熱の基礎 電気加熱

2011/5/17
エレクトロニクスのための数理Ⅰ
5月18日
熱の基礎
電気加熱
• 調理家電や空調家電では電気から熱エネル
ギーを発生させている。
ギーを発生させている
抵抗加熱
高周波誘電加熱
電磁誘導加熱
赤外線加熱
遠赤外線加熱
ヒートポンプ加熱
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熱や温度の正体は?
• 気体や液体の温度は
気体や液体の温度は、それらを構成する分
それらを構成する分
子や原子の運動(熱運動)によって発生して
いる。
• 温度が低い物体: 原子や分子運動が活発
な 。
でない。
• 高温の物体: 原子や分子運動が活発。
熱の流れ
• 熱エネルギーは、自然には高温物体から低温物体
に流れ込む。
に流れ込む
• 熱エネルギーの移動=原子や分子運動の伝搬
• 2つの物体の温度が等しくなって熱が移動しなくなる
状態を 熱平衡 とよぶ。
伝導
対流
放射
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熱の流れのイメージ
T1[K]
熱
高温物体
T2[K]
低温物体
温度について
• 温度の単位として K(ケルビン)と℃がある。
• 変化する1単位は(1℃と1K)は同じ量
• 両者の違いは基準とする温度
セルシウス度 (セ氏度)
-273℃
0K
0℃
絶対温度
絶対零度:すべての原子や分子運動が
停止する
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ジュールの法則
電圧 V(V)
抵抗器 R(Ω)
電流
( )
Ⅰ(A)
熱(ジュール熱)
W = IVt = I 2 Rt (J )
電力(W)
単位: [W]=[J]/[s]
1kWのヒータが1時間の発熱量
Q = 1000[W ]× 60[分]× 60[s] = 3600[kJ ]
熱量の計算の場合
時間は必ず 秒(s)
水1ml(g)の温度1℃上昇するのに必要な熱量(比熱)
4 186(4 2) J
4.186(4.2)
熱の仕事当量
4.2 J/cal
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比熱と熱容量
• 物質1gの温度を1K(あるいは1℃)上昇するた
めに必要な熱量を比熱と呼ぶ。
めに必要な熱量を比熱と呼ぶ
• 比熱の単位: J/g・K あるいは cal/g・K
• 比熱c[J/g.K]の物質m[g]に熱量Q[J]を与えたとき
の温度変化ΔT[K]のとき Q=c×m×ΔT
• 水の比熱 1 [J/g.K]
• ある物体全体を1K上昇するために必要な熱量
を熱容量と呼ぶ。 熱容量の単位 J/K
• Q=C(熱容量)×ΔT
注意:一般的には温度単位Kと℃
は同じもの
熱量保存則の概念
熱量の和は変化しない
高温物体
低温物体
熱量 Q[J]
温度が下がる
温度が上がる
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熱効率
• 電気による発熱が、器具の目的とする温度上
昇のためにどれくらい効率よく使われたか?
熱効率=
実際に役に立った熱量 出力
[%]
=
電熱による発熱量
入力
熱効率に関する例題
• 1kWの電気ポットを使用して、20℃の水1.5L
を加熱して沸騰したお湯(100℃)にしたい。1
mLの水1℃上昇させるのに必要な熱量を
4.18Jとしたとき、これに要する時間を求めよ。
ただし、電気ポットの熱効率を83.6 %とする。
必要な熱量
要する時間
Q = (100 − 20) × 1500 × 4.18 = 501600[J ]
t=
501600
= 600[s]
1000 × 0.836
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