1 モザンビークがわかる 10 のポイント 公益財団法⼈ 国際⾦融情報センター 2014年1⽉15⽇ 公益財団法⼈国際⾦融情報センター(JCIF)は、新興国・発展途上国のマクロ⾦融・経済に関する 調査研究とカントリーリスク格付けを⾏う機関です。JCIFの調査対象国は新興諸国を中⼼に全世界 61ヵ国におよび、その成果は各種レポート・講演会の形で全国の⾦融機関、商社、⼤学、政府機関 の皆様にご利⽤いただいています。 このたび、2014年1⽉12⽇に安倍晋三⾸相がモザンビーク共和国を訪問したことを記念し、JCIFは 同国についての特別レポート「モザンビークがわかる10のポイント」を作成しました。専⾨⽤語を 使わず、経済・⾦融に詳しくない⽅にも読みやすいレポートとなっていますので、この機会にモザ ンビークという国に関⼼を持っていただければ幸いです。 Country & its People 1 国⼟と国⺠ 主要港・都市と鉄道網 国⼟の利⽤ カーボ・ デルガド州 マラウィ ザンビア タンザニア その他 30.5 ナカラ ■ テテ州 単位:㎢ 国⼟⾯積 79.9万㎢ (⽇本の2.1倍) テテ 永年 牧草地 44.0 ■ 耕地 5.2 永年 作物地 0.2 ジンバブエ ■ マクゼ セナ鉄道 ■ ベイラ ⼈⼝の推移 ソファラ州 単位:万⼈ 2015年以降は予測 8000 南アフ リ カ 国境線 州境線 鉄道 鉄道(予定) 6000 2010年 2397万⼈ 4000 2050年 5993万⼈ 2000 ■ マプト(⾸都) 0 スワジランド 南部アフリカの⽞関⼝ 1980年 2000年 2020年 2040年 モザンビークはアフリカの南東部に位置する国で、インド洋に広く開いた 2500㎞の海岸線と数多くの良港を有しています。南部アフリカの急速な 経済成⻑が明らかになるにつれて、モザンビークは南部アフリカ内陸部への ⽞関⼝として注⽬を集めるようになりました。また、国⼟の⼤半はサバナ 気候の平地であり、⾮常に⼤きな農業開発の可能性を秘めています。 多様な⾔語構成 2010年の⼈⼝は2397万⼈で、99.7%は⿊⼈です。ポルトガルの旧植⺠地で あるため公⽤語はポルトガル語ですが、⼤半の⼈々はマクア語やシャンガナ 語などの東アフリカの伝統的な⾔語を⺟語としています。また、英語圏であ る南アフリカに近い⾸都マプトでは英語もある程度は通じます。宗教はキリ スト教とイスラム教が広く信仰されており、深刻な宗教対⽴はありません。 1 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 2 Parties & Politics 政党と政治 過去の⼤統領選の得票率と議会の議席分布 ゲブーザ代表 (共和国⼤統領) J・シサノ 53.3% 1994年 A・ドゥラカマ 33.7% J・シサノ 52.3% 1999年 A・ドゥラカマ 47.7% A・ゲブーザ 63.7% 2004年 A・ドゥラカマ 31.7% A・ゲブーザ 75.0% 2009年 A・ドゥラカマ 16.4% モザンビーク 解放戦線 (FRELIMO) 191 議席定数 250 51 ドゥラカマ代表 モザンビーク ⺠族抵抗運動 (RENAMO) モザンビーク ⺠主運動 8 1977年から15年間に モザンビークは1975年にポルトガルから独⽴しましたが、その僅か2年 およぶ内戦が続く 後、与党「モザンビーク解放戦線」(FRELIMO)と反政府組織「モザン ビーク⺠族抵抗運動」(RENAMO)との間で内戦が勃発します。内戦は 1992年までの15年間にもおよび、国⺠⽣活は破壊されました。 2013年から野党の 内戦終結後、モザンビークではFRELIMOが与党、政党となったRENAMOが テロ⾏為が活発化 野党第⼀党という⼆⼤政党制が続きます。FRELIMOは派閥主義や汚職など の問題点を抱えているものの、今⽇まで与党の座を守り、議会選・⼤統領選 では⾼い得票率を維持してきました。⼀⽅、RENAMOは国⺠の⽀持を失い つつあります。2013年4⽉以降、RENAMOは暴⼒に訴えることで選挙法改 正などの政治要求を押し通そうとしており、本拠地であるソファラ州を中⼼ にテロ⾏為を繰り返すなど、政治・治安上の⼤きな問題となっています。 2014年の⼤統領選で 現職のゲブーザ⼤統領は2期⽬であり、⼤統領の三選は禁じられているため、 ⼤統領は交代 2014年10⽉15⽇の⼤統領選で⼤統領が交代します。FRELIMOは既に党の ⼤統領選候補をヴァキナ⾸相、パシェコ農業相、ニュッシ防衛相の3名に絞 り込んでおり、この3名の中から次期⼤統領が誕⽣する可能性が濃厚です。 ● 国⼟ 2 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 3 Real GDP Growth 経済成⻑ 実質GDP成⻑率の推移 寄与度、前年同期⽐ 10% 9% 農業 鉱業 製造業 商業 輸送通信 ⾦融 その他 実質GDP 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% 0% -1% Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 内戦が終わると 15年間におよぶ内戦が終結した1992年、国内経済は壊滅状態にありまし 経済は急速に成⻑ た。しかし、モザンビークはそこから奇跡的な復興を遂げます。港と内陸を 結ぶ巨⼤交通インフラ事業、メガプロジェクトと呼ばれる積極的な外資誘 致、外国政府からの借⾦の減免措置などを通じて経済の建て直しが⾏われ、 モザンビーク経済は世界で最も急速に成⻑する経済の1つとなりました。 基幹産業は農業 国⺠の約8割は農業に従事しており、農業が国の基幹産業となっています。 主な作物としては、⾃家⽤・近隣消費⽤のトウモロコシ、キャッサバなどに 加えて、タバコ、カシューナッツ、胡⿇、綿花などの輸出・換⾦作物があり ます。また、メガプロジェクトの1つであり、三菱商事が25%出資している アルミ製錬事業「モザール」は重要な成⻑エンジンです。アルミ⽣産は製造 業⽣産の6割超、輸出総額の31.5%(2012年)を占めています。 農業、運輸・通信業、 経済活動の拡⼤ペースを測定する指標である「実質GDP成⻑率」を産業部 商業が経済成⻑に寄与 ⾨別にみると、近年は農業、運輸・通信業、商業などの成⻑が経済の拡⼤に ⼤きく寄与しています。また、2011年に⽯炭の⼤規模⽣産が開始されたこ とを受け、鉱業が急速に成⻑しています。 ● 国⼟ ● 政治 3 GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 4 Coal & Natural Gas Development ⽯炭・天然ガス開発 世界の⽯炭輸出量 世界のLNG輸出量 単位:⼗億㎥ 単位:百万トン ① インドネシア 383 ① カタール 105 ② マレーシア 32 ② オーストラリア 302 ③ 豪州 28 ③ ロシア 134 ④ ナイジェリア 27 ④ ⽶国 114 ⑤ インドネシア 25 ⑤ コロンビア 82 モザンビーク(予定)24 ⑥ 南アフリカ 74 ⑦ カナダ 35 ⑥ トリニダード・トバゴ 19 ⑧ カザフスタン 32 ⑦ アルジェリア 15 ⑨ モンゴル 22 ⑧ ロシア 15 ⑩ ベトナム 19 ⑨ オマーン 11 2012年の輸出量。 11〜16位は割愛。 ⑰ モザンビーク 0.3 0 100 200 300 400 ⑩ ブルネイ 9 0 25 2012年の輸出量。 モザンビークは最⼤ ⽣産能⼒(⽣産開始 は2018年を予定)。 50 75 100 2011年に⽯炭⽣産が テテ州には豊富な⽯炭が埋蔵されており、ヴァ―レ、リオ・ティントなどの 開始される 国際資源会社が開発を⼿掛けています。2011年には⽣産・輸出が開始さ れ、今後も⽣産量・輸出額は増加していく⾒込みです(IMFは2017年の⽣産 量を2200万トンと予測しています)。⽯炭⽣産の課題は輸送⼿段の確保で あり、現在使⽤中のセナ鉄道だけでは不⼗分であるため、隣国マラウィを経 由してナカラ港に⾄る鉄道の敷設が進められています(地図は1ページ)。 沖合で世界最⼤級の 北⻄部のカーボ・デルガド州の沖合には世界最⼤級の天然ガス⽥があり、 天然ガス開発が進む 2つの鉱区で探査・開発が進められています。産出した天然ガスは液化天然 ガス(LNG)の形で輸出される予定であり、年間2000万トン(約244億㎥) のLNG製造能⼒を持つプラントの建設が計画されています。これにより、 モザンビークは世界有数のエネルギー輸出国になるとみられています。 資源の恵みを開発に ⽯炭・天然ガス開発により、国内経済は急成⻑し、輸出は拡⼤し、税収は増 活かすには 加すると⾒込まれます。その⼀⽅で、経済が過度に資源依存になってしまい 他産業が衰退する「資源の呪い」と呼ばれる現象が懸念されます。資源で得 た富をどう国⺠全体に還元していくかに注⽬する必要があるでしょう。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP 4 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 5 Fiscal Balance & Public Debt 財政収⽀と政府債務 財政収⽀の推移 単位:GDP⽐% 政府対外債務 40% その他 30% リビア 残⾼合計 イラク 20% 中国 343 GDP⽐ ポルトガル 448 10% 0% 48.3億ドル 34.3% その他 国際機関 513 2010 2011 2012 2013 2014 税収など 歳出 財政収⽀は⼤幅な⾚字 世界銀⾏ 1808 アフリカ 開発銀⾏ 606 モザンビーク政府による諸外国からの 借⼊(対外債務)の借⼊先別の残⾼、 12年末時点 単位:百万ドル 諸外国の贈与 財政⾚字 モザンビークは世界で最も貧しい国の1つであり、⼈々の⽣活は豊かでは ありません。国⺠の教育・健康・経済⽔準を総合的に点数化した「⼈間開発 指数」のランキングをみると、モザンビークは187ヵ国中の185位です。 政府は貧困対策として全国で道路・⽔道・電⼒網を作り、多くの教師や医師 を雇っているため、歳出が⼤きく、政府の財政は常に⼤幅な⾚字です。 近年は税収が増加傾向 先進国の政府や国際機関は、モザンビーク政府に対して毎年多額の資⾦を 贈与しています。これは政府にとって貴重な収⼊源で、2012年の歳⼊の 約20%は諸外国からの贈与でした。もっとも、近年、経済が発展したことや 税⾦を納める⼈が増えたことを受け、税収が増加しています。歳⼊に占める 税収の割合は、発展途上国の⾃⽴をみる上で重要なポイントです。 ⾜りない資⾦は主に 歳出に対する歳⼊の不⾜分(財政⾚字)は、どこかから借りてこなくてはな 国際機関から借⼊れ りません。政府は例年、不⾜分の約8割を外国から借り⼊れています。政府の 外国からの借⼊(対外債務)の残⾼をみると、最⼤の借⼊先は国際的な開発 援助機関である世界銀⾏、2番⽬はアフリカ開発銀⾏です。これらの機関は 開発援助を⽬的としているため、融資はきわめて低利・⻑期で⾏われます。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 5 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 6 Prices & Monetary Policy 物価と⾦融政策 物価上昇率、政策⾦利、銀⾏貸出増加率の推移 銀⾏貸出増加率のみ右軸、その他は左軸 20% 40% 銀⾏貸出増加率 (右軸) 翌⽇物貸出⾦利 15% 30% 政策⾦利 コリドー 10% 5% 20% 物価上昇率 10% 翌⽇物 借⼊⾦利 0% 0% 11年 12年 13年 2013年の物価上昇は 発展途上国であるモザンビークでは、物価が毎年上昇しています。物価に 前年⽐+5%台で安定 特に⼤きな影響を与えているのは、⾷品と燃料の価格上昇です。そのため、 農産物の⽣産・流通状況や為替レート(モザンビークは多量の⾷品・燃料を 輸⼊しています)には常に注⽬しなくてはなりません。2013年の物価上昇 率は、前年⽐+5%前後で安定して推移しました。 中央銀⾏は政策⾦利 モザンビークの中央銀⾏は、政策⾦利コリドー(⺠間銀⾏が1⽇だけ資⾦を コリドーで物価を管理 貸し借りする際の⾦利の上限・下限)を調整することで、⺠間銀⾏の短期⾦ 利を誘導し、ひいては国の経済全体に流れるお⾦の量を調整します。政策⾦ 利コリドーを引き下げてお⾦の量を増やす(⾦融緩和する)と物価は上昇し やすくなり、逆にコリドーを引き上げてお⾦の量を減らす(⾦融引き締めを する)と物価は上昇しにくくなります。 ⾦融緩和を受けて 2011年以降、都市部の⾷料供給が改善したことなどを背景に、物価上昇率 銀⾏貸出は回復傾向 は低下もしくは横ばいで安定しています。そこで、モザンビーク中央銀⾏は 2011年8⽉から現在に⾄るまで、積極的な⾦融緩和を続けています。⾦融 緩和を受けて、銀⾏の貸出増加率は2012年半ばから⼤きく上昇しました。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 6 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 7 Foreign Exchange 外国為替 メティカルの為替レート(対ドル、対南アフリカ・ランド)の推移 対ランド(右軸) [1ランド=○○メティカル] 2.5 3.0 28 メティカル⾼ 26 3.5 30 4.0 34 4.5 メティカル安 対ドル(左軸) [1ドル=○○メティカル] 32 5.0 11年 12年 13年 為替制度は1994年に モザンビークの通貨はメティカルで、1メティカル=100センターヴォです。 変動相場制に移⾏ 外国の通貨との交換においては、1994年以降、変動相場制度の⼀種である 独⽴フロートが採⽤されています。これは国際的な為替市場の取引によって 為替レートが決定される制度で、つまり⽇本円や⽶ドルと同じです。政府に よる為替市場への介⼊は、相場が急変したときなどに限られます。 対ドルでは メティカルの対ドル相場をみると、2011年はメティカル⾼が進みました。 1メティカル=30ドル ⽯炭の⼤規模⽣産の開始により、モザンビークの輸出競争⼒が⾼まったため の⽔準で安定 です。2012年に⼊ると、⾦利の低下によってメティカル建て資産の魅⼒が 減少したため、⼀転してメティカル安が進みました。2013年半ば以降は、 1ドル=30メティカル前後の⽔準で安定して推移しています。 対ランドでは モザンビークは隣国の南アフリカから多くのモノやサービスを輸⼊している メティカル⾼が続く ため、南アフリカの通貨ランドとメティカルの為替相場は⾮常に重要です。 2011年以降、メティカルは対ランドで上昇を続け、とくに2013年6⽉には ⼤きく上昇しました。これは「⽶国が⾦融緩和を縮⼩する」という予測が⾼ まったことを受けて南アフリカ国債が売られ、ランドが下落したためです。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 7 為替 ● 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 8 Goods & Services Account Balance 貿易・サービス収⽀ 貿易・サービス収⽀の推移 単位:百万ドル 1500 1000 500 0 -500 -1000 -1500 -2000 -2500 -3000 財の輸出 財の輸⼊ サービスの受取り サービスの⽀払い 貿易・サービス収⽀ -3500 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 モノの輸出の主役は 2012年の財(形あるモノ)の輸出額に占める各品⽬の割合をみると、アル メガプロジェクト ミニウム31.5%、⽯炭12.5%、重砂(酸化チタン)7.3%、電⼒6.7%な ど、メガプロジェクト製品が計60%超を占めています。⼀⽅、輸⼊の中⼼ は⽣産設備、軽油、ガソリン、そして⽯炭・天然ガス開発のための機材・資 材などです。近年、輸⼊の急増により貿易⾚字は拡⼤傾向にあります。 サービス収⽀は サービスの提供・利⽤による料⾦の受取・⽀払は、財の輸出⼊と並ぶ重要な ⼤幅な⾚字 対外決済です。2012年のモザンビークのサービス収⽀は-31.9億ドルと、 貿易⾚字を上回る⼤幅な⾚字でした。様々な開発プロジェクトを外国に発注 したり、モノの輸出⼊に外国の運輸会社を利⽤したりするため、建設、技 術、輸送の3サービスの⽀払いが⼤きいことがその原因です。 外国からの投資が モザンビークの貿易・サービス収⽀は⼤幅な⾚字ですが、この⾚字分は、 ⾚字を埋め合わせ 主に諸外国からモザンビークへの投資資⾦の流⼊によって相殺されていま す。⽯炭・天然ガスの開発を⾏う外国企業は投資という形でモザンビークに 資⾦を送り、その資⾦で機材・資材やサービスを輸⼊するため、貿易・サー ビス収⽀⾚字の拡⼤と投資の増⼤には密接な関係があります。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 8 貿易 ● 投資 ● 対⽇ 9 Foreign Direct Investment Inflow 対内直接投資 部⾨別対内直接投資 国別対内直接投資 単位:百万ドル 運輸・通信 99 農林⽔産業 154 卸売・⼩売 71 その他 129 単位:百万ドル アラブ ⾸⻑国連邦 217 その他 620 製造業 392 投資額合計 投資額合計 インド 409 52.2億ドル 対メガプロジェクト モーリ シャス 473 16.9億ドル 52.2億ドル 39.7億ドル オースト ラリア 646 鉱業 4374 諸外国による対モザンビーク直接投資を 産業部⾨別に分類したもの(2012年) ブラジル 1300 G7 BRICS 17.9億ドル ⽶国 915 イタリア 639 国別の対モザンビーク直接投資額(2012年) G7=⽶・英・独・仏・伊・⽇・カナダ BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア ⽯炭・天然ガス開発が モザンビークには世界有数の⽯炭鉱床と天然ガス⽥があり、諸外国の企業に 投資の流⼊を主導 よる巨⼤な開発プロジェクトがいくつも進められています。そのため、莫⼤ な資⾦がモザンビークの鉱業部⾨に流⼊しています。IMFとモザンビーク鉱 物資源省は、天然ガスの開発のために計400億ドル(東京五輪の開催費⽤の 5.5倍にも上ります)の投資が必要と試算しています。 国別投資額では モザンビークへの投資額を国別にみると、2009年から2012年まで4年連続 ブラジルがトップ でブラジルが第1位です。ヴァーレ社の⽯炭開発などの巨⼤プロジェクトが あることに加えて、同じポルトガル語圏であることも投資を後押ししている ようです。また、⽶国、イタリア、インドは2011年までモザンビークへの 投資をほとんど⾏ってきませんでしたが、天然ガス開発の開始を受けて 2012年から投資額を急増させました。 租税回避地からの モーリシャスとアラブ⾸⻑国連邦は、ともにモザンビークと租税条約を締結 投資も盛ん しています。これにより、上記両国からの投資の利益にかかる税⾦が低く 押さえられているため、様々な国の企業が上記両国を経由してモザンビーク に投資を⾏っています。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 9 投資 ● 対⽇ 10 Japan-Mozambique Relations ⽇本との関係 対⽇輸出の推移 60 50 対モザンビーク2国間ODA実⾏額 単位:億円 13年は11⽉まで ⽯炭 ウッドチップ チタン鉱 胡⿇ 海⽼ タバコ ⽶国 435 英国 130 その他 カナダ 123 40 スウェーデン 114 30 ノルウェー 86 20 ポルトガル 80 10 デンマーク 79 単位:百万ドル データは2012年 ⽇本 70 0 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 両⾸脳が相⼿国を訪問 0 100 200 300 400 ⽇本とモザンビークは1977年に国交を樹⽴し、以後、友好的な関係を維持 してきました。特に近年は両国で接近の機運が⾼まっており、2013年6⽉ にゲブーザ⼤統領が⽇本を、2014年1⽉に安倍⾸相がモザンビークをそれ ぞれ訪問するなど、両国要⼈の往来が活発化しています。 ⽇本の農業⽀援が ⽇本はモザンビークの重要な⽀援国であり、2011年度までに累計1108億円 国⼟開発計画の中核に の政府開発援助(ODA)を供与してきたほか、2014〜18年にさらに700億 円のODAを供与する予定です。⽇本政府による代表的な援助活動としては、 ⽇本・ブラジル・モザンビークの3国合同事業「プロサバンナ」があります。 これは北海道と東北地⽅の合計⾯積に匹敵する広⼤な農地の⽣産性を向上さ せる⼤事業で、モザンビーク政府の北部開発計画の中核となっています。 近年は資源開発で ⽇系企業の動向をみると、1998年から三菱商事がアルミ製錬事業「モザー ⽇系企業が進出 ル」に参加しているほか、近年は⽯炭・天然ガス関連の進出が⽬⽴ちます。 新⽇鐵住⾦がテテ州の炭鉱開発プロジェクトに、三井物産がカーボ・デルガ ド州の天然ガス開発プロジェクトにそれぞれ参加しているほか、⽇揮と千代 ⽥化⼯建設はLNGプラントの建設を受注しています。 ● 国⼟ ● 政治 ● GDP ● 資源 ● 財政 ● 物価 ● 為替 ● 貿易 ● 投資 10 対⽇ 執筆者 公益財団法⼈ 国際⾦融情報センター(JCIF) アフリカ部研究員(南アフリカ・モザンビーク担当) 伊藤 正彦 図版出典・図表データ出所⼀覧 丸囲み数字はページ数。特に注記の無い限り省庁名はモザンビークのもの。 表紙 ⾸都マプトの街並み:執筆者撮影 ① 主要港・都市と鉄道網:JCIF 国⼟の利⽤:国連⾷料農業機関 ⼈⼝の推移:国連経済社会局 ② 過去の⼤統領選の得票率と議会の議席分布:共和国議会、African Elections Database FRELIMOロゴ:同党ウェブサイト ゲブーザ代表近影:⼤統領府 RENAMOロゴ:同党ウェブサイト ドゥラカマ代表近影:RENAMOウェブサイト ③ 実質GDP成⻑率の推移:統計局 ④ 世界の⽯炭輸出量:国際エネルギー機関 世界のLNG輸出量:BP ⑤ 財政収⽀の推移:財務省、企画開発省、国家予算局 政府対外債務:財務省 ⑥ 物価上昇率、政策⾦利、銀⾏貸出増加率の推移:統計局、モザンビーク銀⾏(中銀) ⑦ メティカルの為替レートの推移:Bloomberg ⑧ 貿易・サービス収⽀の推移:中銀 ⑨ 部⾨別対内直接投資:中銀 国別対内直接投資:中銀 ⑩ 対⽇輸出の推移:本邦財務省 対モザンビーク2国間ODA実⾏額:OECD このレポートは、公益財団法⼈国際⾦融情報センターが信頼できると思われる情報ソースから⼊⼿した情 報・データをもとに作成したものですが、公益財団法⼈国際⾦融情報センターは、本レポートに記載され た情報の正確性・安全性を保証するものではなく、万が⼀、本レポートに記載された情報に基づいて会員 の皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても⼀切の責任を負いません。本レポートは情報 提供のみを⽬的として作成されたものであり、投資その他何らかの⾏動を勧誘するものではありません。 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