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昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
∼自給飼料現地検討会・農場視察∼
去る7月17日 (金)、 「酪農後継者等育成講座」
が開催されました。 午前の部では講座、 午後の部
では農場視察が行われました。
午前の講座では農研センターにおいて、 自給飼
料検討会。 今回の検討会は室内検討会と現地検討
会の二本立てとなっており室内検討会では、 らく
のうマザーズ営農推進課増田主任より、 トウモロ
コシの栽培技術についてと題しまして播種及び施
肥の方法や除草剤等を用いた雑草対策、 収穫時期
やサイレージ調整作業などについて、 熊本県天草
地域振興局三角氏より籾米サイレージ (SGS) お
よび飼料イネを活用したTMRについての説明が
ありました。
その後、 同センター内の飼料作物展示ほ場に場
所を移しトウモロコシの現地検討会がありました。
展示ほ場には、 飼料用トウモロコシ早生・中手・
晩手の32品種 (4月播き) が作付けされ、 それぞ
れの品種を比較しながら、 活発な意見交換がされ
ました。
尚、 本年のトウモロコシは6月の梅雨入り以降
雨量が平年より多く、 日照不足であったため、
トウモロコシ展示ほ場の様子
H26年より草丈が低くなりました。
午後の農場視察では、 熊本酪合志の松野克紀牧
場 (つなぎ牛舎)、 衛藤彰一牧場 (フリーストー
ル牛舎) を視察しました。 乾乳期の飼育方法や哺
育の仕方などを中心に質問が出て、 牧場に持ち帰
り実践できる内容も多かった様です。
講座では、 今後も現場で活用できる内容や、 酪
農に関する基礎知識等の内容で開催予定です。
次回は、 9月16日に開催予定しています。
生育 (草高) の推移 (共通20品種)
400
350
300
草
高
㎝
250
H27
200
150
100
H26
50
0
4月2日
5月15日
5月9日
7月1日
出穂日:平成27年6月15日 (平成26年6月22日)
松野克紀牧場視察の様子
室内検討会の様子
衛藤彰一牧場視察の様子
―1―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
最優秀賞及び優秀賞受賞者に熊本から16名
九州生乳販連が生乳品質共励会の表彰式を開催
新鮮で良質
な生乳を乳業
者に供給する
ことで、 生乳
の有利販売に
繋げるととも
に、 優秀な生
産者を表彰す
前列中央が古庄さん
ることで一層
の生乳品質の向上と意欲の高揚を図ることを目的
とした平成26年度生乳品質共励会の表彰式が7月
23日、 福岡市で開催されました。
この共励会は生産者の年間出荷乳量を3区分に
分け、 それぞれの最上位者3名を最優秀賞、 続く
上位30名を優秀賞、 採点の基準点 (1200点満点で
1020点) を超える者全員を優良賞として実施され、
平成26年度
番号 県名
所属組合名
氏
名
得点
平成26年度は25年度に比べれば比較的過ごしやす
く、 全農家平均で28ポイント高い成績で年間を終
えました。 表彰式は最優秀賞受賞者3名を対象に
同日の九州生乳販連通常総会終了後に行われまし
た。
このうち、 本県からは乳量階層400トン以上の
部で最優秀賞受賞の古庄寿治さん (JA菊池・大
津中央支所) が出席、 主催者より良質生乳生産牧
場のプレートと副賞の10万円が渡されました。 ま
た、 本県受賞対象者は、 優秀賞30名のうち15名で、
同じく良質生乳生産牧場のプレートと副賞3万円
が、 優良賞282名のうち148名に良質生乳生産牧場
のステッカーがそれぞれ後日贈呈されます。
平成27年度の生乳品質共励会は既に始まってい
ます。 安全・安心で良質な生乳生産とチェックシー
トへの記帳徹底を今後もお願いします。
優秀賞受賞者名簿及び得点
規模
ランク別
表 彰
番号 県名
所属組合名
氏 名
1 長崎県
三宅新太郎 1,200
2 2最優秀賞
18 熊本県
2 宮崎県
野口
正美 1,181
1 1最優秀賞
19 宮崎県
3 熊本県 JA菊池・大津 古庄
寿治 1,173
3 3最優秀賞
20 熊本県 JA菊池・旭志 東
4 熊本県 JA菊池・泗水 右田
博昭 1,192
2
優秀賞1
21 熊本県 ホワイト酪 村岡
5 宮崎県
栄福
一信 1,171
2
優秀賞2
22 熊本県
荒尾酪
6 宮崎県
佐藤
一敏 1,166
1
優秀賞3
23 熊本県
球磨酪
7 福岡県
竹本
貞敏 1,163
1
8 佐賀県
小川
久子 1,162
9 大分県
清末
表
彰
優秀賞15
英教 1,140
3
優秀賞16
恵 1,139
1
優秀賞17
泰司 1,137
1
優秀賞18
森田
稔 1,137
2
優秀賞19
土肥
倉森 1,133
1
優秀賞20
優秀賞4
24 熊本県 JA熊本市 和田
茂幸 1,130
2
優秀賞21
1
優秀賞5
25 宮崎県
野
敏郎 1,128
1
優秀賞22
建一 1,160
2
優秀賞6
26 熊本県 JA菊池・旭志 松岡
浩幸 1,128
3
優秀賞23
10 大分県
林田成一郎 1,159
2
優秀賞7
27 熊本県
鈴木
浩章 1,127
1
優秀賞24
11 鹿児島
牧瀬
勝利 1,157
3
優秀賞8
28 熊本県 JA菊池・泗水 内田
洋 1,126
2
優秀賞25
12 大分県
竹村冨二男 1,153
2
優秀賞9
29 熊本県 JA菊池・泗水 上田
健治 1,125
3
優秀賞26
13 佐賀県
小川
広海 1,152
1
優秀賞10
30 熊本県 JA熊本市
㈲トミー
1,125
フィールド
3
優秀賞27
14 長崎県
池田
卓彌 1,150
3
優秀賞11
31 熊本県 ホワイト酪 尾方
栄一 1,123
2
優秀賞28
15 宮崎県
弥永
睦雄 1,148
1
優秀賞12
32 熊本県 JA熊本市
㈲米満
1,123
PUBLIC WORSK
3
優秀賞29
16 宮崎県
萬代
征子 1,148
1
優秀賞13
33 大分県
繁田
1
優秀賞30
敏勝 1,144
2
優秀賞14
―2―
㈲茶ノ木 1,143
規模
ランク別
3
17 熊本県 JA宇城・松橋 米村
JA鹿本
得点
黒木
鹿本酪
規模ランク別区分
富男 1,122
1→200㌧未満
3→400㌧以上
2→200㌧以上∼400㌧未満
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
熊本県酪農政治連盟
第 51 回通常大会 (総会) 開催
熊本県酪農政治連盟の第51回通常大会 (総会)
が去る7月8日に熊本市内で開催され、 上程され
た3議案について審議されました。
当日は、 通常大会前に全体委員会が開催され、
農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課の本田光広
乳製品調整官 (本県菊池市出身) から 酪農・乳
業をめぐる情勢について と題しての講演を頂き
ました。
講演会では酪農生産基盤強化のポイントとして、
人・牛・飼料の視点における基盤強化について、
また酪肉近の目標と進捗管理について、 さらには
今後の生乳流通・取引体制等のあり方についての
具体的な説明が行われました。
そこでは生産基盤の危機的な状況から今後の対
応や取り組みについて、 そして競争力の高い畜産
経営のモデル指標や集送乳及び乳業合理化に関す
る基本的な事項など多岐に亘る内容でした。
さらには将来的な酪農家の所得向上に向けての
吉田 孝壽 熊本県酪政連委員長
本田 光広 乳製品調整官
前川
收 熊本県議会自民党酪政会会長
佐々木 勲
日本酪政連委員長
乳価交渉力の強化や中間コストの削減、 物流コス
トの削減などの観点から、 生乳流通や取引体制見
直しの工程までが示される貴重な講演となりまし
た。
今後の酪農・乳業事業展開にあたって大きな示
唆を頂く内容であり、 直近の重要情報提供なども
あったことから、 講演後には多数の質疑がよせら
れ、 時間の都合もあり、 すべての質疑に応答でき
ないことを大変、 残念がられる程の活況を呈した
講演会となりました。
引き続き開催された通常大会 (総会) では、 来
賓として前川收熊本県議会自民党酪政会会長をお
招きし、 総会開催に対するお祝いや酪政会活動へ
の支援、 また衆議院選挙、 県議会議員選挙への対
応やチーム熊本とする自民党熊本県連活動の現在
の動向や活動への協力に対する御礼の言葉を頂き
ました。
また、 日本酪農政治連盟の佐々木勲委員長から
―3―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
は、 盛会裡に開催された総会のお祝いや日頃から
の日本酪政連活動への力強い支援への御礼、 また
将来的な酪農生産への期待などが述べられました。
その後の議事では、 上益城地区の梶原哲委員
(上益城農業協同組合) を議長に選出し、
平成
26年度運動報告並びに収支決算承認の件、 平成
27年度運動方針並びに収支予算 (案) 承認の件、
平成27年度会費の賦課並びに徴収方法決定の件
について審議され、 第1号議案から第3号議案ま
で、 全議案すべて原案通りに承認されました。
総会終了後には、 会場を別にした懇談の場が設
けられ、 酪農生産、 生乳流通に関する活発な意見
交換や交流・交歓が行われていました。 そこでは、
記念講演講師の本田乳製品調整官を中心に酪農・
乳業に係る課題対応への質疑応答が行われ、 また
懇親会終了後にあっても熱心な意見交換がなされ
ていたのが印象的でした。
梶原 哲 委員(上益城農業協同組合)
通常大会 (総会) 風景
―4―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
第 44 回全国酪農青年女性酪農発表大会が開催される
〈本県選出 富安麻紀子さん 酪農意見・体験発表の部において最優秀賞受賞!〉
第44回全国酪農青年女性酪農発表大会が去る7
蘇酪農協所属) が最優秀賞を受賞されました。 非
月15日∼16日にかけて浅草ビューホテル (東京都)
酪農家出身の富安氏が“牛や馬と暮らしたいとい
において開催されました。 全国の6ブロックの各
う夢”を持ち、 夢を叶える為に様々な課題を前に
青年女性会議より12名 (酪農経営発表の部6名、
しても、 それを乗り越えて酪農家となり、 夢を実
酪農意見・体験発表の部6名) の発表が行われ、
現させた発表内容は、 今後酪農を志す人を含め多
優れた経営や技術、 特色のある活動、 すばらしい
くの人に勇気を与える発表となりました。 また、
体験などを知るすばらしい機会となりました。
現在富安氏が取り組まれているホース&カウセラ
酪農経営発表の部では 「道北地域に根ざした季
ピー活動 (牛や馬を介してのセラピー活動) にお
節繁殖経営を目指して」 と題して発表された北海
いても、 今後の酪農の新たな魅力の一つとして審
道酪農青年女性会議代表の山下雅博氏が最優秀賞
査員や会場から注目が集まり、 今後の展望が期待
を受賞されました。
されます。
酪農意見・体験発表の部では、 「酪農!この愛
なお、 大会開会式において全国酪農青年女性会
すべき天職」 と題して、 本県より九州酪農青年女
議半澤委員長より功労者表彰が行われ、 本県より
性会議代表として出場された富安麻紀子氏 (大阿
内ヶ島賢勇氏 (JA鹿本所属) が表彰されました。
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―5―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
熊本県乳牛改良同志会
第 39 回通常総会開催
去る、 7月3日 (金)、 熊本市中央区のホテル
と題し、 第14回全日本ホルスタイン共進会に向け
メルパルク熊本で熊本県乳牛改良同志会 (松野克
ての育成 (6ヶ月未満・6ヶ月以上) の飼養管理、
紀会長) の第39回通常総会が開催されました。
リードマン及び審査員としての大切なことついて
冒頭、 松野克紀会長が挨拶。 その後、 らくのう
マザーズ吉田孝壽会長・九州農政局古川義仁課長
の記念講演が行われ出席者は熱心に聞き入ってい
ました。
補佐の来賓祝辞に続きまして、 梁池朋幸氏 (JA
また、 カウオブザイヤー、 熊本県総合指数、 生
菊池・泗水) を議長に選任し、 平成26年度事業報
涯生産乳量、 高能力牛群農家、 審査成績優秀農家、
告及び収支決算承認の件、 平成27年度事業計画及
高能力牛、 体型審査好体型牛の報告がなされ、 平
び収支予算 (案) 承認の件、 平成27年度会費及び
成26年度カウオブザイヤーは、 菊池農業高等学校
徴収方法 (案) 決定の件、 の3議案について審議
(JA菊池・泗水) 所有のKAHS メーヤス ブリツ
され、 いずれも原案通り承認されました。
ツ カイト M フタゴ、 準カウオブザイヤーは、
総会終了後、 北海道・大樹町で酪農を営む木村
博文氏を講師に迎え 「好体型牛群と共進会の対応」
挨拶する 松野
西村誠之氏 (球磨酪) 所有のスターライト サブ
ラ テリスが選ばれました。
克紀 会長
議長:梁池
講師:木村
博文 氏 (北海道・酪農家)
講演風景
―6―
朋幸 氏
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
熊本県乳用牛群検定組合
第 14 回通常総会開催
去る、 平成27年7月10日に第14回熊本県乳用牛
群検定組合通常総会がKKRホテルにおいて開催
されました。
総会の開催に先立ち、 平成26年度の検定成績及
び体細胞の表彰式が開催されました。
各部門の表彰者は次のとおりです。
1. 牛群検定成績
年間成績
1位 ㈱荒木牧場 (球磨酪)
2位 ㈱宮本牧場 (玉名酪)
3位 ㈲ドリームファーム山本 (大阿蘇酪)
改善
1位 山田 幸浩 氏 (熊本酪)
2位 村上 靖典 氏 (熊本市中酪)
3位 今村 幸一 氏 (JA菊池 大津)
2. 体細胞
年間成績
1位 小嶺
2位 米村
3位 古庄
改善
1位 中村
2位 村上
3位 山本
篤
敏勝
寿治
氏 (JA熊本市)
氏 (JA宇城 松橋)
氏 (JA菊池 大津)
隆史
靖典
善文
氏 (球磨酪)
氏 (熊本市中酪)
氏 (大阿蘇酪)
総会終了後は、 全国酪農業協同組合連合会福岡
支所から講師を招き、 繁殖についてのご講演を頂
きました。
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昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
― コラム ―
安心して飲める牛乳とは!
昨今、 社会問題となった食品への異物混入問題
はみなさんも記憶に残っていると思います。 私も、
このような問題が起こる度に食品製造の社会的な
責任の大きさ、 また難しさを感じるところです。
食品安全の重要性は、 みなさんも重々承知され
ていることと思いますが、 よく耳にする 「食の安
全安心」 という言葉を私なりに解釈してみますと、
食品等に対する消費者の信頼を意味しているので
はないかと思っています。
また、 安全と安心を区別してみますと、 安全と
は 「食品による人の体への危害がないこと」 であ
り、 安心とは 「食品による人の心への危害がない
こと」 だと思っています。
今までもすべての食品会社が安全安心な製品造
りにしのぎを削ってきたものの、 現実には自主回
収事故が 「24年度920件」 「25年度932件」 「26年度
1014件」 も起こっており、 増加傾向にあります。
このことが示すものは消費者の食品の安全安心へ
の意識が年々高まってきているため、 継続的に安
心できる食品を造ることが非常に難しくなってき
ていると言うことです。 どこまで行ったら安心でき
るか分からないのですが、 製造現場にとっては避け
ては通れない永遠の課題ということでもあります。
私たちも、 牛乳という素晴らしい食品を生産し
ているわけですが、 これからも永久的に酪農を維
持継続するためには生産現場や乳業工場に従事す
る人の食品衛生に対する意識が一致することが重
要ではないかと考えます。
そこで、 本会工場の衛生管理を考えてみますと、
以前はクレームやトラブル発生時に、 その原因の
追及と対策を検討し、 その基準を作成しては職員
へ周知徹底したり、 他社で起こった回収事故など
の情報も収集し自工場に照らし合わせて問題箇所
の把握や対策など行っていました。 しかしながら、
このような対策ではどうしても後手に回って対策
が遅れることから、 平成7年に厚生労働省で食品
衛生法にNASAの宇宙食に適用されていたHACCP
システムが位置づけられたことに伴い、 製造工程
を分析し問題が起こる前に危害箇所を設定し、 必
要に応じて管理基準 (数値) を設け数値から逸脱
がないか連続的なモニタリングを行う方式を取り
入れることになりました。 この手法を取り入れて
からは、 製品の安全性は非常に向上したものと思っ
ています。
また、 従事者の教育面でも大きな変化がおこっ
ており、 以前は、 良い製品を作るには技術力が一
番大切だと考えられており技術教育が主となって
いました。 しかし、 現在は技術力も大切だが、 一
人ひとりの衛生教育の重要性が見直されてきてい
ます。 以前C国の報道を見
たときに、 食品工場では賞
味期限が切れていても混ぜ
てしまえば問題ないとか、 らくのうマザーズ 乳業本部長
野中 正弘
ホテルの部屋では床拭きの
雑巾でテーブルを拭いても問題ないなど、 モラル
に反した行動が指摘されていました。 現実には、
日本人の意識とは相当かけ離れた内容ではありま
すが、 実際に殆どの作業は一人で行っていること
が多くあり、 人の衛生意識が製品の安全性に大き
く影響すると言うことです。 これは、 どのような
時であっても決められた手順で衛生的な食品を造
るという、 当然なことを当然のようにできる作業
者の意識が必要だし、 最も重要な事だと考えられ
るようになりました。
昨今は、 一次産業でも安全安心が求められる時
代となっており、 生産現場でも農場HACCPが取
り入れられてきています。 酪農においては、 動物
用医薬品の投薬記録 (最終治療日や残留確認検査、
出荷日等) を確認し記録するなど出荷制限期間中
の生乳管理が必要となっています。 また、 ポジティ
ブリスト制度の把握やバルククーラーの点検、 消
耗部品の交換等記録、 牛舎の消毒や駆除剤使用記
録・除草剤使用記録などの必要性を理解する必要
があります。
農場HACCPを簡単に図に示しましたが、 生乳
生産現場においても工場と同じように安全安心を
追求することが消費者から見た心からの安心 (信
頼) が得られ
るものと思っ
ています。
HACCP
これからも、
県産牛乳の品
質を更に向上
させるために
生乳の
も、 工場はも
安全性
とより生産現
場でも作業管
理をもう一度
一般衛生管理
再点検してい
ただき、 熊本
乳牛の健康管理
県産牛乳が今
牛舎・設備・衛生管理等
以上に安心し
て飲める牛乳
になるように、
安全な原材料
生産者と役職
員が一丸となっ
安全な原材料確保
て行こうでは
飼料、薬剤、素畜、医薬品等
ありませんか。
―8―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
畜産・酪農生産力強化緊急対策事業
(畜産経営改善緊急対策) について
らくのうマザーズ 生産本部 指導部 指導課
今年度は性判別精液の授精、 性判別受精卵及び和
牛受精卵の移植に対して国からの補助事業がありま
す。 その内容や申請方法について紹介致します。
(2)性判別受精卵の利用促進
移植対象となる乳用牛は、 性判別受精卵の利用
者が所有する又は搾乳牛として所有することが確
実に見込まれるもの。
1. 事業の内容
(1)性判別精液の利用促進
(性判別精液の授精に対する補助)
(2)性判別受精卵の利用促進
(性判別受精卵の移植に対する補助)
(3)和子牛生産拡大対策
(和牛受精卵の移植に対する補助)
2. 補助率
(1)性判別精液の利用促進
当該事業に要する経費の1/2以内。
但し、 1頭当たり上限6千円以内で飼養頭数
の1/2まで。
(2)性判別受精卵の利用促進
当該事業に要する経費の1/2以内。
但し、 1頭当たり上限100千円以内。
(3)和子牛生産拡大対策
当該事業に要する経費の1/2以内。
但し、 1頭当たり上限70千円以内で飼養頭数
の1/3まで。
3. 事業期間
平成27年4月1日から平成28年2月10日まで。
※この期間中に購入、 授精・移植していないと事
業の対象となりませんのでご注意下さい。
(購入日は弊会が購入した日になります)
(3)和子牛生産拡大対策
移植対象となる乳用牛は、 和牛受精卵の利用者
が所有する又は搾乳牛として所有することが確実
に見込まれる乳用牛で、 経営内で下位1/3に入
る能力を有すると判断されるもの。
※同一牛ではいずれか1つの取組しか受けられま
せんのでご注意下さい。
(先に性判別精液を授精し申請した場合は、 その
後同じ牛に性判別受精卵や和牛受精卵を移植さ
れても補助の対象とはなりません。 逆の場合も
同様です。)
5. 精液及び受精卵要件
(1)性判別精液の利用促進
国内又は輸入国の家畜血統登録機関において
登録されているもので次のいずれかを満たすも
の。
①家畜改良センターが公表した乳用種雄牛評価
成績に記載した種雄牛で、 NTP上位40位以
内の遺伝的能力を有したことがあること。
②輸入精液は家畜改良センターが公表した国際
評価成績を有するものであって、 NTP上位
40位以内に相当する遺伝的能力を有したこと
があること。
※但し、 国産・輸入精液共に平成27年4月以降に
取組主体 (らくのうマザーズ) が購入したもの
のみが対象
4. 交配対象乳用牛の要件
(1)性判別精液の利用促進
授精対象となる乳用牛は、 性判別精液の利用者
が所有する又は搾乳牛として所有することが確実
に見込まれる乳用牛で、 経営内で上位1/2に入
る能力を有していると判断されるもの。
―9―
(2)性判別受精卵の利用促進
国内又は輸出国の家畜血統登録機関において
登録されている又は登録されることが確実であ
ると認められる乳用雌牛から採卵されたもので、
①から③までの要件のいずれかを満たすものと
し、 かつ、 受精卵を生産する際に交配する種雄
牛は、 国内又は輸出国の家畜血統登録機関にお
いて登録されている乳用雄牛であり、 ④又は⑤
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
の要件のいずれかを満たすものであることとす
る。
①(一社)家畜改良事業団が検定農家に通知した
牛群改良情報のうち個体情報及び参考情報に
総合指数又は泌乳成績を有する乳用雌牛から
採卵されたものであること。
②ペアレンツアベレージ (PA) による総合指
数又は泌乳成績が推定できる乳用雌牛から採
卵されたものであること。
③海外において①又は②と同等の能力を有する
と認められる能力評価を有している乳用雌牛
から採卵されたものであること。
④改良センターが公表した乳用種雄牛評価成績
に記載された種雄牛であって、 NTP上位40
位以内の遺伝的能力を有したことがあるもの
であること。
⑤海外で飼養されている種雄牛を用いる場合は
成績を有する種雄牛であって、 NTP上位40
位以内に相当する遺伝的能力を有したことが
あるものであること。
※但し、 平成27年4月以降に取組主体 (らくのう
マザーズ) が購入したもののみが対象
植した場合に限り、 移植費のみが対象となりま
す。
7. 事業の流れ
性判別精液、 性判別受精卵・和牛受精卵の販売・
請求は通常通り行う。 精液・受精卵販売の翌月に
弊会より各組合に購入リストを送付するので、 組
合を通じて授精・移植を行ったかどうか及び事業
参加の有無の確認、 事業にのせる場合は下記書類
の提出。 書類の提出月の末に、 事業対象分の精液・
受精卵の赤伝処理、 同時に値引きでの販売処理を
行う。 (書類提出の翌月に精算)
8. 提出書類
(1) 性判別精液の利用促進
①家畜人工授精証明書の写し (精液証明書が貼
り付けてあるもの)
②性判別精液授精対象牛選定理由確認書
③選定理由書でゲノミック評価結果及び牛群検
定成績により判断した場合は根拠資料
(2) 性判別受精卵の利用促進
①移植証明書 (受精卵証明書が貼り付けてある
もの) ※弊会技術課移植の場合は不要
②自家採卵の場合は、 受精卵の要件を満たして
いることがわかる書類 (但し、 自家採卵の移
植は上記の条件を満たし、 且つ弊会技術課が
移植を行った場合移植費のみが対象となりま
す。)
(3)和子牛生産拡大対策
対象となる和牛受精卵は黒毛和種、 褐毛和種、
日本短角種及び無角和種の受精卵とする。
※但し、 平成27年4月以降に取組主体 (らくのう
マザーズ) が購入したもののみが対象
6. 事業の対象
(1)性判別精液の利用促進
①弊会から供給された精液代
(2)性判別受精卵の利用促進
①弊会から供給された受精卵代
②弊会技術課職員による移植時の移植費及び移
植証明書発行代
※自家採卵による性判別受精卵を移植した場合は、
受精卵の要件を満たし、 且つ弊会技術課職員が
移植した場合に限り、 移植費のみが対象となり
ます。
(3)和子牛生産拡大対策
①弊会から供給された受精卵代
②弊会技術課職員による移植時の移植費及び移
植証明書発行代
※あか牛受精卵移植の場合は弊会技術課職員が移
(3) 和子牛生産拡大対策
①移植証明書 (受精卵証明書が貼り付けてある
もの) ※弊会技術課移植の場合は不要
②和牛受精卵移植対象牛選定理由確認書
③選定理由書でゲノミック評価結果及び牛群検
定成績により判断した場合は根拠資料
※書類の提出がない場合、 事業対象の対象になり
ませんのでご注意下さい。
なお性判別精液の授精に関しましては、 熊本県
の事業であるくまもと酪農生産性向上対策支援事
業及び弊会事業である乳用雌牛増産対策事業との
併用は可能です。 (但し種雄牛条件等や申請方法
は異なりますのでご注意下さい。 くまもと酪農生
産性向上対策支援事業及び乳用雌牛増産対策事業
の詳細はMOTHER'S5月号に掲載しております。)
― 10 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
平成27年度 (前期) 牛群審査・体型調査報告
熊本県の審査概況について
一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会 審査委員
平均審査得点は1ポイント上昇
去る6月8日から7月2日までの25日間にわた
り牛群審査並びに体型調査を実施させていただき
審査得点につきましては、 審査月齢や産次、 頭
ました。 前回が平成23年前期であったことから4
数に違いがありますが、 牛群審査では、 前回より
年ぶりの熊本県の審査でありました。 期間中大変
+0.2ポイント、 奨励審査では+0.9ポイント上昇
お世話になりました生産者、 らくのうマザーズの
いたしました。 また、 体型調査においても+0.3
方々はじめ関係機関の皆様方にはこころより感謝
ポイント、 全体では1ポイント上昇したことは生
申し上げます。 ところで、 熊本入りがちょうど梅
産者の飼養管理の改善と乳牛改良の成果が発揮さ
雨入り時期と重なり、 期間中ほとんど毎日が雨に
れたものとお慶び申し上げます。 得点比較は表2
降られましたが、 大きな被害に遭わずに済み帰省
のとおり。
することができました。
更なる生涯生産性向上に向けて
結果的には正味19日間で、 122戸の農家を訪問
し、 牛群審査38戸450頭、 奨励審査14戸31頭、 体
4年ぶりに審査を務めさせていただきましたが、
型調査98戸615頭の1,106頭の審査・調査を実施す
数多くのすばらしい牛と巡り会うことができまし
ることができました。 審査実施概況は表1のとお
た。 今回の高得点牛 (90点以上) 並びに2産とし
り。
ての最高得点である89点を表3、 表4に掲載いた
表1. 平成27年度牛群審査及び審査結果 (前期)
75
76
以下
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
92
以上
91
計
平均
得点
牛群
0
1
2
2
9
22
36
43
32
34
80
70
51
42
20
5
1
0
450
84.6
個体
0
0
0
0
0
0
0
2
0
3
6
6
6
3
1
3
1
0
31
86.4
調査
8
14
33 105 166 129
86
64
15
5
0
0
0
0
0
0
0
0
625
79.5
計
8
15
35 107 175 151 122 109
47
42
86
76
57
45
21
8
2
0 1,106
81.8
得点分布
200
150
100
50
0
∵⩌
ಶయ
― 11 ―
ㄪᰝ
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
しました。 また、 将来
表2. 平成23年度 (前期) との得点比較
性のある若牛のほか、
熊本県乳牛改良同志会
総会において生涯生産
乳量7万㎏以上で表彰
今回審査得点 (頭数)
前回審査得点 (頭数)
牛 群 審 査
84.6点 (450頭)
84.4点 (263頭)
奨 励 審 査
86.4点
85.5点
体 型 調 査
79.5点 (625頭)
79.2点 (676頭)
計
81.8点 (1106頭)
80.8点 (969頭)
されました西村牧場、
スターライト
(30頭)
サブラ
表3. 平成27年度 (前期) エクセレント牛
テリス号並びに高木
名
牧場、 グレナフトン
ルドルフ
(31頭)
ミステイカ
キー
号
マークリー リン ミツキー
生年月日
産次
得点
所有者住所・氏名
21.09.04
4
91
合志市 松島 太一
ル号につきましては、
1オンワード アトラス アンバーリー フタゴ
20.08.23
5
91
合志市 松野 克紀
真に経営に貢献してい
オンワード ブラツクス アトラス
22.09.26
3
90
合志市 松野 克紀
る牛を評価できる機会
KF
22.09.15
3
90
菊池市 芹川 恵介
に恵まれた審査であり
スターブライト LL ゴールド ローヤル ET
22.01.13
3
90
菊池市 金子 紀之
ました。 また、 今回審
マダム カデツト テンダー
20.10.11
4
90
和水町 井上 義朗
査した1,106頭につい
スノーボール ポンチアク ピカソ
21.07.22
4
90
菊池市 松岡 浩幸
て感想を述べたいと思
JIN リヴエレスト ウエイバーン
20.12.01
4
90
合志市 松田
います。
オールージユ カエラ シヤネル
19.11.05
5
90
合志市 新永 文治
ウエストロード J カツト テイラミス
19.08.11
5
90
大津町 西本 隆行
1) 訪問しました酪
オフ ダンバー
農家の牛群は、 体
表4. 2産最高得点
貌・骨格、 乳用強
健性については概
ね問題は無かった
様に思いますが、
仁
名
号
生年月日
産次
得点
所有者住所・氏名
エルムレーン クリスタル アツトウツト ペギー
24.03.04
2
89
合志市 松島 太一
ドリーム テツチエ
23.10.07
2
89
合志市 衛藤 彰一
ラブラブ
腰角と坐骨の位置が水平または高い牛、 尾根
いものが散見されましたことは、 産次を重ね
の低い、 または高い牛が全体で25%散見され
ることにより作業効率の悪化となり、 乳房の
ましたことは、 繁殖性に関連する部位である
損傷を受けやすくなる傾向があり、 特に生涯
ことから、 種雄牛評価成績等の体型形質部位
乳量と乳房の深さの関連性は他の形質との比
を参考に尻の改良に心がけてほしいと思いま
較において相対的に強いことから、 乳房底面
す。
の改良に心がけてほしいと思います。
2) 機能的生産寿命と密接に関係がある体型部
位の中の肢蹄におきましては、 全体の23.1%
終わりに
に飛節の曲飛・直飛、 飛節の寄り、 飛節の腫
最後になりますが、 我が国を取り巻く情勢は、
れ、 繋ぎの弱さ等が散見されました。 肢蹄は、
飼料価格高騰、 光熱動力費等により厳しい酪農情
体型形質における遺伝率が他形質に比べ低い
勢ではありますが、 本年は10年ぶりの全日本ホル
ため、 牛床の改善や削蹄等肢蹄管理に心がけ
スタイン共進会が10月23日から26日までの4日間
ていただきたいと思います。
北海道で開催され、 熊本県からは22頭の出品が予
3) 今回審査しました67%が初産であり、 乳房
定されております。 乳牛のオリンピックとも言え
形質として、 後乳房の高さ、 後乳房の幅、 乳
る晴れの舞台に是非とも最高の状態で出品願い、
頭の形質においては概ね良好でありましたが、
全国に熊本県のすばらしい乳牛を披露していただ
最近の傾向として産次から見た乳房底面の低
きたいと存じます。
― 12 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
輸入粗飼料の情勢
H27.8月号 (H27年7月情勢)
北米からの輸入貨物が減少する時期に入り、 各社とも本船のスペース余剰が多く出てきており、 それに伴い海
上運賃も軟化してきている。 果実などの輸出が始まる秋口までは貨物量が少なく推移するとみられ、 夏場は比
較的安価な海上運賃が継続すると思われる。 しかし、 原油価格そのものは現在徐々に強含みの動きを見せてお
北米コンテナ船
り、 次回価格改定ではBAF (燃料割増料金) やLSS (低硫黄燃料割増料金) が値上がりすることも考えられる。
フレート
一方オークランドでは、 労働協約が妥結・批准されたのにもかかわらず一部が新協約に従わなかったため、 荷
捌きが遅延している状況が続いている。 作業効率も悪く、 当港の状況が改善されるまでにはまだ時間がかかる
との見通しである。
ビートパルプ
【米国産】温暖な気候の下で例年と比べ2週間ほど早い時期に作付が行われたため、 生育期に大きな問題が発
生しなければ収穫もについても2週間程度早まると予想される。 今年は旱魃こそ続いているものの世界的な乳
製品需要は減少しており、 昨年と比べると価格の下降要因が強い状況になっている。
【ワシントン州】今年の1番刈の多くは、 圃場での刈取り後に降雨を受けたり、 降雨のため刈取り適期を逃し
た刈遅れ品となっており、 雨当たりのないプレミアム品は非常に限られている。 価格は、 米国乳価の低迷を受
け軟化が期待されていたが、 上級品が見当たらないため現地相場は混とんとしている。 現在2番刈の刈取りが
進んでおり、 気温の上昇が早く予想以上に早く育ったため、 雨には当たっていないものの成分的にはやや劣る
ものが増えている。 今後も高温で推移すると見られ、 3番刈も2番刈同様に成分が劣るのではないかと懸念さ
れている。
アルファルファ 【アイダホ産】上記同様に収穫期に降雨の影響を受け、 プレミアム品の収穫は殆どない状況である。 価格につ
いては、 良品を探している米国内からの引き合いが強く堅調に推移していくとみられる。
【オレゴン産】刈取り開始後に多少の降雨はあったものの、 それほど被害はなく例年並みの品質が期待できる。
しかし、 ワシントン州の降雨により多くのサプライヤーがプレミアム品を求めて当地域へ買い付けに入ってき
ており、 相場は他産地よりも強含みで推移している。
【カリフォルニア産】南部では通常期より気温が高くなり、 成分が低いものの生産が中心となっており、 価格
も弱含みに推移し始めている。
チモシー
【米国産】主産地コロンビアベースン・エレンズバーグとも収穫期の降雨の影響はなく、 好条件の中で1番刈
の収穫が終わっている。 好天のため馬用良品が多くなると予想されたが、 生育期終盤の降雨等の影響により茶
葉やブリーチが増え、 酪農用の上級∼中級品が増えた。 産地価格は、 昨年より下まわってスタートしている。
【カナダ産】南部レスブリッジでは、 6月末より刈取りが開始され、 天候に問題がなければ7月2週目頃から
ベーリングが開始される見込み。 生産量は旱魃の影響で減少が見込まれており、 価格は強気の姿勢をみせている。
スーダン
15年産作付面積は、 6月15日時点で41,250エーカー (過去5年間で最低水準)。 これを受け、 当初は産地価格
の上昇が懸念されていたが、 輸出先である日本の需要減退をを受け、 昨年に比べて下落している状況。 産地で
は5∼6月に例年にないほどの降雨に見舞われ、 スーダンの倒伏が多発し、 茶葉入りものも多く発生しており、
今後生産される品質が不安視されている。
6月15日時点での作付面積は16,086エーカーと、 概ね例年並みの数字になっている。 産地では1、 2番刈は既
に終了しており、 3番刈が徐々に始まっている状況。 1番刈の品質は、 ウィンドロー中に急速に乾燥したため
クレイングラス
一部にやや茎が堅めが見られるが、 2番刈は例年並みの品質に戻ってきている。 安定的な供給が行われている
ことから、 産地価格は例年並みかやや強含みで推移している。
ストロー類
主産地オレゴン州では、 比較的温暖な気候に恵まれ、 全体的な生育・収穫は例年に比べ1週間程度早い。 雨当
たり品はないものの、 土壌水分が不足していることもあり、 短軸傾向に仕上がっている。 アニュアルライグラ
スは7月上旬から収穫が開始されており、 トールフェスクは7月中旬、 ペレニアルライグラスは7月下旬から
収穫が開始される見込みである。
【豪州全体】現地在庫は全域において低級品はほぼ完売しており、 中国の引き合いが依然として強く、 中∼上
品への需要が高まってきている。 15年産の産地相場は、 上記の中国需要と北米産の新穀の相場を見ながらの展
開となっており、 現状は横ばいで推移している。
【西豪州】15年産播種は5月中旬に開始され、 7月上旬時点では殆どの地域で終了している。 今年は播種前後
に十分な降雨があり、 6月前半は乾燥した天候だったがその後に適度な降雨があり、 土壌水分は今のところ大
きな問題はない。
オーツヘイ
【南豪州】15年産の播種は5月中下旬に開始されており、 西豪州と同様に播種前後には降雨に恵まれ、 播種作
業はほぼ終了している。 西豪州同様、 こちらも6月に入り、 乾燥した気候が続いている。
インドでのレンズマメおよびヒヨコマメの不作を受け、 南豪州ではこれら作物への転作が一部発生しており、
作付面積は昨年並みから10%前後の減少と見られている。
【東豪州】播種作業はほぼ終了し、 東豪州でも6月に入って乾燥状態が続いたが、 6月中旬に適度な降雨があ
り大きな問題はない。 今年はエルニーニョの年といわれており、 これらの年は豪州では一般的に 「東部の降水
量は例年以下になる」 とされており、 前述の降雨はあったものの今後の天候状況が注目されている。
― 13 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
原料情勢
H27.8月号
【14/15年産】作付面積90.6百万 (前月90.6百万) エーカー 単収171.0 (171.0) bu/エーカー 生産量142億
7月10日発表 1,600万 (142億1,600万) bu 総需要量136億9,600万 (135億9,700万) bu 期末在庫17億7,900万 (18億7,600万)
bu 在庫率13.0 (13.8) %
米国農務省
トウモロコシ 【15/16年産】作付面積88.9百万 (前月89.2百万) エーカー 単収166.8 (166.8) bu/エーカー 生産量135億3,000
需給予想
万 (136億3,000万) bu 総需要量137億3,500万 (137億6,000万) bu 期末在庫15億9,900万 (17億7,100万) bu
在庫率11.6 (12.9) %
トウモロコシ
相場動向
6月30日に四半期在庫と作付面積が発表され、 期末在庫・作付面積ともに市場平均予想より少なく、 前月比
減となった。 今年の作付進捗率は例年より早く完了し、 3月のUSDA発表より拡大すると見込まれていたた
め、 一日の変動限度の前日比30-3/4¢/bu高まで急騰し、 需給予想発表前日は427-1/4¢ (7月限) で取引を終
えている。 今後のシカゴ相場は、 今回の需給予想発表は6月1日時点のものであり、 昨今の多雨による悪天
候の影響は加味されていない。 そのため来月以降の発表では下方修正される公算が高い。 下方修正されると
現在の在庫率11.6%から10.0%を割れる可能性も出てきており、 再び価格高騰に警戒する必要がある。
7月10日発表 【15/16年産】前月対比で供給面では期初在庫減少し、 需給面では上方修正された。 発表内容は期末在庫が前
米国農務省
月を下回る内容であったため、 買いが集まり、 前日比5¢3/4高の1,032¢1/2buで取引終えた。 期末在庫4億
大豆需給予想 2,500万 (4億7,500万) bu、 在庫率11.4 (12.7) %
国内産大豆粕相場は、 大豆−菜種対比で搾油採算が良好であることから、 発生量は前年対比約110%で推移し
ているが、 シカゴ相場の天候不順、 洪水懸念を受けた高騰、 為替の円安を受け、 相場は強含みで推移してい
大豆粕相場動向 る。 シカゴ大豆相場は、 前年対比で作付面積が増加するなど豊作への期待が高っていたが、 上記理由の懸念
から強含みの展開となった。 7月以降も降雨が継続するとの予報から収穫面積の減少が指摘されており、 注意
が必要となる。
糟糠類
6月の粉価改定 (小麦粉) で値上げによる前倒し需要が予想より少なかったことから、 フスマの発生量も思っ
たほど伸びず、 7月以降も何とか需給バランスを保っている。 小麦粉は夏場の不需要期を迎え、 フスマの発
生量も減少が見込まれることから、 受け渡しには注意が必要となる。 一方グルテンフィードは、 異性化糖
(清涼飲料水等の甘味料) 需要が低調に推移していることから、 通年発生期を迎える国内産グルテンフィード
も発生量は増加しておらず、 需給が緩むまでは至っていない。 7月以降天候が回復していることから、 国内
発生量増加が期待され、 8月以降に輸入品 (中国産) の入船も見込まれるため相場の軟化が期待される。
海上運賃
鉄鉱石・石炭の引き合いと原油高が相俟って堅調に推移した。 船腹供給過剰は依然として続いているが、 大
型船を中心としてスクラップ作業も急ピッチで進み、 また新造船の供給も先延ばしている。 今後は例年通り
船舶需要の夏枯れを確認後、 米国の新穀輸出までは軟調に推移していくと思われる。
― 14 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
若干名
年齢35歳まで、 経験者優遇、 普通自動車免許資格取得者
熊本県の酪農地帯
搾乳、 飼料給与、 牛舎清掃など
面接時に詳細を説明します。
履歴書を下記住所まで送付して下さい。
追って、 面接日をお知らせします。
〒861-8041 熊本市東区戸島5丁目10番15号
熊本県酪農ヘルパー利用組合
お問い合わせは、
TEL
(担当:児島)
― 22 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
開催日:
月
要予約
開催時間/13:30
所要時間/約30分
料金/ひとり350円 (2名からご参加 )
※9/19∼23は4名1セット1,400円の
みの受付となります。
阿蘇郡西原村河原3944-1
TEL
入場料:おひとり 300円(3歳以上)
営業時間/10:00∼17:00
― 23 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
乳業だより
今年も、 このイベントをらくのうマザーズは応援しています!
7月31日∼8月31日の平日の朝6時46分からの5分間、
RKKラジオの 「奥田圭のさんさんラジオ」 内で“くまモン体操”の
ラジオ体操が放送中です。
(毎朝、 らくのうマザーズのCMが流れます)
そして、 毎週金曜日は“お出かけ生中継” 「出張くまモン体操」。
お近くで行われる際はぜひ中継場所へお子様・お孫さんとかけつけて
くまモンといっしょに体操をしませんか!
※番組内では毎日キーワードが発表され、
22文字のキーワードを書いて応募する
と抽選ですてきなくまモングッズがあ
たります!
朝はちょっぴり眠いけど、 毎日体操し
てくまモングッズをゲットしよう!
このカードは熊本県下のすべての小学生に配布されています。
― 25 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
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【夏季限定販売】
☆スポーツドリンク ( L L 清涼飲料水 250ml)
☆ソルティーグレープフルーツ
(清涼飲料水 500ml)
☆グレフルウォーター (清涼飲料水 1000ml)
塩分と水分を手軽に補給できる、 すっきりさわやかなグレープフルーツ味のフレ−バーウォー
ターです。カロリーオフだから、 カロリーが気になる方も安心してお飲み頂けます。 (100ml当
たり16kcal∼18kcal)
疲労回復に良いとされるBCAA (必須アミノ酸のバリン、 ロイシン、イソロイシン) を含有
しています。
― 26 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
プロフィール
熊本県の北部内陸部に位置し、 火山灰性腐植土に
覆われた広大な農地が広がり、 農業が基幹産業であ
る合志市の松野牧場。
松野牧場の歴史は、 昭和58年、 現在の場所に40頭
繋ぎの牛舎を建設し、 乳牛を飼養したことから始ま
る。 昭和60年、 父・克紀さんが就農とともに祖父か
ら経営を引き継ぎ、 平成15年に牛舎を60頭繋ぎへ増
築した。 平成23年、 佑哉さんが就農する。 現在の飼
養頭数は経産牛67頭、 育成牛50頭の計117頭、 自給
飼料の作付面積はトウモロコシ12ha、 エン麦2ha、
イタリアン3haである。 トウモロコシは経産牛向け、
エン麦とイタリアンは育成牛向けとして作っている。
佑哉さんは大好きな野球を続けようと高校は普通
科を選択。 野球漬けの毎日を送っていたとのこと。
牧場を継ぐ意志はなかったが、 農業関係の仕事に就
きたかったため、 東海大学農学部に進学。 あすかさ
んとの結婚を機に大学を退学し、 後継者になること
を決意した。 「酪農に携わるようになると、 作業が
楽しく、 どんどん酪農の魅力に惹かれ、 父の姿を見
ながら、 また、 周囲の仲間のアドバイスを聞きなが
ら技術を習得していきました。」 と佑哉さん。 「私達
からは特に酪農を継いでほしいとは言ってきません
でした。 酪農を継ぐと聞いたときは嬉しかったです
ね。」 と母・智子さん。
作業分担は、 佑哉さんが搾乳・エサ作り・畑管理・
共進会、 克紀さんが搾乳・育成牛管理・畑管理、 智
子さんが搾乳・哺乳を担当する。 あすかさんは育児
に専念、 子育てが終われば少しずつ手伝っていくと
のこと。 取材日には実習生が作業を手伝っていた。
牛がとにかく健康でいてほしい。 健康であれば
自ずと乳量も上がり、 質の良い乳を出せる という
思いから、 日頃から牛をよく観察することを欠かさ
ない。 ここ2、 3年で個体乳量が2∼3㎏伸びてい
るため、 それを維持し、 さらに乳量を上げること、
購入飼料の高騰が続いているため、 質の良い自給飼
料を増やすことが当面の目標である。 また、 周辺地
区の宅地化が進んでいることを考慮し、 将来的な牧
場移転についても検討している。
共進会も酪農を営む楽しみの一つ。 今年は全日本
ホルスタイン共進会が開催される。 佑哉さんにとって
は就農して初めての全共。 「全共に出品したい気持
ちはあります。 県共にベストな状態で出品し、 優秀
な成績を収め、 代表に選ばれたいですね。」 と佑哉
さん。 第34回熊本県乳牛共進会の開催が迫っている。
莉暖 (りのん) ちゃん (4才)、 瑠莉奈 (るりな)
ちゃん (2才)、 怜莉 (れいり) ちゃん (7ヶ月)
の3人の子どもにも恵まれ、 牧場は賑やかで明るい。
実習生は 「とにかく牛が大好きです。 非農家出身で
すが、 酪農をしたい。」 と意欲的に実習に励んでお
り、 仲良く楽しく酪農を営む松野家であった。
― 27 ―