PDF版 - 日立金属

日立金属グループ
C S R 報 告 書
PDF版
日立金属 経営理念
日立金属グループ企業行動指針
わが社は
社会的責任と社会倫理の自覚
100余年の歴史を有ち
主製品は質量ともに業界の首位を占めて
1
“法を守り正道を歩む”を行動の基本とし、企業活動の社会に与える影響と
責任を自覚し、高い倫理観のもと誠実な企業活動を行います。国際的な事
業活動においては、国際ルールと各国の法律を遵守するとともに、現地の
宗教、文化、習慣を理解し、その発展に貢献します。
つねに技術に精進し
わが社を愛する人々の和の上に
『最良の会社』を具現して
社会に貢献することを念願しております
2
ビジネスパートナーと共に成長
独自の基盤技術と新しい技術に挑戦し、お客様に喜ばれる高品質で安全な
製品・サービスを提供し、お取引先と公正かつ適正な取引を行います。これ
らのビジネスパートナーと社会的責任意識を共有し、共に成長する企業活
動を行います。
3
社会とのコミュニケーションの促進
株主をはじめ広く社会に対し、公正かつ透明性の高い企業情報を適時・適
切に開示するとともに、社会との双方向のコミュニケーションを促進し、
信頼関係を築きます。
4
次世代に引き継ぐ環境に配慮
地球環境を守り、次世代に引き継ぐという自覚を持ち、環境に配慮し限りあ
る資源を有効に利用します。また、新たな価値を生み出す新製品・新事業の
創出を通じ、高品位の環境親和製品を提供し持続的な成長を目指します。
5
働きやすい職場づくりと社会への貢献
従業員の個性を尊重し多様な人材が能力を発揮できる、安全で働きやすい
職場づくりをするとともに、仕事を通じた自己啓発を促します。また、社
会の人々との相互信頼を確保し、誠実で差別のない企業活動を行います。
そして“良き企業市民”として継続して社会に貢献します。
2006年7月26日制定
2010 CSR報告書の編集について
編集方針
●発行目的
●対象期間
本報告書は、日立金属グループが考えるCSR(企業の社会的責任)について、
2009年度(原則として2009年4月1日から2010年3月31日まで)
従業員が日常業務の中で実践している事例を交えてわかりやすく情報を提
●参考にしたガイドライン
供し、社会とのコミュニケーションを図ることを目的に発行しています。
「環境報告書ガイドライン」
(2007年度版)
(環境省)
コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制などの経営の仕組み
「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン」
(2002年度版)
(環境省)
や事業を通じて循環型社会の形成に深く貢献している製品開発・モノづ
「ス テ ー ク ホ ル ダ ー 重 視 に よ る 環 境 レ ポ ー テ ィ ン グ ガ イ ド ラ イ ン
くりなどについて、日立金属グループの姿を、さまざまなステークホル
2001」
(経済産業省)
ダーの皆様に知っていただき、コミュニケーションを深めていくこと
「GRIサステナビリティ・リポーティング・ガイドライン2006」
(GRI:
で、さらに活動領域を広げていきます。
Global Reporting Initiative)
なお、詳しい情報についてはWebサイトに掲載しています。
●対象範囲
本報告書の対象範囲は日立金属株式会社および日立金属グループ会社
(連結対象子会社65社、持分法適用会社10社)の76社としています。
より詳しい情報は
また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の49社とし、日立
http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp14.html
金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの
およびPDF版をご覧ください。
名称は2010年3月31日現在のものです。
1
トップメッセージ …………………………………………………………………………………………… 3
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス ……………………………………………………………………………… 6
日立金属グループのCSR
日立金属グループのCSR
……………………………………………………………………………… 9
個人情報保護/情報セキュリティへの取り組み …………………………………………………… 11
特 集 グループディスカッション
……………………………………………………………… 13
社会性報告
社会・地域社会とともに ………………………………………………………………………………… 17
[地域との共生]
清掃活動/スポーツ大会などの主催・共催/その他の活動
[史跡・伝統文化保全] ……………………………………………………………………………………… 22
史跡・伝統文化保全
[ビジネスパートナーと共に成長] ………………………………………………………………………… 23
お客様に対して/お取引先とともに
[働きやすい職場作りと社会への貢献] …………………………………………………………………… 26
従業員に対して
[社会とのコミュニケーションの促進] …………………………………………………………………… 28
株主・投資家の皆様をはじめとした社会に対して
日立金属誌上工場見学 ……………………………………………………………………………………… 30
環境性報告
中・長期的な環境戦略/環境目的・目標と実績
[エコマネジメント・エコマインド]………………………………………………………………………… 33
日立金属グループ環境保全基本方針/環境経営推進体制/環境監査/環境教育・啓発/「GREEN21」ver.3の活動
[環境会計]…………………………………………………………………………………………………… 38
[エコプロダクツ]…………………………………………………………………………………………… 39
製品・サービスの環境配慮ビジョン/ 環境適合製品の拡大/展示会への参加/新プラスチック金型用鋼/
HPM-MAGIC® が十大新製品賞「モノづくり賞」を受賞!/CO2 排出量削減に貢献するMetglas,Inc. /
CVTベルト用リング材/セラキャット®フィルター/ Epoch PaNacea series(エポックパナシアシリーズ)/
「ファインメット®」EMC・ノイズ対策部品 /アモルファス金属材料 Metglas® SA1/ネオジム(Nd)系焼結磁石
NEOMAX® /自動車排気系部品用 耐熱鋳鋼/ハーキュナイト® - S/優めっき®白継手/日立オイルシールドチェン
[エコファクトリー]………………………………………………………………………………………… 47
マテリアルバランス/地球温暖化防止 /廃棄物の削減 / 環境負荷物質の低減 / VOC(揮発性有機化合物)排出量の
削減 /サイトデータ
第三者意見 ……………………………………………………………………………………………………… 55
経済性報告・コーポレートデータ ………………………………………………………………………… 56
2
トップメッセージ
5 つの企業行動指針を道しるべに、
グローバル時代に対応して
社会に貢献します。
日立金属グループ『2010 CSR報告書』をご覧くださり、ありがとうございます。
当社グループは、高度な技術開発力を持つメーカーとして
「『最良の会社』を具現して社会に貢献する」という経営理念のもと、
時代の要請に沿った取り組みを実現してきました。これはCSR活動そのものの具体化といえます。
社会を構成する一員として、日立金属グループのCSR活動についてご説明します。
日立金属株式会社
代表執行役 執行役社長
藤井 博行
3
トップメッセージ
「日立金属グループ企業行動指針」こそ、すべての原点
「安全」はすべてに優先する
日立金属グループは創業以来、
「
『最良の会社』を具現し
企業活動を行う上で「安全」は基本であり、何よりも優先
て社会に貢献する」という経営理念をもとに企業活動を展
されなければなりませ ん。しかし、2009年9月、当 社
開してきました。この経営理念を具体化する根本が「日立
グループの(株)日立金属若松で社員1名が亡くなる重大
金属グループ企業行動指針」であり、そこに明記された
災害が発生したのは痛恨の極みです。二度とこのような
5項目の行動指針こそ、日立金属グループが進むべき道を
重大災害を発生させないよう肝に銘じ、定常作業のなかに
示す精神的な支柱なのです。社員一人ひとりが、この指針
も重大災害のリスクが潜んでいることを想定し、現場の
を心から理解して行動することが重要であり、当社グループ
安全性について根本的な見直しを進め、今後の安全活動
はそれを実現可能とする人材育成をめざしています。
に対して不退転の決意で臨んでいます。
時代を表すキーワードでもある「グローバル化」が進展
し、世界を相手にするビジネスの重要性がいっそう増して
「環境」へのふたつのアプローチ
いる現在、商習慣を含む相手国の文化を理解し、高い倫理
観と自己規律に裏打ちされた行動が社員に求められて
企業が持続的成長を図るためには、環境への配慮が必
います。
須です。日立金属グループでは、環境に対して攻めと守り
また昨今は、事業環境がめまぐるしく変化し、企業による
のふたつの側面からアプローチしていきます。
直接の行為だけでなく、委託先の行為に関する管理責任が
ひとつは、攻めのアプローチですが、環境をニーズとしてと
従来よりも広い範囲で問われるようになっています。
らえた新製品を開発することです。これまでも当社グルー
大切なことは、いろいろな事柄を個別ではなく総合的に
プは、ハーキュナイト やマグネット、アモルファス金属材料
理解し、状況に応じて行動指針をベースに実践していくこ
など「環境親和製品」の開発を推進してきました。そこで
とです。2010年4月に策定した「2012年度中期経営計
培われた省エネルギーの高度な技術を活かしつつ、さらに
画」のアクションプランも同様で、行動指針をベースにおい
よりよい製品開発をめざしていきます。
て作成しています。
もうひとつの守りのアプローチは、現実をみすえた環境
®
戦略の展開です。現在、当社グループ(国内)が排出して
いるCO2をはじめとする温室効果ガスの量は、日立グルー
プ(国内)全体の3分の1を占めていますが、これはかなり
大きな数字です。この現実を改善することが目前の課題で
す。まずは各工場におけるプロセスイノベーションに注力
した施策を進め、CO 2削減に努めます。
日本は2009年、
「温室効果ガスを2020年までに1990
年比で25%削減する」という中期目標を、国際社会に
向けて表明しました。現在、国の方針もこれに沿って動いて
います。当社グループも、この施策に歩調を合わせ、社会
に貢献していきます。もちろん、CO2削減以外にも、産業
廃棄物削減をはじめとする課題へ前向きに取り組んでいき
ます。
4
トップメッセージ
本業を通じて社会に貢献する
日立金属が考えるステークホルダーには、各事業所が置か
れている地域社会や、協力会社などのビジネスパートナー
も含まれます。地域社会への貢献については、これまでも、
「熊谷さくらマラソン」
(埼玉県熊谷市)、
「中学バレーボー
ル男女選抜大会」
(鳥取県鳥取市)など、各地域に根ざした
スポーツ振興などを支援し、地元住民の方々と積極的にコ
ミュニケーションを図ってきました。こうした施策は、今後
も経済状況とは関係なく続けていきます。
さらに大きな視点からいえば、日本国内に製造業を残し、
雇用を生み出すことも本業を通じた社会貢献活動ではな
感しています。グローバル化が進むなかにおいても、日本
いか、と考えています。私自身も工場長を務めた経験から、
国内でしかできない生産技術で、マザー工場として日本に
働く環境を整え地域の雇用を維持することの重要性を痛
生産拠点を残せる技術力を持った企業になる。そうした道
を模索して、日本国内で製造業の灯を灯し続けることが、
ステークホルダーの皆様の利益につながります。そもそ
も、企業の利益とは、社会とのコミュニケーションを通じて
得られるものであり、その還元に努めることにこそ、企業
の社会的責任があるとも考えています。
CSR報告書で社会との意思疎通を図る
企業に対する価値観は時代とともに変化します。日立金
属グループは、そうした時代からの要請に柔軟に対応し、ス
テークホルダーの皆様から信頼される企業となるべく、努
力を続けていく所存です。そして、社会との意思疎通を図
る重要なツールとして、このCSR報告書を制作・発行しま
した。2009年度版より、CSR報告書はインターネット上
でのPDF版による公開とし、紙媒体の日立金属グループ
『2010 CSR報告書』はエッセンスを凝縮したダイジェス
ト版としました。これによって、よりわかりやすく当社グルー
プの取り組みをご理解いただけるものと考えています。
今後の、お互いの発展と成長のためにも、引き続きご支援・
ご指導を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
2010年7月
5
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
Corporate Governance
当社は、経営の透明性および効率性を確保し、ステークホルダーの期待に応え、企業価値を増大させることがコーポ
レート・ガバナンスの基本であり、経営の最重要課題の一つであると認識しています。
このために、経営の監督機能と業務執行機能が、各々有効に機能し、かつ両者のバランスのとれた組織体制を構築す
ることが必要であると考えています。また、タイムリーで質の高い情報開示を行うことがコーポレート・ガバナンス
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
コーポレート・ガバナンス
の充実に資するものと考え、決算内容にとどまらず、定期的に個別事業の内容や中期経営計画の開示を行うこととし
コンプライアンスについては、コーポレート・ガバナンスの根幹であるとの認識のもと、単に法令や社内ルールの遵
守にとどまらず、社会倫理・道徳を尊び、社会の一員であることを自覚した企業行動をとってまいります。当社は、こ
の内容を反映させた「日立金属グループ企業行動指針」を制定し、役員および従業員がとるべき行動の具体的基準と
しています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
ています。
取締役および執行役の報酬については、取締役および執行役が中長期的視点で経営方針、中期経営計画および年度事
業予算を立案、決定および実行することで当社の企業価値を増大させ、ステークホルダーに資する経営を行うことの
対価と位置付け、短期および中長期的な会社の業績を反映した報酬体系とすることを方針としています。
社会性報告
コーポレート・ガバナンス体制の模式図
株主総会
取締役の
選解任
取締役の選解任議案
選解任
執行役の選解任
職務執行の監督
経営会議
職務執行の監査
会計監査人
会計
監査
指名委員会
監査委員会
〈 〉
機能
報酬の決定
報酬委員会
業務担当部門
連携
カンパニー
〈 〉
管理
コンプライ
アンスの推進
コーポ
レート
取締役会
事務局
CSR推進室
補助に関する
指揮・命令
内部統制システムの整備
業務監査
〈内部統制機能〉
監査室
日立金属グループのコーポレート・ガバナンスについて、さらに詳しい情報はコーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しております。
6
経済性報告・コーポレートデータ
補助に
関する
指揮・命令
指揮・命令
リスク
取締役会
内部統制
環境性報告
執行役
(執行役社長)
会計監査人の
選解任議案
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
Corporate Governance
日立金属における内部統制システムの整備の状況は、以下の通りです。
①執行役の職務の執行が法令および定款に適合し、かつ、効率的に行われることを確保するために、執行役全員で構
成する経営会議を組織し、全社的に影響を及ぼす一定の重要な経営事項については、同会議で審議したうえで、権
限を有する執行役が決定することとしています。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
内部統制システムの整備状況
②コンプライアンス担当部門を所管し、全社的なコンプライアンス体制を統括する責任者を置いています。
進を図っています。
④当社およびグループ会社の従業員などが、業務において、法令などに対する違反行為にかかる事実を発見したとき
に、不利益を受けることなく専用窓口を通じてその事実を報告できるよう、コンプライアンス・ホットラインを設
けています。これにより、違法行為などの早期発見と是正を図っています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
③CSR推進室を設置して、コンプライアンスおよび社会貢献など、企業の社会的責任に関する取り組みの全社的な推
⑤社長直轄の監査室を設置して、法令および社内規則の遵守状況ならびに業務の効率性などについて、当社各部門お
会に報告するとともに、指摘事項の是正状況の確認を行っています。
の要請に基づき、標準的なフレームワーク(COSOフレームワーク*)
⑥米国における企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)
社会性報告
よび各グループ会社に対して内部監査を実施しています。内部監査の結果については執行役社長および監査委員
に基づいた内部統制システムの整備を進めてきており、財務報告に係る内部統制について文書化ならびに有効性
の評価を行っています。併せて平成20年度からわが国でも金融商品取引法の要請に基づき導入されている内部統
制報告制度にあわせ、さらにそのレベルの向上をめざしています。
*COSOフレームワーク:米国で最も一般的に適用されている内部統制の基本的枠組みで、日立グループでも採用済み。
環境性報告
【コンプライアンス・ホットライン】
2005年4月に「日立金属コンプライアンス・ホットライン規則」を
制定し、当社およびグループ会社における違法、または不適切な行為
を防止し、早期に是正するための内部通報制度をスタートさせま
メールや封書で職場の問題を相談できる仕組みです。上司に相談
できない、あるいは相談しても聞いてもらえない場合に直接、当制度
を利用して問題解決を図ることができる制度です。匿名での通報や、
コンプライアンス・ホットライン専用窓口だけでなく、監査役会へ
直接通報なども行うことが可能です。全社コンプライアンス研修時
にも、必ずコンプライアンス・ホットライン制度について説明を行い、
すべての従業員に制度の存在を浸透させています。
7
経済性報告・コーポレートデータ
した。これは、当社およびグループ会社で働くすべての従業員が電子
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
日立金属グループのCSR活動は、
『最良の会社』を具現する企業活動そのものと言うことができ、この経営理
コンプライアンスへの取り組み
日立金属では 2006 年 7 月に日立金属グループ企業行動指針を制定し、「法を守り正道を歩む」を企業活動の基盤に
おき CSR 活動を進めてきました。しかし、その後、2006 年および 2007 年に残念ながら独占禁止法違反の事例が
発覚し、特命監査や社内研修などの施策を行ってきました。二度と法令違反を起こさないために、2009 年度も引き
続き同様の施策を実施しました。
1.営業管掌役員およびコンプライアンス部門による独占禁止法遵守および行動
指針巡回研修
対 象 事 業 所:日立金属 本社、支店および営業所、製造事業所および研究所
グループ会社本社および営業拠点
対
象
期
者:メールアドレス所持者
間:2009年7月∼2010年2月
社長による倫理月間メッセージ
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
【社内巡回研修】
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
念は日立金属グループのCSRに対する考え方を的確に表しています。
開 催 回 数:148事業所75回(一部、合同および複数回開催)
※グローバルコンプライアンスおよび情報セキュリティ研修も同時開催
社会性報告
2.コンプライアンス部門による行動指針およびコンプライアンス海外巡回研修
対 象 事 業 所:海外事業所(12事業所)
対
象
者:管理職以上
開 催 回 数:12拠点12回(一部合同開催)
国内研修
※グローバルコンプライアンスおよび情報セキュリティ研修も同時開催
3.階層別コンプライアンス研修
2009年4月:新入社員導入研修
11月:営業収計研修
12月:新任マネージャー研修
海外事業所研修
環境性報告
7月:新任副参事研修
【コンプライアンス特命監査】
の書類(課金、加入団体書類)の閲覧および営業担当部長全員から、独占禁止法に触れる違反行為がないか聞き取り調
査を行いました。また、業界団体などの会合に出席した際の記録簿(コンプライアンス情報記録ノート*)の記載状況も閲
覧し、違法行為が行われていないことを確認しました。
2009年12月∼2010年3月 44事業所 営業部長以上130名
*コンプライアンス情報記録ノート:業界団体などの会合で、やむを得ず競合他社の社員と会ってしまった時などに、法に触れるような行為はしていないという記録を残しておくノート
8
経済性報告・コーポレートデータ
日立金属の全事業所、商社事業および独立業務を営む連結子会社を対象とした、特命監査を実施しました。対象事業所
日立金属グループのCSR
日立金属グループのCSR
日立金属グループは創業以来、
「『最良の会社』を具現して社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、事業活動を行ってき
ました。日立金属グループのCSR活動は、
『最良の会社』を具現する企業活動そのものと言うことができ、この経営理念
は日立金属グループのCSRに対する考え方を的確に表しています。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
●日立金属グループのCSR
2009年度 CSR活動報告
2009年10月を日立金属グループ企業倫理月間と定め、以下の施策を行いました。
①日立金属グループ企業倫理月間コンプライアンス会議を開催し取締役、執行役、事業役員、理事、支店長、営業所長、
研究所長、コーポレート部門長、グループ会社社長、海外販社社長を対象にコンプライアンス勉強会を実施した。
②社長メッセージ(和・英・中文)を作成し全世界の日立金属グループの従業員に配布した。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
●日立グループ倫理月間の実施
③日立金属グループCSRガイドブック自己点検チェックリストを全従業員が実施し、上長に報告した。
④日立金属グループCSRガイドブックによる自己評価結果登録票を各部署にて作成し本社へ提出した。
社会性報告
⑤コンプライアンス研修
1)巡回研修(2009年7月∼2010年2月)
内容:行動指針とCSR、独占禁止法*、グローバルコンプライアンス、情報セキュリティ
*独占禁止法は排除措置命令による
【国内】
:メールアドレス所持者全員
対象:日立金属 本社、支店および営業所、製造事業所および研究所
開催回数:148事業所75回(一部、合同および複数回開催)
【海外】
:管理職以上
環境性報告
グループ会社本社および営業拠点
対象:海外事業所(12事業所)
開催回数:12拠点12回(一部合同開催)
対象:日立金属のメールアドレス所持者(国内)
3)DVD研修実施(当社独自制作の「日立金属グループのCSR ってなんだろう?」)
対象:日立金属のe-ラーニング受講対象者以外(国内)
9
経済性報告・コーポレートデータ
2)日立金属行動指針e-ラーニングの実施(日立金属独自のe-ラーニング)
日立金属グループのCSR
日立金属グループは、創業時から資源循環の
資源循環図
仕組みにおいて、なくてはならない存在でした。
廃棄
工程内リユース・
リサイクル
素材メーカーです。同時に、各産業から排出され
排出物
資源化処理
製造循環
る排出物に新たな価値を与え、資源として蘇ら
バージン材の使用
有害物質
の
ネ・
エ
削
グループは、循環型社会という言葉が存在しな
高度生産技術に
よる高性能材料
への変換
●●●●●
動脈産業
回収・リサイクル
静脈産業
●●●
廃棄物を
適正処理
社会的循環
●●
●●
お客様
使用時の環境
負荷の低減
●
●
●
収集・運搬業者
●
●●
●
●
●
●
命であり、ビジネスを展開するうえでの基本とし
●
●
使用済み
製品
排出物
●●●●●
●
な社会の構築に向けた日立金属グループの使
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
製品循環
イフサイクル全体を通して、環境に与える負荷
を低減することが、サスティナブル(持続可能)
環境親和製品
高機能製品
リサイクル業者により
原材料化
製造時の環境負荷のみならず、原料の調達から
お客様の使用時および廃棄時にいたるまでのラ
減
最下流に位置付けられます。このように日立金属
省
先頭を走り続けています。日立金属グループは
廃棄物を
適正処理
動脈産業
せる役割も果たしており、静脈産業*の中では、
かった時代から、資源循環という仕組みづくりの
物削
減
我々は動脈産業*の中では上流に位置付けられる
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
日立金属グループサスティナブルビジネスモデル:資源循環について
動脈ルート
ています。
●●●●●●
静脈ルート
**静脈産業:使用済み製品や工場・家庭などからの排出物を回収、分別、処理して再資源化する産業のこと
社会性報告
材料ルート
*動脈産業:主に天然資源を使用して、私たちの生活に有用な製品を生産する産業のこと
CSR活動の主な取り組み計画
日立金属グループでは、2006年7月に“企業が、事業活動とステークホルダーの関わりの中で、社会や環境に関する
問題意識を持ち、責任ある行動を取ることが、企業や社会の持続的成長を可能にする”というCSRの考え方を基本とし
「日立金属グループ企業行動指針」を新たに制定しました。日立金属グループは、経営理念に掲げた、
「『最良の会社』を
までの「日立金属グループCSRロードマップ」を策定し、具体的な取り組みを行います。2009年度は、
「日立金属グループ
企業行動指針」と「CSR活動取り組み方針」の展開とCSR意識の浸透策の継続に加え、日立金属グループ倫理月間に
おいて各種ツールを用いて社内意識の向上をめざしました。
環境性報告
具現して社会に貢献する」ため、企業行動指針を日立金属グループの「CSR活動取り組み方針」と位置付け、2010年度
日立金属グループCSRロードマップ
2010年
CSR活動取り組み
教育・浸透
CSR活動の
検証・評価
CSR活動の
最適化と
戦略的CSRの実践
グループ一体の
社会的課題への
取り組み
CSR活動取り組み CSR活動取り組み
方針制定および
方針に基づく
現状把握
教育・浸透
06年4月
07年4月
08年4月
10
09年4月
10年4月
経済性報告・コーポレートデータ
「最良の会社」
の具現
日立金属グループのCSR
個人情報保護/情報セキュリティへの取り組み
インターネットに代表されるITの進化と普及は、セキュリティリスクを増大させており、個人情報をはじめ、企業情報
を適切に管理・保護することは、企業の社会的責任としてますます重要となってきています。日立金属グループでは
2004年4月に「情報セキュリティ基本方針」を、次いで2005年1月には「個人情報保護方針」を制定し、これらの
方針に基づき個人情報保護/情報セキュリティ体制を確立し、情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでいます。
個人情報保護方針
情報セキュリティ対策標準
個人情報管理規制
保護すべき情報資産の明確化
保護すべき個人情報の明確化
(情報資産の分類、リスク分析)
(洗い出し・分類・登録)
安全管理処置
情報セキュリティ規則
情報資産保護のための対策
管理者・利用者
教育の実施
守るべき
情報資産
●基本的な対策の実施
●ルールを守り、
安全な行動
個人情報
個人データ
保有個人データ
本人からの
問い合わせ
窓口の設置
●管理的対策・
ルールの作成運用
●技術的対策の推進
ITによる情報漏えい防止
情報セキュリティ体制の確立
個人情報保護
管理者の設置
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
情報セキュリティ基本方針
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
●個人情報保護/情報セキュリティへの取り組み
個人情報
取扱業務基準の整備
●計画・実施・評価・改善
(PDCAサイクルを確実に回す)
●事故発生時の対応
取得 利用 管理
社会性報告
個人情報保護/情報セキュリティ関連規則の制定
個人情報をはじめとする会社情報の取り扱いや情報機器利用、情報システムのセキュリティ対策に関するルールを定め
徹底を図っています。また、法制度や環境変化に応じて毎年、規則の見直し改定を実施しています。2009年度は制度
の大幅見直しを行い、2010年度上期には改訂規則の施行を予定しています。
社
長
事務局
個人情報保護/情報セキュリティ全体を統括
諸施策の実行
事業所体制
個人情報保護/情報セキュリティ責任者(事業所長) 事業所全体の個人情報保護/情報セキュリティを統括
実行責任者(事務局)
諸施策の実行
情報システム管理者
情報システムの管理運用セキュリティ対策
情報資産管理者・個人情報取扱管理者
部署
グループ会社
情報資産管理者・個人情報取扱管理者
情報システムのセキュリティ対策
不正アクセスやコンピュータウィルスなど外部からの脅威や、社内からの情報持ち出しや紛失など内部における脅
威、自然災害など、さまざまな脅威に対する対策を計画的に実施しています。また、2006年より継続的に実施してい
る、日立金属グループ全従業員の個人所有パソコンの、業務情報の有無点検および削除を2009年度も行いました。
さらに2007年からはお取引先に対しても、同様の施策をお願いし、ファイル共有ソフトによる個人所有パソコンから
の業務情報の漏えいを防止しています。2009年度は業務情報の社外持ち出し防止対策として、すべての社外メール
に対してフィルタリングシステムを導入、および高機能化が進む携帯電話などの紛失に対する対策として携帯情報端末
の管理に付き見直しを行うなど、情報漏えい防止対策の強化を図っています。
11
経済性報告・コーポレートデータ
部署
環境性報告
個人情報保護/情報セキュリティ委員会
日立金属グループのCSR
毎年、情報機器を利用する全従業員(含む派遣者など)に対して、情報セキュリティ教育を実施し個人情報をはじめとする
情報の取り扱いや個人所有PCでの業務利用厳禁など、情報機器利用ルールの徹底を図っています。2009年度も日立
金属グループ拠点巡回教育(コンプライアンス研修と同時開催)や日立グループe-ラーニング教育を継続して実施し、
従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上を図っています。
●国内事業所巡回研修 2009年7月∼2010年2月
対
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
従業員教育
象:日立金属グループのメールアドレスを所持する者全員
開催回数:148事業所75回(一部、合同および複数回開催)
対
象:海外事業所(12事業所)管理職以上
開催回数:12拠点12回(一部合同開催)
●e-ラーニング
2010年2月
対
象:日立金属グループのメールアドレスを所持する者全員(国内)
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
●海外事業所巡回研修 2010年3月
自己監査 毎年、個人情報保護/情報セキュリティ自己監査を実施し、規則の順守状況をチェックして、不備に対して改善を図って
います。2009年度は11∼12月に実施しました。
社会性報告
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
12
グループディスカッション
私たちが考え、実践する「日立金属グループのCSR」
いまやCSRは、企業の存立にかかわるほどの重要性を持つ時代となりました。
日立金属グループの社員一人ひとりも、業務のなかで常にCSRを心がけています。
社員が所属する部署や環境によって、思い描くCSR像も実践の方法もさまざまですが、
その具体的な内容について、8名の若手社員に聞きました。
情報部品カンパニー
営業部
NEOMAXカンパニー
企画部
小林
栄基
(2002年入社)
ハイブリッド車などに欠かせ
な い、世 界 最 強 の マ グ ネ ッ ト
NEOMAX ®の販売企画を担当
しています。
山中
自動車機器カンパニー
真岡工場 管理グループ
嶋津
健一郎
(2000年入社)
自動車用鋳物部品を製造し
ている真岡工場で、資材業務
に従事しています。
康弘
特殊鋼カンパニー
産業機器材統括部
(1988年入社)
日立金属の製品の中でも小
さな製品分野に位置付けら
れる、電子機器に組み込ま
れる情報部品の営業を担当
しています。
長濱
司会:
経営企画室
法務グループ 兼 CSR推進室
弘樹
(2003年入社)
たたらの伝統を引き継ぐヤ
ス キ ハ ガ ネ ®の 特 性 を 活 か
し た、タ ー ビ ン ブ レ ー ド 材
などの高機能材料の拡販を
担当しています。
成田
亘宏
(2003年入社)
経営企画室(法務グループ)
ですが、CSR推進室も兼任し
ています。
配管機器カンパニー
首都圏営業部
森田
川田
達郎
(1997年入社)
ロールカンパニー
ロール海外営業
飲料水やガスを家庭に運ぶ
生活に欠かせないライフラ
インの一端を担う配管部品
の拡販を担当しています。
良太
(2002年入社)
海外の高炉メーカーへ鉄鋼用
ロールを拡販しています。現
在のターゲットはインドをは
じめとしたアジア諸国です。
技術センター
環境管理部
井深
麻理
軟磁性材料カンパニー
Fプロ工場
(2008年入社)
全社の環境関連業務を担当。
2009年まではHitachi Metals
Europe GmbHでREACH規制
への対応をしていました。
植松
里枝子
(2008年入社)
CO2削 減 に 寄 与するアモ ル
ファス金属の生産工場に勤務
していますが、時にはお客様
と直接交渉もこなします。
13
グループディスカッション
を誤ると無意識のうちに独占禁止
日々の業務のなかで
率先してCSRに取り組む
法違反と疑われる事態に巻き込ま
れかねません。
小林
司会
日立金属グループは、2006年に
他社と出会ってしまった時は、言動
や行動に十分に気を付けています。
報告書の送付を要求される人のうち
5項目を制定し、それに基づき日立
それから、われわれとの「常識」の
かなりの部分を、大学あるいは学生
金属グループのCSR活動について
ギャップがまだまだ大きい国々と
が 占 めて い ま す。こうした傾向を
毎年、研修を行ってきました。みな
のビジネスでは、できる限り互いの
どのようにとらえますか?
さん は これ ま で の 経 験 と日 常 の
認 識 を 一 致 さ せ るように 努 めて
業務において、
「日立金属グループ
います。
川田
司会
ては、常識的なことを常識どおり実
私は工場に勤務しているので、生産
行するよう、心がけていますが、難し
現場における人材育成こそがCSR
いのは、今、お話があった
「常識」
と
そ の も の だ と 意 識 して い ま す。
いうものの捉え方が国によって違
C S R を 実 践 する の は「人 」で す。
うことですね。なかでも海外でビジ
入社したばかりの新入社員を一人
ネスをする場合、相手国における
「常識」
についても考えます。
山中
語られることも多く、大学や学生が
ています。
意識するのは自然なことだと思い
ますよ。
私も工場勤務ですが、経費を削減
嶋津
確かに。われわれが就職活動をした
するところから、CSRの具体化を
時には、あまり意識したとはいえま
始めようと思っています。法律や
せんが、昨今の就職活動を考えて
各種の規制を守るのは簡単ですが、
みると、CSR報告書の内容は面接
そこから一歩進んで、これがCSR
に臨む学生にとっての良い質問材料
と呼べるものを実践していきたい
にもなりますね。学生との相互理
解を深める為にも、当社グループ
ですね。
私は営業ですが、お客様からの要求
井深
昨年までCSRの意識の高い欧州で
として、もっと力を入れてはどうで
に応えることこそ、最大のCSRで
業務についたこともあって、CSRの
あると考えています。一方、コンプ
重要性を実感しました。CSRを果
ライアンスの視点も決して忘れては
たせない企業は、社会的な信用度
こともあり、就職活動時に、対象
ならないと思います。
が著しく傷つけられるという認識の
企業の環境報告書やCSR報告書は
もと、C S R に 取り組 ま な け れ ば
よく読んでから面接に臨みました。
ならないと思っています。
企業の信頼度を量るためのひとつ
CSRには企業の内外両面でなすべ
の指標だと思います。そのためにも
きことがあると思っています。対外
若い人たちが読みやすい紙面づく
的にはコンプライアンスをはじめ
りも必要ではないでしょうか。
森田
とする日立金属グループの立場の
しょうか。
井深
川田
営業の立場から言うと、国内外に
司会
環 境 関 連 の 業 務 に 就 きた かった
私は、就職活動でCSRについて質
説明、内部では人づくり、ですね。
問したことはないですが、各企業の
特 に お 客 様 の 組 織 が 大 きくな る
不祥事がよく話題になる昨今では、
ほど、CSRへの取り組みを厳しく
学生が企業の価値を判断する際の
問われると感じます。
山中
最近は各メディアの報道でCSRが
が、CSRにはとても大切だと考え
するた め の 具 体 策 を 考 え、実 践
長濱
ところで、日立金属グループのCSR
ふだんから営業活動を行うにあたっ
ていますか?
前の社会人として育てていくこと
植松
私も そう思 い ま す。客 先 で 同 業
「日立金属グループ 企業行動指針」
のCSR」についてどのように考え
嶋津
CSR報告書は
社会人となるための必読書
みなさん、それぞれCSRに対する
有力な材料となるのでしょうね。
長濱
今 は 、インターネットで 各 企 業 の
限らずコンプライアンスという観点
イメージがあるのですね。しかも
CSR報告書を簡単に読むことがで
から C S R を 強く意 識しま す ね 。
それを活かしつつ、実践している
き ま す。入 社 前 に 対 象 の 企 業 の
他社とのバッティングも多く、対応
ことがよくわかります。
CSR活動を具体的にイメージでき
14
グループディスカッション
植松
るほど読み込んでいる場合も多く、
グループのステークホルダー(利害
に住む人々や地域社会そのものが、
関心はかなり高いとみるべきです。
関係者)
すなわち、日立金属グルー
身 近 な ステ ー クホ ル ダーと考 え
社会の意識が高まり、今後ますます
プを取り巻くすべての人々との関係
ま す。この視点がなければ、製造
CSRが厳しく問われる時代となっ
について考えることですが、それぞ
業として地域で存続することは難し
ていきます。私自身の経験からも、
れの立場からステークホルダーに
いと考えます。
これから社会に出る学生は、それ
ついてお話を伺いたいと思います。
に敏感に反応しているのだと思い
森田 営業職である以上、第一に考える
ます。そうした要求に応え、企業と
べきステークホルダーは、商社や
しての信頼度を高めるためにも、
ゼネコン・サブコンを中心とする、
CSR報告書は大切なツールになっ
身近なお客様であることは言うま
てきているのかもしれませんね。
でもありません。さらに、その背景
には大手のディベロッパーやオー
ナー が い る わ け で、直 接 的 な ス
テークホルダーという範囲でさえ、
大 き な 広 がりが あ ることは 常 に
長濱
意識するところです。
私は業務で原子力発電関連部材を
中心に扱っている関係で、ステー
クホルダーの範囲が必然的に広い
ことを実感しています。これは仮定
の話ですが、万が一、当社グルー
プの納入した製品が原因で納入先
司会
CSR報告書は、企業に入社するた
において事故が起きた場合、周囲
めに必要な、一種の教養書となりつ
に住 む 人々 に 被 害 が 及 ぶ ことは
つあるわけですね。学生にとっては、
もち ろ ん 、わ れ わ れ の 社 会 的 な
企業を知るうえで、貴重な情報収集
信 頼度は急落し、国の原子力政策
源の一つとなっているのでしょう。
にまで影響するかもしれません。
小林 確かに日常の営業を考えると、私
お客様から世界・地球にまで
広がる可能性があるという緊張感
お客様を考えます。と同時に、マグ
広がるステークホルダー
ネットの製造には希少な原材料を
をもって、業務に取り組んでいます。
司会
使用するので、サプライヤーのこと
司会 さて、日立金属グループは、高度な
どありませんが、さまざまな製品
に関係しており、社会とのつながり
司会 当社グループの製品を購入してい
アモルファス金属など多様な製品
ただいている以上、お客様を第一
を製造しています。本日お集まり
に考えるのは当然でしょう。また、
当社グループの製品は、そのまま
消費者の目に触れる機会はほとん
も当然、意識します。
技 術 を 持 つ 素 材メーカ ーとして、
電子部品、
マグネット、
特殊鋼や鋳物、
常に、ステークホルダーは大きく
もステークホルダーとして、まず、
を考えることは重要ですね。
山中
当 社 グル ープ の 業 態 は 、い わ ば
い た だ い た み な さ んが 扱って い
そうでなくてはならないとも思い
「川上」
にあります。ですから問題が
る製品も、すべて異なります。さら
ます。工場の場合はいかがですか?
「川下」
にまで影響が広がっ
あると、
に工場や本社勤務、営業などさま
調達部門にいるということもあっ
てしまう怖さがあるのです。そのこ
ざ ま な 形 態 で、お 客 様 や 社 会 と
て、協力工場をはじめとするサプラ
とを考えると、たとえ目の前にいな
接しています。CSRの根本は、当社
イヤーや、そうした工場のある地域
い人々であっても、常に接点がある
嶋津
15
グループディスカッション
ことを意識しながら業務にあたる
お願いしたいと思います。
社会の重要なインフラを支えてい
日常的に身近で接するサプライヤー
ます。品質で信頼を損ねることは、
私が勤務するFプロ工場がある島根
は、地域社会にも大きな影響力が
決してあってはならないと心がけて
県安来市は、日立金属の企業城下
ありま す。そうした ステー クホ ル
います。
町とも言われています。そのため、
ダーと共存共栄の関係を築くこと
ステークホルダーの範囲が、地域
によって、地域に貢献していくつも
て研究し、いっそうの努力を重ね
社会や地方公共団体、さらにはその
りで す。それ が 社 会 貢 献 で あり、
ます。自分が扱っている製品は人命
CSRにつながると考えています。
に か か わ るという緊 張 感 を 常 に
世界的に見ても当社グループにし
念頭に置きながら、プライドをもっ
第一のステークホルダーがお客様
か製造できないアモルファス金属
て仕事をし、CSRを果たしていき
であることは言うまでもないとは
の製品を、お客様からのご要望に
ます。
いえ、突き詰めていけば、地球上
応えて生産すること、そして、その
のすべての人々がステークホルダー
固 有 の 技 術 を 守り育 てることは
キャッチして、工場などに伝えてい
とも考えられますね。表面的には
工 場としての責任でもあり、そこに
くことが、私にとってのCSRの第一
勤務する重さを感じています。
歩です。さまざまな情報を必要と
私はマグネットを主に取り扱ってい
する部 署・スタッフが 動 き やす い
実例としてとらえながら、毎年行わ
ます。原材料として、希少金属が使
ように配慮する仕事を通じて、日立
れる研修の内容を考え合わせるこ
われており、限られた資源を有効
金属グループ全体がうまく機能する
とで、CSRの具体像をつかむよう
利用する観点からも無駄にはでき
に努めています。
ま せ ん。お 客 様 から の ご 要 望 に
環境という側面から考えると、地球
応えながらも、決してオーバース
ずとも当社グループの製品が使わ
環境もステークホルダーと見ること
ペックにならない製品を提供して
れて い る ケース が 多 々ありま す。
ができます。目の前にいる人はも
いくつもりです。そしてなによりも、
そうした製品の完成度を高めるた
ちろん、サプライチェーンのように、
安定的な供給に責任を持ちたいと
めにも、高度な技術で品質の優れ
地球にいるすべての人々がつながっ
思っています。
た製品を製造し、世に送り出してい
べきでしょう。
植松
嶋津
先にまで広がるということは共通
認識になっていますね。
川田
植松
雲をつかむような話になりがちで
すが、日常の業務の一つひとつを
井深
小林
長濱
井深
これまでの蓄積を基にCSRについ
環 境 に 関 す る 情 報 を い ち 早く
よう、貢献するつもりです。
山中
携帯電話などは、外見ではわから
ていく。どこまでも広がるステーク
きたいです。お客様からのご要望
ホルダーの期待に応えられる仕事
に応えることと同時に、それが重要
をしていきたいと思っています。
なCSRだと考えています。
川田
お客様を大切にしながらも、お客様
の要求のみに偏らない営業活動を
めざします。なぜなら、お客様が
これまでのお話から、みなさんがそ
第一のステークホルダーであると
れぞれ、CSRを具体化するために
同時に、当社グループ自身もお客
当社グループで働く若手社員の、
尽力していることがよくわかります。
様にとってのステークホルダーで
CSRへの高い意識が明確に表れた
もあるからです。当面は、勃興しつ
ディス カッションと な りまし た 。
今後も、より高いレベルで
つあるインド市場の開拓で、両者が
本日は、多忙な業務の合間をぬって、
CSRを実践
共存できるよう、営業活動の調整
ご参加いただき、誠にありがとう
に注力していきます。
ございました。
司会
司会
それでは、日立金属グループの明日
森田
配管部材を扱う仕事を通じて、当社
を担うみなさんに、今後、日常業務
グループへの信頼を獲得していく
の な かでどのように C S R を 実 践
つもりです。配管は日々の生活に
していくかについて、決意の言葉を
欠かせない水やガスを供給して、
16
司会
みなさんの力強い言葉の端々に、
社会性報告
Social Report
日立金属グループは、経営理念に「最良の会社を具現して社会に貢献することを念願しております」と掲げ、
グループ企業行動指針に「良き企業市民として継続して社会に貢献します」と定めています。この方針のも
と、様々な社会貢献活動を実施しています。
1
地域との共生
ツ大会の運営に人的・物的支援を行っています。そのほか、地域の清掃活動への参加、保有する施設(体育館、グ
ランド、テニスコートなど)の開放など地域とのコミュニケーションを積極的に図っています。
財団を通じた支援
わが国の材料科学技術の研究に寄与することを目的として、宮下格之助博士(当社元副社長)から遺贈された基
金等で設立された(財)材料科学研究助成基金に対して、人的・物的支援を設立当初より継続して行っています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
各事業所において、市民の方が多数参加するマラソン大会、地域の小学生、中学生、高校生が参加する各種スポー
2
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[社会・地域社会とともに]
また、日立グループの財団「(財)日立環境財団、
(財)日立国際奨学財団、
(材)日立みらい財団、日立ファンデーション
(米国)」の行う環境保全事業、アジア諸国との教育・学術・文化交流、青少年の健全な育成に対する支援事業、米国
における教育活動などに賛同して寄付を行っています。
史跡・伝統文化保全
当社は、
(財)日本美術刀剣保存協会が行う日本古来の製鉄法である「たたら製鉄」の操業に協力しています。
「たた
社会性報告
3
ら製鉄」は、戦後その生産が途絶えていましたが、
「たたら製鉄」から生み出される「玉鋼(たまはがね)」が日本刃
製作に欠かせないものであることから、
(財)日本美術刀剣保存協会は、日本の伝統文化を守るため、
「たたら製鉄」
を国の支援のもと1977年に復活させました。当社は、復活から現在にいたるまでその操業に協力しています。
4
災害被災地支援
5
社会福祉
環境性報告
地震等により大規模な被害が発生した場合には、関係団体と連携して被災地への支援を行っています。
本店および社宅所在地の社会福祉団体に対して、車椅子などを寄贈しています。また、地域でのボランティア活
動推進のための団体(地域ネットワーク)づくりを推進している「(財)さわやか福祉団体」の活動に賛同して寄付
を行っています。
経済性報告・コーポレートデータ
17
社会性報告
Social Report
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[地域との共生]
清掃活動
桑名工場
地域清掃活動
工場周辺の清掃活動
工場周辺の清掃活動
久松公園清掃活動
久松公園清掃活動
鳥取工場
社会性報告
城南神社清掃活動
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
城南神社清掃活動
鳥取駅前、公園など市内清掃活動
環境性報告
安来工場
地域清掃活動
18
経済性報告・コーポレートデータ
クリーンアップ安来デー
社会性報告
Social Report
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[地域との共生]
スポーツ大会などの主催・共催
桑名工場
桑名市ママさんバレーボール大会
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
鳥取工場
鳥取県中学校バレーボール大会
社会性報告
環境性報告
九州工場
苅田町ふれあいマラソン大会
経済性報告・コーポレートデータ
19
社会性報告
Social Report
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[地域との共生]
スポーツ大会などの主催・共催
安来工場
安来地区中学スポーツ大会
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
社会性報告
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
なかうみマラソン全国大会
20
社会性報告
Social Report
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[地域との共生]
スポーツ大会などの主催・共催
株式会社日立金属若松
若松区中学生野球大会
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
その他の活動
安来工場
社会性報告
市民コンサート
小学校社会科工場見学
TOPICS
小学生の社会科工場見学
環境性報告
つなごう地域とのコミュニケーション
”汚れた海を綺麗にして魚を呼び戻そう”
フィリピン ロザリオ市のInternational Coastal Clean Upに参加
NEOMAXカンパニー San Technology, Inc.
工業地区(CEZ:Cavite Economic Zone)の地元企業と
に天然素材で作った魚礁を沈めて海域緑化に取り組む
ともにこの活動に賛同し、従業員のボランティア派遣
International Coastal Clean Up活動を行っています。
および魚礁材料への寄附(25,000ペソ)を行いました。
NEOMAXカンパニー San Technology, Inc.では、
カビテ
従業員のボランティア派遣
手前が制作したピラミッド型の魚礁
21
表彰セレモニー
経済性報告・コーポレートデータ
フィリピンのマニラ近郊ロザリオ市では、海の沖合い
Social Report
社会性報告
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[史跡・伝統文化保全]
安来工場
第14回刃物まつり
社会性報告
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
22
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
表彰セレモニー
たたら製鉄の様子
Social Report
社会性報告
お客様に対して
お客様に喜ばれる製品づくりをめざす
日立金属グループは、
「品質最優先と顧客第一主義」の品質保証活動理念のもと、これまで構築してきた品質保証技術
に磨きをかけ、お客様とお客様の先に存在する消費者の皆様に喜ばれる製品を提供することで、社会に貢献していき
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[ビジネスパートナーと共に成長]
たいと考えています。
日立金属グループの製品は素材・部品が中心で、お客様も鉄鋼、自動車、エレクトロニクス業界と多岐にわたるため、
製造拠点ごとにお客様のご要望に応じた品質保証を実施しています。国内製造拠点は、すべてISO9001または
ISO/TS16949の認証を取得して品質保証体制を整えています。また、日立金属グループは、北米、アジアなどに製
造拠点を設け、適地適産を展開しています。国内の製造拠点は海外製造拠点のマザー工場として、製造技術と品質の
面から密接に連携し、指導を行っています。そして、海外製造拠点についても、そのほとんどがISO9001の認証を取
得しています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
品質保証体制
社 長
全社PS/PL委員会
本社品質保証グループ
〈委 員〉
各コーポレート部門
カンパニー PS委員会
・
・
・
〈事務局〉
社会性報告
技術担当役員
・
・
・
〈委員長〉
カンパニープレジデント
カンパニープレジデント
〈事務局〉 品質保証責任者(技術担当部長)
営業・企画・関連営業部門
・
・
・
工場PS
委員会
工場長
〈委員〉
品質保証部門
〈委員〉
技術部門
製造部門
工場長
環境性報告
〈事務局〉
・
・
・
〈委 員〉
〈委員〉
管理部門
品質保証活動理念
昭和63年7月1日
社長
1.
『品質保証活動理念』制定の趣旨
品質保証活動は当社の『もの作り』の立脚点であり、日常業務の基本として実践してきたところであるが、さらに徹底を期
するため、ここに当社の品質活動理念を明確にし、全社共通の規範として制定する。
2.品質保証活動理念
当社の品質保証活動は、日立伝統の『落穂拾い精神』に基づくもので、その活動理念は次のとおりである。
(1)品質最優先と顧客第一主義
顧客に対する数ある責任の中でも『品質は全てに優先』する。
顧客に喜ばれ、信頼され、社会のために役立つことを第一義とする。
(2)品質の作り込みと顧客の立場に立った検査
品質は企業活動の原点である。開発、製造、販売をはじめ全部門がつねに品質に留意し、その向上に一致協力して、はじ
めて『品質を製品に作り込む』ことが出来る。
製造と検査は品質保証活動の両輪である、完全なる製造技術と設備、生産管理、常に顧客の立場に立った検査が当社製品
の品質を保証する。
(3)事故に対する誠意ある対応と再発防止
品質上の不具合で顧客に迷惑をかけた場合は、誠心誠意問題を解決しなければならない。また、これを教訓としてその原
因を十分に吟味し、再び過ちを起こしてはならない。
23
経済性報告・コーポレートデータ
当社は、つねに技術に精進し、特色ある高品質製品を製造販売して社会に貢献することを社是としている。
Social Report
社会性報告
お客様に対して
安全な製品の提供体制
コーポレートの各部門と各カンパニーの品質保証責任者は全社のPS/PL委員会を構成し、製品安全(PS)活動を展
開しています。新製品や開発品は徹底したPSレビューを通じて安全な製品に仕上げられます。また、全社のPS活動
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[ビジネスパートナーと共に成長]
は工場のPS活動と連携して製品安全をめざします。日立グループ全体で取り組み中の製品含有化学物質管理につい
ても一段と強力に推進しています。
すべての製品事故は、定められた情報ルートに従い、コーポレートやカンパニーに伝えられます。製品事故の対策に
は、事故の直接原因と、事故の背景となった間接原因の2つの原因追究が必要です。日立金属グループでは後者を「動
機的原因の追究」として特に重視し、再発防止に努めています。事故などの失敗から学ぶ活動として、日立グループ
伝統の「落穂拾い」会議があり、各カンパニーの国内外の製造拠点やグループ会社などで毎年開催しています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
品質問題の対応体制
製品含有化学物質の管理
日立金属グループでは、有害物質を含まないモノづくりを実現するために、グローバルな視点での「環境CSR対応モ
ノづくり」活動を推進しています。主な内容は、下記の図に示すように各段階での有害物質を含まない仕組みと、万一、
REACH規則などへの対応
日立金属グループは、2007年6月1日に発効したREACH規則に対し、製品に含有する化学物質の特定を推進し、化
社会性報告
有害物質を含んだ製品が出荷された場合、48時間以内に影響範囲を把握する仕組みです。
学物質の登録・届出・お客様への情報伝達を行います。また、円滑に情報伝達ができるよう、お客様や取引先と協力し
ていきたいと考えています
環境CSR対応モノづくり
環境性報告
■製品環境規制の世界的広がり
● 欧州:RoHS指令、
ELV指令、REACH規則*
1
● 中国:新化学物質環境管理弁法
2
3
● 日本:J-Moss* 、
化審法* 、各種リサイクル法
基本方針・体制
開発
管理基準・運用規則
調達
製造・品質保証
有害物質を含まない
資材の購入
有害物質を含む
製品を出荷しない
お客様
成分表示
保証・保守
*1 REACH規則:Registration, Evaluation, Authorisation of Chemicals
*2 J-Moss:EUの「RoHS指令」と同等の特定化学物質の含有表示の規定として、2005年12月の
「資源循環利用促進法」の改正とともに制定されたJIS規格(JIS C 0950: 2005)のこと
*3 製品に含有する化学物質の特定を推進し、化学物質の登録・届出・お客様への情報伝達を行います。
24
経済性報告・コーポレートデータ
有害物質を含まない
製品の開発
+
Social Report
社会性報告
お取引先に対して
CSR調達の考え方
調達活動におけるCSRは、当社自らがCSR実践企業であることと共に、
調達方針
CSR実践企業とお取引することにより実現します。
当社は取引開始時にこの基本的な考えをお伝えし、かつ、お取引先の活動状
況を確認しています。
情報漏えい事故防止については、毎期パソコン内の業務情報の点検をお取
引先にご協力いただいています。
法令・社会規範の遵守
公平・公正な取引
オープン・グローバルな調達
パートナーシップの構築
機密情報の保持
環境の保全
コンプライアンス
当社はお取引先との取引をするうえで、日々法令・社会規範の遵守を心掛けています。定期的に事業所の調達部門の
担当者が集まり、法令などに関する講習受講や確認を行う機会を設けています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
●
●
●
●
●
●
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[ビジネスパートナーと共に成長]
その他、法令順守の具体的な取り組みとしては、下請代金支払遅延等防止法の遵守を自主的にチェックする社内ルー
ルを設けて運用する等の事例があります。
当社は素材メーカーであり、その製品はお客様の最終製品となって広く社会に貢献しています。そのため当社が材料・
部品などを調達する段階での、環境負荷低減の取り組みが重要です。
社会性報告
グリーン調達
当社の求める環境面での品質を満たす製品を優先的に購入するグリーン調達を推進し、2009年度もグリーンサプ
ライヤー率とグリーン調達率ともに前年度を上回る実績となっています。
また、2009年度には「グリーン調達ガイドライン」の改訂を行い、二次取引先への協力依頼も行っています。
指数
比率
300
86%
86%
90%
未認定
82%
250
72%
75%
71%
80%
238
13%
232
環境性報告
グリーンサプライヤー率
(社数ベース)
グリーン調達率〈金額ベース〉
(日立金属単独)
70%
200
150
57%
145
60%
157
グリーンサプライヤー
87%
132
50%
100
40%
50
0
30%
03年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度
20%
(注)指数:03年度=100
グリーン購入
用紙類、文具、事務用品から着手したオフィスのグリーン購入は、現在、OA機器などに対象を拡大しています。
間接材の購入は、グリーン購入法適合品等の環境配慮製品を選定できるネット調達の導入を全工場で行っており、現
在も新たにグループ会社の導入拡大の取り組みを行っています。
25
経済性報告・コーポレートデータ
100
191
Social Report
社会性報告
従業員に対して
人材育成
めざすところは、高機能で、オリジナリティに溢れ、
「世界一」を実現する環境親和製品を、継続的に開発し、世に送り
出すのに不可欠な人材の育成です。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[働きやすい職場づくりと社会への貢献]
当社の「人」に対する考え方は、創業以来の基本精神である「和則彊(和すれば強し)」に凝縮されています。これを基盤
とし、「個性と自立心が発揮できる組織風土づくり」をめざした活動を続けています。
いう決意を、「磨け、輝け、そして挑戦。
」というスローガンとして掲げ、専門力はもちろんのこと、自ら課題を発見し、
行動・解決できる「実行力ある人材」となるよう、従業員が活性化し、行動することを、会社として支援しています。
目 的
「個の自立」の支援
( 経営ビジョン実現に必要な
)
キャリア形成の重要性を自覚し、
●革新型戦略人材の育成
自己責任で成長する風土をつくる
●高い組織経営力を持った人材の育成
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
コミュニケーションシンボル“Materials Magic”に込められた「私たち一人ひとりが“成長への原動力”となる」と
●技術専門性を極め、
「世界一」を実現する人材の育成
●人材育成会議を通じたキャリアパス確認、アセスメン
トの定期的な実施
●「目標管理制度」を活用しPDCAを回す、上司・
部下の関係をベースにした人材育成
●専門性を重視し、能力発揮に重点を置いたキャリア
展開支援
●キャリアデザイン研修、キャリア面談の実施
●経営管理技術を含めた独自の職能研修、経営者人材
育成研修
社会性報告
具体的施策
●キャリア開発システム
(キャリア登録、自己申告、FA制度、公募制度)
研修・教育制度
企業の規模を基にした資源の限界は受容しつつ、
“個人の力量の集束+組織力”が企業の力であるとの認識のもと、個
を重ねています。
労使関係
環境性報告
人レベルでも、組織レベルでも、他社との差別化を図れるよう、当社独自の研修プログラムや研修内容の開発に努力
「相互信頼の基盤」に立った労使関係のもと、お互いがそれぞれの基本的権利と義務を尊重し、労使共通の課題に誠意
をもって取り組んでいます。経営方針や事業計画、経営施策などは各種審議会を通じて十分な説明を行うとともに、
労働組合の声も聞きながら各種施策の迅速な実現をめざしています。2010年度からはカンパニー制に対応した労
していきます。また、日立金属グループ各社の労働組合は日立金属関連労働組合協議会を形成し、定期的にグループ
の経営方針や計画などを説明して意見交換する場を設定し、相互理解を深めています。
人権の尊重
当社がめざす「最良の会社」を具現する上で、一人ひとりの人格・人権を尊重し、差別的な取り扱いがなく、お互いが
信頼し合える職場環境が不可欠です。各種ハラスメントの相談窓口など、これらを担保する会社の制度の設置はもち
ろんのこと、e-ラーニングの仕組みを利用した人権教育や階層別研修など、さまざまな機会を通じて計画的に人権意
識を高める啓発活動に力を入れています。
26
経済性報告・コーポレートデータ
使体制も本格運用をスタートし、コミュニケーションの密度を高めることによって、さらに充実した労使関係を構築
社会性報告
Social Report
従業員に対して
障がい者雇用・次世代育成支援
障がい者雇用の分野では、1998年に特例子会社である(株)ハローを設置、2006年に(株)桑名クリエイトが特例
認定を受けるなど、障がい者雇用に関しては早くから取り組みを強化しています。これら2つの会社では知的障がい
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[働きやすい職場づくりと社会への貢献]
者を積極的に受け入れ、地域からも表彰を受けるなど、その取り組みは高い評価を得ています。
次世代育成支援施策としては、2008年度より子ども手当を創設し、子育てをする従業員へのサポートを強化しまし
みを行っています。育児・介護休職制度も定着しており、2007年度より本人または配偶者の父母、配偶者、子の介護
および看護について1休暇年度において家族看護休暇と合わせて20日まで取得できる特別積立休暇の充実を図って
いるほか、2010年度の育児介護休業法改正についても、法による規定を上回る制度整備を実施しており、今後、これ
らの制度の運用面でも力を入れていきます。
障がい者雇用率
障がい者雇用率推移
出産者数
育児休職取得状況
雇用者数
雇用率(%)
育児休職取得者
雇用者数(人)
2.2
126
123
1.94
1.86
1.84
1.8
130
30
120
25
110
20
100
15
90
10
80
5
70
0
26
1.67
1.6
96
1.4
(人)
19
15
16
17
13
社会性報告
2.0
2.08
123
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
た。また、当社は出産・介護を機に退職された方の再雇用制度を1992年よりいち早く導入するなど、先進的な取り組
83
1.2
1.0
05年度
06年度
07年度
08年度
09年度
07年度
08年度
09年度
労働災害撲滅への取り組み
2009年度における当社グループの休業災害件数は、単独2件・国内連結8件(うち死亡災害1件を含む)となり、前年
環境性報告
*障がい者雇用促進法に基づきカウント
度の単独4件・国内連結7件から大きく改善することはできませんでした。
このため2010年度は、
「何よりも安全はすべてに優先する」という基本方針に基づく安全衛生活動を全グループで展
メント、KY(危険予知)活動、安全体感訓練などに注力し、従業員一人ひとりのさらなる安全意識の向上に努めています。
労働災害度数率の推移
2.00
全産業
製造業
鉄鋼業
日立金属グループ
1.50
*株式会社日立金属若松の死亡災害に
関する報告
2009年9月23日、当社グループの(株)日立
金属若松で社員3名が火傷で入院し、うち1名
が亡くなる重大災害が起きました。日立金属
1.00
グループではこの事故を重大に受け止め、定
常作業の中にも重大災害のリスクが潜んでい
0.50
ることを前提に、現場の安全性について根本
的な見直しを進め、二度とこのような重大災
0.00
05年
06年
07年
08年
09年
害を発生させないために日々の安全活動に取
(年)
*労働災害度数率=労働災害による死傷者数÷延べ実労働時間×1,000,000
27
り組んでいます。
経済性報告・コーポレートデータ
開しています。労働安全マネジメントシステムの深耕を図るとともに工場、グループ会社の業態に応じたリスクアセス
社会性報告
Social Report
株主・投資家の皆様をはじめとした社会に対して
タイムリーに情報を発信
日立金属グループは、透明性の高い「開かれた企業」として信頼を得るため、迅速・正確かつ公平な会社情報の開示を
適切に進めるべく、社内体制の充実に努め、タイムリーな情報発信を行っています。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[社会とのコミュニケーションの促進]
コミュニケーション室を中心として各部門が連携し、四半期ごとの決算情報開示を行い、機関投資家・アナリストの
皆様を対象とした決算説明会なども開催しています。また、決算情報にとどまらず、個別事業のトピックスや中期経
より詳しく経営方針などをご説明するために、株主通信、アニュアルレポート(英語版)、Webサイトをはじめとした
情報発信ツールを充実させています。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
営計画の開示なども、展示会やホームページを通じ積極的に行っています。
社会性報告
第72期株主通信および日立金属ウェブサイト・トップページ
株主・投資家の皆様とのコミュニケーション
を行いながら、コミュニケーションを図っています。
環境性報告
日立金属グループでは、株主・投資家の皆様に対してWebサイト、イベントなどさまざまなツールを通して情報発信
事業説明サイトーハーキュナイト ®
http://www.hitachi-metals.co.jp/automobiles/hercunite.html
経済性報告・コーポレートデータ
事業説明サイトー継手ってなに?
http://www.hitachi-metals.co.jp/tugite/index.html
28
社会性報告
Social Report
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[社会とのコミュニケーションの促進]
株主・投資家の皆様をはじめとした社会に対して
展示会
展示会も、幅広い層の皆様と直接コミュニケーションができる機会と位置
付けています。また、株主・投資家の皆様に事業内容を紹介し、当社グルー
プに対する理解を深めていただく場として、個人投資家向けIRイベントに
も出展しています。
日立金属グループIRサイトのご紹介
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
エコプロダクツ2009
株主・投資家の皆様と当社グループをつなぐツールとして、個人投資家向けおよび株主・投資家向けWebサイトを開設
し、適時開示資料やアニュアルレポート、決算スライド資料などを掲載して、業績に関する情報発信を行っています。
そのほかにIR専用のメールアドレスも設置し、株主・投資家の皆様の声を聞くコミュニケーションツールのひとつと
個人投資家向けサイト
http://www.hitachi-metals.co.jp/mms/index.html
社会性報告
して活用しています。
環境性報告
29
経済性報告・コーポレートデータ
株主・投資家情報サイト
http://www.hitachi-metals.co.jp/ir/indx_ir.html
Social Report
社会性報告
日立金属誌上工場見学
H i t a c h i M e t a ls’ F a c t o r y T o u r
けて押し込んでホイールの形にしていくのよ。
■熱処理
アルミが固まった後は、さらに一定時間、熱を加え
アル ちゃん:工場見学に来た女の子 ることで強さとしなやかさを加える熱処理という
マグくん:工場見学に来た男の子 工程に進むことになるわ。
メル
ようこそ、みなさん。
ふたり 今日はよろしくお願いします!
メル
日立金属の製品の中から今日は、アルミホイール
と磁石の作り方を見ていきましょう。ヘルメット
はかぶったかな?
■加工
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
メルさん:日立金属の案内役
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
どろどろに溶けたアルミを、直接金型に圧力をか
■アルミホイールの製造工程
社会性報告
うわ∼っ!かっこいい!
メル
これが日立金属ならではの、軽くてデザイン性に優
こっちではホイールがガリガリ削られているぞ!
メル
ここは加工工程といって表面を削ってきれいにし
ているのよ。
®
れたアルミホイール、SCUBA というのよ。
■塗装
アル
■溶解
向こうではホイールがいっぱい並んでいますね!そ
環境性報告
マグ
マグ
の奥ではホイールがぶら下がってどこかに運ばれて
いるようですが、ここは何をしているのですか?
メル
加工後は、表面を守る意味と、色を塗って外観をよ
ルは直接、外から見える製品だけに見た目も重要
になるのよ。
マグ
うわ∼っ!これがホイールのもと?どろどろに溶
けているよ!
アル
すごく熱そうですが、何度くらいで溶けるんですか?
メル
660度といわれているわ。これでも鉄の約半分の
温度でとけてしまうのよ。低圧鋳造法といって、
30
経済性報告・コーポレートデータ
くする二つの意味から塗装をしているの。ホイー
社会性報告
日立金属誌上工場見学
Social Report
H i t a c h i M e t a ls’ F a c t o r y T o u r
さあ、今度は磁石の作り方よ。
アル
磁石って、自動車とかエアコンとか携帯電話とか
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
メル
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
■NEOMAX ® の製造工程
■検査
アル
出荷前に検査はするのですか。
メル
もちろんよ。アルミホイールは重要保安部品と
いろいろなところに使われているんですよね。
メル
いって、自動車の安全を守る大切な部品なので検
よく知っているわね。例えば、モーターの中で大
今 日 は こ れ か ら 世 界 最 強*レ ベ ル の 磁 石
「NEOMAX ® 」ができるまでを簡単に紹介するわ
社会性報告
切な働きをしているのよ。
査もことのほか厳しく行っているの。
よ。
マグ
えっ!世界最強?わくわくするな。
■粉砕
メル
まず、この粉をプレス機に入れるのよ。
アル
この粉が磁石の“もと”なの?ずいぶん細かい粒の
メル
そうなのよ、磁石合金を細かく砕いた粉なの。
細かい粒にしないと強い磁石にならないし、しか
環境性報告
粉ですね。
もこの小さい一つひとつの粉が磁石の性質を
持っているのよ。
31
経済性報告・コーポレートデータ
磁石合金を微粉砕して、プレス成形性にすぐれ
た高磁石特性を発揮する原料粉末にする。
社会性報告
日立金属誌上工場見学
Social Report
H i t a c h i M e t a ls’ F a c t o r y T o u r
マグ
へぇ∼、今度は押しつぶされちゃったよ。大丈夫なの?
マグ
あれっ。ここでは何をしているの?
メル
磁石のお化粧をしているのよ。お客さまの注文通
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
ダイヤモンド工具を主に用いた研削加工を行
い、寸法・形状を整える。
原料粉末を磁界中で形成することにより粒子の
方向をそろえて、所定の形状の圧縮体を作る。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
■加工・表面処理
■磁界中成形
りに寸法や形を整えて、最後に表面が錆びないよ
うに塗装をしているの。これであとは検査をして
出荷を待つばかり。
社会性報告
メル
大丈夫よ。ここで、磁石をいろいろな形にするの。
それとまだ秘密があるの。粒の並び方をそろえて
いるのよ。
アル
粒をそろえるって?
メル
難しい言葉で言うと「磁界中成形」って言うんだ
表面処理を施し、長期的な信頼性を高める。
NEOMAX ®の使用される使用環境・用途などに
応じて数種類の表面処理を行います。
けれど、要はみんなの頭の向きをそろえるのよ。
学校で、先生から言われるでしょ。
「整列!前へ∼
あれ?な∼んだこれ、全然くっつかないじゃない
か。本当に世界最強の磁石なの?
小さい粒みんなが磁石の性質をもっているので、
メル
同じ向きになるとすごく力が出るのよ。
さ∼て、見ててご覧なさい。この着磁器という装
環境性報告
マグ
ならえ」って。それと同じよ。
置に入れると、え∼い。ほら磁石になったよ。
ただ、まだ押し固めただけで、さわるとくずれてし
マグ
まうのよ。
何したの?あ∼くっつく。磁石だ磁石だ。手品みた
い!ほら、すごくよくくっつく!ちょっと貸して。
■焼結、熱処理
熱い、熱い、真っ赤、真っ赤っか!
アル
危ないわよ!指を挟むわよ!
メル
ここでは、焼結といって、1,000℃以上の高い温
メル
そうなのよ。指を挟んだりして怪我をすると危な
いからNEOMAX ® 磁石で遊ばないでね。
度で焼き固めるのよ。
アル
こんなに小さいのに、とても力があるんですね。
やっぱり最強の磁石って凄いですね。
メル
どうでしたか、アルミホイールとNEOMAX ® 磁石
についてよく分かってもらえましたか。
ふたり よく分かりました。ありがとうございました。
3
*実験室レベルでの最大磁気エネルギー積474kJ/m(59.5MGOe)
:
1000℃以上の高温で焼結して磁石素材にする。
2008年6月現在、
「レアメタルニュース」調べ
32
経済性報告・コーポレートデータ
マグ
環境性報告
環境適合製品売上高(実績)
環境適合製品売上高(計画)
地球温暖化防止
売上高比率(実績)
地球温暖化防止
ループの環境基本理念の共有を図り、環境負荷低減活動、
セスの改革に取り組み、モノづくり強化と同時に、CO2排出
特に環境リスク管理の強化をめざします。
量削減につなげることをめざします。
環境適合製品の拡大
資源の循環的な利用
市場ニーズが高まる環境適合製品へ経営資源を集中し、
製造プロセスの改革による廃棄物の削減や廃棄物の再資源
70
60
400,000
50
40
30
200,000
20
みを推進します。
低減に寄与する製品を社会に提供し、循環型社会の構築へ
10
貢献することをめざします。
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
0
売上高エネルギー原単位(計画)
1400
1.4
1200
1.2
1000
1.0
800
0.8
600
0.6
400
0.4
200
0.2
0
0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
1990
●環境目的・目標と実績
リーマンショック後の売上高の減少や社会動向の影響を受け、
環境活動の一部に未達がありましたが、おおむね目標を達成することができました。
定量的な項目
: 目標達成
区分
エコプロダクツ
エコファクトリー
2009年度目標
2009年度実績
: 目標90%達成
達成度
: 目標未達
2010年度目標
GREEN21*1
グリーンポイント
1152 ポイント
1120ポイント
1280ポイント
環境教育
エコマインド教育e-ラーニング受講率
85%
99.8%
90%
環境適合製品登録比率
80%
84.0%
ー
環境適合製品の拡大
環境適合製品売上高比率
グリーン調達率(単独)
86%
84.7%
90%
製品輸送負荷の低減
CO 2 排出量原単位削減率(2006年度対比、日本国内)
10%
21.1%
10%
廃棄物の再資源化
再資源化率(日本国内)
98.5%
86.3%
99%
1.126
1.216
1.126
*2
売上高エネルギー原単位(日本国内)
地球温暖化防止
*3
VOC
(67%)
*2
CO 2 排出量削減率(1990年度対比、日本国内)
VOC大気排出量削減率(2000年度対比)
の削減
用水使用量削減率(2005年度対比、売上高原単位)
水資源の保全
(73.3%)
(
)
70%
10%
36%
10%
28.5%
48.8%
30%
8%
▲15.3%
10%
区分
2009年度実績
環境目的
環境性報告
定性的な項目
達成度
グループ環境委員会の開催
環境経営の推進
日立環境実務者情報交換会(中国)への参画
環境マネジメントシステム
社会性報告
エコマネジメント&エコマインド
指標
環境目的
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
化の用途開発、使用済み製品の回収など、多面的に取り組
CO 2 排出量削減、省資源、有害物質の削減など、環境負荷の
80
CO 2 排出量(千t-CO 2 /年)
CO2排出量削減の社会的ニーズを好機として捉え、製造プロ
CO2排出量目標
環境適合製品売上高比率(%)
それぞれの国や地域の特性を考慮しながら、日立金属グ
600,000
CO2排出量(計画)
売上高エネルギー原単位(実績)
売上高比率(計画)
売上高(百万円)
グローバルな環境経営の推進
CO2排出量(実績)
売上高エネルギー原単位(原油kℓ/百万円)
環境適合製品の拡大
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
●中・長期的な環境戦略
全カンパニーの統合EMS*4 構築完了
環境コスト:86.3億円
エコマネジメント&エコマインド
環境効果(経済効果)
:24.3億円
環境会計の実施
環境効果(物量効果)
:エネルギー削減 7,519原油kℓ
環境研修の実施
エコプロダクツ
エコファクトリー
環境相互監査員フォローアップ研修:20名受講
製品化学物質規制への対応
*7
ゼロエミッション
の推進
環境適合製品のPR活動
環境ミーティングの推進
社会貢献
REACH規則*5 SVHC*6 調査の実施
海外事業所にて2件(排水基準超過、環境関連設備届出の不備)
法令順守
環境情報の開示
ステークホルダーとの協働
「環境CSR対応モノづくり規程」の運用
ゼロエミッション達成事業所:17事業所
「エコプロダクツ2009」に出展
2009年12月10日∼12日に東京ビッグサイトで開催された「エ
コプロダクツ2009」に出展しました。希土類磁石やターゲット
材など、環境に貢献する当社グループの環境適合製品を小学生
からビジネスマンまで幅広い来場者の方々に紹介しました。
2009日立金属グループCSR報告書の発行
エコプロダクツ2009に出展
自治会との環境懇談会の開催
工場見学の受け入れ
地域環境保全活動への参画
地域清掃活動の実施
*1 : 環境活動の目標に対する達成度を評価する日立グループの仕組み *2 : 目標の対象サイトは日本国内の第一種エネルギー管理指定工場 *3 : Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物 *4 : Environmental Management System、環境マネジメントシステム
*5 : Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals EUにて化学品(Chemicals)を製造、輸入する場合に、登録(Registration)
、評価(Evaluation)を義務付け、高懸念物質については認可(Authorisation)
、さらにリスクの高い物質には制限
(Restriction)を設けるEUの規則 *6 : Substances of Very High Concern、高懸念物質 *7 : 最終処分量が総排出量の1%以下
33
地域清掃活動の実施
安来工場および安来地区のグループ会社から約300名の従
業員が「クリーンアップ安来デー」に参加しました。
これは、中海・宍道湖のラムサール条約登録を受け、
「環境保
全」と「賢明な利用(ワイズユース)」を目的として、地方自治
体が2006年から実施している清掃活動です。
経済性報告・コーポレートデータ
:廃棄物削減 1,250トン
環境相互監査員養成研修:24名受講
環境性報告
日立金属グループ環境保全基本方針
理念
日立金属グループは「最良の会社」を具現して社会に貢献することを経営の基本理念としている。この基本理念に基
づき、人類共通の財産を後世へ健全な状態で承継するために、環境配慮を経営上の重要課題として位置付け、地球環
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[エコマネジメント・エコマインド]
境、地域社会環境の保全を積極的に推進する。
●地球環境保全は人類共通の重要課題であることを認識し、環境と調和した持続可能な社会の実現を経営の最優先課
題の一つとして取組み、社会的責任を果たす。
●地球環境保全および資源有限性への配慮に関するニーズを的確に把握し、これに対応する高度で信頼性の高い技術
および製品を開発することにより社会に貢献する。
行動指針
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
スローガン
1. 環境関連法令の順守と汚染の予防
国際的環境規制ならびに国、地方自治体および協定などの環境法令を順守する。順守を確実にするために、必要に応
じて自主基準を設定する。
う適切な措置を講ずる。
2. 環境管理組織の機能整備と監督機能の充実
社会性報告
また、環境問題の可能性を評価し、汚染の予防に努める。万一、環境問題が生じた場合には、環境負荷を最小化するよ
環境担当役員を頂点としたグループ環境管理組織、運営制度を整備し、環境関連規程の整備、環境負荷削減目標の設
定などにより環境保全活動を推進する。
また、環境保全活動が適切で妥当で有効に行われていることを確認し、環境管理の継続的改善に努める。
3. LCA(ライフサイクルアセスメント)を配慮したグローバルなモノづくりの推進
たグローバルなモノづくりを推進する。
①環境適合製品 ②地球温暖化防止 ③省資源・リサイクル資源循環 ④化学物質管理 ⑤生物多様性の保全への配慮
環境性報告
製品の研究開発・設計、生産、流通・販売、使用、廃棄などの各段階における環境負荷の低減を目指し、以下を重点とし
4. 海外拠点での環境配慮
グローバルなモノづくりに際しては、当該地域の環境に与える影響に配慮し、地域社会の要請に応えられる対策を実
5. 教育訓練と意識の向上
広く社会に目を向け、幅広い観点から、従業員に環境関連法令の順守の重要性、および、環境への意識向上のために環
境保全について教育する。
6. 情報開示
環境保全活動についてステークホルダー(利害関係者)への情報開示と積極的なコミュニケーションに努め、相互理
解と協力関係の強化に努める。
2010年4月1日
日立金属株式会社
代表執行役・執行役社長 藤井 博行
34
経済性報告・コーポレートデータ
施するよう努める。
環境性報告
環境経営推進体制
日立金属グループの環境経営は日立金属(株)の環境担当役員を頂点として、技術センターがカンパニー環境管理責
任者と連携して推進する体制となっています。
2005年4月には「日立金属 環境基本方針」を「日立金属グループ 環境保全基本方針」と改訂し、グループ一体となっ
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[エコマネジメント・エコマインド]
て環境経営に取り組んでいく姿勢を明確にしました。
グローバルに事業を展開する企業にふさわしい環境経営を推進するために、それぞれの国や地域の特性を考慮しな
していきます。
環境活動に関する方針、目標などは年1回の日立金属グループ環境委員会、および、海外拠点会議において審議決定
しています。
日立金属グループ環境経営推進体制
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
がら、日立金属グループとして同じ環境基本理念をしっかりと共有し、環境負荷低減の活動や環境リスクへの対応を
代表執行役執行役社長
◎環境担当役員
[3R*1部会]
全社専門部会 [省エネルギー部会]
[EMS*2研究会]
◎技術センター
コーポレート
各カンパニー
(
)
ただし、
カンパニー
管轄グループ会社
◎関連部門長
社会性報告
グループ環境委員会※
◎統括環境
管理責任者
事業所長
◎環境管理責任者
国内グループ会社
海外グループ会社
◎環境担当役員
環境担当役員
左の と同等
左の と同等
事務局
専門部会
環境性報告
内部環境監査チーム
環境委員会
海外拠点会議
(北米、
欧州、
アジア)
各部門
※グループ環境委員会出席者は◎記号の環境担当役員、各カンパニー統括環境管理責任者、事業所環境管理責任者、
コーポレート関連部門長、グループ会社環境担当役員、技術センター
統合環境マネジメントシステム(統合EMS)
日立金属グループでは、1998年よりISO14001の認証取得を開始し、現在、ISO14001の認証取得率は約90%
となりました (従業員ベース)。
工場単位での認証取得からスタートしましたが、製品環境規制への対応や、環境適合製品の拡販など、技術、企画、営業
などの部門と密接に連携する必要性が増してきたため、カンパニー統合型の環境マネジメントシステム(統合EMS)
の構築を推進し、2009年度には全カンパニーの統合化が完了しました。
35
経済性報告・コーポレートデータ
*1 3R:Reduce(排出物の発生抑制・減容化)、Reuse(再使用)、Recycle(再利用)を通じて資源循環利用を促進すること。
*2 EMS:Environmental Management System
環境性報告
技術センターでは、環境関連法令の順守、EMS運用の適切性、環境リスクなどについて全社的に環境監査を実施して
います。
2009年度は、8サイトの環境監査を実施し、いずれのサイトにも重大な不適合はないことを確認しました。
環境教育・啓発
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
環境監査
職場独自の教育およびEMS関連教育を含む教育体系を構築すること、また、グループ全体の視点で実施する教育と、
レベルアップを図っています。
環境教育体系
新入社員教育
階層別研修
中堅者研修
環境問題と職場の任務
管理者研修
環境問題と企業の役割
環境相互監査員養成研修
環境法令、EMS知識と監査技能
環境相互監査員フォローアップ研修
監査の企画から実践まで
リスクコミュニケーション研修
ステークホルダーへの実践的対応
資格取得教育
法定資格受験への対応
環境管理担当者研修
サイト環境管理実務者の育成
サイト内環境教育
一般社員の環境管理実務
カンパニー営業教育
製品と環境の関わり
e-ラーニング
日立グループのエコマインド教育
社会性報告
専門教育
環境問題と環境保全活動
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
工場ごとに実施する教育の役割を明確にすることで、全従業員の環境意識のさらなる向上と職場ごとの知識・技術の
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
36
環境性報告
環境調和型企業として質の向上をめざし、環境活動の継続的改善と活動レベルを向上させるために達成度に対する
点数評価システムとして「GREEN21」活動を展開しています。
これまでに2度の評価基準変更を行い、2006年度からは「GREEN21」Ver.3を運用して活動を展開してきました。
「GREEN21」ver.3は環境活動を的確に把握するため、以下のカテゴリーについて、環境活動の点数評価をしており
ます。
No.
カテゴリー(評価表)
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
「GREEN21」ver.3の活動
主な評価内容
エコマネジメント − 環境経営
リスクマネジメント、
行動計画、
環境会計
2
エコマインド
従業員への教育
3
エコプロダクツ − 環境適合製品
環境適合製品、
製品含有化学物質管理
4
エコプロダクツ−グリーン調達
グリーン調達、
グリーン購入
5
ネクスト製品・サービス戦略
サスティナブルビジネスの開発、
拡大
6
エコファクトリー − 地球温暖化防止
事業所の省エネルギー、
物流における環境対応
7
エコファクトリー − 資源循環
廃棄物削減、
化学物質管理
8
ステークホルダーとの環境協働
情報開示、
コミュニケーション活動、
地球市民活動
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
1
「GREEN21」活動は前年の結果を評価し毎年度の目標設定を行い継続的な活動を行っています。
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
640
768
896
1024
1120
社会性報告
目標レベル
日立金属グループとして、2009年度は1120グリーンポイント(以下GP)となり、目標レベル(1152GP)に未達の
結果となりました。
未達となったカテゴリーのエコファクトリー(地球温暖化防止)では、省エネ設備の投資を当初の計画よりも抑制
また、ステークホルダーとの環境協働活動では、タウンミーティングなどの活動が低い評価となりました。
日立金属グループの実績と目標
環境性報告
した部分の評価が下がりました。
エコマネジメント
(環境経営)
200
150
エコマインド
2009年度実績
100
1,120GP
50
エコファクトリー
(資源循環)
エコプロダクツ
(環境適合製品)
0
2009年度目標
1,152GP
エコファクトリー
(地球温暖化防止)
エコプロダクツ
(グリーン調達)
ネクスト製品・サービス戦略
2010年度は、2009年度の反省を考慮した目標を設定して活動します。
37
経済性報告・コーポレートデータ
ステークホルダーとの
環境協働 環境性報告
日立金属グループは、経営資源を適切に配分して環境投資・環境活動の効率化と継続的な改善を推進するために、
また、その効果や効率に関する情報を開示してステークホルダーの皆様に理解を深めてもらうことを目的として、環
境会計を導入しています。
環境コストは、環境に関わる設備投資や設備の維持管理費、研究開発費などを対象としています。環境効果は、金額で
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[環境会計]
評価する「経済効果」と、環境負荷抑制量で評価する「物量効果」の両面からとらえています。
●環境コスト
2009年度の環境コストは、経費73.1億円、投資13.2億円で合計86.3億円となりました。廃棄物などの排出物発生量
の減少に伴い、それにかかる経費が減少し、省エネルギー対策や環境親和製品の研究開発への投資が増加しています。
●環境効果
省エネルギー対策への投資が拡大したことにより、省エネルギーの効果が大きく表れています。また、排出物量が減
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
2009年度集計結果の分析
少したことで、排出物の売却などに伴う資源循環の効果が小さくなりました。
集計結果
■環境コスト
(単位:億円)
事業所エリア内
コスト
2007年度
経費
2008年度
投資
経費
2009年度
投資
経費
定義
投資
公害防止
14.7
2.7
13.8
1.0
13.1
1.0
地球環境
2.7
4.1
2.4
1.8
3.3
3.5
大気汚染、水質汚濁などの公害防止コスト
地球温暖化防止、省エネルギーなどに関わるコスト
資源循環
20.9
0.5
19.6
0.6
16.1
0.2
廃棄物削減・リサイクル化、節水などに関わるコスト
小計
38.2
7.3
35.9
3.4
32.4
4.7
上・下流コスト
1.5
0
1.2
0
0.9
0
グリーン購入差額、容器包装リサイクルなどに関わるコスト
管理活動コスト
9.0
0
8.4
0
7.3
0
EMS構築運用、
環境担当部門などの経費
研究開発コスト
36.8
7.8
33.6
6.2
31.7
8.5
社会的取り組み
0.6
0
0.2
0
0.1
0
その他
計
0.7
0
0.9
0
0.6
0
86.7
15.1
80.1
9.6
73.1
13.2
(単位:億円)
項目
経済
効果
製品・製造工程の環境負荷低減の研究開発費
自然保護、
地域住民への環境支援、情報公開などのコスト
廃棄物処理、
リサイクル化
省エネルギー
その他
計
2007年度
2008年度
2009年度
25.5
21.6
19.5
2.1
1.1
2.7
●報告範囲:日立金属 国内グループ
●集計期間:2009年4月1日∼2010年3月31日
3.0
2.4
2.1
30.7
25.1
24.3
2009年度
2007年度
2008年度
5,684kℓ
5,449kℓ
7,519kℓ
効果 廃棄物削減
1,027t
1,283t
1,250t
経済性報告・コーポレートデータ
項目
物量 エネルギー削減(原油換算)
環境格付で最高ランクの評価を受けました
日立金属(株)は、
日本政策投資銀行のDBJ環境格付*1におい
て、特殊鋼業界で初となる「環境への配慮に対する取り組み
が特に先進的」との最高ランクの評価を受けました。
特に、
「環境適合設計アセスメント」を導入して環境配慮製品
の認定基準を設定している点、および、環境適合製品売上高
の目的・目標の設定にまで踏み込んでいる点が高く評価され
ました。
*1: 環境経営調査により、企業の環境経営度を評点化し、これを融資条件に反映させる金融商品。
38
環境性報告
■環境効果
社会性報告
費目分類
当社は、2010年1月日本政策投資銀行(DBJ)より
環境格付融資を受け、格付結果は「環境への配慮に
対する取り組みが特に先進的」と評価されました。
環境性報告
日立金属グループは、CO2排出量削減、省資源、有害物質の削減など、環境負荷を低減する製品を社会に提供し、循環
型社会の構築への貢献をめざしています。
製品・サービスの環境配慮ビジョン
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[エコプロダクツ]
日立金属グループは企業行動指針にうたっているとおり、新たな価値を生み出す新製品・新事業の創出を通じて高品位
な環境親和製品を提供し、次世代に引き継ぐ環境に配慮しています。2015年に向けた経営ビジョンとして新製品売上
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
高比率30%を掲げ、環境親和新製品の創出に注力しています。
研究開発分野事例
分野
環境キーワード
CO2排出量削減
エネルギー
自動車
風力発電用部材、直流/交流変換用低損失磁性部材
高効率発電
超耐熱金属材料、燃料電池用部材、水素関連材料
蓄電
電池用部材
排気ガス規制
排気ガス浄化部材
軽量化・燃費規制
軽合金材料、耐熱鋳鋼材料、
エンジン用軽量部材
電動化
小型高性能アクチュエーター用磁石
ハイブリッド・電気自動車
モーター用磁石、実装材料、低損失軟磁性部材
高効率化・小型軽量化
通信モジュール、積層部品
EMC*1
EMC用磁性部品
環境負荷物質
環境負荷物質フリー部材
社会性報告
エレクトロニクス
研究開発分野
低損失変圧器用アモルファス金属材料、太陽電池用金属材料
*1: EMC:Electro-Magnetic Compatibility、電磁環境両立性
環境適合製品の拡大
日立金属グループでは、製品の環境負荷を小さくするために、
「環境適合設計アセスメント」を導入して製品の設計・開
発を行っています。製品の全ライフサイクルを考慮した8つの項目を評価し、評価点が基準を満たした製品を環境適合
600,000
環境適合製品売上高(実績)
環境性報告
製品として認定しています。2009年度の連結売上高に占める環境適合製品の売上高の比率は73.3%となりました。
80
環境適合製品売上高(計画)
70
売上高(百万円)
60
400,000
50
40
30
200,000
20
10
0
0
2005
2006
39
2007
2008
2009
2010
2011
2012
経済性報告・コーポレートデータ
売上高比率(計画)
環境適合製品売上高比率(%)
売上高比率(実績)
環境性報告
評価項目
評価ポイント
製造段階での環境配慮(化学物質)
グリーン調達、化学物質管理の徹底、化学物質リスクの低減
製造段階での環境配慮(省エネルギー)
生産性向上、省エネルギー設備の導入、
エネルギー転換
製造段階での環境配慮(省資源)
再生資源の利用、排出物の再資源化、排出物の発生量低減
製造段階での環境配慮(公害対策)
工場近隣に対する環境負荷の低減
製品における環境配慮(化学物質)
有害物質の不含有、化学物質リスクの低減
製品における環境配慮(省エネルギーなど)
高効率化、低エミッション性、高付加価値化
製品における環境配慮(省資源)
軽量・小型化などの単位資源あたりの機能性
販売・流通および製品廃棄の段階における環境配慮
環境情報の提供、梱包材、輸送負荷、処理分解性
各種の展示会へ参画し、日立金属グループの環境配慮に優れた技術や製品の紹介を行っています。日立金属グループの
製品が社会の環境負荷低減に貢献していることを理解していただけるよう努めています。
2009年
4月15∼17日
TECHNO-FRONTIER 2009 第22回EMC・ノイズ対策技術展(幕張)
4月15∼17日
TECHNO-FRONTIER 2009 第27回モータ技術展(幕張)
5月20∼22日
人とくるまのテクノロジー展2009(横浜)
6月24∼26日
PVJapan 2009(幕張)
7月29∼31日
第41回管工機材・設備総合展(東京)
8月21∼22日
みらい市2009(東京)
9月10∼12日
第14回管工機材・設備総合展(大阪)
10月6∼10日
CEATEC JAPAN 2009(幕張)
10月23日∼11月4日
第41回東京モーターショー 2009(幕張)
10月28∼30日
FPDインターナショナル2009(横浜)
12月10∼12日
エコプロダクツ2009(東京)
2月15∼17日
第11回空調・衛生・断熱総合機材展(東京)
3月3∼5日
FC EXPO 2010 第6回国際水素・燃料電池展(東京)
環境性報告
INTERMOLD 2009(東京)
社会性報告
2010年
4月8∼11日
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
展示会への参加
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
環境適合設計アセスメント
経済性報告・コーポレートデータ
40
環境性報告
特殊鋼カンパニーの新プラスチック金型用鋼「HPM-MAGIC®」が、
モノづくりを支える製品に贈られる第52回(2009年)十大新製品賞「モノづくり賞」
(日刊工業新聞社)を受賞しました。
家電やIT機器、自動車用の樹脂製品を量産する金型用材料として新たに開発した鋼材です。金型に必要な「強度」と
「割れにくさ」、
「削りやすさ」、
「仕上面の美しさ」などの特性をバランスよく付与しつつ、環境への負荷を抑えたの
(ハイピーエム・マジック)」です。
が「HPM-MAGIC ®
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
新プラスチック金型用鋼HPM-MAGIC®が十大新製品賞「モノづくり賞」を受賞!
鋼材中の微量成分の配合比を最適化し、熱処理の工
夫も加え、相反する特性である耐久性(「強度」と「ね
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
ばり強さ」)と削りやすさを向上させています。製造
工程においても、鏡面仕上性を確保するために、こ
れまでは二度必要だった溶解工程を一度に削減。さ
らに熱間加工∼熱処理の工程を簡略化しながらも、
各種特性のバラツキを小さくすることに成功し、環
境への負荷を大幅に抑えています。
社会性報告
CO 2 排出量削減に貢献するMetglas,Inc.
アモルファス金属材料を製造しているMetglas,Inc.の継続的な取り組みがアメリカ政府に評価されました。
2010年1月、アメリカ政府は、米国再生法で定められた先進エネルギー製造税控除(Recovery Act Advanced
Energy Manufacturing Tax Credits)の一環として、全米のクリーンエネルギー製造事業を対象に税控除を
行うことを発表しました。
Metglas, Inc.は、この税控除対象の一社として、アルストン、デュポン、GE、シーメンス、ダウ・ケミカルなどと共に選
スを低減させることで、発電時に発生するCO 2 排出量削減に貢献します。この税控除認定は、アモルファス金属材料を製
造するMetglas, Inc.を、クリーンエネルギーの製造に貢献する「先進エネルギー製造企業」として、アメリカ政府が認め
環境性報告
定されました。Metglas, Inc.が製造しているアモルファス金属材料を使った変圧器は、電力配電網内でのエネルギーロ
た証です。
なお、アモルファス金属材料は、日本・アメリカの2
拠点で製造しており、全世界へ供給できる体制と
経済性報告・コーポレートデータ
なっています。
最先端のクリーンエネルギー事業を支えるMetglas, Inc.の皆さん
41
環境性報告
特殊鋼カンパニー
低燃費でCO2排出量削減に貢献するCVT用に開発された、疲労強度に優れた金属製ベルト材です。
●約7%の燃費向上を実現するCVT*1
CVTベルトの構造図
繰り返し曲げ疲労強度
ギヤを使わず、無 段 階に自動 変 速が可 能な
CVT。結果、自動車の低燃費化を進め、CO2
疲労特性向上により、
リング
ベルトの枚数低減可能性あり
エレメント
負荷応力
の排出を抑制。
本開発材
従来材
●高信頼性で、CVTの普及に貢献
卓越した溶解技術と冷間圧延技術により、破
介在物による破断
国内製造のCVTベルト用リング材において圧
倒的シェア。
(2010年3月時点)
107
Fig. Schematic view of CVT belt
繰り返し回数
Fig. Schematic S-N curves of fatigue strength
微細化された非金属介在物(窒化物)
Fig. Refined nonmetallic inclusion(Nitride)
*1: CVT:Continuously Variable Transmission、無段変速機
5μm
5μm
通常材(同倍率)
●精錬技術により、1桁小さいTiNサイズを実現
●リングベルトの枚数低減により、
コスト削減
セラキャット®フィルター
社会性報告
本開発材
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
リングベルト
断の原因となる非金属介在物や表面欠陥を
無害化。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
CVTベルト用リング材
ロールカンパニー
中・大型ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質を低減するフィルターで、
世界的にますます厳しくなる排出ガス規制対応に貢献します。
環境性報告
●大気中への粒子状物質放出を低減
排出ガスが通る微小な気孔が、ディーゼルエンジンから
排出される粒子状物質を捕捉し、大気中への放出を低
減します。
●低燃費の実現で、CO2排出量の削減に貢献
経済性報告・コーポレートデータ
フィルター内の微小な気孔を高度に制御することによ
り、優れた捕集性能のみでなく、低燃費につながる低圧
力損失性能も実現しています。
42
環境性報告
日立ツール(株)
Al含有量の最適化により、特に工具母材との密着性に優れた耐熱コーティング材料です。
AlCr系コーティング皮膜へのSi添加により、高硬度(3000HV)で良好な対摩耗性を示します。
●プラスチック金型など、工具への溶着が起りやすい材料の切削に対して、抜群の切削寿命を示します。
(従来対比(当社比)で切削寿命2倍)
●HPM-MAGIC®をはじめとしたプリハードン鋼、炭 素 鋼、SUS系、
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
Epoch PaNacea series(エポックパナシアシリーズ)
SKD61系、SKD11などの切削加工において長寿命です。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
●耐熱性の向上により、ウェット切削およびドライ切削においても長寿
命化が可能です。
注)本工具のPNコーティングはその性能上、通電性が微小です。
従って、通電方式の工具長測定装置をご使用の際にはご注意ください。
高硬度材
加工領域
高硬度用
新 TH コートシリーズ
TH コートシリーズ
汎用的な性能
高性能
Epoch PaNacea series
今までの汎用品の領域をすべてカバーできます !!
社会性報告
軟鋼材
「ファインメット®」EMC*1・ノイズ対策部品
情報部品カンパニー
ITやエレクトロニクス機器の高機能化と小型・高性能化の進展に伴い、EMC規制は今後ますます厳しくなる方向にあり、
EMC・ノイズ対策部品にも、より高性能なものが求められています。日立金属ではナノ結晶軟磁性材料「ファインメット®」
の特長を活かした高性能EMC・ノイズ対策部品をシリーズ化しています。
環境性報告
●製品の高効率化・小型化に貢献
「ファインメット®」は高磁束密度特性と高透磁性、低損
失特性という特長を持ち、製品の高効率化・小型化を可
能にする環境配慮素材です。
●RoHS指令対応
鉛フリーを実現し、RoHS指令に対応しています。
経済性報告・コーポレートデータ
*1 EMC: Electro-Magnetic Compatibility、電磁環境両立性
43
環境性報告
軟磁性材料カンパニー
CO2排出量削減に寄与するアモルファス金属材料
DC B-H Loop の比較
●主な特長
変圧器における無負荷損が、方向性電磁鋼板に比べ約1/3*2。
優れた溶解・鋳造技術により、高信頼性アモルファス広幅薄帯の量産
を実現。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
アモルファス金属材料 Metglas®*1 SA1
●アモルファス金属材料とは何か?
Metglas®はアモルファス(非晶質)であり、規則性のないランダムな
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
原子配列を有する。
1)結晶磁気異方性がない⇒スムーズに磁化できる⇒優れた軟磁性
(磁化した時=磁区の動きが容易)
(右上のグラフを参照)
2)方向性電磁鋼板の約1/10という薄さ(約25μm)
3)方向性電磁鋼板の2倍以上の高電気抵抗率(130 μΩcm)
低無負荷損
社会性報告
*1:Metglas®はMetglas社の登録商標です。
*2:中部電力 技術開発ニュース No.129/2008-1による。
http://www.chuden.co.jp/resource/corporate/news_129_N12913.pdf
アモルファス金属材料
ネオジム(Nd)系焼結磁石 NEOMAX ®
NEOMAXカンパニー
日立金属が世界に先駆けて開発・量産した、高性能Nd系焼結磁石です。*1 *2
●モーターの小型化・高効率化に寄与
エアコンのコンプレッサーモーター、ハイブリッド自動
環境性報告
車の駆動用モーター、ハードディスクのヘッド駆動用
モーターなどに採用され、モーターの小型化・高効率
化に貢献。
●多方面で省エネルギーに貢献
コストパフォーマンスに優れた通常材、超高性能の
HILOP®、ラジアル異方性リング磁石、極異方性リン
経済性報告・コーポレートデータ
グ磁石など、幅広い製品ラインアップと用途に応じた
表面処理技術により、さまざまな分野に採用。
*1:開発当時は住友特殊金属(株)。2007年4月、日立金属
(株)
に事業統合
3
の世界記録を達成
*2:実験室レベルで最大エネルギー積474KJ/m(59.5MGOe)
(『レアメタルニュース』N0.2224、2005年)
44
環境性報告
自動車機器カンパニー
自動車用エンジンの燃費改善により、排出ガス温度は上昇しています。
ハーキュナイト®-Sは、最高1,050℃まで適応できます。
●高排出ガス温度対応の耐熱材料
ハーキュナイト®-Sは、自動車排気系部品材であるハーキュナイト®シリーズの中で、
高い耐熱性を持つ耐熱鋳鋼です。優れた耐酸化性、耐熱変形性および耐熱き裂性
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
自動車排気系部品用 耐熱鋳鋼 ハーキュナイト®-S
を有します。
●エンジンの小型軽量化に貢献
ハーキュナイト®製品
キゾーストマニホールドやターボチャージャー用ハウジングなどを提供しています。
●製品設計から評価まで対応
エンジンの設計要件に対して、材料・形状提案、試作、実体評価まで支援します。
排気系部品耐熱材料
HERCUNITE®-S
HERCUNITE®-A3N
HERCUNITE®-F5N
HERCUNITE®-MX
HiSiNo-DCI
cast iron)
(Ductile
600
700
製品モデル設計
ガソリン
排出ガス温度
≦1,050 ℃
社会性報告
価格指標
HERCUNITE®-5S HERCUNITE®-A3N HERCUNITE®-A3K
(Niresist D5S)
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
独自開発した減圧薄肉鋳造技術により、最大2.5mmの薄肉を可能にした軽量なエ
ディーゼル
排出ガス温度
≦850 ℃
価格指標はNi等レアメタルの
価格にリンクします。
800
900
メタル表面温度(℃)
1,000
1,100
実体熱疲労試験(排気シミュレータ)
*1:ハーキュナイト®:HERCUNITE®(Heat Resistant Cast Materials for Unit of Exhaust parts)
※ハーキュナイト®(HERCUNITE®)-Sは、HERCUNITE®-F5N、-A3N、-A3K、-A5Nから構成される耐熱鋳鋼シリーズの総称です。
ゆう
配管機器カンパニー
白継手(溶融亜鉛めっき鋳物継手)は、主に消火配管や空調配管、機械設備配管などで使われている継手で、防錆のため
表面に溶融亜鉛めっきを施しています。環境負荷低減の観点から、鉛・カドミウムの含有が少ない亜鉛地金を使用しためっ
環境性報告
優めっき®白継手
き技術を開発しました。
●鉛とカドミウムを大幅に削減
めっきに純度の高い亜鉛地金を使用することで、鉛とカドミウムの含
経済性報告・コーポレートデータ
有量を大幅に削減し、RoHS指令の規制値をクリアしています。
●新たな重金属添加は不要
鉛に替わる重金属類を添加するのではなく、独自の製造設備や前処
理方法の開発により、量産技術を確立しました。
●外観および性能は従来のめっきと同等
白継手に関するJIS規格(JIS B 2301)を満たすとともに、外観は
従来品と同様に光沢のあるめっきです。
環境対応型白継手 優めっき®白継手
継手本体めっき部分の成分
®
優めっき 白継手
鉛(Pb)
カドミウム
(Cd)
0.1%未満
0.01%未満
45
環境性報告
日立機材(株)
日立オイルシールドチェンは、ピンとブシュの間の空間に潤滑油を封入した密閉構造を採用するとともに、追加給油作業
が不要であるため、搬送設備・建設機械など、産業界のさまざまな分野で環境負荷低減に寄与しています。
●給油作業が不要
稼 働 開 始 後、給 油を行わずに、チェン寿 命 の目安である「装 置 稼 働
10,000時間でピッチ伸び2%以内」を実現しました。
●周辺環境の保護
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
日立オイルシールドチェン
潤滑油封入部
潤滑油を密閉する構造を採用したため、装置稼働時に潤滑油の飛散が
ブシュ
●生産性の向上
ピンリンクプレート
給油による装置停止もないため、装置を効率よく稼働させることがで
ブシュリンクプレート
ピン
特殊シール
き、生産性向上に寄与します。
ローラ
3
日立オイルシールドチェン
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
なく、装置周辺が潤滑油で汚れる心配がありません。
限界ピッチ伸び2%
2
社会性報告
ピッチ伸び(%)
定期給油型チェン
1
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
稼動時間
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
46
環境性報告
2009年度の日立金属グループの生産段階におけるマテリアルバランスを図示します。日立金属グループは、資源を
効率的に最大限活用することめざし、主原料やエネルギーのインプット量の削減、および排水や有害物質、廃棄物な
どの環境への排出・移動量の削減に取り組んでいます。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
[エコファクトリー]
日立金属グループ(海外を含む)
2009年度 マテリアルバランス
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
INPUT
主原料の投入
451千t
エネルギーの投入量
水資源の投入
494,747kℓ原油
12,034千m3
日立金属グループ
リユース
リサイクル
高級金属製品
電子・情報部品
高級機能部品
社会性報告
製品
環境性報告
再資源化量
排出物の移動
(廃棄物など)
188千t
最終処分量
水域への排出
総排水量:11,096千m3
CO2: 997千t
SOx: 84t
NOx: 278t
有害物質*4:156t
BOD*1: 26.2t
COD*2: 68.0t
SS*3:5.6t
VOC:455t
有害物質*4:3.1t
50千t
OUTPUT
*1
*2
*3
*4
47
BOD:生物化学的酸素要求量
COD:化学的酸素要求量
SS:浮遊物質。水中に懸濁している不溶解性物質のこと
有害物質:PRTR対象物質を対象としています
経済性報告・コーポレートデータ
242千t
大気への排出
環境性報告
上の重要課題として位置付け、中長期目標を掲げて省エネルギー施策の推進によるCO2排出量の削減に努めています。
地球温暖化防止ビジョン
環境中期行動計画での2012年度目標*1
日立金属グループでは、2012年度の中期目
標を右のように設定しています。
この目標を達成するため、モノづくりと連動し
(2009年度実績2.284、2012年度目標2.216以下)
②CO2排出量を10%削減(1990年度基準)
(1990年度実績1,000千t-CO2、2012年度目標790千t-CO2以下)
展開のポイント
2009年度の実績
●モノづくり強化(生産性向上、不良低減、製
品歩留りの向上など)
●燃焼炉の稼働効率向上
①売上高CO2原単位:2.284
(売上高エネルギー原単位:1.216(1990年度比-3%)
②CO2排出量 640千t-CO2(1990年度比-36%)
●エネルギー源の見直し
*1:目標の対象サイト:国内の第一種エネルギー管理指定工場(国内CO2排出量の約97%)
●製造現場における設備管理の強化
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
たCO2排出量削減活動を展開しています。
①売上高CO2原単位を年1%低減
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
地球温暖化防止
日立金属グループは素材メーカーであり、製造段階で多くのエネルギーを使用します。このため、地球温暖化防止を経営
また、再生可能エネルギー(太陽光発電)の導
入や物流の省エネルギーにも取り組み、地球
CO2排出量、売上高エネルギー原単位の推移
日立金属グループのCO2排出量は2009年度
実績で国内対象サイトで640千t-CO2、海外
グループ他で313千t-CO2*2でした。国内対
象サイトでは1990年度比36%削減していま
す。この排出量は2006年4月に改正された
CO2排出係数を用いて算出したものです。従
来の経済産業省産業構造審議会での予測値
(0.36t-CO2/MWh)を使用した場合の削減量
は、1990年度比37%削減となります。
また、売上高エネルギー原単位は、生産量の
りました。1990年度比では3%の低減です。
2009年度の主な省エネルギー施策は、燃焼
炉の稼働効率向上、断熱による損失防止など
です。
日立金属単独CO2排出量
売上高エネルギー原単位
(原油kℓ/M¥)
CO2排出量
(千t-CO2/年)
1.4
2,000
中長期目標
1,800
1.252
1.242
1.216 1.204
1.192 1.180
1.145
1,600
1,400
CO2排出量目標
(国内グループ)
1.044
1.064
1.0
1,200
374
0.8
361
1,000
412
179
175
800
171
170
402
124
400
0.6
357
115
600
*2:海外グループと国内第一種エネルギー管理指定工場以外のCO2排
出量の合計
1.2
120
128
104
0.4
821
749
759
761
713
536
595
630
662
0.2
200
0
90年度
48
05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度 11年度 12年度
0
経済性報告・コーポレートデータ
減少が原因で前年度より悪化し、1.216とな
国内グループ会社CO2排出量
海外グループ会社他CO2排出量
環境性報告
地球温暖化対策法に基づき、電力会社ごとの
売上高エネルギー原単位
(国内)
社会性報告
温暖化防止を積極的に推進しています。
環境性報告
日立金属グループでは、輸送における環境負荷も重
輸送によるCO2排出量と輸送負荷原単位の推移(国内)
要な環境項目と位置付け、モーダルシフトや積載率
輸送負荷原単位
の向上など、輸送の環境負荷低減にも取り組んでい
CO2排出量
ます(日立金属(株)は特定荷主として法的な適用
0.2
50,000
を受けています)
。
2009年度の、日立金属グループの輸送に伴うCO2
排出量(国内)は、19,811t-CO2と昨年度より30%
40,000
の削減、モーダルシフト(トラックを鉄道便に変更)、
輸送距離の短縮などでした。
今後とも、輸送負荷のデータ把握を、さらに高い精
30,000
0.1
20,000
度で実施するとともに、削減計画を立案し、輸送の
輸送負荷原単位
(kg-CO2/トンキロ)
輸送の主な削減施策は、積載率の向上と出荷便数
輸送によるCO2排出量(t-CO2)
め、輸送負荷原単位は2.6%の増加となりました。
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
0.15
削減しました。一方、輸送負荷量は生産量減により
134,645千トンキロと昨年度より31%減少したた
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
輸送の環境負荷低減
0.05
10,000
環境負荷低減を、よりいっそう進めていきます。
06年度
07年度
08年度
09年度
0
社会性報告
0
環境性報告
経済性報告・コーポレートデータ
49
環境性報告
廃棄物削減のビジョン
日立金属グループでは、廃棄物の不適正処理・不法投棄の防止、第2次循環型社会形成推進基本計画で掲げられている
排出物の「資源生産性の向上」
「循環利用率の向上」
「最終処分量の削減」への貢献に加えて自社内での再利用、有価物
化による循環型社会形成に向けた取り組みを行ってきました。
具体的には、
『ゼロエミッション*1を2010年度に達成する』ことを目標に掲げて取り組んできましたが、景気の低迷や公
共事業削減など、主要な排出物の再資源化用途である、路盤材などの需要が減少したことによって、2008年度より最終
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
廃棄物の削減
処分量が増加する結果となりました。今後は、これまでの方針に基づき活動を推進するとともに、再資源化の用途開拓や
排出物の削減・再資源化の活動を強化して進めます。さらに、使用済み製品の回収など、資源循環の在り方などの検討も
進め、資源循環率の向上策などを次期施策に織り込めるよう活動を継続していきます。
*1:ゼロエミッション:最終処分量を総排出量の1%以下。
廃棄物の実績
日立金属グループ(国内)の2009年度における廃棄物の総排出量は約178千トンで、再資源化量は約154千トン、最
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
製造プロセスの見直しなどプロセスイノベーションの検討を含めた、多面的な取り組みを推進するプロジェクトを設置して
終処分量は約24千トンであり、再資源化率は86.3%となりました。
また、17の事業所がゼロエミッションを達成しました。
排出量は前年比62千トン削減しましたが、最終処分量は16千トン増加しました。
最終処分量が増加したものは、主要な排出物の内の鉱さいなどであり、路盤材・コンクリート骨材などの需要の低下によ
なお、コバルト、クロム、タングステンなどを含むばいじん類は、再度、社内で特殊鋼原料として再利用しています。また、
ニッケルなどを含むばいじん類は、社外で特殊鋼原料として再利用しています。
排出物・再資源化率推移
総排出量・最終処分量の内訳(日立金属グループ)
再資源化率
%
最終処分量
海外グループ会社
国内グループ会社
t/年
400,000
94.2
97.3
96.6
日立金属単独
100
環境性報告
国内グループ会社
廃プラスチック
廃油
金属屑
その他
鉱さい
ばいじん
汚泥
ガラス・陶磁器
86.3
3.2%
再資源化量
海外グループ会社
300,000
75
32.1%
日立金属単独
総排出量
178千t
46.4%
総排出量
海外グループ会社
200,000
50
6.9%
日立金属単独
2.3%
再資源化率
日立金属グループ
(国内)
100,000
25
1.0% 0.6%
6.1%
1.4%
0.1% 0.4
%
24.8%
0
2006
2007
2008
2009
年度
年度
年度
年度
※総排出量:製造工程から排出される製造品以外の排出量全体
最終処分量:直接または処理後、埋立処分される量
再資源化量:リユース、リサイクルされる量
再資源化率:再資源化量/(再資源化量+最終処分量)×100
50
最終処分量
24千t
0
14.4%
4.8%
1.5%
54.0%
経済性報告・コーポレートデータ
国内グループ会社
社会性報告
るものです。今後は、こうした再資源化用途に替わる施策を検討し、安定的な資源化への取り組みが必要と考えています。
環境性報告
日立金属は1979年度から全社プロジェクトとして、鋳物砂の再生、鋳物ダスト・廃砂の道路用材への再利用を開始する
など、早くから廃棄物の削減・再資源化に取り組んできました。現在は、環境委員会のもとに設置された「3R部会」を中
心に、ゼロエミッションをめざした活動へと拡大しています。2009年度以降も、ゼロエミッション達成のために、最終処
分量の多い「鉱さい」
「ばいじん」
「汚泥」の再資源化へ注力するとともに再資源化用途の拡大、製造プロセスイノベーショ
ンによる排出量の削減にも取り組みます。
Topics
島根県では、県内の建設業者などが開発した新技術・
新工法の全国市場への展開を支援するために、
「しま
ね・ハツ・建設ブランド」登録制度を設けています。現
在15製品が登録されており、安来工場の製鋼工程か
ら副産物として発生するスラグが、
「電気炉酸化スラ
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
安来工場のスラグを利用した骨材が「しまね・ハツ・建設ブランド」に登録
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
ゼロエミッションをめざした取り組み
グ骨材」として登録されています。この骨材は、比重
が大きく吸水率も低いうえ、骨材膨張が少ないので、
海洋工事に適しています。これまでに約4万トンの
波ブロック、漁礁、藻礁 など)
電気炉酸化スラグ骨材を利用した海洋ブロック
社会性報告
海洋使用実績があります。
(用途:コンクリート製・消
島根県のホームページ:http://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/shimane_hatsu/
環境性報告
海草藻類の育成調査
コンブ類の植生調査
経済性報告・コーポレートデータ
51
環境性報告
PRTR
国内グループにおいては、PRTR対象物質の取扱量のうち99.0%が、製品の主原料であるクロム、ニッケル、コバルト、
マンガン、モリブデン、ほう素の6物質から成り、移動量の82.9%もこれら6物質で占められています。それに対し、排出
量の71.7%を占める大気への放出のうち、97.3%がVOC(揮発性有機化合物)であるトルエン、キシレン、エチルベン
ゼンの3物質で占められています。
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
環境負荷物質の低減
2009年度 PRTR対象物質の取扱状況(国内グループ)
排出
取扱量の内訳
コバルトおよびその化合物
2.4%
移動
0.6%
0.7%
ほう素およびその化合物
2.0%
その他
1.0%
モリブデンおよび
その化合物
4.6%
マンガンおよび
その化合物
5.0%
消費
クロムおよび
3価クロム
化合物
33.8%
ニッケル、
ニッケル化合物
51.2%
社会性報告
取扱量:32,981t
消費量:32,512t
排出量:216t
移動量:253t
取扱量
32,981t
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
消費量と排出・移動量
98.6%
排出・移動量の内訳
大気
廃棄物
71.7%
100%
その他
17.1%
エチルベンゼン
6.1%
47.3%
ほう素およびその化合物
0.8%
その他
コバルトおよびその化合物
1.1%
モリブデンおよびその化合物
4.7%
ニッケル、
ニッケル化合物
20.0%
排出量
216t
移動量
253t
トルエン
43.9%
2.7%
公共水域
1.2%
土壌
クロムおよび
3価クロム化合物
0.0%
44.9%
場内埋立処分
27.1%
下水道
0.0%
52
経済性報告・コーポレートデータ
11.4%
マンガン
および
その化合物
環境性報告
キシレン
環境性報告
(単位:kg/年)
排出量
政令
番号
化学物質名
30 4,4'-イソプロピリデンジフェノールと
1-クロロ-2,3-エポキシプロパンの
重縮合物(液状のものに限る)
40 エチルベンゼン
CAS番号
25068-38-6
取扱量
43,627
移動量
当該事業所に 当該事業所
大気への 公共用水域
おける土壌 における
排出
への排出
への排出 埋立処分
0
0
0
排出量
合計
0
下水道
への移動
当該事業所
の外への
移動
0
893
0
移動量
合計
893
23,892
9,493
0
0
0
9,493
0
2,035
2,035
—
115,653
73,100
0
0
0
73,100
0
19,670
19,670
64 銀およびその水溶性化合物
—
40,633
5
0
0
0
5
0
2
2
68 クロムおよび3価クロム化合物
—
11,161,215
5
654
0
11,266
11,925
0
113,826
113,826
100 コバルトおよびその化合物
—
782,630
2
1
0
0
2
0
2,887
2,887
108 無機シアン化合物
—
2,771
0
0
0
0
0
0
0
0
224 1,3,5-トリメチルベンゼン
108-67-8
2,801
2,270
0
0
0
2,270
0
531
531
227 トルエン
108-88-3
105,147
67,894
0
0
0
67,894
0
15,159
15,159
—
11,808
45
0
0
0
45
0
234
234
(錯塩およびシアン酸塩を除く)
230 鉛およびその化合物
231 ニッケル
16,804,020
68
0
0
0
68
5
20,905
20,910
232 ニッケル化合物
—
73,020
25
366
0
37,086
37,477
5
7,993
7,998
243 バリウムおよびその水溶性化合物
—
4,275
0
0
0
0
0
0
4,275
4,275
7440-02-0
108-95-2
2,511
104
0
0
0
104
0
0
0
299 ベンゼン
71-43-2
11,889
52
0
0
0
52
0
0
0
—
647,026
0
1,166
0
8,848
10,003
0
2,044
2,044
2,414
1,573
0
0
0
1,573
0
610
610
304 ほう素およびその化合物
310 ホルムアルデヒド
50-00-0
311 マンガンおよびその化合物
—
1,634,535
43
491
0
1,145
1,679
1
50,602
50,603
346 モリブデンおよびその化合物
—
1,511,078
1
0
0
44
45
0
11,821
11,821
32,980,944
154,677
2,678
0
58,390
215,733
11
253,488
253,498
社会性報告
266 フェノール
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
100-41-4
63 キシレン
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
PRTRデータ(国内)
*取扱量が1t/年以上の物質(群)を掲載しています。
VOC(揮発性有機化合物)排出量の削減
VOC排出量
(海外)
日立金属グループでは2010年度において、
VOC排出量
(国内)
00年度対比削減率
2000年度対比30%削減を目標とし、VOC排
出量の削減対策に取り組んでいます。日立金属
グループのVOC排出の大半を占める、製品塗
装用の溶剤成分への対策に注力し、塗料代替に
00年度対比削減率(%)
VOC排出量(t)
1,200
60
48.8
1,000
40
の排出量は、2000年度対比48.8%削減され
ています。
30.9
22.8
800
30
600
20
0
400
200
0
00年度
実績
04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度
実績
実績
実績
実績
実績
実績
10年度
計画
*2008年度に集計範囲の見直しを実施しました。
53
経済性報告・コーポレートデータ
向けた技術検討および設備対応に取り組んで
きました。2009年度におけるVOCの大気へ
環境性報告
VOC(揮発性有機化合物)排出量の削減
環境性報告
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
サイトデータ
2009年度 日立金属グループ主要製造拠点におけるマテリアルフロー
INPUT
区分
主原料
補助材料
[t/年]
[t/年]
OUTPUT
エネルギー使用量
[原油kℓ/年]
用水
3
[千m /年]
排出物
CO2
[t/年]
[t/年]
SOx
※2
※2
NOx
[t/年]
COD
[t/年]
※2
BOD
[t/年]
※2
[t/年]
排水
[千m3/年]
九州工場
※1
6,358
10,234
14,931
120
14,769
22,113
0.0
0.2
0.3
−
76
真岡工場
※1
30,863
9,677
24,823
553
16,839
36,083
−
3.5
−
0.2
410
14,538
2,630
16,061
687
11,997
35,705
1.8
6.6
−
−
683
安来工場
132,195
31,251
139,811
6,045
44,031
312,223
65.6
187.4
14.6
−
5849
17,391
695
20,745
269
20,952
34,282
0.7
7.2
−
5.6
641
235
885
6,631
82
367
13,321
−
−
−
0.1
75
10,201
2,477
22,084
511
6,623
32,338
2.3
−
−
−
−
1,725
2,438
4,737
30
119
5,731
0.2
1.9
−
−
1
54
829
5,395
126
742
6,972
−
1.9
−
0.5
73
−
−
20
27
熊谷工場
※1
鳥取工場
熊谷製作所
和歌山製作所
山崎製造センター
セラミックス事業推進部
321
85
3,149
11
310
5,905
0.0
5.0
日立ツール(株)成田工場
227
676
3,923
21
1,407
5,203
−
−
日立ツール(株)野洲工場
日立機材(株)
(株)
日立メタルプレシジョン
(株)
セイタン
日立バルブ
(株)
(株)
日立金属若松
6
108
145
4,063
27
398
4,863
−
−
−
0.7
14,311
43
1,357
1
106
1,787
−
−
−
−
−
0
4,049
9,696
18
1,726
20,604
0.3
0.7
10.6
−
12
2,045
3,950
6,292
8
3,329
13,254
−
−
0.0
−
4
15,779
102
4,429
1,151
3,832
7,123
3.0
2.7
−
1.3
1151
(株)安来製作所
3,570
83
717
4
446
1,238
−
−
−
−
4
28,909
4,183
23,088
128
41,364
36,729
−
6.2
−
0.0
81
3,737
1319
7,589
172
3,617
9,385
−
0.3
−
0.0
172
(株)NEOMAX近畿
2,690
1,283
14,819
229
1,848
17,805
0.0
1.7
−
0.4
229
210
1,295
1,761
86
287
2,506
−
−
−
1.0
86
4,866
384
8,149
40
1,212
12,461
−
5.8
−
−
37
東洋精箔・
(株)秋田工場
2,105
574
2,939
48
209
6,147
2.7
16.1
−
1.0
39
東洋精箔・
(株)新潟工場
258
159
385
37
65
511
−
−
−
0.0
34
0
1,415
5,195
14
811
6,922
−
−
−
−
5
(株)NEOMAX九州
日立金属工具鋼(株)
社会性報告
(株)NEOMAXマテリアル
(株)NEOMAX鹿児島
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
桑名工場
※1:敷地内のグループ会社のデータを含む。
※2:大気汚染防止法、水質汚濁防止法の対象施設の実測値により算出しています。
2009年度 日立金属グループ主要製造拠点における大気・水質データ
大気
3
区分
設備名
SOx
[Nm /h]
水質
ばいじん
[g/Nm3]
NOx
[ppm]
実績
規制値
実績
規制値
pH
実績
規制値
SS
[mg/ℓ]
実績
規制値
COD
[mg/ℓ]
実績
規制値
BOD
[mg/ℓ]
実績
規制値
実績
九州工場
焼成炉
−
−
180
22
0.1
0.001
5.8∼8.6
7.7
50
2
15
3.8
−
−
真岡工場
溶解炉
−
−
180
63
0.2
0.0008
5.8∼8.6
6.5
50
3.1
−
−
25
0.7
桑名工場
※4
2.27
0.05
180
67
0.25
0.005
5.8∼8.6
7.7
25
2
25
3
−
−
加熱炉
4.9
0.049
180
65
0.2
0.0025
5.8∼8.6
8.3
150
2.7
20
5.6
−
−
熊谷工場
溶解炉
2.5
0.017
180
29
0.2
0.07
5.8∼8.6
7.5
60
4.5
−
−
25
9.3
鳥取工場
−
−
−
−
−
−
−
5.8∼8.6
7.2
200
2
−
−
160
3.7
焼成炉
3.73
0.19
−
−
0.4
0.035
−
−
−
−
−
−
−
小型ボイラー
0.44
0.015
−
−
−
−
6.0∼8.5
7.6
−
−
−
−
−
−
5.7∼8.7
7.2
300
0.1
−
−
300
3.5
−
−
−
−
−
−
−
熊谷製作所
和歌山製作所
※4
山崎製作所
セラミックス事業推進部
日立ツール(株)成田工場
※4
−
ボイラー
−
−
150
42
0.3
0.0027
焼成炉
−
−
180
20.4
0.15
0.01
−
−
−
−
−
−
−
5.8∼8.6
6.4
70
8.5
−
−
25
3.1
7.5
600
16.7
−
−
600
33.7
−
−
−
−
−
−
−
7.1
30
13
20
14.5
−
−
0.5
160
3.2
−
−
−
−
25
0.2
−
日立ツール(株)野洲工場
−
−
−
−
−
−
−
5.0∼9.0
日立機材(株)
−
−
−
−
−
−
−
−
(株)安来製作所
ボイラー
0.63
0.013
180
65.5
0.3
0.02
5.8∼8.6
(株)
日立メタルプレシジョン
溶解炉
−
−
−
−
0.2
0.0035
5.8∼8.6
6.1
150
(株)
セイタン
加熱炉
−
−
180
59
0.20
0.01
5.8∼8.6
6.4
90
日立バルブ
(株)※4
(株)
日立金属若松
(株)NEOMAXマテリアル
(株)NEOMAX近畿
※5
−
−
−
−
−
−
−
5.8∼8.6
7.6
100
3
100
4
−
−
熱処理炉
−
−
200
25
0.25
0.002
5.0∼9.0
7
600
24
−
−
600
25
0.1
0.0023
5.7∼8.7
7.3
300
−
−
300
4.5
0.25
0.034
5.8∼8.6
7.4
60
1
−
−
25
3.1
−
5.0∼9.0
7.2
300
23
−
−
600
23
6.4∼7.7
7.1
25
2
−
−
20
3.6
1
−
−
60
1.2
真空溶解炉
焼結炉
(株)NEOMAX鹿児島
ND
−
ND
※5
−
180
−
ND
※5
ND
※5
−
−
−
−
−
焼成炉
9.68
0.054
220
100
0.15
東洋精箔・
(株)秋田工場
自家発電機
1.88
0.01
950
660
0.1
0.041
5.8∼8.6
7.7
120
東洋精箔・
(株)新潟工場
−
−
−
−
−
−
−
5.8∼8.6
7.5
90
1
−
−
60
1
日立金属工具鋼(株)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
(株)NEOMAX九州
※4
−
−
2.27
ND
※5
54
経済性報告・コーポレートデータ
焼鈍炉
安来工場
環境性報告
規制値
※3
※3:代表的な特定施設における規制値および実績値を記
載しています。
※4:排水の規制値がないため、自主基準値を記載してい
ます。
※5:ND:no detected(定量下限未満)
第三者意見
CSRを推進するうえで最も重要なのは、企業理念と経営
堀内 行蔵(ほりうち・こうぞう)
域社会、海外の文化や歴史、リスクマネジメントなどさまざ
まな要因が関係しており、それぞれの担当部署において、社
ジョナリー・カンパニー』において、企業は「基本理念を維持
員がステークホルダーに対しいろいろと工夫・対応している
し、進 歩 を 促 す」こ と が 重 要 で あ る と 書 か れ て い ま す。本
姿が示されています。
CSR報告書には、新社長藤井博行氏のメッセージとして、
環境目標と実績については、プラスとマイナスの環境側面
業とは、経済性と環境改善が両立しwin-winとなる事業で、
られ、中期経営計画という進歩を促す戦略が策定されていま
環境適合製品の開発と販売がそれに相当します。2009年
す。中期経営計画では、環境適合製品を軸に、2012年度の
度に環境適合製品の売上高比率は73%へ上昇しています。
新製品の売上高比率を30%に引き上げることが目標です。
マイナスの環境側面とは環境に悪影響を与える要因であり、
重要なのは、外部環境が変わっても、不変の理念をもとに
CO2排出、土壌・水質の汚染、廃棄物などが挙げられます。
進歩を促す仕組みがあるということです。日立金属グルー
1990年と比較すると、このようなハザードリスクは減少し
プは、イノベーションをもとに技術を枝分かれさせ、多様な
ていますが、今後も削減に向けて一層の努力が求められてい
製品を開発し、事業の多角化による企業成長を実現してき
ます。これらの対策は省資源・省エネルギーに結び付き、結
たといえます。この姿勢は、過去2年間の景気後退を反映し
果として森林や水域への負担を減らし生物多様性の保全に
て企業業績は減収・減益となっているものの、研究開発費は
役立つでしょう。なお、独占禁止法違反で問題となったコン
収益の減少ほどは削減されていないことに表れています。
プライアンスへの取り組みは着実に実施されています。
CSR報告には工夫された点が見られます。ステークホル
環境目標は大部分が達成されていますが、労働安全の問
ダーへの情報発信として、2009年度から一般向けにはエッ
題(社員の死亡災害)は検討を要します。海外事業所での法
センスをまとめたダイジェスト版を発行し、専門的な情報を
令遵守に一層留意する必要があるでしょう。これらの点は
求めるステークホルダーにはWebサイトに詳細情報を掲載
本報告書に記載されていますが、今後は、海外事業所を含め
しています。また、2010年度は中堅・若手社員の座談会を
た日立金属グループ全体でのCSRの展開が課題となると考
開催し、CSRについて現場の意見をまとめています。CSR
えられます。
には、コンプライアンス、人材育成、顧客・サプライヤー・地
代表執行役
日立金属株式会社 執行役専務 花村 公生
ご指摘いただきました労働安全の問題については、大変遺
我々は「『最良の会社』を具現して社会に貢献する」という経
憾に存じます。現在、安全は全てに優先するという理念のも
営理念をベースとし、外部環境の変化にも対応した経営を行っ
と、二度と同様の事故を発生させることのないように全グ
てきました。お客様のニーズに応え環境適合製品の開発に経営
ループを挙げて対策を行っております。また、グローバル化
資源を集中させるとともに、その製造工程においては、プロセ
が進む中、行動指針に「国際ルールと各国の法律を遵守する」
スイノベーションにより環境にやさしいモノづくりを進める
と謳っております通り、グローバルな視点での法令遵守につ
という対応もその一つです。今後もこの経営理念とそれをベー
いても、積極的に取り組んできました。さらに徹底し、高い倫
スにした行動指針を道しるべに、日立金属グループのCSR
理観をもった企業活動を行ってまいります。
活動をすすめて社会の期待に応えてまいりたいと思います。
55
経済性報告・コーポレートデータ
当社の回答
2010年7月15日
環境性報告
を分けて考えることが必要です。プラスの環境側面をもつ事
が示されています。そして、この理念のもと行動指針が定め
社会性報告
「『最良の会社』を具現して社会に貢献する」という経営理念
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
者のコミットメントです。J.コリンズとJ.ポラスの共著『ビ
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
法政大学 人間環境学部・同大学院
環境マネジメント研究科 教授 経済性報告・コーポレートデータ
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス
2010年3月期 財務ハイライト(連結)
日 立 金 属 グ ル ー プ のCSR
コーポレートデータ
日立金属グループ主要製造拠点(2010年3月末現在)
高級金属製品
高級機能部品
九州工場
〒692-8601
島根県安来市安来町2107番地2
〒800-0393
福岡県京都郡苅田町長浜町35番地
真岡工場
(株)日立金属若松
〒808-8558
福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号
社会性報告
安来工場
〒321-4367
栃木県真岡市鬼怒ヶ丘13番地
熊谷工場
電子・情報部品
〒360-8577
埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地
鳥取工場
桑名工場
〒511-8511
三重県桑名市大福2番地
熊谷製作所
環境性報告
〒689-1121
鳥取県鳥取市南栄町70番地2
〒360-8577
埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地
〒618-0013 大阪府三島郡島本町江川二丁目15番17号
会社概要
設 立
1956年(昭和31年)4月10日
資 本 金
26,284百万円(2010年3月末現在)
代 表 者
代表執行役 執行役社長 藤井 博行
従業員数
日立金属グループ連結 : 17,806名
(2010年3月末現在)
56
事業内容
高級金属製品、電子・情報部品、
高級機能部品の製造と販売、サービス他
グループ会社
65の子会社、10の関連会社
本 社
〒105-8614
東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
フリーコール :0800-500-5055
FAX :
(03)5765-8311
経済性報告・コーポレートデータ
山崎製造センター
日立金属のCSRへの取り組みに関するご意見・ご感想に対するお問い合わせ先
CSR 推進室
〒105-8614 東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
TEL:
(03)5765-4591 FAX:
(03)5765-4597
http://www.hitachi-metals.co.jp/
チーム・マイナス6%は
チャレンジ25になりました。
カタログ番号 HM-45-2010
2010年7月作成(H)