神器なき男2 ID:86024 - スマホ版

神器なき男2
もっち∼!
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP
DF化したものです。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
︻あらすじ︼
悪神ロキの罠にはまり、魂と魂に宿る仲間達とパッシブスキルだけ
の状態で吹き飛ばされた鬼畜シュウ。
派遣された世界は、DxDの世界。そして、魂の着地した先は、兵
藤一誠の受精卵だった。
一誠には姉妹がいないはずなのに、姉妹のできた一誠。この世界
は、今までのDxDの世界とは違うようだ。そして、本来の姿を取り
戻せたシュウ。
この世界を護る為、元の世界に帰る為、色々な経験を経て成長をし
て、この世界でも、様々の出会いをしながら、仲間を集めていく。
1章 幼稚園編
2章 破軍学園留学編
3章 駒王学園初等部編 Part1
あの街へ︵鍛錬編︶
駒王学園初等部編 Part2 あの空へ
駒王学園初等部編 Part3
あの世界へ
33話は書き直しをしました。
││││││
クロスオーバーする作品数が増え、文字数制限を超えそうなので、
﹁多重クロス﹂をタグに追加しました。
以下、設定をお借りしている、クロスオーバーしている作品です。
︵追記していく予定です︶
物語シリーズ
ゴジラシリーズ
ウルトラシリーズ
D︵改︶
魔法少女リリカルなのはシリーズ
まぶらほ
ハイスクールD
真剣で私に恋しなさい
学戦都市アスタリスク
落第騎士の英雄譚
サイレントメビウス
キューティーハニー
ゼロの使い魔
バビル2世
シティーハンター
ストライク︵ブレイブ︶ウィッチーズ
Re:ゼロから始める異世界生活
聖闘士星矢
美少女戦士セーラームーン
!
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
仮面ライダーキバ
×
目 次 二つ名は幼稚園児 │││││││││││││││││││
幼稚園編
たらい回し │││││││││││││││││││││
1
元処女神達との再会 ││││││││││││││││││
鬼だし* │││││││││││││││││││││││
駒王学園初等部編 Part1
バベル* │││││││││││││││││││││││
消失の謎* │││││││││││││││││││││
怒りの矛先* │││││││││││││││││││││
襲撃 │││││││││││││││││││││││││
異宇宙に続く門* その1 │││││││││││││││
VS複合企業財体 │││││││││││││││││││
寧音先生* │││││││││││││││││││││
トレーニングルーム* │││││││││││││││││
飛び級留学* │││││││││││││││││││││
破軍学園留学編
覚醒* ││││││││││││││││││││││││
禁忌な姉妹* │││││││││││││││││││││
娘現る* │││││││││││││││││││││││
︻メモ︼主な登場人物 │││││││││││││││││
二度目の入院* ││││││││││││││││││││
友達 │││││││││││││││││││││││││
愛おしい者との再会* │││││││││││││││││
初めての危機* ││││││││││││││││││││
9
28
44
53
64
81
115 103 91
228 220 207 194 183 170 157 143 128
245 237
推測* ││││││││││││││││││││││││
異宇宙に続く門* その2 │││││││││││││││
納豆* ││││││││││││││││││││││││
あの街へ
因縁なる街へ │││││││││││││││││││││
餌付け* │││││││││││││││││││││││
有り得ないこと ││││││││││││││││││││
闇なる世界* │││││││││││││││││││││
夢の中の夢* │││││││││││││││││││││
暗躍する者* │││││││││││││││││││││
新たなる仲間、そして同盟へ* │││││││││││││
駒王学園初等部編 Part2
緊急事案発生 │││││││││││││││││││││
原因の究明・排除 │││││││││││││││││││
二つの願い* │││││││││││││││││││││
帰還 │││││││││││││││││││││││││
断ち切る縁 │││││││││││││││││││││
断ち切れない縁 ││││││││││││││││││││
新スキル降臨* ││││││││││││││││││││
寅ちゃんのサプライズ │││││││││││││││││
新たな教育方法* │││││││││││││││││││
あの空へ
魔女のいる世界へ* ││││││││││││││││││
差し出す手は握られず* ││││││││││││││││
強敵にリベンジを* ││││││││││││││││││
284 267 254
370 359 347 333 322 306 293
482 472 459 446 432 412 396 390 381
519 503 492
ニパ最強説* │││││││││││││││││││││
駒王学園初等部編 Part3
依頼の見返り* ││││││││││││││││││││
逢い引き* │││││││││││││││││││││
一対なる神* │││││││││││││││││││││
ロキ戦の果てに ││││││││││││││││││││
あの世界へ
転移した先* │││││││││││││││││││││
それぞれの醜態* │││││││││││││││││││
531
568 559 550 542
588 571
幼稚園編
二つ名は幼稚園児
目が覚めると、見覚えのあるような場所にいた。どこだっけかな
んで
ベースキャンプにいる連絡係のナヴィに念話を送るが、届かない。な
?
﹄
る。それであれば、
﹃なんで、ナヴィに念話が届かないんだ
﹃う∼、どう言えば良いかのぅ﹄
﹄
珍しく言葉を濁す僕の上司。
﹃何があったんだ
?
たのじゃ﹄
ロキ
わかるかのぅ
﹄
﹃迷宮都市のロキじゃ。う∼、そうじゃ、処女を奪ったロキと言えば、
付かない。
色々な世界で悪神ロキとは攻防をしていたので、どの世界か見当が
﹃どこのロキ
﹄
﹃う∼、簡潔に言えば、ロキの術に嵌まって、魂だけ別の世界に飛ばれ
?
﹄
DDの世界とは、ハイスクールDXDという物語の世界のことであ
﹃う∼、どう説明して良いやら⋮端的言えば、DDの世界ではある﹄
居場所を知りたかったので、きいてみたのだが、
﹃ここはどこ
上司から念話が届いた。
﹃おぉ、ようやく目覚めたか、シュウ﹄
?
したのじゃ。その結果、その世界に魂だけを飛ばされたのじゃ﹄
シュウとメイビスの発現した転移陣が重なり合う様になり、同時発動
﹃思 い 当 た る 節 が あ る よ う じ ゃ な。ロ キ が 発 現 し た 広 域 魔 法 陣 と、
に後にしたはずだ⋮いや、違う。そうだ、何かに僕だけ弾かれたんだ。
あぁ、あのロキか。悪夢の道化師として、赴任した迷宮都市。静か
?
1
?
?
?
メイビスも一緒なのかな
それに、
結界であれば﹃結界無効﹄でスルーできたのに
うん
?
なんの魔法陣だ
なぁ⋮あのヨッパめ
僕は元々魂だけの存在だけど⋮﹄
?
レベルが1って⋮それって⋮おいおい
?
お前は元々な。努力を重ねて、無尽蔵の
?
無理無理⋮どうすれば良いんだ
ない。単なる人間じゃ﹄
もっと無理な状況じゃないの
あと、救いは、兵藤誠と兵藤
戦闘の為の能力が欠落しているんだけど⋮とほほほ
﹃戦闘能力など、元からなかったじゃろ
うん
産まれた⋮子供
魂が宿った先だよな⋮おぃ、僕って赤子
一香の間に産まれた子供であることじゃ﹄
?
﹃正解じゃ。シュウ♪正確に言うと、まだ受精卵の状態じゃ﹄
?
力でしのげるかな
忍もいるから、どうにかなるか。
よる暴発だけどうにかしよう。エナジードレインとアルビオンの能
ってことは⋮、ここは一香の腹の中かぁ∼取り敢えず、魔人の血に
?
ドレイン﹂などは有効じゃ﹄
効﹂
﹁神器無効﹂
﹁無価値﹂
﹁術式プログラミング﹂
﹁ヘルプ﹂
﹁エナジー
﹃救いはじゃ、パッシブスキルは使えるのじゃ。﹁結界無効﹂﹁封印無
?
﹃後なぁ、誠に言いにくいんじゃが、今のお前は鬼と天使のハーフでは
?
ンクしているので、魂に一緒に宿っているぞ﹄
じゃ。そうそう、チームドラゴンとハートアンダーブレードは魂にリ
﹃なので、その世界で1から鍛錬し直して、元の世界に帰ってほしいん
のはできない。
転移魔法とか召喚魔法が使えないのか⋮念話も次元を超えてのも
魔力を得た訳じゃから﹄
ロじゃ。そうだったじゃろ
﹃う∼、実に言いにくい。そのまさかじゃ。魔力の上限は現状ではゼ
﹃まさか、魔力とかの上限が⋮﹄
あ
じゃが⋮レベルをはぎ取られたというか⋮﹄
て い る。元 々 い た 世 界、キ ャ ッ ス ル ド ラ ン に 戻 れ れ ば、元 に 戻 る の
﹃う∼、実に言いにくいことじゃが、その世界では、レベルが1になっ
﹃魂だけ
!
?
?
2
?
?
こうして、兵藤一誠となった僕の成長の物語が始まった。
││││││
やっと、産まれ出ることが出来た。しかし、赤子故、鍛錬なんかで
きない気がしていたのだが、魂に刻んだ能力、知識は使えるみたい
だった。睡眠時には、魂に宿るチームドラゴン達との会話もできる。
困った問題は、魔法陣を発現できても、発動できないことにあった。
しかし、ある時に気づいた。気の鍛錬なら、赤子でも知識があれば
できることに。僕は必死に気の鍛錬をして、気のコントロール、仙術
などを扱えるように努力をしていった。
この世界の兵藤家は、僕だけが子供ではなかった。1つ上に双子の
姉がいるようだ。名前は﹁ひたぎ﹂と﹁翼﹂⋮何か色々な世界の要素
が混じっていそうだよな、この世界は。
母さんの旧姓は﹁式森﹂。︵改︶のイッセーの両親のように、最強の
3
人間コンビのようだ。訪問客と両親の会話を聞く限り、僕達、誠と一
香の子供達は、なんらかの封印をされたようだったが、僕だけ封印が
ちと、今後が心配
できなかったそうで、それが心配らしい。きっと、
﹁封印無効﹂のスキ
ルのせいなんだが。僕は魔人の血で弾けるのかな
である。
の場になる。
園児、エロ度は鬼畜な僕にとっては、とてもそそるシチュエーション
権で、姉達、母さんとお風呂に入ることになるのだが、見た目は幼稚
幼稚園児になった僕は自由に動けるようになっていた。幼稚園児特
幼稚園に入園すると、姉二人が僕をいじめっ子から守ってくれた。
父さんは各神話体系を飛び回って、案件をこなしているようだ。
銀髪のリーラ・シャルンホルストというメイドを雇った。
いた。母さんが一人で育児をするのは大変ということで、ドイツ人で
憐﹂、3つ下に妹﹁月火﹂が産まれた。1男5女という大家族となって
両親はアレがお盛んなようで、1つ下に妹﹁駿河﹂、2つ下に妹﹁火
おかげで、それは防げたようだ。結果オーライだ。
そこで、上司に相談をしてみると、気のコントロールを身に付けた
?
だが、フィンガーテクニックを駆使して、相手をイカせてしまうと、
まだ湯船の底に足を踏ん張ることができない僕は溺れた。抱いてく
れていた腕が、放心状態でダラ∼んとしてしまうと、湯船に放りださ
れてしまうのだ。一度溺れてからは、添え寝の時だけ、エロを満喫す
るようにした。
幼稚園では、友達も作っていく。イリナ、由良、巡と友達になった。
巡は退魔師の家系で、修行があるとかで、帰宅後に遊ぶ機会は少な
かった。僕はイリナ、由良と三人で遊ぶことが多くなっていった。
││││││
夢を見た。堕天使の女の子が、黒頭巾の一団に襲われる夢を見た。
女の子の母親が斬り殺されるところで、目が覚めた。これって、朱乃
ちゃんだよな。防げるなら防ぎたいが、僕には戦う能力が⋮どうすれ
ば良い
翌日、幼稚園から帰って来ると、そのまま、出掛けた。姫島神社に
向かう為だ。場所は、あの夢を見て起きた後、翼姉ちゃんの部屋の本
棚にある地図で調べて、覚えている。
神社は厳かな雰囲気を醸しだしつつ、幼稚園児の視点だと、草や
木々が邪魔で見渡せにくかった。境内を見回り、社務所の裏手に家を
﹂
見つけた。表札には﹁姫島﹂と書かれていた。
﹁ねぇ、あなたは誰
﹁そう。私は姫島朱乃﹂
迷子かな
﹂
は幼稚園児だけだ。
﹁一誠君はどうして、ここにいるの
﹁僕、神社を探検していたんだ﹂
?
朱乃ちゃんの顔は少し明るい表情になった。
?
ても、相手にはしてくれないだろうから。
と、ウソを吐く。幼稚園児が、これから起こるであろうことを言っ
?
今の僕に名乗れる二つ名
﹁僕は兵藤一誠。幼稚園児だよ﹂
で巫女姿の⋮朱乃ちゃん似の女の子が立っていた。
近かった。後ろを振り返ると、緊張からか引きつった表情の長い黒髪
後ろから声を掛けられた。索敵能力はまだ未熟だったので、突然に
?
4
?
﹁ふ∼ん、何か見つけた
﹁ま∼だだよ﹂
﹂
﹂
?
る。おい
﹂
﹁小僧、お前は何者だ
まぁ、いい。朱乃ちゃんと地獄に行かせてや
込めたオーラを放ち、朱乃ちゃんから少し遠ざけた。
急に接近していた黒頭巾の者が声をかけてきた。僕は咄嗟に、拳に
﹁君、姫島朱乃ちゃんだよね
その時、嫌な風を感じた。来る⋮でも、どうしよう。
?
?
は取り囲まれた。
小僧に何ができるんだ
?
﹁僕は⋮朱乃ちゃんを守る﹂
﹁はぁ
﹂
おい、この二人を切り捨ててしまえ
目の前の黒頭巾が合図をすると、黒頭巾の者の集団が現れて、僕達
!
僕は拳にサマエルのナックルを纏った。パンチ力は弱くて
﹂
!
エルの刀に変貌した。刀か⋮使えるのかな
?
僕がどうにかしないと⋮中距離攻撃⋮サマエルのナックルがサマ
屋の隅に震えていた。
に朱乃ちゃんのお母さん、朱璃さんがいた。突然の扉の破壊音で、部
ギをかける。が、扉を破壊して、黒頭巾の一団が追ってきた。奥の間
僕と朱乃ちゃんは、朱乃ちゃんの家に逃げ込んだ。扉を閉めて、カ
﹁おい、あのガキの拳、毒を出せるみたいだ。注意しろ
も、サマエルの毒を注入することで、威力をカバーしていった。
くれ∼
オーフィスの声が聞こえた。纏う⋮そうか。サマエル、力を貸して
﹃シュウ、纏うことはできる﹄
しよう⋮
つも、オーラの上限も高くない。目眩まし程度にしかならない。どう
ら引き離した。魔力の上限ゼロだからなぁ⋮ドラゴンショットを放
オーフィスの宿った鎧を着て、僕は敵を翻弄しつつ、朱乃ちゃんか
着込んでいた。オーフィスありがとう。
けを求めた。すると、僕は光の渦に飲み込まれ、黒いフルアーマーを
僕は⋮オーフィス⋮力を貸してくれ⋮ダメ元で、魂に宿る仲間に助
?
!
5
!
﹃剣術はレベル関係ないから、以前のように使えるはずだ﹄
﹂
サ マ エ ル の 声 が し た。そ う な の か。僕 は 刀 を 構 え て、飛 ぶ 斬 撃 を
放っていく。
﹁このガキ、刀が使えるのか⋮飛ぶ斬撃だと⋮何者だ、貴様
飛ぶ斬撃は最初の内は当たっていたが、目が慣れてくると簡単に避
けられていた。発射速度が遅いみたいだ。生きて帰れたら、刀の練習
をしよう。
ついに部屋の隅に追いやられた僕。僕の後ろには朱乃ちゃんと朱
璃さんが抱き合って震えていた。あぁ、
﹃ウルティマウエポン﹄が使え
れば、こんなヤツら⋮
そして、僕の首筋に相手の刀の刃先が⋮
ガッキン
鈍い金属音がした。
﹁一誠様、ご無事でしたか﹂
声の主は、リーラさんだった。長刀で僕を守ってくれた。
﹁一誠、無茶をするな﹂
﹂
﹂
父さんが後方の敵を、次々にのしていた。そして、黒頭巾の頭目に
なんで
﹂
ソレを言っているんだ。誰
﹁おい、この家をバラキエルの家と知っての狼藉か
﹃我はシュウの家族。守るの当たり前﹄
﹂
り込んだ。ふっ、助かったよ、オーフィス、ありがとう。
か、今の僕には出来ない。弾丸はオーフィスの鎧に弾かれて、壁にめ
ちゃんの前に立ち、盾となり代わりに弾丸を受けた。これくらいし
ん 目 が け て 撃 っ た。父 さ ん が 反 応 し た が、間 に 合 わ な い。僕 は 朱 乃
黒頭巾の頭目は観念した⋮そう見せかけて、銃を取り出し、朱乃ちゃ
朱乃ちゃんのお父さんのバラキエルさんが登場した。それにより、
?
6
!
黒頭巾の頭目は逃げようとしたが、玄関近くで、吹き飛ばされた。
に頼まれたんだ
?
近づき、
えっ
﹁兵藤家にケンカ売るとは、どこの勢力だ
﹁兵藤家
?
﹁俺の息子の首を刎ねようとしただろう
?
?
?
?
と、オーフィスの声が聞こえた。僕は纏っている力を解放した。父
さんにあれこれ追求されそうな装備だったから。
﹁リーラさん、ありがとう﹂
僕の命を助けてくれたリーラさんに、お礼の言葉を言った。
どういう意味
﹁一誠様は大事な人ですから﹂
大事な人
?
﹂
リーラさんに助けられた﹂
﹁一誠、無事か
天使の者達に、引き渡してから、僕達の方に近づいてきた。
父さんとバラキエルさんが、黒頭巾の一団を、応援に駆けつけた堕
?
た。
?
││││││
﹂
﹂
アレ
俺の目は誤魔化せられないぞ。お前
その夜、僕は父さんの部屋に呼び出された。そして、
﹁一誠、お前は何者なんだ
父さんに問われた。
﹁僕は幼稚園児だよ﹂
と、はぐらかす。
﹁それはそうだが⋮何者なんだ
?
?
には神器が無いはずだが、お前は鎧と武器を装備していたよな
はどうしたんだ
﹁⋮﹂
?
涙もろいバラキエルさんが大粒の涙を流しながら、僕達に言った。
ボウズ、ありがとうな﹂
﹁誠殿、ありがとう。あなたの息子に、俺の家族は守られたみたいだ、
バラキエルさんが、僕達の方に振り返り、
﹁あの子が盾になってくれたの﹂
﹁一誠君が助けてくれたのよ﹂
バラキエルさんが、大事な家族に尋ねた。
﹁朱乃、朱璃、大丈夫か
﹂
幼稚園児にしては激しい運動だったので、肩で息をして僕は答え
﹁うん
?
?
7
!
しっかりとバレていた。どうしよう⋮
﹁一誠、俺は怒っているんではない。真実を知りたいだけなんだ﹂
誤魔化しきれる自信はない。兵藤誠はそういう男だ。
﹁僕は、悪神ロキの罠にはまり、魂だけをこの世界に飛ばされて、誠、
一香の間に産まれた受精卵に宿ったんだ﹂
﹁そうか⋮俺達の子供で間違いはなさそうだな﹂
﹂
誠のことだ、既に僕のDNAとか検査していそうだ。
﹁肉体はそうだ﹂
﹁転生ではなさそうだな
﹁僕は死んだ訳ではないから、転生ではない。魂は1つだから、憑依と
もまた違うけど﹂
﹂
父さんは僕から視線を逸らさずに聞いてきた。
﹁で、お前は何者なんだ
﹁僕は﹃神殺し﹄シュウ・ヨハネ・鬼門だ﹂
8
?
?
たらい回し
│││誠│││
一誠の口から出た真実。俺は一誠を寝かしつけて、知り合いの神、
破壊神であるシヴァを訪ねた。彼に、一誠の言ったことが真実かを確
かめたのだ。
﹁そうか、誠殿の息子に着地したのか。う∼、それは良かったのか、悪
かったのか﹂
﹂
回り道をせずに発言するシヴァにしては、言い淀んでいる印象だ。
﹁何か、言いにくいことでもあるのか
どういうことだ。その時、頭の中に直接声が届き始
あいつも配下なのか
﹃そうじゃ。と言っても、儂の配下は最高神とシュウだけじゃが﹄
絶対神って神々の頂点にいる神かぁ。
絶対神と呼ばれる存在じゃ﹄
﹃そうじゃ、そこに儂が行くことはできないからな。儂は宇宙を司る
めた。念話で会話かぁ。
繋いでもらう
と、直接会話すると良い。今、繋いでもらうから﹂
﹁う∼、言いにくいというか、言って良い事なのか⋮そうだ、彼の上司
?
何もできないのに
状でもそちらの世界を壊滅させることは可能じゃ﹄
﹃今は赤子同然で、奴自身は何もできないが、奴がその気になれば、現
うな⋮
絶対神の特務機関の団長だって⋮確か⋮鬼畜って呼ばれていたよ
長を務めている猛者じゃ﹄
﹃あぁ、奴は神格階位2位。儂の直下にいる者でな、儂の特務機関の団
?
いのでな﹄
仲間の一部
繋がりが切れるとどうなるんだ
?
たのじゃよ。奴との繋がりが切れた場合、大変な事になるかもしれな
﹃奴の魂が弾かれた時にじゃ、儂が奴の仲間の一部を、奴の魂に宿らせ
?
9
?
﹃管理人格がいなくなれば、ヤツラは暴走するじゃろう。どいつもこ
?
いつも2週間もあれば、星1つを壊滅することが容易いヤツラでな、
野放しにすることができん。なので奴の魂に繋げていたのだが、今回
は魂に宿らせたのじゃ﹄
俺の息子は、どれだけの戦力持ちなんだ
ブレードというバンパイアも宿っておる﹄
伝説級のバンパイアじゃないか⋮俺の息子って、何者だ
ラスボスでもそこまで凶悪じゃないだろう
星1つを壊滅できる力を有していたのじゃ﹄
一瞬で
れるかが問題じゃ﹄
俺の息子はラスボスか
られないって⋮
伝説級のドラゴンやバンパイアでも抑え
んから。暴走した場合は、魂に宿した者達に頼るしかないが⋮抑えき
﹃まぁ、心配事はそこじゃ。今回、奴の安全弁になる存在が一緒におら
?
あるので、能力の大半が使えないがな。そちらに行く前、奴は一瞬で
﹃奴は鬼と天使のハーフな最強の魔物じゃった。今は人間の赤子では
?
は⋮﹃怪異の王﹄キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダー
﹃奴はドラゴンマスターじゃから、ドラゴンが懐きやすいのじゃ。後
伝説級のドラゴンじゃないか⋮昔いたとかいうドラゴン達⋮
﹃龍喰者﹄サマエルが力を貸したようじゃ﹄
﹃今回、そなたが目にした鎧は、
﹃無限の龍神﹄オーフィスで、武器は
?
悪魔より凶悪だろう
聖なるオーラでも怯まないなんて。
じゃ。扱いには注意してくれ﹄
に殺すし、女神で好みなら下僕にするという、悪魔以上に残忍な奴
ド変態で、最強の英雄じゃ。要するにじゃ、神族でも男なら躊躇せず
あと、注意事項というか、奴は破綻した性癖を持つエスプレイヤーな
﹃う∼、身体が一新したことで、暴走のリスクは減っておるはずじゃ。
?
﹁そんな訳だ。味方の分には問題はないと思う﹂
そこで、念話は切れた。
ているのじゃ﹄
想いの最強の戦士じゃ。仲間の為なら、命だって捨てる覚悟すら持っ
﹃英雄、色を好むってことじゃ。扱い方さえ間違わなければ、奴は仲間
?
10
?
シヴァは苦笑いをしていた。
﹁敵になったら⋮﹂
﹁この星は壊滅だろうな。敵には躊躇しないそうだから⋮あ、絶対神
様が口に出さなかったけど⋮獣の数字⋮誠殿の息子に使役させてい
るぞ。息子の扱いを間違えるなよ﹂
シヴァが真剣な顔付きで言った。獣の数字って、おい、ソレはまず
いだろ⋮ってか、使役させているのか⋮どんだけ強かったんだ、アイ
ツ
﹁他の星の最高神仲間から聞いた話だが、別世界の誠殿を一撃で葬っ
たそうだぞ﹂
真剣な表情を崩さずにシヴァが言った。おい、一撃だって⋮
﹁今のアイツは、魔力が無いに等しいから問題はないが、禁術系魔術す
ら使えるそうだぞ﹂
魔導戦士でもあるのか⋮開いた口が塞がらない。
おい、まさか⋮
シヴァに礼を言って、家に帰り、一香に聞いた話を伝えた。息子の
真実を知り驚く彼女。しかし、
﹁そうか、そうだったのね﹂
って、呟き、頬を赤らめた。何
こで学びかな
うだ、剣術とか格闘術を鍛錬しないと、守りたい者が守れないな。ど
再生﹄スキルが活性化して、断裂した筋肉などを再生したようだ。そ
朝起きると、昨日の疲れもなく、身体が軽い。寝ている間に﹃回復
│││一誠│││
が塞がらない俺であった。
アイツ、母親と姉妹とメイドに手をかけたなぁ⋮ここでも開いた口
たぶん、私だけでなくてリーラと娘達も許さないかな。うふ♪﹂
﹁誠さん、息子にヤキモチとか八つ当たりしたら、私が許しませんよ。
?
﹁格闘術か
兵藤家に行けば、基本は教えてくれるとは思うけど。剣
父さんの部屋に行き、父さんに相談した。
?
術は⋮あっ、それより、一緒に来てほしい場所がある。今日は幼稚園
?
11
?
は欠席でいいから﹂
って、父さんに連れられて、どこかに転移した。
転移した先は、グリゴリだった。グリゴリとは堕天使だけで構成し
ている組織のことで、別名は﹁神の子を見張る者﹂だ。実際問題、胡
散臭い研究をしている所だ。
﹁アザゼル、すまない。息子の一誠だ﹂
僕は総督のアザゼルに紹介された。
﹁ほぉ、こいつがバラキエルの救世主か﹂
﹂
僕は、検査装置に固定されて、検査をされていった。この世界のア
﹂
ザゼルが骨董屋のオヤジではないのに、僕は驚いたよ。
﹁誠殿⋮お前の息子は何者だ
﹂
アザゼルの声が震えていた。
﹁アザゼル、どうしたんだ
父さんが、アザゼルの異変に驚きを隠せないでいた。
﹂
﹁グリゴリの誇る検査装置で検査できない⋮って、どういうことだ
﹁アザゼル、問診したらどうだ
﹁それしかないが⋮﹂
?
文を唱えた。
﹁ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督﹂
アザゼルの顔が恐怖で歪む。
﹁お前⋮それをどうして⋮﹂
﹂
僕の首を締め上げるアザゼル。直ぐに、父さんが反応して、アザゼ
ルを叩きのめした。
アザゼルよ﹂
なんで俺の黒歴史を知っているんだ
?
﹁俺の息子に何をするんだ
﹁お前の息子は何者だ
﹁僕は何でも知っている。アザゼルの事は知っている﹂
﹂
アザゼルを追い込んで遊ぶ僕。
﹁誠殿⋮お前の息子は悪魔か
﹁すまない、アザゼル。悪魔より残虐らしい﹂
?
12
?
僕は検査装置から解放された。そして、アザゼルに向けてある黒呪
?
?
?
僕を殺してでも、葬りたい黒歴史なのか、この世界では、ふふふ。
?
父さんは、僕の上司に話を聞いたそうだ。そうだよ、悪魔なんかか
わいい種族だよ。ふふふ。
その後、僕は父さんに連れられて、違う場所に転移した。転移した
﹂
先は、グレモリー邸だ。懐かしさを感じるな。
﹁誠殿、彼が息子さんの一誠君
﹁そうです。ジオティクスさん、ヴェネラナさん﹂
僕はリアスの両親に紹介された。
﹁兵藤一誠です。よろしくお願いします、ジオティクスさん、ヴェネラ
ナさん﹂
﹂
挨拶をすると、二人に抱っこされたり、頬ずりされたり、小動物扱
いされていく。
﹁そうだ、うちの娘を紹介してあげよう、リアス、おいで
頼めないかな
﹂
﹁サーゼクス、息子が剣術を習いたいみたいなんだ。眷属の沖田君に
﹁サーゼクスさん、リアスさん、こんにちわ﹂
﹁一誠君、紹介するよ。息子のサーゼクスと娘のリアスだ﹂
部屋の奥から、サーゼクスさんと共にリアスが出て来た。
!
僕と父さんとサーゼクスさんで転移しようとすると、リアスが近
寄って来て、4人で転移した。
沖田先生の道場⋮懐かしいなぁ。まだ、木場はいないみたいだ。
﹂
沖田先生指導の元、素振り、刀裁き、打ち込みなどをこなしていっ
た。
﹁君は、剣術は初めてなのかい
﹁一誠君、手合わせをお願いできるかな
﹂
驚きの表情を浮かべる二人。沖田先生が動いた。
﹁前世でのスキルをある程度、引き継いでいるみたいなんだ﹂
父さんもどう答えて良いのか、悩んでいるようだ。
かな⋮﹂
﹁そのことなんだけど、沖田君、サーゼクス。う∼、なんて言えば良い
どう答えて良いのか分からないので、僕は父さんの方を見た。
?
?
13
?
﹁誠殿の頼みは叶えますよ。道場の方へ向かいましょうか﹂
?
僕は頷き、沖田先生と木刀にて試合をすることになった。沖田先生
の動きは手に取るようにわかる。問題は現在の僕の身体がそれに反
応できるかだ。沖田先生の放つ一撃一撃を確実に、刀で受け止める。
筋肉が再生強化されたみたいで、昨日より動けそうだ。僕は距離を中
距離にして、飛ぶ斬撃を放っていく。沖田先生の表情は驚いているみ
たいだ。僕は、ホーミングタイプの飛ぶ斬撃を放ってみる。でも、そ
こまではスキルが発動できないみたいだが、沖田先生の防御の為の刃
この歳で胸に膨らみがあるのか
先の寸前で、斬撃の軌道が変化して、先生の身体にヒットしていく。
﹁そこまでだ﹂
父さんの声で、試合は終了した。
﹁一誠君、すご∼い♪﹂
リアスが抱きついてきた。うん
姉さん達よりも、抱きつかれ心地が良い♪
?
﹁まさか、子供に当てられるとは⋮﹂
先生が凹んでいるみたいだ。
﹁誠殿⋮沖田にダメージを与えられるとは⋮﹂
﹁あぁ、サーゼクスよ、俺も驚いている。あの歳で、あのスキルは驚き
だよ﹂
﹂
大人達の僕を見る視線が鋭い。刺さるようで、心地良い刺激を感じ
る。
﹂
﹁一誠、剣は何を持っているんだ
﹁サマエルの剣だけかな
?
な袋にある﹄
?
う聖のオーラで顔が歪んでいく。
村雨を抜き、サーゼクスさんの目の前に刃先を向ける。村雨から漂
す﹂
﹁あっ、あと、妖刀村雨、妖刀村正、ドラゴンスレイヤーも持っていま
の腰に装備された。
で、袋を貰った記憶があるなぁ。念のため、妖刀二降りを念じると、僕
サマエルの声が頭に届いた。不思議な袋
そういえば、今日の夢
﹃シュウ、ドラゴンスレイヤーは私と一緒にいる。村雨、村正は不思議
?
14
?
﹁いっ、一誠君、その刀は
﹁一誠、それは何だ
﹂
﹂
今度は、父さんの顔が歪んでいく。
僕は村雨を鞘に収めて、村正を引き抜き、父さんに向けた。
﹁一誠、それは、ここでは抜くな。悪魔に対して失礼だぞ﹂
割って入る形で、立ち塞がった。
後ずさりしながら、身構えるサーゼクスさん。僕達の間に父さんが
﹁妖刀村雨、常時、聖水が染み出ている妖刀です﹂
サーゼクスさんは息苦しいのか、息も荒くなっていた。
?
﹁はぁ
父さん
魔人の血を引き次いでいるんだよね
帰って来て、いきなりソレか
礼儀とかお前にはないの
?
﹁ねぇ、お兄様、この子、お兄様の子供
﹂
?
まぁ、かわいいわね﹂
﹂
父さんが老人、たしか誠の父、源氏だっけかな、に声をかけた。
﹁くそオヤジ、頼みがある﹂
確か⋮
そして、僕は父さんと二人で転移した。今度の転移先は、ここって
に鍛錬する機会をもらえることになった。
サーゼクスさんの家から、ここに転移できるようにしてくれて、週末
その後、父さんとサーゼクスさんと相談した結果、人間界にある
うところだった。
に対する抵抗力がまだ乏しいのだろう。危うく、父さんを屠ってしま
ムードブレイカーにお礼を言っておく。実際、少しヤバかった。闇
?
﹁魔人を⋮まさか、お前⋮﹂
﹁試してみる
リアスが背中から抱きついてきた。僕は刀を鞘に収めて、
﹁ダメだよ、一誠君﹂
そんな緊迫したムードを壊すように、
?
﹁リアス、ありがとう。闇に飲まれそうだったよ﹂
﹂
﹁妖刀村正、魔人を一撃で屠れる、死神の宿る刀だよ、父さん﹂
?
叔母に当たる、悠璃、楼羅姉妹が、僕に抱きついてきた。
﹁誠の子供なの
?
?
15
?
﹁息子の一誠だ。こいつに格闘術を教えてやってほしい﹂
?
って、祖母に当たる羅輝に抱き抱え上げられる。
﹁母上、ずるいです﹂
﹁お母さん、私も抱きたいよ∼﹂
ここでも小動物のような扱いに⋮父さんが祖父に耳打ちをすると、
驚いた表情をして、僕を見つめる祖父、源氏。
﹁こいつが魔人を⋮まさか⋮﹂
僕が魔人を屠ったのは、この世界ではないんだが、まぁ、別世界で
起きた出来事は、最高神達の井戸端会議で噂話として、広まる場合が
あると聞いていたの、それかな。
﹁一誠、道場に来い。儂が自ら稽古をつけてやる﹂
祖父が教えてくれるようだ。祖母、叔母達から解放されて、父さん
と道場に向かった。そして、兵藤本家の門下生が見ている前で、僕は
祖父と手合わせを始めた。沖田先生との手合わせをしたことで、筋肉
が再生強化されたみたいだ。先程より、力も瞬発力も有りそうだ。
16
別世界で、源氏と対戦をしたことがないが、誠の対戦は見た事があ
るので、兵藤流の格闘術は、頭に入っている。祖父の繰り出す手技、足
技を防御したり、避けたりして、ダメージを貰わないようにしていく。
しかし、どうにも避けられそうもない中段の蹴りが来た。僕は咄嗟に
キャプチュードをして、祖父を後方へ投げ捨てた。そして、状態を前
屈気味にして、後方宙返りからの、ムーンサルトキックを叩き込んだ。
いきなりのプロレス技に対応できなかった祖父の頭部に、僕の踵が叩
き込まれた。
﹁勝負あり﹂
父さんの声がかかり、試合は終了した。気絶している祖父を背に、
﹂
門下生の一人一人に、挨拶と自己紹介を冷静にしている僕。父さんの
方を見ると、半ばあきれていた。
││││││
門下生の手によって、奥の間に運ばれた祖父。
﹁儂が⋮孫に⋮負ける日が来るなんて⋮﹂
兵藤家現当主の祖父が凹んでいた。
﹁くそオヤジ、負けたら、息子の鍛錬にならんだろう
?
そこに畳み掛けるように、父さんが祖父に文句を言っていた。
﹁一誠、鍛錬場所を変えるぞ。ここじゃダメだ﹂
﹁え∼お兄様、ご無体な⋮﹂
叔母達が、父さんを引き留めようとするが、それを振り切って僕達
親子は転移した。
││││││
﹂
次に転移した先は、砂漠の一軒家。ここって初代孫悟空さんの家だ
よな。
﹁誠殿、どうしたんじゃ
﹁闘戦勝仏様、お久しぶりでございます。これは息子の一誠です。こ
﹂
の子に戦闘術の鍛錬をしてもらえませんか
まさか⋮﹂
﹂
﹁誠殿、オヤジ様にしてもらえば良いのでは
な。
どうしよう⋮レベルに関係ないスキルだと⋮瞑想とかは
僕は周
けは注意しないと、今の僕では避けられずに大ダメージは必至だろう
何度も対戦しているので、だいたいの手の内は知っている。如意棒だ
そして、家の外でお手合わせをすることになった。弟子の美猴とは
﹁兵藤源氏殿が、惨敗
初代孫悟空さんが驚いた表情をした。
﹁俺のくそオヤジは、息子に惨敗しました﹂
?
│││誠│││
したので、チームドラゴンに帰宅してもらった。
いて、おまかせした。しばらくすると、初代孫悟空の発した呻き声が
も開けるじゃん。チームドラゴン出撃だ。開けられる龍門を総て開
ク ロ ウ の 声 が 聞 こ え た。そ う だ っ た。忘 れ て い た よ。魔 力 無 く て
けるんだぞ﹄
﹃一誠、忘れていると思うが、ドラゴンが4匹以上いると、龍門って開
れない。
ずなのだが、中距離以上の索敵のできない僕には、無理な戦略かもし
囲の気と自分の気を調和させて、気配を消していく。気配は消えたは
?
17
?
?
?
目の前で起きた惨劇。あの闘戦勝仏様が逃げ惑い、ついには囲まれ
てボコられていた。なんだ、あの戦力は⋮笑うしかない息子の戦力。
確かに、4匹以上のドラゴンがいれば、龍門が開けるらしいとは聞い
ていたが、息子はこんなに大量にドラゴンを所持していたのか。
ドラゴンだけでこの戦力って反則だな。まだ、隠し持っている戦力
が更なる反則級だし。こいつらを束ねた息子の本来の戦力って、想像
できないくらいだろうな。
一誠にドラゴンを出した理由を聞くと、攻撃レンジとは無関係な如
意棒が怖かったらしい。
そして、更に転移をして、息子の鍛錬場所を探すことにした。
││││││
次に訪れたのはヴァルハラ。北の神格オーディンが治めている地
域だ。
﹂
18
﹁おぉ、誠殿、よく来たな﹂
﹁息子の希望なんで⋮﹂
苦笑いするしかない状況だ。
﹁確かに⋮ここじゃダメみたいですね﹂
まれて、抱かれたり、頬ずりをされたり、小動物扱いされていた。
オーディンが指を差した方向を見ると、一誠はヴァルキリー達に囲
じゃぞ。ほれ﹂
﹁ここじゃ無理だ。ヴァルキリー達の癒やしの対象になっているよう
?
オーディンに迎えられた。一誠は、ヴァルキリー達で目の保養をし
ているようだ。
﹁こいつが息子の一誠です﹂
﹁ほぉ、なかなかの面構えだな。で、用件はなんじゃ
﹂
﹁息子の鍛錬場所を探しています﹂
﹁兵藤源氏がおるだろ
﹂
﹁惨敗しました﹂
﹁闘戦勝仏は
?
﹁おぃおぃ⋮充分強いじゃないか﹂
﹁瀕死の状態です﹂
?
││││││
そして、冥界に戻り、元龍王で、今は最上級悪魔になったタンニー
ンに預けた。取り敢えず、1週間預けてみようと思う。どう化けるん
だ、息子は。
家に一人で戻ると、一香と娘達、リーラの怒りを買っていた。一誠
最低の親だよ﹂
を前触れ無しに連れ出して、預けてきたことが原因のようだった。
﹂
﹁父さん、一誠を置いてきたの
﹁ひどい、父親だな﹂
﹁誠さん、息子を返してよ
た。
と、クロウ。お前ではダメだ。纏えないだろ。
﹃タンニーンか、戦いたいぞ﹄
僕目がけて撃ち込んで来た。
にそれは無理だろうと思うのだが、問答無用で炎の玉を吐き出して、
タンニーンが、僕を追いかけ始めた。単なる人間、それも幼稚園児
﹁おい小僧、俺から逃げ回ってみろ﹂
ん。
タンニーンに預けられてしまった。育児放棄に近いだろう、父さ
│││一誠││││
ロの状況で、この強さだし。
一香の機嫌が良くなったが、あいつに魔術系は危険だろう。魔力ゼ
﹁一誠は、そんなに強いの
式森の家にも連れて行かないと﹂
我が家の女性陣が、冷静になってきたので、一誠の鍛錬状況を伝え
かってきた。
それはもう、俺ですらタジタジになる位の怒りのオーラが襲いか
?
ではクロウに力を借りることにした。その結果、黒い鎧
﹃やってみようぜ、纏えるかもしれないぞ、シュウ﹄
そうなの
まさか⋮邪龍クロ
19
!
?
そのドラゴンのオーラは⋮え
?
前に立ち塞がる。
﹁お前は、何者だ
?
を纏うことが出来た。背中にドラゴンの翼を展開して、タンニーンの
?
ウ・クルワッハか
﹂
﹃正解だ、タンニーン。この子供の助太刀をするぞ。人間の幼稚園児
に惨いことをするんだな、最上級悪魔ともなると﹄
タンニーンと空中戦を繰り広げる。動きはクロウと相談して決め
た。今の僕にできることは限られているから。
﹃シュウ、疲れたら言えよ。今のお前は体力がなさ過ぎる﹄
了解だ、クロウ。疲れるまで⋮そう、10分くらい、タンニーンと
接近戦を楽しんだ。が、疲れが蓄積してきた。クロウ、ダメだ⋮
クロウは僕をタンニーンから遠ざけて、岩陰に隠してくれてから、
力を解除してくれた。クロウ、サンキュー。少し休もうっと。
違う、女の子の声だ。僕は岩陰から出るとタン
どの位経っただろうか、急に誰かに呼ばれた気がした。タンニーン
に見付かったかな
ニーンに見付かってしまった。
﹁そこにいたのか、小僧﹂
﹁タンニーン、女の子の助けを求める声を聞いたんだ。力を貸してく
ださい﹂
僕は、タンニーンにお願いをした。まだ回復しきっていないから。
﹂
声がした方にタンニーンに連れて言って貰うと、猫1匹に女の子一人
が悪魔達に囲まれていた。
﹁タンニーン、あそこだよ﹂
﹁これはフェアでないな﹂
彼らの傍の降り立った。
﹁おい、何を揉めているのだ
﹂
そういう約束だったでしょ
﹂
ドラゴン風情は黙っていろ。こいつを眷属にするところだ﹂
﹁この子はダメ、私だけでいいしょ
妹も能力あるなら、眷属にするのは当然だろ
﹁はぁ
ち、悪魔から守ろうとする。
﹂
ガキの出る幕でない。痛い目に遭いたくなかった、どきな
﹁無理やり眷属にするのは、いけないことだろ
﹁はぁ
?
?
﹂
!
?
﹁はぁ
タンニーンが悪魔達に声を掛けた。
?
20
?
?
この展開、聞いたことがある⋮あっ⋮僕は、彼女達の前に立
うん
?
?
?
?
?
退ける訳ないだろう
僕の大事な者なんだからな。この場で引い
﹂
?
む、眷属達。
どの位経ったのかな
僕は寝ていたようだ。岩むき出しの床で寝
れ聞こえてくるので、わかった。
僕は牢屋に入れられた。彼女達は尋問されているようだ。声が漏
│││││││
僕が守ろうとした彼女達と一緒にどこかに転移した。
だしなぁ。わかった、俺と一緒に来て貰う。君達もだ﹂
﹁う∼、一誠君。君を殺すと、妹のリーアが哀しむ。かと言って罪は罪
僕はサーゼクスさんに頭を下げた。
いません。でも、彼女達は必ず助けてください。お願いします﹂
﹁サーゼクスさん、僕は悪魔を殺しました。この場で殺されてもかま
僕は悪魔を殺した。悪魔の国の冥界で。
も、既に﹃王﹄は屠られたのか⋮﹂
﹁一誠君の言った通り、無理矢理に、眷属にするのはダメだ。と言って
サーゼクスさんが僕の頭を撫でながら言った。
﹁この場は俺にまかせてもらえないかな、一誠君﹂
して、僕の魂に戻っていく。
これからって時に、知っている声が僕を止めた。トライは力を解除
﹁そこまでだ、一誠君﹂
がわらっている獲物達。
トライが目の前の獲物に死を予感させるオーラを放っていく。膝
﹃力を貸すぜ、シュウよ﹄
﹁次はどいつだよ
﹂
言い終わる前に、一番悪そうな悪魔の首を刎ねた。その状況に怯
逆らったらどうなるか見せてや⋮﹂
﹁生意気なクソガキだ。あの姉妹の目の前で料理してやろう。俺様に
﹁おい、死にたい奴はどいつだ
僕は妖刀村雨と村正を手にした。
たら、絶対に後悔すると思う。だから、全力で戦い、守る。
?
?
21
?
たせいで、体中が痛い。彼女達の声は聞こえなくなっていた。サーゼ
クスさんは保護してくれたのかな
会ったことのない悪魔が来て、僕を牢屋から出してくれて、どこか
に 連 れ て 行 か れ た。こ の 風 景 は 見 覚 え が あ る。冥 府 だ。僕 は 冥 府 の
奥 に あ る。永 久 封 印 の エ リ ア に 連 れ て 行 か れ た。そ う な る よ ね。人
間の幼稚園児が悪魔を殺したんだから。そして、僕は永久封印され
た。
│││サーゼクス│││
一誠君の手で殺された悪魔の家族と交渉をしていた。無理矢理、眷
属にした姉妹を解放することの条件は、一誠君の引き渡しだった。憎
悪の対象だものな、一誠君は。悪魔の王である俺は、悪魔の立場で物
事を決めないと行けない。一誠君、すまない。俺は、条件を飲み、姉
妹の保護は成功した。
保護した姉妹を、家に連れて帰った。今後はグレモリー家で面倒を
悪
み る こ と に し た の だ。解 放 さ れ た と い う の に 表 情 の 冴 え な い 姉 妹。
彼女達を助けたって、一誠君なんでしょ
原因は一誠君のことだよな。
﹁お兄様、一誠君はどこ
た人物達が転移してきた。
﹁サーゼクスちゃん、誠殿の息子さんはどうしたのよ
と、魔王のセラフォルー。
﹂
リアスにどう説明しようか悩んでいる時に、転移陣が現れて、見知っ
悪魔だったら、見ない振りでスルーするよ。リアスの言う通りだ。
?
﹁約束を守ると信じているの
﹂
﹁相手の家族に引き渡した。殺さないことを条件にして﹂
と、同じく魔王のアジュカ。
﹁おい、サーゼクス。外交問題になるぞ。相手は兵藤家の跡取りだぞ﹂
?
﹁タンニーンに聞いたぞ。息子は悪い事をしていないようだが、どう
いだろう。冥界で最上級悪魔を殺したのだから。
セラフォルーの言う通り、信じてはいないが、この場合しょうがな
?
22
?
魔だったら、助けたりしないもん﹂
?
なんだ、サーゼクス﹂
誠殿の視線は、怒りに満ちあふれていた。気持ちはわかる。しかし
だ⋮
﹂
﹁冥界で最上級悪魔を、一誠君は殺したんだぞ。誠殿、その意味は判る
でしょ
ルールって物は守らないと意味がないんだぞ。無理矢理の眷属
﹁すまない、誠殿。悪魔は身勝手な生物なんだ﹂
﹂
﹁息 子 は 正 し い と 思 っ た こ と を し て、死 刑 な の か
ルー、どうなんだ
﹁ごめんなさい⋮﹂
?
前達、悪魔は間違っている
﹂
﹁たぶん、息子は死を覚悟して、彼女達を助けようとしたんだろう。お
?
お い、セ ラ フ ォ
怒りの矛先が、俺からアジュカに移ったみたいだ。
とだ。アジュカ﹂
化の禁止って、罰則がないし、やっても見ない振りって、どういうこ
か
﹁あぁ、理由はどうあれ、冥界での悪魔は何をしても問題ないってこと
?
﹂
俺は悪魔じゃ
?
││││││
被ってね﹂
﹁良 い 訳 な い だ ろ う セ ラ フ ォ ル ー。助 け に 行 こ う。但 し、マ ス ク を
がら⋮はぁ、そうだよな。俺は最低の魔王だ。
リアスは僕の腹を叩いていた。﹁お兄様なんか嫌い﹂と言い続けな
﹁サーゼクスちゃん、いいの
そういうと、誠殿は転移していった。
ないんだからな﹂
で助けに行く。俺が助けに行く分には問題ないだろ
﹁分かった。サーゼクスよ。お前ら悪魔の言い分は分かった。俺一人
そう言うとリアスの頭を撫でて立ち上がった。
﹁リアス、一誠が命をかけて守った姉妹のことを頼むよ﹂
誠殿は跪き、リアスを起こした。
﹁ごめんなさいごめんなさいごめんなさい﹂
リアスが涙を流しながら、誠殿に土下座をして謝っていた。
!
?
23
?
誠殿の後を追って、一誠君を助けに向かうと、最悪の結果が待って
いた。一誠君は殺されてはいなかったが、冥府に送られて、永久封印
されたそうだ。冥府は冥界の王と言えども、なんの権限もない。ハー
重 犯 罪 者 扱 い じ ゃ な い か。死 刑 よ り も 重 い だ ろ う
デスという神が取り仕切る、冥界とは別の世界なのだ。
﹁冥 府 送 り だ と
﹂
とだ
﹂
﹁おい、サーゼクスよ。腐った悪魔を殺して、冥府送りってどういうこ
封印だと、転生すらできない、永久的な禁固刑になる。
誠殿の言う通り、死刑であれば転生の機会があるが、冥府での永久
?
しなくても良かったのだ。後の祭りだけど⋮今俺に出来る事は⋮
﹁俺が冥府に行って、一誠を連れ帰る。魔王は辞任する。いいな
?
﹁アジュカ、俺はハーデスと交渉をしてみる。先に行くぞ﹂
誠殿は転移していった。
│││一誠│││
?
﹂
女の子みたいだ。
?
﹁暖かい⋮あなた、暖かいのね﹂
という作戦に。
まったおんなの子。兎に角寒かった僕は、彼女に抱きついて暖を取る
急に抱きつかれて、後ろを振り向いた瞬間、僕と口づけをしてし
﹁えっ
て来た。後ろから抱きついてみた。うん
いんだよな。何か無いか探すと、マントを着た小さいな死神が近寄っ
﹃封印無効﹄のスキルで、脱出した僕。さて、どうするかな
ここは寒
被害者面した家族を睨むアジュカ。こいつもキレているようだ。
いと、連れ戻れない。アイツらに場所を吐かせるのが先だ﹂
﹁サーゼクス、それで問題は解決しないぞ。封印した場所がわからな
ジュカ﹂
ア
も魔王として裁けば良かったのだ。何も被害者に、彼を引き渡す事を
ら。俺は判断を誤ったんだと思う。ルールにちゃんと則って、一誠君
詰め寄られるが、言い返せない。誠殿と思っていることは同じだか
?
?
24
?
女の子が僕に囁いた。
﹁生きている証だよ。君も暖かいよ⋮﹂
││││││
﹂
僕は意識を失ったようで、目が覚めると知らない場所にいた。
﹁あっ、目が覚めたんだね﹂
﹂
先程の女の子が、僕に近づいてきた。
﹁ここは
﹁私の家よ。君はどうして、あんな場所にいたの
﹂
﹁永久封印の刑を受けて、脱走したんだよ。僕は兵藤一誠です。あり
がとう﹂
﹂
﹁私は、ハーフ死神のベンニーアよ。あなたは人間
﹁そうです。君は人間とのハーフなのかな
﹁正解です♪﹂
?
﹁一緒に脱走する
﹂
久封印エリアの見回りの最中だったらしい。
彼女は、最上級死神オルクスの娘だそうで、僕と出会ったのは、永
?
気があるようだ。
?
うん
そうだ。袋が使えるならば、袋に手を入れて、僕の駒を2つ取
ハーフ死神のベンニーアに悪魔の囁きをする僕。悩み始めた彼女。
んだ。でも、君の魔力を使えば、脱出できるよ﹂
﹁方法は持っている。だけど、僕は魔力をロストしているので、無理な
﹁冥府から、どうやって脱走をするの
﹂
彼女に提案をした。この世界しか知らない彼女は、僕の提案に乗る
?
﹁その駒は何
﹂
えるくらいになるはずだ。
となった。この状態であれば、魔力の上限が上がる。転移魔法なら使
また、悩み始めた彼女。僕は駒を入れたことにより、転生ドラゴン
これを入れれば、君も地上で普通に暮らせるようになるんだ﹂
﹁地上にベンニーアが一緒に来てくれるならば、君に入れる駒だよ。
ベンニーアが不思議そうに僕が手にしている駒を見ている。
?
25
?
?
り出した。1つを自分自身に入れた。
?
﹁一誠君、私も連れて行ってください。ここって、何も無くてつまらな
いから﹂
僕は頷き、彼女に僕の駒を入れて、転移するための魔法陣を床に発
現した。
﹁この魔法陣に入って、魔力を込めてね﹂
二人で魔法陣に入り、二人で魔力を込めた。光の渦が僕達を飲み込
む。転 生 ド ラ ゴ ン と な っ た ベ ン ニ ー ア は 光 の オ ー ラ を 受 け て も ダ
メージを受けなくなっている。
﹁駒の威力って凄い。光のオーラを受けても大丈夫なんだ﹂
感心しているベンニーア。そして、僕達は人間界の僕の家に転移し
﹂
﹂
た。突然僕達が転移してきたことに、母さんとリーラさんが驚いてい
た。
﹁一誠⋮無事だったの
﹁一誠様⋮その娘は誰ですか
﹁ただいま帰りました。自力で脱走して、途中彼女の手助けを受けて、
無 事 に 帰 り つ き ま し た。彼 女 は、ハ ー フ 死 神 ベ ン ニ ー ア で す。母 さ
ん、ここに住まわせてください。お願いします﹂
﹂
僕は母さんに頭を下げてお願いをした。
﹁ねぇ、ダメって言ったら
死神も連れ帰ったことが知らされた。
誠が自力で脱走して、無事に帰宅したこと、ベンニーアというハーフ
ハーデスとの交渉が難航していた時に、一香から念話が入った。一
│││誠││││
受け入れて貰えて、喜んでいた。
﹁お願いします♪﹂
ベンニーアは笑顔で頷き、
ア、私達と一緒に暮らしましょ﹂
﹁それじゃ、ダメって言えないわよね。わかったわ、一誠。ベンニー
は彼女に対して責任がありますから﹂
﹁彼女と二人で、この家を出て行きます。彼女を連れて来た以上、僕に
?
26
?
?
はぁ
自力で、永久封印から脱出できるか、あいつは⋮
念話で得た情報をハーデスに知らせた。初めてハーデスの驚く顔
が見られたのは儲けものだった。一誠が自力で脱出した場所を、ハー
デスと共に見に行くと、カギは壊れていないし、カギ穴も使われた形
跡もなかった。不思議がるハーデス。
そこで、一香を経由して一誠に、どうやったのかを確認すると⋮﹃封
印無効﹄
﹃結界無効﹄のスキル持ちだったことが判明した。更に、種族
変更をする能力が復活して、今はベンニーア共々転生ドラゴンになっ
たようだ。これもハーデスに伝えると、顎の骨が外れて落ちた⋮
そうそう、サーゼクス達が冥府に攻撃しないように、悪魔側にも状
況を連絡した。一誠の脱出劇には魔王達も驚いたようだった。
一誠は、ラスボス級としての力が戻りつつあるようだ。まぁ、正し
いことをしている分には頼もしい味方だから、良しとした。
27
?
初めての危機*
│││一誠│││
睡眠中、上司との会話をした。
﹃良い知らせと悪い知らせがあるのじゃが、悪い知らせは、この世界で
高校卒業まで最低いないといけないことじゃ﹄
なんで
﹃この身体をベースに、同化吸収させるためじゃ。理由は良い知らせ
なのだじゃが、この世界の身体をベースにすることによって、お前の
壊れ掛かったハートの器が、新品になるのじゃ﹄
あぁ、そういうことか。新品故傷もないし、強度もある。この状態
で、その歳まで鍛えれば、闇に飲み込まれての暴走がなくなるってこ
とか。
﹃その通りじゃ。まぁ、アチラの時間の進行を遅くしてあるので、安心
して鍛錬せよ﹄
上司との会話が終わった。
││││││
そうだ、この世界でのことを少し話そう。この世界のグレモリー家
は、僕の遭遇した様々なグレモリー家の中で、一番真面に思える。黒
頭巾集団に襲われた姫島家を救うために尽力をして、問題を解決に導
き、今は冥界の堕天使領に住まわせてくれた。その代わりだけど、朱
乃ちゃんをリアスの眷属にしたみたいだ。朱乃ちゃんに聞いたら、リ
アスとは良く話し合って、納得して眷属になったそうだ。
そして、あの姉妹。僕の予想通り、黒歌、白音姉妹だった。グレモ
リー家が彼女達の後ろ盾になることで、他家との眷属問題を無くして
くれた。リアス的には二人共眷属にしたかったようだが、黒歌はリア
スの能力値では眷属にできなかったようだ。
沖田先生の道場での鍛錬の後、リアスの家から地上に転移をするよ
うになっている。で、次の週末、リアスの家に行った時に、黒歌に僕
の駒を入れてみると、すんなり入っていった。それを見た白音が
﹁お姉様、ズルいです。私も一誠さんの眷属が良かったです﹂
28
?
って。
事はそれで終わりにならなかった。僕が駒を持っている事実を、リ
﹂
アス、魔王達、父さんに知られることになったのだ。まぁ、いずれバ
レることだけど。
﹁一誠君、その駒はなんだい
﹂
﹁一誠、言いにくいことなのか う∼、でも、真実を話してくれないか
アジュカさんに尋ねられた。僕は返答に困り、父さんを見た。
?
少しずつ上昇しています﹂
﹁おいおい⋮﹂
﹁一誠君、駒はどうやって作ったのかな
?
能を加えたんだよ﹂
信じられないという顔のアジュカさん。
?
父 さ ん の 方 を 見 る と、首 を 縦 に 振 っ て い た。
﹁悪魔の駒の知識はどこで手に入れたんだい
言 っ て い い の か な
﹂
﹁悪魔の駒を参考にして、悪魔の駒の問題点を回収しながら、必要な機
アジュカさんが尋ねてきた。
﹂
父さんの顔から血の気が引いていっているようだ。
か無理だけどね﹂
﹁父さん、正解です。でも、まだ上限値が低いので、簡単な転移魔法し
﹁まさか、魔法が使えるのか
﹂
﹁父さん、正解です。この駒を使いました。おかげで、魔力の上限が、
父さんが蒼い顔をしてきいたきた。
﹁もしかして、一誠、種族を変更できる能力って⋮﹂
驚いた表情の皆さん。
﹁僕の作った龍の駒です。入れると転生ドラゴンになります﹂
父さんのお許しが出たので、話す事に。
?
?
どういう意味だ
﹂
?
﹁僕の名前は、シュウ・ヨハネ・鬼門。訳あって、この身体の受精卵に
﹁一誠君のいた世界
﹁僕がいた世界での義理の父さんに、習いました﹂
言って良いってことだな。
?
?
29
?
魂が着地しました﹂
父さん以外のみんなに﹃ガーン
﹄っていう効果音が、鳴り響いた
﹂
感じがする。衝撃的な発言だよね。人間の幼稚園児としては。
﹁シュウっていうのか、君の本当の名前は
﹁了解です。アジュカさん♪﹂
?
父さんが、僕に言葉を投げて来た。
﹁そうか、それで、禁術魔術を知っているのか
﹂
ゲームの保守をしたり、術式プログラムの研究をしていました﹂
﹁僕は、アジュカ父さんの元で、悪魔の駒を改良したり、レーティング
﹁俺に⋮息子⋮﹂
惑するのに充分だろう。
界でとは言え、息子がいた事実は、生涯独身を決め込んだ彼には、困
アジュカさんの顔は困惑しているようだ。まぁ、そうだろう。別世
す﹂
﹁アジュカ・ベルゼブブ。僕の冥界での立場はシュウ・ベルゼブブで
﹁それで、君の義理の父さんとは誰なのかな
﹂
﹁魂の持ち主⋮わかった。君のことは魂を含めて、一誠君と呼ぶよ﹂
ウムさんだけみたいだ。後、父さんも。
僕の話した内容についてこれているのは、アジュカさんとファルビ
てください﹂
﹁僕は兵藤一誠です。シュウという名前は、魂の持ち主の名前と思っ
?
﹂
﹁それ以外に、僕のオリジナルな禁術もあります。術式プログラマー
セラフォルーさんが震える声で呟いた。
﹁考えられる魔術の殆どが使えたの
ク、ソーサリアン、ロードなどのジョブも極めていますからね♪﹂
系統の魔術は極めています。ネクロマンサーだけでなく、ウォーロッ
﹁今の僕の魔力の上限では何も発動できないけど、光・闇・聖・魔の4
ファルビウムさんが驚きの声を上げた。
﹁ネクロマンサーだと⋮﹂
クロマンサーを育成するギルドで研究したんだよ﹂
﹁父さん、それは不正解だよ。冥界に禁術魔術がないもの。あれは、ネ
?
30
!
?
なんで、オリジナルな魔術系に走っています。うふっ♪﹂
﹂
リアスは、リアスの知識の範疇を超えた話で、呆然としていた。
敵になるのか
﹂
﹁で、他に聞きたいことって、ありますか
﹁君は我々の味方なのか
なるのかな
﹂
?
ている。
﹁誠殿、一誠君の話は真実ですか
アジュカが聞いてきた。
妄想ですか
児には、ちと重労働だったかな。リアスのベッドで、リアスと共に寝
一誠は、長時間に渡って話をしすぎ、疲れて寝てしまった。幼稚園
│││誠│││
って、父さん。
﹁それは、酷い世界だな⋮サーゼクス、そうさせるなよ﹂
に﹂
た。アジュカさん、ファルビウムさんは失脚させられて、行方知らず
滅びの力で消滅させ、サーゼクスさんは僕の教え子を殺しに来まし
た。天使、堕天使は悪魔により絶滅寸前。リアスは創造神、破壊神を
﹁悪魔至上主義が世界を征服して、セラフォルーさんがラスボスでし
サーゼクスさんが恐る恐る質問しているようにみえた。
﹁敵対した世界とはどんな世界だったのだ
﹂
真っ赤な顔をしたリアスが、小声で呟いていた。この世界ではそう
﹁私は一誠君の奥様になるのね⋮﹂
よ。ふふふ﹂
たこともあります。その場合は、問答無用に退場してもらいました
それぞれとの間に子供がいますから。でも、世界によっては敵になっ
﹁基本、味方ですよ。僕はリアス、ソーナ、シーグヴァイラと結婚して、
サーゼクスさんから、もっともな質問が飛んできた。
?
﹁残念だが、真実だ。破壊神のシヴァに確認した。一誠の魂は、シュウ
?
そのシュウという人物は﹂
という人物であるのは間違いない﹂
﹁どんな人物なの
?
31
?
?
?
?
セラフォルーが聞いてきた。
﹁神格階位2位、絶対神の特務機関の団長だそうだ﹂
﹁﹁⋮﹂﹂
魔王達は驚いて、声が出ないみたいだ。俺も驚いたよ。最高神より
上の階位なんだもの。
﹂
﹁星を一瞬で壊滅する能力があるそうだ﹂
﹁一瞬でか
ファルビウムが困惑している。そうだよな。一瞬で壊滅って、どん
な能力だよな。
﹁彼の配下だけでも、星1つの壊滅が可能だそうだ﹂
﹁手下もスゲェーのかよ⋮﹂
ファルビウムがあきれたようだ。あきれるよな。あれは⋮
﹁現状でも、もし息子と対峙したとして、勝てる自信はない﹂
﹁誠殿でもか⋮おいおい﹂
沖田君が、もう既に勝てそうではない状
サーゼクスの顔から血の気が引いている。
﹁サーゼクスも見ただろう
態なのを﹂
いた﹂
﹁配下の者も、この世界に来ているの
﹂
﹁闘戦勝仏様は、一誠⋮いや、シュウの配下の者に瀕死の状態にされて
たことが無かったのに⋮
あれは、俺にとっても衝撃的だった。俺ですら、くそオヤジに勝て
にだ﹂
﹁俺の見る限り、くそオヤジは手を抜くこと無く、一誠と戦っていたの
﹁源氏殿が⋮﹂
﹁俺のくそオヤジは初対戦で倒されたよ﹂
のだ。
スとなる身体が幼稚園児では、その二つの問題だけは、解決できない
体力のなさだけだ。それは一誠も俺も沖田君もわかっていた。ベー
今日の鍛錬で、沖田君の剣技を超え始めていた。問題はスタミナと
?
魔王4名に衝撃が走ったみたいだ。一誠は幼稚園児だから、それな
?
32
?
りに対処できる自信があったのだろうが、配下がいるとなるとなぁ
あれはドラゴンが4匹以上が存在しないと開けないだろ
﹂
﹁まだ、召還魔法が使えないそうだ。だから龍門を開いて呼び出した﹂
﹁龍門
アジュカの言うことは正しい。だが
うだ﹂
﹁4匹以上⋮一人で
﹂
﹁俺の息子は、4匹以上の龍を従えている。魂に一緒に宿しているそ
?
程度なんだろう。
?
うだ﹂
﹁﹁﹁﹁えっ
﹂﹂﹂﹂
トライヘキサ。この2体も配下として、この世界に連れてきているそ
オリオン・ハートアンダーブレード。聖書に記されている獣の数字、
﹁怪異の王と言われている伝説のバンパイア、キスショット・アセロラ
誰かのツバを飲み込む音が聞こえた。
場 が 静 か に な っ た。俺 の 言 っ た 意 味 を 即 座 に 理 解 し た の だ ろ う。
には、それ以上の恐怖の対象が宿っている﹂
﹁問題はドラゴンではないんだ。ドラゴンだけでも脅威なのに、一誠
﹁どんなドラゴンがいたのだ
﹂
一誠の恐ろしさはドラゴンではない。きっと、ドラゴンは目眩まし
表現が正しい数の多さだったよ﹂
﹁俺はこの目で見たんだ。闘戦勝仏様が逃げ惑う姿を⋮群がるという
?
とをする奴だと思う。一誠の行動、姫島家の件、猫又姉妹の件を見て
だと。そのつもりだよ。いや、シュウという者は正しいと思えるこ
﹁誠殿、一誠君を悪の道に進まないように育ててくださいね﹂
カが俺に近づいてきた。
魔王4名が円陣になって、ごにょごにょと相談をしてから、アジュ
真実だ﹂
想の魔物とされてきた。だけど、この世界に確実にいるんだ。これが
ている。しかし、今までは、その存在を確かめた者がおらず、伝説、空
﹁どちらも単体で、地上を壊滅させる力を持っていると、昔から言われ
目が点になったような表情の魔王4名。写真に撮りたい表情だぞ。
?
33
?
いるとわかる。
きっと、性癖以外は正しいはずだ。
│││一誠│││
あと、剣使いだと、バ
沖田先生に﹁もう教えることがない﹂と、言われてしまった。もっ
と、強くなりたいのに。さて、どうしようかな
﹁数馬、ただいま♪﹂
邸宅だった。
もう少しあれば、広範囲に転移できるはずだ
週末、母さんに連れられて、転移した。転移した先は、式森本家の
し。
を上げる方が先かな
結局、
﹁九十九屋﹂の所在地はわからなかった。もっと、魔力の上限
いや、ある。﹁九十九屋﹂だ。場所を調べないと。
チカンとペンドラゴンだけど、今の僕には接触する機会がないなぁ。
?
珍しいな。うん
この子は
﹂
母さんが、現当主に挨拶をした。現当主は母さんの実の弟だ。
﹁姉さん、どうしたんだ
?
?
﹂
教えてくれないかな
﹁私の愛しい息子の一誠よ。頼みがあるのよ。この子に魔術の基礎を
?
よ﹂
って、叔父さんにせがんでいる男の子。こいつは和樹か
?
﹁父さん、叔母さんの子供が来ているんだってね。僕対戦してみたい
といいなぁ。
その後も、基礎魔術を繰り返し、発動しまくる。これで上限あがる
﹁ほぉ、なかなか才能がありそうだねぇ﹂
魔術を発動していく。
で、式森流の魔術の基礎を学ぶことになった。教わる通りに、基礎
たいし﹂
﹁ふぅ∼、そういうことか。わかったよ。姉さんの子供の実力も知り
母さんにツッコミを入れたくなった僕。
﹁私は基礎なんか興味ないから無理﹂
前当主なんだし﹂
﹁姉さんが教えれば
?
34
?
?
﹁彼はまだ基礎を教えはじめたばかりだぞ﹂
﹁弱いんだね﹂
この親子の会話に母さんがキレたみたいだ。オーラに怒りの色が
見える。
﹂
﹁一誠、相手をしてあげなさい﹂
﹁母さん、本気出してもいい
﹁殺さない程度よ♪﹂
いだ。
どうしようかな
仲間に相談してみた。ブリト
?
い。さてと、やるかな
ドライグのカウントが終わるまで、和樹から一発ももらっていな
な、ふふふ﹄
﹃了解だ、シュウ。ゾクゾクするぞ、こんなテクニックがあったとは
﹃ドライグ、タイミング勝負だ。頼むよ﹄
しないように書き換えていく。発動しないことにあせる和樹。
魔法陣を発現させて来る。ソレを見て威力のなさそうな物は、発動
を着込んでも無駄だよ﹂
﹁生意気な奴だ。式森家次期当主の力を思い知らせてやる。そんな鎧
相手を挑発していく。
﹁和樹、撃ってこいよ﹂
そして、ドライグにはカウントを始めて貰う。ふふふ。
を巻き付けて貰い、アルビオンの能力をラインに付加してもらった。
そして、試合開始。オーフィスの鎧を纏い、ブリトラに鎧へライン
ラ、オーフィス、アルビオン、ドライグに協力をして貰うことにした。
アレできるかな
降参するかするまで続く。魔術以外にも持てる力を使って良いみた
そして、和樹と試合になった。ルールは相手が戦闘不能になるか、
こちらも、相手を挑発するような親子の会話をしていた。
?
﹁え
なんだ、この魔法陣
﹂
﹃ウルティマウエポン﹄の魔法陣を和樹の頭上に展開させた。
﹃ウルティマウエポン﹄の術式から屠る要素を消した、即死性のない
?
?
35
?
僕が魔法陣を発動させる魔力を放つと、その魔力に対して、ドライ
?
グが﹃倍化﹄の恩恵を﹃譲渡﹄した。そして、現在の僕の魔力の上限
では発動出来ない禁術﹃ウルティマウエポン﹄は発動した。全身から
煙が立ち上る和樹。そして、その場に倒れた。
衝撃的なシーンを見た数馬叔父さんは、直ぐに動けなかった。母さ
んもだ。僕は鎧を解除して、
﹁母さん、勝ったよ∼﹂
﹂
と言いながら母さんに抱きついた。その僕の声で、我に返った数馬
叔父さんが、和樹に駈け寄り、介抱をし始めた。
﹁おい、和樹。しっかりしろよ。何が起きたんだ
﹁一誠君、和樹に何をしたんだ
﹂
母さん。母さんには、僕に対する恐怖の色が浮かんでいる。
と母さんは、叔父さんの部屋に呼ばれた。神妙な面持ちな叔父さんと
叔父さんの介抱の甲斐もなく、和樹は病院送りとなり、その後、僕
?
一香
﹂
僕は母さんの方を見た。僕の視線から逃げた母さん。そんな時、父
?
ない。
﹁数馬君、何があったんだ
和樹が、病院送りになる
一香がこんなにショックを受けるって﹂
﹁誠さん⋮あなた方の息子さんは何なんだ
﹁一誠⋮何をしたんだ
怒らないから真実を教えてくれ﹂
父さんが、僕を見つめた。
期当主なんだよ。それがたった1発の魔法で⋮﹂
くらいのダメージを受けるとは、ありえない。あいつは、式森家の次
?
?
?
て、発動させたんだよ﹂
﹂
﹁死なない程度に書き直した
グができるのか
誠さん達の息子は、術式プログラミン
﹁だから、現状で撃ち込める最強の魔法を、死なない程度に書き直し
このような事態になったことに、気づいたのだ。
﹁はっ﹂とした表情の母さんが僕の方を見た。そう、母さんの発言で、
﹁母さんが、殺さない程度に本気でいっていいって⋮﹂
?
36
さんが転移してきた。
﹁何があったんだ
?
母さんは、無言だった。母さんにとっても衝撃的だったのかもしれ
?
?
叔父さんは驚いたような表情で、僕を見た。
﹁あぁ、一誠は、そのスキルがあるんだ。一香は知らなかったみたいだ
が﹂
父さんは母さんを見ずに言った。
﹁まさか、一香が俺に内緒で、ここに一誠を連れ出すとは思わなかっ
た。俺の失敗だ。数馬君、すまない﹂
﹂
父さんは叔父さんに謝った。僕も父さんの後ろで、叔父さんに向
かって、頭を下げた。
﹂
﹁一誠、発動させた魔法陣を発現させて、見せてくれないか
僕は頷き、父さん達に魔法陣を発現させた。
﹁これは⋮なんだ、この文字は⋮﹂
叔父さんから唸るような声が聞こえた。
﹁これって⋮禁術系の⋮一誠、禁術系が書けるの
驚いたような声の母さん。
﹁書けるよ、母さん。これは僕のオリジナルの魔法陣。発動するには
?
俺の知る限
パスワードを込めた魔力を入れないと発動できないようにしてある。
コピーされる危険を回避するためにね﹂
﹁こ、こんな複雑な物を⋮一誠が⋮﹂
母さんは、魔法陣から目を離さない。
﹁誠さん、一誠君はどこで、こんな魔術を覚えたんだい
り、この手の参考書なんかないはずなんだが⋮﹂
?
﹂
﹁どうして、驚いているんだ
二人とも﹂
ど、ギルド関連の書物は何も無いのよ﹂
﹁そのギルドは伝説のギルドなの。名前だけは古い書物に出ているけ
魔術に関しての知識に疎い父さんが、式森の者に尋ねた。
?
37
?
叔父さんの目付きは驚きから、探求するようなものになっていた。
﹁一誠、どこでだ
﹂﹂
?
叔父さんと母さんが同時に驚きの声を上げていた。
﹁﹁禁断の魔術ギルド
﹁禁断の魔術ギルドで、口伝で教わりました﹂
父さんが優しい口調できいてきた。
?
母さんの説明は正しい。あのギルドでは、ギルド員以外に、情報が
一誠、どうして⋮いや、言わないでいい﹂
漏れることを防ぐために、総て口伝で伝えられた。
﹁そうなのか
いけないことだった﹂
?
親子の会話だけど、一香﹂
﹄
﹂
?
﹁一誠はどうなるんだ
﹂
れば、少しなら答えられる﹂
﹁そうだ、誠よ。あまり長時間は出ていられない。聞きたいことがあ
僕は、一誠の後ろにオーラ体という形で発現した。
│││シュウ│││
父さんが僕にその名前を告げた。
﹁シュウ・ヨハネ・鬼門か
僕の中の魂が言い放った。
のか
る。ソレを超えるには、人間を辞めることになるが、その覚悟はある
﹃思い上がるな、式森家の者よ。人間の知って良い領域には限りがあ
僕の中で何かのスイッチが入った。
の当主として知る権利があるはずだ﹂
﹁誠さん、わかるように説明してください。魔術を極めている式森家
﹁うん
蚊帳の外に置かれた形になった母さんから、声がかかった。
﹁ねぇ、二人で何の話をしているの
﹂
﹁そうだよ、父さん。悪い奴の仲間になる前に、どうしてもしないと、
﹁だから、お前は⋮アイツを使役できたのか﹂
父さんは何かに気づいた。
?
﹂
?
﹁この世界には帰ってこないのか
﹂
一誠に僕の全能力が引き継がれる﹂
﹁僕の元の身体が、一誠に同化吸収される。そして、元の身体は消え、
﹁帰ったら一誠はどうなるんだ
る。たぶん、18∼20歳くらいには帰れる予定だ﹂
﹁僕の魂が定着している。僕の世界に帰る日まで、この世界で成長す
?
?
38
?
?
﹁帰って来る。父さんと母さんと姉妹がいる世界を、僕は絶対に見捨
﹂
まぁ、そ
てない。全能力が戻れば、次元や時間を超えての転移も可能となるか
ら﹂
﹁君はどうしたいんだ
﹁僕には選択肢がない。あるとすれば、目先のエロだけかな
あるのであれば、
んな感じだ。式森の者よ、僕はあの術を極めるために、普通の生物で
あることを辞めた。お前に、その覚悟はあるのか
﹁何者なんだ
﹂
ソイツは﹂
﹁憑依ではない。一誠の魂がシュウなんだ﹂
﹁憑依されているのか
﹁今出て来たのが、一誠に宿るシュウ・ヨハネ・鬼門の魂だ﹂
直った。
俺は、一誠を抱き抱えて、抱きしめた。そして、数馬君の方に向き
たのか、シュウが霧散すると同時に、一誠はその場に倒れた。
オーラ体という形で、出て来てくれたシュウ。一誠の疲れが溜まっ
│││誠│││
そして、僕のオーラ体は霧散した。
に、覚悟を決めておけ﹂
あのギルドに誘ってやる。全能力が戻れば可能だからな。それまで
?
﹁なんだって⋮神格階位2位って⋮神じゃないか⋮﹂
﹁私達の一誠って、そんなにエライの⋮﹂
﹂
﹂
二人は真実を知り、なんらかの畏敬の念を持ったのかもしれない。
﹁誠さん、彼の強さはどのくらいなんだ
﹁この星を一瞬で破滅できるらしい﹂
﹁ねぇ、誠さん、私達の息子って、ラスボスなの
い。反省しています。一誠を責めないでね﹂
﹁そっ、そうだよね。私達の育て方が重要なのよね⋮数馬、ごめんなさ
られた俺達の使命なんだと思う﹂
﹁一香、そうならないように、一誠を真っ直ぐに育てるが、神から与え
?
?
39
?
?
?
俺は、今までに手にした情報を、数馬と一香に伝えた。
?
﹁姉さん⋮俺は、彼が能力を取り戻せるように協力をするよ。彼が帰
る時までに、決意も決める﹂
│││一香│││
家に親子三人で戻って来た。一誠をリーラに預け、誠さんは仕事に
出掛けた。たまには、一人で寝るか。
衝撃的な展開で少し興奮気味だったので、なかなか寝付けなかっ
た。それは、うつらうつらし始めた時に起きた。
何者かが私に覆い被さってきた。私はその場から逃げようとした
のだが、金縛り状態になっていて、声すら出ない。目の前にいるのに
見えない侵入者。パジャマが脱がされていく。そして、下着すらも。
侵入者は、胸を弄び始めた。気持ちが凄く良い、身体の中が熱い、太
ももの内側の筋肉がピクピクしているのがわかる。私は侵入者の行
為により、快楽の世界へと引きづりこまれて行った。
私は見えない4人の者達に弄ばれ、3
部屋には、力がまるで入らずに布団の上に置かれている、全裸の私
だけになった。
│││一誠││││
40
絶頂感を満喫して、全身の筋肉が弛緩していくのが分かる。その余
韻に浸る間もなく、次なる刺激が押し寄せて来た。私は四つん這いに
されて、お尻の谷間を何かでなぞられている。その刺激だけで、私の
中から暖かい液体が湧き出て来ている。口の中に肉棒が入れられた。
頬張り、舌で奉仕をしていく。こんなプライドを汚される行為なの
に、なぜか私は満足している。私ってエムなのかな。そして、下腹部
にも挿入されていた。侵入者は二人なのか
人の侵入者がいるのだろうか
挿入され、胸の谷間にも挿入されている。そして、後ろの穴まで⋮4
ように固くなったモノが挿入されて、私は自力で上下に動く。口にも
に浸ることなく、次の行為をさせられた。今度は騎乗位。下から杭の
2度目の絶頂を迎えた。私は力無く布団に横たわるが、またも余韻
?
ラウンドが終了すると、侵入者の気配が一気に消え去った。
?
翌朝、目が覚めると、全裸のリーラに抱かれていた。僕はまだ幼稚
園児なのに⋮
﹁一誠様、おはようございます。ご加護をありがとうございます﹂
と、お礼を言われた。僕には加護を与える能力はまだないはずなん
だけど。不思議に思いながらも、幼稚園に行く用意をした。それから
家族で食事をして、リーラさんの付き添いで、姉ちゃん二人と幼稚園
へと向かった。
そして、三時頃に帰宅して、遊びに行く。ヘタに、家にいると、ひ
たぎ姉さんがお医者さんごっこを仕掛けてくるし、万が一、それから
逃げ切っても翼姉さんに捕まり、読み書きの練習を一緒にすることに
なるので、外へ遊びに行くのが日課だ。
遊び場はもっぱら、姫島神社の境内だ。ここは高台にあり、段数の
多い階段があり、鍛錬するにも良い。境内に着くと、由良がいた。由
良は髪の毛が緑で、ボーイッシュな女の子だ。
41
﹁由良、遅くなって、ごめん﹂
﹁一誠。名前で呼んでほしいな﹂
﹁だって、姉さんと同じ名前だから⋮﹂
僕の姉さんの片割れが﹁翼﹂なのだが、由良の名前は﹁翼紗﹂と、漢
字で書くと違うけど、声にだすと同じ﹁つばさ﹂になるのだ。それに
﹁ゆら﹂の方が発音が楽だし。
﹂
﹁わかったよ、由良﹂
﹁もう
由良の反応が鈍くなってきたところで、関節技を解いた。くすぐり
﹁これくらい⋮あぁ、ダメだよ∼くすぐったいよ∼﹂
﹁まいったといえば、やめるけど﹂
由良の弱点、脇腹辺りに刺激を与えていく。
﹁一誠、くすぐったいよ∼﹂
極めて、関節技に持ち込む。
いうには、少し本格的ではあるけど。由良の攻撃をかいくぐり、腕を
けたりしていく。僕と由良の遊びは、格闘術ごっこなのだ。ごっこと
突然、襲いかかってきた由良。僕は彼女の攻撃を受け流したり、避
!
あっ⋮﹂
地獄により、由良の体力は下限近くのようだった。
﹁はぁ、脇腹が痛いよ。一誠のバカ
れたりする能力があるようだ。僕も気配を読めた。なんだ、これは
索敵能力がまだまだの僕は、対象物の正体までは読めないでいた。
﹂
由良に肩を貸して、立ち上がらせた。
﹁そこの鬼畜なお兄やん、ちょっと待ちい﹂
﹂
僕は声を掛けられた。この声に覚えがある。式神の主だ。
﹁影縫さんが、僕に何の用ですか
は人間とは思えないほどに強く鋭く、残虐である。
?
﹁僕に用ですか
﹂
﹁鬼畜なお兄やん、彼女には手は出さへん。安心おし﹂
まずいな。由良を社務所まで、連れて行って、置いてきた。
﹁鬼畜なお兄やん、なんで、うちの名前を知っているん
﹂
弦。式神・斧乃木余接の主だ。僕は別世界で遭遇していた。その攻撃
相手の名前を出した。バトルマニアにして、暴力的陰陽師の影縫余
?
?
由良が何かの気配に気が付いた。彼女は、人外の者が見えたり、触
!
由良を守るようにして、彼女の前に立った。
﹁由良、正体はなんだ
﹂
﹁式神みたい⋮﹂
﹁敵意は
﹂
?
﹁無理、私、今走れないよ﹂
﹁逃げられるかな
﹁様子見をしている﹂
?
メージを減らした。
?
﹁一誠くん
﹂
由良の声がした。手を出さないっていっただろ
﹂
ると、式神に囚われた由良がいた。
﹁約束が違うだろ
声のした方をみ
僕もパンチを繰り出すが、影縫さんには当たらない。
﹁なんや、そのけったいな鎧は
﹂
影縫さんが攻撃を仕掛けてきた。僕はオーフィスの鎧を纏い、ダ
?
42
?
?
?
!
﹁はぁ
約束はしてへん。ただ言っただけや。大人しく鎧を脱ぎな。
彼女どうなっても知らへんよ﹂
﹂
人間ではない鬼畜なお兄やんに言われたくあらへん﹂
﹁汚いぞ、ヤリ方が。幼稚園児にすることかよ
﹁はぁ
僕 は 鎧 を 解 除 し た。そ の 瞬 間、腹 部 に 激 痛 が 走 っ た。腹 を 割 か れ
なんや、鬼畜なお兄やん⋮困ったなぁ。人間なのかい。どな
て、小腸を引き釣り出されていた。
﹁うん
いしよう﹂
影縫さんが困り顔になった。その場に膝を着き、前のめりに倒れる
僕。僕の意識はそこまでだった。
43
?
?
?
?
愛おしい者との再会*
│││シュウ│││
鎧を解いた瞬間、最悪な事態に備える。
﹃ブリトラ、一誠のオーラを駒に集めて、生きられる最低限の分だけ
フィードバックさせて﹄
﹃了解﹄
﹃ドライグ、駒に集められたオーラを、ワンカウントでいいから倍化し
ていってくれ﹄
﹃了解﹄
一誠の腹部が斬り裂かれて、内臓を引き摺り出された。それと同時
に、体力が目減りし始めた。昨晩、幽体離脱して一香を弄んだ時に、一
香の魂に、緊急連絡用の機能を付けてきた。それが、早速役立つな。
一香に向けて緊急信号を打ち出した。
別名の由来は﹁ハートアンダーブレード﹂を和訳すると、﹁刃の下の心﹂
となり、
﹁忍﹂という文字になるからだ。呼び名は短い方が、咄嗟の命
令指示を出しやすい。その為に考えた別名である。当の本人も、それ
なりにこの呼び方を気にいってくれているようである。
僕は一誠の死を﹃無価値﹄にして、不
﹃ダメじゃな、生きる方へエネルギーを振り分けておる。回復に回す
分は無いのじゃ﹄
そうか、他に何か⋮そうだ
死とした。チートな手ではあるが、この際、出来ることはしていかな
いと。
しばらくすると、心地良いゆりかごに寝ている気分になってきた。
﹄
そして、この世界にいないはずの者の声が、聞こえてきた。
﹃シュウ⋮周太郎⋮大丈夫
44
体力が生きるための最低ラインに近づき、一誠の身体は膝をつき、
﹄
前のめりに倒れた。他に何か出来ることはないかな
﹃忍、回復能力は使えるかな
?
怪異︵人外︶の王であるハートアンダーブレードを別名で呼んだ。
?
!
それは、遙か昔に死んだはずの僕を産んでくれた母親、代羽マリア
?
の声であった。僕の産みの母親は、僕を生かす為に囮となり、神族の
﹄
放った暗殺者に殺されたのだ。
﹃母さん⋮なんで、ここに
一香の神滅具 ﹃神愛護珠﹄かぁ⋮そこに母さんがいるのか⋮僕は
ているのよ。たぶん、この日の為に、この世界に魂を飛ばされたのね﹄
﹃私は⋮私の魂は⋮この世界で、一誠の母親、一香の神滅具に封じられ
いく感じだ。
暖かいオーラを纏った声。聞く度に僕も、一誠の身体も癒やされて
?
母さんの温もりを感じながら、意識が薄れていった。
│││誠│││
一 香 か ら の 緊 急 連 絡。一 誠 が 襲 わ れ た っ て。俺 は 急 い で 現 場 と
なった姫島神社に転移した。そこで目にしたのは、腹を割かれて内臓
が引き摺り出された、一誠の惨たらしい姿だった。一誠の近くには、
一香も転移してきて、禁手化状態の大天使姿となり、天使の翼
一誠の友達が倒れていた。彼女の状態はわからない。誰にやられた
んだ
気が治っていくのだ。
俺も、バラキエル達と戦う事にする。
遠くでは戦っている者達がいた。堕天使のアザゼルとバラキエル、
相手は陰陽師と式神か
﹂
?
兵藤本家の孫
ほんまかい
﹂
﹂
?
﹁真実だ。知らないで請け負ったのか
?
﹁はぁ
アザゼルが、陰陽師に言い放った。
﹁兵藤本家の孫を鬼畜扱いとは、すごい酔っ払いだな﹂
﹁酒臭いお姉やんだ。ガキの姿しておるが、鬼畜が化けとるって﹂
俺は、陰陽師にきいた。
﹁おい、誰に頼まれたんだ
程無くして、一誠を手にかけた輩二名を捕縛した。
?
?
捕縛した二人は、アザゼル達が引き取っていっ
﹁当たり前や、兵藤家にケンカを売るようなマネを、好きこのんでする
誰だ
?
かいな﹂
酒臭い女
?
45
?
で、一誠と一誠の友達を包み込んだ。あの翼に包まれると、怪我や病
?
?
た。ここ、姫島神社は、堕天使バラキエルの領土だし。
一香の禁手の能力で、一誠は一命を取り留めたが、危篤状態であっ
た。俺は、セラフォルーに頼んで、シトリー家の運営している冥界の
一
医療施設に収容してもらった。無菌室に横たわる一誠。ガラス越し
で見守ることがしかできない俺達。アイツはどうしているんだ
誠の魂の所有者のことも心配した。
こんな時になんだ
﹁ねぇ、誠さん。話したいことがあるの﹂
﹂
一香が俺に
﹁なんだい
?
?
集まった。
な ん だ っ て ⋮ な に か 重 大 な こ と が わ か る か も し れ な い。
?
かしいとは思っていたが。
﹁その声の主が、シュウの母親だったのか
俺は一香に尋ねた。
﹂
だから、シュウが出てこないのか⋮この一大時に現れないのは、お
ばすわって。あっ、周太郎ってシュウの本名だそうよ﹂
周太郎の持つスキル﹃神器無効﹄がジャマだから、周太郎の意識を飛
﹁禁手状態で一誠を回復させていたとき、私の神滅具から声がしたの。
俺は、一香に得た情報を話してもらうことにした。
﹁一香、話してくれ﹂
アザゼル、サーゼクスと共にセラフォルーが入って来た。
﹁セラフォルーもいいよな
﹂
俺は、サーゼクスとアザゼルを呼び出し、俺達は医療施設の会議室に
は ぁ い
シュウの母親みたいんだよ﹂
﹁シ ュ ウ の こ と な ん だ け ど ⋮ 私 の 神 滅 具 に 封 じ ら れ て い る 魂 っ て、
?
神器っていうのは、神から人間への贈り物じゃないのか
﹁そうじゃないんだって。真実は逆。神にとってジャマな存在を封印
?
在なので、この神滅具に封印されたそうなの﹂
﹁封印
﹂
のよ。シュウの母親、代羽マリアは、聖書の神にとってはジャマな存
﹁そうだって。一誠の傷が回復するまで、彼女から色々な話を聞いた
?
46
?
?
神器の研究をしているアザゼルから質問が飛びだした。
?
した牢屋みたいなもので、神滅具は特に危険な存在を封印した牢屋だ
なんだって⋮﹂
そうよ﹂
﹁え
﹁先祖が持っていた能力
ヨハネ
﹂
聖書の神にとってジャマ⋮あっ⋮
まさか、黙示禄の作者かぁ。能力は創世と終末を見たとか
?
なんでだ
﹂
?
俺達は、はっとした。そして、一香を見た。
?
﹂
?
﹁シュウ君の戦友って
﹂
神器を封印した倉庫から盗み出して、地上に蒔いたって⋮﹂
﹁聖書の神に反抗する勢力⋮シュウが共に戦った戦友達の手で、神が
しんみりとした雰囲気は、アザゼルの発言でブレイクした。
﹁じゃ、誰からの贈り物なんだ
親子愛⋮それがなせる業︵ごう︶なのか⋮
に宿る彼女の魂が、シュウの彷徨っていた魂を呼び寄せた﹂
地した。これって、偶然ではなくて、必然だったみたい。私の神滅具
そしてシュウの魂は、私と誠さんの間に授かった男の子の受精卵に着
る彼女は、天界からの暗殺者に殺されて、魂を封印されたんだって⋮
所で⋮そして唯一、次の世代に先祖の遺伝子をリレーすることができ
たんだって、わざと天界に見つかるように。シュウから遠く離れた場
﹁卒業式の日の朝、シュウを学校に送り出した後、シュウの両親が動い
朝まで
していたそうよ。シュウが小学校の卒業式を迎える日の朝まで﹂
ることになる。だから、シュウ親子は、ひっそりと隠れるように暮ら
﹁その能力を持ったことが天界に知られると、確実にシュウは殺され
サーゼクスから質問が出た。
﹁悲劇
持ってしまった悲劇の能力よ﹂
﹁そうじゃない、創世から終末だそうよ。総てを知る能力。シュウが
?
?
彼の存在は問題になっていなかったそうよ﹂
れたんだって。その時点ではシュウの存在は知られてなかったので、
﹁彼女の場合は、先祖が持っていた能力者を産ませないために、封印さ
?
﹃大天使、創造神、絶対神、知識の精霊、三位一対なる者、ドラゴン⋮
セラフォルーが矢継ぎ早に質問をしてきた。
?
47
?
でも、シュウが産まれた時には、封印されてしまったか、殺されてい
た﹄
一 香 の 声 で は な い 声 が 答 え た。こ れ が シ ュ ウ の 母 親 の 声 な の か。
声から暖かいオーラを感じる。
﹃シュウは、一人ずつ解放していった。そして、天界に攻め込み、そし
て天界を私達の手に取り戻した。その影響で、シュウは他の世界では
誕 生 し な い。他 の 世 界 で は ヨ ハ ネ の 血 族 は 生 き 残 る こ と を や め た。
﹂
シュウという後継者ができたから﹄
﹁シュウは神なんですか
俺は愚問を彼女にぶつけた。
﹂
﹃私の息子です。それだけで、私は充分です﹄
﹁あなた方の望む事はなんですか
一香が問うた。
﹄
﹃誠、申し訳ないんだが、病室にセラフォルーだけ入れてくれないか
神器の真実を知り、アザゼルはショックを受けたみたいだ。
﹁俺の神器研究⋮根底から崩れた⋮﹂
た奴だし。
神を超える力を、与えないはずだ。知恵の実を食べただけで、断罪し
セラフォルーが呟いた。俺も初めて知ったよ。そうだよな、人間に
﹁聖書の神って悪い奴だったのか⋮﹂
暖かいオーラは消えていった。
また機会があれば、お話をしましょう﹄
ることだと思うわ。あぁ、久しぶりに話し過ぎたので、疲れてきたわ、
は、この世界の家族と仲間を護ること、自分の世界の家族と仲間も護
﹃私は生前できなかったこと、周太郎の成長をもっと見たい。周太郎
?
﹃なんでだ
﹄
きれなかったんだよ﹄
せる力が残っていないんだ。母さんの力では、内臓の傷みまでは治し
﹃一誠を延命するために、僕のオーラも使ってしまって、一誠を回復さ
?
48
?
シュウから念話が入った。
?
﹃内臓の状態、悪いのか
奉納してくれ
﹄
﹄
とがないぞ。鬼畜と言われている理由はソレなのか
セラフォルーに言いにくいお願いをした。
﹁一誠君の病室に、私一人で入れば良いの
?
が閉められた。えっ、なんで
何が起こるの
?
病室に入ると、ドアのカギが締まり、部屋を覗き込む窓のカーテン
│││セラフォルー│││
セラフォルーだけ、一誠の横たわる病室に足を踏み入れた。
君が治るなら﹂
わかったわ。それで一誠
なんであれ、切羽詰まった事態だったので、俺はシュウの代わりで、
?
シュウのエネルギーの源って⋮そんな奴に俺は今まで出逢ったこ
いんだ。頼む、誠⋮﹄
るだけだ。今のメンツだと、セラフォルーが一番、エネルギー量が多
﹃女性が、エクスタシーへと達した時に、発生するエネルギーを摂取す
﹃セラフォルーを喰うのか
﹄
﹃あぁ、食事はさせないで、栄養を点滴してくれ。で、セラフォルーを
?
あれよあれよの内に、全裸にされていた私。
た。こんな状態の私の衣服が脱がされていく。一誠君の仕業
でも、
私の身体は金縛り状態となり、自分で動けない。声を出せないでい
?
?
表現できない蕩けるような刺激を感じている。
﹁あっ⋮あぅ⋮いいっ⋮あっ⋮あっ﹂
口から、喘ぎ声が自然と漏れてしまう。耳たぶを舐められて、甘噛
みされる。唇を舐められて、甘噛みされる。口の中に姿の見えない者
の舌が入って来て、歯茎や、舌の付け根を舐められていく。
たまに痛みもあるけど、なんとも言えずに心地良い。そして、太く
て固いモノが体内に入ってきた。痛みが走る⋮しばらくすると、痛み
は快感になった。やみつきになりそうだわ。
49
?
!
下腹部にこれまで感じた事のない、気持ちの良い刺激を感じ
何の為に
えっ
?
始めた。腕は後ろ手にされて、胸を前に突き出すようにされ、胸にも
?
﹃これから、毎日頼むよ。セラフォルーよ﹄
シュウの声がした。相手はシュウなんだね。了解だ⋮私はエクス
タシーに達して、意識が薄れていった。
│││誠│││
翌日、一誠を見舞うと、セラフォルーがいた。
﹁すまなかった﹂
と、俺が言うと
﹁問題ないよ∼。一誠君が退院するまで毎晩付き添うから♪﹂
魔王なのに⋮
頬を赤らめたセラフォルーが答えた。おい、シュウの行為に屈した
のか
﹄
﹃誠、セラフォルーのおかげで、1週間くらいで退院できそうだぞ﹄
シュウから念話が届いた。
﹃退院後は食事はできるのか
﹃一香はダメだぞ
﹄
﹃グレイフィアさんは
﹄
と、僕が飽きるし、セラフォルー的に体力が保たないはずだ﹄
でない、魔力のある女性に付き添ってもらってくれ。1週間毎日だ
﹃そういう方向で回復させる。そうそう、3日後からはセラフォルー
?
OKなのか
OKなんだが﹂
へっ
?
﹁グレイフィアをご所望かい
う∼、どうしようかな⋮。基本的には
サーゼクスに会いに行き、現状報告をした。
ようだ。おい⋮しかたない、サーゼクスに相談だな。
セラフォルーの限界と言っていた4日目、ナースに手を出し始めた
﹃サーゼクスの嫁は、無理だ。あきらめてくれ﹄
?
!
?
そうなんだ﹂
サーゼクスは、夜の営みで苦労しているのか
で、グレイフィアを
借りられたので、今夜から付き添いをしてもらうことにした。今夜も
?
50
?
﹁彼女はドエスだぞ。エムに教育して貰えると、俺でも満足させられ
?
付き添いをしたがり、帰る事を嫌がるセラフォルーを、病室から連れ
出すのに一苦労だった。シュウは﹃魅了﹄とか﹃魅惑﹄とかのスキル
もあるのか
くるのか
何をするんだ
えっ
来だろうか
身体が鈍っているみたいだ。
筋肉痛で痛い身体を起こし、服を身に着けて行く。筋肉痛か⋮いつ以
のに、気分が妙に清々しい。彼無しではダメって思えてくる。私は、
って、念話が届き、私は病室の床に解放された。身体中ボロボロな
﹃明日の夜も頼むぞ、グレイフィア﹄
私を玩具として遊ぶ行為は明け方まで続いた。そして、
しい。もっと、弄んでほしい。もっと、刺激をください。
た。もうプライドの﹁プ﹂の字すら残っていない。もっと、虐めてほ
プライドを易々とぶち壊していく。この私が、私から刺激を求め始め
しかし、目に見えない者から受ける仕打ちの数々。私のつまらない
んなに簡単に、性の下僕のようにされることは心外だ。
い、いや、屈辱的な仕打ちだ。これでも私は魔王の﹃女王﹄なのだ。こ
挿入され、前後の穴にも挿入された。三点責めかぁ⋮これは経験がな
その瞬間、目に見えない者達によって、私が玩具にされていく。口に
立っていられなくなった私は、自然に四つん這いの体勢になった。
体⋮こんな短時間でこんなに濡れるとは⋮
側が痙攣している。腿に少しずつ滴り、流れ落ちていく、生暖かい液
急に、今まで感じた事のない刺激が、身体の中から感じる。腿の内
?
るとは、やるな。そして、服が脱がされていき、やがて全裸にされた。
0時を過ぎた辺りに、金縛りの状態になった。この私を金縛りにす
?
誠君に宿る魂、シュウなる者には注意してって、言われた。何をして
誠殿に頼まれて、一誠君の夜間の付き添いをすることになった。一
│││グレイフィア│││
?
?
51
?
│││誠│││
翌朝会ったグレイフィアの顔は、とても清々しかった。難しい顔付
シュウ⋮
きが多い彼女だったが、今日は笑顔で、色気も感じるし⋮セラフォ
ルーだけでなくて、グレイフィアの心までも射止めたのか
ろうな。はぁ⋮
し。あっ、アザゼルもかぁ。男には容赦しない、シュウの影響なんだ
勝仏様も、和樹君も、数馬君も皆、何かしらのダメージを受けていた
そうだ。男で無事なのは俺だけだ。くそオヤジも、沖田君も、闘戦
りだし⋮これもシュウの影響なのだろうか
そう言えば、一誠の周囲って女性ばかりだよな。友達も女の子ばか
?
た ぶ ん、サ ー ゼ ク ス も グ レ イ フ ィ ア の 態 度 や 顔 付 き を 見 れ ば、
ショックを受けるんだろうな。
52
?
友達
│││誠│││
一誠に、陰陽師に依頼した者の似顔絵を見せた。
﹁悪神ロキだよ、父さん。酒好き、女好きの女神だ﹂
即答した一誠。悪神ロキって男性ではないのか
﹂
﹁そうなると、時間軸だけ飛ばされたんだな﹂
﹁時間軸だけ
﹁どういうことだ
﹂
ツはずっと、人間界で暮らしていたってことになるなぁ﹂
﹁同じ世界で、違う時代に飛ばされたってことだよ。そうなると、アイ
?
﹂
?
確か、アースガルドの
?
じゃ﹂
﹁神々に殺し合いをさせたっていうのは
﹂
る。女 性 同 士 で の こ と で、男 神 は そ の 問 題 に 踏 み 込 め な か っ た の
﹁あやつはとんでもない女神じゃ。バルキリー達を襲い、手込めにす
報の真偽を聞いた。
俺は、オーディン様の元に転移した。そして、一誠から仕入れた情
﹁わかった、オーディン様を当たっているよ﹂
悪神だし﹂
しねぇ。オーディンが詳しいんじゃないかな
﹁自分の手を汚さない感じの悪神だよ、今回だって陰陽師に依頼した
﹁なるほど⋮で、その女神は攻撃的なのか
一誠がシュウの知識を使って、説明をしていくれている。
ことだよ﹂
移魔法が使えたということは、そのルールすら適用されていないって
代の神が地上に降りる時、神としての力に制限をされるんだけど、転
をした神だよ。天界を追放された身分に近いんだ。で、本来、あの時
﹁天界で、あれこれ焚きつけて、神々に殺し合いをさせて、自分は見物
?
一誠⋮いや、シュウの知識は正しかった。
﹁本当のことじゃ。身内の恥をさらすので、詳しくは言えんがな﹂
?
53
?
﹁で、どうにかなりませんか
﹂
﹂
シュウのことか⋮もしかして、唯一の天敵であるシュウを、
﹂
アイツ⋮何かを企んでいるかもしれない
き、ロケット花火が飛んで来た。誰だよ、手持ちで撃ち込んだ奴は
料理してくれたのは、わかるが、
﹂
で、食卓につくと、ご馳走が一杯並んでいた。母さんががんばって
ベンニーアとは、ハイタッチをした。
﹁一誠君、お帰りなさい﹂
駿河と火憐が抱きついて来た。
﹁兄ちゃん、お帰り﹂
翼姉さんに抱きつかれた。
﹁お帰り、一誠﹂
重注意を受けることになった。
ロケット花火の手持ち犯のひたぎ姉さんは、父さんに見付かり、厳
?
退院して、家に戻ってきた。玄関を開けると、クラッカーが鳴り響
│││一誠│││
その後、俺は他の神格系にも、悪神ロキの情報の収集を頼んだ。
の。わかった、こちらでも調べてみよう﹂
﹁なんだと、誠殿の息子に
﹁えぇ、俺の息子に刺客を送ってきました﹂
﹁ロキが何かやらかしたのか
シュウのことだ。たしかに時間軸での転移が起きたようだ。
の者も、遠い昔にロキの罠に嵌まって、やられたと聞いておる﹂
﹁おらん。やつだけしか﹃神殺し﹄は、認められておらん。じゃが、そ
﹁その方以外には、どなたかおりませんか
殺そうとしているのかもしれないな。
うん
うにかできると思うぞ﹂
なったからのぅ。ただ、絶対神さまの秘蔵っ子の﹃神殺し﹄なら、ど
﹁どうにもならん。あの殺し合い以降、神同士での殺し合いは、禁止に
オーディン様の顔が険しくなっていく。
?
?
?
﹁ねぇ、母さん。僕は一週間、入院していたんだよ
?
54
?
?
﹂
﹁だから、栄養をつけてもらおうと思って、母さんは頑張ったのよ﹂
笑顔が眩しい母さん⋮でもなぁ⋮
だから栄養をね⋮あ゛⋮﹂
﹁僕は一週間、点滴生活だったんだよ。分かっている
﹁うん
かったことを尋ねた。
﹁ねぇ、由良は無事なの
僕は由良を護れなかったんだよね
﹂
?
仕事から帰ってきた父さんが、やってきた。僕は、父さんに聞きた
く噛まないと唾液の出が悪いから。
は端の方で、おかゆをかみ締めて食べていく。おかゆと言えども、よ
会がスタートした。姉妹とベンニーアが食べ物に群がっている。僕
リーラさんが困った顔をしていた。母さんは気を取り直して、食事
﹁一香様が喜んで料理をされているのに⋮言えませんよ﹂
﹁リーラ⋮言ってよ﹂
悪い物は、一誠様には無理です﹂
﹁一香様、点滴生活で、胃腸が動いていなかったのに、いきなり消化の
前に、おかゆを持って来てくれた。
漸く気づいた母さんは凹んでいた。それを見て、リーラさんが僕の
?
あぁ、僕のせい
?
取ってくれないかな
僕には責任があると思うんだよ﹂
﹁いや、僕のせいだ。ねぇ、父さん、由良をこの家に養女として、引き
﹁一誠、お前のせいではない﹂
だ。
家って一般の家庭だったよな。気味悪がられたかな
由良の能力⋮人外の者が見えたり、触れたりする能力だ。由良の
たようだ。今は、シトリー家に引き取られている﹂
﹁あぁ、無事だ⋮ただ⋮両親に能力のことがバレて、家にいづらくなっ
我を負った。
式神に囚われた由良。僕は彼女を救うことが出来ず、そして、大怪
?
﹁おい、出来るのか
一度入れた駒は抜けないんだぞ﹂
﹁関係ない。僕の眷属にする﹂
﹁無理なんだよ、一誠。もう、ソーナ君の眷属にされたそうだ﹂
考え込んだ父さんだったが、
?
?
55
?
僕を恐れるように見ている父さん。
﹁出来るんだ。僕の駒なら。ちょっと、行ってくるよ﹂
僕はリアスの家に転移した。そして、場所を知っているリアスと共
に、ソーナの家に転移をした。
﹁リアス、ごきげんよう﹂
ソーナ・シトリーがリアスに挨拶をしてきた。
﹂
﹁えぇ、ソーナ、ごきげんよう﹂
﹁リアス、どうしたの
一誠って何者
い。友達
﹂
私の眷属に会わすことはできないわ﹂
それは、彼女が人間だった頃の話でしょ
?
かしなさいよ﹂
﹂
聞き分けのない、その人間をどうに
﹂
お姉ちゃんを頼らないと何も出
﹁もぅ、そこの人間、帰りなさい。私が誰だかわかっているの
﹁ソーナ、彼は私の眷属でないの﹂
?
﹁魔王セラフォルーの妹ってことか
来ないのかな
?
﹁ちょっと、その子、貴方の眷属
﹁リアス、ごめん。帰らない。由良に会うまで帰らない﹂
﹁一誠君、ソーナは頑固だから⋮今日のところは帰ろうよ﹂
僕とソーナの言葉の応酬を前にして、リアスがあたふたしていた。
﹁由良と会うまで、帰らないよ﹂
彼女はもう悪魔
﹁悪いとかの問題じゃない。素性のわからない者に接触してほしくな
ソーナに対して、言った。
﹁僕は由良の友達だ。友達に会いに来て、何が悪いんだ
﹁はぁ
﹁一誠君が、ソーナの家にいる由良さんと話しがしたいって﹂
ソーナが僕を見ながら、リアスに尋ねてきた。
?
?
なの。人間の友達は必要ないの。帰って頂戴﹂
?
?
た。椿姫と巡かぁ。
せたソーナ。ソーナが召還魔法陣を発現して、眷属の者を呼び出し
僕は、妖刀を二降りを手にして構えた。僕の姿を見て、顔を強張ら
﹁じゃ、ソーナに倒されなかったら、由良は連れて帰るからな﹂
﹁頼らなくても、あなたを倒すことはできるわ﹂
?
56
?
?
﹁えっ、一誠君⋮どうして﹂
巡が驚いた表情をした。
﹁由良を迎えに来た。巡、由良はどこだ
﹁巴柄、答えないでよ﹂
﹂
﹂
ソーナから、巡に命令が飛んだ。
﹁で、巡と椿姫が僕の相手か
﹁何で、私の名前を知っているの
眷属なら、椿姫しかいないよ。
﹂
﹁なんだ、ソーナは自分の手を汚さないタイプなのか
?
張っていく。
﹁魔導戦士なの
さい﹂
妖しい術で二人を⋮由良、あなたがアイツを倒しな
二人とも意識を喪失して倒れた。その状況を見て、ソーナの顔が強
た。妖刀村雨から染み出る聖水の気化ガスを吸い込み、苦しみながら
け ど。椿 姫 と 巡 に 指 示 を 出 し て、僕 を 襲 わ せ た。勝 負 は 一 瞬 で 着 い
挑発をしてみたが、ソーナは挑発に乗ってこない。そうだと思った
悪魔だな﹂
クソみたいな
僕とは初対面の椿姫が、驚いていた。長刀を手にしているシトリー
?
僕の駒を入れて、ソーナの駒を抜いた。
﹁ソーナ、由良を返してもらうぞ﹂
入れた駒は二度と取れないはず⋮﹂
ソーナの前に、抜き出したソーナの駒を放り投げた。
﹁なんで
頷いた由良。
﹁許さない⋮﹂
ソーたん﹂
﹂
ソーナの隣に見覚えのある転移陣が現れて、魔王セラフォルーが転
移してきた。
﹁どうしたの
﹁あの人間に、眷属を奪われたの
ソーナは僕を指差した。指の先を見たセラフォルー。
!
?
57
?
?
由良が召喚された。僕は、刀をしまい、由良にダッシュして近づき、
?
﹁僕の駒は特別なんだ。由良、僕の家に帰ろう﹂
?
強いんでしょ
﹂
﹁あっちゃ∼。ソーたん、相手が悪いって⋮お姉ちゃんは、まだ死にた
魔王なんでしょ
くないんだけど⋮﹂
﹁なんで
﹁彼はダメ⋮﹂
ねぇ、お姉様﹂
?
﹁う∼、どうしよう。一誠君、なんで、ソーたんの眷属を奪うのよ ﹂
﹁人間にバカにされて、だまっているの
?
いでしょ
僕、言ったよね
悪魔至上主義な悪魔は敵なんだよ﹂
友達だ。それを、セラフォルーの妹に否定されたんだよ。奪うしかな
﹁悪魔の眷属には、人間の友達は必要ないって言われた。僕は由良の
?
セラフォルーの妹に、悪魔の眷属には、
悪魔至上主義な悪魔は敵なんだよ﹂
れを、セラフォルーの妹に否定されたんだよ。奪うしかないでしょ
僕、言ったよね
リアスが僕の隣に来て、
﹁お兄様、また一誠君を困らせるの
もう、お兄様って呼ばないわよ﹂
?
人間の友達は必要ないって言われたんだ。僕は由良の友達だよ。そ
﹁何度も言わないとダメなの
﹁どっ、どうしたんだ、いっ、一誠君。穏やかな顔じゃないな⋮﹂
僕の表情を見て固まるサーゼクスさん。
﹁どうしたんだよ、セラフォルー。いきなり呼び出すなんて⋮﹂
セラフォルーの隣にサーゼクスさんが転移してきた。
﹁うっ⋮うんうん、言われたよ。困ったなぁ⋮﹂
?
?
﹁おい、セラフォルー⋮お前、なんとかしろよ﹂
?
うな⋮ははは
﹁いや、リーア、違う。一誠君を困らせる訳ではないんだ。あぁぁ﹂
サーゼクス。いきなり呼び出すって⋮一誠君、どうしたん
パニックったサーゼクスさんの隣に、アジュカさんが転移してき
た。
﹂
﹁何事だ
だ
セラフォルーの妹に、悪魔の眷
よ。それを、セラフォルーの妹に否定されたんだよ。奪うしかないで
属には、人間の友達は必要ないって言われたんだ。僕は由良の友達だ
﹁はぁ、また説明しないといけないの
?
58
?
?
?
って、サーゼクスさんに通告した。この展開、違う世界でも見たよ
?
?
?
しょ
僕、言ったよね
悪魔至上主義な悪魔は敵なんだよ。それっ
るんだけど、どうなんだ、リアス
﹂
ソーナのバカ
!
?
﹂
?
ていない﹂
?
行くのを引き留めてくれた。
﹁一誠⋮私のために、ごめん⋮﹂
?
予想外の展開に、僕の怒り
由良は謝ってきた。いや、僕の方が⋮僕は⋮えっ
出て来た。
﹁シュウをいじめる奴、許さない﹂
﹁妾の主様に何をするのじゃ﹂
オーフィスと忍が、出て来た。なんで
はクールダウンしていった。
身体から何かが
リアスが、僕のオーラの異常に気づいたのか、僕の心が闇の領域に
﹁ダメだよ、一誠君。戻って来て﹂
ソーナ⋮この世界のソーナは⋮
﹁でも、人間より上でしょ
﹂
﹁それは教えた者が悪い。いいかい、ソーナ君。悪魔は頂点に君臨し
頭を抱えるアジュカさん。
﹁悪魔は、全種族の頂点に君臨する種族って、習ったもん﹂
はダメだ。なぜ、そんなことを言ったのかね
のシスコン加減もいい加減にしろよ。ソーナ君、そんなことを言って
﹁セラフォルー、サーゼクス、こんな問題は即答してあげろよ。お前ら
アジュカさんが結論を出してくれた。
合っているし﹂
﹁ソ ー ナ 君 が 悪 い。一 誠 君 は リ ア ス 君 の 友 達 で 良 い ん だ よ。信 頼 し
リアスが大粒の涙を流して、僕の腕に縋り付いた。
﹁一誠君は私の友達よ
﹂
て、よく考えると、僕はリアスの友達である必要はないってことにな
?
!
﹂
セラフォルーさんが尋ねてきた。
﹁誰
アポからの念話が届いた。そして、状況は更に混迷していく。
﹃シュウの怒りが、二人を焚きつけたようだ﹄
?
59
?
?
﹁黒髪で大きい方が、無限の龍神オーフィスの人化姿。金髪で小さい
方が、怪異の王ハートアンダーブレードの人化姿です﹂
目 が 飛 び 出 す の で は と い う 位、驚 い た 表 情 の 三 名 の 魔 王 様 達。
﹂
まぁ、驚くよな、ドラゴンの頂点と、人外の頂点が出て来たんだもの。
﹁召還できるの
﹁僕の怒りが限界に達してきたので、安全弁の代わりに出て来たのか
もね﹂
﹂
って、この現象に僕も驚き、苦笑いしてしまった。
﹁で、誰が、シュウを虐めた
﹁死んでも嫌
﹂
アジュカさんが力を振り絞って叫んだ。
﹁セラフォルー、ソーナ君と共に謝れ∼﹂
アジュカさんの顔色が優れない。
﹁こ、これは⋮危険だ⋮足の震え⋮止まらない⋮﹂
い始めた。
二人から死を感じさせるオーラが、リアスと由良以外に向かって漂
?
﹁来ないで∼
﹂
スマホ
どこで手に入れたんだ、オーフィス
あまりの恐怖からか、泡を吹いて倒れたソーナ。その姿を、スマホ
で撮るオーフィス。え
よ。
?
ラも消失した。
﹁はぁはぁはぁ⋮一誠君、オーラだけでも死にそうだよ﹂
サーゼクスさんの息が荒い。
﹁そういうことだから、由良は返してもらうよ。いいよね
?
移した。
頷いているアジュカさん。そういうことで、僕とリアスと由良で転
さん﹂
アジュカ
二人がスキップして、僕の身体に戻った。それにより、恐怖なオー
﹁うん、倒した証拠、撮れたよ。満足、満足﹂
?
60
?
って、ソーナ。そんなソーナに向かう二人。
!
!
│││誠│││
一誠が、由良ちゃんとリアス君と共に帰宅した。由良ちゃんには一
誠の駒が入っていて、眷属にしたそうだ。我が家で面倒みないといけ
ないな。
リアス君も一誠の眷属になりたいって、言い出した。これには、俺
と一誠で説得をして、あきらめてもらった。
﹂
﹁リアスは次期当主なんだから、僕の眷属になっちゃダメなんだよ。
わかった
根気良く説明する一誠。
﹁そういうことかぁ、分かり易い説明、ありがとう、一誠君。眷属でな
くても、お友達だから、それでいいよ﹂
たぶん、今後も家族が増えそうな予感
駄々をこねていたけど、一誠の説明で笑顔に戻ったリアス君。
家を増築しないとダメかな
がするし⋮はぁ⋮
││││││
召還しなくても、勝手に出て来た
?
もらった。
はぁ
龍神様と怪異の王様が⋮
謝罪してきた。俺は状況がよくわかなかったので、一誠に説明をして
部屋に一誠と共に、招き入れた。二人は、俺と一誠に、今回のことを
しばらくすると、サーゼクスとセラフォルーが転移してきた。俺の
?
クス達魔王3名は、恐怖で震えが止まらない状況だったらしい。どん
だけ、恐怖を振りまいたんだ
だけのヤツラなんだ
﹁大人しくないのだと、アジ・ダハーカとかリヴァさんかな
﹂
王をビビらせる存在で、大人しい部類って、大人しくない部類はどん
一誠に聞くと、大人しい部類の二名だから問題ないっていうが、魔
?
ドラゴンばかりなのか
﹂
﹂
﹁一番弱いドラゴンだと、寝太郎かな
﹁寝太郎ってどんなドラゴンなんだ
?
?
また、伝説級のドラゴンの名前が飛び出た。お前の仲間は伝説級の
?
?
?
61
?
これ以上ない一誠のボディーガードな気がする。現場にいたサーゼ
?
﹁終末の大龍ミドガルズオルム﹂
⋮伝説級だろう、そいつも⋮一番弱いんじゃなくて、伝説によると、
終末になるまで動かないだけだろう
?
﹂
﹁でも、寝太郎君は、一番知識が豊富なんだよ。だけど、司令塔にはな
らないけど﹂
﹂
?
なんか嫌な予感がする。
﹁司令塔になるドラゴンだと
﹁リヴァさん
即答だ。リヴァさん
!
﹁はぁ
﹂
﹂
どんだけ、カオスな世界なんだ
﹂
﹁ほら、天界を壊滅させたから⋮﹂
﹁あん
シュウのいた世界って⋮
﹁うん、僕のいた世界ではねぇ。天使長も元魔王だし﹂
﹁元魔王
⋮それは驚きだものな。
固まるサーゼクスとセラフォルー。元魔王がドラゴンだった事実
隊長なんだ﹂
﹁元魔王レヴィアタンだったリヴァイアサンだよ。チームドラゴンの
?
おい、天界を⋮そういえば、シュウの母親もそんなことを言ってい
たな。天界を取り戻したようなことを。
﹁天界を壊滅させたんだから、天界を維持できる人材を補填したんだ。
天界のヤツラに殺された、心優しい天使達をね﹂
殺された天使を補填
﹂
?
僕の天使成分が反応して天使の翼を持った悪魔になったんだ。あと、
﹁僕、ウソを言わないよ。だから、リアス、シーグヴァイラとの子供は、
サーゼクスが食いついた。
﹁一誠君、今の話は本当かな
それって⋮あの勢力戦争の一因とも言われている⋮
せたんだ。ルシファーさん、アガレスさん、バアルさん達をねぇ﹂
﹁うん、時間は掛かったけど、昔の平和な時代にいた天使を全員、甦ら
?
62
?
﹁ガブリエル以外、皆殺しにして、ガブリエルは眷属にしたから﹂
?
?
?
﹂
でも、ルシファー、アガ
別の世界では、ルシファー家の者とグレモリー家の者との間に、天使
の翼を持った純血悪魔も産まれたよ﹂
﹁それは、この世界でも同じなのかな
セラフォルーが呟いた。どうなんだろう
レス、バアルは元天使と言われている。今となっては、確かめようが
ないけど。
﹁僕の世界では、アガレス家に、初代アガレスの天使の羽が残されてい
たよ﹂
あっ⋮だと、すると⋮この世界でも、その三家のどこかに証拠が
残っているかもしれないな。同じことを考えたのか、サーゼクス達は
血の気の引いた顔で、転移していった。
63
?
?
二度目の入院*
│││シュウ│││
一誠の睡眠中に、上司のいる場所に転移させられた。
﹁こんなことができるなら、帰れるじゃん﹂
上司に文句を言う。
﹂
﹁一時的だし、魂しか転移させられぬ﹂
﹁みんな元気かな
﹁その事なんじゃが﹂
上司が僕に、扇と書物を数冊、手渡して来た。
﹁ブラフマーがな、お前に力を貸したいというのじゃ。向こうの世界
の最高神には、話を通してあるぞ﹂
創 造 の 扇、僕 専 用 の ア イ テ ム だ。手 に 入 れ た 時 は、創 造 神 ブ ラ フ
マーが封印されていたけど、今はブラフマーの力が宿っていた。なの
イッセーに貸した奴もあるし﹂
で、僕の魔力に関係なく、創造の力が使えるチートなアイテムだ。
﹁この書物は
んじゃ⋮﹂
あぁ、そういうことね。手渡された、書物は、夜天の書、蒼天の書、
紫天の書で、それぞれ管制人格がいて、書物を制御していた。まぁ、書
物というより、システムに近いかな。夜天の書は防御、蒼天の書は魔
術、紫天の書はエネルギー生成を得意にしていた。管制人格はそれぞ
れ、リインフォース、リインフォースII︵ツヴァイ︶、アギトで、中
でもツヴァイと僕は仲が良い。
管制人格は融合騎という特性を併せ持っている。それぞれが僕と
融合︵ユニゾン︶でき、融合状態の僕は、融合した者の能力が使える
ようになる。必然的に魔導士である僕は、魔術を得意とするツヴァイ
との融合が多いのだ。ツヴァイは僕よりも広範囲を攻撃できるし。
で、この3冊の書物は1冊でも暴走すれば、暴走を起こした星は壊
滅すると思うくらい、威力も抜群だ。
﹁ツヴァイ、ごめん。傍にいられなくて﹂
64
?
﹁お前が持っていてくれ。ツヴァイがな、お前が恋しくて、暴走気味な
?
﹁いえ、傍にいられない事情は分かっていますから、シュウには怒って
ません﹂
﹂
僕には怒らずに、上司にかぁ⋮
﹁あとは、危険そうな者はいる
﹁シルキー⋮﹂
﹁イッセに頼んで⋮僕はまだ幼稚園児だよ。あんな大きな娘は、扱え
ないよ∼﹂
シルキーとは僕の長女だ。僕には4人の子供がいるのだが、その中
でも、一番破壊力を持っている。母親であるソーナの冷静さと、叔母
であるセラフォルーのおバカ加減を併せ持ち、その上、僕の性癖を多
﹂
少持っているエスプレイヤー。ちなみに両刀である。その点におい
ては、僕以上に破綻していると思われる。
﹁そうなんじゃが⋮4人兄弟で、一番のファザコンだし⋮﹂
﹁せめて、高校入るまで待てと伝えおいて。で、ヴァイラは
ヴァイラは僕の妻3号で、諸事情で長期入院中であった。
│││誠│││
れで、父さん喜ぶかな
目が覚めた僕は、早速創造の扇を手にして、その力を振るった。こ
│││一誠│││
そこで、上司との会話が終わり、目が覚めた。
じゃろ﹂
﹁元 気 そ う じ ゃ よ。シ ュ ウ が そ の 身 体 で 帰 れ れ ば、問 題 も な く な る
?
て感じで、今まで住んできた家の面影がない。この事象の元凶はアイ
﹂
ツだな。アイツの部屋を探す。無駄に大きくなった家で、アイツの部
屋が、なかなか見付からない。
あった⋮
﹁おい、一誠、これはどういうことだ
寝ている一誠を起こして問いただした。
?
65
?
目が覚めると、家がトンでもないことになっていた。ここはどこっ
?
﹁うん
何だっけ
いたから﹂
そうだけど⋮
﹂
?
﹁図面を書けるのか
﹂
一誠が、図面を見せてくれた。
﹁僕の世界の家を参考に、設計してみた﹂
なんか凄い豪華な作りにしたな⋮
ム、サウナ、5階、10階にトレーニングルームがあるんだよ﹂
2つある。地下は10階建てで、地下2階にプールとシャワールー
建てで、屋上に温泉を引き込んだ、露天風呂と内湯が、男湯、女湯の
﹁まぁ、大抵の物は作れるよ。なんたって、創造神だからね。地上4階
ないか⋮
って、簡単に説明している息子。おい、ブラフマーって創造神じゃ
宿しているんだよ﹂
﹁僕専用のチートアイテム。創造の扇ってもので、ブラフマーの力を
﹁なんの力が発現したんだ
﹂
﹁あぁ、家をねぇ、大きくしたんだよ。父さん、家を大きくしたがって
起きてすぐで、寝ぼけている息子⋮
?
﹁なぁ、一誠。トレーニングルームなんだが、5階と10階で天井高が
を出してくれたリーラ。肝が据わっているよな、このメイドは。
ニック状態だった。そんな一香を尻目に淡々と調理をこなして、料理
大抵の事に驚かない一香が、突然の環境の変化に耐えられず、パ
厨房になっているし⋮﹂
﹁ダイニングルームが10畳から24畳になっているし⋮キッチンが
いなかったのは、俺と一誠、リーラくらいかな。
朝食⋮みんな一夜にして家が変貌したことに、驚いていた。驚いて
│││││││
とても凄いことを簡単に言う息子。末恐ろしいとはこの事か⋮
いたし﹂
﹁うん。これでも、力をロストする前は、最高神の仕事を全部こなせて
?
66
?
違うのは、どうしてだ
から﹂
﹁貯金
﹂
この世界で使えるのか
﹂
?
こいつは⋮
?
│││一誠│││
ダイニングに降りていくと、リアスがいた。
目が覚めたら、三時だった⋮おやつの時間だ⋮あれ
たっけ
おはよう、リアス⋮くぅ⋮﹂
﹁あっ、おはよう、一誠君﹂
﹁うん
?
﹂
なかったんだ。幼稚園はあと、10日くらい無理かな
﹁で、リアスはなんの用
?
あぁ、カロリー不足ってことかぁ。まぁ、胃腸が1週間機能してい
れないんですもの﹂
﹁一誠様、普通の食事に戻れるまで、幼稚園は無理ですね。起きていら
つを出してくれた。あっ、プリンだ⋮それも焼きプリン♪
テーブルの前に、腰掛けた。僕らの気配を感じて、リーラさんがおや
僕に駆け寄って来て、肩を貸してくれ、二人でダイニングルームの
﹁おーい、階段で寝ちゃダメだよ、一誠君﹂
幼稚園どうし
をしている最中に寝てしまった。今日も幼稚園は休ませないとな。
中の人は凄くても、生身は幼稚園児の息子。朝食を食べて、俺と話
た。どんだけ、案件をこなしたんだ
つっこむと、他の様々な世界で手に入れたからって、平然と言いのけ
額を聞いたのだが、この星の埋蔵量より多い気がする⋮そこらを
﹁金塊で蓄えてあるから、この世界でも売れるでしょ
﹂
﹁そうだ、父さん。生活費に困ったら、言ってね。僕の貯金を寄付する
よりも実戦経験豊富だし。
けど、まぁ、俺の息子と思えば問題はないか。それに、中の人は、俺
ると楽しい。幼稚園児でここまで知識があるというのは、異常なんだ
あぁ、ドラゴン使いに対して愚問だったな。でも、一誠と話してい
の殆どが飛行能力あるから﹂
﹁あぁ、10階の方は、空中戦の練習を、できるようにしてある。仲間
?
?
67
?
?
?
?
無理だろう
あの思考じゃ⋮
﹁う∼んとねぇ⋮ソーナとも仲良くしれくれないかな
あ
﹂
?
﹂
﹁アイツには恨みがあるんや。同士ってことで、力を貸してやるわ﹂
突然、声を掛けられた。部屋には知らない者が立っていた。
﹁力を貸してやる﹂
れたようだ。許せない、あの人間⋮
眷属を奪われたしまった。おまけに、恥ずかしい姿の写真まで撮ら
│││ソーナ│││
﹁ごめん、リアス。眠いんだよ⋮﹂
ぁっ、また寝てしまった。
﹁一誠君、起きて。ねぇ。﹂
のはわかっているけど。
けど、あの書物三冊って、維持が大変そうだ。それだけの価値はある
無尽蔵なエネルギーを溜め込めた、元の身体の時には感じなかった
かった。
なので、基本身体の方に溜め込んだエネルギーで生活しないといけな
身体。魂にも溜められるけど、あれは非常時の為にプールしておく分
寝ることによって、エネルギーを溜め込むことができる、今の僕の
ルギー不足なのね。あぁ、眠い。
め込んで置いておける最大値がまだ低いから。カロリー不足のエネ
って、ツヴァイから念話が飛んで来た。あぁ、そういうことか。溜
少し時間をください﹄
ちゃったみたいです。今、アギトと一緒に調整していますから。もう
﹃ご め ん な さ い。私 達 が 魂 に 同 居 し た せ い で、エ ネ ル ギ ー が 不 足 し
あぁ寝ちゃった。しかし眠いなぁ⋮なんでだ
﹁あぁ、寝ないでよ∼、一誠君﹂
なんとか⋮なぁ⋮はぁ⋮くぅ⋮
﹁う∼、そうだようね⋮でも、そこをなんとか、ならないかな
﹁人間を下に見るような奴とは、仲良くなれないよ∼﹂
?
私に何かの術をかけた。私の身体が大きくなっていく。
68
?
?
?
﹁それじゃ、ウチは、高みの見物してるでぇ∼﹂
知らない者は消えた。私の身体の拡大化は止まらない。着ている
服を破り、眼鏡が金具部分で折れ、ついに家を壊してしまう位に大き
くなった。
﹃踏みつけて、つぶしちゃえ∼﹄
って、念話が飛んで来た。この大きさなら勝てるわ。アイツの家を
目指した。
│││一誠│││
地響きで目が覚めた。あっ、リアスの腿で寝てしまった。リアスは
一定間隔で地響き
段々大きく鳴ってくる。なにやら、巨大な
僕の頭を優しく抱くようにして寝ている。うん
がするんだけど⋮なんだ
?
﹂
母さんが慌てて家に戻ってきた。
母さんも地響きを感じ取って、外を見に行った。しばらくすると、
﹁何かが近づいてくるみたいなんだけど⋮﹂
﹁どうしたの、一誠
母さんが転移してきれくれた。
物が近づいてくるようだ。母さんに緊急信号を発信した。
?
巨大化
そんな能力あったのか
?
﹂
裸のソーナが家に迫っていた。
﹁どうするの、母さん
んの防御魔法で、防ぐ。しかし、圧されている。ソーナの魔法、水系
魔法を撃って来た。威力も巨大化していたが、セラフォルーと母さ
だ。
はそのままでの巨大化なので、ペッタンコの胸はペッタンコのまま
みんな、目が点だ。全裸で巨大化するなんて、勇気あるなぁ⋮比率
﹁なんで、ソーたん、そんなにデカく⋮それも全裸でなんて⋮﹂
てきた。
母さんは誰かに連絡をしたみたいで、直ぐにセラフォルーが転移し
?
69
?
﹁大変よ、巨大化したソーナ・シトリーがこっちに来るわよ﹂
はぁ
?
リアスを起こして、三人で家の外に出ると、身体だけ巨大化した全
?
の魔法なのだが、ウォーターカッターみたいな奴は危険だ。家が斬ら
れて、半壊してしまった。
どうするの
父さん、サーゼクスさんも転移してきてくれた。
﹁なんで、ソーナ君が⋮﹂
﹁潰されないように、逃げろ∼﹂
殺して良いなら簡単なん
僕はリアスをトレーニングルームに強制転移させた。あそこなら
﹂
安全だし。でも、どう攻略すれば良いんだ
だけど⋮
﹁父さん、どうすれば良い
?
﹄
ツヴァイから念話が届いた。魔力がどうなんだ
﹃簡易版のアレを使うとかは
ナ君の家に向かわせた。原因がわかるまで、逃げろ
﹂
﹁巨大化した原因がわからないと、手が出せない。今、アジュカをソー
?
!
﹃撃てる分だけ溜まりました﹄
の魔法陣を発現させた。
ヴァイ⋮僕は、ソーナの頭上に、即死性のない﹃ウルティマウエポン﹄
その手が有ったかぁ⋮って、オーフィスを器として使うなよ、ツ
﹃アギトとドライグに頼んで、オー君の身体に溜め込んでいます﹄
?
?
僕は魔法陣を発動させた。煙を上げて、立ち尽くす巨大ソーナ。え
倒れない⋮なんで
?
忍から念話が届いた。誰に
﹃再チャージを開始しました﹄
ツヴァイから念話が届いた。僕の中で、マルチタスクを、こなして
?
あいつ、高みの見物
いるのかぁ。少し感動したが、巨大化ソーナは、僕に向かって再度歩
き出した。狙いは僕なのか
ロキ
?
﹃元凶は悪神ロキだ﹄
そうだ。
?
?
アジュカさんから念話が届いた。はぁ
しているのか
﹃ツヴァイ、融合してくれ﹄
?
70
?
﹃なるほど、そういう訳なんじゃな。主様、あやつは操られておる﹄
?
﹃了解﹄
僕は目の
ツヴァイと融合して、ツヴァイの能力を使えるようになった僕。ツ
ヴァイの翼を展開して上空に飛び出した。見つけた、ロキ
てめぇ∼﹂
前の高いビルに向かって飛行した。
﹁おい、ロキ
﹁ほぉ、小さいガキんちょ、お似合いだねぇ、お前に﹂
した。
﹁おい、何をするんや
ちょっとした冗談やないか﹂
いやらしい顔付きで笑うロキ。そんなロキの頭上に魔法陣を発現
!
し始めた。薄れいく意識だったけど、妖刀村正を手にして、ロキの魂
手、もう一手だけやらせてくれ。ツヴァイとの融合が解け、僕は落下
エネルギー切れが近いのか、意識が朦朧としてきた。でも、もう一
く。
る度に、命中箇所から肉やら骨のミンチ状の物が八方に散らばってい
光速で撃ち出されたダイヤモンドの微粒子が、ロキの身体に命中す
﹃了解﹄
﹁ダイヤモンドダストを撃てるだけ、ロキに撃ち込んでくれ﹂
ツヴァイの声と同時に全身から煙を上げて、地上に落下するロキ。
﹃発動します﹄
るのも、僕の仕事なんだよ﹂
ら、反動は酷いだろうな。でもなぁ、やっていけないことを分からせ
﹁あぁ、こんなマネして、ただで済まないよ。僕は幼稚園児なんだか
﹃了解﹄
﹁ツヴァイ、チャージしだい発動して﹂
まだ、笑うのか、ロキ。
﹁いやいや、こんなマネして、ただで済むと思うなよ。ふふふ﹂
な体勢でも安心だよ。ふふふ﹂
﹁冗談のお返しだよ。それ、ロキの頭頂部をホーミングするから、どん
顔を強張らせながらも、笑っているロキ。
?
を目指して、落下していく。そして、ロキの魂を消滅させて、僕は地
面に落下した⋮
71
!
│││セラフォルー│││
一誠君は空中戦で、悪神ロキを倒したようだった。一誠君の居た周
りには、肉片やら骨片やらだ四方八方に散らばっていた。アジュカの
調査で、悪神ロキの物と判明したのだ。
でも、一誠君はそこに居た。力尽きて、そこに居た。抱き起こして
も動かない。顔はつぶれ、全身の骨も折れているようだ。一香殿が転
移してきて、禁手化して、大天使の翼で一誠君を抱きしめる。
冥界の緊急医療チームも駆けつけて、一誠君の救命に努力を続けて
いく。
ソーたんは、ロキの消滅で、元に戻った。でも、一誠君に対して罪
悪感はない。むしろ、罰が当たった的な感情だった。なんで、こんな
妹になったのよ、ソーたん。私は、ソーたんの頬を叩いていた。私の
行動に驚いているようだった。
﹂
ているので、細部まで鮮明に写っていた。
﹁こんなことになっていたの
巨大化中のことをまったく覚えていないソーたん。
﹁そうだよ。一誠君の家も壊しちゃったし⋮どうするのよ
│││誠│││
ともできない⋮
﹂
をした。謝罪の言葉を告げた。でも、一誠君には、見ることも聞くこ
そして、ソーたんは、担架で運ばれていく一誠君に対して、土下座
?
?
72
﹁なんで、そんな風に思っているのよ∼そんなソーたんなんか大嫌い
だよ∼﹂
﹁お姉様⋮﹂
ソーたんの全裸、全国放送されてい
﹁一誠君は、ソーたんの為に、命がけで戦ってくれたんだよ。ソーたん
は巨大化したままで良かったの
﹂
るし⋮﹂
﹁え゛
?
録画したビデオを見せた。大股で全裸で歩くソーたん。巨大化し
!
ま た、入 院 し た 一 誠。今 回 も シ ュ ウ と の 会 話 は で き な い で い た。
シュウの母親の話では、エネルギーを使い切り、シュウも意識を失っ
ているそうだ。悪神ロキに対して、全身全霊という言葉に当てはまる
攻撃をした結果のようだ。
シュウの意識が戻らないため、シュウはエネルギーの補填活動すら
できない状態だった。一香の禁手での回復も一誠には有効でも、魂の
状態であるシュウには効果がないそうだ。このまま、シュウが目覚め
ないと、一誠も目覚めないだろう。
一誠の怪我は、一香の禁手でほぼ回復している。
そして、一誠は植物状態となった。全身に色々なチューブを繋げ
て、生命を維持する、そんな姿を、俺も一香も毎日一度は目にするこ
とになった。
魂がラスボスクラスでも、身体が幼稚園児では、どうにもならない
現実。やり場のない怒り⋮俺は、どうすれば良いんだ、シュウ⋮
﹂
73
│││シュウ│││
父さんと母さんと⋮幸せな一生だったと思う⋮
﹂
﹂
怖い顔の鬼達に囲まれていた。
﹁坊ちゃん、坊ちゃん、起きて下さい﹂
なんで
﹁なんだ
﹁ごめん。記憶が朦朧としているよ﹂
けて⋮天国がパンクするから、こちらでお預かりしたんです﹂
すぎたんですよ。おかげで、転生しないで、天国に居座る魂が増え続
?
?
﹁もう、覚えていないんですか
天国にいるかわいい娘の魂を、誘惑し
なんですが、ここに堕とされて来たんですよ﹂
﹁エネルギー切れで、仮死状態なんですよ。天国で保養していたよう
﹁保養
?
ここには保養で来ているんです﹂
起こされた。ここはどこだ
うん
﹁僕、死んだの
﹁地獄ですよ、坊ちゃん﹂
﹂
﹁ここは
?
﹁坊ちゃんは死なないでしょ
?
?
?
?
?
﹁まだ、エネルギーが足りないのでしょ。で、血の池地獄で寝ないでく
ださい。ここは温泉でないんですから﹂
﹁あぁ、なんか人肌で気持ち良くなって⋮﹂
閻魔の膝枕は
﹂
﹁あと、針山地獄もダメですよ。ツボを刺激して、寝ちゃうから﹂
﹁どこならいい
?
るんだ
私に出来ることはないのか
おい、何をしたんだ
﹃天国と地獄⋮両方とも、もう来ないでって、追い出されちゃって⋮﹄
シュウから念話だ。どこにいたんだ、今まで
﹃ある⋮グレイフィアの子宮を貸してくれ∼﹄
?
一誠君はあれ以来、目が覚めないみたいだ。どうすれば、目が覚め
│││グレイフィア│││
﹁ダメです⋮営業妨害ですよ∼﹂
?
そんな理由で地獄に堕とされるのか
あったとは。
を放出して、エネルギーの補填しているようだ。魂までチートな能力
の本体は一誠の身体に着床しているので、動けないそうで、コピー体
シュウの魂の居場所が判明した。といっても、コピー体らしい。魂
│││誠│││
交渉は成立した。
﹃わかっています。一誠に戻れば、払いますから﹄
あぁ、わかった。家賃は⋮
たら出て行くので、少しの間、住まわせてください﹄
﹃落ち着くから⋮って、もう間借りしています。エネルギーが溜まっ
なんで、子宮なんだ
す。子宮を貸してください﹄
﹃地獄でリゾートしていたら、営業妨害って⋮で、行き場がないんで
?
転生しないで、天国に居座る者が多数でて、地獄に堕とされて⋮﹄
﹃天国で、かわいい女性を口説いて、癒やしてもらっていたんだけど、
?
?
74
?
?
で、今現在シュウの魂は、グレイフィアの子宮内で保養しているそ
うだ。なんで子宮なのかわからないけど。
一誠が入院して3週目になると、シュウの魂が戻り、グレイフィア
が泊まり込むようになった。それと同時に、段々とチューブの本数が
減ってきた。シュウが内部から回復をさせ初めてくれたようだ。
5週目になり、退院できるようになった。
﹁しばらく、リアスの家にいたい⋮﹂
一誠の希望通り、リアスの家、グレモリー家本邸に預けた。
│││シュウ│││
リアスが一誠を着きっきりで看病してくれている。いや、病気では
ないから、看病とは違うな。そして、夜0時を超えてると、僕は活動
をし始めた。
夜の付き添いはグレイフィアの仕事だった。今宵も僕は、グレイ
75
フィアを甘美な世界へと誘っていく。家賃分を返さないといけない
ので、悦ばせることに努力をしていく。
﹂
ドエスの女王様を言葉責めしていく。
﹁ねぇ、これは何
﹁それは⋮﹂
口からヨダレを、垂らして悦んで貰っている。性欲に溺れて、もっ
﹁あぅあぅ⋮﹂
膣内のヒダの根元を舐め上げる。
﹁はぁはぁ⋮負けない⋮あぅ⋮﹂
く。乳首の穴の中を舐める。
くらいしかできない芸当だから。僕にしかできない刺激を与えてい
有り得ない刺激に興奮するグレイフィア。膣内を舐めるなんて、僕
﹁そこはダメ⋮あぁ⋮すごい⋮はぁはぁ⋮﹂
く。
大股開きにさせて、少し緩んだ割れ目に顔埋めて、膣内を舐めてい
﹁いやっ⋮いいっ⋮﹂
答えられない彼女には、耳タブの舐めてあげる。
?
と⋮
││││││
ある日、グレイフィアの行動を、不審に思ったヴェネラナがやって
きた。彼女の身体を金縛りにして、服を剥いでいく。
﹁ダメ⋮止めて⋮﹂
服を剥がれる行為で、すでに準備OK状態になっていた。
﹃もう濡れているんですね。歳の割に肌も綺麗だし﹄
お尻の谷間を舐めていく。
﹁いやっ⋮そこは⋮ダメっ⋮﹂
何度もエクスタシーに達しくれる。エネ
準備OKな場所はスルーして、焦らしていく。
﹁あっあっ⋮あぅ⋮﹂
刺激に飢えているのか
ルギーが溜まるなぁ。明け方、最後に、股の割れ目に差し入れ、フィ
ニッシュを果たす。
1週間も経つと、グレイフィア、グレイフィアの姉のシルヴィア、そ
して、ヴェネラナの三名を奴隷化した。これからは好きな時に相手を
してくれるようだ。
三 人 三 様 の 喘 ぎ 声 を 上 げ て く れ る。そ れ が 妙 に そ そ る。グ レ イ
フィアを他の二人に襲わせたりもそそる。ドエスの女王を虐めるの
は良いよなぁ∼
2週間も経つと、一誠の身体も全快して、僕のエネルギーも通常量
になったきたので、家に帰る事にするが、引き留められて⋮父さんが
困っていた。
│││一誠│││
家に入ると、笑顔のソーナとセラフォ
久しぶりに家に帰った。家は、様変わりしていた。僕が改築した時
よりも広くなっていた。あれ
ルーがいた。なんで
?
って、セラフォルー。なんで、そうなったんだ
?
76
?
﹁一誠君。私達シトリー姉妹も、一緒に暮らすことにしたの∼﹂
?
﹁ソーたんの為に、命をかけて助けてくれたお礼。シュウ、いつでも食
ソーナが熟すことがあるのか
そ
べて良いのよ。勿論、ソーたんが熟したら、ソーたんも有りだよ﹂
なにか無茶を言っていないか
﹂
れ以前にセラフォルーも熟していないだろうに。
﹁で、なんで、家が大きくなったの
?
ださい﹂
って、幼稚園児にプロポーズか
この世界のシトリー姉妹はバカ姉妹なのか
恥ずかしい姿を見た
﹃言葉通りだよ。勿論、私もお嫁さんにしてね、一誠君♪﹄
僕は念話で問い詰めた。
﹃セラフォルー、どういうつもりだ﹄
笑い状態で固まっていた。
父さん、母さんの方を見ると、苦
﹁恥ずかし姿を見せてしまったので、私を一誠君のお嫁さんにしてく
頬を赤らめた、ソーナが謝罪の言葉を口にしていた。
﹁一誠君、ごめんなさい。私の為に大怪我をさせてしまって﹂
おい、無茶したな⋮僕の世界でもそこまでしていないぞ⋮
なの♪﹂
﹁周りの土地を、シトリー家で買い占めて、一区画まるまる兵藤家の家
?
て、シルヴィアさんが付き添いで来たのだが、グレイフィア、ヴェネ
グレモリー眷属ごと、同居をすると言い出した。家事手伝い要員とし
その状況で、今度はリアスが動いた。ソーナへの対抗意識なのか、
た。
これに対して朱璃さんは承諾してくれ、朱乃ちゃんは多くの友達を得
一家に同居してもらい、朱璃さんに家事を手伝って欲しいと伝えた。
そこで、父さんが動いた。冥界の堕天使領に住んでいた朱乃ちゃん
ラフォルーは家事において、戦力外だったのだ。
た。そのことで、料理や洗濯などの家事の人手が足りなくなった。セ
シトリー姉妹が来たことで、ソーナの眷属も一緒に住む事になっ
な。
この世界の僕達の家も、カオスになっていきそうだ。先行く不安だ
のは、僕だけでないはずだし。バカはセラフォルーだけで良いよ∼
?
77
?
?
ラナも頻繁に泊まりに来ることになっていった。成人女性の狙いは
シュウなのは、父さん、母さんもわかっていて、苦笑いするしかない
状況になった。
そんな状況を打破するために、サーゼクスが動く。兵藤家の真向か
いの一区画の土地を買い漁り、グレモリー家の人間界での邸宅とし
た。これで、グレモリー家と眷属は、サーゼクスの建てた邸宅に引っ
越していった。それでも、家事手伝いと称して、ヴェネラナ、グレイ
フィア、シルヴィアが頻繁に来ることには、変わりなかったけど⋮
目まぐるしい環境変化を経て、僕は幼稚園の年中さんになった。そ
れに伴い、ベンニーアと駿河が年少さんとして入園して、ひたぎ姉さ
ん、翼姉さんは年長さんになった。
幼稚園での僕の立ち位置は、身体の弱い子であった。エネルギーの
消費量が多い割に、エネルギーを溜め込む量が少ないため、ハードな
78
動きをすると、エネルギー切れで座り込んでしまうのだ。
そんな僕は虐めの対象になり易いのだが、兵藤姉妹がその攻撃に対
して、問答無用で撃破をしていった。
﹁兄ちゃんを虐めるな∼﹂
﹂
駿河のコークスクリューパンチが炸裂したり、
﹁私の一誠に何をしているのかしら
校に上がるまでに、もう少し体力とスタミナを増やしたい。戦い終わ
ん、妹、友達相手に組手や手合わせをして、鍛錬をしていった。小学
家に帰ると、地下のトレーニングルームで、僕は休み休みで、姉さ
ではないかと⋮
にして、姉さん、妹、友達は、叩きのめす相手をおびき寄せているん
で、虐めの対象になりやすいんだけど⋮たまに思うんだけど、僕を囮
そんな僕の遊びの相手はイリナだ。遊びの内容は、おままごと専門
由良、巡の立ち回りにのされていくいじめっ子達。
﹁一誠に酷いことするんじゃない﹂
吹き荒れたり、
ひたぎ姉さんの言葉が終わるや、翼姉さんのパンチ、キックの嵐が
?
る度に入院では、みんなを護れないからね。
そんな抱負を語ると、
﹁弱いままで良いわよ。一誠は、私が護るわよ﹂
﹁ひたぎは口だけでしょ、私が護るのよ﹂
﹁姉ちゃん達は引っ込んでいて。兄ちゃんは私が護る﹂
など、身体弱いままで良いと姉妹達に言われる。まぁ、現状では、姉
妹達の方が上だろうな、スタミナも体力も⋮
│││誠│││
子供達の鍛錬の様子を見ている。一誠のスタミナ不足は明白だっ
た。消費するエネルギーがハンパないんだろうな。その分、パワー、
テクニックは随一である。短期決戦には向いているけど⋮
シュウ﹄
一誠⋮いや、シュウは何かに気がついているようだ。鍛錬の休憩中
にシュウに念話で話しかけた。
﹃何か気がかりなことがあるのか
﹃あぁ、悪神ロキが、あのヨッパだってことは、この世界のどこかに、
﹄
迷宮都市オラリオがあるはずなんだ﹄
﹃そこがどうしたんだ
﹄
宮を封じ込めている蓋が壊れると⋮﹄
﹃モンスターが湧き出るってことか
﹃どこにあるんだ
﹄
溜められるようにしたい﹄
﹃そういうことだ。それに対処するためにも、スタミナを出来るだけ
?
なる地名はオラリオの他、ラキア王国だ。オラリオは壁で覆われた都
﹄
市で、中心部にバベルと言われる塔があり、それが蓋の重し代わり
外からも襲撃があったのか
だったんだ﹄
﹃壁
?
だ。オラリオの住民の殆どが戦士もしくは元戦士だった。もし、モン
79
?
﹃あそこの迷宮はモンスターを生み出し続ける迷宮なんだ。もし、迷
?
﹃わからない⋮でも、別の世界では地中海の島にあった。手がかりに
?
﹃違 う。穴 か ら 出 て 来 た モ ン ス タ ー 達 を 街 の 外 に 逃 が さ な い 為 の 壁
?
スターが地上に溢れてきた時に退治できるようにね。でもロキが何
らかの細工をした可能性がある。この時代にモンスターの大量出現
なんか起きたら、ロキは高みの見物をするだろうからな﹄
﹃確かに、それは懸案事項だな。わかった、仕事の合間に情報を仕入れ
てみるよ﹄
﹃誠、頼む﹄
オーディン様にも情報を収集して貰おう。
80
︻メモ︼主な登場人物
兵藤一誠
本作の主人公。魂はシュウ・ヨハネ・鬼門、肉体は兵藤誠・一香の
子供である。両親は最強の人間ペアと言われて、様々な神格筋の問題
解決などを生業にしている冒険者である。
シュウ・ヨハネ・鬼門
主人公の人格である魂。悪神ロキの罠に嵌まり、この世界に魂だけ
転 移 さ れ た。元 は 鬼 と 天 使 の ハ ー フ な 魔 物。魂 に は 多 く の 仲 間 も
宿っている。父は鬼族の長、母は黙示録の作者の末裔の転生天使故、
天国、地獄に顔が利く上、ネクロマンサーのため魂をも弄れる。神格
階位2位。二つ名﹃神殺し﹄
﹃最凶なラスボス﹄を持つ。性癖が破綻し
ているエスプレイヤーである。絶対神の特務機関の団長として、最高
神達の抱えている問題解決を生業としている。
神︵レベッカ︶
シュウの上司。各宇宙を司る神で、各宇宙を司る絶対神を束ねる神
のトップ。神格階位トップ。ドエスで非常識に思えたが、ドエムだっ
た⋮
兵藤誠
一誠の父。魔人の末裔で、格闘術に特化した兵藤家前当主。
兵藤一香
一誠の母。魔人の末裔で、魔術に特化した式森家前当主。
兵藤ひたぎ
一誠の姉。重し神の魂が宿る。
兵藤翼
一誠の姉。猫しょう﹁銀華﹂の魂が宿る。
兵藤駿河
一誠の妹。悪魔﹁クレーリア・ベリアル﹂の魂が宿る。
兵藤火憐
一誠の妹。怪異﹁火蜂﹂の魂が宿る。
兵藤月火
81
一誠の妹。怪異﹁不死鳥﹂の魂が宿る。
兵藤ベンニーア
ハーフ死神。最上級死神オルクスの娘。一誠とともに冥府を脱走
し、兵藤家の養女となる。一誠の眷属。
兵藤由良︵本名:由良翼紗︶
一誠の友人であったが、ロキ事案により、兵藤家の養女となる。一
誠の眷属。
兵藤源氏
一誠の祖父
兵藤羅輝
一誠の祖母
兵藤悠璃
一誠の叔母、
兵藤楼羅
一誠の叔母
式森数馬
一誠の叔父
式森和樹
一誠のいとこ
リーラ・シャルンホルスト
一誠の家のメイド。魂はシュウ眷属の元聖書の神で維持神のメイ
ビス。
リアス・グレモリー
悪魔。グレモリー家次期当主。一誠のことが好きな女の子。
ソーナ・シトリー
悪魔。シトリー家次期当主。一誠にプロポーズした女の子。
サーゼクス・ルシファー
悪魔。魔王の一人で、リアスの兄。
セラフォルー・レヴィアタン
悪魔。魔王の一人で、ソーナの姉。エムプレイヤー。
アジュカ・ベルゼブブ
82
悪魔。魔王の一人。
ファルビウム・アスモデウス
悪魔。魔王の一人。
グレイフィア・ルキフグス 悪魔。サーゼクスの妻であり、グレモリー家のメイド。エスプレイ
ヤー。
シルヴィア・ルキフグス
悪魔。グレイフィアの姉。グレモリー家のメイド。
クレーリア・ベリアル
悪 魔。牧 師 と の 駆 け 落 ち に よ り、粛 正 さ れ た。兵 藤 駿 河 に 魂 が 宿
る。
代羽マリア
転 生 天 使。シ ュ ウ の 産 み の 親。黙 示 録 の 作 者 の 末 裔。教 会 の コ マ
ンダーにより、殺害され、魂を神滅具に封印された。
シルキー・鬼門・シトリー
鬼と天使と悪魔のクォーター。シュウの長女。シュウの子供中で
一番の破壊力を誇り、ファザコンである。ソーナの冷静さとセラフォ
ルーのおバカさを併せ持つ戦闘バカ。一誠が高校生になるまで、シト
リー家に居候することに。
イッセ・ルシファー︵別の世界の兵藤一誠︶
リゼヴィムにより、リゼヴィムとグレートレッドとオーフィスの遺
伝子を組み込まれたハイブリッド人間。師匠の娘であるシルキーに
惚れ込まれ、つきあっているらしい⋮
紫藤イリナ
一誠の友人。紫藤神父の娘。
バラキエル
堕天使。朱乃の父。堕天使組織﹃グリゴリ﹄の幹部。
姫島朱璃
朱乃の母。
姫島朱乃
ハーフ堕天使。一誠の友人。黒頭巾の一団に襲われるも、一誠に助
83
けられる。グレモリー眷属
ナヴィ
ハーフガーゴイル。チームシュウの連絡担当。
悪神ロキ
迷宮都市オラリオにいる元隠れ処女神の女神。シュウにより処女
神としての地位を奪われる。シュウに罠をかけた神。シュウにより
魂を消滅された。
オーフィス
ドラゴン。二つ名は﹃無限の龍神﹄。一誠の魂に宿っている。
サマエル
ドラゴン。二つ名は﹃龍喰者﹄。一誠の魂に宿っている。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード
バンパイア。別名は﹁忍﹂。怪異︵人外︶の王。二つ名は﹃怪異殺し﹄。
一誠の魂に宿っている。
シヴァ
破壊神。少年の姿をしている。
アザゼル
堕天使。グリゴリの総督。天使だったころに黒歴史を持つ。
ジオティクス・グレモリー
悪魔。リアス、サーゼクスの父。
ヴェネラナ・グレモリー
悪魔。リアス。サーゼクスの母。
黒歌
猫しょう。白音の姉。一誠の眷属。
白音
猫又。黒歌の妹。グレモリー眷属。
銀華
猫しょう。黒歌、白音の姉。兵藤翼に魂が宿る。
影縫余弦
バトルマニアの暴力的陰陽師。関西弁で話す。
斧乃木余接
84
式神。主は影縫余弦。
臥煙伊豆湖
怪異の専門家。影縫余弦の大学時代の先輩。シュウの眷属。
川神鉄心
兵藤本家とライバル関係にある、武道の総本山である川神院の現当
主。
川神百代
鉄心の孫。川神院の次期当主。二つ名は﹃武神﹄
川神一子
鉄心の養女。得物は長刀。
ユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・
リースフェルト
リーゼルタニアという国の第一王女。炎系のスキル持ち。二つ名
は﹃華焔の魔女﹄
ステラ・ヴァーミリオン
ヨーロッパの小国ヴァーミリオン皇国の第二皇女。ドラゴンの特
性持ち。二つ名は﹃紅蓮の皇女﹄
黒鉄 一輝
高ランク騎士を養成する名家、黒鉄家の子供。魔力が足りない為、
留年をしている。魔力がない分、剣技で補う努力家。二つ名は﹃落第
騎士﹄
黒鉄 珠雫
一輝の実妹。水と氷系のスキル持ち。二つ名は﹃深海の魔女﹄
神宮寺 黒乃
破軍学園の理事長。時間を操る能力を持つ。二つ名は﹃世界時計﹄
折木 有里
一誠達のクラスの担任。通称﹁ユリちゃん﹂。二つ名は﹃死の宣告﹄。
虚弱体質なため、常時目の下にクマがある。
東堂 刀華
破 軍 学 園 の 生 徒 会 会 長。カ ミ ナ リ 系 の ス キ ル 持 ち。二 つ 名 は﹃雷
切﹄。
85
西京 寧音
常に着崩した着物を纏う黒髪で小柄な先生。二つ名は﹃夜叉姫﹄
南郷 寅次郎
寧音、刀華の師匠。ステレス系のスキル持ち。二つ名は﹃闘神﹄
鬼門童夢
鬼の一族の長。シュウの世界に於いては、シュウの実の父親。
九鬼帝
九鬼グループ総帥。鬼の里村の者達の末裔。
闇雲那魅
古来より祭儀一切を取り仕切ってきた闇雲家の現当主。AMPメ
ンバー。
レビア・マーベリック
電脳世界に直接ハッキングできるヴィジョネイルというスキル持
ち。発明王である祖父に劣らず、発明を次々にしているメカフェチ。
見た目は﹁プレイメイト﹂のモデルのような肢体。AMPメンバー。
ラリー・シャイアン
人間と妖魔のハーフ。AMPのトップ
二代目悪神ロキ
神族。父親はオーディン、母親は悪神ロキで、母親の影響により、高
みの見物が好き。
リゼヴィム・ルシファー
悪魔。父親は魔王ルシファー、母親はサタンの娘のリリン。ロキと
同じく高みの見物が好き。
ガノッサ・マクシミリアン
大魔導師ギゲルフ・リキュールの弟子。邪界へ続く門を開くが、ギ
ゲルフにより門を閉ざされた。
ネメシス
神族。邪界にいる女神。シュウの知り合い。
ヨルベルト・マリー・ヨハネス・ハインリヒ・フォン・リースフェ
ルト
リーゼルタニアの国王。ユリスの兄。
86
如月ハニー
アンドロイド。空中元素固定装置を持つ、全知全能に近い者。
ヴァーミリオン国王
ステラの父親。娘に過剰なほどの愛情を注ぐバカ親。
サンドリオン
誠、一香の元パーティー仲間。ハルケギニア大陸の砂漠地帯にある
家に住んでいる。
カトリーヌ
誠、一香の元パーティー仲間。サンドリオンの妻。
ルクシャナ
エルフ。ハルケギニア大陸にあるエルフの国ネフテスに住む女の
子。
ビダーシャル
エルフ。ルクシャナの叔父さん。
ヘルメス
神族。ハルケギニア大陸にあるエルフの国ネフテスに住む、元オラ
リオの住民。シュウにより伴侶と共に天に召された。
リトル・リヴェリア
エルフと神族のハーフ。ヘルメスとレフィーヤの子供。魔法使い。
父であるヘルメスが死の間際にシュウに託した。
フィン・ディムナ
小 人 族。元 オ ラ リ オ の 住 民。シ ュ ウ の チ ー ム オ ラ リ オ の 団 長。剣
士。
リヴェリア・リヨス・アールヴ
転生小人族︵ハイエルフ︶。シュウにより転生小人族にされ、チー
ム・オラリオの団長の妻になった。
レフィーヤ・ウィリディス
エルフ。シュウのチームオラリオのメンバー。魔法使い。
アイズ・ヴァレンシュタイン
人と精霊のハーフ。シュウのチームオラリオのメンバー。二刀流
の剣士。
87
フレイヤ
神族。シュウのチームオラリオのメンバー。
﹃紅髪﹄リアス
悪魔。シュウの第一夫人で、グレモリー家当主。
シーナ・鬼門・アガレス
天使と鬼と悪魔のクォーター。シュウの末娘。シュウの子供達の
中で唯一のヒーラー。天使の翼と悪魔の羽を展開できる。
ヴァイラ
悪 魔。シ ュ ウ の 第 三 夫 人 で ア ガ レ ス 家 当 主。シ ー ナ の 母 親。惨 た
らしいシュウの姿を見て、精神を病んでしまい、長期入院中。
ロスヴァイセ
半神ヴァルキリー。チームシュウの魔法ランチャー。
ウラノス
迷宮都市オラリオに君臨していた神。迷宮ピラミッドの奥に眠る
何かを鎮める為に、祈りを捧げ続けている。
ヘスティア
神族。チームオラリオの団員。台所要員。
イシュタル
神族。チームオラリオの団員
ベル・クラネル
人間。チームオラリオの団員。二刀流の戦士。
アスフィ・アル・アンドロメダ
人間。チームオラリオの団員。研究、開発担当。
ナァーザ・エリスイス
犬人︵シアンスロープ︶。チームオラリオの団員。薬剤師。
アイシャ・ベルカ
アマゾネス。チームオラリオの団員。戦士。
サンジョウノ・春姫
狐人。チームオラリオの団員。オーフィス、忍の子守り担当。
ティオナ・ヒリュテ
アマゾネス。チームオラリオの団員。戦士。
88
アミッド・テアサナーレ
人間。チームオラリオの団員。ヒーラー。
フェルズ
ウラノスの眷属。不死の術を施している戦士。不老の術では無い
ため、身体の老化は避けられない。
ロデム
バベルの塔の執事。変幻自在に身体が変化できる。
ヒューム・ヘルシング
人間。九鬼家の執事で元バンパイアハンター。一誠により闇の世
界に落とされ消される。
天霧遥
人 間。天 霧 辰 明 流 の 使 い 手。一 誠 と の 手 合 わ せ で 敗 北。一 誠 の 本
来の姿を知る人物。一誠より5歳上⋮
アルテミス
オラリオではシュウの下僕だった元処女神。現在は白猫の雄の姿
で、地上ではセーラーヴィーナスのパートナー。
アテナ
オラリオではシュウの下僕だった元処女神。現在は聖闘士と呼ば
れる戦士達を従えている。
ペガサス星矢
アテナに仕える天馬星座の聖衣を纏う聖闘士。
フェニックス一輝
アテナに仕える鳳凰星座の聖位を纏う聖闘士。
愛野美奈子
愛と光の戦士セーラーヴィーナス。
冥王せつな
時空の番人をする戦士セーラープルート。
天王はるか
風や天空を操る戦士セーラーウラヌス。
海王みちる
水や海を操る戦士セーラーネプチューン。
89
月野うさぎ
月の光を操る戦士セーラームーン。
ファルコン
元龍騎士にして元聖騎士。神族に不老不死の呪いを掛けられた。
90
娘現る*
│││一誠│││
川神市にある川神院という処に来ていている。ここは、武道の総本
山と言われている場所で、兵藤本家と肩を並べる武道場である。
兵藤本家が、川神院に出稽古という形で出向き、お互いの門下生を
戦わせて、勝負の行方を当主達が見守っていた。門下生的にも、当主
的にも、プライドのぶつかり合いの形相である。一昨年まで兵藤本家
が勝ち越していたのだが、昨年の結果は負け越したそうだ。川神院の
次期当主がデビュして、勝ち抜いていき、兵藤本家は彼女に全敗した
という。
そんなことがあり、兵藤本家から父さんに、僕の出場を打診してき
たのだ。門下生の目の前で、現当主をのしてしまった僕。僕も父さん
も難色を示したのだが、門下生全員で土下座での依頼ってこともあ
﹂
91
り、父さんが承諾してしまった。
﹁今年は、昨年のように行かないぞ
スタミナのない僕にとって、受け流している時間が長いほど、不利
ルと思える、重い攻撃力。
らの攻撃を受け流してかわしていく。真面に喰らったらダメなレベ
撃をしていかないと見るや、蹴りや突きを叩き込んできた。僕はそれ
百代は、僕と同い年くらいだけど、僕より大きく見える。僕から攻
そして、戦闘開始の合図がなされた。
座る上席と、お互いに礼をした。
武神と僕が戦闘フィールドとなる戦場に足を踏み入れ、現当主達の
は、勝て無い気がする。
僕にして、チームの補欠要員として囲っているけど、この世界での僕
れている女の子、川神百代だ。別の世界では、こいつを奴隷化して、下
そして、アイツが出て来た。川神院の次期当主にして、武神と呼ば
いし、大怪我からの復帰したばかりなんだけどなぁ。
簡単だけど、戦う身にもなって欲しい。スタミナ不足は克服していな
兵藤本家の若頭の人が、川神院の師範の人に言っている。言うのは
!
である。しかし、相手には隙がない。どうしよう。
5分くらい受け流すだけで凌いだのだが、審判の方から﹁警告﹂を
いただいた。もっと攻めなさいってことのようだ。って、言われても
そっか⋮払えば良いのか。
なぁ。爺ちゃんの時みたいに、投げられそうもない。僕よりも背が高
いもんな⋮あっ
再開してすぐ、百代の蹴りを受け流しながら、百代の蹴り足に沿う
ように腕を伸ばして、軸足の付け根にラリアットをぶちかました。こ
れにより百代はバランスを崩して、軸足側に倒れ始めた。そこに、膝
の裏側から、膝カックン攻撃をして、重心をズラしてあげると、
完全に体勢を崩して倒れていく百代。
百代が倒れた瞬間に、僕は不可抗力を装って、股間にフライング
ヘッドバットを一発してから、足を絡めてチキンウィングアームロッ
クで締め上げていく。まさかのプロレス技と、股間への衝撃とで、パ
ニっくっているようだ。
締め込んでいる腕の角度を少し変えて、不可抗力を装って、チョー
クスリーパーへ移行させていく。うまい具合に頸動脈を絞めたこと
で、オチた百代は腕をダラんと垂らし、失禁状態となった。ここで、審
判の人が試合を止めて、僕の勝利になった。
﹁兵藤家の者が関節技だと⋮﹂
川神院の現当主が唸るように呟いた。勝てば、何でも有りだろうっ
て思うんだけど。百代の場合、蹴り、突き等の立ち技のみの戦いにお
いて、敵なしだと思う。
そこが盲点だ。寝技、関節技なんか喰らったことがないと思う。そ
こまでの体勢に持ち込むのは至難の技だと思うけど、一旦持ち込んで
しまえば、体験がないだけに脱出方法も怖さもわからないんだよ。
僕は、上席と失禁した百代に礼をして、父さんに駈け寄って、果て
た⋮
│││誠│││
俺に抱きつくなり、眠ってしまった一誠。スタミナ切れのようだ。
眠りこけた息子を抱き上げて、その場を去ろうとしたとき、
92
!
﹁勝ち逃げですか
兵藤家は
﹂
?
うとした。俺は、長刀を払いのけて、
﹁川神院は、寝ている子供を襲う教育をしているのか
﹂
川神院現当主、川神鉄心に言葉を投げた。
﹁お主は
﹂
?
﹂
そうなると、百代を倒したのは、次期当主か
﹁こいつの親で、兵藤誠だ﹂
﹁前当主か
﹁たぶん、息子はならないと思う﹂
﹁何になると言うのだ、お前の息子は
﹂
相手にせずに、その場を去ろうとしたが、長刀で、一誠の頭を突こ
﹁悪いが、息子は入退院を繰り返している。無理はさせられない﹂
長刀を持った女の子が、戦闘エリアに立った。
﹁起こしてください。次は私が相手です﹂
俺は息子の代わりに返答した。
﹁寝てしまったから、今日は無理だよ﹂
と、声をかけられた。
?
父親に告げると、頷いたので、家に転移した。
│││一誠│││
﹂
﹂
目が覚めると、冥界の医療機関で点滴を受けていた。
﹁一誠、大丈夫か
﹁父さん、僕は⋮また、怪我でもしたの
││││││
﹁一誠、起きてくれ
一誠⋮﹂
安心をしたら、また眠気が⋮くぅ⋮
﹁いや、栄養の点滴だ。まだ、胃腸がうまく機能していないみたいだ﹂
?
?
﹂
!
まだ、意識が朦朧としている。
﹁どうしたの、父さん﹂
﹁寝るな。起きてくれ
僕は父さんに起こされた。ここは⋮家だよな⋮くぅ⋮
!
93
?
?
﹁さぁな、取り敢えず帰るぞ、クソじじぃ。一誠は電池切れだ﹂
?
?
﹂
﹁先程の長刀の子が、殴り込みに来た﹂
﹁誰だっけ
バサ姉と駿河が
が戦っているが⋮﹂
え
│││シュウ│││
頼む﹂
﹂
?
﹁やっと、出てきてくれたのね
﹂
こんなヤツラじゃ役不足だわ。ふふ
﹁おい、僕の姉と妹に手を出したな
僕は階下に降りると、翼と駿河、長刀の餌食になっていた。
﹁あぁ⋮﹂
誠とアイコンタクトをして返事を返した。
﹁シュウか
﹁誠、二人は無事か
一誠の意識が混濁しているので、代わりに僕が覚醒した。
?
﹁川神家に養女となった川神一子だ。お前と戦いたいと、今、翼と駿河
?
?
?
ふざけんなよ﹂
?
術をかけて傷を癒やす。
えて、シュウは最短時間で余分なことをせずに、戻ってくれたようだ。
一子を倒すと、一誠はその場で寝入ってしまった。息子のことを考
│││誠│││
﹁⋮くぅ⋮﹂
識を一誠にスイッチすると、一誠はその場で寝込んだ。
一子は、父さんの手で、川神院へ強制転移させられた。そして、意
﹁翼姉さん、僕だって、日々進化しているんだよ﹂
﹁一誠⋮いつの間に、こんなことが
﹂
そして、足で一子の頭を踏んだ。そして、翼と駿河に近寄り、回復
﹁たわいもない。その程度で殴り込み
こんだ。悲鳴を上げるヒマを与えない。。
マウエポン﹄を発動した。目の前の一子が煙を上げて、その場に倒れ
一誠の家族になんてことを⋮⋮許さない。僕は威力弱版﹃ウルティ
ふ﹂
?
?
94
?
﹂
俺は、翼に一誠のことを頼み、川神院へと転移した。
﹁お前が一子をやったのか
でも、それはお門違いだ。
﹁俺の娘二人を手にかけてくれたぞ、お前の養女は
﹂
俺と鉄心は睨み合う。その時だ。
どういうことだ
変わり果てた養女を抱きしめる、鉄心が俺に怒りをぶつけてきた。
﹁息子の一誠だ。俺は魔法は使えないからな﹂
?
﹂
突然、俺の隣に見知らぬ少女が転移してきた。
﹁貴様は何者だ
鉄心が問うた。いや、俺も知りたい。
シュウの娘か
つまらないなぁ。そうだ、じじぃ、戦おうぜ
﹁おい、無益な戦いをするな、シュウは望まないぞ﹂
にやられたのか
﹂
なんだ、父ちゃん
シトリー⋮それって⋮おいおい⋮
﹁私は、シルキー・鬼門・シトリー。悪魔だ﹂
鬼門
?
﹁誠、正解だ。シトリー家次期当主だよ。川神一子
?
今、父さんの部屋で、僕の娘と再会をしている。
相談したら、ここに飛ばされたんだ。やれば出来るじゃん、絶対神は﹂
﹁だって、父ちゃんに会いたかったんだよ。それで、父ちゃんの上司に
?
│││シュウ│││
﹁で、なんで来たんだ
﹂
僕が高校に入るまで待てと、伝言をしただろう
していた。俺は、彼女と家に転移した。
鉄心はシルキーの睨みだけで、蛇に睨まれたカエルのような表情を
﹁誠、確かに⋮父ちゃんは望まないな﹂
明らかだと思うし。
俺は、たまらず、声をかけた。このまま戦ったら、鉄心が死ぬのは
!
﹂
﹁おい、そこのじじぃ。私の父ちゃんに攻撃をするとは良い度胸だな
?
?
?
?
95
?
?
?
どうやって、脅したんだ
﹁相談
﹂
人聞きが悪いなぁ⋮父ちゃんと会いたいって、相談しただけ
﹁うん
?
﹂
すまん﹂
﹂
﹁いや、なぁ、シュウ、聞いても良いか
ルーとの間の子供か
もしかして、シュウとセラフォ
ハズレだ。これでもソーナとの間の子供なんだ。
?
│││誠│││
?
﹂
凹んでいるシュウの娘。
前は敵以外とは戦うな。いいなぁ﹂
ないんだけど、おバカなんで、手加減なんかできない。シルキー、お
﹁でも、僕と違って、冷静さを持っている分、暴走はしない。暴走はし
シュウの破綻した性癖を受け継いでいるのか
おい⋮
誠が固まっている。それだけの衝撃は与えてしまう娘だものな。
﹁⋮﹂
破綻した性癖までも受け継いだ、ラスボスキャラだよ﹂
ソーナの冷静さとセラフォルーのおバカさを引き継いでいる上、僕の
﹁そう見えるだろ
?
?
﹁はぁ⋮誠、もし、この世界にラスボスがいるとしたら、このバカ娘だ。
な。誠がぽっか∼んとして見ているし。
幼稚園児が高校生の女を躾けるなんて、トンでもない情景だろう
許してぇ∼﹂
﹁痛い⋮ごめんなさい⋮この世界では、大人しくガードしますから⋮
僕の怒りのオーラは、僕の子供達には激痛を与えてくれるのだ。
泣 い て も 許 さ な い。シ ル キ ー の こ め か み を 拳 固 で グ リ グ リ す る。
﹁父ちゃん、ごめん⋮ごめんなさい。お仕置きはやめてぇ∼﹂
解した娘は狼狽え、
僕は娘を睨んだ。怒りのオーラを満載して。僕の怒り度合いを理
のか
﹁今、上司から念話が来たのだが、お前、ダイヤモンドダストで脅した
だよ﹂
?
﹁無敵なのか
?
96
?
!
﹁無敵ではない。僕のチームでは中程度の戦士だ。そうだな、百代と
﹂
似たタイプで、関節技に持ち込めば簡単だ。まぁ、その距離に入り込
めればだけどね﹂
﹁俺よりも強いのか
﹁神殺しなのか
﹂
をミンチにした術も使える﹂
な娘ではあるが、シトリー家なので、水・氷系の魔法は使える。ロキ
﹁遙かに強いよ。僕の世界で、誠は下の方の戦士だったから。おバカ
?
その子は誰
﹂
?
シュウは魂を粉砕できるのか。
﹁父さん、セラフォルーを呼び出してくれるかな
うん
俺は頷き、セラフォルーを呼び出した。
﹁どうしたの
?
﹁え
シュウと私の子供
﹂
ならば、一緒に暮らしても怪しまれないな。
シュウがセラフォルーにお願いをした。そうか、同じシトリーの者
キー・鬼門・シトリーをシトリー家で預かってほしい﹂
﹁セラフォルーに頼みがある。僕が高校生になるまで、僕の娘、シル
見慣れない女の子に警戒をしているセラフォルー。
?
﹂
﹁いや、神殺しのスキルはないから、魂は粉砕はできない﹂
?
?
﹁違うよ、おばさん。私はソーナ母さんの子供だよ﹂
﹂
セラフォルーの淡い期待を完全否定する彼女の姪。
﹁おっ、おばさん
﹁私にしか
シュウ、悦んで、あなたの願いを、あなたのセラフォルー
ルー。君にしか頼めないことなんだよ﹂
﹁そういうこと。僕とソーナの間にできた子供だ。頼むよ、セラフォ
?
﹁彼女が
シュウじゃないの
﹂
﹁お礼は、シルキーが返すから﹂
が叶えます♪﹂
?
?
﹁おばさん、可愛がってあ・げ・る♪﹂
﹁シルキーは両刀なんだ。男でも女でも問題ないから⋮﹂
?
97
?
頬を赤らめるセラフォルー。
?
セラフォルーが蛇に睨まれたカエルのような表情になった。
﹁誠、僕が高校生になるまで、シルキーが高火力な戦力になる。基本、
両刀って⋮俺も身の危険を感じ
僕の言うことしか聞かない娘ではあるが、性癖以外は、間違ったこと
いや、その性癖は危険だろ
はしないから安心してくれ﹂
うん
るし。
?
幼稚園児が高校生を躾けるって、見た目はどうなんだろう
当
?
いるのだが。
ない。じらし作戦か
今日こそ、私が主導権を取ってやろうと思って
シュウに呼び出された。シュウの部屋で待つが、なかなかやって来
│││グレイフィア│││
の方を置いていないだろう。
ある晩、娘と結託して、煩悩を発散することにした。獲物は勿論、あ
プを図りたいと思わない。
僕はいくらエロい肢体であっても、実の娘には萌えない、スキンシッ
シルキーは、見た目が幼い僕とスキンシップをしたがっているが、
ないと活動できないのが難点だ。
た。しかし、上限値は思うように上がっていかない。補給しながらで
ネルギーを分けてくれるようになり、前よりは動けるようになってい
僕の身体は相変わらず、スタミナ不足ではあったが、シルキーがエ
けど⋮
のシルキーは、僕の魂を見て判断しているので、問題はないみたいだ
かな
なので、シルキーの暴走は起きないだろうし、躾けもできるのでよい
シルキーをシトリー家で預かってもらった。まぁ、住む場所は一緒
│││シュウ│││
?
そして、私の服を脱がし始めた。誰
あなたは誰
?
﹁私は、シルキー・鬼門・シトリー。貴方の待ち人の娘よ。ふふふ﹂
?
ないよ。しかし、ドアが開き、部屋に見慣れない女の子が入って来た。
い き な り の 金 縛 り。手 足 の 自 由 を 奪 わ れ た。い つ も の 事 だ。焦 ら
?
98
?
誰との⋮シトリーと言ったな⋮まさ
思考を巡らせていた間に、全裸にされていた。
シュウの娘⋮娘がいたのか
か、セラフォルーか
?
ふふふ﹂
リー家なのに
﹂
聖なるナイフを使えるの
﹁ねぇ、どこを切り刻んでほしい
なんで
?
彼女の手には⋮聖なるオーラを纏うナイフが握られていた。シト
かな
﹁ふ∼ん、子供を産んでいるのに、綺麗な身体ねぇ。斬り裂いてみよう
?
?
クッチュ
クッチュ
!
彼女も全裸になり、貝合わせをして、刺激を楽しみ始めた。
る。薄くて滑らかな舌が、心地良い。余計に湧き出てくる。
彼女は、湧き出る液体の匂いを嗅ぎ、舌で舐めて、液体をすくい取
﹁もう、グジョグジョよ﹂
ている。
息苦しい。しかし、死への恐怖というスパイスで、身体が興奮してき
聖なるナイフから気化して発生した聖なるミスト。吸い込む度に、
?
?
たぶりすぎだよ♪﹂
﹁あっ、下から突き上げられるなんて⋮いいっ⋮父ちゃん、娘の胸をい
いく。
堪らない⋮私の腰が動く。私の意志とは関係なく、本能のまま動いて
撃パターンだ。彼にしか出来ない刺激、内臓の内側から与える刺激⋮
腸内を舐めるような刺激が襲い掛かってきた。最近のシュウの攻
あぁ⋮ダメ⋮
が乱入してきた。
膣内を直接舐めるような刺激が襲い掛かってきた。ついに、シュウ
あっ⋮あぅ⋮
のか⋮
あの肉を叩き合う音はしなかった。女性同士だと、こんな刺激になる
肉と肉が合わさる度に、かわいい音がする。男性と合わせる時の、
!
私の上に載っている女の子が、シュウの刺激に堪らず、声をあげ始
めた。
﹂﹂
99
?
﹁﹁えっ
?
予想外の刺激が私と彼女を襲ったようだ。達した私の上に、果てた
彼女が倒れ込んで来た。シュウの一人勝ち、私達はダブルノックアウ
トのようだ。
│││一誠│││
昨夜のアレって、夢だったのかな
朝起きると、グレイフィアとシルキーの姿はなく、全裸のリーラが、
僕と添え寝をしていた。あれ
?
後ろからリーラの声がした。え
﹂
!
い者⋮メイビス⋮
リーラのオーラから、リーラの魂が見えた。見覚えのある魂⋮愛し
リーラ、お前⋮
リーラから怒りのオーラが飛んで来た。あ⋮これって⋮まさか⋮
﹁自分の娘さんに入れることは、今後許しませんからね
リーラ⋮笑顔で言われても⋮なんか、怖い⋮目が笑っていないし⋮
﹁溜まっているのであれば、私が処理いたします﹂
?
﹁一誠様、私以外の女性を部屋に入れては行けませんよ﹂
よ。夢ではない。あれ
ベッドから抜けて、床を確認すると、濡れている。ぐちょぐちょだ
?
ここに
﹂
も⋮そして、この世界に着いて、この世界の記憶を読みました。あな
たに近づくために、どうすれば良いかを探るために。そして、メイド
がいつか必要になるとわかり、メイドの学校に入り、メイドの部隊に
入隊し、誠から声がかかるの待っていました﹂
そうか。別世界とは言え、元聖書の神だったから、維持神とコンタ
クトが取れたのか。そして、誠がリーラ=メイビスを選ぶように、維
持神が誘導したのか。
﹁私もシュウが戻れる日まで、ガードします。貴方の上司からも依頼
を受けましたし﹂
﹂
100
?
﹁あぁ、バレちゃったようですね、一誠様⋮いいえ、シュウ﹂
﹁なんで
?
﹁あの時、弾かれた時に、気づいて追いました。どこまでも、どこまで
?
﹁何の依頼
?
﹁貴方にもしもの事があったら、忍ちゃんとオー君を宥める役目です
♪﹂
神メイビスに、二人は懐いているものな。適任だと思う。
こうして、僕、いや、シュウの世界から仲間がたくさん来ていた。来
ていたという言い方は語弊があるな。シュウの世界で、シュウがいな
いために、心配するあまりに暴走する危険のある者を、送り出したと
言うのが正解な気がする⋮
リーラの正体が分かってからは、オーフィスと忍は勝手に僕の身体
から抜け出し、リーラの作るドーナツを頬張るようになった。
│││誠│││
シュウから、色々な情報が届いた。リーラがシュウの眷属だったこ
と。この頃、頻繁に見かけるリーラに寄り添う少女達が、最強のドラ
ゴンと最強のバンパイアであること。シュウの娘と合わせて、この4
101
名だけで、大抵のボスクラスは倒せること⋮
俺の仕事も手伝ってもらうことにすると、難しいと思われた案件
が、楽にこなせていく。大抵の者達は、この4名のオーラの前で、怯
え、恐がり、泣き叫ぶ。どんだけ、強いんだ、コイツら。大抵な者で
はない神クラスな者も、戦うと簡単に瀕死な目に遭う。敵無しと思わ
れていたポセイドン様が命乞いって⋮どんだけ強すぎるんだ
を見て育ったという。シュウは﹁普通の生物を辞めて、戦闘特化な生
ディスクには刻まれていた。シルキーは心が折れそうになると、これ
シュウが数馬君に言った﹁人間を辞める覚悟﹂という言葉。ビデオ
いけない現実。
て勝つだけではダメ。戦った後の結果までも先読みして、護らないと
俺はあんなに必死に戦ったことがない。護るということ、ただ戦っ
いるようだ。シュウは、そこでも全身全霊を使い戦っていた。
いたシュウが、苦戦している。この広い世界には、まだまだ強い敵が
これも見る機会があった。見ていて、鳥肌が立った。無敵と思われて
シ ュ ウ の 戦 い の 歴 史。シ ル キ ー が 大 事 に し て い る ビ デ オ デ ィ ス ク。
仕事の合間に、4名から昔話を聞く機会ができた。そこで語られた
?
物になった﹂理由。弾けても、切り刻まれても、再生し続ける身体、折
れない心、護りきるという意志⋮それらを得る為に、辞めたのだろう。
数馬君にはそういう決意はあるのかな。
俺にはない。俺にはマネできない。俺にはデメリットの方が大き
い。人間を辞めることのデメリット、家族と別れることなんかできな
い。一香と子供達の傍にずっといたい。
シュウは、それでも、護る事を選んだ。家族との別れ⋮それでも、世
界を護る事を選んだ。
102
禁忌な姉妹*
なんで
どうしてよ∼
﹂
!
│││一誠│││
﹁いや∼
?
怪訝に思いながらも、声のした階下に降りると⋮死臭⋮血の海⋮散
叫び声で起きた。ここは自分の部屋だ。なんで、家の中で叫び声が
!
﹂
らばる肉片、血痕⋮ひたぎ姉さんが、その惨状に向けて叫んでいた。
﹁つばさぁ∼
これって⋮
﹁了解
﹂
﹁リーラ、天界に許可を取ってきて﹂
母さんに緊急信号を出し、仲間に指示を出す。
!
﹂
?
﹂
?
ている両親。
﹁まさか⋮翼が
誰に
た翼姉さんの身体を創造していった。驚くような目で、僕の作業をみ
僕は創造の扇を取り出し、血の海の上で、跡形も無くなってしまっ
母さんは、怪訝そうに行動している。
シルキーは状況が読めたみたいで、素早く動いてくれた。父さんと
魔王全員をだ。シルキー、この部屋に関係者以外入れるな﹂
﹁父さん、説明は後だ。母さん、数馬叔父さんを呼び出して、父さんは
父さんが状況を把握出来ないためか、僕に質問をしてきた。
﹁どうしたんだ、一誠
母さん、父さん、シルキーが転移してきた。
﹁兄ちゃん、了解だ﹂
﹁駿河、黒歌さんを呼んで来て﹂
僕から飛び出し、ひたぎ姉さんを取り押さえ、落ち着かせる二人。
﹁忍、オーフィス、ひたぎ姉さんを頼む﹂
!
ひたぎ姉さんの能力
?
父 さ ん に は 何 の 事 か が 分 か ら な か っ た み た い だ。気 づ い て い な
が、無制御で撃ち込まれたんだよ﹂
﹁父さん⋮なんで、説明してあげてなかったの
翼姉さんの身体を創造し終わると、父さんに言った。
?
103
?
かったのか⋮くそっ⋮僕のミスだ⋮
﹂
数馬叔父さんが転移してきてくれた。
﹁どうしたんだ、姉さん
﹂
現させて、術式を少し書き換えていく。
?
﹂
﹁なんでかな
﹂
﹂
様とグレイフィアで、僕の周りに結界を張ってください﹂
﹁不幸な事故で翼姉さんがロストしたので、今から甦らせます。魔王
サーゼクスさんが尋ねてきた。
﹁一誠君、どうしたんだ
魔王4名が転移してきれくれた。グレイフィアさんもいる。
んだろうから、初めての光景なんだろうな。
両親、叔父さんの三人が驚いている。この世界では使い手がいない
﹁はぁ
起動させます﹂
﹁そうです。これから、翼姉さんの魂を招魂して、入魂して、心臓を再
﹁一誠君⋮それは、禁術系じゃないのか
﹂
叔父さんも怪訝な顔をしている。僕は今必要な魔法陣を3つを発
﹁3つ
僕は叔父さんに、頭を下げて頼んだ。
の式森の魔力を注ぎ込んで発動してください。お願いします﹂
﹁叔父さん、これから3つの魔法陣を発現します。叔父さんと母さん
?
?
﹂
?
は結界を透過できるので、問題なく作業ができますから﹂
﹁核爆発並の威力があるので、重厚に結界をお願いします。僕の能力
た。そして、僕の周囲に結界が張られた。
状況を理解してくれたアジュカさんが、悪魔の皆さんに促してくれ
﹁サーゼクス、一刻を争う作業みたいだ。速く結界を張ろう﹂
から、器が持たない場合に備えます﹂
﹁今の僕には荷が重い作業なんで、魔人としての力を解放します。だ
父さんが悲痛な声を上げた。
﹁一誠、何をする気だ
﹁作業中に僕が暴発して、皆さんを危険に晒さない為です﹂
?
104
?
?
魔王様とグレイフィアが頷いた。
﹁始めます。まず、招魂します﹂
1つ目の招魂用の魔法陣を、翼姉さんの上に置いた。
﹁叔父さん、母さん、お願いします﹂
二人から、魔力が魔法陣に向けて飛んで来た。僕の発動キー入りの
魔力と合わさる瞬間に、ドライグの﹃倍化﹄の恩恵を﹃譲渡﹄して、発
動させた。魔法陣の上に、光の粒子が降り注ぎ、粒子は集まっていき、
淡い光を放つ球体の物へと変貌していった。
2つ目の魔法陣を翼姉さんの上に置いた。
﹁次、入魂させます。お願いします﹂
先程と同じように、叔父さんと母さんの魔力に僕の発動キー入りの
魔力を合わせて、ドライグの力で倍化させて、魔法陣を発動させた。
僕は光の球体を優しく手で包み、翼姉さんの身体に入れていった。
ここまでは、うまくいった。後は⋮僕の魂から僕の中の人を発現さ
105
せた。
│││シュウ│││
一誠と合わさるように発現した、僕のオーラ体。不思議な袋から祝
福の聖剣を取り出して、両手で頭上に掲げて、祈りを捧げて、黙祷を
しながら、祝福の聖剣に念を送り込んでいく。
そして、片腕を離して、翼姉さんの身体の上に印を刻み、3枚目の
﹂
魔法陣を印の上に置いた。
﹁数馬、一香、頼む
からは血反吐を吐いていた。
のか、徐々に元の一誠に戻っていったが、目や耳、鼻から出血をし、口
と、身体が膨れていた。シュウは、一誠の中に戻り、制御してくれた
翼が呼吸をし出した。一誠、シュウ、ありがとう⋮一誠の方を見る
│││誠│││
した。。
3枚目の魔法陣も無事に発動して、翼姉さんの心臓の鼓動が再起動
!
﹁結界を解いてくれ、一香、頼む﹂
誠殿
﹂
一香が禁手して大天使の翼で、一誠を抱きしめて、癒やしていく。
﹁何がどうなったんだ
?
る﹂
﹁おいおい⋮﹂
﹂
?
サーゼクスが一番驚いていた。俺も驚いているんだけど。
﹂
﹁はぁ、誠⋮お前には失望した。気づいていないかったのか
﹁何をだ
何を言っているんだ
﹁誠と一香の娘達の正体だよ﹂
﹁正体
﹂
している。グレイフィアのエネルギーが使えるので会話程度はでき
﹁魂のコピー体を、体外に出せるスキルを使って、グレイフィアに憑依
だ。
意外な人物の口から、シュウの言葉が発せされた。グレイフィア
﹁そんなことはないよ﹂
﹁シュウに聞かないと⋮一香の禁手中は、シュウの意識はないか⋮﹂
サーゼクスにきかれるが、俺も理解していない。
?
?
﹂
ての部分もあるとは思うけど、少しね、調査をしたんだ﹂
﹁調査
﹁人外の魂が、人間の魂が宿る前に、着床したのが原因だよ。通常、人
間が産まれたら人間の魂が先ず宿る。その後に、入れ替わりとか憑依
﹂
とかが生じるんだけど、僕達、誠と一香の子供全員、人間の魂が宿っ
た形跡がないんだよ﹂
﹁なんで、そんなことがわかるんだ
﹁この世界の兵藤、式森の禁忌の意味は、間に産まれる子供は人間の魂
ファルビウムが頷いている。
﹁あぁ、ネクロマンサーなら可能だな﹂
力が戻ったんだよ﹂
に直接アクセスができるのさ。コピー体を作る練習の過程で、その能
﹁僕はネクロマンサー、魂を弄ぶ者だ。魂を見られる能力が戻れば、魂
?
106
?
﹁僕の魂が一誠の受精卵に着床したのは、母さんの魂に、引き寄せられ
?
?
を宿らないことだ。魔人としての魂は、先祖還り中にロストして、そ
こに人外の魂が引き込まれるみたいなんだ﹂
﹁そんな⋮﹂
﹁原理とかはわからない。結論からの推論だ。正しい理由付けではな
いけど。それで、ひたぎ姉さんは重し神、翼姉さんは猫しょう、駿河
は悪魔、火憐は火蜂、月火は不死鳥の魂を宿っている。当然、それぞ
﹂﹂﹂
れの能力を使えるんだ﹂
﹁﹁﹁え∼
俺、数馬、魔王達が驚きの声をあげた。人間が一人もいないのか⋮
﹁今回のように、口ケンカの末に、持っている事を知らないでいた能力
が、発動する危険性があるってことだ﹂
﹁ひたぎの能力で翼が⋮﹂
﹁そういうことだ。現場に来て、すぐにわかった。それぞれに見合っ
﹂
た教育をしていかないと、外に出せないよ。ラスボス家族だし﹂
﹁危険な能力なのか
﹂
シュウの眷属としか聞いていないが﹂
神に教えられるって何者なんだ
?
﹁﹁﹁は
﹂﹂﹂
4位
﹁リーラは、僕の眷属の神メイビスだ。神格階位は4位だ﹂
?
﹁なぁ、リーラは何者なんだ
リーラが、重し神に能力のコントロールを教え始めた。
﹁了解﹂
ような圧搾なんか簡単なんだ。リーラ、ひたぎ姉さんの教育を頼む﹂
事の重さを自由に変えられることだ。空気の重さを変えれば、今回の
﹁ひたぎ姉さんの魂は、重し神という八百万の神の一柱だ。能力は物、
﹁どんな能力なんだ
﹁危険なのは、ひたぎ姉さんと火憐だよ。即死性の高い能力だから﹂
?
?
最高神なのか
神々の問題を即断で解決できる訳だ⋮って、いうか眷属に4位がい
﹁維持神だよ。別の世界のね﹂
?
﹁最高神は全員、4位だよ﹂
?
107
!
?
るのか⋮
最高神より上
﹁いや、僕の片腕の副団長は3位だし﹂
3位
ラーでチートな存在が多いんだよ、チームシュウはねぇ﹂
チ ー ト す ぎ る だ ろ う ⋮ エ ヴ ァ っ て ⋮ 最 初 の 人 間 と 神 の ハ ー フ
おぃおぃ⋮
んじゃないかな
アジュカさんが適任だと思う。教育を頼みます﹂
﹁粛正されて、この辺りを魂が漂っていて、止まり木に止まった感覚な
﹁まさか⋮﹂
ア・ベリアルだ、アジュカさん﹂
﹁黒歌、翼姉さんに教育を頼むよ∼。次は駿河だけど、悪魔。クレーリ
﹁姉ちゃん⋮﹂
﹁くろか⋮また、会えたねぇ﹂
ようだ。
黒歌さんが翼の傍に寄り添い、匂いを嗅ぎ、オーラを確かめている
﹁にゃんですと∼﹂
銀華の魂が宿っているぞ﹂
﹁えぇっと、次は翼姉さんだけど、猫しょうだ、黒歌、お前の姉さんの
?
﹁メ イ ビ ス と は 違 う 維 持 神 と エ ヴ ァ と 間 の 子 供 だ。ま ぁ、イ レ ギ ュ
?
だ。僕が普通に活動できるならば、僕が教育係になるのが良いんだけ
装甲の厚い生物でも、内臓は燃えたらお終いだから、最強レベルなん
込み、敵の体内に毒を注入して、体内で炎攻撃をするんだ。どんなに
﹁で、火憐なんだけど、火蜂だ。能力は、毒、炎、針攻撃だ。針を打ち
怪異の王が、月火に寄り添いに行った。
より、威力は上だ。担当は、忍に頼む﹂
かもしれない。能力は同じで再生、飛行、炎攻撃だ。フェニックス家
月火だけど、不死鳥。フェニックスだ。冥界のフェニックス家の先祖
での義理の母親になってくれた悪魔だよ。で、火憐は後回しにして、
﹁粛正した理由はクソみたいな理由だ、誠。僕の世界では、僕の人間界
いたが⋮
クレーリア・ベリアルって、神父と駆け落ちして、粛正されたと聞
?
108
?
ど、今はそうもいかない立場だから。シルキー、頼む。シルキーには
無害な攻撃だから﹂
無害
天敵なんだから﹂
﹁シルキーは水・氷系だよ。そして、内臓は不燃だし。うってつけだろ
?
天敵⋮あぁ、そうなるな。
説明し、指示を出すと、シュウの魂のコピー体は、治療の終わった
一誠に戻っていった。憑依状態から抜けたグレイフィアは、その場に
蹲っている。一香を見るとショックを受けた顔をしていた。たぶん、
俺もだと思う。
│││一誠││││
隣をみると、翼姉さんがいた。
目が覚めると、自分の部屋のベッドで寝ていた。記憶が朦朧として
いる。どうなったんだ
﹁一誠⋮ありがとう﹂
番だけど⋮
﹁白音が一番かわいいって
﹂
普段は怖いバサ姉が、猫耳モードだと、物凄くかわいい⋮白音が一
だ。魂が覚醒しているときは、銀華って呼んでにゃ♪﹂
﹁うん、一誠は私達で守る。一誠が目を覚ますまで、相談していたん
しまった。
何をどうがんばって良いのか、わからない。ノープランで口走って
ように、僕もがんばるよ﹂
﹁ネクロマンサーの能力が、戻ったから⋮三姉妹でず∼っと暮らせる
す﹂
﹁銀華お姉様に、再会できるなんて⋮一誠さん、ありがとうございま
ベッドに黒歌さん、白音が寄り添っていた。
﹁一誠にゃん、ありがとうにゃん♪﹂
﹁いや、当然なことを⋮﹂
?
るんだったぁ⋮しまった。しばらく、白音を見ていたバサ姉。
バサ姉の声が、冷たく怖い物になった。あっ、猫しょうも心が読め
?
109
?
﹁しょうがないか⋮白音は、確かにかわいいもんね。で、私と黒歌では
﹂
答えられません⋮バサ姉も黒歌さんも甲乙つけられないよ∼
│││誠││││
子供達はまだ全員、幼稚園児以下という年齢で、能力の教育ができ
るか不安であったが、魂が覚醒した状況であれば、それぞれが相応の
年 齢 な の で、能 力 の コ ン ト ロ ー ル も そ こ そ こ で き る よ う に な っ た。
シュウのような、能力をロストした者がいなかったのが幸いしたらし
い。
我が家の攻撃力は格段に上がった。シュウ曰く、ラスボスが同居し
ている感じらしい。対人戦の場合は、能力を使わないのが我が家の
ルールなので、そこそこであるけど。
数馬君は、あの件以来、我が家に来て、一誠に魔力アップの鍛錬を
してくれるようになった。シュウが見返りとして、禁断の魔術ギルド
の話を聞かせるようだから。
﹁誠さん、聞けば聞くほど、決心が揺らぐよ。人間を辞める覚悟が⋮﹂
﹁数馬君、そこは即断できるようにならないと、ダメなんじゃないかな
悩むってことは、無理なのかもしれないし﹂
ないのか
﹂
﹁そんな気もする。人間を辞めて、習得しても、その後どうするかなん
だよ﹂
﹁式森の敷居は跨げないだろうな﹂
﹁二度とね⋮そこまでして、習得する価値があるのか
?
﹁今でもそこそこ戦えるようじゃないか、一誠君は。武神にも勝った
だけで動くシュウのようにはなれない﹂
ない。そんな気がする。能力の大半をロストしても、護りたい気持ち
﹁それが、人間なんだよ、数馬君。シュウのような存在と比べてはいけ
ることだけをしたいとは思わない﹂
﹁人間は煩悩な固まりだからねぇ⋮アレコレとしたいことがある。護
家族として生きられなくても、家族が生きられる世界を護る為に﹂
﹁シュウは護るために、いや、護りたい為に習得したんだろう。例え、
?
110
?
?
そうだし。全能力をロストする前って、どんだけ強かったんだ
﹂
﹁想像できない位だな⋮それでも、アイツより強い敵がいるってこと
も問題だ。現に、アイツは敵の罠にはまり、今の状態にされた訳だし﹂
﹁俺は、そんな敵とは戦いたくない。正直に言うとね。式森の魔術が
通じない敵がいたら、俺にはどうにもならない。それしか、戦いの術
を知らないから﹂
﹁一誠⋮いや、シュウがいてくれたら、なんとかなると思えるんだ。他
力本願だけど。息子にまかせるっていうのは、カッコ悪いんだけど
な﹂
│││シュウ│││
能力を解放するのは、当分控えよう。一誠の身体のダメージが大き
すぎた。魔人としての覚醒した能力は、一誠の身体には負担が多かっ
たようだ。この世界の魔人なんだが、他の世界で知り得た魔人とは違
う可能性がある。今の一誠では遠出の調査は無理だし、源氏の家まで
の転移すらできないし、調べることは無理か⋮
姉妹に宿った魂達は、僕に協力的だった。普段は僕と同じに、人間
として生活はしているけど、睡眠中は魂としての人格が覚醒しやすい
ので、色々な情報を得られていた。特に親しいのは、クレーリアさん
と銀華だ。他はキャラ立ちしていないので、接し方が難しいが、この
二人はキャラ立ちしているので、フレンドリーであった。今夜も魂達
の井戸端会議ならぬベッド端会議が開幕した。
﹁ふ∼ん、私はシュウの世界では、シュウの義理の母親だったのか﹂
クレーリアさんが、僕の母親だという事実を、不思議そうではあっ
たが受け止めてくれた。
﹁でも、この世界の私は、たぶん、シュウと歳が変わらないと思うよ。
粛正されたのは高校生の時だからね﹂
﹂
111
?
﹁実年齢はそうでも、過ごした年数は僕の方が長いのが哀しいです﹂
﹁それは、猫しょうである私よりも長いのかにゃ
﹁数千億年ですよ∼﹂
﹁すまにゃい、シュウ。そこまでデカイ数はわからにゃい♪﹂
?
﹁え⋮何それ
そんな寿命の生物っているの
﹂
﹁僕は、普通の生物を辞めたから⋮﹂
﹁それで良かった
﹂
?
﹂
?
﹂
?
理できないし﹂
?
﹂
﹁にゃあ、式森、兵藤の禁忌の組み合わせの真実を探るのが先だにゃ
器が保たないよ﹂
世界の魔人の血は、ニトロ並の爆発力だったし、そういう場合は忍の
﹁いや、魔人の血の特性がわからないと、迂闊に吸わせられない。他の
﹁忍ちゃんに血を吸って貰えば、再生能力が上がるのでは
﹂
﹁うん。そうなんだけど、なかなか上がらないんだ。器が脆いから、無
今後の課題は﹂
﹁気は使えるみたいだから、オーラとか魔力の上限の底上げだにゃ。
だけど⋮ははは﹂
﹁この世界でも姉妹、両親を護れるように努力するよ。全能力ロスト
﹁この世界では、どうなるのかな
うに、愛しい人達の顔が浮かんでは消えていった。
僕の脳裏︵いや、魂の僕に脳裏はないと思うけど︶に、走馬燈のよ
愛しい人達の住む世界は護れたから、良いのかな
﹁う∼、難しいよね。愛しい人達とは、暮らせなくなったから。でも、
?
出は無理だし。はぁ⋮﹂
﹁黒歌に頼んでみるにゃ♪問題は猫頭にゃので、記憶力がにゃい♪﹂
﹁黒歌さんも、まだ強い訳ではないから、遠出はさせられないよ。助け
に行けないもの。誠、一香に頼むしかないな。後は、アザゼルか、リー
ラだな﹂
今宵も明け方近くまで、お話をして、それぞれの身体に戻っていく
のであった。
││││││││
いや、僕はもう一動き⋮今日は誰で⋮家の中を彷徨う。悶々として
112
?
﹁銀華さん、正解です。問題は、どう探るかだよ。一誠の体力だと、遠
?
なんで、全裸なんだ
いる女性のオーラを探す⋮いないなぁ⋮あっ、
僕は獲物の身体に憑依した。
│││セラフォルー│││
とても、気分が良く目が覚めた⋮あっ
はぁ
?
サミが⋮
自分の指に弄ばれている私⋮こんなことをす
憑依しないで、発現してやってください﹂
﹃これ引っ張っていい
﹃エムでしょ
﹄
クリちゃんにもいるのに気づかない、ドエムでしょ
﹃全身に洗濯バサミを一杯つけてあげよう﹄
﹄
あぁ⋮引っ張らないでぇ∼でも、痛いと思っていたのに、痛気
シュウの声がした。洗濯バサミを
ダメ⋮ダメに決まっているで
余韻に浸る間もなく、次の場所を責める、私の指。乳首には洗濯バ
あぅ⋮いっちゃったよ∼
涙声で訴える私。
﹁シュウなんでしょ
るのはシュウだ⋮シュウに決まっている。
蠢いている。なんで
⋮はぁ⋮全身が火照っているんですが⋮うっ⋮うぅっ⋮指が勝手に
?
持ち良い刺激。でも、私はノーマルなのよ∼
しょ
?
?
に、それなのに、気持ち良い⋮
﹃この状態で差し込むとどうなるかな
﹄
動きたくない。痛いに決まっているでしょ
うっ⋮うっ⋮刺激を
求める私の身体。四つん這いになり、上体を後ろに反らす⋮気持ち良
?
?
い⋮何、この刺激は⋮悲しいけど、クセになりそう⋮
こんな状況で放置ですか
﹃今朝はここまでだ。またね∼♪﹄
え
?
自分の意志の通り動く、わたしの両手⋮洗濯バサミを黙々とはずす
作業をするかぁ⋮
放置プレイは嫌い∼
!
113
?
?
えぇ∼アソコにも洗濯バサミが⋮気づかなかった⋮
?
挟める場所に次々に洗濯バサミが取り付けられていく。それなの
?
?
?
と、叫んでも、シュウの気配はまるでなかった。
114
覚醒*
│││シュウ│││
ひたぎ姉さんの件以来、僕と姉妹の魂達は、式森と兵藤の禁忌の意
味、魔人の特性を出来る範囲で調べ始めた。
重し神と銀華さんが、伝承を語ってくれたり、クレーリアさんが噂
話や童話を聞かせてくれたり、と、記憶にある知識を共有して、話し
合い推論を煮詰めていた。
誠、一香、アザゼル、アジュカさん達は、古い書物を集めて来てく
れて、それらを読むことも日課となった。しかし、僕と姉妹は全員が
幼稚園児。体力不足の上、長時間の睡眠が必要な為、1日における動
ける時間は少なかった。なので、魂のコピー体を、他の者に憑依させ
られる僕が、調査の主力となる。銀華も黒歌に憑依することをマス
ターするまで、孤軍奮闘状態だった。でも、いまは銀華が黒歌に憑依
できるようになったので、少し効率が上がったかな
まだ推論状態であるが、種族としての魔人と種としての魔人は違う
問題はどう探すかな
│││一誠│││
⋮あっ
影縫さんがいる世界っ
歩に出発した。お供にはリーラさん。リーラさんと一緒ならと、両親
も少し遠出のお散歩の許可をくれた。
﹁忍さん、斧乃木ちゃんのオーラを探して下さい﹂
﹁見つけたぞ﹂
﹁リーラさん、その場所に転移をお願いします﹂
﹁了解です﹂
115
?
のかもしれない。元々いたのが種族としての魔人であり、先祖還りし
たのは種の魔人ということかな。
誰か知っている人はいないかな
!
てことは⋮﹁私は何でも知っている﹂のお姉さんもいる可能性大だな。
?
僕の中の人が良からぬ計画をした、翌週の日曜日、僕は朝からお散
?
転移した先は、どこかの寂れた神社だった。
﹁お前は、兵藤の鬼畜なお兄やんじゃないけ﹂
﹁覚えていただき、恐縮です。影縫さん﹂
僕の中の人が飛び出した。
│││シュウ│││
﹂
一誠から、魂のコピー体としての僕が飛び出して、影縫さんに憑依
した。うふふ⋮
﹁鬼畜なお兄やん、何をしたんや
なんで脱がすんや
いやっ⋮あぁ⋮﹂
﹂
なっ⋮あっ⋮あぅん⋮やめなはれ⋮うぅん⋮﹂
をソフトタッチしながら、固くしていく。
﹁やめんか
﹃お願いを聞いてくれないと、もっと調教してあげるよ。どうする
﹁鬼畜な本性丸出しやな⋮いやん⋮あっあっ⋮ダメやて⋮﹂
﹄
脱がし終わったので、身体を攻略し始める。まずは、胸から。乳首
﹁お願いやと
﹃お願いを聞いてくれたら解放してあ・げ・る♪﹄
﹁おい、待て
僕は影縫さんの身体の制御を奪い、服を脱いでいく。
﹃憑依させてもらったよ、影縫さん♪﹄
考が停止しているようだった。
一誠はリーラ達がガードしている。僕の人格が抜けているので、思
?
?
﹃なぁ、ここに伊豆湖を呼び出してくれないかな
を持つ。
﹁はぁい
先輩を
﹂
影縫さん♪﹄
ふふ
らゆる情報を知っていて、
﹁なんでも知っている﹂と自信ありげな口癖
別世界では捕獲して調教、性の奴隷にしていた。怪異の専門家で、あ
伊豆湖とは、影縫さんの大学時代の先輩、臥煙伊豆湖の事である。
?
﹃呼んでくれないなら、影縫さんの身体で遊ぶけど、いいよね
?
しているなぁ﹄
116
!
?
影縫さんは、脚に力が入らなくなったのか、その場にへたりこんだ。
?
!
ふ、ベルトの代わりに三点サスペンダーでズボンを⋮良い玩具を持参
?
?
僕の言っていることを理解できないみたいだ。なら、実戦投入だ
おい⋮﹂
な。サスペンダーの留め具部分の鰐口クリップの2点を乳首に。
﹁痛い⋮何しはるや
なぁ⋮﹂
少し短めに調整して、背中側に回して、股を潜らせて⋮
﹁おい⋮まさか⋮それはアカンやろ
﹁今度は何したんや
寒気がしてきたわ﹂
﹄
いや、女性に対して、それはアカンぞ、鬼
﹄
﹂
﹃お願いを聞いてくれる
畜なお兄やん﹂
﹁それは、絶対に痛いやろ
フリーなクリップをクリちゃんに当てた。
?
﹃お願いしているだけだけど⋮強請っていいの
﹁おい、強請るんかい
?
?
﹄
アカンやろ、そんなジョブは﹂
﹃ねぇ、魂で肉棒をしごいて良い
﹁ネクロマンサー⋮まじかい
強請って良いみたいだから、魂を人質に取って強請ってみた。
依した相手の魂は玩具同然なんだよ。ふふふ﹄
﹃魂を直接舐めているんだよ。僕はねぇ、ネクロマンサーだから。憑
?
?
﹄
﹂
?
惚な表情になった影縫さん。
そこに現れた伊豆湖。歳の頃は20代終わりかな
私を呼び出して、その姿は
プを横向きに被り、ダボダボなTシャツ姿だ。
﹁どうしたんだ
?
頭にはキャッ
リップを⋮最初の刺激で悲鳴を上げたげど、痛みに慣れてくると、恍
を取りだして、連絡をしてくれた。では、ご褒美で、クリちゃんにク
語気を強めて命令口調でお願いをした。影縫さんは渋々、携帯電話
﹃じゃ、伊豆湖を直ぐに呼べ
﹁アカンって⋮なぁ、止めてや∼﹂
?
?
!
変更した。
﹃何でも知っているのに、理由を聞くんだね、伊豆湖﹄
﹂
117
?
?
影縫さんの恍惚な姿を見て、驚いているようだ。その隙に憑依先を
?
伊豆湖は驚いている。
﹁お前は誰だ
?
﹃何でも知っているんだろ
ふふふ﹄
その歳で⋮リーラがあきれるような目で見ている。ど
け、刺激に弱いんだ
⋮ここは⋮﹂
﹂
胸だけを責めただけで、準備OKになった伊豆湖の身体。どんだ
﹁あぅん⋮ダメ⋮いぃ⋮﹂
含み、感触を愉しみ始めた。
の肉感を楽しむ。この世界の伊豆湖も美味しそうだ。まず、胸を口に
地獄の一角を借りて、伊豆湖を、大の字に縛りつけてある。伊豆湖
り刻む恐怖などを与えられないから。
なので、魂で来ても実体化できるのだ。寧ろ、実体化していないと、切
る。実体化できるのはここ地獄と天国だ。本来、魂の状態で来る場所
なら、ジャマは入らないはずだ。そして、ここなら、僕は実体化でき
リーラに頼んで、ジャマの入らない場所に転移してもらった。ここ
うせ、僕はど変態だよ。
めてなのか
何だよ、もう果てているのか⋮刺激に弱すぎだろうに。まさか、初
﹁あっぁ⋮あぅあぅ⋮ふぅ⋮﹂
﹃お願いが二つある。飲んでくれたら、解放してあ・げ・る♪﹄
﹁あっ⋮何で⋮いいっやぁ∼⋮﹂
る。
伊豆湖の体内側から、性感帯といわれている場所の神経を刺激す
?
﹁なぁ、お願いを2つ飲んでくれるか
﹁え
?
?
﹁えっ
何で
あっ⋮縛られている⋮何をしたいんだ
﹂
?
﹁おい、話しを聞け
﹂
伊豆湖から湧き出た液体を、自分の肉棒に塗りたくる。
ふふ﹂
﹁これから、伊豆湖の開通式をして、身体の奥に僕の印を刻みます。ふ
僕は肉棒を固く大きくしていく。
!
118
?
?
まだ、意識が朦朧としているようだ。もう少し、胸を愉しむかな。
?
﹁お願いを飲んでくれないみたいだから、下僕契約をします。ふふふ﹂
?
﹁おい、願いはなんだ
﹂
肉棒を入り口にセットした。
﹁カウントダウンは要りますか
﹂
﹂
﹂
こんなことをしてタダで済むと思っているのか
僕の行動を見て、顔が強張っている伊豆湖。
﹁おい、止めろ
ここはどこだ
﹂
?
?
?
﹁伊豆湖こそ、ここから逃げられると思っているのか
﹁どういうことだ
?
?
!
ふふふ﹂
?
お願いを聞いてくれるのか
?
﹁こ、こっ、ここって⋮地獄⋮なんで
私は死んだの
﹂
?
ノーの場合は、強制的にそうさせるけど。ふふふ。伊豆湖には選択
なってほしい。2つ目は、僕のブレーンになってほしいだ。どうかな
﹁ほぉ∼、そこそこ知識がありそうだな。願いの1つ目は、僕の眷属に
フ⋮﹂
﹁あなたが、天国と地獄を統べる者⋮唯一無二の存在、天使と鬼のハー
僕の言葉を復唱しながら、思考している伊豆湖。
﹁え⋮生きたまま⋮連れ込んだ⋮﹂
﹁いや、生きたまま、連れ込んだ。ここならジャマは入れないからね﹂
?
周囲の風景を見て、伊豆湖の目は大きくなっていく。
下僕になりさがるか
﹁膜の前にいるんだが、命乞いするのか
肉棒を差し込む、何かに当たって、侵入を阻まれた。
ふふふ﹂
ずれだよ、伊豆湖。せめて、身体だけは期待通りであって欲しいな。
﹁人間としてのレベルで、何でも知っているだけみたいだね。期待は
?
肢は無いんだよ﹂
﹂
﹁あぁ、私は人間だ。人間の知りうる情報に関しては、何でも知ってい
る。それは、あなたも一緒でしょ
﹂
?
痛く無いように膜を破り、伊豆湖の体内に僕の印を刻みつけた。
﹁わかった。まず、印を刻んで。あまり痛くしないでね﹂
観念したのか、顔付きが穏やかになっていく伊豆湖。
は違うみたいなんだ。伊豆湖はわかるか
﹁魔人について知りたい。僕の知っている魔人と、この世界の魔人で
?
119
?
?
﹁これで、伊豆湖は、僕の眷属にして、僕の性の奴隷だ。僕以外とは交
われない﹂
﹁わかったわ。その代わり、私にもっと知識をください。何でも知り
たい。だから⋮﹂
僕は頷いた。
﹁まずは、伊豆湖の身体のことを教えてあげるよ﹂
﹁いや、それはまた今度⋮あっ⋮いい⋮痛いけど気持ちいい⋮﹂
僕の動きに合わせて、彼女の形の良い大きめな乳房が、上下左右に
揺れている。顔付きは恍惚な表情になり、上下の口、両方からヨダレ
が駄々漏れしていく。恥ずかしい写真として、脳内保存をしておこ
う。念話に脳内保存画像を送れるようになってきたし。うふっ♪
そして、伊豆湖をエムとして調教をしおえた。
﹁これからは、僕の憑依先として、一誠と一緒に行動してもらうよ﹂
﹁わかりました﹂
シュウに念話を飛ばすと
からさぁ﹄
とも。おい、一誠をエロい人間にしないでくれよ。
120
そういうと、僕の肉棒を美味しそうに、口に頬張り、舌で奉仕して
くれた。
│││誠││││
一誠が散歩から帰ってくると、怪異の専門家として有名な臥煙伊豆
﹂
湖を、連れて来た。話を聞くと、シュウの眷属となり、シュウの憑依
先として、今後一緒に行動するという。
﹁誠殿ではないか⋮まさか、あの子は誠殿息子さん
伊豆湖に尋ねられた。
﹁そうです。息子の一誠です﹂
下僕
﹁一誠君の中の人の下僕になりました。お世話になります﹂
?
﹃心配しないで。一誠が高校生になるまでは、そういう行為はしない
と、返事が戻って来た。
﹃食べた。美味しかったよ﹄
?
﹃それは無理かな。僕ってエロ神だから⋮すまん、誠﹄
って⋮はぁ⋮まぁ、シュウのおかげで、一誠は生き残っているし、多
少のエロはしょうがないとあきらめるか⋮
│││シュウ│││
一誠の部屋に伊豆湖を連れ込んだ。一誠は1日連れ回したので、疲
れて寝ている。僕は、伊豆湖に憑依した。これだと、一誠に負担を掛
けずに長時間話せるから。この場合、一誠から5m以内でないと、憑
依出来ない。コピー体であれば、距離は関係ないけど、能力は制限さ
れてしまう。どっちもどっちだ。一誠の身体の中にいて、行動できる
ようにならないとなぁ。
少し待っていると、翼姉さんと駿河が来て、一誠の隣に横たわり、銀
華とクレーリアさんが姿を現した。
﹃で、伊豆湖。魔人の情報を教えてほしい﹄
121
﹁先程、シュウに聞いた別世界の魔人と同じだ。ただ、先祖還りした場
合の挙動が違う。シュウの情報だと、器の強度が足りないと暴発して
しまうということだが、この世界での場合は、たぶん、それを避ける
為に進化したのかもしれないけど、暴発の危険のある場合、魔人とし
ての魂が消滅して、怪異の魂を受け入れるようだ。そして、怪異の魂
が成長して、完全覚醒を起こすと、器の強度が増して、魔人としての
﹄
能力も使えるようになる。その時に種族が、魂の種族になるそうだ
よ﹂
﹃完全覚醒するまでは人間ってことか
だな﹄
か中学生くらいの年齢にならないと、覚醒しないだろう。以前読んだ
﹁だが、まだ全員幼稚園児以下だろ
難しいだろうな。せめて高校生
﹃そうなると、僕達は魂の完全覚醒を、目指さないといけないってこと
ちゃんとした記録は残っていないので、確実とは言えない﹂
れ ま で 長 い 間、式 森 の 者 と 兵 藤 の 者 と の 交 わ り は 禁 忌 だ っ た の で、
醒を受けて、血も魔人としての血として覚醒するのかもしれない。こ
﹁そういうことだ。ただ、血は魔人の物の可能性はある。魂の完全覚
?
?
﹄
書物では12∼16歳くらいが覚醒する適齢期みたいなことが書い
てあった﹂
﹃元服ってことかぁ⋮﹄
それとも身体も
﹁そうかもしれないな﹂
﹃魂だけで良いのかな
クレーリアが質問をした。
﹂
園で旨い物を喰わしてやるよ﹄
喰ったらどうなるんだ
?
﹁それはそれでつまらない人生になるな﹂
ちにしても仲間はできないし、家族もできないと思う﹄
そうなることがわかるから、そういう行為はしないだろうけど。どっ
しかし、近親相姦だから、まともな子供は生まれない。全知スキルで
けど。それに全能スキルだと、子作りも一人で出来ないといけない。
人で出来たら、一人だけの世界になる。孤独に耐えられれば問題ない
るから、仲間を作り、協力して得意分野を分業するんだから。全部一
﹃難しいんではなくて、いないよ。そんな存在は。出来ないことがあ
﹁全知全能になるのは難しいんだな﹂
なかったもの﹄
﹃何でもは知らないよ。知っていることだけだよ。現に魔人の知識が
﹁シュウは何でも知っているな﹂
法を教えるよ﹄
天使にはなれないから、そっちになりたい場合は、言ってくれれば、方
天使になったり、ドラゴンになったりするらしいよ。あぁ、悪魔、堕
﹃人間では居られなくなる。各世界の天界のシステムにもよるけど、
﹁まさか、知恵の実か
﹂
﹃そうだ、伊豆湖。人間を辞める気になったら、言ってくれ。エデンの
﹁ここ、人間界では難しいな﹂
とは、確認してある﹄
﹃地獄と天国だと、実体化できるから、魂の国では魂の種族になれるこ
強度が問題なんだろ
﹁う∼、どうだろうな。たぶん、身体もだろう。禁忌の原因は、身体の
?
﹃全知全能スキルはすごいだろうけど、つまらないと思う⋮あっ、さっ
122
?
?
?
﹂
き の 言 葉 を 訂 正 す る。全 知 全 能 者 は い る よ。僕 の チ ー ム に。有 機 生
アンドロイドか
命体ではないけど﹄
﹁機械
﹃ご褒美は
﹄
﹁私は少し寝て、書物を調べてみるよ﹂
そろ明け方だ。戻らないと、一誠達の起きる時間だ﹄
する。愉しまないとねぇ。同じ瞬間は二度は来ないから。あっ、そろ
﹃エロ神であるは否定しない。エロ行為で癒やされ、エロ行為で攻撃
他の二人も頷いている。まぁ、本当のことだからしょうがないか。
﹁女性のアンドロイドなのか⋮まったく、シュウはエロ神だな﹂
るから。性感帯も持っているから、プレイしていても愉しいし﹄
﹃そう、アンドロイドだ。子作りもできる。そういう装置を持ってい
?
│││誠│││
?
ら、安心して通わせられるから﹂
﹁分かった。俺達の子供達を頼むよ。グレモリー家がバックの学校な
あぁ、シュウ狙いか⋮あいつのガールハント能力はすげぇなぁ
と同じ学舎にしてあげてって﹂
﹁実を言うと、母上、リアス、グレイフィアに頼まれてなぁ⋮一誠君達
そうだろうな。悪魔や堕天使が通う学校だものな。
はなると思うんだ﹂
﹁駒王学園は異種族共存な学校で、特殊な授業もあるから、彼らの為に
それだと、助かるなぁ。実子6名、養女2名が通うんだから。
﹁学費の心配はない。全員、特待生扱いにするから﹂
あるが、私立だとなぁ⋮
を、うちの子供達にどうかと言ってきた。この町内にあるから便利で
サーゼクスが理事長を務めている、小学校から大学まである学校
﹁駒王学園に入学させないか
﹂
﹁ソフトタッチでお願いしたい♪﹂
?
来年は、ひたぎと翼が入学で、毎年誰かしらが入学することになる
なぁ。
123
?
そっちが本題なのか
う∼む、どうなんだろう
﹁でだ、リアスの眷属になってほしいんだけど⋮﹂
うん
?
るかわからないし﹂
?
悪魔相手だと、どう戦えば良いのだろうか
純血悪魔もいることも⋮情報の出所はシュウではあるけど。そんな
とを。いや、聖属性攻撃のできる悪魔もいることを。天使の翼のある
しかし、俺は知ってしまった。聖属性に抵抗力のある悪魔がいるこ
オーラに弱い。最悪、灰になる程だ。
一香の聖属性の神滅具の威力のおかげでもあるけど。悪魔は聖なる
れてレーティングゲームに参加したのだが、優勝してしまったのだ。
人間の俺と一香だが、悪魔にもたくさんの知り合いがおり、勧めら
し﹂
﹁そうですよね。誠殿と一香殿はレーティングゲームで優勝経験ある
﹁まぁ、練習相手にはなると思う。俺達の子供だからね﹂
う。
だ、妹の手前、申し入れはしておかないといけないと判断したのだろ
サーゼクスはサバサバしていた。予想はしていたんだろうな。た
ねぇ⋮﹂
﹁そうなるよな。俺もそうだろうなって、思ったんだけど。リーアが
思う。月火は一人だけではうんとは言わないだろうし﹂
が、致死性の高い攻撃の火憐はレーティングゲームに参加できないと
レーリアさんだし、この4名は無理だと思う。可能性は火憐と月火だ
ぎと一誠は神だし、翼は黒歌さんの姉、駿河はリアスよりも上位のク
﹁たぶん、なれないと思う。黒歌さんですら、ダメだったんだろ
ひた
﹁あぁ、無理強いはしない。そもそも、リアスの能力値で、眷属にでき
いうのであれば、前段の話は無効にする﹂
﹁サーゼクス、無理強いはしないでくれよ。学校に通わせる条件って
?
ただ、攻撃手段は即死性が高いので、蘇生系の能力が解放されるまで
なる攻撃もできるそうだ。聖なるオーラも多少なら大丈夫だそうだ。
いよ﹂と。ウチの食客で、シュウの娘のシルキー・鬼門・シトリー。聖
シュウ曰く﹁回復系の能力が全解放したら、シルキーと戦っても良
?
124
?
は、蘇生できないから、今はまだ仲間との戦闘は禁止になっている。
│││一誠│││
中の人が、伊豆湖さん、セラフォルーさん、グレイフィアさん、シ
ルヴィアさんと、能力値の高い者に憑依して、愉しんでいるおかげで、
徐々に中の人の能力が解放されてきているようだ。もう少しで、僕達
の人格は一体化するそうだ。もう少しの辛抱かな
││││││
目が覚めると、隣に全裸のリーラがいた。何やら股間に生暖かい感
﹂
おい、これって⋮
なんで
﹂
人
触があり、確かめてみると⋮まだ剥けていない、僕のまだ小さな肉棒
が、リーラに刺さっていた⋮え
急いで、リーラを起こす。
﹁あぁ、一誠様、おはようございま⋮え
リーラも事態に気が付いた。
﹁なぁ、女神は英雄と神としか交われないんだな
﹂
﹂
﹁えぇ、そのはずですが⋮一誠様は、そのどちらでもないです⋮え
格の同化
﹁リーラもそう思うか
?
⋮剥いてあげましょうか
天使の翼が展開した。
ふふふ﹂
﹁同化してますねぇ。能力はどうですか
?
?
に激突した。
﹁これって⋮元の器の特性も同化したのか
﹁そのようじゃな⋮﹂
﹂
撃たなくても良いんだけど⋮あっ、透過した。忍は僕を透過して、壁
忍が現れて、僕に吸血鬼パンチを撃ち込んで来た。そんなに全力で
﹁忍、軽くパンチをください﹂
﹂
僕はベッドから降りて、翼を意識すると、パジャマを破って背中に
﹁いや、まだ幼稚園児だから、これはこれで良いはずだよ﹂
妙に目付きの怖いリーラ。
?
125
?
?
?
?
?
﹁それしか考えられません。小さいとは言え、まだ剥けていないのに
?
?
忍が返事をした。
﹂
再生のテストは、パスだな。再生しなかったら、怖いし。
﹁魔人の血は
リーラ﹂
?
シュウなのか
﹂
限値は変わらないみたいだ⋮少し凹む。しかし、
﹁僕は一誠なの
セー・シュウ・ヨハネ・鬼門の方が良いかしら
今日の朝食はお赤飯
﹁同一人物です。一誠・シュウ代羽・鬼門と言えば良いのかな
?
?
?
来た。
﹁一誠、リーラが朝から赤飯を⋮誰が初潮を迎えたの
母さんがきいてきた。
﹁初潮じゃないよ。僕の能力が解放されたんだ﹂
﹂
僕は天使の翼を展開してみせた。
﹁え⋮お前⋮天使なのか
父さんが驚いている。
﹂
考え込んでいたら、ドアがノックされて、父さんと母さんが入って
な。う∼む。
まぁ、あらゆる攻撃を透過できる特性。魔人の特性よりは上だよ
のはずじゃ﹂
﹁シュウ、魔人の血の覚醒は問題ではない。魔人よりも高性能な身体
んだが⋮
リーラは服に着て、厨房に向かった。赤飯って、初潮の日ではない
にしましょう♪﹂
イッ
僕の魔力管理をしてくれているアギトから念話が届いた。あっ、上
キルの封印を解いたようです﹂
印を解く鍵となり、シュウの封印無効の力を強化して、特性、能力、ス
﹁マリア様、私、そして、グレイフィアさんです。3つの深い愛情が封
﹁どういうことかな
﹁奇蹟です⋮三位一体の愛情による﹂
リーラが僕に手をかざして、僕を調べ始めた。
﹁わからん⋮﹂
?
﹁僕は天使と鬼のハーフだよ、父さん、母さん♪﹂
?
126
?
?
一番驚いていたのは、あらゆる攻撃を透過してしまう特性かな⋮
チートすぎるよね。やっぱし⋮
127
破軍学園留学編
飛び級留学*
│││誠│││
クソじじぃが、一誠の為に剣の修業先を見つけてきてくれた。
﹁兵藤本家筋の者ということで、特待生扱いじゃ。修行出来るのは最
長で1年。どうせ、来年は小学校を選ぶじゃろうし﹂
一誠の修行先は、破軍学園。伐刀者︵ブレイザー︶という者を育成
する学校である。伐刀者は、魂を固有霊装として顕現させて、魔力を
用いて異能の力を操る者のことである。一誠向きではない。
﹂
う∼、まぁ、どうにかなるじゃろう﹂
﹁一誠は魔力の上限が低いが、大丈夫なのか
ない。
﹁かわいい子には旅をさせよというじゃろ
﹂
ダメな本当の理由は言えない。それは、秘密にしておかないといけ
﹁全寮制はダメだ。一誠は、まだ幼稚園児だぞ﹂
無理だ。アイツを放牧すると危険が一杯だ。
﹁それでな、全寮制なんだが⋮﹂
問題有り有りだし。
おい⋮一誠には辛そうな修行先だな。魂に関しては問題ない、いや
﹁そうなのか
?
何人の女性をお持ち帰りするんだ
あのエロ神様は⋮
﹁確かに、剣技を学ぶには良い環境かもしれないけど⋮﹂
?
剣がないか、物色中である。
庫、通称﹁ゴミ置き場﹂に来ている。魂を固有霊装として顕現できる
日々が懐かしい。で、今、グリゴリ本部にある、アザゼル専用の宝物
剣 術 の 修 行 が で き る よ う だ。全 寮 制 か ぁ ⋮ バ チ カ ン で 修 行 し た
│││一誠││││
留学が決まった。
一誠の正体⋮エロ神様のことは、クソじじぃには話さずに、一誠の
?
128
?
﹁おい、お前
﹂
どうやって入った
ここは結界が張ってあっただろう
?
んだ
﹂
﹁そうだった。お前は盗人向きだよな。はぁ⋮で、何を物色している
頭を抱えるアザゼル。
﹁僕、結界無効だから⋮﹂
アザゼルに見付かってしまった。まぁ、いいっか。
!
だ⋮おい、勝手に開けるな∼﹂
何も起きない
﹂
?
僕は封印をされている箱を見つけて開けた。
⋮え
﹁見た目はきれいな紅色のコアに刀身は純白なんだね。炎系かな
﹁おい、柄は持つなよ。大やけどするぞ
?
?
切れるそうだ﹂
﹁おい、その剣と会話ができるのか
﹂
?
って、まさか、能力の封印が
?
﹁うん、ネクロマンサーだから僕﹂
ネクロマンサー
?
刀サイズが良いなぁ﹂
?
?
た。
﹂
﹁アザゼル、誰も使えないなら、僕が貰うよ。いいよね
﹁あぁ⋮ダメと言っても、持ち出すんだろ
﹂
﹁ありがとう、アザゼル﹂
﹁防具は要らないのか
?
﹂
いらない。必要ない。特性の封印も解けたから﹂
﹁うん
?
何が使えるんだ
﹁特性
?
﹂
念じると、セル=ベレスタは僕でも扱い易い刀サイズになってくれ
化できるのか
﹁あぁ、解放されたよ、アザゼル。ふふふ。なるほど、刀身が状況で変
﹁はぁ
﹂
﹁この剣は、黒炉の魔剣。宿る者はセル=ベレスタ。総ての物を焼き
僕はその剣を持った。そして、念を送り、彼と会話をしていく。
!
﹂
る。剣に意志があり、適応しない者が持つと、大怪我をする危険な剣
﹁魂を固有霊装⋮あぁ、有るにはあるが、誰も使えない剣が一降りあ
して顕現できる剣を持っていないから、出物がないか、物色中だよ﹂
﹁破軍学園に剣の修行に行くことになったんだけど、魂を固有霊装と
?
?
?
?
129
?
﹁あらゆる攻撃を透過させる能力。今は、透過している最中に、吸収出
来るように、努力中だ﹂
目が点になって固まっているアザゼル。僕は彼を宝物庫に残して、
立ち去った。
│││││││
父さんと母さんに連れられて、破軍学園の理事長室にいる。
﹁誠殿と一香殿の息子さんですし、特例での留学の許可です﹂
理事長の神宮寺 黒乃が、両親と会話をしていた。黒乃は、確か時
﹂
名前の黒乃は、時間のク
空警察の手配所にあったWANTEDだ。能力は⋮確か、時間を操る
能力で、二つ名は﹃世界時計﹄だったかな
ロノにかけているみたいで、本名は不明だ。
﹁兵藤本家筋ですと、魔力は無いってことですか
﹁いえ、少しなら有ります。式森の血も入っていますから﹂
﹁それって、禁忌⋮そうですか、訳有りなんですね﹂
﹁息子をお願いします。訳有りで、多くは語れませんが、桁ハズレの能
力者です。扱いには注意してください﹂
﹂
父さんの言葉を受けて、黒乃の顔は強張った。
﹁まさか⋮誠殿よりも上ってことですか
﹂
い。剣の腕は、サーゼクスの眷属の沖田君を超えました⋮﹂
﹁⋮﹂
父さん、ビビらせることを言わないでよ∼
﹁そうですか⋮一誠君、君の得物を見せてくれるかな
レスタを発現させた。
黒乃が僕の方を向いて、急ごしらえの笑顔で言った。僕はセル=ベ
?
130
?
?
﹁まだ幼稚園児ですが、本気で戦った場合、俺ですら勝てるかわからな
?
﹁⋮それって⋮黒炉の魔剣⋮セル=ベレスタ⋮﹂
﹁理事長先生、正解です﹂
﹂
青ざめていく黒乃。父さんもだ。
﹁一誠、その魔剣はどうしたんだ
﹁アザゼルに入学祝いで貰った﹂
?
僕は、魔皇剣ザンバットソードも発現させた。
﹁えっ⋮魔皇剣⋮ザンバットソード⋮﹂
使い手を選ぶ剣を二降りも所持して
﹁理事長先生、魔剣と魔皇剣の二刀流を鍛錬したいです﹂
﹁誠殿⋮息子さんは何者ですか
いるし﹂
﹁息子は⋮﹂
答えに詰まった父さんに続けた。
﹁僕は幼稚園児だよ、理事長先生♪心が無垢だから、剣が力を貸してく
れるんだと思います﹂
その剣は⋮﹂
﹂
﹂
﹂
﹁あぁ、それはあるかも⋮って、騙されないわ。ただの幼稚園児が、魔
皇剣を扱える訳ないでしょ
﹁吸血鬼の王の為の剣⋮だから
﹁誠殿、なんで幼稚園児に、そのような知識があるのですか
黒乃が僕の発言内容によって、取り乱してきた。
貴方は何者
﹂
﹄
?
﹁それは僕が王だから⋮なんてねぇ♪ははは﹂
﹁笑って誤魔化さないで
﹁兵藤一誠、幼稚園児です﹂
﹁そうじゃない、本当の正体は
黒乃に直接念話を送った。
﹁人間を辞める気はないわ⋮﹂
父さんは僕の方を向き、
﹁一誠、お前、念話で何を言ったんだ
黒乃があんなに怯えている。お前⋮﹂
﹁兵藤一誠、幼稚園児です﹂
﹂
﹃人間を辞めるのであれば、教えてやる。どうする
?
?
?
?
﹂
﹁黒乃、人間が知って良い知識には上限がある。それを超える為に、人
間を辞める覚悟があるのか
?
131
?
?
?
!
父さん、秘密バラシまくりじゃん⋮誠、もう少し冷静に行動し
﹁違うだろ
﹁はぁ
?
両手で口を押さえる誠。
﹁あっ﹂
ろよな﹂
?
黒乃に死を感じるオーラを放つ。恐怖のあまり、彼女はその場にへ
たれこみ、失禁⋮脳内保存しておこう。いつか強請るときのネタにし
ようかな。ふふふ
﹁シュウ⋮﹂
﹁僕の事は、人間が知らないで良いことだ。誠や一香は僕の両親だか
ら、包み隠さずに話したけど、それ以外の人間には要らぬ情報だよ﹂
黒乃の記憶を操作して、僕の秘密関連のやり取りはなかったことに
して、僕を部屋に案内してくれる黒乃。
﹁この部屋で、一誠君の部屋は。ルームメイトには、優しいお姉様系に
二人で、部屋に入り、設備を確認する。
しておきましたから、わからないことがあれば、頼るのよ﹂
っっと。かわいい娘かな
いるようだ。
だっけ
る。幼 稚 園 児 は 睡 眠 も 仕 事 の う ち だ っ て、誰 か に い わ れ た か ら。誰
そういうと黒乃は出て行った。僕は僕の部屋のベッドで昼寝をす
﹁明日、クラスメイトに聞いてみて﹂
﹁練習はどこでするの
﹂
僕の部屋は特注らしく、幼稚園児の僕の身長に合わせて、改良されて
?
﹂
つ少女がいた。着替え中だったのか、全裸だ⋮おい、共用部でするな
よ⋮
﹁きゃ∼
と、悲鳴を上げて、バスタオルを巻き付けた。
僕は兵藤一誠。この部屋の住民です﹂
え∼っと、ルームメイトが男性って⋮どういうことよ∼﹂
﹁お姉さんは誰
﹁え
?
なんで
自由を奪う。
﹁え
動けない⋮﹂
僕は、トコトコ歩いて近寄り、彼女に抱きついた。僕の顔は、丁度
ていた前部は、僕の目の前に開けた。あぁ、初物だぁ⋮
バスタオルの端を握らせて、左右に腕を伸ばさせた。タオルで隠し
?
132
?
物音がして目が覚めた。部屋を出ると、薔薇色の髪、碧色の瞳を持
?
!
僕に怒りをぶつけられても⋮あぁ、イタズラしたい⋮彼女の身体の
?
?
え
どうしよ∼﹂
彼女の秘部辺りになり、彼女の香りを嗅ぎ、味わう。
﹁え
リーラかな
す。
顔を確認すると、知らない少女だ。誰だっ
ユリスを揺すって起こ
こ こ 家 で な い ⋮ あ ぁ、寄 宿 舎 生 活 し 始 め た ん だ。
バサ姉かな
うん
?
えぇっと、ルームメイトはユリスだったかな
けかな
?
翌 朝、目 が 覚 め る と、身 体 が 重 い。何 か が 載 っ て い る み た い だ。
││││││
僕のベッドで、眠りについた。
はぁ、変態プレイに能力を使って疲れた。もう少し寝なきゃ⋮僕は
第一王女のようだ。あぁ、だから未使用だったのね。
ル ト。長 い 名 前 だ な。舌 を 噛 み そ う だ。リ ー ゼ ル タ ニ ア と い う 国 の
レクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェ
せて、横たえた。彼女の魂から情報を得る。彼女の名前はユリス=ア
彼女は立ったまま、昇天した。僕は、彼女を彼女のベッドに転移さ
﹁この感触⋮天に浮く感じ⋮嫌いじゃない⋮﹂
出してきた。僕はソレを舐め、啜る。
彼女の身体がピクついた。割れ目から暖かい液体が少しずつ沸き
?
﹂
?
仕入れたのよ。あの兵藤誠、一香夫妻の長男とは、驚きよ﹂
なんかしらの能力で
?
父さんと母さんは有名なんだな。
﹁君が、私をベッドに運んでくれたのよね
﹂
僕は否定も肯定もしない。それよりなんで全裸
﹁ねぇ、なんで裸なの
?
?
イッセー君の肌に触れ合いたいから♪﹂
意味が判らない⋮
﹁うん
?
﹂
﹁君が寝た後にね、理事長に文句を言ってきたの。そこで、君の情報を
﹁なんで、僕の名前を
﹁おはよう、イッセー君﹂
﹁遅刻﹂とい単語に反応して、ユリスが目覚めた。
﹁ユリス、朝だよ。起きて⋮遅刻しちゃうよ∼﹂
?
?
133
?
?
?
﹁さぁ、着替えて、食事して、授業を受けてましょう﹂
僕の寝床は濡れていた⋮
ユリスは、元気良く、機嫌良く、自分の部屋に戻っていった。アイ
ツ、何をしたんだ
││││││
担任の折木 有里先生と共に教室に入る。この先生、病弱みたいな
のか、目の下にクマができている。後で、直してあげようかな。
﹁は い、こ の ク ラ ス の 担 任 に な り ま し た 折 木 有 里 で す。ユ リ ち ゃ
んって呼んでください。後、新学期早々、編入生が二人います。ユリ
ス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リー
スフェルトさんと、兵藤一誠君です仲良くしてくださいね﹂
と、紹介され、空いている席に座った。
昼休み、食事⋮背の低い僕は窓口に届かなかった。まぁ、食べない
食事はどうしたの
﹂
でもいいっか。外のベンチに座って、うたた寝⋮起こされた。
﹁イッセー君だよね
同じクラスにいたよな⋮誰だっけ
?
?
﹁遅くなって、ごめん。イッセー君﹂
あっ、ユリスが飯を買ってきてくれた。あれ
睨み合っている。なんでだ
ユリスとステラが、
いや、燃料切れだ。幼稚園児には学校の勉強は無理だと思います。
﹁寝ちゃダメだよ、一誠君﹂
ら、ルームメイトに頼んだけど、まだ来ない⋮くぅ⋮﹂
﹁よろしくお願いします。で、あぁ、食事は⋮窓口に背が届かないか
セー君と同じクラスだよ﹂
ルームメイト、で、彼女は黒鉄君の妹の黒鉄 珠雫さん。みんな、イッ
﹁あぁ、私はステラ・ヴァーミリオンよ。で、彼は黒鉄 一輝君。私の
?
﹂
?
!
手に発現させた。
﹁ユリスは僕の食事を買ってきれくれた。だから、僕が護る
﹂
ステラが剣を抜いた。僕はユリスを手で制して、セル=ベレスタを
﹁あなたは⋮ユリス⋮決着をつけましょうか
﹁これはこれは、ヴァーミリオンの皇女様、こんにちわ﹂
?
134
?
?
﹂
セル=ベレスタに魂のオーラを注入する。刀身から攻撃的なオー
セル=ベレスタ⋮なんで
ラが湧き出て来た。
﹁え
ないの
本物だったら、私が危険でしょ
﹂
?
﹁これ、本物だよね
﹁はぁ
ステラ、触ってみて﹂
ステラとユリスがセル=ベレスタをガン見している。あの∼戦わ
?
﹂﹂
!
弁当を食べる僕。
﹁僕らも食べよう、ステラ﹂
一輝の言葉に促されて食事をする僕達。
﹂
?
何歳⋮何歳だろうか
?
﹁一誠君って小さいけど、何歳
珠雫にきかれた。うん
たなぁ。はて
?
それもすごい飛び級だよね
箸を落とす者が多数。どうした
﹁飛び級
﹁え
﹂
﹂
僕は剣の鍛錬をしたいだけ。あんまり難しいこと
魔力無いけど﹂
このステラという少女
私が太鼓判を押してあげるよ﹂
?
それは楽しめそうだ。うん
﹁剣技は一流だろ
剣技が一流
⋮
?
﹁ちょっと待て、なんで手合わせもせずに、言い切れるんだ
ステラは
もう見切りましたから。ステラさんは僕に絶対に勝てませんよ﹂
﹁ステラさんと一輝さんの二人でもいいですよ。ステラさんの方は、
?
はわからない﹂
﹁ねぇ、一輝、彼と戦ってみたら
?
ステラが一輝に向かって言った。
?
﹁飛び級なのかな
ユリスが前のめりになって、聞いてきた。
?
?
﹁歳はわからないけど、幼稚園の年長さんだよ♪﹂
?
気にしていなかっ
二人からせがまれるけど⋮食事が先♪ユリスの買ってきてくれた
﹁﹁もっと見たい
戦闘意欲が削がれた僕は、セル=ベレスタを収納した。
?
?
?
?
?
135
?
?
強いんだぞ﹂
イッセー君﹂
﹁戦う前に敵の強さを読めずして、実戦で生き残れると思うか
さん﹂
﹁何を言っているの
一輝
?
﹁誰
あれ
﹂
﹁黒鉄君、ステラさん、兵藤君と戦ってみて﹂
小柄な女性が現れた。
知らない老人に声を掛けられた。後ろから、着崩した着物の黒髪の
﹁わしも見てみたいぞ、兵藤家の次期当主の力をな﹂
と強くなりたいんだよ﹂
﹁ユリスさん、僕はこんな場所で負けられない。家族を護る為にもっ
ユリスが、僕を心配そうに見ている。
?
ソードを発現して構えた。
魔剣と魔皇剣の二刀流
?
まずはステラからかな
どういう意味よ
?
たでは、撃てないはずですよ﹂
﹁ドラゴン特性
﹂
﹁ステラさん、僕に魔法を撃ってみてください。ドラゴン特性のあな
?
妖刀村雨を装備した。気づかれないように。
ステラの驚いたような声がした。いや、この二降りは囮だよ。腰に
﹁え
﹂
と も 得 物 を 発 現 し て、構 え た。僕 も、セ ル = ベ レ ス タ と ザ ン バ ッ ト
爺さんに言われた。努力します。そして、戦闘は開始された。二人
﹁相手を殺すなよ、兵藤君﹂
僕と一輝、ステラが戦闘エリアに立った。
寅次郎で、女性は、この学校の教師で西京 寧音だそうだ。
珠雫さんにきいてみた。老人の方は、
﹃闘神﹄の二つ名を持つ南郷 ?
て無敵だから﹂
﹁無駄です。ドラゴンマスターのジョブのある僕は、ドラゴンに対し
かっては撃てなかった。
ステラさんは膨大な魔力を込めた、攻撃をしようとするが、僕に向
?
136
?
?
三刀流なのか
﹂
さて、一輝だな。こいつはどういう能力持ちかな
﹁え
?
ターンのビジョンが見えるのか
る攻撃が有効かな
う∼、どうしようかな
意外性のあ
?
まだ、攻撃されていないし。
?
るのかな
せて発現させた。彼のビジョンには、この勝負の結末はどう映ってい
ない﹃ウルティマウエポン﹄の魔法陣を一輝の頭頂部にロックオンさ
アギトとドライグから準備が出来たと連絡が来た。では、即死性の
イのを一発放つのかな
徐々に僕との間合いを狭めてくる一輝。至近距離から、威力のデカ
トの破壊的な飛ぶ斬撃も放っていく。
オーラの飛ぶ斬撃を放っていく。時より、セル=ベレスタとザンバッ
なかったのか、驚いているようだ。避けまくる一輝に向けて、聖なる
ラの膨大な魔法が一輝を襲う。まさか、味方から攻撃されるとは思わ
僕は目の前にいるドラゴンに命令した。一輝を攻撃しろと。ステ
?
驚いたような目で僕を見る一輝。こいつの能力は、相手の攻撃パ
?
?
ちゃダメって⋮ごめんなさい﹂
﹁ご め ん。ユ リ ち ゃ ん に 聞 い た よ。幼 稚 園 児 に 無 理 な 運 動 量 は さ せ
﹁おはよう⋮ユリスさん、ステラさん⋮﹂
目が覚めると、ユリスとステラが心配そうに、僕の顔を見ていた。
││││││
僕は電池切れで、ユリスに向かって倒れ込んだ。
﹁勝ったよ、ユリスさん♪﹂
僕は、戦闘エリアから脱出して、ユリスの元に向かった。
﹁勝負ありじゃな。勝者兵藤一誠だ﹂
斬撃を一拍遅らせて、叩き込んで行く。
た。その時、僕の待っていた一輝の隙が生まれた。術を発動させて、
ラの方に目をやる。ステラは胸を前に突き出すようにして悶えてい
って、一輝に念話を飛ばす。精神攻撃も開始する。一輝は一瞬ステ
﹃一輝さん、ステラさんの胸、気持ち良いですね﹄
?
﹁ユリスさんとステラさんが仲直りしてくれれば、それで良いです﹂
137
?
かわいい娘に囲まれているのに、疲れすぎて妄想すら浮かばない⋮
体力の増強しないと⋮
﹁ねぇ、色々聞きたいことがあるんだけど⋮﹂
ステラさんが聞きたいことがあるみたいだ。あっ⋮アレの件だな、
きっと⋮
﹁ステラさんの能力は﹃ドラゴンの特性を体現する﹄ことです。ユリス
﹂
さんと違い、炎を操れる訳ではないです。鍛錬の方法を変えないと、
伸び悩みますよ﹂
﹁なんで、わかるんだ
﹁僕はドラゴンマスターというジョブを持っているから。ドラゴンに
対して、無敵なんです。それに、僕の中にドラゴンが数匹いますから、
﹂
敵がドラゴンの場合、情報が飛んできます﹂
﹁身体にドラゴンを飼っているの
レインした。自力での回復があまり望めないから。
ステラが考え込んでから、言葉を出した。
一番、早いのは、ドラゴンと戦うこ
﹁イッセー君、私のドラゴンとしての特性を鍛えて貰えるかな
﹁それはいいけど⋮死ぬ覚悟ある
となんだけど⋮﹂
?
いから⋮﹂
﹁う∼、お願いしようかな
ドラゴンって会いたくて会える物ではな
手加減はするように言っておくよ﹂
﹁いや、覚悟だけだよ。死ぬようなことはさせないから。それなりに
﹁う∼、死ぬのは困る﹂
﹂
疲れを癒やすために、申し訳ないけど、二人から、エネルギーをド
に生きています﹂
﹁ペットでないから飼っている訳ではないです。仲間ですから、一緒
ユリスが心配そうにきいてきた。
?
?
﹁ははは、なんか、人間離れしているよねイッセー君﹂
﹁僕の使える炎系のスキルは、地獄の業火とかだけど⋮﹂
ユリスがヤキモチを焼いてくれているようだ。嬉しいかも♪
﹁ねぇ、イッセー君。私にも何か教えてよ∼﹂
?
138
?
そうなんです、人間ではないんですとは、言えないからなぁ⋮どう
しよう。
両手に華な時にすまないが﹂
ドアがノックされて、寧音先生が入って来た。
﹁ちょっといいかな
育成方法を教えてくれませんか
﹂
見ただけで、相手の能力がわかるのか
?
﹂
幼稚園児がネクロマンサーになれる訳ないだろに﹂
僕はなっているけど
﹁お前は何者だ
挙動に驚いていた。
先生が固まった。意味がわからないのかステラとユリスは、先生の
﹁ねっ、ネクロマンサーだと⋮﹂
﹁あぁ、分かるというか、読めるんです。ネクロマンサーですから﹂
﹁はぁい
﹂
﹁先生の持っている能力とほぼ同じ能力を、姉が持っているんですが、
黒歌より発育が良くないなぁ。この先生は⋮あっ、この能力⋮
?
しょ
﹂
﹁僕に聞かないで、父さんに聞けば
﹂
どうせ、父さんの知り合いなんで
先生は困っているようだ。小さい子相手は、苦手なんだろうな。
﹁いや、そうじゃなくて⋮﹂
﹁そうです。現役の幼稚園児ですから﹂
﹁う∼、お前は頭脳が幼稚園児か
﹁そうなの
?
?
僕の母親
二人いるけど、どっちだ
?
﹂
幼稚園児みたいなことを言うな
﹁だって、僕は幼稚園児だよ
先生は凹んでいる。で、
﹂
﹁寅さんは、﹃抜き足﹄が能力
﹁なんで、わかったんだ
﹂
!
全然ステレスしていないよ﹂
?
ラとユリス。
存在を認識できなくするスキル持ちの﹃闘神﹄の存在に驚く、ステ
?
?
﹁授乳
少しからかってみる。顔を真っ赤にしてしまった先生。
﹁先生、授乳させてくれたら、少し話してもいいけど﹂
?
139
?
?
?
?
?
﹁そうなんだけど⋮ついでに言うと、お前の母親は憧れの戦士だ﹂
?
?
﹂
﹁存在は消せても、空気の流れで、何かが居ることがわかる。あとは、
その魂を読めば、誰かもわかるでしょ
風呂とかトイレとか覗いたのかな
とがないのになぁ﹂
﹁うん
顔を真っ赤にした寅さん。ビンゴか⋮
?
﹂
﹁師匠⋮なんてことをしてくれたんですか
﹁いや、出来心で⋮﹂
﹂
﹁で、君はどうして、私の名前を知っているんだ
顔に書いてあるし﹂
刀華にきかれた。
﹁うん
病室にある鏡で顔をチェックする刀華。
﹁書いていないけど﹂
﹁魂を読めるから﹂
﹂
?
?
﹂
﹁読 め な い ⋮ 一 誠 君 の 心 は 読 め な い ⋮ 初 め て だ ⋮ え
か、一誠君も
もって
?
﹂
?
まさ
んの能力は⋮刀華さんも心が読めるのかぁ。僕の心も読めるかな
﹁そう、魂はウソを吐かない。まぁ、吐いたら、お仕置きする。刀華さ
﹁魂を
﹂
後ろに立っていた、東堂 刀華の顔が真っ赤だった。
るの
﹁風呂は覗いたんだね。そのことは、後ろにいる刀華さんは知ってい
﹁と、とっ、トイレは覗いていないぞ﹂
﹂
﹁すげぇな、ボウズ。見切られたのは初めてだ。弟子にも悟られたこ
?
?
弟子を手玉に取る奴なんて、初めてだ﹂
?
﹂
?
るの
﹁呆けていないはずだ。ベースは幼稚園児で、正体は何者なんだ
﹂
﹁幼稚園児だって、さっきから言っているじゃん。寅さんは呆けてい
﹁で、ボウズは何者なんだ
刀華が寅さんにタッチをした。
﹁師匠⋮﹂
す﹂
﹁刀華さん、正解です。魂も心も読める。だから、ウソを見抜けるんで
?
140
?
?
?
?
?
﹂
悪魔の眷属になった沖田を超えたんだろ
﹁剣の修行をしにきた修験者
﹁は ぁ
が﹂
﹁家族
誠殿一香殿をか
﹁父さんと母さんが強い
彼らも充分強いぞ﹂
何を言っているんだ
充分強いと思う
はぁ、こんな場所で
﹁まだ、弱い。家族を護らないといけない。もっと上を目指したい﹂
?
?
どういう意味だ
﹂
﹂
?
テラは残っていた。
﹁私も添え寝しても良いか
頷く僕。
│││刀華│││
﹂
?
﹁あ
刀華⋮彼には関わるな。人間には知って良い情報の上限がある
病室を出る少し前から、様子がおかしい師匠。
﹁師匠、彼は何者ですか
﹂
顔を紅潮させたユリスが、みんなを病室から追い出したのだが、ス
♪﹂
﹁ねぇ、ユリス、疲れたよ∼寝たいから、みんなを出して、添え寝して
頷く寅さん。
﹁寅さん、看板は下ろしてな﹂
その結果、心と精神がズタボロになった寅さん。
つパッシブスキルなので、いつでも使えるのだ。
満たない時間しか経過していない。ビジョンを見せる能力は、僕の持
ジョンを寅さんの魂に見せて、元の場所に戻った。その間、1秒にも
僕は寅さんと二人で別空間に転移した。そこで、僕の本来の姿のビ
﹁あぁ﹂
﹁お前は神を知っているのか
﹁神ではないのに神と名乗るなって事だ﹂
﹁うん
は鍛錬できないな。寅さん、﹃闘神﹄の看板は下ろした方が良いよ﹂
?
?
?
?
?
に留まってほしい﹂
141
?
?
?
のだ。それを超えるには人間を辞めるしか手がない。お前には人間
?
辞めて、幼稚園児に転生したのだろうか
彼は人間を
だが、兵藤本
?
?
おっしゃっている意味がわからない。人間を辞める
辞めたのか
家の次期当主に、そのような者を選ぶとは思えない。
142
?
トレーニングルーム*
│││一誠│││
﹂
⋮くぅ⋮
目が覚めると⋮目の前に忍、隣にはオーフィス⋮あれ
きたんだっけ
﹁ねぇ、その子達は誰
怒った声のユリスが目の前にいた⋮夢かな
﹂
イッセー君﹂
ステラの声⋮状況が見えない⋮
﹁寝て誤魔化すな
え
﹂
寝ぼけているの
﹁ここはどこ
﹁はぁ
家に帰って
?
僕は半身を起こした⋮いや、起こ
?
﹂﹂
主様、起きたのか
﹂
﹁あぁ、妾達の事か
了解じゃ﹂
オーフィスも連れてね﹂
人間のメスどもが騒いでおるようだが、何
?
﹁あぁ、取り敢えず、忍。戻ってくれる
忍が目覚めた。
かあったのか
﹁うん
二人から驚きの声があがった。
﹁﹁はぁ
一応、寝ながらであるが、説明をした。
ダーブレードの人化姿です﹂
﹁黒髪は無限の龍神オーフィスの人化姿。金髪は怪異の王ハートアン
せなかった。忍が正面から抱きついているんだった。う∼ん⋮
からない。紹介すれば良いのかな
ユリスの声は呆れているみたいだ。いや、でも、う∼ん、状況がわ
?
﹂﹂
﹁身体に宿しているって本当なんだ﹂
二人が驚いている。で、なんで全裸
?
﹁本当だ⋮身体に吸収されるようにして消えた﹂
いるんだよ、あぁ⋮眠い⋮﹂
﹁僕の中で一緒に生きている仲間だよ。たまに、出て来て添え寝して
﹁﹁えっ
忍とオーフィスが僕の身体に吸い込まれて消えた。
?
?
?
143
!
?
?
?
?
?
?
?
?
?
﹁なんで裸なの
﹂
﹁イッセー君とスキンシップしながら寝ると、心地良いのよ﹂
﹁うんうん♪﹂
あぁ、癒やしのオーラが復活してきたようだ。あっ、それで、忍と
オーフィスも⋮あぁ、納得だ。
﹁パッシブスキルで、癒やしのオーラを纏っているんだ。問題は僕自
身が癒やされないことだ﹂
﹂
﹁あぁ、それで、嫌な記憶が消えていくというか﹂
﹁幸せな記憶が呼び出されているのかな
もったいない。
﹁彼女達はどの位強いの
﹂
幼稚園児だから、しょうがないといえば、しょうがないけど、なんか
全裸のかわいい娘が二人、目の前にいるのに、僕の身体は無反応だ。
?
﹁﹁え
﹂﹂
アンダーブレードは怪異では一番かな
﹁種族のトップクラス
﹂
﹂
﹁オーフィスはドラゴンというカテゴリーで2番目か3番目、ハート
?
?
そうなのかな
﹁どうやって
﹂
?
僕は一緒に生きることを当然だと、思ってい
﹂
?
オーフィスは、行きつけだった古道具屋さんの看板娘
﹁どうやって、仲間にしたの
るので、凄いとか思ったことがない﹂
﹁凄い
ステラが目を見開いて言った。
﹁なんか、凄いことをさらっと言っていないか
﹁そうだよ。僕の中には伝説級しかいないから﹂
ユリスが驚いたような声できいてきた。
?
?
﹁ねぇ、幼稚園児で、古道具屋さんに行きつけになるほど、通っている
﹁あっ⋮ごめんなさい。思い出せない⋮﹂
ら。
忍の方は言えない⋮それは人間では有り得ない手段、行為であるか
で、気に入られて。ハートアンダーブレードは⋮﹂
?
144
?
二人の身体が震えている。
?
?
の
﹂
ユリスに突っ込まれた。あぁ⋮なんか、失言したかも⋮
﹁教室に行かないと、遅刻しちゃうよ∼﹂
﹁大丈夫、今日はお休みよ♪﹂
ユリスが楽しそうに言う。どうしよ∼。とりあえず⋮
﹁取り敢えず、服を着ようよ、ユリスさん、ステラさん﹂
││││││
さて、どうしよう。二人共、信用できる人物である。腹黒さもない。
でもなぁ⋮
﹂
﹁イッセー君、先程の話の続きは♪﹂
くぅ⋮
﹁イッセー君。寝るなよ。おい
あっ、難しい議題だと寝るクセが⋮ははは⋮現実逃避だな
!
﹁う∼っとね、幼稚園児⋮っていうのはダメだよね﹂
僕をガン見しながら頷く二人。はぁ、覚悟を決めないとダメかな
どこで話そうかな
﹂
﹁エデンの園⋮ここなら、人間には盗聴、盗撮が出来ないし、何より心
周囲を見回して、ユリスが質問してきた。
﹁ここは
て、慕ってくれていた。
回訪れて、手入れをしたのだ。そのことでミカエルさん達の信頼を得
だけで、元の姿になった。睡眠時間中に神メイビスと僕の魂とで、数
この世界のエデンの園は荒れ果てていなかった。少し手入れをする
僕達は、ミカエルさんの力で、あの場所⋮エデンの園に転移した。
す。これよりシュウ様とご友人2名を転移させます﹂
﹁シュウ様、お迎えにまいりました。あの場所が静かで良いと思いま
が短い僕の念話を、キャッチしてくれたみたいだ。
僕の隣に転移陣が発現して、ミカエルさんが現れた。まだ有効距離
?
?
﹂
﹁何を話せば良いのかな
?
﹂
﹁イッセー君は何者なの
?
?
145
?
﹂
が穏やかになれる﹂
﹁エデンの園
﹂
こんな場所に来られるの
﹂﹂
﹂
﹂
?
﹁貴方の本当の名前は
﹂
のは、無尽蔵な魔力と、本当の家族かな﹂
ら転生ではないんだ。今までの記憶、能力なども残っている。失った
僕は天国、地獄の両方を治める者だから、死という概念がない。だか
﹁敵の罠にはまり、魂だけ誠と一香の子供の受精卵に着地したんだ。
をパクパクさせ⋮驚いているようだ。
あまりにも理解の範疇を超える事実の為か、二人は目を見開き、口
ない事実だ﹂
正体だよ。両親と、悪魔、堕天使、天使のトップクラスと神しか知ら
﹁鬼⋮地獄を治めている鬼の息子だ。鬼と天使のハーフ。それが僕の
﹁後の半分は
﹁半分はね。ハーフ天使だよ﹂
二人が驚きの声をあげた。
﹁﹁天使
僕は天使の翼を展開した。
﹁僕の正体を知りたいのだろ
ステラの声が震えていた。
﹁なんで
﹁そう。あの湖の畔にある木々が、知恵の樹と、命の樹だよ﹂
?
?
﹂
本
?
声がいいな⋮
ガブリエルは、笑顔で語っていた。いや、笑顔で言われても⋮喘ぎ
来は神様です。信仰の対象にはならないほど上の存在ですよ﹂
カエルの直属の部下です。シュウ様は魔導剣士ではないでしょ
﹁私はセラフのガブリエルです。先程、迎えにまいりました、天使長ミ
って、声がした。声の主を見ると、ガブリエルだった。
﹁ダウト
いう意味では、シュウ・ヨハネ・鬼門という魔導剣士です﹂
﹁本当という意味では、兵藤一誠だよ。ウソ偽りもなく。でも、本来と
ユリスの声は絞り出すような声で、所々掠れていた。
?
146
?
?
?
!
﹁神様⋮イッセー君って⋮﹂
ステラが興奮したような口調だ。
体力
﹁地上では幼稚園児ですよ。あくまで、ここ天界と地獄においては、そ
﹂
ういう存在です﹂
﹁幼稚園児
﹁地上では、幼稚園児並の体力ですもの♪よく寝ているでしょ
幼稚園児として扱ってくださいね♪﹂
﹂
扱うって、僕は物じゃないぞ、ガブリエル⋮
﹁あの∼、信仰にならない程上の存在って
ユリスが恐る恐るきいてきた。
創造神とか破壊神
﹂
﹁う∼っと、最高神よりも上の存在って言えば、わかりますか
﹁最高神
?
?
来た。あれ
ジズさんとベヒモスさんもいたの
﹁あぁ、リヴァとセットだから、僕達はね﹂
﹂
!
くまで仲間の証の駒だ。
のバックアップなどができる。レーティングゲーム用ではなくて、あ
した。僕の眷属の証、恩恵で転生ドラゴンになり、能力の向上、記憶
人に、アレを入れないと。僕は不思議な袋から、僕の駒を2つ取り出
この世界の天界は、愛ならセーフなのか。そうだ、秘密を知った二
ふふ﹂
﹁大丈夫ですよ。欲からの行為ではなくて、愛からの行為ですから、ふ
﹁堕天するぞ、ガブ
そんな僕に寄り添うガブリエル。
だした。僕も本来の姿、天使と鬼のハーフの姿になり、のんびりする。
ジズさんが答えてくれた。出て来た者は、エデンの園でのんびりし
?
オーフィス、忍、アポ、リヴァさん、ジズさん、ベヒモスさんが出て
淡々と話したからな。話が一段落着いたと思った瞬間、僕の中から、
ユリスとステラが固まっている。衝撃的な情報を、ガブリエルは
と4位なんです﹂
﹁そうそう、その神よりも上です。神格階位2位ですから。最高神だ
?
﹂
が保たないの、シュウ様は。幼稚園児は寝るのが仕事なんですので、
?
?
?
147
?
僕は立ち上がり、二人のそばに行く。
﹁ステラ、ユリス、僕の秘密を知った以上、人間は辞めてもらう﹂
驚きというより、恐怖の表情を浮かべる二人。そんな二人に、僕の
駒を入れていく。
﹁この駒は僕の仲間の証。裏切れば、魂を消滅させて転生をさせない。
﹂
その代わり、仲間であり続ければ、転生ドラゴンとしての能力向上の
恩恵を与え続ける﹂
﹁私、ドラゴンになったの
﹂
﹁練習場があるでしょ
﹂
﹁そうだ、理事長先生。練習場所がないんですけど﹂
心と魂は⋮ふふふ
って⋮確かに、僕の身体は性的刺激を受けて変化はない。しかし、
﹁まぁ、幼稚園児の兵藤君なら、不純異性行為はないと思うから﹂
的に三人部屋になった。
ステラが僕達の部屋に住み着き、理事長の黒乃の許可が下り、本格
││││││
ユリスとステラが抱きついてきた。僕は二人を優しく抱きしめる。
﹁あぁ﹂
﹁いつまでも一緒
に来て貰うからね﹂
﹁見た目は今までと同じだ。ただ⋮僕がこの世界から旅立つ時、一緒
ユリスが悲しそうな表情になった。
?
﹂
?
し大きい少年が近寄って来た。
生徒会室の場所を聞いて、向かった。生徒会室に入ると、僕より少
﹁う∼、生徒会会長に相談してみて﹂
﹁僕の刀、威力が大きいから⋮﹂
ステラとドラゴンの演習とは言えないよな⋮
﹁何をしようとしているの
普通の実戦くらいなら強度は保つと思うけど⋮
﹁強度が足りないんですけど⋮﹂
?
148
?
﹁噂の兵藤君が、生徒会に何の用かな
黒乃とのヤリトリを聞かせた。
﹁強度のある練習場
﹂
そうね⋮私に勝ったら、使わせても良いわよ﹂
会長室から現れた刀華。
﹁強度のある練習場か⋮あるにはあるが⋮会長、兵藤君が⋮﹂
?
界とかないみたいだし、これじゃダメかな
どれだけの破壊力がるの
﹂
﹁ここじゃダメだ。もっと強度のある練習場はないの
﹁ここじゃダメ
﹁ここは使えない。だから、戦わない﹂
﹂
﹂
あっ⋮そうか⋮良いトレーニングルームがあるじゃん♪部屋に
封印
僕には無意味だ。僕は、その場を離れた。さて、どうするか
﹁いいえ、戦ってもらいます。封印をしたので、ここから出られな⋮え
?
?
?
そして、生徒会の管理している練習場に連れて行ってもらった。結
?
得物を手にした刀華。でも、
?
家のトレーニングルームに転移をした。
﹁ここがイッセー君の家のトレーニングルーム
ステラが周囲を見渡しながら言った。
﹂
リーラが直ぐに転移して迎えに来てくれた。僕達はリーラの力で、
ん﹂
僕はまだ長距離の転移、それも3人は無理だから、頼むよ、リーラさ
﹁⋮という訳で、家のトレーニングルームで練習をしたいんだ。でも、
戻り、ステラに携帯電話を借りて、家に電話した。
な
?
?
﹁ユリスの相手は僕がする。殺しちゃうダメだから、僕は木刀を使う
ステラは怖々、クロウと手合わせを始めた。次はユリスだな。
学んで﹂
﹁ステラさん、邪龍のクロウ・クルワッハだ。まず、ドラゴンの動きを
﹁あぁ、殺さない程度にな﹂
邪龍クロウ・クルワッハを呼び出した。
し。まずは、クロウ、ステラさんの相手になって﹂
﹁そうだよ。ここなら、ドラゴン同士で戦っても問題ない強度がある
?
149
?
よ﹂
ユリスは頷き、距離を取って、構えた。僕の攻撃は、距離は関係な
﹂
いんだどね。飛ぶ斬撃をユリスを掠めるように放つ。
﹁木刀でも斬撃が飛ぶの
ユリスは動揺している。しばらくすると、
﹂
ユリスも攻撃を仕掛けてきた。
﹁咲き誇れ、アマリリス
途轍もない爆発をした。言葉での発動なのか⋮炎で開花した花
﹂
爆炎の中から、服が焼け焦げた無傷な僕が現れると驚くユリス。
﹁効かないの
﹁咲き誇れ ロンギフローラム
﹂
る。飛んで来た槍は、僕を透過していく。
魔法の透過能力⋮剣技じゃないとダメ
?
終わり
はぁ
隣は、ステラは苦戦中だった。炎を放ってもクロウに
に押しかけました。勝負してください﹂
﹁寄宿舎の部屋に行ったら留守で、学校内を探してもいないので、自宅
には刀華がいた。
僕の横に転移してきたリーラさん。一緒に地上階に戻った。玄関
﹁一誠様、お客様がお見えです﹂
れたら負けだよ﹂
﹁ステラ、ドラゴンの特性はタフさだ。ドラゴン同士の戦いは、心が折
はあまり効果がないから。
え
﹁凄い⋮降参です。これ以上は怪我しそう⋮﹂
﹁だから、こういう芸当もできる﹂
僕は手にした木刀に炎を纏わせた。
ようにしている﹂
﹁透過だけじゃない。今練習中なんだけど、透過した際に吸収をする
﹁え
﹂
今度は飛んで来た。炎の槍みたいだな。僕は避けずに、距離を縮め
!
?
普通は飛ばないのかな
?
?
!
﹁着ている服には効いたみたいだけど⋮﹂
?
?
﹁意味ない勝負はしない。今、ユリスと鍛錬しているところだ。帰っ
?
150
?
?
てください﹂
﹁帰りません
﹂
﹂
死ぬつもりはないですよ﹂
?
﹂
﹁足元に落ちた布は何
え
﹂
なんで、パンティーが⋮切り刻まれている。いつの間に
│││刀華│││
刀華は足元に目をやり、固まった⋮
?
﹁僕は、素手で真空刃を撃てるんだよ﹂
﹁ここから、逃げられないよ。どう弄ぼうかな
ふふふ﹂
彼は
戦ってはいけない相手⋮今さら遅いけど、そんな風に思える。
よ。ふふふ﹂
﹁僕は、念動力が使えるんだ。下着だけを外すことなんか、簡単なんだ
い⋮
胸の収まりが急に悪くなった。そう言えば、ブラのヒモの感触がな
?
得物の構える刀華。僕は念動力で、刀華の下着だけを切り刻む。
置きする時に使う、僕専用な鬼畜プレイ専用ルームだ。
僕の微弱な能力を一時的に普通に使えるようにしてあり、仲間をお仕
ここ、20階のお仕置きゾーンは、僕と一緒でないと来られない。
﹁地下20階、地獄の入り口だよ。刀華さん。ふふふ﹂
﹁ここは
エレベータに乗り、地下20階のお仕置きゾーンに向かった。
方に、死亡フラグって立ちやすいんだ。まぁ、いいや、付いてきて﹂
﹁決闘って、死ぬ覚悟を持った方が勝つんだよ。生き残れると思った
﹁はぁい
﹁死ぬ覚悟はしてある
この世界の眼鏡っ娘は頑固だな。ソーナもそうだったし。
!
目の前の相手は、無傷だった。攻撃が透過したみたいだ。彼の後ろ
﹁なるほど、電磁メスみたいな物かぁ﹂
この術を放って負けたことはない。が⋮
こ、この程度で怯んではダメだ。電磁抜刀術﹁雷切﹂を彼に放った。
?
151
?
?
得物を持っていないのに。
?
の壁が衝撃で土煙をあげている。
﹁僕の身体は、あらゆる攻撃を透過するんだよ﹂
無敵じゃないの⋮彼から、真空刃が飛んで
身体が動かない⋮恐怖⋮彼の言った﹁死ぬ覚悟﹂⋮それは必要だっ
た。あらゆる攻撃が透過
﹂
?
かないはずなのに、涙が零れているのがわかる。
身体の制御を奪われているってこと
﹁あぁ、生理現象までは止められないから﹂
止められない
半身だけ宙に浮くような感じがする。
口 に 鬼 の 肉 棒 が 入 っ て 来 た。肉 棒 の 感 触 を 舌 で 味 わ う。え
味
下腹部をいじくり回された。今までに感じたことのない感覚。下
あっ⋮あぅん⋮あぁ⋮いい⋮
い喘ぎ声が漏れていく。
乳房を揉まれて、乳首をタッピングされて、私の口からはいやらし
あっ⋮あっ⋮あっ⋮
を引きはがしていく。鬼の前で全裸を晒している私。
兵藤君の正体って鬼なの⋮鬼が私の傍まで来て、ボロボロになった服
兵藤君が筋肉質な大人の様な身体になった。頭部には2本の角⋮
たら、生かして返す。そうでない場合は⋮ふふふ﹂
﹁刀華さん、正解。これから、刀華さんの身体を弄ぶ。愉しませてくれ
?
勝つことを前提にしていた私には、それらの覚悟はない。身体が動
﹁人間を辞める覚悟はあるのかな
刻まれる感触から逃げられないでいた。
くる。服が切り刻まれているのがわかる。身体が動かない私は、切り
?
痛い⋮痛い⋮一瞬激痛が走り、奥まで入ってきた感触がある。肉棒は
私の腰に鬼の手が掛かり、持ち上げられて、肉棒が私に突き刺さる。
に飢えていたのか。
いるのがわかる。私の身体って、こんなにもいやらしく、そしてエロ
耳元で囁かれた。ただそれだけで、太股を伝う液体の量が、増えて
﹁いやらしい身体だな。準備OKって言っているぞ﹂
張っている。太股の内側に暖かい液体が流れている。
わっている自分に驚く。下顎が外れるのではと思う位に口を開き、頬
?
152
?
私の身体の参道を前後に動く。私は瞼を閉じて、その感触を愉しんで
いる。
﹁好きにしていいよ⋮そして⋮もっとください﹂
色々な刺激のお替わりを、お強請りしている私。もう、戦士として
のプライドなんかはない。ただ、性欲を満たしたいだけのメスになっ
た。
身体中の性感帯が刺激されていく。やみつきだよ。あなたの性の
奴隷で良いです。もっと、かわいがってください。私にあなたの持ち
物としての証をください⋮
│││一誠│││
闇の精神攻撃の前に、ボロボロになった刀華。彼女の願い通りに、
僕の駒を入れた。そして、エレベーターまで運んで、地下10階に向
かった。
抱をしだした。
﹁刀華さん、大丈夫ですか
ユリスは、僕の方を向き
﹂
﹂
?
ス。かわいいなぁ。でも、
紅潮させた顔で頬を膨らませて、怒っていますアピールをするユリ
﹁ず、ずるい⋮私も⋮ねぇ、イッセー君﹂
顔を真っ赤にしたユリス。
﹁刀華さん、鬼とプレイして、今余韻を愉しんでいるんです⋮﹂
な声で言えないので、ユリスの耳元で囁いた。
って、言い放った。いや、彼女は余韻を愉しんでいるだけど⋮大き
﹁ねぇ、回復させてあげるのが先じゃないの
﹂
﹁ユリスさん、刀華さんも人間を辞めたから。僕達の仲間だよ﹂
?
153
エレベーターからズタボロになった刀華をおろして、ユリスの元に
向かった。
刀華さんを倒したの
﹁お待たせ。刀華さんを倒すのに手間取って﹂
﹁え
?
僕はズタボロになった刀華を指差した。ユリスが刀華に近づき、介
?
﹁1日1回しかできない。また、来週だよ。地下20階でないと、変身
できないから。幼稚園児な僕には無理です﹂
プッっとして頬を緩めたユリス。
﹁そうだよね。幼稚園児じゃ無理だよね。うん、約束だよ、来週は私を
愛してください、イッセー君﹂
ステラは、徐々にドラゴンとして目覚めているようだ。転生ドラゴ
ンになったことで、感覚的にも、ドラゴンという物を理解できてきて
﹂
いるのかもしれない。
﹁ふっ⋮ここは
刀華が意識を取り戻したようだ。
﹁地下10階のトレーニングルームだよ﹂
刀華は、ステラがドラゴンと戦っているのを目撃した。そして、理
解したようだ。
﹁それで、練習場の強度を気にしていたのね。ドラゴンを召喚できる
のか、兵藤君は﹂
﹂
人間を辞めないと生きて帰れないっっ
﹁刀華さんには、人間を辞めてもらって、転生ドラゴンになってもらっ
たよ﹂
﹁はぁい
﹂
﹁地下20階で言ったでしょ
て。忘れたの
顔から血の気が失せた刀華。
﹁あれって、夢じゃなかったの⋮﹂
﹁刀華さんって、大胆だよね。自分から求めて来るんだもの﹂
ユリスと刀華の顔が紅くなってきた。
﹁刀華さん⋮大胆なことを⋮﹂
﹁いや、そうじゃなくて⋮あぁ、なんであんなことを⋮﹂
﹃思い出しただけで濡れてきた刀華は、エムだよね﹄
って、刀華にだけ念話を送った。はっとして表情で僕を見る刀華。
﹁何で⋮それを⋮﹂
﹁刀華さんの匂いを覚えたから﹂
﹃たっぷりと匂いを嗅ぎ、舐めて、啜って、覚えましたよ∼♪﹄
154
?
?
?
?
僕の送った念話により、更に顔の赤見が増し、俯いた刀華。この仕
草もかわいいと思う。
そうだけど、ユリスが口にするには違和感がある。
﹁あっ、イッセー君、刀華さんを戦士じゃなくてタダのメスに変えたの
﹂
メス
﹁うん、ユリスさん、正解♪﹂
僕はまだ幼稚園児だよ。年の差カップル
﹁あぁ、私もタダのメスになろうかな⋮あっ、イッセー君、私の旦那様
になってね♪﹂
﹁う∼む、どうしようかな
になるかと﹂
ユリスって中学生
それにしては、発育が⋮
﹁まぁ、6歳くらいなら、いいかなって﹂
え
﹁ステラもユリスと同い年
﹂
﹁そ う だ よ。私 達 中 1 だ よ。日 本 の 学 校 制 度 だ と。う ∼、そ う だ
6歳サバ読みして高校に入学か
高校は同じ学年で過ごしたいもん♪﹂
うん
帰国子女だからいいのか
?
イッセー君が高校生になるまで、日本の高校に行かないようにする。
!
?
?
?
?
いや、ユリス達はこの国の者ではないから、留学生扱いになるのか
?
な
自分の国の為に、自分の幸せを犠牲にしないとダメかなって、思って
いたんだ。でも、イッセー君のおかげで、それから解放されたんだ。
神様の眷属⋮父上も納得してくれたよ﹂
おい、父親に僕の事を話したのかよ∼とはいえ、プリンセスだもの
な、キングに報告は必要かぁ。
僕は結果的であるが、二人の少女をストレスから解放したようだっ
た。ステラの鍛錬が終わり、また来週ってことに。クロウも久しぶり
に、手加減はしてくれていたが、それなりに楽しめたようだ。来週は
アジかな
た。
リーラさんに頼んで、僕達4名を、寮の僕達の部屋に届けてもらっ
?
155
?
?
?
﹁イッセー君の眷属になって、肩の荷が降りたんだ。私もステラも。
?
│││刀華│││
﹁師匠、私、人間を辞めました﹂
﹂
師匠である南郷先生は驚かれていた。
﹁刀華⋮なんで
﹁兵藤君との勝負に負けました。彼の正体も知りました。人間の知っ
﹂
て良い知識の上限を超えた見返りです﹂
﹁彼は何者だったのだ
私の魂はロストしますから﹂
﹁それだけの力のある者なんだな
?
今までありがとうございました﹂
ま し た。完 敗 で し た。今 後 は 彼 と 行 動 を 共 に す る こ と に な り ま す。
﹁私の攻撃が一切、効きませんでした。﹁雷切﹂を使って、初めて負け
私は否定も肯定もせず、
﹂
﹁それは、人間を辞めていない師匠には言えません。ルールを破れば、
?
私は師匠、南郷先生に別れを言った⋮
156
?
寧音先生*
│││一誠│││
夢⋮二人の紅髪の少女に抱き枕にされていた。右を見ても、左を見
ここって宿
てもリアス⋮逃げようと思っても、腕をがっちりとホールドされてい
た。藻掻く僕⋮そして、目覚めた。
リアスがいるはずはない⋮夢かな
胸の大きさが違う
頬をつねろうと思う
目覚めたのだが、右を見ても、左を見ても紅髪⋮うん
舎だよな
?
幼稚園児の僕は、腕が中途半端な位置でホールドされて
て貰えることになった。
僕は刀華と、寧音先生に、ショッピングモールで、ケーキをおごっ
院している。
をくすぐる映画を観に行った。ちなみに、珠雫の兄、一輝は未だに入
見た目は女性、心は乙女の有栖院凪、愛称﹃アリス﹄さんと、乙女心
休日、ユリスとステラは、珠雫と彼女のルームメイトで、身体は男、
││││││
いて、何もできない。もう一度寝るしかないな⋮くぅ⋮
にするんだ
しかし、紅髪系の少女っていうのは、どうして、全裸で僕を抱き枕
薔薇色の髪と赤髪⋮リアスが二人でなくて安心した。
二人⋮あっ、意識が目覚めてきた。ステラとユリスだ。よく見れば、
が、両手をがっちりとホールドされていた。うん
?
﹂
﹂
﹁ケーキでなくて、寧音先生のおっぱいで良かったんだけど⋮﹂
﹂
﹁母乳は出ないぞ
﹁試して良い
﹂
ダメにきまっているだろ
!
どこなら良いの
﹁ここでか
﹁え
?
?
?
﹁兵藤君に力尽くで襲われても、助けられませんよ∼♪﹂
﹁はぁ⋮兵藤⋮お前⋮いつか⋮倒すからな﹂
ケーキを賭けて、僕と先生は手合わせをして、僕が勝ったのだ。ハ
157
?
?
?
?
先生は刀華に助けを求める視線を送るが、
?
ンデなしで⋮
﹂
ユリちゃんの攻撃は効いたよ。アレの方がチートでしょ
﹁攻撃が効かないって⋮チートするぎだろ
﹁うん
くないと言っていたぞ。どうやって勝ったのだ
ガキみたいに﹂
﹂
ケーキセットを頼んで待っていると、銃声が響き渡った。
寧音先生は凹んだ。からかいがいのある先生だ。
﹁はぁ⋮﹂
﹁僕、まだ幼稚園児だもん♪﹂
﹁そこに固執するな
﹁寧音先生のおっぱいを飲めたら、教えてあげる♪﹂
?
﹁おい、このガキを殺されたくなかったら、柱の処に集まれ
﹂
﹂
﹁あの攻撃に勝つとは⋮ユリちゃんは二度と兵藤とは、手合わせした
堕とされたというのは、先生的にも恥ずかしいらしい。
ユリちゃんには、敗因は口外しないでと頼まれている。幼稚園児に
ストさせたのだ。
の苦痛をなくして、快楽の道へと誘って、絶頂状態にして、意識をロ
て、襲ってきた。でも、手合わせ自体は勝った。癒やしの能力で先生
痛だったので、僕の身体を透過せずに、幼稚園児の僕には激痛となっ
周囲の人間に無差別に与えるスキルを持っていた。攻撃でなくて苦
ユリちゃん、僕達のクラスの担任の折木有里先生だ。自身の苦痛を
?
?
ホールにいる者を拘束している⋮え
ステラ、ユリス達がいる⋮
セ ン タ ー ホ ー ル に 銃 を 持 っ た ヤ ツ ラ が 数 名、子 供 を 人 質 に し て、
!
?
に出て貰えますか♪﹂
?
私とステラは前に出された。
﹁裸になって、奉仕でもしてもらおうかな
﹂
﹁ほぉ∼、プリンセスが二人いるじゃん。ユリスさん、ステラさん、前
集められて、後ろ手に拘束されていく。
いきなりの銃声⋮子供達が人質に取られている。私達は柱の処に
│││ユリス│││
寧音先生と刀華は、
﹃抜き足﹄で、出撃していった。じゃぁ、僕も⋮
?
158
?
え
強引に服を切られて、服をはぎ取られている私達。いや∼⋮助
けて⋮イッセー君⋮
どさっ
このガキ
﹂
?
﹂
!
安心仕切った瞬間、銃声がして、イッセー君の身
?
つにするイッセー君。
?
出さすなら、斬る
﹂
!
かな
﹂
寧音先生が言った。
?
﹁何で、ここにいるの
﹂
﹁助けに来たに決まっているだろ
﹂
イッセー君が、南郷先生に詰め寄る。
﹁で、寅さんは何していたの
﹂
﹁あっ、ウチの生徒だ。2年の桐原静矢だ。能力はステルス化だった
所から悲鳴が上がり、気配を感じた。
イッセー君から飛ぶ斬撃が飛び出し、気配をまるで感じなかった場
アリスさんが現れた。
1
刀華さんと寧音先生が現れた。
2
南郷先生が現れた。
3
現せ
間だが、後の三人は正体不明だ。スリーカウントの猶予をやる。姿を
﹁なるほど、ここには気配を消せる能力者が5人いるのか
二人は仲
体を弾が透過していった。目の前に抜けた弾を居合い斬りで真っ二
達。刀華さんかな
銃口が一斉にイッセー君に向くと、次々に倒されていく、不届き者
﹁痛い目に遭いたくなかったら、銃を置いて、投降しろよ﹂
妖刀村雨を腰に構えて、私の前に立ったイッセー君。
﹁なんだ
﹁おい、僕の仲間を傷つけるなよ
乱暴にされていた者の腕が目の前に落ちて来た。
!
?
﹁寧音を倒したそうじゃないか﹂
?
?
159
?
!
?
﹁寧音先生との手合わせも見ていたんだね。ふふふ﹂
﹁一誠君⋮いや、覗いた訳ではないぞ⋮﹂
僕、幼稚園児だから﹂
﹁まぁ、いいや。今日の夕食で手を打つよ、寅さん。で、警察に突き出
すのに、証人は寅さんがやってよね
﹁ユリス、ステラ、大丈夫だった
﹂
南郷先生との会話が終わり、私達の方を向いたイッセー君。
?
﹂
テロリストの考えることはわからん。あの生徒は、ドサクサ
﹁寅さん、あいつらの目的は
ちが良いってきいたら、迷わずカードで決済をしていた。
るだけで、行動しなかった罰だ。代金払うのと、僕との手合わせ、どっ
ユリスとステラの替えの服代は、寅さんに出してもらった。見てい
│││一誠│││
私とステラは、イッセー君に縋りついた。
?
﹂
興味ないよ。今、一番興味あるのは寧音先生のオッパイだも
﹁それより、イッセー君。なんで、気配を消した僕を認識できたんだい
僕の視線を感じ、寧音先生は着崩した着物を、ちゃんと着始めた。
﹁幼稚園児特権を使わないとねぇ⋮﹂
﹁まぁ、幼稚園児だしな。まだ、先は長いだろうな﹂
寧音先生は顔を真っ赤にして、他の人達は苦笑いしていた。
ん♪﹂
﹁当主
﹁そうだろうな、兵藤本家の次期当主ともなると﹂
﹁ふ∼ん、人間ごときに消されることはないと思うけど﹂
に紛れて、ジャマな一誠君を消そうとしたみたいだ﹂
﹁うん
?
誰だい
﹂
﹁影に潜ることができる仲間がいるから﹂
﹁仲間
?
﹁そ、そうじゃな。うんうん﹂
良い事ってあるんだよ。世の中にはね。そうでしょ
寅さん﹂
﹁アリスさんは知らない方が良い。そういう存在だよ。知らない方が
?
?
160
?
?
アリスがきいてきた。
?
寅さんに死を感じさせるオーラを放って、脅しておいた。変な汗を
垂らし始めた寅さん。
│││寧音│││
厄介なのは、
的確でロングレンジで撃てる飛ぶ斬撃。フリーレンジ
とんでもないガキ⋮兵藤一誠。幼稚園児とは思えない、能力スペッ
ク。何者だ
での攻撃だなんて、この学校では初めてじゃないのか
あらゆる攻撃を透過する身体。
あっ⋮うぅん⋮
身体に異変が起きた。
はぅ⋮あぁ⋮おぃ⋮なんで⋮
息が苦しい。いや、胸になんとも言えない刺激を感じている。太股
を伝う生暖かい液体⋮
いやっ⋮そこはダメ⋮あぁ⋮
お尻をコンニャクのような物で、撫でられている感覚がある。
やっ⋮やめて⋮そこ⋮
下半身が痙攣している。助けを求めないと⋮這いつくばって、ドア
に向かうが、足首を掴まれて、部屋の奥の方まで引き摺られていく。
あぁっ⋮
後ろの穴に太いモノが差し込まれた。何とも言えない痛気持ち良
い⋮モノは前後して、腸で子宮の外側から刺激をしている。
ダメっ⋮
胸を揉まれて、吸われている⋮ふと、視線を向けると⋮兵藤
自慰なんでしていない⋮
﹁寧音ちゃんの自慰って激しいんだね♪﹂
え
?
ストできます♪﹂
こ、こいつ⋮幻覚使いか
遣いが⋮
意識が戻ると、手足の自
幼稚園児にしては、舌遣いが上手い。指
いつの間に意識が飛んでいたのだろうか
由が奪われていた。目の前には鬼が居て、私の身体を弄んでいた。私
?
?
161
?
?
﹁自慰してくれたから、胸がパンパンに張っていて、乳を飲めるかのテ
?
の口からはいやらしい言葉と喘ぎ声が交互に飛び出す。夢なら醒め
てほしい⋮でも、現実なら、もっと気持ち良さが欲しい。
│││一誠│││
寧 音 ち ゃ ん の 願 望 を 叶 え て あ げ た。自 分 よ り 強 い 男 に 抱 か れ た
いって。かといって寅さんには抱かれたくないみたいだし。
﹂
次の日の放課後、廊下で寧音ちゃんに会った。
﹁おい、兵藤。ちょっと待て
﹂
お前に聞きたいことがある﹂
﹁寧音先生、オッパイの時間ですか
﹁だから、そんな時間なんかない
違うな、動画だったかん
﹂
﹂
寧 音 先 生 の カ ワ イ ら し い 仕 草 だ っ た か ら、1 枚 ⋮ い や 連 写
だったかな
﹁ふふふ﹂
﹁ちょっと、部屋に来い
﹂
﹁ど、動画⋮なんてモノを記録しておるのじゃ
?
﹁う ん
﹁ちゃっと待て⋮いや、待ってください⋮お前ぇ∼、いつの間に⋮﹂
とした。
僕は寧音ちゃんに、1枚の写真をプレゼントして、その場を去ろう
!
デメリット、簡単に持ち去られること⋮
﹂
寧音ちゃんの部屋。ドアにはカギをかけてある。
お前の仕業か
﹁昨晩のアレ
?
できるか∼﹂
﹁説明がないとわからない﹂
?
?
な刺激に反応しないし﹂
ははは﹂
﹁幼稚園児が、なんでそんな知識があるんだ
﹁なんでだろうね
?
﹂
﹁幼稚園児には無理かと⋮あそこは皮被っているし⋮そもそも、性的
﹁私をおかしたのは、お前か
﹂
説明してよ♪﹂
﹁なんのこと
?
﹁説明
?
162
?
!
僕は寧音ちゃんに抱えられて、連れて行かれた。幼稚園児の体格の
!
?
?
?
?
ばさっ
なんで
﹂
?
﹂
﹁先生、露出狂なのか
あぁ、僕が幼稚園児だから油断しているのかな
唯一装着していた、パンティすらも床に落ちた。
ぱさっ
﹁えっ
寧音ちゃんの着崩していた着物が、脱げて床に落ちた。
!
!
?
♪﹂
﹂
種も仕掛けもない壁に貼り付く気分は
寧音ちゃんは吹き飛び、壁に貼り付いた。
﹁どう
﹁ね、念動力かぁ
?
﹁ねぇ、先生。この液体は何
﹂
念動力で、クリちゃんを弄ぶと、喘ぎ声を上げて悶える寧音ちゃん。
あっ⋮うん⋮うん⋮はっはっはっ⋮あぁ⋮
﹂
﹁隠 し て い な い よ。披 露 す る 機 会 が な か っ た だ け だ よ。寧 音 ち ゃ ん
﹁お前⋮まだ能力を隠していたのか⋮﹂
言いし得ぬ恐怖に顔が歪み始めた寧音ちゃん。
?
﹁寧音ちゃん、正解だ。ご褒美を上げる♪﹂
?
?
この学校⋮剣術の鍛錬向きではない。戦った感じだと、一輝が一番
││││││
レイの愛好者が増えた。
顔を赤らめた先生から、リクエストが出た。また一人、僕の鬼畜プ
﹁また、プレイしてください⋮﹂
僕を、先生がソープで洗い流してくれた。
プレイ後、先生と一緒にお風呂に入った。先生の体液塗れになった
﹁えっ、は、入らないで⋮お願い⋮だから⋮あぁ⋮いい⋮﹂
部を舐めたり、吸ったり刺激を与えていく。
僕は、人間には出来ないプレイを始める。頭を膣に入れて、膣の内
﹁止めて⋮舐めないで⋮吸わないで⋮﹂
?
163
?
剣客向きだし。伐刀者って魔導戦士のことみたいだし。なんか、しっ
くりこない留学であった。まぁ、ステラとユリスと出会えたし、刀華
も良いし、仲間集めには最適かな
﹁君が兵藤一誠君かい
﹁そうですけど﹂
﹁綾辻一刀流ですか
﹂
﹂
少女は無言で、構えている。
﹁名乗らないって、失礼ですよね
﹂
少女は名乗らずに、得物を構えた。
﹁手合わせをお願いできるか
﹂
一人黙々と素振りをしていると、一人の少女が近寄って来た。
?
﹁なんで、それを
﹂
動揺している少女。
﹂
﹁ラ ス ト サ ム ラ イ の 構 え で す よ ね
だったから﹂
﹁あなたの師匠は
﹁沖田総司先生です﹂
﹂
?
あなたは何者
﹂
﹁こ の 世 界 で は そ う で す ね。こ こ で な い 冥 界 と い う 世 界 に お ら れ ま
﹁とうの昔に死んだはずでは
そ れ っ て。僕 の 師 匠 も 侍 く ず れ
少女の構えから、思い当たる一つの流派の名前をあげた。
?
?
?
?
?
有り得ない。普通の幼稚園児が、冥界にいる魔界の者と接触す
﹂
﹁冥界と魔界は違いますよ﹂
﹁あなたも魔界の者なのね
﹁正体を知られたからには、タダでは帰せませんよ♪﹂
﹁化け物⋮﹂
て、驚く少女。
斬りかかってきた少女。刃先は僕の身体を捉えてが、身体を透過し
?
164
?
?
?
す﹂
﹁冥界
﹁は
﹁幼稚園児です﹂
?
るなんて﹂
?
彼女の服を透過して、彼女の素肌に密着する僕。
﹁いや∼、離れて﹂
と、自問自答している僕。僕の
普段アレコレするには問題のある体力なのに、エロプレイだと、ア
レコレできるのはエロ神だからかな
置いておくと、風邪引くかな
少女を医務室に強制転移した。最近、
ただ、それだけの刺激で、達してしまった少女。このまま、ここに
で乳房を刺激して、乳首を吸う僕。
口は彼女のブラを透過して、乳首に到達していた。乳首を舐めて、指
?
﹂
﹁あなたは、綾辻 絢瀬さんじゃない﹂
?
正気に戻りなさい﹂
!
手にして、仲間を護る。
﹁おい、ステラとユリスに何をするんだ
﹂
ステラとユリスに斬り掛かってきた彼女。僕は、セル=ベレスタを
﹁あなた達は、魔物に洗脳されているのよ
ステラとユリスも、彼女に対して得物を構えた。
い﹂
﹁ちょっと待ってよ。イッセー君を魔物呼ばわりするなんて、許せな
﹁なんで、生徒会会長である、あなたが魔物を庇うの
﹂
いきなり斬りかかってきた彼女から、刀華が防いでくれた。
﹁魔物、私が倒す﹂
少女が戻ってきた。
気が付くと、ユリスとステラも素振りをしていた。そこへ、先程の
脚筋などを鍛えられる。
動作なので、呼吸法も合わせて練習ができ、スタミナ、腕の力、背筋、
素振りは年齢を問わない良い鍛錬である。一定のリズムでできる
﹁いいよ﹂
﹁一緒にいい
素振りを続けていると、刀華が来た。
いなら、敷地内であれば、強制転移はできるようになっていた。
エロプレイした後だと、魔力の上限が少し上がる。なので、一人くら
?
そんなナマクラな剣技で退治できない。仲間に手をかけた代
?
165
?
﹁魔物に味方する者を退治するの﹂
﹁あん
?
償を償わせる。手合わせをしてあげる﹂
この妖刀の刃先に触れれば、魂はロストするぞ﹂
僕は、得物を妖刀村正に替えた。
﹁死ぬ気だよな
兵藤君。殺さないで﹂
!
﹂
﹂
?
﹂
?
ユリス、正解。
﹁イッセー君。いつの間にそんな技を
ステラがきいてきた。
﹁なんとなく試したら出来たんだ♪﹂
﹁﹁さすが、エロ神⋮﹂﹂
彼は神なのか
おい、それは内緒だってばぁ⋮
﹁神
?
﹂
﹁イッセー君の変態プレイのせいだ⋮﹂
刀華が冷静に彼女に理由を問い質した。
が魔物だと思ったの
﹁こんな弱い者を、殺しても意味はないから。そもそもなんで、兵藤君
﹁なんで
刀華が止めに入った。
﹁ちょっと、待って
﹁死ねない⋮魔物ごときに負ける私ではない﹂
妖刀村正を構える僕。
?
為、苦笑いしている二人であった。
﹁部屋にもどろう⋮﹂
﹂
僕は部屋に戻る準備をし始めたが、彼女、綾辻さんに引き留められ
報酬は私の身体でどう
?
た。
﹁ねぇ、神ならば、助けて
って、言われても⋮幼稚園児にその供物は無駄。
!
お願い
﹂
﹁うちの道場を、私の父さんを倒して、道場を奪った奴がいるの。ソイ
ツを倒して
!
ステラ、簡単に言うなよ。
﹁困っている人は救ってあげなさいよ﹂
って、言われても⋮
!
166
?
ほら⋮ステラとユリスに睨みを入れる。幼稚園児の睨みであった
?
﹁ラストサムライを倒した者に興味無いの
い。でも、蛇なら負けない。
﹂
﹁ラストサムライを倒したのはお前か
﹁だとしたら
﹂
﹂
﹂
お前みたいなガキが何をほざいているんだ
﹂
で、て蛇腹剣の如く自由自在にレンジを可変させることができるらし
︵ソードイーター︶﹂だそうだ。固有霊装は鉈型の﹁大蛇丸﹂という刀
こ の ス テ ー ジ の ボ ス、倉 敷 蔵 人 が 言 っ た。二 つ 名 は﹁剣 士 殺 し
﹁外がうるさいが、お前がやったのか
に、倒れて悲鳴を上げる烏合の衆。道場へと向かう。
真空刃で、不良達のアキレス腱を斬り裂いていく。立っていられず
﹁ガキの来る場所じゃない。そこの女達は、俺達へ奉仕をしろよ﹂
門を潜ると、不良らしき者が数名、近寄って来た。
いる。
良のたまり場となっていた。タバコやらガムなどがポイ捨てされて
元綾辻道場に行くと、荒れ果てていた。看板はなく、敷地内には不
││││││
⋮
ユリスが僕の琴線に触れるような事を言う。興味無い訳ないだろ
?
﹁それは、オトク感満載だな。ガキが、俺の敵じゃない﹂
﹁10秒、お前にやる。10秒経ったら、お前は終わりだ﹂
ふざけたことを。お前なんざぁ、一撃だよ﹂
僕は彼に宣告をした。
﹁10秒
﹁サマエル頼む﹂
さっそく、刀が蛇のような動きで、僕を襲ってきた。
﹁10秒後に発動させる﹂
の簡易版﹃ウルティマウエポン﹄の魔法陣を発現させた。
彼は、得物を手にして、動いた。僕は彼の頭上にホーミングタイプ
?
167
?
?
﹁この道場をかけて、勝負してほしい﹂
﹁はぁ
?
?
﹁僕が負けたら、彼女達を好きにしていいが、どうする﹂
?
あと5秒
サマエルのナックルを装備し、蛇を叩く。蛇は、一瞬戸惑ってから、
﹂
苦しみだした。
﹁何をした
﹁蛇、竜系統に効く毒を与えた。解毒薬はない。どうする
だ﹂
苦しみ悶える刀を制御しようと躍起になる倉敷。そして、発動する
魔法陣、魔法が到達する瞬間に避けようとするが、頭頂部を追尾する
綾辻﹂
魔法⋮そして、直撃、全身から煙が立ち上る倉敷。その場に倒れた。
﹁これでいいか
﹁ヨーロッパ
オラリオ絡み
﹂
?
﹂
?
るよな⋮
そんな⋮え⋮まさか⋮なぁ﹂
﹁父さん、この世界にもハルケギニア大陸ってあるのかな
﹁あるけど⋮おい⋮まさか⋮あぁ、地中海の上だな⋮﹂
?
﹁どうする
一誠﹂
いだけだったのに⋮大陸の底に穴が開いたら、降ってくるよ⋮﹂
﹁うん、やっかいだよ。地下迷宮なのに⋮地上の蓋だけを閉じれば良
顔色が悪くなる父さん。
﹂
僕はあることに気づいた。地中海の真上⋮たぶんこの世界にもあ
﹁見付からない
﹁そうだ。情報を集めたが、見付からないんだよ﹂
?
父さんの口から出たのはそれだった。
﹁夏休みにヨーロッパに行かないか
僕は、父さんを僕の部屋に通した。
﹁一誠、話がある﹂
部屋に戻ると、部屋の前に父さんがいた。
僕達は、綾辻を残して、部屋へと戻った。
が連れて行った。
急車が到着して、運び出される倉敷。そして、外にいた不良達は警察
刀華は、携帯電話で救急車を呼んでいた。病院送りは決定だし。救
僕は、唖然としていた彼女に声をかけた。
?
?
168
?
?
?
﹁まずは、ハルケギニア大陸に、オラリオがあるかの確認が先だよ﹂
﹁そうだな。底に仕掛けあったらマズイなぁ﹂
﹁ロキだからなぁ⋮仕掛けている可能性はある⋮困ったなぁ⋮あっ、
父さん、待って﹂
﹂
僕は供用部と繋がっているドアを開けると、聞き耳を立てていた、
ユリスとステラと刀華が雪崩れ込んできた。
﹁ユリスとステラの国って、ヨーロッパだよね
﹁そうだけど⋮﹂
オラリオに関する文献が残っていないかをさぁ﹂
﹁それがあれば、夏休みにイッセー君、一緒に帰ってくれるの
?
﹂
﹁そういうスキル持ちってことで⋮﹂
﹁プリンセスを二人も⋮一誠⋮お前なぁ⋮﹂
皇女のステラだよ﹂
﹁リーゼルタニアの第一王女のユリスと、ヴァーミリオン皇国の第二
﹁一誠、あの二人は誰だい
僕の言葉を聞くと二人は、それぞれ祖国に連絡を取りに行った。
﹁そうだね。調べたいことがあるから、一緒に行くよ﹂
﹂
﹁二人とも、国に問い合わせてほしい。ハルケギニア大陸と迷宮都市
?
僕達の親子の会話を、暖かく見守ってくれている刀華。
169
?
VS複合企業財体
│││一誠│││
﹂
もうすぐ夏休みな7月の第一週目の土曜日、僕は父さんと或る場所
に向かっていた。
﹁一誠、こんな場所に里なんかあるのか
な森の中に里村が有るとは信じていない父さん。
﹁有るよ﹂
僕は目の前の風景で、違和感を持った箇所を見つけた。ここかな
お前らは何者だ
父さんが驚いていた。
﹁おい
﹂
﹁本当かよ。あのうっそうとした森に、いきなりこの風景かぁ∼﹂
が慣れてくると、目の前には田園風景が広がっていた。
父さんの手を握って、その場所を先に進むと、一瞬、光に包まれて、目
?
ここは京都にある山の奥深く、うっそうとした森の中である。こん
?
﹁シュウ・ヨハネ
ちょっと、待ってくれ⋮﹂
僕は、近くにいた村人に声をかけた。
い﹂
﹁鬼門童夢に会いたい。シュウ・ヨハネが会いに来たと伝えてくださ
侵入者である僕達は、得物を手にした村人達に囲まれた。
?
﹁楽な姿勢で良いです。お座りください﹂
した。頷く、童夢さん。そして、奥の間に通された。
僕の世界においての、僕の実の父親、童夢父さんに挨拶とお願いを
童夢さん﹂
﹁初めまして、鬼門童夢さん⋮⋮僕の事はシュウと呼んでください。
ことは違う別世界での息子であるということも。
主に挨拶された。僕の事は、地獄経由で聞いているそうだった。こ
﹁お目にかかれて光栄です。シュウ・ヨハネ・鬼門さん﹂
大きな屋敷の門をくぐり、屋敷の主が出迎えてくれた。
て来て、僕達を案内してくれた。
一番強そうな者が、屋敷の方へ走っていく。しばらくすると、戻っ
?
170
!
僕と誠父さんは座った。
﹁で、御用件はなんでしょうか
僕はお願いをした。
﹂
兵藤誠殿ではダメなのか
?
﹂
?
あるけど⋮う∼む⋮
﹂
﹁僕なんかがいっても相手してくれるかな
﹁鬼門家の証をお持ちですよね
﹁いや、器︵身体︶が違うから⋮無いかな
﹂
?
?
﹁え
えっ⋮シュウ⋮まさか⋮遣い人⋮様
﹂
?
器違いだから、絶対神の紋章はないはずだけど⋮﹂
﹁うん
童夢父さんが、僕の額に鬼門家の証を刻んでくれた。
﹁では、証をお持ちください﹂
﹂
あっ⋮九鬼家かぁ⋮この世界にもあるのか⋮他の世界では因縁が
はデカくなったようです﹂
末裔に当たります。この村を出た9匹の鬼が創業した会社ですが、今
﹁あぁ、いることはいます。九鬼帝という者なんですが、この村の者の
どこか頼れる企業、団体はありませんか
﹁そうなんだけど⋮他に頼れる兵藤家、式森家も同じ状況なんです。
思いますが﹂
﹁う∼ん、鬼門家は表立ったことはしていないから⋮知っているとは
です。そのようなことは表立ってできませんから﹂
﹁はい。経済的な支援をしたいんですが、僕はこの世界では幼稚園児
﹁やりたいことがあるんですね﹂
か社会的圧力とかが欲しいのです﹂
﹁経済的な後ろ盾がほしいんです。誠父さんの力とは違う、経済力と
﹁うん
﹂
﹁僕の後ろ盾になってくれる者を紹介してください﹂
?
?
家を訪ねてみては
この国の神社仏閣、神事を取り仕切っている家で
という組織はあるのだろうか
?
闇雲家⋮ヤマトが世話になっている家だな⋮この世界でもAMP
す。そこなら、コネがあるかもしれません﹂
?
171
?
?
﹁魂に刻まれている証は、器が変わっても消えませんよ。そうだ、闇雲
?
﹁訪ねてみます。色々ありがとうございます﹂
僕は礼を言って、頭を下げた。
﹁固いことは無しにしましょう。世界は違っても鬼門の者なんですか
ら、また困ったことがあれば、連絡をください。地上では、烏間とい
九十九屋のかな
う者がパイプになりますから﹂
烏間
﹂
使の翼を持った鬼に変身できた♪
?
身したんだから、当然かな
﹁はぁ
鬼の後ろ盾に
﹂
﹂
﹁僕の後ろ盾になってください﹂
黒髪であどけなさが、残る巫女姿の少女⋮闇雲那魅の第一印象だ。
﹁で、鬼門家の者が何の用
当主が会ってくれるそうで、奥の間に通された。
るのは、式神っぽいなぁ。スルーしておこう。
神社である。門をくぐり、社務所で用件を伝えた。社務所で働いてい
次に訪れた場所⋮闇雲神社。闇雲家の現当主が、神事を行っている
││││││
そして、僕と誠父さんは、次の場所を目指して、転移をして行った。
?
んは、少しビビっているようだ。まぁ、幼稚園児がいきなり、鬼に変
童夢父さんは納得した顔付きで何度も頷いている。一方の誠父さ
でも地獄でも自由自在な訳だ。ははは﹂
﹁なかなか立派な身体だ。天使の翼もあるのかぁ⋮なるほどね、天国
誠父さんが驚いている。童夢父さんは、ほくそ笑んでいた。
﹁それが、シュウの本来の姿なのか
﹂
本来の⋮僕は言われた通り念を籠めて、力を解放した。すると、天
もしれませんが﹂
に念を籠めれば、本来の姿になれるはすです。時間的な制約はあるか
﹁先程の証に名前を念じれば、届きます。あと、今更ですが、鬼門の証
﹁どうすれば、呼べるんですか
?
?
僕は本来の姿に変身した。僕の姿に驚く那魅さん。
?
172
?
?
?
そういう感想⋮そんな意外な感想をされるとは⋮
﹁天使の翼を持った鬼⋮綺麗⋮﹂
え
﹁なるほど⋮高位波動を感じます﹂
目の前で、印を切り舞い踊る那魅さん。
この人もネクロマンサーなのかな
﹁あなたの魂を見ました。美しいですね♪﹂
え
を貸して頂けませんか
兵藤家と式森家の力は心強いですから﹂
﹂
﹁そういうことですか。悪神の罠にはまり⋮もし良ければ、私達に力
ここに至る経緯を説明した。
﹁闇雲家の紋章を刻みました。でも、すでにあるのは何故ですか
?
﹁で、どこを支援したいの
﹂
とれていた。幼稚園児でなければ、襲い掛かっていたかもしれない⋮
クさんの家を訪れた。レビアさんはスタイル抜群で、母さんですら見
翌日、母さんとマーベリック財団の現トップ、レビア・マーベリッ
││││││
済的な支援ができる。
その後、那魅さん経由で、九鬼財閥も後ろ盾にできた。これで、経
だ。
L・マーベリックの発明による特許で得る収入を財源にしている財団
おぉ、心強いかも。マーベリック財団とは、発明王のステファン・
マーベリック財団も協力してくれると思いますよ﹂
﹁では、将来の戦力になって貰おうかな♪そうだ、後ろ盾の件ですが、
﹁うん、そうなんだよ。すぐに眠くなるのが弱点なんだ﹂
間的な制約が有りそうですね﹂
﹁あぁ、幼稚園児でスタミナ不足なのね。本来の姿も維持するには時
父さんが承諾した。
⋮﹂
﹁世の中の為になるなら、協力をします。でも、一誠はまだ幼稚園児で
この世界でもAMP︵対怪異用特殊警察︶はあるみたいだ。
?
那魅さんが用件を伝えてくれたおかげで、いきなり本題に入った。
?
173
?
?
?
﹁養護施設﹁若葉の家﹂と、リーゼルタニアの﹁孤児院﹂です。まぁ、
リーゼルタニアは国自体も。貧富の差が激しいらしいから﹂
﹁若葉の家﹂は刀華の育った施設。資金難らしい。リーゼルタニアは
ユリスの祖国。ここも資金難だそうだ。複合企業財体に巣くわれて、
﹂
﹂
経済を破綻させられたらしい。今は傀儡政権となり、企業体からの寄
付で賄っているそうだ。
﹁リーゼルタニアにどう打って出る
﹁ふふふ、プログラムの改竄なんていうのは
ムというモノが入れられているようだった。
﹂
﹁なるほど⋮ハッキングかぁ。それは私がやろう。あとは
﹂
﹁あとは、あの集団を潰すっていうのは
﹁どう潰すんだ
?
今、株取引に長けている仲間に、あの集団の株を
うちの財団だけでは、無理だな﹂
買い足してもらっているんだ﹂
﹁株価操作とかかな
?
﹂
財体。その集団において、理念を共通にするために精神調整プログラ
リーゼルタニアを調べた結果、複数の企業の集まりである複合企業
?
?
僕 の 財 だ け で 大 丈 夫。こ の 星 に 流 通 す る お 金 の 3 倍 く ら い
﹁資金は莫大だぞ
﹁う ん
?
﹁﹁はぁい
﹂﹂
﹂
?
んじゃない
﹂
﹁最強の幼稚園児だな⋮マーベリック財団の後ろ盾なんか、いらない
﹁色々な世界を渡り歩いたから、貴金属類は豊富に持っているんだ♪﹂
﹁どんだけ、持っているんだ
て貰って、ユリスを虐める奴に仕返しを仕掛けているところだ。
士のリーラさんに頼んで、この星の2倍だった僕の財を3倍に増やし
母さんとレビアさんが驚いた。そうだろう、そうだろう。財テク戦
?
え
結婚する気あるのかな
ヤマトに聞いた話だと、どの世界でも
﹁一誠、お前が大人なら、プロポーズしたかもなぁ、ははは﹂
ら、お金持ちのイメージがあるし♪﹂
﹁僕は表に出られない。だから、必要なんです。マーベリック財団な
?
?
174
?
?
持っているから﹂
?
?
﹂
独身を謳歌しているようだけど⋮
﹁いつ、決行するんだ
なるかな
﹂
﹁売り抜くのか
﹂
﹁売れるだけ一気に行きます﹂
﹁知り合いのディーラーにも、声を掛けても良いな
だ
こいつら、授業は良いのか
若い女性のフェロモンは良い香りだ
で、なんで、ユリスとステラと刀華が、全裸で添い寝をしているの
睡をしたようだ。ハードスケジュールだったもんなぁ⋮
目が覚めたら水曜の昼だった。日曜の夜に帰って来て、その後に爆
││││││
﹁了解だ﹂
約を入れておいてください﹂
﹁決行の前日に連絡します。決行日には取引開始直後に開始です。予
いかないからな﹂
大損させる訳に、
日に決行します。世界同時ストップ安に直面したら、あの集団はどう
﹁資金援助は早急にお願いします。集団潰しはリーゼルタニアに行く
?
?
全裸の3名の手足を拘束して、視覚、聴覚の
そうだ⋮証に念を籠めて、本来の姿に変身をした。どのくらいで変
身が解除されるのかな
出る体液を飲み干していく。そして、挿入。
1時間くらい経つが変身状態は解けない。うん
?
かといって、激しく責めると、彼女達の身
あと、この身体だと、刺激が鈍い⋮鬼ならではの
耐性の高さの顕れなのか
間制約は無いのか
エロ行為だと、時
真っ暗闇で音がしない世界にいる彼女達。囚われの姫達を弄び、湧き
情報を奪う。そして、刺激を与えていく。もがき、喘ぎ始める獲物達。
?
と、念じるが、イチゴミルクは出てこなかった。そこまでの能力は
﹃イチゴミルク﹄
わる咥えて、乳を吸おうとするが出ない⋮
体が危ない⋮幼稚園児姿に戻った僕。そして、三人の乳首を代わる代
?
?
175
?
?
?
⋮しかし、幼稚園児の僕の身体は、何も変化しない。凹む⋮
?
イッセー君
何をしたのよ∼﹂
まだ覚醒していないみたいだ。
﹁うん
﹂
!
てもらったのだ。
﹁下層に行く程広くなる、ピラミッド形状だろ
は無理だな﹂
?
隠す場所
今までに積み重ねてきた、記憶と知識に検索をかけ
ていく僕。う∼、どこだろう
では、どこに
あの大陸に埋めるに
の階層、それを地下に埋め込むだけの大陸の厚みがあるかを、見て来
父さんには、ハルケギニア大陸を調査して貰ってきた。60階以上
﹁見て来たが、一誠が言っていたほどの厚みはなかったぞ﹂
ゴン相手に鍛錬をしていた。僕は父さんの部屋にいる。
翌週末、家に戻った。刀華達3名は、トレーニングルームで、ドラ
││││││
た⋮
た。その反動でさらに二日の爆睡を要して、その週は連続欠席になっ
話合いをした結果、本来の姿で一人2ラウンドで手を打ってもらっ
拘束を解いた。三人に取り囲まれた。どうしよ∼
刀華⋮幼稚園児にそれは無理だよ∼
﹁兵藤君⋮責任を取ってね⋮﹂
ユリスの声は怒っている。
﹁イッセー君、拘束を解きなさいよ
﹁いや⋮能力の開発⋮と⋮言うか⋮﹂
エフェクトは無くなったようだ。
ステラの声がした。あっ⋮変身を解いた為、視覚&聴覚ブロックの
?
﹂
﹂
?
﹁うん、父さん、そこに顔が利く
?
﹁企業体って、複合企業財体か
﹂
うらしくて、読めない文献があったって﹂
たようだよ。ステラの国は、歴史があるみたいだけど、言語が今と違
﹁ユリスの国は、企業体の傀儡になっちゃったから、企業体に没収され
﹁彼女達の国に古い文献はあったのかい
?
?
?
?
176
?
僕は不思議な
﹁いや、あまり接点はない。俺は、神格筋の依頼が殆どだからな﹂
どうしよう⋮あっ⋮あれは手元にあるのだろうか
﹁その書物はなんだい
﹂
じて、袋から手を出すと、1冊の本を持っていた。
袋に手を突っ込み、捜し物を念じた⋮手にそれが転移してきたのを感
?
﹁知恵の精霊
父さん、エデンの園に行こう
﹂
エデンの園にある、知恵の実のなる樹に、宿っていると
言われている
﹂
﹁私です♪﹂
﹁誰がそんなことを
﹂
﹁僕が行きたいって念じると、ここに強制転移してくれるんだ♪﹂
周囲を見回している父さん。
﹁はぁい
﹁着いたよ、父さん﹂
父さんが言い終わる頃には、エデンの園に転移していた。
﹁おい、簡単に言うな。俺の能力では、そこには転移できない﹂
!
﹂
﹁うん♪そうだ
クしているんだよ﹂
﹁僕の中の人の愛読書⋮﹃世界不思議大辞典﹄です。知恵の精霊とリン
?
﹂
?
え⋮湖の中かぁ⋮
から追い出さないと、迷宮の蓋を開けかねない﹄
眠っている。それを掘り出しているのだ。やつらをリーゼルタニア
魔 石 だ。冒 険 者 達 が 迷 宮 か ら 持 ち 帰 っ た 魔 石。そ れ が 浅 い 地 層 に
﹃リーゼルタニアにある湖の中⋮複合企業財体の利権を生む資材は、
﹃迷宮都市オラリオの場所を教えてください﹄
た。
んがいた。僕は、湖の湖畔に生えている知恵の樹に手を当てて、念じ
乙女になっているガブリエル。遠くに苦笑いしているミカエルさ
に恋しています♪﹂
﹁セラフのガブリエルです。一誠君のファン⋮と、言うより、シュウ様
﹁どっ、どなたですか
ニコニコしているガブリエルが現れた。
?
177
?
?
!
?
﹃ロキ以外に今の時代に残っている悪神は
﹄
おぃおぃ⋮あのじじぃ⋮平坦胸好きなのか
﹄
﹃オーディンは女性なら誰でもOKのようだ﹄
あのエロ神め∼
﹃脅威はロキ、オーディンだけ
?
﹃ロキの息子⋮二代目悪神ロキ⋮父親はオーディン⋮﹄
?
﹄
そうとしている﹄
﹃どこにいる
﹃別の世界に逃亡中だ。捕捉不能⋮困ったことだ﹄
最悪の結末に突き進むのか
僕は、父さん達のいる場所に戻った。
﹃それを阻止するために、お前が召喚された。頼むぞ、シュウ
それが、僕がここにいる理由
一誠﹂
﹄
﹃息子のロキとリリンは悪仲間だ。注意しろ。神々のたそがれを起こ
?
?
?
が召喚されたのか
﹂
﹁神々のたそがれだと⋮ソレを阻止するために、シュウとマリアさん
僕は父さんに、知恵の精霊から得た情報を伝えた。
﹁どうしたんだ
!
?
まずは、リーゼルタニアを死守しよう﹂
?
うなのか
﹂
も呼び出す。俺の人脈を遣って、死守する。一誠の方の作戦はいけそ
﹁当たり前だ。幼稚園児だけにさせられない。事態によっては数馬君
﹁父さん、協力をして﹂
﹁でも、賽は振られたんだろ
﹁オーディンがとんでもないよ。アイツが手を出さなければ⋮﹂
り去った。
ガブリエルは、僕の話した内容を、ミカエルさんに伝えるべく、走
﹁ロキとリリンかぁ⋮とんでもないタッグチームだな﹂
キの悪さを阻止するために派遣されたようです﹂
﹁のようです。悪神ロキの罠で飛ばされたと思っていたけど、悪神ロ
?
れば、資金は1.5倍位に増えるよ♪﹂
178
?
﹁売買の規制に抵触しなければ、売り抜けられるはず。売り抜けられ
?
││││││
移動できる仲間は、リーゼルタニア周辺に、散ってもらった。伊豆
湖には情報収集を頼んでいる。万が一の事態に備えて、シルキーにも
向かってもらった。数が必要な場合は、天界、冥界、地獄から援軍が
来てくれることになっている。
ステラとユリスには一緒には行けないことを告げた。理由は、僕が
幼稚園児で、親同伴でないと飛行機に乗れないから⋮僕と父さんで転
移して先に行く事を告げた。まずは、リーゼルタニア。その後に、ス
テラの国で文献購読するという予定だ。
夏休みまでもうすぐという頃、刀華に呼び止められた。
﹁兵藤君、ありがとう⋮﹂
最初、なんの事かわからなかったけど、
﹁若葉の家﹂の支援の事のよ
うだ。影からの援助のはずが、マーベリック財団の方が口を滑らし
て、あしながおじさんならぬ、単なる幼稚園児の名前を出したそう
何を
⋮まさか⋮ダメだよ、イッセー君。共同企業体にケン
除しておくから﹂
﹁掃除
カなんか売ったら﹂
?
179
だった。
﹁これで、当面、運営ができるって⋮﹂
﹁支援は継続させるから、刀華は財政なんかで頭を悩ませなくて良い
からね﹂
﹁私の身体を供物に⋮﹂
﹁僕は幼稚園児なので、貰っても困ります。それに、仲間なんだから助
﹂
けるのは当たり前。見返りなんか期待していない。だから、気にしな
いで良いから﹂
﹁じゃ、兵藤君が大きくなった、お付きの者になろうかな
﹁心強いです。お願いします﹂
?
話が一段落着いたところで、今度はユリスが声をかけてきた。
こっちでも口を滑らしたのか
﹁うちの国にも財政を支援してくれて、ありがとう⋮﹂
あぁ
?
﹁ユリスの国の件はまだ終わっていない。ユリスより先に行って、掃
?
?
﹁ケンカ
ロマンティック風に言うとね﹂
﹂
僕達の勢力のジャマなんだよ。アイツらは﹂
﹁イッセー君の勢力って
﹁この星を愛する者達かな
﹁幼稚園児に似つかわしくないよ﹂
刀華につっこまれた。まぁ、たしかに。中の人はロマンチストとい
うより、エロ大好きなだけだし。
│││││││
そして、夏休み⋮ユリスとステラは帰国する準備を終えて、空港へ
と向かった。刀華は、財団の人と今後の運営方針を決めるとかで、施
設に帰った。僕は父さんに迎えに来て貰い、リーゼルタニアに向けて
二人で転移をしていく。
リーゼルタニアは、二つの顔を持っていた。昔からの国民が住む王
宮があるエリアは、昔ながらの建物ばかりで、寂れている感じがする。
﹂
しかし、湖の向こう側は、共同企業体の近代的な都市が広がっている。
﹁父さん。間違っているよね
戦えるのだろうか
た。明日の朝から戦争だよ。僕は戦闘時にはどのくらい本来の姿で
僕は転移する前に、明日決行だとレビアさんとリーラさんに告げ
﹁あぁ、企業が国を乗っ取るって良くないなぁ﹂
?
ディーラーが参加したんだ
しかし、その情報は湖の向こうに見える大都市には伝わっていない
?
て い る。取 引 開 始 5 分 で ス ト ッ プ 安 だ そ う だ。ど ん だ け 多 く の
複合企業財体を構成する、6つの企業の株式の価値が、下落し続け
戦況が父さんに続々と届く。
を開始したそうで、湖の向こう側は、停電したようだ。
まったと知らせが、父さんに届いた。レビアさんも、ハッキング攻撃
その日はリーゼルタニアの宿に泊まった。翌朝、ディール攻撃が始
ないかな
と、忍。魂に宿る仲間達は、戦う気が満々のようだ。僕の出る幕は
﹃心配しないで良い。主様は見ていれば良いのじゃ﹄
?
180
?
?
?
?
そうだ。停電したせいで、通信インフラも不通になり、情報がまるで
入らない状態になったらしい。レビアさんの話では、あの都市を制御
するセンターコンピュータをハックして、あれこれ弄り倒して、埋め
込んだプログラムを総て実行した後に、初期化したそうだ。
各国の市場が開くと、同じようにストップ安に次々と陥り、取引が
できない状態になっていく。6つの企業が、関わる総ての企業の株価
に影響を及ぼしていく。値を戻そうと、それぞれの企業が買い増しを
するが、売りの量が膨大なために、なかなか値が戻らない。
色々な名義で20%ほど持っているので、相手の資金調達不能待ち
だ。金融機関にも手を打っていた。マーベリック財団、九鬼財閥、鬼
門家、兵藤家、式森家、闇雲家と、使える手札を総て使って、金融機
関に圧力をかけていた。
富を管理していた複合企業財体のセンターコンピュータ。データ
を根こそぎ奪い、初期化したため、どこにどれだけの富が、あるのか
の把握ができないようだ。
新 た に 情 報 が、届 い た。金 庫 が 開 か な い ら し い。セ ン タ ー コ ン
ピュータで管理していたらしく、どうやっても開かないらしい。盗難
防止目的で頑強につくったせいで、外からどうやっても開かないそう
だ。エマージェンシーキーなる物があるらしいが、これもセンターコ
ンピュータで一元管理していたようで、詰む一歩手前らしい。
﹁高性能なコンピュータシステムを過信しすぎている﹂って、レビアさ
んの感想も届いた、バックアップは必要だよ。まぁ、バックアップを
利用されての、セキュリティ突破が怖かったのかもな。複合企業体だ
から、全社が集まるココだけで管理をしていたのかもしれない。あれ
これと予想をする僕。
そして、ユリスが帰国して来るまでに、勝負はついた。資金調達が
出来なくなった複合企業財体を、マーベリック財団で買収した。資金
は僕の貯金から出した。複合企業財体の役員達は目先の大金に目が
眩んだのだった。
今回の戦いのMVPは、レビアさんの精神調整プログラムの改竄だ
な。あれで、役員達は大金に目が眩んだんだから⋮
181
ディールに参加協力してくれた投資グループも含め、手に入った富
を、仲間全員で山分けした。リーゼルタニアという不動産以外はね。
これで、気兼ねなく湖の調査ができる。
182
異宇宙に続く門* その1
│││ガノッサ│││
俺はガノッサ・マクシミリアン。異世界への扉を開くという偉業
を、為し得た偉大なる大魔導師だ。俺の偉業に嫉妬してジャマをし
た、俺の師であるギゲルフ・リキュール。命と引き換えに扉を閉めや
がった。
異世界は、俺達のいる宇宙とは違う、異なる秩序が支配する宇宙に
ある邪界という世界だった。妖魔という種族が住み、他の星々の種族
を蹂躙して、征服しているようだった。
﹂
そこで俺はその世界の王、ルシフェルに、
﹁扉の向こうの世界も手に入れないか
と、持ちかけた。ルシフェル自体は、あまり乗る気ではなかったが、
多くの妖魔が俺の申し出に賛同してくれた。それなのに⋮ギゲルフ
のせいで、侵攻する前に扉は閉ざされてしまった。
門の前で悔しがっていた俺に、声をかけてきた人物達がいた。悔し
がっている理由をきかれたので、答えた。ここ、次元の狭間にいるっ
てことは、こいつらも真面ではないから。
﹁その門を開くの協力してやる﹂
理由を聞き、そう申し出てきた。
﹁見返りはないぞ﹂
﹁俺達は〟神々のたそがれ〟が観たいだけだ。異世界の門かぁ。そそ
るなぁ。恐怖に震える声が響く世界なんって。ふふふ﹂
声を掛けてきた人物は、神の王と名乗るロキと、初代魔王の息子の
リゼヴィム・ルシファーだそうだ。
﹁人間の王、神の王、悪魔の王の三本の矢だねん♪これは強さだな、ふ
ふふ﹂
三本の矢かぁ⋮随分と人間臭いことを言うな、この魔王の息子は。
俺と同じ色の者達のようで、すぐに意気投合した。
〟神々のたそがれ〟というのは、ラグナロクのことで、世界の終末
を意味する。そう、この世界は、妖魔によって蹂躙し、そして、俺達
183
?
の手で妖魔を蹂躙し、異世界を手にしようと計画をした。
ロキとリゼヴィムは、この世界に存在する最終兵器を、隠し持って
いるそうだ。それを使えば、妖魔なんか全滅させるのは容易いらし
い。
俺達の課題、あの門を再び開けるために、カギを探すことだ。大体
の当たりはついている。あとは、ソイツをどうコチラ側に誘い込むか
だな。
│││一香│││
誠さんの留守中に、我が家にサーゼクスと、人間ではない女性が来
た。私に、話し合いの立ち会い人になってほしいという、サーゼクス。
不倫のもつれ話か
興 味 あ る な ぁ、他 人 の 不 幸 な 話 は。は は は。彼 女 は 見 た
私 の 部 屋 に 通 し た。他 の 者 に 聞 か れ た く な い み た い だ っ た の で。
別れ話か
目、私より上かな
AMPという
﹁一香殿、彼女はAMPという組織のトップで、ラリー・シャイアンで
す﹂
﹂
紹介をされた。なんだ、仕事絡みか、残念だ。うん
と⋮
﹁対怪異用特殊警察
?
﹁妖魔
そんな種族きいたことないけど⋮﹂
﹁妖魔と人間のハーフです﹂
最初に感じたことを質問してみた。
﹁人間ではないみたいだけど⋮﹂
﹁そうです。人外犯罪に対処するために、設立されています﹂
?
﹂
﹁違う宇宙
こと
ハーフって事は、この宇宙に妖魔は移り住んでいるって
ば、どうにかなるのかな
﹁サーゼクス、シュウは今いないんだけど﹂
?
なんか、私の知識の範疇を超えた話になりそうだ。シュウが居れ
?
184
?
?
?
﹁妖魔は⋮この世界、いやこの宇宙とは違う宇宙にいる種族です﹂
?
?
﹂
﹁わかっています。リーゼルタニアに展開していますよね。セラフォ
そこに何かあるのか
ルーとファルビウムが参戦しています﹂
﹁リーゼルタニア
?
﹂
?
サーゼクス﹂
?
良いかな
﹂
﹁その者も妖魔なのか
妖魔という者が今一わからないので、断言はできま
神なのか
神族なのか
﹂
?
ても⋮
﹁エロ神
?
あぁ、言っちゃったよ∼。知らないよ、グレイフィアに仕返しされ
せんが、エロ神様です﹂
﹁う∼、どうかな
﹂
この世界の者ではないです。別の世界から迷い込んだ者と言えば
﹁一香殿⋮甘えるような声は反則ですよ⋮う∼、どう言えば良いかな
と、甘えたような声で、サーゼクスにまかせた。
﹁何者⋮う∼、どう言えば良いかな
あっ⋮名前を出すなって言われていたんだ。ヤバっ⋮
﹁シュウとは何者だ
﹁何かというか⋮シュウの探し物があるらしいんだけど⋮﹂
ラリーさんがきいてきた。
?
?
きた。
幼稚園児だからねっ
﹁サーゼクスさんに呼ばれたんだけど、何かな
高いよ♪﹂
エロ神が現れた。
﹁母さん、僕はエロ神じゃないよ
えないでください﹂
そこを間違
!
?
後でお仕置きね♪﹂
?
あぁ、心が読まれるんだ⋮
﹁あっ、母さん、禁句を口にしたね
!
作戦中の呼び出しは、
って、私の隣に、ファルビウムの転移陣が現れて、一誠が転移して
﹁あぁ⋮それは無理かな⋮魂だけの存在だから⋮﹂
に会いたいんだが﹂
﹁そうか⋮その者であれば、対抗できるかもな。そのシュウという者
﹁神です。神格階位2位の本物です﹂
?
185
?
?
?
﹂
そうだ、記憶も読まれるんだ⋮凹む私。
﹂
﹁で、ラリーさんは、何用かな
﹁君がシュウか
?
﹁ヨハネ⋮まさか⋮﹂
ラリーさんの顔が強張っていく。
﹂﹂
﹁そう⋮なるほど⋮ルシファーホークか
﹁﹁ルシファーホーク
?
﹂
?
﹂
﹁あぁ、そうだよ。ネメシスが、侵攻を指揮しているんじゃないよな
﹁なぁ。もしかして、ネメシスと知り合いのヨハネか
﹁そう⋮たぶん、彼女はハーフだね。波動を読み取れるから﹂
私とサーゼクスが同時に声をあげた。
?
﹂
﹁不正解だ。僕は兵藤一誠。僕の中の人がシュウ・ヨハネ・鬼門だ﹂
?
ルシファーホークって何
﹂
﹁彼女は阻止した側だ。ヨハネの居る世界を護りたいそうだ﹂
﹁えぇ、一誠、ネメシスって何
?
物だ。でも、今の僕には無理だ。会話とかエロ行為の時には、この姿
﹁それは無くさないとダメだな。絶対神の間以外にあったら、ダメな
を、無くしてくれと言われているんです﹂
﹁あなたの事は、聞いております。それで、この宇宙と邪界を繋ぐ門
して知り合った﹂
﹁で、各宇宙の絶対神達が集まる会議で、お互いお供で付いていき、そ
さすが、親子だな。
美しくも神々しい翼⋮あっ、私の神滅具の禁手状態の翼のようだ。
﹁これが、僕の本来の姿だ。ラリー、母さん、サーゼクスさん﹂
一誠が変身した。天使の翼を持つ鬼の姿になった。
一誠の姿で言っても説得力ないか﹂
その宇宙、邪界と呼ばれる宇宙の女神だよ。僕とは知り合い⋮あぁ、
﹁ルシファーホークは、こことは違う宇宙の悪魔のこと。ネメシスは、
わからない単語を息子に聞く私。
?
戦闘では無理でエロ行為なら大丈夫って
?
でいられるけど、まだ戦闘の時には時間的な制約があるから、無理だ﹂
何だ
?
186
?
﹁すまん、一香⋮基本エロ神なんで⋮﹂
あぁ、禁句を口にしたことを、根に持っている。あの身体で、お仕
置き⋮されたいような⋮あはっ♪
﹁一香、妄想は後にしてくれ⋮﹂
﹂
心での独り言も筒抜け⋮しまった⋮
﹁どのくらいで、戦えるようになる
﹂
﹂
?
﹂
﹂
?
れるって⋮﹂
﹁戦えるようになったらな﹂
﹂
﹁そうか⋮レビアと那魅が言っていた子供って⋮AMPに協力してく
ても、うっとりとするボディの人ねぇ♪
驚いたような顔をしたラリーさん。レビアさんって、同性の私が見
けようと思っている。レビアさんに聞いていない
んだ。何があったかを調べるために、リーゼルタニア周辺で調査を続
れていると信じたい。でも、僕の知っている場所と地形が大幅に違う
﹁知っている神が抑えてくれていたから、封印を施して、今も護ってく
﹁そんな物が
﹁確証はないけど、たぶん⋮この世界のラスボスだ﹂
﹁そうそう、リーゼルタニアには何があるんだ
﹁カギを使えなくするか⋮それも、まだできないなぁ﹂
﹁締まっている。しかし、カギを使えば開いてしまう﹂
﹁門の状態は
﹁15年かぁ⋮長いなぁ。そこまで、保てば良いが﹂
限が低すぎるから﹂
﹁あと、15年くらい⋮器が大人にならないと、プールできる魔力の上
?
ふふふ⋮あっ、そうだ、二代目悪神ロキと、リゼ
﹁いや、知識と知恵は、使えるんだろ
﹁使用料は高いぞ
?
たいなんだ﹂
﹂
?
﹁邪界にいるのか
﹁可能性はある。門は邪界への門だけなんだろ
﹂
第、トレースをしてほしい。今、別の宇宙に行って、捕捉できないみ
ヴィム・ルシファーが、ラスボス絡みでの敵になる者達だ。見つけ次
!
?
187
?
?
﹁今のところ、把握できているのはな﹂
﹁じゃ、僕は、リーゼルタニアに戻るよ⋮サーゼクスさん、この魔法陣
に魔力を注いで﹂
長距離な転移なためか、シュウはサーゼクスの魔力で転移をして
いった。
│││ラリー│││
署に戻り、署長室の自分の席で、あれこれ考える。
門を発現させ、門を開いたのは、ガノッサ・マクシミリアン。
その門を閉じて鍵を掛けたのは、ガノッサの師である大魔導士ギゲ
ルフ・リキュール。
そうなると、鍵は⋮ギゲルフの子供かぁ⋮
シュウの追っているラスボス絡みの人物、二代目悪神ロキとリゼ
背中
動きたくない。この刺激から離れたくない、って思えてきている私。
188
ヴィム・ルシファー。たぶん、それらの者達とガノッサは通じている
﹂
いく私。意識が⋮
﹃見た目は年増だけど、身体は乙女みたいだね♪﹄
下腹部を責められている。何だろう、この感覚は⋮鼻先かな
?
いやっ⋮口からヨダレが垂れている。でも、身体が動かない、いや
でクリ●リスを刺激しつつ、割れ目を舐められているようだ。
ソレ
あぁん⋮私の口から喘ぎ声が漏れていく。息づかいも荒くなって
﹃殺そうと思えば。いつでもやれるよ♪﹄
者の姿は見えない。気配すら感じない。
うぅ⋮乳首を手の平で転がされているようだ⋮襲い掛かっている
?
のだろうな。
狙いは何だ
﹁何者だ
越しに胸を掴まれた。
何者の気配を感じない室内。私に念話が届いた。どこから
﹃たぶん、﹁神々のたそがれ﹂の高みの見物だろうな﹄
?
あっ⋮久しく感じていなかった刺激が、脳髄に届く。
?
あ ぅ ⋮ 有 り 得 な い ⋮ で も 感 じ る。産 道 の 内 部 を 舐 め ら れ て い る。
舌はどんどん先に舐め進んでいる。その先には子宮が⋮
ついに、子宮を舐め回れているような感覚に陥る。鏡に映る私の顔
死んだら、この感覚は得
は、恍惚な表情である。自分のヨダレで、シャツの色が変色している
⋮
意識が飛ぶ寸前に言葉を聞いた。
﹄
﹃生きている証拠だ。この感覚を忘れるな
られなくなるからな
!
﹁イッセー君
﹂
﹁一誠、疲れたんだろう。2日ほど爆睡をしたぞ﹂
﹁父さん⋮﹂
意識が戻ると、僕の顔を心配そうに見る、父さんとユリスがいた。
れ込んだのかな
あれこれして、父さんの元に戻ると、眠気が⋮たぶん、父さんに倒
│││一誠│││
私を弄んだ者は、私に死ぬなと、言っているようだ⋮
!
│││シュウ│││
一誠の睡眠中に、別空間で女神ネメシスと会った。
﹁シュウ⋮ごめんなさい。私には抑え付ける力が無いの﹂
開口一番、彼女が謝ってきた。彼女は、二人の場合は僕の事を﹁シュ
ウ﹂と呼び、公の席では﹁ヨハネ﹂と呼んでいた。
﹂
﹁わかっている。君はそういう力がないことを﹂
﹁どうすれば良い
﹁ううん、あなたのその気持ちだけで、充分だよ。わかった。出来るだ
﹁ごめん。僕に、ネメシスの願いを叶える力が無くて⋮﹂
﹁シュウ⋮あなたと同じ宇宙に産まれたかった⋮﹂
すから﹂
﹁僕が戦えるようになるまで、時間を稼いでほしい。門は、僕が必ず消
?
189
?
僕に抱きつくユリス。心配かけちゃったなぁ⋮くぅ⋮
!
け時間を稼いでみる﹂
﹁ありがとう⋮いつか、僕が君の世界に行けるようになるから、待って
いてくれ﹂
﹁待っているよ、シュウ⋮﹂
│││一誠│││
朝立ち
意識が戻ると、ユリスが⋮全裸のユリスが添え寝をしていた。ユリ
スのしなやかな腕の皮膚が、僕の首の皮膚を刺激する。あれ
なんでだ
あぁ、僕の身体かぁ。変化って
?
僕の中の人の知識
?
起きた
﹂
?
﹂
!
妖怪と妖
?
だものな。
ドレスを着ていくユリス。あぁ、そうだよな。ここではプリンセス
﹁ランチを食べよう
目覚めの口づけを頂いた。
﹁おはよう、イッセー君﹂
﹁おはよう、ユリス⋮﹂
ユリスの声で、現実の世界に引き戻された。
﹁イッセー君
魔の関係が知りたいなぁ⋮
ら訪問者がいたって事になるなぁ。妖術もそうなのかな
先人達が術式プログラムしたようだ。ということは、古くから邪界か
あった書物⋮そういうこと⋮禁断の魔術は、邪界の魔術を応用して、
以前見た書物の頁が脳裏に浮かぶ。これって、禁断の魔術ギルドに
低い⋮らしい。あはっ♪
を検索する⋮あちらの世界の人は性行為ができるようになる年齢が
いるよな。この世界とは違う成長って、何だろう
あぁ、ラリーさんはハーフだもんな。多少、あっちの波動も持って
世界とは違う成長をし始めたのかもしぬ﹄
﹃この宇宙とは違うルールの、他の宇宙の波動を受けたのじゃ。この
忍から念話が届いた。器
それで、器に変化が起きたようじゃ﹄
まだ幼稚園児なのに⋮股間に手をやると、確かに勃起していた。う
ん
?
﹃主様、妖魔といたしたじゃろ
?
!
190
?
?
?
?
﹁ねぇ、父さんは
﹂
﹁湖の調査に行っているよ。善くない物が封印されているか、調査す
るんだって﹂
僕が爆睡中に、父さんは調べていてくれたのか。
僕を着せ替え人形のように、服を着せてくれているユリス。
﹁イッセー君の寝ている間に、採寸して作ったおいたんだ♪﹂
大きな
サイズがぴったりのモーニング⋮幼稚園児には不釣り合いだと思
います。そして、ユリスにエスコートされて、食堂なのかな
テーブルのある広間に連れていかれた。
﹁お兄様、イッセー君をお連れしました﹂
ユリスの兄のようだ。見た目は20代かな
?
﹁で、ユリスを射止めたのは、君かな
中の人かな
﹁お兄様
﹂
真っ赤な顔のユリスが、窘めて
﹂
くれた。
﹁中の人でも挨拶をした方は良いですか
﹁出来れば、お会いしたい﹂
﹁天使と鬼のハーフ、シュウ・ヨハネ・鬼門です﹂
優しい視線を放つユリスの兄。
﹂
﹁幼稚園児の兵藤一誠です。よろしくお願いします﹂
国王なんだ⋮この若さで⋮
ス・ハインリヒ・フォン・リースフェルトです﹂
る。僕は、この国の国王でユリスの兄、ヨルベルト・マリー・ヨハネ
﹁この度はリーゼルタニアを統合企業財体から救ってくれて、感謝す
?
しゃがんで、僕の耳元でイタズラっぽく囁いた。
?
子になってほしいなぁ﹂
﹁君が適齢期になるまで、待つよ。でも、ユリスが浮気したら、僕の養
﹁頼まれても⋮まだ、幼稚園児ですよ﹂
僕は幼稚園児に戻った。
のことを頼みますよ﹂
﹁ふ∼ん、鬼かぁ⋮ユリスが選んだんだ、間違いはないだろう。ユリス
?
191
?
僕は変身をした。天使の翼を持った鬼に。
?
?
!
﹁もう、お兄様⋮何をおっしゃっているんですか
﹂
真っ赤な顔のユリスが喰ってかかっている。
﹁必要な物はあるかな
﹂
なんで、あれが湖の底にあるの
ユリスをスルーして、僕に話しかけてくれた。
﹁この辺りの古地図とかありますか
か、不思議なんですよ﹂
?
﹂
ンチをした。質素ではあるが、美味しかった。パンケーキ最高だ
﹁小っちゃい父ちゃんも良いなぁ∼﹂
すりすりっと、頬を擦り合わせる娘。
!
﹁金庫は開いたの
﹂
書物や、金目の物、価値のある物を探していた。
ファルビウムさんと、アザゼル率いる堕天使チームで、没収された
で、廃墟ということはないが、まぁ大きさの割には人口は少ないかな。
向こう岸の都市部に着いた。僕達の勢力の者で、調査をしているの
こ、こっ、こいつ⋮娘の玩具にされるとは⋮
﹁あはっ♪あと、15年はスリスリできる♪﹂
﹁お前、元に戻ったらお仕置きだからな
﹂
飛べない僕は、シルキーを呼び出して、運んでもらった。
食後、普段着に着替えて、湖の向こう側に、探索に出掛けた。まだ、
!
それを探すことにしよう。ユリスと兄のヨルベルトとの三人でラ
﹁たぶん⋮﹂
﹁湖のあっち側のどこかにあるかな
﹁古地図かぁ⋮企業体に没収されたからな⋮﹂
?
?
と か だ な。財 団 の チ ー ム に 引 き 渡 し て、山 分 け 対 象 に す る よ う だ。
あぁっと、必要な企業の株は財団で保持するそうだ﹂
財団とは、レビアさんのマーベリック財団のことである。
なんだ、この波動は
﹁古地図が欲しいんだけど⋮﹂
あん
?
192
?
﹁あぁ、開いたけど、あまりコレと言った物はなかった。株券とか紙幣
アザゼルにきいた。
?
﹁ファルビーさん、アザゼル、何か来る﹂
?
僕が叫んで、警告を発した。念話でセラフォルー、シルキー、父さ
キメラか
どこから出て来たんだ
﹂
んにも知らせた。空には、この世界にはいなそうな物が飛んで来た。
﹁あ
?
﹃リヴァさん﹄
弄している。
﹁イッセー、なんだ
あれって、ドラゴンか
﹂
?
∼﹂
?
僕は変身をし
?
反重力光線だっけ
悩んでいる間に、光線はすべて、
?
セ ル が 出 現 し た。へ
カプセル怪獣
う ∼、ウ ィ ン ダ ム が 欲 し い
?
全部のカプセルには﹁ネメシスより愛を込めて♪﹂と刻印され
た者姉妹なのか
すりすりっと、僕に頬をすり寄せるセラフォルー⋮シルキーとは似
﹁わぁ∼い、イッセー君だ♪﹂
られた。
れて、落下していく僕。地上に激突する前にセラフォルーに抱き抱え
ていた。おい⋮そんな、一瞬の気の緩みのせいか、突然変身状態が切
ろう
なぁ、って、念じたら、カプセルが4つ増えた。何が入っているんだ
?
を刻み込んだ。すると、キングギドラは消えて、僕の手のひらにカプ
キングギドラの目の前に到達して、ドラゴンスレイヤーで、僕の印
身体を透過していった。
力光線だっけ
ドラに向かっていく。三つの頭部の口から、光線が放たれてくる。引
て、ドラゴンスレイヤーを手にして、天使の翼を展開して、キングギ
確か八岐大蛇の亜種だったから、アレが効くかな
﹁そうでしょ。他に、他の宇宙から連れて来られないでしょ﹂
﹁さっそく、アイツらの仕業か
﹂
﹁たぶん⋮宇宙超怪獣で、この宇宙のではないから、確実じゃないよ
?
ギドラだと思う。キングギドラは三本の首を巧みに操り、堕天使を翻
水していった。空を見上げると、あれってキメラでないって、キング
リヴァさんの龍門が発現して、リヴァイアサンを召還して、湖に入
﹃誠だな、了解
﹄
アザゼル率いる堕天使チームが迎撃に向かった。
?
!
?
?
193
?
?
襲撃
│││シュウ│││
一誠の睡眠中に、上司から念話が届いた。
僕でも無理なのに、誰だ
﹃また、暴走気味の者がいてな⋮そっちに送ろうとしら、自力でそっち
自力でここに
?
にいたぞ⋮﹄
はぁ
?
理性が無さそうなのって⋮誰だ
が管理せよ﹄
誰
誰
うん
?
には、燃費が悪いというか。
誰かが、この世界に
触は⋮
﹁シュウ、おはよう♪﹂
?
﹂
で添え寝をしていた。
﹁ハニー⋮なんで
愚問でしょ
そうだけど⋮
﹂
﹂
ユリス以外の感触がある。この感
﹂
﹁なんでとか言わないでよね、主が留守だったら心配するでしょ
⋮⋮なんで
﹁キャッスルドラン﹂
﹁で、あと一人は
それはそうだよな⋮
いるのよ。悶々としてきたら会いに来ると思いませんか
﹁なんで
?
?
﹁どうやって、ここに
?
?
?
?
?
﹂
私はシュウとしか交われない印を、刻まれて
声がした方を見ると、レビアさん並のプロポーションの女性が全裸
?
けど、完全には統合していなかった。中の人がこの身体で長時間動く
中の人から記憶を受け継いだ。人格の統合化は進んでいるようだ
│││一誠│││
悩んでいるうちに、一誠が目覚める時間になった。
?
﹃今抱えておる案件に、直接関係ないから、見逃したぞ。シュウ、お前
?
?
194
?
﹁私の能力とキャッスルドランの機能を使えば、造作もないでしょ
﹁え
そうなの
﹂
﹁あぁ、ハニー、この姿の時は、兵藤一誠だよ。そう呼んでね﹂
﹁シュウ、正解♪﹂
だろう。
﹂
由に旅するできる扉がある。たぶん、その扉のシステムを改造したん
ステムだ。で、キャッスルドランの機能というか、城の中に時空を自
分子を自由に結合させることができ、あらゆる物が創造できる夢のシ
ハニーの能力、空中元素固定装置。これは、空気中に存在する元素
?
でしょ
﹂
固まっていた。
?
入城してくれるかな
﹂
﹁はい、ユリスさん、よろしくね
で、イッセー、相棒が暴れる前に、
す。よろしくお願いします。ハニーお姉さん♪﹂
ンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトです。この国の王女で
﹁ハニーさんかぁ⋮私はユリス、ユリス=アレクシア・マリー・フロレ
﹁僕の秘書で、如月ハニーっていうんだよ﹂
﹁ねぇ、イッセー君。この美人な人は誰
﹂
ユリスが起きたみたいだ。ユリスの方を見ると、ハニーを見たまま
﹁あぁ、なるほど⋮﹂
ここにはリアがいない
隣のユリスが起きると、一悶着あるから﹂
﹂
?
﹁シュウ⋮じゃなくて⋮イッセーの秘書かな
﹁で、アレ以外には用は
そう言うと、ハニーは一瞬で服を着た。
﹁了解♪﹂
﹁服を着てくれない
?
!
入城した。
?
いきなり転移して、転移先が、ユリスの知らないお城で戸惑ってい
﹁こ、このお城はどこ
﹂
念じて見ると、僕とハニーと全裸のユリスが、キャッスルドランに
﹁たぶん、念じれば、ドラン君が引き寄せてくれるかと⋮﹂
﹁僕、転移魔法がまだ使えないけど⋮﹂
?
195
?
?
?
?
るみたいだ。その前に服を着ろよ。ハニーが気を利かせて、ユリスに
Tシャツと短パンを履かせた。
﹂
﹁このお城は、僕のお城だよ。ユリス﹂
﹁え⋮イッセー君って王様だったの
驚いているユリス。
﹁僕の中の人が王様なんだよ﹂
的に申し分ないだろ
シュウ﹂
﹂
僕はこんな状態だ
﹁リヴェリアはまだ子育て中で動けない。まぁ、これだけいれば、戦力
フレイヤ、ヘスティア、イシュタルがいた。
フィン以外にも、レフィーヤ、アイズ、ベル、オッタル、ティオナ、
リオ全員で乗り込んだんだよ﹂
﹁キャッスルドランが、シュウを迎えに行くっていうから、チームオラ
フィン⋮なんで
﹁シュウ、随分とかわいくなったなぁ﹂
!?
シュウ
﹂
そして、一呼吸してから、僕は本来の姿に変身をした。
﹁それが本来の姿なのか
!
﹂
?
﹁え
ロキとオーディンが
﹂
て、二代目ロキを名乗っている。それが今回の敵の一角だ﹂
﹁いや、あの野郎は仕留めた。だけど、オーディンとの間に子供がい
﹁了解した。で、この世界でもロキか
てくれ。厄介な仲間ばかり来ているんでね﹂
﹁フィン、正解だ。で、チームオラリオは、基本キャッスルドランにい
?
?
﹁この世界のオーディンは女なら誰でも良いそうだ。女性陣、気をつ
けろよ。オーディンも場合によっては、仕留めるから﹂
その後、今後の方針を話し合い、ユリスを城内の案内してあげた。
それから、ユリスの城へ二人で戻った。朝から能力を使いきったみた
196
?
﹁あぁ、フィン。ここでも、サブをしてくれるかな
から﹂
﹁了解だ
?
?
﹁あ、そうそう、この状態の時はイッセーと呼んでくれ﹂
!
女神3柱が驚いているようだ。
?
いで、ユリスの胸に倒れた。
目が覚めると、ユリスの膝枕で寝ていた。
﹁ごめん、ユリス⋮﹂
﹁しょうがないよ∼まだ、幼稚園児なんだから♪﹂
﹁この電池切れは致命傷だよな⋮﹂
﹁そうだよ⋮でも、しょうがないよ∼﹂
﹂
﹁ユリス、明日はステラの国に行く。書物を見せてもらおうと思う﹂
﹁一緒に行っていい
﹁いいよ。お兄さんに、言っておけよ﹂
﹁うん♪﹂
部屋を出て行ったユリス。言葉遣いが、人格が定まらないのか、ボ
ロボロだよ∼
│││││││
翌日、ユリスと共にステラの国に向かった。キャッスルドランのお
かげで、転移魔法いらずで移動ができるようになった。お城の中で
は、オーフィス、忍、アポがヘスティアにドーナツを作って貰ってい
た。毒気を浄化してから、顔も心も穏やかになったイシュタルは、ユ
リスの髪をとかしている。伊豆湖はハニーにあれこれ知識をもらっ
ているし。
なんか、このカオスな雰囲気がとても懐かしい。
ステラの城につくと、僕とユリスの二人だけ、城の前に転移した。
﹂
そして、門番にステラを呼んでもらった。しばらくするとステラが出
て来た。
﹁イッセー君、ひさしぶり∼♪って、なんで、ユリスがいるの
﹁おい、ステラ、ユリスにケンカ売るなよ﹂
ナ・フォン・リースフェルトです﹂
﹁こんにちわ、ユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテー
﹁初めまして、兵藤一誠です﹂
ヴァーミリオン国王に挨拶に行く。
納得はしていないようだが、頷くステラ。そして、ステラの父親、
?
197
?
ユリスと共に国王に頭を下げる。
﹂
﹂
﹁おぉ、ユリス王女、久しぶりだな。それで、君が兵藤家の次期当主君
かね
﹂
﹁次期当主になろうとは、思っていません﹂
﹁では、何になろうとしいるのかね
ステラから聞いたが、神のなれの果てだそうだな
﹁なれの果てかぁ⋮ステラ⋮﹂
﹁元に
﹁元に戻ろうと思っているだけです﹂
?
﹂
﹁イッセー君、私はそんなことを言っていないわ。お父様、酷い言い方
は止めてもらえません
﹁これなら良いのか
﹂
僕は、本来の姿に変身した。
﹁だって、どう見ても神に見えん﹂
?
﹂
?
﹂
!
た。
﹁これかな
神格文字で書かれている書物があるけど﹂
なぁ、ユリス、ユリスの兄さんの名前ってなんだっけ
フレイヤが声を上げた。僕も一緒に書物に目を通していく。
﹁うん
﹁お兄様は、ヨルベルトです﹂
﹂
みんなで手分けをして、古地図と、湖の由来、オラリオ関連を探し
﹁ハニー、さんきゅ∼
﹁それらしい題名の本を全てコピーしてきました﹂
ハニーが書物の山を、出現させた。
﹁抜かりはないです。コピーしてきましたよ﹂
﹁書物、盗めないかな
キャッスルドランは編み出していたようだ。
フィンが呟いた。僕のガードのため、僕の周りを写し出す機能を、
﹁あれは酷いな﹂
僕はユリスと共にキャッスルドランに戻った。
﹁気分が悪いので帰る﹂
僕の姿に驚く、ステラ父。
?
﹁いや、フルネームで﹂
?
?
198
?
?
?
?
﹂
﹂
﹁ヨルベルト・マリー・ヨハネス・ハインリヒ・フォン・リースフェル
トですけど⋮﹂
﹁やっぱし⋮﹂
﹁お兄様の名前がどうかしましたか
﹂﹂
﹁マリー・ヨハネスって⋮マリア・ヨハネが訛ったんじゃないかな
﹁﹁あっ
ユリス以外の者が驚きの声をあげた。
﹂
?
﹁比べる物がないから、わからないなぁ﹂
﹂
ただ、埋まっているんだろ
﹁伊豆湖、建造物を湖のそこに丸ごと転移ってできるのかな
﹁能力があれば、可能じゃないかな
は難しいなぁ﹂
﹂
?
?
﹁まかせて
﹂
﹂
﹁そうか、湖の形に合う地形を探すんだな
﹂
﹂
?
?
そうだ、ハニー湖の地形を測量できるかな
﹁それしかないよねぇ。もし、僕だったら、その方法だなって⋮う∼⋮
か、シュウ
﹁なるほど、湖の形にあわせて、切り抜いて、地表ごと沈めたってこと
﹁元々の水深なんかわからないよな
?
?
それ
今、キャッスルドランは湖の上にいる。窓から湖を見るフィン。
﹂
?
ばされたのは必然なんだな﹂
﹂
?
﹁そうなると、シュウの母親が先か、オラリオが先かだな
フレイヤが問題点を挙げた。
﹂
﹁古地図がないなぁ⋮すでに盗まれたのか
﹁ロキにか
﹂
飛ばれさて転生したのかもしれない。そうなると、僕がこの世界に飛
﹁僕の本来の母親の名前だ。本来の世界で殺されて、この世界に魂を
ユリスがきいてきた。
﹁マリア・ヨハネってどなたですか
信仰の対象になっていた記述があるんだ﹂
﹁たぶん、母さんはこの世界で神滅具に封印されたんだ。この地にで、
?
?
?
﹁フィン、あの湖の大きさって、オラリオよりデカイか
?
?
!
199
!
﹁そうだ、フィン、正解だ。そうすれば、オラリオの場所がわかる可能
性がある﹂
﹁シュウ、無いなぁ、湖の地形と同じ地形は、今の地図には⋮﹂
⋮うん
もしかして⋮キャッスルドランにハル
ハニーから、測量しての地形検索の結果が、もたらされた。そうな
るとどうなるんだ
﹂
?
﹁シュウ⋮ここはどこだ
﹂
た。突然転移されて驚く誠。
あの家って、誠の知り合いだったよな。誠をここに強制転移させ
﹁分かった。あの砂漠にある家、あの位置が魔法陣の位置と一致する﹂
ハニーが、地層の変化を調べ始めた。
﹁ハニー、地層に変な部分ないか、チェックしてくれ﹂
うに飛行してもらった。
キャッスルドランに、ハルケギニア大陸の周囲と底面が、見えるよ
﹁ある。ここだ。たぶん、あの砂漠地帯だな﹂
ハニーが地形検索をし始めた。
﹁ハニー、この浮遊大陸でどうだ
ケギニア大陸の上空に行く様に念じた。
?
﹁城が追ってきた
どういうことだ
﹂
﹁僕の城。僕の世界から僕を追ってきた﹂
?
?
﹂
﹂
﹁湖の封印が元々あった場所らしいんだ。その辺の事情を聞いてきて
貰えないかな
﹂﹂
2柱は頷いた。
﹁﹁了解
タルとフレイヤは、僕に魔力を送ってくれ。この姿で乗り込みたい﹂
﹁僕と誠とハニーと伊豆湖で向かう。後の者はここで待機だ。イシュ
僕は。サンドリオンの家の隣に、キャッスルドランを着陸させた。
?
200
?
?
﹁この城は移動できるんだよ。で、あの砂漠の家って、誠の知り合いの
家だよな
?
あぁ、サンドリオンの家かぁ。そうだけど、あそこがどうした
﹁うん
?
﹂
んだ
?
!
│││誠│││
4人でサンドリオンの家に向かった。サンドリオンは俺の顔を見
なにやら、すごいパーティーじゃないか﹂
ると、快く家に入れてくれた。
﹁どうしたんだ
サンドリオンの妻のカトリーヌが彼の頬をつねった。
だろう。
﹁で、誠。どう言った用件だ
何か
あったかな
﹂
﹂
﹁この家を建てる前に、ここに何かなかったかな
﹁う∼む
?
?
?
﹂
カトリーヌに殴られるサンドリオン。奥さんの前でそれはイカン
﹁いや、久しぶりにナイスバディな女性を見たから﹂
﹁あなた、誠のパーティーの方に失礼よ、そういう目付きは﹂
な
サンドリオンが興奮している。たぶん、連れの女性2名の容姿にか
?
?
ようにしているの﹂
カトリーヌから情報を得られた。
﹁この辺りの古地図って、ありますか
シュウがカトリーヌに尋ねた。
﹂
エルフの者が持っているかもな
﹂
?
ここに来たのか。
?
?
に転移した俺達4名。
﹁えぇ∼、誠お兄ちゃん
﹂
城に戻った。城は、エルフの集落に移動して、ビダーシャルの家の中
俺はサンドリオンとカトリーヌに礼をいって、家を出て、シュウの
﹁会いに行こう﹂
﹁ビダーシャルっていうエルフなら知っているが⋮﹂
﹁誠、エルフに知り合いはいないか
﹂
シュウが、波動を読み取っているようだ。それで、本来の姿のまま、
﹁誠、間違いない、ここだ。オラリオで感じた波動を感じる﹂
と、サンドリオン。
﹁古地図
?
消してはいけない封印系の魔法陣だったから、この家で魔法陣を護る
﹁あぁ、あったわ、誠。魔法陣が。その魔法陣の上に家を建てたのよ。
?
?
201
?
﹂
ルクシャナが俺達が突然転移して驚いている。
﹁ルクシャナ、ビダーシャルは
﹂
﹂
﹁まだ、帰って来ないけど⋮何か用
﹁この大陸の古地図ってないかな
?
?
﹁シュウ、どうした
﹂
シュウが何かの波動を感じ取ったようだ。
﹁あると思うけど、叔父さんの部屋にねぇ﹂
?
る。
﹂
?
この姿で会いに行くに
?
らしい男と戻って来た。
﹁シュウ⋮お前⋮シュウなのか⋮﹂
その男がシュウに声をかけた。
﹂
﹁ヘルメス、久しぶりだな﹂
﹁何千年振りかな
﹁そこが知りたいんだ。何年振りになる
﹁う∼、わからない⋮﹂
﹁マリー・ヨハネス信仰より前か
﹂
動したんだ。レフィーヤの機転で俺達は難を逃れて、この地に移り住
た。ロキがある日、オラリオ全域を覆う巨大魔法陣を出現させて、発
ていたんだ。その頃、俺はレフィーヤとイシュタルの宿に住んでい
としての力を封じ込められるのだが、ロキは封じ込められた振りをし
﹁あぁ⋮ロキだ⋮あいつが、やったんだ。俺達は地上に降りる時に、神
﹁オラリオが消えた原因を調べているんだ﹂
﹁その信仰はわからない。どうしたんだ
﹂
後か
?
?
?
﹂
ルクシャナが頷いて、呼びに行ってくれた。しばらくすると、見窄
は目立ち過ぎるからね﹂
﹁悪いけど、ここに呼んで来てもらえるかな
﹁うん、いるよ。レフィーヤさんと暮らしているよ﹂
﹁ヘルメスって神族がいるんじゃないかな
﹂
鬼の姿が物珍しいのか、ルクシャナが、シュウに近寄り、きいてい
﹁誰のことかな
﹁オラリオの生き証人がいるな、この集落に﹂
?
?
?
202
?
むことができたが、オラリオにいた住民は全員、どうなったかわから
﹂
ない。オラリオが一瞬にして消えてしまったんだ﹂
﹁なぁ、オラリオはこの大陸にあったのか
﹁迷宮はこの大陸にあったのか
﹂
﹁迷宮の場所は見つけた。未だにウラノスの封印で護られている﹂
﹁のはずだが⋮ここじゃない。迷宮がここにはないから﹂
?
﹂
シュウ、頼みを聞いてくれないか
﹂
レフィーヤの忘れ形見をお
?
﹁いいのか
力を俺の為に使っていいのか
男は出て行った。
﹁シュウ、アイツは誰だ
俺はシュウに聞いた。
﹂
﹂
﹁あぁ、ついでに、お前を天界ではなく、レフィーヤの元に送ろう﹂
﹁なぁ、頼めるか
﹁ヘルメス、頭を上げろ。お前⋮﹂
あの男がシュウに土下座をした。
前に預けたい。預かってくれないか
うだ
﹁シュウもやられたのか⋮あの野郎⋮俺も能力がない状態なんだ。そ
なんだ﹂
んだ。ロキのやつ、迷宮の底に居る奴を呼び出そうとしているみたい
﹁ここじゃない。僕も、ロキの奴に能力に封印をされて、何もできない
?
﹁今、連れて来る。待っていてくれ﹂
﹁あぁ、昔のよしみだ﹂
?
?
│││シュウ│││
﹁誠、彼女とヘルメスを頼む﹂
していた。近くにエルフの女の子が泣いている。
シュウ達が外に出た。俺も後を追う。先程の男は、全身から血を流
﹁まさか⋮﹂
ていたのだが、突然大きな地響きがした。
オラリオの住民がまだ生きていたのか。男が戻って来るのを待っ
﹁神族のヘルメスだ。オラリオの住民だった神だ﹂
?
203
?
?
!
目の前には、
﹃暴龍﹄アンギラスがいた。許さない⋮僕は
くそっ⋮ヘルメスが襲われた。アイツらもヘルメスの存在に気が
付いたのか
天使の翼を展開し、ドラゴンスレイヤーを片手にもち、アンギラスに
﹂
向かった。僕の後ろから魔力弾や魔法が降り注いできた。全て僕の
なんてチートな野郎なんだ
身体を透過して、アンギラスに命中していく。
﹁なんだと、攻撃が透過するだと
?
して屠った。
﹁お前ら、何者だ
俺を神の王ロキとしての乱行か
﹂
?
ふざけんなよ
!
僕は、ロキに方を向き、名乗る。
﹁﹃神殺し﹄シュウ・ヨハネ・鬼門だ。神の王
神族のくせに﹂
単なる
声の主は、他の仲間達にたのんだ。僕はアンギラスの首を斬り落と
?
ルギーを放出するも、間に合わない。僕はここで暴発するのか
﹁ヘルメス⋮大丈夫か
﹂
僕は最後の力を振り絞って、ヘルメスの元に急いだ。
たか⋮
ファーは全身ボロボロになって、どこかに転移してしまった。逃がし
さ れ て い た。忍 が 参 戦 し て く れ た よ う だ。ロ キ と リ ゼ ヴ ィ ム・ル シ
いく。シルキーが参戦したようだ。ロキは殴られて、地面に叩き落と
高めようとした時、目の前のリゼヴィム・ルシファーの身体が爆ぜて
いや、ここでアイツらを逃す訳にはいかない。追撃の為にオーラを
﹃これで、身体の暴発は防げるが、危険な状態だ。撤収しないと⋮﹄
た。
キバットバット3世が現れて、僕に強制的に黄金の鎧を着せてくれ
?
ギーによって、僕の身体が壊れそうになる。アルビオンが余分なエネ
くなっていく。魔力弾は僕に当たるも吸収していく。膨大なエネル
規模だ。僕は祈るような気持ちで、魔人の血を覚醒させる。全身が黒
できた。巨大な奴だ。透過すれば、僕の背後が被害甚大になりそうな
ロキを屠りに行くと、リゼヴィム・ルシファーが魔力弾を撃ち込ん
?
?
アだ⋮俺をレフィーヤの元に⋮﹂
﹁シュウ⋮彼女を頼む⋮名前はレフィーヤの尊敬する人物⋮リヴェリ
?
204
?
﹁あぁ⋮﹂
僕は祝福の聖剣を頭上に掲げ、ヘルメスに祝福を授ける。ヘルメス
﹂
から闇の部分が浄化され、綺麗な魂が現れた。
﹁この者の魂⋮レフィーヤと共にあれ
感じられた。これが、ネクロマンサーの力なのか
急いで、一香を呼び出した。シルキーが、
ウは完全に覚醒をしていない。だからか
ル、ガブリエルまでもが。
﹁酷い⋮シュウ⋮ねぇ、大丈夫
﹂
達が集まってきた。アザゼルやセラフォルー⋮サーゼクスとミカエ
あぁ、シュウのダメージは、一香の禁手では治せないからな。仲間
たけど⋮﹂
﹁誠さん、シュウのダメージが酷いみたい。一誠の方はどうにか治せ
?
ある魔法も見たことがなかった。シュウがやられた。いや、まだシュ
神の魔法⋮あんなに大きな魔法陣は見た事が無い、あんなに威力の
移してくるなり、禁手状態になり、一誠を天使の翼で抱きしめた。
氷系の魔法で、一誠を仮死状態にして、生かすようにした。一香は転
場に倒れる一誠。くそっ
変身状態が解けたのか、鎧は消失し、全身から血が噴き出し、その
?
シュウの力を垣間見た。2つの寄り添う魂から、幸せという感情が
│││誠│││
た。
ていった。ヘルメス達を見送ったあと、僕の目の前は真っ暗になっ
きた魂が近づき、寄り添い、2つの魂は絡み合いながら、天へと昇っ
僕は祈りを捧げ、黙祷を捧げた。目の前の魂の元に、天から降りて
!
﹂
!
リヴェリアという女の子は、一誠を抱きしめて、回復魔法を掛けて
ミカエルとガブリエルが転移していく。
﹁ガブ、我々は、ロキだ﹂
サーゼクスはセラフォルーを連れて転移していった。
﹁セラフォルー、リゼヴィム・ルシファーを追うぞ
セラフォルーが抱き縋るも、シュウの意識は回復しない。
?
205
!
くれているようだ。しかし⋮一誠には効いているみたいだが、シュウ
には効かないみたいだ。
貴方の回復用の魔法陣を出して。私が魔力注いで発動させ
﹁ごめんなさい。父上を助けてもらったのに、私はあなたを助けられ
ない⋮﹂
﹁シュウ
る﹂
シュウの仲間のエルフの女性が、シュウに向かって声をかけた。一
誠を覆う程の巨大な魔法陣が出現して、その魔法陣に魔力を注ぐ、彼
女。オーフィス、アポ、忍が、一誠の身体に戻っていく。
﹃ツヴァイ シュウを助けて⋮﹄
オーフィスの声が聞こえた。一誠の身体から、妖精が現れて、シュ
ウの魔法陣に魔力を注いでいく。魔法陣は光輝き、発動し始め、一誠
の身体が光の渦に飲まれて、しばらくすると光の粒子が霧散していっ
た。
微かだが、シュウのオーラを感じる。シュウが自己再生を始めたの
か、オーラが少しずつ強くなっていった。
│││レフィーヤ│││
﹂
シュウに抱きついていた女の子が、私に向かって近寄って来た。
生きていたんですか
﹁母上
?
﹂
私はまだ子供を作っていないわ﹂
あっ⋮そういうことかぁ。
﹁レフィーヤ母さんですよね
?
違う世界の
﹂
?
﹁リヴェリア⋮﹂
﹁あなたのお名前は
﹂
彼女を優しく抱きしめた。
﹁そう、あなたのお母さんは、お父さんと一緒に天に召されたのよ﹂
﹁えっ
﹁私は別の世界のレフィーヤ。あなたのお母さんじゃないのよ﹂
?
﹁誰かと間違えていない
私はまだシュウとの間に子供を作っていないんだけど⋮
うん
?
?
206
!
?
?
怒りの矛先*
│││フィン│││
ここはキャッスルドランの中。シュウの意識が戻るまで、ここに安
置することにした。ここならば、シュウは本来の姿になっても、エネ
ルギーロスは考えないでよいように、ドランが調整してくれるよう
だ。
ここの世界への移動中、ドランと念話で話したが、ドランもシュウ
の こ と を 気 に 入 っ て い た。前 の 主 は 横 柄 で 短 気 で ど う し よ う も な
かったらしいが、シュウは敵に対しては冷酷であるが、仲間のためな
ら身を切る覚悟がある上、ドラゴンという種族に対して、愛情を持っ
て接してくれる初めての主で、シュウが主になってくれて、良かった
そうだ。
その為、今回のシュウのロストの際には、とても心配したそうだ。
207
シュウのダメージが大きかった。話しかければ、反応はするもの
の、エロ行為をする迄に至っていない。シュウにとってエロ行為はバ
ロメータだ。女性陣にとっては迷惑な行為かもしれないが。
アルビオンとツヴァイが、体内に蓄積した余分なエネルギーを外に
排出している。オーフィス、アポ、忍は、シュウの魂に寄り添い、加
護を与えて、再生力をあげているそうだ。
回復役が足りないなぁ。シュウという回復役が機能しないと、この
チームでは、回復作業が出来る者がいないというか。アイズとフレイ
ヤが、本拠に行き回復役を借りに行っている。他の案件との兼ね合い
で、ヒール役を借りられるか不安である。
レフィーヤが、ヘルメスという神族の子供、リヴェリアの相手をし
ていた。この世界のレフィーヤとヘルメスの間に出来た子供だそう
﹂
だ。名前はレフィーヤの尊敬している人物から取ったというが、紛ら
わしいなぁ。
﹁おじさんの奥様がリヴェリアさんなの
﹁そうだよ。今、子育て中だから、ここには来ていないけど﹂
僕に話し掛けて来たリトルリヴェリア。便宜的にこう呼ぼう。
?
﹁母さんが尊敬していたって⋮﹂
﹂
﹁尊敬に値する者だ。ただ、エルフではないけどね﹂
﹁なんで
﹁彼女はハイエルフなんだ。エルフとはまた違う種族なんだよ﹂
﹁ふ∼ん﹂
あの集落にはハイエルフはいないようだから、違いをわからないだ
ろうな。
﹁レフィーヤ、彼女の養育係を頼むよ。彼女の両親にシュウが託され
﹂
たんだ、チームの一員として扱いたい﹂
﹁了解です。副長
│││誠│││
﹂
あらゆる攻撃を透過できるんでしょ
だ。時間がかかるだろう﹂
﹁なんで
﹂
﹁ダメだ⋮シュウの意識が戻らない。あんだけダメージを喰らったん
﹁誠さん、一誠は
家に帰ると、一香とリーラが心配そうに近づいてきた。
撃された場合、危険だと、彼の仲間のイシュタルに言われた。
ヨーロッパでの調査は一時中断した。シュウの状態が悪いので、襲
!
?
﹁そういうボスに出会えるのは幸せだよ、リーラ﹂
うと⋮だから、彼のチームメンバーは、彼に命を預けられるんですよ﹂
﹁いつでも、仲間を護ることを考えています。自分の身体がどうなろ
リーラが俯いて、そう言った。
﹁えぇ、そういう方です﹂
断できるんだから﹂
﹁シュウはすごい⋮相手を倒すより、被害を少なくする方を一瞬で判
﹁魔人の血⋮だから、一誠もあんなに⋮﹂
させて、攻撃を吸収したようだ﹂
ことになる。その結果をシュウは、一瞬で判断して、魔人の血を覚醒
あの大陸は弾けただろう。それは、ヨーロッパ全土に隕石の雨が降る
﹁それをしなかった。もし透過していたら、バカげたくらいの魔力だ、
?
208
?
?
﹁はい﹂
│││シュウ│││
だいぶ、やられたな⋮一誠は大丈夫だったかな
おい⋮一誠の心は反応しなかった。僕の心に統合したよう
一誠の心は僕に恩恵を与えてくれた。回復系の神器は無効
転移した先にヤツラがいた。
次元の狭間に転移した。
よ。
に戻ったよ。僕と一誠と魔人の三本の矢で、更に強く、みんなを護る
も同化吸収した。魔人の血のおかげで、大人になる前に、ある程度元
体内組織を再構成していく。元の器も、ここにあったらしく。それ
ようだ。一誠、お前の器を大事に使うよ。
全に同化したことで、アンバランスだった身体の構造が正常になった
魔人の血が覚醒したようだ。でも、暴発する気配はない。一誠と完
にしないみたいだ。一誠⋮ありがとう⋮
うん
だ。完全に⋮クソっ、あの腐れ野郎共⋮許さない⋮
一誠
﹃僕は大丈夫⋮僕は⋮シュウさんに統合され⋮消え⋮﹄
?
三人
苦しみ悶えるリゼヴィム。
?
ロキが壁になるように経った。
リゼヴィムに身体が爆ぜる様に消えていく。そんなアイツの前に
﹁悪魔のお前には激痛だろうな。ふふふ﹂
まぁ、いいっか。
﹁おい、ロキ、リゼヴィム、逃げ切れたと思うなよ。ふふふ﹂
﹂
驚いたような悲鳴をあげる三人。うん
﹁お前⋮死んだはずだろ
?
聖なるオーラを微粒子状にして放った。
﹃ダイヤモンドダスト﹄
﹁地獄から戻って来たよ﹂
ロキが声をかけてきた。
?
209
?
?
﹂
﹁俺には効かない﹂
﹁どうかな
?
苦しみ悶えるロキ。
見ない顔だな
?
﹂
﹂
お前からルシファーホークの波動を感じる。ルシファーホー
﹃地獄の業火﹄
紫の炎で火だるまにしてやった。
お仕置きが足りないか
?
﹂
?
一誠を⋮僕はどこに怒りをぶつければ良いか
ミカエルさんとガブリエル、サーゼクスさんとセラフォルーかぁ。
﹁シュウ⋮君、もう、大丈夫なのか
三人はどこかに転移していった。そこに、違うお客が現れた。
﹁まだ、悪さをする
﹂
﹁知っていることしか知らねぇよ。お前はどうされたい
﹁なんで⋮知っているんだ⋮﹂
クと契約した魔術師か
﹁うん
﹁お、俺は関係ない⋮﹂
ロキとリゼヴィムが苦しみ悶える姿を見て、顔が歪んでいる男。
﹁で、そちらは
﹂
﹃ダイヤモンドダスト﹄にサマエルの毒をコーティングした。
?
ロキ達は逃げていったし⋮ふふふ﹂
﹁大丈夫な訳ないだろ
な
?
﹁サーゼクス、ヤバいぞ。怒りの心だけで動いているようだ﹂
ここで怒りの炎を消してやろう﹂
﹁あぁ、ミカエル。心して戦うか
指でピンした。その場で倒れるサーゼクスさん。
僕はサーゼクスさんの目の前に転移して、サーゼクスさんの心臓に
体。触れる物すべてが消えていく。
サーゼクスさんは、本来の姿になっていく。滅のオーラでできた身
﹁うっ⋮サーゼクス、ヤバいぞ。聖属性も魔法も効かない⋮﹂
正面から受けて、吸収する。
の 身 体 を 透 過 し て い く。セ ラ フ ォ ル ー か ら 氷 の 魔 法 が 飛 ん で 来 た。
ミカエルさんとガブリエルから聖なる輪が飛んで来た。しかし、僕
ふふふ
どんな攻撃をしてくれるのかな
?
?
210
?
?
?
?
恐怖を抱いた表情をする4名様。
?
僕の身体は好きな物を透過できるんだよ。滅のオーラを透
﹁おい、何をした⋮﹂
﹁はぁい
過して、心臓に直接、刺激を与えてあげた。一瞬、心臓が止まったみ
たいだから、意識が飛んだのだろう﹂
ガブリエルの目の前に転移して、着ている衣を透過して、手で直接
胸を弄ぶ。
﹁いや⋮やめて⋮あぁ⋮ダメ⋮﹂
﹂
翼が点滅している。堕天注意報だな。ふふふ
シュウ君﹂
﹁このまま、堕天使になるかい
﹁やめろ
れたミカエルさん。
﹁さて、残りはセラフォルーだな。ふふふ﹂
﹁シュウ⋮間違っているって⋮味方を倒してどうなるの
?
おい、セラフォルー、教えろよ⋮あの時、護らなけれ
あの時、護らなければ、一誠の心は護れた。どうして、両方は
救えないんだ
﹁うん
﹂
カミナリ属性の拳を、ミカエルさんに連発で叩き込む。その場に倒
﹃ローリングサンダー﹄
だ﹂
﹁透過するって、そういうことだよ。背後から放てば、味方に当たるん
﹁ガブ⋮﹂
直撃して、その場に倒れた。
僕に聖なる拳を叩き込むミカエルさん。しかし、拳はガブリエルを
?
んだ
おい、セラフォルー⋮﹂
│││セラフォルー│││
シュウは泣いていた。怒りの原因⋮たぶん、シュウの戦闘レベルが
﹂
上がって、一誠君の人格を統合してしまったのだろう。いつか、こう
おい、セラフォルーよ
なるとアザゼルが予想していた。その時、優しすぎるシュウは⋮
﹁なんで、僕が一誠に統合されないんだ
!
私は、シュウに抱きついた。殺されても良い。それで怒りが収まる
?
211
?
!
ば、ヴァイラがあぁならないで済んだ。どうして、片方しか救えない
?
?
?
もっとやることがあるだろう
﹂
?
なら、安い物だわ。
なんで
?
﹁シュウ⋮怒りが収まるなら、私を殺しなさい﹂
殺す
﹁はぁ
?
着も透過できるの
ちょっと⋮服の上から直に胸を弄ばれた。服だけでなくて、下
あ
?
犯すなら、最後までやれよ∼
!
﹂
私はシュウになら殺されても良いと思って挑ん
だのに、乳首を咥えて終わりって、どうなのよ∼ねぇ、誠殿
って、言われても⋮ははは。笑って済ますしかないか。
﹁たぶん、セラフォルーのオーラに安らぎを感じたんだろう﹂
と、アジュカ。
るか分からないけど、一誠君の人格はシュウ君へ完全に統合されたよ
﹁さて、誠殿。一誠君のことだが、残念ながらという言葉が、当てはま
一息入れて、アジュカが俺の方へ身体を向けた。
もしれない﹂
彼の本来の家族は、神族の手で奪われた。家族を恋しがっていたのか
界で、僕は義理の父親、セラフォルーは義理の姉で、家族なんだろう。
﹁彼にとって、僕とシトリー姉妹は別格なんだと思う。彼の本来の世
!
んて、哀しいでしょ
﹁だって、私だけ戦闘の対象じゃなかったのよ∼。乳首狙いだったな
ガブリエルが、のされていた。セラフォルーは、泣いているし﹂
﹁セラフォルーから連絡を貰って、転移したら、サーゼクス、ミカエル、
のベッドで、スヤスヤ寝ている一誠。
アジュカから連絡をもらって、一誠を迎えに行った。アジュカの家
│││誠│││
いるだけって⋮
ゼクス達三人は戦ってのされたのに、私だけ、ブラがヨダレで濡れて
れ な い。身 体 が 一 誠 君 の 姿 に 戻 っ て い く。う っ ∼ 哀 し い よ ∼。サ ー
私の乳首を咥えることで気が済んだのか、シュウから闘気は感じら
な状態で止まるなぁ∼
乳首をくわえられた状態で、シュウの動きが止まった。え∼、こん
﹁いや⋮ちょっと⋮あっは∼ん⋮﹂
?
?
212
?
それって⋮一誠は⋮
うだ﹂
え
﹂
﹁それで、一誠の心はシュウの心と生きようと、統合されに行ったのか
済むんではないかと。幼心に思うだろうって﹂
て。もし、シュウ君の心が常時あれば、こんなに死に直面しなくても
そうなった場合、一誠君の心は悩むだろう。このままでいいのかっ
に直面する戦いをすれば、戦闘レベルが急激に上がっていくからな。
﹁こうなることは、アザゼルが予想していた。幼いながらも、何度も死
シュウ⋮お前⋮
ウ君の願いは、一誠君に統合されることだったようだ﹂
れなかったことに、やり場のない怒りを持ってしまったようだ。シュ
﹁それに対しての怒りが、暴走の原因だ。シュウ君は一誠君に、統合さ
?
﹁だ と 思 う。実 際 の と こ ろ は、一 誠 君 に 聞 か な い と わ か ら な い が ⋮
シュウ君には、それが許せなかったのは確かだ。あと、シュウ君の戦
闘力だが、セラフォルーの話では、ミカエル、ガブリエル、サーゼク
俺でも瞬間的には無理だ﹂
スの3名を瞬殺したそうだ。実際には死んではいないが、かなり重症
だ﹂
﹁その3名をか
﹂
?
﹂
?
救い
﹁救いって
どういうことだ
う。長期戦は無理なのが救いだ﹂
﹁熟 睡 し て い る。電 池 切 れ だ よ。瞬 間 的 な 戦 闘 力 は 神 を 超 え る と 思
アジュカは顎で一誠を差した。
﹁まだだ﹂
﹁シュウは完全に覚醒したのか
たが、ロキ、リゼヴィムも瀕死な状態なようだ﹂
﹁この世界の者で、そこまでの奴はいない。現場の残留オーラを調べ
アジュカは頷き、
?
ただ、シュウ君の仲間が動いた場合は、この星は消えるだろうな﹂
﹁また、暴走したら、長時間戦わせれば、電池切れで止まるってことだ。
?
?
213
?
﹁この星だけで済まないよ﹂
知らない声が聞こえて、俺達3名は声の主の方へ振り向いた。
﹁僕はフィン・ディムナ。今回のチームの副長をしています﹂
﹂
彼は子供のように見えるが、小人族か
﹁今回のチームとは
?
から帰還します﹂
?
﹂
どなたの城かな
シュウの城かぁ⋮
﹁城
﹂
えません﹂
﹂
﹂
?
﹁擬態だけでなくて、結界も張られているようだな﹂
ていった。
魔法陣を何枚も開いて、探りを入れ始めた。が、魔法陣は急に消失し
フィンと名乗った人物は転移していった。アジュカはモニタ用の
けしていきます。では﹂
﹁そういうことです。団長は安眠しているようなので、しばらくお預
﹁移動する城ってことかな
﹂
﹁風景に擬態していますから、入城許可証を持っている者でないと、見
﹁え
﹁団長のいるところです。今、貴方様のお城に隣接させています﹂
﹁どこにあるのかな
﹁団長の城です。今回の僕達の拠点になります﹂
?
ますが、城の戦闘力だけでも、この星を壊滅できます﹂
リヴァさんの方は高火力ですから、そこそこかな。誠さんは知ってい
ますチームドラゴンです。戦力は、僕のチームは機動力重視ですが、
﹁僕が隊長をしているチームオラリオと、リヴァさんが隊長をしてい
﹁2チーム
﹁結構、大規模です。2チーム参戦していますから﹂
﹁チームの戦力は
﹂
向で、このまま、この世界に残留して、この世界のラスボスを叩いて
﹁僕達の団長のシュウの救出です。それは、叶いそうですが、団長の意
?
?
214
?
アジュカが尋ねた。
?
?
﹁どうなんだ
もし、彼らが反旗を翻したら﹂
﹁この星は消えてなくなるだろうな。だが、それはない。シュウ君が
この世界を護っている限りはねぇ﹂
心地の良いオーラだ。そうだ、セラ
アジュカは笑顔で、一誠の顔を見た。まるで、我が子を見るように
⋮
│││シュウ│││
ここはアジュカさんの城かな
ました。また、遊びに来ますね﹄
と。そして、セラフォルーの元に転移した。
│││セラフォルー│││
う∼ん、どうせ、私は戦力外だよ∼
今日の結果に、やり場のない怒りが産まれている。もぉ⋮え
シュウからの念話。エムでも良い。こんなに暖かく包まれるのは
﹃エムだからだよ、セラフォルーは﹄
せと思える。
⋮いいっ⋮載っかられて、手足の自由を奪われているのに、とても幸
私の身体の上に載っかったみたい。重みを感じる。暖かい重みを
きていて良かったと思える瞬間。
うぅ⋮舌の付け根を舐められていく。苦しいけど気持ち良い。生
で溜まっていく。
あぁ⋮いい⋮怒りが蒸発していく。その代わり暖かい物が私の中
の場に押し倒される私。
あっ⋮すでに洪水だよ。シュウ君⋮唇が優しく奪われていく。そ
んな事をするのは⋮
胸を揉まれている。背後から手が伸びて、優しく揉まれている。こ
?
﹃アジュカ父さん、ありがとうございました。おかげで、心が落ち着き
ドに残す。
フォルーにお礼をしに行かないとなぁ。僕は、メモ書きをして、ベッ
?
良い。そして⋮彼のモノが私の身体に入ってきた。気持ち良い⋮そ
215
?
して、意識が薄れていく⋮
│││シュウ│││
﹁みんな、心配をかけて、ごめん﹂
キャッスルドランに戻り、仲間に今回のことを詫びた。
﹁シュウ、いつものことだ。あの場合、シュウが受け止めなければ、地
上は大災害だったろうな﹂
フィン⋮
﹁そ う よ、あ な た が 身 を 呈 し て 護 る の は 当 然 な 行 い。そ の 後 の フ ォ
﹂
ローは私達チームメンバーの務めよ﹂
ハニー
﹁で、なんで紅髪がいるんだ
私しかヒーラーがいないんだもの﹂
チームにはいない、いや前線には連れて来ない僕の第一夫人の紅髪
リアスがいた。
﹁しょうがないでしょ
いや、お前のヒールは薬草でのヒールだろ
薬 草 で の ヒ ー ル が メ イ ン っ て ⋮ そ れ は ヒ ー ラ ー と は 言 わ な い。
フィンを睨む。
﹁いや、回復役がいないから、本拠に相談に行ったら⋮﹂
﹁こ い つ は ヒ ー ラ ー じ ゃ な い。ダ メ だ。交 換 し て き て く れ。こ い つ
は、僕に命令するしかスキルがないんだから⋮﹂
﹁う∼⋮じゃ、癒やし要員で置きなさいよ∼﹂
白音は別チー
?
﹁だから⋮何で命令形なんだよ∼﹂
フィンの狙いはわかった。僕の暴走防止なんだろ
ムで活動中だし。フィン、サンキュー。
﹃一応、副長ですから﹄
﹂
と、フィンから念話が届いた。
﹁で、どういう癒やしなんだ
顔を赤らめて頭を垂れる紅髪リアス。
﹁あんなことやこんなことよ⋮﹂
?
216
?
﹁酷いなぁ⋮メインはそうだけど、回復魔法も少しは使えるわよ﹂
?
?
﹁じゃ、やって⋮﹂
僕は、紅髪リアスの手を引っ張って、僕の部屋に連れ込んだ。
﹁いや⋮あのねぇ⋮﹂
ベッドに腰を下ろしたリアス。そんな彼女に前から抱きつき、押し
倒す。
﹁ちょっと⋮心の準備がまだ⋮﹂
セラフォ
僕の新しい能力を、見せて上げようっと。服と下着を透過して、直
接乳首を弄ぶ。
﹁えぇ⋮何よ∼その能力⋮﹂
下着を透過して、下腹部も弄ぶ。
﹂
﹁いつも言うことだけど、そういうのは戦闘で使おうねぇ﹂
なんか、残念な子みたいな言われ方⋮
﹁しばらく会わない間に、ヘタになったんじゃないの
あぁ、エロ神として、一番言われたくないお言葉⋮うん
﹂
リアスは、そのままの姿で意識が飛んだ。その後、ハニーが、リア
﹂
スを連れ帰って、冥界の病院に入院させてくれた。病院での診断結果
は忍と同じだった。
﹁どうする回復役は
﹂
﹁もう少し能力が解放できれば、呼び出せるけど⋮現状は、ツヴァイ
と、オーフィスかな
﹁ヒーラーではないぞ﹂
?
217
ルーはよがっていたよな
﹁なぁ、リアス⋮お前、不感症になったんじゃないのか
﹂
僕とリアスの間に無言な時が流れていく。
﹁感じないんだろ
忍が僕の中から現れて、リアスを診察して
?
?
﹁あぁ、悪魔の更年期障害じゃなぁ⋮若いのに憐れじゃのぉ∼ふふふ﹂
?
?
﹁え゛⋮そんな⋮せっかく再会したのに⋮﹂
﹁⋮﹂
首を縦に振るリアス。
?
フィンが声を掛けてきた。
?
﹁僕の魔力の調整はしてくれる﹂
誰だ
ヴァイラの傍にいなくて良いのか
振り向くと、末娘のシーナがいた。
﹁父様、来ちゃった∼﹂
うん
﹁シーナ、どうしたんだ
﹂
?
﹁だって、私は父様のヒーラーだから﹂
姉妹だろ
?
姉妹仲悪いのか
﹁シルキー、シーナ、仲良くしろよ
﹂
﹁なんで、シーナが父ちゃんに寄り添っているのよ∼﹂
│││││││
﹁うん♪﹂
﹁わかった、ここで鍛えよ。ヴァイラを治せるようにな﹂
があるけど。
﹂
僕はシーナを抱いた。一緒にいた時間が短かかったせいで、違和感
﹁母様は⋮私の力では役立てない⋮まだ、力がないから⋮﹂
﹁でも、ヴァイラはどうするつもりだ
確かに、こいつはヒーラーであるが⋮
だって﹂
﹁う ん、母 様 が 父 様 の 傍 に い な さ い っ て。回 復 の 能 力 を 役 立 て る 時
?
?
﹂
シーナの父親でもあるが⋮、わかったよ、シルキーおいで♪﹂
!
﹁うぅん、私、父上にあんな風に躾けられたことないから⋮﹂
﹁リヴェリア、うるさくて、ごめんな﹂
フィーヤとリヴェリアがキョトンとして眺めているよ。
シ ュ ー ル な 風 景 だ ろ う な、幼 稚 園 児 が 女 子 高 生 に 躾 け っ て ⋮ レ
から∼﹂
﹁痛っ⋮ごめんなさい⋮父ちゃ∼ん、許してぇ∼⋮妹に優しくします
拳をグリグリ。
ウキウキして近づいてきたシルキーのこめかみに、躾けという名の
﹁あぁ
﹁だって、父ちゃん。私の父ちゃんだもん
が、ファザコンのシルキーが噛みついてきた。はぁ⋮
僕はまだ本調子でないので、シーナが付き添ってくれていたのだ
!
?
218
?
?
?
﹂
﹁そうか、リヴェリアも悪いことしたら、躾けるからね﹂
﹁はい、お願いします♪﹂
﹁で、シュウ、シーナちゃんも私の姪
セラフォルーがきいてきた。
﹂
シルキーはセラフォルーのおバカさを遺伝しちゃったんだ
よ。なんで、母親の性格が遺伝しないかな
﹁は ぁ
﹁ちょっと、父ちゃん。私がおバカみたいなことを言わないでよ∼﹂
﹁違うよ。シーナはおバカではない。母親はシーグヴァイラだ﹂
?
試そうよ∼♪﹂
?
そんな能力はまだありません
﹂
!
化は無理だけど、僕の中で、オーフィス、忍と会話したり、遊んだり
そうそう、一誠は、僕の魂の中で、元気に生きている。もう、実体
シルキーとお前だけで充分だよ。まったく、もう⋮
たぶん、セラフォルーとの間に作れば、おバカな子になると思う。
よ
﹁だから、お前はおバカなんだよ、セラフォルー。僕はまだ幼稚園児だ
じゃないの
﹁じゃぁ、私とシュウの子供って、ソーたんみたいな利口な子になるん
?
?
している。良かった、ロストしなくて⋮
219
?
消失の謎*
│││誠│││
夢の中に一誠が現れた。
﹁父さん、母さん、僕は元気だよ。シュウさんと一体化することで、苦
しみとか、悩みとか、痛みから解放されたんだ。今はシュウさんの魂
の中で生きている。忍ちゃんとかオー君とか友達が一杯で楽しく生
きている。いつか、シュウさんが能力を取り戻したら、僕に魂と器を
創ってくれるそうだよ。それまでは、僕はシュウさんと共に生きる﹂
元気そうな一誠が俺に話し、そして消えていった。
目が覚めてから、一香に夢の中で見た話をすると、一香も同じビ
魂が創れるのか
アイツは
ジョンをみたそうだった。あれは、夢である現実なものなんだろう。
って言うか、シュウの能力ってなんだ
神なのか
│││一誠│││
?
し、僕だって反撃する時はある。能力が戻って来ているってことは⋮
抱いたり、抱きしめたり、頬ずりをしたり、やりたい放題だ。しか
でいる時に、アイツらに拉致されてしまった。くそっ⋮
今日も、フィン、ベルを相手に鍛錬をして、エネルギー切れで休ん
に扱われることしばしば。まぁ、身体の大きさが幼稚園児だし⋮
ただ、幼稚園児姿だと問題もある。アイズ、ティオナに小動物の様
む。本来の姿は、今の僕では燃費が悪いしねぇ。
るが、実際に戦う世界では幼稚園児なので、幼稚園児の姿で鍛錬を積
大きさ的にも丁度良いくらいの相手だし。ここでは、本来の姿に戻れ
ズ、フィン、ベル相手にできるのだ。フィンとベルは、一誠の身体の
広がったし。フィン達が来てくれたことも大きい。剣の鍛錬をアイ
ぶ戻って来たし、キャッスルドランが来てくれたことで、行動範囲も
夏休みは残り少しになってきた。さて、どうするかな⋮能力もだい
?
しかもエロ行為に関しては、上限値が何故か跳ね上がる傾向にある。
220
?
エロ神故か
?
なんで
能力が戻ったの
﹂
まず、自分の身の安全を確保してから、﹃身体停止﹄を発動した。
﹁え
?
今の僕にとって、嫌なこと
?
扱いするからだ
そして、悶え果てて失神したようだ。ここで術を解く。僕を小動物
人に見せられないよなって姿になっている。
に刺激を与える。ヨダレを流して悦ぶアイズ。こんな姿はファンの
げ、僕に助けを求めるアイズ。しょうが無いなぁ。念動力で膣の内部
身体が動かない為、自分で自分を慰めることも出来ず、喘ぎ声をあ
をした罰だ。しっかりと味わえよ♪﹂
置プレイだよ。悶々として苦しいだろう
﹁あのさ、僕は幼稚園児だよ。そんなことはできないよ。ふふふ⋮放
などと、涙目でふざけたことを言う。
﹁お願いです⋮入れてください⋮﹂
みほぐし、谷間を指でなぞる。
幼稚園児特典で、乳首をしゃぶる。吸う、噛む、舐める。乳房を揉
﹁ご、ごめんなさい⋮﹂
くっている。
股の割れ目を指でなぞる。それだけで、アイズはズブズブに濡れま
﹁ねぇ、あっ⋮いや⋮あはっ⋮﹂
と、アイズを⋮
失 神 し て い る よ う だ。つ ま ら な い な。テ ィ オ ナ だ け 術 を 解 く。さ て
アイズが焦っている。こういう刺激に耐性のないティオナは、既に
?
﹂
?
﹁スカさんに頼んで、潜水艦を作ってもらってよ﹂
﹁僕のチームも水中だと、無理だな。どうするかな
﹂
﹁水中だしなぁ。そこまでは僕の能力は回復していないよ﹂
﹁で、オラリオの探索はどうする
ニヤリとするフィン。僕のことを理解してくれている、僕の片腕。
ね。僕が危険生物であることをね♪﹂
﹁だって、小猫みたいな扱いなんだもの。たまには、わからせないと
って、フィンが声を掛けてきた。
﹁見た目は幼子でも、やることは相変わらず鬼畜だな、シュウ﹂
!
?
221
?
﹁どうやって、持ち込むんだ
価値はあるかな
﹁バ ベ ル の 塔 ⋮ 探 せ な い か な
⋮﹂
物の移動はできないぞ。キャッスルド
この世界にもあるか探す
オラリオのバベルでなくて、砂漠にあるバベルの塔だな
探
?
誰だ
春姫がいた。
うん
声のした方を向くと、アスフィ、アミッド、ナァーザ、
﹁シュウ、来たよ∼﹂
魂に引き戻されてしまう。この世界での、現時点での制約である。
こにいないとな。キャッスルドランから出ると、彼らは強制的に僕の
ドラゴンの面々。ドランの窓から見える。彼らが戻ってくるまで、こ
フィンから指令を受けて、元気良く龍化して空に飛び出したチーム
ども。
ことができるようになる。やりたいことっと言っても制約はあるけ
いる場合、僕の中にいるドラゴン達は控え室で人化をして、やりたい
フィンはチームドラゴンの控え室に向かった。このドランに僕が
すように手配をしてみる﹂
﹁うん
!
古代ロボットがあるはずなんだけど
しか駒がないなぁ。どうするかな⋮あっ
そういう制約があるのか⋮水中だとリヴァさんとハニーと誠、一香
ランは生き物ってことで、持ち込めたけど﹂
?
?
?
﹂
?
いないの
なんか、制約があって物はダメだけど、生き物限定で行き
﹁ハニーさんが、ここと本拠を結ぶドアを創ってくれたのよ。聞いて
﹁どうやって来たの
﹁やっと、こっちの世界の常識とかの研修が終わったよ∼♪﹂
?
﹂
そんな物を設置したのか⋮あぁ、あの世界の技術とハニー、
かな
﹁アスフィ、早速だが、水中で活動しやすくなる装置を作ってくれない
スカさんの頭脳があれば可能か。
はぁ
来できるんだって﹂
?
﹁春姫は、エルフの子供の子守りを頼む﹂
﹂
﹁了解
?
222
?
?
?
!
﹁了解♪﹂
﹂
﹁アミッド、ナァーザは回復要員として、待機していてくれ﹂
﹁﹁了解です﹂﹂
﹁ヘファイストスと椿は
﹂
﹁スカさんに鍛冶場の設計を頼んでいます。今後、武器の製造も視野
に入れるって、ヤマトさんに言われて⋮﹂
なるほど、ヤマト、ナイスだ。
﹁そうだ、ハニー。時間はどのくらい時差があるんだ
﹂
30年くらいロスしても、むこうでは30秒くらいか⋮うん
﹁それじゃ、スカさん達の研究が間に合わないだろ
?
1秒をコチラの世界の1年にしてあるわ。これ以上は無理だって﹂
﹁シュウの上司に交渉をして、シュウの要望に沿って、あちらの世界の
?
る。あと、古文書があるのは、どこだ
バチカン⋮あと、闇雲家⋮
う∼⋮古くからある物⋮あ
?
誠、一香にも頼んで、兵藤家、式森家の古文書を調べてもらってい
た。探している古地図は見付からない。なんでだ
ハニー、フレイヤと共に、書物庫に行き、書物類を調べることにし
なるほど。
の♪﹂
ているのよ。その辺りに抜かりはないわよ、あなたの研究チームだも
﹁大丈夫、スカさん達は寿命の心配ないから、別の加速世界で研究をし
?
?
した。あとは、機密性の高いバチカンだな。盗みに入ろうかな
徐々に集まってきた古文書を調べなから、データベース化してい
れた。あぁ、僕とハニーなら盗めない物はないなぁ∼
僕の悪巧みを察知したハニーが、機密文書をまるまるコピーしてく
?
レビアさんにも頼んで、世界中のデータベースを調べてもらうことに
那魅さんに連絡をして、古文書を調べてもらうことにした。あと、
?
﹂
223
?
く。夏休みは読書で過ごしたと言っても良いくらい、古文書を読んで
いる気がする。
﹁なんで、ないんだ
疑問を口にした。
?
﹁誰かが削除したか、それとも⋮﹂
僕の疑問に呼応したハニー。機密性の高い場所の書物類だ。削除
は有り得ないだろう。削除したにしては、破った痕も消した痕も無い
疑問を埋める
し。そうなると、元々この世界にはなかった。僕と同じように、この
誰に飛ばされたんだ
世界に飛ばされてきた⋮そう考えるのが自然かな
なんで、飛ばされてきたんだ
?
?
れって元々、魔界ではなく別世界から召喚する魔法だったのでは
﹂
﹁私は母から学びました﹂
﹁私はエルフ村の人達かな
﹂
﹁レフィーヤ、書物とかはない
﹂
﹁無いですね。殆ど口伝でした﹂
﹂
﹂
誠に念話を送る。
?
使い魔を得る術って呪文
?
﹂
?
ういう意味では魔法というより、精霊達の力を借りる感じになるわ﹂
﹁違う⋮エルフは魔法陣を使わないの。呪文とか詠唱が基本なの。そ
﹁レフィーヤ、この魔法陣はエルフのか
だけのようだけど⋮この魔法陣は別の魔法のようだ。
これって、使い魔を得る術みたいだ。うん
と。ハニーは、早速こっそりと、あの書物をコピーして来てくれた。
申し訳ないが至急調べてくれ﹄
﹃ハルケギニア大陸のルクシャナの魔法陣。アレの出所を知りたい。
そうだった⋮じゃ、あの魔法陣は誰のだ
﹁習っていません。私達の魔法は長い詠唱ですよ﹂
﹁魔法陣とかは、どうやって習った
?
?
﹁ねぇ、どこで魔法を学んだのかな
僕はレフィーヤとリトルリヴェリアを呼び出した。
﹁ないですね﹂
データベース化した分を検索していくハニー。
﹁う∼、どうだったかな
ちょっと待ってください﹂
﹁ハニー、ハルケギニア大陸のエルフの魔法関連の書物ってあるかい
?
エルフ、ルクシャナの魔法⋮魔界から下僕を召喚するという魔法。あ
証拠を見つけないとダメだな⋮あっ⋮閃きが⋮ハルケギニア大陸の
?
?
?
224
?
?
はぁ
﹂
じゃ、この魔法陣はどこの大系だ
﹁この呪文は、エルフのか
﹂
?
すってことか
はぁ
﹂
どういう時に使うんだ
?
それって、魔法陣で出て行った物を、魔界からの下僕として呼び戻
物だと思う﹂
﹁他の時代に遊びに行く時とか⋮上の呪文は元の世界に戻る時の為の
﹁次元を飛び越える
﹂
この魔法陣って⋮次元を飛び越える禁術系のよう
?
フレイヤが知っているみたいだ。
だ﹂
﹁似ている。うん
﹁下の魔法陣はどうかな
﹁う∼、似ているな。少し違うみたいだが﹂
﹁これって、お前達の天界の呪文か
と、フレイヤ、イシュタル、ヘスティアを呼び出した。
レフィーヤは否定したが、リトルリヴェリアは肯定した。と、なる
﹁この呪文は父が教えてくれた物に似ている⋮﹂
﹁違うよ﹂
魔法陣の上に書いてある、呪文を見せた。
?
?
?
?
﹁シュウ⋮大丈夫か⋮シュウ⋮﹂
せて、長い年月で湖となったようだ⋮
は、地表にぶつかり衝撃波を起こし、あの場所にクレーターを生じさ
ていき、あの砂漠は煉瓦などが風化した物だ。落ちた迷宮ピラミッド
んだ。迷宮ピラミッドが無くなった箇所は、オラリオのガレキがうめ
ベルの重さに、地盤が耐えられなくなり、迷宮ピラミッドが、落ちた
あぁ⋮ビジョンが見える⋮ハルケギニア大陸が空中に現れた時、バ
たんだ
ことだ。あの時、オラリオの上空にロキの張った魔法陣って、何だっ
ということは、ハルケギニア大陸を土産で持ち帰ったバカがいたって
う、ヘルメスはオラリオの異変に気が付き、オラリオから待避した。
に行き、土産でオラリオ自体を持ち帰ったってことになるのだが⋮違
オラリオが呼び戻されたということは⋮何者かが、オラリオに遊び
?
225
?
?
?
遠くから声が聞こえる。誰の声だっけ⋮身体を揺すられているよ
うだ。
﹂
﹂
﹁シュウ⋮ねぇ、目を覚まして⋮シュウ﹂
﹁あ⋮ハニー⋮僕はどうしたんだ
﹁真っ青な顔をして倒れたのよ。大丈夫
だ
僕は僕の見たビジョンを皆に聞かせた。
﹁それじゃあ⋮オラリオは⋮﹂
フィンですら言葉を失う。
﹁あの砂漠だ⋮ロキは何の魔法陣を展開したんだろうか
﹁ハニー、ロセを呼んでくれ﹂
ニーがロスヴァイセを連れて戻った。
?
込み、移動するんだ。うん
この書物は⋮なんで、ここにあるんだ
?
限られた者だけだ。効果は、たぶん、次元移動だ。時代と場所を書き
﹁これは、北欧の神格文字だな。う∼、それも禁術系だ。使えるのは、
﹁ロセ、この魔法陣に心辺りはないか
﹂
ハニーがロスヴァイセを呼びに行ってくれた。しばらくすると、ハ
﹁わかったわ﹂
﹂
ハニーに抱きつかれた。あのビジョン⋮ロキの魔法は何だったん
?
?
ヴァルハラから持ち出せないはずなんだけど﹂
?
聞いたことのない大陸だな。なんで、そんな場
﹁それは写本だ。原本はハルケギニア大陸のエルフの少女が持ってい
る﹂
﹂
﹂
﹁ハルケギニア大陸
所に
﹁使える者は誰だ
?
﹂
戻って来たんだ﹂
﹁何の為
ハニーが質問をしてきた。
?
?
﹁アイツのことだ。高みの見物だろ
﹂
﹁ロキだな⋮あいつは、オラリオに次元移動して、オラリオを手土産に
ない。へたすると消滅するからな﹂
﹁主神のオーディン様と悪神ロキの2柱だ。他の神では禁術系は使え
?
?
226
?
?
﹁どうする
﹂
﹂
﹁この世界のオーディンとロキはグルだ。ロキ自体は死んで、息子の
ロキの代になっている。オーディンが、この先どう出るかだな
﹃探し物を見つけたぞ﹄
ク ロ ウ か ら 念 話 が 飛 ん で 来 た。バ ベ ル の 塔 に 資 料 が な い か な
?
?
行ってみるか。クロウから座標を聞き出し、キャッスルドランで、そ
こに移動して、チームドラゴンには撤収してもらった。
227
?
バベル*
│││一誠│││
僕とハニーでバベルの塔の入り口に向かった。来る者を拒むよう
に砂嵐でその塔は隠されていた。塔の座標を知らないと、まず見つけ
るのはこんなだろう。パッシブスキル﹃封印無効﹄で、入り口の封印
をスルーして、内部に入った。パッシブスキル﹃結界無効﹄で、結界
で護られている通路も無事通過して、通路の奥にあるエレベータに到
達した。パッシブスキル﹃透過﹄を使い、エレベータ内に侵入した。ハ
ニーには僕の身体の中に、入ってもらっている。翼を展開して、上の
階に向かって飛び上がる。
﹂
最上階に着き、制御室まで辿りついた。ここで、ハニーには身体の
﹂
外に出てもらった。
﹁あなた方は
﹂
﹂
えのある声がした。こいつは⋮まさか⋮
﹁フェルズなのか
﹂
﹁あぁ、懐かしい者に逢えて良かった。そうか、お主も飛ばされたのか
?
228
塔のセンターコンピュータが尋ねてきた。
﹂
﹁僕は兵藤一誠、彼女は如月ハニーだ﹂
﹁種別は
﹁目的は
﹂
﹁この施設を使いたい﹂
﹁何の為にですか
﹁シュウかぁ⋮﹂
﹁あぁ、そこからここに魂の状態で飛ばされてきた﹂
﹁オラリオ⋮あなたは、オラリオを知っているのですか
﹁オラリオの謎を解き明かしたい﹂
?
生命維持装置に取り付けられているスピーカーから声が⋮聞き覚
?
?
﹁僕はハーフ魔人、彼女はアンドロイドだ﹂
?
?
﹁その様だ﹂
?
﹂
﹁不死なのに、このザマだよ。俺は⋮魂は不死なのだが、身体が風化に
耐えられなくなってきた﹂
﹁なぁ、教えてくれ。ロキは最後に何の魔法陣を展開したんだ
⋮﹂
んであんなに魔力があるのだ
地に降りた神は制限されているはず
﹁わからない。あんな大系は見たことがない。そもそも、アイツはな
?
放されたからな﹂
﹁そうなのか⋮それで⋮﹂
﹂
?
﹂
?
た場所に交換転移させたのだ﹂
はぁい
いることを止めてくれ、と﹂
﹂
ウラノス⋮僕がこうすることを予見していたのか
﹁ウラノスはどこだ
?
ノス様からの伝言だ。この塔はシュウに譲る。ロキのやろうとして
⋮この辺りの砂は熱によりガラス化して、後世にも残せるから⋮ウラ
﹁ロキの放った魔法陣の証拠⋮証拠を残す為に大量の砂が必要だった
﹁じゃあ、あの砂漠にあった魔法陣は
﹂
﹁ウラノス様の指示⋮バベルをこの地に、この地の砂をバベルのあっ
﹁フェルズはどうして、ここにいるんだ
あそこがそうなのか⋮道理で欧州系の神が多かったな。
﹁今はヴァルハラになっている⋮﹂
﹁あの天界はまだ残っているのか
﹁わからない⋮神の数が多いから、紛れ込んでもわからないと思う﹂
﹁アイツは、元々あの天界の神なのか
﹂
﹁制限を受けていないんだ、アイツは。地に降りたのではなく、地に追
?
生命維持装置から気配が消え、この塔の執事、ロデムが現れた。
﹁命果てるまで、抑え込むそうだ。俺は、この塔に同化する﹂
だったはず⋮
おい⋮アイツもそうだったのか⋮確かに僕の赴任先は第13宇宙
第12宇宙だそうだ﹂
﹁シュウと同じだ。命が尽きしだい、先に赴任先に行く。シュウの隣、
?
229
?
?
?
﹁これからは、ロデムと呼んでくれ、シュウ﹂
││││││
交代で頬ずりをされて、頬が痛い。
夏休みも残りわずかになり、家に戻ると⋮姉、妹が頬ずりパレード
か
﹁お帰り⋮イッセー﹂
由良⋮
﹁ただいま♪﹂
彼女は俺が仕込んだよ﹂
由良と組手をする。いない間に、隙がなくなったなぁ。
﹁イッセー、気づいたか
クルを決めて、寝技に持ち込んだ。
﹁イッセー⋮ダメ⋮恥ずかし⋮﹂
?
﹂
お前では⋮まさか⋮﹂
﹁試してみれば
﹁はぁ
﹁父さん、組手しようよ﹂
と、こそこそ逃げる。アイツだな⋮気分を変えて、
って、大人びた発言をするなよ。誰の影響だ
シルキーと目が合う
と、誠。兵藤流かぁ。でも、僕も怠けていた訳でないし。低いタッ
?
﹁どう
父さん⋮﹂
!
﹂
?
﹁透過⋮物理攻撃も透過するのか⋮チートすぎだぞ、イッセー﹂
をスルーして、接近戦に持ち込む。
どうにかして、父さんの動きを止めないと⋮そうだ♪父さんの攻撃
﹁それは、困ったな。魔力切れ待ちだったのに﹂
を作りながら、戦えるのさ﹂
﹁しないよ。上限は低いままだから、高位魔法は使えないけど。魔力
﹁それより、魔力切れはしないのか
まだ、父さんの素早い動きに攻撃が追い付かない。
﹁楽しい戦いができるようになってきたな、息子
﹂
り避けたりする合間に、魔法攻撃、念動力、真空刃を放っていく。
滅具により、遠距離攻撃として、撃ち込んで来た。僕は、受け流した
誠と組手という名の勝負をする。誠は本気できた。近接攻撃を神
?
?
?
230
?
﹁はぁ
チートな息子を作った父さんのせいだよ♪﹂
父さんに隙が生まれた。ここだ。
﹃ギャラティック・マグナム﹄
高破壊力なストレートパンチを繰り出してみた。父さんは避けた
けど、僕の罠にはまりダウンした。このパンチは周囲の空気すらも破
壊、消滅させることもできるので、格好良く見せようと紙一重避けす
るような者に効果が絶大であった。
﹂
﹂
あのパンチ⋮一気に酸欠したぞ⋮怖ぇ∼。息子と簡単に組
﹁父さん、僕の勝ちだよ♪﹂
﹁なんだ
手なんかできないなぁ﹂
蒼い顔の父さん。
あれ
﹁でも何で、剣の修行をしに行って、パンチなんだ
それはそうだよな
あぁ、そうかもしれない。
﹁あの学校では、お前に剣を教えられる者がいないってことかな
?
することに。
?
者がいず、困っているんですよ﹂
﹁まず、実力を見せて貰えるかな
﹂
アレ使っても
なんだと⋮4刀流だと⋮﹂
!
セル=ベレスタとザンバットの波動を感じたのか、ハーフ天使のテ
﹁ちょっと待て
タと魔皇剣ザンバットソードを手にして、魔力を高めて行く。
許しが出たので、妖刀村雨、村正を腰に帯同し、魔剣セル=ベレス
方針が見えないのだろう。本気で良いぞ﹂
﹁あまりオススメはしないけど、まぁ、本当の実力を見せないと、教育
父さん
?
﹁いいの
?
?
愛用の剣を使って良いぞ﹂
﹁たぶん、それで良いと思います。兎に角、こいつに剣を教えてくれる
﹁誠殿の息子か。年齢を考慮せずに修練するが良いかな
﹂
父さんに連れられて修練所を訪れると、ストラーダ枢機卿と面接を
月まで。
はバチカンの戦士養成所に留学することとなった。とりあえず、お正
そして、夏休み終了と共に、僕の留学生活の終了した。そして、僕
?
?
?
?
?
231
?
﹂
オドロさん、クリスタルディさんという、二人の枢機卿もみえた。
﹁魔剣と魔皇剣⋮アイツ何者だ
セル=ベレスタとザンバットから準備完了と念話が入ったので、妖
刀二降りによる飛ぶ斬撃による居合い斬りの連打を始めた。逃げ惑
うストラーダさん。逃げる先に、セル=ベレスタとザンバットによ
る、重い衝撃の飛ぶ斬撃をタイミングをみて放つ。
﹁誠殿∼助けてくれ∼﹂
ストラーダさんの悲鳴が聞こえる。楽しいなぁ♪
﹁イッセー、終わりだ。勝負あり﹂
あぁ、終わっちゃったよ。
﹂
﹁誠殿⋮すまない、受け入れできない⋮既に強すぎだ。懐に入れない
⋮﹂
﹁じゃ、もっと強い人を紹介してください﹂
僕は頼んだ。
﹂
﹁え⋮っと⋮刀藤流宗家とか天霧辰明流とかはどうですか
﹁父さん、どうなの
?
はぁ⋮
そうしてバチカンから戻ってきた。何も収穫がない⋮念話で、ハ
ニーに刀藤流宗家、と天霧辰明流の住所を調べてもらった。直接行っ
てみようと思う。
﹂
翌 日、ま ず 天 霧 家 を 訪 ね た。看 板 は 出 て い な い。道 場 ら し き 場 所
﹂
﹂
お手合わせをお願いしま∼す
﹂
!
で、女の人と、少年が稽古をしていた。
﹁すみません
僕は大声で声をかけた。
﹁あら、かわいい子ねぇ。お名前は
?
は天霧遥﹂
232
?
﹁名前を知っている程度だ。知り合いではないから、ダメだな﹂
?
兵藤誠、一香夫妻の息子さん
﹁兵藤一誠です﹂
﹁うん
﹁そうです
?
!
﹁ふ∼ん、それは興味有るわ。いいわよ、お手合わせをしましょう。私
!
?
あなた、いくつ
﹂
僕は愛用の木刀を二振り持ち構える。
﹁二刀流
幼稚園年長さんです﹂
﹂
お姉さんを倒すつもりで行きます。好みなんで♪﹂
そんなに幼いのに⋮ここには一人で来たの
﹁う∼、いくつだっけ
﹁え
?
手応えがない⋮なんで
﹂
?
﹁え
飛ぶ斬撃⋮﹂
?
を使う。
?
すごい⋮﹂
?
﹁大丈夫ですか
﹂
僕の刀捌きに見とれたお姉さんは⋮
﹁飛ぶ斬撃四刀流
うだ。ギアをもう1つ上げてしまう。
てきた。あぁ、ブラが見えそうで見えない⋮エロ心が起動しだしたよ
お姉さんの顔色が少し青ざめたようだ。道着を掠めるようになっ
﹁飛ぶ斬撃三刀流
﹂
手間取っているみたいだ。ギアを1つ上げてみる。もう1振り木刀
飛ぶ斬撃は初体験なのだろうか
避けたり、受け流したりするのに
僕からも攻撃を仕掛ける。木刀による飛ぶ斬撃⋮
﹁え
とれていた僕の身体を透過していく斬撃⋮
うっ、早い。刀筋も綺麗だ。空気の流れに逆らわず⋮刀の動きに見
﹁あらあら⋮そんなんでは勝てないわよ﹂
﹁はい
?
?
?
初めて見た四刀流⋮綺麗な刀捌き⋮見とれた隙に、みぞおちに撃ち
起きるまでこのままでいよう。勝者の特権だ。
わえたまま、寝てしまった。私の胸から母乳は出ないんだけど⋮彼が
負けた⋮幼稚園児に⋮母乳に目のない幼児に⋮彼は、私の乳首をく
│││遥│││
咥えて寝落ちした⋮
間から胸が⋮綺麗な形の胸が見える。僕は本能的に抱きつき、乳首を
姉さんの身体を揺らしたりして起こそうとしているのだが、道着の合
お姉さんのみぞおちに1発入ってしまって、気を失ったようだ。お
?
233
!
?
?
?
込まれた。普通の二刀流相手であれば、やられることはなかっただろ
﹂
う。飛ぶ斬撃⋮衝撃だった。真剣であれば撃てる者がいるとは聞い
なんでお姉ちゃんの胸を吸っているの
ていたが、木刀で撃てるとは⋮
﹁お姉ちゃん、ソイツは誰
弟の綾斗が言った。
?
の﹂
﹁僕がお姉ちゃんも護る﹂
﹁私が勝て無い相手に、あなたが勝てる訳ないでしょ
?
た。
なんで
負けたのかな
?
﹁ようやく目が覚めたのね﹂
﹁あれ
﹂
目が覚めたのは、お風呂だった。僕はお姉さんとお風呂に入ってい
│││一誠│││
﹂
﹁彼はいいのよ。私に勝ったんだから、彼の好きなようにしてもらう
?
先生の道場に﹂
﹂
﹂
?
のスイッチが入ってしまった。お姉さんのお尻を両手掴み、鼻をクリ
お姉さんの口から、可愛らしい喘ぎ声が漏れ聞こえ、僕はエロモード
い、お姉さんの傍によると、僕の鼻がお姉さんのクリちゃんに当たり、
お姉さんは湯船から出て、水で身体を清めるみたいだ。僕もと思
?
﹁そうです﹂
﹂
﹁沖田先生にはお目に掛かれませんか
﹁ここに呼ぶんですか
﹁行きますか
あぁ、そうだよね。
﹁お風呂場は⋮恥ずかしい⋮﹂
?
﹁たぶん、大丈夫でしょう﹂
﹁良いのですか
?
﹂
﹁えっ⋮天然理心流⋮あの居合術は⋮﹂
﹁沖田総司先生です﹂
﹁私が負けてのよ。強いけど、師匠はどなたかな
記憶があやふやであった。また、電池切れだな。
?
?
234
?
ちゃんに押し当てて刺激を与えつつ、舌で割れ目の縁を舐めていく。
﹁え⋮ダメ⋮そこは⋮ダメ⋮あぁ⋮あぁ⋮蕩けそう⋮﹂
お尻に回した手が、お尻の谷間を掴む様になり、指先が谷間の底の
部分を刺激しだしたみたいだ。
﹁あ⋮力が抜けて⋮﹂
そういうと、尻餅をつくように倒れ、お姉さんは自分で胸を刺激し
ていた。僕はエロ心満載となり、本来の姿に戻っていく。お姉さんを
﹂
2回ほど満足させて、幼稚園児姿にもどった。
﹁お姉さん、大丈夫
その後、名前で呼んでと言われて遥さん
﹁なんか、ダルい。でも気持ちいい⋮イッセー君、また一緒にお風呂に
入ってね♪﹂
って⋮沖田先生はいいの
と呼ぶようになった。
﹁ここは
﹂
ンに転移した。
翌日、遥さんと添え寝して目覚めた僕は、遥さんとキャッスルドラ
?
近くまで転移する﹂
﹃ドラン、冥界のサーゼクスさんの家までお願いします﹄
﹂
念話でそう伝えると、ドランの返事が聞こえ、転移していく。
﹁イッセー君、あなたは誰
﹁僕は兵藤一誠だけ⋮﹂
﹂
?
く遥さん
﹁鬼⋮イッセー君の正体って鬼なの
﹂
?
﹁う∼、正確には天使と鬼のハーフだよ﹂
﹂
目を逸らさずに頷く遥さん。僕は本来の姿に戻った。僕の姿に驚
﹁僕の正体は秘密にしてくれるかな
遥さんの目はそんな戯言を許さないみたいだ。
?
なんで兵藤夫妻の子供に
?
翼を展開させた。
﹁天使と鬼のハーフ
﹁まぁ、色々とあって⋮﹂
?
235
?
﹁僕のお城。一気に先生のところまで転移できないから、このお城で
?
﹁色々知りたいから、傍にいていいかな
﹂
昨日のアレって、君でしょ
僕にはもう教えることはないけど﹂
?
ね♪﹂
確か10歳くらいじゃないか
﹂
って、別れ際に言われた。遥さんって、歳はいくつなんだろうか
﹁天霧遥か
10歳であのプロポーショ
ン⋮そういえば、つるんとしてたなぁ⋮女性は見た目で年齢はわから
家で父さんからの衝撃発言⋮はぁい
?
?
﹁ね、イッセー君。私が高校生になったら、イッセー君の家に行くから
の世界に戻り、遥さんを天霧家まで送った。
僕は遥さんに先生を紹介した。その後、三人で軽く稽古をして、元
﹁イッセー君、どうしたんだ
そして、沖田先生の道場についた。
を、うっすらと覚えていたようだった。
2回ほどしたことがバレていた。気持ち良くしてくれた相手の姿
?
?
?
ない⋮そうなると6年後に押しかけてくるのか⋮
236
?
駒王学園初等部編 Part1
鬼だし*
│││一誠│││
色々な道場を探して、求めている鍛錬の場を探したが見つからな
かった。既に、この世界では強い部類らしい。もっと、極めたいのに
⋮
そうこうしている内に僕と由良は小学生になった。駒王学園初等
部に入学した。姉二人、リアス、ソーナ、朱乃ちゃんは同じ小学校の
2年生にいる。僕達の同級生には巡、イリナがいる。
この小学校は、理事長がサーゼクスさんで、悪魔、堕天使、悪魔の
眷属が通うのが特徴らしい。駒王学園自体、グレモリー家が運営して
いる私立学校なので、まぁ、人外でも問題なく通えるのだ。ただ、初
等部、中等部は人間がいないそうだ。人間は高等部以上にならない
﹂
それ
?
断りだそうだ。姉二人が、ルールの範囲内でボコったのが原因で、姉
この道場破りクラブって、ダメでしょう
達から、﹁弟の方が強い﹂と宣伝があり、僕も由良も入部できなかった。
﹁ひたぎ姉、どうするんだよ
﹂
?
237
と、虐め問題が起きるらしい。
まぁ、分別の分からないうちは無理だよな。過去に問題でもあった
のかな
﹁イッセー。部活はどうするんだ
剣道部とか、格闘技系かな
ひたぎ姉がきいてきた。
﹁どうしようかな
﹂
?
?
﹁私達の弟だと受け入れてくれるかな
?
なんて意味深なことを⋮結果から言うと、格闘技系は兵藤姉妹はお
?
﹂
も有り、僕と由良も有名になっていた。入学する前から⋮
の存在なんか薄っぺらい物らしい。何をしたんだ、あの二人は
姉二人、ひたぎ&翼の兵藤姉妹は、有名であった。リアス、ソーナ
?
道場破りというより、クラブ破りといった方がいいと思う。学内の
?
クラブを渡り歩いた結果、どこの入部拒否されたとか。その行き着く
先、自分達で部を立ち上げたそうだ。
そして、僕の提案で、
﹁帰宅部﹂に名称変更をして、家のトレーニン
グルームで鍛錬三昧をする日々。
週末は出稽古をする。兵藤家、式森家、川神家を順番に巡回するの
だ。
﹂
兵藤家⋮爺ちゃんが毎回、相手になってくれるけど⋮
﹁イッセー、一度で良いから勝たせてくれないか
﹁おい、イッセー
たまには私の相手をしろ﹂
一子、長刀使いで、僕の剣の相手。ここでの鍛錬が一番楽しい。
で、川神家。武神川神百代、姉さん、由良が苦戦をする相手。川神
にとって有用であるが、姉さんと由良が⋮
悟った叔父さん。なので、魔力を高める鍛錬をしてくれる。これは僕
式 森 家 ⋮ 手 合 わ せ は な し。僕 に 式 森 流 の 攻 撃 は 無 意 味 な こ と を
達。いいのかこれで、兵藤家
普段怖いらしい爺ちゃんが、僕にボコられる姿を見て、喜ぶ門下生
?
﹁何でも有りか
﹂
寝技はお前の弱点だろうが⋮しょうがないなぁ鬼畜技だな。
禁止だぞ﹂
はぁ
ふふふ
隙あらば、鬼畜な攻撃を仕掛けていく。
隙があるからだよ。ふふふ﹂
﹁イッセー⋮お前なぁ⋮﹂
﹁何かな
恥ずかしい攻撃を受ける武神。
﹂
﹁どうした、武神。膝が笑っているみたいだけど﹂
﹁ふざけるな
﹁ねぇ、ここを弾くとどうなるかな
﹂
踵落とし⋮僕は振り上げた脚に抱きついた。
!
?
238
?
と、百代。僕は一子しか相手にしないから。百代とヤッテもなぁ⋮
!
﹁よかろう。イッセーにハンデをやる好きに攻撃しろ。但し、寝技は
?
僕と百代の対戦になった。百代の蹴りや突きを受け流す。そして、
?
?
僕は一点を見つめて、武神に言った。
﹁喘ぎ声が⋮たぶん出る⋮よ⋮降参です﹂
武神は真っ赤な頬で、負けを認めた。
その日の帰り道、怪しい人影が、僕達姉妹を囲んだ。
﹁武神を辱める力。どうかな、我々に力を貸してくれないかな
﹁九鬼に
なんで
﹂
元ヴァンパイアハンターだ。
﹂
こいつは、ヒューム・ヘルシング。九鬼財閥の執事にして戦闘狂の
?
い﹂
﹁なんで、九鬼の手下にならないといけないの
?
﹁鬼門の坊ちゃん⋮どうしましたか
い
﹂
﹂
教育は必要な
面白い。受けて立つ﹂
﹁今ねぇ、ヒュームに宣戦布告されたんだけど、帝爺ちゃんを殺してい
?
?
﹂
﹁うん
九鬼が戦争を仕掛けるってことか
ようだな﹂
﹁教育
?
貴様のようなガキの手下になる訳ないだろう
﹁知っているけど、九鬼は僕の手下のはずだが、反旗を翻したのかな
﹁幼くて、我らの力を知らないようだな﹂
﹂
﹁ほぉ∼我々を九鬼財閥の者と見抜いているのか。益々、手下にした
?
僕達は、コイツらのボス、九鬼帝の元に転移した。
?
﹁おい、ヒュームか
おい、詫びに行くから準備しろ﹂
貴様⋮鬼門の坊ちゃんに宣戦布告をしたそうだ
な。なんてことをしたんだ
柔らかい声で、僕にいってきた。
﹁詫びはどのようにすれば良いですか
?
詫びとかは要らない。ヒュームが二度と
?
﹁わかってくれるだけでいいよ﹂
﹁ありがとうございます﹂
暴挙に出ないように躾けてくれれば良いよ﹂
﹁帝爺ちゃんと僕の仲だろ
﹂
通話を切ると、ヒュームに話しかけていた怖い声ではなく、物腰の
?
?
239
?
?
?
蒼い顔で携帯電話をかけ始めた帝爺ちゃん。
?
﹂
﹂
そう言って、僕達は僕達の家に転移した。
何たる失態をしたんだ、貴様
│││ヒューム│││
﹁バカモン
総帥にどつかれる。
総帥に殴られた。
﹁なんで、あんなガキに下手にでるんですか
!
本家筋⋮
﹂
?
﹂
よ、ヒューム。あと、もし戦ったら、九鬼家は滅亡する。それだけの
﹁信用は奪い取れない。お前にはソレが分からないようだな。残念だ
﹁そんな物は奪い取れば良いでしょ
みは信用度の高さだ。九鬼家にはない物だ﹂
﹁いいか、力や財がいくらあっても、信用だけは手に入らない。彼の強
信用⋮
用という物の問題なんじゃ﹂
﹁彼の家の末端が九鬼家なんだ。財や力の大きさの問題ではない。信
え
﹁大きさの問題じゃない⋮彼は九鬼の本家筋の者と思え﹂
﹁九鬼財閥より巨大な物はないです﹂
﹁ガキ呼ばわりするな。彼に比べたら我々の方が小さい存在だ﹂
?
!
?
ガキになんの力があるというのだ。
力を持っているんだ彼はな
はぁ
!
雲家当主とも交流があるのだ。この三家にケンカを売るというのは、
この国にケンカを売るようなものだ﹂
兵藤、式森、闇雲⋮そして、川神かぁ⋮それは相手にとって不足は
ないなぁ
﹂
﹁総帥⋮そんな奴、亡き者にすれば、天下取れそうですね﹂
﹁貴様⋮まだ、そんなことを言うのか
﹁帝爺ちゃん、屑は屑なんだよ﹂
け、更に斬りつけようと襲い掛かった。
総帥の後ろからあのガキが現れた。俺は、咄嗟にナイフを投げつ
?
240
?
﹁彼は、兵藤家本家の次期当主だ。式森本家当主とも交流がある。闇
?
﹁だから、屑なんだよ。相手の本質を知らずに、襲い掛かるって、死を
ヒューム、どうされたいのかな
ふふふ﹂
なんだ、この威圧感は⋮室内の空気が張り詰めていく。
意味するんだけどね。ふふふ﹂
本質
﹁どうされたい
﹁逃がす訳ないだろう
人間の屑がぁ﹂
こいつ⋮俺よりも狂気を纏っているようだ。マズイ、逃げないと⋮
?
﹂
こんなドクドクしいオーラを纏っている奴
目の前の奴が天使の翼を展開した。
﹁一応、ハーフ天使なんだよ。これでわかったかな
が聖属性だと
何を言っているんだ
いよ。これでも聖属性だからね﹂
﹁ヴァンパイアハンターらしい行動だ。でも僕には聖なる物は効果な
ツにかけた。
こいつ⋮人間ではないのか⋮俺は十字架を握り絞めて、聖水をアイ
?
?
改心する気がないみ
?
れて行く。
た。主はどこだ
うん
入浴中のようだ。僕もお風呂場に吸い込ま
うかな。っと、あるタワーマンションの最上階の部屋に来てしまっ
久しぶりに鬼の能力を使い、興奮状態だ。どこでクールダウンしよ
│││一誠│││
俺の意識は⋮
﹁大丈夫、苦しまないから。無に帰するだけだ﹂
覚が消えていくのだ。
沈んだ部位は感覚がすぐに無くなっていく。痛みは無い。ただ感
﹁闇の世界で浄化されて来なよ。無に慣れるぜ﹂
総帥が首を縦に⋮その瞬間、俺は床に沈んでいく。
たいなんだよ﹂
﹁帝爺ちゃん、こいつはあきらめてくれるかな
蛇に睨まれたカエルになった気分だ。膝が笑っている。
?
?
?
?
触を愉しむ。
﹁あぁ⋮イッセー君かな
ヤルからには最後までやってよ﹂
湯船に身を委ねて、寝ているようだ。上からのし掛かり、乳房の感
?
241
?
?
って、バレているし。唇を重ねていく。その状態で、水中に頭を沈
めて行く。相手は、バタついていた。まぁ、湯船にいきなり沈められ
その
たらそうなるよね。暴れる女性といたすのは鬼としてはサイコーで
ある。そのうち、相手の身体は痙攣をしていた。プチ絶頂かな
壁に彼女を押し付ける。
﹁どうされたい、レビア
ビア﹂
﹁最後に、普通の者では味わえない体験をプレゼントしてあげるよ、レ
はなくなっていた。
だろうか。身体に力が入らない。自力で立ち上がれないくらい、体力
意識が飛び、意識が戻る度に、体勢が変わっている。何回交わった
嬉しい。感じれば感じる程に、溢れ出て行く体液。
します。彼は私の心が読めるで、思っただけでリクエストが通るのも
お尻の谷間の刺激もいい⋮切れそうだけど、もっと欲しいと思えて
いき、乳房や乳首に垂れている。
を引くと、色々な部位に刺激が走る。自分の唾液が口から零れ落ちて
て、自分で腰を動かすことで、刺激を得ていく。下にいる彼がロープ
経験をしたことのない快楽の世界に沈んでいく。彼の上に載せられ
濡れた身体に電気の刺激が駆け巡る。体液が湧き出ていく感覚⋮
﹁うぁ⋮いい⋮﹂
このような感情をいだくのだ。殺されることはないから。
これから何をされるのか、期待が高まる。イッセー君が相手だから、
いく。手足の自由が奪われることに、快感を覚える。気持ちが良い、
私の希望をイッセー君伝えた。私の身体は、細いロープで縛られて
│││レビア│││
﹂
船から出す。僕と水中で唇を重ねていれば、呼吸は確保できるのだ。
抵抗をしないで、むしろ刺激を愉しむようになってきた彼女を、湯
良い。
状態の女体に入れていく。彼女の体温と湯温との温度差が気持ちが
?
最後なんだ⋮自分の身体に力がまるで入らない。ぐったりとして
242
?
いる私の身体。私の身体を抱えて彼が、どこかに運んでいくみたい
だ。素肌に当たる風が、枯れ果てたと思っていた私の身体から、更な
る体液をもたらす。突然、空を飛ぶ浮遊感がして、急に落下していく
感覚になる、建物の屋根が段々大きくなっている。私は上空から全裸
で落とされたようだ。彼の気配がまるで感じられない。割れ目に当
たる風圧が気持ちが良い。死ぬ前ってこんなに気持ちがいいのね⋮
死を覚悟した瞬間、私は何かの液体に落とされた。
﹁早く出ないと固まるよ♪﹂
って、彼の声がする。これって、溶けた蝋みたいだ。熱い。でも、身
体が動かない。私は溶けた蝋で満たされたプールに沈んでいく。な
ぜか息苦しくはないのだが、つま先が底に着かない。どれだけ深いの
だろうか。徐々に溶けた蝋の身体に対する圧力が増しているみたい
だ。そして、意識が飛んでいった。
口から喘ぎ声しか出ない。誰かがアレを刺激しているみた
時計をみると湯船には
豪快に体液が湧き出ているみたいだ。そして、意識が飛び⋮次に意
識が戻ると、湯船にいた。夢だったのかな
まり過ぎかな
れ目からの体液の流出が止まらない。こんなことは初めてだわ。た
いってから30分くらいしか立っていなかった。湯船から出ると、割
?
私の受けていたエムプレイが録画されていた。持っていた。唖然と
湯上がり、ビールを持って、録画した映画を見ようと再生すると⋮
?
243
朝の日差しで目覚めた。悶々とした気分だ。身体が全く動かない。
なんで
問か
が流れ出る感覚がある。悶々とした感覚は増すばかりだ。これは、拷
お尻の谷間をこよりで撫でられている感覚がする。割れ目から体液
腰も動かない。助けて⋮そうこうしていると別の刺激に襲われた。
﹁あぁ⋮ぁ⋮あっ⋮あぁ⋮﹂
箇所は下顎、目だけ。
いだ。首も動かないので、誰に弄ばれているのかがわからない。動く
?
﹁いやっ⋮あぁぁ⋮﹂
?
レビアってエムなんだもんなぁ﹂
する私の手からビールは奪われた。
﹁どう
耳元で彼の声がした。夢は終わっていないのか
﹁夢でないよ。一部始終、録画してあるから、一人の時に見なよ、あぁ、
マーベリックのエムって、そのエムなのか。ふふふ﹂
あぁ、彼の笑い声を聞くと反射的に割れ目から体液が湧き出して来
た。
﹁パブロフの犬だな、レビア。ふふふ﹂
彼は、私の股に顔を埋めると、ゴクゴクと私の体液を飲み干してい
く。飲み干されても飲み干されても、お替わりをどうぞ的に、湧き出
てくる体液。
﹁今度からノドが乾いたら、レビアの所に来るよ﹂
胸を揉みながら、乳首を吸う彼。乳首から何かが出ている。吸われ
る行為がとてつもなく気持ち良い。もっと吸って、もっと⋮
朝日を浴びて目が覚めた私。今度こそ、夢の世界から戻れたよう
だ。その証拠に、小学生姿の彼が、私の乳首を咥えた状態で、スヤス
ヤと安眠していた。電池切れの彼。きっと、私の溜まった物を出すた
めに、能力を使い切ったんだな。なんか、幸せな気分になる。今日は、
朝から気分が良い。
244
?
?
元処女神達との再会
│││一誠│││
母さんと叔父さんに、魔術文字の関連資料を集めてもらっている。
あのロキの描いた魔法陣の文字で一部わからない箇所があるためだ。
﹂
それらの資料をデータベースに取り込んで、ハニーと共に、バベルの
塔に向かった。
﹁ロデム、その後わかったことは
この塔の執事のロデムにきいてみた。
﹁特にない。データベースに追加されたデータを見たが無かったよ。
ここまで調べてなかったとなると、神格文字で正解だと思う﹂
僕も神格文字は読み書き出来るけど、あの神格文字は変異系だ。人
間の言語で言う処の方言、それもかなりきつい方言である。
﹁神格文字だと、ヴァルハラを調べないと⋮でも、ヴァルハラは、私で
は忍び込めないわ。どうしよう﹂
ハニーでは行けない。一応神の住まわし場所だし。今の僕でも、き
つ い か な。行 く の は 良 い け ど、オ ー デ ィ ン に 勝 て る 自 信 が な い。さ
欧州系の神⋮知り合いがいた覚えがあ
﹂
う∼んっと⋮そうだ、処女神のアルテミス、アテ
て、どうしようかな⋮うん
る。誰だっけかな
﹂
テナは聖闘士達のボスになっているぞ﹂
﹁聖闘士って
戦う戦士のことだ﹂
﹁それぞれ、どこに行けば逢えるかな
﹂
﹂
?
﹁大体の位置はな、周囲に結界があり正確な位置は不明だ﹂
﹁う∼ん、まずはアテナかな。ロデム、位置はわかるかな
﹁アルテミスは地上にいる。アテナはギリシアの聖域にいるようだ﹂
?
245
?
﹁ロデム、アルテミスとアテナの居場所はわかるか
ナだ。
?
﹁アルテミスは白猫化して、ある戦士のパートナーになっている。ア
?
?
﹁女神アテナに仕える闘士で、武器を嫌うアテナの意向で、拳と蹴りで
?
﹂
﹁結界との境界で良いから、位置を教えてくれ﹂
﹁了解
なんで、ここに
?
﹁よぉ、久しぶりだな、アテナ﹂
えぇ∼、シュウ
?
が聖闘士なのか
﹁貴様、アテナ様に何をする気だ﹂
﹂
一人の戦士が僕に襲いかかってきた。
﹁なぁ、アテナ。倒していい
﹁え
﹂
何だって
﹂
撃は総て、僕の身体を透過していく。
相手の拳は重そうだ。惑星系の力を纏っているのかな
﹁了解
﹁シュウ、殺さない程度にね♪﹂
?
相手の攻
﹁もう、おやめなさい。あなた達が束になっても、彼には勝て無いわ。
﹁なんだ、この力は⋮﹂
が破損する戦士。
僕は、惑星系の力を纏わしたストレートパンチを繰り出した。聖衣
﹃ギャラクティックマグナム﹄
?
?
?
なんか、後ろが騒がしい。ほぉ⋮聖衣を纏った者がたくさん、これ
﹁頼みがあってさぁ﹂
てくれた。
僕のオーラを感じ取り、見た目は子供、性癖はエロ神な僕を認識し
﹁え
﹂
転移したのは、アテナの目の前だった。
転移をした。
オーラを探す。おぉ、いた。懐かしいオーラを感じた。僕は、そこに
に教わった位置まで転移した。そして、結界を素通りして、アテナの
ハニーをキャッスルドランに強制転移させた。そして、僕はロデム
﹁わかりました。近くまでドランに移動してもらいます﹂
る。聖域ならば、僕は僕になれるから﹂
﹁ハニーは、ドランで待機していて。取り敢えず、僕だけで行ってみ
!
!
246
?
?
﹂
彼は、私の主のシュウ﹂
﹁アテナ様の主
﹁シュウ、久しぶりだけど、どうしていたの
﹂
アテナは部下からの疑問より、僕の近況に興味を抱いたようだ。僕
はアテナの現在の居城に案内された。
う∼ん、禁術系の神格文字かぁ
僕は僕に起こったことを話して、これからしたいことを伝えた。
﹂
﹁ロキのやつ、そんなことをしたの
⋮﹂
﹁どこに行けば習えるかな
?
﹂
小学生なのに拠点があるの
らっている﹂
﹁うん
﹁まぁねぇ﹂
﹂
﹁そうか⋮ねぇ、私が危機に瀕したら、助けてくれる
?
﹁勿論だよ。僕は下僕を見捨てない♪﹂
彼女と口づけをした。
﹂
﹁ウラノスの処にいたフェルズだ。今は僕の拠点の1つを管理しても
﹁誰に聞いたの
﹁そうか⋮しかし、出世したな。聖闘士のボスって聞いたぞ﹂
﹁習える場所は⋮ないかな⋮私も使えないし﹂
?
のよ∼﹂
﹁でも、ここじゃ⋮お前の部下が覗いているが⋮﹂
﹂
僕の指摘で気づいたアテナ。
﹁何をしているの
た。
?
星矢を一撃で倒した実力、
﹁アテナ様、この方の事を我々に教えて頂けませんか
援を求める程の方、この方は何者ですか
?
﹁一輝、わかったわ。皆に話しましょう。昔々の長い話を⋮﹂
未だに信じられません﹂
アテナ様が救
聖闘士の代表のような強そうな闘士が近づいてきて、アテナに跪い
?
247
?
?
?
﹁一応、私はシュウの女って立場だから、シュウ以外と交わっていない
?
?
こんなに幼い見た目なのに﹂
って、アテナの長い話が終わったようだ。
﹁真なる神なのか
しょうが無いなぁ。本来の姿を少し見せてあげた。
﹁こんな種族が⋮有り得ない⋮﹂
有り得ないと思います。当の本人の僕もねぇ。
﹁と、言う事です。なので、彼が来ても星矢のように先走って攻撃しな
いで。私の立場を考えて行動してください﹂
﹁なぁ、アテナ。ロキ達との決戦の時は⋮うっ⋮﹂
話している途中で、口で僕の口を塞ぐアテナ。
﹁援軍を求めるのは私の役目です。オラリオでは、私はあまり役立て
なかった。今回は、役立ちます。彼らと共に﹂
地上って広いもんな
で、また来ることを約束して、この場を立ち去った。
そして、自宅に戻った。アルテミスはどこだ
⋮
士っている
﹂
﹁ね ぇ、父 さ ん。地 上 に い る 戦 士 で 白 猫 を パ ー ト ナ ー に し て い る 戦
?
﹁はぁ
白猫をパートナー
う∼ん⋮﹂
﹁惑星系の戦士かもしれないんだけど﹂
アテナは惑星系の戦士を従えていたなぁ⋮アルテミスもかな
?
﹂
惑星系な力を持っているらしい﹂
﹁セーラー戦士って
﹁ポパイみたいな
﹂
﹁セーラー服で戦う戦士らしいぞ﹂
?
確かにそそるが⋮
﹁おい、まさか⋮エロ神降臨か
無茶するなよ、一誠﹂
あぁ、この家にはそういう歳の女性がいないから、忘れていたよ。
女性だぞ、一誠﹂
﹁いや、全員女性だ。っていうか、この国で、セーラー服っていったら
?
?
248
?
顔の広い父さんにきいてみた。
?
﹁惑星ねぇ⋮あぁ、いるなぁ。セーラー戦士と呼ばれている戦士達が
?
?
﹁いや、用があるのは白猫の方だよ。僕の知り合いの神らしいんだ。
﹂
例の魔法陣なんだけど、神格文字のようで、その件で聞きたいことが
あるんだ﹂
﹁そうか、あれは神格文字なのか。だから、書物にはなかったのか
﹁了解だ、父さん﹂
無茶はしないでくれ。問題が大きくなるからな﹂
﹁そっちは、俺が調べる。一誠は出来ることをしなさい。あと、無理と
なるんだよね﹂
﹁そうなると、あのエルフの少女が持っている書物の入手経路が気に
?
﹂
自分の部屋に戻り、考える。どうすれば、アルテミスを見つけられ
るのか。
﹁一誠、猫探しだってね
って、バサ姉が声を掛けてきた。
﹂
﹁うん、アルテミスっていう白猫を探しているんだ﹂
バサ姉の種族
パートナーはかわいい女子中学生よ
人間⋮じゃない、そうだ、猫しょうだ⋮
﹁ふふふ、私の種族を忘れていない
え
♪﹂
?
した。
転移をした先は普通の家だ。表札には﹃愛野﹄って書いてある。こ
こにいるのか。アルテミスのオーラを探る。あぁ、いるな、確かに。
バサ姉と共に、アルテミスの元に転移した。
│││アルテミス│││
﹂
突然、懐かしくもヤバいオーラを感じた。
﹁美奈子ちゃん、起きて
!
アルテ⋮﹂
パートナーを起こす。
﹁どうしたの
?
249
?
﹁もう、見つけたけど、どうする
?
あぁ、食べ頃ですね⋮僕は食欲が刺激されて、バサ姉と共に転移を
?
?
美奈子ちゃんの動きが停止した。この術は⋮
﹁久しぶり、アルテミス﹂
アルテミスに会いにだよ。色々聞きたいことがある。ふ
﹁シュウ⋮どうして⋮﹂
﹁どうして
∼ん、パートナーは現役の中学生か﹂
﹂
﹂
﹁待って⋮シュウの言うことは聞くから、美奈子ちゃんには手を出さ
ないで⋮﹂
﹁それよりも、何でお前、オス猫なんだ
白猫の頬が赤らんで見えた。
﹁それは⋮シュウ以外と交わらない為だよ﹂
﹁そうか⋮じゃ、この世界でも仲間になってくれるかな
﹁いや、それは⋮﹂
﹁わかれば良い。じゃぁ行こうか。ヘスティア達が待っているよ♪﹂
私は本来の姿に戻った。
﹁やめてぇ∼、シュウ⋮わかった。あなたに付いて行く。だから⋮﹂
いる彼女では、シュウの前では無力すぎた。
虚ろ⋮ダメだ。これ以上は⋮ピュアな心の持ち主で、光や愛を操って
ス。見るに堪えない姿になっていく。口元からはヨダレが垂れ、目は
プチ絶頂を繰り返し、快楽を自ら迎え入れているセーラーヴィーナ
﹁あぁ⋮いい⋮あっ⋮﹂
でいくセーラーヴィーナス。
シュウの前では女性は無力⋮シュウの術に嵌まり、快楽の沼に沈ん
都合だけど﹂
﹁ふ∼ん、戦うには刺激が強い恰好だな、アルテミス。僕にとっては好
男性が部屋に侵入したと思い変身して、戦いを挑んでしまった。
シュウが術を解いてくれた。その結果、美奈子ちゃんは、見知らぬ
﹁解いて⋮﹂
あぁ、﹃身体停止﹄されているのか⋮
ようだ﹂
﹁早くしないと、その娘が廃人になるぞ。中学生には刺激が強かった
?
?
変身状態を解いた美奈子ちゃんをベッドに横たえて、私はシュウと
250
?
共に、彼の拠点に向かった。
│││美奈子│││
アルテミスが連れ攫われた。連れ去った相手に、私は無力だった。
さ れ る が ま ま、蹂 躙 さ れ て い た。お 嫁 さ ん に 行 け な い 位 だ。責 任 を
取って貰わないと⋮
どうやって、探そう。うさぎちゃん達には知られたくないし。あん
な負け方は恥ずかしくて、仲間、いや誰にも話したくない。じゃ、ど
うしよう⋮
ふと、ある人物の名前が浮かんだ。兵藤誠⋮最強な人間で、神や魔
え
猫探しかい
どういう猫なんだ
﹁そうですけど⋮心当たりがあるんですか
﹂
﹂
﹂
王とも親交があると言われている現代の英雄だ。私は、彼の元を訪れ
た。
﹁人探し
?
﹁あっ⋮その猫は君、セーラーヴィーナスに仕えているのかな
﹁アルテミスって言う白猫なんです﹂
?
なんてラッキーな。ここで解決できそうだ。
?
誠さんの息子さんが
﹂
なんで
?
仕える白猫を探しているってね﹂
はぁ
﹁どこに行けば会えますか
?
城
﹂
﹂
誠さんの息子さんって、どこかの王なのか
﹁たぶん、息子の城にいるんじゃないかな
?
﹁どうすれば、その城に行けますか
?
?
時があるし﹂
﹂
ハウルの城みたいなのかな
﹂
移動する城なんで、息子の望む場所に移動し
﹁いや、どこにあるかなんですか
﹁あぁ、場所はどうかな
?
ているから、今の位置はわからない﹂
移動する城
?
?
﹁なぁ、悪いけど、息子に関わるのは止めて貰えないかな
?
?
251
?
﹁あぁ、昨晩、俺の息子に聞かれて、君のことを話したんだよ。戦士に
?
?
?
﹁息子か息子の仲間が一緒でないと入れない。俺も一人では入れない
?
?
﹁なんでですか
﹂
﹂
﹁息 子 の 気 の 済 む よ う に さ せ て や り た い ん だ。た と え、君 達 が 敵 に
なってもね﹂
﹁現代の英雄と言われている者の発言では無いですよね
どういう勢力なんだ
なんだよ、息子はね﹂
﹁英雄以前に、僕は父親だ。それに、君達では勝てない。そういう勢力
?
﹂
?
しょ
﹂
物ではなくて、神関係だと、そういう物で残しているかもしれないで
﹁でね、父さんに頼みがある。石碑とか壁画を調べて欲しいんだ。書
私を無視して、私の目の前で会話している親子。なんかむかつく。
わっていたみたいだよ﹂
﹁ア ル テ ミ ス に 思 い 出 し て も ら っ て い る よ。ア テ ナ と 違 い 魔 法 に 携
﹁のようだな、一誠。で、どうだった
いつの間にか誠さんの隣に少年が居た。
﹁父さん、言っても理解できないみたいだよ。この娘は﹂
?
だが、あの大陸の砂漠地帯で見つけたそうだ﹂
﹂
﹁う∼ん⋮わかった。砂漠を捜索させてみる。まだ発見されていない
書物もあるかもしれないし﹂
﹁おい。アルテミスを返しなさいよ
﹁は
あぁ﹂
少年に詰め寄った私。どう見ても私より年下なので、強く出た。
!
姿⋮
﹁希望なら、通っている学校に蒔いてきてもいいけど。どうする
?
﹂
父さん、この娘を連れて行くよ。
こっ、こんな物を蒔くって⋮ダメっ
﹁やめろ∼﹂
人に頼む態度ってあるよね
アルテミスに説明させるのが一番でしょ
?
﹁あぁ⋮無茶と無理はするなよ。はぁ⋮﹂
?
﹁はぁ
﹂
少年が数枚の写真を手渡してきた。え⋮こんな人に見せられない
?
252
?
﹁あぁ、そうだな。それはあるかもしれない。あと、ルクシャナの書物
?
?
253
﹁大丈夫、後腐れのないように防腐処理するから﹂
防腐処理って、何だ
?
推測*
│││美奈子│││
﹂
いつの間にか、少年と見た事無い場所にいた。
﹁ここはどこよ
﹂
﹂
目の前にはかわいい女性が、いるだけなのだが。
﹁目の前にいるだろ
?
あなたは
ていいかな
﹂
♪﹂
﹂
﹁はぁ⋮アルテミス。こいつはバカか
え
空気読めないのかな
アルテミスに笑われた⋮どういうこと
お前の身体に教え込んでやるよ﹂
﹂
?
ここなら、僕の能力は制限なく
手首と足首が鎖で天井と床に固定されていた。いつの間
﹁どういうことだって
えぇ∼
!
﹁この城内で、僕に勝てる訳ないだろ
?
に
?
﹁う∼、元気が取り柄みないた娘だから⋮ははは﹂
?
﹁私はあなたを守る。あなたの処女を奪った悪党は、私が倒すからね
彼の前に出ようとしたアルテミスを抱きしめて、
躾け
それを、アイツが⋮許せない。私はアルテミ
﹁な、アルテミス。こいつ、立場をわかっていないみたいだけど
スから離れて、セーラーヴィーナスに変身をした。
女性、処女神だったの
私を、涙を流しながら抱きしめてくれている女性⋮アルテミスって
も、彼が戻って来いって⋮ごめん、美奈子ちゃん﹂
て、ルナと出会い、今は美奈子ちゃんのパートナーになっていた。で
ウに捧げて、元処女神になったんだ。で、シュウと離ればなれになっ
﹁ボクはアルテミスだよ。元々処女神だった。でも、ボクの主のシュ
﹁え
﹁美奈子ちゃん⋮ここに来ちゃダメだよ⋮﹂
え
?
﹁どこにいるのよ
﹁僕の城だよ。ここにアルテミスがいる﹂
?
?
﹁美奈子ちゃんには手を出さないで⋮ボクを躾けてください﹂
?
?
?
?
?
254
?
?
?
使える。特にエロ行為はねぇ﹂
目の前の少年が、筋肉モリモリの男性の姿に変わっていく⋮いや、
人間ではない。額から角が2本生えていた⋮鬼だぁ⋮
﹁そうだよ。僕は鬼の子供だからね。愉しみだよ。成長途中の女性を
躾けることがね﹂
彼が指を鳴らすと、変身状態のまま全裸にされた。
下腹部の内部が熱い⋮頭が悶々としてきた。なんで
彼に見
﹁生身では刺激に耐えられないから、変身状態のまま、躾けする﹂
え
つめられるだけで⋮腰が⋮
躾を容認するの
﹂
なんで
﹁アルテミス、今日の躾けは視姦にする。それならいいだろ
アルテミス⋮助けてくれないの
﹁それくらいで済ましていただき、感謝いたします﹂
え
﹁アルテミス、答えてやれよ﹂
?
?
う躾が行われるんだ。なんで、美奈子ちゃん、来ちゃったんだよ。ボ
美奈子ちゃん。この城に仲間以外が来た時点で、その者には調教とい
﹁あっ、はい⋮いきなり、物理的にアレコレされないだけ、ましだよ、
?
こんな奴の
あっ⋮うぅ⋮胸が張り
クは彼の前では下僕の立場だ。君を助ける権限はない。ごめん⋮﹂
え∼、鬼の下僕って⋮なんで
裂けそうで苦しいよ∼
?
して、調教部屋に入れてきた。さてっと、
?
がするんですが﹂
魔術とは違うみたいです。フレイヤ達が言うように次元転移系な気
﹁う∼、ボクの⋮あぁ、オスの口調は抜けないな。私の知っている神格
﹁アルテミス、本題だ。あの魔法陣の意味はわかったかな
﹂
美奈子は視姦だけで達してしまった。変身状態のまま、今は首輪を
│││一誠│││
⋮
わからないよ∼こんな、悶々とした状況じゃ理解力なんかないって
有り続けたい。美奈子ちゃんにはわからないだろうな。きっと⋮﹂
﹁こんな酷いエロ神だけど⋮ボクの大事な者であるから、彼の下僕で
?
255
?
?
?
?
﹂
﹁そうか⋮そうなると、次の疑問だな。ロキは次元転移術で、オラリオ
のあった大陸ごと、この時代に転移してきた。なんでだ
﹂
﹂
﹁そうなりますよね⋮全然、災厄じゃないですよね
﹂
宮はパンドラの箱だとすると⋮ヤマトが出てくるなぁ﹂
た最初の女性ってことにはなるかぁ⋮う∼、パンドラの箱か。あの迷
繁殖を繰り返して、人類と呼ばれていたんだよ。あぁ、天界で作られ
﹁あ、あの話か⋮パンドラが送り込まれる前から女性はいた。人間は
ボと一緒に人類に送り込まれたと言われている﹂
﹁パンドラ⋮聖書とは違う天界での、最初の人間の女性。天界からツ
﹁いたよ。そこから導き出されるのは
ハニーから声があがった。
ディーテー、ヘルメスがいたのよね
﹁ね ぇ、オ ラ リ オ 時 代 の 天 界 に は ヘ フ ァ イ ス ト ス、ア テ ナ、ア プ ロ
?
﹂
んだ
﹂
﹁パンドラ自体かな
﹂
﹁なぁ、ロキって元々火が神格化したんだよな
﹁そう言われていますねぇ﹂
﹂
アリスになるなぁ。僕達のチームメンバー以外の恐怖の対象ってな
﹁まぁねぇ⋮驚くよ。それなのかな
あと、災厄⋮闇の王だとすると
﹁でも、迷宮からヤマトさんが出て来たら、それはそれで驚きですよね
転移の術かぁ⋮まさかな⋮﹂
恐怖の対象にはなるが⋮この世界にヤマトはいないから⋮あっ、強制
ない者から見たら災厄だろうな。なんせ、闇の帝王だし、破壊神だし、
﹁いや、僕達のチームとしてみれば、問題ない存在だが、ヤマトを知ら
?
﹂
?
が主神のギリシャ神話の天界の神達と、オーディンが主神のアースガ
﹁まぁ、推測の1つだよ。あと、ロキの目指す神々の黄昏って、ゼウス
=ロキってことですか
﹁言い伝えではそうです⋮あぁ、人類に対する厄災の火種のパンドラ
んだ火を人類にプレゼントしたことにゼウスが激怒してだったかな﹂
﹁で、パンドラが地上に来たのは、確か⋮プロメーテウスが天界から盗
?
?
?
256
?
?
?
?
﹂
ルズの神達の戦いって、突飛すぎるけど、推測の1つだよ﹂
﹁根拠はあるんですか
アルテミスがきいてきた。
﹁いや、アテナの率いる聖闘士達って、ギリシャ神話の最終決戦に向け
ての戦士かなって。ふと、そう思ったんだよ。あの神話体系の敵は巨
人族だったし、確かロキは巨人族の血を引いていたしね。その辺りの
絡みとか因縁があるんじゃないかなって﹂
﹁言われて見れば、伝承からの推測ですが、ロキが両方に絡んでいそう
ですね﹂
﹂
﹂
﹁アイツの高みの見物って、これかなって⋮欧州版の三大勢力戦争⋮﹂
﹁う∼、アテナは私達の勢力に付きますかね
﹁現時点では、付くというか、バックアップを頼まれた﹂
﹁でも、第三の勢力はチームシュウの可能性もありますよね
﹂
?
﹂
識があるようだから、二人で進めて欲しい﹂
﹁でね⋮美奈子ちゃんはどうなりますか
﹂
﹁あの部屋に入れたんだ。どうなるか、わかるだろ
﹁そうなりますよね⋮﹂
アルテミスと美奈子ちゃんが行方不明
│││月野うさぎ│││
﹁え
﹂
﹁アルテミスには、あの魔法陣の解析を頼みたい。フレイヤも多少知
﹁で、私は何をすれば良いのですか
﹁あるよね。ウラノスが抑え込んでいる物の正体にもよるけど﹂
?
?
?
?
?
セーラー戦士に加わることとなった元普通の中学生である。
﹁うん。連絡が付かないのよ。無事ならいいんだけど﹂
仲間のセーラー戦士である、亜美ちゃん、レイちゃん、まことちゃ
んに連絡をして、みんなで探すことにした。
私は月の光を操るセーラームーン。亜美ちゃんは、氷や水を操る
セーラーマーキューリー、
レイちゃんは炎や霊力を操るセーラーマーズ。まことちゃんは、雷
257
?
私 は 月 野 う さ ぎ。ひ ょ ん な こ と か ら メ ス の 黒 猫 の ル ナ に 出 逢 い、
?
や植物を操るセーラージュピターに変身できるセーラー戦士なのだ。
﹁美奈子ちゃんのいなくなった日の足取りを調べましょ﹂
と、亜美ちゃん。IQ300の天才で、セーラー戦士の頭脳と言っ
てよい。調べて見ると、現代の英雄と言われる、兵藤誠さんに会いに
﹂
行った後、足取りがわからなくなっていた。なので、4人で誠さんの
うさぎちゃん⋮美奈子ちゃんの事かな
家に向かった。
﹁うん
何やら事情を知っていそうな誠さん。
って、即答だ。
﹁どうしてですか
﹂
﹁彼女の事はあきらめなさい﹂
﹁お願いです。美奈子ちゃんのことを教えてください﹂
?
﹂
?
﹂
﹁現代の英雄、最強のホモサピエンスと言われている誠さんがですか
と俺の身も危ないから﹂
﹁触れてはいけない勢力に絡んだとだけ、言っておこう。あまり話す
﹁何があったんですか
﹁彼女は、もう君達と一緒には戦えないと思う﹂
と、亜美ちゃん。
?
きたら。はぁ⋮﹂
﹂
凹む誠さんを初めて見たかも⋮
﹁どんな勢力なんですか
﹁え
それって、美奈子ちゃんは⋮﹂
だ。あんまり、こだわるな。君達まで失ったら、人類の損失だと思う﹂
﹁亜美ちゃんなら、分かってくれると思うが、敵にしてはいけない勢力
?
許せない
父さん、今、あの娘が許せないって言ったけど⋮﹂
?
小学生くらいの少年が誠さんに話しかけた。誠さんの息子かな
﹁あん
﹁許さない⋮美奈子ちゃんを手に掛けた奴が⋮﹂
﹁だから、もうあきらめなさいって﹂
?
﹁いっ、一誠⋮帰ってきたのか。今日は早いな﹂
?
?
258
?
﹁あぁ⋮本気で戦えば、俺なんか瞬殺されるよ。まったく⋮アイツと
?
﹁あん
﹂
父さん、話を逸らすのは良くないよ﹂
﹂
﹁夕食は何がいいかな
﹁父さん
﹁はい⋮﹂
誠さんの顔から血の気が引いている。なんで
この感覚は⋮
なんで
﹂
?
と、ルナが囁いた。
﹂
﹁その猫、しゃべれるのか⋮アルテミスの猫仲間かな
﹁アルテミスを知っているの
ルナがきいた。
﹁下僕
﹁知っているよ。僕の下僕だ﹂
?
﹂
﹁うさぎちゃん、あの少年は人間ではないわ。注意して﹂
だ
少年に睨まれると、身体の中の何かが刺激されているみたいだ。何
﹁ふ∼ん⋮﹂
﹁うっ⋮美奈子ちゃんの行方を捜しに来たんだよ、彼女達は﹂
?
!
?
?
?
﹁彼女
アルテミスってオス猫じゃ
﹂
?
﹂
女神様
﹁シュウ
って何者
ねぇ、ルナ﹂
?
て⋮
﹂
?
﹁一誠、止めろ
﹂
これでも僕、忙しい身なんだよ﹂
﹁で、君達は地獄に行きたい
それとも、この家から出て行ってくれる
なんだ、その理由は⋮こんなおかしな奴に、そこまで惚れ込むなん
﹁はい
オス猫になったと聞いているわ﹂
﹁アルテミスが惚れ込んだ神よ。彼女は、他の男と交われないように
?
﹁昔はね。今は能力の大半が使えない、小学校1年生の兵藤一誠だ♪﹂
?
ですか
﹁うさぎちゃん⋮彼女は本来女神なんだよ⋮って、あなたがシュウ様
?
?
?
259
?
﹁君達の仲間になる前は、僕の下僕だったんだよ。彼女は﹂
?
!
?
僕は構わないよ。どうするん
誠さんが彼を制止するように、私達との間に入った。
﹂
﹁父さん、本気で親子ゲンカをします
だよ、誠
逃げろ、早く
﹂
﹁シュウ⋮まずい⋮逃げろ。俺が時間を稼ぐ。亜美ちゃん、みんなと
?
あぁ、戦闘フィールドなら、本来の姿でも負荷はかか
一番背の高いポニーテールの娘
?
な
目の前に胸を持って来て、セーラー服の上から舐める。
両手首を掴んで、上矢印状態でリフトアップする。肩がはずれるか
が、襲い掛かってきた。では、君から♪
ふふふ。どの娘から躾けるかな
﹁鬼⋮誠さんの息子が鬼だったとは⋮﹂
らないか。ってことで、本来の姿に戻る僕。
戦士なのかな
ラー服とハイレグレオタードが融合したようなコスチューム。エロ
い き な り 別 の 場 所 に 転 移 し た こ と に 驚 く 4 名。い い な ぁ。セ ー
目の前のセーラー戦士4名と僕は戦闘フィールドに転移した。
よ﹂
﹁父さん、家の中ではマズイので、コイツらと戦闘フィールドに行く
て家の中なんだけど⋮
父さんの警告を聞かずに、変身したセーラー戦士達。でも、ここっ
│││一誠│││
﹁﹁﹁うん﹂﹂﹂
取り戻す﹂
﹁逃げない。みんな、戦うわよ。そして、アルテミスと美奈子ちゃんを
!
?
﹄
これだけの刺激で、濡れてきたいる。こういう刺激は初めてなのか
な
﹃ふふふ、なぁ、太股を伝う液は何かな
それは⋮あぁ⋮お願い⋮止めて⋮﹂
躾けている娘へ念話を送る。
﹁え
?
260
!
﹁肩が⋮止めろ∼あぁ⋮あっ⋮あぁん⋮ダメ⋮﹂
?
?
?
虚ろな目で懇願された。次だな。取り敢えず、こいつも変身状態で
﹂
全裸にした。俯せで状態で力無く倒れる少女。
﹁まこちゃん⋮コイツ
﹁効かない
なんで
﹂
無く、被弾して吸収していく。
長い黒髪の少女から炎系の攻撃が発動されてきた。僕は怯むこと
!
﹁次はどっちだ
﹂
大人しくなったので、全裸にしてから放り出す。
つ、僕の唾液を飲ませる。しばらくすると、ジタバタしていた彼女が
フトアップさせて、唇を奪う。舌を挿入して、彼女の口内を刺激しつ
少女の近くまで進む。そして、気をつけの姿勢のまま、腕を掴みリ
?
来ないで∼﹂
?
﹁なら、口で奉仕してくれるかな
なぁ﹂
消えるような小さな声で訴えてきた彼女。
﹁やめてください⋮﹂
抵抗をまったくしてこない。
弄び、肉棒を下腹部にあてがう。目の前の少女は観念したみたいで、
倒した。太股の感触がたまらないな。その場で全裸にして、手で胸を
いいなぁ、恐怖を感じている、その顔⋮低位置へのタックルで押し
﹁効かない⋮なんで
頭の娘は動けないみたいだ。では、こいつを先♪
ボブヘアの娘はシトリー家みたいだ。氷と水の術使いか。お団子
?
れなりに気持ちが良い。
?
﹂
目 の 前 の 彼 女 以 外 を 家 に 強 制 転 移 さ せ て、僕 と 目 の 前 の 彼 女 で、
﹁その願いを叶えよう﹂
自己犠牲か。
れませんか
﹁あなたが満足するように努力します。だから、彼女達は見逃してく
やっと、お団子頭が動きだしたみたいだ。が、目の前の少女が、
﹁おっ、お前⋮亜美ちゃんに何させているんだ
﹂
がら、肉棒を舐めたり、口に含んだりしてくれた。ぎこちないけど、そ
頷く彼女。彼女の身体を自由にしてあげると、両手で刺激を与えな
?
261
?
?
キャッスルドランへ転移した。
│││誠│││
無傷のうさぎちゃんと、全裸のレイちゃん、まこちゃんが転移して
きた。
﹁誠さん⋮悔しい。私、何もできなかった﹂
うさぎちゃんが泣きながら俺に縋りついた。残りの全裸の2名は
﹂
その程度の能力で勝てると思うな﹂
ピクリとも動かず、床に倒れている。
﹁だから、言っただろ
﹁どの位の能力なら勝てるの
﹁神を超える能力だ﹂
﹁⋮﹂
俺の言葉に固まるうさぎちゃん。
﹂
﹁アイツを倒せるのは神を超えた者だけだ﹂
﹁神を超えた者っているんですか
ベルを超えている﹂
﹁そんなに強いんですか
ルナが驚く。
﹂
﹁いる。アイツがそうだ。能力の大半が使えないのに、すでに神のレ
固まっているうさぎちゃんをスルーして、ルナがきいてきた。
?
﹂
イツを倒す奴がいたら見てみたいが、アイツが倒れれば、この世界は
滅亡だよ﹂
﹁彼は、この世界の守護神ですか
アルテミスの調教部屋に行きたいのか
﹂
今日、手に入れた獲物に首輪を付けて、調教部屋に収納した。調教
│││一誠│││
と、全裸の二人に視線を向けた。
﹁そうだよ。エロ神成分が濃いのが問題ではあるが﹂
?
?
262
?
?
﹁あぁ、強い。全盛期はもっと強かったんだから、アイツはすごい。ア
?
部屋を出ると、アルテミスが心配した顔をしていた。
﹁どうしたんだ
?
﹁私が行けば、二人を解放してくれますか
﹂
それの繰り返しになる。わかるよな
﹂
?
艶めかしい喘ぎ声で、目が覚めた。目の前ではAVビデオ状態の
│││美奈子│││
頷くアルテミス。
にさせてやる。但し、その二人の躾はしていく。いいな﹂
向かないように説得してくれ。説得できたら、三人とも城内では自由
﹁アルテミス、この部屋にお前を幽閉する。そこの二人が僕達に牙を
﹁いえ⋮シュウの気持ちも分かる。一緒にあの時代を生きたから﹂
すまない。君の心を踏みにじる行為をして﹂
でも、現状は無理だよ。アルテミスの希望に沿いたいが、今は無理。
﹁以前のように能力が使える状態なら、遊んで解放したかもしれない。
頷くアルテミス。
ち向かうだろ
﹁今の僕には出来ない。解放すれば、また、君を奪い返す為に、僕に立
アルテミスの目を見つめる僕。
﹁ごめんなさい⋮無駄に時間を⋮でも、彼女達は解放して欲しいです﹂
くれ⋮﹂
できるくらいに戻りたいんだ。だから、何度も今の僕に言わせないで
だから鍛錬をする時間が欲しいんだよ。早く、みんなを護れると豪語
﹁アルテミス⋮今の僕は時間が惜しいんだ。能力の大半が使えない。
アルテミスを全裸にして、調教部屋に強制転移させた。
﹁アルテミス、くどい﹂
﹁私がシュウを満足させます。だから⋮﹂
﹁現時点での解放は無いな。下僕になれば解放はするけど﹂
?
首輪
声が出ない。隣を見ると、私と同じように首輪
シーンが展開されていた。あの男とアルテミスが交わっている。助
けなきゃ。え
﹁さてと、お前だ﹂
アルテミスはぐったりとしていた。
﹁あぁぁぁ⋮﹂
でつながれている亜美ちゃんがいた。
?
263
?
?
と、アイツが私の前に立つ。大きい⋮あんなの入らないって⋮
﹁入らないなら、口で奉仕してよ﹂
頭を掴み、口元にアレを近づけてきた。えぇっと⋮
身体が勝手に⋮
﹁何も知らないように装ってもダメだよ、み、な、こ、ちゃん♪﹂
え∼、そんなことを言われても⋮えっっ
﹁僕は君の身体を操ることもできるし、君の心の中も読める﹂
ダメじゃん。今まで思ったことは筒抜けなのね
﹁そうだよ。だから、声を出せなくしても、会話はできるんだよ、美奈
子ちゃん♪﹂
大きい口を開けて、アレを頬張る私。口元から唾液が流れ出してい
く。
﹁多少の無理は大丈夫だよ。変身状態だからね﹂
いや、変身状態でも無理なことはあります。それから、いくつかの
プレイの後、変身状態の私は開通された⋮隣の亜美ちゃんも⋮変身状
態だったためか、出血はなかった。
﹁変身状態だから、いつでもできるんだよ。生身じゃ、ダメな日とかあ
るけど♪﹂
﹂
変身状態って不便だ⋮あの日だからダメですって、断れないのね⋮
﹁どうすれば、ここから解放してもらえますか
亜美ちゃんが質問をしていた。
﹁亜美ちゃん、うさぎちゃん達は
﹂
アイツは出て行った。アイツが出て行くと、部屋の中は真っ暗に。
達のせいだ。反省をしろ﹂
部屋には志願して来た。されなくても良い躾をされているのは、お前
﹁僕に服従する意志を持てばだ。アルテミスは、お前達が心配で、この
?
私。
﹁まこちゃんとレイちゃんはやられた。うさぎちゃんは無事よ﹂
﹁無事⋮でも、私達を助ける為に、再度立ち向かうんだろうな﹂
﹁うん。だから、私はここに来たの。うさぎちゃんに手を出さない代
わりに、私が彼に奉仕をする為にね。私達では、絶対にあの人には勝
264
?
アイツが出て行ったことで、声が出せた。仲間の安否をまず尋ねた
?
て な い。物 理 攻 撃 も 術 で の 攻 撃 も、効 か な い。誠 さ ん が 言 っ て い た
わ。戦ってはいけない相手って⋮私もそう思う﹂
﹁攻撃が効かないって⋮﹂
﹁う∼ん、攻撃が透過したり、吸収されたりしているみたい。でも、私
﹂
達に性的ないたずら以外はしなかった。それ以外の攻撃だと、私達が
死んじゃうからだと思う﹂
﹁エロ行為以外は即死級ってこと
﹁だと思う﹂
﹂﹂
せるけど﹂
﹁実際問題、彼に勝てる者はいるんですか
﹁どの位の戦力なんですか
﹂
チームメンバーを多数持っているの﹂
﹂
惨 い か ら、そ う い う 事 は し な い で ね。そ れ に、彼 は 一 人 で は な い。
﹁いない。女性相手だと油断して、罠にはまる場合はあるけど、反撃は
だ。
亜美ちゃんが質問していく。さすが、セーラー戦士のブレーン役
?
うから、女性にはエロ行為をするの。男性相手だと躊躇なく地獄を見
﹁実際はエロ神では無いんだけど⋮うん、普通に攻撃したら、死んじゃ
私と亜美ちゃんが同時反応した。
﹁﹁エロ神
﹁彼は神なの。エロ神だけどね﹂
って、アルテミスが意識を取り戻したようだ。
﹁そう⋮亜美ちゃんの推察通りよ﹂
?
﹁たった3日で
﹂
﹁彼抜きでも3日あれば、この星を壊滅できるくらい﹂
?
私の為に⋮私が取り戻
?
い。ここで彼と共に生きる覚悟を持ちなさい﹂
﹁どのみち、私も亜美ちゃんも美奈子ちゃんも、みんなの処には戻れな
そうとしたから⋮
アルテミス⋮そんな勢力に刃向かったの
力よ。だから、もう彼とは戦おうと思わないで。お願いだから⋮﹂
﹁そう⋮でも、彼が能力を取り戻せば、一瞬で壊滅できる。その位の戦
?
265
?
﹁うさぎちゃん達を護ってくれるなら、私はここで生きます﹂
亜美ちゃんの決断は早かった。
﹁そんな彼が守護してくれれば、うさぎちゃん達はこの先、無事ですよ
ね。どんな敵が出ようが﹂
﹁それは、保証する。ただ、彼はまだ能力の大半が使えない。そのこと
が彼自身を追い詰めていたんだ。彼がこんなことをした理由を知ら
ずに、私は彼を追い詰めてしまった。私がここにいるのは彼の優しさ
だよ。追い詰めてしまった私が目の前にいたら、殺しちゃうからね﹂
そんな理由なのか。なんか、ねじ曲がった愛情だな。
遠隔でも読心できるのか⋮怖っ⋮
266
﹃ねじ曲がった愛情で悪かったな﹄
って、彼から念話が届いた。え
?
異宇宙に続く門* その2
│││シュウ│││
﹁アルテミス、君の願いを叶えるよ﹂
会う度に美奈子の救済を求めていたアルテミス。もう、彼女の哀し
﹂
い顔を見たくない。僕の言葉が意外だったのか、アルテミスが呆然と
していた。
﹁シュウ⋮いいの⋮
う絡んで来るな
﹂
﹁えっ⋮なんで⋮私もですか⋮
﹂
﹁だって、お前がいたら、取り戻しに来るだろ
習能力が無いし﹂
﹂
?
﹂
?
﹁私もお供します
﹂
﹁退路を断たないと、決心って揺らぐものだよ﹂
﹁また、片道特攻するんですか
こんな僕の為に、涙を流してくれるメイビス⋮
属になってくれ﹂
その場合、この世界に残っている僕のチームメンバー全員は一誠の眷
合、一誠を誠夫婦に戻して貰うように手配はした。メイビス、命令だ。
﹁何 も 案 ず る な。万 が 一 の 時 の 手 は 打 っ て あ る。僕 に 何 か あ っ た 場
?
声をかけてきた。
﹁月野うさぎに連絡して、返還しておいてくれるかな
﹂
僕の言葉に怪訝な表情をするリーラ。
﹁何をなさるんですか
リーラさん﹂
眠らせている三人と共に、家に帰ってきた僕をみて、リーラが僕に
﹁一誠様⋮どうしたんですか
奈子、亜美も眠らせて、家へ一緒に転移をした。
僕は、不満げな彼女を魔法で眠らせた。そして、躾部屋にいる、美
﹁やっと⋮逢えたのに⋮﹂
アイツらと来たら、学
﹁あぁ。その代わり、アルテミスを含む、セーラー戦士の関係者は、も
?
僕の決意を感じ取ったリーラ⋮いや、神メイビス。
?
267
?
?
!
!
﹁僕の命令を聞かなかったのか
で、ありがとう﹂
一誠のことを頼む。メイビス⋮今ま
珍しくリーラから緊急呼び出しが来た。仕事を中断して、家に戻る
│││誠│││
こから転移をした。
僕は、その場の空気に耐えられずに、メイビスに頭を下げたまま、そ
?
これ
﹂
と、アルテミスらしい女性、美奈子ちゃん、亜美ちゃんが寝ていた。
﹁どうしたんだ
?
ろうか
特に、思い当たる節がない。アレコレ、考えながら、う
ロキ達相手に、そんな覚悟はしないだろうし。あと、敵だと誰だ
さぎちゃんに連絡をしておく。
の勢力にだ
そこまで言うのが限界だったようで、リーラが泣きくずれた。どこ
は、一誠様を誠さん夫婦に返還する手はずにしてあるそうです﹂
﹁ど こ か に 戦 い に 征 き ま し た。相 当 ヤ バ い 相 手 で す。万 が 一 の 場 合
﹁シュウはどうした
﹂
リーラの目は、涙を溜めている上に赤い。シュウに何かあったのだ
﹁シュウが、月野うさぎに返還するようにって⋮﹂
リーラに尋ねた。
?
う∼⋮あっ⋮まさか⋮なぁ⋮﹂
せるヤツだ。それかもしれない。
異宇宙へと続く門⋮初耳だな。シュウは、先々の脅威にも目を光ら
て、確かその話に一誠君が食いついていた気が⋮﹂
﹁現状は脅威では無いんですが、異宇宙へと続く門っていうのがあっ
﹁サーゼクス、何でもいい。浮かんだことを教えてくれ﹂
サーゼクスが何かを思い出したようだった。
﹁敵ですか
と、アザゼル。
﹁現状は平和といや、平和であるが﹂
た。
う∼⋮、わからない。サーゼクスとアザゼルを呼び出してきいてみ
?
?
?
268
?
?
﹁詳しい話を聞きたい。サーゼクス、教えてくれ﹂
﹁い や、俺 も 詳 し く は 無 い ん で す。詳 し い 話 は A M P と い う 組 織 の
知らないなぁ⋮AMPだと、レビア・マーベ
トップで、ラリー・シャイアンという人物に聞いて下さい﹂
ラリー・シャイアン
リックか。
﹄
中に入った。
﹁お前⋮鍵はどうした
﹂
老人が僕に声を掛けてきた。
﹁ギゲルフ・リキュールさんですよね
?
﹁おい、貴様
何をしているんだ
﹂
を構成している魔法陣を書き換えて、無効化させていく。
た。これで、門は消せる。僕は門の廻りにある結界をすり抜けて、門
何か言おうとしていう老人を、ラリーさんの部屋に強制転移させ
滅ぼす為に来ました﹂
あなたを救出して、この世界を
僕は門に手を付けて、
﹁封印・結界無効﹂スキルにより、門を開けて
﹃了解
喰って良い相手を間違えるなよ﹄
﹃ルシフェルとネメシス以外は喰ってよい。その2名は保護対象だ。
見つけた。僕の魂に宿る仲間達に、作戦を伝えておく。
次元の狭間を、アポとオーフィスに探索してもらい、ようやく門を
│││シュウ│││
俺は、レビアの元へと向かった。
で、待機していてくれ﹂
﹁わかった。ちょっと、聞いてくる。応援を要請するかもしれないの
?
?
?
﹁おい、野郎共
喰ってこい
﹂
門を展開して、仲間に出撃してもらった。
お客さんの来店が予想より早いなぁ。僕は、ありったけの龍門、獣
!
!
の魔法陣の書き換え作業を急いだ。
始めた。最期の晩餐になるのかな⋮みんな、ごめんね⋮僕は、目の前
っと。伝説級のドラゴン、魔獣が多数出現して、お客さんを捕食し
!
269
!
│││ラリー│││
何の前触れも無く、意外な人物が転移してきた。
﹁ギゲルフ様⋮どうして⋮﹂
﹂
転移してきたギゲルフ様も驚いているようだった。
﹂
﹁ラリーか⋮どうして⋮私はここに
﹁何が起きたんですか
?
まさか⋮そこに誠殿が転移してきた。
ことしかできなかったのに⋮﹂
﹁ラリーさん、俺の息子はどこにいるんだ
誠殿の顔は鬼気迫っていた。
﹁行けないって
どうしてだ
﹂
﹂
うコチラの世界からは、行けないと思います﹂
﹁妖魔のすむ世界とこの世界を結ぶ門に、一誠君はいます。たぶん、も
?
﹁しかし、子供一人では、どうにもならない。私一人でも、門を閉じる
協力者です﹂
﹁ギゲルフ様、あなたを保護してくれたのは、兵藤一誠君です。我々の
私は確信をした。門絡みで彼が動いたことを。
たいんですが⋮﹂
﹁ラリーさん、初めまして。兵藤誠と申します。門についてお聞きし
子供
﹁門の外から子供が入って来て、私をここに強制転移させたのだ﹂
?
?
ラの世界へと、侵攻しないように﹂
?
なぁ⋮俺はアイツに恩を
?
﹁アチラの世界で侵攻を抑えている女神が、彼の知り合いだから⋮彼
返していない⋮﹂
﹁なんで、アイツがしないといけないんだ
私の言葉の意味を理解した誠殿の声のトーンは落ちていった。
消して、それからアチラの世界の魔法陣を消すと思います﹂
います。彼のことですから、安全な方法で、コチラの世界の魔法陣を
﹁門は、コチラの世界とアチラの世界の両方から、魔法陣により繋げて
﹁門を消すだけなら、助けにいけるよな
﹂
﹁彼はたぶん門を消滅させているはずです。アチラの世界の者がコチ
?
270
?
あの少年は
は、彼女を救いに行ったんです﹂
﹁ネメシスと知り合いなのか
﹂
?
うです﹂
彼は死ぬつもりか
﹂
?
﹁了解
﹂
﹁ツヴァイ、融合だ﹂
門は完全に消滅した。さて、僕も戦うかな。
│││シュウ│││
めないから。
私もそう思う。思いたくないけど⋮アチラの世界に、援軍は送り込
﹁あぁ、たぶん⋮﹂
﹁能力がロストしているのか
誠殿はギゲルフ殿の問いに、力が宿らぬ声で答えた。
﹁あぁ、能力の大半をロストさせられた神だ﹂
﹁あの少年は神なのか
﹂
﹁そうです。ネメシスにしたら、異なる宇宙の神同士の叶わぬ恋のよ
ギゲルフ様から尋ねられた。
?
?
﹂
﹁アギト、頼む﹂
﹁了解
アギトに、僕に足りない物を生産してもらう。
﹁オーフィス、ごめん、頼む﹂
﹁我、シュウと一緒で幸せ♪﹂
アギトの作りだした魔力をオーフィスに溜め込んでいく。
﹂
﹂
﹁ドライグ、いつも通り頼む﹂
﹁了解
﹁シュウ、何をしましょうか
﹁了解です
﹂
﹁ダイヤモンドダストを聖属性で、頼む﹂
ツヴァイが作戦をきいてきた。
?
こうして、邪界という世界を壊滅するため、僕達の殺戮は始まった。
!
271
?
ツヴァイと融合して、ツヴァイの能力を使えるようにした。
!
!
!
│││ラリー│││
﹁お父様⋮﹂
ギゲルフ殿の娘、香津美・リキュールが彼に縋り付いた。誠殿は、後
﹂
から来た一香殿に優しく抱きしめられ、互いにシュウのことを心配し
ているようだ。
﹁ラリー、どうにかならないのか
魔王サーゼクスが私に問う。
﹁アチラの世界に行けない以上、どうにもならない。本来、異なる宇宙
間の行き来は、絶対神様の間でしかできない事だ。それを、ギゲルフ
殿の弟子であったガノッサ・マクシミリアンが、強引に開いたにすぎ
ない。今までが異常だったのだ﹂
﹂
絶対神様の間には、我々では行けない。最高神でも行けない
﹁絶対神様の間に行けば、行けるのか
﹁はぁ
んだぞ﹂
﹁そんな⋮﹂
一生、下僕生活じゃなかっ
目の前にいるアルテミスは、泣きくずれていた。そんな彼女を
気が付いたら、兵藤家にいた。なんで
│││美奈子│││
?
で⋮﹂
﹂
亜美ちゃんも泣いていた。絶縁
それはそれで良かったじゃない
か、っと思うのだけど、空気はそうではないようだった。なんでだ
﹁アルテミス⋮泣いていても解決しないから﹂
と、うさぎちゃんが元気づけていた。
﹁でも⋮私が追い詰めてしまった⋮メイビス様、すみません﹂
?
?
272
?
うさぎちゃん達が、宥めていた。どうしたんだ
﹁美奈子ちゃん、目覚めたのね﹂
何があったの
亜美ちゃんが声をかけてきた。
﹁どうしたの
?
﹁彼が⋮アルテミスと絶縁したの。やっと出逢えたのに⋮私達のせい
?
?
たの
?
?
?
アルテミスがメイド姿の女性に謝っている。女神なのに、なんで
﹂
﹃本当に来たの⋮大丈夫
﹄
﹃ネメシス⋮迎えに来たよ。遅くなって、ごめんな﹄
やっと、ネメシスからの念話を捉えた。
﹃シュウ⋮﹄
戦闘意欲を切らさないようにしないとな。
仲間達は久しぶりの捕食で、戦闘意欲は衰えていないようだ。僕も
が大挙して攻め込んだら、一誠の世界は危なかった。
こんなに妖魔っているのか⋮門を消滅させて良かった。こんなの
﹁1/3くらいだ。まだまだ先は長そうじゃ﹂
﹁忍、どのくらい
ないと。無意識な暴走状態だと、仲間すら屠りそうで怖い。
トしてくれていた。ネメシスに逢うまで意識を飛ばさないようにし
僕の魂の中で、一誠が応援してくれている。魔人の血も僕をサポー
│││シュウ│││
り合っているようだった。
メイドさんは数枚の会話型魔法陣と思しき物を展開して、連絡を取
仲間は、無茶が多いからね﹂
﹁それに今、援軍が編成されている。絶対に救出してくれるよ。彼の
くれていた。
女神よりも立場が上みたいなメイドさんが、アルテミスを気遣って
待とうよ﹂
﹁アルテミス⋮いつもの事だよ。きっと、帰ってきてくれる。気長に
?
れ﹄
﹃わかった♪﹄
なんか、女性の声を聞いて、元気が出て来た。エロ神だからか
│││絶対神│││
シュウが無茶をすると、いつもこうなるのじゃが⋮アイツの子供を
?
﹃あ ぁ。ル シ フ ェ ル と ネ メ シ ス は 救 い 出 す。も う し ば ら く 耐 え て く
?
273
?
筆頭に、儂を脅してきた。
﹁私達は無理難題を言っているんじゃない。お父ちゃんを助けに行き
たいだけなんだよ∼﹂
シュウの長女の爆弾娘が、儂に脅しを掛けて来ている。絶対神に脅
しをかける輩は、後にも先にもコイツだけじゃろうな⋮
どうしたものか⋮こいつら、有言実行の暴走をするから⋮はぁ∼⋮
シュウの配下の部隊は1隊だけでも、星1つを壊滅するのは訳ない戦
﹂
力である。問題解決の早道、壊滅を選んで良いかって⋮解決にならな
いだろうに⋮
﹁団長を見殺しにするおつもりですか
あれはど
シュウのチームの副団長、こいつも厄介だ。一人で星を消すくらい
は訳ないヤツだし。
﹂
﹂
任務で他の宇宙の揉め事も解決してきましたよね
﹁しかしじゃ、ルールなんだ。他の宇宙には手を出せない﹂
﹁はぁ
ういうことですか
﹁案件は別じゃ⋮﹂
﹂
﹁では、今回の件も案件に加えてもらえませんか
﹁断ったら、どうするつもりじゃ
?
それとも、2大勢力戦争でもします
絶対神の上司VSチームシュウで⋮ふふふ﹂
ば、どんな罰でもクソくらいだ
か
!
は、コイツの前では屑同然のようじゃ。
﹁待て⋮わかった。上司に掛け合ってみる⋮﹂
絶対神を襲名して以来、最大の危機であった。
│││シュウ│││
﹁あと、1/3じゃ﹂
忍 の 声 が 聞 こ え た。よ う や く、2 / 3 を 壊 滅 で き た み た い だ。ツ
ヴァイ、アギトがオーバーワークで休憩に入ったので、妖刀と魔剣、魔
皇剣での殺戮に切り替えた。一体、何億のルシファーホークがいるん
274
?
﹁絶 対 神 の 間 を 総 て 消 し 去 り ま す。団 長 を 見 殺 し に す る く ら い な ら
?
?
?
?
なんで、こいつら、こんなにイカれているのじゃ⋮絶対神の威厳さ
?
だ
能力が完全に戻っていれば、一瞬でケリつけられたのに⋮あぁ、エ
ロ行為がしたい⋮
そんな心が折れ始めた頃、ナヴィから念話が届いた。
儂は命がいくら
﹃団長、緊急案件に指定されました。チームシュウ全軍、スクランブル
誰だよ。僕の上司を恐喝したバカは⋮
しました﹄
はぁ
﹄
﹃シ ュ ウ ⋮ 頼 む か ら も う、無 茶 は 止 め て く れ ん か
あっても足りんぞ
?
?
﹄
﹄
!
それって⋮僕、能力が全開でいけるじゃん。僕の統括する予
?
みんなは、僕の統括する予定のこの宇宙に、本拠地を作り始めた。
僕は、ネメシスの元に向かう。
﹁遅くなって、ごめん﹂
彼女にそう告げた。
?
﹁ありがとう♪﹂
﹁ルシフェル、一人になってしまうが、この世界を統べてくれるか
﹂
この世界の魔王に言葉をかける。
﹁俺を生かすのか
﹂
全軍が到着後、1分足らずで壊滅をさせることができた。僕以外の
│││
そして、僕は本来の能力を発揮した。
れるのだ。
を移動させてくれた。僕の統括する宇宙であるから、理は僕が決めら
定の宇宙。僕の上司は、粋な計らいをしてくれて、そこに、この世界
はぁ
転移させた。思う存分に暴れてみろ、シュウ
﹃長女と副団長だ⋮問題はないようにした。その世界を第13宇宙に
か
﹃すみません。ご迷惑をおかけして⋮今回はどこのバカがやりました
議なくらいだ。
と、上司からも念話が届いた。声に怒りが含まれていないのが不思
!
?
275
?
?
﹁あぁ。裁定権は僕に移ったから﹂
﹁シュウ⋮ここって⋮﹂
ネメシスは僕の言葉の意味を理解したようだ。
﹁そうだよ。僕が統括する宇宙だよ、ネメシス﹂
﹁一緒にいられるのね⋮﹂
﹁うん♪﹂
ネメシスの笑顔を久しぶりに見た。
﹁そういうことだ、ルシフェル。君を、この世界の初代魔王に任命す
﹂
る。だから、当分は一人だけど、徐々に住民を増やすから⋮だから⋮﹂
﹁シュウ⋮君って神は⋮変わり者だな﹂
﹁あぁ、エロ神だからね﹂
﹁わかった。お受けする。ラリー達、ハーフは戻れるのか
﹁交渉してみる。ラリー達の世界も、ここに移転できるようにね﹂
│││誠│││
シュウの為に何もできない無力感から、家に閉じこもった俺。一香
も仕事に出掛けない。娘達も学校へ行かずに、それぞれの部屋に閉じ
こもっている。リーラ、アルテミスは、あがいてくると、出掛けたま
まだ。
シュウが消えてから3日経った。部屋のドアがノックされて、何者
かが入って来た。
﹁誠、ただいま♪﹂
耳を疑った俺。ここにいないはずの者の声が聞こえた。声の主を
見ると⋮一誠姿のシュウがドアの前にいた。
﹁シュウ⋮﹂
﹁無事に帰還しました。ネメシスを救助できたよ♪﹂
シュウから聞かされた、今回の戦闘奇譚。
﹁なんだって⋮10億の妖魔を2日で壊滅だと⋮﹂
﹂
276
?
﹁2/3で2日がかりだったんだけど、全軍がスクランブルしてきて
全軍って、チームシュウのメンバー全員でか
?
から1分で終わったよ﹂
﹁はぃ
?
妖魔が住み着く星の1/3を1分で壊滅って
﹁うん♪どんな罰でも受ける覚悟で、来てくれた、愛すべき仲間達だ
♪﹂
どんだけの戦力だ
⋮
﹁どんなペナだ
﹂
僕にペナルティが付いたよ⋮あぁ⋮﹂
﹁僕の仲間のイカれ具合で、上司が動いてくれたそうだよ。おかげで、
?
うん
シュウの管轄エリアってなんだ
僕の統轄エリアの管理、育成の2つこなせって⋮﹂
﹁ここの案件、オラリオ消失の謎の解明、それに関わる悪事の壊滅と、
?
⋮シュウって絶対神だったのか
て感じかな﹂
エロ神でなくて⋮
シュウ⋮お前、間違っているぞ。エロ神がペナだろ
て言ったら、戻すね﹂
それって、まさか⋮
ちょっと待て⋮じゃ、この宇宙の絶対神って
動されたよ。ごめんね⋮﹂
あん
誠﹂
普通は⋮
﹁だから、無理なことができる。この世界は絶対に平和にするから、
恥ずかしそうなシュウ。
﹁僕だけど⋮エロ神が絶対神って⋮アレだよね、ごめんね﹂
?
﹁元々、第8宇宙にあったんだけど、今回の一件でね、第13宇宙に移
﹁なぁ⋮この世界の宇宙って、どこなんだ
﹂
自分の管轄宇宙だと、僕が理を決められるからね♪﹂
﹁それって⋮全能力が戻ったのか
﹂
もうしばらく僕といたいって言うんだよ。だから、一誠が戻りたいっ
﹁普通はわからない。僕にとっては僕しか知らないし⋮でだ、一誠が
?
﹁う∼ん、僕はエロ神で良いんだけどね⋮まぁ、ペナが絶対神に就任っ
はぃ
管理、育成をしないといけなくなったんだ﹂
はずだったんだけど、第13宇宙の絶対神になって、その宇宙全域の
﹁あぁ、本来ならば、ここの案件が終わってから、単身赴任してこなす
?
?
?
﹁うん
?
277
?
?
?
?
一転、真面目な顔で俺にそう告げた。
│││││││
翌日、俺と一香で、ラリーの元に向かった。シュウは相当な無理を
したようで、電池切れでダウンしていた。
ラリーの元には、アザゼル、サーゼクス、ミカエルが待っていた。俺
から今回の顛末を聞くためだ。
﹂
シュウから聞いた情報を話す俺。驚愕な結末にのけぞる、みんな。
﹁なんだって⋮シュウが絶対神になったって⋮﹂
サーゼクスが固まる。
﹁絶対神はペナで、エロ神だって言い張っているのか
ラリーはあきれた顔をしている。
いってことだろ
﹂
﹂
﹁な ん か、ト ラ ブ ル が 多 発 し そ う だ な。ア イ ツ を 罰 す る ヤ ツ が い な
接すれば良いんだ
﹁で、絶対神なのに、今まで通り、俺の子供として生活するって⋮どう、
?
﹁一応、今までの上司、第8宇宙の絶対神が、監督してくれるみたいだ。
﹂
シュウ本人はエロ神だからって、今まで通り、上司になってもらうっ
て譲らなかったようだ﹂
﹁で、第13宇宙には、どんな世界があるんだ
ラリーがまともな質問をしてくれた。
﹁ルシフェルは生きているのか
﹂
りしても良いって、邪界の魔王のルシフェルが言っているそうだ﹂
拠を作っているそうだけど⋮そうだ、ラリー達ハーフはいつでも里帰
﹁まだ2つだそうだ。ここと、邪界だけ。まぁ、もう1つ、シュウの本
?
﹁はぁ
妖魔が50億近くいたはずだぞ。それを壊滅って⋮﹂
壊滅させたって﹂
﹁邪界での生き残りは、ルシフェルとネメシスだけだそうだ。あとは、
?
﹁戦力はどのくらいだったんだ
﹂
?
278
?
アザゼルが困った顔をしている。
?
10億でなくて50億なのか⋮おぃおぃ⋮
?
アザゼルが興味深そうにきいてきた。
﹁2/3をシュウ一人で2日かかったそうだ。で、残りの1/3は全
軍で叩いて1分だって⋮﹂
その場にいた俺と一香を除く者達の目が点になっていく。いや、脅
﹂
威的な戦力だと思うよ、俺でもね。
﹁ラリー、妖魔って弱いのか
アザゼルが確認をする。
﹁この世界の最上級悪魔程度の強さだ﹂
ラリーが言い難そうに答えた。
﹁をい⋮サーゼクス、ケンカは売るなよ。一瞬で壊滅はウソでないみ
たいだ﹂
﹁売らないよ。リーアが怒る。お兄様と呼んでもらえなくなる方が、
俺に取っては怖い﹂
﹁ラリー、そんな感じだ。この世界への脅威の1つは消えた﹂
﹁あとは、オラリオ消失の謎か⋮ロキとリリンは各勢力に指名手配し
ている。見つけしだい、捕縛する﹂
│││美奈子│││
私の前に現れた女神姿のアルテミス。私は決断をしないといけな
い。
本当にいいの
﹂
一瞬でお城の中に連れ込まれた私。え∼っと⋮
﹁そう⋮じゃ、美奈子ちゃん、一緒に行こう♪﹂
はぁい
アルテ
ミスを送り出そうとしたのに⋮私ってアルテミスのオマケなのかな
?
小学生姿のアイツが、私に抱きついて、私の至る場所の匂いを嗅ぎ
279
?
﹁アルテミス⋮今まで、ありがとう。アルテミスの好きなようにして
いいから⋮﹂
美奈子ちゃん
?
アルテミスにそう伝えた。
﹁いいの
?
いいに決まっているでしょ⋮私は愛を司るセーラー戦士だよ⋮
?
?
﹁美奈子、決断したのか﹂
?
廻る。
﹁安らぐなぁ⋮添え寝して♪﹂
無邪気な顔のアイツが、そう言ってきた。はぁい
顔で見守っている。どうしてこうなったのよ∼
アルテミスは笑
私は、アイツにエスコートされて、寝室に⋮そして、ベッドに横た
?
エロ行為は
なんで
わった。アイツは、私に抱きついて、スヤスヤと寝てしまった。どう
した
?
す﹄
って、アルテミスから念話が届いた。私がエロ行為を望む
ない有り得ない。そんなことは有り得ないって。
?
をしているの
美奈子ちゃんが自分の意志で、また囚われの身になったそうだ。何
│││うさぎ│││
そう思いながらも、彼の手の平の感触を楽しんでいる自分がいた。
すぎるだろう。これは拷問なのか⋮
がわかる。あぁ、ほしい⋮でも、小学生姿の彼には望めない⋮惨い、惨
触れている。それだけなのに、身体の奥から暖かい物が蠢いているの
アイツの小さく暖かい手の平が、下着すらも透過して、直に乳首に
あっ⋮はぅ⋮
有り得
まぁ、エロ行為を望む美奈子ちゃんは傍に置いておきたいってことで
﹃久 し ぶ り に 死 線 を 越 え る 戦 闘 を し た の で、今 は 寝 る だ け で す よ。
?
弄ぶんじゃないの
と思う﹂
遊ぶ
?
﹁今は結構、のんびりとして生活しているから、適度には遊んでくれる
そうなるのか⋮
ないよ﹂
﹁寝る時以外は自由行動だから、囚われっていう言葉には当てはまら
と、誠さんに釘を刺された。確かに自分の意志だとなぁ⋮
﹁自分意志でいるんだから、取り返すとか考えないでくれよ﹂
?
280
?
﹁ははは、そうかもな。まぁ、殺されないだけマシだよ。今回の案件
?
で、アイツの戦力を知ることができた。セーラー戦士全員で戦っても
無駄だからね﹂
私達の知らないうちに、大きな戦争があったらしい。いわゆる星間
戦争らしいのだが、アイツの戦力は凄まじいものだったそうだ。詳し
い内容は教えてくれないかったけど、誠さんが50億人いたとして、
それをたった2日で壊滅したらしい。どんだけの戦力なんだ
﹁俺なんかでも、一瞬で屠られちゃうんだろうな♪﹂
にないって言うのイヤだ。
﹁え∼っと⋮一誠君の好みって
﹁ただいま∼﹂
アイツが帰ってきた。
﹁おっ、一誠、おかえり﹂
﹂
て、仕事は中断だそうだ﹂
﹁あれは、どうなったかな
﹂
﹂
虐
アイツ、極度のエスだから﹂
今、場所をピックアップしてもらっている。闇雲に廻
私を一瞥したアイツ。
﹁一誠、うさぎちゃんが相手をして欲しいみたいだよ﹂
﹁そうだね⋮少し鍛錬してから、帰るわ﹂
るより、効率が良いだろう
﹁壁画とかか
﹂
﹁当分、休みだ。今回の案件で、各勢力があれこれ練っているらしく
﹁父さん、仕事は
?
ちょっと、ショックだよ。変な行為をされるのはイヤだけど、眼中
﹁それは、きっと、うさぎちゃんが好みで無いんだろう﹂
あぁ、それは問題だ。でも、私だけ手を出されていないんだけど⋮
問題は育成費は身体で払わされることだけどな﹂
﹁まぁ、適度に鍛えられてくれば、今後の役には立つんじゃないかな
相手はウェルカムなのかな
なんか楽しそうに話す誠さん。誠さんクラスの英雄になると、強い
?
何だろうな⋮女王様タイプとかマゾっ娘かな
めがいがあるのが好きじゃないかな
﹁アイツの好みか
?
冷静に、小学生の息子さんの好みを分析してくれた誠さん。
?
?
?
281
?
?
?
?
?
﹂
﹁鍛錬相手にも、プレイ相手にもならないよ。ねぇ、お姉さんのお仲間
を、襲って良いかな
﹂
誰だ
良みたいでね。
﹂
﹁お姉さん、冥王せつなさんですよね
迷わず声をかける。
﹁あなたは、どなたかしら
突然、身構えるせつなさん。
﹂
ふふふ﹂
?
﹁セーラーヴィーナスを囲っているって言えば分かるかな
?
﹂
?
﹂
出したせつなさん。だんだんと目がうつろになっていく。
腰が小刻みに動いている。僕にだけ聞こえるくらいの小さな声を
﹁いやっ⋮こんな場所で⋮やめてぇ⋮﹂
遠隔でクリちゃんを刺激してあげる。
﹁貴様⋮﹂
﹁次はどこを奪うと良いですか
まりの悪くなったであろう胸に、手を寄せるせつなさん。
褐色の肌に紅が差していく。次にブラウスの中の布を奪う。急に収
奪った布きれの一部を見せて、そう伝えた。股を閉じ気味にして、
﹁お姉さんの匂いって、良い香りですよね﹂
のせつなさん。
のスカートの中にある布きれを奪い去った。違和感を感じた素振り
身構えたまま動けないせつなさん。僕は念動力でいたぶる。短め
?
?
﹁人混みの多い、大学の正門前で変身します
﹂
色の肌に黒に近い深緑色の長髪の女性。緑系統の髪は好きだな。由
て い る。と あ る 大 学 の 前 に 来 た。目 指 す 女 性 は 直 ぐ に 分 か っ た。褐
ノープランで動いたけど、どうしようかな。多少のエロ心は芽生え
│││一誠│││
そういうと、彼は転移してしまった。どうしよう⋮
﹁大学生とか高校生とかがいるんでしょ
仲間を襲う
?
﹁どんな場所ならいいですか
?
282
?
?
?
僕はせつなさんと転移した。転移した先は、キャッスルドランのい
つもの部屋。僕は、本来の姿に戻る。
﹁ここなら、どんなに騒いでも大丈夫だ。防音だし♪﹂
目がうつろなまま、変身をするせつなさん。罠なんだけどね⋮セー
変身すると、全裸に
ラー戦士もハニー同様、変身途中で全裸になる瞬間が一瞬あった。そ
の瞬間に﹃身体停止﹄の術をかけた。
﹁やっぱり、セーラー戦士って、エロ系ですよね
なるんだから﹂
﹁罠⋮くそっ⋮あふっ∼﹂
しゃべっている途中で上から載り、唇を奪い、胸と腿の感触を愉し
む。う∼ん、中学生のセーラー戦士より、気持ち良いなぁ♪
﹁うっ⋮うぐっ⋮﹂
せつなさんの舌を吸い込みつつ、僕の唾液を流し込んでいく。彼女
の口の中は、僕の唾液で満たされていき、溢れて頬を流れていく。目
がトロ∼ンとしてきた。片手で濡れ具合を確かめると、充分過ぎる量
が湧き出ていた。僕は、彼女と一体化していき、膜を破り、僕の印を
刻み込む。
この辺りになると観念したのか、愉しむ方向になっているせつなさ
ん。
283
?
納豆*
│││せつな│││
朝、目覚めると知らない部屋のベッドに、彼と添え寝をしていた。
彼は私の乳首を咥えたまま、スヤスヤと眠っていた。昨晩感じた、ギ
トギトとしたエロ的なオーラはまるで感じられない。私の事を信頼
して、寄り添って寝ているようだ。どういうことだ
﹁あっ、せつなお姉さん、おはようございます﹂
まだ眠そうな顔の彼が声を掛けてきた。
﹂
﹁おはよう⋮ここはどこかな
﹂
ここは⋮僕の家かな
?
昨晩と別人に感じるんだけど﹂
シュウさんと僕は別人ですから。難しいことはお父さんに聞
﹂
﹁すまないね。一誠が答えれなくて﹂
では、彼は誠さんの息子さん
誠さんが頭をかきながら言う。
﹁兵藤誠さんですよね
?
﹁絶対神様⋮誠さんの息子さんって⋮﹂
誠さんの口から事実を聞かされた。内容は衝撃的な物であった。
﹁そうだよ。正式にはそうだ。事実は違うけど⋮﹂
﹂
入って来た人物に記憶があった。確か、現代の英雄、兵藤誠さんだ。
﹁はい、大丈夫です﹂
彼の父親らしき人の声が聞こえた。
﹁入っても大丈夫かな
するとドアがノックされて、
彼は、父親を呼びに行ってくれた。私は、服を着ていく。しばらく、
いや、私も良く分からないのだけど⋮
いて下さい。僕はまだ小学生なので、良くわからないんです﹂
﹁昨晩
﹁なぁ、聞いて良いか
﹁ここは、僕の家です﹂
抜け出して、部屋をでて、外の様子を窺い、戻って来た。
寝ぼけているのか、彼自身も自信がないようだった。ベッドから、
﹁ここ
?
?
?
?
284
?
?
?
﹁実際はね。ただ、彼の厚意で、自宅で目覚めてから小学校の帰宅時間
までは、息子の人格が現れるんだ。いずれ分離した時に、通学の記憶、
学校での想い出を残してあげたいって﹂
﹁では、昨日、私を襲ったのは⋮﹂
﹁エロ神のシュウだ。たぶん、エロ部分は付録だ。メインの目的は別
にあると思う。普通の考え方と違うから。絶対神になったのはペナ
ルティだって言い張るくらいだからね、ははは﹂
絶対神って成りたくても慣れない地位なのに、ペナルティって⋮
﹂
ずっとエロ神のままでかまわないって、斜め上に行くのか。
﹁セーラープルートは時空の番人だったよね
﹁そうです﹂
﹂
の宇宙を管轄する絶対神だからね﹂
﹂
君 は 自 由 な 身 だ よ。シ ュ ウ が ヤ リ た い っ て
﹁セーラー戦士で囲われているのは私だけですか
﹁囲 っ て い な い で し ょ
?
﹁女性に対しては害かもしれないけど、世界的には無害だ。なんせこ
﹁害は無いんですね
な神だから⋮まぁ、嫌いじゃなかったら協力をしてあげてほしい﹂
﹁たぶん、その辺りなんだろうな。本題よりエロ心を満喫する方が先
?
い事は叶うと思うよ﹂
?
一応、僕の息子なんだよ、戦わない。もう、手合わせもしたく
﹁誠さんはシュウなるエロ神とは戦わないんですか
﹁はぁ
﹂
思った時に、攫われる危険があるけど、身体を捧げているんだから、願
?
級悪魔を壊滅させる戦闘力を持っているんだ。それも、まだ成長途中
なのにな⋮で、お釣りが来るほど強いのに、まだ上を目指す向上心。
勝て無いよ﹂
頂点に君臨しても、まだ鍛錬をしているのか
﹁まぁ、女性の敵のようなヤツだけど、交わった君ならわかるだろう
交わった相手にはなんらかの加護は与えてくれているはずだよ﹂
か。昨晩、あんな目に遭った割には、今朝は気分が晴れやかであった。
加護⋮気負っていた心が癒やされるようだったのは、そのせいなの
?
?
285
?
ないかな⋮絶望を感じる程、アイツは強い。2日で30億ほどの最上
?
﹁分かりました。彼に協力しますとお伝えください。あと、街中でア
レコレするのはやめてくださいとお伝えくださいね﹂
って、誠さんに伝えて、私も大学に向かった。
│││シュウ│││
一誠と人格をスイッチして、これから大人の時間を満喫しようっと
♪あっ、そうだ、その前にせつなさんに、本題を伝えないといかんな。
﹂
大学の正門前で待ち伏せをすることにした。
﹁おい、そこのチビ
﹂
﹂
﹂
﹁ちょっと、来い
﹁お兄さんは誰
知らない男⋮いや男装女性のようだ。
﹁おい、お前だ
誰かに呼ばれた気がしたがスルーする。
!
﹁おい、お前は何者だ
﹂
の別荘に連れて行かれた。
リットである。車に乗せられて、運ばれること1時間くらい。どこか
僕は抱き抱えられて、どこかに連れて行かれる。小学生姿のデメ
!
小学生だよ⋮お兄さんは誰
を拘束されてしまった。
﹁僕
﹂
﹂
昨日の行動を見られたのかな
﹁昨日、せつなをどうしたんだ
うん
ラー戦士か。
﹂
?
﹁えっ⋮あっ⋮いぃ⋮﹂
手足を拘束しても無駄なんだけど、念動力でみちるさんを弄ぶ。
﹁で、お前は何者で、何をしようとしているんだ
おとぼけをしながら、プランを練るノープランな僕。
?
﹂
﹁なんで、知っているんだ
﹂
﹁あぁ、お兄さんは天王はるか、お姉さんは海王みちるかな
?
?
どうだっけ
﹁せつなさんに聞いたかな
?
﹂
って、ことはコイツらもセー
車に乗っている間に、同乗していた女性らしい女性姿の者に、手足
?
286
!
?
?
?
?
?
?
﹂
艶めかしい喘ぎ声も漏らし始めたみちるさん。深緑系の髪の毛な
みちる⋮お前、何をしたんだ
エロ行為の禁断症状でも出たので
?
のもそそるなぁ。
﹁どうした
手足を拘束されているけど
﹁僕
?
?
顔色が変だよ﹂
?
さっきまでの威勢はさぁ
拘束を外して、お兄さんの傍に寄る。
﹁どうしたの
ふふふ﹂
﹂
姉さんの方は果てて居た。お兄さんはまだ、意識があるようだ。
お兄さんの腕を後ろ手にして拘束した。どうしてやろうかな
?
﹁お兄さんへの拷問って、お姉さんにした方が良いのかな
僕を睨み付けるお兄さん。
﹁やめろ⋮俺にしろ⋮﹂
お兄さんって、女の人なの
﹂
?
?
?
そう。それでは。指を弾くと、お兄さんは全裸になった。
﹁あれ
?
お
床を這いつくばり、みちるさんに近づこうとするお兄さん。手足の
﹁あぁぁぁぁ⋮﹂
﹁お兄さん、どうしたのかな
さん。その場で腹這いになって倒れ込んだ。
はるかさんも、念動力で遊んでみる。顔色が悪くなってきたはるか
﹂
は
?
やめろ∼﹂
?
た。
あっ、せつなさんの処に行かないと。僕はせつなさんの元に転移し
納豆のぬめり感で、達してしまったはるかさん。つまらないなぁ⋮
﹁やっ⋮あっ⋮あぁ⋮﹂
そして、割れ目の中でかき混ぜていく。
あぁ、そっか⋮かき混ぜる前の納豆を次々と割れ目に入れて行く。
﹁おぃ⋮なんて処に入れるんだ
糸を充分に出すまでかき混ぜた納豆を、割れ目に入れて行く。
﹁やめて⋮その臭いはダメ⋮﹂
手に納豆を発現させて、はるかさんの鼻先に持っていった。
みたいだ。美味しいのに⋮納豆塗れにしてあげようっと。
手帳を取り出して、天王はるかの嫌いな物を確認した。納豆が嫌い
?
287
?
│││せつな│││
自分のマンションでまったりしていると、一誠君が転移してきた。
話を聞くと怪しい男女に連れ攫われたので、成敗してきたという。何
か嫌な予感がするが⋮
﹁で、せつなさん、いやセーラープルートに頼みたいのは、セーラー戦
士として活動していない時は、時空警察の特別捜査官として活動して
欲しいんです﹂
﹂
怪しい男女の件を確認しようとしたのだが、いきなり本題に入った
一誠君。
﹁父さんには僕のことを聞いたんだよね
﹁一誠君とエロ神様のことは聞きました﹂
﹁で、時空を行き来する通路の役割がある次元の狭間を、管理したいん
だけど、人員が足りなくてね。手伝って欲しいんだ﹂
割と全うな依頼をしてきたエロ神様。
﹂
﹁それくらいなら、了承しました。で、私の願いは叶えてもらえるんで
すか
│││はるか│││
意識が戻ると暗い空間にいた。嫌いな香りが充満している。ここ
はどこだ⋮声を出そうにも、口の中にもアレが大量に入れられてい
た。吐 き 出 し た い。呼 吸 が 辛 い。鼻 の 中 に も 詰 め ら れ て い る み た い
だ。あのガキ⋮納豆塗れにして、どこかに押し込めたみたいだ。脱出
しないと、みちるが心配だ。アイツの苦手な物って⋮ナマコ⋮まさか
なぁ⋮
変身をしようと思ったのだが、後ろ手に拘束されていて、変身でき
ない。どうしよう⋮誰か⋮助けて⋮気力を振り絞って念話を仲間に
送った。
288
?
そして、私は快楽の世界へと誘われた⋮
﹁もちろん♪﹂
?
│││うさぎ│││
学校の宿題をせっせとこなしていると、仲間からの救援の念話が届
いた。これって、はるかさんだわ。私は変身をして、彼女の居場所へ
ルナと共に向かう。
恐る恐る中に入ると⋮蓋をした水槽のような物
着いた場所は、
﹃天王﹄という表札のある別荘のような家。はるかさ
んの別荘なのかな
﹂
弱々しくやつれている。
?
アイツを拉致したようだった。あぁ⋮報復が怖いなぁ⋮
納豆臭塗れのはるかさんから事情を聞くと、手を出してはいけない
態だし。
精神的なダメージが大きい。みちるさん、はるかさんの二人は脱力状
美 奈 子 ち ゃ ん の 声 は 震 え て い た。苦 手 な 物 塗 れ っ て ⋮ 怖 い よ な。
﹁誰だよ⋮こんな惨いマネをしたのは⋮﹂
いた。まこちゃんがすべて取り出したけど。
のだが⋮ナマコの入れる大きさの穴という穴に、ナマコが充填されて
だけど、まこちゃんが動いて、ナマコの中からみちるさんを救出した。
亜美ちゃん達も来てくれたが、ナマコ入り水槽を前にして、固まる。
って、ナマコだよ⋮ねぇ⋮無理無理⋮他のみんなも呼び出した。
﹁セーラームーン、頼む⋮みちるを助けてくれ⋮﹂
ナマコ入り水槽を目にしたはるかさんが固まる。そして、
﹁あっ⋮じゃ⋮あっちにみちるさん⋮かな
﹂
い つ も 目 に し て い る 男 装 の 麗 人 な は る か さ ん と は 思 え な い ほ ど、
﹁セーラームーン⋮助かった⋮ありがとう⋮﹂
んが出て来た。身体中の穴という穴に納豆が充填されていた。
いる。これはダメだ⋮納豆入り水槽の調査をすると、中からはるかさ
納豆はいいとして、ナマコは生きているようで、水槽の中で蠢いて
﹁何、これ
には何故か納豆が入っていた。
が2つ置いてあり、1つにはナマコがいっぱい入っていて、もう1つ
?
﹁アイツなら大丈夫だよ。ちょっかい出さなければ、最近は大人しい
し﹂
289
?
って、美奈子ちゃん。自ら囚われに行くくらいの仲だもんな。正し
い情報かも。
﹁はるかさん、みちるさん、彼には手を出さないでくださいね。私達が
﹂
束になっても勝てない相手ですから﹂
﹁そんなに強いのか
日で殲滅したそうです﹂
と、亜美ちゃん。
﹁そんなヤツは危険だろ
通り越しています。触らぬ神に⋮ですよ﹂
?
部太陽系三戦士のリーダー格の俺になんてことするんだ
て来た。
﹂
﹂
﹂
あなたはどなたかしら
﹁小学生のガキを出してくれ
﹁はぁ
﹁あがらしてもらうぞ
﹁不審人物は、入れません﹂
﹁え
あなたには勝てませんよ♪﹂
﹁おい、メイド。怪我するからどけ
?
!
﹂
に排除される俺。このメイド、強すぎだろ
逆
出した。そして、アイツの家に向かった。呼び鈴を押すとメイドが出
まず、謝罪をしてくるといって、うさぎにアイツの家の場所を聞き
!
屈辱だ。納豆塗れの刑だと⋮みちるはナマコ塗れにされたし。外
│││はるか│││
って、美奈子ちゃん。
﹁大丈夫だよ。私が身を捧げるから♪﹂
ろうけど、エグすぎるだろう、これって⋮
亜美ちゃんが釘を刺す。私達を殺さない為に、エグい仕打ちなんだ
﹁危険
﹂
﹁強いですよ。誠さんに聞いた話では、最上級悪魔30億くらいを2
少し落ち着きが戻ったはるかさんに尋ねられた。
?
私はセーラーウラヌスに変身をして、メイドを排除する⋮えっ
!
!
290
?
?
﹁あぁ、セーラーエロ戦士の仲間なのね。まったく、学習能力無しね﹂
?
?
?
メイドが、私の前に立ち塞がった。メイドに殴りかかろうとした瞬
間、違う場所に転移された。ここは、どこだ
﹁まったく、学習能力無しだな、セーラーエロ戦士は。ふふふ﹂
あのガキが目の前に立っていた。だが、既に手足を拘束されて、身
動きできない俺。
﹁納豆臭い女性ってどうなのよ。納豆好きにはたまらないけどね♪﹂
俺の肌が露出している部分を舐めて行くガキ。ガキが指を弾くと、
コスチュームが無くなり、全裸状態になった。
﹁コレで舐められる部分が増えたよ∼♪﹂
花びらの表と裏が舐められていく。その行為により、下半身の感覚
は薄れていく。
﹂
目の前のガキが⋮筋骨隆々な姿になっていく。そして、見事
﹁中々、反応が良いねぇ♪変身状態だし、本気で責めても大丈夫かな
﹂
本気
にゴツゴツとして固そうな物を口元にもってきた。
﹁ねぇ、上の口と下の口と後ろの口、どこに入れたらいいかな
そんな大きな物は無理⋮
﹁そうか⋮選べないんだね。わかった﹂
目の前の男は、分身をした。
﹁三人になったから、同時挿入しま∼す♪﹂
もっと、無理だよ∼
身体の中で、膣と腸が触れ合っているみたいだ。大きな物が身体の
中でぶつかり合い、その衝撃が身体全体へと広がっていく。ダメって
⋮やみつきになりそうな刺激だ⋮みちる、ごめん⋮君よりも好きかも
しれない⋮
│││シュウ│││
淫乱堕ちしたはるか。僕的にはせつなの方が好きだけど。まぁ、下
僕 は 多 い ほ ど 良 い か。戦 力 的 に は 使 い 物 に な る か 怪 し い な。セ ー
ラーエロ戦士よ、学習してくれ。好きでもない女性は虐めて、空しい
291
?
﹁なんだよ、入るじゃん♪意外とガバガバなんだね、はるかって♪﹂
?
?
?
んだよ⋮
一誠の姿に戻り、はるかを彼女の部屋に転移させて、僕はせつなの
部屋に転移した。そして、電池切れになりかけていた僕は、ただ彼女
と抱き合って、いや乳首を咥えて寝た⋮
292
あの街へ
因縁なる街へ
│││シュウ│││
剣の鍛錬場所が見付からなかった僕は、ある日の夜、何の気無しに
神様にお願いをした。
﹃剣の鍛錬に最適な場所を教えてください﹄
っと、絶対神にもなった僕が、神様にお願いって言うのも変な話で
はあるが、
﹃その願いを叶えよう。そこで鍛錬を積み、謎を解き明かしなさい﹄
って、知らない人の声が聞こえて、僕は懐かしいけど、二度と行き
たくなかった街に転移させられていた。
﹃そちらで何百年過ごそうが、あちらの世界では、あなたの睡眠時間、
およそ10時間しか経ちませんから、あせらずに活動しなさい﹄
293
って聞こえた。質問しようとすると、念話が途切れた。僕にこんな
試練をさせるのは、ドエスな新しい上司、絶対神を束ね、宇宙という
物を生み出した神の仕業であろう。
こうして、僕は無一文でオラリオの街に放り出された。さて、どう
する。宿と飯の心配である。どこかのファミリアに入団して、ある程
度稼いで独立が妥当だと思うが、今の僕は一誠の姿、見た目が子供す
ぎる子供であった。
通りを歩いていると、ロキ・ファミリアのホームを見つけた。門番
をしている人に、
﹁入団をしたいのですが⋮﹂
と、声を掛けたのだが
﹁子供の遊び場ではない﹂
通りではヘスティアがバイトに勤しんで
と、追い返された。正しい対応だと思うが、少し空しい。ここがダ
メだと、後どこがあるかな
所のファミリアのホームを訪れたが、どこも同じ対応だった。入団っ
いた。あの経済力では、ベル以外は養えないよな⋮で、その後、数カ
?
て、年齢制限があるのかな
業員募集﹄と書かれていた。僕は、裏口から声をかけた。
親御さんの了承は取れているの
﹂
﹁すみません。張り紙を見たのですが、働かしてくださ∼い
﹁君、まだ子供だね
!
両親をどこかのファミリアに殺されたの
命中だし。
﹁うん
?
﹁はい、住む場所と食事を頂ければ、がんばります﹂
と、伝えた。ここがダメだと、後がない気がするし。
﹁わかった。1週間は見習いで給料は無しだ。いいかな
﹂
﹂
?
て気づく。そういうや、ミアさんは力尽くで包丁を使っていたよな。
リューは明日の仕込みをしていた。僕は何の気無しに、包丁を見てい
ア さ ん、リ ュ ー 以 外 は 帰 宅 し て い っ た。ミ ア さ ん は 売 上 の 集 計、
店がクローズになると、後片付けをしていく。お店に住んでいるミ
がんばる。邪界で戦って以来だな、こんなに働いているのって⋮
っと、声をかけている。洗い物も鍛錬のウチと思い、手を抜かずに
﹁終わりました。運んでください﹂
の面積だけ。なので、洗い上がる度に、
の高さに届かなかったので、台の上に乗っての作業。動けるのは、台
店﹃豊饒の女主人﹄である、洗い物は次から次にやってきた。洗い場
っと、その日の夜から洗い場での仕事となった。オラリオ一の繁盛
言います。よろしくお願いします﹂
﹁住む場所と食事があれば、大丈夫です。あっ、僕の名前は、シュウと
?
﹁身寄りがないのか⋮しっかり、働いてくれるんだろうな
ろう。しばらくすると、大柄な女性、ミア・グランドが現れた。
奥に引き込み、たぶん店主のミアさんに、説明してくれているのだ
待ってね﹂
う∼ん、ちょっと
と、半分ウソの話をした。母親は確かに殺されているが、父親は存
﹁両親は神を信仰する者に殺されて、身寄りがないんです﹂
?
﹂
夕方近くに、ミアさんのお店に辿り着いた。裏口に﹃住み込みの従
?
リューが声を掛けてきた。
?
その包丁は刃が欠けていた。材質は包丁というより剣などに使うヤ
294
?
ツだ。不思議な袋から、ぞの材質に見合う砥石を出し、研いでいった。
研ぎ終わった頃、気づいた。ミアさんとリューが僕の作業を見てい
﹂
たことに。一心不乱に研いでいて気づかなかったよ。
﹁その包丁を研げるのかい
と、綺麗に切れた。
?
﹁シュウ、これでも私は﹂
?
﹁なんで知っているの
﹂
﹂
僕の言葉に、リューとミアさんが驚いていた。
﹁レベル4の元冒険者ですよね
﹂
﹁リューを殺したくない⋮だから、無理です﹂
者で︻疾風︼の二つ名を持っている。
ミアさんに言われた。リュー・リオンは、Lv.4の凄腕の元冒険
﹁なぁ、リューと手合わせをしてみないか
と、答えた。ミアさんとリューが顔を見合わせた。
﹁違います。僕は剣士です。鍛冶仕事は剣士としての基本ですから﹂
スミスとは、この街では鍛冶職人のことを言う。
﹁シュウ、お前はスミスなのか
﹂
ミアさんにきかれた。僕は研ぎ終わった包丁の刃面に紙を落とす
?
﹁シュウ、仕事よ。起きなさい
﹁ここは
﹂
リューがいた。
﹂
っ て、声 で 起 こ さ れ た。こ こ は ど こ
!
﹁私の部屋よ。ダメだよ、床下で寝ちゃ
恐 る 恐 る 目 を 開 け る と、
接していた。昨夜は、床下に潜り込んで⋮くぅ⋮
翌朝、目が覚めると、顔の辺りが妙に柔らかくて、気持ち良い物に
店の床下で、睡眠を取ることにした。
だが、外は真っ暗で、食事もしていないし⋮眠い。僕はミアさんのお
僕はその場から逃げるように出て行った。出て行ったのは良いの
﹁お世話になりました。もう、居られませんね﹂
ていた。
リューの瞳は、得体の知れない物を見るような、恐怖の色に染まっ
?
﹂
295
?
?
!
?
言えるようになったら、聞かせてね﹂
って。あぁ、床下で寝ているのを保護されたようだった。
﹁君も訳有りなんでしょ
と、部屋を出て行くリュー。言えるなら、今言いたい。でもこの身
体では信じて貰えないだろうな⋮
部屋を出ると、ミアさんにお風呂場に連れ込まれて、全身をゴシゴ
シと洗われた。
﹁シュウ、飯屋の店員が床下で寝るんじゃないよ。まったく∼﹂
と、言われた。あぁ、そうですね。ごもっともです。そして、朝方、
﹂
弁当を売って、その後、まかない料理で、やっと食事⋮おいしい。
﹁シュウ、スミスなら鍋とかの修理できるか
と、ミアさん。
﹁炉があればできます﹂
しっかり、スミスだと思われている僕。
﹁で、リューと手合わせをしてくれ﹂
と、また無理を⋮
﹁お前の剣士としての腕を見たい﹂
差し、構えた。リューは細身のレイピアを手にしていた。ミアさんの
僕の得物は一番ダメージが少ないと思われる妖刀村雨。それを腰に
食事休み、お店の裏手で、ミアさん立ち会いで、リューと手合わせ。
て、他の世界で言っていたなぁ。やらないとダメだろうな。
っ て。あ ぁ、ミ ア さ ん も 元 冒 険 者 だ も の な。そ れ も 凄 腕 だ っ た っ
?
﹂
コイントスで、勝負開始。開始直後に、村雨の峰で飛ぶ斬撃をリュー
その距離で、リューを一撃か
の腹部に1発入れて、お終い⋮
﹁え
?
リューは何も出来ずに、地面に倒れていた。
﹁峰撃ちしましたけど、これ以上威力は抑えられないので⋮リュー、ご
めんね﹂
リューのそばにより、彼女を気遣った。
﹁確かに剣士だな⋮どこで、そんなスキルを⋮この街に、飛ぶ斬撃使い
なんていない﹂
296
?
ミ ア さ ん が 驚 い て い た。ヤ リ の 間 合 い 位 の 距 離 は あ っ た か ら。
?
って、ミアさん。意識を失ったリューをミアさんがベッドまで運
﹂
び、僕はリューのそばにいて、意識が戻るのを待った。
﹁うっ⋮ここは⋮私⋮どうしたの
で、腹部をさすりながら、
?
えるだろうか
僕を見つめるリュー。話さなきゃいけない雰囲気。でも、信じて貰
﹁そっか。私、負けたんだね⋮何も出来ずに⋮シュウ、君は何者
﹂
リューに縋って、謝った。リューは腹部に痛みが残っていたよう
﹁ごめん。リューにあんな事をしたくなかった⋮ごめんなさい﹂
リューが目覚めて、僕にきいた。
?
﹂
﹁アストレア様の居場所も知っているの
﹂
僕の頬に自分の頬を寄せて、僕を抱きしめてくれた。
となんだね、シュウ﹂
主神達くらいしかいない。それを知っているってことは、そう言うこ
﹁アストレア・ファミリア⋮その名を知る者は、ここには、ミアさんと
なぜか、僕の言う言葉を信じるリュー。
﹁もちろん、知っている。リューとアリーゼに可愛がられていた﹂
いるの
﹁アストレア・ファミリアで知り合ったんだ⋮アリーゼとかも知って
リューの表情に変化が⋮涙ぐみ始めた。
レア・ファミリアで、リュー達と知り合った﹂
﹁僕は、他の世界から飛ばされてきた、時の放浪者。並行世界のアスト
?
リューはドアをノックして、家の中に入っていった。僕は彼女の後
﹁並行世界ではここだったけど⋮﹂
る。記憶を頼りに、森の中を歩き、目的の家に辿り着いた。
ミアさんのお店で働き始めてから、初めての休日。リューと森にい
い﹂
﹁そう⋮ねぇ、今度の休みに連れて行って。私、アストレア様に謝りた
ら南西にある森の中の家だよ﹂
﹁この世界では、わからないけど。同じ場所の可能性はある。ここか
?
297
?
に付いていく。
﹁アストレア様⋮お久しぶりです⋮リュー⋮リュー・リオンです﹂
﹂
目的の女神は、その家にいた。生気を感じられない表情で、椅子に
座っていた。
﹁リュー⋮リューなの
無表情だった女神だったが、リューの声に反応した。僕は、回復魔
法をアストレアにかけた。乾ききった肌に潤いが戻り、皺だらけの皮
﹂
膚はスベスベになっていく。
﹁シュウ、魔法も使えるの
﹂
アストレアが僕に尋ねた。どう答えようかな
﹁で、あなたは誰
アストレアはリューの頭を優しく撫でた。
が、親の務めよ﹂
﹁いいの⋮主神として当然のことを。子供達のしたいようにさせるの
に拾われて今に至っていた。
リューは、生きがいを失い、街角で野垂れ死になる寸前に、ミアさん
リアのメンバーの本人、家族、関係者を全員殺害した。復讐を終えた
より壊滅された。その復讐をリューは一人で背負い込み、仇のファミ
レア・ファミリアは、リュー以外のメンバーは他のファミリアの罠に
リューはアストレアに謝っていた。リューの所属していたアスト
ら、生きてって⋮ごめんなさい⋮﹂
﹁あの時は、ごめんなさい。神の恩恵が無くなると、復讐できないか
たのかは分からないが、リューはアストレアを優しく抱きしめた。
リューの問いに頷く。リューと別れた時のアストレアの姿に戻っ
?
﹂
と、僕が答えるよりも早く、リューが答えていた。
﹁あなたは何者
オーラを読まれたようだ。
﹁まさか⋮ありがとうございます。こんな私にこういう日を授けて頂
き、幸せです﹂
298
?
﹁彼が、私をアストレア様に引き合わせてくれました﹂
?
?
僕を見つめるアストレア。そして、椅子から降りて、僕に跪いた。
?
﹂
って、おぃおぃ、リューの僕を見る目つきが変わっていく。
﹁アストレア様、どういうことですか
﹁シュウが神様
えっ
﹂
正体バレバレじゃん。凹む僕。
油断していた。アストレアクラスの女神だと、見えるんだ。はぁ、
貴方様の本来の姿が﹂
﹁リュー、あの方は、神様ですよ。子供の姿ですけど、私には見えます。
?
﹁エロ神⋮﹂
﹁単なるエロ神では無いですよね
?
リューと暮らしなよ。
?
モロバレだ⋮手を握り、凹む僕。
﹁ぜっ⋮絶対神⋮それって⋮一番エライ神様⋮﹂
﹁そうですよ、リュー。失礼な態度はしていませんよね
﹂
﹁仰せの通りに⋮私は貴方の下僕となります。絶対神様♪﹂
僕はアストレアに手を差し出した。
こんなしけた場所は、君には似合わない﹂
﹁アストレア、一緒にオラリオに戻らないか
アストレアが元気になったきたから、いいっか。
だし♪﹂
少なくても、私より神格階位は上
にこやかなアストレア。驚きの表情のリュー。
ないし⋮ペナルティーだよ⋮﹂
﹁神様って言っても、エロ神だよ⋮それも子供姿だから、エロい事でき
リューが驚いている。
?
と
﹂
﹁シュウ⋮それって、アストレア様の言っていることが正しいってこ
で⋮活動がしにくくなるからさぁ∼﹂
﹁アストレア⋮お願いだから、リュー以外には僕の正体はばらさない
?
なのか
って、ドエス上司からの念話も入った。ドエス上司は僕の配下の者
達が脅したことを根に持っているようだ。
299
?
﹃女難の相もペナルティーの一部よ。私のかわいい下僕よ♪﹄
?
どっちに転んでも最悪な展開なのか⋮これもペナルティーの一部
?
﹃持っていないわよ。かわいい下僕には、苦難の道を歩ませる主義な
の﹄
って、僕の心を読んでの念話が届いた。ドエスめ∼。アストレアが
笑 っ て い た。ド エ ス 上 司 は 彼 女 に も 念 話 を 傍 受 さ せ て い る よ う だ。
くそっ∼
﹁シュウ様、良い上司を持ちましたね﹂
って⋮ドエスプレイヤーの僕を手玉に取る、ドエス上司に凹む僕。
﹁シュウ様、リュー、これからもよろしくお願いします﹂
って、アストレアから言われた。リューは戸惑っているみたいだ。
まぁ、そうだろう。僕はリューに取って、有り得ない存在だろうから。
僕達三名でミアさんのお店に戻った。リューがミアさんにアスト
レアを紹介した。事情を知っているミアさんは、快くリューとの同居
を認めていた。
そして、
﹁シュウ、アストレア様に、神の恩恵を受けて、リューとダンジョンに
行ってきなさい﹂
リューの部屋に向
だったら、冒険をして来いよ。但し、休みの日にだ
って、ミアさんが僕に言った。
﹁剣士なんだろ
ぞ﹂
っと。僕って、神の恩恵って受けられるのかな
﹂
?
﹂
?
あきれたようなリュー。そんな目で見ないで∼本当の姿になれる
﹁ペナルティーで子供の姿なの
﹁だから、ペナルティーでエロ行為が出来ないんだよ⋮﹂
女神キラーなのも事実ではある。しかし⋮否定をしておく。
と、アストレアから質問が出た。そのキーワードだとそうなるし、
女神キラーですか
﹁シュウ様、二つ名は見えました。﹃神殺し﹄
﹃鬼畜﹄
﹃エロ神﹄って⋮
た。
って。無理だよな。リューは、彼女にステータスを更新してもらっ
﹁上位の神に対して、私の恩恵は無理ですね﹂
かい、アストレアに背中を見せて、契約をしてみるが⋮出来なかった。
?
?
300
!
のかな
﹂
オーラを溜め込んで変身をしてみた。一瞬だけ、変身したよ
うな気がした。
﹁それが本当の姿なの
一瞬であったが、リューには見えたようだ。良かった。
﹁きれいな純白な翼⋮でも、イメージと違いすぎるよ﹂
どんなイメージだったんだろうか
に到達。
﹁名乗るようなファミリアではないです﹂
﹁なぁ、ロキ・ファミリアに改宗しないか
﹂
18階に到達して、休んでいると、声を掛けられた。
﹁おい、お前ら、どこのファミリアだ
﹂
目が点になっているリュー。半日くらいで、安全地帯である18階
﹁シュウ⋮四刀流って有り得ないぞ。それも飛ぶ斬撃って⋮﹂
に磨きをかけていく。
と。あんな敵に2日も掛かったなんて、自慢できないもんな。四刀流
次の休みの日に、リューと潜った。僕の課題は素早く確実に屠るこ
?
?
﹁断った
誰がだ
﹂
﹁入団申し込みに行ったら、断れました。なので、改宗しません﹂
?
﹁お前は、ミアさんの店の店員か
ロキ・ファミリアに改宗しろ﹂
命令形かよ⋮
﹂
二人だけなのか
﹁どうした、ベート。何を揉めているんだ
なら、二人とも、
?
なんで、私の名前を知っているんだ
﹂
﹁ベート、お前、問題起こすなよ。すまないなぁ、迷惑をかけて⋮って、
っと、ティオナに声を掛けた。
﹁ティオナ、こいつがしつこいんだ。どうにかしてくれよ﹂
﹁いや、期待の新人さんを発掘中だ﹂
アマゾネスのティオナと剣姫のアイズが寄ってきた。
?
?
リューがしつこい獣人のベートにキレかかっている。
﹁おい、ベートしつこいぞ﹂
?
?
301
?
?
?
しまった⋮どうしよ。
﹁ティオナは有名人だからだ﹂
﹂
リューが助け舟を出してくれた。
﹁リューの知り合いなんだ
﹁そんなことを言ったの
ごめんなさい﹂
ファミリアだって、初めて知ったよ、アイズ﹂
た。そ れ だ け だ。ロ キ・フ ァ ミ リ ア は 改 宗 し ろ っ て、命 令 す る よ う
﹁あぁ、ミアさんのお店の同僚だ。今日は休みなので、二人で潜ってい
アイズがリューに声をかけた。
?
こいつ、ロキ・ファミリアに1年以上いるよな。それ
いと改宗って出来ないんだろ
﹂
達、先週、アストレアの恩恵を受けたばかりでさ。1年以上経過しな
﹁ロキの恩恵を解除して、アストレアの恩恵に書き換えた。だって、僕
事が終了してから、事態の異常さに気づいたカモ。
﹁お前⋮何をした⋮﹂
恵を契約させた。
て、ベートに掛けられているロキの契約を解除して、アストレアの恩
言葉巧みにベートをアストレアの居る部屋まで、誘導した。そし
ならば、ふふふ。
っと⋮うん
﹁改宗するまで、付いて行くからな﹂
けて、帰路を歩むことにした。が、ベートが追ってきた。
ベートを睨むアイズ。ベートは、二人にまかせて、僕達は地上に向
?
1年経たないと改宗出来ないんだよな
﹁おい、元に戻せ∼﹂
﹁はぁい
?
﹁ミアさん、新しい店員さんできたよ∼﹂
﹂
リューがぼそっと言った。そうだよ。鬼の子供だし♪
﹁さすが、鬼畜だぁ﹂
?
﹂
﹁えぇ♪元ロキ・ファミリアの狂犬さんでしたっけ
﹁アストレア、有望な新人メンバーが出来て良かったなぁ♪﹂
血の気の失せた顔になったベート。手遅れだよ。
?
302
?
凹むベート。
?
ドアを開けて、店長に報告する僕。
│││フィン︵ロキ・ファミリア団長︶│││
ティオナ達からベートの強引な勧誘もわ
ベートから報告を受けた。改宗させようとして、逆に改宗されたっ
て。何 を し て い る ん だ
かっていたけど。相手のホームに付いて行って、何をされているんだ
?
﹂
改宗作業を終えている以上、改宗は成立する。ロキになんて言って
報告をすれば良いんだ
﹁で、どこのファミリアに改宗したのだ
﹂
ホームは間借りなのか。それに聞いたことのないファミリ
﹁で、お前はどうして執拗に改宗させようとしたんだ
アだな。
はぁ
﹁アストレア・ファミリアです。ホームは﹃豊穣の女主人﹄の2階です﹂
?
?
四刀流
飛ぶ斬撃
ある。だが⋮
おい、どうするんだ
﹂
それが本当だとすると、確かに欲しい人材では
﹁ベート、お前が抜けたら意味がないだろう
凹むベート。
﹁なんや、騒々しいやん﹂
ベート、フィン﹂
主神のロキが入って来た。
﹁どないしたんや
?
?
アストレア
﹂
あそこは、もう無いはずだが。ベート、夢でも見
?
どういうことだ
たんとちゃうか
無い
?
?
﹁はぁ
﹁ベートがアストレア・ファミリアに改宗しました﹂
すでに声が怒っているロキ。いつかバレることだしな。
﹁だまっていては、わからへん。ゆうてみ、フィン。怒らんから﹂
ないから。
ベートも俺も無言を通す。なんと言って報告すれば良いか分から
?
?
?
イズより上だ。へたするとオッタルすら危ない﹂
﹁四刀流で斬撃が飛んだ。あんな剣使いを見た事がない。剣術は、ア
?
?
?
?
303
?
﹁ロキ、無いってどういう事だ
﹂
いたことがある。そこか。それがなんで復活してんだ
まだ開店前だぞ﹂
﹂
俺はベートを伴い、﹃豊穣の女主人﹄に向かった。
﹁フィンか
リューから声を掛けられた。
﹁アストレア様に会いたい。ベートの事だ﹂
﹂
ベートはバツが悪そうな態度であった。
改宗するか
?
?
パス・パレードの罠を喰らって、潰されたファミリアがあったと聞
たぞ。ふふふ﹂
﹁あそこは、パス・パレード喰らって、全員、モンスターに喰われおっ
?
ベートの改宗を取り消せ
﹁会って、どうするんだ
﹁改宗する訳ないだろ
?
﹂
﹁君は
﹂
﹁ロキ・ファミリアのようなデカイ処は、ギルドのルールは無視かな
知らない少年が声を掛けてきた。
﹁フィン、1年経たないと改宗はできない。それがルールだ﹂
?
って⋮彼も小人族なのか
る。
ズムズする。なんでだ
それにしては、身体の線が細い気がす
部屋に通されると、一瞬、空気が揺らめき、目
俺は、彼に促されて、2階へと階段を昇っていった。背中が妙にム
﹁じゃ、フィンだけ、入って。主神に会わせるから。ふふふ﹂
?
って⋮え
に感謝します♪﹂
﹁アストレア・ファミリアにようこそ♪、フィン・ディムナさん。改宗
の前にアストレア様と思われる、女性が座っていた。
?
試すのも一興だよ﹂
れない。そのまま、戻って、背中をロキに見せて、殺されるかどうか、
﹁もう、ロキの恩恵は解除して、彼女の恩恵に書き換えた。1年間は戻
?
304
!
?
﹁僕は、アストレア・ファミリアの団長のシュウだ。よろしく♪﹂
?
?
あの少年が、俺に信じられない宣告をした。少年は証拠とばかり、
俺のステータスをコピーした羊皮紙を見せた。そこには確かに﹃所属
アストレア・ファミリア﹄と書かれていた。
305
餌付け*
│││シュウ│││
﹁次の休みはミアさんに連休にしてもらったので、50階から下を攻
めようかと﹂
と、ホームとなったリューとアストレアの部屋に集まった、アスト
﹂﹂
レア・ファミリアの団員に告げた。
﹁﹁はぁい
みんなベテランだよね
﹂
リュー、フィン、ベートが呆気に取られていた。
﹁どうしたの
?
けるんだ﹂
﹁そんな能力があるのか
﹁うん♪﹂
頷く僕。
﹂
﹂
﹂
?
しょ
忌まわしい過去をさぁ﹂
アはファミリアを再び持つことはできない。ロキから聞いているで
﹁アストレア・ファミリアは正式なファミリアでないから。アストレ
﹁なんで
﹁してないよ﹂
﹁それよりも、ギルドで改宗手続きはしたのかい
?
移ができるんだよ。既に50階にマーキングして来たから、一瞬で行
﹁あぁ、大丈夫♪僕、転移魔法持ちだから、マーキングした場所への転
と、フィン。
﹁いや、1泊2日で行ける距離ではないぞ﹂
?
﹁そういうことだから、二人の改宗がバレるのは、ロキ・ファミリアの
﹂
遠征後のステータスチェックまで大丈夫♪﹂
﹁ファミリアとして機能はしているのかい
いし﹂
﹁うん♪そもそも、団長を名乗っている僕は、彼女の恩恵を受けていな
?
306
?
?
頷くフィンとベート。
?
﹁どうして
﹁﹁はぁ
﹂
﹂﹂
開いた口が塞がらないフィンとベート。
今の件をスルーするのか
﹁で、これからの予定だけど﹂
﹁ちょっと待て
﹂
今の件って
﹂
フィンが真剣な眼差しで僕を見つめる。
﹁うん
﹁君は神なのか
﹁神なのに鍛錬をするのか
のか
﹂
﹂
﹁神は鍛錬をしていけないのか
?
﹂
神はフィン達と冒険しちゃいけない
種族の頂点が二人もいるんですか
さすが、神の頂点ですわ﹂
おぉ、みんなが目が点になっている。その様子を、オーフィスが写
はいない﹂
オーフィスはドラゴンの頂点、忍はバンパイアの頂点だから、まず敵
﹁黒髪の方が﹃無限の龍神﹄オーフィス、金髪の方が﹃怪異の王﹄忍だ。
ビックリしている。
僕の中から二人の少女が出て来た。これにはリュー、アストレアも
♪﹂
﹁じゃあ、正体がバレたついでに、仲間を紹介しておくよ。出ておいて
興味津々で僕を見ているフィン。
神は見た事無い﹂
﹁いや⋮この世界の神とは、本当に違うみたいだな。そんな努力家の
?
って、ことにしておく。まぁ、ウソではないから。
限はない﹂
は、剣の鍛錬と、オラリオの歴史の研究だ。ファミリアを設立する権
﹁僕 は こ の 世 界 の 神 じ ゃ な い か ら。管 轄 外 だ。僕 が こ こ に い る 理 由
﹁神なのか⋮どうして、君自身がファミリアを持たないんだ
﹁まぁ、そんな感じだ。気にする程の事ではない﹂
?
﹂
﹁彼女より僕の方が神格階位が上だから⋮﹂
?
真に収めている。
﹁え
?
307
?
!
?
?
?
?
?
?
﹂
って、アストレア。おぃ、それはバラすんじゃない⋮
﹁君は神の頂点なのか
言葉で、失言をしたことに気づき、口を手で塞ぐが、遅い
遅すぎる
所だと思うが、こういう失言時には困るなぁ⋮アストレアはフィンの
フィンが聞き漏らさずに、意味を理解している。理解が早いのは長
?
じ扱いでよい。それで、今後の予定だけど、リューはお店の仕事、僕
﹁僕は僕が神であることを否定して生きている。だから、みんなと同
っと、ここまで無口だったベートが口を開いた。
﹁変わった神様だなぁ、お前は﹂
る問題で、神以外は問題ないから﹂
﹁まぁ、フィン、気にしないで良いから。そういうことは、神が気にす
!
達はジャガ丸くんを食べに、フィンには換金してきてほしい﹂
﹂
フィンに魔石の入った袋を手渡した。
﹁こんなに集めたのか
﹁俺はどうする
﹂
﹁当面の冒険資金と、ホームも自前にしたいからね♪﹂
?
イン。
って、天然を醸し出す発言をする﹃剣姫﹄アイズ・ヴァレンシュタ
﹁ありがとう⋮今日、お財布忘れて来ちゃって⋮﹂
げる。美味しそうに食べている。その仕草がかわいくて、もう1つ⋮
ロックオンしていた。僕は彼女の口にジャガ丸くんを1つ入れてあ
す。そんな僕達の前に、一人の女の子が寄ってきて、ジャガ丸くんを
の屋台に向かう。そして、三人分のジャガ丸くんを買い、ベンチで食
と、それぞれが行動に移った。僕と忍とオーフィスは、ヘスティア
﹁じゃ、そういうことで﹂
って、こいつ照れているような。
﹁兄ちゃんって呼ぶなよ∼﹂
てね﹂
﹁ベート兄ちゃんは、ロキ・ファミリアの団員にバレないように生活し
?
308
!
﹃餌付けついでに、こやつも眷属にすれば
﹂
﹄
﹂
﹂
と、忍から念話が届いた。アストレアの処まで誘導できない気がす
るが⋮
﹁君、リューと一緒にいた子だよね
﹁そうです﹂
﹁私はアイズ・ヴァレンシュタイン。君は
﹁シュウです。よろしくお願いします。アイズお姉ちゃん♪﹂
﹁ジャガ丸くんをくれたお礼に、何かしてあげるけど、何がいい
﹁僕達のファミリアに入ってください﹂
﹁それは⋮無理だ。ごめん⋮﹂
と、忍。心配そうにアイズを見ているオーフィス。忍の厚意を重ん
﹁あの女神の処に転移じゃ、主様﹂
アイズ。
に止まらない速さで、アイズの溝落ちに一撃。僕達の方に倒れて来た
無理だよな⋮そうだと思う。そんな時、忍が動いて、普通の人の目
?
じて、僕達はアストレアの元に転移した。そして、僕がアイズの身体
から、ロキの汚れを浄化して、アストレアが恩恵を与えた。
アイズも改宗させたの
大丈夫か
ロキ・ファミリアから
ちょうど、そんな場面に、リューが入室してきた。
﹁はぁい
?
あきれているリュー。団員が増えて喜んでいるアストレア。意識
を飛ばしているアイズの身体をツンツンしているオーフィス。どう
なんだろうね、この先。
後のことは、アストレアにまかせて、忍とオーフィスという最凶の
﹂
ガードを従えて、ある場所に向かう僕。ギルドにある隠し階段を見つ
ここに何をしに来た
けて、階下に降りていくと、
﹁誰だ
?
﹁オラリオの歴史関連の書物が見たい。僕はシュウ・ヨハネ・鬼門。後
309
?
?
?
?
﹁どうだろうね。改宗させちゃったんだから、後には引けないけど﹂
三名も引き抜いて﹂
?
と、薄暗い部屋の奥から声が響いてきた。
?
の者は僕の付き人だ﹂
何者なんだ
何故、ここを知っている
﹂
?
質問には丁寧に答えておく。
﹁シュウ
?
どこの者だ
﹂
?
﹂
?
﹂
?
封印はどうなったんだ
理由がわからない﹂
﹁ここをか
近になってくれた﹂
﹂
﹂
﹁そうか⋮迷宮に封じ込めている物を、取り出すのかもな﹂
﹁何が封じ込められている
﹁⋮﹂
身分が明かされても、教えてくれることはないのか。
﹁昔、三位一対がオラリオを来襲したことに関連があるのか
﹂
違う世界のオラリオで得た情報を投げかけてみた。
﹂
﹁そこまで、わかるなら、答えは出るだろう
﹁じゃ、問題ないんだな﹂
何故言い切れるのだ
⋮﹂
?
﹂
かわからない。フェルズは身体が風化して、魂の存在となり、僕の側
﹁並行世界の君が祈りを捧げ続けてくれている。だが、いつまで持つ
?
﹁ロキが何かをして、オラリオを時空間転移させたようなんだが、その
﹁わからないとは
﹁それがわからないから、調査にきた﹂
﹁で、並行世界ではオラリオはどうなったのだ
最高神に問い合わせをしたようだ。身分を証明されて少し嬉しい。
﹁近くに来てくれ、シュウ﹂
しばらく無言の時が流れる。そして、
をしてみろ﹂
﹁第13宇宙を統轄する絶対神と呼ばれる者だ。最高神に問い合わせ
﹁並行世界
る問題を調べに、この世界に来た者だ﹂
﹁並行世界から来た。だから、ここを知っている。僕はこの街に関わ
?
﹁問題ない
?
?
?
310
?
?
?
﹁ソイツは、既に僕が使役させた﹂
﹁はぁ
?
﹂
﹁三位一対も使役させている。あと、脅威になりそうな物は何だ
﹁お前は何をしたのだ
﹁ヨハネの血族か
﹂
この世界で⋮﹂
﹁だ。何か問題でもあるかな
点とバンパイアの頂点だ﹂
﹂
?
そうそう、お付きの者は、ドラゴンの頂
﹁天界を壊滅させた。僕の母親を殺したからな﹂
?
﹁お前⋮何をするつもりだ
?
?
﹂
ネクロマンサーなドラゴンマスターだ﹂
?
護る為にな
﹂
﹁ロキ⋮あいつは元々この天界の神ではない。出生は不明だ﹂
?
﹁わからない﹂
と強くならないといけないんだな﹂
?
ドエス上司
違うのかな
?
そうだろ
上司から念話は届かない。あれ
イかな
﹂
それとも、放置プレ
はしていなかった。強い方が同化吸収する権利を有する。僕はもっ
﹁そうか⋮僕自身って可能性もあるんだな。迂闊だったよ。その推測
﹁封印したのは神を憎む悪意の固まりだ。形はわからぬ﹂
﹁わからないはずないだろ
お前が封印したんだからな﹂
界に来る前に推測をしたんだけど、迷宮はパンドラの壺で、中身は⋮﹂
﹁なぁ、封印してある物って、ロキの本体ってことは無いよな
この世
﹁そうかもな。でも、僕はもっともっと強くなりたい。護りたい者を
﹁お前が一番危険じゃないか⋮﹂
﹁神になる前か
﹁お前は一体⋮﹂
ツは何者だ
﹁それも使役させた。問題ない。問題があるとすれば、ロキだ。アイ
点クラスでも﹂
﹁まだ脅威はある。赤い龍と白い龍。あの二匹ならば、ドラゴンの頂
と、並行世界が危ないんでね﹂
﹁剣の鍛錬とオラリオの研究だ。迷宮の魔物発生源もどうにかしない
?
?
!
311
?
!
?
﹁で、書物はあるか
?
?
彼は本棚を指差した。僕はそこにある書物を総てコピーして、不思
議な袋に入れた。あちらの世界でハニー達が解析をしてくれるだろ
う。気づけばだけど。
﹁ジャマしたな﹂
僕達は、その場から立ち去った。
なんで私は、ロキの許可なく改宗され
部屋に戻ると、アイズが困惑していた。
﹂
﹁ねぇ、シュウ。どういうこと
たの
あぁ、正式な手順を踏んでいないからだ。
?
﹁で、戦力は揃ったのかな
﹂
凹んでいるアイズの頭を優しく撫でているオーフィス。
イズお姉ちゃん♪﹂
の﹃豊穣の女主人﹄の休みの日に潜るから、準備をしておいてね、ア
﹁って、言われても。改宗した後、1年は改宗できないし。あぁ、来週
いた。
そこには剣姫と呼ばれた豪腕な冒険者の姿はなく、ただの女の子が
﹁ずるいよ∼そんなかわいい素振りで言われたら⋮困るぅ∼﹂
僕の顔を見つめる彼女。
﹁正式な儀式をしないで、行ったからだよ。アイズお姉ちゃん♪﹂
許可
?
でしょ
﹂
│││フィン│││
?
っと、惚ける。どこまで通じるだろうか
結構、勘が良いからな、こ
﹁企てというか、次の遠征の計画を練ってはいるけどね﹂
い質されていた。
副団長で、ハイエルフである リヴェリア・リヨス・アールヴに問
﹁フィン、お前ら、何を企んでいるんだ
﹂
攻める。残りの者でカドモスを叩けば、経験値とドロップは得られる
﹁たぶん。芋虫対策にアイズお姉ちゃんと、オーフィス、忍。僕は壺を
っと、アストレアがきいてきた。
?
?
312
?
?
いつは。
そんなに仲が良くないだろう、お前らは
﹂
﹁ベートと二人で、最近出掛けているようだが。あれは何をしている
んだ
は正しい。
﹁同じファミリアの仲間だ。仲良くなっておかしいか
?
遠征する準備はまだ整っていないし、やるこ
﹁いや、そういうことではないが⋮﹂
﹁何を疑っているんだ
﹂
確かに、最近⋮いや、改宗してからだな。うん、リヴェリアの指摘
!
﹁すまない。疑って悪かった⋮﹂
彼女が部屋を出て行った。これで、疑いは晴れたのかな
杯だよ、シュウ。
?
う
﹂
﹁アイズさんが戻って来ないんです。無断外泊中です。どうしましょ
る事態を聞いた。
ベートとフィンの動向が気になる私だったが、レフィーヤから更な
│││リヴェリア│││
不安が一
いや、バレる前に、出来ることはしておこうと思っただけであるが。
とは山のようにあるんだぞ﹂
?
﹂
0名を超える団員がいるから、隅々まで見えていない部分もあるが、
幹部であるアイズが無断外泊中って⋮
﹁どこに泊まっているか、見当はつかないのか
潜っているのか
﹁一人で潜っているのか
﹂
あ ぁ、そ れ は 無 い な。戦 闘 が 好 き な 冒 険 者 だ し。ま さ か 一 人 で、
﹁わかりません。アイズさんに限って、男に走るとは思えませんし⋮﹂
?
ジャガ丸くん
ヘスティア・ファミリアか
﹁ヘスティア・ファミリアのホームを探索してきてくれ。確か、あそこ
?
に、ジャガ丸くんを食べに行ったっきりですし﹂
﹁そ れ は 無 い と 思 い ま す。そ ん な 素 振 り を し て い ま せ ん か ら。そ れ
?
?
?
313
?
って⋮フィン達のことが気になって、それは見落としていた。10
?
のベルと仲が良かったよな
﹂
﹁あっ、そうです。直ちに向かいます﹂
レフィーヤが出て行った。フィン達はっと窓を見ると、あの二人が
﹂
門を出て行くのが見えた。追跡してみるかな。門に向かうと、アマゾ
付き合うよ﹂
ネスのティオナ、ティオネのヒリュテ姉妹がいた。
﹁フィン達を尾行するんだろ
って、妹のティオナが言った。
﹁ベートのヤツ、フィンに悪い遊びを教えているのかな
フィンが大好きな姉のティオネが心配そうに言う。
﹁まぁ、尾行して真実を確かめよう﹂
ていった。まさか、朝から飲むのか
私達も中に入ると、店主のミアさんに
﹁おい、今日は休みだ。明日、来てくれ
│││シュウ│││
ことに驚き倍増なベート。
﹁なんで、アイズが⋮﹂
﹂
﹂
﹁注意事項は、芋虫だけだ。コイツの粘膜は金属を腐食させる物質だ。
ロキ組は経験済みのようだ。
てなのはリューだけかな
﹁じゃ、まず、テントを設営してから、51階を攻略だ。51階が初め
ロキ組の驚き再会はスルーして、
﹁ベート、フィン⋮なんで
﹂
50階に転移したことに驚くオラリオ組。それよりもアイズがいる
お店の裏口の前に、全員集合したので、50階へ転移した。一瞬で
?
と、言われた。
﹂
﹁フィンとベートが来たはずだが
?
﹂
﹁客は来ていない。見間違いだろ
?
と、店の外に出された。何が起きているのだろうか
!
?
尾行をしていくと、二人は開店していない﹃豊穣の女主人﹄に入っ
?
?
だから、こいつが出たら、風を纏えるアイズ、オーラ弾が撃ち出せる
314
?
?
?
オーフィス、忍で対処。カドモスの泉のある森林地帯には来ないの
﹂
で、対処できない組は、そっちに逃げてくれ﹂
﹁シュウは
アイズに聞かれた。
﹁僕は狙撃が始まったら、竜の壺に行く﹂
﹁おい、危険過ぎるぞ﹂
フィンが心配してくれた。でも、
﹁僕はもっと強くなりたい。だから、がんばる﹂
設営が終わり、装備を整えていく。僕は剣を4本、左右の腰に2本
ずつ差した。
﹁四刀流⋮﹂
﹂
アイズが不思議そうな顔で、僕の姿を見た。
﹁シュウ、鎧は着けないのか
﹂
?
ベートの言う通りだ。まぁ、僕は基本ソロプレイだから、
﹁おい、それはチートというか、チーム戦に向かないだろ
間と一緒だと、僕の後ろにいる仲間が危ないから着けるけどね﹂
﹁うん。僕は攻撃が透過するんだ。だから、一人の時は着けない。仲
フィンが、また心配しくれた。
?
ベートが照れている⋮﹂
﹁だから、一人で壺に行くんだよ、ベートお兄ちゃん♪﹂
﹁えっ
した。
﹁じゃ、行こうか
﹂
﹂
なんで、フィンもベートもアイズたんもいな
?
﹁まさか、アイズたんは引き抜かれたんか
﹂
﹁どうなっているって言われても⋮何も聞いてません﹂
ズも参加していなかったのが発端だ。
主神のロキがお冠である。幹部会に団長を始め、お気に入りのアイ
いのや
﹁どないなっとるんだ
│││リヴェリア│││
?
?
315
?
お兄ちゃん呼ばわりされて、照れるベートを目撃したアイズが漏ら
?
?
﹂
どこに雲隠れしたんや
﹂
﹁それは無いと思います。ギルドに確認しましたが、改宗依頼は提出
されていません﹂
﹁団長のフィンはどないした
行方不明だと
﹁ベートと二人で行方不明です﹂
﹁はぁ
﹁分かりません﹂
?
?
できへんのか
﹂
﹁リヴェリア、お前、分からん、分からんって、ガキみたいな返事しか
?
﹂
﹁ロキ、何を隠しているんだ
﹂
形勢逆転した私は、主神を責めた。
﹁いや、なんも⋮﹂
目が泳いでいる主神。
?
?
誰に何を言われたんですか
?
がアストレア・ファミリアに改宗したって言うてたなぁ﹂
﹁あぁ⋮誰やったかな⋮うぅ∼⋮そやっ、フィンにだ。内容はベート
﹁何かを言われたんですね
﹂
主神の睨むと、たじろいだ。こいつ、何かを隠しているな⋮
ないんですか
﹁分からないものは、分かりません。それよりも、ロキは何も聞いてい
?
?
何で
﹂
?
にアストレア・ファミリアのことを調査するように伝えた。
主神の前から立ち去る。そして、ティオナ、ティオネ、レフィーヤ
﹁分かりました。その線で調べてみます﹂
﹁だから、ベートに夢でも見たんやないかって言うたんや﹂
人生き残って、復讐を果たしたようだったけど。
にパス・パレードを仕掛けられて⋮酷い有様だったらしい。確か、一
ラリオで警察のような役目をしていたファミリアで、敵対ファミリア
あっ、聞いたことがある。ロキ・ファミリアが力を持つ前、ここオ
いのや。パス・パレードでみんな喰われてしもうたから﹂
﹁わからへん。だけどなぁ、もう、アストレア・ファミリアは存在しな
?
お前が、聞いていたんじゃないか⋮何で、私が責められないといけ
ないのだ
?
改宗
﹁ベートが
?
316
?
﹁そんなファミリア、聞いたことないですよ﹂
レフィーヤが疑問を口にする。
﹁あぁ、私も無い。だが、それしかヒントが無いんだ。まず、そのファ
﹂
ミリアの生き残りについて、聞き込みをしてこよう﹂
﹁どこで
﹁どこでって⋮あぁ、聞き込むまでもないか。ギルドで確かめれば良
いな﹂
ギルドに向かう私達。ここにいても主神の理不尽な怒りを喰らい
そうだしな。
│││シュウ││
1日目の鍛錬が終了。ドロップが大量だよ♪
﹁ねぇ、シュウ。食事の後、私に剣技を教えて﹂
って、アイズに言われた。剣技って言ってもなぁ。
﹂
﹁弟子に教えている方法で良いかな
﹂
シュウって、弟子がいるの
木刀を創り出していく。
ている。子供姿の僕が言える立場では無いけど。
﹁まぁ、大抵の事はできるよ。創造神をしていた時もあるから﹂
神という言葉にアイズが目を輝かしている。神様大好きなのか
﹁これ、木刀っていう練習用の剣だ。これで、練習をするんだよ﹂
ルに動かせるようになったら、次のステージだ﹂
﹁イメージは太鼓を叩く感じで、最初は良いと思う。両手をリズミカ
いや、あの二人、実際は女の子では無いから⋮とも、言えず。
﹁悔しいぞ。女の子に勝て無いって⋮﹂
と組手をしていた。
アイズとフィンとリューに2本ずつ渡す。ベートはオーフィス、忍
?
フィンが驚いているけど、僕の作業を少年のように目を輝かしてみ
﹁シュウ、君は錬金術も出来るのか
﹂
そうなると、木刀がいるなぁ。錬金釜を取り出して、木片を入れて
﹁多少なりに居ます﹂
﹁うん
?
?
317
?
?
?
と、説明してから、食事を済ませた。教えようとした時、アストレ
アから緊急信号が入り、彼女の元に転移した。
│││リヴェリア│││
ギルドで昔の資料を調べた結果、生き残ったのは、
︻疾風︼の二つ名
を持つレベル4の冒険者、リュー・リオン。﹃豊穣の女主人﹄で働いて
いるリューだった。
﹁リューって⋮そんなに凄い冒険者だったんだ﹂
﹂
﹂
リューの仲間は誰だ
﹂
ティオナが震えるように呟いた。そして、
﹃豊穣の女主人﹄に向かう
﹂
﹂
が、閉店。扉をぶち破って、侵入して、捜索をする。
﹁おい、あたしの店で何をしているんだ
﹂
怒気を孕んだミアさんの声が響いた。
﹁家捜しだ。リューはどこにいる
﹂
﹁ロキ・ファミリアは、押し込み強盗をするのか
?
僕のせいで⋮﹂
地獄を見るか
﹂
少年の出で立ちは異様だった。左右に剣を
﹁いいんだよ、シュウは心配しないで良い。ここは私の店だ﹂
シュウっていうのか
リヴェリア、何が興味あるんだ
?
2本ずつ差していた。
﹁何だよ
?
?
師なのか
うっ⋮そこはダメ⋮
318
﹁強盗ではない。リューを引き渡せ
何階だ
﹂
﹁お前は誰だ
?
!
﹁リヴェリアごときに名乗る必要性は無い。ミアさん、ごめんなさい。
?
?
?
﹁ここにはいないよ。今、潜っている﹂
﹁潜っている
﹁50階だ﹂
?
﹁リュー一人では潜れないだろ
﹁僕だけど
?
?
階段から降りてきた少年が声を出した。
?
彼の言葉で、真っ暗な空間に転移させられた。剣はフェイクで魔導
?
?
耳タブを舐められている。そんな感覚があり、全身が蠢く。
あぁ⋮あっ⋮
エルフの耳はダメだって⋮衣服を着ている感覚すらなくなる。風
が身体の皮膚を刺激する。全裸に剥かれて、屋外にいるのか
いやっ⋮ダメっ⋮もぅ⋮
両腿の内側が痙攣している。今までに感じたことのない刺激。全
身を貫くような刺激だ。嫌ではない。むしろ求めていたような刺激
ではある。
あぁっん⋮いいっ⋮もっと⋮
私の身体に何か太いモノが入って来て、蠢いている。天を舞うよう
な感覚だ。口元から、唾液が流れ出ている気がする。乳房を丸ごと吸
われている。そんな感覚もする。
﹁何を言っておるんや
主神が子供達と
全裸で、ここへ来たんは、お前らやないか⋮﹂
4人でロキをしばいた。結果、弄んだことは認めた。だが、裸でこ
こに転移させられたようだった。弄んだ方法も聞いたのだが、あの時
に感じた刺激とは違うものだ。では、あの少年が私達を⋮まさかなぁ
⋮
│││シュウ│││
﹂
319
?
意識が戻ると、私達4名は、全裸でロキの部屋にいて、ロキが私達
﹂
?
を弄んでいる最中だった。こいつ⋮嵌めたな⋮このユリ神めぇ∼
攻撃魔法をロキに叩き込む。
﹁痛いやないか。リヴェリア⋮何を怒っておるんや
ロキ
遊ぶのは、大事なコミュニケーションやで﹂
﹁お前が仕組んだのだな
!
ティオナ、ティオネ、レフィーヤと共に、ロキに対峙した。
?
聞き耳は持たん。私の大事な耳を⋮おのれ∼
?
躾をして、リュー達の元に戻った。
﹁どうしたの
?
﹁ミアさんのところに、ロキ・ファミリアが押し込んだ。躾けて来たか
﹂
ら、大人しくなるだろう﹂
﹁エロ神、復活
﹁エロ神って
﹂
って、アイズ。
﹁子供なのに出来るのか
って、フィン。
﹂
をして、リューが真っ赤な顔で困っていた。
﹁なぁなぁ、何を供物に出せば、御利益あるんだ
?
益を用意してあげる﹂
アイズ大好きなベートが凹んだ。どんだけ好きなんだ
﹁同族の女の子を希望だ﹂
って、アイズ。何かを勘違いしていないか
その時、ベートの悲鳴
﹁ねぇねぇ、私、ジャガ丸くんで餌付けしてくれるシュウが良いな﹂
﹁フィン、見つけたら、考えるよ﹂
って、フィン。まさか、フィンから祈願が入るとは⋮予想外です。
?
﹁ベート兄ちゃん、アイズお姉ちゃんはダメだよ。それ以外なら御利
って、ベート。
﹂
と、返答してみた。それでも知りたいのかアイズは、リューに質問
まぁ、神であるから、それなりの供物があれば、御利益は考慮します﹂
ル テ ィ ー で 子 供 の 姿 に さ れ て、直 接 は 出 来 な い よ う に さ れ て い る。
﹁エロ神については、アイズお姉ちゃんは知らなくてもいい。で、ペナ
って、ベート。三者三様な反応ではあるが。
﹁なぁ、御利益あるのか
﹂
リューが口にした言葉にアイズ達が食いついてきた。
?
﹁私は、アストレア様とシュウがいてくれれば良い。アイズが本気な
の子が好きな二人だし。
ベートに制裁に出たようだった。基本、アイズのような天然無垢な心
精神的な面で、アイズを妹のように思い始めた、オーフィスと忍が、
﹁ごめんなさい、アイズは祈願しないから、襲わないで∼﹂
が⋮声のした方を見ると、忍とオーフィスがベートを追っている。
?
320
?
?
?
ら応援はしたい﹂
って、リューが僕にはにかんで言った。
321
有り得ないこと
│││シュウ│││
夢の世界で寝て、更に夢を見るのは、なんだかなぁではあるが、夢
でドエスな上司が話しかけてきた。今度は、どんな難題だ
レゼントです﹄
第一ステージって何だ
がスルーされた。
賞品でなくて商品って何だ
と、突っ込む
﹃第一ステージクリアです。商品としてホームとなる建物、土地をプ
?
またね∼♪﹄
の、心が病んだ妻達を送ります。そちらの世界で癒やしてあげてね。
し た。ギ ル ド で 確 認 し て み て ね。あ と 何 だ っ け ⋮ そ う そ う、あ な た
﹃あと、アストレア・ファミリアを正式なファミリアとして、認定しま
?
管轄外だろうに。あの上司の前で
っと⋮えぇ∼っと、ツッコミ所が満載なんだが。この世界のルール
に踏み込んだらいかんだろうに
雲が⋮
で、僕の妻達
ヴァイラとリアスのことかな なんか、この先、暗
は、僕は常識人になれる気がする。
?
?
全日程を終えて、地上に戻った僕達。﹃豊穣の女主人﹄の隣の建物に
向かう。昨日は無かったはずの見覚えのある建物があった。これっ
て、前回使ったホームだよな。3階建てで、1階の奥には鍛冶場があ
!
るやつ。
ドアを開けて恐る恐る入ってみる。えぇ∼
﹂
﹁あなた、おかえりなさい﹂
っと、ヴァイラ。
﹁なんで、子供姿なの
?
あなたのセラフォルーが参上しました﹂
322
?
そんな悪夢を見て、目覚めた僕。朝食を食べたら、狩りの再開だ。
?
って、リアス。ここまでは予想の範囲だが、
﹁シュウ
!
って⋮
﹁おぃ、セラフォルー姉さん。いつ、お前と結婚した
﹁そんな昔のことは覚えてないです∼♪﹂
﹂
おバカはシルキーだけでいいのに⋮
﹁ねぇ、どういうことかな
﹂
?
た内容を説明したのだが、
﹁子供なのに、奥様が3人も
?
﹂
おバカとか、ソイツ呼ばわりはやめてよ∼﹂
﹁じゃ、お姉さん♪﹂
﹁もっと、いや∼﹂
﹁なぁ、紹介してもらえるかな
﹂
っと、セラフォルーに抗議された。では、
﹁ちょっと、シュウ
ない。ソイツの妹と結婚したはずなんだけど﹂
﹁三人としたのは記憶にあるけど⋮そこのおバカとは結婚した覚えは
﹁一体、何人と結婚したの
﹁いや、ここにはいない者もいるし⋮﹂
って、驚かれた。
﹂
トレア、仲間達、ミアさんが立っていた。僕はドエス上司に伝えられ
って、後ろからリューに声を掛けられた。リューの後ろには、アス
?
?
﹁ひどいよ∼なんで私だけ、惨いことするのよ∼﹂
と、こめかみをグリグリしながら紹介した。
ヴィアタン。僕の第2夫人であるソーナ・シトリーのお姉さんだよ﹂
﹁このおバカは、結婚した記憶はないんだけど、魔王セラフォルー・レ
っと、リアスの頭を撫でながら紹介した。
の一人の妹さんだ﹂
悪魔界の魔王の妹。僕のいた世界では、魔王は4人いたんだけど、そ
﹁で、コイツは、第1夫人と名乗っているリアス・グレモリー。同じく
っと、ヴァイラの両肩に優しく手を載せて、紹介した。
の悪魔界の大公家の娘さん﹂
﹁この人は僕の第3夫人のシーグヴァイラ・アガレス。僕のいた世界
っと、フィン。君だけだよ、建設的な会話をしてくれそうなのは。
?
323
!
﹁セラフォルーは頑丈だから、特別待遇﹂
﹂
﹁特別なんだ∼嬉しいよ∼♪﹂
﹁なぁ、おバカだろ
凹む僕。
﹁なんか、気苦労が激しそうだな﹂
って、フィンが心配してくれた。天然娘のアイズは、すでに三人と
仲良く話始めていた。適応力はあるんだな。
﹁ミアさん、ここは鍛冶場があるから、ナベとかも修理可能です﹂
﹁そうなのかい。じゃ、仕事の合間に頼むね﹂
って、ミアさんはお店に戻っていった。
﹁で、2階は女性専用フロアで、食卓、台所がある。3階は男専用のフ
ロアだ。お風呂はそれぞれのフロアにあるから、混浴は禁止ね﹂
っと、簡単な説明をしておく。
﹁あとは⋮そうだ、ギルドに行って来ないと﹂
僕が出掛けようとすると、オーフィス、忍、アイズが付いてこよう
としている。
﹁ねぇ、シュウ。ジャガ丸くん⋮餌付けしてね♪﹂
って、アイズ。頷く、オーフィス、忍。はぁ、ギルドの前に屋台へ
ゴーだな。
﹁じゃ、留守番を頼むよ﹂
って、残りの者に声をかけて、ヘスティアの屋台に向かった。僕の
少し気になる。
腕に絡むように腕を組んでいるアイズ。僕をどういう位置づけで見
ているのかな
手で摘まんで、アイズの口
く。そして、近くのベンチで食することに。
﹁ねぇ、シュウの手から食べたい♪﹂
この世界のアイズは甘えキャラなのか
イズ大好き少女のレフィーヤだ。
そんな仲睦まじい場面に、遭遇してほしくなかった者が現れた。ア
そして、僕の指はジャガ丸くん味になった気がする。
の中にポイっと入れる。ソレを見て、オーフィス、忍がマネをする。
?
324
?
屋台で、ジャガ丸くんを5人前買って、アイズに2人前を渡してお
?
﹂
シュウに餌付けしてもらっているんだよ♪﹂
﹁アイズさん、何をしているんですか
﹁うん
剣姫たる者が餌付けって⋮洗脳でもされましたか
レフィーヤって、脳みそ洗えるんだ。凄いなぁ﹂
﹁はぁい
﹁え
﹂
?
?
﹁うん
﹂
ジャガ丸くんの餌付けだけど
た方がいいんだよね
﹂
レフィーヤは、耳タブを舐め
?
のオンパレード♪﹂
更に真っ赤に染まったレフィーヤ。
﹁あぁ⋮あのね⋮その⋮﹂
﹁ほくろの位置を全部言い当てようか
﹁やめて⋮ください﹂
おぉ、耳の奥の方まで紅潮してきている。淫乱堕ちかな
?
レフィーヤお姉さん♪﹂
?
﹁シュウ、私も
﹂
﹁で、取り敢えず、リューだけ、団員として登録かな﹂
チュールが面倒なことに対応してくれることになった。
こ と を 告 げ ら れ た。専 任 ギ ル ド 員 と し て ハ ー フ エ ル フ の エ イ ナ・
ギルドでは、アストレア・ファミリアが正式なファミリアになった
││││││
心が折れたレフィーヤを残して、僕達はギルドに向かった。
﹁今後、僕の前であぁいう態度で出ないでね
震えるような小さな声で俯き加減でそう言ったレフィーヤ。
?
舐めながら全身を見たから﹂
﹁何も知りませんって顔で、良く言えたよね。あんなイヤらしい言葉
﹁アレって⋮お前か
顔が真っ赤になったレフィーヤ。
?
?
?
あっ、こっちに火の粉が⋮
﹁いや、そうじゃなくて。おい、お前、アイズさんに何をしたんだ ﹂
天然ブリが炸裂している。
?
って、アイズ。なので、リューとアイズだけを登録した。
﹁かまわない﹂
﹁ロキにバレるぞ﹂
!
325
?
?
?
﹁団長は登録されないんですか
っと、エイナさん。
﹂
名も登録した。
﹂
﹁ここだけの話、特例の皆さんって、どんな種族なんですか
?
﹁なるほど⋮それは特例ですね﹂
?
て調べていきました﹂
?
を、エイナさんの前に山積みにした。
?
﹁よろしくお願いします﹂
ぐにっていう量ではないですよね
﹂
﹁わかりました。後ほど、換金したお金を届けるようにします。今す
﹁とりあえず、これを資金にしたい。どうかな
﹂
不思議な袋に仕舞っておいた、今回の遠征で手に入ったドロップ品
﹁レートは良くも悪くもないですが、ギルドで良ければ、取引します﹂
﹁あと⋮そうだ、どこか良い換金場所ないかな
﹂
﹁アストレア・ファミリアの過去の資料を閲覧して、リューさんに付い
﹁それで、ロキ・ファミリアから何か言ってきた
﹂
﹁僕は種族不明で、あとは、バンパイア、ドラゴン、悪魔だよ﹂
っと、興味津々なのかエイナさんがきいてきた。
﹂
そういうことならと、団長として僕、あと、忍、オーフィス、妻3
たから﹂
﹁大丈夫です。すべて特例扱いにしなさいと、上から指示がありまし
な
﹁僕はステータス出ないというか、恩恵が得られないから、どうなのか
?
﹁いつの間に、そういう関係になったんだ、アイズ﹂
って、ティオナ。
﹁随分と仲睦まじいなぁ﹂
と、目の前に、また会いたくない者達が現れた。
指でオーケーサインを見せるアイズ。餌付けされすぎだぞ。
﹁アイズお姉ちゃん、噛まないでね﹂
アイズ。ジャガ丸くん味だものな⋮
そして、ギルドを立ち去る僕達。帰り道、僕の指をしゃぶっている
?
326
?
って、ティオネ。でも、アイズはスルー。いや、ジャガ丸くん味の
﹂
指に夢中で、耳が日曜日みたいだ。
﹁おい、アイズ
﹂
夕べは﹃豊
私にとっての至福の時間をジャマする者
ティオナが得物を手にして斬りつけてきた。しかし、アイズが剣で
防ぐ。
﹁ティオナ、ジャマするな
は、誰であろうとも許さない﹂
剣を持つと凄腕の剣士に見えるのは凄い。
﹁こんな往来の激しい場所で、ロキ・ファミリアは強盗か
穣の女主人﹄に押し込み強盗したし。犯罪系なファミリアだな
オナ、ティオネを指差してゴソゴソと言っている。どう出るんだ
﹂
?
﹁ただいま
﹂
│││││││
に、僕達はホームに転移した。
ティオネが、ティオナの身体を揺すって、心配をしている。この隙
﹁ティオナ⋮ねぇ、大丈夫
で膝の裏から撃ち抜いた。力無く地面に叩き付けられるティオナ。
ティオナは僕に斬り掛かってきた。みぞおちに拳を入れ、水面蹴り
﹁お前⋮許さない⋮﹂
た表情で成り行きを見守っていた。
オーフィス、忍は危険性がないと判断したみたいで、ポッカ∼ンとし
?
っと、嘘八百も交えて、大声で言ってみた。周囲の通行人達が、ティ
?
?
!
込んでいる。僕のネタを仕入れているのか
アイズは登録したのか
﹂
﹁フィンとベート以外は登録してきた﹂
﹁え
?
?
﹁勇気あるなぁ﹂
って、ベート。
﹁帰り道に襲われたので、レフィーヤとティオネは叩いたから﹂
327
!
フィン、ベートがまったりとしていた。リューは、悪妻、良妻と話
!
フィンの驚きの声に、躊躇無く頷くアイズ。
?
﹁感づかれたのか
﹂
フィンは心配そうにきいて来た。
﹁いや、昨晩の続きみたいだ。というか、アイズお姉ちゃんの⋮﹂
僕の指をしゃぶり始めた彼女。
﹁あぁ、ジャガ丸くんを摘まんだ指か﹂
﹂
アイズの奇行に少し引き気味のベート。たぶん。ベートの知らな
いアイズの姿なのだろう。
﹁で、俺達はどうすれば良いのかな
﹁剣術の稽古を付けて
﹂
哀しそうなアイズの声が⋮指がふやけているんですが⋮凹む僕。
﹁ねぇ、シュウ⋮味がしない⋮﹂
ておいて﹂
﹁まかせる。潜るのは、また次の休みだし、それまで身の振り方を考え
?
﹂
?
幸せそうでした﹂
アイズも一緒にいるのか
アイツの外泊の原因って⋮
ショックでした。彼と一緒にいるアイズさんは、とても穏やかな顔で
﹁それだけでは無いです。あんなアイズさんを見た事が無い。それが
い行為の数々。口から漏れ出た、普段言わない言葉の数々⋮
いた4名全員が辱めにあったんだと思う。他の者には絶対に言えな
図星のようで、顔を紅潮させて俯いてしまった。たぶん、あの場に
﹁昨晩、怪しい術に嵌まったことが原因か
の都合っていうだけで、他の理由を口にしない。
レフィーヤから退団したいと相談を受けた。理由を聞くと、一身上
│││リヴェリア│││
こしているし。
がリューに剣術を習っていた。ベートは⋮女の子姿の二人と鬼ごっ
そして、二刀流講座を開催した。僕達の横では、ヴァイラ、リアス
﹁わかった。地下にトレーニングルームがあるから、そこで﹂
!
んかできないです。ごめんなさい
﹂
﹁私は羨ましい気分で一杯です。こんな気分で、ダンジョンを冒険な
?
!
328
?
このまま外泊を続けて追
頭を下げて、部屋を出て行ったレフィーヤ。何を言っても退団する
な、あれでは。アイズも退団したいのかな
﹂
どっちにしても、ロキに報告するのが、気の重い作業
﹂
アとして設立されていました﹂
﹂
昨日の時点で、無かっただろうに。何があったんだ
﹁団長はリューか
?
宗先はアストレア・ファミリアで、そのファミリアは正式なファミリ
﹁ギルドで確認をしたのですが、アイズさんが改宗していました。改
﹁どうしたんだ
ティオネが血の気の引いた顔で、部屋に入って来た。
﹁大変です、副団長
になりそうだ。
放処分待ちか
?
あの少年は。魔導師であるのは間違えないと思うが、
唱っていうのは初めてだった。
それも、アレって何系統になるんだ
ティオナが
﹂
?
魔導師でないのか
近接攻撃持ちの魔導師か
?
﹁違います。蹴り一発で⋮﹂
魔法か
﹁どうやって
﹁あと、ティオナが、あの少年に伸されました﹂
?
それだと厄介だな。
法は長い詠唱で発動する物が殆どで、短い詠唱の物もあるが、無詠
無詠唱だった。それが、私にとっては衝撃的な事実だ。この世界の魔
何者なんだ
で、種族、レベル、ステータスは不明だそうです﹂
﹁いえ、副団長がリューです。団長はシュウ・ヨハネ・鬼門という人物
?
これって、50
?
ギルド員のエイナが、換金したいと大量の魔石を持ち込んできた。
階より下でないとドロップしない魔石ばかりだが﹂
﹁エイナさん、こんなに大量に⋮どこのファミリアだ
│││ヘファイストス︵鍛冶系ファミリア主神︶│││
その場で泣きくずれたティオネ。
﹁アイズが⋮あの少年を庇っていたのが、ショックです﹂
?
?
329
!
?
?
?
?
どれも、高額取引な物ばかりをだ。
﹁どことは言えません。私達、ギルドが責任を持って取引をします。
ここで換金できなければ、今後を含めて他のファミリアと取引をしま
すが﹂
物腰は柔らかではあるが、強気な交渉をするエイナ。こいつ、やり
手のギルド員だものな。
﹂
﹁う∼、今後も取引をしたい。なので、換金は応じるが、どこが持ち込
んだかを教えてくれないか
た。
﹁換金できますか
﹂
﹂
﹁ローンでいいですか
﹂
ギルド員のエイナさんが持ち込んだ量は、通常の10倍以上だっ
﹁カドモスの泉の水が⋮こんな量の持ち込みは初めてです﹂
│││ミアハ︵薬剤系ファミリア主神︶│││
ガード専任のギルド員と共に、引き上げたエイナ。
﹁はい。そうします﹂
むぞ﹂
﹁わかった。聞かないで、取引をする。その代わり、今後も優先的に頼
ファミリアですら、評判の店に強盗に入ったそうだし。
たしかに、大金を持っているとわかれば、襲われるな。あのロキ・
かすと思いますか
託されたんですよ。信用をされている私達が、そのファミリア名を明
﹁申し上げられません。名乗って、狙われるのが怖いので、ギルドに委
?
﹂
これも、通常の持ち込み量の10倍以上だ。
﹁これもローンでいいですか
﹁必ず、払ってくださいね♪﹂
って、笑顔のエイナさんが怖い⋮
﹁でも、こんなに大量に持ち込むって、どこか持ち込んだんですか
?
?
僕の眷属のナァーザがエイナさんに質問した。
﹂
﹁たぶん、大丈夫ですよ。あと、カドモスと砲龍の角もあるんですが﹂
?
330
?
?
無いと思うけど⋮﹂
﹁名 前 は 出 せ ま せ ん。砲 龍 を 簡 単 に 屠 れ る フ ァ ミ リ ア っ て こ と で す
よ﹂
﹁え⋮どこだ
﹁推理するのは自由です。では、ミアハ様、支払をよろしくお願いしま
す﹂
﹂
っと、エイナさんが出て行かれた。
﹁どう思う、ナァーザ
﹂
?
﹂
﹁手数料はいいの
﹂
ギルドに転移して、エイナさんから換金できた分だけ、いただいた。
│││シュウ│││
﹁竜の壺に行かないと、ここまでの量は難しいだろうな⋮﹂
ついでしょ
﹁無いんですよ。考えても⋮砲龍を簡単にって、オッタルさんでもき
﹁ロキの酒代が莫大なんだろうな⋮じゃ、どこのファミリアだ
一部の団員は金に困ってミアさんのお店に強盗に入ったそうですよ﹂
﹁ロキくらいしか浮かばないですが、最近遠征に出ていませんよね。
?
ば買い込んでいく。大量に買っても、オーフィス、忍の積載量はそこ
だ。材質として使うので、切れ味や防御力は関係なく、材質が良けれ
かった。ミアさんのお店で使う分と、僕達のファミリアで使う分を
翌日、材質集めに中古市場にリュー、アイズ、オーフィス、忍と向
││││││
みたいだ。なので、僕を見る目、信用度、信頼度が高い。
エイナさんは、上から口外しないことを条件に、僕の正体を知った
です。担当になれて良かったです﹂
﹁重ね重ねありがとうございます。こんなに癒やされる仕事は初めて
僕は、エイナさんを祝福をした。
﹁ありがとうございます。今はお気持ちだけで良いです﹂
﹁そう⋮ギルドが財政難になったら、必ず言ってよ。寄付するからね﹂
﹁いりません。いただいたら、バチが当たりそうです﹂
?
331
?
?
妙な組み合わせだな
いらのポーターに負けないくらいだし。
﹁アイズとリューか
と、リューが答えた。
?
だ。
﹂
﹁材質の見極めを手伝ってもらっているんだ﹂
代わりにリューが返事をした。
﹂
﹂
﹁で、この子供達に見えるのはポーターか
﹁おい、シュウをポーターって言うなよ
突然、アイズがキレた。まずいなぁ。
﹁なるほど、アイズのお気に入りの少年か
﹂
アイズが、僕を抱きしめた。これで落ち着いてくれたか
﹁あぁ、ごめんなさい、シュウ﹂
アイズの胴体に手を回して、彼女の気を調整してみる。
﹁アイズお姉ちゃん、ダメだよ。騒ぎを起こすのは。ねっ﹂
!
﹁では、彼はポーターでなくて、なんなんだ
﹂
?
少年、私のファミリアに来ないか
?
﹁スミスだよ。台所用品系のな﹂
﹁スミスだと
﹂
リューが会話を担当してくれるので、少し安心。
ス様﹂
﹁そういうことだ。ちょっかいは出さないでください、ヘファイスト
?
アイズはスルーした。いや、材質の見極めを優先にしているみたい
﹁アイズはどうしているんだ
﹂
﹁あぁ、お店で使う材料を買い込みに来たんだ﹂
鍛冶系ファミリアの主神、ヘファイストスが近づいてきた。
?
?
?
﹁ごめんね。僕、団長だから、改宗はしません
﹂
!
332
?
そう来たか。アイズがキレる前に、僕が返事をしておこう。
?
闇なる世界*
│││ヘファイストス│││
リュー達といた少年、どこかのファミリアの団長と言っていた。気
になったので、ギルドで調べてみることにした。
﹁主神としての閲覧権限だ。リューと共にいる少年のことを教えろ﹂
っと、ギルド員に申しつけた。
﹁申し訳ありません。それでは調べられません。どこのファミリア所
属かが問題です﹂
と、拒否された。
﹁どういうことだ。神として、知りたいと言っているのだぞ﹂
怒気を孕んだ声で、再度命じた。
﹁ですから、無理です、お帰りください。今後の取引にも影響しかねま
せんよ﹂
﹂
所属するファミリアの団長は少年だ。その少年について調べてほし
い﹂
﹁気に入ったのか
﹁違う⋮気になるのだ。そいつは、スミスみたいなんだが、リューがス
ミス系のファミリアにいるとは思えない。何系のファミリアかも知
333
エイナが出て来て、私にそう言った。痛いところをついてきた。あ
のレア物の取引は続けたい。ここは引き下がることにした。
ギルドを出たその足で、この街で一番の情報通の主神、ヘルメスの
元を訪ねた。
﹁ヘファイストスが、俺に用って、珍しいな﹂
その仲間だと、ウェイトレ
﹁依頼だ。﹃豊饒の女主人﹄で働いているリューと、その仲間のことを
調べてくれ﹂
怪訝な顔をするヘルメス。
﹂
﹁リューって、ウェイトレスのリューだろ
ス仲間ってことか
?
﹁ウェイトレス仲間ではなく、ファミリアの仲間だ。たぶん、リューの
これは、言い方が不味かったな。
?
?
りたい﹂
﹁ほぉ。ヘファイストスが、そこまで熱く依頼してくるとはなぁ。俺
も興味を持ったよ。必要経費は半分は俺が出す。結果は追って知ら
せるから、少し待ってくれ﹂
っと、依頼を受けてくれるようで、私はその場から去った。
│││レフィーヤ│││
無計画でロキ・ファミリアを退団した私。どこに行けば良いやら⋮
どこかのんびりとしたファミリアにでも入るかなって考えながら、街
中を歩いていると、
﹁あの剣姫が﹃豊饒の女主人﹄でバイトだと、ロキ・ファミリアは、お
金に困窮しているのかな。強盗、追いはぎと、最近物騒なマネをして
いるみたいだし﹂
っと、喧騒の中から立ち話をしている者の声が聞こえた。﹃豊饒の
﹂
私は彼に外に連れ出され、隣の建物に連れ込まれた。抵抗する気が起
きない。何かを私の身体が期待しているようだ。心は警告を発して
いるが、身体は彼の思うがままだ。
﹂
背筋がゾクッとした。彼は私の耳を指先でなぞっている。ただそ
﹂
れだけの刺激で、私は大変な事態になっていた。
﹁どうした。何、モゾモゾしているのかな
そんな⋮言えないよ∼
﹁ねぇ、なんでレフィーヤお姉ちゃんの乳首は立っているの
?
?
334
女主人﹄に行けば、アイズさんに逢えるんだ♪私は早速、彼女の元に
向かう。
お店は混雑していた。見慣れないウェイトレスが増えているし。
まさか、ベート
﹁おい、ウェイトレスに手を出すなよ。ルールを破ったヤツは、俺とア
イズが始末するからな﹂
って、ベートの声が聞こえた。なんで、ベートが
?
私はお店に乗り込んだ。
レフィーヤ、客としてか
とアイズさんって駆け落ち
﹁うん
?
?
あ の 少 年 に 声 を 掛 け ら れ た。マ ズ い ⋮ 耳 が 熱 く な る の を 感 じ る。
?
﹂
﹂
えっ∼っと⋮耳が尚も熱くなっていく。
﹁腿が濡れているけど、何で
いゃ⋮それは⋮
﹁アイズお姉ちゃんに聞けば良いかな
ダメっ⋮やめてください⋮
﹁あなたは
﹂
って、優しそうな顔の女性が助けてくれた。
﹁シュウ様、その位にしてあげてください。作業は終わりましたよ﹂
?
?
改宗
なんで
いつの間に
りがとうございます♪﹂
へ
?
﹁わたしはアストレア・ファミリアの主神のアストレアです。改宗あ
助けてくれた女性に名前を尋ねた。
?
?
?
﹂
はぁ
4名
私とベートと⋮あと二人は
?
でしょ
﹂
﹁勧誘した訳でなくて、他のファミリアの主神の部屋に来る方が悪い
?
﹁シュウ様、これでロキ・ファミリアから4名ですよ。大丈夫ですか
?
⋮って、なんで、ウェイトレス
?
ら、仕事に行ってね﹂
っと、説明を受けた。いつの間に私の部屋を用意したんだ
ると、表情が険しい物になっていた。
彼を見
ヤお姉ちゃんの部屋を用意したから、お風呂に入ってさっぱりしてか
﹁あぁそうだね。その身体じゃ働けないよね。このフロアにレフィー
って、少年が答えてくれた。でも⋮
だから。潜るのはお店が休みの日が多いんだよ﹂
﹁あぁ、基本アストレア・ファミリアの普段の仕事は、
﹃豊饒の女主人﹄
?
あぁ、コミュニケーション能力に難があるわね、アイズさんって
ズお姉ちゃんは戦力外みたいだから﹂
﹁で、隣でウェイトレスとして働いてねレフィーヤお姉ちゃん♪アイ
あぁ、改宗しているし⋮
あ の 少 年 が、私 の ス テ ー タ ス を 写 し た 羊 皮 紙 を 見 せ て く れ た。
?
335
?
?
﹂
﹁アストレア、また、お客さんだ。結界は張ったので逃げ道はない。改
宗の用意をしてくれ﹂
﹁はい、シュウ様﹂
彼は、階下に降りていった。
﹁あの⋮なんで、眷属に敬称をつけているのですか
さっきから感じていた違和感を、新しい主神様にきいてみた。
え∼、それは彼が神ってことのなのか
私の主神様です。書類上は団長ですけどね♪﹂
主神様の主神様
﹁シュウ様ですか
うん
たのかな
聞いたことがないファミリアだ。新しく出来
?
中に入ってみる。玄関を入るとすぐに広間だった。奥に
ストレア・ファミリア
ア・ファミリア﹄と書かれた看板が目立たないように掲げてある。ア
﹃豊饒の女主人﹄の隣に、見慣れない建物がある。玄関には﹃アストレ
すとは、だいぶ困窮しているようだ。
ファミリアはお金が足りないと噂が流れている。幹部をバイトに出
店内では、ロキ・ファミリアのベートとアイズが働いていた。あの
の女主人﹄に繰り出した。
ついて、調べろと命じられた。私は姿を消せるマントを羽織り、
﹃豊饒
ヘルメス様から、
﹃豊饒の女主人﹄で働くリューの所属ファミリアに
?
?
│││アスフィ︵ヘルメス・ファミリアの団長︶│││
優しそうな表情で、衝撃的な事実を告げられた。
﹁そうですよ。私よりもエライ神様です♪﹂
?
?
それにしては、鍛冶場が狭い。これ
?
気
?
ドアだった場所は壁になっている。どういうことだ
姿を消せるマントを脱ぐ。それでも暑い。炉の炎は先程よりも強く
徐々に室温が上がっていく。暑い⋮ダメだ⋮頭から羽織っていた
?
配を何も感じなかった。ドアを開けようと思うが、開かない。いや、
ると、ドアに鍵がかかる音がして、炉には火が炊かれていた。誰
では多くても二人でしか作業できない狭さだ。部屋の中を調べてい
はスミス系のファミリアなのか
奥の部屋に鍛冶場があった。炉も装備されて、本格的である。ここ
も部屋があるようなので、ちょっと調べてみる。
?
336
?
なっている。汗が滝の様に流れている。このままでは、脱水してしま
う。脱出方法を考える。
はぅ⋮
今まで生きてきた中で、感じたことのない刺激が身体の芯を走り抜
けて行った。
いやっ⋮
下半身に力が入らない。私は、床に手を突くように膝を付いた。
あぅ⋮
言い表せない感覚が身体の芯を鳴動させていく。
﹁あぁ⋮あっふぅ⋮﹂
力を入れて、何かの刺激に耐えようと思うが、筋肉が弛緩する。床
に腹這いになって倒れた。
﹁はぅ⋮﹂
見えない誰かに頭を鷲掴みにされ、口に何か太いモノを入れられ
﹂
﹁私は改宗させられました。完敗でした。姿を消すマントの欠点を教
えてもらいました。今まで、ありがとうございました。今日は部屋の
337
た。大きく開け放った口元から唾液が流れ出ていく。飲み込みたく
ても、太い何かがジャマで飲み込めない。
見えない何者かにされたいようにされていく。私は人形になった
かごとく、自力で動けずに、何者かの玩具にされたようだ。
遠くなっていた意識が戻ると、どこかの部屋のベッドに横たわって
いた。上半身は裸で、傍にあるテーブルの上には、私のステータスの
写しが置いてあり、それを見ると⋮私は改宗されていた⋮
│││ヘルメス│││
調べられたか
﹂
調査に行っていたアスフィが戻って来たのは、翌日だった。
﹁どうだった
?
何かあったのか
彼女の様子がおかしい。
﹁どうしたんだ
?
?
溜息を大きく吐いて、意を決したように話し始めた。
?
改宗
なんで
荷物を取りに戻りました﹂
はぁい
?
う。
!
﹂
?
元主神様﹂
﹂
﹂
なことを言う子ではなかったはず、と思いたい。
﹁で、どこのファミリアに改宗をしたのだ
﹂
﹁プライベートの侵害ですよ、元主神様﹂
﹁何と言うファミリアだ
﹁今回の案件で探りを入れに行ったファミリアです、元主神様
?
﹂
?
だっけかな
﹂
女 性 に 話 し か け ら れ た。あ れ
﹂
?
?
あなたって、そんなに高飛車だったの
﹂
知らなかったわ﹂
昔
ど こ か で 会 っ た 気 が す る。ど こ
﹁ヘルメス、私の仲間に何か用ですか
俺の言葉をスルーするポーター達。見た事のないヤツラだ。
﹁おい、どこのファミリアの者だ
俺は、ポーターに話しかけてみる。
ターに手渡していく。
ぞ、ア ス フ ィ。彼 女 は 黙 々 と 荷 物 を 纏 め て、外 に 待 た し て い る ポ ー
俺の心にダメージが蓄積していく。そんな風に呼んで欲しくない
!
﹃元主神様﹄って言う言葉に衝撃を受けた俺⋮アスフィに限ってそん
何か問題でもありますか
ないだけマシって感じです。でも事後に説明を受けて、望みました。
﹁ですから、望まないとか、そういう状況ではなかったんです。殺され
﹁望まないのに改宗されたのか
﹁では、望みました。順序的には事後ですけど﹂
﹁望まない改宗だったら、破棄できるぞ
﹂
改宗というのは、この世界において、ファミリアの移籍のことを言
した﹂
﹁望むとか望まないとか関係ないです。改宗した事実をお知らせしま
﹁おい、アスフィ。君は改宗を望んだのか
?
?
?
338
?
?
﹁おい、お前は誰だ
﹁あら
?
?
?
どこかで会った覚えのある女性に、そのように言われた。うん
?
?
に会ったのか
﹂
どこで
﹁どこかで会ったか
くのもわかるわ﹂
﹂
アスフィは、この女神に何かを愚痴ったのか
﹁これで最後です。帰りましょう、アストレア様﹂
アスフィが、女神にそう告げた⋮アストレア⋮はぁい
ではないのか
﹁じゃね、ヘルメス♪﹂
死んだはず
あれが幽霊だと、アスフィも幽霊にな
?
ストレア一行の姿が消えていた。
│││シュウ│││
﹁で、アスフィと、レフィーヤは改宗で良かったの
﹂
?
﹁二つだけですか
﹂
﹂
シュウ様はラスボスクラスですよね
﹂
﹁まぁ、戦力的にみて、その二つには負けない自信はあるけど﹂
ヤ、ウラノス辺りかな
﹁う∼、どうかな。知り合いと言えば知り合いなのはヘルメス、フレイ
ない。アストレア、二人とは関係は良いの
﹁そうなるとヘルメスはどう動くかだな。きっとロキも動くかもしれ
っと、レフィーヤ。
﹁私は、アイズさんと一緒に暮らせて嬉しいです♪﹂
っと、アスフィ。
﹁えぇ、ここでは私を女性として扱ってくれますし﹂
隣でのバイトが終わり、僕らのホームでまったりとしていた。
?
るんだが⋮我に返った俺は、後を追いかけたが、角を曲がった処で、ア
俺は幽霊でも見ているのか
?
?
﹁はぁ⋮女性の扱いがヘタなのは、昔からね、ヘルメス。アスフィが嘆
ると、コイツは女神か
女性は涼しい顔で返答をした。対等に話しているところから考え
﹁それすら覚えていないの
?
?
?
?
会ったばかりの頃は、壊れていたけど。
笑 顔 を 絶 や さ な い ア ス ト レ ア。心 が 昔 の 様 に 戻 っ て い る よ う だ。
?
339
?
?
?
?
﹁ラスボス
僕はペナルティー中だよ。そんなに能力は高くない﹂
﹁シュウ様の奥様方と、忍さん、オー君だけでも、ラスボス並でしょ
﹂
﹁まぁ、そうだね。悪魔の頂点とドラゴンの頂点とバンパイアの頂点
がいるからね♪﹂
│││ヘファイストス│││
ヘルメスが蒼い顔をして、報告に来た。
﹁わかったよ。欲しかった情報⋮一部だけどな﹂
﹂
こんな表情のコイツは珍しい。したたかで抜け目ない飄々とした
ヤツなのだが。
﹁何が遭ったんだ
﹁アスフィが
どこに
﹂
﹁あぁ⋮アスフィが抜かれた⋮﹂
?
?
死んだはずだろう
生きていたのか
優しさに触れて、改宗を決心したようだよ﹂
アストレア
?
ミリアでない気がするよ﹂
?
しか開示されなかった。残りの者は特例に付き保護されているよう
﹁副団長はリュー、団員はアイズ、アスフィ、レフィーヤだ。それだけ
﹁眷属でわかっているのは
﹂
ギルドで確認したが、特例に付き、教えられないそうだ。ただのファ
フィが接触したことを考えると、アストレア・ファミリアで正解だ。
﹁ヘ フ ァ イ ス ト ス が 言 っ て い た 少 年 が 団 長 か は わ か ら な い が、ア ス
﹁まさか⋮依頼したファミリアって⋮﹂
た。そんな彼女を癒やした者がいたようだ﹂
﹁パス・パレードの罠で全滅に近い被害を受け、アストレアの心は壊れ
でも、あそこは⋮
異例だけど再認定をされたそうだ﹂
﹁再起動したようだ。ギルドに確認をしたのだが、ファミリアとして、
?
﹁アストレア・ファミリアだ。まさか、生きていたとは⋮アストレアの
で発明家である。
アスフィはヘルメス・ファミリアの団長である。二つ名は︻万能者︼
?
?
340
?
?
だ﹂
特例
﹂
神にも開示できない程重要な事項なのか
﹁特例って何だ
要度なんだと思うぞ﹂
﹁ロキの子供が二人も改宗か
ロキに聞いてみよう﹂
と言え命に関わるかもしれない。ギルドが開示拒否って、その位の重
﹁嫌な予感がする。知ってはいけないことなんだと思う。知れば、神
?
ホームへ向かった。
││││││
アイズたん、レフィーヤが改宗やて
?
﹁どうないなってんや
リヴェリア
﹂
後の祭りではあるが。副団長のリヴェリアを呼び出したロキ。
ロキは眷属の改宗を知らないようだ。言っちゃ不味かったかな
﹁なんやて
﹂
ヘ ル メ ス は、そ う 言 っ て 立 ち 去 っ た。私 は、ロ キ に 会 い に ヤ ツ の
俺の方で探るから、目立つなよ﹂
﹁ヘファイストス、事を大きくするなよ。お前に何かあると大変だ。
?
﹂
ロキ、あなたがベートの改宗を知らせないから、事が大きく
なっていくんでしょ
ベートも改宗していたのか
溜息を吐いて、頭を抱えるリヴェリア。
れば、二人も金魚の糞やで♪﹂
なると、リヴェリア、アイズたんを取り戻して来い。アイズたんが戻
﹁そうか、ベートもアイズたんと一緒にいたいから、改宗なのか⋮そう
す﹂
たそうです。改宗したのは、アイズと一緒にいたいだけだと思いま
﹁レフィーヤに関しては、アイズの穏やかな表情を見て、引退を決意し
普通はそう思うよな。眷属が全滅したのだろうから。
か、とっくに滅んだファミリアだったからな﹂
﹁いや、だから⋮あれは⋮そうや、夢やと思ったのだ。アストレアなん
?
﹁はぁ
!
?
?
副団長に怒鳴り散らす。
?
?
341
?
?
?
﹁そんな単純に事は進みません。フィンだって、改宗しているかもし
たしか、ここの団長だよな⋮
れないんだから﹂
フィン
﹁あ⋮そうやな⋮最近、ベートとつるんでおるんだったな、はぁ⋮﹂
落ち込むロキ。
﹁ロキ、第三者として、私がアストレアに会ってくる。なんの為にアイ
ズ達を引き抜いたかを聞いてくる﹂
﹁頼むでぇ∼﹂
弱々しい声のロキ。アストレア・ファミリアのホームへと向かう。
││││││
呼び鈴を鳴らして、反応を待つと、鍵の開く音が
﹃豊饒の女主人﹄の隣に建つ建物に入ろうと思うが、鍵が閉まってい
た。寝ているのか
た音がした。
﹁この世界の神々は宵っ張りなのか
ぞ﹂
普通に考えて、寝ている時間だ
﹂
?
﹁逃げられる訳ないだろ
マズい⋮逃げないと。
?
闇の世界から出られるのは、闇の能力者だ
うっ⋮なんでそれを知っているんだ
﹁ここは、闇の世界だ。神の弱点だよな。孤独な場所ってさぁ﹂
はどこだ
言い終わると、私は真っ暗闇の場所にいた。音が何もしない。ここ
に会いたいんだ、面会させてくれないか
﹁それは悪かったな。急いで確認したい事があったから。アストレア
上に上がる階段に、あの少年が腰掛けていた。
?
して、ドアが開いた。建物の中に入ると、ドアが閉まり、鍵が掛かっ
?
あっ⋮身体を触れている感覚がある。でも音がしない。感覚だけ
ても二人はいる世界でないと。
ない。崇拝する者が居なければ、神としての立場が無いから。少なく
そこまで言うと、音のしない世界になった。神は一人では生きられ
けだ。貴重な睡眠時間を奪ったのだ、そのバツは受けて貰う﹂
?
342
?
?
だ。
あぁ⋮いぃ⋮口に何かが入り、口の中を舐められている。胸を揉ま
れて、乳首を捏ねくり回され、背中からお尻の谷間にかけて、羽箒が
ソフトタッチをして走っている。
身体の奥で暖かい液体が湧き出て、体外へと流
やめ⋮てぇ⋮悶々とした感覚で頭の中が真っ白になっていく。こ
れって、淫乱堕ちか
れ出していく。耐えれば耐えるほどに、悶々とした感覚が私の中を埋
め尽くしていく。
あぅ⋮自ら、両腕を後ろで組み、胸を張り出す。もっと、刺激が欲
しいから。体内では熱かった液体は太股を伝わる頃には生暖かくな
り、膝から下では冷たくなっていく。自分で繰り出す刺激さえでも、
悶々さが増していく。
ごめんなさい⋮私にバツを与えている者に謝罪をする。もう、ダメ
だ⋮淫乱堕ちしそうだ。誇り高い私が淫乱堕ちなんて許せないが、耐
えられなくなっている。プライドは粉砕するだろうな。きっと、バツ
を与えた者の下僕になり、好きされてしまう事を望むかもしれない。
下腹部から大量の液体が噴き出したと同時に、果てた私⋮
││││││
目が覚めると、清々しさを感じる。窓から陽光が差し込み、私の素
肌に暖かさを与えてくれた。部屋を見回すと、見覚えのない部屋にい
た。ここはどこ
トス﹂
優しい顔立ちの女性がいた。コイツがアストレアなのか
ベッド
﹁今後、僕達の意に沿わない行動を取るようなら、この映像を椿の脳裏
ている。あぁ⋮なんてことを⋮
たことのない言葉が口から出ている。自ら、身体を相手に預けにいっ
頭に映像が送り込まれてきた。淫乱堕ちした私の姿⋮今までに発し
から立ち上がろうとするも、下半身に力が全く入らない。どうして⋮
?
343
?
﹁ここは、アストレア・ファミリアのホームの中の一室よ、ヘファイス
?
に送り込む﹂
椿とは、たぶん、私のファミリアの椿・コルブランドのことだろう。
﹁わかった⋮やめて⋮やめてください﹂
﹂
両目から涙が零れる。顔を手で覆い、泣いた。悔しさと不甲斐なさ
からだ。
﹁何を悔しがり、何をもって不甲斐ないと感じたのだ
﹁どう
もう1回行っておく
﹂
陽の光が窓から入って来なくなっている。
精も根も尽き果てた頃、元の世界に戻された。もう、昼のようだ。太
年に⋮後悔しても遅かった、昨夜受けた辱めを再び味わう。そして、
次の瞬間、私は再び闇が支配する場所にいた。そうだった、あの少
﹁ほぉ⋮まだ、怒るパワーがあるのか、もう一度行って来い﹂
﹁おまえ⋮﹂
顔を上げると、アストレアの隣に、あの少年がいた。
?
の世界に戻された。もう、夜だ⋮
﹁お前が刃向かうのを止めるまで、続けるが、どうする
﹁どうするんですか
シュウ様﹂
行為が出来なかったようだ。
﹂
撃である。ヘファイストスの場合、プライドがジャマして、あぁいう
な事、プライドがジャマして出来ない事をしたような感覚で与える攻
ち攻撃だけしか使えないに等しい。残念だ⋮闇堕ち攻撃は、相手の嫌
今の僕は、直接的な行為は出来ない。エロ神としての攻撃は、闇堕
﹁まさか、ヘファイストスが淫乱堕ちするとは⋮﹂
│││シュウ│││
ていた。
だ、私をもっといたぶってください。淫乱堕ちをした私は、彼を求め
もう、刃向かう元気なんか無い、いや、もう何も考えたくない。た
?
私が返事をする前に、三度目の闇の世界でフルコースを味わい、元
?
﹁まぁ、加護は与える。彼女の目は治しておいた。充分なくらいのエ
心配そうなアストレア。
?
344
?
ナジードレインをさせてくれたし﹂
完治させたヘファイストスの目に眼帯はもう無い。枕元に置いて
ある。エロ神である僕は、基本的に女性がオーガズムに達した時のエ
﹂
ネルギーを好んでドレインしている。
﹁で、どうするんですか
ていた。
﹂
?
さすがにエロ神様ですね♪﹂
の女神だと、心が読めない時がある。
﹂
?
添え寝かぁ、いつ以来かな
﹁アストレアが添え寝するとかは
﹁あぁ⋮有りかな
﹂
?
僕を拝むアストレア。何を願っているのやら。アストレアクラス
﹁まだ、やるんですか
﹁かと言って、僕は物理的にできないし﹂
﹁執務室に置き去りですか
﹁彼女の執務室になら、強制転移できるけど⋮﹂
﹁歩いて帰れないですよ﹂
﹁このまま、帰すとか
﹂
目の前のベッドにはヘトヘトになったヘファイストスが横たわっ
?
の身体を満喫し始めた。
﹁じゃ、おやすみ、アストレア﹂
﹁はい、シュウ様♪﹂
│││││││
明日は潜る予定なので、準備をしておく。1階の広間に集まった、
みんなに作戦を伝える。
﹁50階に着いたら、テントの設営を優先して。それから51階に行
く。人数も増えたし、新人のレフィーヤはアイズと共に、芋虫。新人
のアスフィ、フィン、リアス、ヴァイラは芋虫以外、ベート、セラフォ
ル ー は 4 9 階 の 階 層 主 の バ ロ ー ル。忍、オ ー フ ィ ス は、5 1 階 の 護
衛って感じで頼みます。僕は砲撃と共に龍の壺に行きます﹂
レフィーヤとアスフィは、絶句していた。いきなり、50階スター
345
?
?
アストレアは、全裸になり、ヘファイストスの横に横たわり、彼女
?
トってことに。
﹁いきなり、50階なんですか
﹁そうですが⋮﹂
﹂
﹁レフィーヤは体験済みなんだよな
?
っと、アスフィ。
エロ要員が良いのか
?
﹂
﹂
?
﹂
?
うようだ。
﹁じゃ、睡眠は充分に取って。解散
それぞれの部屋に戻っていく。
﹂
いもんな、お姉さんは。その辺りは、開幕攻撃好きなシルキーとは違
と、含みを持たした言い方をした。絶体絶命にならないと攻撃しな
よ。いざとなればね﹂
それに魔王のセラフォルーがいるんだ。いざとなれば、倒してくれる
﹁忍とオーフィスに鍛えられて、ベートはだいぶ強くなったはずだよ。
って、ベート。
﹁なぁ、二人でバロールって無理じゃないのか
漸く、観念したアスフィ。では、エネルギー補強要員ってことで。
﹁はぁ∼では、エロ要員で⋮﹂
﹁潜らない日にしてくれ。潜る日は2択だ﹂
﹁うっ∼っと、開発要員って無いんですか
﹁戦闘要員とエロ要員の好きな方を選んで良いけど﹂
﹁あ⋮あの⋮ですね、それも敷居が高いですよ﹂
﹁え
﹂
﹁私は戦闘要員ではないです∼﹂
なんか納得しきれないレフィーヤ。
?
!
346
?
夢の中の夢*
│││シュウ│││
夢の世界で寝て、更に夢を見るのは、なんだかなぁではあるが、夢
でドエスな上司が話しかけてきた。今度は、どんな難題だ
﹃たまには弟子とスキンシップして来なさい﹄
屋を探す。
部屋に掲げられたネームプレートを見ながら、一番会いたいヤツの部
周囲を見回すと、次元の狭間にあるベースキャンプのようだった。
とだけ言って切るもんな。質問をアレコレしたいのに⋮
って、ドエスの上司からの念話は途絶えた。あの上司、言いたいこ
子の成長をみなさい♪﹄
父親に殺されて、イッセー達の手で甦ったんだ。まぁ、その世界で弟
とは言っても、既に路線は別路線に入ったよ。理不尽過ぎたリアスは
﹃君と同じ、夢の世界で、オリジナル︵改︶の世界と言えば良いかな
どこ
って、イッセー達の鍛錬している世界に飛ばされたようだ。ここは
?
あれ
ヴァーリ⋮この世界の
肉のぶつかり合う音⋮僕が出来ない
で、相手は誰だ
?
そして、発見して入室⋮うん
行為をしているのか
?
?
﹂
?
たようだ。
?
僕はイッセーの幼い頃にそっくりだから、いや小さい頃その者だ。
と振り返り、僕を見た。あいつも驚いた表情をしている。なんせ今の
エス心で、更にオーラを凶悪な物にしていく。イッセーがゆっくり
﹁なんだよ、ヴァーリ、この程度のことで膣痙攣か
肝が小せぇな∼﹂
登場。彼女にとっては、ショックが大きかったのか、膣痙攣を起こし
る。TSの呪いを掛けられた原因となる行為をしていた最中に、僕の
僕の声で、僕を見るヴァーリ。その表情には恐怖の色が現れてい
﹁ほぉ∼、ヴァーリは女性に戻れたのか
そう、僕は彼らに声を掛ける前に、怒りを纏っていた♪
許せない⋮
ヴァーリと同化吸収したのか、TSの呪いが解けていた。ますます、
!
347
?
?
﹁よぉ
イッセー、元気だったか
﹂
﹂
そう言えば、闇の世界を通った気がする。もしかし
て、イッセーも闇属性になったのかな
どうやって
﹁どうやって、来られたんですか
な。僕もここに来られるとは思っていなかったし。
僕の来訪が信じられないみたいだ。まぁ、普通に考えればそうだよ
﹁久しぶりだな。クリス♪﹂
より、住民がワラワラと集まってきた。
僕の来訪にクリスが驚いたのか、叫ぶように言った。クリスの声に
﹁なんで、団長が⋮﹂
場した僕は、ふいに後ろから声を掛けられた。
イッセーは固まり、反応に困っているようだ。そんなサプライズ登
?
?
♪﹂
﹂
﹁ヴァレリーはいるか
みんなは。そうだ、その前にアイ
?
いるんだったら、ヴァーリの膣痙攣を治して
ツらをどうにかしないと。
4刀流を披露したい。驚くかな
﹁クリス達と戦おうかな♪僕の成長ぶりも見せたいし♪﹂
ままだったな。まぁ、いいっか。
恐る恐る僕に聞き返してきたクリス。あぁ、怒りのオーラを纏った
﹁成長ぶりって
ね。僕が自発的に来た訳ではないよ。僕もまだ鍛錬中だし﹂
まれたみたいだ。僕の新しい上司が、弟子の成長ぶりを見て来いって
﹁イッセーが闇の世界に出入りしたみたいで、闇の世界経由で送りこ
?
?
?
そういうこと出来
?
﹁この世界のメイビスとルシファーは弱そうだな﹂
ンバーを見渡すと、メイビスと仲間達がいた。なんか、弱そうだな。
リビングルームで僕を囲うように、みんなが座っている。ここのメ
││││││
る身分なんだから。僕はしたくても出来ない身体なのにさぁ⋮
与えたようだ。凹んでいる二人。まぁ、いいだろ
みんなの前で言った僕の言葉は、イッセーとヴァーリにダメージを
?
348
!
﹁はぁ
お前みたいな子供に言われたくない﹂
ルシファーが怒っているみたいだ。まぁ、小学生に言われてもな。
﹁じゃ、リヴァさんと戦ってみて。5人でリヴァさんに勝てたら謝る
よ﹂
有り得ないなぁ。お前ら、覚悟しておけ﹂
僕はリヴァさんを召還した。
﹁シュウに喰って掛かる
リヴァさんはやる気満々だ。どうなるかな
﹁僕の師匠です⋮﹂
﹁ねぇ、何者なの
﹂
で、一息ついた頃、メイビスがイッセーとこそこそと話している。
魔力で発動させ、メイビス達を生き返らせた。
後、魔力の上限が低い僕は蘇生の魔法陣を発現させて、イッセー達の
水の中では、最強な生物なリヴァさんに勝てる訳ないだろう⋮その
中では戦うどころではなかったけどね。
たし、リヴァイアサンに変身して、5人を簡単に屠った。5人は水の
き、対戦を始めた。リヴァさんは魔法でトレーニングルームを水で満
リヴァさんとこの世界のメイビス達が、トレーニングルームに行
?
?
﹂
イッセーの声は震えている。僕のオーラに飲み込まれたのか
﹁最凶の生物
?
?
ついていたけど、
﹁イッセー、こそこそ話しをするなよ∼﹂
イッセーはビクついている。相変わらず、チキンか
たい。
クリスともやりたいけど、こいつの立場ってものを大事にしてあげ
﹁わかりました。団長のお気の済むように、どうぞ⋮﹂
かな
クリスの顔は青ざめていた。こいつも僕のオーラに飲み込まれた
﹁で、イッセーとイッセの二人と戦いたい。どうかな、クリス﹂
?
メイビスは驚いたのか、大声で反応した。大声出さないでも、気が
?
349
?
?
﹁あと、そこの紅髪もな。さっきから、良い戦闘意欲は感じる。実力は
⋮まぁ、今の僕にはちょうど良い体型だし﹂
﹂
若いリアスは、気持ちいいよな∼本妻リアスは、アレだけど⋮って、
直接出来ないのがもどかしい僕。
﹁お兄様、私も参戦しても良いですか
白音が参戦希望のようだ。だけどなぁ、白音のアレには勝て無い
し。
﹁白音は、ダメだ。僕が勝て無いことがわかっているし♪﹂
﹁戦闘中に笑顔はしませんよ﹂
キリッとした顔立ちで、良い闘気を飛ばしてきた。アレ無しならい
いかな。アレとは、僕の唯一の弱点である白音の笑顔⋮アレを見てし
まうと、僕には戦う気がまるで無くなる。要するに無力化されるとい
う。僕自身にとっては幸せで有り、戦闘時には最悪なスキルである。
﹂
まぁ、出たとこ勝負か
﹁そうか⋮わかった。参戦しろ。あと、木場だ。それだけ居れば、ハン
デとして悪くないだろ
木場を入れると、ハンデが多すぎるかな
なっと♪
る﹂
努力はする。でも、戦闘になると最適な攻撃を仕掛けてしまうかも
な⋮
﹁じゃ、トレーニングルームへ行こう﹂
││││││
トレーニングルームに着いてから、妖刀村雨、村正、魔皇剣ザンバッ
トソード、魔剣セル=ベレスタを装備する。居合い斬りによる飛ぶ斬
剣って⋮﹄
撃の連打を披露しなきゃ♪
﹃え
﹁この剣は、魔皇剣ザンバットソードと、魔剣セル=ベレスタだよ﹂
言ってから思い出したのだが、ザンバットソードは、イッセーの世
350
?
﹁僕 は 魔 力 の 上 限 が 低 い。な の で 魔 法 攻 撃 は ⋮ し な い よ う に 努 力 す
?
?
イッセーの心の声を拾い、別世界で手に入れた剣を紹介した。
?
魔剣⋮4本も装備って⋮﹄
界で手に入れたような⋮まぁ、いいっか。
﹃え
更にイッセーの心の声を拾う。
﹁今、4刀流を極めているんだよ、イッセー♪﹂
4刀流という言葉にイッセー、イッセ、木場の顔から血の気が失せ
ていくような。まぁ、普通は無理だと思うだろうな。ジャグリングを
ヒントに、僕が編み出した剣技だし。
イッセーとイッセは聖剣エクスカリバー、木場は聖魔剣、白音は
ホーリーナックルか。で、紅髪は⋮何も装備しない。この世界の紅髪
腕は2本じゃない。とんだ、ほら吹きねぇ﹂
は滅びの力を装備できるのかな
﹁4刀流
?
﹂
?
﹂
ただ纏うだけって、殺してくださいって、言っているように
見えるぞ。こいつは戦力外だな。
﹁紅髪は最後のお楽しみ♪では、始めようか
﹂
﹂
!
﹁団長の身体は、あらゆる攻撃を透過する。団長の背後にいると、味方
と、不思議だと思うよな、確かに。
イッセの指示に不思議そうな顔をする紅髪。僕の特性を知らない
﹁なんで
イッセから紅髪に指示が飛んだ。
﹁リアス、団長の後方には、絶対に行くなよ
イッセー達は僕の周囲、後方を除く周囲に展開した。
!
いのか
紅髪は滅のオーラを見に纏い始めた。剣とか鎧とかに具現化しな
ライドを壊せば、従順な女の子になる。
魔王の妹である事により、プライドが高いというか。なので、そのプ
は張りぼてな高飛車なだけで、内面的には素直で良い女なんだけど、
どこの世界でも紅髪リアスは、高飛車な悪魔って第一印象だ。実際
﹁う∼ん、紅髪って、どこの世界でも、最初はこんな感じだったよな﹂
リーよ。覚えておきなさい﹂
﹁私 は 紅 髪 っ て 名 前 で は な い。魔 王 に な る べ き 悪 魔 リ ア ス・グ レ モ
﹁紅髪は装備無いのか
って、リアスが呟いた。まぁ、普通はそう思うよね。ふふふ。で
?
?
?
351
?
の攻撃が誤爆するからな﹂
﹂
僕のチートな能力を聞き、滅のオーラが霧散していく紅髪。戦うこ
とを諦めたのかな
﹁チートすぎるでしょ
僕を睨んで非難してきた。いや、たぶん、それが普通の人の対応だ
な。
﹁それだけじゃない。団長の素手は装備を透過する。ヘタすると皮膚
を透過して、内臓を直接攻撃してくるから、素手になったら、終わっ
たと思え﹂
さらにイッセが僕の奥の手を暴露した。それにより、リアスは腰が
抜けたのか、腰砕けで倒れた。イッセの情報に間違いがある。女性に
﹂
対 し て 内 臓 攻 撃 は し な い。下 着 を 透 過 し て の ム フ フ な 攻 撃 だ け だ。
でも、あえて、訂正はしないでおく。
﹁どうやって、そんなチートな化け物を倒すのよ
イッセの指示で、龍化したイッセとイッセー。
﹁イッセー、埒が明かない。龍化しよう﹂
狙って撃ち出していく。
木 場 か ら 指 示 で、全 て 避 け 始 め た ア イ ツ ら。直 撃 し な い よ う に、
﹁魔剣、魔皇剣の斬撃は避けろ。剣が折れるかもしれない﹂
出来た時に放っていく。
ては重い装備に当たる魔剣、魔皇剣は連打速度が落ちるので、余裕が
妖刀とは違い、魔剣、魔皇剣の破壊力は激しい。ただ、今の僕にとっ
く。木場の恐怖に歪む顔は良いなぁ。ふふふ。
距離が縮まって来たので、魔剣、魔皇剣の飛ぶ斬撃を織り交ぜてい
らは、剣で弾いたり、避けたりして僕との距離を縮めてきた。
まず、妖刀の連打な飛ぶ斬撃をジャブのように放っていく。アイツ
しい。今の僕は電池切れまでの時間が短いからな。
木場からナイスな僕攻略の方法が語られた。木場の言うことは正
んだよ﹂
﹁倒すんじゃない。アイツの体力が無くなるまで、攻撃を防ぎ続ける
?
﹁ほぉ、二人共龍化できるようになったのか♪そうなると、木場には退
352
?
?
場して貰おうかな﹂
二人とのガチバトルを楽しみたい僕は、ステルスモードになり、木
チートすぎる⋮﹂
場を屠った。光に包まれて退場する木場。
﹁姿も消せるの
って、イッセがリアスを諭しているのか
﹁こんなチートな生き物がいるなんて⋮﹂
﹂
白音で遊びたいな♪
﹁次はどっちが相手だ
﹂
いいなぁ⋮あの二人を早く料理して、その後でゆっくりと、リアスと
淫らな姿になってその場に倒れた白音。大人の白音は色っぽくて
│││シュウ│││
ヨダレを流し、意識が飛んだ⋮
呼吸が荒くなる。意識が飛んでいく⋮そして、上下の口から大量の
はぁはぁっ⋮
闇落ちして、その先にある淫乱堕ちしていくのが、わかる私の感覚。
はぁ⋮いい⋮もっと⋮
れ、舌で転がされている。
に、容赦なく闇の攻撃が仕掛けられてきた。柔らかな突起を甘噛みさ
あぁ、下半身に力が⋮膝を付き、手をつく。四つん這いになった私
体が舐められているみたいだ。
私は闇のオーラに包まれたようだ。見えない無数の舌によって、身
﹁イヤッ
│││白音│││
悶々とし始めた僕は、白音に闇のオーラ攻撃をしかけた。
?
﹁だから魔王なんか、ちっぽけで非力な存在だって言っただろ﹂
あぁ、直接ヤリたい⋮
リ ア ス の 声 は 絶 望 的 だ。恐 怖 で 縛 る リ ア ス の 表 情 は い い な ぁ。
?
龍化した二人に対して、僕も鬼化という本来の姿になった。
?
353
!
﹁鬼⋮﹂
リアスは一言漏らすと、僕の本来のオーラに飲み込まれて、気絶し
たようだ。白音と比べて、あまりそそらない失神姿だなって、思って
いたら、いきなりイッセが、オーラ弾を撃ち込んできた。でも、オー
ラ弾は僕に当たると吸収されていった。そうだ、報告しておかないと
な。
﹂
﹁イッセー、僕も魔人の血が覚醒したんだよ♪なので、相手の攻撃エナ
ジーを吸収できるんだ﹂
イッセが詰んだことに気が付いた。
﹁団長⋮降参って、選択肢は僕達にありますか
﹂
でも、僕はドエスプレイヤーだよ♪
﹁無いって言ったら、どうする
すよ﹂
って、イッセーが勝ち誇ったように言う。なんだ、それは
﹁さぁ、魔人の血を持つ一誠対決と行こうか
ふふふ。どうしたよ、白
イッセに襲い掛かり、イッセを退場させた。
﹁うぐっ⋮﹂
を。
ない。こういうのは、使って覚えるものだし♪さてと、まずはアイツ
ことを、イッセーは知らないみたいだ。経験不足だな。あえて、教え
すでに淫乱堕ちさせてしまった白音には、闇落ちは効果ない。その
闇落ちか⋮やってみな。僕も見てみたい♪﹂
﹁ほぉ⋮イッセー、中々エグい攻撃ができるようになったな。白音の
?
﹁団長、チェックメイトです。降参しないと、白音さんを闇落ちさせま
闇のオーラを発生させて、白音を包み込んでいく。
考え込んでいたイッセーが、僕の想定外の行動に出た。イッセーは
?
つのが一番賢いんだよ。
のことを知らないイッセーは、手詰まりに入ったようだ。戦わずに勝
闇落ちしようがないので、イッセーを殺すことはないんだけど、そ
けどな。ふふふ﹂
音を闇落ちさせろよ。遠慮は要らない。まぁ、その瞬間にお前を殺す
?
354
?
長考状態のイッセーの前に、転移陣が発現した。これって、
﹁団長、戻って来たなら、僕に連絡をくださいよ∼﹂
って、ヤマトが現れた。
色々話を聞きたいので、上にあ
﹁あ、すまん⋮上司にこの世界だけって言われていたから⋮﹂
﹁もう、イッセーの負けでいいでしょ
がってください﹂
だよな
﹂
﹂
﹁心が病んだ妻として、セラフォルーが送られてきた⋮これって、ペナ
﹁どんなペナが行きました
僕の姿は、一誠の姿に戻っていた。
セラフォルーを想像したら、戦闘意欲は萎えていた。それと同時に
は僕に来たよ﹂
﹁う∼、そうなるよな。この前のヤマトとシルキーの暴挙、アレのペナ
これ以上のペナは嫌かも⋮
の場合、上司に怒られるのは団長ですからね﹂
﹁はいはい、そのうちね。僕と団長が戦ったら、宇宙が消えますよ。そ
﹁なんか、もの足りない⋮ヤマト、戦おうよ♪﹂
?
だ。凹んでいく僕。
﹁あぁ、セラフォルーさんは、おバカなことをしましたよ。団長が消失
あのおバカは⋮まったくも⋮
した後に、自らを氷漬けにして、団長が戻って来るまで、歳を取らな
そんなことをしたのか
いようにって﹂
はぁ
戻った。
?
識人に思える﹂
﹁あぁ、僕よりエスで、僕より非常識だ。おかげで、僕はノーマルな常
ヤマトが興味深そうにきいてきた。
﹁で、新しい上司はどうなんですか
﹂
ヤマトが乱入したことにより、戦闘は中断して、リビングルームに
檻だな﹂
﹁アイツは、心が病んでいるんじゃなくて、おバカだから⋮戻ったら折
?
355
?
あぁ、あの世界に帰りたくないなぁ⋮どんなおバカなことをするん
?
?
﹁あはは、団長、凹みっぱなしなんですね﹂
﹂
そうなんだよな⋮セラフォルーの次にどうにかしたいヤツだ。
﹁で、紅髪は魔王になるのか
﹁エロ神降臨
﹂
小動物のようなリアス⋮アリだと思います。
﹁殺さないよ。身体を満喫したいもん♪﹂
さい﹂
﹁いや⋮そんな気はもうないです。お願いですから、殺さないでくだ
紅髪に気になっていたことをきいた。
?
絶対神の方が格は上ですよ﹂
﹁そんなちっぽけな夢なの
﹂
あぁ、あの頃に戻りたい。白音と同棲していた頃に⋮
んな僕のささやかな夢を、上司に拒否されたんだ﹂
﹁僕は白音と二人で、まったりとした生活がしたいだけなんだよ。そ
って、ルシファー。
﹁偉い神の考えってわからないな﹂
るし。単なるエロ人間でいいんだよ、僕﹂
﹁上で無くていいんだ。そもそも、神であることを否定して生きてい
上に行くほど自由度が無くなるんだけど⋮
﹁なんで
降臨するなら、降臨して欲しいなぁ⋮
﹁いや、実際問題、絶対神をやめて、エロ神に戻りたいよ﹂
メイビスがぼそっと呟いた。
?
でもね﹂
淫乱堕ちから戻って来た白音と見つめ合う。
﹁で、これからは、ここには頻繁に来られるんですか
?
まぁ、いずれ、魔力を高めて、自力で来たいかな
って、いうか、こ
﹁僕 の 意 志 で は 来 ら れ な い。亜 空 間 移 動 す る ほ ど の 魔 力 が な い し。
ヤマトがきいてきた。どうなんだろうな⋮
﹂
﹁僕にとっては、とても大事なことだよ。みんなに取っては、ちっぽけ
んか⋮誰にも理解されないんだ、きっと。
メイビスにも否定された。まぁ、わからないだろうな。僕の望みな
?
?
356
?
こも夢空間だから、来られたんだと思う。実世界へは無理だな﹂
まぁ、能力が全部戻れば、可能なはずだけど。
﹂
﹁今の一番の問題は、ピカピカの小学一年生な身体で、エロ行為が出来
ないことだよ。とほほ⋮﹂
﹁どんだけ強くなる気ですか
みんなを護れるくらいだよ。愚問だぞ、クリス﹂
クリスがきいてきた。
﹁どんだけ
?
﹂
あの飛ぶ斬撃⋮核爆弾より
?
まだまだ、強くなるよ。高校生になるまで、ガンガン剣を極
?
!
挨拶しておけ♪﹄
って⋮会話中に飛ばすなよ∼このドエス上司が
はない。放置プレイかよ。凹む僕。
イッセー君にしては小さいけど⋮﹂
転移した先は、アジュカ父さんの仕事場だった。
﹁君は
上司からの返答
﹃君会いたがっている人物の元に送る。一応、この世界の協力者だ。
と、いきなり、飛ばされた。今度はどこだ
めるんだ♪﹂
﹁そうか
危険じゃないですか
バーストにも耐えたのに⋮なんですか
﹁こ こ の ト レ ー ニ ン グ ル ー ム を 半 壊 っ て ⋮ イ ッ セ の オ ー ラ 弾 の フ ル
?
﹂
﹂
ます。僕のチームの者がお世話になっているようで⋮﹂
﹂
イッセーのかな
﹁もしかして⋮あの駒の作者か
あの駒
﹁イッセーの駒ですか
?
﹁そうだ。あのドラゴンの駒の作者か
?
﹁そうなのか、ちょっと待ってくれ﹂
をしに来ました﹂
﹁あまり、時間はないんですが、この世界での協力者の皆さんに、挨拶
﹁そうか、君かぁ⋮﹂
﹁そうです。作者です﹂
目の前のアジュカさんは興奮しているようだ。
?
?
?
357
?
?
﹁僕は、シュウ・ヨハネ・鬼門です。別世界の兵藤一誠として生きてい
?
連絡用魔法陣を開いて、他の協力者を呼び出してくれているよう
﹂
だ。しばらく待っていると、転移陣が二つ現れて、ミカエルさんと、ア
ザゼルが現れた。
﹁このチビが、イッセー達のボスなのか
﹁そうですが、何ですか
﹂
ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネ
﹁お、お前がイッセーに教えたのか
対アザゼル専用の呪文により、アザゼルの顔色が悪くなっていく。
の世界でも無礼ですね﹂
﹁ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督は、ど
現れてすぐに失礼な物言いのアザゼル。
?
﹂
﹁この世界のある宇宙を統轄している絶対神だけど♪﹂
ミカエルさんが質問をしていきた。
﹁で、君は何者なのかな
ミカエルさんが吹き出していた。
﹁あぁ、懐かしい呼び名だな、アザゼル♪﹂
ス・ブレード総督﹂
?
﹂
僕の言葉に、今度がミカエルさんの顔色が悪くなっていった。
﹁絶対神様
﹂
身構えていたら、目が
358
?
?
﹁まぁ、ここだけの話にしておいてね。口外すれば、存在を消すからな
?
って、ここでまた飛ばされた。今度はどこ
覚めた。
?
!
暗躍する者*
│││シュウ│││
弟子達との再会をした夢から醒めると、誰かに夜這いをされたよう
だった。僕が下で上に載っているヤツがいる。ちらっと横を見ると、
髪の毛は紅色⋮小学生の身体では負担が大きい寝方だと思う。せめ
て添え寝、横にいてほしい。何か罰を与えないと。
唯一動くのは左手だけのようだ。右手は体重を真面に受けて、しび
れている。左手に意識を集中して、相手の身体を透過させて⋮
﹁痛い⋮痛すぎるよ∼﹂
﹂
僕の抵抗により、目が覚めてくれたようだ。
﹁何しているのよ∼シュウ
﹁リアスの子宮を、直接鷲掴みしている﹂
﹂
﹂
痛みからリアスの目には涙が溜まっている。
﹁お前は鬼か
夜這いすんじゃねぇ
﹁止めてください⋮痛いよ∼﹂
﹁じゃ、退け
ろうか
次期当主として夜這いってどうなのと、説教をくらっていた
高校時代にグレイフィアさんからの生活指導を覚えていないのだ
!
から抜いた。
﹁死ぬかと思ったよ∼﹂
﹂
﹁死んだら、無限地獄に送ってやる﹂
﹁シュウも一緒に来てくれる
﹁あんたって人は⋮﹂
で爆睡♪﹂
﹂
﹁血の池地獄で温泉気分♪針山地獄でツボを刺激、そして閻魔の膝枕
﹁あんた、地獄で何をしたの
﹁僕は地獄は出入り禁止中⋮﹂
?
?
359
!
﹁そうだよ。鬼の子だもの﹂
?
!
はずなのだが。リアスは渋々起き上がったので、左手をリアスの体内
?
﹂
リアスが呆れている。まぁ、いいっか。リアスと話込むのは好きだ
し。
﹁で、不感症はどうなの
よね。
﹁お大事にね﹂
僕はベッドから降りた。
﹂
﹂
?
﹁もう行くの
特にないわ﹂
﹁今日、潜るって行ったよね
﹁準備
リアスは準備しなくても良いの
って、僕の手を自分の股間にあてがうリアス。確かに湿り気がある
﹁この世界に来て、良い感じに潤っているわよ﹂
イラが入院生活をした為に、食事を満足に摂らなかった為らしい。
リアスは悪魔の更年期障害で不感症になった。同居していたヴァ
?
﹁どう
満喫した
﹂
彼女の他にヘファイストスが寝ていた。
部屋を出て、アストレアの部屋に行く。アストレアのベッドには、
ルーしておく。
れで問題なのだが、滅びの力の具現化に取り組んでいるようなのでス
余裕ですね⋮っていうか、武器や防具は使えないもんな。それはそ
?
?
♪﹂
何をしてもらったのかな
で、これもスルーしておく。
﹁ヘファイストスはどうするの
?
アストレアの部屋を出た。
﹁はい♪﹂
﹁そろそろ潜る準備するから、またな﹂
与えると共に下僕になったはず。
ヘファイストスを腹這いにして、背中に印を刻む。これで、恩恵を
﹂
?
?
﹁シュウ様の恩恵を与えるのは
﹂
アストレアのイメージが壊れそうなの
﹁し ま し た。ヘ フ ァ イ ス ト ス が し て 欲 し い こ と を し て く れ ま し た か
いつもよりも瑞々しい顔付きのアストレア。
?
360
?
?
││││││
50階に転移した。新人のレフィーヤ、アスフィは、いきなり50
階に着いたことに戸惑っている。話で聞いていても、転移魔法を知ら
ない魔法使い、発明家では、実体験をして、どんなもんかを知った感
じかな。
﹁テ ン ト を 設 営 し て、お 昼 ま で 1 回 の 狩 り に 行 く。エ ロ 要 員 の ア ス
フィは留守番。以上﹂
皆で協力をしてテントを設営して、各々装備を纏っていく。そし
て、狩り⋮
│││ヘルメス│││
﹂
ヘファイストスが、訪ねて来た。彼女のトレードマークだった眼帯
は、彼女の顔になかった。
る医療系ファミリアの主神である。
﹁彼に⋮私は彼の眷属になった。その恩恵なんだ﹂
おい⋮女神が眷属になるって⋮あの少年は俺達よりも階位が上の
﹂
神って事じゃないか。ギルドが隠したかった真実にせまった気がす
る。
﹁アストレアも眷属なのか
﹁そうみたい﹂
目の前のヘファイストスは、無骨さが売りだったのに、女性らしい
女神に変貌していた。何をされたんだ
だろうか
探りを入れる為の方策を考える。武闘派の女神が頭に浮
ヘファイストスは立ち去った。何が彼女を劇的に変化をさせたの
﹁あんな事されたら、アスフィが改宗した事も頷けるわ。じゃあね♪﹂
?
361
﹁恩恵を受けて、目を治療してもらった。涙も出るんだぜ﹂
ディアンでも治せなかったんだろ
嬉しそうに彼女は笑った。
﹁誰に治してもらったんだ
?
ディアンとはディアンケヒトの事で、この街で高度医療を施してい
?
?
かんだ。彼女に頼んでみるか。
?
│││フレイヤ│││
﹂
﹂
﹁アストレア・ファミリアの団長が謎の人物なんだが、探りを入れても
らえないか
ヘルメスが来て、依頼をしてきた。
﹁諜報活動は、ヘルメスの方が得意でしょ
﹁今回の相手は、俺では無理だ。探りに行かせたアスフィを取り込ま
れてしまった﹂
﹂
ヘルメスが血の気の引いた顔で俯いている。こいつがこういう表
情をするのは珍しいな。
﹂
﹁それは興味ある相手だな。報酬は高くても良いかな
﹁あぁ⋮﹂
﹁どこに行けば逢えるんだ
│││シュウ│││
?
経験を積むことが大事なの﹂
ドロップ品が取れない
これしか方法がないんだから﹂
﹁なぁ、リアスもエロ要員になってくれない
﹁しょうがないでしょ
﹁リアス、それだとドロップ品も消えるんだよ﹂
スキルもなく。滅びの力で作った玉をぶち当てていく。
の具現化に四苦八苦。短剣程度の具現化はできるが、接近戦をできる
したヴァイラが、カドモスを屠っていく。一方のリアスは、滅びの力
も現役を退いて、随分経つので動きがぎこちない。徐々に勘を取り戻
午後の部。ヴァイラ、リアスの傍で、動きを採点中である。二人と
?
んじゃ、狩りの意味があまりないから﹂
﹁拒否
?
?
﹁レフィーヤ、魔力が足りなくなったら、下がれよ
﹂
!
アイズの隣でへばっているレフィーヤ。初日から無理だな。アイ
﹂
ズの隣で飛ばしすぎたようだ。
﹁団長、今後の方針は
リューに聞かれた。
?
362
?
?
紅髪の言っていることは正しいが⋮この世界では、ダメだよ∼
!
﹁リュー、フィンも芋虫撃退をしてもらおうかな。あれを全員が倒せ
ないと下の階に行けないからな。で、武器なんだけど、木刀で倒せる
ようになってほしい。金属の剣は芋虫の腐食に弱いからな﹂
リューとフィンが木刀に持ち替えて、アイズ達の戦闘域に向かっ
た。カドモスは、ヴァイラ、リアスを中心になった。
│││オッタル│││
﹂
フレイア様に言われて、アストレア・ファミリアのホームを訪れた。
建物には主神のアストレア様しかいないようだ。
﹁このファミリアの団長に会いたい。どこに行けば会えますか
﹂
そこは、ここのような小さなファミリアでは、無理な階層
﹁50階にいるはずよ﹂
50階
いね﹂
﹁はぁ
会いたいのなら、フレイアが来れば良いかと。失礼な振る舞
﹁フレイア様がお会いしたいそうなので、迎えにまいりました﹂
﹁用件はなにかしら
である。
?
﹂
まぁ、いいか。本当のことだし。
﹁このような弱小なファミリアは、強大なファミリアに従うべきかと
はぁ
思います﹂
﹁弱小
火に油を注いだかな
﹂
ここの主神は頭が悪いのか
?
ル、覚悟しろよ﹂
﹁ここは、アストレア・ファミリア専用の仮想フィールドだ。オッタ
目の前に少年が現れた。
﹁アストレア・ファミリアにケンカを売ったことを後悔させてやる﹂
?
イヤを好きにするわ。いいわね
戦争遊戯ってことか
?
いると、知らない場所にいた。
などと、考えて
シュウ様がフレイアの顔を見に行く事にして、貴方が負けたら、フレ
﹁わ か っ た わ。で は、あ な た と シ ュ ウ 様 で 戦 い。貴 方 が 勝 っ た な ら、
?
?
363
?
?
相手の主神が怒ったようだが、
?
?
目の前の少年から、斬撃が放たれてきた。剣では届かないロングレ
ンジからの斬撃。有り得ない。俺は斬撃を避けていくが、時々重い斬
撃が飛んでいた。地面に当たると、地面が爆ぜて穴が空き、衝撃波が
飛んでくる。こいつは危険だ。
兎に角、ショートレンジに入れるように、斬撃を避けながら、相手
に近づこうとするのだが、左右上後ろから斬撃や魔法が叩き込まれて
きた。アイツは魔導戦士なのか
避けきれなくなり、被弾するようになってきた。まずい。逃げ場を
探す。ここには隠れる場所は一切無く、出口もわからない。どちらか
が倒れるまで、戦闘は終わらないのか
﹁どういうこと
﹂
﹁そいつとの約束だ。お前を好きにする﹂
表情が崩れていく。
の前に、瀕死状態のオッタルを投げた。オッタルを見て、フレイアの
症で意識のないオッタルと共に、フレイヤの部屋を訪れた。フレイヤ
決まり手は、足元からの﹃殺さない程度のウルティマウエポン﹄。重
│││シュウ│││
反応出来ず、クリーンヒットされてしまった。
一瞬思考をした隙に、下から攻撃が飛び出してきた。これはまるで
?
﹂
ルが言ったそうだ。まぁ、戦ってみて、どっちが弱小なのかは、お前
にもわかるだろ
フレイヤに闇のオーラを纏わせた。
│││フレイヤ│││
闇のオーラに飲み込まれた。何をするのだ
け
﹂
﹁闇の世界では、お前の﹃魅了﹄は無効だ。弄ばれる愉しさを覚えてい
?
364
?
﹁弱小ファミリアは、強大なファミリアの言うことをきけって、オッタ
声が震えているフレイヤ。
?
?
先程の少年の声が、頭に直接響いた。何者なんだ、あの少年は
?
!
あぅ⋮こんな可愛らしい声が出るなんて、自分でも信じられない
はぁぅ⋮この私が相手に身体を預けるとは⋮信じられない。
いぃ⋮刺激を得ようと私の身体は、相手にアピールし始めた。
うっ⋮あっはん⋮相手の刺激を受け入れて、愉しんでいる私がい
た。
私は初めて体液塗れにされて、放置された。屈辱であり、幸せでも
あった⋮
﹂
│││シュウ│││
﹁どうでした
﹁どうってなぁ⋮淫乱堕ちはさせて、恩恵を与えた。でもなぁ⋮ペナ
のせいで、僕自身はあまり楽しくないんだけど⋮﹂
エロ神としてのペナルティー⋮人間の小学一年生の姿では、エロ行
為が直接できない⋮これは辛い。いつか、ドエスな上司を虐めてやる
⋮出来るのであればだ。そもそもドエスな上司に身体という物があ
るのかが不明なので、無理かもしれない。
仕掛けてきそうなのって﹂
﹁これでフレイヤからは、いちゃもんはなくなりますね﹂
﹁あと、イシュタルくらいかな
﹃魅了﹄されたのか
﹁ヘルメス、あなたの依頼はお断りします。彼と敵対をしたくないわ﹂
られたのか
は何か憑き物が取れたように優しい顔立ちになっていた。お前もや
フレイヤから呼び出しを受けた。彼女の部屋を訪れた。彼女の顔
│││ヘルメス│││
っと、50階に転移した僕。
ね﹂
﹁あれは、拒否だ。じゃ、また問題が起きたら呼んでね。僕は戻るから
﹁そうですね。たぶん⋮ロキっていう女神もいますが﹂
?
﹁同じ事よ。彼に不利益が出ることはできない﹂
﹁敵対ではなくて、探りだけど、依頼は﹂
?
365
?
?
﹂
気の強さは、ヘファイストスと1,2を争うフレイヤ。なのに、二
人共揃って陥落なのか
﹁彼の事はどこまでわかったんだ
﹂
﹁オッタルが瀕死の重体よ﹂
﹁そんなに強いのか
ど
フレイヤとヘファイストスが骨抜きにされた男がいるっ
主神である。
﹁あぁ、本当だ﹂
彼は団長だぞ﹂
﹁そいつは手元に置きたいなぁ。ふふふ﹂
﹁手元に置く
﹁そんなの﹃魅了﹄して改宗させれば良い。どこのファミリアだ
﹂
﹁アストレア・ファミリアだ﹂
﹁随分前に壊滅した処だろ
武装集団がホームに近づいているらしい。ホームに設置してある
│││シュウ│││
﹁今夜辺り、奪いに行くかな。ふふふ﹂
を防ぐ為に。
オッタルが瀕死にされたことは黙っておく。イシュタルが怯むの
﹁最近かぁ。まだ弱小ってことか。ふふふ﹂
﹂
俺の話に早速喰い付いてきたイシュタル。歓楽系のファミリアの
て﹂
﹁本 当 か
││││││
もう一人の﹃魅了﹄持ちの女神の部屋に向かった。
に骨抜きじゃないか。これ以上は埒が明かないので、この場を離れ、
フレイヤは想い人を待つ少女のような顔付きになっている。完全
﹁今度いつ会えるのかしら⋮﹂
んだけ強いのだろうか
頷くフレイヤ。この街で一番の猛者のオッタルが瀕死の重体
?
?
?
?
?
﹁あぁ、それが、新装開店したそうだ。最近な﹂
?
?
?
366
?
緊急警報システムから、連絡があった。僕と忍とオーフィスの三名で
ホームに戻り、迎え撃つ準備をする。
ど
準備といっても、作戦を練るくらいだけど。ミアさんのお店に迷惑
をかけない。そんなところである。今度はどこのファミリアだ
うせ、裏で動いているのはアイツだろうけど。
た。
こいつ
り、奪えたのか。ウキウキ気分でドアを開けると、見知らぬ少年がい
戦果の報告を待っていると、部屋のドアがノックされた。すんな
│││イシュタル│││
にする。残りはオーフィスと僕で、無力化させて⋮
だけは、喰えない。僕の好みでは無い。なので、忍に喰って貰うこと
マゾネスを多く雇っている。その中の一人、団長だったかな
ろか。イシュタルは売春宿を経営している主神で、戦闘娼婦というア
近づく気配⋮アマゾネスのようだ。そうなるとイシュタルのとこ
?
﹂
﹁お前のとこの団長の頭だ。受け取れ
敗戦
﹂
私のファミリアが負ける
頭の中が白くなる。目の前は闇に閉ざされていき
﹂
﹁で、新しい仲間だ。春姫とアイシャ。みんな頼むよ﹂
│││シュウ│││
置かれ、彼らに好きなように食べられていった。
の身体は蹂躙されていき、そして、
﹃魅了﹄して下僕化した男共の前に
と、脳に直接声が響いた。泣き叫ぼうと、許しを請おうとしても、私
﹁その身体で償え
頭⋮え
!
﹂
手に入れた新メンバーを50階に連れて行き、皆に紹介した。
﹁なんか、女性比率高くないか
って、ベート。
?
367
?
﹁敗戦処理をしよう。まず、春姫とアイシャはもらう。お前は罰を受
けさせる。いいな
何を言っているのだ、このガキは
?
訳ないだろう。そう、思っていた私の前に、大きな肉塊が置かれた。
?
?
!
?
﹁男なんか、ベートとフィンだけで充分だよ﹂
﹁頻繁にちょっかいを出されているが、大元の目星はついているのか
﹂
って、フィン。
﹁ついているよ。ヘルメスだよ。アスフィを抜かれたから、他のファ
ミリアを巻き込んでいるんだろうな﹂
﹂
フィンと話込んでいると、春姫が僕の脇腹辺りをツンツンしてき
た。
﹁どうしたの
﹂
?
﹂
?
スルーだな。男と遊ぶ気はないし。問題はロキの方だ
同
ここの狩りになれると、1階から降りてく
な。成り行きでこうなった訳だが、戦力低下しすぎているだろ
﹂
一緒に潜るのか
盟ってアリかな
﹁同盟
?
いないんだよな﹂
﹁改宗しましたの報告を兼ねて、同盟話って無理かな
﹁ちょっと、きついかな﹂
さすがのフィンも少し凹み気味であった。
﹂
﹁わかった。それとなく打診してみる⋮って、俺はまだ改宗がバレて
後の課題だよ﹂
﹁かといって、あの大所帯を転移するのは、辛いなぁ。どうするか、今
?
?
?
﹁ヘルメスか
元々の話相手であったフィンに声をかけられた。
﹁で、どうするんだい
聞かれる前に指示を出しておく。
﹁アイシャは、戦闘要員だからね﹂
﹁了解しました、団長♪﹂
間は、忍とオーフィスの相手を頼めるかな
﹁じゃ、アスフィと共にお留守番担当でお願いします。戦闘以外の時
そうだね。エロ要員向きでもないし。
﹁私、戦闘向きじゃないんだけど﹂
春姫に声をかけた。
?
?
るのは、辛いかな﹂
?
368
?
﹁僕の方から、打診してみようかな。リヴェリアに♪﹂
369
新たなる仲間、そして同盟へ*
│││シュウ│││
夢の中の夢⋮そんなのは幻とかまやかしなんだが、僕にとっては現
実なのだ。今夜も夢の世界での睡眠中に、ドエスな上司からの指示が
飛んできた。
﹃有り得ない者を回収してきなさい﹄
僕からの疑問に答えてくれないドエス
それだけのメッセージが飛んで来て、僕は違う世界に飛ばされた。
今度はどうしろと言うのか
な上司。
誰を頼れば良いのだろうか
﹃ヘルメスを頼れ
﹄
を飛ばしてみると、
るんだ
ドエスな上司にダメ元で念話
て、アストレア・ファミリアの豪華なホームがあった。どうなってい
ロリ乳女神のホームを訪ねてみると、廃墟な教会はなくなってい
いるんだ
ミリアのホームが仮ホームになっていた。この世界では何が起きて
は違うようだ。﹃豊饒の女主人﹄の隣にホームはなかった。ロキ・ファ
飛ばされた場所は、オラリオの街。街を見て廻ると、僕の鍛錬先と
?
?
﹂
と、彼は僕に縋りつき、質問してきた。
﹁俺達よりも上位の神なのか
﹂
ドエスな神か
?
?
﹁そうだと思うけど﹂
絶対神か
?
?
?
﹁なぁ、神の掛けた呪いって解けるのか
最高神か
﹂
できた。この世界での用件が分からない僕は、早々と正体を明かす
ヘルメス・ファミリアのホームに行き、ヘルメスと会話することが
って、珍しく返信が来た。
!
神ってヘルメスクラスの神なのかな
﹁神族か
﹁最高神未満だ﹂
?
370
?
?
?
﹁それなら解けるかな
どういった呪いかな
﹂
?
﹂
くと両方が起きるが、どうする
﹂
﹁即死ってことか⋮それはどうなんだろ
﹁そういう選択肢もあるのか
﹂
既に別世界の君達のほとんどが仲間になっているから﹂
場合、君達も同化吸収って過程を経れば、僕や彼と共に居られるよ。
﹁僕と一緒に来れば、僕が傍にいてあげられる。いつまでもね。その
ならば、
この世界のヘルメスは友を思いやる心が持ち合わせているようだ。
?
?
ら、いつまでも傍に居られないし⋮﹂
でも、俺も不死ではないか
が無くなる。不死を解くと死と共に魂は解放される。不老不死を解
﹁うん、どうにかなるけど⋮不老を解くと、生きた年数によっては肉体
不老不死かぁ。
いか
﹁不老不死の呪いを受けた人間の戦士がいるんだが、どうにかならな
?
んだけど。
﹂
?
あぁ、2択の間ですか。それは、僕が面倒だ。彼の仲間の最後の一
﹁前者だと、仲間ともう過ごせないんですか
﹂
ファルコンは僕の2択に悩んでいるようだ。僕だったら、即決後者な
過ごしただろうなっと。僕が同じ立場であれば、そう思うし。でも、
すぐに仲間として連れ帰ることもできたのだが、いまいる仲間とは
まま仲間と共に時間を過ごし、その後で僕の仲間になるかだ﹂
﹁君には2択をさせてあげる。呪いを解いて魂を自由にするか、この
ンと会った。
深夜、バベルの屋上で、ヘルメス、フレイヤ、問題の彼、ファルコ
│││││
にセッティングしてくれることになった。
ヘルメスは考え込み、僕の提案を飲んでくれた。今夜、会えるよう
てみたいんだけど、どうかな
﹁僕の仲間になれば、寿命という概念はなくなる。その彼と一度話し
?
?
371
?
君は既に寿
人が逝くまで、彼に寄り添っても、何も得るものがないし。
﹁呪いを解いた瞬間、君の生の時間は終わる。そうだろ
命を全うしているんだから﹂
で、僕はこの世界に足止めされると思う。
心にどう響くかな
それだと、仲間ができ
答えの出せないファルコンは、ヘルメスに視線を
一緒に来て貰えた場合のメリットを言ってみる。揺れている彼の
している﹂
念がない。永遠とも言える無限な時間を、仲間達と様々な世界を冒険
﹁僕はいつまでも君と共にいる。僕の仲間は、ほとんど寿命という概
だから。
ヤ、ヘルメスとも別れる事になる。神である彼らとて、寿命はあるの
答えが見えているのに、質問してくるファルコン。いずれ、フレイ
﹁呪いを解かない場合は、どうなるんですか
﹂
何度も来るというより、ドエス上司なことだ。彼を引き取れるま
で、こんなに平和なオラリオの世界には何度も来られないと思う﹂
る度に、呪いを解く機会が先延ばしになるだけだ。僕も忙しい身なん
﹁仲間と過ごした後に呪いを解きたいのかな
から選んでもらいたい僕は、そう彼に言い放った。
ファルコンという者が考えている事は、良くわかるが、あえて2択
?
であれば、俺達も一緒に行く。既に別世界の俺達は仲間になっている
そ う だ し。同 化 吸 収 と い う 現 象 で 記 憶 は 持 ち 込 め る そ う だ か ら ⋮
まぁ、多少性格は変わるそうだけど﹂
﹂
ヘルメスはファルコンへ笑顔で答えた。
﹁アイズ達はどうなるんですか
﹁僕の相棒達は
﹂
いに、君にべったりって感じにはならないけどね﹂
でにアイズ達は仲間にいる。だから、問題はないよ。ここの世界みた
﹁能力の高い者がベースになり、同一な存在を同化吸収するんだ。す
?
372
?
?
﹁ファルコン、君の望むことをしてくれてかまわない。後者を選ぶの
投げて、彼の意見を聞こうとしている。
?
﹁君と共に居られるようにする。君の魂に寄り添うようにしよう﹂
?
彼の両隣にはドラゴンの魂が寄り添っていた。死んでから時間が
経ちすぎている彼らの魂から実体は作れそうにない。下手すると骨
状態のスカルドラゴンみたいになるのもイヤだし。
僕は祝福の聖剣を掲げて、祈り、彼らの魂を鎮魂、そして祝福を与
えた。彼らの魂は禍々しい色合いから、透き通るような色合いにな
り、ファルコンの身体に溶け込んでいった。
﹁君の魂に彼らを寄り添わした。君が生きている限り、彼らと共にい
る﹂
ファルコンは安堵したようだ。問題の1つはクリアかな。
﹁アイズ達と相談する時間をください。希望しない者を連れていく訳
にいきませんから﹂
彼は後者を選択したようだ。
││││││
﹂
373
ヘルメスはまだ仲間にしていないので、彼とファルコンには僕の駒
を入れて、僕の仲間にした。
誰との間に出来たんですか
﹁あっ、ヘルメス⋮お前の娘が仲間にいるんだけど、心の準備をしてお
俺に娘
は彼女の手を握りしめていた。女性の顔は若い頃の印象を残しつつ、
そして、最後の一人になった。ベッドに横たわる女性。ファルコン
界に持ち帰る為だ。
魂となった者は、魂を収める容器に保管をしていく。僕が本来いる世
寿命を全うして、魂だけの存在になっていく、ファルコンの仲間達。
娘に会うのが楽しみなようなヘルメス。
ないでください。俺は俺です。そうか、娘がいるのか⋮﹂
﹁そんな⋮そうですか、娘は生きているんですね。シュウ様、落ち込ま
娘の父親のヘルメスは死んだ⋮すまない、助けられなかった﹂
﹁レフィーヤとの間だ。お前に連れ添ったレフィーヤは、もういない。
?
いてな﹂
﹁はぁ
?
寝耳に水なヘルメス。
?
人生という年輪を刻んでいた。
﹁お兄ちゃん⋮ありがとう⋮私のワガママを聞いてくれて⋮﹂
アイズが朽ち果てるまで一緒にいるってさぁ﹂
彼女は笑顔でファルコンに声をかけた。
﹁言っただろ
ファルコンは彼女の耳元で囁くように言った。彼の言葉に、首を少
し縦に振る彼女。そして、大きく息を吸い込み、静かに瞼を閉じた⋮
彼女の身体から淡い光の玉が浮かび上がった。玉は彼の周囲を飛
び廻る。そして、僕の目の前に来たので、その玉を優しく抱きしめ、収
納容器に収めた。
﹁これが最後の1つだ。さぁ、行こうか、ファルコン﹂
﹃ステージクリアで∼す♪ファルコン、ヘルメス、魂の容器は、あなた
物理的に重い
の本拠に送っておくわね。あっ、サービスだから、お代はいらないわ
よ﹄
って、ドエスな上司の声が聞こえ、目が覚めた。
││││││
全然、寝た気がしない夢だった。身体が重い⋮うん
﹂
しかし、髪の毛の色は紅ではなく黒⋮
今朝も誰かが載っていた。ここって、50階のキャンプだ
また、アイツか
のは何故
よな
?
あっ⋮おはよ∼、シュウ⋮くぅ⋮﹂
念を込めて、クリちゃんを引っ張るようなイメー
されていて、リアスにしたような事すらできない。どうするか⋮念動
力って使えるかな
ジをする。
そ
!
﹁おはよう♪﹂
していた。
服を着て、テントを出た。テントの外にはフィンとベートが起き出
たのか。今度から、そういうようっと。
うか⋮僕はセラフォルーの全身を透過して脱出した。この手があっ
いつ、耐久力があるのか⋮さすが魔王だ。どうしようかな。あっ
しかし微動すらせずに、僕の上に載っている魔王セラフォルー。こ
?
374
?
﹁セラフォルーお姉さん、重いよ∼
?
?
僕の上にセラフォルーが載っていた。両腕ががっちりとホールド
﹁うん
!
?
?
朝の挨拶をして、食事の準備をする。
﹂
﹁リヴェリアの処には一人で行くのかい
フィンにきかれた。
﹁一人だと相手にされないかな
﹂
?
でも大丈夫そうだ。
﹁ガードっていっても、フィンとベート兄ちゃんはダメでしょ
?
﹂
﹂
?
♪﹂
﹁あの魔法少女って魔王なのか
僕はテントに戻り、セラフォルーを起こすことにした。腹這いで寝
﹁少し頭が弱いけど、魔王としての戦闘力はある﹂
ベートが驚いていた。
﹂
﹁ベート兄ちゃん、今日は51階で鍛錬して。魔王を連れて行くから
あっ、良い人材がいた。
忍とオーフィスは、51階のガードをしてもらうからダメだし⋮
気がする﹂
﹁戦闘にはならないが、万が一の場合、アマゾネス姉妹を抑え込めない
﹁レフィーヤはどう
﹁あぁ、確立は高いな﹂
﹁アイズ姉ちゃんだと、戦闘になりそうだよね
と、ベート。兄ちゃん呼ばわりは慣れたようだ。つまらない。
﹁だな。まだ、改宗したと言って居ない﹂
﹂
僕の身を案じてくれたフィン。彼の親指は震えてはいない。一人
ドは必要かな﹂
﹁そんなことはないと思うけど⋮攻撃的になった場合に備えて、ガー
?
?
シュウがいない⋮いつの間に背中に載っているのよ
﹁それ⋮いい⋮身体が熱いよ∼来て、シュウ﹂
﹁僕、小学生。そんな性交能力はまだありません♪﹂
﹁ひどいよ∼なんで、こんな惨い目に遭わせるのよ∼﹂
375
?
ている彼女の背中に載り、両手で乳首をコネコネ。
﹁え っ ⋮ あ れ
﹂
?
耳タブの感触を唇で味わう。
?
﹁夜這いをした罰だよ、お姉ちゃん♪﹂
﹁名前で呼んで∼ねぇ、お願いだから⋮﹂
泣きわめき始めたセラフォルー。この位にしておくか。
﹂
﹁今日はお姉ちゃんと二人で別行動だよ♪﹂
﹁二人で⋮本当に
泣くのを止めたセラフォルー。まぁ、調教はこれくらいにしておこ
う。本気で怒らせると、全滅しかねないから⋮今の僕では勝て無いと
思うし。
││││││
セラフォルーと二人で地上に戻り、ロキ・ファミリアのホームへと
向かった。久しぶりに二人で歩いているので、なんとなくルンルンし
ているセラフォルー。リアスと同じで上機嫌な方が、威力があるので
良いと思うので、ベタベタしてきてもスルーしていく。
﹂
﹂
﹂
そして、ロキ・ファミリアの幹部と面会。会議室のような部屋に通
された僕達。
﹁用件は何かな
リヴェリアが僕の正面に座った。
﹁同盟関係を築きたいんだけど、どうかな
散々、引き抜いておいて、同盟って、どういうことだ
怪訝な顔付きのリヴェリア。
﹁同盟
る方が悪いでしょ
﹂
﹁連れ込んだんじゃないのか
﹂
アイズお姉ちゃんに抱えられる大き
?
﹁同盟関係を築くに当たって、そちらのファミリアの全貌は教えて貰
僕をマジマジとみるリヴェリア。
さだよ♪﹂
﹁僕が連れ込める訳ないでしょ
アイズはそうだったけど、それは隠しておこう。
?
?
376
?
﹁引き抜いた覚えはない。他のファミリアの主神の部屋に、一人で来
?
?
?
言葉に怒りが含まれている。
?
えるのかな
﹂
﹁ギルドで調べてください﹂
﹁調べられないから、きいているのだ﹂
﹁ギルドで開示できない情報に関しては、そういうことと理解をして
ほしい。僕はこの世界に問題を起こしに来た訳ではないからね﹂
どこから来たのだ
﹂
この交渉には関係ないでしょ
僕の個人情報に関
僕の言葉から何かに気づいたようなリヴェリア。
﹁お前は何者なのだ
﹁知ってどうする
してはね ﹂
?
きたい﹂
⋮お前⋮まさか⋮﹂
﹁供物を貰えれば、その願いを叶えよう﹂
﹁供物
生唾を飲み込んでいるリヴェリア。
﹂
﹁わかった。私を捧げよう、それでどうかな
﹁リヴェリア、何を言っているんだ
﹂
﹁大事なことだ。同盟を結ぶファミリアの団長の個人情報は知ってお
?
?
?
あいつは神とでも言うのか
﹂
﹁いいんだ。神に願いを叶えてもらうには、供物は必要だ﹂
﹁神
?
﹁あぁ、そういうことだろうな。供物って、そういう物だ。普通は言わ
ない言葉だし。私の部屋で話合おう﹂
僕はリヴェリアの提案に頷いた。セラフォルーには、一旦帰っても
らって、危険を感じたら、呼び出すことにした。セラフォルーも状況
を理解してくれたようだ。
││││││
リヴェリアの部屋に、僕とリヴェリアがいる。僕の目の前で、衣服
を脱ぐ彼女。全裸になると、ベッドに横たわり、僕を誘ってきた。供
物を食する時だけ、本来の姿に戻れることをこの前知った僕。早速、
本来の姿になり、リヴァリアと身体を合わせた。
377
?
アマゾネス姉妹の姉、ティオネがリヴェリアに声をかけた。
?
?
?
ティオネが目の見開いて、僕を見ている。
?
﹁鬼と天使のハーフ
何者
﹂
?
﹂
?
﹂
?
ゆっくりと力強く動くと、彼女の乳房が上下に動き、僕の胸板を乳
﹁あっふぅ⋮あぅ⋮いい⋮同盟⋮もっと⋮知りたい⋮﹂
﹁で、同盟の件はどうかな
ながら、感触を愉しみながら⋮
少しずつ腰を前後に動かしていく。久しぶりな行為なので、味わい
﹁意地悪な質問は止めて⋮それだけ、気持ちが良いってことよ♪﹂
﹁耳が真っ赤なのは、どうしてかな
リヴェリアの⋮ハイエルフの耳は真っ赤になっている。
僕 の 興 奮 し き っ て い る ア レ が リ ヴ ェ リ ア の 体 内 に 侵 入 し て い く。
る﹂
供の姿にされている。こうして供物を食する時だけ、本来の姿に戻れ
﹁元エロ神な絶対神。ペナルティー中で、エロ行為できないように子
身体を合わせながら質問をするリヴェリア。
?
﹁僕は剣の鍛錬をしにこの地に来た。それだけだ。一番最初にロキ・
ファミリアに入団を希望したけど、相手にされなかった﹂
﹁そう⋮それは⋮ごめんなさい⋮あぁ⋮はぅ⋮あっ⋮あぁ⋮﹂
彼女の舌が僕の唇を舐めてきた。それをパクッ
僕の動きに合わせて、喘ぎ声しか出なくなっていたリヴェリア。会
話はもう無理かな
で、片方の乳房を両手で抱え、乳首を口に咥えている僕。今の僕には、
ベッドの上で大の字になり、深い息づかいをしている彼女。その上
戻った。
そして、彼女と僕は同時に果て、僕の身体はピカピカの一年生に
の行為はアリだと思います。
い指先が、僕のアレの付け根をマッサージし始めた。気持ちいい。こ
液が湧き出してきた。それと同時に顔が紅潮してきて、彼女の柔らか
なった彼女は、唾液を飲み込むことが出来なくなり、口の両端から、唾
と口に咥えて、舌の先端を僕の舌が出迎えた。舌を引っ張られる形に
?
378
首が這っている。
﹂
﹁何を知りたい
?
﹂
﹁何をしたいの
?
哀しいけど、この行為が一番落ち着く。
﹁同盟を話は了承しました。たまに、今日みたいに供物を捧げますの
で、食してください⋮﹂
僕の背中に両腕を回して、優しく抱きしめてくれているリヴェリ
ア。
リヴェリアの部屋を出ると、アマゾネス姉妹が待ち構えていた。
﹁同盟の件は了承した﹂
リヴェリアの口から出た言葉に、納得できない二人。
﹁何をされたんだ、リヴェリア﹂
﹂
﹁悪いことはされていない。問題ないよ、ティオネ﹂
﹁それにしては、随分と汗ばんでいるな
﹁熱いヤリトリがあったからだ、ティオナ﹂
?
﹁潜る日程が決まったら、知らせてください。こちらは、合わせますの
で﹂
﹁なんで
﹂
戦力が落ちている。同盟関係になれば、今迄通り潜れると
﹂
思う。何か問題でもあるのか
?
﹂
?
﹂
?
ロキが頭を抱えていた。私の導いた結論で、彼らの意志での改宗
﹁何があかんかったのやろ
に無理矢理であれば、相手に牙をむいているはずである。
納得した目の前の一同。無理やりされることが嫌いな面々。本当
﹁あぁ⋮﹂
人しくしている訳ないだろう
の部屋を訪れている。そもそも、無理矢理の改宗であれば、彼らが大
﹁引き抜いた訳ではないそうだ。彼らは、自分の意志で、あちらの主神
ティオナが怒気を含んだ言葉が飛んで来た。
﹂
﹁引き抜いたファミリアだよ
?
?
379
僕は、その場を後にした。
なんでや
│││リヴェリア│││
﹁同盟
?
主神のロキに報告した。ロキも納得できないようだ。
?
だったと気づいたようだった。
﹁今回の同盟での遠征であれば、今まで以上の戦力が得られると思う﹂
彼は私に心の余裕という加護をくれた気がする。ロキを交えた会
議ではイライラすることが多かったが、今日は穏やかに会議を進行で
きているし。うふぅ♪
380
駒王学園初等部編 Part2
緊急事案発生
│││シュウ│││
今夜の夢は趣向が違っていた。
﹃緊急事案が発生しました。本来の業務をしなさい。ここには、緊急
事案が終わった後、戻してあげます﹄
なんだ
って、ドエスな上司の声がして、目覚めた。目覚めたのは、誠、一
香夫婦の家の一誠の部屋のベッドであった。緊急事案
﹃気のせいだよ⋮気づくなよ
﹄
宙って、問題のある世界ばかりの気がするが⋮
僕の管轄している宇宙に移動させるそうだ。なんか、僕の管轄する宇
除だそうだ。で、この事案を行うに当たって、この問題のある世界を、
ているバカを、捕獲して能力の解除、破壊原因の究明、破壊要因の排
ドエスな上司からの依頼は、破壊者であるタイプリープを繰り返し
数々を見ているしかできないらしい。
管轄をしている絶対神は、お手上げの状態で、滅亡していく世界の
くっている破壊者であるのだ。
問題なのだ。要するにこの能力者は、並行世界を渡り歩いて滅亡しま
こと。タイムリープ後の世界は、必ず滅亡していること。この2点が
でのタイムリープではなく、並行世界の過去へのタイムリープである
な能力を持っているヤツはゴロゴロいるし。問題なのは、同じ世界内
しい。ただのタイムリープであれば、さほど問題にはならない。そん
僕の管轄外の宇宙でタイムリープ︵時間跳躍︶をしたヤツがいたら
話でナヴィに緊急事案の内容を聞き出した。
時過ぎの僕の時間帯になるまで、念話で情報収集をしようと思う。念
今日は小学校に通う日だから、一誠の魂に身体をまかせて、午後3
?
ボケするよりはいいか。元管轄していた絶対神から、問題の世界の情
勢の資料を送って貰うように手配をした。準備していかないと、なん
381
?
って、上司から念話が届く。気のせいじゃないじゃん⋮まぁ、平和
!
かヤバそうだし。たぶん、僕の経験したことのない世界だろうし。一
番の問題は言語系だ。これは、事前にある程度、読み書きできるレベ
ルにして置かないと、地図すら読めないし。あぁ、メンバーも決めな
いと⋮なんか、やることが山積みだ。
│││サーゼクス︵シュウの世界︶│││
魔王の間で会議をしていると、氷漬けのセラフォルーに変化があっ
た。表面にヒビが出来はじめて、徐々に氷の塊が崩れていった。セラ
フォルーの身体が暖かみを帯びたのか、アイツの周囲の氷は解けて
いった。そして⋮
﹁セラフォルー、ただいま帰りました♪﹂
﹂
って、笑顔のセラフォルーがそこに立っていた。
﹁お前⋮何したいんだ
ファルビウムが呆れたように言った。
なんで
﹂
﹁お前、暴走して氷積めになっただろ
て、新魔王にガイアが就いたんだよ﹂
僕が現状を伝えた。
﹂
﹂
だから、魔王の地位を剥奪し
﹂
?
?
﹁え⋮じゃ⋮私の今の立場って
﹂
ガイアが真面目な顔で、そう伝えた。
りません﹂
﹁オバさん、それも却下だよ。シルキーと双子のような義理の母は要
﹁え⋮私の今の立場は⋮シュウの妻だけ
?
﹁シュウに会ってきた。でね⋮色々と頑張っている姿を見て、彼の妻
として、頑張らないとって思ってね♪﹂
﹁なぁ、お前、いつ、シュウ君と結婚したんだ
アジュカが笑いながら言った。
魔王でない
?
もう魔王でも何でもないのに
﹁そんな昔のことは、忘れたよ∼﹂
﹁頑張るって、何をですか
?
?
?
382
?
ガイアが現実を言い渡した。
﹁え
?
セラフォルーが不思議そうな顔で悩んでいる。
?
泣きそうな顔のセラフォルー。
﹁前魔王様です。セラフォルーオバさん♪﹂
ガイアの言葉が引き金となり、泣きくずれたセラフォルー⋮
│││シュウ│││
﹂
学校から帰ってきた一誠。で、僕と人格を入れ替えて、せつなの元
へ転移した。
﹁どうしました
せつなが明るい時間帯に現れたことに驚いていた。
﹂
﹁緊急事案が発生したんだ。協力してほしい﹂
﹁どういった事ですか
﹂
?
﹂
?
﹁今日はこのまま、寝ますか
﹂
は僕を抱き抱える様にして、寝転んだ。
凹み気味の僕は、せつなの胸の谷間に顔を埋めた。そのまま、彼女
﹁だから、僕は単なるエロ神で良いって言ったんだよ﹂
てきた。
真面目な受け答えをしていたせつなが、甘えるように僕に寄り添っ
﹁ふ∼ん、絶対神って大変なんですね∼♪﹂
いし、問題が多いんだ﹂
業務内容だからだ。今回のバカ者は破壊神の領域も侵しているらし
﹁あぁ、その禁忌は僕がするから大丈夫。その禁忌の理由は、絶対神の
忌なんです﹂
﹁それならば、お受けします。時間を移動したり、時間を止めたりは禁
うってことはないんだけど、どうかな
時空管理局のメンバーにも応援を要請しておくので、単独でどうこ
た場合は、並行世界に飛び込む前に、せつなに捕獲してほしいんだ。
﹁タイムリープを発動する前に捕獲するつもりだけど、捕獲を失敗し
﹁う∼ん、私はどうすれば良いですか
今回の緊急時間の内容をせつなに説明した。
?
僕は頬を彼女の胸に押し付けて、彼女の乳房の感触を愉しむ。
﹁そうしたいんだけど、準備が山積みなんだよ﹂
?
383
?
﹁今度、時間が出来たら、たっぷりとお願いしますね♪﹂
せつなは笑顔でそういった。後ろ髪が引かれるなぁ⋮でも、僕は次
の場所に転移した。
││││││
転移した先は、建設中の本拠である。僕の管轄する宇宙の中心に建
﹂
設していた。宇宙の中心には星があり、その星の回りに宇宙ステー
ションを建設しているのだ。
目的の人物を探して、声をかけた。
﹁ハニー、書物に目を通してくれたかな
書物とは、ウラノスの部屋にあった、オラリオ関連と思しき書物で
ある。
﹂
﹁先程、転送されていたことに気が付いて、今リアと一緒にデータベー
ス化にしています﹂
﹁探していたデータは有りそうかな
﹂
候補になる悪意の塊って⋮﹂
それはないですよ。シュウは悪意の塊では無く、エロの塊で
ているらしいんだよ。それって、僕ってことだよね
﹁あと、ウラノスから聞いた情報なんだが、神を恨む悪意の塊を封印し
﹁まだ、全部に目を通していませんが、地図らしい物は無いですね﹂
?
なるとパンドラの壺って説が有力になるかな﹂
?
﹁開けてみないと、わからないって感じですね﹂
﹁あぁ、あと、遠征先の言語とか情勢とかは、何かわかったかな
﹁それは、ウーノさんが担当しています﹂
﹁そうか、彼女に聞いてみるよ﹂
ハニーと別れて、ウーノさんに会いに行った。
﹂
﹁ヤマトか⋮僕が浄化する前のアイツだと、条件に見合うなぁ。そう
すよ﹂
﹁そうですね。シュウさんというより、副団長って可能性が大きいで
﹁そうなるのか⋮じゃ、後なんだろうか
ハニーが笑顔で否定してきた。
すから﹂
﹁うん
?
384
?
?
?
││││││
﹁随分とお久しぶりですね、団長♪﹂
会うなり抱きついて来たウーノさん。
﹁そうだね。滅多に会えなくて、申し訳ない﹂
濃厚な口づけをしてきた彼女。溜まっているのかな
﹁久しぶりにスキンシップが出来て、嬉しいです♪﹂
﹂
う∼む⋮
﹁言語系体は初めての物です。後ほど速習用のテキストを用意いたし
頷く僕。
件ですよね
﹁わかっています。団長はお忙しい人ですもの。で、用件は遠征先の
﹁もっと、スキンシップをしたいんだけど、時間がなくてすみません﹂
?
﹂
それは初めての遭遇になりそうだな。
ジョブ
﹂
﹂
ます。で、情勢は、魔女が恐怖の対象になっている世界のようです﹂
魔女
﹁魔女って、種族
﹁魔男はいるの
﹂
﹁精霊かぁ⋮契約すれば仲間になるんだっけ
﹂
﹂
﹂
?
﹁あっ⋮団長、まさか、魔女を下僕に
﹂
﹁え∼、女性なのに⋮屠るのは気が進まない﹂
﹁送られてきた資料からは、わかりません﹂
﹁魔女対策はどうすれば良いのかな
なんか不毛な会話になりつつある。本題に戻そう。
﹁そうなのか⋮﹂
﹁う∼む、下僕契約とは違うと思いますよ﹂
﹁必要性で契約ってするの
﹁う∼む、必要性がない気がするんですが⋮﹂
﹁差別
﹁団長が契約ですか
?
﹁あと、精霊という物がいます﹂
﹁女性限定のジョブなのか⋮﹂
﹁いないみたいです﹂
?
できないんじゃないの
﹂
﹁種族ではないようです。ジョブになるのかな
?
?
?
385
?
?
?
?
?
?
?
﹁一人くらい、お土産でお持ち帰りもありかなって⋮﹂
問題ないです﹂
﹁資料によると、一人だけ生きているようです。ただし、封印されてい
ます﹂
﹁封印
﹁賢者と剣聖とドラゴンの力で封印してあるようです﹂
﹁3つともクリアできます。お持ち帰り決定ですね﹂
﹁⋮﹂
﹂
ウーノに呆れられているようだった。
﹁あと、注意すべき問題はあるかな
﹁魔女教なる信仰があるようです﹂
﹁信仰対象を奪えば、問題ないよね
﹁無難ですね﹂
﹁住民の種族はヒューマン
﹂
﹂
﹂
﹁騎士をメンバーに入れた方がいいかな﹂
﹁王国みたいですから、王政ですかね﹂
﹁治めている勢力って、どんな感じ
ウーノが更に呆れているようだ。話題を変えよう。
﹁あ⋮﹂
?
?
?
ウーノの更なる解析を頼んで、指令室にむかった。指令室といって
じているんですね。
初めてドエスな上司から謝りの言葉が届いた。一応、監督責任は感
﹃すまん⋮﹄
責任な絶対神の上司の顔が見てみたいよ﹂
﹁あぁ、第8、第9以外はそんな感じだよ。問題は僕に丸投げだし⋮無
は見て見ない振りをしていたらしく、情報が不明瞭なんですよ﹂
﹁もう少し資料を解析してみます。元々の管轄責任者である絶対神様
﹁存在が恐怖なのか。なにかをしたから恐怖の対象なんだろうけど﹂
に、能力が不明です﹂
﹁問 題 は 魔 女 で す よ。能 力 が わ か ら な い で す。恐 怖 の 対 象 で あ る 割
﹁そうなると、いつものメンバーでも大丈夫そうだね﹂
﹁多種共存のようです。獣人や亜人もいるし、ドラゴンもいます﹂
?
386
?
も、会議室に毛が生えたようなものだけど。ヤマトとナヴィがいた。
﹁今回の遠征のメンバーなんだけど⋮﹂
﹁イッセーの方に遠征している者以外になりますよ﹂
ヤマトが即答してきた。
﹂
﹁了解。僕の方に来ている、チームドラゴン、チームオラリオ&キャッ
スルドラン、あと、ファルコンを連れて行こうと思う。どうかな
いもんな。
﹁ロスヴァイセはフリー
﹂
と、ナヴィからアドバイスを貰った。あぁ、魔女の能力がわからな
れませんよ﹂
﹁問題ないです。あと、魔法系な者を、もう少し入れた方が良いかもし
?
ない﹂
ば、楽だけど⋮﹂
しれない者の能力がわからないって危険だろ
壊滅させるのであれ
﹁危険な遠征の予感だよ、ヤマト。魔女の能力がわからない。敵かも
ヤマトは反応した。
﹁危険
﹂
﹁ルフェイはイッセーの方のリザーブにしよう。危険に晒す訳にいか
﹁大丈夫です。後、魔法使いだとルフェイさんくらいです﹂
?
ヤマト﹂
﹁正体不明なヤツを相手に、仲間を危険に晒したくない。わかるだろ
すね、確かに﹂
﹁壊滅は得意分野ですからね、うちらは。残す部分が多いと、難しいで
?
はやめてほしい﹂
﹁あぁ、考えて行動するよ。そうだ、シルキーとゼノヴィアも連れて行
く。高火力は必要だからな﹂
│││││││
翌日の夕方、一誠から人格のスイッチをして、自分の世界の冥界に
転移した。本来なら戻れないはずなのだが、自分の世界も管轄する宇
387
?
﹁えぇ⋮団長の気持ちは良くわかります。でも⋮団長が斬り込むこと
?
宙に移動させているので、転移できるようになった。移動を認めてく
れた元上司の絶対神様に感謝だ。
まず、アウロス学園の園長室に立ち寄る。園長が書類の山と格闘し
ていた。声を掛けようか迷ったけど、無言で立ち去るのは悪いので、
声をかけることにした。
﹁ソーナ、ただいま♪﹂
ソーナの身体は一瞬ビクっとして、頭がゆっくりと上がって⋮
﹁シュウ君⋮おかえり⋮なさい⋮﹂
ソーナが立ち上がると、書類の山が崩れそうになり、僕は書類の山
を補助した。そんな僕の肩に顔を埋めるソーナ。
﹁留学生が多くて、すまない﹂
﹁うんうん、問題ないわよ。生徒が多い方が張り合いがあるもの﹂
﹂
﹁そっか⋮今日は顔を見に来ただけだ。これから魔王領に行くんだ﹂
﹁ヴァイラとリアスには会ったの
﹁今日は、ソーナだけで良いんだ﹂
ソーナと口づけをして、後ろ髪を引かれつつも、魔王領へと転移を
した。
││││││││
﹂
魔王領の魔王の間に転移すると、魔王が5名いた。ちょうど良い。
﹁シュウ君⋮戻れたのか
言ってあったからな。
何か必要な物があるのかい
﹂
﹁緊急事案が発生したので、帰って来られました﹂
﹁緊急事案
﹁セラフォルーか
﹁ですよね。ガイアが魔王になったから、ただの悪魔ですよね
﹂
良いぞ。前魔王だし、ちょうど扱いに困っていた
﹁氷から出て来たお姉さんを、貸してください♪﹂
?
388
?
サーゼクスお兄さんが驚いている。まぁ、帰れないようなことを
?
アジュカ父さんがにこやかに返答してくれた。
んだよ、シュウ君﹂
?
﹁シュウ⋮ひどい⋮そんな言い方は止めて⋮﹂
?
?
﹂
グズっているお姉さん。目の周りが真っ赤だ。たぶん、魔王の座を
剥奪と聞いて、泣いていたのだろう。
﹁父さん、セラフォルーの肩書きって何ですか
﹁前魔王だよ。ガイア君が働き者で助かっているよ﹂
﹁そうか、ガイア﹂
ガイアの頭を撫でてあげると、少し照れ気味になっていた。
﹁父さんもがんばっているし⋮負けられないというか⋮﹂
﹁前魔王を借りたいんです。今度の事案、敵の正体、能力が分からない
﹂
ので、色々な魔術系体の者を揃えておきたいんです﹂
﹁現状では、誰がリストアップされているのかな
アジュカ父さんにきかれた。
﹁アジュカ⋮ジャマって⋮酷い⋮﹂
なんだ﹂
行ってくれ。こちらからも頼む。泣いているばかりで、仕事のジャマ
﹁そうか⋮それなら、セラフォルーの魔法系はダブらないな。連れて
﹁ロスヴァイセ、レフィーヤ、僕、ツヴァイ、シルキーです﹂
?
泣きじゃくるお姉さん。確かにこれは仕事のジャマだ。
﹁じゃ、借ります♪﹂
僕とお姉さんの二人で転移した。
389
?
原因の究明・排除
│││シュウ│││
土曜の昼下がり、キャッスルドラン。実体化した一誠がリトルと組
手をしている。キャッスルドランにいる仲間の厚意で、ここにいる間
は一誠は実体化できるようになった。リトルにとっても良いことで、
同じ精神年齢︵彼女はハーフエルフの為、見た目よりも歳は上である︶
の一誠と触れ合うことで情操教育にも繋がるようであった。
当初、組手の師範をオーフィス、忍に任せたのだが、こいつら強す
ぎるが故、ノーガードで、受け身要らずのようで⋮急遽、ベートにも
任せた。師範はこの3名で良いかな。ベートの身長だけが高いのが
気にはなるけど。
そして漸く、タイムリープ犯をせつな達が捕らえた。捕らえた者は
目付きが悪く、口も悪く、何故かジャージ姿の少年だった。
そして何者
﹂
お前らは誰だ
で、もうタイムリープはできない。
俺は戻らないといけないんだ、
﹁俺はスバル。ナツキ・スバルだ。自称エミリアの騎士だ﹂
﹂
﹁そう⋮スバル君には罪状が3つある。その罪により、君を裁かない
俺は何も悪いことはしていない。何を言っているんだ
といけないんだよ﹂
﹁罪
?
ルーして、罪状を読み上げていく。
﹁1つ目、タイムリープを繰り返し行い、並行世界を飛び廻ったこと。
2つ目、君がタイムリープして出て行った世界は、すべて君がジャン
プした直後に壊滅していること。3つ目は僕達に緊急事案をもたら
390
手足を拘束して牢にぶち込んだ、ソイツの尋問をする。
﹁おい、ここはどこだ
﹂
?
﹁ここは、僕の城だ。僕達は絶対神の特務機関の者だ。お前こそ誰だ、
目つきの悪い少年が叫んでいる。
ジャマするんじゃねぇ
!
!
既に、彼の記憶を読み取り、タイムリープした原因を取り除いたの
?
目付きを更に悪くしていき、興奮をしていくスバル。そんな彼をス
?
したことだ﹂
﹁俺は好き好んで﹃死に戻り﹄をしていた訳じゃない。しょうがなく
だ﹂
﹂
﹁君の能力、というより呪いは﹃死に戻り﹄なのか﹂
戸惑い始めたスバル。
﹁なんで、俺は死に戻らないんだ
彼にある物体を見せた。
﹁これが、
﹃死に戻り﹄の呪いの正体だ。君の身体にインプラントされ
ていたので、取り出しておいた。もう君は、﹃死に戻り﹄できない﹂
﹁なんてことをしやがる∼、貴様∼﹂
呪いの元凶を取り除いてあげたのに、文句を言うスバル。こいつ、
呪いを能力と勘違いしているのか
﹁で、君の刑だが、呪いにおける行為ということで、情状酌量の余地も
﹂
あるので、異世界での生活の記憶を消して、君が召喚される前にいた
世界に戻す﹂
﹁ふざけるな∼エミリアを助けに行くんだ、俺は
﹁レイナーレ、どうだ
﹂
そして、牢を出て図書室に向かった。
未だに喚いている彼を、彼のいた本来の世界へと、強制転移させた。
!
﹁これですね。あの時に使おうとした魔法陣の文字は﹂
あの時とは、アーシアの身体から神器を取り出す時だ。このレイ
ナーレは取り出してはいないが、僕の世界のレイナーレは取り出して
いた。
あの魔法陣の系統が、どうしてもわからなかったのだが、ウーノか
﹂
ら送られてきた資料に、見覚えのある文字があったので、彼女に確認
をしてもらっていた。
﹁これって、何系統だったんですか
﹂
﹁魔女の魔法か呪いだ﹂
﹁魔女
?
391
?
?
クリスの嫁のレイナーレに声をかけた。
?
彼女は驚いたようだった。レイナーレのいる世界では、魔女は確認
?
されていないから。では、どこから迷い込んだのだ
﹁これだわ﹂
図書室の奥から、フレイアが出て来た。
﹁ロキの魔法陣の書式に似ているわ﹂
フレイアの見せてくれたのも、魔女の魔法陣だった。しばらく考え
てからの結論は、
﹁そうなると、タイムリープの際に、魔女の魔法書が次元の狭間に流失
して、違う世界へ流れ込んだのか﹂
スバルの記憶によると、禁書庫なる図書室があるようだった。そこ
の本を持ち去れば良いのかな。誰も外部から入って本を読んでいる
者はいないようだし。行ったついでに、エミリアって少女はお持ち帰
りにするか。どうも、この少女が壊滅のキーになっているような記憶
があったし。
ドエスな上司の指令のうち、
﹃捕獲して能力の解除﹄は、スバルの呪
いを解いて、本来の世界に送り返したことでクリア。﹃破壊原因の究
明﹄はスバルの記憶を読み取り、エミリアがキーになっていることが
判明してクリア。残るは﹃破壊要因の排除﹄だけだ。これって、遠征
しなくてもエミリアをお持ち帰りすれば、良いだけじゃないのか
││││
物を盗んできた。そして、キャッスルドランに禁書庫が増設された。
僕は、こっそり魔女のいる世界に行って、こっそりと必要最小限の
?
﹂
盗んできた禁書庫の書物を皆で調べようと、禁書庫のドアを開ける
と、
﹁ねぇ、ここはどこかしら
僕の城だけど⋮君達は誰
いた。あと、水色の髪の少女も。
﹁ここ
﹂
?
水色の髪の少女が答えてくれた。
392
?
と、金髪でドリル状ツインテールという、印象深い髪型の女の子が
?
﹁私はレムです。彼女は禁書庫の司書のベアトリス様です﹂
?
﹁なんで、お城にあるんですか
﹂
?
なんでわかるんですか
﹂
﹁まさか、禁書庫に人がいるとは⋮いや、人ではないのか。精霊と鬼か
﹂
﹁え
﹁僕⋮ハーフな鬼だから﹂
レムって少女が驚いている。
?
何をしたのかしら
﹂
呆気にとられているベアトリスの額に、こっそりと僕の印を刻ん
だ。
﹁え
?
﹂
?
ここ異世界なの
に戻って来ちゃった﹂
﹁自分達の世界って
﹂
?
ベアトリスは理解が早そうだ。レムには難しいかな。
?
﹂﹂
﹁ここは別の世界だよ。魔女がいない世界と言えば良いかな
﹁﹁別の世界
﹂
?
﹁ごめん、まさか君達がいるとは思わなかったから、もう自分達の世界
﹁もう、お屋敷に帰れないんですか
﹁ありえない。私の許可無く契約って⋮﹂
﹁僕と契約を結んだ。僕の仲間だよ♪﹂
ベアトリスに気づかれた。
?
﹂
?
行くのって﹂
ひたすら謝る僕。
?
の中を案内した。
落ち着きを取り戻してきたレムと、何かを諦めたベアトリスに、城
の本を全部解析するまでは無理だ﹂
﹁レムだけはね。ベアトリスは悪いけど、司書ってことなので、禁書庫
﹁いずれ、帰してくれるんですね
﹂
﹁ごめんね。すぐには無理。結構エネルギーを使うんだよ。別世界に
﹁戻れないんですか
﹁もう、連れて来ちゃったので、この世界で生活してもらうよ﹂
だし。
二人共驚いている。まぁ、普通そうだよな。瞬間的に転移させた訳
?
393
?
?
﹁え
﹂
﹂
有り得ない。なんで、こんなに異種族が共存しているのかしら
﹁ベアトリスのいた世界は違うの
エミリアはハーフエルフでしょ
﹂
﹁違うかしら。エルフは一緒にはいないかしら﹂
﹁うん
﹁あの子は別かしら⋮って⋮﹂
﹁エミリア様を何で知っているんですか
﹂
お持ち帰りしたから⋮って、言うか上司の指令に基づいてか
レムが驚きの声を上げた。
﹁うん
あのまま、あの世界に彼女がいたら、壊滅しちゃうからね﹂
﹂
の猫がエミリアを護るようにして、仁王立ちしていた。
﹁にーちゃ
?
ベアトリスが声をかけた。
ここはどこだい
僕は猫の前に進み出て、
﹁ベアトリス、これはどういう趣向かな
あの猫も精霊かな
?
!
﹁攫った
なんでだ
﹂
?
簡単に理由を説明する。
?
連れだと
どういう意味だ
﹂
?
けたんだ﹂
﹁僕はあの世界の絶対神から、壊滅の原因を探り、排除しろとの命を受
﹁やはり
﹁やはり、原因はエミリアだったんだな﹂
?
なんて契約をしているんだ、この娘は⋮自分が死んだら、世界を道
るんだよ﹂
ミリアが死んだら、あの世界を滅亡させる﹃終焉の獣﹄として顕現す
﹁それは、エミリアが死ぬってことかな
僕はエミリアとの契約で、エ
﹁あのまま、あの世界にいると、あの世界が壊滅してしまうからです﹂
猫は怒りを露わにしている。いや、もっともだよね。
?
まず、謝っておく。
﹁この城の主のシュウです。すみませんね、攫ってきてしまって﹂
?
﹂
その時、大きな音がした。音のした部屋に向かうと、手の平サイズ
な
?
?
?
?
?
394
?
?
?
?
﹁絶対神様から
﹂
並行世界も全滅に近いのか
﹂
﹁あぁ。これで、あの世界は壊滅のループから逃れられるな﹂
﹁壊滅のループ
原因は確定になる﹂
?
﹁それは、たぶん﹃魔女因子﹄かな
﹂
魔女の匂いがプンプンするよ。そ
スバルの身体にインプラントされていた物を、猫に見せた。
ら抜いた異物なんだけど、これって何かな
﹁そうなる。そうだ、そのタイムリープを繰り返していた者の、身体か
﹁原因が確定しない場合は、戻してくれるんだろうな
﹂
壊滅が始まるっていた。その者も排除した。これで壊滅しなければ、
﹁あるタイムリープを繰り返す者がして、そいつがジャンプした後に
この猫も、ベアトリス同様、理解が早そうだ。
?
?
﹁エミリア、いいよね
ここは安全そうだし﹂
精霊って勤務時間があるのか
朝の9時から夕方5時くらいと、エミリアの緊急時だ﹂
﹁わかった。しばらく、お世話になるよ。僕はペックだ。勤務時間は
﹃死に戻り﹄ってそういうことか。
んだよ﹂
れを体内に入れた者は、特殊な能力を付与されて、魔女の下僕になる
?
?
﹂
での剣の鍛錬が再開かな
?
族がカオス化していないから⋮いや、任務が終わったから、オラリオ
一誠の家に、エミリアとレムを連れて行こうかな。ここよりは、種
めている。
エミリアは蹲って泣いてしまった。そんな彼女をレムが優しく、宥
壊滅をし続けているってことは⋮﹂
﹁王選の前に、エミリアは死んでしまうんだろう。何度も繰り返して
﹁でも、王選は
ペックがエミリアを説き伏せてくれている。
?
395
?
?
?
二つの願い*
│││シュウ│││
ペックの威嚇行動も収まり、リビングでティータイム。金髪ドリル
ツインテールの少女を、小動物のように扱う女神達+娘⋮そして、ベ
アトリスがキレた。ははは⋮
﹁ちょっと、お子様扱いはしないでほしいわ。私はこれでも300年
は生きているのよ﹂
お子ちゃまでしょ
﹂
背の高さが同じ様な一誠、リトル同様の扱いにベアトリスが怒って
300年
いるようだが⋮
﹁え
?
今は小学生だけど、永遠に17歳だ
なんか、数千億年だしねぇ﹂
﹂
!
僕に飛び火か⋮
﹁おい、歳の話をするな
何、その年数⋮有り得ない⋮﹂
﹁シュウは何者なの
どう説明しようか、ノープランな僕は言葉を濁した。
﹁あぁ、この城には、生物学上の人間は一人もいないから⋮﹂
エミリアが絶句状態だった。
﹁え
娘に睨みを入れる。僕に謝りを入れてくる娘、シルキー。
!
あまり言いたくない。今でも認めたくないし。なのでぼやかして
﹁父ちゃんは絶対神だよ﹂
﹁僕は⋮説明しづらいなぁ⋮たぶん、言ったら引くと思うし⋮﹂
は僕をハーフな鬼として認識していた。
精霊であるパックとベアトリスは薄々気が付いているようで、レム
?
﹂
﹁この城にいる者達は、一誠を除いて、それ以上のはずだよ。父ちゃん
シルキーの言葉で、彼女の目は点に。
?
いたのだが、その言いたくない事実を娘が、はっきりと言ってしまっ
た。をい⋮
﹂
?
﹂
﹁か、神様
﹁鬼神様
?
396
?
?
エミリアとレムでは多少認識はズレてはいるが、概ね正解かな。
﹁一番、偉い神様だよ、シュウは﹂
僕の正体を看破していたパックが、エミリアに説明している。
﹁パック、僕は神であることを否定して生きている。だから、対等で良
いんだよ﹂
僕の発言に吹き出すレム。
﹁神様であることを否定する神様っているんですね。神様って偉そう
な者って思っていましたけど﹂
﹂
﹁他種族の浮かべるイメージって、そんなもんだよ、レム。僕達、鬼族
だって、他の種族から見たら、怖いイメージだし﹂
レムの頭を優しくポンポンと叩きながら伝えた。
﹁ねぇ、神様だったら、私のお願いを聞いて貰えますか
エミリアが僕の目を真っ直ぐに見つめて、願いを申し出ようとして
いた。
﹂
﹁そうだね。供物が必要だよ。神として願いを叶えるのであれば。そ
れでいいかな
﹂
ど、能力が制限されてしまう、今の僕。
﹁供物
﹁捧げ物だよ、エミリア﹂
パックが説明した。エミリアの通訳か、あの精霊は
?
ら﹂
﹁何を捧げれば良いですか
﹂
口を真一文字に結んで、考え込んでいるエミリア。そして、口が開
﹁願いを先に言ってくれるかな
ソレを聞かないと、決められないよ﹂
てとか、死なせてって言うのはダメだからね。僕は、死神じゃないか
﹁まぁ、たいていの願いは叶えられるけど、供物次第だよ。あと、殺し
後ずさりをしてしまう僕。
意を決したような表情で、僕に迫ってくる彼女。あまりの必死さに
﹂
どんな願いでも
?
﹁何かを捧げれば、叶えてくれますか
?
?
?
397
?
神としてでなく、仲間としてなら、無償で願いを叶えてあげたいけ
?
不思議そうな顔のエミリア。
?
き、
﹁私が氷らせてしまった村の者達を助けてください﹂
エミリアの頭に手の平をのせて、記憶を読み取る。う∼、襲撃され
て⋮記憶が何か曖昧だ。何かの呪いか、記憶を操作されているのか
な
﹂
どうかな
﹂
﹁襲撃されなくなるんですか
﹂
王は優しいから、見守ってくれるし、手助けをしてくれると思うんだ。
﹁そう⋮まだあまり生きている者が少ない星なんだ。でも治めている
僕の提案に驚いた表情のエミリア。
﹁違う星
﹂
また襲撃されるかもしれないから、違う星に移転してもらって良いか
﹁記憶を見たよ。う∼、それなら可能だ。但し、その地で甦らせると、
魔女の魔法とか呪いは解明していないので、確かなことが言えない。
?
僕に縋るエミリア。
?
﹂
?
﹁どんな願いかな
﹂
レムの方を振り向き、彼女にきく。
﹁レムの願いも叶えてもらえますか
エミリアの頭を撫でてあげた。すると、
ら。必ず、叶えてあげるよ﹂
﹁わかった。1ヶ月くらい待ってくれるかな
色々、準備をしたいか
あぁ、そうだったね。住む世界が違うんだものね。
﹁どのくらいって⋮ごめん、比べられる物がわからないよ﹂
彼女のガード役の精霊に質問した。
﹁なぁ、パック。どの位の面積かな
﹂
﹁お願いします。心安らかに、人生を全うさせてあげてください﹂
が浮かんだ。
僕の脳裏には、あの星の心優しき仲間のルシフェルとネメシスの顔
とっても大切な星だからね﹂
﹁襲撃されないよ。もし、そんなヤツがいたら、僕達でしばく。僕に
?
?
?
﹁お姉様を連れて来てください。無理かもしれませんが、里のみんな
?
398
?
?
意味がよくわからないので、レムの頭に手の平
を生き返らせて、移住させてください⋮﹂
生き返らせて移住
﹂
﹁どうだった
﹂
に、エミリアの住んでいたお屋敷にも行ったが、混乱はなかったし。
てた訳だが、特に問題はないみたいだ。ラムをお持ち帰るするため
りしたから。向こうの世界では、レムとエミリアとベアトリスが消え
戻って来るときは、四人に増えていた。レムの姉のラムもお持ち帰
│││││││
と、三人で転移した。
ないと、いけないからね﹂
とレムの三人で下見に行って来る。必要なエネルギー量を見積もら
こなさないと、襲撃される恐れもあるな。よし、これから、エミリア
﹁世界は違えど、同じ鬼族だ。助けないとな。そうなると、2件を同時
驚いたような声をあげたレム。
﹁はぁ
父親は鬼族の長だし﹂
族の願いだもの、多少の無理でもがんばるよ。これでも、僕の世界の
﹁う∼、レムの里も襲撃されたのか。いいよ。その願いを叶える。鬼
を当てて、彼女の記憶を読む。
?
﹁難題って
﹂
ど⋮エミリアの方が難題だな﹂
で邪界に持ち込んで、身体を創造して入魂すれば、問題ないだろうけ
﹁う∼ん、レムの願いは楽そうだ。全滅したので、招魂をして魂の状態
フィンに声を掛けられた。
?
﹂
?
僕とフィンが会話中。レムの姉のラムがレムと共に、城内を見て歩
は結界でも張るかな﹂
の地域は見張られているみたいで、長居はできなさそうだよ。作業中
﹁今の僕の上限じゃ、無理かな⋮時間を掛ければいけるだろうけど、あ
﹁浄化は無理そうなのか
リープした者達だけ、強制転移になるな﹂
﹁地 面 に 呪 い が 染 み こ ん で い る ん だ。招 魂 は 無 理 か な ⋮ コ ー ル ド ス
?
399
?
いていた。
﹁あの娘が、彼女の姉かい
﹂
?
﹂
メイド服みたいだけど、そういう職なんだ
?
﹂
の数が少なくて⋮どうかな
﹂
﹁わかりました。誠心誠意働きます﹂
了承してくれたみたいだ。
﹁後、遠征の際には同行してくれるかな
ね﹂
││││││
?
﹂
?
宅だよ﹂
﹁誠、人聞きの悪いことを言わないでよ。お持ち帰りじゃなく、同伴帰
﹁今度はどこから、お持ち帰りだ、シュウ
エミリア達を見て、固まる誠、一香と姉妹達。
明日は月曜なので、家に帰宅した。
戦えるメイドは心強いから
目の子供なんだよ。で、家に住んでいる人数が多いんだけど、メイド
﹁うん⋮この城では城主であるけど、地上では7人姉弟の上から3番
子らしい。
怪訝な顔をする髪の毛の色以外ソックリな姉妹。聞いた話だと双
﹁地上の家
﹂
﹁この城でなくて、僕の住んでいる地上の家で、働いてくれないかな
ラムが再度、僕に願いを申し出た。
﹁どうか、ラムとレムを、この城で働かせてください﹂
お城の見学を終えて、ラム・レム姉妹が戻ってきた。
大家族だからね♪﹂
﹁それは手ではあるな。誠の家はメイドが多くても困ることはない、
ろ
﹁誠の家で働いて貰えば
うしたら、喜んじゃって、お城で働きたいって⋮﹂
﹁そうだよ。角を折られていたから、再生治療をしてあげたんだ。そ
?
?
400
?
?
頭を抱える誠。
僕の家族、兵藤家と同居しているグレモリー家、シトリー家のみん
なに、エミリア、ラム、レム、パック、ベアトリスを紹介した。あぁ、
ベアトリスには、禁書庫に残って司書の仕事をして欲しかったのだ
が、地上の生活に興味を持ったようで、付いてきた。まぁ、城のメン
バーは、この家に転移できるから問題は無いかな。
空き部屋は、腐る程にいっぱいあるし。この家の専任メイドのリー
ラに、ラム、レムを紹介して、指導を頼んだ。次に猫又三姉妹に、ペッ
﹂
クの教育を頼んだ。エミリアはどうするかな。
﹁エミリアのジョブって何かな
﹁私ですか ﹃精霊術師﹄です。契約している微精霊に協力してもらっ
?
て、四系統の魔法が使えます﹂
と、言うのだが⋮
﹁この世界に微精霊はいないんだけど⋮パックやベアトリスのような
精霊は、お持ち帰りは出来るけど、微精霊だと、その星の持ち物だか
ら持って来られないんだよ﹂
﹂
水系の魔法使いみたいなん
﹁あぁ⋮じゃあ⋮契約しているパックの火の魔法と,私自身の水系の
魔法だけかな﹂
少し凹むエミリア。水系か⋮
﹁ソーナ、エミリアの指導を頼めるかな
だ﹂
ソーナが近寄って来て、
﹁でも、悪魔と魔法の大系が違うんじゃないかな
﹂
﹁だから、どういうイメージで、どうなるって感じで指導できないかな
?
?
何故か、頬を赤らめたソーナ。何か、それ系な事を言ったかな
時間外は、この身体を一誠に返すので、エロいこと、難しいこと、血
くらいまでだ。土日と遠征中は24時間営業の場合もあるけど、営業
僕にも営業時間がある。平日は午後4時くらいから翌朝の午前7時
﹁で、エミリアとラム、レムに言って置くけど、ペックじゃないけど、
?
401
?
﹁わかった。考えてみる。シュウ君の頼みだもんね。がんばるよ♪﹂
?
生臭いことは言わないでくれ。頼む
ら。
﹂
﹂
﹁地面を凍らせて、呪いを封じ込めませんか
?
エミリアから質問された。
﹁でも、招魂って天国から魂を導くんですよね
﹂
除けないし。正体の分からない物相手は難しいな。
で撃ち込み、抉れば良いと思うんだけど、根付くようなヤツだと取り
地面の表層だけであれば、シルキーのダイアモンドダストを広範囲
良いと思うんだ﹂
﹁う∼ん、呪いの種類が分からないから、うかつに刺激を与えない方が
エミリアから提案があがった。
﹂
た願い⋮死んでしまったらしい、エミリアの叔母さんを助けたいか
平日の夜、エミリアを交え、作戦を練る。エミリアがぽつりと呟い
│││││││
寝た。
承みたいだ。そして、夕食という晩餐をして、僕は疲れたので一人で
エミリアは了承してくれた。ラムレム姉妹も頭を下げている。了
﹁わかりました。協力します﹂
している。一誠には楽しい想い出を一杯残してあげたいから﹂
﹁そういうことだ。だから、なるべく土日は、お城で執務をするように
ペックが声を上げた。
﹁だから、僕も勤務時間外も実体化できていたんだね﹂
る皆の加護で、実体化できるけど﹂
﹁僕の魂の中で、意識体として生きているよ。お城の中だと、お城にい
﹁彼は今⋮﹂
起きたことを話してあげた。
エミリアが不思議そうな顔をしてきいてきた。なので、一誠の身に
﹁どういうことですか
僕は彼女達に頭を下げて、頼んだ。
!
ると、通常転生してしまう。転生してしまった魂は招魂しても呼び出
﹁それは間違いだよ。天国まで行けた魂は、ある程度の時間を経過す
?
402
?
せないんだよ。それをする場合は、天国に根回しをして、転生をさせ
ないようにしないとダメだ﹂
ふと、レイヴェル達のことを思い出した。涙が出そうだ。でも、エ
ミリアを前に涙は⋮我慢しようっと。
﹁で、今回のエミリアとレムの願いだけど、魂は転生できないように、
﹂
あの地につなぎ止められているんだ﹂
﹁それが呪いのせいだと
心配そうな顔のエミリア。
﹁だと、思う。地縛霊のように、その地に強い想いを持ち続ければ、そ
の地を彷徨う魂になるけど、それとは違うみたいだよ。地縛霊であれ
ば、浄化するば、天国に昇華されていくんだけど、レムの村では、魂
の気配を感じるのに、浄化しても昇華されていかなかった。僕の浄化
能力が低いのか、魔女の呪いに対応していないのか、そういった理由
も考えられるけどね﹂
何かを思い詰めるエミリア。
﹂
﹁そうか⋮滅の力を広範囲に照射して、表面の呪いの効果を無効化す
れば良いのかな
﹁う∼ん、私じゃダメかな。そこまで、力が無いもん。一誠君に毛の生
えた程度だよ、私の力って⋮﹂
﹂
そうだった、この世界のリアスはまだ小学生だ⋮胸の大きさで判断
﹂
聞いてきてくれる
してしまった。反省しよう。
﹁サーゼクスはどうかな
﹁うん♪﹂
リアスが聞きに行ってくれた。
﹁サーゼクスさんって、どなたですか
エミリアにきかれた。
﹁リアスの兄で、魔王様だよ♪﹂
﹁魔王⋮﹂
少しビビリ気味のエミリア。
?
﹁後、考えられる方法は⋮そうだ、エミリア。魔女ってなんで恐れられ
?
?
403
?
リアスを呼び出して、出来るかを尋ねた。
?
ているの
﹂
根本的な、初歩的な問題を思い出した僕は、今更であったがきいて
みた。
﹁正式には大罪の魔女って言うの。七つの大罪の1つ1つを二つ名の
ようにして、七人の魔女がいたんだけど⋮私と同じ銀髪でハーフエル
フの魔女、
﹃嫉妬の魔女﹄サテラは他の六人の魔女を滅ぼして、世界の
半分を飲み込んだと言われているの。それで、私は⋮﹂
エミリアは俯き、涙を溢して、声を押し殺して泣いていた。それで、
虐められたんだね。エミリアの肩を抱き寄せて、彼女の髪に頬を擦り
寄せて、
﹁この世界では、もうエミリアを虐めるヤツはいない。万が一いても、
僕の仲間を虐めるヤツは、僕が許さない。だから⋮﹂
エミリアの正面から、優しく抱きしめた。
﹁もう、泣かないで⋮﹂
彼女の耳に優しく呟いた。
││││││
週末、お城にエミリア達と入城した。一誠を実体化させて、僕は本
来の姿に戻る。
サーゼクスに聞いた話では、サーゼクスの滅びの力は纏うような感
﹂
じの物で、放つことは出来ないそうだった。そうなると、どうするか
な
﹁で、良い方案は浮かんだのかい、シュウ
早速、フィンが声をかけてきた。
﹂
﹂
﹂
近くにいたアイズが呼びに行ってくれた。
﹁どうしたのかしら
﹁あのロキの魔法陣って、解析できたか
﹁もう少しなのよね。一部、知らない文字があるのよ﹂
?
?
404
?
まだ、これって言う方法は見付からないよ⋮いや、そうか⋮フ
?
レイアとベアトリスを呼んで来てくれるか
﹁うん
?
?
?
ベアトリスが不明な部分を指差した。それは⋮
﹁禁術系の文字だ。そうか、複合言語の魔法陣なんだ。様々な大系を
組み合わせたやつだ﹂
フレイアがはっとして、魔法陣を見直す。
﹂
﹁フレイア、ベアトリスと手分けして、わかる部分だけ、翻訳しておい
てくれる
﹁了解しました﹂
﹁たぶん、高等転移術と、器と魂の分離、転生不能化などが、様々な大
系で組み込まれているはずだ。その中の高等転移術と分離の部分だ
けを解析できれば、エミリアの件は、クリアできそうだよ﹂
この週末は、禁術系の僕、神格系のフレイア、魔女系に少し詳しい
ベアトリス、北欧系のロスヴァイセ、悪魔系のセラフォルー、一般魔
法系のルフェイで、魔法陣を解析をした。
﹂
その結果、転移先の世界、場所、時間を設定できる高等転移術と、分
離術の解析が出来た。
﹁なんで、ロキはこんな様々な大系を使えたんだ
フレイアが頭を捻る。
普通は天国のシステムに魂の状態が出るから。天国でなくて、天界で
オラリオのような、混乱した天界の魂管理でしかできない方法だ。
の魂簿に記載がないんだから。
へと転移させるなんて。世界の違う魂は、転生なんかできない。天国
っと、ルフェイ。禁断すぎる。魂を器から分離して、全然違う世界
で、継ぎ接ぎ状態ですものね﹂
﹁だから、継ぎ接ぎなのかもしれませんね。禁断の書式が様々な大系
フレイアに推測を伝えた。
かもな。で、酔わして聞き出していたのかな。推測ではあるけど﹂
﹁顔が広いのが長所だからな。様々な神格系の神と飲み友達だったの
?
﹂
魂を管理している時点で有り得ないのだが、そこは違う世界の話なの
で言及はしないでおこう。
﹁で、これをどう書き換えますか
ロスヴァイセがきいてきた。
?
405
?
﹁呪いの地の呪いを分離して、分離して⋮う∼ん、どこへ捨てるか問題
だな﹂
﹂
﹂
何の呪いか分からないのに、うかつな場所に投棄はできないよな。
﹁ねぇ、呪い以外の物を転移させれば
珍しくセラフォルーから真面な意見が出た。でも、
﹂
﹁セラフォルー、空気を持っていったら、ダメだよね
その部分だけ真空になるしなぁ⋮
﹁分離した状態で、魂だけ転移は無理なの
フレイアから質問が出た。
﹁う∼ん、はっきり言うと、あの地は呪いの成分が濃い上、監視されて
いるみたいだったので、詳しくは調査できなかった。地の呪いは確認
できたが、空気に呪いがあるかがわからない。で、あの世界の空気に
は微精霊という物がいるらしい。もし呪いで、微精霊にアンカーを打
たれていたら、無理⋮いや、現場に行って、魂を招魂して呼び出し、ア
﹂
ンカーを断ち切れば良いのか⋮﹂
﹁それは誰でもできるの
れば、何でも断ち切れるのはね。そうなると、分離術と高等転移術を
﹂
僕以外の者にして貰わないといけない。後、僕達のガードも必要だ。
とても危険な任務になるけど、誰がやる
村ができた。住民が増えたことで、ルシフェルとネメシスは喜んでく
邪界と言われる世界には、妖魔の街以外に、鬼族の里と、エルフの
そして、作戦を決行して⋮
て、大系の違う魔法の発動を可能にするように改造を施していく。
かかれた魔法陣には、以前僕がつくった魔力コンバータを取り付け
イ、セラフォルー、ベアトリスが担当になってくれた。様々な大系で
フィスと忍が就いた。発動組は魔力上限の高いロスヴァイセ、ルフェ
相談の結果、ガード役には、呪いの類いを受けないであろうオー
?
406
?
?
?
﹁﹃神殺し﹄の僕と﹃元聖騎士﹄のファルコンだけだ。最高神未満であ
?
れ、大切に見守ってくれると約束してくれた。エミリア、ラムレム姉
妹が帰郷できるように、それぞれの拠点への転移の扉を、キャッスル
ドランの地下に設置した。
││││││
そしてドエス上司の計らいで、再び剣の鍛錬に行くことになった。
参加メンバーをキャッスルドランに集めた。作戦取りやめになった
魔女の世界への遠征組が、集まってきた。みんな、戦う気満々だった
のだが、諸事情で取りやめになり、今回の鍛錬で戦い惚けるようだ。
どんだけ、バトルマニアがいるんだ
あと、他の世界の社会科見学を兼ねて、エミリア&ペック、ラムレ
ム姉妹、ベアトリスが参戦⋮じゃなく参加する運びになった。
そして、僕は夢の世界から、あの街へと転移する。一誠の想い出作
りの日々を、減らさないようにする為に。
前回の離脱から、タイムロスは1時間くらいだそうだった。これも
ドエスな上司の計らいのようだ。
│││││││
僕は娘を伴って、ロキ・ファミリアのホームを訪れた。リヴェリア
は歓迎してくれたが、ロキは浮かない顔をしている。僕はあらかじめ
﹂
﹁アイツは僕の娘でシルキーって言うんだ。で、あいつは両刀遣いの
性癖破綻者で、ロキの調教を頼んだんだ♪アイツの良さは好き嫌い無
く、何でも喰うことだし﹂
407
?
娘に作戦を伝えていたので、娘は若い娘に浮かれ気味のロキと共に、
ロキをどうするの
ロキの部屋に消えた。
﹁あの娘は誰
?
リヴェリアが心配するように、娘とロキが消えた方を見ていた。
?
呆れているリヴェリア。僕よりも性癖の破綻している娘は、相手は
僕以外なら誰でも良いみたいだ。僕と違って好き嫌いなく、的確に調
教してしまうのはすごいスキルだと思う。
﹁娘がいるの⋮で、実の娘をロキに差し出すなんて⋮クレイジーだわ﹂
娘の実力を知らないリヴェリアにクレイジーと言われた。まぁ、普
通ならばそうだな。
﹁2時間後にロキがどうなるか見ものだよ。それでさぁ、遠征の件を
煮詰めに来た。当初予定していたのより、戦力が増えたんで、直ぐに
直ぐに
﹂
でも出られるよ﹂
﹁え
﹁そんなに戦力をどうしたの
こんな短時間で
﹂
?
開かれた。
﹁おい、いつからそんなに仲が良くなったんだ
今遠征の話を相談していただけよ﹂
勢い良くティオナが入って来た。
﹁うん
なったのはどういうことだ
﹂
こいつも熱く語らいたいのか
﹂
﹂
なんか、ソイツと熱く語らってから、リヴェリアの口調が丸く
?
﹁気のせいよ、ティオナ。で、遠征はいつ出られそう
﹁今すぐにでもいいぜ
?
?
?
﹁はぁ
﹂
リヴェリアと二人っきりで話合っていた部屋のドアが、前触れ無く
﹁ふ∼ん⋮あなたの仲間の戦力は興味あるわ﹂
だ。
合流したのは、シルキー、ロスヴァイセ、ゼノヴィア、ファルコン
﹁う∼ん、僕の仲間達が合流したんだ。だから⋮﹂
2∼3ヶ月経過しているんだけど。
ロスタイムは1時間だから、短時間に思えるんだな。僕にとっては
?
﹁たぶん、当初の2∼3倍以上の戦力があると思う﹂
驚いているリヴェリア。
?
僕を睨みながら言うティオナ。
!
408
?
リヴェリアが事実を伝えた。
?
?
﹁わかった。リヴェリア、今すぐ出られる者を集めてくれ。1時間後
に、バベルの前の広場に集合だ。ティオナ、遅刻したら、許さないか
らな﹂
僕は、そう言い残して、部屋を出た。シルキーはどうなったんだ
だ。
﹁どうなった、シルキー
﹂
ロキの部屋を訪れてみると、ロキは悲鳴を上げて、喜んでいるみたい
?
かな
ティオナ姉妹がやってきた。ガレスは、急な出発に対処できなかった
ロキファミリアは、ポーターを引き連れて、リヴェリア、ティオネ、
思い、了承した。
する気はないんだけど、まぁ、メイドがいた方が食事面は楽かなって
になった。僕に、戦闘力を見せたいらしい。僕的には戦力にカウント
ス、エミリアの持つ緑の結晶の中で休んでいるペックも参加すること
1時間後、バベルの前の広場。エミリア、レムラム姉妹、ベアトリ
││││││
そして、僕達親子は、アストレア・ファミリアのホームに帰った。
﹁堪忍や⋮なぁ⋮もう、あかんって⋮﹂
解いていった。
シルキーの言葉を聞いて、青ざめるロキ。縛っていたヒモ状の物を
﹁わかった、父ちゃん。女神様、また遊んであげるからね、ふふふ﹂
﹁シルキー、1時間後に出発だ。帰るぞ﹂
しいのだろうか
ロキは泣き言を漏らしていた。主導権を取れなかったことが、くや
﹁もう無理や⋮あかんって⋮小娘にやられるとは⋮﹂
♪﹂
﹁あっ、父ちゃん。女神ってタフだな。虐めがいがあって、楽しいよん
けた。
ロキを縛り上げて、彼女の身体をシャブリ尽くしていた娘に声をか
?
ティオナが僕達にとっては挑発にならない、挑発的な発言を口にし
409
?
﹁おぃ、来たぞ。お前らの実力とやらを見せて貰おうじゃないか﹂
?
た。彼女の言葉に反応せず、迷宮に入っていく。
﹁エミリア達は中段にいて、敵を観察していて。前衛は、シルキー、ゼ
ノヴィア、ファルコン、ロスヴァイセ、セラフォルー。中段のガード
にベート、アイズ、レフィーヤ。ケツはフィンにまかせた﹂
﹂
僕は迷宮に入って直ぐに指示を出した。
﹁ねぇ、私は
リューが声を掛けてきた。
﹁僕と遊軍だよ。前衛が撃ち漏らしたのを消すよ﹂
﹁あぁ、そういうことか。了解♪﹂
そして、前進をしていく。僕達のポーターは忍+チームドラゴン。
荷物背負っていても、戦えるのが魅力的。
そして、前衛が敵を見つけ次第、屠る。なんなく18階まで辿りつ
いた。
﹁少し休憩して、出発する﹂
﹂
チームに命令を発した。で、ロキ・ファミリアのメンバーの方に行
く。
﹁どうしたんだよ。前衛にメンバーを出さないのか
リヴェリアに文句を言う。
﹁さっきの威勢は
﹂
見るとティオネ、ティオナの顔色が優れない。
んだ﹂
﹁いや⋮すまない。あなた達の前衛の破壊力に、ビビっているような
?
ティオネの声が震えている。
﹁ねぇ、ポーターの纏っているオーラも尋常じゃないんだけど⋮﹂
ン、ゼノヴィアの餌食になっていく。二人共飛ぶ斬撃を放てるし。
魔法を撃った後のインターバルを狙って来るモンスターは、ファルコ
あぁ、魔王候補と前魔王だからね。あと、ロスヴァイセの魔法攻撃。
﹁なんだ⋮あの破壊力⋮モンスターが消し飛ぶって⋮﹂
ティオナに問う。
?
﹂﹂
410
?
﹁あぁ、ベート、アイズでもポーターに勝て無いからね﹂
﹁﹁はぁい
?
驚いたような声を、ステレオであげるティオネ、ティオナ姉妹。
﹁ベートの師匠だもの。荷物を担いだ状態でも、ベートに負けないか
ら﹂
﹁異常だろう⋮その戦力って⋮﹂
ビビっている姉妹にそそってしまった僕。目の前の姉妹と、少し遊
⋮何⋮やめて⋮﹂
ぼうかな。念を集中して、念動力を発動。
﹁はぇ
いや∼﹂
お尻を振る姉妹。谷間に羽箒でなでる刺激を与えていく。
﹁何がいるの
進んでいく。
前衛交代するか、僕とリュー、ベート兄ちゃん、アイ
一応、ロキ・ファミリアにも役割を分担しておく。そして、迷宮を
たら、残りの者で対処でよろしくね♪﹂
に逃れたのは、ロキ・ファミリアに任せる。ロキ・ファミリアが逃し
ズお姉ちゃんが前、ファルコン、セラフォルーは中段にする。サイド
キャンプかな
﹁そ ろ そ ろ、出 発 し よ う か。こ の ペ ー ス だ と 2 5 ∼ 3 0 階 く ら い で
僕だけに聞こえるような声で、リヴェリアが囁いた。
﹁後で、お願いします﹂
おかないと。
腰を振り、腰を捩る姉妹。こんなもんにするか、戦える分を残して
﹁何これ∼やだ∼やめて∼﹂
与える。
ている。では、違う刺激を⋮おへそを細長い舌で舐めるような刺激を
リヴェリアは僕が犯人と知ったようだけど、僕を暖かい目で見つめ
?
?
411
?
帰還
│││シュウ│││
ロキ・ファミリアとの合同遠征から帰還。もう、この世界での鍛錬
に限界を感じてしまった。ロキ・ファミリアはこの世界で強さの点で
は、トップクラスに入る戦力のはずなのだが。今回の遠征では、前衛
に出ることなく終わった。僕のチームの前衛陣の破壊力が、この世界
のバランスを崩すほどになっていた。
そろそろ撤退の時期かな
そんなことを考えていたら、うつらうつらと寝てしまった⋮
││││││
元の上司の第8宇宙を司る絶対神が、航路の神を名乗って
意識が戻ると、そこは見覚えのある部屋だった。ここは確か航路の
間だっけ
いた時にいた場所だ。これって⋮あっ⋮有る事に思い至った時、
﹃気づいちゃったのね∼残念⋮﹄
ドエスな上司の声が聞こえた。これって、そういうことなのか
出来るのよ。だから、撤退しても、甘えん坊なアイズにいつでも逢い
に来られるのよ♪﹄
夢限定ではあるが﹃次元・時空旅行﹄のスキルかぁ。
﹄
﹃そういうこと。後、キャッスルドランはあなたと共にある。意味わ
かるわよね
るってことだな。
│││││││
と、自己完結したところで、ドアがノックされて、エミリア、
そして、目覚め。それなら、ここを撤退しても、後ろ髪は引かれな
いかな
﹁どうしたの
た。
﹂
彼女達が僕の部屋に来る理由が浮かばない僕は、彼女達に質問し
?
412
?
﹃そういうこと。あなたは夢の世界から、色々な世界を旅することが
?
?
あぁ、キャッスルドランにいる仲間も、一緒に夢の世界から旅立て
?
ラムレムが入って来た。
?
﹁何を捧げれば良いですか
﹂
仲間からは取らない主義だけど﹂
参加って
供物大会じゃないんだけど。
﹁レムだけにはさせない。ラムも参加するわ﹂
レムはそそるけど⋮ラムの目が怖い⋮
ました﹂
﹁私も⋮仲間であっても、おつりが来るくらいの願いを叶えてもらい
エミリアは真面目すぎるからな。
﹁それは⋮う∼ん⋮いや、約束ですから﹂
﹁捧げ物
エミリアが真っ直ぐな視線で、僕を見ていた。
?
﹂
れるかな
そ ん な こ と な い で す。私
?
になる者もいるけど⋮﹂
合200年くらいは欲しいかな⋮鬼族の場合は10歳くらいで大人
﹁エミリア、種族によって大人になる年齢は違うんだよ。エルフの場
と、主張をしてきた。
だって、大人の身体ですよ﹂
﹁そ れ っ て、ま だ 子 供 っ て 言 う ん で す か
た。やっと理解できたエミリアは顔を真っ赤にして、
気を利かしてくれたラムがエミリアの耳にゴニョゴニョしてくれ
﹁う∼ん⋮パック、翻訳して∼って、営業時間外かぁ⋮﹂
悩んでいる。
レムは気づいたようで頬を赤らめているが、エミリアは気づかずに
﹂
﹁熟すって
﹁もう少し熟したら、考える。今は、この生活に慣れることを考えてく
んだよな。う∼ん⋮
推定年齢100歳超えのエミリアは主張するが、見た目は一番幼い
﹁それを言ったら、私はこの中で一番歳上です﹂
ラムの発言にレムが喰い付いた。まぁ、双子だと同い年だよな。
﹁お姉様、私も同い年ですけど﹂
﹁えぇ⋮大人の女性として常識だわ﹂
﹁ラムは大体の察しは付いているようだね﹂
?
?
413
?
?
忍 な ん て、推 定 6 0 0 歳 以 上 だ け ど、子 供 姿 だ し。オ ー フ ィ ス に
あと50年位、恩を返せないのか⋮﹂
至っては、年齢不明だし⋮年齢なんてただの目安だもんな。
﹁え
凹むエミリア。
﹁そうでもないよ。エミリアはエルフでなくてハーフだし。年齢なん
て目安にすぎない。大事なのは中身だよ﹂
エミリアは、僕の方に近づいて来て
﹁わかりました。今夜から添え寝します。私を好きにしてください﹂
って、大胆やら、僕の趣味趣向を無視しているというか⋮はぁ∼供
物扱いでないと、小学生姿のままである。どうすれば良いんだ⋮明
日、パックに相談するかな。
﹁そっか⋮ラムレムは部屋に戻って休んで。向こうの世界で、供物を
考えるから﹂
そう伝えると、姉妹は一礼をして部屋を後にした。僕も、もう少し
﹂
寝ることに⋮僕の横を陣取り、恥ずかしそうに全裸で横になるエミリ
ア。
﹁供物扱いでないと、僕は何もできない。それでも添え寝するの
﹁シュウから出る暖かいオーラ、なんか心が安まるよね♪﹂
なんか、観点が違うんだが⋮
﹁かまわないよ。乳が出ないことを了承しているなら、いいんだよ﹂
から、添え寝は無理だよ﹂
﹁出ないよね⋮ごめん。この姿の時は、そういう寝方になるんだ。だ
で彼女の乳首を吸っていた。この姿の時の定番の寝方だな。
って言う声で目覚めた。僕の両手は、エミリアの右胸を抱えて、口
﹁ねぇ、私の胸は乳が出ないんだよ∼﹂
朝、エミリアの
││││││
ア。僕の苦手なタイプかも⋮マイペースな天然娘なのか。凹む僕。
って、尋ねた時には、心地よさそうな寝息を立てて寝ているエミリ
?
それは、良く言われるけど⋮まぁ、エミリアがいいんならいいっか。
僕とエミリアは服に着替えて、朝食に向かった。
414
?
││││││
﹂
朝食の後、この世界のフィン達に、僕達が旅立つことを伝えた。
﹁どうしても、旅立つのかい
フィンに尋ねられた。
シュウの事好きなのに⋮シュウの手から食べるジャガ丸く
﹂
?
﹂
記憶は残るんだよな
﹂
﹁かまわない。私はあの時、死んだ戦士だ。統合されようが、私の心と
﹁それは、逢えるけど⋮でも、今のリューは統合されてしまうよ﹂
リューからきかれた。
んだよな
﹁なぁ、アストレア様のお供で一緒に付いて行けば、アリーゼに逢える
るかな⋮
説明したことは、アイズの理解の範疇を超えていたようだ。どうす
﹁う∼ん⋮難しいことはわかんない﹂
よ。また、来るから、待っていてくれないかな
﹁だから、一緒に来ると、アイズお姉ちゃんの個性は消えちゃうんだ
テムのことを説明した。
と、アストレア。僕は連れて行かれない理由として、同化吸収シス
﹁私もお供します。末席で良いですから⋮﹂
って、ツッコミをしたくなるような理由を言うアイズ。
んは大好きだよ。ねぇ、私も連れて行って﹂
﹁なんで
りの者は、混乱しているようだ。
リューの戦士組。納得していないのは、アイズとアストレアかな。残
遠 征 で の こ と を 思 い 出 し、納 得 し て い る よ う な フ ィ ン、ベ ー ト、
﹁うん、この世界では、鍛錬の限界に来てしまったから﹂
?
?
説得している。
﹁その場合、恩恵はどうなるんですか
﹂
アストレアとリューは決定かな。アイズは⋮フィン、レフィーヤが
﹁ならば、私はアストレア様のお供をする﹂
﹁それは残る。個性は混ざっていくけど、心と記憶は残る﹂
?
415
?
?
アスフィが質問してきた。
﹁アストレアは死ぬ訳ではないから、恩恵は維持する。たまに来る時
にアストレアを帯同するので、その時にステータスの更新をすると良
いかと﹂
真面目に返答をしておく。
﹁アイズのことは心配するな。俺達が護る。だから、たまに帰って来
てくれよ﹂
ベートがそう言ってくれた。
﹁勿論だよ、お兄ちゃん。あと、この世界が危機に瀕することがあっ
た、必ず助けに来る﹂
﹁心強いな、お前が後ろ盾になってくれていると思うと﹂
納得をしたようだけど、グズついているアイズを宥めるオーフィス
と忍。この世界のアイズに懐いているものな、あの二人は。
﹁明日の0時に離脱する。共に来るアストレアとリューは、別れの挨
なんで、旅立つんだ
﹂
﹁もう、この世界で鍛錬の意味が無くなったから。違う鍛錬場所を探
しに行く﹂
﹁私は、お前に恩を返していない。目を治してくれた恩を﹂
要らないよ。それは、僕の下僕になってくれたことに対する加
治した方の目を指差し、抗議してくれるヘファイストス。
﹁恩
416
拶をしておいてくれ﹂
僕も別れの挨拶をしに行く。
││││││││
﹂
ヘファイストスの執務室に、ダイレクトに転移した。僕の突然の出
現に驚く彼女。
﹁どうしたんだ
﹁おい、冗談だろ
?
クールな別れを言ってくれると思っていたのに、絡んできた彼女。
?
めなかったけど、もっとスミス談義したかったよ﹂
﹁お別れを言いにきた。明日の0時に、この世界を旅立つ。あまり、絡
?
護だ。恩に思わなくて良い﹂
?
﹁そういう訳には⋮私も連れて行ってくれないか
れた。
のままでいてくれ﹂
﹂
僕に抱きつくリヴェリア。
﹁どうしても行くの
錬できないんだ﹂
﹁リヴェリアも遠征で見ただろ
?
﹂
僕のチームは、この世界の敵では、鍛
彼女から離れて、転移した僕。
﹁またね♪﹂
ヘファイストスと違い、納得してくれた。
﹁その時には、私も訪ねてね。約束だよ﹂
﹁うん⋮フィン達のステイタス更新をしにね﹂
ね⋮また、来てくれるの
﹁まさか、あの大群を瞬殺って⋮この世界の常識では、考えられないわ
ら消えていった。
だ。魔石も一緒に砕いたので、牛さんの大群は、挽肉状態になりなが
牛さんの大群に、ダイヤモンドダストを親子二人で撃ち込んだの
ミノタがなるとは思わなかった⋮﹂
﹁そうだね。アレは戦闘力というより破壊力だわ。あんなミンチ状に
しばらく、だまりこんだ彼女。
?
﹁この世界を旅立つことにした。フィン達は残るから、同盟関係はそ
﹁どうしたの
﹂
もう1箇所、別れの挨拶をしに行った。ここでも突然の出現に驚か
│││││││
れ﹂
﹁団長に説明して、0時までに合流するから⋮だから、願いを叶えてく
ヘファイストスは、この世界のルールを熟知しているようだ。
﹂
いいのか
﹂
?
﹁私は死ぬ訳ではないから、恩恵は残るはずだ﹂
﹁ファミリアはどうする
予想だにしなかった彼女の要望⋮え
?
?
?
417
?
?
│││││
0時前、ヘファイストスが大きな荷物を抱えて、訪ねて来た。
﹁愛用の鍛冶道具一式を持って来た。お前の装備を作らせろ♪﹂
言葉は乱暴であったが、言い方が妙にかわいらしい彼女。彼女と共
にキャッスルドランに転移して、0時になるのを待つ。リューは同化
吸収する前に、アリーゼと再会させている。向こうの世界に戻る頃に
は、同化吸収されてしまうけど。
そして、0時になり、一誠の世界へと戻っていった。
││││││
翌日、誠の部屋。次の鍛錬先を相談していた。
﹁う∼、鍛錬先ねぇ⋮この世界には無いかな⋮﹂
唸っている誠。
﹁今度は剣じゃなくても良いよ。魔法でも良いと思う。上限が低いの
﹂
﹁誠、九十九屋って、どこあるんだ
﹂
﹁そうそう﹂
﹂
﹂
﹁間神龍斗のマンションなら、知っているけど⋮あそこで鍛錬か
﹁ダメかな
﹂
﹁九十九屋って、殺しからゴミ出しまで、なんでも請け負う何でも屋か
?
418
を実感したから﹂
﹂
﹁魔法だと数馬君のところかな。あと、格闘であれば川神院﹂
﹁兵藤家は
﹁そうなると、どうするかな
な﹂
?
っと、親子二人で唸っていた。その時、閃くことが⋮
﹁そうか⋮まだ3,4年あるな。どうするかな
﹂
﹁無いよね⋮たぶん、5,6年生くらいにならないと実感はないかも
?
?
﹁2年生になって、変化はないのか
﹂
が、通用しないと実感しているようだよ﹂
﹁じじぃが、お前を鍛錬に寄越すなって⋮お前には、兵藤流の戦い方
?
?
?
?
もっと、惨いことをするんだし﹂
﹁ダメってことは無いけど⋮殺しのテクニックなんか、お前には要ら
ないだろ
して。
﹁あっ
誠の息子
それがなんの用だ
﹂
?
﹂
何を考えて居るんだ
殺し屋稼業もしているんだぞ﹂
?
くれた。父さんからの紹介状を手渡した。
﹁九十九屋で鍛錬したい
﹁なら、死んでみる
﹁なぁ、父親に聞かなかったか
﹁もっと強くなりたい。それだけです﹂
?
?
﹁俺⋮今、死んだよな
﹂
﹁ついでに、インポにしておいた﹂
おい、テメエ、何しやがる
!
?
﹂
!
僕の頬にキスをしてくれた遥。
﹁そう⋮おめでとう♪﹂
﹁ようやく、小学2年生になりました﹂
遥が僕に走り寄ってきた。面白くないって表情の弟の綾斗。
﹁あっ⋮イッセー君。久しぶり⋮﹂
道場の入り口から声をかけた。
﹁遥さん、こんにちわ♪﹂
を訪れた。道場では遥さんと弟の綾斗が練習をしていた。
僕は、その場を後にした。そして、久しぶりに、天霧辰明流の道場
帰る。インポを治したかったら、詫び状と供物を持って来い
﹁小学二年生に殺されたヤツに言われたくない。協力的でないから、
﹁はぁ∼
﹂
から、元通りに首をくっつけてあげた。
村雨による居合い斬りで、龍斗の首を切断した。ちょっと細工して
?
お前は⋮﹂
龍斗は在宅していて、小学生としての身分を明かしたら、応対して
?
そして、間神龍斗とのマンションを訪れた。父さんの紹介状を持参
りしたから。龍斗は金の為なら、なんでも請け負うヤツだ﹂
﹁烏間かぁ⋮あぁ、手練れだよ。あの組織とは手を組んだり、敵対した
﹁いや、あそこの烏間ってヤツが、剣の達人だったって思い出して﹂
?
?
419
?
﹁おい、お姉ちゃんに言い寄るな
弟の綾斗が勝負を挑んできた。
﹁ふっ、死にたいのかな⋮﹂
二人でか⋮
僕と勝負しろ﹂
遥⋮﹂
いや、遥はオーラに耐えていた。精神力が
﹁もっと本気出していいかな
すごいなぁ。
なる人間にには無理かな
綾斗は死を感じさせるオーラを受け、腰を抜かして震えていた。単
﹁イッセー君⋮それが、あなたの本気⋮﹂
か遥の顔色が悪くなっていく。
せるオーラをも纏っていく。そんな僕の見えない強化に、気づいたの
を何段階かアップさせていく。そして、戦わずに勝つ為の死を感じさ
僕は全身にオーラを纏い、身体を強化していく。パワー、スピード
﹁いいよ、二人で来いよ。僕も全力で行くから﹂
あん
﹁お姉ちゃん、二人で、アイツを仕留めよう⋮﹂
交代を指示した。
弟が既に、魔なるオーラにやられてしまったことに気づいた姉が、
﹁待って⋮綾斗、あなたは下がりなさい。私が相手をする﹂
刀を、まず2本取り出して、構えた。
綾斗は魔剣、魔皇剣の放つオーラにやられたようだ。僕は愛用の木
﹁なんだ⋮今の剣⋮尋常じゃないオーラだ⋮﹂
た。愛剣達には、不思議な袋へと戻ってもらった。
って⋮。あっ、この世界での勝負って真剣はダメだったね。しまっ
﹁イッセー君⋮真剣はダメだって⋮お願いだから、弟を殺さないで⋮﹂
僕は愛剣4本を腰に出現させ、綾斗に近づく。
!
﹁どうした
みんな
﹂
?
アザゼルが声を掛けて来た。
﹁どうしたじゃないだろ
なんだ、あの尋常じゃないオーラは⋮﹂
れを見て、僕は纏っていた物を総て霧散させた。
りに転移陣がいくつも発現して、数名の者が転移してきた。その顔ぶ
今できることを総て出し切る僕。そんなことをしていたら、僕の周
?
?
?
?
420
?
﹁あぁ、何事かとスクランブルしてきたよ、イッセー君﹂
サーゼクスが声を掛けた来た。
なんで、ここで油を
﹁心臓に悪い真似はしないでくれるかな、イッセー君﹂
ミカエルさんもいるのか。
﹂
﹁一誠⋮お前なぁ⋮九十九屋に行ったはずだろ
売っているんだ
ンブルしてきたのか。そんなに高出力だったかな
﹂
お前が良く分かっているだろ。人間相手に、本気な
﹂
﹂
﹁俺ができる訳⋮ないだろ⋮それは⋮どうするんだ、サーゼクス
﹁ねぇ、出したら、誠がお仕置きをするのか
言葉に詰まる誠。
﹁もし出したら
んか出すな。いいな﹂
﹁挑発に乗るな
﹁でも、勝負しろって⋮綾斗が言うから⋮﹂
まぁ、一応ラスボス待遇ですから。
れたかと思ったぞ﹂
﹁一誠、お前通常空間で緊急時以外、本気を出すな。いいな。新敵が現
言い訳にならないかもしれない言い訳を誠達に言った。
なって⋮﹂
﹁でも、遥さん姉弟の二人が相手だったから、本気で行っても大丈夫か
あぁ、確かに⋮言われてみれば⋮
のオーラは危険だぞ﹂
﹁ここは鍛錬先の世界と違って、争いがない世界なんだぞ。そこに、そ
?
誠が怒っている。あっ⋮僕の本気なオーラを感じて、みんなスクラ
?
ですか
﹂
﹂
サーゼクス⋮その例えは、おかしいだろ
ピーするんだ
﹁あの⋮兵藤誠さん⋮ですよね
誠に声をかけた遥。
誰が、誠を50億人にコ
﹁誠殿が50億人いても、勝て無い相手ですよ。どうしろって言うん
?
?
﹁そうですが。俺の息子が迷惑をお掛けしました。きつく、文句だけ
?
421
?
!
?
?
?
?
は言っておきます﹂
﹁あ っ ⋮ 初 め ま し て ⋮ 天 霧 遥 と 申 し ま す。高 校 生 に な っ た ら、イ ッ
セー君と⋮住んで良いですか⋮きゃはっ♪﹂
この局面でそう言うのか⋮顔を真っ赤に染めた遥。
﹁あ⋮天霧遥さん⋮ですか⋮天霧辰明流の⋮﹂
﹂
誠の問い掛けに、恥じらいながら頷く遥。
﹁で、この方々はどなたですか
た。
そうだ、イッセー君って⋮﹂
﹁おい、一誠。彼女はお前の正体を知っているのか
誠にきかれた。
﹁あぁ⋮おいたしたときにね⋮あはは⋮﹂
?
﹁一誠⋮彼女の決意は揺るぎないみたいだ。話を聞けば、弟さんと二
の場に残った誠は遥と話していた。そして、
大御所三名はほっとした表情で、この場から転移をしていった。こ
﹁了解だ、アザゼル。次回からそうします﹂
と、アザゼル。
にしろ。アジュカがモニタリングしてくれるからな﹂
﹁まぁ、兎に角⋮あれだ⋮イッセー、勝負するときは仮想フィールド内
更に赤く顔を染め上げていく遥。
なったら、イッセー君と住みたいんです、お父さん⋮あはっ♪﹂
﹁いえ、私が望んだことですから⋮嬉しいです。ですから、高校生に
﹁すまないね、遥さん。俺の息子が、なんていうか、してしまって⋮﹂
僕の正直な返答に、頭を抱えた誠。
﹂
少し安心した表情にをして、僕の方へ這いつくばって近寄って来
﹁堕天使⋮悪魔⋮天使⋮天使
僕が紹介をしてあげた。恐怖の表情をして腰を抜かした遥。
司るミカエルさんだよ﹂
﹁堕天使トップのアザゼル総督、冥界の魔王のサーゼクスさん、天界を
三名ともはっとした顔になる。
もっともな質問だと思う。普通の人間の前に現れちゃダメな人達。
?
人暮らしのようなんだ。子供二人での生活だと、負担が大きいと思う
422
?
﹂
ソーナに話して、道場を作って貰
ので、二人をうちに引き取ろうと思う。どうかな
﹁あぁ、道場かぁ⋮いいんじゃない
えるようにするよ﹂
?
なんだ
⋮家ってレベルではない大きさのお
地下にはプール、サウナ、シャワールーム、トレーニングルー
兵藤家専用フロアがあり、屋上には温泉があるそうだ。なんて、豪華
んからの説明では、フロアごとに男性専用フロアと女性専用フロアと
玄関を入ると、地下へと続く階段とエレベーターがある。メイドさ
達二人を家の中に入れてくれた。
表札が有り、表札近くの呼び鈴を押すと、メイドさんが出て来て、私
門を潜ると、ドアには、
﹃兵藤﹄
﹃グレモリー﹄
﹃シトリー﹄と3つの
⋮巨大すぎる敷地である。
れていて、1箇所だけ、天霧辰明流の新道場の入り口だけ、塀がない
屋敷のような大きさの建物だった。門以外一区画まるまる塀で囲ま
そして、イッセー君の家⋮へ
弟に、収入が入るようにと、誠さん達が手を回してくれたようだ。
場のあった場所には、マンションが建つことになった。剣一筋の私と
イッセー君の住む家のある駒王町に引っ越しをした。私達の家と道
誠 さ ん か ら 許 可 を も ら っ た 翌 週、弟 と 二 人 で 住 み 慣 れ た 街 か ら、
│││遥│││
になった。
こうして、遥は高校生になる前に、僕と1つ屋根の下で暮らすこと
﹁わかりました。お願いします﹂
丈夫なトレーニングルームもあるし﹂
﹁そういうことだ、遥さん。我が家なら、思いっきり一誠と戦っても大
?
圧倒され
そして、リビングに案内された。学校の教室よりも広いリビング
ルーム⋮一体、この家にはどの位の人数が住んでいるのか
まくりのスケールな家だ。
んであるから、引っ越しは終了だよ﹂
﹁遥さん、いらっしゃい♪遥さんと綾斗の荷物と道場の荷物は運び込
?
423
?
ムがあるそうだし。溜息が出てしまう。
?
なんで
って、イッセー君から声がかかった。え
た
﹂
荷物が人間より先に着い
?
どんな人達が住んでいるんだ
ば、その日の人数はわかると思うけど﹂
日によって住民の数が変化する
?
下僕
﹁メイドや下僕がいるから、問題ないよ﹂
﹁あの⋮家事は手伝わなくても良いんですか
﹂
と、この家では隠し事は丸見えだから、気を付けてね﹂
﹁あぁ、僕は心が読めるから。声に出さずとも会話は成り立つよ。あ
そうだ、心に思ったことを、イッセー君は返答してきた。
﹁お姉ちゃん⋮声に出してないのに、返答がきたみたいだけど⋮﹂
何か心にひっかかる物があった。綾斗が私にだけに聞こえる声で、
チームシュウかな。今のところはね﹂
﹁どんな⋮誠夫婦、その子供、あと、グレモリー眷属、シトリー眷属、
?
﹁正 確 な 人 数 は わ か ら な い。出 入 り が 激 し い か ら ね。食 事 時 に な れ
疑問をきいてみた。
﹁この家って、何人が住んでいるの
?
?
と綾斗。
﹁だから、言ったでしょ
とないからね﹂
どういう意味
﹁実感しないとわからない
?
﹂
ような状態では、この家では真面に生活できないよ、遥さん、綾斗﹂
の類いを、外に漏らさないようにもしている。オーラを感じて、その
﹁この家は結界で護られている。それと共に、この家で発するオーラ
い。綾斗もだ。
イッセー君が言い終わると、突然、身体に異変が⋮震えが止まらな
?
?
この家では細かいことを気にすると、碌なこ
ているオーラが、感じたことのないものだった。咄嗟に身構える、私
長生き⋮その時、エレベーターから数名が降りてきたのだが、纏っ
ると、長生きできないからね♪﹂
﹁しもべみたいなものだよ、遥さん。この家では細かいことを気にす
?
424
?
?
膝が笑っている。腰が抜けて尻餅をついている。そんな異常な状
態の私達姉弟の姿を、スルーするこの家の住民達。
身体の中で熱い物が沸き立っている感じだ。こんな感覚は始めて
かもしれない。どう対処して良いかわからない。
﹁イッセー様、その位にしてあげてください。焼きプリン出来ました
よ﹂
メイドさんの声で、通常の感覚に戻った私。
﹁あなた方の分もあります。お食べください。イッセー様の好物なん
ですよ﹂
﹁わ∼い、プリンだぁ∼♪﹂
階段から、紅髪の少女が降りてきて、イッセー君の隣に座った。そ
の横に、金髪の少女と黒髪の少女も座り、美味しそうにプリンを食べ
ている。
﹁あっ、懐かしい⋮じゃが丸くんだ﹂
笑顔であったが、語気に強いオーラを纏わせたメイドさんに忠告さ
れた。
﹁あっ、ラム⋮いじめんなよ∼﹂
﹁いえ、虐めてはおりません。ご忠告です﹂
このピンク髪のメイドはラムというのね。人数が多いと名前を覚
えるのが大変そうだ。
﹁あっ、名前は、イッセー様のご家族だけ覚えれば大丈夫です﹂
私に一礼をして下がっていくラム。
425
美味しそうに食べているイッセー君。こうして見る分には、小学2
年生らしい幼さを感じる少年だ。
私と綾斗も、おやつを頂いた。美味しい。二人で生活していたとき
に、こんな物は食べたこと無かったし。
﹁遥さん。はっきり言いますが、この家で一番弱いのは弟さんで、次に
あなたですからね。それを忘れないでください﹂
どういう意味
?
私達メイドに逆らうようなことがあれば、イッセー様
メイドさんに言われた。え
﹁意味ですか
?
の友人といえ、しばきますから﹂
?
﹁あっ、リアス⋮ズルい⋮イッセー君と⋮﹂
﹂
ソーナがいなかったのが原因よ。私はズルくないもん﹂
黒髪に眼鏡の少女が、紅髪の少女に文句を言っている。
﹁うん
﹁ソーナ、エミリアは
﹁居残りで練習しているわ。真面目だよね、あの子、戦闘意欲は無いみ
たいだけど﹂
﹁僕だって、最初は戦闘意欲なんか、まるで無かったし﹂
﹁イッセー君は、私の中では英雄だよ﹂
英雄じゃないよ、僕なんか。まだ
誰と戦ったんだ
﹁生死を何度も彷徨っているのに
弱いし﹂
何ども生死を彷徨っている
?
?
私
2 日 も か か っ た ん だ よ。1 日 で 終 わ ら せ た い よ。そ う す れ
ば、2日で全滅できたのに⋮強くなりたいなぁ﹂
﹂
イッセー君の強くなりたいって⋮どんだけ強くなりたいんだ
でも最上級悪魔くらすだと1匹倒すのがやっとだと思うのに。
沖田先生の事かな
?
?
﹁は ぁ
最上級悪魔を2日で30億強⋮って⋮
たそうじゃない﹂
﹁そうだよ、お兄様から聞いたけど、最上級悪魔を2日で30億強屠っ
よ﹂
﹁相手が悪すぎたんだよ、イッセー君。普通なら、みんな死んでいる
?
﹁総司よりも強くなったから、それ以上は難しいんじゃないか
総司
?
らな﹂
﹁通常時にオーラ出しまくっていたら、戦争になるよ。そういうレベ
ラは感じないけど。
え
目の前に座っている無邪気な二人を見た。この二人からオー
オーフィスだ。忍とオーフィスは絶対に怒らすなよ。確実に死ぬか
人セラフォルー・レヴィアタンの妹だ。あと、金髪娘は忍。黒髪娘は
ソーナ・シトリー。冥界には魔王が4名いるんだけど、そのうちの一
んの道場に現れた魔王サーゼクス・ルシファーの妹だ。黒髪眼鏡は
﹁あぁ、遥さん、紹介しておく。紅髪がリアス・グレモリー。先日遥さ
?
426
?
?
?
?
ルの者達だ。忍とオーフィスの戦争は見てみたいけど、この世界は確
実に滅びるから、そそのかさないでね﹂
世界滅亡⋮スケールが大きすぎる⋮
﹁あと、誰だ、滅亡系は⋮そうそう、メイド長のリーラ、僕の姉のひた
ぎ姉、僕の妹の火憐辺りは危険だからね。あっ、もう一人、ソーナの
とこの食客のシルキーもだ。この家では、うかつにケンカしない方が
意味がよくわからない。
良い。何度も死ぬはめになるから﹂
何度も死ぬ
﹁単体系な脅威は、シルキー、ゼノヴィアだ。この二人はバトルマニア
だから、目を見ないように。あの二人基本バカだから、手加減を知ら
ない。この二人以外は手加減はしてくれると思うけど⋮あぁ、メイド
のラムとレムも手加減知らずだ。バカでは無いけどね﹂
住んではいけない家に越したような気がしてきた。
﹁で、その二人の実力を知りたいな﹂
﹂
﹁そこの新入りの二人も見学に来て。この家の戦いを見せる﹂
私達はゼノヴィアさん、イッセー君の後に続いた。
││││││
われたイッセー君は、何事もなかったように準備を続けていた。え
何が起きたの
?
ゼノヴィアさんから強烈な飛ぶ斬撃が放たれてきた。命中したと思
君は4本の剣を腰に差していた。準備をしていたイッセー君に突然
戦いの舞台は、地下10階のトレーニングルームだった。イッセー
?
青髪の女性が近づいて来た。
﹁ゼノヴィア、お前はダメだ。手加減しないだろ
この人がゼノヴィアさん⋮
誰
﹁じゃ、シュウ⋮相手をしてくれ﹂
シュウって
﹁しょうがないな﹂
?
シュウと呼ばれたのに、イッセー君が返事をした。なんで
?
427
?
?
?
先手必勝だ﹂
﹁もう、ゼノヴィア、相手を見て開幕しろよな﹂
﹁はぁ
﹁僕には効かないよ。ゼノヴィアの聖剣じゃね﹂
目の前を飛ぶ斬撃が行き交う。二人共真剣を使用していることに、
私も綾斗も驚いている。飛ぶ斬撃が擦っただけで、大怪我をするだろ
う。
剣で防ぐって、それの方が厄介だよ﹂
﹁四刀流⋮厄介だな﹂
﹁はぁ
私の知っている次元の戦いではない。目の前では殺し合いを愉し
んでいるようにも見えた。
﹁目を背けないで、戦いを見なさい。あれが、チームシュウの1軍クラ
スの戦いだから﹂
いつの間にか私の横に立っているメイドさんに言われた。チーム
シュウって
すら3軍クラス以下なのよ﹂
誠さんですら3軍クラス以下
イッセー君は1軍なのに
剣だけだ﹂
﹁ねぇ、ゼノヴィア。飽きてきた∼本領発揮していいかな
﹁ダメに決まっているだろ
﹂
?
?
イッセー君は本気では無いのか
?
は最低魔王クラス以上の戦力保持。この世界の英雄、兵藤誠、一香で
﹁チームシュウ⋮たぶん、全宇宙でも最強クラスの部隊よ。入隊条件
?
た。
木刀をイッセー君に向けて、いつでもたたき込める構えをしてい
﹁お姉ちゃんを冒涜するな
﹂
私の方に駆け寄ってくるイッセー君。綾斗が私の前に立ち上がっ
﹁遥さん、あそぼ∼♪﹂
その場に崩れた。
イッセー君がそう言うとゼノヴィアさんの全身から煙が上がって、
﹁遥さんと遊びたいよ∼﹂
淡々と説明してくれるメイドさん。
﹁イッセー様は本気ではないです。本気だと、一瞬で終わりますから﹂
?
?
!
428
?
?
る。
﹁はぁ
綾斗に勝てる訳ないだろ
﹁ふっ﹂
﹁硬直したの
﹂
じゃ、緩めてあげる♪﹂
た私は、身体が硬直してしまった。
私にすり寄ってくるイッセー君。そんなイッセー君に恐怖を覚え
﹁遥さん、遊ぼ∼よ﹂
透過能力⋮無敵のスキル⋮攻撃は総て身体を通り抜けてしまう。
﹁だから、剣じゃ僕を倒せない。僕は透過能力持ちだ﹂
が、イッセー君の後方に放り出された綾斗。
綾斗がイッセー君を襲った。木刀が真面にイッセー君を捕らえた。
?
﹂
﹂
?
﹂
遥の身体は治癒魔法で、破裂した内臓や粉砕された骨などを総て回
﹁どうやって
﹁生き返らそう。小学生で死ぬのは早過ぎる﹂
綾斗には僕の声が、もやは聞こえないのか、反応はない。
﹁綾斗、どうするんだ
リーラがきいてきた。
﹁どうします
過して無防備な遥に直撃してしまった。その結果、遥は⋮
綾斗は茫然自失状態だ。僕を背後から襲った渾身の攻撃は、僕を透
│││シュウ│││
痛が走り、目の前が真っ暗になっていった。
綾斗がイッセー君の背後から襲いかかり、その直後、私の腹部に激
﹁化け物、死ねぇ∼﹂
そんな時、
いる。頭の中が悶々として、正常な意識が保てなくなっていった。
かっていく。脈を打つリズムで、熱い物が身体の内側から湧いてきて
喘ぎ声しか出ない。全身の力が抜けていき、イッセー君にもたれ掛
﹁あっ⋮あぁ⋮﹂
先程感じた身体の内側で熱い物が湧き上がる感覚。
?
?
?
429
?
復させている。後は招魂、入魂、再起動だ。
﹁くそっ⋮魔力の上限が⋮﹂
魔法使いが多いキャッスルドランに、遥と共に転移した。
﹂
﹁リトル、レフィーヤ、ロスヴァイセで、僕の発現する3つの魔法陣を
発動してくれないか
私も参加します﹂
﹁エミリア、ありがとう﹂
﹁えへへ、少しは役立てたかな
た。
﹂
私と同じハーフエルフなの
﹁ベアトリスどう
﹂
彼女を抱き上げて、抱きしめる。
﹂
エミリアのことをレフィーヤ、リトルにまかせて、禁書庫に向かっ
﹁神族だけど、まぁ、地上では神のうちに入るかな﹂
﹁うっ⋮神様⋮﹂
らないからね。ちなみにリトルの場合はハーフゴッドだ﹂
﹁同じかどうかはわからない。半分はエルフだけど、もう半分が分か
?
ヤだ﹂
﹁え
﹂
﹁そうだ、紹介しておく。ハーフエルフのリトルと、エルフのレフィー
僕の感謝の言葉に、少し照れ気味のエミリア。
?
空間であり、再生するには良い場所であった。
かな空間である。この城特有のカオスなオーラの影響を受けにくい
メイビスが、遥を抱いて、安置所に向かった。安置所は、静かで厳
﹁わかりました﹂
﹁メイビス、彼女を安置所に﹂
徐々に遥の体温は戻って来た。
そして、蘇りの術3点セットを発動していく。再起動の術により、
﹁頼む。人数が多い方が良い﹂
リーラに連れられてエミリアが来た。
﹁待って
?
﹁いきなり、抱きしめるってどうなのかしら
?
?
430
!
リトルを見るエミリア。
?
と、言いながら喜んでいる素振りのベアトリス。
﹁感謝の表れだよ。ベアトリスが司書としての役目をしてくれて、作
業がはかどっているようだし﹂
彼女の頬に、僕の頬を擦り寄せた。
﹁お子ちゃまじゃないんだから、そんなことで喜ばないかしら﹂
いや、素振りは物凄く喜んでいるように見えるんだが。
﹂
ベアトリスを肩車状態で担いで、フレイヤ達の元に向かった。
﹁どう
﹁シュウの推論通り。浮遊都市で手に入れた頁と同じ頁が、魔女の魔
法書の写本にあったわ﹂
そうなると、タイムリープした際に、次元の狭間に落ちて、そして、
あの世界に流れついたのか。
﹁次元の狭間はゴミがうようよ有るからね﹂
﹂
って、アポが情報をくれた。
﹁そんなにゴミがあるの
ウの科学チームの要だと思う。
﹁ゴミで何かを開発してくれているのかな
﹂
天才科学者であるが、別世界ではお尋ね者だったりする。チームシュ
ドクターとは、本拠にいるドクター・スカリエッティのことである。
﹁最近は減ってきたよ。ドクターが回収しているから﹂
?
と、ノープランな返事をした僕。
﹁そうだね。そのうち、借りに行くと伝えておいて﹂
にって言われているにだが⋮
ドクターには戦闘機人な娘がたくさんいる。そのうちの誰かを嫁
﹁あっ、ドクターから伝言。娘を一人くらい帯同してくださいって﹂
?
431
?
断ち切る縁
│││遥│││
目が覚めると、知らない場所にいた。上体を起こし、周囲を見ると、
どうやら礼拝堂の祭壇にある台の上のようだ。台の上で横たわって
いたので床に降りると、足の裏に床の冷たさが伝わってきた。そうい
えば、ここは空気も冷たい。厳かなオーラも感じる。何で、こんな場
所にいたのだろうか
壇上から降りて、扉に向かう。扉は重厚な造りで、とても豪華な礼
拝堂のようだ。ここはどこ
どなた
﹁お目覚めですね。主様があちらで、お待ちです﹂
﹂
と、私に近づき、そう伝えてくれた。主様
﹁あなたは
?
そんな
?
してもらった。
││││││
?
﹁イッセー君、どういうこと
﹂
?
う∼、確か⋮イッセー君にもたれ掛かって、腹部
﹁遥さん、どこまでの記憶が残っていますか
どこまでの記憶
に激痛が走って⋮
﹂
王様の座るような玉座に座ったイッセー君に、声をかけたれた。
﹁遥さん、お加減はいかがでしょうか
﹂
名前の天使がいたような⋮彼女に付いて、待ち人のいる部屋に案内を
私に一礼をしながら、自己紹介をしてくれた。ガブリエル
?
廊下の端から、大柄で、身体付きが豊満な女性が近づいてきた。
とに気が付いた、どうして
行く。この時、胸の収まりが悪いことに気が付き、私は全裸であるこ
扉を開けると床には赤い絨毯が敷かれていて、私はその上を歩いて
?
?
?
部に受けて、お亡くなりになりました。内臓は破裂、肋骨、背骨共に
﹁そうですか⋮事実だけを申し上げます。遥さんは、綾斗の一撃を腹
?
432
?
﹁私は、この城のメイドで、ガブリエルと申します﹂
?
私が⋮では、私はどうして
粉砕骨折でした﹂
亡くなった
人間として
甦った
て、人間として甦らせました﹂
﹁回復魔法をすぐにかけたのですが、既に⋮その為、ここにお連れし
?
﹂
?
ここで、ゆっくりとお考え下さい﹂
﹂
イッセー君は、席から立ち上がり、どこかに去って行った。
﹁遥お姉さん、大丈夫
後ろから声を掛けられた。振り向くと、イッセー君がいた。え
出て行ったはず⋮
?
実体化
体化できるんだ﹂
﹁シュウさんは、僕と一心同体なんだよ。この城に居る時だけ、僕は実
アさんはイッセー君をシュウと呼んでいた。
イッセー君にそっくりな人物⋮シュウ⋮そうだ、あの時、ゼノヴィ
﹁あぁ、あれはシュウさんだよ。この城の主のねぇ﹂
今
﹁まぁ、混乱されているのだから、すぐには選択は無理だと思います。
意味がわからない⋮
生、どちらを選びますか
﹁遥さんには選択を与えます。僕と出会わない人生と、僕と関わる人
?
?
も通わせてもらい、想い出をいっぱい作らせてもらっているんだ﹂
意味がわからない。でも、目の前のイッセー君は、今まで接してき
たイッセー君と違い、とても無邪気に見える。
﹁僕は生まれてこなかった命なんだ。でも、シュウさんが引き留めて
くれた。身体は1つだけど、僕は今もシュウさんの魂の中で生きてい
るんだよ﹂
2重人格なのかな
﹂
?
﹁そうだよ。キャッスルドランって言うお城だよ﹂
﹁ねぇ、ここはシュウっていう人のお城なの
﹁う∼ん、そうだね。意味のわからない人には、そう思えるよね﹂
?
433
?
?
﹁僕はシュウさんに生かされている。とても、感謝している。学校に
?
﹁どこにあるの
﹂
﹂
わからないんだ﹂
移動できるお城⋮ハウルみたいな
先程のメイドさんに声を掛けられた。そうだ
﹁すみません。私に服をください⋮﹂
興味無い
一応女性なんですが⋮
﹁今のままで問題はないですよ。シュウさんしか興味無いし﹂
!
﹁イッセー君、遥さん、お食事の準備が出来ましたよ﹂
るようだ。本当に空を飛んでいるんだ。
イッセー君に連れられて、窓から外を見た。雲の絨毯に浮かんでい
﹁あれは歩くでしょ。このお城は飛んでいるんだよ﹂
?
﹁うん、このお城は移動できるから、実際にどこにあるのかは、僕には
﹁思う
﹁今はたぶん、僕の家の上空だと思う﹂
?
﹂
?
その言い回しは何だろうか
イッセー君が、疑問に答えてくれた。人間形態
みんなは違うの
人間は遥さんだけだよ﹂
人間は私一人⋮え
?
﹁うん。僕は意識の集合体だし、シュウさんは鬼と天使のハーフだし。
?
﹁人間形態の者は僕とシュウさんしかいないってことだよ﹂
?
﹁オスはいますよ。でも男性は二人だけです﹂
﹁あとは、女性ばかりなんですか
メイドさんは笑顔でそう言った。
﹁このお城で、男性はイッセー君とシュウさんしかいませんから﹂
?
を持っている者は多数いますから﹂
いので、蘇りの儀式を一人で執り行えないんですよ。ここなら、魔力
には膨大な魔力が必要なんです。シュウさんはまだ魔力の上限が低
﹁あなたを甦らせる為に、ここにお連れしました。招魂、入魂、再始動
﹁私だけ⋮なんか場違いな気が⋮﹂
ガブリエルさんは⋮天使なんだ。
﹁えぇ、違いますよ。私は元天使ですし﹂
?
434
?
私は本当に甦ったようだ。シュウという者の手で⋮あれ
弟が私を殺した
さっき、
う。現状だと、綾斗は姉殺しの罪を背負うことになるからね﹂
﹁そう、君と綾斗の記憶から、僕達のことを消す。それが幸せだと思
会わない人生
ことを勧める﹂
﹁まぁ、そういうことだ。捧げた件を含めて、僕と会わない人生を歩む
めて会う者達⋮
食堂のテーブルの席についた、私、イッセー君、シュウ、そして、初
﹁ガブと一誠が説明してくれたみたいだな﹂
││││││
シュウから声を掛けられた。
﹁そうだよ。僕だよ。一誠でなくて、悪かったなぁ﹂
シュウって者は鬼と天使のハーフって⋮え∼、私が捧げた相手って⋮
?
び出している﹂
魔法の鍛錬は
みんなに伝えた。
﹁で、どうする
?
﹁まさか⋮一人でか
﹂
﹁夏休みに行って来ようと思う﹂
フィンがきいてきた。
﹂
﹁そうそう、ロセはイッセー組の方へ行った。代わりにルフェイを呼
│││シュウ│││
光の渦に包み込まれていく私。
﹁遥さん、さようなら⋮﹂
ちょっと待って⋮ねぇ。
階には道場を設置してある。これからも精進してください﹂
﹁処女膜は新調したし、マンションはプレゼントだ。マンションの1
どう答えれば良いのだろうか。
な﹂
﹁その辺りの記憶が曖昧なんだろう。いや、自己防衛で記憶に無いか
?
?
435
?
?
﹂
﹁うん。一誠はここに置いて行くから、ベアトリス、リトル、面倒をみ
てやってくれ﹂
﹁どこに行くのかい
﹁禁断の魔術ギルド⋮もう一度修行をしてくる﹂
日曜の夜、家に帰った。明日から学校だし。誠の部屋に向かった。
誠に遥の件を伝えた。
﹂
﹁そうだな。シュウに出逢わなければ、弟は罪を犯すことはなかった
んだから﹂
﹁マンション収入で、姉弟は喰っていけるよね
﹁そうだな﹂
誠の顔から血の気が引いていく。
?
﹂
?
力の上限が上がると思うんだ♪﹂
﹁おい⋮小2でラスボスになるのか
﹂
﹁あぁ、事情が変わったんだ。そこに行く手立てがあった。行けば、魔
﹁お前⋮そこには行けないって、言っていただろう
﹂
キャッスルドランに置いていく。数馬叔父さんはどうするかな
﹁でね、夏休みなんだけど、禁断の魔術ギルドに行こうと思う。一誠は
?
シュウは連れて行く気があるようだぞ﹂
﹂
両手を握り絞めて、悔しそうな表情の数馬君。
人間は捨てられない﹂
﹁無い⋮姉さん⋮無いよ。彼のように仲間を護りたい気持ちだけで、
一香は実弟に問うた。
﹁数馬、人間を辞める覚悟はあるの
数馬君は思い悩んでいた。
君はどうするのかい
﹁シュウが夏休みに、禁断の魔術ギルドに鍛錬に行くそうだ。数馬君、
数馬君と一香を呼び出した。
│││誠│││
なりたいんだ。もう仲間を失いたくないから﹂
﹁魔力を上げたくらいじゃ、ラスボスにならないよ。僕はもっと強く
?
?
436
?
?
﹁もし行ったら、式森家当主を辞めないといけない。和樹はまだ当主
の器で無いし。俺は煩悩の塊だよ﹂
何が違う
いや、シュウはエロの塊だ⋮と、言いそうになり言葉を飲んだ俺。
│││遥│││
何かが違う日常。何が違うかわからない。なんだろう
弟は何かに怯え、一心不乱に剣の鍛錬をしている。
このマンションはどうやって建てたのだろうか
親の遺産なんか、道
違和感と言えば、このマンション。毎月、収入を生み出してくれる、
っと。化け物に襲われた記憶が無いんだけど。
﹁僕がお姉ちゃんを化け物から護るんだ﹂
のかな
?
﹁お姉ちゃん⋮焼きプリン⋮どこで食べたんだっけ
﹂
場くらいしかなかったはずだ。何かを忘れている。何だろうか
?
てだった。あれ
﹂
どこで食べたんだっけ
﹁お姉ちゃんが作ったんだっけ
こだっけ
ど
夕食の時に弟が呟いた。そうだ、あんなに美味しい食べ物は、初め
?
?
?
?
いや、お菓子を作る才能は無い。剣の道しか私には無い⋮あれ
?
?
私はあの化け物に食べられてしまうのか
?
そこに弟が助けに来てくれた。化け物に勇猛果敢に戦いを挑み、迷
私は全裸で囚われている
その晩、夢を見た。雲の上のお城にいる夢。お城の王様は化け物⋮
?
│││誠│││
間神龍斗が烏間をお供に訪ねて来た。
﹂
﹂
九十九屋の大将よ﹂
﹁おい、お前の息子は何者だ 俺を殺して、生き返らせて、インポにし
て、パイプカットまでしやがった
ものすごく、ご立腹である。
あのガキは
?
?
!
?
﹁なぁ、小2のガキに何をされているんだよ
﹁だから、何者だ
?
437
?
いの無い一撃を食らわせた⋮そこで、夢から醒めた。
?
空気の質が一瞬で変わった。鬼降臨か
﹁あい、いい大人が揃って、僕をガキ呼ばわりか
ら許すが⋮﹂
﹂
龍斗を睨むシュウ。
﹁おい、ガキ⋮治せ
﹁うん
誠は、まぁ父親だか
?
?
言葉遣いがなっていないな。おい、詫び状と供物は持って来
たのか
!
ス。
?
あの少女達は⋮﹂
﹂
?
ぬよ♪﹂
﹁俺が何者か知っているのか
﹂
﹁あぁ、全然怖くない。たぶん、この家で一番弱いんじゃないかな
﹂
烏間はゼノヴィアに飛ぶ斬撃を喰らい、戦意を喪失していた。
﹁なぁ、シュウ⋮こいつら、弱すぎるだろう
?
?
ふふふ﹂
?
﹁おい、誠⋮助けてくれ∼
﹂
﹁お前だって、人間でないだろ
!
﹂
龍斗は彼らの異常なオーラに気が付いてようだった。
﹁お前ら⋮人間でないのか
﹂
﹁そう思うよ、ゼノヴィア。どうするかな。売られたケンカは買うよ。
?
﹂
﹁詫び状と供物はセットだ。彼女達の正体は明かせない。知れば、死
﹁なんだ
九十九屋の大将を恫喝するシュウ。
﹁おい、龍斗⋮生きて帰れると思っているのか
﹁やめておけ、腹を壊すぞ。そんな腹黒い怪異は﹂
忍がシュウに確認をしている。
﹁主様、喰って良いか
﹂
お供の烏間と共に、斬り掛かる龍斗。二人を殴り倒す忍とオーフィ
﹁貴様∼﹂
九十九屋の大将に一歩も引かないシュウ。
﹁なら、一生、それで生きろ﹂
ガキに⋮﹂
﹂
﹁なんで
?
?
?
438
?
?
正体を読まれた龍斗は、俺に助けを求めてきた。
﹁ケンカなんか売るから⋮供物と詫び状を考えた方が良いよ。俺は瞬
有り得ない⋮そんなこと⋮﹂
殺されたくない﹂
﹁誠が瞬殺
﹁本気出す前に謝りな。悪いことは言わないから。アイツの仲間が湧
いて出てくる前にさぁ﹂
脅しとも取れる真実を伝えた。遥の件で気が立っていたシュウを
怒らしちゃなぁ⋮
﹁供物⋮弟を舎弟にしてかまわない⋮詫び状⋮書く⋮それで、なんと
か⋮﹂
﹂
こうなるとタチが悪いぞ、アイツは。
﹁男は供物にならねぇ
エロ神降臨か
バッシュ
!
つぶれた烏間の破片を忍が食べ始めた。
﹁おい、なんだ⋮アイツ喰っているぞ⋮﹂
﹁あぁ、ディウォーカーだ﹂
見開いた目で俺を見る龍斗。
?
﹂
﹁お前⋮なんちゅうもんを飼っているんだ
﹁龍斗、そういう言い方は⋮﹂
﹁おい、僕の仲間を飼うって言ったよな
﹂
﹁主様を煩わせる輩は、このレムが許しません
﹂
目を見開いてレムを見る龍斗。レムは不敵な笑みを浮かべている。
﹁鬼だ。我が家のメイドは強いぞ。鬼と神だからな﹂
﹁烏間が⋮なんだ、あのメイドは⋮﹂
た鎖付きの鉄球で、烏間がつぶれていた。
大きな音がした。音のした方を俺と龍斗が見ると、レムの叩き付け
?
!
龍斗は引き摺られトレーニングルーム行きに。そして、リビング
﹁取り敢えず了解だ。でも、楽しまなさそうだ﹂
﹁ゼノヴィア⋮アイツを10階でかわいがってやれ♪﹂
しまった龍斗。
俺の言葉を遮ったシュウ。シュウに言ってはいけない事を言って
?
439
?
!
ルームに平穏が訪れた。忍の咀嚼音を耳にしなければ⋮
その後、烏間を生き返らせて、龍斗から詫び状を得て、供物は宿題
にして帰したシュウ。
│││遥│││
﹁遥お姉ちゃん♪﹂
﹂
﹂
学校からの帰り道、突如見知らぬ少年に声を掛けられた。
﹁君は誰だっけ
﹁えっ⋮忘れちゃったの
﹂
とても哀しそうな表情の少年。弟の友達かな
﹁綾斗のお友達
﹁そっか⋮覚えていないんだね⋮ごめんなさい。失礼します﹂
寂しそうにトボトボ帰って行く少年。誰だっけ
?
あの少年が入れたのか
綾斗と共に食べる。
家に帰るとカバンの中に焼きプリンが2つ入っていた。いつの間
に
?
喜ぶ綾斗。あの少年は誰だっけ
│││シュウ│││
って、メイビス。
!
﹂
?
かるだろうに
﹂
誠、目の前の事象に惑わせられるな。メイビス⋮なんで、お前ならわ
﹁いちゃダメな場合もある。一緒に居たら、綾斗は立ち直れない。一
﹁そうだよ、シュウさん、やせ我慢はダメ
﹂
﹁だって、シュウ。一緒にいたかったんでしょ
まさか、一誠とメイビスが画策して遥に会いに行くとは⋮
?
﹁怒っちゃいない。ただ、一誠、もうするなよ。綾斗を苦しめるだけ
したんだよ。それは怒っちゃダメだと思う﹂
﹁今回は、一誠君の気持ちを大事にしました。一誠君はシュウの為に
?
440
?
?
?
?
﹁この味だ♪お姉ちゃん、作ってくれたんだね﹂
?
だ﹂
│││美奈子│││
珍 し い お 客 様 が 来 た。一 誠 君 だ。シ ュ ウ が 出 て 来 な い 時 間 帯 を
どうにかならな
狙って、来たそうだ。そして、彼から相談をされた。
﹂
﹁美奈子お姉ちゃんって、愛のセーラー戦士だよね
いかな
?
﹂
﹁う∼ん、それは難しいよ。だって、シュウさんは認めないんでしょ
う⋮一人ではダメだと思い、亜美ちゃんにヘルプをした。
無邪気な一誠君の笑顔に、負けた。請け負ってしまった⋮どうしよ
﹁ねぇ、美奈子お姉ちゃん♪﹂
難しい案件だ。シュウの逆鱗に触れると危険が一杯なんだけど。
?
そうらしい。一緒にいると、弟が姉を殺した事実を、思い出してし
まう危険がある。
﹁でも、一誠君の願いは叶えたいんだよ﹂
﹁殺した物を違う物に置き換えるか、夢での出来事に
夢だと誰の能力で操れるのかな
﹂
﹁うさぎちゃんかせつなさんかな
﹂
﹂
│││││││
﹂
私は変身をして、願いを叶えてくれる者の元に向かった。
﹁美奈子ちゃんがそれで良いなら良いと思うよ﹂
私の案を聞いた亜美ちゃんは驚きながら、頷いた。
﹁いい手がある⋮﹂
う∼ん、そんな私の脳細胞に閃きが舞い降りた。
﹁ダメかな
﹁月の光と闇
?
?
?
﹁それは、同意するけど⋮﹂
シュウに気づかれずに行動するのは難しいかな
?
﹂
﹁そうだ。弟さんの記憶を違う物に差し替えるのか
?
?
?
441
?
﹁で
何で、僕
ださい﹂
﹁お前はバカか
﹂
ガーーン
﹂
﹂
﹂
?
﹂
﹂
弟さんの記憶を、置き換えるとかすれば良いんじゃな
﹃美奈子お姉ちゃん、ありがとうございました♪無理みたいだね⋮﹄
取っておく﹂
﹁一 誠 の 思 い も、美 奈 子 の 思 い も あ り が た い。そ の 思 い だ け は 受 け
あぁ⋮そういうことかぁ⋮
いってことだよ。僕は、まだこの世界にいないといけない﹂
だ。化け物が死んだことにするってことは、僕はこの世界にいられな
﹁ア イ ツ は 僕 を 化 け 物 と 言 っ た。僕 に 対 し て 渾 身 の 一 撃 を 入 れ た ん
いの
﹁ねぇ、なんで
おぉ、動揺しているし。でも、これこそ本末転倒な気もするなぁ。
﹁ちっ、違うって⋮﹂
﹁遥さんが良いのかな
私の問い掛けに固まるシュウ。あれ、これって、もしかして⋮
﹁えっ⋮﹂
﹁誰なら良いの
﹁嫌いでは無いが、好きでも無い﹂
﹁好き嫌い無しに食べないとダメだよ、シュウ﹂
い﹂
﹁もう、飽きた⋮虐めがいがないというか、エムを虐めても愉しめな
なんですと
!
﹁それに、美奈子は供物にならない﹂
﹁本来の仕事をしないと⋮ダメだよ♪﹂
のか
反対している僕が、そんなことをすると思っていた
﹁じゃ、私を供物として捧げます。ですから、一誠君の願いを叶えてく
﹁まぁ⋮本来の仕事をすれば⋮﹂
﹁供物を捧げれば、願いが叶うんだよね
?
?
?
?
?
442
?
?
?
?
一誠君から念話が届いた。
﹁シュウ⋮﹂
﹁無理だ。綾斗は化け物の息の根を止める為に、鍛錬を続けている。
アイツの記憶を消したが、アイツの魂に刻まれた記憶は消えなかった
んだろう﹂
﹁ネクロマンサーの能力で﹂
﹁敵以外には使わない。アイツは敵ではない。アイツの剣では僕は倒
せないから﹂
﹁じゃ⋮﹂
私じゃ代わりはできないよ∼
﹁美奈子⋮今夜は添え寝を頼む⋮﹂
え
﹂
﹁代わりじゃない。美奈子は美奈子だ。お前の代わりは、誰にもでき
ない﹂
惚れてもいないのに、惚れ直すなんて、有り得ないだろ
うっ⋮惚れ直しそう⋮
﹁はぁ
あぁ、そうでした⋮ってことにしておこう。
│││遥│││
道場で素振りをしていると、声を掛けられた。
﹂
﹁なんで、私なんかを
﹂
まじい速さの抜刀術を持つ、強敵だ。
二つ名に﹃雷切﹄を持つ、雷撃系の剣士だ。気配を消せる抜き足、凄
﹁よくご存じですね﹂
﹁雷切
﹁天霧遥さんですね。お手合わせをお願いしたい。私は、東堂刀華﹂
?
す﹂
勝て無い⋮そんな気がする。
?
あの時の少年が刀華さんの後ろに立っていた。
﹁おい、刀華。何をしているんだ
道場破りとは、いただけないな﹂
ない。護らないといけない者がいるから。お手合わせをお願いしま
﹁天霧辰明流の使い手ですよね。その歳で⋮私は強くならないといけ
?
443
?
?
?
﹁イッセー君⋮逢いたかった。こういう行為をしていれば、いつか逢
えると思って﹂
﹁遥さんはダメだ。刀華に負けはない﹂
﹁ちょっと、待ってやってみないと﹂
﹂
﹁やらないでも分かる。やってみないとって思った時点で、負けだよ、
遥さん﹂
﹁イッセー君、お相手をしてくれる
﹁ここって
﹂
﹁ここなら、問題ない。思い切ってできる﹂
けど。
刀華を家にお持ち還り。家というか、トレーニングルーム10階だ
│││シュウ│││
少年と刀華さんの姿が目の前から、突如として消えた。
﹁ここじゃダメだ。場所を変えよう﹂
?
﹂
﹁僕の家のトレーニングルームだよ﹂
﹂
﹁イッセー君の家⋮住んでもいい
﹁そのつもりだったんでしょ
﹁てへ♪﹂
?
﹁はい﹂
﹁じゃぁ、お手合わせ、お願いします﹂
笑顔の刀華。変わらないな普段の姿は。
?
﹂
愛刀の鳴神を腰に携えた刀華。僕も愛用の剣を4本定位置に携え
た。
﹂
﹁4刀流⋮極めたの
﹁試してみれば
?
とそもそも無意識になるので、ダイブした瞬間に位置を把握できる。
かる。もう一つは相手の無意識にダイブする抜き足だが、僕の瞑想だ
気配は消えるが空気の振動を肌で感じれば、刀華の位置はだいたいわ
して、気配を消す。抜き足の欠点、呼吸の時に空気が振動すること。
刀華は抜き足で、気配を消して早速動いた。僕も瞑想で空気と同化
?
444
?
まぁ、斬られても透過するから問題もないし。
村雨の居合い斬りだけを使い、刀華の服だけを切り刻んでいく。刀
﹂
華の肌に傷なんか入れたくないし。残りの三振りで刀華の攻撃を防
ぐ。
﹁きゃっ
自分の姿に気づいた刀華。服が短冊の様に首からぶら下がってい
﹂
る状態だ。隙間から見えそうで見えないショットは、そそる。
﹁刀華、勝負あっただろ
君、責任取ってね∼♪﹂
えっ、こんな程度で責任
新顔だよな
斬新な服装だし﹂
﹂
いや、見えそうで見えていないし﹂
﹁シュウ、お前、また連れ込んだのか
二人で地上階に行くと、
はぁい
﹁今夜、たっぷりとお見せします♪﹂
﹁見ただけなのに
?
﹁負 け ま し た。う っ う っ う っ ⋮ こ ん な 姿 に さ れ る な ん て ⋮ イ ッ セ ー
顔を真っ赤にして項垂れて、刀を腰からはずし
?
﹁人聞きが悪いことを言うなよ、誠﹂
﹁じゃ、彼女は
?
?
?
誠が頭を抱えてた。
﹁お前なぁ⋮﹂
ます♪﹂
﹁東堂刀華です。イッセー君に切り刻まれました。責任取ってもらい
?
445
!
?
断ち切れない縁
│││シュウ│││
また、エロい手下を増やすのかい
﹂
以前の留学で知り合いになった寅さんこと南郷先生の元に、刀華と
訪れた。
﹁強者の剣豪のおなごか
?
﹂
﹂
﹂
?
刀華がツッコミを入れた。
﹁先生⋮何を調べているんですか
﹂
リーサイズはバランスが良いようじゃ﹂
﹁遠慮しておく⋮で、同じく星導館学園初等部におる刀藤 綺凛、ス
﹁お手合わせする
寅さんが驚いている。
﹁お前、また腕を上げたのか
﹁数秒先か⋮秒より早く行動すれば、問題なさそうだな﹂
せる魔剣使いじゃよ﹂
リーサイズは不明じゃが、べっぴんさんだ。相手の数秒先の未来を見
﹁う∼む⋮星導館学園初等部におるクローディア・エンフィールド、ス
方が良いでしょ
﹁刀華が苦手とするタイプがいいんだけど。刀華の天敵は味方にした
人聞きが悪い。でも、どうせなら女性の方が、色々と良いかなって。
?
人の
イッセー君の為ならいいか﹂
僕は人でないから問題無いし♪
人の動こうとする意志の流れを見る秘技をあるらしい﹂
﹁で、このおなごは刀藤流宗家の娘で、剣技は超絶らしい。刀藤流には
そこで納得しちゃダメだよ⋮
﹁そうなんですか
﹁いや、なんというか⋮そうそう、彼の為じゃ﹂
?
合わせしようね﹂
って、その場から転移した刀華と僕。
│││││
446
?
?
?
﹁その二人だね。スカウトに行こう。寅さん、ありがとう。今度、お手
?
まず、クローディアさんから。ナヴィから身辺情報を送ってもら
あん
なら、虐めても問題ないか
ここに来た覚えがあるの
そうか⋮一誠が独断で動いた時の記憶かぁ⋮
﹁遥さん、この子は
﹂
どうしたの
ねぇ、私と勝負して、私が勝ったら、
?
クローディアは刀華に気づいたようで、
﹂
﹁あなたは破軍学園の東堂刀華さんよね
しら
周囲にいる生徒達が刀華を注目し始めた。
?
しないわ。彼と同じ学校に通うんだから﹂
﹁転校
ここに転校しなさい﹂
﹁では、どうして来たのかしら
僕と同じ学校
え
?
﹁じゃ、なんで、ユリスの国を虐めるんだ
はっっとした表情のクローディア。
み出す宝の山だからじゃないの
複合企業財体は
﹂
弱い者は強い者に従うのが常識な
⋮あぁ、リースフェルトの関係者なのか。あの国は財を生
?
﹂
と、メイビスからの念話が届いた。こうなることを予想して、先に
﹃スリートップの許可は取りました。全力でも大丈夫です﹄
笑顔で、僕の神経を逆なでする女⋮許せない。
のよ。坊やにはわからないかな
?
?
﹁ユリス
?
﹁君じゃ、相手にならないわ。私は弱い者いじめはしないの﹂
﹁じゃ、僕が勝ったら、クローディアさんときりんちゃんを貰うよ♪﹂
刀華が僕を見たので、僕が代わりに返事をする。
?
?
ここに転校か
﹁思い出せないの⋮どこかで知り合ったようなんだけど⋮﹂
クローディアが遥にきいた。
?
?
う。両親は統合企業財体﹁銀河﹂の上役だと。統合企業財体って、ユ
リスを虐めたヤツだっけ
星導館学園初等部の正門に到着⋮うん
などと考えていたら、
?
﹁あの子みたい⋮でも、遥さんと一緒にいるけど⋮﹂
だが、初めてなのに何でかな
?
?
遥に見付かり声を掛けられた。
﹁あっ⋮君は⋮﹂
?
?
447
?
?
手を回してくれたのかな
﹂
介入しないように牽制してくれる
﹁はい♪﹂
﹁刀華に命令⋮君は何者かな
﹂
知らないなぁ。私に勝てると思っているの
駒王学園初等部2年、兵藤一誠だ﹂
﹁駒王学園
﹁僕
?
﹁ユリスを虐めるヤツには負けない﹂
僕は剣を装備した。
?
?
﹁これ
⋮あれって⋮
?
魔剣セル=ベレスタと魔皇剣ザンバットソードだよ﹂
彼は、2本の剣を構えた⋮え
﹁ねぇ、坊や。玩具の剣では、私に勝て無いわよ﹂
も装備している。
目の前の少年、兵藤とかいったなぁ。こけおどしなのか、剣を4本
│││クローディア│││
﹂
﹁わかった⋮クローディアさんの相手は僕がする。刀華は、遥さんが
?
﹁絵空事を言うのね、君は。空想好きなのかな
﹂
?
魔剣で
彼は、剣のオーラを高めて、鞘に収めた。そして、構え
そうは言ったものの、あれは本物だ。放たれているオーラでわか
る。何者だ
た⋮居合い斬り
?
なんで
そんな先のことを見ても、僕の攻撃は防げないよ﹂
を見せてくれる。今回私の見た未来は⋮えっ
﹁数秒先
?
剣を装備したからといって、剣を使うとは限らない。﹃ウルティマ
│││シュウ│││
?
私も、魔剣パン=ドラを手にして構えた。この魔剣は数秒先の未来
﹁やるからには手加減は無しよ、坊や♪﹂
負けることを考えて、勝負をする者はいない。
﹁いつでも良いよ。勝敗時の条件、忘れるなよ♪﹂
?
?
目の前がいきなり真っ暗になった⋮
?
448
?
?
使い手を選ぶと言われている魔剣を2本とも所持⋮有り得ない。
?
ウエポン﹄の瀕死版1発で片は付いた。魔法を使っちゃダメって言わ
ないのが悪い。
全身から煙が上がり倒れているクローディアを、周囲の者達は目を
見開いて凝視しているようだ。
﹁もう、終わったんですね﹂
﹁うん。約束だ。クローディアときりんちゃんを貰って行こう♪﹂
﹂
遥は僕に恐怖を感じたようで、目には恐怖の色が浮かんでいる。
﹁遥さん、もう逢うことはないです。さようなら⋮﹂
獲物と、刀華と僕で、その場から消え去った。
││││││
新たなお持ち還りに頭を抱えている誠。
﹁シュウ⋮お前は出掛ける度に、お持ち還りをしていないか
﹁心外だよ、誠。刀華は希望して来たんだし﹂
なんで
ねぇ⋮﹂
きりんちゃんをくれるって言ったんだから﹂
正確にはくれるとは言っていないけど、条件を言った時に否定をし
なかったんだから、同意ってことだよなっと自己理解した僕。
﹁え∼勝手に⋮私はこれでも、刀藤流宗家の者ですよ。誘拐なんかし
てタダではすみませんからね﹂
﹂
﹁大丈夫。僕のチームなら負けないから♪﹂
﹁どうして、言い切れるの
?
しょせん⋮﹂
きりんちゃんは好みかも⋮などと不埒な事を考えている僕。
﹂
﹁だって、人間なんでしょ
﹁人間⋮なんで⋮しょ
?
?
え
どう意味
ねぇ⋮﹂
自 分 で 考 え た 方 が、シ ョ ッ ク が 少 な い と 思 う よ。こ こ に 預
?
449
?
いきなり知らない場所に転移させられた刀藤綺凛は、プチパニック
のようだ。
﹁ここはどこですか
?
﹁きりんちゃん、恨むなら、クローディアを恨めよ。負けた時の条件に
?
僕の言葉を復唱するきりんちゃん。
﹁え
?
﹁意 味
?
?
﹂
かっているって、誰に言えば良いの
﹁えっ⋮それは⋮身代金の交渉
﹂
?
まさか⋮私の身体
?
﹁お金に困っていないよ﹂
﹁じゃ⋮何が目的
﹂
誘拐されたと思っているきりんちゃん。まぁ、誘拐に近いけど。
?
﹁身体目的
まだ、小学校2年だよ、私⋮﹂
向なんだよ﹂
﹁それもあるけど、取り敢えず、戦力だな。刀華の天敵は仲間にする方
?
﹂
﹂
﹁ありがとうございます。父を助けていただきまして、本当にありが
のラリーさんに便宜を図ってもらった。
だったので、アザゼルに調査を依頼して、その結果を受けて、AMP
望 み を 叶 え て あ げ た。正 当 防 衛 で ぶ ち 込 ま れ る っ て 裏 が あ り そ う
いたようだったので、きりんちゃんの仲間入りを供物にして、彼女の
んちゃん。彼女の父親は正当防衛でありながら刑務所に入れられて
リーラから説明を受けて、自分の部屋で実の父親と再会をしたきり
││││││
組織を持っているみたいだから、落とせれば、情報通になれるかも♪﹂
﹁いま、クローディアの両親のいる複合企業財体を攻撃中だよ、誠♪裏
っと、誠。
だ
﹁お前、九十九屋を傘下に治めるって、どんだけ強い組織にしているん
いインポとPカットは治癒させてある。
うそう、龍斗は供物代わりにこき使う方向で納得した。それにともな
人間であったらしいけど、九十九屋相手では分が悪かったようだ。そ
向かわせて、僕達の戦力入りを納得してもらった。龍斗曰く、腹黒い
した。で、きりんちゃんの保護者である彼女の伯父の鋼一郎へ龍斗を
混乱しているようなので、リーラに頼んで説明をしてもらうことに
﹁え
﹁僕もそうだから、問題は無いよ、きりんちゃん♪﹂
?
とうございます﹂
450
?
?
何度も彼女にお礼を言われる。
まだまだ元は取れないけど良いの
﹂
﹁先行投資だよ。きりんちゃんの身体目当てだし♪﹂
﹁うん
│││クローディア│││
?
どうして、こんなマネをするの
って、あの時の坊やに声を掛けられた。
﹁ここはどこ
﹂
?
﹁小学校5年生で、その体格はおいしいよね♪﹂
だろうか。対戦の様子が思い出せない。
東堂刀華の連れの坊やと、対戦した。対戦中に意識が無くなったん
のような雰囲気ではある。何が起きたのかを思い出してみる。
目が覚めると手足を拘束されていた。ここはどこ
どこかの牢屋
ちゃんのお父さんも、戦力になってくれるそうだけど。
た。きりんちゃんのお父さんは目当てではないから⋮でもね、きりん
きりんちゃん親子には、敷地内にあるマンションに移ってもらっ
﹁う∼んっと、良く分からないけど、がんばる﹂
﹁一番は、きりんちゃんの戦力狙いだったからね﹂
?
体に興味を持つのはまだ早いぞ
ね﹂
﹁下僕って何
るわよ﹂
王様ごっこするにしては趣味が悪すぎ
?
﹁だから、下僕になんかならない。私を誰だと思っているの
﹂
﹁そう、奴隷を教育する部屋だよ。ここを卒業して下僕になるんだ﹂
奴隷部屋
﹁ごっこじゃないよ。ここは僕のお城の奴隷部屋だよ♪﹂
君は何様なの
きりんちゃんは、僕の下僕になった。駒王学園に転校してもらうから
﹁まだ、入んないか⋮で、クローディアは負けたので、クローディアと
!
私のデリケートな箇所を指でいじって、あれこれ見ている。女の身
﹁クローディアには連絡事項が一杯あるよ﹂
﹁恥ずかしいから、見ないで⋮﹂
彼は私の言葉をスルーして、私の身体をマジマジと見ている。
?
?
?
?
451
?
﹁僕の趣味を教えてあげる♪高ピーな女を調教することだよ、クロー
ディア♪﹂
えっ⋮ませガキかぁ
はぁ
﹂
どういう意味だ
まだ、高ピーでいる
﹁クローディアが高ピーでいられる理由を潰してあげたよ。それでも
?
傘下
今は、僕の傘下にある。意味わかる
﹂
?
小2のガキには無理だろう、コイツはホラ吹きか
団体だよね
﹁統合企業財体﹃銀河﹄⋮クローディアの両親が偉そうなポストにいる
?
?
何
﹂
って、九十九屋が傘下
単なるガキじゃないのか
いるのか
﹁お前は何者だ
表には出ていない者達がバックに
?
?
け継ぐ者なり﹂
兵藤一誠⋮まさか、現代の英雄、兵藤誠殿の息子なのか
が良い
﹂
私の腹黒さは、﹁暗黒物質を煮立て
?
らいには真っ黒﹂なのに⋮それ以上に黒くグロなのか
﹂
ここで永久に親子水入らずでやりまくるって
?
言うのは、真っ黒なクローディア向きでしょ
?
﹁そうだよ。どうする
?
て焦げ付かせたものをブラックホールにぶちこんで黒蜜をかけたく
コイツ⋮私よりも腹黒いのか
﹁相姦が好きなら、君の両親にまかせて、この牢屋は封印する﹂
やられる
まさか⋮
﹁ねぇ、クローディア。僕にやられると、両親にやられるのと、どっち
マズい、このガキの言う通りだと、両親の身に危険が迫っている。
﹁そうか⋮あの財体を解体した勢力か﹂
たと思う。﹂
せたよ。ユリスを虐めたヤツらの時に経験済みだから、手際良くでき
﹁そうだよ、誠は父親だ。で、経済戦争を仕掛けて、
﹃銀河﹄を陥落さ
?
﹁兵藤一誠⋮兵藤家と式森家の血を受け継ぎ、闇雲家、鬼門家の魂を受
?
?
?
家、闇雲家だ。傘下には九十九屋がいるし﹂
﹁僕の後ろ盾は、マーベリック財団、九鬼財閥、鬼門家、兵藤家、式森
?
?
?
452
?
?
?
﹁お前は、鬼か
﹂
何を言っているんだ
⋮えっ⋮言葉を失うほどの衝撃
?
鬼の身体に、兵藤家と式森家の
?
かわかるのかな
王学園にだそうだ。刀藤さんも、そうみたいだ。駒王学園に行けば何
あの日以来、クローディアは転校してしまった。あの少年が通う駒
│││遥│││
これで襲われることは無い♪
刀華は歳を誤魔化すだけでは無理なので、姿も学年相当に変えた。
で、駒王学園の初等部に転校手続きをした。
そうそう、クローディアは小5、刀華は小4、きりんちゃんは小2
ていないようで、地上には転移されてこなかった。
クローディアは、ガブが調教してくれているのだが、まだ仕上がっ
えられてきたようで、教え方も心得ている。
リー眷属の剣使いがきりんちゃんに剣を習い始めた。刀藤宗家で鍛
に な り 始 め て い た。き り ん ち ゃ ん の 加 入 は 大 き い。リ ア ス と、シ ト
剣使いが充実してきた。トレーニングルームの5階は、剣使い専用
│││シュウ│││
﹁今日から貴方の調教係になりました、ガブリエルです♪よろしくね﹂
鬼が出ていき、入れ替わりにメイド姿の者が入って来た。
るよ、クローディア♪﹂
﹁まだ、入らないみたいだから、入るようになったら⋮楽しみにしてい
鬼は両手で、私の胸を鷲掴みにした。
﹁僕には聖属性、闇属性の攻撃は無意味だよ﹂
た。
目の前の鬼が、真っ白い⋮心が洗われるような白さの翼を展開し
血が流れている上、天使とのハーフなんだよ﹂
﹁これが本来の姿だよ。最凶でしょ
が私を襲った。目の前にいる、あのガキが鬼に変身した。
鬼の子供
﹁そうだよ。僕は鬼の子供だから♪﹂
!
?
453
?
土曜の午後、一人で、駒王学園に向かった。何の変哲もない小学校
﹂
だ。剣を携えている者はいない。
﹁天霧遥さんですか
出来ました♪﹂
﹂
﹂
?
別の場所
私を許さない
何で
私が何をしたのだろうか
﹁私は、お前を許さない﹂
﹁何って⋮知り合いを探しに⋮﹂
緑髪のボーイッシュな少女に声を掛けられた。
﹁おい、何しに来たんだ
﹂
でもお見かけしていないので、別の場所で研修中かもしれません﹂
﹁一緒に住んでいないので、わかりません。でも、トレーニングルーム
﹁ねぇ、一緒につれて行かれたクローディアはどうしているの
﹂
﹁星導館学園ではお友達がいなかったんですけど、ここではいっぱい
た。
無理やり転校させられたと思っていたのに、彼女の顔は笑顔であっ
﹁毎日が楽しいです♪﹂
﹁転校してどう
刀藤さんかぁ。
﹁刀藤綺凛です。星導館学園では、憧れていました﹂
﹁え⋮っと、どなた
学校内を見て回っている時に、声を掛けられた。
?
?
?
刀藤さんが彼女を宥める。
﹁あっ⋮遥⋮どの面下げて、来たんだ
﹂
﹂
黒髪のボーイッシュな少女に声を掛けられた。
?
!
﹁あぁ、駿河ちゃんもダメですよ∼﹂
﹁兄ちゃんを虐めたんだぞ、この女は
記憶にない⋮
彼女の兄を虐めた
﹂
イッセー君を
刀藤さんが闘気纏始めた。
﹁えっ
?
454
?
?
﹁由良ちゃん、ダメですよ。ケンカをふっかけては﹂
?
?
?
?
?
﹁イッセー君を虐める者は許さない⋮誰であっても⋮﹂
許さないだろ
﹂
背中に担いでいた竹刀袋から、木刀を取り出して、私に対して構え
た。
﹁そうだろ
している。
﹁ちょっと、待って
私の記憶には無いのよ
﹂
!
﹂
そんなことは、シュウさんは望んでいない⋮だから
!
れる
﹂
﹁きりんちゃんの笑顔が好きなんだ。だから、そんな顔はしないでく
刀藤さんが、私を睨んでいる。
彼に何かをするのであれば、私が相手をします﹂
﹁遥さん、私も刀華さんと同様に、イッセー君を護る者になりました。
﹁そうだよ、イッセー君⋮君は悪くない﹂
﹁兄ちゃんは悪くないって﹂
﹁僕が悪いんだ。シュウさんの思いをジャマして⋮﹂
あの少年の登場で、闘気、怒気が霧散していく彼女達。
⋮﹂
﹁みんな、止めて
﹁刀藤さん⋮本当に記憶に無いのよ∼﹂
﹁遥さん、酷い人だったんですね。私の恩人を虐めていたとは﹂
何を言っているのか、わからない。
﹁ここに来る事自体、惑わしているんだよ﹂
まさか、あの少年の事か
私は惑わしていない⋮
﹁無いよね⋮そうだよね⋮なのに、なんでイッセー君の心を惑わすの
!
緑髪の少女と黒髪の少女は、メリケンサックのような物を拳に装着
?
で、遥がいるんだ
﹂
彼は2重人格なのか
?
?
﹁雲の上のお城⋮天使の翼⋮﹂
え
2重人格⋮
﹁心配しないで良い。一誠を虐めるやつは僕が許さない⋮って、なん
あの少年の元に駆け寄っていく刀藤さん。
﹁あっ、シュウさん♪﹂
?
?
455
?
?
?
夢で何度も見ていた物を声に出した私。
﹂
ロストしていた私の記憶なのか
﹁あぁ、不味いなぁ⋮記憶がフィードバックしているのか
記憶のフィードバック
﹁遥⋮僕を殺して⋮﹂
そんな哀しそうな顔をして。
?
目の前
メイビス、後はまか
彼の周囲の者がみな驚いている。いや、私もだ。何で
ることを望むの
﹂
﹁まずい⋮闇に飲まれそうだ⋮オーフィス、頼む
せた
?
?
私に殺され
の少年の表情は哀しそうであった。とっても⋮とっても⋮
?
﹂
?
れた⋮恩人⋮
﹁ねぇ、彼は
彼はどうなったんですか
そうだ⋮私は弟に殺されたんだ。そして、私を、この世に戻してく
の速い走馬燈の様に、私の脳裏で再生されていく。
彼女が私の額に手を翳すと、ロストしていたであろう記憶が、回転
♪﹂
﹁彼の心を潰しましたね♪その罪は重いです。彼に尽くしてください
して、彼と入れ違いで、メイド姿の女性が現れた。
絞り出すような声で指示を発して、彼はこの場から姿を消した。そ
!
?
翌週の週末、弟の事をクリアにして、兵藤家を訪ねた。
│││││││
メイドさんも、この場から消えた。
﹁弟さんの問題をクリアにしたら、いらっしゃいね♪﹂
そうだ。弟の事があるから⋮記憶を⋮それなのに⋮
ね﹂
﹁遥さん⋮さて、あなたはどうしましょうね。弟さんの事があるから
刀藤さん達はメイドさんに促されて、家路に着いたようだ。
い。お昼ご飯できていますよ﹂
の星のない場所に移動して行っただけ。さぁ、あなた達も帰りなさ
散しに行っただけよ。ここですると、この星が消えちゃうから、遠く
﹁心配しないでも、大丈夫♪心が闇に飲み込まれそうになって、闇を発
?
456
!
﹁お願いです。私をここに置いて下さい﹂
僕を仇と思っているけど﹂
彼に頭を下げてお願いをする。
﹁綾斗のことはどうするんだ
﹂
﹁弟は、星導館学園の寮に入れました。修行に専念しなさいと伝えて
あります﹂
﹁いや、だから⋮僕の所にいたら、綾斗と戦うかもしれないんだよ
﹁私を捧げます⋮ですから、私の願いを叶えて下さい﹂
﹁供物は⋮﹂
メイドさんが、私の思いを後押ししてくれている。
﹁シュウ⋮願いを叶えるのは、貴方のお仕事でしょ♪﹂
彼は困ったような表情になった。
すから、ここに置いて下さい﹂
﹁そうなっても、弟には負けません。必ず、イッセー君を護ります。で
?
更に困ったような表情の彼。彼の視線の先⋮ラムさんが笑顔で頷
いている。
﹁ねぇ、困っている人は助けないとダメだよ、イッセー君﹂
リアスさんも後押ししてくれている。
﹂
?
﹁一香⋮﹂
﹂
﹁私も誠さんも了承よ。弟さんの件はクリアなんでしょ
﹁そうだけど⋮﹂
﹁今回は俺も賛成だ。お前も望んでいることだろ
?
﹂
誠さんが援護をしてくれている。彼は困った表情から凹んだ表情
になっていく。
﹁そうなんだけど⋮﹂
﹁何が原因で煮え切らないんだ
﹁遥を危険に晒したくない﹂
﹁疲れたから、寝る⋮﹂
小さな声で呟くように言った。
﹁わかりました⋮﹂
誠さんの最後の一言で、彼は陥落したようだ。
﹁お前が護ってあげろ♪みんなの英雄君♪﹂
?
457
?
彼は自分の部屋にトボトボ歩いて行った。
│││シュウ│││
﹃良かったね、シュウさん♪﹄
って、一誠からの念話が届いた。良かったのか
いないかを♪﹂
﹁ねぇ、定期検診をしてください。ちゃんと治っているか、膜は破れて
いた物を総て脱ぎ、僕の前に全裸で立った。
静かにドアが開き、振り向くと遥が立っていた。彼女は身に纏って
?
﹄
甦らした者を定期検診なんかしていないんだけど⋮
﹃たまにはこういう趣向も良いでしょ
って、メイビスから意地悪ぽい念話が届いた⋮
458
?
新スキル降臨*
│││シュウ│││
そして、夏休み⋮禁断の魔術ギルドの門をくぐった。魔力、魔法力、
オーラなどの上限を上げるために、苦行を再び行った。まぁ、苦行と
行っても、箱の中で心を無の境地に座禅を組むだけだけど。
ドエスな上司の計らいで、1秒を1年換算にしてくれたので、夏休
﹂
み期間の40日程度で、途轍もなく長い期間の苦行となった。
そして、夏休みの終わる日に、帰宅♪
﹁なんか、とんでもなくなっていないか
実感がないんだけど﹂
誠が僕を見て、そう感想を漏らした。
﹁そう
何をして試せば良いかな
実験するのか
﹂
いないぞ。居たとしたら、未だに見付からな
﹁ねぇ、屠って良い人物っていないかな
﹁えっ
いリリン達だろうな﹂
た。
?
尋ねた。
﹁どうしたんだ
﹂
アジュカさんの表情から、ただならぬ事態を感じ取った誠が、彼に
して纏ってみました♪﹂
﹁アジュカさんの用意してくれた仮想フィールドで、オーラを全開に
顔からは完全に血の気が失せていた。
﹁シュウ君、何をしたんですか
﹂
して、直ぐに帰宅した。僕の帰宅と同時にアジュカさんが転移してき
見付かっていないのか⋮残念。あっ⋮閃いた♪目的の場所に転移
?
﹂
?
た。
状況に恐怖を覚えたのだろうか、誠の顔からも血の気が失せてい
﹁シュウ⋮どういうことだ
﹁強度を強化した仮想フィールドが一瞬で消えた⋮﹂
?
459
?
?
?
?
?
自
﹁だから、オーラを纏っただけ。それだけで、仮想フィールドが崩壊し
ちゃったんだよ。上限があがったみたいだ♪﹂
﹁おい、小二でラスボスか⋮﹂
﹁どうだろうね。まだ見ぬ強い者がいるかもしれないし﹂
上限が上がったのなら、一誠の姿でなくても維持できるのかな
﹂
﹁一誠も17になれば、そうなるのか
﹂
﹁そうだね。こんな感じかな。永遠の17歳だから⋮﹂
姿見を見ながら返答をする。
﹁それが、本来のお前か
分の疑問を自分で試す。元の姿をイメージして念じると⋮戻れた♪
?
だ
﹁我 シュウの中に行く﹂
オーフィスは僕の中に逃げ込んだ。え
のか。
﹁じゃ、忍♪﹂
名前を呼ばれて、ビクっとした忍。
そんなに危ないオーラな
あのオーフィスが涙目になって、頬に汗を流している。どうしたん
﹁強度が一番強そうなオーフィス、愛し合おうよ♪﹂
いる。
リビングを見回すが、女性陣全員が僕と目を合わせないようにして
﹁じゃ、アレのテストもしようかな﹂
﹁確かに、シュウとは違う面構えだな﹂
一誠の写真をマジマジと見る誠。
﹁こいつが、僕の世界の一誠だよ。こんな感じになるんだろうな﹂
に見せる。
手元に悪友のイッセーと写った少し色褪せた写真を転移させて、誠
﹁いや、ならないだろう。僕は別の世界の一誠ではないから﹂
?
よし、ここは一番強気な者にしよう。ラム、当選しました﹂
オーフィス同様に、僕の中に逃げ込んだ。
﹁なんで
﹁えっ⋮ラムですか⋮いや、ちょっと⋮﹂
?
460
?
﹁妾は⋮いや、私は、言葉遣いの勉強を⋮﹂
?
?
﹁鬼族同士仲良くしようよ♪﹂
バッシ∼ン
﹂
振り向くと、リーラがい
そのオーラのダダ漏れ状態を治してからにしてください﹂
頭を思いっきりハリセンで叩かれた。誰
た。
﹂
えっ
そうなの
そう言えば、誠のツッコミが入らなかったなぁっ
﹁気づかないでしょうけど、死を感じるオーラがダダ漏れしています
﹁ダダ漏れ
﹁もう
?
!
﹂
?
﹁なんで、ダダ漏れなのかな
ため込めないのかな
﹂
?
﹂
?
れた。
あぁ、グレードが上がったんだね。
と思われます﹄
﹃現状ではよく解らないですが⋮禁断の魔術ギルドでの鍛錬の成果か
﹁モードチェンジ
﹂
ツヴァイが、僕の身体の内面から調べてくれた結果を、知らせてく
きれば、モードチェンジ機能が付くようです﹄
﹃モレの原因がわかりました。体組織が進化途中のようです。進化し
うと、大抵の仲間は戦力外だよな。
メイビスから忠告がなされた。確かに、オーフィスと忍が逃げちゃ
﹁シュウ、うかつに元の姿にはならないで。仲間もヤバいよ﹂
り詰めていた空気が緩んだ気がする。
取り敢えず、一誠の姿に戻る。これでダダ漏れは防げたはずだ。張
﹁どうすれば、ダダ漏れが止まるの
って、ツヴァイから念話が届いた。
しれません﹄
﹃たぶん、能力の向上速度に、体組織の更新速度が追いつけないのかも
?
リーラの口調が、彼女の中の人のメイビスになっている。
漏れされて、添え寝なんか出来るわけないでしょ
﹁オー君や忍ちゃんですら、逃げる威力なのよ。そんなオーラをダダ
て、誠とアジュカさんの居た所を見ると、失神したのか倒れている。
?
?
461
?
!
?
!
﹃今までは瞬間に更新されたようですが、能力のロストが原因で、更新
速度が追い付かない感じです﹄
﹁魔 物 姿 に は 絶 対 に な ら な い で ね。シ ー グ ヴ ァ イ ラ さ ん の よ う な ダ
メージがあると思うから﹂
﹂
﹁あの姿にはもうなりたくない⋮あの姿にならないで、あの能力が付
与されるのかな
僕の魔物化した姿を見た、僕の愛すべき妻であるシーグヴァイラ・
アガレスは、あまりのおぞましい姿を直視して、精神を病んでしまっ
た過去がある。
﹂
﹁そうなると良いですね﹂
﹁で、今夜の相手は誰
あっ
為に、今夜は手を出すことを止めた。さて、どうするか⋮
リーラには、明日から新学期が始めるので、その準備をしてもらう
││││││││
え∼∼、女性陣全員が僕に背を向けた。リーラを除いて⋮
?
した。キャッスルドランに転移をする僕。
﹂
そして、牢屋にいるクローディアの元を訪ねた。
﹁で、調教具合はどう
久しぶりに、赤い液体の入った瓶
こんなもんで、私は変わらないわよ﹂
ガブの躾では効果がないのかな
﹁何をするの
鎖に繋がれているクローディアの前に立つ。
﹁強情で精神も強いし、シュウさんの好みかと思います﹂
担当教官のガブにきいた。
?
ダメだって、それは⋮﹂
?
小二の僕にわかるように説明してね♪﹂
﹁どうダメなの
それはダメだろう⋮どう考えても⋮﹂
﹁お前はバカか
?
液体の正体に気づいたクローディア。
﹁ち、ちょっと⋮マジ
を取り出した。蓋を外して、臭いを嗅がせる。
?
?
?
462
?
一人、この場にいない、まだ遊んでいない女性がいることを思い出
!
﹂
緑色の液体の臭いを嗅がせてみた。すると、クローディアは絶句し
ている。
﹁ねぇ、お姉さん。赤と緑、どっちがいい
ど、それで行く
﹂
﹁お姉さんの唇がタラコみたいだよ。そうそう、明日から新学期だけ
﹁痛っ⋮それはダメ⋮﹂
うに唇に紅を差した。
かな言葉遣いでは無くなっていた。赤い液体を筆に付けて、口紅のよ
クローディア的にはパニックなようで、口調がお嬢様系のおしとや
﹁おい⋮その純真無垢そうな顔で、そういう選択をするなよ﹂
?
行ってほしいし
ならないわ﹂
﹁どうすれば、素直になってくれるかな
﹁素直
﹂
?
﹁いや⋮お父様⋮やめてっ⋮﹂
!
﹁そこはダメぇ∼﹂
﹁素直に仲間になってくれるかな
﹂
父親が、娘の腰に手をかけて、腰を持ち上げた。
﹁待って⋮待ってください⋮お願い、止めさせてください。あっ⋮﹂
僕とガブリエルが、その場を離れようとすると、
﹁じゃ、クローディア。親子で仲良くな
﹂
彼女の父は、彼女の胸を揉みながら、乳首を舐めて、吸っていく。
﹁お父様⋮﹂
ある人物をクローディアの目の前に転移させた。驚く彼女⋮
﹁そう⋮じゃ、奥の手かな
﹂
僕 を 睨 む ク ロ ー デ ィ ア。こ れ は 虐 め が い が あ る け ど ⋮ 学 校 に は
?
﹁これって、絵なのね⋮﹂
扉を触り、扉の正体を知った彼女。
﹁逃げられないよ。その扉はダミーだし﹂
なると見せかけてか。さすがだ、腹黒なクローディア。
女の束縛を解いた。その瞬間、彼女は扉に向けて走り出した。仲間に
渋々、頷く彼女。僕は彼女の父親の幻影を消し去った。そして、彼
?
463
?
?
﹁ここには、転移魔法でしか、出入り出来ないよ﹂
﹂
﹂
彼女の腰に手を掛けて、腰を持ち上げた。彼女の頭部はバランスを
失い、前のめりになった。
﹁やめなさい。このケダモノめ∼﹂
﹁ガブ、実験をするから、ここから退避してくれる
﹁了解です﹂
何をするつもりなの
ガブリエルがこの場から去っていく。
﹁実験って
?
﹂
になり、口が尖っていく。これって狼男モードなのか
﹁犬男
﹃カオスモード﹄
このモードだと交わ
れないみたいだ。棒が無い。戦闘特化モードってことなのかな
?
ていないようだ。
ね始めた。これって、調教モードなのか
﹁あぁ⋮心も体も蕩けていく⋮好きして⋮ください﹂
あ ん な に 強 情 だ っ た ク ロ ー デ ィ ア が 短 時 間 で 陥 落 し た。え
高
?
?
クローディアの性的刺激防御力が落ちていったのか、刺激に身を委
﹁え⋮身体が素直に反応していく⋮﹂
オーラが消えていく。
な感じだ。相手の闇を吸い込んでいるようで、クローディアの腹黒
見た。どんな大きさ、形状の穴でも出入りできる。まるで流体のよう
あっ⋮このモードは交わる機能があるようだ。試しに差し込んで
﹁今度は人型のまっくろくろすけ
﹂
次を試してみた。身体が真っ黒くなっていき、体表面には毛は生え
?
を嗅ぎながら舐めるには良い形態かな。うん
臭いを嗅ぎつつ舐めてみた。顔を紅潮させていく彼女。あぁ、臭い
彼女の臭い
狼でないの
クローディアが口出した。え
を嗅いでみる。
?
﹁臭いなんか嗅がないで∼あっ⋮ダメ⋮いっ⋮﹂
犬なの
?
モードチェンジをしてみる。身体が変化していく。毛むくじゃら
﹃ビーストモード﹄
?
?
?
464
?
?
?
ピーな女性にエスプレイの夢が脆くを崩れていった。
まぁ、取り敢えず、素直な少女になっ
今の所、脳裏に浮かんだモードはこの2つだけだ。時間をかけれ
ば、もっと発現していくのかな
コイツで実験をしようかな
リビングで考えて居たら、たまたま目が合ってしまった者がいた。
ダダ漏れは止まらないだろうから。
次の週末、実験場所がないか模索した。たぶん、使っていかないと、
││││││
てしまったクローディアを、家にお持ち帰りした。
?
レムの方が胸が大きいですけど﹂
﹂
﹁ラム⋮付き合ってくれる
ラムですか
?
﹁ラムがいいんだけど﹂
?
﹂﹂
﹂
?
鉄 球 は、地 面 に ク レ ー タ ー を 作 る が、僕 に は 影 響 が 無 か っ た。ア ブ
する素振りを見せずに、この攻撃は、開幕砲撃のゼノヴィア並だな。
レムが後ずさりして、いきなり鎖付きの鉄球をぶつけてきた。攻撃
﹁全身真っ黒⋮目とか口も無いの⋮﹂
黒い人型になった僕。
﹃カオスモード﹄
﹁鬼に言われたくないよ♪﹂
レムが文句を言うが、
﹁あなたは鬼ですか
﹁ここなら、逃げ場はないよ♪﹂
二人と一緒に、実験用にと作った星に転移した。
ステレオサウンドの悲鳴が聞こえた。
﹁﹁えっ、え∼
﹁わかったよ、ラム。レムと二人でお願いね♪﹂
信じられないって顔で姉を見るレム。
﹁なんで、レムじゃダメなんですか
﹂
妹を差し出して、逃げにかかるラム。
﹁え
?
!
465
?
?
ねぇ∼な。
﹁攻撃が透過した⋮お姉様、危険ですよ﹂
ラムはレムの言葉に反応せず、いきなり魔法をぶっ放してきた。こ
の姉妹、攻撃する直前まで素振りを見せないのか。直撃した魔法は、
吸収されていく。あ⋮そうか、
﹃カオスモード﹄って魔人化ってことな
のかな
﹁魔法も効かない⋮どうすれば⋮あっ⋮あぅ⋮﹂
妄 想 し た ラ ム の 胸 を 掴 む 動 作 を す る と、ラ ム が 胸 を 押 さ え た。
じゃ、レムのデリケートゾーンを妄想して舐める動作をしてみる。
﹁はぅ⋮あぁ⋮﹂
レムは顔を紅潮させて、内股気味に立っている。これは、面白い攻
撃方法だな。ラムの頭部を妄想して、手で掴み近くに持ってくる動作
をすると、ラムが引き摺られて、僕の目の前にきた。彼女の入れられ
そうな穴を妄想して、入れる動作をしてみると、
﹁あぅ⋮はっ⋮いい⋮﹂
顔を紅潮させきったラムは、自発的に、黒い棒状の物を咥えて、感
触を愉しみ始めた。流体なので、侵入には適しているが、前後左右に
動いても、棒状の物は障害物に沿って広がるだけで、障害物を退かす
ほどの強度は無いようだ。刺激はそれなりに感じるけどね。相手を
その気にさせるのには良いかもしれないが、アレコレとは愉しめない
なぁ。
﹃ビーストモード﹄
挿入したまま、モードチェンジをすると、メインの棒だけ残り、他
の棒は霧散して消えた。あぁ、このモードだと、棒は1本のようだ。
そして、穴から取り出すと霧散して消えた。このモードではデフォル
トでは棒無しなんだろうか。
ラムの股間の臭いを嗅ぎながら、舐める。ラムは興奮してきたの
か、服を脱ぎ始めた。
﹁直に舐めてください⋮ご主人様⋮﹂
彼女の全身を舐めまくる。見て愉しむ分には良いけど、快楽的な刺
激のフィードバックは無いようだ。まぁ、戦闘モードだからなぁ。
466
?
姉の淫らな姿を唖然として表情で見ているレム。その時、降って湧
着せ替え人形だった、つまらないよな。指を
僕の視線の先にいたレムの動きが不自然に見え
いたように、脳裏に浮かんだ。
誰が
﹃ドールモード﹄
人形なの
操っていくとか
操り人形にさせるのかな。僕は人形遣いとして、人形を思うがままに
なにげに動かすと、それと連動して、レムが動く。これって、相手を
た。レムが人形なのか
?
づらいなぁ。エロに特化したモードって無いのかな
﹃それはあなた自身でしょ♪﹄
﹃あぁ∼ん⋮ダメ⋮やめ⋮てっ⋮﹄
る、僕的にはそそる大きさの乳首を指でコネコネ。
ふ。形の良い手頃な大きさの乳房から上向き気味にそそり立ってい
すごく慌てた上司の声が脳裏に聞こえた。そういうことか⋮ふふ
﹃ちょっ、ちょっと待ちなさい⋮ダメだって⋮﹄
僕の身体は、スタイルの良い女性の身体に変化していった。
﹃ドエス上司モード﹄
ふと、不埒なモードが脳裏に降臨してきた。
ドをつかっていかないと、ダメなんだろうな。
ると、前回よりは漏出量は減っているようだ。やっぱし、色々なモー
僕は本来の姿に戻った。ツヴァイに、ダダ漏れしているかを確認す
﹃エロ神モード﹄
ば、それがエロに特化したモードになるのか⋮盲点だった。
って、ドエスな上司から念話が届いた。そうか⋮本来の僕に戻れ
?
3つのモードを試したが、戦闘では使えそうだけど、エロには使い
をBGM感覚で聞きたいのに⋮
形になった相手は言葉を発することができないようだ。喘ぎ声とか
しめそうだが、難点を発見して、萎えていく。このモードの難点、人
服を脱がせて、僕の前に立たせて、交わる。これだと、感触もあり愉
何はともあれ、実験君だな。想像通り、レムは僕の操作通りに動く。
?
艶 め か し 上 司 の 声 と 共 に、そ の 刺 激 を 愉 し め る。こ れ っ て、良 い
467
?
?
なぁ。これにも難点はある。僕自身のモノを使ってアレコレ出来な
上司とは念話でつながって
いんだから。でも、会ったことのない者を虐めるのは愉しい♪もしか
して、遠隔だと。声は聞こえないのかな
いるけど。
取り敢えず、上司で遊び切ってから、遠隔は試してみるか。上司の
デリケートゾーンは未使用なのか淡いピンク色をして、とても柔らか
い。
﹃そこは⋮やめなさい∼ねぇ、やめて⋮ください。はう⋮あぁ⋮いい
⋮もっと⋮﹄
上司に声をかけるが、声での反
アレコレ遊んでいると、全身に電流が走る感覚があり、いつもの小
学生姿に戻っていた。達したのかな
興味が尽きない僕
?
に鏡はなかったはず。
私の意志とは関係なく、私
目の前には私がいた。同じ顔、同じ服装、同じポーズ⋮こんな場所
なんだけど、いつの間にか立っていた。
は楽だと。宿題を終わらせるべき、シャープペンを走らせていたはず
みの宿題と戦っていた。毎年思うのだが、7月中にやり終えれば、後
夏休み明けて、すでに1週間。なのに、未だに終わっていない夏休
今回の敵は、救援が呼べない。それだけ、厄介な敵だった。
私は今、戦っている。全身全霊をかけて、敵に立ち向かっている。
│││月野うさぎ│││
で転移をした。
は、ラムレムと共に帰宅した。そして、次なる獲物の場所に、僕一人
遠隔よりも、本人の前でするとどうなるんだ
応は無く、達した後の女性の呼吸音だけが聞こえてきた。
?
何の
468
?
?
﹃実験に付き合ってもらうよ♪﹄
えっ⋮鬼の声が聞こえた。実験
?
は服を脱いでいく。目の前の私と同じ動作をしているようだ。なん
なの、これは
﹃実験だよ。うさぎお姉ちゃん♪﹄
?
鬼の声は弾んでいる。美奈子ちゃんにすれば良いのに∼
﹃アイツはエムだからつまらない﹄
私だって、どっちかと言うとエムだよ∼声に出さなくても会話でき
るのは良いけど、何の実験なのよ∼
﹃操り人形化実験だよ﹄
そうか⋮目の前の私は私じゃなくて、操り人形で、その通りに私は
動かされているんだな。
﹃おしい、お姉ちゃん、60点♪﹄
私の考えは良い線なのねって⋮指で自分の乳首を⋮
﹁あっ⋮いい⋮﹂
股間が温かくなってきた。これって、自慰プレイ
﹁あぅ⋮ん∼いい∼﹂
これって、喘ぎ声が漏れるってやつかな。
﹄
﹃お姉ちゃん、初めて
えっ⋮何するのよ∼自分の手をグーにして入
そうだよ。悪いか
?
あげた。
?
﹁シュウ、何をしているの
﹂
タイマンでないと、僕も無防備か。使い所が難しいな。
これって、戦闘でも使えるのかな
これで、相手を弱らせて⋮あぁ、
さぎを、ベッドに横たえて、手を抜いておく。そして、布団をかけて
電流が駆け抜ける感覚を感じ、元の姿に戻った。思った通りだ。う
│││シュウ│││
⋮今の私もそうなんだろう⋮
口の端から流れ出ている生暖かい液体⋮目の前の私の表情は、恍惚
﹁すごい⋮いいよ⋮﹂
手首まで入ったよ∼えっ⋮中でパーにしないで
﹁あっ⋮ダメ⋮﹂
れていく私
?
美奈子がやってきた。
うさぎの部屋で考え込んでいたら、セーラーヴィーナスに変身した
?
469
?
﹁美奈子はどうして、ここに
て、シュウなの
﹂
﹂
﹁うさぎちゃんから、救援信号が来たから、急いで来たんだけど⋮敵っ
?
それよりも、うさぎはいつ、救援信号を打った
う∼ん⋮あっ、そうか。この部屋にはうさぎ以外にル
?
﹁まだ、進化しているのか⋮で、この星を征服か
﹂
仕事から帰ってきた誠に、新しいスキルの話をした。
│││シュウ│││
え⋮図星ではあるが、心外だな、シュウ⋮
から、つまらないって﹂
﹁美奈子ちゃんは大丈夫だよ。シュウさんが、美奈子ちゃんはエムだ
私の呟きにうさぎちゃんが反応した。
﹁厄介なスキルだな﹂
レイちゃんの指摘に一同頷く。
者が受ける気がするけど﹂
﹁それに、シュウさんに攻撃すると、そのダメージって、術に嵌まった
と、亜美ちゃんに否定された。あっ、それはそうだな。
﹁シュウさんって、分身の術をお持ちでしたよね﹂
私は自信満々で疑問を呈したのだが、
﹁でも、それって、相手が複数いたら有効にならないような﹂
悪なスキルを身に着けてきたようだ。
意識の戻ったうさぎちゃんから事情を聞いた。あの鬼は更なる凶
│││美奈子│││
今回はお持ち帰りなしで帰宅した。
レだから、帰るか。
オス猫だよな⋮猫をTSしてもつまらないし⋮う∼ん⋮考えてもア
ナって猫がいたような。気配を探る。で、見つけた。どうするかな⋮
んだどうか
は、何しに来たんだ
美奈子が後ずさりして、入って来た窓から落下していった。アイツ
?
呆れたように言う誠。
?
470
?
﹁征服しないよ。メリットないんもの。この星のある宇宙を管理して
いるんだよ﹂
﹁あぁ、そうだったな。確かにメリット無いな。既に管理下だもんな﹂
﹁とにかく、この前のようなダダ漏れを起こさない為に、色々なモード
を使って経験値を溜めるしかないみたいだよ﹂
﹁難儀だな、お前のスキルって⋮﹂
そう思うよ。ほんと♪
471
寅ちゃんのサプライズ
│││シュウ│││
秋が終わりに近づいた週末、寅ちゃんに呼び出され、破軍学園の理
事長室にいる。
﹂
﹂
﹁年末にな、南郷カップ争奪戦という催しをしたいんじゃ、協力してく
れないか
﹁勝つと良いことでも有るの
﹂
あぁ、僕はこれでも忙しいんで﹂
ここの戦力は予想が付くので、賞品次第だな。
﹁賞金100万円でどうじゃ
﹁桁が2つ足りないんじゃないかな
席から立ち上がろうとすると、
﹁億は出せないが⋮寧音を﹂
﹁価値無いの
﹂
﹁だよね。乳の出ない寧音ちゃんに価値は無いし﹂
﹁私を賞品にしないように﹂
ん。
と、そこまで言いかけて、寧音ちゃんの視線により、固まる寅ちゃ
?
?
﹁うん、女性に困っていないし﹂
﹁なら、何なら参加してくれるかな
﹁ユリちゃんの乳﹂
?
乳から卒業しろよな﹂
?
﹁留学してから2年経つんじゃ、互いに力を見せ合ってくれないかな﹂
苦笑いする僕。
さぁ。って言ってもね、まだ乳にありつけた試しは無いんだけど﹂
﹁で も、興 味 が 尽 き な い ん だ よ。人 に よ っ て、味 に 違 い が あ る の か
寧音ちゃんが、困ったような視線を向けてきた。
﹁なぁ、小学2年生なんだろ
ユリちゃんが泣きそうな表情になっていく。
﹁出ません⋮﹂
﹂
寧音ちゃんが困ったような表情になる。
?
472
?
?
引き下がる寅ちゃん。
それは⋮﹂
﹁寅ちゃんの目的は、力を見るじゃなくて、スタイルを見るでしょ
﹁え
さっていく。
﹁南郷先生、どういうことですか
﹂
﹂
図星って表情の寅ちゃんは、黒乃を含めた3名の女性から視線が刺
?
いうか⋮﹂
?
しょ
﹂
﹁おい、小二の考える範疇じゃないだろ
このエロガキが
﹂
!
﹁そっちの参戦メンバーは
﹂
﹁話の飲み込みが早くて助かる﹂
﹁それって、僕を含めて6名出せってこと
﹂
えぇ∼この状況で、話を進める寅ちゃん。
トーナメント方式じゃ﹂
﹁で だ、破 軍 学 園 と し て は 6 名 の 剣 士 を 出 す。試 合 形 式 は 1 対 1 の
るからね♪
だ。着崩した和服のおかげで、胸元が見えそうで見えないスリルがあ
図星であるので、反論はしない。寧音ちゃんが激高する姿は好き
?
﹁コレクションじゃないよ。仲間だよ。でも、女性の方が後々良いで
寧音ちゃんが、呆れたような表情で僕を見る。
﹁美少女剣士をコレクションしているのか
﹂
﹁いや、一誠君がなあ、美少女剣士のコレクターなんで⋮見てみたいと
黒乃が寅ちゃんを問い詰めていく。
?
?
じゃろ
﹂
﹁黒鉄兄妹、ステラ、ユリス、有栖院、綾辻じゃ。皆、知ったメンバー
?
うよ﹂
?
﹂
は揺るぎないし。どうせ、ワンデーイベントなんでしょ
?
﹂
﹁そうなるか⋮マッチメイクをするとどんな感じになる
?
﹁1試合目に全力を出し切って、2試合目はボロボロだから、僕の優勝
﹁なんでかな
﹂
﹁う∼、知っているな⋮それだと、トーナメントじゃ、つまらないと思
?
473
?
?
寅ちゃんが、僕にアイデアを求めて来た。これだとなぁ⋮
﹁たとえば、黒鉄妹に雷切、有栖さんに腹黒、綾辻さんには遥、一輝に
﹂
はきりんちゃん、ステラは僕、ユリスはお持ち帰り、とか﹂
﹁6名出せないのか
﹂
小二なのに弟子がいるのか
僕の弟子で良いかな
﹁弟子
﹂
﹁まぁ⋮色々と⋮﹂
﹁いい女なのか
﹂
﹁ユリスと相性の良い剣士が浮かばないんだよ。う∼んっと⋮あっ、
?
?
﹁相手は駒王学園だ﹂
剣士の学校じゃないよな。アレ
けど、どこだっけかな
﹁剣士の為の学校ではないですよね
聞いたことがないですが﹂
してくれるそうだ。是非とも戦って欲しい﹂
﹁まぁ、戦士の為の学校じゃ。で、アチラとは話が付いて、戦士を派遣
綾辻さんが質問をされた。
どこかで聞いたことがあるんだ
南郷先生から、イベントの発表があった。
﹁年末に南郷プレゼンツな対抗戦を開くことにしたのじゃ﹂
た。
呼ばれた。そこには、理事長、寧音先生、南郷先生、ユリちゃんがい
一輝、ステラ、私、有栖さん、綾辻さん、珠雫さんが、理事長室に
│││ユリス│││
僕は、対抗戦のことを皆に知らせに帰った。
は、後で送るから﹂
﹁じゃ、そういうことで。僕は帰るよ。参戦メンバーのプロフィール
戦って感じじゃな。破軍学園と駒王学園とのな﹂
﹁ならば、そのマッチメイクで1試合ずつにしよう。そうじゃな、対抗
天然なツンデレタイプで、僕の苦手なタイプというか⋮﹂
﹁う∼、好みの問題だな。僕的にはアレコレしようと思わないけど。
女性からの視線を気にせず、きいてきた寅ちゃん。
?
?
?
?
?
474
?
﹁戦士だと、相手は剣以外ですか
じゃよ﹂
﹂
﹂
2年前って⋮えっ⋮まさか⋮
﹁対戦カードは決まっているんですか
一輝が質問した。
じゃろ
﹂
﹁︻雷切︼東堂 刀華。この学園にいた者じゃから、実力は知っておる
いって。
無理だって⋮ここいるメンバー全員で戦っても、魔王なんか倒せな
でなっておるそうじゃ﹂
がっておるそうじゃ。仕入れた情報では、魔王を瞬殺できる程度にま
で、君達に知らせておく。まず、兵藤一誠。あれから危険度が更に上
﹁で、じゃ。先方から参加メンバーのプロフィールが送られて来たの
し。ステラは攻撃できないし。私だって⋮無理だよ∼
いや、逃げるでしょ。一輝は2年前の対戦で入院を余儀なくされた
かもしれないから﹂
﹁決まっておるが、この場では言わない。メインイベントから、逃げる
?
﹁いやいや、全員がヤツと対戦ではない。一人だけがヤツと当たるの
﹁無理⋮勝てないって⋮﹂
私を含めて、顔から血の気が失せていく参戦予定メンバー。
﹁ふふふ、さすがユリスじゃな。その通りだ﹂
声を上げた私。
﹁イッセー君の通っている学校ですか
2年間
たいのじゃよ﹂
﹁いや、全員、剣士もしくは魔導剣士じゃ。この2年間の成長を見てみ
?
一輝かステラでならいけると思うな。
﹁︻千見の盟主︼クローディア・エンフィールド。星道館学園から転校
したそうじゃ﹂
ちょっと⋮なんて人をスカウトしたの、イッセー君は。
﹁刀藤流宗家、刀藤 綺凛。天霧辰明流、天霧遥。チームオラリオ、ア
475
?
?
刀華さん⋮珠雫ちゃんだと不利だな。雷と水だもの、相性は最悪。
?
イズ・ヴァレンシュタイン の6名が参戦するそうじゃ﹂
絶句してしまう私を含めた参戦メンバー達。
﹁さすがに、目利きじゃの∼、良いおなごを集めておる﹂
﹁南郷先生、そういう目で見ないでくださいね﹂
理事長が南郷先生を窘める。いや、このメンバーって、壮絶でしょ
う。よく集めたなぁ。
﹂
﹁注目株はアイズって子じゃ。一誠君の弟子じゃそうな。2刀流なん
じゃろうか
﹂
﹂
弟子⋮あのトレーニングルームにいたのかな
﹁対戦カードは今、聞けませんか
一輝が再度質問をした。
﹁それじゃ、サプライズ感がないじゃろ
﹁そうかもしれませんが、しかし⋮﹂
﹂
﹁あまり、駄々をこねると、更に上位の剣士を、参加させると言ってい
たぞ。一輝よ﹂
寧音先生が釘を刺してきた。
﹁更にって、どういう意味ですか
﹁それに一輝、お前は幼稚園児に、病院送りにされたことを忘れるな
それだと⋮とっても危険かもしれない。
を問わずに出すって⋮﹂
﹁今回は学園対抗形式だけど、オープンにしても良いっている。年齢
?
刀華さんは
よ。今回の参加者は全員、小学生だそうだ﹂
あれ
?
﹂
?
?
に、五つ下って⋮
﹁そんな歳の誤魔化しはダメだしょ
一輝が噛みつく。
﹂
参戦メンバー全員、目が点である。刀華さんって、二つ上だったの
だから、勝って当然だよな
ローディアは小5、綺凛と一誠は小2だそうだ。お前らは中学生なん
﹁そうだ。若返ったそうだ。刀華は今小4だって、あと、遥は小6、ク
﹂
﹁刀華さんもですか
?
476
?
?
?
?
?
﹁駒王学園はそういうことに寛容なんだ﹂
実際の年齢で制限をかけるの
﹂
うっ⋮なんか、空気が重くなってきたような⋮
﹁えっ
?
﹁え
イベントの意味は
﹂
﹁無いよ。だって、寅ちゃんが見たいだけでしょ
南郷先生があせっていた。
?
なの
﹂
どたっ
﹂
男はいらないから一輝と有栖さんかな
論外だな。一輝、死んで来い
!
有栖さんが意識を飛ばして、倒れた。
﹁オーラを纏っただけで、倒れる
駄々をこねるのは、ふふふ﹂
綾辻さんが獲物を構えたが、叩き落とされた。
﹁次は誰
一輝がどこかに転移させられた。
?
この部屋に何名が潜んでいるの
が折れたようだ。
たの
綾辻さんの手を見ると、手首
小さな女の子が木刀で、綾辻さんの手首を叩いたようだ。どこにい
﹁イッセー君は、私が護ります﹂
﹂
﹁僕、まだ何も攻撃していないよ、有栖さん。それなのに、こんな状態
?
みな、索敵能力を駆使をしているのにだ。
﹁誰から、餌食になる
ふ﹂
?
空気が更に重くなってきた。
﹁重力系
ふふ
イッセー君の声は聞こえるが、姿が、いや気配すら感じなかった。
ユリス以外全員を病院送りなり、棺桶送りで良いでしょ
﹂
この場で全員、いや
﹁難癖付けるみたいだから、この場でケリつけようよ、寅ちゃん﹂
﹁そうだな。その気になれば、全員死んでいたな﹂
思うけど♪ねぇ、寧音ちゃん﹂
﹁ユリス、君達が来る前からいたよ。気づかない時点で、詰んでいると
この場にいなかったイッセー君の声がした。
?
有栖さんが苦しそうに言葉を吐く。
?
!
?
?
477
?
?
?
?
?
あっ、刀藤流宗家の刀藤 綺凛かぁ。イッセー君のお気に
﹁寅ちゃん、彼女が僕のお気に入りのきりんちゃんだよ♪﹂
きりん
入り
﹂
人間ではないシュウさんの前では、赤子だったのね
?
﹁うごっ⋮﹂
どん
南郷先生が仕留められた。誰に
﹁黒乃は襲うなよ。愉しむから♪﹂
﹁イッセー君、やっぱり大人の女性が良いの
﹂
ステラ、返してもらうよ﹂
﹁えっ⋮それはダメ
ステラにとってのドーピング装置。
﹂
!
﹁2本あると便利だろ、アイズ
﹂
﹂
﹁たわいもない。不壊属性のこの剣は折れないわ﹂
上から、その一輝が落ちて来た。
どさっ
恩恵も与えない。一輝に与えてもらえ
﹁一輝といい感じらしいじゃん。他人の女になったステラに、加護も
駒かな
ステラはシュウさんから、何かを抜かれた。あれって⋮ドラゴンの
!
﹁そうだ
そうなると、あとは珠雫とステラか⋮
﹁了解♪﹂
﹁あぁ、ユリスも襲うなよ。お持ち還りの予定だから﹂
小2同士の会話に思えない内容だよ。
﹁きりんちゃんもあと5年もすれば、美味しいと思うよ♪﹂
と言う名のシュウさんなんじゃ⋮
きりんちゃんがイッセー君に質問をした。いや、あれはイッセー君
?
?
きりんちゃんに寧音先生が仕留められた。そんな⋮
﹁えっ
どさっ
⋮
そういうこと
﹁人間である限り、きりんちゃんの敵には、ならないからね﹂
?
!
!
!
?
478
?
!
!
?
﹁えぇ、とっても♪﹂
金髪でスレンダーな女性がシュウさんの傍らに現れた。彼はアイ
ズと呼んだ⋮参戦予定のシュウさんの弟子だわ。
﹁あとは、珠雫とステラだが、ステラに勝ち目はもうない。珠雫、降参
をすれば許してあげるけど﹂
﹁お兄様をこんな目に遭わせたヤツを許せない﹂
珠雫がアイズさんに襲い掛かるが、あと2,3歩の処で、倒された。
﹁私がいる事に気づかないとは⋮シュウさん、空気と同化って凄いで
すね﹂
珠雫を襲った者が姿を現し、笑顔でシュウさんに駆け寄る。刀華さ
っ
んだ。そして、シュウさんの両脇から、アイズさんと視線の火花を散
らしていそうだ。
﹂
ユリスは
﹁そうなると、ステラと黒乃だな。で、ワンデーイベントはするの
て、寅ちゃんは、ダウンか。黒乃、どうする
﹁⋮﹂
﹁たぶん、一輝と綾辻さんは出場できない。ステラもかな
僕達の空気同化術の方が上だし。黒乃、見ただろう
一応、参加者全
﹂
まだ、姿を現していない人がいるのか。理事長は頷いた。そう
員、この場にいるのに、誰も気づかなかっただろ
え
?
?
るのを知っていて、私達を試したのだろう。彼らと同じ舞台に立って
も大丈夫かを。
﹁ユリスを連れて帰るよ∼﹂
﹁﹁了解♪﹂﹂
│││シュウ│││
連れ帰ったユリスも、聖杯を使って同学年に年齢詐称させた。6つ
も上で、僕と同時に高校入学は、いくらなんでも有り得ないもんな。
その後、身体を一誠にまかせて、魂の状態でまったりしていたのだが、
一誠が人格をスイッチさせた。緊急事態発生か
?
479
?
転校させる。ここでは強くなれないから。寅ちゃんの抜き足よりも、
?
?
か、私達は試されたんだ。理事長と寧々先生、南郷先生は、彼らが居
?
﹁リーラ、何事だ
﹁お客さん
誰
﹂
﹂
﹁黒乃さんと、寧音先生よ﹂
虐めがいのあるツートップが何をしに
に通した。
﹁どうしたの
二人⋮いや、三人揃ってさぁ﹂
どっか∼ん
レムの鉄球でつぶされた寅ちゃんが、現れた。死んだかな
﹂
フィスがツンツンして、首を横に振った。死んだのか⋮
﹁寅ちゃんが死んだみたいだけど、どうする
﹁え∼、あのスケベオヤジ⋮抜き足で付いてきたのか﹂
呆れるような声を出した寧音ちゃん。
﹂
﹁この家は、不審者は即潰されるのになぁ⋮生き返らせた方が良い
﹁そんなことができるんですか
黒乃がきいてきた。
﹂
オー
リーラが、二人をリビング
いたって常時のオーラのリーラが、笑顔で状況を解説してくれた。
ダメだから、急いでスイッチしたみたいよ﹂
﹁ははは、いきなりのスイッチで焦ったのね。お客様よ。一誠君じゃ、
?
蘇り処理をしますので、能力を解放しますので、退避してください﹂
僕の注意喚起で、リーラ以外が他のフロアへ逃げ込んでいく。ま
だ、ダダ漏れしているので、仲間が危ない気がするので、注意喚起を
してから能力解放している。
寅ちゃんに対し、再生、招魂、入魂、再起動の処理を施して、
﹁処理終了しました。通常の生活に戻って大丈夫だよ﹂
と、注意喚起を解除した。この家の住民ではない客の二人は、リー
ラが防御していてくれた。
﹁リーラ、さんきゅ∼♪﹂
﹁メイドとして当然です﹂
生き返った寅ちゃんが、ふらふらと立ち上がり、椅子に座った。
﹁地獄に行って戻れるとは⋮﹂
480
?
﹁出来るけど⋮ちょっと待ってね。1階にいる者へ注意喚起します。
?
?
?
?
?
!
?
?
﹂
よほど、怖い思いをしたのだろうか、顔に血の気がない。
﹃それは、生き返ったばかりだからだよ﹄
﹂
と、一誠から念話が届いた。あぁ、そうかもな。
﹁で、用件は
﹂
﹁あの⋮南郷先生が簡単に潰されたんですが⋮彼女も戦士
黒乃が恐る恐るきいてきた。
﹁違うよ。この家の専任メイドだけど﹂
﹁メイドなのに、あんな攻撃ができるの
寧音ちゃんがきいてきた。
﹂
﹁できるよ。たぶん、この家のメイドだけで、破軍学園を潰せるんじゃ
ないかな﹂
﹁戦闘メイド
﹂
﹁そうじゃないけど、あの程度の実力がないと、家の揉め事に介入でき
ないからね﹂
﹁揉め事くらいで、あの戦闘力はいらないでしょ
世間の常識で話をしてくる寧音ちゃん。
﹂
﹁この家で人間なのは、寧音ちゃん達だけだよ。生きて帰れると思う
?
のオーラが溢れていく。
﹁息苦しい⋮﹂
﹁何、これ⋮﹂
この家の
苦しみ悶える寧音ちゃんと黒乃。寅ちゃんは、まだ覚醒しきってい
ないので、鈍感なようだ。
﹁これが、この家の通常時のオーラだ。これでわかるだろ
危険度がさぁ﹂
?
揉め事時だと
いや、試さないで良いからね﹂
寧音ちゃんクラスだと、オーラで敵の種別がわかるはずだ。
﹁これが、通常時
?
﹁へたな戦場より危険かな。ボスクラスがうようよいるから﹂
?
﹂
結界を元に戻して、空気の質を戻していく。
﹁で、用件は
?
481
?
?
?
?
リビングルームにあるオーラ漏出用の結界を外した。様々な種族
?
新たな教育方法*
﹂
│││シュウ│││
﹁で、用件は
まだ生き返ったばかりで、血行が良くない寅ちゃんを除いた二人に
きいた。
﹁ステラの件だけどさぁ、持ち去った物を返して欲しんだ﹂
あれは僕の物だ。僕の仲間の証であって、一輝の彼女
寧音ちゃんが、妙な事を言う。
﹁持ち去った
あれは、僕に対して敵対行動を取ると、刑が執
ステラは貰ったと言っていたぞ﹂
になったステラに、貸与するものではない﹂
﹁貸与
ステラが原因か。
﹁あげる訳ないでしょ
﹂﹂
行されるんだから﹂
﹁﹁えっ
れじゃ、あんまりでしょ
なりそうだしね﹂
じゃ、彼女達にも
﹂
だから、抜き去ったんだよ。この先、敵に
﹁そんな危険な物を埋め込んだのか
?
るし﹂
﹁恩恵と加護
なんだ、それは
﹂
﹁企業秘密だよ⋮黒乃なら体験してみるか
?
﹂
黒乃がはっとした表情をした。
﹁黒乃がどうしたんだ
お前、ウォンテッドだし﹂
﹁もちろん、入っているよ。危険さだけでなく、恩恵と加護も与えてい
?
?
れているんだよ。この前は、追撃をかわしたそうだねぇ∼﹂
録で、たまに時空系能力を行使しているんだ。それでね、目をつけら
むやみに時空系の能力を使う者を制限しているんだ。で、黒乃は未登
﹁次元の狭間を管理、運用している時空管理局って部署があってね。
寧音ちゃんがきいたきた。
?
?
?
482
?
?
﹁一輝と共に僕に戦いを挑めば、ステラは地獄へ即堕ちるからね。そ
?
?
!
黒乃の表情が歪んでいく。
﹂
﹁おい、イッセー。お前は、その⋮なんたら管理局に、どう関わってい
るんだ
こういう系は素人の寧音ちゃんが、要領を得ていないようだ。
﹂
﹁時空管理局だよ、寧音ちゃん♪僕のチームの部署の1つだよ﹂
﹁イッセーのチームってなんだ
?
﹂
﹁人間を辞める覚悟なら、教えてあげる♪﹂
寧音よ﹂
﹁お前は人間でないのか
﹁もう、止せ
?
た。
﹁ステラの件はわかった。そう伝えておく﹂
た。
﹂
寅ちゃん﹂
﹁おい、一方的すぎないか
寅ちゃんは渋々頷くが、
?
無い
知らん仲ではないじゃろ
なぁ、イッセー、お前は何者だ
﹂
僕達はそういう勢力だよ。人間である寧音ちゃんに勝ち目は
﹂
﹁人間である
?
﹁そうだな⋮せつなさん、新人さんにパトロールの仕事を教え込んで
?
﹁うん
寧音ちゃんが噛みついてきた。想定内だよ、寧音ちゃん♪
?
う。これでいい
﹁敵対行動すれば、さっき寅ちゃんが行った先に、永久的に行ってもら
感覚などが研ぎ澄まされていき、驚きの声をあげる黒乃。
﹁えっ⋮何
えぇ∼﹂
僕はステラから取り出した駒を、まだ了承していない黒乃に入れ
ど﹂
﹁仲間になり、管理局の仕事を手伝ってくれれば、問題無しにするけ
?
﹁じゃ、次は黒乃の件だ﹂
どうにかならんのか
?
当事者の黒乃は俯いて、僕と視線を合わせようとしない。
﹁黒乃の件
﹂
以前、人間を辞める覚悟ができなかった寅ちゃんが、割り込んでき
!
寅ちゃんが穏便に済ませたがっているようだ。
?
?
483
?
?
!
置いて﹂
僕の念話による呼び出しに応じてくれた、せつなさんが黒乃を時空
局に案内していく。
﹁ラムレム、留守番を頼むよ﹂
僕は、寅ちゃんと寧音ちゃんと共に転移しようとすると、エミリア
が僕を抱き抱えて、頬ずりしてきた。そんな僕の姿に苦笑いしている
ラムレム。
﹁エミリア、ちょっと⋮悪役を決め込んでいたのに∼台無しだよ∼﹂
私も行くよ♪﹂
僕は彼女の文句を言うのだが、
﹁だって、お城に行くんでしょ
だと。そして、四人でキャッスルドランに転移した。
││││││
キャッスルドランに転移すると、エミリアと僕から分離したイッ
イッセーが二人
﹂
﹂
﹁あっちが本物の今は亡きイッセーだよ﹂
﹁今は亡き
寅ちゃんは、女性陣のスタ
?
にね﹂
?
﹂
?
僕は元気そうなイッセーを暖かい目で見る。
で、分離しての実体化ができるんだ﹂
﹁まぁ、意味合い的には、そんな感じだよ。で、ここだと、仲間の協力
﹁人格が2つあるのか
﹁この身体に魂が2つ宿っているんだ。正確に言うともっとだけど﹂
まぁ、よくわからん話だよな。
﹁うっ⋮なんだって
﹂
た。でも、僕が受精卵に着地したので、共生しているんだよ。この器
﹁あぁ、本物のイッセーは生まれて⋮いや、受精してすぐに亡くなっ
イルに目が釘付けみたいだ。
怪訝な顔付きになる寧音ちゃん。うん
?
484
?
セーが、リトル達の方へと走って行った。
﹁えっ
?
寧音ちゃんが驚いている。
?
﹁で、お前は何者だ
ここはどこだ
﹂
どう言えば良いんだ
﹁答えになっていないぞ
うん
!
﹂
?
メイビスが転移してきた。
?
﹁か⋮み⋮へぇ
﹂
それぞれこの器なんですよ♪﹂
はまり、二人して魂の状態で飛ばされてきまして、着地した受精卵が
神メイビス。彼はこの宇宙を統轄する絶対神シュウです。敵の罠に
﹁まぁ、見た目はそうです。私も魂は別人なんです。私は、別の世界の
リーラ姿のメイビスに尋ねた寧音ちゃん。
﹁あなたは、あの家のメイド⋮ですよね
﹂
﹁私から説明しましょう。シュウには無理のようだし﹂
?
﹁僕はこのお城の王、ここは僕のお城だよ♪﹂
?
ね﹂
﹁お、お前ら⋮この世界を征服に来たのか
?
征服しても意味がないんだよ。
?
﹁あ⋮え
⋮へぇ
⋮﹂
笑顔でありながら、プレッシャーを掛けているメイビス。
﹁彼です。神シュウが一番エライんですよ∼♪﹂
﹁え⋮あの⋮この世界で一番エライのって⋮﹂
この世界のある宇宙は僕の管理下なんだから﹂
﹁寧音ちゃん、理解していないでしょ
﹂
にいる場所に寄り添っていて、移動可能な要塞と言えば良いですか
﹁で、このお城は彼、シュウと共にある城、キャッスルドランです。彼
想定外な話に発展したので、寧音ちゃんが困惑しているようだ。
?
んと身体を合わせていく。
?
│││メイビス││││
﹁ご理解してくださいましたか
﹂
て、手首を固定して、吊り上げてみる。僕は本来の姿に戻り、寧音ちゃ
意識をここに置いて、器だけ調教部屋に持ち込んだ。着物を脱がし
混乱気味の寧音ちゃん。いたずらしちゃおうかな。寧音ちゃんの
?
485
?
?
意識体だけ、ここに置いて器をシュウに持って行かれた寧音さん。
本人はその事態に気づいていない。どんだけ混乱しているんだ
﹁えっ、何でや
﹂
﹁なので、ここに来た以上、あなた達には人間を辞めてもらいます﹂
?
あげた。
?
﹂
﹁そうですね、寧音さんはシュウのペットかな
﹂
しょうね
﹂
⋮あぁ⋮あ∼身体が無い⋮何で
の意識を迎え入れた。
﹂
部屋の外から、寧音ちゃんの声が聞こえる。部屋の中に寧音ちゃん
﹁ねぇ、身体を返してよ∼﹂
れば⋮
鍛え抜いた身体は、僕の要求を叶えてくれる。満足⋮これで乳がで
育と同じだ。
た。快楽を与えると、それを欲し、芸を覚えると与える。ペットに教
か良いし。理性部分を担う意識が無い器は、本能のままに動いてい
年齢よりも若々しい各部位。使っていないようだ。感度もなかな
│││シュウ││││
﹁身体を返して∼﹂
また、混乱し始めた寧音さん。
﹁え
﹁寧音さん、既にあなたの器は調教ルームで教育をされていますよ♪﹂
寧音さんは現在の境遇に気づいていないみたいだ。
!
ご老人は⋮どうしま
ここでは、困った者は、誰もおりませんが﹂
?
﹁人間を辞めて、私達は何になるのだ
﹁どう困るのですか
﹁いやいやいや⋮それは、困る﹂
お城ですから、天界といっても良い場所です﹂
﹁えぇ、ここは人間の来られる場所ではないですよ。神の玉座のある
﹁儂も辞めるのか
﹂
ここの戦士達のスタイルに目が釘付けだった、ご老人が驚きの声を
?
冗談じゃない。拒否だ
﹁ペット
?
?
?
?
486
?
?
﹁私の身体に何を仕込んだのよ∼﹂
﹁あんなこと、こんなことだけど♪﹂
寧音ちゃんの意識の前で、寧音ちゃんの身体に実演をしてもらっ
た。
﹁え∼、なんで∼、そんなことを⋮﹂
いやらしい音を立てて、僕の棒を体内でいたわってくれる、寧音
ちゃんの身体。
﹁ねぇ、返して⋮身体を返して⋮﹂
強 気 で 不 貞 不 貞 し い 寧 音 ち ゃ ん キ ャ ラ は 崩 壊 し た よ う だ。寧 音
﹂
ちゃんの意識は、白旗を振っているようだ。
﹂
﹁今後、僕のペットってことで良い
﹁え∼何で
ビンゴかな
﹂
?
戻してあげようかな。喘ぎ声も聞きたいし。意識の
﹁いや⋮そんなことは⋮﹂
﹁それは、快楽刺激を意識が感じられないから
話に近いし。なので、彼女の感情が読みづらい状態である。
意識体の寧音ちゃんの表情はわからない。言葉も声というより念
﹁ダメだ。私が困る﹂
﹁そうかぁ、嫌ならこのまま分離させておく。これで満足だし﹂
?
神じゃないの
きだよ♪﹂
﹁鬼なの
﹂
?
﹁鬼神って言葉を知らないの
ふふふ﹂
﹁いいなぁ、その表情⋮僕は鬼だから、そういう苦痛に塗れた顔って好
てあげたのだ。
恐怖に飲まれた表情の寧音ちゃん。定番の赤い液体を乳首に塗っ
﹁痛っ⋮何を塗ったの⋮﹂
器に意識を戻すと、艶めかしい声が部屋に響く。声って大事だな。
﹁あっ⋮あぁ⋮いい⋮何⋮これ⋮﹂
欠けていた。
分離した身体は、声を発しない。気持ち良さはくれるが、臨場感には
?
487
?
赤い液体の入った瓶の口を鼻先に持って行く。
?
?
﹁おい。これって⋮﹂
更に恐怖に飲まれていく寧音ちゃん。
﹁これ、下腹部に流し込んだら、どうなるかな
﹁止めなさい⋮いや、ヤメテください⋮﹂
下腹部のポッチに一滴垂らす。
﹁痛っ⋮ダメ⋮あぁ∼﹂
││││││
キル不足だしな。隠密系にするから。
﹂
﹁駒を入れて野に放つかな。情報収集はしてくれそうだよね
けはありそうだし﹂
に転移した。
││││││
﹁なぁ、魔女の因子はどうしたんだ
パックがきいてきた。
﹂
人脈だ
そして、エミリアを呼び戻し、イッセーには帰って来てもらい、家
連れて帰ろう﹂
﹁この二人、いなくなっても世界に影響ないだろうし。帰還の折には
た。
で、寅ちゃんに帰って来てもらって、寧音ちゃんと共に、駒を入れ
?
とも戦士としては、歳が多すぎるし、かと言って講師にするには、ス
寅ちゃんは地獄ツアーに送り出している。さて、どうするかな。二人
メイビスがきいてきた。寧音ちゃんはプレイ三昧で、果てている。
﹁で、どうするの
﹂
寧音ちゃんは、自発的に僕のアレを体内に沈めていった。
﹁もっと、欲しければ、奉仕をして♪﹂
言葉とは裏腹に恍惚な表情になっていく寧音ちゃん。
?
﹂
﹁あ、そう⋮問題は無いかな。魔女に触れたがっていたから﹂
入れてあげたけど⋮問題あったかな
﹁あれは、ラムを連れて来る際に、同居していた道化師のおじさんに、
?
?
488
?
今夜もエミリアが添え寝をしてくれたのが、僕よりも先に寝てし
まった。それも、僕にのし掛かる感じで。なので、僕は手足を拘束さ
﹂
れたに等しい状態になり、何のできないまま、悶々と⋮そこにパック
が起きてきて、話相手になってくれた。
﹁で、君の娘なんだが、この天然さはどうにかならないかな
⋮
﹁でさあ、魔女って何なの
﹁でも、ラムレムは魔女で無いんだよね
﹂
﹁そうだな⋮普通の人とは違う能力を持つ者かな﹂
疑問をパックにきいた。
﹂
全裸なので、それなりに気持ちが良いのだが、まだ未熟過ぎるので
﹁ははは、それがエミリアの味だよ。かみ締めて味わってよ﹂
?
﹂
?
﹁シュウには、必要ないだろ
﹂
魔女因子⋮神器みたいな物かな。よく、わからないけど。
﹁アレかぁ⋮﹂
な﹂
﹁その場合でも、半分は人間だし。あと、魔女因子が入っているかだ
﹁でも、エミリアみたいなハーフエルフの魔女もいるんだろ
﹁あぁ、彼女達はベースが鬼だからね。魔女はベースは人間なんだよ﹂
?
﹂
﹁そうだな⋮シュウの﹃強奪﹄で魔女因子を取り除けば、無力化できそ
そんな簡単な対処で良いの
うだけど﹂
﹁え
?
ないと研究できないし。
翌日、僕の活動時間帯。寧音ちゃんの乳首を咥えながら、長考して
いた。
﹁シュウって、乳の出ない乳首が好きだよね∼﹂
って、正面に座っているエミリアが呟いている。いや、乳の出る乳
489
?
﹁無いけど、襲われた時の対処を考えておきたいんだよ﹂
?
なんかしっくりと来ないなぁ。魔女狩りしてくるかな。手元にい
﹁うん♪﹂
?
首に、まだ出逢えていないだけだ⋮あっ、あれ使えるのかな
なんで
胸が張っている⋮﹂
アの乳房に魔法を撃ち込んだ。
﹁あれ
エミリ
早速、エミリアの乳首にス
?
ルクが出た∼♪
﹁え∼、なんで∼、私の胸から乳が出ているの
?
気にしないけど。
﹁ぷっふぁ∼♪美味しかったよ、エミリア﹂
﹁てへへ♪﹂
僕に誉められて喜ぶエミリア。
﹁どこか、魔女を連れ帰れそうな世界って、無いかな
そんな危ない物を持ち込んじゃダメだよ﹂
?
﹂
?
﹁父ちゃん、いいの
貰って行くよ∼♪﹂
寧音ちゃんを娘に差し出す。
﹁シルキー、彼女の相手をよろしく﹂
刺激の催促のようだけど、無視⋮あっ、いいのが来た。
﹁う∼む、居るだけでは物足りない。なんていうか⋮﹂
﹁居たいだけいれば良いよ。駒は入れたし。いつでも呼び出せるし﹂
って、寧音ちゃん。
﹁で、私はいつまで居て良いんだ
平和な世界に危ない物を持ち込むのは良くないよな。
僕の呟きを叱りつけるエミリア。危ないのか⋮。まぁ、そうだな、
﹁魔女
﹂
って、メイビスが呆れるような視線を送ってきた。美味しいので、
﹁あぁ、イチゴミルクが出る魔法が使えるようになったのね﹂
美味しそうに飲む僕を涙目で見るエミリア。
﹂
イッチした。で、咥えて乳房を揉んで吸ってみると⋮おぉ、イチゴミ
エミリアが驚いている。効いたのかな
?
﹃そうだな。扶桑皇国って国のある世界に行くと良いかな。魔女がた
元ドエスな上司に相談してみる。
﹁う∼ん、どうするかな﹂
キー。
驚 い た 表 情 の 寧 音 ち ゃ ん を 抱 え て、自 分 の 部 屋 に 戻 る 娘 の シ ル
?
490
?
?
?
くさんいる。一人くらいならお持ち帰りしても問題ないだろう﹄
と、調教してからは、僕に好意的になったドエムな上司。行き方と、
﹂
世界情勢などをきいて、そこに行って見る気になる。
﹁メンバーはどうします
メイビスがきいてきた。
﹁どうするかな⋮空が飛べることが必須条件だ。だから、エミリア、ラ
ムレムは残念だけどダメだな﹂
僕の中にドラゴンがいるので、空挺部隊がいなくても、これまでは
大丈夫だった。でも、こういう場合は、いた方が良いだろうな。ドラ
ゴンがいない世界にドラゴンでは、いきなり敵に思われそうだし。
﹁飛べるのはアイズかな﹂
﹁アイズはダメだ。自分以外の女性は敵だと思うから﹂
天然ツンデレのアイズには、フェニックスの翼を与えている。有能
な剣士でガードとしての能力は高いのだが、僕を愛しすぎるあまり、
﹂
女性の警護とか、お持ち帰り業務には支障があるのだった。残念⋮
﹁そうなると⋮私
って伝えると、ぷぅっと頬を膨らませて、不満さを伝えてきた。こ
の局面で雷が落ちるのはカンベンと想い、肩を抱き、頭を優しく撫で
ていく。
﹁一人で行くかな。オーフィスと忍が一緒だから、ガードは問題ない
と思うけど﹂
││││││
その時、僕は気づいていなかった。エミリアの世界の魔女と、これ
から行く世界の魔女が違う物だってことを⋮
491
?
﹁メイビスはダメだ。メイド長なんだから、留守番だよ﹂
?
あの空へ
魔女のいる世界へ*
│││シュウ│││
僕とキャッスルドランは、魔女のいる世界へと来た。一緒に来る人
選をしていたのだが、キャッスルドランが、常に僕と共にいることを
忘れていた。僕が行く様々な世界に、キャッスルドランは追従してく
るのだ。なので、彼の中に住む者も、もれなく付いてくるのだった。
そして、キャッスルドランの中にある、時空を旅するドア、Dora
えモン風に言うところの﹃どこでもドア﹄のおかげで、どの世界とも
行き来が出来たりもする。
地上へは僕一人で降り立ち、キャッスルドランには、上空1万m辺
りで空に擬態してもらった。
病院のような建物に入り、目的の人物を探す。建て付けの悪いドア
的のようだ。なんだ
興味は有るなぁ。
真逆じゃないか、想定していた魔女とは⋮あの
大体20歳くらいで魔法力が衰えていくようで、この少女の場合
は、も う 現 場 復 帰 で き な い み た い だ。既 に 1 7 歳 で、こ の 状 態 だ し
なぁ。
﹁うっ⋮あぁ⋮あぅ⋮いい⋮﹂
艶めかし声が聞こえ始めた。意識が回復したようだ。撤収をしよ
492
の先で、ベッドに横たわり意識が戻らない状態で、目的の人物がいた。
さっそく、彼女と交わり、彼女の内部から修復再生を施していく。そ
の作業と並行して、彼女の記憶を読み取っていった。必要な情報が手
に入れば、お持ち帰りせずに戻ることも有りと思っていたから。
しかし、この世界の魔女は、予想していた魔女とは違うようだった。
まず、魔女因子という物がこの世界には無い。魔力を持ち、ストライ
何だ、ソレは
カーユニットと言う魔導装置を使える少女達が魔女と呼ばれている
ようだ。魔導装置
?
そして、魔女は敵とか恐ろしい者ではなく、正義の味方で、憧れの
?
上司⋮ドエスが復活したのか⋮
?
うとしたのだが、ベアハック状態⋮彼女に抱きしめられていて、この
なんで
?
とても暖かいオーラを感じるの﹂
場から離脱ができない。あれ
﹁ねぇ、あなたは誰
僕は通りすがりの⋮子供です﹂
?
こ う い う 刺 激 が 初 め て な の か、も の す ご く 貪 欲 に 思 え る。
違っているだろ
おい、クソ上司
!
﹂
﹂
少し戸惑う。
?
私は雁淵孝美︵かりぶちたか
お持ち帰り用件が、案件に昇格なのか
﹁ねぇ、あなたのお名前は
﹁シュウ⋮お姉さんの名前は
﹁えっ⋮知らないのに、治してくれたの
み︶っていうの﹂
﹂
この世界の子じゃないわよね
?
﹂
?
?
?
って⋮え
﹃間違っていると思うなら、あなたなりのヤリ方で、正しなさい﹄
!
も 良 い し、顔 も か わ い い。こ ん な 娘 が ⋮ 戦 争 に っ て ⋮ こ の 世 界、間
治療に専念していたので、容姿を気にしていなかったが、スタイル
﹁逃がさないわ。私の恩人君♪﹂
小学二年生のデメリットが発揮されていた。
って、帰ろうとしたら、抱き抱えられていた。うっ、この世界でも
なら⋮﹂
﹁お釣りとして、お腹の傷も治しておいたよ、お姉さん♪じゃ、さよう
げた。
捧げ物として、能力を含めて、13歳くらいの頃のレベルに戻してあ
この時を生きる、二度と戻らないこの時期を生きる彼女に、処女を
して戦争に関わり、二度と戻らない青春時代を終えてしまうようだ。
達だけが前線に立ち、敵と交戦をしているようだ。青春時代は魔女と
あぁ、そういうことか。この世界では彼女達、ティーンエイジの魔女
え
﹁あぁ∼いい⋮もっと⋮お願い⋮﹂
治療が終わったので、次に表面の治癒、再生をしていく。
応の肌のきめ細かさはない。乾燥しきっているようだ。内面からの
彼女の頬が僕の頬に触れ合う。今まで昏睡状態だったためか、歳相
﹁え
?
?
?
﹁ねぇ、敵って何
﹁君は誰
?
493
?
?
魔女だけあって、勘が鋭いのか
で逃がさない為に、僕を抱き抱えたのか
﹂
﹁じゃ、一緒に来てくれる
?
って、僕がこの世界の者ではないと、気がついていた。あぁ、それ
り得ないし。この世界では女の子しか、魔力がないのよ﹂
﹁この世界の者なら、敵が何かを知っているわ。それに男の魔女は有
?
﹂
?
あなたは誰
﹂
?
滅する﹂
はこの攻撃に弱い。
アイズに抱きつき、耳元で囁くようにして言う。ツンデレなアイズ
狂になっちゃうし⋮﹂
﹁そうなるな。供物は必要だよ。それなしで、ヤッチャウと、僕は戦闘
物の切っ先を僕に向けてきた。
アイズの目付きが怖い。ライバルが増えることに敏感な彼女。得
﹁で、彼女をお持ち帰り
﹂
﹁敵の情報を集めよう。この件は案件に昇格した。この世界の敵を撲
れて行った。
会話が一段落したので、メイビスが全裸だった孝美を衣装部屋に連
めで、僕の苦手の天然系のようだった。
うな予感がする。記憶を読んだ限りでは、腹黒さは無し、態度も控え
今まで出逢ってきた少女と違い、器がデカそうだ。手玉に取られそ
﹁ふふふ、そういうことにしてあげる﹂
﹁僕はシュウ。エロガキだよ♪﹂
﹁お城
﹁僕のお城だよ、孝美お姉さん♪﹂
﹁ここは
│││││││
僕と孝美は、キャッスルドランに転移した。
﹁わかった⋮お姉さんを供物に、その願いを叶えてあげる﹂
この世界から戦争が、無くなることを希望している彼女。
﹂
﹁この世界を救ってくれる
?
?
494
?
?
﹁そうだよね。うんうん、協力するから⋮あのね⋮﹂
どういう
言いたいことは分かる。なので、アイズの不満が暴走しないよう
に、お部屋にお持ち帰り⋮
意識が戻っていない雁淵孝美が消えただと
│││坂本美緒│││
﹂
﹁なんだって
ことだ
?
そんな訳あるか∼
徹
!
ベッドから消えたと報告が入ったのだ。
﹁侵入した形跡も出て行った形跡も無いだと
底的に調べ上げろよ﹂
て、どういうことだ
誰が連れ去ったのだ
そもそも、何の為にだ
?
?
﹁孝美⋮どういうことだ
意識⋮戻ったのか
﹂
?
?
♪﹂
﹂
名誉の負傷の痕を消した
﹁彼は誰だ
すごく穏やかな表情の孝美が言った。
﹁う ん ♪ 彼 の お か げ で 良 く な っ た の。お 腹 の 傷 も 消 し て く れ た の よ
?
うな服で身を包んだ孝美と、見知らぬ少年が立っていた。
って、孝美の声がした。声のした方を見ると、欧州の民衆が着るよ
﹁美緒、そんなにカリカリしたら、かわいさが台無しよ♪﹂
?
この国、扶桑皇国のエースの一人である彼女。その彼女が消えたっ
?
我を負い、今の今まで意識不明の状態でいた雁淵孝美が、医療機関の
御力が著しく低下する切り札を出して、仲間を救ったが、自身は大怪
朝早く、連絡が入った。ネウロイの襲撃から仲間を護るために、防
?
何のボスだ
なに小さいのに、凄いでしょ
ボス
﹂
?
仲間になれだと
えっ⋮音も無く少年が、私に近づき、私を抱きしめてくれている。
?
﹁ねぇ、お姉さんも仲間になって欲しいんだ。どうかな
﹂
少年が口を開いた。はぁ
﹁何の仲間だ
?
?
?
﹁この世界から戦争を無くす作戦の仲間だよ﹂
?
﹂
﹁私の王子様♪あっ、これは私の想いよ。実際は私のボスなの。こん
?
495
?
?
彼の頭部が、胸に当たり⋮妙な気分になっていく。嫌な感じは無く、
寧ろ気持ちが良く、気分が高ぶっていく。
﹁あぁ⋮いい⋮なんだか⋮空に浮かぶような⋮﹂
次の瞬間、私はベッドで彼と全裸で抱き合っていた。両膝を抱き抱
え ら れ、彼 が 私 の 中 に 入 っ て い る。嫌 な 気 分 は し な い。と て も、リ
ラックスしていく。
﹂
正常な意識に戻ると、床に倒れていた。
﹁まやかしの術か
目の前にいる少年にきいた。
﹁現実だよ。もう夕方たよ、お姉さん♪﹂
咄嗟に窓を見ると、夕日が差し込んでいた。先程まで朝だったのに
⋮
﹁お姉さんと4時間くらい、プレイしていたんだよ∼﹂
え⋮4時間も⋮あんなことを⋮耳が熱くなっていくのがわかる。
孝美とプレイって⋮え∼、そんな趣味は無いんだが⋮更に耳が
﹁あと、私とも2時間くらい、プレイしたのよ。シュウ君の指導でね
♪﹂
へ
を撲滅すれば良いんだよね
私の処女
供物はお姉さんの処女をもらったから
彼は何を言ったんだ
﹂
﹁美緒、あなただけでなくて、私も捧げたから、もう仲間よ♪﹂
って、孝美。それでは百合友の上、義姉妹だろうに⋮
﹁孝美お姉ちゃん、美緒お姉ちゃんって、考え方が古いの
﹁ふ∼ん﹂
﹁あのな⋮どこの勢力なんだ
う∼ん⋮﹂
﹁別の世界から、助けに来てくれた王子様♪﹂
﹁どこ
﹂
﹁そうかも。でも。勇敢な戦士だから、仲間にしても損は無いわよ﹂
?
?
ね♪﹂
⋮言葉が出ない⋮なんだって
?
それって⋮耳だけでなく、顔までも熱くなってきた。えぇ∼っと⋮
?
?
?
496
?
﹁美緒お姉さんの願い、叶えるよ。この世界からネウロイって言うの
熱くなっていく。
?
?
ネウロイなのか
言い淀む少年に対して、はっきりと言い切った孝美。別世界から来
た
の城を拠点とした為に。
ニパ
│││管野直枝││││
どういうことだ
!
﹁おい、ひかりには言うなよ、ニパ﹂
ひかりとは、孝美の妹である。
﹁あぁ、直。わかっているって﹂
﹁忽然と消えたって⋮ネウロイに攫われたのか
﹂
海に囲まれているんだから﹂
?
だ。
﹁ウィッチを誘拐して弱体化が狙いか
﹂
﹂
?
﹂
?
﹁はぁ
﹂
そんなのこっそり動く必要がないだろ
﹂
﹁う∼ん、坂本さんが孝美さんを腕利きの医者の元に連れ出したとか﹂
﹁他に何があるっていうんだ
﹁わからないよ∼。そもそも拉致、誘拐で無いかもしれないし﹂
的には問題はないなぁ。じゃ、何でだ
﹁あぁ、そうだな。意識が戻ったって連絡が無いし⋮誘拐しても、戦力
?
?
﹁でも孝美さんって、意識不明なんだよな
﹂
ネウロイという敵は、海とか湖と高い山の移動が基本苦手のよう
そも、扶桑にネウロイは行けないだろ
﹁わからないみたいだよ。レーダーに反応がなかったそうだし。そも
?
美さんと│坂本美緒さんが扶桑の軍事施設から忽然と消えたって﹂
﹁聞き耳を立てて聞いただけだから、詳しくはわからないけど、雁淵孝
﹃ニパ﹄に喰い付いた。
502部隊の同僚のニッカ・エドワーディン・カタヤイネン、通称
﹁え
﹂
そして、私も孝美と共に、扶桑皇国から消えた。彼の仲間になり、彼
よくわからないから、手立てが立たないんだよ﹂
﹁ねぇ、美緒お姉ちゃん。そのネウロイについて、教えてくれるかな
?
?
﹁そうだよね⋮なんでだろうね
?
?
?
497
?
?
?
│││シュウ│││
孝 美 専 用 の ス ト ラ イ カ ー ユ ニ ッ ト と 美 緒 専 用 の ス ト ラ イ カ ー ユ
ニットを盗み出して、スカさんに改良をお願いした。
﹁団長、脚に装着する意味がわからないのだが﹂
スカさんが僕に疑問をぶつけてきた。開発に関わったという美緒
に、その辺りの情報を聞き出す。
﹁あぁ、内部には脚を収納するスペースが無くて、挿入した脚は別次元
に飛ばして、大腿部で固定することになるんだ﹂
﹂
﹂
﹁別次元に飛ばす技術があるなら、なんで、ネウロイを別次元に飛ば
し、消さないの
﹁そこまで、広範囲には飛ばせないからだ﹂
﹁別次元に飛ばすこと自体も、エネルギーの無駄だよね
﹁そうなんだが、収納できない以上、仕方なくだ﹂
美緒の言い分も分かるんだが、
﹁スカさん、背中に背負った方が、効率が良くないかな
脊髄周りの方
が脚より脳に近いし、魔力を効率的に集めて流せそうなんだけど﹂
﹂
﹁そうだな。団長の意見に賛成だ。ただ、プロペラ方式だと怪我をす
るから、ジェット方式になるが、良いかな
﹁それで、開発してください﹂
﹁了解だ♪﹂
は無理なのね。
﹁お姉ちゃん達のどっちが実験をしてくれるの
?
?
を展開して飛び出した。
って、お前は何者だ
﹂
ていく美緒。試作機は上昇していく。僕は美緒と併走するように翼
美緒が名乗りを上げた。試作機を背中に装着して、魔力を集中させ
﹁私が行こう﹂
﹂
注意書きには、速度が出ません、高度も出ません、と、有る。実戦に
って、5分後、ドローン式のストライカーユニットが送られてきた。
?
﹁美緒姉ちゃん、万が一の時は、助けるからね﹂
﹁なんて、綺麗な翼なんだ
そこに戻るのか⋮
?
498
?
?
?
そう言えば、天使の翼だよな、それって⋮うん
天使があんな
?
﹁僕はハーフ天使だよ、お姉ちゃん♪﹂
﹁天使
﹂
あぁ、交わりの行為かな
ことして、堕天しないのか
あんなこと
?
﹁悪魔なのか
﹂
鬼と天使のハーフなのか
﹁鬼だよ♪﹂
﹁鬼
?
?
?
ングをして、状態をチェックする。
魔力は効率的に、流し込めてますか
?
﹂
かしさは無いんじゃないの
従来のユニットの場合は、太股固定の
パンティ状態で装着するより、ブラ状態で装着する方が恥ず
?
魔力を流し込む部分を肌に密着させるため、上半身の
?
﹂
しい。そして、固定するベルトが、2∼3本必要になる。
﹁ノーブラだとどうなるの
﹁収まりの悪い服装は、戦いに集中できない。だから、却下だ
そうなるかぁ⋮
﹁美緒お姉ちゃんの胸好きだけどな﹂
僕の何気ない一言で、耳と顔が真っ赤に染まる美緒。
テストを終え、収集データと美緒の要望を、スカさんにフィード
大胆な事を言うようになってきたなぁ⋮環境適応能力は高そうだ。
!
?
﹁そういうのは⋮ベッドの上で⋮きゃっはっ♪﹂
﹂
露出度が高めになる。アイズのような服装、背中丸見えの状態が好ま
になるのかな
トのジャマにならないようにしていたそうだ。女性だと、胸の方が気
為、下半身は水着とかパンティとかパンストだけを装備して、ユニッ
?
はぁ
ないのか
﹁あぁ、脚よりも良いかもな。問題は、胸が目立つ恰好はどうにかなら
﹁どうですか
﹂
お礼を言われて、照れる僕。そして、試作機を100m位でホバリ
﹁優しい鬼もいるんだな。孝美のこと、ありがとうな♪﹂
僕を恐怖の対象として見ず、憧れるような目で見ている美緒。
ごいや♪﹂
おいおい⋮まいったなぁ。それはす
﹁普通はアウトだよ。でも、僕は大丈夫。もう半分は闇属性だから﹂
?
?
?
?
499
?
バックさせた。これで、改良されるかな。僕達はキャッスルドランに
戻った。
﹁で、ネウロイについて、情報をください。攻撃方法を考えないとダメ
だろから﹂
会議室には僕のと美緒、孝美、ハニー、が集まった。
﹁彼女は僕の秘書兼研究チームの如月ハニーだ﹂
﹂
美緒、孝美にハニーを紹介した。
﹁彼女は魔力あるのか
美緒がきいてきた。
﹁私は魔力はありません。アンドロイドですから﹂
と、ハニー。僕から。アンドロイドの説明をした。
﹁機械人なのか⋮皮膚感が、私よりも若々しいのか⋮﹂
凹む美緒。それを笑って見ている孝美。
で、ネウロイについてだが、正体不明だそうだ。外形は金属で、一
見すると兵器のような生命体らしい。攻撃力は大きな建造物を一瞬
で破壊・消滅できる上、生物にとって有害な﹁瘴気﹂という物を蒔き
普通の生物で無いし﹂
散らかして進行して来るため、通常の人間では、遠距離からの攻撃し
かできないそうだ。
私とシュウは大丈夫でしょ
﹁瘴気対策は必要だな﹂
﹁うん
﹁シュウのアレで一撃じゃないの
﹂
か。魔力を纏わせれば、通常の刀や弾でもダメージは入りやすいと。
入らないらしい。魔力による攻撃に対しては抵抗力が無いのが救い
自己再生・自己改造する能力を持つため、通常の兵器では致命傷が
?
﹁﹃強奪﹄が効けば、楽だな。コアって、魔石かな ヘファイストスに
結晶︶を破壊されると無力化し、崩壊するようだ。
あと、確実な弱点は、コアと呼ばれる中核部分︵正十二面体の赤い
効率が悪いこと。連射も無理だし。
属性の攻撃魔法を、相手の防御力無視で撃ち込む。難点はエネルギー
アレとは、僕必殺魔法、ウルティマウエポンのことだ。相手の弱点
?
?
500
?
﹁まぁ、そうだけど⋮﹂
?
鍛冶してもらって試すかぁ﹂
僕はサンプルを得る為に転移をした。
﹂
転移をした先で、少女3名がネウロイと戦っていた。
﹁ニパとオレで突っ込む、ひかりは後方からヤレ
あっ⋮翼が有るの
!
いいなぁ♪﹂
リーダーらしき女性が声を張り上げていた。
あなたは
後方にいる少女の隣に並ぶ。
﹁え
?
﹁じゃ、またね♪﹂
少女に敬礼をして、転移をした。
ま
ウルティマウエ
﹁美緒お姉ちゃん⋮あんなにデカイってしらなかったよ⋮﹂
凹む僕。
﹁でも、﹃強奪﹄は有効だったんですね﹂
って、ハニー。
﹁そうだな、取り出して、ドランに砲撃してもらうか
ポンで破壊はできたけど、数がいたら、難しいし﹂
﹁魔力を刀に纏えば、良いと思うが﹂
た、試しに行かなきゃ⋮
│││雁淵ひかり│││
﹁おい、アイツは何者なんだ
﹂
美緒の案を試さなかった。そうか、妖刀で切れば、いけるのか
?
天使だと思います﹂
﹁初対面だったので、知りません。でも、綺麗な純白の翼だったので、
?
﹃ウルティマウエポン﹄を発動して、コアを破壊。
ジェット機くらい有る。キャッスルドランに収納もできないし。
フ ァ イ ス ト ス じ ゃ む り だ な。僕 に 近 づ い て 来 た コ ア は、ジ ャ ン ボ
﹃強奪﹄を発動して、コアを⋮おい、こんなにデカイのか⋮これはヘ
﹁この世界は僕達が平和にするよ。待っていてな♪﹂
?
私に近寄って来た管野さんにきかれるが、
?
501
?
﹁はぁ
天使なんか、実際にいねぇよ
夢でも見たんじゃないか
﹂
﹂
コアを遠隔で引っ張り出し
?
﹁転移魔法
﹂
高等魔法じゃないか⋮何者だ⋮とにかく、基地に戻って
﹁彼の足元に魔法陣がありました。たぶん、転移魔法だと思います﹂
前で消えた⋮いや、足元に魔法陣が⋮
管野さんもニパさんも混乱している。いや、私もだよ。突然、目の
て、破壊って⋮﹂
﹁あ ぁ ⋮ そ う な ん だ け ど ⋮ 何 者 な ん だ
﹁でも、直。彼が消えたのは見たよな。直も見ていただろ
!
?
報告だ。どう説明すれば、信じて貰えるんだ
?
?
状況把握が混乱したまま、基地へと帰る私達。
502
?
?
差し出す手は握られず*
﹂
│││エディータ・ロスマン│││
﹁で、パウラはどう思う
私を通称の﹃パウラ﹄で呼ぶのは、グンドュラ・ラル。ここ、連合
軍第502統合戦闘航空団の団長である。
﹁どうって、戸惑っています。坂本少佐と雁淵孝美さんが、消えたっ
て、未だに信じられません﹂
﹂
扶桑皇国の軍事施設から消えた二人。未だに、消息がわからないそ
うだ。
﹁あと、管野達が遭遇した少年はどう思う
﹁味方だ
﹂
に陥った。
グンドュラと二人だけの室内なのだが、一瞬空気が揺らめいた感覚
﹁敵か、味方かが問題だな﹂
﹁翼を持つ種族と言うのが信じられません﹂
しているのだが。
の三名が目撃している。その少年は翼が有ったと、ひかりだけが証言
ネウロイを簡単に撃破した少年がいたそうだ。管野、ニパ、ひかり
?
は、消息不明の坂本少佐だった。
﹁私達は味方だ。そんなに身構えるなよ、パウラ﹂
どう反応して良いのかが、わからない。グンドュラは口をパクパク
させている。言葉が出ないようだ。
﹁何だよ、幽霊でも見たような顔をするなよ﹂
幽霊じゃないだろ
はっはっはっ﹂
﹂
私に抱きついてきた坂本少佐。幽霊ではない。実体がしっかり有
る。
﹁なぁ
扶桑の
﹁で、用件なんだが、私達の部隊と同盟を組んでくれないか
豪快な笑い方⋮坂本少佐本人に間違え無いだろう。
?
?
503
?
私とグンドュラは、目を見張った。目の前に、忽然と姿を現したの
!
坂本少佐の部隊
?
?
?
﹁扶桑の部隊ですか
第3勢力
けで良いと思う﹂
﹂
﹁違う。私達は扶桑の軍から抜けたんだ。まぁ、第3勢力って位置付
?
ラ
﹂
管野達が会っただろ
翼を持つ少年
﹁うん
彼だよ♪﹂
ようやく、言葉が出たグンドュラが坂本少佐に尋ねた。
﹁少佐のボスとは、どのような人物なんですか
﹂
02と共闘して、データを得たいそうだ。どうかな、パウル、グンドュ
﹁で、現在の私のボスが、ネウロイの情報を収集したいそうで、是非5
?
?
か
﹂
グンドュラが疑問を感じた部分に、斬り込んだ。
回復特化のウィッチの治療でも、意識が戻らなかったのに
﹁孝美だ。彼の能力で、今は元気だぞ、はっはっはっ﹂
えっ
ると思う﹂
少佐が凄いと感じたなら、凄いのだろう。でも、どこの部隊だ
﹁少佐のボスが何者かわからないのであれば、手は組めません﹂
グンドュラが少佐に告げた。
そんな疑問を持った瞬間、少佐の隣に少年が姿を現
?
少年は、グンドュラの方に向き、
お姉さん、怪我をしているの
?
と、彼女の古傷を見抜いたようだ。彼女の隣に立ち、古傷の辺りに
﹁うん
﹂
﹁そのようだ。まぁ、幽霊扱いでは真実味は無いか﹂
少佐に微笑む少年。
﹁美緒、やっぱり、責任者の僕でないとダメだって﹂
した。
シュウって誰
だった。すまない﹂
﹁そうか⋮残念だ。話し合いで終わらせたかったのに⋮シュウ、ダメ
?
﹁今いる部隊は凄いぞ∼。たぶん、この世界で一番の戦力を持ってい
?
﹁先程、私達とおっしゃっていましたが、少佐以外に誰が抜けたんです
?
?
?
?
504
?
?
?
手の平を当て、念を込めているようだ。
﹁今は、このくらいしか治療できないけど、手を組んでくれたら、完治
させるからね♪﹂
僕達の戦力に興味無いかな
﹂
対戦して勝った
屈託の無い少年の笑顔、グンドュラの頬が少し紅色に染まる。
﹂
﹁まぁ、いきなり来て、手を組んでって、無理だよね
ら、この部隊に
僕達を居候させてくれないかな
対戦
﹁ペイント弾で空戦をしてみない
孝美⋮意識が戻ったのか
ンマンスタイルか
﹁えっ
﹂
腰にガンベルトを巻き、ピストルを左右に1丁ずつ差している。ガ
﹁シュウ、私、がんばるからね♪﹂
﹁テスト飛行では問題ないから、勝てるでしょう﹂
ハンガーに向かうと、見慣れないユニットを背負った孝美がいた。
││││││││
﹁じゃ、僕達もハンガーへ行こう。あっ、僕達から出す戦士は、孝美だ﹂
グンドュラも興味が有るようだ。
﹁パウラ、クルピンスキーを連れてハンガーへ向かってくれ﹂
興味は有る。
?
﹁お姉ちゃん
﹂
やかな笑顔。何かがふっきれた感じだ。
偽伯爵も驚いている。私だって驚いているわ。見た事のない晴れ
?
?
﹂
少年と話しこんでいた。
﹁孝美⋮目覚めたのか
管野が近づいていくが、
﹁まだ、味方として認められていない。だから、近寄るな
!
?
坂本少佐の一喝で、管野が固まった。
﹂
ひかり達も来たようだ。孝美はひかりの問い掛けをスルーし、あの
?
505
?
?
?
?
?
﹁少佐⋮なんで⋮﹂
驚きと困惑が交差していく。あのユニットは何
ピンスキーが、ストライカーユニットを装着した。
﹂
偽伯爵ことクル
﹁ペイント弾を撃ち込まれた方の負けとする。では、初め
﹁で、どうします
手を組みますか
﹂
えられる身体って、相当鍛えていないと。
だった。意識不明だった者の運動能力に思えない。あの加速度に耐
私達の前に置かれた現実に、誰も声が出ない。完全なる孝美の圧勝
﹁頭上から撃ち込んだから、脳しんとうを起こしたみたい♪﹂
下をして、彼女を救助して、私達の前に降り立った。
飛び立った伯爵は直ぐに海へと落ちて来た。上空から孝美が急降
つ前に、既に肉眼で見えない高さまで到達したようだ。
ユニットより遥に速い。後からスタートしたのに、伯爵が空に飛び立
グンドュラの合図で伯爵が飛び立つ。孝美も⋮始動加速が、従来の
!
?
﹂
彼らの足元に魔法陣が発現し、姿が消えた。
﹁そうですか。残念です。では、戦場では味方ではないってことで﹂
ない。
あの少年が、きいたきた。が、私もグンドュラもショックで声が出
?
坂本少佐や孝美が敵なんだ
│││││││
﹁なんで
?
ように、私達、幹部にきいてきた。ひかりは、俯いたままだ。彼女が
一番ショックだっただろう。
﹁彼女達が所属した勢力の正体がわらない以上、味方にはなれん﹂
!
優秀なウィッチが
﹁でもなぁ⋮坂本少佐や孝美は、変な勢力に手を貸すとは思えない
﹂
解せないのは、孝美は、どうやって目覚めたんだ
治療してダメだったんだぞ
?
グンドュラが体験したことを話し出した。
古傷が気にならなくなった﹂
﹁それについては、彼が回復持ちなんだ。私も先程、治療をして貰い、
!
506
?
会議室に皆で集まり、今日の事を話しあっている。管野が噛みつく
?
﹁少年で魔力があるのか
何者なんだ
﹂
あんな始動加速は見たこと
?
トは背中だった。
言うには、第3勢力だそうだ﹂
﹁もし作戦遂行中に、彼らと出くわしたら、どうするんだ
?
?
ば、そこそこな戦力になるか。
﹂
﹁問題は情報量が少ないことだよ。美緒、誰かいないかな
間になってくれる、現役の魔女は
僕達の仲
力の青髪ゼノヴィアを加えることにした。ここに孝美と美緒が入れ
攻撃部隊として、自前で飛べる僕、アイズ、シルキーの他に、高火
ておけよ。シルキーとアイズは自前で飛んでくれ﹂
上だし。さすが、スカさんだな♪青髪、ハニーの処に行って、採寸し
﹁テスト結果は思った通りだ。従来品より加速が良いし、運動性能も
│││シュウ│││
どうしたら、最良かがわかる者がいなかった。
と、実際に戦った偽伯爵から、きかれた。これにも誰も答えない。
しないんだが﹂
勝てる気が
﹁違うようだ。彼女達は、扶桑皇国の軍を抜けたようだ。坂本少佐が
﹁扶桑の秘密兵器ですか
﹂
私が反応した。従来のユニットは脚に装着するのに、孝美のユニッ
﹁私も見た事が無い。背中に背負うユニットなんか見た事無い﹂
ナ・ポクルイーシキンが声を上げた。
この部隊の戦闘隊長で、サーシャことアレクサンドラ・イワーノヴ
がないです﹂
﹁それよりも、あのユニットは何ですか
ニパがきいてきたが、誰も答えを知らなかった。
?
質問の意味が
?
が﹂
はぁ
情報を得たいのに⋮美緒も天然系なのかな
﹁う∼ん⋮そうだ、回復能力と料理だけは高レベルなヤツがいるんだ
?
507
?
?
﹁何て言うか、ここの食事は旨いんだが⋮和食が食べたいというか﹂
通じていない⋮
?
あぁ、この世界の扶桑って和の国のことだもんな。和食⋮僕も食べ
﹂
たいな∼僕の興味もネウロイの情報から和食に移っていた。
﹁その子の得意料理は
﹂
ねぇ、坂本さぁ∼ん﹂
?
ねぇねぇ、坂本さん﹂
?
﹂
﹁美緒、いきなりソレはダメよ。芳佳ちゃんって呼んでもよいかしら
﹁それよりも、ここはどこですか
美緒が芳佳に命令口調で指示をしている。
は、家事全般、特に料理が大事だぞ﹂
﹁宮藤、気をしっかりと持て。今日から、ここがお前の職場だ。任務
いきなり、連れて来られた宮藤芳佳はパニックになっていた。
﹁ここ、どこですか
│││││││││
﹁どこに行けば、その子を捕まえられる
も多い。これからの遠征に必要な人材だ。
そういう調味料は無いんだが、大豆や小麦に近いものは手に入ること
納豆が作れるなら、味噌、醤油も作れそうだな。別世界、異世界に、
﹁和食なら何でも大丈夫だ。納豆すら自前で作るし﹂
?
﹁ここって、どこですか
えることに。
﹂
﹁502から下原定子はどうだ
自信有りげに言う美緒。
﹂
?
また、そっち系か
﹁和食以外の料理もそつなく調理できる﹂
﹁その子はどんな子なの
﹂
孝美とガブに芳佳をまかせて、美緒と情報収集要員を、今度こそ考
﹁だから、美緒、それじゃ伝わらないわよ∼﹂
﹁宮藤、ここは私達が新たに配属された赴任地だ﹂
?
?
そこそこある﹂
﹁戦士としては、中の上だ。でだ、扶桑の学者一家の出なんだ。知識は
?
508
?
孝美が芳佳を優しく抱きしめて、心を静めていく。
?
﹁現状の情報はどうなの
﹂
﹂
て、頭はキレそうだけど、要領が悪いのか
﹁ロスマンっていう人は
小さい頃に大病をしたらしく、身体の造りが華奢なのが
幹部クラスだし﹂
﹁情報は持っていそうだよね
﹂
彼女が気になるのか
だけど⋮﹂
?
なるとは思えないが⋮﹂
﹁それより、孝美の妹はどうする
聞いた話だと魔力が少なく、戦力に
ゼノヴィアに臍の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。
皆まで言わなくても理解してくれるのは、ありがたい。シルキーや
﹁あぁ、交わらないと、浄化できないってことか
﹂
﹁気になるよ。あの子、心に闇を持っている。取り除いてあげたいん
﹁なぁ
?
イプではないので、作戦参謀止まりかな﹂
難点だが、ウィッチを育てる手腕はピカイチだ。ただ、前線に出るタ
﹁パウラか
?
食事を前面に出して、そういう重要な情報を後出しって⋮美緒っ
からな﹂
﹁それは、宮藤が最適だ。あいつはネウロイの巣に、唯一入った人間だ
?
?
﹁あっ⋮あぁ∼﹂
僕のチームは適材適所だから、戦
下。身体への負担は半端ないと思う。
巻は、あの急降下だ。肉眼で目視できない高さからの水面への急降
と思う。加速度が上がれば、それだけ身体への負担は大きくなる。圧
の動きではなかった。健常者でも、鍛錬を積まないとあぁは動けない
孝美の戦闘力を見れば明らかだ。意識不明で植物人間化していた者
出 な か っ た し。今 後 に 不 安 が 残 る。坂 本 少 佐 が 太 鼓 判 を 押 す 戦 力。
今夜は中々寝付けないでいた。孝美達にどう対応するかの結論が
│││パウラ││││
しい程度だよ﹂
力にならなくても、問題はないんだ。他の面で役立ってくれれば、嬉
﹁姉妹は揃っていた方が良いよね
?
?
509
?
?
?
考え事をしていた私に、異変が襲い掛かってきた。今までに経験し
たことの無い刺激、感覚。身体が空に浮かんでいるような浮揚感があ
る。
﹁いい⋮すごく⋮﹂
身体の中に何かが入って来て、蠢いている。でも、嫌ではない。気
持ち悪くもない。もっと、欲しいと思うってしまう。
﹁あぅ⋮そこは⋮はぅ⋮﹂
身体が芯から温かくなり、身体の奥深くで、コンコンと温泉が湧き
出るような感覚がある。頭はのぼせているようだ。耳や顔はきっと
赤いだろうな。
温泉が噴き出る度に、心にある闇が昇華していくようで、何か清々
しく感じている。
﹁お願い⋮もっと⋮奥へ⋮はぁ∼ぃぃ⋮﹂
意識が鮮明になる度
意識が鮮明になる度に、体位が変わっている。自分で自分の胸を⋮
これって、話で聞いていた自慰ってものかな
に、たまっていたイライラ、闇などが消えていくようで、心が軽くなっ
ていく。
口に何かを含み、舌でソレを舐める。その行為のお礼なのか、湧き
出た温泉が、音を立てて、啜られていく。啜られる度に、身体に力強
さが宿っていく感じがする。
﹁はぁ⋮はぁ⋮はぁ⋮﹂
息が荒い私。
﹁一 応、巣 く っ て い た 闇 は 昇 華 し き れ た と 思 う。で も、お 姉 さ ん の
ウィッチとしての寿命は、目の前だよ﹂
目の前に少年がいた。私の魔力が無くなることを言っているのだ
ろ う。そ の こ と は、私 に も 日 々 少 し ず つ、魔 力 が 消 え て い く の が わ
かっていた。
﹁ねぇ⋮ウィッチを引退したら、すべきことが分からない﹂
正体不明の少年に、相談するように言う。彼が何者かは、うっすら
だが、わかった気がしたから。
﹁お姉さんのしたいようにすれば良い﹂
510
?
では、明日の晩に迎えに来る。それまでに身辺を整理
﹁孝美達といたい⋮﹂
﹁それが望み
なんで赤飯なんだ
﹂
?
あの戦闘力は
﹂
える。彼女も闇を払ってもらったのだろうか
﹁どう思う
?
そして、孝美の根性をたたき直してやる
偽伯爵がみんなに問い掛けた。
﹁オレがぶっ飛ばす
!
?
﹂
いをスルーしたが、彼女の顔がうっすらと紅く染まっているように見
管野が食事を見て、そう言った。料理担当の下原定子は、管野の問
﹁うん
うって気にならなかったので、そのままにした。
次 の 日、ひ か り は 起 き て 来 な か っ た。誰 も 彼 女 の こ と を、責 め よ
││││││
目の前から少年が消えた。
しておいてね﹂
?
﹂
﹁第 3 の 勢 力 で す か ⋮ こ こ と 手 を 組 み 情 報 が 得 ら れ な く な っ ら か ら
息不明の原因だと思う﹂
﹁裏情報では、彼女は唯一ネウロイの巣に侵入したらしい。これが、消
と、グンドュラから報告がなされた。
不明になったそうだ﹂
﹁そうだ⋮この部隊とは関係はないが、501にいた宮藤芳佳が消息
そこだったかもしれない。
できないから。そのことを誰も指摘しなかった。一番のショックは
管野が答えた。たぶん、それは無理だ。私達のユニットでは、接近
!
?
﹁う∼ん、手を組むべきだったかな
││││││
﹂
珍しく、グンドュラの心が揺れていた。
?
思い詰めた顔をして﹂
その後、自由時間を経て、グンドュラの元を訪れた私。
﹁どうした
?
511
?
偽伯爵が推測を口にした。たぶん、正解だと思うけど。
?
私は無言で、一通の封書を彼女の前に置いた。
﹁なんだ、これは⋮﹂
封書の中身を見て、言葉を無くす彼女。
﹁そうか⋮﹂
﹂
﹂
悪趣味だわね﹂
﹁みんなには言わないで。私がいるうちは⋮﹂
﹁それでいいのか
﹁現役の前で、引退理由を言わせる気
﹁う∼ん⋮でもな⋮﹂
﹁わかった﹂
﹂
﹁そういうことだ。みんなに迷惑を掛けられない。老兵去るだけだ﹂
﹁魔力が減っているのか
﹂
﹁あぁ。日々、その変化が分かるくらいにな﹂
﹁教官として残れないのか
﹁でも、まだ⋮﹂
﹁完全に魔力を失うまで、ここにいろと
﹂
?
﹁転職先は見つけてある。雇ってくれるみたいだよ﹂
﹁今後はどうするんだ
それは無理だよ﹂
﹁ウィッチで無い者が、ウィッチを教えるのはダメでしょ
?
﹁どうする
﹂
らずに侵入した。そして、目的の部屋に行く。
夜になり、勝手知ったる他人のなんとかって感じで、誰にも見付か
│││シュウ│││
?
?
﹁一緒に行く⋮私はこの部隊でお荷物かもしれないし﹂
﹁わかった﹂
彼女に抱きつき、魔法陣を展開して、転移しようとした瞬間。
﹂
!
一緒にお城に転移
﹁ひかり、大丈夫⋮おい、ひかりをどうするつもりだ
魔法陣に一緒に入った巨乳の子。この子は誰
をした。
?
512
?
﹁最後くらい、私のやりたいようにさせて。ごめんね﹂
?
?
部屋の主に尋ねた。布団の中から這いだしてきた部屋の主。
?
││││││
﹁なんで、ニパさんまで
﹂
ねぇ、パウラ﹂
ついていない
﹂
アレがか
?
なければ、玩具にするけど﹂
苦笑いしている巨乳でボーイッシュな少女。
﹁使い道はあるの
﹁玩具になるかも妖しいわよ﹂
随分な言われ方をしている少女。
﹂
﹂
﹁強力な回復能力を持っているけど、彼女限定なのよ﹂
ここはどこかな
それは、使い道が無いな。
﹁で
ついていない少女がきいてきた。
﹁知らないで付いて来るって、お前、バカだろ
﹂
いや、少女なんだから、わざわざ言わな
いていない﹄カタヤイネンよ﹂
﹁ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン。通称はニパ。二つ名は﹃つ
﹁この子は誰
ひかりも驚いていた。
予定外の人物まで、お持ち帰りをして、本来のお持ち帰り予定者の
?
﹁運がついていないの。被撃墜率はダントツ1位じゃないかな
﹁何がついていないの
いでも良いだろうに。
?
?
坂本少佐、それはあんまりな言い方ですよ。ははは﹂
?
?
?
い﹂
﹁定子さんは、厨房に行って。芳佳さんがいるから、今夜からお願いね
♪﹂
孝美が指示を出してくれている。
﹁お姉ちゃん∼﹂
ひかりが孝美に抱きついた。
﹁もう、恥ずかしいわ。そういうのは部屋でしなさい、ひかり♪﹂
513
?
美緒が、ストレートな言い方をした。
﹁えぇ
?
?
﹁ニパ。私はもう軍人では無い。だから少佐はヤメテくれ。美緒で良
?
この子はどうする
孝美はひかりを優しく抱きしめた。
﹁で、ニパだっけ
﹂
?
﹂
フィンに行動が読まれていた。
﹁だって、使い道ないんだろ
超回復持ちなら、多少手荒に扱っても大丈夫じゃないか
?
?
﹁ここは
﹂
││││││
なぁ。試食をするために、ニパを教育部屋に連れて行った。
他人事だと思って、酷いことを言っている美緒。でも、それはある
﹁うん
﹂
﹁ここから、落とすなんて、非人道的な行動はやめてくれよ、シュウ﹂
と。
自分限定の超回復能力持ちなら、ここから落としても大丈夫かなっ
?
どうするの
﹂
?
下腹部を弄ってみる。無反応⋮デカい胸がベ
?
みたいだ。攻めあぐねる。どうするよ
一応、聞いておくけ
あやうく、僕のアレは膜と一体化するところだったよ。初
!
めて、エロ行為で恐怖を感じた僕。
どうするの
﹁はぁ、お姉さん、使い道が無いよ
?
﹂
ど、そのデカい乳房は乳が出るの
?
険だろう
後ろから差す。破った膜が破ったそばから再生していく。これ、危
﹁どうするんだよ∼今度は何さぁ∼﹂
だ。彼女を四つん這いにして固定する。
入れてみようと思うが、胸がジャマで入らない。どうする⋮そう
?
ランダのように突き出し、下の階で何をやっているのかが、見えない
感度はどうなんだ
カ過ぎるのも萎えるなぁ。
カい胸。着太りするタイプだと思ったのに、見たまんまだ。う∼、デ
何だよ、この胸の大きさは⋮デカいにも程はあるだろうって位、デ
﹁全裸だよ∼何をするんだよ∼﹂
着ている物を﹃強奪﹄で、剥がしていく。
﹁え∼
僕は、テキパキとニパの手足の自由を奪った。
?
?
514
?
?
﹁出ないよ∼身籠もっていないし∼﹂
いや、ウィッチを引退するまで、身籠もることは無いと思う⋮悦び
を感じられない、こんな不便な能力ってあるんだ⋮初めて何も出来ず
に、僕にとっての強敵を前にして凹む。
﹂
みんなの居る処に戻った。
﹁ニパはどうだった
どういうことだ
﹂
?
﹁で、ニパ
﹂
い打ちを掛けるように不感症だし。はぁ∼﹂
﹁破って侵入したそばから再生って⋮どうなのよ、って感じです。追
パウラにまで言われるニパ。
﹁ニパ⋮ついてないなぁ⋮﹂
実体験を報告した。
﹁え
﹁ダメ⋮惨敗です。性行為が出来ない女性に、初めて出逢いました﹂
美緒がきいてきた。
?
とは付き合えないなんて⋮
ひかりと下原とロスマン先生が、裏切っただって
服も返却されたので、着衣をして、管野の部屋へ。
﹁へ
﹂
あったとは⋮少女としてダメじゃん。ウィッチを引退するまで、異性
全裸でひかりの部屋に戻された。私の固有魔法には、そんな弊害が
│││ニパ│││
﹁返品してきた⋮502に⋮﹂
?
た。
﹁なんで
なんで、私は連れていかれないんだ
管野が新しい切り口で、事件を語り出した。
﹂
?
ルイーシキンさんの部屋を訪れた。そして、不名誉なことは隠して、
二人で、サーシャさんこと、アレクサンドラ・イワーノヴナ・ポク
﹁ひかりより、使い道あると思う。いや、下原よりもだ
﹂
私だけ返却された理由は黙って、その他の知っていることを話し
?
!
?
515
?
?
彼女にも事のあらましを説明した。
﹁えっ⋮ロスマン先生まで⋮どうして⋮﹂
そして、事態は大きくなっていく。プンスキー伯爵こと、ヴァルト
ルート・クルピンスキーと、グンドュラ団長にも知らせて、緊急会議
にまで発展した。
﹁そうか⋮パウラはそうしたのか⋮﹂
﹂
団長が達観したように言う。
﹁知っていたのですか
いや、あそこに行くとは聞いていないが、退団届けは受理し
﹂
?
﹂
窓を見る暇が訪れなかったから⋮﹂
管野に聞かれた。どこ
﹁どこだろうね
家の造り位、わかるだろう
あぁ、そういうことか⋮
﹁はぁ
?
﹁で、ニパ。アイツらの拠点はどこにあったんだ
ロスマン先生は、あそこでウィッチから一般人に戻るのか。
ウィッチのうちに、ここを去りたいってね﹂
た。日 々、魔 力 が 減 っ て い く の を 実 感 し て い た よ う だ。せ め て、
﹁うん
サーシャさんがきいた。
?
﹁お城
どこのだ
﹂
かったけど。転移した先には玉座があったような⋮﹂
﹁お城みたいだったよ。私だけ地下牢に入れられたから、歩き回れな
?
?
⋮
だ
あんな能力じゃなかったら、ひかり達といられたのに⋮まったく
管野が呆れている。確かに使えないよな。なんで、あんな能力なん
う∼﹂
﹁ニパ⋮お前、ついていないだけでなく、使えないな∼、まったく、も
からないし﹂
﹁わからないよ∼転移魔法で連れ出されたんだよ。移動経路なんかわ
?
団長が何かに気がついた。
﹁サーシャ、クルピンスキー、管野。出撃だ。目標は基地の上空だ。行
516
?
?
?
﹁う∼、転移魔法か⋮それがヒントだな﹂
?
﹂
けるだけ上空へ行け
らうよ﹂
?
それが、彼を倒す糸口なのか
まぁ、彼女にとっては不名誉な理由で、勝てた
ニパさんにやられた
え
言っていないの
﹁え
﹂
なんだ
?
からかな
不名誉な理由
﹁えっ⋮あぅ⋮﹂
?
?
いた。
?
落ちていく。
クルピンスキーさんは⋮全裸にされた。着ていた衣服が、地上へと
﹁どういこととだ
﹂
りが良くない。他の2名も同じみたいだ。管野さんが一番同様して
有り得ない感覚を感じた。下着が脱がされたみたいだ。胸の収ま
?
?
そんな報告は為されていない。
﹁ここからは、僕が相手だ。ニパにはやられたが、仕返しは、させても
展開した少年がいた。
って、少年の声が聞こえた。私達よりも上空に、純白で美しい翼を
﹁なんだよ。バレたのか。さすがは魔女だよな﹂
く。まだ、何も無い。
滑走路から飛び立ち、基地の上空に向かう。空気が薄くなってい
│││サーシャ│││
三人が、ハンガーへと飛び出していった。
だ。海を移動していれば、映るからな﹂
﹁まだ、上空にいるはずだ。レーダーに映らないのは、真上にいるから
団長以外の皆がはっとした。そういうことか。
とだ。ここに来る為には、海を移動するか、真上から降りるかだ﹂
れから分かるのは、初めの1回は、転移せずに、ここに来たというこ
を彼らは着たことが無いので、知らないはずだが、転移してきた。そ
﹁転移魔法陣には、飛び先の座標を書き込む必要がある。ここの座標
サーシャさんがきいた。いや、私にも意味がわからない。
﹂
﹁どういうことですか
!
?
517
?
?
﹁男装の麗人
それは、おいしそうだね﹂
に視界から消えていた。
﹁君は、どこまで耐えられるかな
目の前がまっくらになった。
?
﹂
﹂
﹁大丈夫か
かりがいた。
目が覚めるとベッドに寝ていた。周囲には、パウラと美緒、孝美、ひ
﹂
クルピンスキーさんは、恍惚な表情で落ちていった。管野さんは既
﹁あぁ⋮ダメ⋮やめ⋮ろ∼﹂
?
好み
?
っと、パウラが指差した先には、あの少年がいた。私の右胸を両手
﹁私達のボスのだよ﹂
﹁誰のですか
﹂
﹁サーシャだけ、助けてくれた。後の二人は、好みで無かったようだ﹂
﹁ここは
?
で抱えて、乳首を咥えるようにして、スヤスヤと寝ていた。
518
?
?
強敵にリベンジを*
│││シュウ│││
今回の強敵は手強い。リベンジをしないと、エロ神を名乗れない気
がする。ウィッチーズの作戦参謀のパウラ、攻撃隊長のサーシャを仲
間にしたことで、僕のチームに作戦参謀室という部屋を設けた。今ま
では、フィンだけだったので、特にそういう部屋は儲けていなかった。
フィンは固い事を言わなかったし。しかし、軍隊上がりの二人に加
﹂
え、美緒、孝美も固い事を言うし。まぁ、あって困る部屋では無いの
で、新設したのだ。
﹁ニパの事より、ネウロイはどうするのだ
﹂
﹂
から、結果は予測できないけどね﹂
﹁作戦は出ているの
パウラが聞いてきた。
﹁出来ている。数に限りがあるんだよね
﹁そのはず﹂
﹂
﹁うん、ソイツが来れば、容易いはずだ。まぁ、正体がよくわからない
﹁援軍
﹁ニパに比べれば、容易い敵だ。今、援軍が来るのを待っている﹂
美緒が本来の敵のことを持ち出して来た。
?
﹂
?
﹁星を移動
そんなこと出来るの
﹂
僕の周囲にいる魔女達が驚いている。
の星には来られないからね﹂
﹁この世界のある星を移動させたから、ネウロイの巣が転移しても、こ
孝美がきいてきた。
﹁なんで、言い切れるの
﹁じゃ、今出現している巣を狩れば、もう出て来ないよ﹂
?
?
?
くれたんだ。今回の事案を案件にしたのは、上司だし﹂
﹁う∼んっと、僕の能力じゃ無理だけど、上司に申請したら、移動して
パウラがきてきた。
?
519
?
﹁⋮﹂
魔女達が戸惑っているようだ。理解の範疇を超えたのか
﹁ねぇ⋮シュウ君⋮君は一体⋮﹂
﹂
小学校2年生だけど⋮﹂
孝美がきいたきた。
﹁僕
﹁そうじゃなくてだ
?
﹂
美緒がキレかかっているようだ。美緒ってキレること有るんだぁ
∼。
﹁ねぇ、あなたの上司って
﹂
ドエスだよ。まったく、もぉ∼﹂
パウラがきいてきた。
﹁話の核心を避けているのはどうしてだ
?
﹂
どういう存在なんだ
で、あなたは誰で
?
﹂
定子が口を開いた。あぁ、学者一家の出だもんな。知っているのか
﹁絶対神⋮宇宙の理を決める神様⋮﹂
﹁彼は、私より上の階位の神です。絶対神と呼ばれる存在なんですよ﹂
美緒は理解の範疇を超えたのか、意味も無く豪快に笑っていた。
﹁はっはっはっ⋮﹂
無いのに聖書の神って名乗っている場合もありますから﹂
﹁それは、世界によって違います。男性が神の世界も有りますし、神で
﹁えっ⋮聖書の神って、女性だったの⋮﹂
﹁あのって言われると困りますが、私の場合は所謂聖書の神です﹂
サーシャがいち早く現実に戻って来て、質問をした。
﹁神⋮って、あの神ですか
また、魔女一行様達の理解の範疇を超えたようだ。
﹁⋮﹂
﹁私は別の世界の神、メイビス。彼の下僕です♪﹂
すか
﹁言っても信じて貰えない
って、僕の隣に転移してきたリーラ姿のメイビスが答えた。
﹁それは、彼が言っても信じて貰えない存在だからです﹂
?
﹁僕の上司
孝美が優しい口調で再度きいてきた。
?
?
?
520
!
?
?
な。
﹁上司って、その上の神⋮数ある宇宙を束ねる宇宙神⋮﹂
﹁定子、正解だ。だから、この星は所属する太陽系ごと、違う宇宙に転
移させた。そう、僕の管理している宇宙にね。だから、ネウロイは宇
宙を転移できないから、この星には来られないんだよ。もし、来よう
とすれば、宇宙と宇宙を行き来できる次元の狭間というエリアで、叩
僕の正体に気づいて
くから。そのエリアには、僕のチームが展開して、維持、管理してい
﹂﹂
るんだ﹂
﹁﹁え∼
魔女一行様が全員、驚きの声を上げた。あれ
いたんじゃないの
﹁す、すみません⋮っご、無礼⋮な態度で⋮﹂
冷静そうなサーシャがパニックっている。
﹁そんなに畏まらないで∼、僕は、僕を神として否定している。だか
ら、今まで通りで良いんだよ﹂
﹁私⋮神様と⋮﹂
孝美まで、パニックっているようだ。
﹁そうだな⋮エロ神とでも、思っていてくれれば良いよ。戦闘時以外
は、みな同じ立場で良いって思うんだ。誰がエラいって、言うのはナ
ンセンスだよ﹂
メイビスが、この城の住民のだいたいの説明を、僕に代わってして
くれた。まあ、彼女も神であるので、魔女一行様は畏みまくっていた
けど。
﹁では、これからも、よろしくお願いします。我々、ウィッチーズは、
パウラが代表で、改めて挨拶をしてくれ
チームウィッチーズとして、シュウ様に仕えます﹂
っと、現状で一番エライ
た。
ヤマト、愚問を疑問にしたらダメだ
?
た。
﹁うん
女性の方が良いでしょ
待ち人のヤマトがやってきて、賑やかさに圧倒されているようだっ
﹁団長⋮また、女性が増えていますね⋮﹂
?
521
?
?
!
?
よ♪﹂
﹁まったく、団長と来たら⋮﹂
﹁援軍に来て頂いた、この方はどなたですか
パウラがきいてきた。
﹂
作戦参加者で、自前で飛べない者は、スカさん作成のストライカー
│││││││
そして、ドラン君にネウロイの巣の正面に、行ってもらう。
も、忍もオーフィスも焼き餅を焼く心配はない。
エネルギーを、吸収して貯蔵できる。なので、多少デレデレしていて
丈が同じくらいなので、抱き抱えられないから。彼女は僕の漏出する
僕は本来の姿に戻り、彼女を抱き抱えた。小学校2年生姿では、背
﹁魔力の調整を頼みたい﹂
持ち主である。
るが、戦闘力になると、アイズですら足元にいられない程の破壊力の
剣の切っ先でツンツンするアイズよりは、ツンデレ危険度は低めであ
たけど。で、言葉はツンツン、態度はデレデレのツンデレ精霊である。
実際には、神とは主従関係になれないので、下僕契約になってしまっ
彼女はベアトリス。エミリアの世界にいた精霊だ。僕と主従契約⋮
言葉と裏腹に、笑顔の少女が僕に抱きつき、頬を擦り寄せてきた。
ら﹂
﹁ちょっと、馴れ馴れしいかしら。手伝うって思わないでほしいかし
書庫の奥から、少女が近づいて来た。
﹁ベアちゃ∼ん、手伝ってほしんだけど∼♪﹂
書庫に向かい、目的の人物を呼び出す。
││││││
達、慣れるのに時間がかかりそうかな
凹むヤマト。再度、理解の範疇を超えてしまった魔女一行様⋮彼女
﹁団長、そういう紹介は⋮﹂
君だよ∼ん♪﹂
﹁鷲尾ヤマト。僕のチームの副団長だよ。素性は⋮救世主の双子の弟
?
ユニットを、装着していた。ちなみに、採寸して作ってあるので、自
522
?
分以外のユニットは装備できない。
﹁まず、ラムとひかり、巣の上空に行き、ラムは巣の中心に雷撃、ひか
りはラムのガードだ。雷撃が放たれたら、戦いの始まりだ。二番手は
エミリアとペック。巣を氷結させてくれ。氷らす前に巣から逃げて
しまったネウロイは、遠くに逃げないように、遊撃部隊として、サー
シャ、孝美、美緒、アイズ、ゼノヴィアにその任をまかす。三番手は
僕とヤマトだ。﹃強奪﹄でコアだけを巣の外に出し、シルキー、僕とベ
アトリスで﹃ダイヤモンドダスト﹄で破砕する。芳佳は後方で回復部
隊だ。定子は、食事の用意を頼む。いいか、定子、食事は大事なんだ
﹂
よ。食事が良ければ、また食べたいと思い、生存率は上がるんだ。死
んだら、定子のおいしい料理を口にできなくなるから﹂
﹂
﹁はい♪今日はトン汁にしますので、作戦、がんばってください
頷く作戦参加者達。
﹁じゃ、行こうか。腹減ってきたよ
│││ニパ│││
軍法会議まがいの会議で、被告人席にいる私。あの少年を撃破した
!
サーシャが、捕虜にさ
ことを報告しなかったことに対する会議のようだ。
﹂
﹁なんで、倒したのなら、そうといわないのだ
れただろうが
﹁で、どうやって、倒したんだ
﹂
団長の目付きがいつになく怖い。マジ怒りか
?
ニパ
﹂
り、超プライベートなことだ。
﹁おい、言えよ
どういう意味だ
情報を秘匿するのか
﹂
ナオの目付きも怖い。全裸にされて、落とされたからな⋮
!
?
﹁言えないです⋮言いたくないです∼﹂
﹁はぁ
?
突き刺さってくる。
ジリジリジリーン。内線電話のベルが鳴り、団長が受話器を取り、
523
!
あ⋮言えないよ∼それは少女から脱皮できるかどうかの問題であ
?
?
!
!
そんな大それた話で無いし⋮みんなの目付きが怖い⋮私の身体に
?
なんだって⋮ネウロイの巣が消えただと
本当か
﹂
?
連絡事項をきいている。
﹁え
?
﹁で、どういうことだ
﹂
﹂
部屋には私と団長だけになった。団長だけならいいか
そんなことなのか
ましを話した。
﹁はぁ
涙目の私は頷いた。
?
?
リベンジに来たよ∼♪﹂
身体の芯が暖かくなっていき、頭がのぼせたようになり、耳が熱い。
﹁あぁ⋮あれ⋮なんか、暖かい⋮﹂
し、次第にその気持ち悪い刺激が、気持ち良いものになっていく。
いう穴に入って、私の身体の中で蠢いている。気持ち悪いよ∼。しか
真っ黒な人が私を押し倒し、無数の黒いラインを生やして、私の穴と
に彼は、
﹃カオスモード﹄と叫ぶと、彼は真っ黒な人に変身した。その
﹃身体停止﹄と彼が叫ぶと、私は身体の自由を奪われた。動けない。次
かせてくれよ∼﹂
﹁再生する膜に対抗できる手段を持って来たよ∼恐怖に震える声を聞
胸の収まりがぁ∼
来襲に、心の準備が出来て無かったのかもしれない。って、いきなり
じゃ、本当に巣は消えたんだ⋮団長の表情は固まっていた。突然の
いいって。うん、無事に1つ消滅させてきたよ﹂
﹁ネウロイの巣を試しに1つ消滅させたら、ニパとリベンジして来て
私の背後から、あの少年の声がした。振り返ると、彼がいた。
﹁ニパ
はい、ついていない、使えないの代名詞です。凹む私。
ていないな、お前は⋮﹂
﹁う∼ん⋮確かに、みんなの前では言えないな⋮はぁ∼。本当につい
?
事のあら
団長の命を受けて、三人がハンガーへと急いで出て行く。
野、クルピンスキー、ジョゼ、確認をしてきてくれ﹂
﹁ここから一番近いネウロイの巣が、レーダーから消えたそうだ。管
受話器を内線電話に戻し、私達を見回し、
?
﹁ニパ⋮神経を改善させたよ。性的刺激に敏感にしてやったよ。ふふ
524
?
!
性的刺激に敏感
⋮
?
ふ﹂
黒い人が不敵な笑い声を放ってきた。うん
不感症が治ったのか
?
時の幻の棒で乗り切った。
﹁で、団長さんはどうされたいんだ
もう一人の獲物に尋ねた。
﹁手を組もう⋮﹂
もう手を組む必要は無い。ネウロイ対策は取れた。君達は、
?
よう♪﹂
﹂
﹁良い眺めだ。壁のオブジェとして、そこにいれば良い。では、ご機嫌
全裸にした団長を、念動力で壁に叩き付けて、埋め込んだ。
﹁ぐぁっ∼
僕達がネウロイを撲滅するまで、大人しくしてもらおうかな﹂
﹁はぁ
﹂
んではいないからいいか。で、あの再生膜対策は、
﹃ビーストモード﹄
精魂尽きたニパが床にのびていた。ぴくちとも動かない。まぁ、死
│││シュウ│││
だ。乳房を揉まれる度に、何かの液体が乳首から放出されていた。
乳首を何かの液体が通過していく。それが、とても気持ち良いの
﹁うわぁ⋮もっと吸って⋮﹂
乾いた肉を叩く音に、湿り気が帯びてきたようだ。
気持ち良さに酔い始めた。口元からヨダレが垂れている気がする。
﹁あぁ⋮痛気持ち良い⋮もっと、差して⋮﹂
﹁痛みが気持ち良さに代われば、お前はマゾっ子に変身だな。ふふふ﹂
痛がリズミカルに感じる。
り、下腹部に激痛が走る。何かが、子宮の奥を突いているようで、激
﹃ビーストモード﹄と彼が叫ぶと、黒い人は狼男に変身した。いきな
﹁じゃ、恐怖も感じてもらうかな﹂
天に昇るような、いや幽体離脱しそうな感覚だ。
﹁あっ⋮おかしくなりそう⋮ダメだよ∼﹂
治っただけでなくて、感じ易くしてんだよ﹂
﹁ニパ、頭が悪いのか
?
!
525
?
?
│││ニパ│││
帰還したら、床にお前が倒れていて、
意識が戻ると、医務室のベッドにいた。隣のベッドには団長が横た
わっていた。
﹁おい、ニパ。何が遭ったんだ
え
団長⋮
﹁誰にやられたんだ
体液塗れだったぞ﹂
団長は壁に埋め込まれていたんだ﹂
?
﹂
﹁そうか、彼らがネウロイの巣を⋮で、502にも攻撃をしてきたのか
﹁あの少年⋮ネウロイの巣を消滅させたって⋮﹂
クルピンスキーさんにきかれた。
?
?
真実を言えない⋮まさか、不感症を治しに来てくれたとは、言えな
﹂
戦えるのはオレと偽伯爵とジョゼだけかぁ⋮﹂
いよな。ここは否定も肯定もせずに、無言で通そうかな。
﹁くそっ
ナオがくやしそうに言い放った。
﹁そういえば、仔猫ちゃんはどこだ
﹁知らない2匹の仔猫ちゃんに⋮まさか、弄ばれるなんて⋮﹂
れた。
次の日、クルピンスキーさんが見るも無惨な体液塗れの姿で発見さ
から、手を差し出したのだが、今更っていわれたよ⋮﹂
﹁すまない。判断ミスだ。あの時、手を握っていれば⋮今回はこちら
団長が弱々しい声を発した。
﹁ジョゼもか⋮﹂
﹁はぁ⋮いない。どこにもだ。連れ去られたようだ⋮﹂
れて戻って来たナオ。
い。まさか⋮ナオが、探しに出て行った。しばらくすると、首を項垂
クルピンスキーさんが周囲を見回す。そうだね、ジョゼさんがいな
?
!
主導権を取れなかったことで、ダメージ倍増なクルピンスキーさ
ん。
526
?
│││シュウ│││
順調にネウロイの巣とネウロイを抹殺していた。そんな中、性的二
刀流コンビがクルピンスキーを食してきたようだ。あと、管野ってい
う子だけだな。好みでないし、スルーかな。
巣も残すところ、後1つになった。そろそろ、この世界からの離脱
の準備を始めるかな。さてと、誰をお持ち帰りしようかな
チームウィッチーズを集めた。
﹁この世界に残りたい者は、ここに駐在してもらう。駐在しても、僕達
の仲間であることに違いはないので、一緒に来た者だけ、申告してほ
しい﹂
と、彼女達に伝えた。魔女ではなくて、ただの異能者だし。無理に
連れ帰ることもないかなって。料理上手な定子と芳佳だけ、お持ち帰
りしたいなぁ。二人に相談をしに行く。
まず、芳佳だ。
﹁う∼ん⋮うん、決めました。付いて行きます。初めてです。私を必
要って言ってくれた人は♪﹂
﹁遠征先で、醤油、味噌、納豆を作ってほしい⋮﹂
﹁了解です♪﹂
次に定子。
﹁連れて行ってください。お願いします﹂
って、即答だった。
﹁食事の重要性を、あんなに熱く語ってくれるなんて⋮戦闘調理師を
目指したいです♪﹂
と、お持ち帰り要員を回収できそうだった。満足げに、自分の部屋
に戻ると、残りの魔女達が待っていた。
﹁私達も連れて言ってください。お願いします﹂
って、代表でパウラが言って来た。
﹁一緒に来ると、帰りたい時に戻れないけど⋮﹂
527
?
﹁あのまま手立ての無いまま戦えば、非戦闘員の犠牲者が増えたと思
う。それをこんな短期間で⋮この世界の者として、仕えさせてくださ
い﹂
パウラが僕に頭を下げると、この場にいた魔女達が一斉に頭を下げ
た。
﹁う∼⋮あんなこと、こんなことしちゃうかもしれないよ∼﹂
﹁かまいません。既に皆一度は体験済みですからね♪﹂
って。まぁ、そうだけど⋮
﹂﹂
﹁一緒に、困っている人達を救う旅に、ついていきたいです。お願いし
ます﹂
﹁﹁お願いします
﹁そう⋮わかった。あ⋮あと一人、狩ってこようかな﹂
彼女達の決断も無下にできないな。なので、受け入れた。で、もう
一人。連れて行きたいも者を求めて、僕は502の基地に転移をし
た。
まず、団長のグンドュラを古傷を完全に治した。気がかりだったか
らね。
﹁約束を護ってくれたんだな﹂
﹂
﹁もうすぐ、ここを離脱するから﹂
﹁みんな連れて行くのか
﹁希望者だけだよ﹂
﹁そうか⋮達者でな﹂
﹂
私、ついてない、使えない女だよ∼﹂
﹁適材適所だ。それに、もう使えるでしょ
﹁いいのかい
││││││
そして、目的の人物の元へ⋮
﹁そちらもね。また、遊びに来るから♪﹂
?
手術すら、出来ないでしょ
﹂
﹁そんな厄介な能力持ちを置いていけないよ。うかつにやって、癒着
したら、どうするのさぁ
?
?
528
!
僕の一言で、顔と耳が真っ赤になったニパ。
?
?
﹁あぁ⋮そうだね⋮相手の物を斬り落とすしかないもんな∼﹂
たぶん、ニパの身体は手術ができないだろう。メスで切った傍か
ら、再生しちゃうから。そうなると、男の方を根っこから切らないと
⋮そんな危ない罠を置いてはいけない。ニパをお持ち帰りして、最終
決戦に向けて、休養を取る。
│││││││
魔女のいる世界でやることをやって、帰宅をした僕。定子と芳佳の
厨房係と、ひかり&孝美姉妹と美緒、ジョゼを連れて帰った。残りの
者は、ドランで待機にした。いきなり全員を連れ帰ると、誠がビック
﹂
リするから。まぁ、徐々に家に持ち帰ろうと思う。
﹁シュウ⋮また、お持ち帰りか
家に着くなり、誠がずいぶんな言い方をしてくれる。家族と住民達
に彼女達を紹介した。
﹁美緒以外は、厨房要員だよ。ジョゼと芳佳は回復要員でもあるけど。
美緒は剣士組で、鍛錬もらう﹂
いきなり、トレーニングルームでは、アレかなっと思って、道場に
つれていく。きりんちゃんに頼んで、芳佳、ひかりには、基礎的な剣
﹂
術を教えて貰えるようにした。
﹁なんか、みんな凄くないか
﹁﹁え∼
らね﹂
﹂﹂
﹁私も習って良いですか
しますから﹂
って、定子。
食事の支度には支障を、きたさないように
?
529
?
﹁まぁ、みんな免許皆伝クラスだからね﹂
美緒が目を白黒させている。
?
﹁でも、戦士としては美緒と孝美の方が上だよ。経験の多さが違うか
美緒と孝美が驚いている。
!
﹁良いよ♪﹂
530
魔女達の参加している道場での練習を見ながら、次の手立てを考え
る。次はどこで鍛錬したり、お持ち帰りしようかな
?
ニパ最強説*
│││シュウ│││
私だけ⋮ひどい∼﹂
もうすぐ、小学3年生になれる頃、リビングで一人の少女が泣いて
いた。
﹁何で
当分、泣き止む気配は無い。その少女を取り囲むように、小学生が
群がっていた。事の発端は、遥達が僕との年齢差を気にして、せめて
1つ上にして欲しいと懇願したことだ。確かに年齢管理という意味
では、それは楽だと思うので了承して、彼女達の年齢、姿を調整して
いった。
結果、1つ上になったのは、遥、クローディア、刀華、美緒、孝美、
パウラ、サーシャ、定子のお姉様キャラだ。あとは僕と同学年である。
チーム美少女剣士とチームウィッチーズだけが対象である。そんな
中、母親の一香が、ドサクサに紛れて若返ろうとしていたが、スルー
した。
しかし、問題が発生した。あの﹃ついていない﹄ニパが、例の能力
により、実年齢相当でしかいられなかった。聖杯の効果を無効にする
能力って、ラスボスだと思う。怖ぇ∼。
﹁一瞬、幼くなるけど、元に戻るんだもの。聖杯の効果を無効にすると
なると、手立てはない。ウィッチとしての能力が無くなったら、幼く
それじゃ、みんなと年齢が⋮いや∼﹂
してやるよ﹂
﹁え
有り得ないよ∼みんなと通いたいよ∼﹂
そうそ
の巨乳である。そんな胸の小学生はいないし。う∼、せいぜい高校生
かな⋮
﹁私だけ高校生
話し合う程、火に油を注ぐ感じがする。どうしたもんかな
は競泳水着のように肌に密着して、空気抵抗を減らしたユニフォーム
アイズの服と同じように、背中側の肌を出来る限り露出させて、胸側
う、問題はもう1つあった。スカさん特製のストライカーユニット。
?
?
531
?
この見た目で小学生は無理だし。ニパは、我が家でもトップクラス
?
とセットにしたのだが⋮ニパの胸が大きすぎて、どう計算しても空気
抵抗が減らなかったのだ。
﹁私も同じユニットがいいのに∼﹂
って、言われても⋮本当に﹃ついていない﹄女だな。なので、ニパ
だけ旧来タイプの脚に嵌めるタイプになった。
﹁う∼なんでよ∼﹂
って、言われてもなぁ⋮流石、僕にとってのラスボスだ♪そのつい
てなさに勝てる気がしないし。
﹂
﹁まぁ、その胸があるから、ラスボスなんだし﹂
﹁なんで
﹁その胸が防弾チョッキ代わりなんだよ。ニパを殺すには一瞬で心臓
ねぇ、殺さないで∼﹂
の機能を奪う必要があるけど、透過攻撃以外だと、攻撃が心臓に到達
するのは困難だよ﹂
﹁シュウ⋮透過攻撃持ちだよね
﹁え
それって、私の将来はゾンビ⋮いやだよ∼﹂
倒すことは困難になるし、ゾンビの仲間はいらいし﹂
﹁殺さないよ。殺すとニパは、絶対に死なないゾンビになるし。更に
?
れるのを待つことに。その待っている最中に、スクランブル要請が
入った。
﹃ネウロイが再生しました。先日、倒した数個のネウロイの巣が1つ
に合体再生したようで、最大級のネウロイの巣が発現しました。スク
ランブルをお願いします﹄
ネウロイってコアを壊すだけじゃダメなの
﹂
連絡係のハーフガーゴイルのナヴィから、内容が伝えられた。
﹁再生
?
るのよ。で、厄介なのは、巨大コアの中を移動して、位置の特定は出
﹂
?
来ないのよ﹂
生物じゃないよね
って孝美。コアを破壊した時に、破壊を免れたのか
﹁再生って
?
﹁周囲にある金属を融合して再生するみたいなの﹂
?
532
?
あぁ、更に泣いてしまった。困ったな。で、みんなでニパが泣き疲
?
﹁あっ、コアの中にコアがあって、ソレを壊さないとダメなタイプがあ
?
と、パウラ。金属を
コアは磁石なのか
う∼ん。
?
﹂﹂
││││││
?
﹁はい♪﹂
﹁どうするんだ
﹂
﹁あと、火口の大きさも頼む﹂
﹁了解です﹂
て﹂
﹁う∼ん⋮ハニー、アッチの世界で一番デカイ活火山を検索しておい
﹁で、作戦はどうしますか
﹂
僕達はキャッスルドランに転移した。
﹁﹁了解
して。あと、ラムとエミリア、シルキーも頼む。﹂
﹁手立ては考える。チームウィッチは全員、キャッスルドランに転移
?
な、定子
﹂
らの高温解凍でなら、分子レベルで破壊できると思うんだ。どうか
らせてもらって、火口に投げ込む。金属系であれば、急速冷凍してか
﹁外側のコアを引き摺りだして、シルキーとエミリアにキンキンに氷
美緒がきいたきた。
?
もしれませんね﹂
ダメかぁ⋮退治が出来ないなら味方にするか
﹁なぁ⋮嫌な予感がするけど、まさか倒せないヤツは味方に理論か
僕を理解してくれているフィン。
﹂
?
って、ハニー。あ
それなら手懐けられるのでは
?
神の王がいる訳だから﹂
﹂
﹁怪異とか鬼神なら、配下にできそうだよね。ここには怪異の王と鬼
?
﹁昔の資料には、怪異とか鬼神とか言われていたようですよ﹂
みんなに問い掛けた。
体がわかる者はいるか
﹁フィン、正解だ。ただ、正体が分からない者を味方には無理かな。正
?
?
﹁外装コアはそれで破壊できますが、内部になる真なるコアはダメか
物理学にも詳しそうな定子にきいた。
?
533
!
﹁﹁えっ
﹂﹂
忍は怪異の王で、僕は鬼の長の息子って⋮は
?
忍さんって、あの金髪の少女ですよね⋮で、シュウって鬼の長の
﹁え
﹂
?
﹂
て、1日しか経っていないってことはある。
﹁出現ポイントはどこ
﹁502の基地の上空です﹂
?
私
﹂
﹁うんじゃ、ニパとサーシャ、パウラを伴って挨拶してくる﹂
﹁なんで
?
?
ニパが不思議そうに言う。元上官を肩を並べるのは、あれかな
で
世界ごとに時間の進む速度は違う。僕達にとっては数ヶ月であっ
した翌日です﹂
﹁キャッスルドランの転移完了しました。現地時間では、大量に破壊
││││││││
絶句するみんな。一人泣き叫ぶニパ⋮
﹁いや∼﹂
ないし、逃亡もできないし♪﹂
ニパの大きな胸に埋め込むとか。ニパの胸の中なら金属を融合でき
﹁同族を殺すことは滅多にしない。でも仲間になるのを拒否したら、
って、美緒。
﹁退治しないのか
﹁そうなると、真なるコアを僕が取り込む。それがいいのかな﹂
と、怖いのか泣きそうな表情の芳佳。
﹁仲間にする気がムンムンなんですね⋮﹂
間っていいなぁ﹂
﹁相 手 が 鬼 神 と か 怪 異 な ら、ね じ 伏 せ ら れ る け ど。金 属 を 操 れ る 仲
パウラが代表して驚きの言葉を述べた。
﹂
息子
?
重大な情報をサラッと言って、笑って誤魔化す僕。
はは﹂
﹁話してなかったかな
固まるウィッチの皆さん。
?
?
534
?
も⋮
﹁ニパだけなんだよ。等身大な姿は⋮﹂
﹁あぁ∼﹂
想い出したように泣き始めたニパ。このまま連れて行こうっと♪
││││││
僕達が転移をすると、502部隊の隊長グンドュラ・ラル、クルピ
ンスキー、ナオが会議らしいことをしていた。
﹁あっ、お前∼﹂
なんで⋮いや∼﹂
ナオがいち早く気づき、僕に殴りかかってきた。
﹁あっ⋮なにを⋮え
ナオを透過させて、後ろから局部を弄り、絶頂の彼方へ旅立たせる
と、その場に倒れた。
﹂
﹁ナオちゃん、大丈夫か
﹂
とパウラが言う。そのラルが、僕に聞いてきた。
なぜ、ニパは泣いているのだ
﹁止めておく。治った箇所が悪くなるからね﹂
﹁そうか⋮で、なんのようだ
理由を聞かせると、
﹁最後の一体も僕達で仕留める。あと、ラルは今後どうする
﹂
﹂
﹁まったく、お前は﹃ついていない﹄なぁ、ニパ⋮で、用件はなんだ
?
﹂
﹁やり直すってことは無い。記憶は消さないからね。幼くなっても、
直せるのか
﹁一緒に行けば、サーシャとパウラのように幼くなり、人生を少しやり
?
?
?
﹂
ラル⋮僕はグンドュラと呼んでいたが、ラル隊長と呼んだ方が良い
﹁私にもするのか
な。この世界のウィッチって。
まだ入れていないのに、コイツも簡単に果てた。性的刺激弱いよ
﹁えっ⋮ちょっと⋮いや⋮男性とは⋮い⋮いい⋮もっと⋮あっ⋮﹂
押し倒して、透過能力で肌を合わせる。
ナオを心配するクルピンスキーに返答される前に、タックルをして
﹂
﹁自分の心配はいいのか
?
?
535
?
?
?
ここでの記憶は残る。ただ、ここよりは少し平和な世界で、青春を満
喫できるかもね﹂
ラルが考え込む。
﹁うんじゃ、僕達が戻ってくるまでに、結論を出しておいて。ラスト
チャンスだよ、ラル﹂
そう言い残して、僕達はキャッスルドランに転移した。
││││
お供をしてくれたパウラ達がハンガーに向かう。
﹁作戦参加者に告げる。無理はするな。危ないと思ったら撤退してく
れ﹂
仲間はもう失いたくないから⋮
﹁一緒に行ってもいいかしら﹂
って、トゲトゲしい声ではあるが、笑顔のベアトリスが寄って来た。
﹁今回は、来ないでくれ。ベアトリスを危険に晒したくないからね﹂
彼女の頭を撫でる。
﹁お子ちゃま扱いはやめてくれるかしら﹂
彼女の額に口づけをする。
﹁後悔したくないから、いってきますのキスだよ、ベアトリス♪﹂
真っ赤な顔で固まったベアトリスを残して、僕もハンガーへと向か
う。
││││││││
﹁作戦を告げる。僕がヤツの内部に侵入して、真なるコアと対話して
みる。それまでの時間稼ぎを頼む。さっきも言ったけど、無理はしな
いでくれ。もう誰も失いたくないから⋮﹂
僕は翼を展開して、空に飛び出した。空気と同化して、気配を消し、
巨大ネウロイに接近をする。触れる距離になり、透過能力でネウロイ
の中に侵入をした。内部は鉄の塊と思いきや、くず鉄を圧縮したよう
なそんな感じだった。コアを目指して奥へと侵入していく。
コアを見つけると、水属性の﹃ダイヤモンドダスト﹄で外装コアだ
けを破壊し、破片を酸化させていく。で、真なるコアと対面⋮念を飛
536
ばして、手探りで会話をしていく。
││││││││
怪異の王も交えて会話した結果、仲間になってくれるようだ。﹁身
体がほしい﹂って言う条件を飲む形で。身体なぁ⋮金属と触れるとダ
メらしいので、何か鎧的な物が良いらしい。鎧なぁ⋮あっ、キャッス
ルドラン専任執事のキバットバット3世に、使っていない鎧が無いか
を聞いてみた。ダメ元だけどね。すると、黒いKIVAの鎧があるそ
うだ。早速それを、
﹃強奪﹄で、引き寄せて、ネウロイに着せてあげた。
完全に真なるコアが鎧に密閉されると、圧縮した金属の結合が切れ
て、巨大ネウロイが崩壊していった。
ネ ウ ロ イ 君 に 言 葉 を 教 え な い と な。忍 と オ ー フ ィ ス 以 外 に 頼 も
うっと♪
そして、全員でキャッスルドランに帰還した。
﹁ふっ⋮まかせる﹂
﹂
溜息を吐くように返事をしてきたラル。
﹁まぁ、最初はカルチャーショックが酷いかもしれないけどね﹂
その場にいた三人をお持ち帰り♪
537
││││││││
﹂
一休みして、ラルの元に向かった。
﹁どうなった
﹂
﹁ラルはどうするんだ
﹁パウラと孝美と同い年か
﹂
クルビンスキーは両刀に目覚めるのか
﹁いや∼男もいいかなって⋮﹂
ナオの返事はそっけない。
﹁いや⋮別に⋮﹂
﹁どうした
僕の顔をみると、顔を赤らめたクルピンスキーとナオ。
?
﹁ニパと同じでも良いけど♪﹂
?
?
?
?
││││││││
﹁なんで、私は今のままなんだよ∼﹂
ナオが騒いでいる。今のままでも小学生として、やっていけるだろ
うに。
﹁駿河、相手してやれ。ナオって言うんだ。パンチ攻撃専門らしいぞ﹂
﹁了解だ、兄ちゃん♪﹂
格闘戦は駿河向きだし。ラルは孝美達と同じ学年にした。ケルビ
ンスキーは、遊んでから、ラルと同じ学年にするかな♪
﹂
ネウロイ君はガブに頼んできた。怪異系なら、元セラフのガブの方
が能力が上だろうから。
ここで、パウラ達と同じにしてくれるのか
で、僕はケルビンスキーと調教部屋へ⋮
│││││││
﹁ここはどこだい
﹁お∼い、聞こえているのかい
﹂
キーの問いをスルーして、プランを考える僕。
全裸にしてから手足を拘束して、大の字にして吊した。ケルビンス
?
﹂
﹂
まず、反応を見てみる。紅い液体の入った小瓶の蓋を開けて、
鼻先に近づけてみる。
かな
聞こえているがスルーする。エムでは無さそうなので、楽しめるの
?
﹂
﹁なぁ⋮それをどうするのかい
﹁飲む
﹂
﹁まさか⋮飲める訳ないだろ
﹁浸かる
?
顔色が少し優れないようだが、強気の態度は崩れていない。では、
次⋮紅い液体を筆に付けて、少し元気の無い乳首に塗る。ムクムクと
大きくなり、立ち上がっていく乳首。
﹁痛いって⋮何をするんだ⋮やめろ∼﹂
身をよじって逃げようとする。下は湿り気を帯びてきている。次
538
?
﹁何をバカな事を⋮正気の沙汰でないぞ﹂
?
?
?
?
に、緑色の液体を鼻先に⋮
ふふふ﹂
﹁なぁ⋮それって⋮さっきのよりヤバいヤツじゃないか⋮やめてくれ
∼﹂
﹁ねぇ、赤と緑、どっちが良い
﹂
絶句するケルビンスキー。
﹁混ぜてみる
な仕打ちだろう。
﹁どうすれば良い
﹂
て、リードを手にする。これって、伯爵と名乗る者にとっては屈辱的
手の拘束をはずして、後ろ手に拘束し直す。首には首輪を巻き付け
﹁な⋮止めてくれないか⋮何でもするから⋮﹂
?
﹁うぐっ
ぐぉっ
﹂
口に含み、舌で転がしていく。段々と大きくなるアレ。
﹁しゃぶって♪﹂
アレはムクムクしていく。
を巧みに使い、舐めて行くケルビンスキー。舐め慣れているな。僕の
リードを引っ張って、彼女の顔を僕のアレに顔を近づけた。長い舌
﹁舐めて⋮﹂
弱々しい声で聞いてきた。
?
!
﹁このまま突いていい
﹂
ヨダレを流しているその姿を、写真に収める
?
の両肩に飛散していく。
﹁どう
﹂
口の両端から液体を流しながら、首を左右に振る彼女。液体は彼女
?
﹁谷間で気持ち良くしてくれる
の肺へと送り込まれていく。
﹂
口から吐き出す。僕から離れようとする彼女。僕の吐いた息が彼女
していく。だんだん鼻息が荒くなっていく彼女。僕は鼻で息を吸い、
の胸に押し当てるように抱きつく。僕のアレは彼女のポッチを刺激
リードを持ち上げて、彼女を立たせて、口で口を奪い、胸板を彼女
?
539
?
喉の奥に到達したようだ。彼女の口の中を占領した僕のアレ。
!
首を左右に振る彼女。次の芸を仕込む為に、アレを取り出した。
?
﹁うっうっ⋮﹂
耳たぶをなぞると、背筋がビクっと震えた。彼女の下腹部はエラい
﹂
ことになっていた。口を解放してあげると、口で呼吸をし始めた彼
女。
﹂
﹁なぁ、だいぶ濡れているけど、どうして
﹁えっ
気づいていなかったようだ。
﹁いやらしい身体だよね﹂
﹁そ、そんな⋮ことは無い⋮﹂
﹁ふ∼ん﹂
彼女の腰に手を掛けて、交わる。
﹁ちょっと⋮﹂
慌てたような声をする彼女。
入れない方がいいのか。では放置するか﹂
?
かせた。
﹁何をしているんだ⋮なぁ⋮なんで、ナイフを研いでいるんだ
ステンレス製の定規を手にして、お尻の谷間に当てる。
﹁え⋮ちょっと待って⋮ダメだって⋮ね、やめてくれ∼﹂
﹂
彼女の視線から外れて、背後に回り込み。皮でナイフを研ぐ音を聞
﹁は、恥ずかしいから⋮見ないで⋮くれるか⋮﹂
腰から手を離して、彼女から離れて、見るだけプレイに移行した。
﹁うん
?
女性とは経験豊富であるらしいが、男性とは初めての彼女は、心の
﹂
準備が必要なようだ。
﹁何を止めるの
﹂
?
これで
?
気持ちいいのか⋮﹂
彼女の顔を、覗き込むと恍惚な表情を浮かべていた。え
?
﹁あぁ⋮ダメ⋮そっちの穴⋮じゃない⋮よ∼⋮えっ⋮いい⋮こんなに
僕はメントール配合のワセリンを、彼女の穴に塗り、入れて行く。
﹁えぇ∼っと⋮入れていいから⋮﹂
﹁代わりに何をしてくれる
﹁そんな処を斬らないでくれ⋮﹂
?
540
?
?
ならば、
﹃カオスモード﹄
僕は黒い身体に変身をして、黒いラインを何本も生やして、彼女の
穴という穴に侵入していく。
﹁お願いだ⋮前の穴に入れてくれ⋮いや、入れてください⋮﹂
太股がずぶ濡れになった彼女が懇願してきた。洪水というよりも、
堤防決壊という感じだ。どんだけ、飢えていたんだ
彼女の身体を堪能しきった僕は、彼女の姿、年齢をパウラ達と同じ
にして、パウラ達の元に届けた。
で、リビングに戻ると⋮ナオと駿河が⋮格闘戦をして貰おうと思っ
たのに⋮ナオが受けになって責められていた。
﹁兄ちゃん、この前の男前の女の人がいい﹂
って⋮小学生にしたと告げると、残念そうにする妹。ナオは僕と同
い年の姿にしてみたが、余り代わり映えがしない。しいて言えばアン
ダーヘアが無くなって、ツルンツルンになったくらいかな。彼女もパ
ウラ達の元へ届けた。
541
?
駒王学園初等部編 Part3
依頼の見返り*
│││シュウ│││
ニパの抱える問題を除いて、無事に小学校3年生になれた。高校生
への道のりは遠い。最近、スクランブルが多いので疲れ気味である。
なので、平日の夜も一誠におまかせしている。問題の無い日に限るけ
ど。
疲れがひどく眠気が酷い。エロ心も起きず、ひたすらに寝る毎日。
鍛錬する量は減ったけど、スクランブル事案により、実戦による経験
値の積み重ねで、徐々に上限が増えている気もする。
そんな平和な日々を過ごしていたのだが⋮ラリーから呼び出しが
﹂
来て、AMPに向かった。署長室には、署長のラリーの他、レビア、キ
﹁内容と見返り次第だよ﹂
﹂
キティの胸に顔を埋めて感触を愉しむ。
﹁なぁ、こんなガキが頼りになるの
見知らぬ女性が、ラリーに噛みついている。
?
﹂
﹁あぁ、彼にしかできない。シュウ、エンジェル・ダストって聞いたこ
とはあるか
なんかヤバそうな薬か
?
?
542
エロ心が無いので、なんも楽しくないです﹂
﹂
乳の出るヤツが、お前の傍にいた試しがあったか
﹁キティは、乳出ないし⋮﹂
﹁はぁ
いや、ないです⋮凹む僕。
﹁頼みがある。見返りは用意できる。頼めるか
?
ティの二人と、見知らぬ女性が1名いた。
﹁なんの用
﹂
?
僕を抱き抱えながらキティが言う。
﹁来てすぐ、それか
と、ぼやく僕。
?
端的すぎるラリーの依頼。内容がわからない。見返りも見えない。
?
?
﹁聞いたことは無い。人間用の薬か
う﹂
﹁戦闘マシン化か⋮で、それが
﹂
﹂
だが、精神が麻痺し、外部からの洗脳を受けやすい状態になってしま
性能を発揮し、多少銃弾を浴びても死なない﹁不死身﹂の体になるん
﹁そうだ。幻覚剤の1種で、投与された者は、人間離れした怪力と運動
?
﹂
﹁探すのか
女とは別の探偵が2人が行方不明なんだ﹂
が、彼女の姉は現職の刑事で、この件を捜査中に失踪した。あと、彼
﹁あぁ、彼女は依頼者で、野上麗香さん。元刑事で、現在は探偵なんだ
?
ウは戦闘マシン化だ﹂
﹁どうして、わかるの
?
﹂
見ていないのに⋮ちょっと、それは乱暴だよ∼﹂
返りは、麗香、冴子、香の身体でどうだ
﹂
見ての通り、エロガキだが⋮それでは答えにならないか。見
?
麗香と僕がラリーに抗議した。
﹁シュウ⋮エンジェル・ダストは無くしてくれ⋮﹂
﹂
抗議をスルーして、依頼内容を口にしたラリー。
﹁戦闘マシンは、破棄していいか
﹁できれば、回収・修繕してほしいな﹂
﹁う∼ん⋮取り敢えず、手付けを払って貰えるかな
なんで
﹂
麗香のボディを舐めるように見る僕。
私
?
?
いやならいいよ。ラリー、僕は帰るよ﹂
?
﹁はぁ
﹁依頼者でしょ
?
﹂
﹁いやいや、勝手に私の身体を見返りにしないでよ∼﹂
﹁はぁ
?
﹁はぁ
﹁ラリー、彼は何者
﹁傘下組織に、九十九屋と銀河がある。そこから念話で仕入れた﹂
麗香がきいたきた。
﹂
﹁野上冴子は薬でやくざの女になっている。槇村香は死亡。冴羽リョ
仲間と念話で会話をして、情報を仕入れた。
﹂
﹁出来るか
?
?
543
?
?
?
?
僕は家に転移をした。
││││││
冴羽リョウと野上冴子は回収できた。魂と身体をクリーニングし
て、キャッスルドランで、凍結保存をしてある。残る一人が見付から
なんで
居間で、焼きプリンを食べながら考える僕。
な い。死 ん で い る ん だ よ な。招 魂 を し て も 魂 は 寄 っ て 来 な か っ た。
うん
生きているのか
?
﹂
そうねぇ∼脳死判定後に、生体移植されて、魂が付いて行った
?
あと、ダストの製造工場と、関わる組織
?
いているような。背筋を冷たい物が走る。なんだ
この街は⋮
し、胸騒ぎをする気配がときたま感じられる。得体の知れない者が蠢
東京の北西部にある駒王町にやってきた。静かな住宅街だ。しか
しなさいってことのようだ。
リー達は、言葉を濁して教えてくれなかった。自分の目で見て、判断
出 せ な い 組 織 を 傘 下 に し て い る と い う し。何 者 な ん だ ろ う か
ラ
﹃九十九屋﹄と﹃銀河﹄とか、裏情報に精通していないと、名前の
AMPが信用している組織のボスだそうだ。少年なのにボスなのか
消えた少年の家の住所を、ラリーから聞き出して、そこへと向かう。
│││麗香│││
﹁了解♪﹂
を調べて﹂
﹁生体移植先を探してくれる
あぁ⋮そうなるよな⋮それだと、魂を分離すれば良いのかな
とか﹂
﹁うん
えられる
﹁なぁ、リーラ。死んでいるのに招魂できないって、どういうことが考
?
?
?
塀に沿って、
?
達が剣術の鍛錬をしていた。
や竹刀のぶつかり合う音がしていた。道場の内部に目をやると、少女
歩くこと5分、塀が途切れる箇所に出た。そこには道場があり、木刀
わからない。って、いうか、この区画ってデカくないか
教えてもらった住所に来たのだが、塀で囲まれていて、中の様子が
?
544
?
?
?
﹁何か、ご用ですか
﹂
華奢な感じの少女に声を掛けられた。
﹁兵藤一誠君の家を探しているのですが、この辺りのはずですよね
目的の家について、きいてみた。
と、教えられた。はぁ
ここも敷地の一部
﹂
塀伝いに、門に向け
どんだけ、広い敷地な
あのエロガキは金持ちのバカ息子なのか
て歩く私。
んだ
?
の家であった。けど、大きさが半端ない。なんだ
この広い家は
?
一誠に用
10人、20人って人数ではない気がする。メイ
シュウでなくて
﹂
には、現代の英雄、兵藤誠さんがいた。
﹁うん
怪訝そうに私を見る誠さん。
﹂
﹁一誠君って、誠さんの息子さんなんですか
﹁そうだけど⋮君は誰
﹂
そこには、有名な人がいた。あっ⋮そうだ、
﹃兵藤﹄だものな。そこ
ドさんに案内されて、リビングに通された。
⋮ここは寮なのか
して、家の中に入った。玄関を入ると⋮玄関が広い、靴入れが大きい
呼び鈴を押すと、メイドさんらしい人が出て、応対してくれた。そ
?
更に5分程歩くと、正門らしき場所に出た。見た目はモダンな造り
?
?
ありますから、そこで呼び鈴を押してみてください﹂
﹁えぇ、ここも敷地の一部です。正門は、この塀伝いに歩いていくと、
?
?
?
?
何の話だ
﹂
勇気有るなぁ∼﹂
じゃ、シュウの方だな。アイツは、今、城にいる。もうし
城
ばらくすれば、帰って来るだろう﹂
シュウ
﹁彼は何者なんですか
?
知らないで訪ねて来たのか
﹁はぁ
どんな状況なのか
?
?
?
﹁ラリー署長には、自分の目で見て判断しなさいと言われてきました﹂
?
﹁ラリーの
口添えで参りました﹂
﹁私は探偵をしています野上麗香と申します。AMPのラリー署長の
あぁ、名乗っていなかった⋮
?
?
?
?
?
?
感心されているようだ。勇気が有る
え
?
545
?
?
?
﹁ふ∼ん⋮何か依頼したのかな
﹁あっ⋮はい⋮﹂
可哀想
何で
﹁そうか⋮可哀想に⋮﹂
え
?
﹂
?
地獄の果て、天国の隅っこまで、追うからな﹂
その表現は何ですか∼
?
大掃除
どこを
いやいや、それよりチーム剣士
あの道場で鍛錬
﹁えぇ、チーム剣士を除いて、大掃除をみんなでしに行っています﹂
﹁そういや、今日は静かだな。リーラ、追い込みか
﹂
﹁アイツは、取りっぱぐれはしないから。どこに逃げても意味は無い。
?
?
んだけど。
﹁で、この女は喰っていいの
今の会話に違和感がある
?
気配を感じなかったけど、後ろに少女が立っていて、私を舐め
?
ていくなぁ﹂
?
﹂
?
襲われる
シュウの長女で、両刀遣いのシルキーだ。目を合わせると襲
われるぞ﹂
って⋮え
?
﹁うん
誠さんに質問してみた。
﹁誠さん、今の少女は
んと居間を行き来する人数が増えていった。
って⋮父ちゃんって
シルキーっていう少女を見かけた後、だんだ
﹁なんだ、父ちゃんのか⋮美味しそうなのは、みんな、父ちゃんが持っ
﹁シルキーさん、ダメですよ。シュウさんのです﹂
るように見ていた。
え
﹂
って、メイドさんが教えてくれた。うん
﹁そうですよ。教える側は全員、免許皆伝クラスです﹂
をしていた連中か
?
?
?
誠さんが、声をかけた。振り返る彼。
﹁シュウ、お客だ﹂
あの少年が現れて、どこかの部屋に行こうとしていた。
﹁ただいま⋮眠い⋮寝る⋮﹂
?
546
?
?
?
﹁あぁ、麗香かぁ⋮依頼の殆どは終わった。後は、最終調整だけだ。う
んじゃ、おやすみ⋮﹂
部屋に入ってしまった彼。
こんな短時間で
﹁よほど疲れているのだろう。エロ心が無いなんて、珍しい﹂
って、誠さん。依頼の殆どが終わった
?
になっていく。
﹁帰るんですか
﹂
?
﹁リーラ、そんな顔をするな
お前の笑顔が好きだ﹂
って⋮このメイドさん、怖い∼
かけず、見返りを与えずに帰るなんて、私が許しません﹂
﹁あなたの依頼をこなして、疲れ切っているんですよ。労いの言葉を
まる私。
って、メイドさんに一喝された。蛇に睨まれたカエルのように、固
シュウに会いに来て、それは失礼でしょ
を狙うような視線を、複数感じる。帰らないと、危険だ。そんな気分
誠さんが消えた。話相手がいなくなり、不安な気分になる私。獲物
﹁わかりました。いってらっしゃい♪﹂
﹁さて、でかけるかな。リーラ、アース神族の案件に行ってくるよ﹂
って、誠さん。
なす力はある﹂
﹁あいつの部隊は最強だ。何を依頼したか知らないけど、短時間でこ
?
﹁で、麗香は何の用だ
だ﹂
蘇生中
﹂
魂のクリーニング中
﹂
どういうこと
﹁なんだよ。ラリーに何も聞いていないのか
?
呆れる少年。聞いていないです
?
﹁冴子は薬を抜いている。リョウは蘇生中、香は魂のクリーニング中
﹁依頼はどうなったんですか
﹂
少年に謝る怖いメイドさん。
﹁あっ、すみません⋮﹂
って、あの少年が戻ってきた。
!
?
?
547
?
﹁この家にいる僕達は皆、何らかの能力を持っているんだ﹂
!
?
?
能力持ち⋮
﹁そうだ。だから、こういう人間では出来ない仕事が、舞い込んでく
る。通常は受けないけど、AMPと父さん、あと九十九屋は別だ﹂
人間では
今日は疲れているから見ているだけ⋮﹂
?
お前には言われたくないよ、シルキー﹂
﹂
そして、口元に口を合わせてきたようだ。音を立てて、私の流れ出る
先が入って来た。でも、彼の姿は見えないし、気配も感じられない。
って、あの少年の声が聞こえた。耳タブを舐められて、耳の穴に舌
﹁なかなか、反応がいいよね﹂
れていく。気持ち良すぎる⋮口元からヨダレが流れていく。
透明人間にやられる⋮あっはぁ∼ん⋮お尻の肉と肉の境目を舐めら
いや∼⋮腰を捩り逃げようとするが、腰を掴まれて、逃げられない。
腹部を舐められている感覚がある。だけど、目の前には誰もいない。
大声を上げるも、誰も反応してくれない。あっ⋮あぁ⋮ダメっ⋮下
﹁ここはどこ
た。私と同じ様に鎖で縛られている。
いる。金属の感触が気持ち良い⋮目の前の牢には、姉さんの冴子がい
意識が戻ると、全裸で牢屋に入れられていた。身体を鎖で縛られて
││││││
⋮口元から唾液が流れていく⋮そして、意識は飛んでいった。
少女の喉から唾液を飲み込む音がした。狙われているんだ⋮あぁ
﹁はぁ
先程の少女が私の隣に座り、下腹部の臭いを嗅いでいる。
﹁父ちゃん、あいかわらずドエスだな♪﹂
弱々しい声でしか言えない。悶々としている頭の中。
﹁やめて⋮﹂
分かる。刺激を得ようと腰を揺すっている私。
いやっ⋮乳首を細い舌が舐めている感覚⋮大きくなっていくのが
﹁我慢できるかな
終わっている⋮えっ⋮太股の内側が痙攣している。これって⋮
♪﹂
﹁僕達は普通の人間では無い。この家に入った時点、終わっているよ
?
?
548
?
ヨダレを啜る。その音だけでも、興奮している私がいる。
そして、私の中に入ってきた。大きい⋮あの少年のモノとは思えな
い程、大きい⋮私は腰と腹筋を最大限に動かして、快楽を得ようとし
ていく。悶々とした気分は最高潮を迎え、全身を電流が走り、意識が
飛んだ。
││││││
目が覚めると、どこかのベッドに寝ていた。私の胸に彼の頭が載っ
ていて、彼は姉と交わっていた。私は敷き布団に固定され、身動きが
取れないでいる。彼が動く度に、頭が胸を、背中が下腹部を刺激し、そ
れだけでも満足している私がいる。
││││││
目が覚めると、どこかのベッドに寝かされていた。
﹁目が覚めたか﹂
ラリーが声を掛けてきた。
549
﹁ここはAMPの医務室だ。4名とも生きて帰還だ。良かったな、麗
香が一番良いって言っていたぞ﹂
一番良い
﹂
知らないで交わったのか
﹁彼は何者ですか
﹁はぁ
?
?
﹁アイツは鬼だぞ﹂
鬼
﹂
そうだ。交わったんだ⋮見返りに⋮
いそうだ﹂
﹁と、いっても香とは出来なかったようだ。まだ、交わるには身体が弱
?
呆れるように言うラリー。
?
?
逢い引き*
│││シュウ│││
﹂
リアス、ソーナとデート。たまには、この世界の次期当主との、触
シュウさん
れ合いも必要かなって。
﹁今日の相手は一誠君
一誠だと、遠出は無理だと思うけど⋮﹂
?
﹃で、またする
﹃そうね﹄
トリプル
?
グでスイッチした。
あぁ、コーヒーのいい香り⋮一誠が1品目を食べ終わったタイミン
⋮あとで、ここに来るわ﹄
﹃香さんは、まだ動けないみたい。リョウは香さんの看病。姉さんは
﹃その後、彼らはどう
﹄
﹃今日は連れがいるから、また今度ね﹄
﹃うん♪﹄
﹄
デートになった。
についてとかを知らせてくれた。で、今回の変型なダブル
後、ラリーが説明をしてくれて、僕と一誠の関係とか、僕と僕の部隊
喜ぶリアスとソーナと一誠。僕は、麗香の意識にダイブした。あの
﹁好きな物を頼んでいいわよ。おごってあげる♪﹂
てくれた。
てくれて、僕達を乗せて、喫茶キャッツアイというお店に連れて行っ
香を呼び出して、おごって貰うことにしていた。麗香は車で迎えに来
って、リアス。まぁ、出先で一誠とスイッチすればいいか。っと、麗
﹁う∼ん⋮うん、身体は一誠君だし、シュウさんでもいいよ﹂
って、ソーナ。
﹁私はシュウさんがいい♪﹂
﹁どっちがいい
リアスが聞いてきた。
?
?
﹂
﹁すみません。コーヒーください﹂
﹁なんのだ
?
550
?
?
?
海坊主みたいな⋮凄みのあるオーラを纏ったマスターがきいてき
た。
ガキにわかるのか
﹂
﹁選べるのか⋮浅煎りのグアテマラと深入りのブレンドをください﹂
﹁はぁ
って、ソーナ。
﹁一誠君の身体に悪くないの
﹂
って、リアス。えぇ、好きです。
﹁シュウさん、本当にコーヒー好きだよね﹂
って、言いながらも、ミルで引いて、淹れてくれた♪
?
シュウさん、ダメじゃない﹂
﹁え∼、そこで悩むの
﹂
リアスが妙な質問を⋮う∼ん⋮難しい。
﹁ねぇねぇ、女体とコーヒーだとどっちが好き
﹂
﹁でも、飲みたいんだよ⋮高校生まで我慢できません﹂
﹁はぁ
﹁悪いかもな⋮子供の飲み物じゃないし﹂
?
?
みのあるマスターから。
カランカランとドアが開く音がした。
﹁姉さん﹂
麗香が入って来た人物に声を掛けた。
?
私を助けてくれた、彼
!
愛称らしい。
﹁で、彼は
﹂
麗香の姉、野上冴子である。ファルコンとは、この店のマスターの
﹁麗香、遅くなってごめん。ファルコン、元気
﹂
達の歳相応で無い会話を、麗香は暖かい目で見守ってくれた。その凄
ソーナが驚いているようだけど、どちらも捨てがたい僕。そんな僕
?
いないんだろうな。
有り得ないでしょ
?
﹁それなんだけど⋮姉さん⋮﹂
ねぇ、まさか⋮あの子が
﹂
?
僕に視線を向ける麗香。その仕草を見た冴子は、
﹁はっ
ているの
麗香、からかっ
困惑している麗香。あぁ、まさか小学3年生に、救われたと思って
?
?
551
?
?
?
事実を認識できそうも無い冴子。
﹁う∼っとねぇ、からかってはいないわ。事実は小説よりも奇よ﹂
僕をじっと見つめる冴子。
連れて来なかったの
﹂
﹁有り得ない。あんな身体では無かったわ。麗香、本当のことを言い
なさい。彼はどこ
?
ヒーを堪能していく。
?
子さんなんだから﹂
?
君が私を助けたの
﹂
?
てきた。
﹁五月蠅いなぁ、姉妹紛争は家でやってよ∼﹂
何、難しい言葉で纏めているのよ
!
﹂
?
て構えた。
﹁貴様、何者だ
﹂
散らす。僕のオーラをいち早く感じ取ったマスターが、銃を僕に向け
危険なので、リアスとソーナを強制転移させて、あのオーラをまき
﹁どうすれば、分かってくれる
麗香よりキツそうなお姉様。嫌いでは無いタイプだけど⋮
﹁姉妹紛争
﹂
スルーできない状況になりつつあった。僕の横に野上冴子がやっ
﹁ねえ、君
僕達は野上姉妹の紛争をスルーする。
﹁うん♪﹂
﹁う∼ん、ごたごたはいらないから、スルーしとけ、リアス﹂
﹁ねぇ、シュウさん、いいの
﹂
﹁だから⋮彼よ⋮彼が兵藤一誠君。あの現代の英雄、兵藤誠さんの息
﹁あんた、独り占めするつもり
﹂
苦笑いしている麗香。僕はあちらの紛争を見ないようにして、コー
?
レス達と冴子が銃を取り出して、構えた。なんだ
﹁そんな武器で、僕は殺せないよ﹂
この喫茶店は
?
冴子とウエイトレスの一人が、引き金を引いた。発射された弾丸
?
野上姉妹の他に、お店にはウエイトレスが2名いた。が、ウエイト
﹁ふふふ、美女が4名もいる⋮愉しめそうだよね﹂
マスターを遠くの公園に強制転移させた。銃は危険だし。
?
552
!
?
なんで、喫茶店なのに⋮ここは何のお店
は、僕を透過して、窓ガラスに当たり、そして跳ねた。え 防弾ガラ
ス
﹁化け物⋮﹂
?
﹁ここは
﹂
僕が指を鳴らすと、彼女達と共に、別の場所に強制転移した。
﹁そうだよ。僕は化け物だ﹂
銃を撃ったウエイトレスが呟くように言った。
?
﹂
?
﹂
た。まぁ、事情を知っているからね。
﹁麗香も責めになる
﹁麗香、コイツは何者なんだ。なんで、アンタは馴れ馴れしいんだ
﹁私は受けでいいよ♪﹂
?
一人は、美樹。スイーパーでファルコンの相棒って⋮うん
﹂
あの喫
るとして、この二人のウエイトレスだな。彼女達の記憶を読み取る。
は全裸になった。麗香と冴子はこの前、堪能したから、エスプレイす
その疑問は正しい。で、次の工程に入る。指を再び鳴らすと、彼女達
冴子が妹に声を掛けた。まぁ、確かに、麗香だけ馴れ馴れしいよな。
?
他の3名は恐怖に包まれているようだけど、麗香だけは冷静だっ
﹁シュウ君、手慣れすぎでしょ
インを生やして、彼女達の足首に巻き付けて、手足の自由を奪う。
天井からラインを生やして、彼女達の手首に巻き付け、床からもラ
とを後悔させてやる﹂
﹁僕の城の調教部屋だよ。助けは来ない。愉しもうよ。僕を襲ったこ
?
し♪
使いこんでいないようで、反応がぎこちない。それはそれでそそる
﹁やめて∼恥ずかしい∼いや∼﹂
間に顔を埋めて、臭いを嗅ぎ、舐めて、啜る。
あのレオタード怪盗の﹃空跳ぶお尻﹄か。それは愉しみだ。彼女の股
もう一人のウエイトレスは、麻生 かすみ。怪盗305号⋮って、
う。美樹に服を着せて、お店に強制転移させた。
構えるのが早いというか。マスターの相棒なら、手は出さないでおこ
茶店はスイーパーが経営していたのか。道理で防弾ガラスやら、銃を
?
553
?
﹁おい、そこのエロガキ⋮かすみから離れろ∼﹂
冴子から怒号が飛んで来た。う∼んと、そうだ、アレを試してみよ
うっと。ちょっと危険なエスプレイだから、誰にも試していなかった
のが。冴子の足首のラインを外し、彼女をつり下げた高さを上にし
て、彼女の真下に赤い液体で満たされた水槽を置いた。
﹁少しずつ降下させるからね、冴子お姉ちゃん♪﹂
液体から発せられる臭いで、液体の正体に気づいたような冴子。
﹁ちょっと⋮止めて⋮ねぇ⋮暴言は謝るから⋮﹂
泣きわめ
そうだ、カメラをセットして撮影をしようっと。もし、ショッ
﹁謝らないでいいよ。それ相応な事だらね。どうなるかな
くの
﹂
ク死したら、これ斎場で流してあ・げ・る♪﹂
﹁おい、ど変態⋮やめて∼無理無理⋮﹂
﹁シュウ君⋮これは、やりすぎじゃない
彼女の下
いつの間に
?
もう少しで股間だ⋮
﹂
か無言だけど⋮彼女達の方を見ると、膝上まで水位があがっていた。
かすみちゃん、サイコー♪そうだ、野上姉妹はどうした
かすみちゃんに頼まれた。いや、交わっているだけで、満足だよ⋮
﹁寝ないで、責めてください⋮女にしてください﹂
わったまま、寝ちゃいそうになる。
しばらくすると、かすみちゃんと交わっていた僕。気持ち良い。交
レオタード怪盗で愉しむ。
悲鳴がステレオサウンドで聞こえる。そんなBGMを聞きながら、
﹁え∼、なんで⋮私まで⋮やめて⋮﹂
﹁麗香お姉ちゃん、入ってからのお・た・の・し・み♪﹂
には透明な液体で満たされた水槽をセットした。
麗香が口を挟んできた。彼女にも恐怖を与えようかな
?
って感じで僕を見る野上姉妹。僕が指を鳴らすと、彼女達の
﹁野上お姉ちゃん、面白い玩具を付けてあげようか
えっ
?
﹁ねぇ⋮止めて⋮助けて⋮﹂
554
?
?
?
前後の穴に、ローターが差し込まれた。
!
怒号を浴びせていた冴子は、すっかり大人しくなっていた。
﹂
﹁それ、水没すると動くからね。しばらく待ってね♪﹂
﹁鬼
﹁そうだよ。鬼の子供だから⋮冴子お姉ちゃん、正解だ﹂
僕の返事により、顔がひきつる冴子。
﹁あぁ∼ダメ∼﹂
水没し始めた股間。
﹁痛い∼痛すぎるって⋮助けて∼﹂
股間の割れ目に液体が流れ込んでいく。それと共に、ローターが起
動した。
﹁⋮﹂
あっ⋮失神した二人。香りだけは硫酸とタバスコだったんだけど、
まぁ、安全だし、スルーしようっと。
実際は砂糖水とトマトジュースなんだよ。プラセボ効果が効き過ぎ
たかな
おい⋮
﹁麗香、アイツは何者なんだ
﹁だから、鬼⋮人外だよ﹂
人外⋮あっ、AMPで紹介されたって言ったよな。それで
?
﹁良かった⋮姉さんが元気になって⋮﹂
い。ジタバタしていく。ふと、麗香を見ると、笑顔だった。
トマトジュースで溺れ始める私。手首を固定されて、逃げようがな
震いすると⋮ローターの電源が入ってしまった。
か。子供の姿に見えるが、実際は⋮あぁ、怒らせた原因が分かり、身
はぁ
﹂
あの少年を探すと、かすみと交わった状態でスヤスヤと寝ていた。
﹁うっ⋮砂糖水だ⋮騙したのね⋮﹂
体を舐めてみると、トマトジュースだった。
気が着くと、口元まで液体が来ていた。それにしては、刺激が⋮液
│││冴子│││
二人。
僕とかすみは情事を愉しんだ。そして、抱き合ったまま、寝入った
?
?
555
!
この状況でも良かったのか
﹂
どうするじゃないだろ
﹁私は
﹂
調教
しただろう
﹁調教してないし♪﹂
はぁ
彼
﹁リョウ﹂
﹁違うわよ∼
﹂
﹁僕からのプレゼントだ﹂
﹂
麗香が取り出され
!
﹁で、どうする
はぁ
ここから出せ
転移された。残った私と麗香。未だに、水槽の中である。
かすみは服を着て、シュウとの再会の約束をしてから、職場に強制
││││││
でも、今はこうして元気にトマトジュースと格闘しているし♪﹂
﹁うん⋮薬漬けになった姉さんを見た時、どうしようって思ったもの。
?
﹁言葉遣いが悪いよね。彼にはもっと柔らかい物言いかな
?
た。シャワーで綺麗に洗って貰い、服を着ていた。
?
?
?
!
﹁え
冴子⋮何で⋮﹂
突然のことで、痙攣⋮
おい、リョウ⋮お前∼﹂
﹁抜けないじゃないか。香に見られるとマズイって﹂
﹁何がマズイって
一誠。何事
﹁リーラ、状況は
﹂
一誠とスイッチして寝入ってしまった僕。突然、僕にスイッチした
した。今夜の食事はなんだろう。食事のことしか頭に無い僕。
疲れた⋮家に帰り、ソーナとリアスに謝ってから、一誠とスイッチ
│││シュウ││││
リョウは香さんの100tハンマーで⋮
?
?
?
556
?
彼が指を鳴らすと、次の瞬間、私はリョウと交わっていた。
?
?
?
?
?
﹁うん
﹂
戦闘は起きていない⋮でも、問題が⋮﹂
﹁ニパか
﹁私は問題児じゃない∼﹂
ニパは否定。
﹁あと、問題児はシルキー、駿河﹂
後、誰だ
﹁﹁父︵兄︶ちゃん、違うって﹂﹂
うん
状況が見えない。
その三名は冴羽リョウにゾッコンだろうに⋮﹂
?
責任を取りなさいよ∼﹂
それは一般家庭よりもあると思うけど⋮
?
って、かすみ。え
﹂
お礼はいらないけど⋮
﹁女にしていただいたお礼がしたいです♪﹂
笑顔の麗香。スリル
﹁ここの方がスリルがありそうだし﹂
って、頬を赤らめた冴子が言った。責任
﹁はぁ
﹁なんで
って、リーラ。はぁ
すみさんがおいでですよ♪何をしたんだか、シュウったら﹂
﹁あのね⋮一緒に住みたいって⋮野上冴子さん、野上麗香さん、麻生か
?
﹁部屋はどこを使えばいいかしら
﹂
?
?
って、知らない少女が⋮
﹁誰
?
?
﹂
麗香と冴子に睨みを入れる。そして、唯香を荷物ごと強制転
現代の英雄、兵藤誠さんの家に住めるなんて、ラッキーだわ﹂
はぁ
移させた。
﹁どこに飛ばしたの
で、警視総監室に飛ばした。
?
そうじゃなくて⋮ここに置いて﹂
﹁で、冴子は、リョウの股間がいいか
﹁なんで
﹂
ラリーからの情報で、野上姉妹の父親は警視総監だそうだ。なの
﹁お前達のオヤジの仕事部屋だ﹂
麗香がきいてきた。
?
?
?
557
?
?
?
?
﹁私は野上家の三女で唯香。これでも有名な高校生探偵小説作家よ♪
?
﹂
テーブルにのの字を書く。随分としおらしい態度になったなぁ。
﹁で、なんの責任だ
え∼
何だ、それは⋮
﹁おい、シュウ。また、お持ち帰りか
﹁そんな事を考えるなんて、シュウらしくないわ﹂
﹂
﹂
それも有りよね。でも、まだアイツらを駆逐し
﹁このまま、一誠に身体をまかせて、二人で逃亡しない
愛の逃避行
ていないのに、逃げるの
﹁ホームシック
﹂
﹁そうなるかぁ⋮﹂
い気がするのよ﹂
﹁逃げられないと思う。アッチのチームが帰れないと、私達も帰れな
﹁いや、これから倒してさぁ⋮﹂
?
﹁逃亡
?
将来的に、単なる人間の冴子、麗香、かすみは連れて行けない。
﹁その分、別れる時は辛いだろうな⋮﹂
﹁賑やかになってきたわね﹂
ている。
みんなが寝静まった夜更け、彼女と二人きり、屋上でまったりとし
│││││
えん罪です⋮
﹁まったく⋮お前と来たら⋮愛人を作り過ぎだろうに﹂
﹁持ち帰っていない。コイツらが来たんだよ、誠﹂
誠のあきれたような声がした。
﹂
﹁私を調教した責任よ。責任を以て飼いなさいよ♪﹂
?
?
﹂
大切に過ごしていく。
メイビスの肩を抱き寄せ、口同士を重ね合う。そして、この瞬間を
﹁ダメじゃない。でも、君は君で、彼女にはなれない﹂
月明かりに照らされたリーラ=メイビスを見つめた僕。
﹁私じゃ、ダメ
遠くにいる愛する者の顔を、脳裏に思い起こした。
﹁かもな⋮君がいてくれたから、ここまで来られた。でも⋮﹂
?
?
558
?
!
?
一対なる神*
│││シュウ│││
AMPの署長室にいる。室内には、ラリー、レビア、アザゼル、そ
して僕がいる。ある懸念事項を確認する為に、訪れた。
﹁龍斗から報告が上がってきたんだけど、エンジェル・ダストが盗まれ
誰に
﹂
ていたそうだ﹂
﹁うん
?
﹂
キとは戦いたく無いし。
?
あれって注射で打ち込むのでは
こせるから﹂
と思う。それだと、警備の目をすり抜けて、騒ぎたい場所で騒動が起
アイツらならば、カプセルにして飲ませて、時限爆弾方式で使うんだ
﹁それなら対処はしやすい。速効で効果が出るから。テロ行為をする
?
きっと騙して、飲ませるのだろう﹂
﹁飲ませる
﹂
﹁た ぶ ん 使 わ れ る の は ロ キ だ と 思 う。リ リ ン は 自 分 に は 使 わ な い。
﹁まさか⋮使ったら、元に戻れないのにか
﹂
アザゼルの顔色は優れない。僕だって、超絶強化されたリリンやロ
﹁グリゴリで分析した結果、リリン達にも効果が有りそうだ⋮﹂
アザゼルの方を見る。
い﹂
﹁たぶん⋮で、あの薬って人間以外にも効果が有る物なのかが、知りた
あの三人組とは、リリン達のことだ。
﹁まさか⋮あの三人組か
﹂
していたのに、知らない間に盗まれるって、人間の仕業じゃ無いよね
発覚したので、誰に盗まれたかは定かでは無いんだけど、厳重管理を
﹁製造量と保管量、売却分、使用分の他に不明分があり、その事実から
ラリーがきいてきた。
?
レビアが質問をしてきた。
?
559
?
?
絶句してしまった皆。
﹁で、何か、強力そうな輩が、来るようなイベントってあるか
ラリー﹂
﹂
﹁わぁ∼い♪シュウ、私が恋しかったのね♪﹂
美奈子の部屋⋮
│││││
アザゼルは頷き、転移していった。
欧の神格筋の動きを頼む﹂
なぁ、
﹁ラリー、聖闘士達を監視してくれ。アザゼルは、ギリシア⋮いや、北
﹁明日だ⋮今日の便で入国して、明日の昼に兵藤家本家で会うようだ﹂
﹁いつ
聖闘士か⋮
する。ガードに数名の聖闘士を連れて来る﹂
﹁ギリシアから女神アテナが、この国の重鎮の一人、兵藤源氏に謁見を
手が止まった。
ラリーは警備リストの書類に目を通していく。そして、ある書類で
?
﹂
﹂
って、僕を見るなり抱き抱えた美奈子。そんな彼女をスルーして、
﹁アルテミスはいるか
オス猫だけどいいの
僕の前に白い猫が現れた。
﹁ボクとやるのか
?
?
﹁え
私はシュウの下僕
﹂
!
アルテミスの下僕じゃないもん﹂
﹁お前の下僕の美奈子達を使え
﹁え⋮ボクだとガードする能力が無いよ﹂
れる可能性があるんだ﹂
﹁依頼だ。アテナをガードしてくれ。もう来日している。明日、襲わ
?
!
│││││
﹂
転移した先は道場である。きりんちゃんを呼んで、用件を伝えた。
﹁素手相手に真剣ですか
驚く表情のきりんちゃん。
?
560
?
って、美奈子。それもスルーして、次の場所へと転移した。
?
﹁素手といっても、ビルくらい簡単に破壊できる。拳が凶器だと思え。
喰らえば、死を覚悟しろ﹂
﹂
﹁う ∼ ん ⋮ わ か り ま し た。全 員 で 対 処 し ま す。気 を 抜 か ず に 全 員 で
帰ってきます
シュウ、どうしたの
に、部屋へと向かう。
﹁うん
こんなに早い時間に⋮まだ、夕方よ﹂
一回りして、指示を伝えてきた。ヘトヘトだよ⋮最後の一人に会い
││││││
と、決意を聞けた。よし、次は⋮
!
﹄
?
僕より強いのって⋮ニパか
者には頼りなさい﹄
頼れる者
強くなくて頼れる者
﹃そうじゃないわ。ふふふ﹄
そうじゃない
あの本によって封印されている、周太郎
?
あの本
あれかな
僕は愛読書の﹃世界不思議大辞典﹄を取り出し
の本来のスキルを解放しなさい。スキルだから普通に使えるはず﹄
﹃あの本、持っているでしょ
?
?
﹃そうなの⋮困ったわね。でも、周太郎は一人では無いのよ。頼れる
﹁今回はわからない⋮どう考えても、現状の僕より強いと思う﹂
﹃仲間を死なせないようにね﹄
﹁うん⋮とても⋮﹂
﹃周太郎⋮疲れたのかい
一香の持つ神器に封印されている母に、声をかけた。
﹁母さん⋮﹂
つく。
って、一香が勘違いをしているようなのでスルーして、彼女に抱き
?
?
?
?
あるだけだ。うん
﹁シュウ、どうしたのよ
大丈夫
﹂
?
?
﹁大丈夫だけど⋮う∼ん⋮小学校3年生では難問だぁ∼﹂
一香が心配そうに僕を見ていた。
?
?
た。この本で封印されている ﹃封印﹄の項目を見た。﹃共に唄え﹄と
?
561
?
本を見ていると、何かが脳裏に浮かんできた。それを口に出してみ
る。
﹁我 真実を問う者なり﹂
﹃我 真実を知する者なり﹄
知恵の精霊の声がする⋮
﹁真実を追い辿り着く﹂
﹃真実の鏡を打ち破れ﹄
僕の目の前に鏡が現れた。そこには、天使と鬼のハーフな姿の僕
が、映し出されていた。僕はその鏡面に拳を入れた。鏡面はひび割れ
ていき、粉々になり、新たな鏡面が現れた。そこに映し出された僕は、
金色のボディを持つ鬼で、純白の翼を持ち、翼は金色のオーラを纏っ
ていた。頭上には、金色の輪っかが浮かんでいる。問題は、全裸なの
﹂
に、股間には何も無いことか⋮
﹁ウルティマモード
少しは神々しさを持ちなさ
僕の身体が鏡に映っていた姿に変身した。股間に手をやるが、何も
無い⋮
﹃そ う い う 行 為 の 為 の 身 体 で 無 い の よ
い﹄
って、ドエス上司の声が響いた。そうなんだ⋮なんの為のモードだ
!
ダメじゃん⋮終わったら⋮凹む僕。
﹃それだけの力があるモードよ。終わらせるかは、君が決めなさい﹄
そうか。僕が終わらせたく無いのであれば、現状維持できるのか。
信じられない⋮もっと大事な仕事とか業
あっ⋮
﹃記憶が戻らないのが、難点よね∼﹄
何の
その記憶はあるの
って⋮記憶
﹃えっ
?
で、出来る物が宇宙なんだ⋮あれ
くなる僕。
僕って何者
?
自分自身が分からな
そうだ。ドエス上司とエッチするときだけ、アレが出現するんだ。
?
?
務を思いだしなさいよ﹄
?
?
562
!
﹃終末を迎える為のモード♪﹄
?
﹃はぁ⋮エロ神を長くやった弊害ね⋮あなたは⋮﹄
そこまでで上司からの念話は途切れた。
﹃相変わらずなんだ、彼女は。ふふふ♪﹄
母さんが断ち切ってくれたようだ。
﹃周太郎は私の息子。それ以上でもそれ以下でも無い。だから、自分
を信じてがんばりなさいね﹄
って、勇気付けてくれた。上司は何を言いたかったのか、興味は有
﹂
るけど。ふと、我に返り周りを見ると、誠、一香、リーラが跪いてひ
れ伏していた。
﹁何で跪いているの
僕は現役バリバリのエロ神だけど⋮﹂
?
﹁だから、何でよ∼﹂
﹂
記憶が戻っていないんですか
何の記憶
﹁えっ
﹁え
﹁だった
シュウ⋮﹂
リーラがひれ伏したまま、僕に言った。
﹁今までのご無礼をお許しください﹂
?
﹁神だった時代の記憶⋮﹂
?
それよりも、股間にアレが無いことにショックを受
?
呆れたように言う一香。みんな、どうしたんだ
﹂
﹁シュウ⋮あなたは神なのよ。その記憶が無いの
ごめん⋮よくわからない﹂
それって、記憶が戻ると一緒に居られないのか
?
緒に居られる♪﹂
え
﹂
小学3年生の姿に戻った。
﹁神って何
凹んだ僕は、
﹁はぁ⋮姿だけ元に戻ったのね⋮でも、それなら、少し嬉しい。まだ一
﹁うん
頭を上げたリーラが怒ったように言う。
?
﹁あんたって子は⋮それかい⋮﹂
けている﹂
﹁僕がどうした
頭を上げた誠の視線は睨んでいるようだ。
﹁あぁ⋮シュウ⋮お前ってヤツは⋮﹂
?
?
?
563
?
?
?
?
﹂
﹁宇宙創造神よ、シュウ⋮たしか、男女一対の神で、交わり授かる子供
は、宇宙その物って、神族の間では伝承されているわ﹂
まったく⋮はぁ∼﹂
﹁あぁ、その記憶だけはある。エッチしたら出来るんだよね
﹁エロ絡みの記憶しか無いの
頭を抱えたリーラ。
?
﹂
哀しそうな表情になるリーラ。
﹂
一番エライ神にならない方法か
﹁誠、避ける方法ってあるか
﹁はぁ
?
││││││
僕は、とある処に転移をした。
﹁ちょっと、出掛けてくる♪﹂
そうか⋮
そうなのか⋮どうする。ロキ達を倒すより大事な問題だ。うん
ないなぁ﹂
なった事無いから、わから
﹁住む世界が違うから⋮私では、神々しさに身を焼かれてしまう﹂
頷くリーラ。
に居られないの
﹁最終形態ってことだな。常時あの姿になれちゃうと、リーラと一緒
って、誠。あぁ、それで、あんなことに⋮
﹁しかし、何だ、あの神々しさは⋮思わず、跪いてひれ伏してしまった﹂
?
?
ここに転移できるの
﹂
こには神々しい光を放つ女性が一人いた。ドエス上司だ♪
﹁えっ
予想をしていなかった僕の登場に、驚く上司。
﹁なぁ、リーラ達と一緒に居られる方法を、教えてくれないか
僕のオーラを感じ取り、たじろぐ上司。
﹁ちょっと⋮待って⋮いや∼来ないで∼﹂
乳房を鷲掴みをして、リフトアップする。
﹁乱暴はやめて∼﹂
﹂
?
?
564
?
﹁ウルティマモード﹂になり、転移をすると、漆黒の闇に転移した。そ
?
?
?
乳房を左右に広げ、こじ開けた谷間に舌を這わせる。
﹁ダメ⋮いくっ⋮﹂
あ
虐めがいが無いじゃん⋮あっ、なんとなく
上司の身体は、一瞬跳ねて、全身の筋肉が弛緩していった。え
れだけで、達しちゃうの
?
して、意識が戻るのを待つ。
﹁うっ⋮はぁ⋮はぁ⋮はぁ⋮﹂
意識が戻ったようだな。
ドエムの女神様♪﹂
!
助けて⋮もう苛めないから⋮ねぇ⋮えっ
﹁おい、僕の質問に答えろよ
﹁ひ ぃ ∼
⋮﹂
刺さっている
だっけ⋮動かない上司と交わって、唇を舐めたり、耳たぶを舐めたり
思い出してきた。そうだ、虐めがいのある女性を求めて、下野したん
?
よな
﹂
﹁お願い⋮無駄に宇宙を創らないで⋮痛いの嫌い∼﹂
﹁ならば、答えろ。リーラ達と一緒に居られる方法は
﹁⋮﹂
ほぉ∼無言回答かぁ⋮ふふふ⋮腰を動かす。
﹁じゃ、僕の抱えている問題の解決策を教えて♪﹂
涙目になり首を小刻みに左右に振る女神様。
﹁神々しい女神様のこの姿を、下々の者に見せるか
﹂
大きなモノを咥えた口の両端からヨダレが流れている
﹁うっげぇ⋮うぅ⋮﹂
彼女であったが、本能で舌だけが動き、僕のアレは大きくなっていく。
何回か達しさせて、アレを口の中に入れてみた。意識が無いはずの
﹁あぁ⋮もう⋮堪忍して⋮﹂
神様。
女神様の股間のポッチを弄り倒す。ヨダレを流して喜んでいる女
﹁あっ⋮ダメ⋮いやっ⋮やめて⋮あぁ⋮いい⋮でも⋮ダメっ⋮﹂
﹂
﹁このまま、孕ましても良いんだよ。宇宙を生み出すって、激痛だった
僕を恐怖の対象として見る、彼女の眼差し。
!
﹁うぅぅ∼﹂
?
565
!
?
?
泣いているのか
ダメ⋮傷つけないで∼﹂
﹂
二人きりなんだから、愉しもうよ∼♪﹂
?
﹂
!
そうだっけ
そこまでの記憶は無い。
﹁うっ⋮うっ⋮うっ⋮下野する時も、酷いことを一杯して⋮ひどい⋮﹂
﹁騙したら、これを潰すからね♪﹂
ポッチに置いた。
やっと、理解してくれたようだ。彼女の肩を抱き、片手を下腹部の
﹁わかった⋮教える⋮いや、教えさせてください⋮﹂
﹁じゃ、教えて♪﹂
﹁痛いよ∼ダメだよ∼いや∼
前の穴と後ろの穴の間辺りを突いていく。
﹁なんで
﹁えっ
﹁なぁ、真ん中の穴を創って、刺すか
初めての体験らしく、愉しめていないようだ。
﹁あぁ∼⋮いやっ⋮うごっ⋮ぐぉっ⋮あっうぅ⋮﹂
あぁそう⋮前触れ無しで穴に突入した。
﹁ダメ⋮それはダメです﹂
﹁教えて♪﹂
﹁やめてください⋮もう、やめてください⋮﹂
ようとする。
口からアレを取りだし、四つん這いにさせて、腰を掴み、穴に入れ
あげよう﹂
いなら、この先ずっと、虐め続ける。そうだ、後ろの穴を経験させて
﹁なぁ、二人だけの空間だぞ。助けは来ない。解決策を教えてくれな
?
はぁ
誰かいないとダメじゃなかったっけ
うぅ⋮﹂
?
う∼ん⋮
﹁お前が一緒なら、リーラ達と一緒に居られるんだな
﹁うん⋮﹂
﹂
﹁大丈夫⋮私が理を変えたから⋮次に帰って来たら⋮一緒に⋮って⋮
?
﹁うぅ⋮ねぇ⋮私を一人にしないで⋮一人で留守番はもう嫌⋮﹂
?
566
?
?
?
小さく頷いた彼女。
﹁わかった。お前の願いを叶えよう。汝の名前は
﹁名前すら忘れたの∼うぅ⋮﹂
いや、全然想い出せない⋮すまん⋮
﹁私の名前は⋮あっ、無いや﹂
おぃ
﹁なら、汝の名前はドエス上司とする﹂
では⋮
﹂
﹁痛っ⋮ひどいよ∼﹂
﹁うんじゃ∼レベッカでどうだ
﹂
クリトリスのクリトリスを摘まむ。
﹁却下
﹁異論反論が無いから、決定かな♪﹂
﹁⋮﹂
﹁クリトリス♪﹂
はぁ
﹂
﹁いや⋮ねぇ、もっと⋮なんていうかな⋮甘えてくれそうな名前⋮﹂
?
﹁おい、忍とオーフィスとケンカするなよ。ケンカしたら、躾ける♪﹂
魂状態になり、僕の中に入ってきた。僕の魂に寄り添うようだ。
レベッカには﹁魅惑﹂
﹁束縛﹂の意味があるとされる。レベッカは、
ら、私はどこに居ても問題無いよ﹂
憶をサポートする。あと、新しい宇宙は当分いらないし、君が居るか
﹁うん⋮魅惑の女神かぁ♪じゃ、名付けてくれたお礼に、君の失った記
?
そして、家に帰ると、朝だった⋮あっ、寝ていない⋮
567
!
?
!
ロキ戦の果てに
│││アテナ│││
兵藤源氏氏との会談中にそれは起きた。突然の爆発音、外から戦闘
﹂
をしている音が聞こえてきた。
﹁何事じゃ
﹂
源氏氏が叫び、彼の弟子に状況を聞いている。
﹁何じゃと
私を睨む彼。
何で
彼らの元に駆けつけようと
﹁お主のお付きの者が、豹変して暴れているそうじゃ。今、一誠の仲間
聖闘士達が
?
が応戦をしているようじゃ﹂
私のお付きの者
?
刀が拳により、弾かれていく。拳の動きは速い上、刀と違い、その
バゴ∼ン
私のまかされたチーム剣士の皆さんに指示を出した。
すから、躊躇してないでください﹂
﹁脊髄だけが弱点です。頭を切り離しても、攻撃が止まらないそうで
た。
纏っているオーラは、人間の物でも聖属性でも無く、狂気その物だっ
シュウさんに言われていた通り、突然豹変した聖闘士達。彼らの
│││きりん│││
﹁はい、源氏様﹂
﹁おぉ、一誠の部隊の者じゃな﹂
纏った戦士と思われる者達がいた。
ア ル テ ミ ス の 後 ろ に は セ ー ラ ー 服 も モ チ ー フ と し た 戦 闘 衣 装 を
きます﹂
﹁源氏様、アテナ、こちらへ。私達、チームセーラー戦士がガードに付
した私の前に、女神姿のアルテミスが現れた。
?
軌跡は変幻自在であった。
568
!
?
!
﹁きりんちゃん、刃が保たない。峰撃ちに切り替えるわよ﹂
刀華さんから、声がかかった。頷く私。刃が欠けていく。拳が硬す
ぎる⋮苦戦を強いられる私達、徐々に戦域が押し込まれてきている。
ズッゴ∼ン
一人の聖闘士が吹き飛ばされていく。援軍かな
﹁きりん、待たしてすまない﹂
この声はゼノヴィアさんだ。
﹃ダイヤモンドダスト﹄
ズいよ∼
﹂
!
けた。その姿は異様であった。エンジェルダストの影響だろうか
腕が異様に太く、目付きがおかしい。
目の前の化け物は、巨大な魔法陣を展開して
強化薬がちょうど効いてきたところだ。決着を付け
﹁おぉ、来たな
﹂
よう、化け物よ
どっちが化け物だよ
?
!
?
天使の翼を展開して、空中で索敵をしていると、上空でロキを見つ
│││シュウ│││
ドラゴンへと姿を変えていく。
イッセさんの呼び掛けに頷くイッセー君。そして二人は、人間大の
な﹂
﹁イッセー、龍化だ。巨大化はするな。周囲の建物に被害が出るから
イレギュラーな存在だそうだ。
イッセーさんとイッセさんだ。彼らも並行世界の兵藤一誠であり、
﹁遅くなりました♪供物分、働きに来ましたよ∼﹂
腹部を貫通して脊髄を破壊する攻撃。相手は動きを止めていく。
﹃ドラゴンショット
﹄
援軍が来てくれたものの、相手の異常性の前に、苦戦している。マ
ビなのか
﹁あら∼、腹を弾けさせても、攻撃力が落ちないのか。こいつらはゾン
入り、露出した部位は弾けていく。でも⋮
シルキーさんの声だ。光輝く物が聖闘士を襲う。防具にはヒビが
?
!
!
569
?
きた。僕は、新しい能力﹃ミラートランスファー﹄を起動させた。こ
れは目標物を鏡に転写して破壊する能力だ。目の前に発現した鏡に、
﹂
アイツの発現させた魔法陣が転写され、粉々に破壊した。
﹁なんや、その能力は⋮これなら、どうだ
つは発現できないから。
目の前の化け物は粉々に破壊できたのだが、それと同時に、強制転
たことを⋮
た為に、僕は見落としてしまった。僕の足元に、あの魔法陣が発現し
化させながら、アイツ自体を鏡に転写させた。だけど、いらついてい
今度は3枚⋮あぁ、キリが無い⋮アイツの発現させた魔法陣を無力
﹁くそっ⋮これならどうや∼
﹂
換えて無力させていく。まだ﹃ミラートランスファー﹄を、同時に2
今度は巨大な魔法陣を2枚を発現させてきた。僕は魔法陣を書き
!
移魔法陣が発動していた。そのことに気づいた僕は、僕の魂からレ
﹂
!
ベッカを放り出して、
﹁僕を探してくれ⋮レベッカ、頼むぞ
彼女に、後のことを頼んだ。
570
!
あの世界へ
転移した先*
転移した先は、街中だった。身体はあるようで、前回のような、魂
だけってことは無いのが救いだ。状態をチェックする。オーフィス
達は一緒にいる。この世界の者を同化吸収したようだ。ってことは、
D x D の 世 界 で あ る よ う だ。次 に 持 ち 物 チ ェ ッ ク。不 思 議 な 袋、ツ
念話を飛ばすが、返事は無い。第8,第9、第1
ヴァイ達の書物は持っている。戦力の低下はなさそうだ。
で、ここはどこ
2、第13のどれでも無いようだ。う∼ん⋮
﹃ヘルプ﹄を唱えるが、反応はない。そうなると第8以前ってことにな
る。8よりも新しければ、第8の絶対神である航路の神を呼び出せる
から。
ならば、誠の家の近くに転移してみた。
顔をチェック。一誠の顔だ。ということは兵藤誠、一香のいる世界
か
﹂
﹁兵藤さんちが爆発したぞ∼﹂
﹁119にかけて∼
た。
触しようかな
う∼ん⋮心当たりを思い出した僕は隣町に転移をし
て、どうするかな⋮まず、この世界の勢力図を知りたいけど、誰と接
んでいる可能性があるからだ。公園の茂みに隠れるように、潜む。さ
そして、隠れるように遠くへと逃げる。誠たちの暗殺犯が近くに潜
の記憶を反映できるようにした。
は、僕に同化吸収されているのか。記憶を整理して、この世界の一誠
た。そうなると、暗殺の直後に転移したようだ。で、この世界の一誠
やじ馬たちが集まっている。誠の家は、木っ端微塵に爆発されてい
!
見付からない。壁際に注意力を
?
注いでいたので、足を何かに引っかけて、よろけて壁際に倒れそうに
す。僕のいた世界とは違うのかな
確か、この辺りに掲示板があったはず⋮記憶を頼りに掲示板を探
?
571
?
転移はできた。読み通りの世界であるようだ。誠の家に近づくが、
?
なった。その時、これまで見えなかった物が見えた。掲示板だ
そう
だった⋮結界が張られていて、能力者以外は見られない仕組みだった
んだ。忘れていたよ。
掲示板には目的の求人広告が貼り付けてあった。
﹃アルバイト募集
年齢不問、未経験者OK、長期勤務できる方優遇﹄
これだ。早速、面接を受けに行く。募集していて良かった♪求人広
告に書かれている地図を頼りに、勤務先に行ってみると、緑色の髪の
お兄さんがいた。そのお兄さんに、
﹁アルバイト募集のチラシを見てきたのですけど﹂
﹂
と、おそるおそる伝える。すると、お兄さんは怪訝な表情で、
﹁まだ、小学生みたいだけど。親の承諾は取ってきているかい
と聞かれた。そうだ。あの時は両親からの手紙をみせたんだっけ。
どうしようかな、ここは正直に話そうかな。
﹂
僕の発言に驚く表情のお兄さん。
﹁禁術文字だって
﹂
この世界には無いのかな⋮失敗したかな⋮ははは⋮少し凹
﹁君は何者だい
﹂
能力をアピールする。雇って欲しいから。
﹁できます。改変とか、新規製作もできます﹂
﹁魔法陣の解析は出来るのかい
んだ気分になる。
うん
?
﹁⋮兵藤⋮一誠⋮です⋮﹂
?
572
!
?
﹁家に帰ったら、家が爆発していて⋮帰る場所が無いんです。ここで、
﹂
住み込みで働かせてください。お願いします﹂
頭を下げて、頼んでみる。
﹁君、あの掲示板を見ることが出来たのかい
﹂
﹁はい⋮それで来たのですけど⋮﹂
何かを考えるお兄さん。
﹁君は悪魔文字を読めるのかい
?
﹁読めます。あと、神格文字とか禁術文字とか﹂
?
?
?
﹁なんだって
じゃ、誠殿と一香殿は⋮﹂
﹂
お兄さんが数枚の会話用魔法陣を発現させて、あれこれと話してい
る。
﹁君、指紋を採っても良いかな
﹁う∼ん、本当に魔法陣を理解しているようだね。次はこれだ﹂
た。僕の能力を知りたいようで、簡単な魔法陣の問題ばかりだった。
そして、食事をして、仕事部屋に向かう。今日の仕事は、テストだっ
﹁わかりました、アジュカさん﹂
﹁社長って呼び方は抵抗あるな。名前でいいよ、一誠君﹂
朝の挨拶をアジュカさんにした。
﹁おはようございます、社長﹂
といわれた部屋に向かうと、アジュカさんは食事を始めていた。
け。賑やかな場所に慣れている僕には、少し寂しげではある。食堂だ
翌日、与えられた部屋で目覚めた。一人で爆睡って、何年ぶりだっ
││││││
ぼ同じであった。これなら、こなせるな。一安心だ。
その後、大体の仕事内容を聞いた。僕の世界における仕事内容とほ
神としてバレるには歳が幼すぎるし♪
って。あぁ、神のなせる業だけど、これは言わないでおこう。エロ
て、初めて見たよ﹂
﹁君は⋮一体⋮何者だい、一誠君。契約締結を自動でできる能力なん
ジュカさん。
手 し た 手 の 上 に 羊 皮 紙 が 現 れ て 燃 え て 消 え た。そ の こ と に 驚 く ア
アジュカさんの差し出した手を両手で掴み、握手をした。すると握
カ・ベルゼブブだ、一誠君♪﹂
﹁身元は確認できた。ここで住み込みで働いて欲しい。俺は、アジュ
用魔法陣であれこれと話し込んでいる。
身元確認ですね⋮頷く僕。指紋を採取して、照合作業を経て、会話
?
﹂
悪魔の駒を目の前に置かれた。駒を手に取り調べてみる。
﹁これは何かわかるかな
?
573
?
﹁悪魔の駒ですよね⋮サンプル出荷かな
即答した僕に驚くアジュカさん。
﹁なんで⋮わかるんだ⋮﹂
それとも特注品ですか
﹂
?
る僕。
﹁あぁ、特注品ですね。これが噂のキングの駒かぁ﹂
アジュカさんの印が有るんですけど、純正品ですか
﹁えっ⋮なんで⋮﹂
﹁うん
﹁それをなんで⋮﹂
解析ツールで内部を探る。
仕様書なんか作っていないの
﹁未使用で、初期ロットでは無いですね﹂
﹁だから、なんで⋮なんで、わかるんだ
に⋮﹂
あ⋮この世界では仕様書が無いのか⋮しまった⋮
﹁どうしてだ、一誠君﹂
?
﹁別世界から来た⋮僕の養子⋮
証拠は何かあるかい
﹂
は無い。今の時点で話せる範囲のことをアジュカさんに告げた。
頷くアジュカさん。結界を張ってくれた。これで盗聴される心配
﹁アジュカさん、結界を3重に張ってもらえますか﹂
すべて話すしか無いかな⋮
﹂
目の前にある検査装置に駒を置き、手慣れた手つきで駒の解析をす
?
?
?
は何の駒だ
﹂
﹁確かにベルゼブブの紋章入りの基板だ⋮知らない回路がある。これ
べて、驚くアジュカさん。
僕は僕の駒をアジュカさんに見せた。駒を手に取り、検査装置で調
?
能入りです﹂
﹂
﹁す ご い ⋮ こ ん な 駒 が あ る の か ⋮ 僕 の 養 子 っ て 言 っ た よ ね
レーティングゲームの保守、開発も出来るのかい
?
﹁できます。アジュカさんの養子になるって、そういうことですよね
?
じ ゃ、
族変換機能や、複数の駒との併用、記憶のバックアップなどの特殊機
﹁僕の改良したドラゴンの駒です。入れると転生ドラゴンになり、種
興奮するようにきいてきたアジュカさん。
?
574
?
﹂
﹂
﹁そうか⋮一誠君、君のことを信用しよう。この世界でも養子にして
も良いかな
るから。
﹁では、父さんと呼んでいいですか
頷くアジュカ父さん。
?
苦手な男は。
?
この子供
?
﹂
﹁一番分からないのは、なんで俺でなくて、お前の所に逃げ込んだんだ
から、事情は分からないようだ﹂
﹁出先から帰って来たら、家が爆発して無くなっていたそうだよ。だ
サーゼクスちゃんはアジュカちゃんにきいた。
﹁で、彼からは詳しい事情は聞けたのか
﹂
の所に逃げ込んだそうだ。いつ、そういう仲になったんだ
二人の忘れ形見である息子の一誠君は、アジュカちゃんを頼って、彼
現代の英雄、兵藤誠・一香夫妻は、私達悪魔とも交友関係があった。
﹁唯一の救いは、一誠君が俺を頼って、来てくれたことか﹂
ファルビーが報告を続けた。
﹁残念だけどな。で、どこの勢力が手にかけたのかは、未だに不明だ﹂
アジュカちゃんは落胆していた。
﹁そうか⋮誠殿と一香殿はダメだったのか⋮﹂
ている。
久しぶりにアジュカちゃんのビルで、魔王全員が集まり、会議をし
│││セラフォルー│││
﹂
頷く僕。アジュカさんのような後ろ盾は、どこの世界でも必要であ
?
人間界に家があるのは、俺だけだから
あぁ、子供大好きなサーゼクスちゃんが、子供が苦手なアジュカ
ちゃんに嫉妬している。
﹂
﹁それは、お前の家は冥界だろ
じゃないのか
?
﹁それなら、一誠君は俺が引き取る。アジュカ、お前は子供が苦手だろ
?
575
?
?
﹂
もっともな理由を言うアジュカちゃんから、一誠君を取り上げよう
とするサーゼクスちゃん。
﹁それは無用だ。彼を俺の養子に迎え入れた。だから、一誠君は俺の
息子になる﹂
﹂
驚く私達。子供が苦手の割に、手が早いぞ、アジュカちゃん。
﹁おい、相談も無しに、そんなことを決めたのか
せたんだ
勝ち誇ったようなアジュカちゃんの顔。何が彼に、そんなことをさ
﹁決めただけで無い。届け出も終わっているよ、サーゼクス♪﹂
?
﹂
?
﹁一誠君、どこまで出来たかな
﹂
仕事の上がり具合を見る、アジュカさん。
﹂
入って来た。僕を観察するように見るアジュカさん以外の魔王3名。
仕事をしていると、魔王会議が終わったのか、魔王4名が仕事場に
│││シュウ│││
スちゃん。
ファルビーが追い打ちをかける。それに対して、渋い顔のサーゼク
﹁サーゼクス、家族の持ち込みもダメだぞ﹂
ジュカちゃん。
家族に自慢げに話すクセのあるサーゼクスちゃんに、釘を刺すア
﹁当分、このビルからも出さない。魔王だけの秘密だぞ、サーゼクス﹂
戦略担当のファルビーが案を出してきた。
し﹂
くらいだから、他の勢力からも争奪の手が上がるのは目に見えている
﹁他の勢力には、当分内緒だ。魔王内でも一誠君の争奪戦が勃発する
私が本題に引き戻した。
﹁で、今後はどうするの
ファルビーが間に入り、宥めていく。
﹁おい、そういうことで揉めるなよ。大人げないなぁ﹂
?
﹁まだ、システムを改良中です。コマンドの増設をして良いですか
?
?
576
?
﹁君が必要と思うのであれば、新しく作ってくれてかまわない。但し、
マニュアルは作っておいてほしい﹂
頷く僕。
﹂
﹁え∼、今日から仕事を始めて、レーティングゲームのシステムを弄れ
るの
いつの間にか、僕の後ろに回り込んで、モニタ画面を見て驚いてい
?
俺よりも優秀なプログラマになれるよ、彼は♪﹂
るセラフォルー。この世界のこの人は、どうなんだろうか
﹁すごいだろ
﹂
?
サーゼクスさんだ。何を思い、何を考えているのだ
母上や父上に、君の元気な姿
﹂
﹁なぁ、仕事のジャマだ。そろそろ帰ってくれないか
ワガママだな⋮
転移先は、冥界のグレモリー邸だった。
﹁母上、父上、一誠君を連れて来ました﹂
嬉しそうに、両親に報告するサーゼクスさん。はぁ
?
﹁そうだ。将来、リアスと結婚するから、今からグレモリーを名乗って
って、ヴェネラナさんに抱きしめられた。
よ﹂
﹁一誠君、よく来てくれたわね。ここを君の家と思って住んで良いの
⋮
誘拐だろうに
をする前に、僕を抱えて、転移した。あぁ、この世界のグレモリーは
僕の頭を撫でながら、サーゼクスさんが言った。そして、僕が返事
を見せて欲しいんだ﹂
﹁一誠君。俺と一緒に来てくれないか
アジュカさんが、魔王3名に呼び掛けた。
?
納得してくれたファルビーさん。不気味なのは、ここまで無言の
﹁あぁ、誠殿と一香殿息子だもんな﹂
って、ことにしてくれたアジュカさん。
﹁あぁ。兵藤家の英才教育の賜り物だよ﹂
ファルビーさんがアジュカさんにきいた。
﹁彼は悪魔文字が分かるのか
アジュカさんからお褒めの言葉をいただいた。
?
?
?
577
?
良いんだよ﹂
と、グレモリー卿。おい、政略結婚臭がプンプンだぞ⋮そんな和気
藹々としたグレモリー家の皆さんの前に、魔王3名が転移してきた。
﹂
﹁サーゼクス、お前、誘拐だぞ。彼の意志を確認する事無く、連れ出す
とはどういうことだ
アジュカさんが激怒している。いや、僕も激怒したいけど、正体が
﹂
当面、アジュカのビルから連れ出さないこ
バレちゃうから、我慢しています。
﹁魔王会議で決めただろ
とって。お前、魔王の自覚があるのか
と、グレモリー卿。おい、じじぃ⋮僕の意志は
く。
﹁僕の意志は無視するんですか
﹂
サーゼクスがルシファー眷属に命令して、魔王3名を排除してい
﹁おい、お客さんがお帰りだ、玄関の外に案内してくれ﹂
くれました。サーゼクスは彼の意志を無視しての行為ですよ﹂
﹁それは困ります、グレモリー卿。彼は俺が養子にすることを認めて
?
﹁一誠君はリアスの婿としてグレモリー家で預かる﹂
ファルビーさん、もっと言ってあげて。
?
?
って、堕天使総督のアザゼルが登場した。
!
の部屋⋮一誠君も一緒にいる。なんで、私の部屋を知っているの
﹁もう⋮だから、アジュカさん以外の悪魔は嫌いなんだよ∼﹂
?
一誠君が私に駆け寄ると、私を強制転移させた。転移先は何故か私
│││セラフォルー│││
セラフォルーに駆け寄り、彼女と転移をした。
激高するグレモリー卿。もう⋮ここの空気を吸いたくない⋮僕は、
﹁おい、堕天使風情が、我が屋敷に勝手に入るな
﹂
﹁おい、悪魔共、お前ら、何してんだ、こそこそと﹂
ど⋮リアスを喰い物にしちゃおうかな⋮
って、ヴェネラナさん。あぁ、僕はグレモリー家と相性悪いんだけ
﹁えぇ、人間の君には選択権は無いのよ﹂
?
578
?
ねぇ⋮﹂
怒りのオーラを纏っている一誠君。え⋮何、これ⋮魔王である私の
身体が恐怖で震えている。
﹁ねぇ、なんで、僕の意志は無視なの
質。
一誠君⋮彼に質問は出来る状
サーゼクスちゃんに向ければ良いでしょ⋮﹂
﹂
予感出来る私。彼は本当に人間なの
人間とは思えない、オーラの
涙が零れている。怖い⋮殺される⋮彼の怒りのオーラにより、死を
﹁なんで、私
況ではなかった。彼の目は怒りの色で染まっているようだ。
い⋮これが、怖いって感覚なんだよね
彼の怒りのオーラの飲み込まれて行く私。震えが止まらない。怖
?
?
?
何 か し ら ⋮ 股 間 が す ぅ ∼ す ぅ ∼ し て き た。
﹁喰い物にするなら、女性でしょ
え っ ⋮ そ の 発 想 は 何
?
天使と初体験だなんて⋮死亡フラグが立ちまくっている。彼の指
﹁殺さないで⋮ねぇ、なんでもするから⋮﹂
み出している。
中には、天使の翼が展開しており、彼のモノからは聖なるオーラが浸
チクチクとする感覚で現実に引き戻された。目の前の一誠君の背
い⋮
にクリトリスまで甘噛みされていく。痛いはずなんだけど、気持ち良
で溺れていく。乳房を揉まれ、乳首を舐められ、甘噛みされ⋮、つい
一瞬痛みを感じるが、快楽の波が次々と押し寄せてきて、恍惚な海
準備OKな状態になっていたようだ。
太くて大きなモノはスムーズに入って来た。私の入り口は受け入れ
メンになっていた。いきなり、入れたら痛いと思うよ⋮だけど、彼の
れない。一誠君の姿が⋮可愛らしい子供だったのに、筋骨隆々なイケ
一誠君が何かの呪文を唱えた。次の瞬間、身体が動かない。逃げら
﹃身体停止﹄
﹁恐怖を身体に刻み込んであげる﹂
い。これも手で確認するが、有るべき物が無い。
手で確認すると、有るべき物が無い⋮いつの間に。胸の収まりが悪
?
先からも聖なるオーラが漏れているようで、触られるだけど、死にそ
579
?
うに気持ちが良い。死んでしまう一歩手前って、なんでこんなにも萌
えるんだろう⋮
そして、彼は有り得ない物を手にしていた。十字架と聖水の入った
瓶⋮それは死亡フラグが確定ってことなのか⋮
﹁お願いします⋮殺さないで⋮ねぇ、下僕になるから⋮﹂
なりふり構っていられない状況なので、命乞いをする私。なんで、
サーゼクスちゃん達の怒りを私一人が背負うのよ⋮しくしく。
十字架が股間に差し込まれていく。終わった⋮身体の芯が痛い⋮
感じたことの無い激痛が私を襲ってきた。あそこに聖水を流し込ま
れて、私は死ぬのね⋮恐怖のあまり、私の意識は飛んでいった。
││││││
意識が戻ると、アジュカちゃんのビル内にある一誠君の部屋で、一
ルー﹂
へ
え
私、魔王だよ⋮
一誠君って人間だよね
へ
笑顔のアジュカちゃんが、目の前にいた。実験体
顎を撫でて感心して、私を見ているアジュカちゃん。混乱する私。
まで信じられなかったけどな﹂
凄いよ。セラフォルーの体内に十字架を入れても、大丈夫って。見る
﹁一誠君の駒の実力が見たくて、セラフォルーの身体で試したんだ。
?
580
誠君と寝ていた。二人共全裸であるけども、私の身体に拷問を受けた
痕は無かった。夢だったのか、一安心だよ。
起き上がって背伸びをする。でも股間に違和感が⋮手で弄ると、十
字架が刺さっていた⋮でも、痛く無い。なんで
てことで﹂
悪魔で無くした
﹁この世界のセラフォルーも頭が弱いのかな
?
る。だから、転生ドラゴンだよ﹂
一誠君の駒
今は僕の駒を入れてい
﹁ふふふ、セラフォルーは悪魔で無くしたから♪今後は僕のペットっ
?
?
?
?
?
?
﹁一誠君の駒の実験体になってもらったんだよ♪おはよう、セラフォ
?
﹁ちょっと、待って⋮ねぇ、私って、今、何
﹁﹁転生ドラゴン﹂﹂
﹂
二人が声を揃えて、私に宣告している。あ⋮え
寝る
﹁今夜から毎晩、僕と寝て貰うよ♪﹂
って、一誠君⋮毎晩
?
?
﹁で、一誠君、サーゼクスにはどういう攻撃をするんだ
?
ソーたんを
ぶるからね﹂
え
﹂
笑いながら部屋を出て行く二人。あいつらは鬼か悪魔か
﹂
﹁まぁ、入っていた方が、アイツは強いだろうな﹂
﹁この世界を出られる日まで、眷属にしておくよ﹂
﹁セラフォルーはどうするんだ
も教えてもらった。凄いの一言だ。
誠君の価値。更に、俺のことを信頼してくれて、並行世界から来た事
に沿って。その結果分かったことは、魔王すら眷属に出来てしまう一
ラフォルーへと挿入した。テストは女性が良いという一誠君の希望
で、一誠君の開発したというドラゴンの駒のテストをする為に、セ
ていた。
君。未だにサーゼクスとルシファー眷属と堕天使共が、一誠君を探し
よっぽど、嫌だったんだろう。セラフォルーと一緒に逃げた一誠
は﹂
嫌だよ。誘拐紛いなことをされて、婿入りを強要されるなんてこと
﹁うん。僕はファルビーさんと父さんが味方であれば良いから。もう
にした一誠君。
昨日のグレモリー邸での出来事を踏まえて、悪い子供を演じること
﹁いいのか、一誠君。悪役を演じて⋮﹂
│││ファルビウム│││
あっ、逃げられないように首には首輪が嵌められていた⋮
?
﹁ダメ⋮止めて⋮ねぇ、言う通りにする。私を好きにして良いから⋮﹂
?
﹁リアスをいたぶる。あぁ、セラフォルー、僕に逆らうとソーナをいた
?
?
?
581
?
テストの結果、聖水、十字架によるダメージをまるで受けないセラ
フォルー。脅威的な身体的特徴な魔王の出来上がりだ。
│││サーゼクス│││
アジュカのビルの一誠君の部屋で、彼と一緒に逃げたセラフォルー
を発見した。逃走出来ないように首輪を嵌められている。どういう
関係なんだ
何の犠牲だ
俺は、眷属をここに召還して、セラフォルーを
?
﹂
!
真面なグレモリー家は。
?
﹁軍は俺の指示で無いと動かないから安心してくれ、一誠君﹂
﹁父さん、反撃していいかな
﹂
モリーはダメだよな∼。クリスを養子に迎えてくれた世界だけだよ。
はぁ⋮懲りずに、サーゼクスがやってきた。どこの世界でも、グレ
│││シュウ│││
﹁眷属が王に反論を言うな
納得できない表情の彼女。
て、リーアとの婚約からも逃げたし﹂
﹁彼は、グレモリー家からの逃亡犯だ。それだけで、充分な罪だ。まし
グレイフィアが反論した。
﹁サーゼクス、遣り過ぎだぞ。なんで、罪も無い者を牢へなんか﹂
リー邸の地下牢に入れてくれ﹂
﹁グレイフィア、ビル内を探索するぞ。一誠君を見つけ次第、グレモ
混乱しているセラフォルー。人間が魔王を眷属にできる訳がない。
﹁なんで、分かってくれないの⋮私は⋮もう一誠君の眷属なんだよ∼﹂
﹁セラフォルー、軍を連れて来い。一誠君を保護する﹂
解放した。
犠牲
﹁お願い⋮一誠君を放って置いてあげて。犠牲は私だけで充分だよ﹂
?
軍より強くないか
ファルビーさんが胸を張って言う。けど、ルシファー眷属相手だよ
ね
?
582
?
﹁一誠君、まさかグレモリー家が、こんなに君に固執しているとは思わ
?
なかった。すまない﹂
父さんが謝った。
﹂
﹁一時的にサーゼクスを殺しても良いかな
﹁サーゼクスを殺せるのか
僕の提案に驚くファルビーさん。
﹂
﹁簡単だよ、あんなへっぽこ悪魔は﹂
過去に、何度も殺しているし。
﹁生き返らせることは可能なのか
﹂
?
﹂
?
場に倒れるサーゼクス。
﹁サーゼクス、どうしたの
﹂
サーゼクスの身体は冷たくなっていく。こんなに簡単に死ぬなん
│││グレイフィア││││
えて、迎撃に行く。
後ろから、眷属達が迫ってくるオーラを感じた。僕は妖刀村雨を携
涙をこぼしているセラフォルー。
﹁だから、犠牲は私だけで良いって⋮﹂
物言わぬサーゼクスの身体を揺するグレイフィア。
ねぇ
話している最中に、アイツの心臓を摘まんで、鼓動を止めた。その
﹁やっと、一誠君来てくれたんだね。さぁ帰ろ⋮﹂
獲物の前に転移した僕。
│││││││
僕は、獲物を狩る為に転移をした。
ドエス心に火が着きそうだ。
﹁その方が楽しめる♪﹂
﹁う∼ん⋮女王様だぞ。言う事は聞かないと思うけど﹂
﹁グレイフィアさんはくれる
ファルビーさんも僕に謝った。
﹁それしか無いか⋮すまない、手を汚させてしまって﹂
﹁もちろん、時間は少しかかるけどね﹂
?
!
583
?
?
て⋮想像していなかった。一誠君⋮彼は何者だ
サーゼクスを、一瞬で死へ誘った。
﹁うぅ⋮うっ⋮うっ⋮﹂
﹂
泣きじゃくっているセラフォルー。
﹁彼は何者だ
悪魔では勝て無い相手じゃないか。
﹁天使⋮﹂
なに
?
私以外の眷属は
最強の魔王である
?
彼の後ろには屍の山が出来ていた。こんな
?
⋮セラフォルーが泣きじゃくっているのは、そういうことか
﹁わかった。降参だ⋮好きしろ﹂
﹁じゃ、舐めて♪﹂
とにしてやる﹂
そんなこと出来ない⋮リアスを差し出す
﹁ごめんね⋮逆らうとソーたんが⋮﹂
耳を疑う命令をした彼。
何を言っているんだ
﹁セラフォルー、十字架でグレイフィアを遊べ﹂
?
いるようだ。でも、疑問が生まれていた、何故セラフォルーは十字架
おへそから煙が立ち上り、肉の焼ける臭いがする。内臓が焼かれて
﹁あぁ∼ダメっ⋮﹂
乳首から煙が立ち上る。痛い⋮千切れそうだ。
セラフォルーが泣きながら、十字架で私を責める。痛い⋮やめて⋮
?
﹁じゃ、グレイフィアはいいや、リアスを差し出せ。それで無かったこ
彼はモノをしまった。
﹁なんだ、好きに出来ないんだな﹂
躇してしまった私。
彼のモノが私の前に出された。聖なるオーラが染み出ている。躊
?
彼の視線は私の身体を舐めるように見ている。それが狙いなのか
﹁まぁ、グレイフィアさん次第だけど⋮﹂
短時間で
え
﹁後はグレイフィアさんだけだよ♪﹂
?
を握っていて、ダメージが無いんだ
?
584
?
?
ダ メ だ っ て ⋮ 死 ん じ ゃ う ⋮ セ ラ フ ォ ル ー が 躊 躇 し て い る。
﹁セラフォルー、聖水であそこを洗ってから、十字架を入れてやれ﹂
え っ
﹂
?
セラフォルーの王なのか
イフィア⋮﹂
王
﹁あぅ⋮﹂
彼は⋮魔王を眷属に出来るのか
?
﹁この世界を無くしていいかな
世界をか
﹂
そ、そんな力があるのか
見つけてくれると思うし﹂
﹁仲間に知らせるならってことです。それくらいの異変を起こせば、
本音を呟いたら、父さん達が恐怖のオーラに包まれていた。
﹁宇宙ごと⋮一誠君⋮﹂
迎えが来てくれるな。うんうん。そうしようかな﹂
﹁僕は並行世界から来た者だよ。あっ、そうか。宇宙ごと消し去れば、
父さんが驚いている。
﹁一誠君、君は何者なんだ⋮﹂
して良いなら、1秒あればいけるかな﹂
﹁そうだね。10分くれれば、生物を全滅できると思う。星ごと無く
?
?
僕の言葉に目を丸くして驚く魔王様2名。
﹁無くす
?
ファルビーさんがきいてきた。
﹂
父さん、ファルビーさんのいる場所に転移した。
﹁疲れた⋮あきてきた⋮﹂
│││シュウ│││
彼はどこかに転移した。
﹁わかった。セラフォルー、やめていいよ。リアスを攫ってくる﹂
﹁やめて⋮ねぇ⋮﹂
稼ぎだろうか。
あそこを刺激して、開花させていくセラフォルー。彼女なりの時間
?
﹁ち、違います⋮ソーたんに手を出さないでください⋮ごめんね、グレ
﹁王の命令に逆らうんだな
どうなるかの予測が付くからだろう。
?
?
585
?
﹁いや、そんな能力を持っている者なんか、いないよね
﹂
ジョークだろ
本 気 だ よ。だ っ て、こ の 世 界 の グ レ モ リ ー 家 は 無 茶 苦 茶 で
ファルビーさんが、確認してきた。
﹁う ん
?
﹂
誘拐した挙げ句に、婿に入れって、で、家に逃げ帰ったら、脱
﹁宇宙のリセット
﹂
﹂
﹂
って、結果はわからないよね。君達全員が消え
大風呂敷を広げすぎでしょ
﹁う∼ん、試してみる
ちゃうし。ふふふ﹂
﹁マジで、できるの
ねぇ、一誠君、君は何者
﹁出来るよ。権限は持っている﹂
﹁権限
?
言えない。僕の正体がバレたら、確実にこの世界は消えるか
い情けない親だからね﹂
界が消えても文句は言わない。息子になってくれた者を、護り切れな
﹁訂正するってことは、本物なんだね⋮会えて光栄だよ。俺はこの世
固まる僕以外の者達。
ことは出来てもね﹂
﹁父さん、一人ではない。一対だよ。一人では作れない。一人で消す
宙創造神の話をね﹂
﹁以前、シヴァから聞いたことがある。宇宙の創造と消滅を司る神、宇
父さんが口を開いた。
﹁それを出来るのは一人だけいる﹂
﹁言っても信じて貰えないと思うし⋮そんな存在だよ﹂
﹁言って⋮ねぇ⋮﹂
らね﹂
﹁正体
魔王とグレイフィアに睨まれたり、恐れられたりしている僕。
?
?
?
?
﹁じゃ、この宇宙ごとリセットでいいじゃない﹂
来ていた。
痛々しい身のグレイフィアがセラフォルーに支えられて、この場に
﹁そうね、それは認めるわ﹂
走の罪で牢へってさぁ、どうなんですか
しょ
?
?
?
?
586
?
?
って、アジュカ⋮父さん⋮顔は強張ったままだ。
﹁ごめんなさい⋮私を好きにして良いです。だから、この世界を消さ
ないで⋮﹂
グレイフィアが土下座をして謝罪してきた。
﹁わかった。汝の願いを受け入れよう。供物は、グレモリー家全員の
署名入りの詫び状だ。それを受け取り次第、サーゼクスとその眷属の
者を生き返らせる﹂
僕がグレイフィアの頭に手をかざすと、羊皮紙1枚現れた。その紙
をグレイフィアに手渡した。
﹁次は無いからね。神との契約って破棄は、有り得ないから﹂
587
それぞれの醜態*
│││シュウ│││
グレイフィアが持って帰った誓約書だけど、グレモリー卿は暖炉に
ぶち込み、交渉は決裂。サーゼクス達の遺体は、冥府にあるコキュー
トスで冷凍保存にした。この件に関しては、冥府の神、ハーデスとは
話をつけてある。
ハーデスを、特に脅した訳では無いけど、人質としてハーフ死神の
ペンニーアを差し出して来た。まぁ、嫌いな娘では無いので受け取っ
ておく。
次にアザゼルの部屋に転移した。
│││アザゼル│││
探していた兵藤一誠が、自ら俺の前に姿を現した。好都合ではある
ここは秘密の隠れ家なんだ
ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネ
俺の黒歴史を知っている⋮それを知っているのは、天界にいた若き
﹂
日の俺を知っているヤツらだけ⋮そのはず⋮
﹁証拠がいるのか
アイツが手渡して来たのは、俺の黒歴史で
!
?
た。
﹁これをグリゴリにバラ蒔いてもいいんだけど。どうする
﹂
ある、俺直筆の図解入りの説明書⋮それもオリジナルのコピーだっ
ツが持っているんだぁ∼
アイツは俺に数枚の紙を手渡して来た⋮これって⋮なんで⋮コイ
?
588
のだが、何故この場所に転移できたんだ
が⋮
レード総督﹂
﹁で、早速だけど、ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブ
?
え⋮なんで、それを知っている⋮俺の顔から血の気がさぁ∼っと抜
﹂
耳が遠いのかな
けていく。
﹁うん
ス・ブレード総督
?
﹁な、な、なんで⋮その名前を⋮お前、何者だ⋮﹂
!
?
﹁お、お、俺を⋮強請るのか
﹂
﹁強請っていないよ。協力を求めに来ただけだ。どうする
なぁ、やめてくれ∼﹂
﹁わかった⋮﹂
朱璃を知っているのか
﹂
﹂
でも⋮
じ ゃ、朱 乃 は グ レ モ
コイツ、本当に何者なんだ
﹁用件は、僕を姫島朱璃の養子にして欲しいってことだ﹂
え
﹁朱璃はもういない⋮﹂
俺の言葉に動揺を隠せないアイツ。
﹁そうだ⋮﹂
?
?
﹁時間がもったいないから、無言は以後やめてくれるかな
俺の心は折れた。コイツに頭はもう上がらないと思う位に⋮
﹁待ってくれ
アイツが立ち去ろうとした時、俺はたまらず声を掛けた。
蒔く手間くらい問題ないな﹂
﹁無言なのは、聞いてもらえないってことかな。まぁ、いいけど。バラ
請るって、どんな神経なんだ⋮
堕天使の総督を前にして、表情を変えないアイツ。何者だ⋮俺を強
?
?
?
かったみたいだが。
﹁手遅れだったのか⋮そうか⋮じゃ、頼みごとは無しだ﹂
アイツは肩を落として転移していった。
│││シュウ│││
﹂
父さんの城に戻った。
﹁どうだった
﹁ねぇ、大丈夫
﹂
﹁探し人は殺されていたよ。出遅れたみたいだ﹂
?
﹁大丈夫だよ。僕にペンニーアがいるから﹂
た。
ペンニーアが僕の肩を抱きしめて、心配そうに顔を覗き込んでき
?
589
!
もう姫島のヤツラに殺されたのか
﹁い な い
?
﹂
リー家か
?
コイツ⋮何でも知っているのか⋮いや、朱璃が死んだことは知らな
?
?
彼女の頬に僕の頬を押し当てた。
﹁てへへ♪﹂
﹂
僕の行動に喜んでいるみたいだ。
﹁で、次の一手はどうするの
僕の眷属になったグレイフィアが聞いてきた。
﹁どうするかな。冥界にはいられないよな。グレモリー家がしつこい
し﹂
未だに兵藤一誠を探しているグレモリー家。それよりも、サーゼク
﹂
スを生き返らせるのが先だろうと思うのだけど。サーゼクスを瞬殺
した兵藤一誠が欲しいみたいだ。
﹁父さん、名前を変えて、地上で住もうと思うんだけど、どうかな
なく、一対の神の片割れ、パートナーなんだけど、僕が下僕のように
僕であることを思い出したからだ。下僕というのは正式な立場では
が届いた。元っていうのは、僕の記憶が少し戻り、レベッカは僕の下
偽装生活を初めて、一週間くらいすると、元ドエス上司から、念話
過ごす。
接続している。ここを移動して、父さんの仕事をアシストする毎日を
父さんのビルとは結界により、見えない、察知されない渡り廊下で
ペンニーアは偽装とは言え、姉二人と兄一人が出来、喜んでいる。
宇は僕、朱美はペンニーアの偽名で、3姉妹+1という設定にした。
う︶、朱美﹄と記した。朱璃はグレイフィア、朱乃はセラフォルー、朱
の1部屋に僕達は移り住んだ。表札には﹃姫島朱璃、朱乃、朱宇︵しゅ
父さんのビルに隣接する形でマンションを作ってもらった。そこ
ニーアちゃんも頼りになりそうだしな。それで良いかもしれない﹂
﹁そ う だ な。ガ ー ド は セ ラ フ ォ ル ー と グ レ イ フ ィ ア が い る し、ペ ン
?
﹄
扱っていたようだ。で、ドエスではなくドエムだということも思い出
した。
ひつけが恋しいか
﹄
590
?
躾でなくて、火付けですか
﹃どうしたんだ
﹃うん
?
?
?
﹃どうせ、しばらく使わないから、割れ目の中に松明でもぶち込もうか
?
と﹄
﹄
﹃うっ⋮虐めないでください。火傷は痛いんですよ∼﹄
﹃レベッカって、痛みが分かるんだっけ
﹃分かりますよ∼うっ、うっ、うっ⋮﹄
﹃で、用件は
﹄
うっ、泣き始めた。虐めすぎたかな。少し、ほんの少しだけ反省。
?
ます﹄
うん
僕は来た事があるのか
て来た。
全然記憶に無いんですけど⋮
﹄
﹃返事くれる前に、切らないでください⋮﹄
泣き声だよ⋮おいおい⋮
﹃そのうちね﹄
﹃約束してくれないと、そこに行きますよ
それは嫌だな⋮
記憶に無い出任せを言う僕。
ビンゴなの⋮
﹃あっ⋮そうだった⋮うっうっうっ⋮﹄
え
﹃約束する。だから、用件だけを伝えてくれるかな
らさぁ﹄
﹄
必ず、抱く
優しく抱くとは言わなかった僕。ふふふ、ドエス三昧だな。
││││││
だか
!
余計な用件なので、念話を切った僕。しかし、直ぐに念話が送られ
﹃あの⋮たまにで良いのですけど⋮優しく抱いてください⋮﹄
﹃ありがとう♪﹄
﹃その時に撮られた記録写真を袋に転送しておきます﹄
そうなの
﹃忘れていると思いますが、冥界にエロ神として降臨しています⋮﹄
?
﹃あっ、そこは第7です。で、下野に下ってからすぐ辺りに、訪れてい
?
?
﹃創造の間で無いと交われないんじゃなかったっけ
!
591
?
﹃わかりました。では、また♪﹄
?
?
?
気 を 取 り 直 し て、不 思 議 な 袋 の 中 か ら、記 録 写 真 を 撮 り だ し た。
撮った場所はエデンの園のようだ。映っているのは、僕、アガレスさ
大天使サマエルはイレギュラーで無いのか
ん、バアルさん、ルシファーさん、レヴィアタンさん、サマエル⋮えっ
なんで、サマエルが
?
なんでドラゴン形態で無いんだ
?
そのことに驚く僕。
﹁あれ
﹂
そんなことを考えていると、僕の中から影武者サマエルが現れた。
?
住民
などと、散策をしていく。アジュカの
ビルの隣に新しいマンションが出来ていた。どこの資本かな
いい女は落ちていないかな
日課の散歩をしながら、街を散策する。どこかに遊び場は無いかな
│││アザゼル│││
れは、便利かな⋮
と、説明してくれ、僕に一礼をしたあと、僕の中に戻っていった。そ
にもなれるようになりましたので、今後は呼び出してくださいね﹂
キュートスに保存されていた存在を同化吸収した結果、影武者モード
﹁こ の 世 界 で は ド ラ ゴ ン 化 は さ れ て お り ま せ ん で し た。な の で、コ
が、
天使ドラゴンか天使ドラゴンの形態にしかなれなくなっていたのだ
影武者サマエルは、僕の世界の天界での事件でドラゴン化され、堕
?
アイツが吐き捨てるように言葉を並べた。
のは、お前か、朱璃を殺した勢力だけだからな﹂
﹁ふっ、来ると思ったよ。地上に家を持つヤツで、あの名前に反応する
イフィア、セラフォルーが俺を睨むようにして立っていた。
を室内に案内した。そして、リビングルームに行くと⋮アイツとグレ
呼び鈴を押すと、ドアが開き、見たことのない少女が出て来て、俺
かった。
俺は、彼女達の名前が表示されている部屋番を記憶し、その部屋に向
が、そこには在ってはいけない名前があった⋮なんで、朱璃と朱乃⋮
を調べるために、郵便受けコーナーを調べた。何の気無しに見たのだ
?
?
592
?
?
﹁お、お前⋮どういう了見だ
死者を⋮﹂
俺を堕天使に
?
﹁お前、あの時のエロ神か
﹂
使にされた記憶が甦ってきた。
にほだされて、人間の女の胸で試し、その声に嵌まり⋮結果、堕天
﹃女の乳首を押すと、良い声が聴けるんだぜ﹄
導いたエロ神。エロ神の言った一言、
えっ⋮そうなのか⋮アイツはあの時のエロ神なのか
ア イ ツ が 1 枚 の 写 真 を 俺 に 見 せ た。言 葉 を 失 う 俺。こ れ っ て ⋮
ノをみせてやる﹂
﹁冒涜していないよ。リスペクトだ。そうだ、ちょうど良い。いいモ
?
がったんだ∼
いつものように挨拶しろ
!
に素足を差し出して来たレヴィアタン様。
﹁アザ坊よ、どうした
﹂
ル様が現れた。えぇ∼⋮咄嗟ではあったが跪いた俺。そんな俺の前
アイツが指を鳴らすと、転移陣が発現してレヴィアタン様とサマエ
﹁懐かしい者に会わせてやろうか
﹂
それならば、あの黒歴史を知っている訳だな⋮なんで、再降臨しや
﹁そうだ。下野したばかりのエロ神だよ、アザゼル♪﹂
?
グレイフィア。くそっ∼
しているからね♪﹂
﹁あっ、アザゼル。僕とレヴィアタンさんとサマエルは読心術を会得
このドエス女が∼
﹁そうだろう。アザ坊、立場を考えろよ♪﹂
!
の指を舐めて行く。そんな俺の姿を引くように見るセラフォルーと
そ、それは困る⋮俺は、あの時と同じように、レヴィアタン様の脚
明しようかな♪﹂
﹁そうか⋮では、そこにいる女性陣に、なぜ堕天使になったのかを、説
﹁いや⋮そうです。俺は堕天使の総督ですから⋮﹂
﹁ほぅ⋮しばらく会わない間に、偉くなったようだな﹂
レヴィアタン様の視線は刺すように俺の心をいたぶる。
グレイフィア、セラフォルーが見ている前で、やりたくない。でも、
?
!
593
?
!
って、アイツが楽しそうに言う⋮おい、先に言え
ダ漏れじゃないか∼
﹂
俺の心の内がダ
﹁そうか、アザ坊。私のことをドエス女と思っていたのだな
ほほ⋮
﹁アザゼル、立場がわかったかな
臨したんだ
して、セラフォルーとグレイフィアも⋮お前は何をしにこの世界に降
られた。レヴィアタン様とサマエル様はエロ神の眷属だと言う。そ
俺がヨロヨロと立ち去ろうとすると、さらなる衝撃的な事実を告げ
しやがるな⋮完全に、コイツらには白旗状態だ⋮
それだけは、避けないと。エロ神のヤツ、相変わらずエグい攻撃を
の秘密をグリゴリでぶちまけるから♪﹂
﹁仮の姿は兵藤一誠だけど、正体をバラすなよ。バラせば、お前の総て
エロ神が俺にきいてきた。
﹂
サマエル様の言葉で、俺も気づいた。怖すぎて失禁しているし⋮と
禁してますよ﹂
﹁レヴィアタン様、それくらいにしてあげてください。アザゼルが失
⋮
レヴィアタン様の視線が怖い。死亡フラグが立った気がする位に
?
!
私が代わりに入ったのだった。
﹁で、その後、グレモリー家の動きは
﹂
は二人で旅行していると、周囲に話しているそうだ﹂
らしい。
彼の眷属になった感想は
とセラフォルー。以前、駒の実験と称して、酷い事をされまくった
?
ファルビウムが冥界での情報を話してくれた。
﹁で、お前ら二人はどうなんだ
﹂
﹁相変わらず、サーゼクスの死は隠している。で、一誠君とサーゼクス
?
﹁惨いことされてないよ。優しくしてくれるよ﹂
?
594
?
アジュカのビルでの魔王会議に参加している。サーゼクスの枠に
│││グレイフィア│││
?
﹁グレイフィアは
﹂
﹁グレモリー家にいる時よりも、充実している。悪魔じゃないからか
もしれないが、彼は眷属に対して上から目線で命令しない。頼み事が
メインだ﹂
﹁まぁ、人柄もあるだろうな﹂
アジュカが頷きながら言った。
﹁注意は1つだけ出された。非常時だけは、上下関係を維持しろと。
﹂
命令系統が機能しないと、死につながると﹂
﹁平時は対等でも良いってことか
ファルビウムがきいてきた。
﹁きっと優しい王様なんだよ﹂
笑顔で頷く私達。
﹁そうか、彼の眷属になってよかったな、グレイフィア、セラフォルー﹂
が、言えない事情があるんだろうな。
彼は家族が欲しいんだと思う。彼からは家族の話を聞いていない
とはダメと注意したり、嫌なことは嫌と言って欲しいと﹂
﹁対等というより、本当の家族として接して欲しいそうだ。ダメなこ
?
彼がか
﹂
﹁うん。辛いことって何ってきいたら、仲間達が車座で話している輪
に入れないことって。何でってきいたら、王だから玉座に座っていな
さいって、仲間に言われるからって﹂
そう言っていた彼。笑いながら。
﹁彼はお城を持っているそうだよ﹂
彼がか
どこに
﹂
私からも情報を伝えた。
﹁お城
﹂
?
着く
﹁ちょうど、お城が着いたようだから﹂
って、彼の声が聞こえた。彼がこの部屋に転移してきていた。
﹁招待しようか
?
?
595
?
って、セラフォルー。
﹁王様
?
怪訝な顔付きになったアジュカとファルビウム。
?
?
?
私達4名は夢のような話を聞いている気分になる。
﹁僕のいた世界から、追って来たんだよ。僕のお城は生きているから﹂
生きている城
次の瞬間。私達は知らない城の中に転移していた。
﹁僕の城、キャッスルドランへようこそ♪﹂
彼は玉座に座っていた。私達は王の間に転移したようだ。部屋の
あのアジュカも顔が歪んでいる。
周囲には、彼の眷属達が取り囲んでいた。感じるオーラが異常なんだ
が⋮何のオーラだ
﹂
﹂
?
自宅
並行世界の家ってことか
?
﹁この城の通常のオーラだけど。自宅のオーラの方が異常だけど⋮﹂
アジュカが尋ねた。
﹁一誠君、あのオーラは何だい
異常なオーラは先程より弱くなった。
﹁これで大丈夫かな
彼は手で合図をして、眷属達を部屋から出した。
﹁あぁ、オーラにやられたようだね﹂
?
?
だけだよ﹂
それは興味あるな。一人ずつ入れて
尋常じゃない者がたくさんいそうだったが。
誰のことだ
これで⋮大人しい
﹁尋常じゃない者
?
?
ここでも実験か
確かめようっと﹂
え
?
?
大柄の女性が入って来た⋮え
﹁え
ガブで尋常で無いの
ガブリエル⋮
う∼ん⋮ガブより弱いのって⋮﹂
彼女のオーラは、私の知っている彼女のオーラでは無かった。
だ﹂
﹁あぁ、この世界でもガブはいるんだね。そう、元天使のガブリエル
?
﹁ちょっと、久しぶりなんだから、抱き寄せさせてもいいかしら﹂
尋常では無いオーラが部屋に充満していく。
金髪ドリルツインテールの髪型が特徴の小さな少女が入って来た。
?
596
?
﹁うん、この城には遠征の為の仲間しかいないから、割と大人しい部類
?
﹁まぁ、紹介も兼ねて。まずメイド長のガブ﹂
?
?
﹁あぁ、ベアちゃん、ごめん。寂しかったかな﹂
少女を抱き寄せて、頬ずりをする彼。
﹁嬉しくなんか無いかしら﹂
言葉とは裏腹に、顔はとても嬉しそうだ。
﹁この子はツンデレ精霊のベアトリアスだ。まぁ、尋常じゃないだろ
うな﹂
ドン
セラフォルーが腰を抜かして、床に尻もちを着いた。
﹁怖いよ∼帰ろうよ∼﹂
泣きべそをかいている。いや、私も恐怖を纏っている。ここは危険
だと、本能が警告を発している。
﹁お帰りなさ∼い♪父ちゃん♪﹂
父ちゃ
?
お前は後で躾
彼女のオーラは異常だった。膝が笑い始めている。
セラフォルー似の少女が入って来て、彼に抱きついた。え
ん
﹂
﹁だから、この姿の時に抱きつくなと言っているだろ
けるからな
彼に泣き付く少女。
えっ
セラフォルーとの間の
?
﹁あっ、このバカは、僕の長女のシルキー・シトリー・鬼門だ﹂
シトリー
?
が難点かな﹂
﹁これが本当の姿です。まぁ、この城内でしか、本来の姿に戻れないの
は金色を輪っかを浮かべていた。
背中には純白で美しい翼を展開させ、頭には二本の角を持ち、頭上に
彼は姿を変えた。筋肉隆々としたたくましい金色のボディを持ち、
なんですよ﹂
﹁う∼ん⋮兵藤一誠は仮の名前です。僕の本名はシュウ・ヨハネ・鬼門
アジュカが顔を強張らせつつも驚いた表情をした。
﹁え⋮一誠君⋮子供がいるのか⋮﹂
シトリーとの間に出来た娘だ﹂
﹁よく間違われるんだけど、セラフォルーとの子供ではない。ソーナ・
?
597
!
﹁え∼ごめんなさい、父ちゃん。躾はカンベンしてください﹂
!
?
?
その姿は神々しい。私達はひれ伏した。そうせずはいられない気
分になったのだ。
﹁普段はこんな感じですけど﹂
天使の翼を持つ鬼に姿を変えた。神々しさは消え、その代わり、死
を予感させる気分になってきた。
﹁一誠君⋮いや、シュウ君⋮いったい、君は何者なんだ⋮﹂
アジュカは養子にした少年の正体が、掴めないでいるようだった。
﹁僕は、記憶が定かでは無いんですけど、どうも下野した時に記憶をロ
ストしたようで⋮宇宙創造神の片割れで、エロ神で、第13宇宙を管
轄する絶対神で、絶対神の特務機関であるチームシュウの団長で、鬼
と天使のハーフで、今は訳有って魔人の血を有する兵藤一誠です♪﹂
単なる悪魔である私には理解が不能な者のようだ。超越者と言わ
れるアジュカはどうなんだ
危険だろ
その存在は⋮﹂
﹁魔人の血を持っているのか⋮鬼と天使のハーフで⋮いや何よりも記
憶をロストした宇宙創造神だって
?
は、安全な部分だけど﹂
﹁危険だろうね。僕と敵対する勢力にとっては。まぁ、今話した情報
?
かび上がってきた。
僕は戦いに特化する為に生物を辞めた
る。殺される恐怖ではなく、いたぶられることへの恐怖が、身体に浮
目から涙が出て来た。こんなに怖いと感じたのは初めての気がす
る。それぞれは、星を1つ壊滅出来る戦闘力を有しているんだ﹂
﹁更に言うと、僕の身体には常時、複数のモンスターが仕込まれてい
クさせている。言葉が出ないようだ。
ファルビウムが怯えた目で彼を見ている。アジュカは、口をパクパ
﹁あ⋮あのな⋮シュウ君⋮俺達は敵ではない⋮﹂
え⋮それって、戦ってはいけない相手じゃない⋮
しなくても生きていける戦闘モンスターだよ∼♪﹂
あらゆる攻撃を透過させ、あらゆる装甲を透過できる、呼吸も食事も
化け物だよ。ネクロマンサーの能力を極め、再生可能な身体を持ち、
?
598
?
じゃ、危険な情報は⋮
あれで安全
?
聞きたいのか
﹁危険な情報
?
全員、泡を吹いて失神しているみたいだ。何でだ
│││シュウ│││
あれ
﹁父ちゃん、あのオーラがダダ漏れだよ﹂
安心かな
﹁さてと、シルキー、お仕置き部屋に行く
﹂
首を激しく振り、拒否する娘。
﹁ここでやるのか
﹂
ジョンがダダ漏れしているようだった。一誠姿に戻った。これで一
あぁ、迂闊に変身したからか。死を感じさせるオーラの濃厚バー
しているし⋮
目に涙を浮かべている娘から、情報をもらった。ベアちゃんも失神
?
しないよ。躾だよ。躾♪﹂
﹂
?
レイフィアだったが、マシュマロのように柔らかく、肌に吸い付く感
いいんだな⋮胸に顔埋めて行く。どちらかというと固めの乳房のグ
ブヨ感が、アレを大きく太く固くしていく。失神した悪魔って気持ち
激も普段感じら得れないブヨブヨ感があり、気持ちが良い。そのブヨ
みる。潤滑液が無くても、緩んでいるので、すんなりと入る。中の刺
が弛緩しきっていて、合わせているだけでも気持ちが良い。交わって
上がる。彼女を全裸にして、身体を合わせる。失神状態な為に、身体
フィアを横たえた。なんかそそる姿のグレイフィア。エロ心が燃え
転移した先は、グレモリー領の奥地にある荒れ地だ。そこにグレイ
な。リビングに置いてあるグレイフィアと共に、冥界へ転移した。
と、影武者サマエルが念話を送ってきた。あの城か⋮行ってみるか
﹃初代バアルは、グレモリー領の奥地の城にいる﹄
ニーアをベッドに運び、書斎で次の一手を考える。
マンションの部屋に戻って来た。魔王4名をリビングに置き、ペン
││││││
﹁い、や∼
﹁エロいこと
﹁や、やめて⋮父ちゃん⋮娘の身体にエロいことするなよ∼﹂
?
?
?
!
じが更に刺激を与えてくれる。気持ちが良い⋮このまま100年位
599
?
いたい気分だ。
﹁ここは⋮﹂
意識が戻ったグレイフィア。それと共に、あの柔らかさが失われて
きた。ちょっと残念な気分だ。
﹁え⋮なんで、こんな場所で⋮﹂
まだ朦朧としている彼女。アレが締め付けられる感覚が⋮内部の
﹂
弛緩状態が解けたようだ。今度は締め付けられる感覚を愉しむこと
にした。
﹁なんで⋮動かないの
彼女の上に載っているだけの僕に、疑問を感じ始めた彼女。
﹁あっ⋮えぇ∼ダメっ⋮退いて⋮痛い⋮胸がつぶれる⋮﹂
張りの出て来た乳房。僕は弛緩状態のままの姿勢でいるので、潰さ
れている感じなんだろうな。
﹁お願い⋮退いて⋮痛いって⋮﹂
僕 の 肉 棒 は 普 段 感 じ ら れ な い 刺 激 を 受 け て い た。肉 棒 に 温 水 が
滴っていく。こうやって湿っていくのねって、実感が出来る。
﹁裂けちゃうよ∼抜いて⋮﹂
緩んで口径がデカくなった時に入れた為、通常時の大きさの入り口
﹂
よりも、入れたモノの方が太くなっていた。泣き声混じりに懇願する
彼女。
﹁また、失神プレイしても良い
﹁あぁ、気持ち良かった♪新しい発見がたくさんできたし♪﹂
れ、身体を離し、服を装着した。
戸惑いながらも、現状から抜けたい為に、頷く彼女。願いを受け入
?
﹁ひどい⋮失神している女性に⋮全然、私は愉しめないし⋮﹂
﹂
﹂
﹁初代バアルの居城だ﹂
﹁何をしに
?
600
?
彼女の苦情をスルーする。
どこに
﹁じゃ、行こうか﹂
﹁えっ
?
あ、行き先を知らせてなかった。失神していたから。
?
﹁何をされたい
﹂
﹁誰も見ていない場所でしてください﹂
顔を伏せて、恥ずかしそうに言うグレイフィア。
﹁初代バアルと話をする。そして、彼の出方を見る為にだ﹂
﹂
﹁真面目な話とそういう話を、混ぜて話さないでください﹂
﹁そういうって、何かな
意地悪そうにきく僕。
耳を真っ赤にして、恥ずかしそうに答えるグレイフィア。こんなに
﹁えっ⋮っと⋮もう⋮何を言わせるのよ∼﹂
?
かわいい仕草ができるのか。って、クラっとしたのは内緒にしておこ
う。
601
?