黒部川下廊下(黒四ダムー欅平)

倶楽部企画/10月 山行
秋 の黒部渓谷 ・下廊下、黒四ダ ムから欅平 の山行
日 程 :2007年 10月 12日 (金 )∼ 10月 14日
(日
)
参加者 :統 括 リー ダー 中川、Att L竹 内、SL高 橋 (聡 )、 石岡 、
広島、中川 (美 )、 日中 、柴 田、堀内、 Btt L石 原、 S
L荒 井、寺田
(正 )、 寺 田 (美 )、 中野、武 田、田矢、醍
醐 、 (計 17名 )
10月 12日
曇 りのち晴れ
首都 圏組 はあず さ 3号 (千 葉発 6:38)に て各地 を出発 し、大
町、扇沢 を経て 16名 は 12時 45分 に トロ リーバ ス の ダ ム終点駅
に着 く。 ダムサイ トの休憩所 で各 自遅 い昼食。ダム堰堤 上 を散 策
した り、展望台 に上がる人 もあ りで 、折 か らの放水 を見物 した 後、
三 々五 々 、 ロ ッジ・ くろ よんに向か う。全 員 の ロ ッジ到 着 は 2時
40分 頃。夕食 までの間 に、明 日に備 えて ロープ ワー クの実習 をす
る。 1名 遅 れて到着。
10月 13日
晴れ
まだ暗 い 5時 少 し前に ロ ッジ を出る。ダ ムの トンネル 出 口で朝
食 を とり、5時
50分 、隊列 を整 えて スター トす る。今 日の この
ル ー トをた どるの は、長野県 の 山岳警備隊 の主催す る 20名 く ら
いの団体 と 2‐ 3名 の小パー テ ィが幾 つか で、思 つて い た よ りは相
当に少ない。
ダム下 の橋 で一体み し、長野県組 に先 ん じて 出発 、内蔵助谷 出
合 を通過 し、榛 の木平手前 でベ ル トを着け る。 これ か ら本格的な
黒部渓谷 にな り、懸崖 の谷底か ら
た トレイル をた ど
るが 、入念 に手入
れ され ていて 、岩
壁 には針金 を張 つ
てあ り、危険 は少
ない。
トップ は A班 の
高橋 さん が結構 な
ペ ース で淡 々 と歩
100-200mの 高 さに付 け られ
き、それに B班 が少 し離れて続 き、全体 の殿 は荒井 さんが務 めた。
B班 リー ダー は万― に備 えて、 ロープ、クライ ミング金具を直 ぐ
使 えるよ うに装着 してい たが、使 う可能性はな く、各個人 のベル
トとシュ リング、カ ラ ビナのセ ッ トが安全 確保 に威力を発揮 した
もの と思 う。
右手に鳴沢 小谷 の懸滝や、新越沢 の出会いの滝を見 る頃になる
と渓谷 も核 心にな り、つ るつ るの岩壁 のはるか下に流れを見る よ
うになる。一箇所、桟橋が切れてい ると思 われ る箇所 を、本 の梯
子で大 きく高巻 きす る。 ここまで トレイル を整備 して くれ た関係
者 に感謝 し、青い空 と、太陽 に輝 く岩壁 の コン トラス トをめでつ
つ、高度感 を楽 しむ。
例年大 きなデ ブ リとス ノー プ リッジ で通過に難儀す る別 山谷
の合流点は、全 く残雪はなく、渓谷全般 に残雪 のない今年は例外
的な楽な山行 とな った。 別 山谷出合 か らは B班 が トップ とな り、
渓谷中で一番美 しい 自竜峡を過ぎ、自い岩壁 の下の砕 けて流れ る
清流 の渓谷 を眺 めなが らの しば しの撮影休憩 をす る。 これで紅葉
にで もな っていた ら、まさに一幅 の絵画 とい うこ とだろ うが、残
念 なが ら紅葉 にはまだ早 い。
この頃 になると皆、高度感 に慣 れ 、足
の運 び も軽 くな ってきた。十字峡 の手前
で、約
30分 の昼食休憩 をとり、 12時
10分 に出発す る。 まだ幾つかの難所 が
残 るが 、 た るみがちな気 分 を引き締 め、
剣 沢 と棒 小屋 沢 が本流 に十字 に合 流す
る文 字通 りの十宇峡 の 吊橋 を渡 る。
深 い ゴル ジュ状 の半月峡 を過 ぎると、
よ うや く懸崖は、本 が増 えて きて高度感
がな くなるが、依然 トレイル は谷底 か ら
は
100-200mの 高 さにある。 S字 峡は渓谷美 になれた 日には さ
ほ ど印象的 ではない。突然現 れ る対岸 の奇妙 な 2個 の近代構造物
(地 下発電所 の送電線 の 出 日)を 見 るよ うになると、東谷 の長 い
吊橋 に な り、慎重 に渡 り河原 に出て、シ ェル ター を抜 けると仙人
ダ ム に到着す る。
これで今 日は この先、渓谷 の トレイル はない。 ダ ムの近代設備
を出ると、仙人小屋か らの道 を合わせ る。
阿曾原峠までの急な
登 山道 を 40分 ほ どで登 りき り、登山道が下 りになると直 ぐに、
今 日の宿泊地 の阿曾原小屋 に到着、3時 12分 で あ つた。
小屋 は資1岳 ・仙人 か らの 下山組 、上 り下 りの渓谷組 で混雑 し、
布団 1枚 に 2人 の割合であった。夕食 には食 べ たい放題 のカ レー
を食 し、今 日の眠 りに就 く。
10月 14日
晴れ
欅平 10時 20分 の トロ ッコ電車 に乗 らない と、後 は 4時 過 ぎま
で席 はない、 とい うこ とを昨 日小屋番 に聞き、 これに間 に合 わせ
るべ く、朝 3時 過 ぎに起床 し、4時 丁度 に慌 しく出発 した。 ライ
トをつ け、 B班 トップで急坂をわ さわさ登 る。途中、木 の梯子が
あつた りして、登るこ と 1時 間、や っ と水平路 に出 る。
右手、対岸 に深 い餓鬼谷 と奥鐘山の大岩壁を見 るよ うになる と、
トレイル は本流か ら大き く離れ、折尾谷沿 い となる。 この大滝 下
で休み を取 り、昨夜に小屋 で作 って くれた朝食 の弁 当を食 べ る。
ここか らの出発は 6時 丁度で、A班 が先頭 になる。 トレイル は直
ぐに、沢を雪崩 よけの コンク リー トの囲いで くぐる。 まもな く本
谷 を眼下に見るよ うにな り、今 日の難 所 の、 コの字型に岩壁 に通
路を うが った大太鼓 を通過す る。
奥鐘 山岩壁 を正面か ら見るよ うになる と、志合谷 の下をくぐる
トンネル となるが、曲が りくね った トンネル 内は思 つたより水は
少な く足を濡 らす こ ともなか った。最初 の送電線 の鉄塔 に 8時 前
に到達 し、10時 前 には欅平に着 ける ことが確実 とな り、ほ っ とす
る。欅平の駅舎 が見 えると、後 は下 りのみ とな り、何 と 9時 10
分に駅に着 く。
休む暇 もな く切符を買い、9時 16分 発 の電車 に乗 り込む。 途
中すれ違 う電車は どれ も観光客 で満員 とな ってい る。彼 らはそ の
まま往復す るわけであるか ら、観光客の上が って くる時間帯 の電
車には、下山の登山者 の乗 る余地 はない。
宇奈月温泉駅に 10時 30分 頃到着 し、全 員 で記念写真 を撮 り、
今回の 山行 が終わ つた。
トレイルの コンデ シ ョンが 良 く、天気に恵 まれ 、参加者 の揃 つ
た足 並み で、快道 な山行であった。
(記
:石 原 達夫)