経口避妊薬による乳癌リスクは、5 年以上の経口避妊
有する健康被験者のサブセットの評価で、タモキシフェン投与を受け
薬使用(オッズ比=1.33、95%CI 1.11~1.60)、40 歳未満で診断さ
た BRCA2 変異保持者ではプラセボに比較して乳癌リスクが 62%減少
れた乳癌(オッズ比=1.38、95%CI 1.11~1.72)、1975 年以前の経
したことが明らかになった(リスク比=0.38、95%CI 0.06~1.56)。
口避妊薬使用(オッズ比=1.42、95%CI 1.17~1.75)と有意に関連し
しかし、BRCA1 変異保持者ではタモキシフェンの使用は乳癌リスク
た 197。他のある症例対照研究では、BRCA1 及び BRCA2 変異保持者
減少と関連しなかった 193。これらの知見は、BRCA2 変異保持者では
のいずれでも 1 年以上の経口避妊薬使用は乳癌リスクと有意に関連し
BRCA1 変異保持者に比較してエストロゲン受容体陽性腫瘍の発生の
なかった 198。しかし、BRCA2 変異保持者で、5 年以上の経口避妊薬
可能性が高いことに関連すると考えられる。しかし、この解析には
使用は乳癌リスク増加と有意に関連し(オッズ比=2.06、95%CI 1.08
BRCA1/2 変異保持者数が極めて少ないという限界があった。
~3.94)、1975 年以降の経口避妊薬使用症例のみを考慮した場合も
結果は同様であった 198。他の症例対照研究では、BRCA1/2 変異保持
既知の BRCA1/2 遺伝子変異を保有する女性における経口避妊薬の癌
者で経口避妊薬使用(特に 1975 年以降の低用量製剤の使用)と乳癌
リスクに対する影響に関するエビデンスについて、経口避妊薬が卵巣
リスクに有意な関連がないことが報告されている 199,200。実際、ある
癌リスクを BRCA1 変異保持者で 45~50%、BRCA2 変異保持者で
研究では、BRCA1 変異保持者で 1 年以上の低用量経口避妊薬の使用
60%減少させることが、症例対照研究で立証されている 194,195、さら
に、リスクは経口避妊薬使用期間が長いほど減少するようであった
195
卵巣癌を発症した(n=1503)または発症していない(n=6315)多
数の BRCA1/2 変異保持者で実施された最近のメタアナリシスで、
BRCA1 変異保持者(要約相対リスク[SRR]=0.51、95%CI 0.40~
0.65)及び BRCA2 変異保持者(SRR=0.52、95%CI 0.31~0.87)の
いずれでも、経口避妊薬の使用により卵巣癌リスクが約 50%有意に減
少した 196。
。
が乳癌リスクの顕著な減少と関連したが(オッズ比=0.22、95%CI
0.10~0.49、P<0.001)、BRCA2 変異保持者ではこのような関連はみ
られなかった 200。これらの症例対照研究で使用された研究デザインの
違いが研究間の結果の比較を困難にしており、相反する結果の原因と
考えられる。研究デザインで、研究の「対照」集団を規定する基準
(非 BRCA1/2 変異保持者と癌診断されていない変異保持者など)、
乳房または卵巣癌の家族歴の判断、検討した集団のベースライン人口
統計学的特性(国籍、民族、地理的地域、年齢層など)、乳癌発症年
齢、使用した経口避妊薬の剤形や期間などの因子が異なる。乳癌を発
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考察
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
症(n=2855)及び非発症(n=2954)の多数の BRCA1/2 変異保持者
の医学的ニーズまたは求めに応じて、依然確認のための出生前
で実施されたメタアナリシスで、BRCA1 変異保持者(SRR=1.09、
診断が必要である。さらに、PGD 過程ではカップルの受精能に
95%CI 0.77~1.54)及び BRCA2 変異保持者(SRR=1.15、95%CI
かかわらず(不妊の問題のないカップルにも適用される)IVF
0.61~2.18)のいずれでも、経口避妊薬使用の乳癌リスクとの有意な
の使用が必要で、IVF で常に妊娠に成功するとは限らない。最
関連は認められなかった
196
。
後に、カップルの地理的な問題でこの技術や専門知識を容易に
利用できない可能性もある。出生前診断や PGD 利用の判断では、
生殖の選択肢
医学的、個人的なさまざまな因子を考慮しなければならない。
生殖年齢で BRCA1/ 2 変異保持者であることが判明した人の家
医学的な検討事項として、遺伝性癌発症年齢、浸透度、癌の重
族計画決定に、遺伝子検査の結果が重大な影響を及ぼす可能性
症度及び関連する罹患率と死亡率、効果的な癌リスク低減法や
がある。例えば、カップルの両者が BRCA2 変異を保有してい
有効治療の利用可能性などの因子がある
た場合、子にまれなファンコニー貧血/脳腫瘍の表現型(劣性遺
たは PGD の使用は浸透度が極めて高い重度の遺伝性疾患に対し
伝疾患)が現れるリスクが高いと考えられる
159
。子孫の BRCA
160,201
。出生前診断ま
ては比較的よく確立されているが、低浸透度の疾患(遺伝性乳
変異保有状態に対する懸念を示すカップルに対しては、出生前
房・卵巣癌症候群など)での利用は、倫理面及び規制面の観点
診断、着床前遺伝子診断(PGD)、生殖補助医療など生殖の選
から依然いくらかの議論がある。出生前診断または PGD 利用を
択肢に関するカウンセリングが必要であろう。このようなカウ
決断するうえで考慮すべき個人的な問題は、個人の倫理的信念、
ンセリングでは、生殖の選択肢の潜在的なリスク、利益、限界
価値観、文化的・宗教的信念、及び社会的・経済的因子である。
について包括的な話し合いをすべきである。
遺伝性乳房・卵巣癌の高リスク女性で実施された調査結果に基
出生前診断には初期胚、絨毛膜絨毛または羊水細胞サンプルを
利用した着床後遺伝子解析があり、遺伝子検査は通常妊娠 12~
16 週に実施され、検査結果によっては妊娠中絶の決断に至る場
合がある
160,201
。この 2 年間に、PG D が初期胚での遺伝子検査
の代替法として登場した。PGD では、体外受精(IVF)後の発
生のごく初期の胚(6~8 細胞)の 1~2 細胞を検査する。この
手順を用いると、変異のない胚を選択して子宮に移植すること
ができ
160,201
、妊娠中絶を避ける利点を提供すると思われる。
しかし、PGD などの手順に限界がないわけではなく、カップル
づくと、回答者の 50~75%が PG D は高リスク者に対する容認
できる選択肢と考えていたが
202,203
、自身が PGD を受けること
を考慮していたのはわずか約 14~33%であった。 2 0 2 , 2 0 4 重要な
ことに、高リスク女性のほとんどで PGD についての知識がほと
んどまたは全くないことを調査は示しており
203,205
、生殖の選
択肢の可能性に関する正しい認識と教育の必要性が浮き彫りに
なった。BRCA1/ 2 変異保持者で PGD 及び IVF を使用した出産
の成功例が報告されているが
206,207
、公表文献のデータは依然
極めて限られている。さらに、BRCA 変異保持者での PDG 及
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考察
び生殖補助医療の長期間安全性と転帰に関するデータはまだ得
LFS 管理では、本症候群に関連する多くの癌のスクリーニングの限界
られていない。
に対処しなければならない。乳癌リスクのある人では、18 歳から乳房
自己検診の訓練と教育を開始し、患者は月 1 回定期的に自己検診を実
リスク評価、カウンセリング及び管理:リ・フラウメニ症候群
施する。LFS 家系では極めて早期の乳癌発症がみられるため、6~12
LFS など他の遺伝性乳癌症候群の家系に対するアプローチは、多くの
ヵ月毎の問診・視触診による乳癌の観察を 20~25 歳(または家系で
点で遺伝性乳癌・卵巣癌のアプローチを反映したものである。しかし、 最も早い乳癌発症年齢の 5~10 年前、いずれか早い方)に開始するこ
とが推奨される。20~25 歳、または家系で最も早い発症年齢に基づ
評価及び管理についていくつかの症候群特異的な違いが存在する。
LFS の場合、小児と成人の両方で複数の関連する癌があり、広範な家
き、個別に年 1 回のマンモグラフィまたは乳房 MRI スクリーニングを
系を反映する(ガイドラインのリ・フラウメニ症候群検査基準の項目
開始するべきである。LFS 女性におけるリスク低減手術に関するデー
を参照)。LFS に関連する癌として、閉経前乳癌、骨肉腫と軟部組織
タはないが、ケースバイケースでリスク低減乳房切除術の選択肢につ
肉腫、急性白血病、脳腫瘍、副腎皮質癌、他の腺癌の異常な早期発症、 いて話し合うことが望まれる(考察の HBOC に対する両側全乳房切除
術の項目を参照)。
その他の小児癌などが含まれるがこれに限らない 77,89。これらの時に
非常にまれな癌の確認が特に重要である。
検査基準を満たした人では、リスク評価とカウンセリングに続き遺伝
生殖細胞系列 TP53 変異に関連するその他の癌の多くは早期発見しや
すいわけではない。したがって、その他の推奨が一般的で、二次性悪
子検査を考慮すべきである。この推奨は成人についてはカテゴリー2A、 性腫瘍(secondary cancer)疑いの指標が高い癌生存者に対する 20~
25 歳からの年 1 回の総合的身体診察などがある(ガイドラインのリ・
小児については 2B である。NCCN ガイドライン委員会も、BRCA1/2
検査結果が陰性の早期発症(30 歳未満)乳癌患者、特に LFS 関連癌
フラウメニ症候群管理の項目)。臨床医は LFS に関連するその他の癌
の家族歴のある人に対して、TP53 変異検査を考慮するように提案し
のスクリーニングの限界に対処しなければならない。陽電子放射断層
ている。その他の家族歴がなく、若年発症乳癌のみの場合は、変異が
撮影(PET)スキャン、腹部超音波、脳 MRI などの技術を用いた新し
確認される可能性が低い。TP53 変異検査が陽性であった人は予想以
いスクリーニング法を評価する臨床試験に参加する選択肢も、可能で
上に悩みが大きいため、支持的介入を提供すべきである。遺伝子検査
あれば話し合う。25 歳までに 2~5 年毎の大腸内視鏡検査の開始を考
を受けないが、近親者に TP53 の病的変異保持者がいる人に対しては、 慮する。癌の徴候と症状に関する教育が重要である。患者に近親者へ
のリスクについて助言すべきで、近親者の遺伝カウンセリングが推奨
TP53 変異保持者と同じガイドラインに従ってフォローしなければな
らない(ガイドラインのリ・フラウメニ症候群管理の項目を参照)。
される。まれな癌及び二次性悪性腫瘍疑いの指標が高い癌生存者に対
古典的な LFS または LFL 症候群のいずれの基準も満たさない人は、
する年 1 回の身体診察が推奨される。小児科医に患者家族の小児癌リ
個人歴及び家族歴に従いフォローすべきである
スクを知らせなければならない。
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
リスク評価、カウンセリング及び管理:カウデン症候群
カウデン症候群が疑われる人の評価では、症候群に伴う良性及
び悪性両方の症状の既往、及び皮膚と口腔粘膜、乳房、甲状腺
を含む標的化身体診察(ガイドラインのカウデン症候群検査基
準の項目を参照)を組み込む。NCCN ガイドライン委員会は最
近、本遺伝性症候群に関連する基準リスト及び PTEN 遺伝子変
異検査の候補者を規定する基準の組み合わせを改訂した(ガイ
ドラインのカウデン症候群検査基準の項目及び考察のカウデン
症候群の項目を参照)。これらの基準は、さらなるリスク評価
と遺伝子検査の必要性を評価するのに推奨されるが、臨床診断
基準としての機能を意図するものではない。リスク評価とカウ
ンセリングの後に、検査基準を満たした人での遺伝子検査を考
慮すべきである。「特徴的」な基準と異なり、個々の主要基準
または副次的基準は、他のカウデン症候群の臨床的エビデンス
がなければ遺伝子検査を実施するのに十分な理由ではない、と
NCCN ガイドライン委員会は考える。しかし当委員会は、巨頭
症を含む複数の主要基準、巨頭症を含まない 3 つ以上の主要基
準、1 つの主要基準と 3 つ以上の副次的基準、または 4 つの副
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
準を満たさない人に対する推奨は、個人歴及び家族歴に従い個
別化すべきである。
遺伝子検査を受けないが、近親者に PTEN の病的変異保持者が
いる人に対しては、PTEN 変異保持者と同じガイドラインに従
ってフォローしなければならない(ガイドラインのカウデン症
候群管理の項目を参照)。カウデン症候群患者に対する現在の
医学的管理の推奨は、乳癌の一次及び二次予防の選択肢に重点
を置き、18 歳(または家系で最も若い関連する癌診断年齢の 5
年前)から年 1 回の身体診察を開始して、皮膚の変化を検出し、
甲状腺異常をモニターする。カウデン症候群の男女では、18 歳
でベースラインの甲状腺超音波検査を実施し、それ以降年 1 回
の検査を考慮する。年 1 回の皮膚検査も考慮すべきである。さ
らに、35 歳から 5~10 年毎の大腸内視鏡検査の開始を考慮し、
症候性またはポリープが発見された患者は、より頻繁に検査す
る。癌の徴候と症状に関する教育が重要で、患者に近親者への
リスクについても助言すべきで、近親者の遺伝カウンセリング
が推奨される。
次的基準を満たす人に対しては、遺伝子検査を推奨する。さら
女性は 18 歳に月 1 回の定期的な乳房自己検診を開始し、年 2
に、複数の主要基準があるが巨頭症がない人では、主要基準の
回の問診・視触診を 25 歳または家系で最も早い乳癌発症年齢の
いずれかを副次的基準に分類して遺伝子検査の要件を満たすこ
5~10 年前から開始する。30~35 歳または家系で最も早い乳癌
とができる。「リスクがある」と考えられる人(遺伝子検査を
発症年齢の 5~10 年前から、年 1 回のマンモグラフィ及び乳房
実施せずにカウデン症候群または BRRS の臨床診断を受けた人、 MRI スクリーニングも開始すべきである。カウデン症候群女性
または創始者の第一度近親者)に対しては、検査の敷居はより
におけるリスク低減手術に関するデータはないが、ケースバイ
低い。この場合、遺伝子検査を推奨するには、1 つの主要基準
ケースでリスク低減乳房切除術及び子宮摘出術の選択肢につい
または 2 つの副次的基準で十分と考えられる。これらの検査基
て話し合うこと(考察の両側全乳房切除術の項目を参照)。子
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
ガイドライン索引
遺伝 目次
考察
宮内膜癌症状に関して、当委員会は症状への迅速な対応を含め
た患者教育を推奨する。カウデン症候群と診断された女性は、
子宮内膜癌スクリーニングの有効性と必要性を判定する臨床試
験への参加を考慮すべきである。
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
表 1. 関連する遺伝学用語(米国国立癌研究所[NCI]より)
ガイドライン索引
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考察
生殖細胞系列(Germline)
卵子または精子(配偶子)に由来する細胞。
常染色体優性(Autosomal dominant)
常染色体優性遺伝とは、当該遺伝子の一方に変異が存在するときに現
家系(Kindred)
れる遺伝学的状態(ヘテロ接合)。
広範囲の家族。
常染色体劣性(Autosomal recessive)
家系図(Pedigree)
常染色体劣性遺伝とは、当該遺伝子の両方に変異が存在するときにの
家族歴の図。
み現れる遺伝学的状態(変異についてホモ接合である、または同じ遺
伝子上に異なる 2 つの変異がある複合ヘテロ接合と呼ばれる状態)。
de novo 変異(de novo mutation)
片方の親の生殖細胞(卵子または精子)での変異、または初期胚の発
生中に受精卵で生じる変異の結果起こる 1 つの家系で初めて現れる遺
伝子の変化。新規変異ともいう。
家族性:特定の家系で一般集団に比べて高い頻度で生じる表現型また
浸透度(Penetrance)
遺伝子型の特性で、特定の遺伝子型が存在するときに生じる臨床状態
の確率についていう。
創始者(Proband)
遺伝性疾患がその人を介して家系に存在することが確認された人。男
性は propositus、女性は proposita と呼ばれる。
は形質で、家族性の形質は遺伝的または非遺伝的な病因となる場合が
散発性癌(Sporadic cancer)
ある。
この用語には 2 つの意味がある。癌に対する感受性 を高める生殖細胞
系列変異のない人で生じる癌と変異を持っていることが明らかな人で
家族歴(Family history)
生じる癌を区別するのに使用される場合がある。高リスク変異を持た
家系内の個人の病歴を含めた遺伝的な関係。標準的な記号と用語を用
ない人で発生する癌が散発性癌と呼ばれる。病因となる特異的な変異
いた図で表した場合、通常家系図(pedigree または family tree)と呼
がなくても遺伝的背景が癌の可能性に影響を及ぼすことがあるため、
ばれる。
区別は絶対的なものではない。また散発性は、癌の家族歴がない人で
創始者効果(Founder effect)
発生する癌を表すのに使用される場合もある。
地理的または文化的に離れた祖先の小さいグループから始まる集団で
高頻度に認められる遺伝子変異で、創始者の 1 人以上が変異遺伝子の
保持者であった。
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乳癌および卵巣癌における遺伝的/家族性リスク評価
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考察
表 2. 癌の病因遺伝子の存在を判定する遺伝子検査の結果
結果
真の陽性
説明
既知の癌病因遺伝子の変化の保持
者
真の陰性
家系の他の一員で陽性であること
が確認されている既知の癌病因遺
伝子の保持者ではない
不定(情報なし)
既知の癌病因遺伝子の保持者では
なく、他の家族については陰性か
どうか不明
未定(重要性が不明の変異型)
現在重要性が明らかになっていな
い遺伝子の変化の保持者
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考察
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