20年度 第3回講義感想

「女性キャリアパス」レポート② 10/25 講義の感想
(1) 松本由香先生(建築構造)
建築物の耐震構造の研究について説明を受けた。耐震性と言えば,最近街でほ
ぼ全面がガラス張りのビルをよく見るようになり,その強度について疑問に思ってい
たので先生に質問をさせていただいた。そういった建物では外壁ではなく建物内部
の柱によって強度を持たせる構造になっており,ガラスの周囲にはクッションが入っ
ていて直接力がかからないようになっているとの回答をいただいて納得した。また,
私の研究室がある安全工学棟に施されている建物外部の鉄骨補強についても,コ
ンクリート壁を厚くすることで補強することはできないのか聞いてみたところ,鉄骨補
強の方が(そうは見えなくても)軽くて済むとの回答を得た。
女性で建築分野に進むというのは今ではあまり珍しくもなくなった気がするが,先
生が学生だったことは珍しかったのだろうか(先生は私と同い年くらいのようにお見
受けしました)。 研究におけるさまざまな努力が感じられ,とても好感が持てた。
(2) 一柳優子先生(知能物理)
先生の研究は私の研究(ナノ金属粒子の触媒作用)と共通点が多く,実は 12 月の
頭にあった学会(熱国際シンポジウム)でも会場でお見かけしてびっくりした。
先生の講義の中で一番興味深かったのは,結婚後も戸籍名ではなく旧姓で仕事
ができるように活動を行ったということ。私は社会人ドクターで,普段は防衛省で働
いているのであるが,昨年結婚し戸籍名が変わったにもかかわらずそのまま旧姓で
仕事を続けることができている。旧姓が使えない場面がまだまだ多くいろいろと制限
があるとはいえ,一部でも旧姓を使えるようになったのが先生の活動のおかげだと
わかってとても感謝している。先生ありがとう!男女別姓にするための活動も続けて
いらっしゃるそうだが,ぜひそちらもがんばって実現してほしい。公務員だということ
で組織に対する自分の意見を表明することが表だってできず,そういった活動に参
加できない自分が少し悲しいけれど・・・。
(3) 竹田陽子先生(経営情報)
先生の話で一番印象に残っているのは,子供をあやしながら勉強をしていたという
話。女性が仕事と家庭を両立させるということは大変なのだなと実感した。フルタイ
ムで働く女性が専業主婦と同じだけの家事をこなすというのは明らかに無理があり,
完ぺきにやろうと思わないように心掛けるとか,家族にも一緒に頑張ってもらうこと
が必要なのでは。でも,そうしてでも自分が仕事をあきらめるのではなく続けること
が,本人にとってもまた家族にとっても結局はプラスになるのではないかな,などと
考えさせられた。
女性キャリアパス 講義レポート
<第 3 回>
第 3 回の講演を拝聴し、仕事についても勉強についても非常に inspire されたとい
うのが率直な感想です。
私は普段、技術者として仕事をしておりますが、周囲の技術者は 99%が男性です。
女性技術者が少ない部署だからというのもあるとは思いますが、仕事を一緒にする
ことになると、ほとんどの方が“女性だから”という理由である意味“特別扱い”をしま
す。男性であれば、望まなくともすることになる経験(主に作業を伴うもの)も、女性
の場合、自分から申し出なければ「やっておくよ」等と言われ、経験するチャンスを逃
してしまうことになるのです。しかし、技術者にとっては、モノに触れたり作業をしたり
することにより身に付く感覚というのはとても大切なもので、そのチャンスを逃すとい
う事は成長を諦める事と等しいと私は思っています。また、男性と同じ土俵で仕事仲
間として扱って貰う為にも、“特別扱い”は邪魔者だと感じています。
松本先生も同じようなことを仰っていました。そして、その環境の中で松本先生が
努力なさった事などを話して下さり、私自身の色々なモチベーションが一瞬にして上
がりました。
また、竹田先生のお話にも非常に刺激を受けました。出産を機に、新たなステップ
を踏み出したとのこと。どのような状況であっても、常に向上心と自分の考えを持ち、
アクションを起こす姿勢は、私の目標とする働き方・生き方です。
“自ら考え、自ら動く”。普段仕事をする中で、自分自身は“女性である”という意識
は全くないのですが、働く女性がまだまだ少ない今は、女性は男性の何倍もその自
発的な姿勢が必要だと、改めて認識した講演でした。