学報137号 - 日本聖書神学校

2011 年 9 月 15 日
137 号 日本聖書神学校学報
2011 年 9 月 15 日
第 137 号
発行人 今 橋 朗
印刷所 山猫印刷所
〒 161-0033•東京都新宿区下落合 3-14-16・☎ 03-3951-1101 ~ 2・Email:•[email protected]
【巻頭言】
今号の内容
巻頭言
1
卒業生と震災
2
入試案内
3
図書館だより
3
神学基礎講座懇談会・後
期講座案内
4
卒業生研修会報告
4
夏期伝道実習報告
5
実習教会牧師と神学校と
の懇談会報告
6
決算報告
6
オープンキャンパスの案内
6
JBTS の牧師たち
7
学事報告・個人消息
8
ナルド
nerd
オミナエシ科ナルドスタキス
かんしょうこう
属;日本名 甘松香。高さ 15
~ 30cm の多年草。草全体に
精油を含むが、特に根の部分
に強い香り成分があるため、
通常はこの根茎を絞って油に
溶かして香油を作る。原産地
はヒマラヤ山脈の高地。聖書
の記述にあるということは、
既にインドやネパール地方と
の交易があったことを示して
いる。また、それらの地方か
らの輸入品であったため、香
油は大変高価だった。なお、
雅歌に記されているナルドは
北アフリカ地方の植物で、こ
れとは別のものとする説があ
る。
「教会のありようが
まるごと問われている」
教•授 笠 原 義 久
あの 3 月 11 日の出来事が私たちにもたら
した衝撃の大きさ・深さは、私たちのちっぽ
けなロゴス化の試みを今もって拒絶している
ようにすら思われます。7 月の初旬、岩手の
三陸にある被災された教会を訪れました。釜
石から宮古に向かう折、車窓からでしたが、
津波による大きな被害を受けた大槌町、山田
町の様子を目にしました。まさに廃墟と化し
た凄まじいありさまにはただ言葉を失いまし
た。
雑誌『世界』の 8 月号に、在日朝鮮人作家、
高史朗(コ・サンミョン)さんと東大教授、
高橋哲哉さんの対談が掲載されていました。
題して「日本のありようがまるごと問われて
いる」。私はこれを「教会の、またキリスト教
のありようがまるごと問われている」と読み
替え、問われていることへの、不十分で方向
違いかもしれないけれど、必死のロゴス化の
試みをしなければと思いました。
この対談のなかに、概略次のような発言が
ありました。
「マスコミの報道によって、地震は自然災
害で原発事故は人災であるという認識がもの
すごい早さで浸透した。けれども事態が少し
ずつ見えるようになって、両方とも人災だと
いう思いが強い。人災ということをさらに深
く考えてみると、近代日本、それだけでなく
ヨーロッパの近代合理主義が開いてきた文明
世界全体が行き着いたのが原発事故であり、
同時に、その近代合理主義では今回の東北大
地震のような自然災害に対応できないという
問題提起がされた。日本の国としてのありよ
う、あるいは文明国としてのありよう全体が、
土台から揺り動かされ、問われている。今回
の出来事は自分たちの想定や技術に対する過
信があり、『想定外』のもの、未知のものに対
する油断があった。人間の技術で自然の暴威
を十分に制御できるというヒュブリス(傲慢)
があった。合理主義的計算で済むと思ったと
ころに『人災』があったのではないか。近代
が設定している自然概念が根こそぎ問われた
と同時に、自然を征服することでしか自分た
ちの合理性を発揮できなかった文明世界のあ
りようが根こそぎ揺り動かされたのだ」
。
ここで言われている「近代が設定している
自然概念」「自然を征服することでしか自分た
ちの合理性を発揮できなかった文明世界」、総
じて言うなら「人間による自然支配」という
基本思想がキリスト教にまで遡るという主張
は、地球の生態系の危機が叫ばれるようになっ
て以来、キリスト教界の内外からなされてき
ました。
私は、ユダヤ=キリスト教の遺産が、自然
に対する素朴あるいはロマンチックな姿勢で
あるよりも、自然に対する人間の支配を強調
しているという主張は基本的に正しいと思い
ます。さらに、キリスト教世界において、創
世記 1 章 26 ~ 28 節の言葉を根拠として、他
の被造物に対する人間の優位性が主張される
ようになり、人間の生活の便宜を図るために
は、自然を搾取・収奪・破壊しても当然とす
る傾きが顕著であったのも歴史的事実です。
私たちは、人間と自然との長い歴史の中で、
私たちの手に引き渡された来た大切な遺産=
資源と環境とをあまりに自己本位に乱費して
きました。今、猛省と真の悔い改めを求めら
れています。
原子力発電所の事故についても同様のこと
が言えます。核は、人間の生のみならず被造
世界の全体的な崩壊をもらたす人間の罪の最
大の増幅物です。私たちはこれまで核兵器の
悪魔性を告発しつつ、同じ核を用いた原発の
安全性神話に搦め捕られてきました。私たち
は今はっきりした立場に立たねばなりません。
一切の核は、被造世界の全的滅びをもたらす
ものであり、全きよき意志によってなされた
あの神の創造の行為と秩序に対抗し、これを
否定するものであることを強く訴えることで
す。もちろん私たちの犯してきた罪の告白を
伴ってのことです。それと同時に、私たちの
国が最後決定的に脱原発に向けて舵を切って
いくことを訴え、そのための国民的合意形成
に向けて何らかの行動を起こしていくことを
求められています。
1
2011 年 9 月 15 日
日本聖書神学校学報 137 号
卒業生と震災 ―福島第一原発周辺教会に4人の同窓生―
て、30㌔圏外の江垂(えなり)地区の公
民館を借りての保育事業では現在 29 名
の園児が在籍しています。教会に隣接す
る保育園では震災後、園舎を開放して保
育士たちが無給ボランティアで園児を預
かっていましたが、当面の目的を果たし
たとの観点から 8 月から休止しています。
●小高伝道所(大下正人牧師 56 期)
江垂の臨時保育場所には日本聖書神学校
伝道所は原発から20㌔圏内の警戒区
の同窓生有志らによって放射能除去装置
域なので強制的に退去させられ、いまだ
(約 30 万円)が贈られ、園児たちはある
に教会・幼稚園の再開のめどは全く立っ
程度安心して水が飲める状態になりまし
ていません。小高教会幼稚園の卒業式を
た。また、震災で延期していた卒園式を
5 月になってやっと 5 名全員が集まって
10 月 9 日(日)午後に同保育園で行うこ
行いました。6 名の教会員は仙台やいわ
とになりました。
き、福島などに点在して避難中で、会員
同様に幼稚園児の家族も散り散りになり、 さて、当面の課題は放射能の除染です。
保育園や教会における除染作業は大掃除
幼稚園の事業継続は不可能となって 5 月
とは全く異なる丁寧で慎重な手順が求め
に職員を断腸の思いで解雇しました。7
られます。園舎や遊具の一部は除染を終
月 17 日に教区議長や少数の会員らで臨
えて保育園再開に向けて歩み始めました
時役員会を開きましたが、原発の動向と
が、教会や牧師館の外回りの除染だけで
行政の保障など先行きが不透明で、今後
も業者に依頼すると 200 ~ 300 万円も
の方向性が決定できないままでいます。
かかるため、財政的な課題は山積したま
大下牧師はいわき市内にアパートを借
まです。除染業者は公共施設の作業を優
りて、小高教会幼稚園と同じ学校法人で
先し、教会員で何らかの作業をしように
あるいわき教会の清風幼稚園の仕事を手
も高齢者が多い教会員では対応しきれな
伝っています。「幼稚園は休園届を出す
と 5 年以内に廃園にすることになるので、 い状況です。30㌔圏内だったので、これ
までボランティアの呼びかけを遠慮して
まだその手続きはしていない。その理由
行っていませんでしたが、朴牧師は知人・
は賠償の具体的な話が何も決定していな
友人に呼び掛けて何人かが除染作業に来
いため、現段階では幼稚園を休園にしな
てくれることになりました。今後は呼び
いで経過を見ていく方が良いと判断して
かけをしていく予定です。
いる」と大下牧師は語っています。
国は緊急時避難準備区域の解除を検討
(朴貞蓮牧師 57
期)
●原町教会
し始めているようですが、行政からは明
朴貞蓮(パクジョンヨン)牧師は東京
確な説明はなく、仮に解除されて正式に
教区・目白教会での 6 年間の担任教師を
保育事業が再開できるようになっても財
経て、今年 4 月から赴任する予定でした
政的な困難さが予想されています。ただ、
が、原町教会が福島原発から 24㌔の緊
現在 9 名いる保育士の方々が困難な状況
急時避難準備区域にあるためになかなか
下でキリスト教保育の灯を消すまいと祈
引っ越しができず、イースター直前の 4
りの内に日々奮闘していることは感謝で
月 21 日にやっと現地入りができました。
す。
7 月には受洗者も与えられ、現在は現住
陪餐会員 28 人のうち 8 人が他地域に避
難か移住生活をしています。当初避難し
ていた福島県内の他地域よりも南相馬市
原町区の放射線量が相対的に低いので、
会員が自宅に戻ってきました。ただ、放
射能への不安に加え、職を得ることが難
しく、多くの課題を抱えたままです。7
月以降の礼拝出席者は平均 16.7 人で、聖
研にも教会員は熱心に集って聖書の勉強
に喜びを得ています。
原町聖愛保育園は 4 月当初 100 名いた
園児の約半数が転園手続きを済ませてい
3 月 11 日の東日本大震災によって多く
の教会が被災をしましたが、なかでも放
射能の影響が依然として深刻な福島第一
原発近くの同窓生4教会について報告し
ます。
▲小高伝道所・大下正人牧師(卒業生研修会)
2
●鹿島栄光教会(佐々木茂牧師 24 期)
教会堂・牧師館は非常に古い建物で、
耐震工事が急務です。震災時の地震に加
えて度重なる余震によって屋根、壁の破
損、天井の一部に崩落がみられます。教
会は原発から 30㌔を少し超えた南相馬市
鹿島区にありますが、教会員 8 人と教会
規模が小さいために多方面からの支援が
必要です。佐々木牧師は7月中旬からし
ばらく体調を壊して入院していましたが、
現在は退院して牧会に従事しています。
補修工事に 330 ~ 340 万円が見込まれて
いますが、耐震工事となると、それを大
きく上回る費用が必要と考えられる状態
です。
●常磐教会(武公子牧師、50 期) いわき市にある常磐教会は 30㌔圏外な
ので、日常的な教会活動や保育事業は行
うことができていますが、今回の大震災
でかなりの人々が避難したため、3 月 30
日にやっと開園したときには、53 名中 7
人しか子どもが集まりませんでした。た
だ 5 月の連休明けから通常保育に戻って
います。教会付属の白水のぞみ保育園で
は、3 月 11 日の大震災の翌日に一人の職
員が勤務中に倒れ、病院に乗用車で搬送
したときには心肺停止状態になって死亡
しました。地震によるショック死とみら
れます。そういう悲しみを乗り越えて教
会も保育園も頑張っています。保育園に
は 17 名の職員がおり、武牧師は園長と
して励ましながら日々働いています。
教会は教会員 15 人。会堂の被害は深
刻で、亀裂によって会堂内部から外が見
える個所がいくつもあります。壁も剥落
していて、今後の対応は建物の診断をし
てから修繕計画を決定していく予定です。
(文責・高橋克樹)
(注)震災によるさまざま
な影響で事態が刻々と変
化しています。
現実には紹介した内容と
大きな変化があることを
考慮して下さい。
2011 年 9 月 15 日
137 号 日本聖書神学校学報
2012 年度 入学試験案内
秋季入学試験
教団聖書日課の「釈義と黙想」が
同窓生専用サイトに登場
<出願期間>
2011 年 10 月 3 日(月)~ 11 月 2 日(水)
< 試 験 日 > 2011 年 11 月 11 日(金)
日本聖書神学校のホームページ(http//www.jbts.
春季入学試験
れは卒業生の継続教育の一環で、そこには釈義や黙
< 出 願 期 間 >•
2012 年 1 月 5 日(木)~ 2 月 8 日(水)
< 試 験 日 >
2012 年 2 月 16 日(木)~ 17 日(金)
想・説教について同窓生の皆さんのご意見も書き込
ac.jp)に同窓生専用サイトが 10 月に誕生します。
そのサイトに日本キリスト教団の聖書日課に基づい
た「釈義と黙想・説教」のページが登場します。こ
むことができるようになっていますので、相互に研
鑽を積むことができるようになっています。
当面はページを運営するために日本聖書神学校の
受験資格
1.•大学卒業者またはそれと同等の学力を有すると本校において認め
られた者。
2.•受洗後2ヶ年以上の忠実な教会員であり、伝道の召命を受け、所
属教会牧師と役員会の推薦するものであること。
•• 日本基督教団以外の教派からの献身者も受験することができます。
•• 最終学歴が大学卒業でない者にも「正科生に準じる者」として入学を許可する場合が
あります。ただし、入学後、本校が必要と認める学科について所定の単位の修得が必
要となります。
教授、講師の皆さんの協力を仰いで毎週の聖書日課
に基づいた釈義と黙想を掲載しますが、卒業生の皆
さまもぜひご自分の釈義と黙想・説教を投稿して下
さい。そのスタイルについては見本のような形で何
週かにわたって掲載してみますが、そのスタイルに
ついても皆さまのご意見を賜りたいと思います。た
とえば、10 月 2 日(日)はコロサイ 3 章 12 ~ 17
試験内容
1.•召 命 に 関 す る 短 文(1,200 字 程 度 ) 伝道者を志すに至った動機と、当神学校受験の事由を記述
すること。
2.•筆記試験 旧約聖書、新約聖書、英語、小論文
3.•心理テストおよび面接
節で「新しい人間」となっていますので、ぜひと
もご自分の釈義と黙想・説教をそれぞれ 1200 ~
2400 字程度にまとめてください。詳細については
神学校の教務までお問い合わせください。
なお、同窓生用のページは(http//www.jbts.ac.jp/
問い合わせ
詳しくは学校案内、入試要項をお取り寄せの上、ご覧ください。
〒 161-0033•東京都新宿区下落合 3-14-16
日本聖書神学校 総務部
Tel:•03-3951-1101
Fax:•03-3951-3044
E メール:[email protected]
mate/)です。同窓生用のページにはユーザー名と
パスワードの入力が必要ですが、それについては先
般発送した同窓生名簿の最終ページをご覧ください。
しい題と思っています。
(地震の後で)散
日本聖書神学校キリスト教研究所図書館
図書館長 石川栄一
No.8
人と人との「絆」― 図書館の存在
東日本大震災の日から半年、未だに多
くの行方不明の方々が残され、福島原発
も収束の兆しが中々見えない状況が続い
ています。働くことはおろか、元の生活
に戻ることすら許されない、現地の方々
の心中を察する時、何もできないでいる
わたしたちは、ただ祈るばかりです。
わたしの所属する関東教区・埼玉地区
には、「障害を負う人々と共に生きる教会
を目指す懇談会」
(通称「アーモンドの会」)
という会があって、毎年9月23日(秋
分の日)に地区内の教会で開かれていま
す。今年もその案内状が送られてきたの
ですが、その中で講師の小田島義幸さん
(北上障害者団体連絡協議会会長、北上教
会員)からの、次のようなメッセージが
掲載されていました。
「主題 “ つながって生きる ” - 素晴ら
乱した中から拾い出した、使っていなかっ
たノートパソコンに古いメールアドレス
が入っていまして、それで多くの友人、
知人につながることができました。また、
教会につながっていたこと、神さまにつ
ながっていたことで生きる勇気と励まし
を与えられました。一人では生きられま
せん。」
拾い出されたノートパソコンから、人
と人の絆が復活した ― この報告を聞
いたとき、咄嗟に、図書館の存在があら
ためて思わされました。被災地の図書館
の郷土資料、あるいは個々の教会の歴史
資料それらはどのように確保されたであ
ろうか。あるいはかなわなかったのか。
家族の写真の発見はしばしば報道されて
いますが、そうした古い資料の発見の報
道は皆無であるところを見ると、その可
能性は少ないということなのでしょう。
現地の方々にとってはそれどころではな
いのかも知れません。災害のときに人々
の記憶を留め、人と人との絆の復活をも
たらす、そうした貴重な古資料を、相互
に保管しあうシステムも今後必要になっ
て来ることと思います。
分類表の改定
図書館には皆様に直接サービスを提供
しているカウンター業務の他に、利用提
供のための土台となる業務もあります。
その土台に関する業務として、現在分類
表の改訂を行っています。作業メンバー
は、教授会より古谷委員と柳下委員が、
図書館運用委員会より今橋委員、古賀委
員、鈴木委員、図書館長及び司書の合計
7 名で検討を進めています。
そもそも分類表の改訂はめったに行わ
れるものではないのですが、今回改訂を
行うことになった理由は、学校設立当初
から使用していたと思われる分類表には
分野ごとの偏りにあります。分類表を改
訂することで、建物だけでなく図書館の
中身も充実へ向けて一歩歩み出しました。
今後も内外共に更なる充実を目指して参
ります。図書館に対してお気づきの点が
ございましたら、ご遠慮なくお知らせく
ださいますようお願いいたします。
3
2011 年 9 月 15 日
日本聖書神学校学報 137 号
神学基礎講座懇談会・後期講座案内
7 月 25 日(月)午後 6 時から神学基礎
講座の受講生や講師陣による懇談会が開
かれました。2011 年度は前期・後期あわ
せて 14 講座を開設しました。従来まで
月曜日の夜間にだけ行っていた神学基礎
講座を、2011 年度は月曜日から金曜日ま
での午後と夜間に講座を開催するように
なりました。その結果、多くの受講生が
受講するようになり、神学校の授業で 1
~ 2 年生の基礎学に信徒の方が出席でき
るようになって好評でした。
懇談会では「神学生と一緒に学ぶこと
ができて、良い刺激を受けた」「旧約聖書
は前期に創世記をとりあげて勉強になっ
たので、後期は出エジプト記を開講して
もらいたい」「教会における説教テキスト
は新約ばかりなので、旧約を学べて良かっ
た」
「14 回のコマ数で一つの分野を完全
に学ぶことは難しいので、講座によって
は通年にしてほしい」などの積極的な意
見が出されました。
一方、長年受講をしてきた方からは「プ
2011 年度後期の神学基礎講座の内容
ロテスタント教会の立脚点である宗教改
革の深い学びができるとよかった」
「聖餐
①旧約聖書Ⅻ(石川教授)9 月 26 日(月)
論をやってもらいたい」などの感想も出
開始、午後 4 時~ 5 時 30 分
された。懇談会に出席した方も、都合で
②キリスト教史Ⅰ(柳下教授)9 月 26 日
出席できなかった方も非常に熱心に聖書
の学びをされており、
「自分の教会以外の (月)開始、午後 6 時 50 分~ 8 時 20 分
信徒との交わりによって、新しい神との
③キリスト教と文学(柴崎聰講師)9 月
出会いを体験した」という証しの話も出
28 日(水)開始、午後 4 ~ 5 時 30 分
て、和やかなうちに終了しました。
④キリスト教教育Ⅱ(大嶋果織講師)9
昨年から始まった神学基礎講座の一泊
月 21 日(水)開始、午後6時 15 分~7
研修会は今年も 9 月 19 日(月)~ 20 日
時 45 分
(火)に富士箱根ランド・スコーレプラザ
ホテルで開催されます。参加費は 11,000 ⑤キリスト教倫理(高橋教授)9月 21 日
(水)開始、午後6時 15 分~7時 45 分
円。研修会では石川栄一教授が古代オリ
エントの死生観と旧約聖書の死生観を対
⑥スピリチュアルケア論(窪寺俊之講師)
比する講演をするほか、高橋克樹教授が
9 月 30 日(金)開始、午後2時 20 分~
キリスト教倫理の視点から生命倫理の生
5 時 30 分
殖倫理や安楽死問題に加え、過去の戦争
⑦新約概論(笠原教授)9 月 16 日(金)
が人間の死生観に及ぼした影響などにつ
開始、午後 8 時 30 分~ 10 時
いて話します。
卒業生研修会 2011 年 8 月 29 日∼ 31 日、於・岩手県盛岡
今回の研修会の研修テーマは、「東北に
おけるキリスト教伝道――奥羽教区の成
立とその伝道」で、主題講演の講師は深
澤秀男先生(岩手大学名誉教授)であった。
以下、講演の主な内容を記す。
奥羽における伝道は、旧日本基督教会
が中心になって進められてきたが、1938
年奥羽中会が分離建設され、次いで 1941
年の日本基督教団の成立に伴い、東北6
ち続ける希望の歩みである。教区として
継続的に取り組んできたのは、
「教会と
国家」の問題である。このテーマのもと
に、計 27 回のセミナーが行われてきた。
このセミナーを通して、われわれの教会
が、その時々の国家の問題と対峙しなが
ら、主の御心に思いをいたし、少数であっ
ても、真理に従って歩むことの大切さを
教えられた。また、岩手地区においては、
県が合同して東北教区となったが、1946
年に奥羽教区が分離し、現在に至ってい
る。奥羽教区では旧日本基督教会の伝統
を踏まえて、
「教区の教会性」、教区の「一
つなる教会」ということが言われてきた
ので、「奥羽教区史」なども、そうした考
えに基づいて編纂された。1960 年より
10 年ごとに教区として取り組むべき主題
を掲げてきた。その目指すところは、キ
リストの業に参与し、平和・正義・環境
1999 年より、2.11 集会を行い、靖国問題、
戦争責任問題などについて学びを続けて
いる。奥羽教区は経済的に貧しい教区だ
が、それだけに教会間の助け合いの精神
がある。こうしたことは都会の教区が学
ぶべき点ではないか。
最後に深澤先生の専門である中国キリ
スト教史との関連で、中国のキリスト教
の現在についての話があった。中国のキ
リスト教も 19 世紀半ば伝道が開始され
保全、とくに「核燃」「農」「漁」の問題
を抱える奥羽の地を愛し、御心の天にな
るように地にもなさせたまえと祈り、待
▲左から角谷晋次牧師、原裕牧師、深澤秀男先生
4
いる教会で、信徒数は 2300 万とされる
が、非公認の教会の信徒数は 7000 万で、
その多くがファンダメンタルな信仰を奉
じていると言われる。
主題講演に対する応答を、角谷晋次先
生と原裕先生が担当された。角谷先生は、
とくにご自身も深澤先生と共に関わりを
持っておられる岩手の「山村友の会」や
山形村チャペルの活動について話された。
原先生は、東北の厳しい自然が、人の心
を荒れない、くじけない、いじけないよ
たが、最初は宣教師から与えられる物質
うに育んできたということ。また、天童
的なものに惹かれての入信であったので、 教会創立 130 周年のために近隣の金光教
多くの中国人はそれに反発した。1918 年、 会が 3000 円のお祝いをくださったこと
ベルサイユ講和会議において、それまで
により、諸事何事もへりくだる心が伝道
ドイツのものであった中国における権益
の原点であることを覚えさせられた、と
を日本が得ようとしたとき、北京大学の
いう感銘深い話をしてくださった。なお、
学生キリスト者たちが抗議のデモをした
大船渡において、ケセン語訳聖書で知ら
のだが、彼らは獄につながれるのを覚悟
れる山浦玄嗣先生より聖書についての興
していた。このようにキリスト教は中国
味深い講演を、また、角谷晋次先生には
のナショナリズムと結びつき、民族の自
「新渡戸稲造の信仰と生涯」についての講
立を謳う三自愛国運動の教会となった。
演を伺ったが、紙幅の都合で割愛する。
この教会が現在政府によって公認されて
(参加者数:75 名 文責・鈴木脩平)
2011 年 9 月 15 日
137 号 日本聖書神学校学報
夏期伝道実習報告
「夏期伝道実習の恵み」
関 伸子(4 年)
「ここに人がいる」
7月30日から8月9日まで秋田県にある男鹿教会・八郎潟
教会で初めて夏期伝道実習に参加しました。2008年に日本
聖書神学校を卒業された岡田いわお、岡田恵美子牧師が兼牧さ
れている教会です。
7月31日(日)は男鹿教会、8月7日(日)は八郎潟教会
で奨励を担当し、昼食会では温かく歓迎していただきました。
その他8月2~3日に行なわれたサマー ・ キャンプに参加、聖
書会担当、自治会主催の七夕祭りに参加し教会員や地域の方と
も親しく話す機会が与えられました。また、秋南地区の6つの
教会と1つの家の教会を兼牧されている篠崎勲・篠崎久美子牧
師(日本聖書神学校卒)とも懇談の時をもち、思いがけず、近
隣教会の牧師が夏期伝道実習生を連れて男鹿教会に来たり、大
曲の牧師も訪れ、短い期間に様々な人との出会いと交わりの時
が与えられたことで、今回の実習が更に豊かなものとなりまし
た。
地方で宣教する労苦を覚えながらも福音を宣べ伝え、種まき
を忍耐強く行ない、神学生のために熱心に祈ってくださる岡田
牧師ご夫妻の姿勢に励まされ、神学生として残りの日々を有意
義に過ごしたいと思わされています。
▲男鹿教会
8月6日から14日までの9日間、新生釜石教会でそこに集
められている様々な人々と生活を共にする機会が与えられまし
たことに感謝をいたします。ボランティアとして食事当番をさ
せていただき、日頃調理をすることのない私にとっては思いも
よらない仕事ではありましたが、多くの方々からのお力添えが
ありました。被災から5か月が経過し、それぞれの立ち位置の
違いから人と人との関係が以前よりも難しくなることもあるよ
うですが、その中にあって共に食卓を囲むことができる恵みの
豊かさをあらためて実感することができました。
平和聖日には鉄の町の人々が66年前に激しい艦砲射撃を受
けた8月9日のことに想いを巡らせ、また津波から5か月目に
あたる11日、そして被災後初のお盆を迎え、私たちの教会は
キリスト教他教派だけではなく、日本に古くからある宗教と深
い関わりを持っている、ということを知りました。 新生釜石教会の玄関には「モノよりつながり、さぎょうより
えがお」
、と掲げられています。人と人との確かなつながりを深
めながら、全ての人に開かれた新たな教会が形造られようとし
ているいま、そしてこれからも私たちは共に歩いてゆく者であ
りたい思います。
▲いこいのひろば「赤テント」(釜石)
▲作業の様子(釜石)
夏期伝道実習生を受け入れて
こどもの教会サマーキャンプのお手伝
いに来て!•正直に申し上げますと、それ
が夏期伝道実習生を受け入れようと思っ
たきっかけでした。超過疎化した地域で
の、高齢者がほとんどの男鹿教会。教会
こども会のスタッフといえば、一歳児の
子どもを抱えた私たち夫婦だけ。日本聖
書神学校さん、こんなときくらいは助け
て、といったところでしょうか。しかし
いざ、受け入れようと決断したとき、段々
と欲が沸いてきました。せっかくだから
伝統も、地域性も異なる二つの教会を夫
婦で兼牧している姿や、いわゆる「地方」
過疎化した地域だからこその恵み豊かな
実際を、夏期伝道実習生を受け入れる中
で相互に宣べ伝えることができればと思
いました。
それにしても、改めて感じたことは、
私自身、在学中二度夏期伝道実習の機会
を与えられましたが、受け入れる側も、
「見
られる」という緊張感が伴うのだな、と
いうこと。しかし、それがよい刺激でも
あり互いに充実した十日間であったと自
川崎 達也(2 年)
男鹿教会 岡田いわお牧師
負しております。サマーキャンプはもち
ろんのこと、男鹿、八郎潟、両教会での
説教奉仕、愛餐会、両教会でのそれぞれ
の祈祷会、また、秋南教会訪問など、十
日間という短い期間では少々無理のある
スケジュールでしたが、やはり恵まれた
時を与えられたと、受け入れる側として
も感謝する次第です。
夏期伝道実習生を受け入れるというこ
とは、神学生が学びのときを持つのと同
時に、特に「地方」のまた、小さな教会
においては一つの大きな伝道の一環であ
ると私は考えます。 特に3・11の震災以降、何が「恵み」
なのか「豊かさ」なのか。少なからず震
災の影響を受けたこの秋田の地において
も、放射能に怯えつつ、大自然の厳しさ
と葛藤しつつ、だからこそ、ここに神が
共にいてくださるのだということを身に
染みて感じます。これからも夏期伝道実
習生受け入れを通して、互いに都会的な
生活の中で見失う、わからなくされてい
る大切なものを、共に発見していくこと
ができればと、期待するものであります。
2011 年度 夏期伝道実習一覧
教 会
日 程
実習神学生
下田教会
7/17 ~ 18、8/13 ~ 15
小泉麻子
4年
男鹿教会・八郎潟教会
7/30 ~ 8/8
関 伸子
4年
弘前西教会
7/30 ~ 8/23
長尾有起
4年
奄美地区(名瀬教会、瀬戸内教会、
7/27 ~ 8/9
徳之島伝道所)
森 容子
3年
新生釜石教会
川崎達也
2年
8/6 ~ 8/14
5
2011 年 9 月 15 日
日本聖書神学校学報 137 号
実習教会と神学校との懇談会報告 2011 年 7 月 19 日
今回のテーマは「神学生を説教者とし
場において生起している事柄との関連で
のプロットを A4 判1枚に書き、それを
てどう育てるか」で、二人の牧師に発題
読むことが大切。また、礼拝を共に守っ
学生が共に読み、批判し合う、というもの。
をしていただいた。①増田琴牧師(巣鴨
ている仲間の一人として彼らから押し出
これにより、同一の聖書箇所から多様な
ときわ教会)の発題要旨は次の通り。「説
される召命感をもって語るということで
説教の展開があり得ることを知り、また、
教者はみことばを語る前に、まずみこと
ある。神学生の説教を講評するとき、と
説教を批判的に聞く訓練を受け、自分の
ばに聞き、砕かれ、養われる者でなけれ
くに心がけていることは、罪とか十字架
説教スタイルを作ってゆく。説教の訓練
ば、説教に厚みが出てこない。説教集な
という言葉を聴衆とどれくらい意味ある
は神学校だけでは不十分で、ぜひ実習教
どを読んで表現力を養うことも大切。ま
仕方で共有できたか、ということである。
」
会の牧師先生方にも学生と一緒に説教の
た、実習教会の牧師として神学生と共に
②柳下明子牧師(武蔵野緑教会、
本校教授)
プロットを作ってもらい、指導していた
聖書の共同研究、それに基づく黙想、分
の発題要旨は次の通り。
「今年度から本校
だきたいとねがっている。
」
かち合いも行っている。聖書の読み方と
が新設した『説教演習Ⅰ』の内容は、与
しては、教会の宣教のあり方、具体的な
えられた聖書箇所について熟考し、説教
(文責:鈴木脩平)
決算報告
2010 年度 会計収支報告書
2010 年度の学校法人聖経学園日本聖書
学校法人聖経学園 日本聖書神学校
神学校の会計収支報告をします。学校会
計では後援会からの寄付金が 1265 万円
科 目
に加え、その他の寄付金 2104 万円を加
えると、約 3370 万円の貴い献金が神学
校を支えていることが分かります。神学
生の授業料収入は 1000 万円程度で、寮
費(月額 2 万円)収入を足しても 1700
16,980
後援会寄付金
12,650
新図書館・新礼拝堂建築献金
収 その他一般寄付金
教団交付金
万円(学生納付金、学生寮収入)となり、
上記の寄付金に加えて収益事業からの 1
入 収益事業収入
億 1000 万円の寄付によって学校会計が
学校会計
学生納付金、学生寮収入
収益事業寄付 ( 収益会計からの寄付金)
雑収入
このように神学生の勉学が多くの方々
収益会計
1,070
21,043
2,520
110,000
209,936
収益事業会計からの返済
まかなわれています。
2011 年 3 月 31 日
( 単位:千円)
計
21,000
1,311
8,159
186,574
218,095
の篤い祈りと善意によって支えられてい
ることは本当に感謝であります。
教員・職員人件費
69,731
25,355
一方、収益会計では、不動産賃貸や結
教育研究費支出
18,580
12,801
婚式などの収益事業収入が 2 億 1000 万
管理経費支出
32,595
21,097
円弱あり、それが大きく本校の経済的な
学校会計への返済金
屋台骨を支えています。収益事業収入は
支
施設備品支出
年度によって若干の変動はありますが、
年間 3500 万円程度の剰余金を生み出し
出 建物関連支出費
ており、更には 2013 年からはリースの
年間支払い金額 3000 万円が 10 分の 1
に減額となるので、それを学校債の返還
21,000
6,828
収益事業寄付金(学校会計への寄付金)
110,000
2286
借入金返済支出
27,406
租税公課
16,690
現預金への入金
に充てることになります。
計
31,434
8,866
186,574
218,095
∼オープンキャンパスへおいでください∼
10 月 25 日(火)18:00 ~
礼拝:東京・駒沢教会副牧師の神田ナザレさん・講談師(本名:北川正弥)による説教
公開講義:礼拝学(テーマは未定) 荒瀬牧彦講師
礼拝の後に、食事会・公開講義を予定しています。喫茶コーナーや学生寮見学ツアー、図書館見
学ツアー、入学相談会なども行いますので、神学校への受験をお考えの方はぜひおいでください。
6
2011 年 9 月 15 日
137 号 日本聖書神学校学報
JBTSの牧師たち ⑧ 神奈川支部【下】
神奈川支部長 古旗 誠(37 期)
2008 年 9 月に発行された『学報』の
して行く牧師が多いように思う。そこ
神奈川支部(上)の報告と重複すると
には牧師の忍耐力不足だけではなく、
ころもあるが、振り返りつつ記させて
教会自身が不安定であったり、長い時
いただきたい。
間をかけて牧師と共に歩むゆとりが欠
神奈川支部は、東京支部に続く二番
けているようにも思える。しかし、そ
目に同窓生の多い支部であり、90 名程
の様な牧師達の中でも、JBTS の卒業生
渋沢教会
の教師がおられる。年に二回、支部会
たちは、忍耐強く牧会をしている。
E•金児栄治 (24 期 )・奈良昌人 (49 期 )
が開催され、学びと交わりを続けてい
一つの教会を牧会していると、10 年
野毛山キリストの教会
る。今橋朗校長が蒔田教会で牧会をさ
過ぎた頃から教会の運営や牧会がしや
F•竹島 敏 (51 期 ) 溝ノ口教会
れていた時代は、多くの同窓生が牧会
すくなる面がある。マンネリ化は良く
G•阿部雄次 (52 期 ) 平塚教会
の助けをいただいた。当時、先生と一
ないが、教会員ひとりひとりのことも
H•服部能幸 (52 期 ) 伊勢原教会
緒に行われていた「蒔田の会」(キリス
良く分かるようになり、一人の会員が
I•金子信一 (54 期 ) 湯河原教会
ト教神学の会)が、現在も続けられて
教会内外でどの様な生活をしているか、
いる。二箇月に一回程度の集まりであ
どの様な人間関係を築いているのか、家
るが、牧会と説教の良い勉強会として
族との関わりはどうであるか、も分かっ
用いられている。最近は、同窓生以外
てくる。教会員の家族との関わりも出
の教師の出席も多く、学校を越えた学
来るようになる。牧会している教会員
びと交わりが深められている。神奈川
を良く理解できるようになると、これ
支部以外の方々も歓迎している。
からどの様にしていくのが必要かとい
今回、特に記したいことは、神奈川
うことの想像力も働いてくるように思
支部の同窓生の働きとして、日本基督
える。付属施設として幼稚園などの園
教団神奈川教区で大きな役割を担って
長をしていると、地域とのつながりも
いることである。神奈川教区は、「総会
強くなっていく。伝道の構えが整って
議長」
、
「副議長」
、
「書記」、「宣教部委
いくのが、10 年過ぎた頃からではない
員長」の四役と常置委員が中心になっ
かと、思うことがある。呑気な考えか
て教区運営をしている。今期は四役の
もしれないが、神奈川県に遣わされる
うち三人が、同窓生によって担われて
同窓生が、長く牧会し、良き働きがで
いる。神奈川教区は、「教区形成基本方
きるように、支え合っていくことが大
針」に則って、対立する立場があって
切だと思っている。
《神奈川支部内の同窓生》②
A•藤原繁子 (22 期 ) 桜本教会
B•菊地丈博 (47 期 ) 大塚平安教会
C•鈴木 淳 (49 期 ) あさひ教会
D•大井啓太郎 (48 期 ) カンバーランド
J•髙橋 博 (54 期 ) 新丸子教会 K•菊地恵美香 (57 期 ) 六角橋教会
L•飯川雅孝 (58 期 ) まぶね教会
M•本多峰子 (58 期 ) 田園都筑教会
N•金 迅野 (60 期 ) 川崎教会
O•小林 充 (60 期 ) 宿河原教会
P•成田顕靖 (60 期 ) 蒔田教会
Q•石井勝男 (61 期 ) ひの木教会
R•相見宗郎 (62 期 ) 川崎境町教会
S•川上清己 (62 期 ) 辻堂教会
T•宮川周子 (63 期 )・•宮川忠大 (63 期 )・
柏•明史 ( 会友 ) 清水ヶ丘教会
U•斉藤 顕 ( 会友 ) 横浜ユニオン教会•
V•堀 光雄 ( 会友 ) 秦野教会
W•森田裕明 (40 期 ) 横浜本牧教会
※ 2011 年度同窓会名簿を参考にして作成しており、神
奈川支部【上】
(2008 年 9 月発行 ) 時点より変更点が
ありますことをご了承下さい。
も切り捨てることなく対話を続けると
いう姿勢を大切にしている。教区政治
においては、様々に異なる立場の同窓
生がおられる。しかし、お互いの違い
を尊重し合いながら、それぞれ教会に
仕え、教区の宣教に関わろうとしてい
る。それゆえに、教区運営において激
しい対立も多々あるが、教区のリーダー
シップを担い、忍耐強く教区・教団の
宣教に仕えている同窓生たちが多い。
もう一点思うことは、最近教区内の
牧師の転任が多く見られる。一つの教
会に長く牧会を続けてきた先輩たちか
らすると、最近の牧師たちは一つの教
神奈川県
会に腰を据えて長く牧会できないでい
ると、思われている。確かに、10 年を
区切りに見ていくと、10 年前後で転任
7
2011 年 9 月 15 日
日本聖書神学校学報 137 号
学事報告
2011 年 4 月~ 9 月
••教授会(2011年度第1回)4月4日
••入学始業礼拝、説教:「小さな群れよ、恐
れるな」笠原義久教授、司式:古谷正仁教
65名、5月8日
••教授会(第2回)5月13日
••JATE( 日本神学教育連合会)総会に高橋克
••前期試験 7月25日~26日
••へブル語通信講座スクーリング、参加者:
••ペンテコステ立証祈祷会 6月7日~9日
••理事会評議員会(第184回)6月14日
4月4日
••教授会(第3回) 6月17日
4月11日
••学生自治会総会 4月12日 ・創立記念
日集会(65周年)、礼拝説教:阿部雄次
牧師、公開講義:「古代の教会の『働き人』
個 人 消 息
■ 今橋 朗 校長
会 7月21日
••前期授業終了 7月22日
14日
名)、礼拝後新入生歓迎会、出席者:81名。
••神学基礎講座前期開講(受講者:24名)
7月19日
••教授会(第4回)および卒業論文中間報告
樹校長事務取扱が出席、於・本校、5月
授、新入生15名(正科生6名、聴講生9
••前期授業開始 4月5日
13名、8月2日~3日
••卒業生研修会(第45回)、研修テーマ:
「東
北地方におけるキリスト教伝道――奥羽教
••教団新任教師オリエンテーションに古谷正
区の成立とその伝道」、講師:深澤秀男氏
仁教授が出席、於・伊豆天城山荘、6月
(岩手大学名誉教授)、参加者:74名、於・
20日~22日
••同窓会東京支部会(福島・原町教会朴貞蓮
牧師講演)、於・本校、6月28日
••実習教会牧師との懇談会、出席者:11名、
リング講師
•• 2 月 26 日 北本 9 条の会フォーラム代表挨拶
•• 3 月 7 日~ 18 日 シリア・ヨルダン旅行
岩手県盛岡市、8月29日~31日(第2
日目に東日本大震災被災地を訪問)
••職員旅行(伊勢・志摩方面)9月5日~7
日
■ 高橋克樹 教授(校長事務取扱)/ 総務部長
•• 1 月 31 日 小林利夫前校長記念礼拝出席(於・
本校)
•• 4 月 18 日 神学基礎講座開始
•• 2 月 16 日 元講師田中牧子氏の葬儀に出席
•• 4 月 29 日 埼玉地区総会出席
•• 4 月 22 日 神学校イースター礼拝説教
•• 5 月 25 ~ 26 日 関東教区総会出席
•• 5 月 14 日 JATE 総会出席(於・本校)
ROM 付)、『深い淵から―希望と慰めのみこ
•• 6 月 25 日 北本9条の会 5 周年記念挨拶
•• 5 月 16 日 佐藤健牧師の案内で福島第一原発
とば』。いずれも日本基督教団出版局刊。
•• 7 月 18 日 関東教区宣教総合協議会出席
周辺の同窓生を問安。鹿島栄光教会(佐々木
•• 7 月 30 日 同窓会関東支部会出席(埼玉新生
茂牧師)
、原町教会(朴貞蓮牧師)
、小高伝道
•• 昨秋より入院加療中のところ、4月より自宅
にて療養中。
•• <執筆活動>『シンボルで綴る聖書』(CD-
■ 笠原義久 教授
•• 1 月 31 日 小林利夫元校長記念礼拝に出席
•• 5 月 8 日 後援会主催・創立記念日集会に出
席
•• 8 月4~5日 同窓会東北支部会に出席(於・
仙台秋保温泉)
■ 郷 義孝 教授
•• 1 月 17 日 西東京教区町田・八王子地区牧師
会出席。
•• 1 月 29 日 小西牧師結婚式に出席。於池袋西
教会。
•• 1 月 31 日 故小林利夫校長記念会出席。
•• 2 月 7 ~ 8 日 教区教師一泊研修会を教師部
委員として開催。於八王子高尾。
•• 3 月 3 日 神学校60年史委員会出席。
•• 5 月 28 日 西東京教区総会出席。
•• 6 月 30 日 神学校60年史委員会開催。
•• 7 月 19 日 神学生実習教会牧師との懇談会出
席。
•• 8 月 14 日 被災地いわき市の常磐教会の主日
礼拝出席・教会の近況を問安。
•• 8 月 29 ~ 31 日 卒業生研修会出席。
•• その他、日本聖書神学校キリスト教研究所所
長、日本ホワイトヘッド・プロセス哲学会理
事、青山学院大学・東洋英和女学院大学講師、
八王子栄光教会牧師として働きを担う。
•• <執筆活動> 3 月 30 日 著書『19,20世
教会)
•• 8 月 2 ~ 3 日 ヘブル語通信講座スクーリン
グ
•• 8 月 9 ~ 11 日 埼玉地区協会全体修養会出席
•• 8 月 29 ~ 31 日 会堂建築に伴い会堂・牧師
館移転作業開始
■ 古谷正仁 教授
•• 1 月 17 日~ 20 日 日本バプテスト連盟研
修会講演
•• 2 月 11 日 日本基督教団天王台伝道所研修
会講演
•• 2 月 15 日 JBTS 同窓会神奈川支部会講演
•• 3 月 21 日 宮川忠大兄(63 期)
・溝口周子
姉(63 期)結婚式司式
•• 6 月 20 ~ 22 日 日本基督教団新任教師オ
リエンテーション
•• 7 月 24 日 日本基督教団七飯教会主日礼拝
説教、聖餐式司式、三浦恭子教師就任式(同
教会)
•• 8 月 11 日~ 12 日 日本基督教団青森北西
地区教師研修会講演
•• <執筆活動> 3 月 8 日発行『CS リーダーハ
•• 1 月 10 日 埼玉地区 3 区新年合同礼拝
•• 1 月 18 日 丸の内朝祷会奨励奉仕
•• 2 月 9 日 埼玉県宗教法人研修会出席
•• 2 月 19 日 鴻巣 9 条の会出席
•• 2 月 21 日~ 22 日 第 22 回ヘブル語スクー
牧師就任式に出席
•• 6 月 13 日 青山学院大学青山キャンパスで説
教奉仕
•• 6 月 19 日 東海教区富士宮教会・柳沢光子伝
道師就任式に出席
•• 6 月 26 日 東京教区北支区南板橋伝道所・秀
島行雄伝道師就任式に出席
•• 8 月 31 日 秋南教会問安
•• 9 月 12 ~ 13 日 関東教区茨城地区教師会で
『牧師だって不死身じゃない』と題して講演
(於・いこいの村涸沼)
■ 鈴木脩平 教務部長
•• 4 月 25 日 千葉支区総会に出席
•• 5 月 22 日 内田汎牧師就任式に出席、於・大
宮前教会
•• 5 月 29 日 平沢功牧師就任式に出席、於・北
千住教会
•• 6 月 20 日 キリスト新聞社刊ブックレット
『宣
■ 柳下明子 教授
•• 5 月 8 日 創立記念集会公開講座「古代教会
•• 1 月 7 日 図書館蔵書分類委員会
就任式に出席
•• 5 月 29 日 東北教区山形六日町教会・小西惇
の礼拝」
•• 他に蒔田教会牧師として教務。
•• 3 月 8 日 神学校評議委員会出席
■ 石川栄一 教授
の牧師や付属施設の園長から状況を聞く
•• 5 月 22 日 九州教区島原教会・高塚和彦牧師
•• 5 月 31 日 東京教区総会に出席
15 日『聖書と神学』23号を「日本聖書神学
トの体における伝道―福島後の神学と宣教」。
所(大下正人牧師)
、常磐教会(武公子牧師)
ンドブック』
(日本キリスト教団出版局)に「CS
紀神学思想史』を三恵社、から出版。 7 月
校キリスト教研究所から発行。論文「キリス
8
たち」柳下明子教授、懇親夕食会、出席者:
の働き人―『古カトリック教会』の女性たち」
教』作成のための懇談会に出席、於・神楽坂
•• 6 月 26 日 長浦教会設立式に出席
•• 7 月 2 日 日本宣教学会全国研究会・総会に
出席、於・清泉女子大学
•• 8 月 29 日~ 31 日 本校卒業生研修会に参加
•• 5 月 29 ~ 30 日 西東京教区総会出席
•• 9 月 5 日~ 7 日 本校職員旅行に参加
•• 6 月 14 日神学校評議員会出席
•• <執筆活動>『基督教論集』に書評『ペトロ』
•• 7 月 19 日 神学生実習教会牧師と教授会との
(ヘンゲル著、川島貞雄訳、教文館)を寄稿、
懇談会にて発題「神学生を説教者としてどう
4月。
『聖書と神学』第23号に書評 Daniel
育てるかー神学校の取り組みから」
Harrington, Paul on the Mystery of Israel を
•• 8 月 29 日~ 31 日 卒業生研修会出席
寄稿、7月。雑誌『共助』2011年第5号
•• <執筆活動>『聖書と神学』23 号「テルトゥ
に「キリスト教とイスラエルの神(2)
」を
リアヌスの『やもめ』理解」
。
寄稿、8 月。