第3章 資料(PDF 732KB)

第3章
資 料
昭和30年代の東山地区茶業の様子(資料提供:東山茶業組合)
1
2
地域別振興方向
本市では、各地域においてその自然的、歴史的、文
化的な経過の中で長い年月をかけ、多彩な農業が営ま
れてきました。
地域農業の振興のためには、その地域の気象、地
形、土壌などの自然的条件に適した作目や土地利用の
形態など、地域の特徴を活かした農業・農村の振興方
向が必要です。
本ビジョンでは掛川市を下記の 3 地域に分け、地域
ごとの振興方向を定めます。
Ⅰ 掛川地域
Ⅱ 大東地域
Ⅲ 大須賀地域
3
第3章
1
資料/地域別振興方向
地域農業の現状
本地域は、北部山間地から中部丘陵地、南部
の平坦地や東海道本線及び新幹線掛川駅を中心
とする市街地と、変化に富む土地条件を備え、
山間地や丘陵地における茶園、平坦地における
水田や施設園芸など多彩な農業が展開されてお
り、市街地においては商工業地域や住宅地域が
形成されています。
こうした地域の特性をふまえ、農業面では昭
和40年代から用排水路や水田、茶園等の生産基
盤をはじめ、広域農道の整備を進めたほか、自
園自製製茶工場の経営合理化と共同製茶工場へ
の集約、レール式茶園管理施設や乗用型茶園管
理機械の導入、施設園芸育成のための施設の有
効利用や、経営近代化施設の整備が行なわれて
きました。また、農村地域の生活環境整備を促
進し、地域社会におけるコミュニティー施設、
下水、生活排水処理のための施設が整備されて
います。
主要作目は茶と水稲であり、この地域の特産
品となっています。
特に茶は、強いブランド力を持ち、農林水産大
臣賞など全国大会で数々の賞を受賞しています。
水稲は、恵まれた肥沃な土壌により高い品質
を持ち、外部から高い評価を得ています。
また、イチゴやメロンなどの施設園芸やバラ
等の栽培、畜産も盛んであり、「クラウンメロ
ン」
や
「掛川フレッシュポーク」
など強いブランド
力を持つものもあり、「掛川牛」はその品質が消
費者から高く評価されています。
地域農業の基本指標
(2005農林業センサス、2004生産農業所得統計)
1 経営耕地面積
2,
323ha
2 総農家数
2,
837戸
①販売農家数
1,
903戸
内専業農家数
357戸
内兼業農家数
1,
546戸
3 認定農業者数
個人
323経営体
法人
4経営体
4 主要農産物産出額(上位10品目)
品 目
生産額
①
②
③
④
⑤
⑥
⑧
⑨
⑩
茶(生葉)
荒茶
水稲
鶏卵
イチゴ
生乳
肉用牛
メロン
豚
バラ
508
194
127
76
72
49
47
31
27
26
主な施設
4
(単位:千万円)
⑦
【1農業施設】
吉岡バラ団地、道の駅掛川、東遠青果流通センター、掛川市農協茶業研修センター、
掛川市農協総合育苗センター、掛川市農協ライスセンター、掛川市農協集出荷施設
【2その他の施設】
新幹線掛川駅、東名高速道路I・C、掛川城、東部工業団地、生涯学習センター
森の都「ならここ」
2
地域農業の主要課題
(1)後継者が育つ農業の確立
(2)遊休農地の有効利用
(3)農業用水の安定的確保
(4)地場農産物の情報発信力不足
(5)茶樹の高樹齢化への対策
(6)消費者ニーズに関する情報不足
(7)野生鳥獣被害への対策
3
主要施策
(1)多様な農業経営体の育成
①茶業ビジネス経営体の育成
②担い手への農地集積の促進
③茶園の小規模土地基盤整備事業の実施
④ 新農業水利システム保全整備事業の推進
⑤畜産経営の改善促進
⑥定年後就農者の受け入れ、支援体制の整備
⑦やる気塾による地域農業活性化方法の検討
⑧専業農家、兼業農家との協力体制の確立
⑨遊休農地の有効活用の促進
(2)収益性の高い農業の確立
①茶工場の再編の推進
②「やぶきた」改植と、早生品種導入の推進
③地場農産物の広告宣伝、販売促進体制の整
備・強化
④ブランド化の推進
⑤インターネットを活用した販路拡大の推進
⑥マーケティング戦略の導入による新たな経
営展開
⑦地域作目統一による産地化の推進
⑧新たな振興作物の導入による水田の利活用
促進
⑨ 農産物の多品目化と生産拡大
(3)消費者ニーズに対応した生産・流通・
販売の推進
①地元出荷組織の形成と、
「道の駅掛川」
や地
元直売所への出荷推進
(4)地域資源を活かした地場産品の創出
①茶を利用した新たな加工品の開発
②畜産品、栗、梅、イチゴ等を利用した加工
品の開発
(5)豊かで活力ある農村の創造
①農地・水・環境保全向上対策への取り組み
の推進
(6)魅力と活力ある中山間地域の創造
①野生鳥獣被害への対策の強化
②中山間地域等の耕作条件不利地域への支援
推進
(7)都市と農村の共生・対流促進
①市民農園の整備、農業体験イベント等の開
催による都市と農村の交流促進
②生産者と消費者のネットワークづくりの推進
③農業PRイベント開催の推進
5
第3章
1
資料/地域別振興方向
地域農業の現状
本地域は、昭和30年代、40年代において、第1
次農業構造改善事業や県営ほ場整備事業による
水田の大規模な土地基盤整備を実施し、併せて
集落単位に協業集団栽培組織の設立とコンバイ
ン、トラクタ−等の大型機械やライスセンター、
集出荷施設等の近代化施設を導入し、全国に先
駆けて近代農村を確立しました。
それにより、農業生産法人の
「大東農産」
と
「佐
束ファーム」
が設立され、大規模な水田農業が営
まれています。
また、協業集団栽培により得た余剰労働力
は、南部海岸線に畑地かんがい施設を導入する
とともに、温室メロン、イチゴ、トマト等の施
設園芸やニンジン、石川小芋、サツマイモ等の
露地野菜の振興に向けられ、全国でも有数の産
地が形成されています。
一方、お茶については、県営農地開発事業
(佐
束南)
や団体営農用地開発事業
(高瀬下)
等の農地
開発事業を実施し、乗用型茶園管理機による茶
業の省力化を推進しました。
その後、数々の国の補助事業により、水田の
パイプライン化、防霜ファンの設置、農道、用
排水路等の整備を進め、県下でも農業基盤に恵
まれた農業先進地域として評価されています。
しかし近年は、第1次農業構造改善事業の完工
から歳月が経過し、土地利用型農業である水
稲、お茶については抜本的な構造改革が必要と
なっています。
そのため、平成5年には農業者、農協、行政が
一体となり地域農業を振興する組織として、
「農
業活性化やる気塾」
が農協支店単位に設立されま
した。
地域農業の基本指標
(2005農林業センサス、2004生産農業所得統計)
1 経営耕地面積
976ha
2 総農家数
1,
175戸
①販売農家数
787戸
内専業農家数
139戸
内兼業農家数
648戸
3 認定農業者数
個人
114経営体
法人
11経営体
4 主要農産物産出額(上位10品目)
品 目
生産額
①
②
茶(生葉) メロン
86
主な施設
67
(単位:千万円)
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
水稲
トマト
イチゴ
荒茶
生乳
ニンジン
62
53
49
47
17
17
【1農業施設】
遠州夢咲農協大東ライスセンター、遠州夢咲農協ミナクル市
遠州夢咲農協集出荷施設、遠州夢咲農協直営茶工場(佐束・土方・大坂)
【2その他の施設】
上土方・大東工業団地、文化会館「シオーネ」、大東温泉「シートピア」
6
⑨
⑩
サトイモ サツマイモ
10
7
2
地域農業の主要課題
(1)後継者が育つ農業の確立
(2)遊休農地の有効利用
(3)農業用水の安定的確保
(4)地場農産物の情報発信力不足
(5)茶樹の高樹齢化への対策
(6)茶の生葉生産者、生産量の減少
(7)麦・大豆の価格低迷
(8)メロン農家の減少
(9)消費者ニーズに関する情報不足
3
主要施策
(1)多様な農業経営体の育成
①茶業ビジネス経営体の育成
② 新農業水利システム保全整備事業の推進
③暗渠排水施設の整備推進
④茶園の小規模土地基盤整備事業の実施
⑤新規就農者(ニューファーマー)の受け入
れ、育成推進
⑥担い手への農地利用集積の推進
⑦定年後就農者の受け入れ、支援体制の整備
⑧やる気塾による地域農業活性化方法の検討
⑨専業農家、兼業農家との協力体制の確立
⑩遊休農地の有効活用の促進
(2)収益性の高い農業の確立
①茶工場の再編の推進
②
「やぶきた」
の改植と、早生品種導入の推進
③地場農産物の広告宣伝、販売促進体制の整
備・強化
④ブランド化の推進
⑤インターネットを活用した販路拡大の推進
⑥マーケティング戦略の導入による新たな経
営展開
⑦地域作目統一による産地化の推進
⑧新たな振興作物の導入による水田の利活用
促進
⑨低コスト化を図る栽培施設、栽培技術の導入
(3)消費者ニーズに対応した生産・流通・
販売の推進
①
「道の駅掛川」・
「ミナクル市」
・「サンサン
ファーム」
等への出荷推進
(4)地域資源を活かした地場産品の創出
①イチゴ・メロン・トマト・サツマイモ等を
利用した加工品の開発
(5)豊かで活力ある農村の創造
①農地・水・環境保全向上対策への取り組み
の推進
(6)都市と農村の共生・対流促進
①農業PRイベント、農業体験イベント等の
開催による都市と農村の交流促進
②生産者と消費者のネットワークづくりの推進
7
第3章
1
資料/地域別振興方向
地域農業の現状
本地域は北部の丘陵地と南部から西部にかけ
ての平坦地から形成されています。
北部は茶の生産が盛んであり、南部から西部
にかけては水稲やメロン、イチゴなどの施設園
芸を主体に露地野菜など、多彩な作目が生産さ
れています。
水稲においては昭和30年以降、県営ほ場整備
事業や農業構造改善事業の実施により、94.5%の
整備率となっており、農地集積、集団化を積極
的に推進した結果、担い手への農地集積が進ん
でいます。特に東部、中部地域においては、30
年近くにわたって集落営農組織による協業化が
進められ、地域農業の発展に大きな役割を果た
してきました。
また、「豆太郎」、「三熊野ファーム」の二つの
水田農業生産法人が設立され、効率的・安定的
経営により、地域の水田農業を担っています。
南部地域一帯は、砂地の特性を活かした露地
野菜や施設園芸が盛んであり、特にイチゴ、メ
ロンについてはブランド力を持っています。
また、イチゴ、メロンは観光農業として県内
外から多くの観光客が訪れ、高い評価を得てい
ます。
さらに、農産物直売所である
「サンサンファー
ム」
は地元に根付いた施設として多くの農家が出
荷しており、地域農業の情報発信の拠点として
「地産地消」の推進に大きく貢献しています。
地域農業の基本指標
(2005農林業センサス、2004生産農業所得統計)
1 経営耕地面積
549ha
2 総農家数
439戸
①販売農家数
296戸
内専業農家数
65戸
内兼業農家数
231戸
3 認定農業者数
個人
68経営体
法人
2経営体
4 主要農産物産出額(上位10品目)
品 目
生産額
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
鶏卵
茶(生葉)
メロン
荒茶
イチゴ
水稲
生乳
サツマイモ
トマト
ミカン
226
57
53
31
30
25
16
5
5
4
主な施設
8
(単位:千万円)
【1農業施設】
サンサンファーム、夢咲農協大須賀ライスセンター、田園空間整備事業総合案内所(とうもんの里)
【2その他の施設】
大渕・沖之須・岡原工業団地、横須賀城址、清水邸、大須賀歴史民族資料館
2
地域農業の主要課題
(1)後継者が育つ農業の確立
(2)遊休農地の有効利用
(3)農業用水の安定的確保
(4)地場農産物の情報発信力不足
(5)茶樹の高樹齢化への対策
(6)茶の生葉生産者、生産量の減少
(7)麦・大豆の価格低迷による経営不振
(8)メロン農家の減少
(9)消費者ニーズに関する情報不足
3
主要施策
(1)多様な農業経営体の育成
①茶業ビジネス経営体の育成
②農業用水パイプライン化事業の推進
③ 基幹水利施設補修事業の推進
④暗渠排水施設の整備推進
⑤茶園の小規模土地基盤整備事業の実施
⑥ニューファーマーの受け入れ、育成推進
⑦担い手への農地利用集積の推進
⑧定年後就農者の受け入れ、支援体制の整備
⑨やる気塾による地域農業活性化方法の検討
⑩遊休農地の有効活用の促進
(2)収益性の高い農業の確立
①茶工場の再編の推進
②
「やぶきた」
の改植と、早生品種導入の推進
③地場農産物の広告宣伝、販売促進体制の整
備・強化
④ブランド化の推進
⑤インターネットを活用した販路拡大の推進
⑥マーケティング戦略の導入による新たな経
営展開
⑦地域作目統一による産地化の推進
⑧新たな振興作物の導入による水田の利活用
促進
⑨低コストを図る栽培施設、栽培技術の導入
(3)消費者ニーズに対応した生産・流通・
販売の推進
①
「サンサンファーム」・
「道の駅掛川」
・「ミ
ナクル市」
等への出荷推進
(4)地域資源を活かした地場産品の創出
①イチゴ・メロン・トマト・サツマイモ等を
利用した加工品の開発
(5)豊かで活力ある農村の創造
①田園空間整備事業とNPO法人
「とうもんの
会」
による地域活性化事業の推進
② 農地・水・環境保全向上対策への取り組
みの推進
(6)都市と農村の共生・対流促進
①農業PRイベント、農業体験イベント等の
開催による都市と農村の交流促進
②生産者と消費者のネットワークづくりの推進
③市民農園による都市と農村の交流促進
9
主要品目別生産振興方向
Ⅰ茶
1
現状と課題
(1)現状
① 茶は掛川市の農業産出額の約40%を占める基
幹作物です。その品質は全国トップクラスに
あり、全国大会において、数々の賞を受賞し
ています。中でも全国茶品評会においては、
産地賞、農林水産大臣賞などを数多く受賞し
ています。
② 茶栽培面積は2,437ha、荒茶生産量は6,520t、
茶総生産額は85億5千万円(平成17年)
です。
面積はほぼ横ばいですが、ミル芽摘みの推進
と長引く価格低迷により、生産量、生産額と
も減少傾向にあります。
また、原油価格の高騰に伴う生産コストの上
昇や他産地との厳しい競争、消費者ニーズの
変化によるリーフ茶の需要減退などにより販
売価格が低迷し農家所得の減少傾向が続いて
います。
③ 茶業従事者の高齢化や減少が進んでおり、適
切な茶園管理が困難な状況となっています。
また、生産組織である茶農協では、人材不足
が発生しつつあります。
④ 乗用型茶園管理機の導入台数は、325台(平成
17年)
であり、10ha当たりでは1.33台となり県
平均の0.81台より多く導入が進んでいます。
しかし、個人利用が主体で過大投資も懸念さ
れています。また、搬入路等の整備が遅れて
いる茶園、導入困難な急傾斜地茶園、小区画
茶園もあり普及拡大の支障となっています。
⑤ 品種構成は、「やぶきた」が93.5%を占めてお
り、県平均の92%よりも高く、
「やぶきた」
偏重
が顕著となっています。また、改植が行なわれ
ず茶樹の樹齢が高い茶園が多く、収量・品質に
悪影響を及ぼすことが懸念されています。
⑥ 市内では、深蒸し茶の製造が主流であり、掛
川茶振興協会の内部の定義として、掛川市内
の荒茶工場で生産された荒茶50%以上をもっ
て「掛川茶」、掛川市内の荒茶工場で生産され
た荒茶100%をもって
「掛川産掛川茶」
とし、表
示しています。
乗用型管理機による効率的な摘採
10
(2)課題
① 産地戦略品種の普及と生産体制の拡大、茶樹の
樹齢が高い茶園の改植が急務となっています。
④ 茶工場運営にかかわる経営感覚を持った若手
の人材が不足しています。
② 施肥基準を遵守し環境負荷軽減を行いつつ、
安定した生産を維持する対策が急務となって
います。
⑤ 刻々と変化する消費者ニーズに対応した経営
戦略が必要となっています。
③ 小規模茶園や傾斜地茶園などで基盤整備が遅
れています。また、中山間地域等の耕作条件
の悪い地域で生産性が低下しており、対策が
必要となっています。
2
⑥ 茶業従事者の不足による繁忙期の人手不足へ
の対策が必要となっています。
目指す方向
(1)ビジネス経営体の育成と農業構造の改革
(2)掛川茶ブランドの育成とマーケティング力強化
(3)安全・安心を消費者に提供するシステムづくり
(4)生産活動が及ぼす周辺環境への負荷軽減
3
主要施策
(1)ビジネス経営体の育成と農業構造の改革
① ビジネス経営体の育成
ア 生産構造の改革
・ 産地構造改革計画と経営改革計画策定支
援及び事後指導を行います。
イビジネス経営体、認定農業者の育成
・ 雇用による人材の確保や法人による茶園
管理体制などを備えたビジネス経営体の
設立を支援をします。
ウ 茶園管理組織経営体の育成
・ 茶園管理の組織化などによる効率的な生
葉供給体制の整備支援や規模拡大農家へ
の茶園の集積を推進します。
② 生産効率の向上
ア 茶園管理の機械化
・ 防除、深耕、施肥などを行う乗用型複合
管理機の導入を推進し、更なる省力化を
図ります。
イ基盤整備の推進、潅水施設の整備
・ 乗用型管理機対応の茶園にするための小
区画茶園や傾斜地茶園などの基盤整備を
進めるとともに搬入路等の農道整備、潅
水施設の整備を推進します。
茶手揉み保存会による手揉みの実演
11
第3章
資料/主要品目別生産振興方向
(2)掛川茶ブランドの育成とマーケティング力強化
① マーケティングに基づく特色ある茶生産と販
売の推進
ア 売れるお茶のマーケティング戦略
・ 茶業振興に関わる組織、農協、行政は、
互いに連携し、広告宣伝・販売促進活動
の推進と緑茶表示基準の徹底により
「掛川
茶」
のブランド力を強化し、全国における
掛川茶の知名度を上げ、販売力の強化を
図ります。また、国内における新しい販
路の開拓とともに海外市場への対応を研
究します。
イ品種を活用した生産と販売の促進
・「やぶきた」
への偏重と樹齢が高い茶園の問
題を解消するため改植を促進します。
・市の産地戦略品種として「つゆひかり」
「さ
えみどり」
等の早生品種を導入し、消費者
に新しい商品を提供し、新たな販路の開拓
を行います。
・早生品種と
「やぶきた」
を組み合わせること
で摘採期間を延長し、摘採労力の分散や工
場稼動日数の向上を図ります。
② 緑茶ファンの拡大と需要創造
ア 新たな需要の拡大
・ 地産地消を進め、地元での掛川茶の販売体
制を強化します。
・ リーフを楽しむ茶文化や、緑茶医療研究セ
ンターによる緑茶を使用した医療の効用に
ついて情報発信し、緑茶ファンの拡大を図
ります。
(3)安全・安心を消費者に提供するシステムづくり
① 安全・安心な掛川茶の推進
ア 静岡型衛生管理クリーンチェーンの徹底
・ 生産現場の茶園から製造現場である荒茶工
場、加工流通まで連結した衛生管理により
クリーンな茶を提供します。
・ 茶工場から出る汚水処理を徹底し、環境負
荷軽減を行います。
イ 茶の適正表示の徹底及びトレーサビリティ
・シス
テムの推進
・ 生産現場から製造までのトレーサビリ
ティ・システムの構築を図り、食品表示の
適正化を推進します。
品評会審査風景
(4)生産活動が及ぼす周辺環境への負荷軽減
① 持続可能な茶業の実践
ア 環境にやさしい茶業の実践
・ 緩効性肥料や点滴施肥などを利用した効率
的な施肥体系を確立し、適正な施肥量での
安定生産を目指します。
・ 農協生産部会や、茶工場単位での組織的な
エコファーマーの認証取得を推進します。
新茶の初取引風景
12
Ⅱ水稲
1
現状と課題
(1)現状
ている一方で、大東・大須賀地域を中心に担
い手への集積が加速しています。
④(株)米穀データバンクが実施する食味の格付
けで掛川地域が過去5年、大東、大須賀地域も
昨年からAランクに格付けられており、「コシ
ヒカリ」の作付比率が45.5%を占めるなど、売
れる米づくりの取り組みが進んでいます。
① 水稲作付面積は年々減少し、平成7年と平成17年
を比較すると389ha、約19.4%減少しています。
② 従事者の高齢化や米価の下落から、水田を所
有していても実際には作付を行わない農業者
が増えており、特に掛川地域等では不作付水
田の面積が拡大しています。
③ 作付規模についてみると、作付面積50a未満の
農家が全体の77.6%
(平成17年)
と大多数を占め
掛川市における水稲作付面積の推移
H7
掛川地域
H9
H11
H13
H15
H17
1,190
1,100
1,050
1,050
1,030
935
大須賀地域
235
210
188
173
197
203
大東地域
579
539
496
485
486
477
2,004
1,849
1,734
1,708
1,713
1,615
掛川市合計
平成17年産米穀の作付規模別生産者数(一般生産者+農業生産法人+特例団体)
10a〜49a
生産者数(戸)
割合(%)
50a〜99a
100a〜399a
400a〜999a
1,000a〜1,499a
1,500a〜
計
1,877
366
145
20
5
7
2,420
77.6
15.1
6.0
0.8
0.2
0.3
100.0
(資料:静岡農政事務所)
(2)課題
① 水田の利用調整や作業受委託体制の整備等に
より、地域の水田を安定的に管理する担い手
を育成するとともに、担い手を軸とした水田
営農モデルを構築する必要があります。
② 担い手に水田を集積することで大規模化を進
めるとともに、生産効率の向上や販売戦略の
2
検討などにより経営感覚に優れた経営体を育
成します。
③ 米政策改革大綱に基づき、掛川産コシヒカリ
の高い評価を活かした、需要に応じた売れる
米づくりを実現する必要があります。
目指す方向
(1) 地域農業を支える担い手の育成
(2) 需要に応じた米づくりの推進
13
第3章
3
資料/主要品目別生産振興方向
主要施策
(1)地域農業を支える担い手の育成
本市の水稲生産農家数は、1ha以下の生産農家
数が急速に減少している反面、大規模農家の1戸
あたりの作付面積は増加傾向にあり、二極化が
進んでいます。今後はこれら大規模経営体が地
域農業を支える担い手となるよう支援していき
ます。
① 大規模水稲経営体及びそれらを補完する集
落営農組織の育成
地域農業を支える担い手を育成するため、水
田の利用集積を推進し、作付の大規模化を推進
していきます。
【具体的な支援策】
○水田農業ビジョンを軸とした計画的な担い
手の育成の実現
○農協の農地保有合理化事業よる地域毎の水
田の集積や作業受委託の利用調整の実施
○担い手の水田農業機械導入の支援による規
模拡大の実現
② 雇用を可能とするビジネス経営体の育成
雇用を可能とするビジネス経営体の育成を図
るため、水田の集積及び作付面積の拡大とあわ
せて、大型機械導入による作業の効率化、新技
術導入による低コストな米づくりの実践を推進
していきます。
【具体的な支援策】
○担い手の水田農業機械導入支援による作業
効率の向上と低コスト化の実現
○認定農業者や集落営農組織に対する経営改
善計画や法人化に対する支援
○直播栽培など低コスト栽培拡大にむけた検
証及び支援
③ 品目横断的経営安定対策加入に向けた取り
組み
地域の水田営農の担い手が継続的かつ安定的
に経営を維持発展していくことを支援するた
め、農政事務所や県農林事務所、農協等ととも
に、地域水田農業推進協議会を中心として制度
の周知徹底及び加入推進を図っていきます。
(2)需要に応じた米づくりの推進
本市は県内でも有数の米の生産地でもあり、
市民の主食を供給する重要な産地として位置づ
けられています。今後は生産者、農協、行政が
一体となって掛川産米の消費拡大のために、具
体的な行動を展開する必要があります。
① コシヒカリの生産、消費拡大
県内消費者に浸透しており、かつ実需者から
要望が高く価格競争力もあるコシヒカリの作付
面積の拡大を図ります。
また、学校給食等を通じて地元産コシヒカリ
の消費拡大を図り、市民による地産地消の裾野
を拡大していく取り組みを進めます。
【具体的な支援策】
○他品種からコシヒカリの作付転換の支援誘導
○生産者が実施する良食味米の生産技術解析
に対する支援
○学校給食等における地元産コシヒカリの供給
② 地域の特徴を活かした独自ブランド(トップ
ブランド米)の育成
生産者、農協、市など関係機関が協力し、他県
産有名銘柄米に匹敵する掛川市または市内各地域
独自のブランド米の育成、定着を図ります。
【具体的な支援策】
○消費者との連携に基づく独自ブランド米の
育成支援
○地域資源を活用した特徴ある米づくりの支援
○市民・消費者に対する掛川産コシヒカリのPR
○耕畜連携に基づく堆肥施用による食味の向上
田植え体験をする子供達
14
③ 安全・安心な米の生産推進
消費者、実需者が求める
「安全・安心な米」
の生
産を図るため、栽培履歴記入の徹底やトレーサビ
リティの確立に向けて関係機関とともに支援を行
います。あわせて、エコファーマーの取り組みの
拡大やJAS法に基づく適切な表示が行われるよう
に、生産者や産地の取り組みについて助言指導を
行います。
【具体的な支援策】
④ 多様な需要に対応する米生産の推進
主食米の生産振興だけでなく、特徴ある米産
地づくりを進めるため、酒米(酒造好適米)、新
形質米等の栽培の取り組みについて検討・支援
を行います。
【具体的な支援策】
○新形質米など新たな需要の拡大と生産支援
○地元酒造業者と連携した酒米産地の構築支援
○畜産農家と連携した飼料用稲の栽培推進
○トレーサビリティ・システムの導入と運営
支援
○土づくり、有機栽培、減農薬・減化学肥料
による栽培の促進支援
○環境保全型農業に対する理解の拡大
○JAS法に基づく米の表示適正化の助言指導
十条植えの田植機による効率的な作業
大型コンバインによる収穫風景(千浜地区)
15
第3章
資料/主要品目別生産振興方向
Ⅲ麦・大豆
1
現状と課題
(1)現状
① 大東・大須賀地域の主要な生産調整作物であ
る小麦及び大豆は、作付に対する交付金が削
減方向にあることに加え、近年の異常気象や
雑草害の発生により収量、品質が著しく低下
しています。
② 平成19年度から始まる品目横断的経営安定対
策に加入できない生産者は、麦に係る農業所
得が大幅に減少することから、作付の継続が
困難になることも考えられます。
③ 麦・大豆の作付ほ場が固定化しているため、
地力低下や特定雑草の繁茂が栽培の障害と
なっています。
④ 市内の麦・大豆栽培のほとんどが担い手に集
積されており、大規模経営によるスケールメ
リットが活かされています。
小麦作付面積の推移
(単位:ha)
H13
H14
H15
H16
H17
掛川地域
0
0
0
0
0
大東地域
63
68
70
74
74
大須賀地域
84
86
87
89
90
掛川市合計
147
154
157
163
164
(資料:静岡農林水産統計年報)
大豆作付面積の推移
(単位:ha)
H13
H14
H15
H16
H17
掛川地域
9
9
7
6
8
大東地域
4
4
3
3
3
大須賀地域
56
62
49
45
52
掛川市合計
69
75
59
54
63
(資料:静岡農林水産統計年報)
(2)課題
① 小麦
「農林61号」
に変わる新品種
「イワイノダイ
チ」
への転換を進める必要があります。
② 担い手や集落営農組織の育成により、麦・大
豆生産者の品目横断的経営安定対策への加入
を進める必要があります。
2
③ 関係機関と連携し、栽培方法の見直しや堆肥
等の施用、難防除雑草対策の確立を通じて品
質・収量の向上を図る必要があります。
④ 麦・大豆に係る新たな施策に対応した作付体
系を確立する必要があります。
目指す方向
(1)水田を有効に活用した安定的な
麦・大豆生産の実現
(2)実需者ニーズに対応した高品質な
麦・大豆の生産
麦畑の風景(大渕地区)
16
3
主要施策
(1)水田を有効に活用した安定的な麦・大豆生産の実現
① 担い手による大規模麦・大豆作の実現
地域水田農業、特に麦・大豆等の生産調整作物
の振興は担い手を中心とし、農協・地域・市が一
体となって推進を図る必要があります。地域水田
農業協議会が中心となって策定する水田農業ビ
ジョン及び推進施策の実現を支援します。
また、新たに始まる品目横断的経営安定対
策、米政策改革推進対策に対応した担い手によ
る大規模麦・大豆作の実現を支援します。
【具体的な支援策】
○地域水田農業協議会への参画及び支援
○品目横断的経営安定対策への加入促進及び
加入者への作付けの集約
○集落営農組織の組織化・法人化支援
○補助事業等による汎用コンバイン等の大型
機械導入支援
○農業活性化やる気塾等を軸とした担い手へ
の麦・大豆作の集約及び作業受委託体制
の整備支援
② 麦の新品種の導入
大東・大須賀地域ではこれまで永らく県の奨
励品種である「農林6 1 号」を作付けてきました
が、収穫時期が梅雨と重なるため湿害や赤かび
病の被害を受けやすく、近年、減収や品質の低
下が大きな問題となってきました。
今回、新たに県の奨励品種となった
「イワイノ
ダイチ」
は
「農林61号」
に比べて収穫時期が早く、
実需者からのニーズも高いことから、県や農協
等関係機関と連携して早期に導入、普及を図る
ことで農家の経営安定を図ります。
【具体的な支援策】
○「イワイノダイチ」
の実証田等の設置による
検証及び導入支援
○ 実証田等の設置による新品種の検証及び導
入支援
○ 栽培講習会等の開催支援
●新品種
「イワイノダイチ」
の特徴
平成11年に九州沖縄農業研究センターで育成
された麺
(うどん)
用の小麦品種。温暖地に適し
た早生品種で倒伏に強く、収量性に優れていて
実需者からのニーズも高い品種。
(2)実需者ニーズに対応した高品質な麦・大豆の生産
① 麦・大豆の品質・収量の向上対策
近年、実需者からの高品質な麦、大豆に対す
る要望が高まっていると同時に品目横断的経営
安定対策における毎年の生産量・品質に基づく
支払いにおいても品質による交付単価の格差が
明確になっており、高品質な麦・大豆の生産は
急務となっています。
一方、生産現場では難防除雑草の繁茂や湿害
による品質・収量の著しい低下が問題となって
いますが、生産者・県の研究、指導機関・農
協・市が綿密に連携をとってこれらの対策に取
り組んでいきます。
【具体的な支援策】
○土壌改善実施に対する支援
○難防除雑草被害の実態把握及び対応策の検討
○耕畜連携による堆肥施用に対する支援
○栽培講習会や実証田設置に対する支援
② 土地基盤整備の改善
麦・大豆の生産を定着させ、安定的な生産性
向上を図るためには暗渠排水の設置や大区画化
などの土地基盤整備の実施が重要となっていま
す。地域の状況を十分に把握し、計画的にほ場
整備を進める必要があります。
【具体的な支援策】
○補助事業等による基盤整備事業の推進、支援
○明渠、暗渠排水等の実施拡大の支援
コンバインによる麦の収穫風景(大渕地区)
17
第3章
資料/主要品目別生産振興方向
Ⅳ施設園芸
1
現状と課題
(1)イチゴ
一戸あたりの規模拡大は進んでいるものの生
産者の減少、担い手の高齢化により作付面積が
減少しています。また、作業、労力の負担が大
きく、生産コストの上昇により所得が低下して
おり、産地間競争が激化する中でブランド力の
向上や販売強化が必要です。
(2)温室メロン
需要減退の影響による販売価格の低迷、急激
な燃料価格高騰による生産コストの上昇によ
り、生産者の所得確保が困難になっており、生
産者及び生産量は減少しています。
2
また、燃料価格高騰により、経費のかかる低
温期の栽培を控える生産者が増加し、周年の安
定した出荷量を確保することが困難となってき
ています。
(3)
トマト
需要は比較的安定していますが、他産地との競
争により、単価の上昇はあまり期待できません。
連作による塩類集積や透水性不良、土壌病
害、また、近年は黄化葉巻病などの難防除病害
虫が発生し、収量低下を招いています。
目指す方向
(1)イチゴ
「章姫」から「紅ほっぺ」への品種の転換期であ
り、県内他産地や関係機関と連携した販売戦略
の展開とブランド化を図り、消費者への積極的
なPRを行います。
生産面においては、育苗やパッキング作業の
分業化により作業労力の軽減を図ります。ま
た、高設栽培の導入を推進し、収穫や管理作業
の環境改善と省力化を図り、規模拡大を推進し
安定生産を目指します。
イチゴ狩り等の観光農業を拡充し、加工品開
発等も進めます。
また、がんばる新農業人支援事業の研修制度に
より、市外出身者の新規就農が進んでいることか
ら市内就農のための支援体制を整備します。
(3)
トマト
機械選果導入を契機とした規模拡大を実現す
るため、作業の効率化や快適化につながる生産
体系の確立を進めます。さらに、機械選果場を
有効活用することにより、効率的な流通体系の
確立や流通コストの低減を目指します。
また、地域が一体となった黄化葉巻病防除対
策や難防除病害虫の総合防除対策を徹底し、生
産の安定と収量の増大を図ります。
(2)温室メロン
低コスト化推進協議会等関係機関と連携し、
低コスト化・省エネ対策の推進、低温期栽培安
定技術の検討、作業の省力化による体質強化を
図ります。
流通・販売面において、需要状況に対応した
戦略的な出荷・流通・販売体制の構築、また、
新たな需要・顧客創造に向けた販売戦略を構築
するとともに、関係産業と連携し、加工品や新
商品の開発をすすめ、生産・販売の新たな展開
を図ります。
18
トマト本来の自生能力を引き出して栽培されている「高糖度トマト」
3
主要施策
(1)イチゴ
① 各農協が策定した野菜産地構造改革計画・
強化計画の実行を推進します。
② 業務需要の対応、顧客の確保増加につながる
新たなマーケティング戦略を実践します。
③「紅ほっペ」
の消費者・実需者ニーズに対応
した商品戦略の展開を進めます。
④ パッキングセンターの充実など作業の分業
化・受委託を進めるとともに、通いコンテ
ナ活用拡大により調整作業の省力化とコス
ト低減を図ります。
⑤ 規模拡大を実現するための収量向上に向け
た生産体系・技術の確立と生産・流通コス
ト低減を進めます。
⑥ 無病親株や健全定植苗の増殖供給体制を強
化します。
⑦ 高設栽培の導入拡大により労働環境の快適
化を進め、雇用労力活用を推進します。
⑧「安全・安心」
を前提とした環境に配慮した
生産体系を確立します。
⑨ 新規就農者研修の支援により、就農しやす
い環境と支援体制の整備を行います。
⑩ 観光農業や加工品開発等による経営の多角
化を推進します。
(2)温室メロン
① 産地構造改革計画の実践を推進します。
② 低コスト大型温室を活用した大規模経営体
を育成します。
③ 需要状況に対応した出荷・販売体制や戦略
を構築します。
④ 販売単価に見合った生産体制を検討しま
す。
⑤安全・安心な生産・販売体制を推進するた
め、生産者履歴の適正な記帳を徹底しま
す。
⑥ 観光農業や加工品開発等による経営の多角
化を推進します。
(3)
トマト
① 産地構造改革計画の実践を推進します。
② 選果場施設の有効活用による作業の省力
化、隔離床・養液栽培の導入による作業の
効率化や病気の低減化を推進し、高品質・
安定生産を図ります。
③ 新規参入につながる生産体系を確立し、産
地規模拡大を実現します。
④ 消費者や実需者のニ−ズに対応した新たな
マ−ケティング戦略を実践します。
⑤ 養液濃縮トマトの周年生産等でのビジネス
経営体の育成を推進します。
⑥「安全・安心」
を前提とした環境に配慮した
生産体系を確立します。
⑦ 黄化葉巻病防除対策や難防除病害虫対策の
圃場パトロールにより、地域ぐるみでの意
識改革と発生低減を図ります。
甘味と酸味のバランスがいい「紅ほっぺ」
温室メロンの栽培の様子
桃太郎トマトの収穫
19
第3章
資料/主要品目別生産振興方向
Ⅴ露地野菜
1
現状と課題
(1)ニンジン
生食やジュース等にも利用できる「ベーター
リッチ」
に品種を統一し、
「ハニーキャロット」
の
ブランドで品質向上に努めて出荷し、高い市場
評価を得ています。
しかし、価格の低迷や担い手の高齢化により
生産量は減少傾向が続いています。栽培者の主
体は50歳代から70歳代で、70歳以上が30%を占
めており、年代が高くなるほど、作付面積は小
さくなっています。ほ場が小区画で分散してい
ることと、後作がニンジン立毛中に作付される
関係で機械化は進んでいません。
(2)サツマイモ
主品種は「泉13号」であり、切り干しや菓子の
原料用出荷が90%を占め、生食用として岐阜方
面へ出荷しています。また、機能性に着目し
「ハ
マコマチ」
等の新品種の導入が進んでいます。
(3)サトイモ
石川小芋・赤柄があり、砂地栽培により、サ
トイモの肌がきれいに仕上がるという利点があ
ります。出荷は京浜方面を中心に、高級業務用
に販売されています。
2
石川小芋は、厳しい品質管理と計画出荷によ
る高値販売が戦略ですが、階級が多く選別作業
に労力がかかり、出荷調整作業の省力化と連作
障害による収量の低下が課題となっています。
(4)白葱
輸入による価格の低迷により所得は低下傾向
にあります。
また、生産者の高齢化により生産面積は減少
傾向となっていますが、一部、遊休農地を利用
して白葱栽培の取り組みが行われています。
(5)レタス
水田転作作物として導入され、水稲の裏作、
茶、水稲との複合経営としても生産されていま
す。市場では高い評価を得ていますが生産量が
伸び悩んでいます。
(6)メキャベツ
露地作物の中では比較的初期投資が少なく、
水稲の転作作物としても推奨しています。
生産者は高齢化しており、新規栽培者の参入
を促進する必要があります。しかし、収穫期の
労力軽減やマイナー作物としての病害虫防除体
系の確立が課題となっています。
目指す方向
(1)ニンジン
担い手への農地集積の促進による作付面積の維
持や収穫機等による作業の省力化により、生産性
の向上を図り規模拡大を進めます。また、エコ
ファーマーの認定等、環境保全型農業への取り組
みを推進し、販促PRや出荷期間拡大によるブラ
ンド力強化を図ります。
(2)サツマイモ
加工用出荷には、出荷数量と品質の安定化が
必要であり、栽培技術の向上による品質の安定
と収量の向上を目指します。
砂地で栽培されるサツマイモ
20
(3)サトイモ
低温、寒波、連作障害等による収量低下の問
題については、ウイルスフリー苗の導入や人参
等他作物との輪作体系による農地有効活用によ
り生産の安定を図ります。
(4)白葱
選別作業のグループ化や機械化を推進し、施
設の有効利用と作業労働力の低減を図ります。
3
(5)レタス
茶、水稲との複合経営を推進し、新規栽培者
を増やし、安定生産によるロットの拡大を図る
ことにより産地化を目指します。
(6)メキャベツ
栽培管理にかかる労力の軽減と新規栽培者の
推進により安定生産を図ります。
また、消費拡大に向けて、調理メニューの開
発・宣伝を推進します。
主要施策
(1)ニンジン
① 野菜産地強化計画の策定と実践を推進しま
す。
② 長期収穫が可能な栽培体系を導入し収穫期
間の延長による収量拡大を図ります。
③ 収穫調整の機械導入により作業の省力化を
図ります。
(4)白葱
① 野菜産地構造改革計画の策定と実践を推進
します。
② 夏出荷の導入により、長期出荷が可能な生
産・栽培体系を推進し、
産地化を目指します。
③ 機械化の推進による作業の省力化と生産の
安定化を図ります。
(5)レタス
① 野菜産地強化計画の策定と実践を推進します。
② 茶農家の複合作物としてレタス栽培導入を
推進し、生産者の拡大を図ります。
③ 育苗センターの有効利用による労力軽減、
コスト低減を図ります。
ニンジンの出荷作業の様子
(2)サツマイモ
① 機械化の推進による作業の省力化と先進技
術の導入による品質の向上を図ります。
②「芋切り干し」
の地元加工業者等と連携し、地
産地消の拡大と販売促進活動を強化します。
(3)サトイモ
① 遊休農地の活用と他作物と連携した輪作体
系を確立します。
② 手間のかかる調整作業はパート雇用を活用
し、生産効率の向上により生産規模の拡大
を図ります。
市場で評価の高いレタス
(6)メキャベツ
① 野菜産地構造改革計画の策定と実践を推進
します。
② 消費者とともに素材が生きる調理研究会を
開催し、子供が好むメニューの開発と消費
宣伝活動の実施を推進します。
③ 減農薬栽培推進のための新しい栽培技術を
研究します。
④ 最も労力がかかる選別・袋詰め作業の分業
化体制の構築を図り、新規栽培者の参入を
促進します。
収穫したばかりの石川小芋
21
第3章
資料/主要品目別生産振興方向
Ⅵ花卉・果樹
1
現状と課題
(5)イチジク
(1)バラ
産地間の販売競争の激化と輸入バラの増加、燃
料価格の高騰により大きな打撃を受けています。
また、施設の老朽化により生産性が低下して
います。
(2)スイセン
高齢化が進み栽培者数・栽培面積とも減少傾
向にあります。また、華道の稽古等の需要の減
少により、販売量も減少傾向にあります。
(3)フリージア
高齢化が進み栽培者数・栽培面積が減少して
おり、新品種の導入も遅れています。
(6)ウンシュウミカン
みかん産地としては小規模ですが、品質は高
い評価を受けています。農家の生産意欲は高く
高品質果生産に取り組んでいます。隔年結果に
よって収穫量に変動があり、販売価格に影響し
ます。
(7)栗
(4)クルクマ
新たな品種「ミニ」を導入、需要が拡大し生産
者が増加しています。産地間競争が激化する中
で新品種の導入や出荷時期の工夫等の努力がな
されています。
バラ団地(吉岡地区)
バラ温室の室内
22
水田転作作物として導入され、開園後2年目に
は収穫でき、軽作業性の果樹として普及しまし
た。市場単価が高く比較的安定しています。商
品化率は、気象条件などによって大きく左右さ
れます。
生産者の高齢化による作付面積の減少や老齢樹
の増加により出荷量は減少傾向にあり、管理作業
の労力負担が大きいため放任樹が増加傾向にあり
ます。また、近年イノシシによる被害が増加し、
生産に大きな影響を与えています。
2
目指す方向
(1)バラ
消費者ニーズに応え、他産地との差別化を図
ることができる新品種を導入します。養液管理
や栽培環境改善による高品質で安定的な生産と
鮮度保持方法の検討を進めます。
また、作業環境の改善を図り、情報発信機能
を高め、競争力のある産地づくりを進めます。
(4)クルクマ
天候に左右されやすく病気にかかりやすい難
点があります。しかし、市場に近い産地として
有利な販売展開が可能なことから、さらなる生
産面積の拡大による安定生産できる産地化を図
るとともに商品や産地PRを推進します。
市場で人気の高いクルクマ
バラ
(2)スイセン
消費者ニーズに合った品種導入・栽培技術の
確立を図ります。また、出荷情報の発信による
有利販売と、品質向上により信頼される産地作
りに努めます。
スイセン
(3)フリ−ジア
病害防除の徹底に努め、旧品種のPRと新品種
の導入を図ります。また、出荷情報の発信によ
り有利販売と品質向上により信頼される産地作
りに努めます。
(5)イチジク
着果率の向上、病害虫対策、簡易な雨よけ施
設による生産の安定化を図ります。また、イチ
ジク産地協議会による広域的な産地づくりを目
指します。
機能性が注目されるイチジク
(6)ウンシュウミカン
高品質果の連年安定生産を目指し栽培技術の
向上や省力化に向けた講習会の開催と、マルチ
被覆栽培の面積拡大を図ります。
(7)栗
品質と収量の向上を図り、安全・安心で、信
頼される産地づくりを目指します。
また、マーケティングにより需要の動向を把
握し、戦略的販売に取り組みます。
フリージア
23
第3章
3
資料/主要品目別生産振興方向
主要施策
(1)バラ
① 栽培技術の研さんにより、高品質バラ生産
に努めます。
② 消費者の動向を調査し、消費者ニーズに
合った新品種の導入やPR活動を行います。
③ 産地構造改革計画を策定し、他産地との差
別化を図ります。
(6)ウンシュウミカン
① 隔年結果を是正し、省力的な良質果実の安
定生産に努めます。
② 栽培研修会、資材共同購入によりマルチ被
覆栽培面積の拡大を図ります。
(2)スイセン
① 消費者ニーズに対応した品種の導入、栽培
技術の確立を図ります。
② 出荷予定数量や栽培状況等の産地情報を発
信し有利販売に努めます。
③ 定年就農者などの、新たな栽培農家の開拓
と栽培技術品質向上のための勉強会を開催
します。
(3)フリ−ジア
① 消費者ニーズに対応した品種の導入、栽培
技術の確立を図ります。
② 出荷予定数量や栽培状況等の産地情報を発
信し有利販売に努めます。
③ 定年就農者などの、新たな栽培農家の開拓
と栽培技術品質向上のための勉強会を開催
します。
(4)クルクマ
① 栽培実績が少なく、栽培技術に関する資
料、データが少ないため、情報収集に努
め、安定生産のための栽培技術を確立し、
茶や水稲との複合経営を推進します。
② 生産量の増加を推進すると共に、新しい販
路の開拓を進めます。
みかんの目揃え会
(7)栗
① 剪定、肥培管理の徹底により、品質と収量
の向上を図ります。
② 新規栽培者が安心して生産できる組織づく
りや管理作業を支援するグループづくりを
推進します。
③ 品種選抜による多収量品種の拡大と病害虫に
対抗できる生産体系と技術を確立します。
④ 市場と消費者の求める品種の選抜と改植を
進め、ブランド化を目指します。
クルクマの栽培の様子
(5)イチジク
① 高品質化生産、商品化率向上をめざした栽
培システムの導入と新たな販路開拓を推進
します。
② 園地整備による面積拡大、担い手への土地
集積を図ります。
③ 適期防除と適切管理の講習会を開催します。
24
栗の選果の様子
Ⅶ畜産
1
現状と課題
酪農、肉牛、豚、鶏卵を合わせた畜産関係の
年間産出額は49億6千万円
(平成17年)
であり、市
の作目別産出額で第2位となっています。
消費動向については、牛乳はスポーツドリン
ク・茶系飲料等の伸びにより低迷しています。
牛肉は国内初のBSE発生
(平成13年)
により大幅に
消費量が減少し、その後回復傾向にあったもの
の再び米国でのBSE発生(平成15年)の影響を受
け、平成13年以前の状態に回復しないまま推移
しています。豚肉は国内外のBSEや鳥インフルエ
ンザ発生に伴う牛肉・鶏肉の代替需要により増
加傾向にありましたが、平成16年度以降は横ば
いで推移しています。鶏肉・鶏卵は国内での鳥
インフルエンザ発生(平成16年)により減少しま
したが、その後回復し、概ね安定的に推移して
います。
生乳、肥育牛はともに大部分が農業協同組合
を通じて出荷され、流通面での組織化・合理化
は進んでいます。また、一部では自ら生産する
畜産物を加工販売する畜産農家もあり、多様化
する消費者ニーズに応え、地産地消に貢献して
います。
一方、規模拡大の傾向にある畜産経営は、周
辺地域の市街化・混住化による飼育環境の悪化
や、飼料価格の高騰による経営の圧迫等の課題
を抱えています。また、後継者不足等により各
畜種の飼養農家戸数は減少傾向にあります。
今後、畜産農家は
「食品安全基本法」
や
「飼料安
全法」
、
「家畜伝染病予防法」
、
「家畜排せつ物法」
等の各法律を遵守することにより、適正な家畜
管理や飼養環境を維持しながら、消費者が求め
る安全・安心な畜産物の生産に努めていく必要
があります。また、飼料自給率向上のため、耕
種農家との連携や耕作放棄地の活用による飼料
作物生産拡大も求められています。
飼養農家戸数と飼養頭羽数の推移
畜種
乳牛
肉用牛
豚
鶏
区
分
単位
平成11年
平成13年
平成15年
平成17年
飼養農家戸数
戸
41
40
38
36
飼養頭数
頭
1,752
1,782
1,714
1,609
飼養農家戸数
戸
23
23
19
14
飼養頭数
頭
1,293
1,411
1,524
1,479
飼養農家戸数
戸
14
12
9
8
飼養頭数
頭
8,894
6,252
7,557
6,596
飼養農家戸数
戸
15
15
14
9
飼養羽数
羽
1,511,168
1,369,183
1,371,335
1,342,199
(掛川市農林課調査)
「ジャージー牛」コクがあり各種成分が濃い牛乳が作られ、消費者に大変人気がある。
25
第3章
2
資料/主要品目別生産振興方向
目指す方向
(1)国際化の進展に対応し得る産業構造の確立
(2)自給飼料基盤に立脚した畜産経営の育成
(3)畜産物に係る安全・安心の確保
(4)家畜排せつ物の適正な管理と利用の促進
(5)家畜改良促進と新技術の開発・普及
(6)流通飼料の安定的な供給
(7)産地銘柄化の推進
(8)団地化の推進
3
主要施策
(1)国際化の進展に対応し得る産業構造の確立
今後予想される国際化の進展に対応し得る
産業構造を確立するため、企業的経営感覚を
持った認定農業者を育成し、さらに、この中
から地域を担う中核的な経営体を「ビジネス
経営体」
として育成します。
また、機械化、自動化による生産性の向
上、経営の改革を進めるとともに、加工分野
への展開等、畜産物の高付加価値化を図り、
マーケティング戦略に基づく経営の多角化に
より、強い畜産経営の確立を推進します。
掛川畜産まつりのトントンレース
(2)自給飼料基盤に立脚した畜産経営の育成
食料自給率の向上を目指すには、輸入飼料
への依存から抜け出し、自給飼料基盤を確立
することが必要です。
そのためには、耕種農家と畜産農家の連携強
化、水田での飼料作物の生産拡大、コントラク
ター
(飼料生産受託組織)
の育成、飼料作物生産
農家への農地集積と団地化の促進、耕作放棄地
や荒廃水田での小規模移動放牧の導入などを、
関係機関が一体となって推進します。
ホールクロップサイレージ
(3)畜産物に係る安全・安心の確保
「家畜伝染予防法」
で定められた
「飼養衛生管
理基準」
を遵守し、疾病の発生予防を図るとと
もに、各経営体でのHACCPの考え方を取り入
れた衛生管理ガイドライン設定を促進し、生
産履歴の記録や個体識別耳標の装着等のト
レーサビリティ・システムの適正な運用を推
進します。
安全・安心で美味しい掛川産牛肉
26
(4)家畜排せつ物の適正な管理と利用の
促進
「家畜排せつ物法」
や
「農業環境規範」
に基づ
き、家畜排せつ物は堆肥化し、農地・草地へ
の還元による資源循環を基本とし、堆肥舎等
の施設整備を推進します。
また、堆肥の成分分析や、地域の耕種農家
のニーズに適応した堆肥生産、コントラク
ター等を活用した堆肥利用等を促進するため
の耕畜連携を強化します。
さらに、資源循環型社会の実現に向け、バ
イオマスである家畜排泄物等によるメタン発
酵等を利用し、地域でのエネルギー利用の推
進を検討します。
(8)団地化の推進
近年、畜産経営現場周辺の市街化、混住化
が進み、周辺地域との調和が難しい状況とな
り、施設の規模拡大や近代化が困難な状況と
なっています。そのため、飼育環境改善と経
営規模拡大のため、飼育に適した地域への畜
産農家の誘致、移転による集積化・団地化を
推進し、畜産経営の安定化を図ります。
(5)家畜改良推進と新技術の開発・普及
家畜の改良は、高品質な畜産物の生産およ
び経営効率化の基礎であることから、
「牛群改
良増殖対策事業」
等の利用を図りながら、消費
者の多様なニーズを踏まえて推進します。
また、搾乳ロボットや哺乳ロボット、細断
型ロールベーラーなどの機械技術や、クロー
ン技術や雄雌産み分け技術などバイオテクノ
ロジー技術の利用を地域や経営体の実情に応
じて推進します。
共励会の審査の様子
(6)流通飼料の安定的な供給
生産コストの大きな部分を占める飼料費の
低減を図るため、トウフ粕などの未利用資源
を有効に活用し、地域内での資源循環に努め
ます。また、ホールクロップサイレージの生
産に努め、粗飼料からのエネルギーを増加さ
せ、飼料用穀物の節減を図ります。
掛川畜産まつり
(7)産地銘柄化の推進
生産から流通・販売までを一体的にとらえる
マーケティング戦略を強化し、栄養価、栽培方
法などの差別化による畜産物の高付加価値化を
図り、掛川牛・夢咲牛・掛川フレッシュポーク
等のブランド力の増強を図ります。
27
目指す営農モデル
Ⅰ 営農モデルの指標
□ビジネス経営体
1
2
3
4
経営が継承されていく永続的な経営体
雇用による労働力の確保
企業として一定以上の販売規模
(概ね5,000万円)を持ち、成長を志向
マーケティング戦略に基づくサービスや商品の提供
□認定農業者
1年間農業所得
1経営体(夫婦又は経営主+後継者の2人)
あたり概ね800万円
(地域における他産業従事者並の生涯所得)
2年間労働時間
主たる農業従事者1人あたり1,800〜2,000時間
1 茶業経営体
〔個別経営体〕
営農類型
経営規模
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
茶
〈作付面積等〉
[共同工場・
茶=350a
生葉売り]
[共同工場・生葉売り]
〈資本装備〉
・乗用型摘採機一式
・施肥機、深耕機
・防霜ファン
・堆肥置場105㎡
〈その他〉
・品種組合せによる合理化
・栽培技術の高位平準化による良質茶生産
・青色申告の実施
・休日制の導入
・気象、病害虫情報の
・農繁期の臨時雇用
活用
者の確保
・作業日誌の記帳
・作目の適正組み合わせ
茶
[自園自製]
[自園自製]
〈資本装備〉
・小型乗用摘採機一式
・施肥機、深耕機
・防霜ファン
・製茶工場
・製茶機械60k1ライン
・堆肥置場90㎡
〈その他〉
・品種組合せによる合理化
・特色ある茶の生産
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・気象、病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳
茶
十
イチゴ
28
〈作付面積等〉
茶=300a
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
茶=200a
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
イチゴ=20a
・歩行型管理機一式
〈経営面積〉
・防霜ファン又は散水方式一式
220a
・堆肥置場
・ビニールハウス2,OOO㎡
・高設栽培システム
・作業舎、予冷庫 他
〈その他〉
・茶は共同製茶工場参加
・苺苗はポット育苗
・大果性品種及び摘果による大果生産
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
・青色申告の実施
・休日制の導入
・経営と家計分離
・農繁期の臨時雇用
者の確保
・気象、病害虫情報の
活用
・市況情報の活用
・作業日誌の記帳
・作目の適正組み合わせ
の確立
営農類型
経営規模
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
茶
十
レタス
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
茶=200a
レタス=100a ・歩行型管理機一式
・防霜ファン
〈経営面積〉
・堆肥置場
300a
・トラクター(20ps)
・マルチャー(6ps)
・レタス半自動定植機(4条)
・レタス自動包装機(400個/時) 他
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・レタスは農協育苗センターを利用し調整
は自家自動包装機と5%は無包装コンテナ
を利用する
・青色申告の実施
・休日制の導入
・気象、病害虫情報の
・農繁期の臨時雇用
活用
者の確保
・ブランド化推進
・作業日誌の記帳
・作目の適正組み合わせ
の確立
茶
+
ミカン
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
茶=150a
ミカン=110a ・歩行型管理機一式
・防霜ファン又は散水方式一式
〈経営面積〉
・堆肥置場
260a
・スピードスプレイヤー
・運搬機
・大型貯蔵庫
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・園内道整備
・供選共販等による産地ブランドの徹底
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・気象・病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳
・ほ場管理システムの
確立
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
・青色申告の実施
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
茶
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
・複式簿記記帳
茶=150a
十
・歩行型管理機一式
・経営と家計分離
〈飼養頭数〉
養豚
・防霜ファン又は散水方式一式
・作業日誌の記帳
種雌豚=50頭
[一貫経営]
・豚舎320㎡ 堆肥処理舎108㎡
・飼料管理システムの
種雄豚=5頭
・ボブキャット、スクープ式堆肥発酵
確立
・豚衝器、スチームクリーナー
・パソコンによる計数
・ショベルローダー、ダンプカー
管理
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・種雌豚の経済寿命は3年6産、更新率30%。
種雄豚は種雌豚10頭に1頭
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
・青色申告の実施
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・作業日誌の記帳
・飼料管理システムの
確立
・パソコンによる計数
管理
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
茶
十
採卵鶏
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
茶=200a
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
〈飼養羽数〉
・歩行型管理機一式
採卵鶏=
・防霜ファン又は散水方式一式
10,000羽
・鶏舎1,000㎡
・堆肥処理舎
・ケージ自動化システム
・洗卵選別機
・ロードコンベア
・鶏糞堆肥攪拌搬送装置
・ショベルローダー、ダンプカー
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・若雌導入
・給餌、給水、集卵、出荷作業の自動化
29
第3章
資料/目指す営農モデル
営農類型
茶
十
肉牛
[肉専用種]
茶
十
酪農
[畑地型]
経営規模
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
茶=180a
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
〈飼養頭数〉
・歩行型管理機一式
肉専用種
・防霜ファン又は散水方式一式
=50頭
・畜舎400㎡
・堆肥処理舎90㎡、飼料庫180㎡
・ショベルローダー、ダンプカー 他
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・青色申告の実施
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・作業日誌の記帳
・飼料管理システムの
確立
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
・ヘルパ一の活用
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
茶=60a
・歩行型管理機一式
〈飼養頭数〉
・防霜ファン又は散水方式一式
経産牛=30頭
・牛舎(成牛350㎡、育成牛80㎡)
育成牛=15頭
・堆肥舎及び尿溜230㎡、飼料庫40㎡
草地面積
・自動離脱装置付き搾乳器具
=300a
・自動給餌装置
・飼料混合攪拌装置
・バルククーラー
・ダンプカー、ショベルローダー 他
〈その他〉
・茶は共同製茶工場
・飼料給与は混合飼料(TMR)給与
・夏作トウモロコシ、冬作イタリアンライグラス
・青色申告の実施
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・作業日誌の記帳
・飼料管理システムの
確立
・休日制の導入
・ヘルパ一の活用
〔組織経営体〕
営農類型
経営規模
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
茶
〈作付面積等〉 [荒茶製造]
〈資本装備〉
[荒茶製造・
茶=30ha
・乗用型摘採機一式
販売]
主たる構成員
・防霜ファン
10人
・製茶工場900㎡
・製茶機械120k2ライン
・茶仕上加工施設、冷蔵庫 他
〈その他〉
・独自の品種組合せによるブランド化
・加工方法の改善による高品質茶づくり
・複式簿記記帳
・青色申告の実施
・気象、病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳実施
・ほ場管理システムの
確立
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
茶
[生葉生産]
・複式簿記記帳
・青色申告の実施
・気象、病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳実施
・ほ場管理システムの
確立
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
30
〈作付面積等〉 [生葉生産]
茶=20ha
〈資本装備〉
主たる構成員
・乗用型摘採機一式
5人
・乗用型茶園管理機一式
・防霜ファン
・堆肥置場105㎡
〈その他〉
・独自の品種組合せによるブランド化
・栽培技術の高位平準化による良質茶生産
2 水田農業経営体
〔個別経営体〕
営農類型
経営規模
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
水稲
+
小麦
+
大豆
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
水稲=1,400a ・トラクター(60ps)
小麦=1,400a ・ロータリー(2.2m)
大豆=1,400a ・高速側条施肥田植機(8条)
〈経営面積〉
・グレインタンク自脱コンバイン(5条)
2,800a
・汎用型コンバイン(2m)
・循環型乾燥機(24石×3台、18石×1台)
・乗用防除機
・作業場、乾燥調整施設
・ドリルシーダー(8条) 他
〈その他〉
・水稲-小麦-大豆の2年1巡ブロック
ローテーション
・品種の組合せによる作期分散
・早期コシヒカリ栽培
・基肥一発肥料の使用
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・気象、病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳
・ほ場管理システムの
確立
・休日制の導入
水稲
十
茶
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
水稲=1,000a ・トラクター(50ps)
茶=100a
・高速側条施肥田植機(6条)
〈経営面積〉
・自脱コンバイン(4条)
1,100a
・可搬式摘採機、整枝機、せん枝機一式
・歩行型管理機一式
・防霜ファン又は散水方式一式
・堆肥置場
〈その他〉
・品種の組合せによる作期分散
・早期コシヒカリ栽培
・基肥一発肥料の使用
・茶は共同製茶工場参加
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・気象、病害虫情報の
活用
・作業日誌の記帳
・ほ場管理システムの
確立
・休日制の導入
・農繁期の臨時雇用
者の確保
〔組織経営体〕
営農類型
水稲
+
小麦
+
大豆
経営規模
生産方式
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・トラクター(60ps×2)
水稲=30ha
・ロータリー(2.2m×2)
小麦=20ha
・高速側条施肥田植機(8条×2)
大豆=20ha
・グレインタンク付き自脱コンバイン
〈経営面積〉
(5条×1)
50ha
・汎用型コンバイン(2m×1)
主たる構成員
・循環型乾燥機
3人
(35石×1台、25石×2台、18石×1台)
・作業場、乾燥調整施設
・ドリルシーダー(30ps×2)
・大豆ロータリーシーダー(8条×1)
・乗用防除機
〈その他〉
・水稲−小麦の2年一巡ブロックローテーション
・品種の組合せによる作期分散
・早期コシヒカリ栽培
・基肥一発肥料の使用
経営管理方法
農業従事の態様等
・複式簿記記帳
・給料制の導入
・青色申告の実施
・農繁期の臨時雇用
・気象、病害虫情報の
者の確保
活用
・ほ場の合理的交換利用
・品質管理システムの
確立
・責任分担明確化
31
第3章
資料/目指す営農モデル
3 施設園芸経営体
〔個別経営体〕
営農類型
経営規模
生産方式
温室メロン 〈作付面積等〉 〈資本整備〉
・フェンロー型温室1,950㎡
メロン=72a
(16a×4.5作) (育苗室等含む)
・温室環境制御システム一式
〈経営面積〉
・自動灌水装置
16a
・温風暖房機
・アルミベンチ、自動畝立て機
・炭酸ガス発生装置 他
〈その他〉
・ミツバチ交配
・年4.5作体系
経営管理方法
農業従事の態様等
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・市況情報の活用
・作業日誌の記帳
・休日制の導入
・収穫調整を中心に
した雇用者の確保
〈資本整備〉
・スリークォータ型温室1,700㎡
(育苗室等含む)
・温室環境制御システム一式
・温湯ボイラー、冷房機
・アルミベンチ、自動畝立て機
・炭酸ガス発生装置 他
〈その他〉
・ミツバチ交配
・夏の夜間冷房
・年4.5作体系
イチゴ
〈作付面積等〉
イチゴ=30a
〈資本装備〉
・ビニールハウス3,000㎡
・内部被覆装置、温風暖房機、収穫台車
・高設栽培システム、炭酸ガス施用機
・ポット・夜冷育苗施設
・予冷庫 他
〈その他〉
・3作型の組合せ
ポット夜冷育苗による11月上旬出し
ポット夜冷育苗による11月中旬出し
ポット夜冷育苗による11月下旬出し
・摘果による大果生産
・収穫期間拡大(6月中旬まで)
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・市況状況の活用
・作業日誌の記帳
・作目の適正組み合わ
せの確立
・休日制の導入
・収穫調整を中心に
した雇用者の確保
トマト
〈作付面積等〉
トマト=40a
〈資本装備〉
・ビニールハウス4,000㎡
・隔離床栽培システム一式
・内部被覆装置、温風暖房機 他
〈その他〉
・隔離床栽培による長段取り
・交配用ハチの利用
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・市況情報の活用
・作業日誌の記帳
・休日制の導入
・収穫調整を中心に
した雇用者の確保
〈資本装備〉
・ビニールハウス4,000㎡
・予冷庫 他
〈その他〉
・セル成型苗育苗
・夏期遮断資材の利用
・有機物投入による連作障害の回避
・雇用労働による調整作業の実施
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・契約販売の実施
・市況情報の活用
・作業日誌の記帳
・計画的生産出荷
・休日制の導入
・収穫調整に
年間雇用の確保
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・ビニールハウス8,000㎡
ハネギ
・灌水、換気装置
=296a
・皮剥き機
(80a×3.7作)
・予冷庫
〈経営面積〉
・堆肥舎 他
80a
〈その他〉
・有機物投入による連作障害の回避
・雇用労力による調整作業の実施
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・契約販売の実施
・市況情報の活用
・作業日誌の記帳
・計画的生産出荷
・休日制の導入
・収穫調整に
年間雇用の確保
チンゲンサイ 〈作付面積〉
チンゲンサイ
=280a
(40a×7作)
〈経営面積〉
40a
ハネギ
32
4 露地野菜経営体
〔個別経営体〕
営農類型
ニンジン
+
サトイモ
+
スイカ
経営規模
〈作付面積〉
ニンジン
=150a
サトイモ
=60a
スイカ
=60a
〈経営面積〉
270a
生産方式
〈資本装備〉
・トラクター(23ps)、動力噴霧器
・ニンジン収穫機・洗浄機・選別機 他
〈その他〉
・ほ場のローテーションによる連作障害回避
・ほ場の集積による作業効率向上
経営管理方法
農業従事の態様等
・省力化や分業化に
・青色申告の実施
よる労働ピークの
・気象、病害虫情報の
軽減
活用
・休日制の導入
・ブランド化推進
・作業日誌記帳
・作型の適正組合せの
確立
5 花卉経営体
〔個別経営体〕
営農類型
バラ
経営規模
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・硬質プラスチックハウス1,000㎡×6棟
バラ=60a
(ロックウール) ・養液栽培システム一式
・複合環境制御装置一式
〈経営面積〉
・暖房機
60a
・無人防除施設
・冷蔵庫 他
〈その他〉
・周年切り栽培(ロックウール)
カーネーション 〈作付面積等〉
カーネーション
スプレー系
=20a
1輪系
=20a
〈経営面積〉
40a
観葉植物
生産方式
〈資本装備〉
・ビニールハウス4,000㎡
・灌水施設
・暖房機
・管理機
・黄色蛍光灯 他
〈その他〉
・10月〜翌年6月出荷
経営管理方法
農業従事の態様等
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・ブランド化推進
・市況情報の活用
・流通管理システム
の確立
・休日制の導入
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・市場情報の活用
・流通管理システムの
確立
・休日制の導入
・収穫時期中心にし
た雇用者の確保
・年間雇用及び定植
〈作付面積等〉 〈資本装備〉
・複式簿記記帳
・鉄骨ハウス4,000㎡
作業を中心とした
観葉植物
・青色申告
・自動灌水装置
臨時雇用の確保
施設40a
・作業日誌記帳
・複合環境制御装置 他
露地10a
・種類別管理システムの ・省力化による
〈その他〉
労働ピークの軽減
〈経営面積〉
確立
・剪定、仕立て等による高付加価値商品の生産
・休日制の導入
50a
33
第3章
資料/目指す営農モデル
6 畜産経営体
〔個別経営体〕
営農類型
経営規模
生産方式
〈飼養頭数〉
〈資本装備〉
肉牛
・畜舎1,500㎡
[交雑種肥育] 交雑種肥育牛
=200頭
・自動給餌装置
(F1)
・堆肥舎733㎡、飼料庫700㎡
・ショベルローダ、ダンプカー 他
〈その他〉
・日増体量を1.1kg以上
〈資本装備〉
酪農
〈飼養頭数〉
[畑地型]
経産牛=50頭 ・成牛繋ぎ牛舎460㎡(牛乳処理室、分娩房、
育成牛=13頭
事務室、倉庫87㎡を含む、バーンクリーナー)
草地面積
・育成牛舎87㎡(カーフハッチ併用)
=400a
・堆肥舎600㎡、尿溜
・パイプラインミルカー
(40ストール、4ユニット自動離脱)
・バルククーラー(1,500リットル)
・飼料混合攪拌機
・自動給餌機
・トラクター30ps、マニュアルスプレダー
・フロントローダー、ダンプトラック2t
・ロータリー播種機等栽培機器一式
〈その他〉
・飼料の多回給与
・乾乳牛の別飼い管理
・生産子牛は肉用素牛まで仕上げる
・夏作デントコーン、
冬作イタリアンライグラス等
・利用形態はサイレージ
・ほ場用農機具は4戸共同
養豚
〈飼養頭数〉
[一貫経営] 種雌豚=
80頭
種雄豚=
8頭
育成豚=
24頭
肥育豚=
800頭
〈資本装備〉
・肥育豚舎1,584㎡ 母豚舎68㎡
分娩豚舎144㎡ 子豚舎40㎡
・堆肥処理舎216㎡
・堆肥発酵、浄化槽
・豚衡器、スチームクリーナー
・ショベルローダー、ダンプカー 他
〈その他〉
・種雌豚の経済寿命は3年6産、
更新率30%種雄豚は種雌豚10頭に1頭
・豚舎構造
分娩・子豚舎は高床式、肉豚舎はスノコ式
・除糞はスクレーパー処理
・糞は堆肥舎、尿は浄化槽で処理
〈資本装備〉
ブロイラー 〈飼養羽数〉
・自動換気ウィンドゥレス鶏舎3,250㎡
年間出荷羽数
・自動管理・温水給温システム
22.5万羽
・細霧システム、飲料投薬機
(常時飼養
羽数7.5万羽) ・高温高圧洗浄機、ワクチンスプレー
・ショベルローダー、ダンプカー
・自家発電機、警報システム
〈その他〉
・8週齢時出荷
6週齢時:中抜き出荷20%
・年間鶏舎利用回数4回
・育成率98% 飼料要求率1.9%
・2農場、農場内オールアウト飼育方式
・衛生対策(鶏病予防ワクチン、細菌自主検査)
34
経営管理方法
農業従事の態様等
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・作業日誌の記帳
・飼料管理システムの
確立
・休日制の導入
・ヘルパー活用
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・作業日誌の記帳
・飼料管理システムの
確立
・休日制の導入
・ヘルパー活用
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・作業日誌記帳
・飼料管理システムの
確立
・パソコンによる
計数管理
・休日制の導入
・複式簿記記帳
・経営と家計分離
・青色申告の実施
・作業日誌記帳
・飼料管理システムの
確立
・パソコンによる
計数管理
・休日制の導入
・出荷作業に
臨時雇用の確保
〔組織経営体〕
営農類型
養鶏
[採卵鶏]
経営規模
〈飼養羽数〉
採卵鶏=
20万羽
養豚
〈飼養頭数〉
[一貫経営]
種雌豚=
320頭
種雄豚=
32頭
生産方式
経営管理方法
農業従事の態様等
〈資本装備〉
・鶏舎3,500㎡
・堆肥処理舎600㎡
・ケージ自動化システム
・ファーム・リ・パッカー用
・ロッドコンベア
・鶏糞堆肥攪拌搬送装置
・ショベルローダー、ダンプカー
〈その他〉
・若雌導入
・給餌、給水、集卵、出荷作業の自動化
・高床式階下鶏糞処理にショベルローダー
利用
・青色申告の実施
・複式簿記記帳
・作業日誌の実施
・パソコンによる
計数管理
・飼料管理システムの
確立
・給料制の導入
〈資本装備〉
・豚舎2,050㎡
・堆肥処理舎1,340㎡
・スクープ式堆肥発酵
・豚衝器、スチームクリーナー
・ショベルローダー、ダンプカー
〈その他〉
・種雌豚の経済寿命は3年6産、
更新率30%。種雄豚は種雌豚10頭に1頭
・豚舎構造
分娩・子豚舎は高床式、肉豚舎はスノコ式
・給餌器はウエットフィーダー
・豚舎からの除糞はスクレーパー処理
・糞尿はスクープ式攪拌で発酵処理
・青色申告の実施
・複式簿記記帳
・作業日誌の記帳
・パソコンによる
計数管理
・飼料管理システムの
確立
・給料制の導入
35
第3章
資料/目指す営農モデル
Ⅱ 営農類型別の育成目標 (平成28年度目標)
区
分
大
分
類
番
号
経営面積
(ha、頭、羽)
営農類型
B
A×B
3.5
3.5
226
791.0
2 茶(自園自製)
3.0
3.0
57
171.0
稲
3 水稲+小麦+大豆
14.0+14.0+14.0
14.0
25
350.0
果
4 茶(共同)+ミカン
1.5+1.1
2.6
5
13.0
5 温室メロン
0.16
0.2
74
11.8
6 トマト
0.4
0.4
28
11.2
7 イチゴ
0.3
0.3
26
7.8
8 チンゲンサイ
0.4
0.4
5
2.0
9 ハネギ
0.8
0.8
5
4.0
1.5
20
30.0
施野
露野 10 ニンジン+サトイモ+スイカ 1.5+0.6+0.6
11 バラ
0.6
0.6
10
6.0
12 観葉植物
0.5
0.5
5
2.5
13 カーネーション
0.4
0.4
7
2.8
酪
14 酪農(畑地型)
経産50+育成13+4.0草地
4.0
19
76.0
肥
15 肉牛(交雑種肥育牛)
200
-
6
-
豚
16 養豚(一貫経営)
種雌豚80+種雄豚8+育成豚24+肥育豚800
-
4
-
225,000
-
1
-
18 水稲+茶
10.0+1.0
11.0
22
242.0
19 茶+イチゴ
2.0+0.2
2.2
37
81.4
20 茶+レタス
2.0+1.0
3.0
5
15.0
1.5+種雌豚50+種雄豚5
1.5
1
1.5
22 茶+採卵鶏
2.0+10,000
2.0
1
2.0
23 茶+肉牛(肉専用種)
1.8+50
1.8
3
5.4
24 茶+酪農(畑地型)
0.6+経産30+育成15+3.0草地
3.6
6
21.6
25 その他(個人)
1.5
1.5
40
60.0
花
ブロ 17 養鶏(ブロイラー)
複合 21 茶+養豚
他
1 茶(荒茶製造・販売)
30.0
30.0
2
60.0
2 茶(生葉生産)
20.0
20.0
3
60.0
稲
3 水稲+小麦+大豆
30.0+20.0+20.0
30.0
8
240.0
豚
4 養豚(一貫経営)
種雌豚320+種雄豚32
-
2
-
卵
5 養鶏(採卵鶏)
200,000
-
1
-
他
6 その他(法人)
3.0
3.0
3
9.0
茶
組
織
経
営
体
A
1 茶(共同工場・生葉売り)
茶
個
人
経
営
体
換算面積 育成目標数 必要面積
(ha)
(経営体)
(ha)
合
計
657
2,277.0
必要面積(①)
2,277.0ha
平成16年度末の農用地面積(②)
5,264.0ha
効率的かつ安定的な農業経営体への農地集積率(①÷②×100)
43.3%
36
掛川市農業の現状データ
Ⅰ 農業生産
1 農業産出額
農業産出額は1990年
(平成2年)
から減少傾向で
あり、特にメロン・米の減少が著しくなってい
ます。また、畜産も産出額の変動が大きい品目
です。その他の農作物は、若干の増減はありま
すが減少傾向で推移しています。
2005年
(平成17年)
の農業総産出額の合計は217
億円で、最も多い品目は茶で、次いで鶏卵と
なっており、上位2位までの品目で54.7%を占め
ています。
地域別農業産出額上位の農産物をみると、茶
が上位を占めていますが大須賀地域では鶏卵が1
位となっています。その他品目では米・メロ
ン・イチゴなどが上位を占めています。
農業産出額の推移
(単位:百万円)
1985年(S60)
茶
鶏
1990年(H2)
7,812
卵
1995年(H7)
9,226
2000年(H12) 2005年(H17)
9,314
9,640
8,550
2,166
3,682
3,311
3,500
3,320
米
3,346
2,599
2,998
2,240
1,980
イチゴ
1,413
1,255
1,303
2,120
1,550
メロン
2,803
4,570
2,447
1,590
1,480
乳
917
903
874
890
790
肉用牛
482
433
193
242
470
トマト
361
535
468
500
630
豚
985
666
434
360
380
189
283
286
270
270
ニンジン
110
321
296
230
190
サトイモ
86
264
294
240
120
牛
バ
ラ
サツマイモ
326
275
229
160
150
レタス
67
76
59
60
60
その他
2,849
2,542
2,519
2,408
1,760
23,912
27,630
25,025
24,450
21,700
計
資料:静岡農林水産統計年報
地域別農業産出額上位5位までの農作物
地
域
掛
大
1位
(単位:百万円)
2位
3位
農産物
産出額
農産物
産出額
農産物
川
茶
7,020
米
1,270
東
茶
1,330
メロン
鶏卵
2,260
茶
大須賀
4位
5位
産出額
農産物
産出額
農産物
産出額
鶏卵
760
イチゴ
720
生乳
490
670
米
620
トマト
530
イチゴ
490
880
メロン
530
イチゴ
300
米
250
資料:2004静岡農林水産統計年報
37
第3章
資料/掛川市農業の現状データ
Ⅱ 農家
1 農家数
総農家数は減少傾向にあり、2000年(平成12
年)と2005年(平成17年)を比較すると317戸(6.6
%)減少しています。このうち、販売農家数は
2,986戸、自給的農家数は1,465戸で、5年間で販
売農家数は638戸
(17.6%)
減少し、自給的農家数
は321戸
(28.0%)
増加しています。
2005年(平成17年)の農家別の構成比をみる
と、販売農家が67.0%(2,986戸)、自給的農家が
32.9%(1,465戸)となっており、販売農家が大部
分を占めていますが、傾向としては販売農家が
減少し、自給的農家が増加しています。
このような数値の変動は、農業従事者の高齢
化や後継者不足によるものと思われます。
農家数の推移
8000
7,866
7000
総農家数
(単位:戸)
7,465
6,992
6,300
6000
6,041
5,333
5000
販売農家数
4,768
4,764
4,451
4,165
4000
3,624
2,986
3000
2000
自給的農家数
1000
1,277
1,465
1,168
1,144
692
0
1975年
1980年
1985年
1990年
1995年
2000年
2005年
(昭和50年)(昭和55年)(昭和60年)(平成2年) (平成7年)(平成12年)
(平成17年)
資料:農林業センサス
注)・農家とは、経営耕地面積が10a以上又は10a未満でも農産物販売金額が15万円以上の世帯をいう。
・自給的農家とは、経営耕地面積が30a未満かつ農産物販売金額が50万円未満の農家をいう。
・販売農家とは、経営耕地面積が30a以上又は農産物販売金額が50万円以上の農家をいう。
地域別農家数
地
域
(単位:戸)
総農家数
販売農家数
自給的農家数
掛 川
2,837
1,903
934
大 東
1,175
787
388
大須賀
439
296
143
4,451
2,986
1,465
計
資料:2005農林業センサス
38
2 専兼別農家数
専兼別農家数を2000年
(平成12年)
と2005年(平
成17年)で比較すると、専業農家が4戸
(0.7%)
増
加、第1種兼業農家が73戸
(7.2%)
減少、第2種兼
業農家が248戸
(7.8%)
減少しています。減少割合
は第2種兼業農家が最も高く、農家数の減少のほ
とんどを第2種兼業農家が占めています。
2005年(平成17年)の専兼別の構成比をみる
と、専業農家が12.6%
(561戸)
、第1種兼業農家が
21.2%
(944戸)
、第2種兼業農家が66.2%
(2,946戸)
となっており、第2種兼業農家が大部分を占めて
います。
専兼別農家数の推移
(単位:戸)
5000
4,843
4,694
4,224
4,325
4000
第2種兼業農家数
3,442
3,194
2,946
3000
2,662
第1種兼業農家数
1,894
2000
1,444
879
1000
877
705
1,183
1,245
634
646
専業農家数
1,017
944
557
561
0
1975年
1980年
1985年
1990年
1995年
2000年
2005年
(昭和50年)(昭和55年)(昭和60年)(平成2年) (平成7年)(平成12年)
(平成17年)
資料:農林業センサス
注)・専業農家とは、世帯員の中に兼業従事者が一人もいない農家をいう。
・兼業農家とは、世帯員の中に兼業従事者が一人以上いる農家をいう。
・第1種兼業農家とは、農業所得を主とする兼業農家をいう。
・第2種兼業農家とは、農業所得を従とする兼業農家をいう。
地域別専兼別農家数
地
域
(単位:戸)
専業農家数
第1種兼業農家数
第2種兼業農家数
掛
川
357
585
1,895
大
東
139
236
800
大須賀
65
123
251
561
944
2,946
計
注)
・第2種兼業農家数には自給的農家数を含む。
資料:2005農林業センサス
39
第3章
資料/掛川市農業の現状データ
3 農家人口
農家人口は減少傾向にあります。2000年
(平成
12年)
と2005年
(平成17年)
を比較すると、3,048人
(12.8%)
減少しており、男女ともに同様の減少傾
向を示しています。
地域別に2005年(平成17年)の農家人口を比較
すると、掛川地域が12,962人
(62.7%)
、大東地域
が5,616人(27.1%)、大須賀地域が2,110人(10.2
%)
、となっています。
また、
2005年
(平成17年)
の男女別の構成比をみ
ると、
男性が49.5%
(10,238人)
、
女性が50.5%
(10,450
人)
であり、
僅かに女性が多くなっています。
農家人口の推移
(単位:人)
40,000
35,987
農家人口
35,000
31,402
30,000
27,011
23,736
25,000
20,000
18,349
15,000
17,638
20,688
女
15,982
男
15,420
13,789
12,012
10,450
13,222
10,000
11,724
10,238
5,000
0
1985年
(昭和60年)
1990年
(平成2年)
1995年
(平成7年)
2000年
(平成12年)
2005年
(平成17年)
資料:農林業センサス
注)
・2005年(平成17年)は販売農家の人口である。
地域別農家人口
地
域
(単位:人)
農家人口
男
女
掛
川
12,962
6,427
6,535
大
東
5,616
2,755
2,861
大須賀
2,110
1,056
1,054
20,688
10,238
10,450
計
注)
・農家人口とは就業の状況には関係なく農家を構成する世帯員の総数をいう。
40
資料:2005農林業センサス
4 農業従事者数
ています。
2005年(平成17年)の年齢階層別の構成比をみ
ると、15〜29歳が5.3%
(455人)
(男性3.5%、女性
1.8%)、30歳〜59歳が38.8%(3,289人)
(男性22.1
%、女性16.7%)
、60〜64歳が9.5%
(807人)
(男性
4.3%、女性5.2%)、65歳以上が46.4%(3,936人)
(男性23.0%、女性23.4%)
となっており、60歳以
上が全体の55.9%を占めています。また、60歳未
満の年齢階層では男性の占める割合が高く、逆
に60歳以上の年齢階層では女性の占める割合が
僅かに高くなっています。
農業従事者数(販売農家の数値)は減少傾向に
あり、2000年(平成12年)と2005年(平成17年)で
比較すると、2,241人(20.9%)減少しており、男
性が1,143人(20.3%)、女性が1,098人(21.6%)減
少しています。
年齢別にみると、60〜64歳の階級が372人
(31.6
%)
減少し減少割合が最も高く、次いで30〜59歳
の階級が1,316人(28.6%)減少、15〜29歳の階級
が125人
(21.6%)
減少と男女ともに著しく減少し
ています。65歳以上は、男女ともに1995年
(平成
7年)
までは増加傾向にありましたが、2000年
(平
成12年)
は減少に転じ428人
(9.8%)
の減少となっ
農業従事者数の推移
(単位:人)
男
年 次
総計
小計
女
15〜
30〜
60〜
65歳
29歳
59歳
64歳
以上
小計
15〜
30〜
60〜
65歳
29歳
59歳
64歳
以上
1985年
18,234
(昭和60年)
9,224
673
5,558
1,070
1,923
9,010
466
5,569
1,103
1,872
1990年
16,424
(平成2年)
8,438
424
4,623
1,238
2,153
7,986
293
4,257
1,324
2,112
1995年
14,203
(平成7年)
7,457
323
3,613
971
2,550
6,746
186
3,123
984
2,453
2000年
10,728
(平成12年)
5,639
399
2,501
541
2,198
5,089
181
2,104
638
2,166
2005年
8,487
(平成17年)
4,496
301
1,874
365
1,956
3,991
154
1,415
442
1,980
資料:農林業センサス
注)
・2000年(平成12年)以降は販売農家の農業従事者数である。
・平成7年以前は16〜59歳
地域別農業従事者数(販売農家)
(単位:人)
掛 川
男
女
15〜
30〜
60〜
15〜
30〜
60〜
65歳
65歳
小計
小計
29歳
59歳
64歳
29歳
59歳
64歳
以上
以上
5,387 2,869
206 1,186
234 1,243 2,518
110
883
283 1,242
大 東
2,237 1,174
地 域
大須賀
計
総計
863
453
8,487 4,496
62
492
110
33
196
21
301 1,874
510 1,063
29
388
120
526
203
15
144
39
212
410
365 1,956 3,991
154 1,415
注)
・農業従事者とは、満15歳以上の世帯員のうち、調査期日前1年間に農業に従事した者をいう。
442 1,980
資料:2005農林業センサス
41
第3章
資料/掛川市農業の現状データ
5 認定農家数
認定農業者数は522経営体、内法人は17経営体となっており、近年は横ばい状態です。
認定農業者の状況
(単位:経営体)
平成18年3月31日現在
地 域
個人
法人
掛 川
323
4
大 東
114
11
大須賀
68
2
505
17
計
注)
・認定農業者とは農業経営基盤強化促進法に基づき、
農業者が作成した経営改善計画が市町村長に認定
された農業者をいう。
資料:掛川市農林課
6 品目別農業経営体数
品目別では、茶、水稲の順で経営体数が多く、本市農業の特徴が現れています。市農業経営体数全体
(3,040経営体)
に占める割合は、茶が64.4%、水稲が49.2%となっています。
地域別では、掛川地域は市全体の傾向と同様ですが、大東・大須賀地域はイチゴ、メロン、サトイモ
の経営体が多く、南部地域の特徴が見られます。
品目別農業経営体数の状況
品
目
(単位:経営体)
掛川地域
大東地域
大須賀地域
掛川市計
茶
1,451
385
122
1,958
水稲
1,072
334
90
1,496
小麦
0
8
15
23
大豆
99
39
18
156
イチゴ(施設+露地)
98
109
53
260
メロン(施設+露地)
30
110
48
188
トマト(施設+露地)
49
89
16
154
ニンジン
29
93
7
129
サツマイモ
39
115
56
210
サトイモ
67
152
47
266
レタス
30
13
3
46
ウンシュウミカン(施設+露地)
11
25
25
61
花卉・花木(施設+露地)
55
84
7
146
乳用牛※
22
7
7
36
肉牛※
10
2
2
14
豚※
6
0
2
8
採卵鶏※
3
3
3
9
(資料:2005農林業センサス及び農林課調査)
注)
・農業経営体とは農林産物の生産を行なっている者で、農業の外形基準として経営耕地面積が30a以上又は農産物販売金額が
50万円相当規模以上の作付面積、栽培面積、飼養頭羽数を満たしている者をいう。
・※は農林課調査による
42
Ⅲ 農地
1 経営耕地面積
(1)経営耕地面積(農業経営体)
減少しており、田の減少割合が最も高くなって
います。
2005年(平成17 年)の地目別の構成比をみる
と、田が42.7%
(1,642ha)
、畑が11.3%
(436ha)
、
樹園地が46.0%
(1,771ha)
となっています。
経営耕地面積は減少傾向にあり、1985年
(昭和
55年)と2005年(平成17年)を比較すると1,152ha
(23.0%)
減少しています。田の減少面積が764ha
で最も多くなっていますが、減少率からみても
田が31.8%、畑が30.9%、樹園地が9.8%それぞれ
経営耕地面積の推移
(単位:ha)
6,000
5,001
5,000
計
4,852
4,618
4,290
4,000
3,900
3,849
1,847
1,771
3,000
2,406
田
2,149
2,000
1,964
2,128
樹園地
2,091
2,012
1,971
1,739
1,525
畑
1,000
631
0
1,642
575
1980年
1985年
(昭和55年) (昭和60年)
556
1990年
(平成2年)
539
1995年
(平成7年)
528
436
2000年
2005年
(平成12年) (平成17年)
資料:農林業センサス
注)
・2005年(平成17年)数値については農業生産法人の経営耕地面積を含む。
・経営耕地面積=所有耕地−貸付耕地−耕作放棄地+借入耕地
地域別経営耕地面積(2005年)
(単位:a)
掛川地域
大東地域
大須賀地域
掛川市計
232,321
97,622
54,924
384,867
資料:2005 農林業センサス
43
第3章
資料/掛川市農業の現状データ
(2)戸当たり経営耕地面積
戸当たり経営耕地面積は、増加傾向で推移し
ています。1980年(昭和55年)と2005年(平成17
年)
を比較すると15.0a
(22.4%)
増加しています。
地域別でみると、戸当たり経営耕地面積が最も
多いのは大須賀地域で106.4a、次いで掛川地域が
85.7a、大東地域が63.9aの順となっています。
戸当たり経営耕地面積の推移
(単位:a)
100
90
80.4
81.8
82.0
80
76.4
70
69.3
67.0
60
0
1980年
1985年
(昭和55年) (昭和60年)
1990年
(平成2年)
1995年
(平成7年)
2000年
2005年
(平成12年) (平成17年)
資料:農林業センサス
注)・戸当たり経営耕地面積=総農家の経営耕地面積÷総農家数
地域別戸当たり経営耕地面積(2005年)
(単位:a)
掛川地域
大東地域
大須賀地域
掛川市平均
85.7
63.9
106.4
82.0
資料:2005 農林業センサス
44
2 作目別作付面積
特に減少の著しい作目は、いも類が69.2%、豆
類が63.5%減少しています。最も減少が少ない作
目は、茶園がほとんどを占める工芸農作物で、
7.9%の減少となっています。
作付面積は減少傾向にあり、1985年(昭和60
年)と2005年(平成17年)を比較すると1,548ha
(23.0%)
減少しています。
作目別作付面積の推移
作
(単位:ha)
1985年
(昭和60年)
目
稲
1990年
(平成2年)
1995年
(平成7年)
2000年
(平成12年)
2005年
(平成17年)
2,180
1,910
2,004
1,730
1,620
71
117
72
164
164
224
196
104
79
69
雑穀
1
0
0
1
0
豆類
189
183
80
108
69
果樹
293
173
140
140
141
野菜
647
558
599
550
455
工芸農作物
2,650
2,709
2,563
2,514
2,440
飼肥料作物
376
359
175
155
133
その他作物
77
65
75
72
69
6,708
6,270
5,812
5,513
5,160
麦類
いも類
計
資料:静岡農林水産統計年報
3 耕作放棄地(総農家)
(平成7年)と2005年(平成17年)を比較してみる
と、掛川地域は1,645a(9.4%)の減少、大東地域
が3,264a(38.8%)の増加、大須賀地域が379a(9.3
%)
の増加となっています。
耕作放棄地面積は増加傾向にあり、1995年
(平成7年)と2005年(平成17年)を比較すると
1,998a(6.7%)
増加しています。
また、地域別の耕作放棄地について1995年
地域別耕作放棄地面積の推移
地
域
(単位:a)
1995年(平成7年) 2000年(平成12年) 2005年(平成17年)
掛 川
17,466
18,608
15,821
大 東
8,403
9,008
11,667
大須賀
4,089
4,133
4,468
29,958
31,749
31,956
計
資料:2005農林業センサス
4 農地転用
農地転用件数はほぼ横ばいですが、面積は減
少傾向にあります。しかし近年、景気の回復に
伴い増加傾向がみられます。
農地転用の推移
平成18年3月31日現在
2002(平成14年)
2003(平成15年)
2004(平成16年)
2005(平成17年)
転用件数(件)
380
370
288
327
面積(ha)
31.
1
26.
5
22.
4
19.
2
資料:掛川市農林課
45
第3章
資料/策定の経過
策定の経過
年 月 日
会議等名称
内
容
平成18年 6月 8日
第1回ワーキング会議
推進体制・ビジョン骨格案の検討
平成18年 8月 2日
第1回掛川市農業振興ビジョン策定委員会
第1回掛川市農業振興ビジョン検討委員会
推進体制・ビジョン骨格案の検討
平成18年 9月11日
第2回ワーキング会議
ビジョン素案の検討
平成18年 9月12日
第3回ワーキング会議
ビジョン素案の検討
平成18年 9月20日
農業者との意見交換
品目別振興方向について
平成18年 9月26日
第2回掛川市農業振興ビジョン検討委員会
ビジョン素案の検討
平成18年10月12日
第2回掛川市農業振興ビジョン策定委員会
ビジョン素案の検討
平成18年10月31日
農業者との意見交換
ビジョン素案の検討
平成18年11月30日
農業者との意見交換
品目別振興方向・地域別振興
方向について
平成18年12月19日
第4回ワーキング会議
ビジョン案の検討
平成19年 1月25日
第3回掛川市農業振興ビジョン検討委員会
ビジョン案の検討
平成19年 1月26日
農業者との意見交換
品目別振興方向・地域別振興
方向について
平成19年 2月 8日
第5回ワーキング会議
ビジョン案の検討
平成19年 2月16日
第3回掛川市農業振興ビジョン策定委員会
ビジョン案の検討
平成19年 3月 9日
第6回ワーキング会議
ビジョン案の検討
平成19年 3月15日
第4回掛川市農業振興ビジョン検討委員会
第4回掛川市農業振興ビジョン策定委員会
ビジョン最終案の検討
46
第3章
資料/関係者名簿
関係者名簿
(平成19年3月現在)
策定委員会委員
職
氏
名
役
委員長
八
木
修
掛川市経済建設部長
副委員長
萩
原
治
掛川市農業委員会会長
職
委員
内 藤
澄 夫
掛川市議会議員(経済建設委員会委員長)
委員
高 塚
昌 彦
掛川市議会議員(経済建設委員会副委員長)
委員
山 本
義 雄
掛川市議会議員(経済建設委員会委員)
委員
齋 藤
恒 雄
中遠農林事務所農業振興部長
委員
遠 山
勝 悦
掛川市農業協同組合専務理事
委員
河 原 崎 友 二
遠州夢咲農業協同組合営農部長
委員
土
屋
巖
掛川市農業委員会副会長
委員
水
野
薫
静岡県農業経営士(市議会議員)
委員
八 木
宏 之
静岡県農業経営士(市議会議員)
委員
龍 崎
克 範
静岡県農業経営士
委員
名 倉
光 子
静岡県農業経営士(農業委員)
委員
渥 美
広 子
女性農業者(農業委員)
委員
平 井
順 策
掛川市農業振興会会長
委員
波 多 野 初 枝
掛川市消費者協会会長
委員
伊 藤
義 晴
掛川市食品衛生協会会長
委員
中 山
礼 行
掛川市総務部長
委員
西 尾
繁 昭
掛川市企画調整部長
委員
溝 口
邦 男
掛川市経済建設部次長
47
第3章
資料/関係者名簿
検討委員会委員
氏
小
片
矢
近
佐
高
深
岡
寺
村
浦
石
伊
深
林
鈴
松
佐
大
鈴
名
林
井
部
藤
藤
柳
川
本
田
田
野
山
藤
谷
木
本
野
石
木
役
純
祐
光
心
好
一
介
良
美
延
泉
春
英
志
信
守
久
明
彦
範
之
馬
芳
志
裕
喜
善
雅
雅
正
雅
高
富
和
利
一
孝
哲
中遠農林事務所
中遠農林事務所
掛川市農業協同組合
掛川市農業協同組合
遠州夢咲農業協同組合
掛川市総務課
掛川市企画調整課
掛川市地域振興課
掛川市福祉課
掛川市高齢者支援課
掛川市環境保全課
掛川市商工観光課
掛川市学校総務課
掛川市保健予防課
掛川市下水整備課
掛川市農地整備課
掛川市農林課
掛川市農業委員会
掛川市役所大東支所
掛川市役所大須賀支所
職
茶業農産課長
茶業農産課技師
営農課長
茶指導課長
営農企画課長
財政係長
課長補佐
主幹兼まちづくり係長
障害者福祉係長
主幹兼高齢者政策係長
環境企画係長
観光係長
主幹兼学校給食係長
課長補佐
管理係長
課長補佐兼事業調整係長
課長補佐兼農産振興係長
農業委員会係長
農産建設室長
農産建設室長
事務局:掛川市農林課
役
氏
職
課長
課長補佐
係長
主査
主任
副主任
大
松
榛
二
平
松
石
本
葉
村
野
下
名
武
一
貴
浩
智
佳
夫
馬
昭
幸
久
織
ワーキンググループ
氏
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
48
アドバイザー
名
松 本 一
榛 葉 貴
鈴
木
二 村 浩
平 野 智
松 下 佳
赤 堀 純
田 林 大
大 久 保 敦
森 田 教
二 村 雅
榛
村
溝
口
佐 野 孝
所
馬
昭
勉
幸
久
織
久
介
史
子
樹
晋
勇
芳
属
掛川市農林課
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
掛川市農地整備課
〃
掛川市農業委員会
静岡県中遠農林事務所
掛川市農業協同組合
遠州夢咲農業協同組合
静岡県西部農業共済組合
浜名酪農業協同組合小笠支所
静岡県農業経営士会
掛川市農業振興会
第3章
資料/用語解説
用語解説
「A〜Z」
「あ行」
BSE
アグリビジネス
Bovine Spongiform Encephalopathyの略
牛海綿状脳症のこと。牛の中枢神経系に海綿状変化がで
きる疾病で、異常行動や過敏症、歩様異常などの神経症状
を呈することもある。1986年に英国で初めて発生が確認さ
れた。
ECセンサー
(茶)
EC
(Electric Conductivity)とは、電気伝導度のことであ
り土壌中にある様々な物質のイオン濃度の総量である。窒
素等の肥料成分はイオン状態で存在しているために、EC
センサーにより地中の肥料濃度を推測することが出来る。
このセンサーを利用して適切な時期に施肥を行い、環境保
全型農業の推進を図る。
GAP
Good Aguricultural Practiceの略
適正農業規範の略で、安全な農産物を生産するために、
農作業ごとに、適切な管理基準を作成し、その実践方法を
示したもの。
HACCP
Hazard Analysisand Critical Control Pointの略
食品の衛生・品質管理の一手法であり、原料の採取段階
から製造・流通・販売される間の各段階で想定される危害
をあらかじめ分析し、これを予防又は軽減させることで製
品の安全性を確保しようとするもの。
IT
Information Technology
(情報技術)の略
コンピュータやデータ通信に関する技術を総称的に表す語。
JAS法
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の
こと。
法に基づいて、農林物資の①品質の改善、②生産の合理
化、③取引の単純公正化及び④使用又は消費の合理化を図
るため、農林水産大臣が制定した日本農林規格(JAS規格)
による検査に合格した製品にJASマークをつけることを認
める「JAS規格制度」
と、一般消費者の選択に資するために
農林水産大臣が制定した品質表示基準に従った表示をすべ
ての製造業者又は販売業者に義務付ける
「品質表示基準制
度」の2つからなり、これら2つの制度によって、公共の福
祉の増進に寄与することを目的としている。
UJIターン
人の社会移動を出身地を基点として表したもの。地方の
出身者が大都市圏に出てから出身地に戻ることをUター
ン、出身地そのものではなく、その途上の地方等に移り住
むことをJターン、大都市圏等の出身者が地方に移り住む
ことをIターンという。
農産物加工販売や農家レストラン、観光農園等、農林水
産業が生産分野だけでなく加工・流通・情報・交流分野に
積極的に進出して企業化すること。
浅型攪拌乾燥処理機
家畜糞尿を太陽熱と風を利用して急速に乾燥し、良質な
堆肥を製造する機械。タイヤによる四輪駆動でハウス内を
往復する攪拌装置により、堆肥を一方方向に攪拌移動させ
ながら乾燥、発酵を行う。
インショップ方式
百貨店やスーパーマーケットなどの量販店の中に専門店
として出店する販売方式のこと。「ショップ・イン・
ショップ」の省略形。
エコファーマー
たい肥等による土づくりを基本として、化学肥料、化学
農薬の使用量を低減するための生産方式
(持続性の高い農
業生産方式)
を自分の農業経営に導入する計画を立て、県
知事に申請し、認定された農業者の愛称。
エネルギー作物
食用として栽培するのではなく、エネルギー利用を目的
として栽培される作物のこと。代表的なものはトウモロコ
シ、サトウキビ、ナタネ等であり、バイオエタノールやバ
イオディーゼル燃料の原料となる。
石油・石炭・天然ガス等の化石燃料は、燃焼時に二酸化
炭素を排出するが、植物の光合成が基となるエネルギー作
物から作られる燃料は、地上の二酸化炭素絶対量を増加さ
せないため
(カーボンニュートラル)
、地球温暖化を防ぐこ
とができるとされる。
黄化葉巻病
(トマト)
Tomato yellow leaf curl virus
(TYLCV)
を病原体とするウ
イルス病で、タバココナジラミ類によって媒介される。
発病初期は、新葉が葉縁から退緑しながら葉巻症状とな
り、後に葉脈間が黄化し縮葉となる。病勢が進行すると、
頂部が叢生し株全体が萎縮する。感染を防ぐ重要なポイン
トは、ウイルスを媒介するタバココナジラミ類をきちんと
防除することである。
「か行」
掛川市担い手育成協議会
平成17年度に発足した行政・農業団体・農業者を構成員
とする組織。担い手の不足が進行する中、認定農業者の認
定審査や、経営改善指導等を行い、経営管理能力に優れた
強い担い手の育成を目的とする。
49
第3章
資料/用語解説
掛川市農業活性化やる気塾
近年、地域農業が様々な課題を抱える中、行政、農業
団体、農家が一体となり、課題解決に向けた話し合いを
進め、地域農業の活性化を図るため、平成18年度に設立
された。
本部塾と24の地域塾によって組織されている。
掛川市農業振興会
平成17年7月、旧掛川市、旧大須賀町、旧大東町の合併
に伴い、各市町の自立経営農業者組織が合併し発足した
農業者組織。会員数約470名
(平成18年度)
。研修会や情報
交換会、農業PRイベント等を開催し、会員の資質向上と
地域農業の振興を推進している。
家族経営協定
家族で営農を行なっている農業経営において、経営計
画や、各世帯員の役割、就業条件等の世帯員相互間の
ルールを文書にして取り決めたもの。
家畜伝染病予防法
家畜の伝染性疾病(寄生虫病をふくむ。以下同じ。)の
発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産
の振興を図ることを目的として昭和26年に制定された。
「家畜の伝染性疾病の発生の予防」
、
「家畜伝染病のまん延
の防止」
、
「輸出入検疫」
等の章によって構成されている。
家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律
家畜排せつ物は、たい肥化など適切な処理を施すこと
によって、土壌改良資材や肥料としての有効活用が期待
されるなど、農村地域における貴重な資源としての側面
を有する一方で、野積みや素堀りといった不適切な管理
によって、悪臭の発生要因となったり、河川や地下水へ
流出して水質汚染を招くなど、環境問題の発生源として
の側面も有している。このため、野積み・素堀りを解消
し家畜排せつ物の管理
(処理や保管)
の適正化を図りつつ、
家畜排せつ物の利用促進を図ることにより健全な畜産業
の発展に資する目的で、平成11年に制定された。
環境保全型農業
農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和な
どに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の
使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業。
環境マネジメントシステム
(Environmental Management System)
(ISO14001・
EA21)
企業や団体等の組織の活動を、環境にいかに負担をかけ
ないものにするかを追求して導入されるシステム。環境方
針、目的・目標等を設定し、その達成に向けた取り組みを
実施するための組織の計画・体制・プロセス等のこと。
国際規格としてのISO14001や環境省が国内規格として
提唱しているEA21等が代表的なものである。
50
がんばる新農業人支援事業
静岡県農業振興公社による新規就農支援事業。
年齢が概ね40歳以下で、非農家または第2種兼業農家の
出身であり、就農意欲が強く、研修終了後、研修受入地域
に就農する意志のある者に対して、県内の先進的農家での
1年間の研修を支援する事業。
牛群改良増殖対策事業
乳用雌牛の飼養農家を対象とした検定組合の組織化、検
定の実施、記録の収集を行い、検定成績に基づく飼養管理
指導を実施する。また乳用牛群の効率的な能力検定の推
進により、優良乳用種雄牛の選抜確保に資する。
牛体装着型管理システム
母牛の足に取り付けた歩数計から得られる歩数データか
ら発情や病気を確認する牛体装着型管理システム。母牛の
歩数の急激な増加から発情を読み取り、適期種付けを可能
にするシステムで、生産率の向上とともに、発情開始時刻
からの授精タイミングによる雌雄の産み分けも期待されて
いる。
複数の農家の飼養牛の管理を1カ所のパソコンで集中管
理することも可能で、酪農以外では、繁殖農家で導入が検
討されている。
協働
第一次掛川市総合計画基本計画による定義は、協働と
は、行政の手が回らない部分を、市民やボランティア団体
が補完する活動ではなく、
「持続可能で安心して暮らせる
地域社会を築くために、地域の多様な構成員が、それぞれ
の役割を担い、ともに地域を支える活動」
のこと。
市民が暮らす公共空間において、自らが汗をかいて活動
すること自体が、
「地域をともに支える」
という意味で
「協
働」であると捉えられる。
グリーン・ツーリズム
自然豊かな農山漁村地域に比較的安い費用で滞在し、そ
の自然、文化、人々との交流を楽しむ余暇活動。
経営改革計画
認定農業者等が法人化や経営規模を一層拡大する等、さ
らにステップアップし、ビジネス経営体への発展を目指す
ために策定する計画をいう。
耕作放棄地
農林水産省の統計調査における区分であり、過去1年間
作物の作付けがなく、今後数年の間に再び耕作する明確な
意志のない農地。
なお、耕作放棄地は多少手を加えれば耕地になる可能性
のあるもので、長期間にわたり放置し、現在、原野化して
いるような土地は含まない。
高設栽培
(イチゴ)
従来のイチゴ栽培は、ほ場に畝をたてて栽培したが、高設
栽培は、畝に相当するベッドを園芸パイプで組み立てた架台
の上に設置する構造であり、このベッドに軽量の培地を入れ
イチゴが必要とする水と肥料を点滴チューブで施す栽培方
法。作業性や生産性の向上、コスト削減が可能となる。
耕畜連携
米や野菜等を生産している耕種農家へ畜産農家から堆肥
を供給したり、逆に耕種農家が水田や畑で飼料作物を生産
し、畜産農家の家畜の飼料として供給する等、耕種サイド
と畜産サイドの連携を図る取り組み。
米政策改革大綱
消費者重視・市場重視の考え方に立って需要に即した売
れる米づくりを実現するため、平成14年12月に決定された。
大綱は、需給調整対策、流通制度、関連施策などの包括
的な改革を整合性をもって実行することとしており、平成
22年度までに水田農業における望ましい農業構造と
「米づく
りの本来あるべき姿」
の実現を目指すことを柱としている。
コントラクター
農作業請負組織のこと。
「さ行」
搾乳ロボット
搾乳作業は、人が乳牛に対して搾乳行為を12時間置きに
行っていたが、搾乳ロボットは、搾乳牛が自らの意志で搾乳
ロボットの所まで移動して搾乳を行い、
「搾乳の完全自動化」
を可能とした機械である。1台の搾乳ロボットで50頭の搾乳
が可能で、搾乳量などの個体成績も同時に蓄積できる。
産地構造改革計画・強化計画
生産・販売戦略を一にする組織
(=産地)
が、産地の中の
担い手を明確にし、中核となるビジネス経営体を育成し、
産地の拡大を図るために策定する計画をいう。
静岡型衛生管理クリーンチェーン(茶)
食生活における安全と安心を保障するためには、食品を
生産、流通し、消費者が飲用、食用に供するまでの各段階
で 混入が想定される異物 や 予想される衛生事項 を特定
し、要因の排除や事故を予防する仕組みづくりが必要に
なっている。
そこで、消費者の要求である
「お茶の安全安心」
に応える
ため、①茶園 ②荒茶工場 ③仕上茶工場 ④店頭販売の各段
階で必要になる管理の仕組みを
「静岡型クリーンチェーン」
と位置づけ、機能させ続けることを目的に、各段階におけ
る衛生管理マニュアルの作成など、様々な取り組みがなさ
れている。
しずおか農水産物認証制度
農水産物に対する県民の安心と信頼を確保することを目
的に、平成18年度から静岡県がスタートした制度。農水産
物の生産者の安全・安心への取り組みを県が認証する制度
で、県内で農水産物を生産する個人、法人又は生産組織が
対象となる。県が実施する認証審査に合格すると認証書が
交付され、認証マークの使用が認められる。認証有効期間
は3年間。この間に認証したシステムが適正に運用されて
いるか定期的に監査が行なわれる。
自動給餌システム
多くの酪農家は、配餌車等により飼料給与を行ってい
る。近年、濃厚飼料に対応した自動給餌が開発されてい
るが、粗飼料
(サイレージ・牧草等)
の給餌は手作業のまま
である。そこで、飼料の全てをTMR
(全混合飼料化)
する
ことで、泌乳量等に応じて給餌量設定をすることで、指
定時間に指定量を給餌できる少量多回給餌が可能な機械
も開発されている。
集落営農
集落を単位として農業生産過程における一部又は全部
についての共同化・統一化に関する合意の下に実施され
る営農のこと。
一般的に一定のまとまりのある団地的土地利用や機械
の共同利用等による農業生産のみならず、農村生活での
共同活動も含め、地縁的な関係を基調とする1ないし複数
集落を基盤に農業生産力の一層の向上を期待し、兼業農
家や高齢農家を含めた農家の協力のもとに行なう営農の
こと。
食育
国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、
食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食に
ついて考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択す
る判断力を身に付けるための学習等の取り組みのこと。
食料自給率
その国で消費される食料がどのくらい国内で生産され
ているか
(自給の度合い)
を示す指標。穀物自給率、主食用
穀物自給率、カロリーベースの食料自給率、生産額ベー
スの総合食料自給率等があり、我が国のカロリーベース
食料自給率は40%で、人口1億人以上の国で最低。
国により平成17年3月に策定された新たな食料・農業・
農村基本計画においては、カロリーベースの食料自給率
の目標を45%としている。
乗用型管理機(茶)
茶園の畝をまたぐキャタピラー装置に摘採・整枝・防
除・施肥・深耕等のための機械を取り付け、オペレー
ター
(作業員)
が乗って操作する機械。従来の可搬式の管理
機等に比べ、作業の大幅な省力化を可能にする。当初は
平坦な大規模茶園向けの大型機械が主流であったが、近
年、各メーカーから小型で傾斜地の茶園にも対応したも
のが開発されている。
飼料安全法
「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」の
こと。
飼料及び飼料添加物の製造等に関する規制、飼料の公
定規格の設定及びこれによる検定等を行うことにより、
飼料の安全性の確保及び品質の改善を図り、公共の安全
の確保と畜産物等の生産の安定に寄与することを目的と
して昭和28年に制定された法律。
51
第3章
資料/用語解説
水源かん養
山林や農地が有する保水・水質浄化・防災機能のこ
と。山林や農地に蓄えられた雨水は、浄化され、地下水
となり、長い時間をかけて河川に還元され、河川流量の
安定化等による防災機能を果たしている。
「た行」
第6次産業化
生産
(1次)
のみにとどまらず、農産物加工や食品製造
(2
次)
、卸・小売、情報サービス、観光
(3次)
分野にまで経営
を発展させる農業経営の新しい展開方法。
「1次産業×2次産業×3次産業=6次産業」
という考え方に
よる。
たん水直播栽培
(打込式)
代かき後の水田に、専用の播種機を用いて直接水田に
種子を打ち込んで播種を行う方法。育苗作業が省略でき
るため省力的低コスト栽培が可能な反面、鳥害や発芽不
良による苗立ちの不安定や倒伏害が起こりやすいなどと
いった課題もある。
地域資源
地域内で産する様々な素材、自然景観や史跡、固有の
技術・情報、地域に住む人材等をいう。
地域水田農業推進協議会
地域水田農業推進協議会は基本的に市町村の区域を単
位に設置され、農業者、市、農業協同組合等の農業者団
体及び農業関係団体等で構成される第三者的機関であ
り、地域水田農業ビジョンの策定やその実現に向けた地
域全体の調整、生産調整への取り組みの基本方針の決定
及び産地づくり交付金の活用などについて取り組む。
地産地消
地域で採れた農産物等をその地域で消費すること。
中山間地域
傾斜地が相対的に多く、自然的・社会的・経済的諸条
件が、平坦部に比べて不利な地域。
中山間地域等直接支払事業
中山間地域の持つ多面的機能を維持するために一定のま
とまりをもつ急傾斜地などの条件不利地で営農を継続する
ことに対して、面積当たり一定の金額を交付する制度。
交付を受けるためには、集落内で営農の継続や農山村
環境の保全、都市住民との交流など取り組むべき内容に
ついての協定を結び、市町村長の承認を受け、活動を行
なう必要がある。
低温期栽培安定技術(メロン)
温室メロンの生産には、多くの日射量と20℃程度以上の
温度が必要だが、冬期には低温かつ低日照となるため、高
品質メロンの生産には高度な栽培管理技術を要する。低温
期において、低コストと高品質生産を両立させるためは、
コンピュータ複合環境制御や低温伸張性の優れた品種の活
用等、既存技術の応用や新たな技術開発が不可欠である。
温室メロンにおいては、低温・低日照期における安定生産
技術習得の有無が経営を左右する要因となっている。
低コスト化推進協議会
(メロン)
平成18年度に、温室メロンの低コスト生産を促進するた
めに組織された協議会。農林技術研究所の
「メロン超低コ
ストプロジェクト」
による温室メロン生産のコストの低減
に向けた研究成果の伝達や、温室農協、市町、県等関係機
関による情報交換を行う。
特定農業団体
法人化する前段階の任意組織。農地の利用集積を進める環
境を整備することにより、将来的に特定農業法人化を目指す
団体で、改正農業経営基盤強化促進法で位置づけられた。
特定農業法人
農業経営基盤強化促進法に基づき、担い手不足が見込ま
れる地域において、地権者の合意のもとに地域内農地の相
当部分を利用集積する経営体として位置付けられた農業生
産法人。
特別栽培農産物認証制度
農薬及び化学肥料の使用量を県慣行基準の半分以下に減
らして栽培された農産物
(特別栽培農産物)
を県が認証する
制度。
鳥インフルエンザ
(高病原性鳥インフルエンザ)
鳥インフルエンザのうち、H5又はH7亜型の感染によっ
て起こる、鶏、あひる、うずら、七面鳥の疾病をいう。産
卵低下又は停止、神経症状、下痢等の症状があるが、甚急
性例では症状を示す間もなく死亡することもある。
トレーサビリティ・システム
食品等の生産や流通に関する履歴情報を追跡・遡及する
ことができる方式。生産者や流通業者は、媒体
(バーコー
ド、ICタグ等)
に食品情報を集積するなどし、それを消費
者等が必要に応じて検索できるシステム。これにより、食
品事故発生時の早期原因究明や生産者と消費者の
「顔の見
える関係」の構築が期待される。
「な行」
認定農業者
農業経営基盤強化促進法に基づき、農業者が作成した経
営改善計画を市町村長が認定し、この認定を受けた農業者
を認定農業者という。
52
農業環境規範
平成17年に国が定めた
「環境と調和のとれた農業生産活
動規範」のこと。作物の生産、家畜の飼養・生産につい
て、環境と調和のとれた農業生産活動として農業者に求
められる取り組みが示されている。
農業経営改善計画
農業経営基盤強化促進法に基づく認定農業者制度にお
いて、各市町村が地域の実情に即して効率的かつ安定的
な農業経営の目標等を内容とする
「農業経営基盤の強化の
促進に関する基本的な構想」
を策定し、この目標を目指し
て農業者が作成する農業経営改善のための計画書。経営
規模の拡大に関する目標、生産方式の合理化の目標、経
営管理の合理化の目標、農業従事の態様等の改善目標な
どを記載する。この計画書が市町村長に認定された農業
者を「認定農業者」と呼ぶ。
農業構造
その国
(地域)
の全体としての農業生産、農業経営の規
模・形態の構成のこと。国の考える「望ましい農業構造」
は、
「効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分
を担う農業の構造」。
農業構造改善事業
農業基本法が施行された昭和36年から国の施策の目玉
として推進された事業。農業経営の規模拡大、農地の集
団化及び協業集団体制の確立による労働力の省力化、家
畜の導入、及び農業経営の近代化を図る事業。
農業振興地域制度
「農業振興地域の整備に関する法律」に基づき、自然的
経済的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図
ることが必要であると認められる地域の整備を推進する
制度。狭義では県、市の定める
「農業振興地域整備計画」
に
基づく地域農業の振興を図るための制度。
農業生産法人
農業者などの農業関係者が中心となって組織された農
業を行なう法人で、農地法第2 条第7項に定める法人形
態、事業内容、構成員、役員等の要件を満たす法人。
農地法の許可を得て、農地を売ったり借りたりするこ
とができる。
農業制度資金
国や県がその政策目的を遂行するため、長期・低利で
融資したり、民間資金の貸し出しについて利子補給をし
て、農業者の経営改善を推進するための資金。
農地法
農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当
であると認めて、耕作者の農地の取得促進、権利保護、
農地の効率的な利用を図るための利用関係の調整等によ
り、耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ること
を目的として昭和27年に制定された。
農地及び採草放牧地の権利移動や転用の許可手続き等
について定められている。
農地保有合理化事業
農業経営基盤強化促進法の規定に基づき、農地保有合理
化法人が、規模縮小農家等から農地を買い入れ
(又は借り
入れ)
、一時的に中間保有し、経営規模の拡大や農地の集
団化を図ろうとする農家等に売り渡し
(又は貸し付け)
を行
なうことにより、農地保有の合理化を促進する事業。
「は行」
バイオマス
「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除い
たもの」
。廃棄物系バイオマス
(古紙、家畜排せつ物、食品
廃棄物、下水汚泥等)
、未利用系バイオマス
(林地残材、も
みがら等)
、資源作物(なたね、とうもろこし等)
に大別さ
れる。バイオマスの利活用によって、地球温暖化の防止や
循環型社会の形成だけでなく、バイオマスの変換や利用な
どの各段階における新たな産業の育成や農林水産業や農山
漁村の活性化などの効果も期待される。
ビジネス経営体
家族経営から脱皮し、企業的な経営感覚で、地域の農業
を引っ張っていけるような経営体。目指すビジネス経営体
の要件は、次の4つである。①経営が継承されていく永続
的な経営体。②雇用による労働力を確保している。③企業
として一定以上(概ね5,000万円以上)
の販売規模を持ち、
成長を志向している。④マーケティング戦略に基づくサー
ビスや商品を提供している。
品目横断的経営安定対策
一定の要件を満たす認定農業者、集落営農組織が生産す
る米、麦、大豆など5品目について、品目別ではなく担い
手の経営全体に着目し、諸外国との生産条件の格差から生
ずる不利を補正するための対策となる直接支払を導入する
とともに、販売収入の減少が経営に及ぼす影響が大きい場
合にその影響を緩和するため、生産者と国による拠出の範
囲内で補てんを行う。
複合環境制御
光・温度・炭酸ガスなどの温室内環境を2種以上の要素
を相互に関連させて制御する方法。様々なセンサから得ら
れるデータをコンピュータに集積し、複合的に判断し、栽
培環境を制御する一連の装置を「複合環境制御装置」とい
う。一般的には、日射量に応じた日中の炭酸ガス濃度や夜
温管理の調整、風速・風向・降雨などの外部気象と室内温
度・湿度などの内部気象を総合的に判断した天窓管理、日
射と温度の両条件を相互的に判断した内部被覆管理などが
行われている。
フード・マイレージ
食料
(food)
の重量と輸送距離
(mileage)
を掛け合わせた
数値。重量×距離
(トン・キロメートル)
で表す。食料の生
産地から消費地までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料
や二酸化炭素の排出量が多くなるため、フード・マイレー
ジが高い消費地ほど、食料の消費が環境に対して大きな負
荷を与えていることになる。
53
第3章
資料/用語解説
哺乳ロボット
子牛の首や耳に個体識別用発信器(リスポンダー)
を取
り付け、ドリンクステーション
(哺乳場所)
に設置されてい
る受信機により子牛を識別する。哺乳ロボットには予
め、子牛毎にミルクの給与量や回数が記憶させてあり、
子牛が必要以上にミルクを飲む事がないように設計され
ている。また、1台のロボットで約50頭の子牛の哺乳が可
能とされている。
ポジティブリスト制
ポジティブリスト制度とは、残留基準の設定されてい
ない農薬が一定量を超えて残留する食品の販売等を禁止
する制度。日本では、2003年の食品衛生法の改正によ
り、2006年5月29日から本制度が導入された。
従来の考え方は、残留基準が設定された農薬について
のみ、その基準を超えた食品の販売等を禁止するという
ネガティブリスト制度であったが、新しく導入されたポ
ジティブリスト制度では、残留基準および暫定規準、以
下同じ)
の設定されている農薬については、その基準以内
での作物への残留は認められるが、残留基準の設定され
ていない農薬の残留は禁止される。
また、残留基準が設定されていない農薬の残留につい
ては「人の健康を損なうおそれのない量」
( 一律基準値
0.01ppm)が設定され、天敵農薬と特定農薬は制度の対象
外となっている。
ホールクロップサイレージ(Whole Crop Silage)
とうもろこしや稲のように、従来は子実をとることを
目的に作られた作物を、繊維の多い茎葉部分と栄養価の
高い子実部分を一緒に収穫してサイレージに調整したも
ので、このように利用することで、乳用牛や肉用牛に
とってバランスがとれた栄養収量の高い粗飼料が生産で
きる。
「ま行」
マーケティング
買い手のニーズや欲求を把握し、それに対応して買い
手に満足してもらえるように、生産
(加工)
・販売はもとよ
り事業活動全般において、一貫した理念や計画の下で能
動的に行う事業展開の方法。
54
「や行」
有機農業
科学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並
びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本とし
て、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減
した農業生産の方法を用いて行なわれる農業のこと。
(有
機農業の推進に関する法律第二条の定義)
遊休農地
農業経営基盤強化法第5条第2項第4号において定義され
ている法令用語であり、農地であって、現に耕作の目的
に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供され
ないと見込まれるものをいう。
養液栽培
土壌を使用せず、生育に必要な養水分を人為的に調節
した培養液によって与え、作物を栽培する方法。土壌を
使わないことにより、①常に同一根圏条件となる、②培
養液濃度など根圏環境調節が容易、③給肥は自動化され
省力的、④土壌病害虫回避、⑤連作障害回避、⑥堆肥な
どの土壌改良が不要、等の長所がある他、ベッドを高設
にすることにより作業姿勢を改善でき、さらに装置化・
自動化により葉菜類に多くみられる高度周年栽培が可能
となる。
養液濃縮トマト
近年、フルーツ感覚で食べられる良食味のトマトの人
気が高い。中でもBrix8%以上の高糖度の大玉トマト
(普
通のトマトの平均は5%)は、高付加価値なトマトとし
て、高級食材の地位を獲得しているが、通年で安定的に
生産することは極めて困難である。そこで、県の農林技
術研究所が中心となって開発した栽培技術により、養液
栽培でトマトの生育をコントロールし、濃縮した果実が
「養液濃縮トマト」とされる。
「ら行」
レール走行式管理機(茶)
茶園の畝間にレールを敷き、畝を跨ぎレール上を動力走
行する台車に装着した摘採機、防除機、施肥機、中耕機等に
より茶園の栽培管理を行うシステムをいう。茶園管理作業
の重労働からの解放と安全性の向上、並びに高品質化を図
ることを目的とする。