電圧と電流の矢印 ①

第1回 電圧と電流の矢印①
電気の学習をはじめてすぐに,ぜひとも,電圧と電流の矢印のかき加え方を習得してくだ
さい。
たとえば,
VR
R
E
I
に,起電力 E,流れる電流 I,抵抗 R に加わる電圧 VR の向きを表す矢印をかきこむ時,次
のようにされていませんか?
VR=RI
R
E
I
電流 I はこれで OK ですが,E と VR はこれではマズイです。
よくない理由は,矢が 2 つ,両端にかかれているため,電圧の向きがわからなくなるから
です。しかし,このような図をみかけることはとても多いです。
いや,この回路のように,単純な場合は,どうでもよいことかもしれません。
しかし,複雑な回路(次のページで例を出します)では,混乱のもとです。
できれば,今後は,下記のように,矢印を付けることを習慣化して下さい。
VR=RI
R
E
I
つまり,電圧の矢印の矢は,電位の高い方,プラス側に付けるということです。ようは,
電流の矢印と逆向きになります。考えてみれば当然のことを申し上げただけですが,図を見
ればわかる状態にしておくのが,学習のコツでもあります。
前のページで,
VR=RI
R
E
I
ように,電圧は,
電位高い
プラス
電圧低い
マイナス
(その場所の電流と逆向き)
とするのがよいと申し上げました。
キルヒホッフの法則の立式で実践してみます。
I1
I2
A
I3
I1
R 1I 1
E1
R1
R2
E2
E3
R3
I2
R 2I 2
R1
E1
I3
E2
R 3I 3
R2
R3
E3
上の左図の回路の I1 から I3 を求めてみましょう。電圧の矢印をかきこみますと,上の右
図ができます。
矢印部分のみ抜きがきすれば,下図がかけます。なお,ループ a,b はたどっていく向き
を表しています。詳細は次回を乞うご期待。
R 1I 1
R 2I 2
R 3I 3
E1
E2
E3
ループ a
ループ b
さて,これでいったんもう回路図は忘れて下さ
い。矢印だけを見ていただいて,キルヒホッフの
第二法則(電圧の法則)の式を,機械的に立ててご
覧にいれましょう。
つづきは次回。