宇宙の科学(第7章) 前回の問題の答え 宇宙の科学 地球が受けとる太陽エネルギーの標準値は、 1cm2当たり、1分間に約2calです。では、1m2 当たりでは、 1分間に何calのエネルギーを受 け取ることになるでしょう? 科学技術理解Ⅲ(宇宙の科学) 第7章 天体の観測 20 cal 1m2=100cm×100cm=10000cm2 200 cal 2cal×10000=20000cal 2000 cal 20000 cal 200000 cal 2 1 天文学における観測 電磁波 天文学では、研究対象を手にとって観察し たり、実験したりすることはできない(隕石 などをのぞいて)。 天体の様子は、主に、天体が放射する電 磁波(光、電波など)の観測によって知るこ とができる。 電磁波: 電場と磁場の変化が空間を波と して伝わる現象。(人間の目で見える光も 電磁波。) 真空中での速さ(光速)は約30万km/秒。 3 波の波長と振動数 4 電磁波の種類 波長: 波の山から隣の山までの距離。 振動数(周波数): 1秒間に繰り返される 振動の回数。単位はHz(ヘルツ)(=1/秒) 波長×振動数=波の速度 電磁波には、波長の短いものから順に、 ガンマ線、X線、紫外線、可視光線(光)、 赤外線、電波、 といった名前が付けられている。 5 その他、より細かい分類名もある。 6 1 宇宙の科学(第7章) 大気の窓 望遠鏡 地上に届く電磁波は、可視光線、赤外・紫 外線のごく一部、そして波長1mm~30m の電波だけ。 その他は、電離層で反射されたり、大気中の 原子・分子に吸収されたりする。 天体望遠鏡: 天体からの光を集める装置。 屈折式(レンズ)と反射式(反射鏡)がある。 望遠鏡の性能 集光力: レンズ(反射鏡)の口径の2乗に比 例。 分解能: 見分けられる最小の角度。電磁波 の波長に比例し、口径に反比例する。 口径が大きいほど、望遠鏡の性能はよい。 7 天体観測の補助装置 8 電波望遠鏡 乾板・フィルム式写真機: 光化学反応を 利用。長時間露出、保存ができる。現在は、 研究目的では、あまり使われていない。 CCDカメラ: 半導体の光電効果を利用。 写真より高感度。デジタル信号として記録。 分光器: プリズムなどを利用して光を波 長ごとに分ける装置。 アンテナで電波を集める。 アンテナの口径が大きいほど高性能。 9 電波干渉計 10 大気圏外観測 電波干渉計: 複数の電波望遠鏡を組み 合わせて、より大口径のアンテナに相当す る分解能を得る方式の電波望遠鏡。 11 大気圏外なら、全波長域の電磁波の観測 ができる。 そのため、天体観測用の人工衛星が数多 く打ち上げられている。 また、大気圏外では空気のゆらぎがないこ とも大きな利点。 12 2 宇宙の科学(第7章) 補足: 分解能 (角度の)1度=60分、1分=60秒 スペクトル 月の直径は30分。1キロ先の1円玉の直径は 4秒。 スペクトル: 光(電磁波)をプリズムなど を使って、波長ごとに分けたもの 地上では、大気のゆらぎのため、分解能は よくても1秒。 ハッブル望遠鏡の分解能は0.1秒以下。 13 連続スペクトル 14 線スペクトル 連続スペクトル: 波長に関して連続的な スペクトル。光を出す物体の温度によって 決まる。黒体放射(輻射)スペクトルとも言 う。 線スペクトル=スペクトルにおいて特定の 波長に現れる明るい線(輝線)または暗い 線(暗線、吸収線)。物質(元素)の種類と 状態によって決まる。 15 原子の構造と線スペクトル スペクトルからわかること 原子=原子核+電子 16 原子核=陽子+中性子 電子は、原子核の周りを回っている。 光を出している天体の状態がわかる。 許される電子の軌道はとびとび。それは、 原子の種類によって決まっている。 電子が別の軌道に移るとき、特定の波長 の光を吸収したり放出したりする。 ⇒ これが線スペクトル。 17 連続スペクトル ⇒ 天体の表面温度 線スペクトル ⇒ 元素の種類と量、観測者に 対する天体の速度 18 3 宇宙の科学(第7章) 実施要領 中間試験について 来週6月10日(金)の授業中に行う。 時間は20分程度 範囲は、第1章~第7章 ノートと資料(印刷したもの)を参照可能。 20 19 問題例1(選択問題) 問題例2(単位換算問題) 1. 月が地球のまわりを公転する周期はおよ そ何日か。 1. 1 km = 1000 m 2. 1 kg = 1000 g 3. 1 m2 = 10000 cm2 4. 1 cm3 = 1 cc 5. 1日 = 86400 秒 ア 7日 イ 27日 ウ 53日 エ 365日 2. 次の中で太陽からの距離が最も長い惑 星はどれか。 ア 火星 イ 水星 ウ 木星 エ 金星 (60×60×24=86400) 21 問題例3(計算問題) 太陽と火星の間の距離を2億3000万km、 光の速さを30万km/秒として、光が太陽か ら火星まで届くのにかかる時間を計算せよ。 (23000万 km)÷(30万 km/秒) ≒ 767 秒 23 4
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