平成28年10月28日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 【株式相場レポート】 ~安心感広がる~ 今週の総括 28日終値 前週末比 日経平均 (円) 17,446.41 +261.82 ドル (円) 105.33-34 +1.50 NYダウ (ドル) 18,169.68 +23.97 長期金利 (%) -0.050 +0.006 NY原油 (ドル) 49.72 -1.13 ※NYダウ・NY原油は27日終値、ドル・長期金利は28日15時現在 ★上方修正、増配・自社株買いが複数出たのもサポート材料 今週のプラス材料 今週のマイナス材料 ・円安(104円から105円台へ) ・東証売買代金低迷(2兆円割れが続く) ・2Q決算発表で複数の主要企業が上方修正、還元追加 ・原油価格が1バレル50ドル割りこむ 今週の株価は、今年4月以来の17,400円台まで上昇した。 今週は特にマイナス材料もなかったこと、先週17,000円台に乗せた後の利益確定売り圧力の中も株価が下 がらなかったこと、今週本格化した2Q決算で上方修正や増配、自社株買いの発表が多く見られたことで、市 場心理の回復が続いた。28日にはドル円が1ドル105円台に乗せたことで、もう一段の上昇が見られた。 業種別では、自社株買い発表が好感されたオリックスを含むその他金融、売買低調の中もまずまずの決算 だった野村を含む証券、日米長期金利上昇を受けた銀行、上方修正が多い建設が強く、不動産、繊維など も強め。一方で原油価格下落を背景にした鉱業とバルチック海運指数下落を受けた海運が下落。 引き続き東証1部売買代金は2兆円を割り込む日が多く、市場全体は活況とは言いにくいが、好決算銘柄へ の株価反応が数多く見られた。しかも株価上昇幅が大きい銘柄が多かった印象。 来週以降の見通し ★105円キープなら株価も堅調か 想定レンジ 17,000~17,500円 来週以降の注目材料 リスク要因 ・2Q決算発表 ・為替市場の乱高下 ・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは11/2) ・原油価格の乱高下 17,000円台の株価を支えているのは、大きくは1ドル104~105円台の円安と、株価下落局面では日銀のETF 買いが意識されて積極的に売りにくい市場心理だろう。来週は米ISM景況指数と米雇用統計の発表があり、 内容が堅調であれば米利上げ期待が継続されて、1ドル105円台が持続、株価も17,000円台をキープしよう。 2Q決算は、引き続き輸出企業に注目。また増配や自社株取得は発表数が少ないとみられるだけに、株価 反応は大きいだろう。毎年自社株取得を実施している企業でも発表すれば反応が期待できよう。 ただし、18,000円台を超える株価上昇には、実際の米利上げとそれに伴う108~110円前後までの円安や、 現在想定されていない何がしかのサプライズが必要だろう。 8~9月との違いは、ドル円が100~102円から104~105円になったことと、原油価格が1バレル43~47ドル が49~50ドルに上昇したことしかない。また、 2Q決算が下振れ・下方修正が当初想定ほど多くなく、上振 れ・上昇修正・増配が意外に多く見られたことも指摘できる。 しかし、日米の雇用や物価などの景況感は大きく変わらず、OPEC減産失敗や米シェール増産による原油価 格下落リスク、欧州の銀行経営不安、中国経済減速リスク、米利上げ時の米株安リスクや英国のEU離脱に 伴う混乱など、マイナス要因は消えてはいない。そうした中での株価上昇だけに、上がった分だけ株価下落 リスクが高まっていることも忘れてはいけない。何かの拍子に今の円安と原油価格が崩れるとあっという間 に16,000円台に戻る可能性があることを念頭に置いておきたい。 平成27年8月26日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 来週・再来週の主なイベントカレンダー 国内 31(月) 海外 鉱工業生産:9月 EU GDP:7-9月期 決算:JT、塩野義、エーザイ、第一三共、ホンダ、 パナソニック、京セラ、村田製作所、ファナック、 三菱重工、日本郵船、JAL、ANA、九州電力 11/1(火) 日銀金融政策決定会合結果 米ISM製造業景況指数:10月 決算:ソニー、旭化成、新日鐵住金、出光、KDDI 2(水) 3(木) 決算:アサヒ、サントリー食品、マツダ、富士重工、 三井物産、伊藤忠 米FOMC結果 祝日(文化の日) 米ISM非製造業景況指数:10月 米決算:フェイスブック、クアルコム EU失業率:9月 4(金) 決算:スズキ、タカタ、ドンキホーテ、三菱商事、 丸紅 米雇用統計:10月 米貿易収支:9月 7(月) 決算:小野薬品工業、LIXIL、いすゞ、三菱地所、 王子HD、帝人、島津、住友ゴム、静岡銀行 8(火) 決算:トヨタ、味の素、東レ、三菱ケミカル、ダイキ ン、JX、大林組、清水建設、鹿島建設 中国貿易収支:10月 9(水) 貿易収支:9月 中国消費者物価指数:10月 決算:ブリヂストン、セコム、西武HD、千葉銀行 10(木) 機械受注:9月 決算:日清食品、楽天、昭和シェル、東急電鉄 11(金) 決算:大塚HD、大成建設、りそなHD、T&D、NTT、 東芝、三井不動産、コンコルディアFG リスクおよび手数料等の説明 株式取引は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。 ■株式取引の委託手数料はインターネット経由の場合1日の約定代金の合計により決定し、100,000円(税抜)が上限です ■上場有価証券等書面、取引規程、取引ルール等をご覧いただき、内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任により お申込みください ■口座基本料は個人の場合には原則無料です ※各種書面の郵送交付には、年間1,000円(税抜)をご負担いただく場合があります ■本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証 するものではありません ■本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません ■投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします ■本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません ■本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります ■本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願い いたします 次回発行予定:11月4日(金)17:00以降 業者名等 松井証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第164号 加入協会名 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会 Copyright (c) 1998 Matsui Securities Co.,Ltd.
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