海外アウトソーシング(オフショア開発) の発注工程について

 (2005.5.13 ワークショップ補足資料)
海外アウトソーシング(オフショア開発) の発注工程について
ネクストウェア株式会社
取締役副社長
太田 修啓
1
オフショア開発におけるフェーズ分業:中国・日本の事例
中国
要求分析 基本設計
/定義
機能設計
詳細設計
プログラム構造設計
モジュール設計
テスト
コーディング
単体
結合
機能
システム
運用/
保守
日・中
Bridge
SE
日本
各色の●点・・・・・フェーズ単位で共同打ち合わせ 各色の⇔矢印・・・・・・実作業 2
事例:ソフト開発委託工程の分業は?
発注先に丸投げするのは絶対避ける(ユーザ要件定義、外部設計は必ず日本側で対応する)
„
海外での請負が多いほど費用低減期待効果が大きいが、リスクとのトレードオフになること
„
原則として、初回や複雑な業務の発注は、詳細設計~単体試験までの請負契約が良い
その場合、全部依頼するのではなく、仕様フィックスが遅いまたは仕様変更が頻繁にあるものは避ける
„
継続的な発注先となった段階では、内部設計(一部概要参画)~結合試験までの請負が好ましい
この場合、発注先でリピートメンバーを確保できるラボ契約(開発メンバーをコミット)を採用する
„
総合試験・移行作業なども、発注先メンバーを限定することをコミットしてもらい、分業(協業)する
„
ユーザ
プログラム
外部設計 内部設計
コーディング
要件定義
設計
単体試験 結合試験 総合試験
日本主体
海外主体
<複雑、初回>
<継続発注>
日本主体
日本主体
工数委任契約
工数委任契約
海外主体
海外主体
請負契約
請負契約
日本主体
日本主体
(状況による)
工数委任契約
工数委任契約
3
どのような体制を組めばよいか?
日本側ソフト会社(発注元)
日本側委託元開発チーム
PM
業務SEチーム
方式SEチーム
ブリッジSE
仕様検討
派遣
納期・品質管理
概要設計
派遣
出張
詳細設計
製造/UT
納品
総合試験
納品先顧客
派遣
レポート
ブリッジSE
オフショア
支援チーム
トラブル対応
ブリッジSE
結合試験
対日開発経験豊富なPM + 日本語対応可能な開発チーム
海外側ソフト会社(発注先)
4
海外アウトソーシングに
適したソフト開発と発注先は?
受託系業務
① 業務系システム開発
②通信系システム開発
③Web系(BtoB,BtoC,モバイル等)
„
技術系大学や多国籍企業との連携・協力実績のあるソフト会社の選択
①専門人材の蓄積のあるソフト会社
②大学でのICT研究課題の実用化と技術力のあるソフト会社
„
海外アウトソーシング先の選択・運用の留意点
①保有開発技術・OS・ミドルウェア・データベース・ツール・日本語力の調査
②日本企業との開発実績の調査(特に開発規模と得意分野に注目)
③オーバーヘッドコストが発生するため、発注先は1社がよい。しかし発注
システムを分割できるなら、発注先を複数選択してもよい(リスクの分散)
④発注先選択時は、複数の会社に訪問し積極的な協力体制のある会社を
選ぶ(開発実績の聴取、開発環境、管理状況など現場をじかに見る)
⑤開発ポリシー、品質管理、セキュリティーポリシーについて現場で確認
„
5