(57)【要約】 本発明は、ワクチン抗原に対する免疫応答を増進するため

JP 2005-528373 A 2005.9.22
(57)【 要 約 】
本発明は、ワクチン抗原に対する免疫応答を増進するため、免疫プロトコルにおいて、F
lt3リガンド(Flt3−L)を用いる方法に関する。態様には、被験者をワクチンで
免疫する前にFlt3リガンドを投与することが含まれ、ここでワクチンは、1以上のア
ジュバント中に配合された、少なくとも1つの抗原を含んでなる。Flt3リガンド免疫
プロトコルを用いて、疾患および感染を治療し、そして防止する方法もまた提供する。抗
原およびアジュバントのin vivo評価にFlt3リガンド免疫プロトコルを用いる
方法もまた提供する。
(2)
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者を免疫する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項2】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項1の方法。
10
【請求項3】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項1の方法。
【請求項4】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1の方法。
20
【請求項5】
アジュバントが、ADJUMER
T M
(ポリホスファゼン);リン酸アルミニウムゲル;
藻類グルカン類;アルガミュリン(algammulin);水酸化アルミニウムゲル(
ミョウバン);高タンパク質吸着性(adsorbency)水酸化アルミニウムゲル;
低粘性水酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアレン(5%)、Tween8
0(0.2%)、Pluronic L121(1.25%)、リン酸緩衝生理食塩水p
H7.4のエマルジョン);AVRIDINE
05
T M
T M
(プロパンジアミン);BAY R10
((N−(2−デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピラノシル)
−N−オクタデシルドデカノイルアミド・ヒドロアセテート);CALCITRIOL
(1α,25−ジヒドロキシビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAP
T M
T M
(リン酸
30
カルシウムナノ粒子);コレラ・ホロトキシン、コレラ毒素A1−プロテインA−D断片
融合タンパク質、コレラ毒素Bサブユニット;CRL1005(ブロック・コポリマーP
1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウ
ムブロミド);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミリストイル
・ホスファチジルコリン);DMPG(ジミリストイル・ホスファチジルグリセロール)
;DOC/ミョウバン複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロイントの完全アジ
ュバント;フロイントの不完全アジュバント;ガンマ・イヌリン;Gerbuアジュバン
ト(以下の混合物:i)N−アセチルグルコサミニル−(Pl−4)−N−アセチルムラ
ミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ii)ジメチルジオクタデシルアン
モニウムクロリド(DDA)、iii)亜鉛L−プロリン塩複合体(ZnPro−8))
40
;GM−CSF;GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);Imiquimod(1−(2−メチ
プロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン);ImmTher
T M
(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−
L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV類(脱水−再水和小胞から調製した
免疫リポソーム);インターフェロン−γ;インターロイキン−1β;インターロイキン
−2;インターロイキン−7;インターロイキン−12;ISCOMS
体);ISCOPREP 7.0.3.
T M
T M
(免疫刺激複合
;リポソーム;LOXORIBINE
アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント
T M
T M
(7−
(大腸菌(E. coli)
不安定内毒素プロトキシン);組成物いずれかの微小球体および微小粒子;MF59
T M
;
50
(3)
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(スクアレン・水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51
ロイントアジュバント);MONTANIDE ISA 720
ント);MPL
T M
T M
T M
(精製不完全フ
(代謝可能油アジュバ
(3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリル脂質A);MTP−PE
およびMTP−PEリポソーム((N−アセチル−L−アラニル−D−イソグルタミニル
−L−アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシ−
ホスホリルオキシ))エチルアミド、一ナトリウム塩);MURAMETIDE
T M
c−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH3);MURAPALMITINE
びD−MURAPALMITINE
T M
(Na
T M
およ
(Nac−Mur−L−Thr−D−イソGln−
sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼ−ガラクトースオキ
シダーゼ);組成物いずれかのナノ球体またはナノ粒子;NISV類(非イオン性界面活
性剤小胞);PLEURAN
T M
10
(β−グルカン);PLGA、PGAおよびPLA(乳酸
およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー;ミクロ粒子/ナノ粒子);PLU
RONIC L121
T M
;PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODDS
T M
(オロ
テイノイド(oroteinoid)微小球体);ポリエチレンカルバメート誘導体;ポ
リrA:ポリrU(ポリアデニル酸−ポリウリジル酸複合体);ポリソルベート80(T
ween80);渦巻き型タンパク質(Protein Cochleates)(Av
anti Polar Lipids, Inc.、アラバマ州アラバスター);STI
MULON
T M
(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);S−28463
(4−アミノ−オテック,−ジメチル−2−エトキシメチル−lH−イミダゾ[4,5−
c]キノリン−1−エタノール);SAF−1
T M
(Syntexアジュバント配合物);
20
センダイ・プロテオリポソームおよびセンダイ含有脂質マトリックス;Span−85(
トリオレイン酸ソルビタン);Specol(Marcol 52、Span 85およ
びTween 85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(登録商標)(2
,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサンおよび2,6,10,15,
19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22テトラコサヘキサエン);
ステアリルチロシン(オクタデシルチロシンヒドロクロリド);Theramide(登
録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソ
Glu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);スレオニル−MDP(Term
urtide
T M
または[thr1]−MDP;N−アセチルムラミル−L−スレオニル−
D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子);Walter
30
Reedリポソームからなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項6】
抗原が癌抗原である、請求項1の方法。
【請求項7】
癌抗原が、黒色腫−メラニン細胞分化抗原(MART−1/Melan A;gp10
0/pmel−17;チロシナーゼ;チロシナーゼ関連タンパク質−1;チロシナーゼ関
連タンパク質−2;メラニン細胞刺激ホルモン受容体);癌−精巣抗原(MAGE−1;
MAGE−2;MAGE−3;MAGE−12;BAGE;CAGE、NYESO−1)
;突然変異抗原(β−カテニン;MUM−1;CDK−4;カスパーゼ−8;KIA 0
205;HLA−A2−R1701);および癌で過剰発現される、非突然変異共有抗原
40
(α−フェトプロテイン;テロメラーゼ触媒タンパク質;G−250;MUC−1;癌胎
児抗原;p53;Her−2/neu)、非突然変異タンパク質(gp100;MAGE
−1;MAGE−3;チロシナーゼ;NY−ESO−1)に由来するエピトープ、および
突然変異タンパク質(トリオースリン酸イソメラーゼ;CDC−27;LDLR−FUT
)に由来するエピトープからなる群より選択される、請求項6の方法。
【請求項8】
抗原がウイルス抗原である、請求項1の方法。
【請求項9】
ウイルス抗原が、レトロウイルス科(例えばヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1
(HTLV−III、LAVまたはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIと
50
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も称される;および他の単離体、例えばHIV−LP)); ピコルナウイルス科(例え
ばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス
、ライノウイルス、エコーウイルス);カリチウイルス科(Calciviridae)
(例えば胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイ
ルス);フラビウイルス科(例えばデング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス)
;コロナウイルス科(例えばコロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば水疱性口内炎
ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス(例えばエボラウイルス);パラミクソウ
イルス科(例えばパラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、麻疹ウイルス、
呼吸器合胞体ウイルス);オルトミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);
ブニヤウイルス科(例えばハンタンウイルス、ブンガウイルス(bunga virus
10
)、フレボウイルスおよびナイロウイルス(Nairo virus));アレナウイル
ス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルスおよび
ロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボ
ウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウ
イルス);アデノウイルス科(大部分のアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘ
ルペスウイルス(HSV)1および2、水痘・帯状ヘルペスウイルス、サイトメガロウイ
ルス(CMV)、ヘルペスウイルス類);ポックスウイルス科(天然痘ウイルス、ワクシ
ニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えばアフリカ・ブタ熱
ウイルス);非A非B肝炎のウイルス病原体;ノーウォークウイルスおよび関連ウイルス
、並びにアストロウイルス(astrovirus))からなる群より選択される、請求
20
項8の方法。
【請求項10】
抗原が細菌抗原である、請求項1の方法。
【請求項11】
細菌抗原が、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)
、ライム病ボレリア(Borelia burgdorferi)、レジオネラ・ニュー
モフィリア(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム
属(Mycobacteria)種(例えばヒト型結核菌(M. tuberculos
is)、鳥型結核菌(M. avium)、M.イントラセルラレ(M. intrac
ellulare)、M.カンサシ(M. kansaii)、M.ゴルドネ(M. g
30
ordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseri
a meningitidis)、単球症リステリア(Listeria monocy
togenes)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(
A群連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、連鎖球菌属(Streptococcus)
(ビリダンス群)、糞便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、
ウシ連鎖球菌(Streptococcus bovis)、連鎖球菌属(嫌気性種)、
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロ
バクター属(Campylobacter)種、腸球菌属(Enterococcus)
40
種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(B
acillus antracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium
diphtheriae)、コリネバクテリウム種、ブタ丹毒菌(Erysipelo
thrix rhusiopathiae)、ウエルシュ菌(Clostridium perfringers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エン
テロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎
桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pa
sturella multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides
)種、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleat
um)、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus m
50
(5)
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oniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidiu
m)、トレポネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトス
ピラ属(Leptospira)、およびイスラエル放線菌(Actinomyces israelli)からなる群より選択される、請求項10の方法。
【請求項12】
抗原が感染性単細胞生物由来である、請求項1の方法。
【請求項13】
抗原が、住血吸虫類;トリパノソーマ類;リーシュマニア属(Leishmania)
種;フィラリア性線形動物;トリコモナス症;肉胞子虫症;無鉤条虫(Taenia s
aginata)、有鉤条虫(Taenia solium)、クリプトコッカス・ネオ
10
フォルマンス(Cryptococcus neoformans)、煙色コウジ菌(A
spergillus fumigatus)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Hi
stoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Cocc
idiodes immitis)、旋毛虫症、皮膚ブラストミセス(Blastomy
ces dermatitidis)、トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、熱
帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原
虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium
malariae)、およびトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondi
i)からなる群より選択される、請求項12の方法。
20
【請求項14】
癌を有する被験者において癌を治療する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)癌抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項15】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項14の方法。
【請求項16】
30
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項14の方法。
【請求項17】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14の方法。
【請求項18】
40
被験者において、ウイルス感染を防止し、そして/または治療する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)ウイルス抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項19】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項18の方法。
【請求項20】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
50
(6)
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与に続いて投与する、請求項18の方法。
【請求項21】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項18の方法。
【請求項22】
被験者において、細菌感染を防止し、そして/または治療する方法であって:
10
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)細菌抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項23】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項22の方法。
【請求項24】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項22の方法。
20
【請求項25】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項22の方法。
【請求項26】
被験者において、抗原に対する免疫応答を増進する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
30
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項27】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項26の方法。
【請求項28】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項26の方法。
【請求項29】
40
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項26の方法。
【請求項30】
被験者において、抗原に対する抗原特異的細胞傷害性T細胞免疫応答を増進する方法で
あって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
50
(7)
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(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項31】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項30の方法。
【請求項32】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項30の方法。
【請求項33】
10
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項31の方法。
【請求項34】
被験者において、抗原に対する抗原特異的Tヘルパー免疫応答を増進する方法であって
:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
20
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項35】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項34の方法。
【請求項36】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項34の方法。
【請求項37】
30
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項34の方法。
【請求項38】
被験者において、抗原に対する免疫応答を評価する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;
40
(c)抗原を被験者に投与し、ここで、抗原は、場合によってアジュバントとともに配
合可能である;そして
(d)抗原に対する被験者の免疫応答を評価する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項39】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項38の方法。
【請求項40】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項38の方法。
50
(8)
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【請求項41】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項38の方法。
【請求項42】
1以上のアレルギーを有する被験者において、アレルギーを治療する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
10
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)アレルギーワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法。
【請求項43】
Flt3リガンドを、アレルギーワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして
/またはワクチン投与に続いて投与する、請求項42の方法。
【請求項44】
補助分子を、アレルギーワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/または
ワクチン投与に続いて投与する、請求項42の方法。
【請求項45】
20
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項42の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
30
本出願は、これによって、米国仮出願第60/427,835号、2002年11月1
9日出願、および米国仮出願第60/368,263号、2002年3月26日出願の優
先権を請求し、これらの出願の開示は本明細書に依存され、そして援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、抗原に対する免疫応答を増進するため、免疫プロトコルにおいて、Flt3
リガンドを用いる方法に関する。態様には、抗原およびアジュバントを含んでなるワクチ
ンで被験者を免疫する前に、Flt3リガンドを投与することが含まれる。Flt3リガ
ンド免疫プロトコルを用いて、疾患および感染を治療し、そして防止する方法を提供する
。抗原およびアジュバントのin vivo評価にFlt3リガンド免疫プロトコルを用
40
いる方法もまた提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ワクチン接種の目的は、適切なレベルの抗原特異的抗体、および抗原との再度の接触に
際して迅速に拡大可能なエフェクター細胞の初回抗原刺激を受けた(primed)集団
を確立することによって、有効な免疫を提供することである。ワクチン接種は、感染性疾
患による死亡または能力障害を防止する効率的な手段であり、そして多くのワクチンがヒ
トへの投与に関して承認を得ており、これらには、特定のアデノウイルス、麻疹ウイルス
、おたふく風邪ウイルスおよび風疹ウイルス、およびポリオウイルスの生ウイルスワクチ
50
(9)
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ン、ジフテリアおよび破傷風トキソイドワクチン、並びにヘモフィルス属(Haemop
hilus)bおよび髄膜炎菌多糖ワクチンが含まれる(Hinmanら, Princ
iples and Practice of Infectious Disease
s, 第3版中;G.L. Mandell, R.G. DouglasおよびJ.E
. Bennett監修, Churchill Livingstone Inc.,
ニューヨーク州ニューヨーク;2320−2333;表2)。ワクチン接種が、感染性
疾患を治療し、そして防止するのに成功したことから、腫瘍性疾患を治療するかまたは防
止する際のワクチン利用に関して興味が高まっている。当該技術分野において、腫瘍が腫
瘍特異的抗原を発現しうることが発見されたため、腫瘍抗原由来のMHCクラスI制限ペ
プチドを利用する免疫戦略が発展してきた。しかし、臨床試験は限定された成功しか収め
10
ておらず、そして免疫戦略が最適ではなかったことは明らかである。
【0004】
免疫プロトコルでしばしば困難なのは、ワクチン抗原が、強い免疫応答を促進するのに
十分な免疫原性を所持せず、そしてしたがって同一抗原による続く攻撃に対して十分なレ
ベルの防御を促進しないことである。さらに、特定の抗原は、弱い細胞仲介応答または抗
体応答しか誘発しない可能性がある。特定の疾患に応じて、強い細胞仲介応答および/ま
たは体液性免疫応答が望ましい可能性がある。研究者は、ワクチンの免疫原性を増加させ
るため、多様な化合物を用いて、何十年も実験を行ってきた。アジュバントは、免疫応答
を増進するか、増大させるか、または増強する物質であり、そしていくつかの場合では、
1種類の免疫応答を別のものより促進するのに使用可能である。さらに、特定の新規組換
20
え抗原の比較的弱い免疫原性は、より強力であるためにアジュバントを必要としてきた。
ワクチンアジュバントは、定量的および定性的両方で免疫応答に影響を及ぼす、異なる作
用様式を有する。こうした作用様式には、T細胞を可動化し、デポとして作用し、そして
リンパ球が流入領域リンパ節(draining lymph node)に位置しつづ
けるように、リンパ球循環を改変することが含まれる。これらはまた、抗原を免疫部位に
集中させ、それによって抗原特異的T細胞およびB細胞が、抗原提示細胞と、より効率的
に相互作用するのを可能にするようにも働きうる。これらはまた、T細胞の増殖および分
化を刺激し、そして異なるIgアイソタイプの産生を増進させるなど、B細胞に対する影
響を有する可能性もある。アジュバントはまた、抗原提示細胞、特に樹状細胞およびマク
ロファージのふるまいを刺激して、そしてこれらに影響を及ぼし、これらがT細胞および
30
B細胞に抗原を提示するのをより有効にしうる。不運なことに、ヒトでの使用には、アジ
ュバントはほとんど認可されておらず、そしてFDA認可を受けたアジュバントは、免疫
増強効果が比較的低い。
【0005】
抗原搬送およびワクチン学における進歩にもかかわらず、癌および感染性疾患のための
効率的なワクチン療法を発展させるには、いまだに多くの難問がある。本明細書に記載す
る態様は、これらの必要性に取り組む。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
40
発明の概要
本発明の態様は、Flt3リガンド免疫プロトコルおよび該プロトコルを用いる方法に
関する。
【0007】
1つの態様において、Flt3リガンド免疫プロトコルは、被験者を免疫する方法であ
って:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなり、そしてここでFlt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投
50
(10)
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与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そしてここで補助分子を、ワ
クチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し
、そしてここで補助分子は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12
、15、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−
アルファおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、T
NFファミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD4
0結合タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパ
ク質、CpG配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記方法に関
する。
【0008】
10
さらなる態様は、被験者において、ワクチン抗原に対する免疫応答を増進する方法に関
する。
他の態様は、被験者において、抗原特異的エフェクター細胞の数を増加させる方法に関
する。
【0009】
さらなる態様は、被験者において、抗原特異的CD8+細胞傷害性T細胞および/また
はCD4+ Tヘルパー細胞の数を増進する方法に関する。
さらなる態様は、Flt3リガンド免疫プロトコルを用いて、癌を防止し、そして/ま
たは治療することに関する。
【0010】
20
他の側面において、態様は、Flt3リガンド免疫プロトコルを用いて、ウイルス感染
を防止し、そして/または治療することに関する。
さらなる態様は、Flt3リガンド免疫プロトコルを用いて、細菌感染を防止し、そし
て/または治療することに関する。
【0011】
さらなる態様は、Flt3リガンド免疫プロトコルを用いて、単細胞生物による感染を
防止し、そして/または治療することに関する。
さらに他の態様において、Flt3リガンド免疫プロトコルを用いて、動物モデルまた
は試験被験者において、ワクチンの有効性、抗原の免疫原性を試験するか、または曝露モ
デルにおいて、抗原および/またはワクチンに対する防御免疫応答を評価することが可能
30
である。
【0012】
さらなる態様は、アレルゲン特異的免疫療法と組み合わせてFlt3リガンドを投与す
ることを含んでなる、アレルギー患者の治療に関する。
発明の詳細な説明
本発明の態様は、Flt3リガンドのユニークな特性を利用して、免疫プロトコルにお
いてFlt3リガンドを用いる方法を含む。以下により詳細に定義する、Flt3リガン
ド免疫プロトコルは、少なくとも部分的に、Flt3リガンドを被験者に投与し、そして
被験者をワクチンで免疫することを含んでなる。Flt3リガンド免疫プロトコルの態様
は、驚くべき、そして前例のない、ワクチン接種に対する免疫応答の増大および延長を示
40
した。この増進した免疫応答は、抗原特異的であり、そして少なくとも部分的に、限定さ
れるわけではないが、CD8+細胞傷害性T細胞およびCD4+ヘルパーT細胞などの抗
原特異的エフェクター細胞数の増加に特徴付けられる。したがって、本発明の1つの態様
は、in vivoで抗原提示細胞を増加させ、そして/または可動化するために、有効
量のFlt3リガンドを使用し、そして抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンで
被験者を免疫することを提供する。
【0013】
他の側面において、本発明の態様は、造血前駆細胞および幹細胞から多数の中間細胞種
を生成するための、Flt3リガンドのin vivo使用に関する。Flt3リガンド
(本明細書および当該技術分野において、Flt3−LまたはFLとも称される)は、造
50
(11)
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血幹細胞および前駆細胞に影響を及ぼすことが知られる。Flt3リガンドは、下流細胞
+
または中間細胞、例えばCD34 骨髄前駆細胞および幹細胞由来の骨髄性前駆細胞、単
球性細胞、マクロファージ、B細胞および樹状細胞の生成を強力に刺激することが示され
てきている。これらの中間細胞種は、多数では、in vivoで天然に見出されず、そ
してFlt3リガンドを投与することによって生成可能である。さらに、Flt3リガン
ドは、in vivoで、例えば被験者の末梢血あるいは他の組織または臓器、例えば脾
臓、肝臓、肺およびリンパ節において、樹状細胞を増加させるかまたは可動化することが
示されてきている。被験者の樹状細胞量を増加させることによって、こうした細胞は、そ
れ自体、T細胞およびB細胞などのエフェクター細胞に抗原を提示するのに使用可能であ
る。全細胞数中のこうした増進は、宿主において、抗原に対する免疫応答を増大させるこ
10
とが可能である。したがって、Flt3リガンドを用いて、被験者のリンパ球が仲介する
(例えばT細胞およびB細胞が仲介する)か、または骨髄性細胞が仲介する、抗原に対す
る免疫応答をブーストすることが可能であり、それによって被験者のT細胞へのより効果
的な抗原提示を可能にする。全体の応答は、より強くそして改善された免疫応答であり、
そして抗原に対するより有効な免疫である。
【0014】
したがって、樹状細胞、マクロファージ、単球、B細胞等の、被験者の抗原提示細胞(
APC)の量および特性を調節し、そしてこれらのAPCを、アジュバントの背景で提示
される抗原(すなわちワクチン)に曝露することによって、驚くほど堅固な抗原特異的免
疫応答が生成される。
20
【0015】
Flt3リガンド免疫プロトコルは、疾患、障害または感染の防止および/または治療
のため、被験者にFlt3リガンド、ワクチン、場合によって1以上の補助分子とともに
、他の付随する分子および/または配合物(例えば希釈剤、キャリアー、賦形剤等)を投
与することを指す。上述のFlt3リガンド、ワクチンおよび他の構成要素は、いかなる
投薬量、順序、頻度および時間的な並べ方でも投与可能である。当業者は、これらのパラ
メーターを変化させて治療を最適化することが、当該技術分野で日常的に行われることを
認識するであろう。したがって、本出願の目的のため、投薬量、順序、頻度および時間的
な並べ方のこうした順列および組み合わせはすべて、本明細書に記載する方法に含まれる
。さらなる態様はまた、「初回抗原刺激および追加免疫(prime and boos
30
t)」技術などの免疫措置において、Flt3リガンドを用いることも含み、ここで、抗
原を発現する生ウイルスベクターまたは抗原をコードするDNAに基づくワクチン(裸ま
たはプラスミド)いずれかで被験者を免疫し、そして続いて、1以上のアジュバント中に
配合した1以上の抗原で追加免疫する。Flt3リガンドは、初回抗原刺激および追加免
疫措置の前、または措置中、または措置後のいかなるときにも投与可能である。
【0016】
本明細書に提示する研究によって、免疫前にマウスをFlt3リガンドで処置した際に
生じる、抗原特異的CD8+ T細胞の劇的な拡大が立証される。例えば、抗原特異的C
D8+ T細胞は、不完全フロイントアジュバント(IFA)中に配合した抗原で免疫す
る前にFlt3リガンドを投与されたマウスにおいて、Flt3リガンドを投与されない
40
マウスより、およそ34倍高く、そしてPBS中に配合した抗原しか投与されなかったマ
ウスより、114倍高かった。免疫5日後、抗原特異的CTLは、流入領域リンパ節中の
6
すべての細胞の25∼40%を構成するまでに拡大し、これは約2.5∼9x10 細胞
に等しかった。pGM−CSFおよび/またはCD40−Lなどの補助分子をさらに添加
すると、CD8+ T細胞拡大がさらに増大し、そして延長された。
【0017】
Flt3リガンド前処置、およびデポ様効果を有するものなどのアジュバント中に配合
した抗原での免疫を組み合わせると、抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)生成に劇的
な効果があった。とりわけ、Flt3リガンド免疫プロトコルによって拡大したCD8+
T細胞は、標準的CTLアッセイによって測定した際、機能する、抗原特異的エフェク
50
(12)
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ター細胞であった。
【0018】
際立ったことに、免疫前にFlt3リガンドを投与された群、および場合によって補助
分子を投与された群は、非常に増大した免疫応答を有し、流入領域リンパ節から直接単離
したT細胞集団でCTL活性が測定され、すなわち、抗原特異的CTL活性を明らかにす
るためにin vitroで再刺激する必要はなかった。これらの結果によって、Flt
3リガンドで前処置され、そして続いてワクチン接種されたマウスで生成される抗原特異
的CD8+ CTL免疫応答は、ウイルス感染に対する急性応答において生成されるもの
と同程度に強力であったことが立証される。
【0019】
10
さらに、免疫前にFlt3リガンドを投与された被験者は、標準的増殖アッセイおよび
IFNγ検出アッセイによって測定した際、生物学的に機能性である、抗原特異的CD4
+ Tヘルパー細胞を有意により高いレベルで有した。
【0020】
別の一連の研究において、Flt3リガンド前処置を受けた群は、ワクチン配合物中で
使用したアジュバント、すなわち不完全フロイントアジュバント(IFA)、水酸化アル
ミニウム(ミョウバン)またはQuil−Aサポニン(Quil−A)、に関わらず、一
貫してより高い免疫応答を有した。これらの知見によって、Flt3リガンド免疫プロト
コルが、多様なアジュバント中に配合した抗原に対する免疫応答を増進し、そしてFlt
3リガンド免疫プロトコルが、抗原/アジュバント単独での免疫よりも免疫応答を増進す
20
ることが立証される。さらに、Flt3リガンド前処置を受け、そしてミョウバンまたは
Quil−A中に配合した抗原をワクチン接種されたマウスは、時間に渡って、より高い
割合のCD4+トランスジェニックT細胞を維持し、これによって、Flt3リガンド免
疫プロトコルが、増大した免疫応答を延長させることが立証される。総合すると、これら
の結果によって、Flt3リガンド免疫プロトコルが、標準的ワクチン接種技術よりも、
抗原特異的エフェクター細胞応答の度合いおよび期間両方を増加させることが立証される
。
【0021】
さらなる研究によって、Flt3リガンドでの前処置、すなわちワクチン投与前のFl
t3リガンドの投与は、免疫プロトコルのある範囲に渡って有効であったことが示される
30
。とりわけ、Flt3−L免疫プロトコルは、ペプチド抗原およびタンパク質抗原どちら
に対しても、CD8+ CTLエフェクター細胞応答を生成するのに有効であった。他の
研究において、免疫後にIL−15などの補助分子を投与すると、マウスをFlt3リガ
ンドで前処置した際の、抗原特異的CD8+ CTL拡大および機能がさらに増大された
。免疫直後にIL−15または抗4−1BBなどの補助分子で処置すると、メモリーT細
胞プールのサイズが増大することがさらに示されている。
【0022】
別の態様において、Flt3リガンド免疫プロトコル、並びに疾患および/または感染
を治療し、そして/または防止する関連方法は、デポ様特性および炎症誘発特性を所持す
るアジュバント、例えばエマルジョンまたはゲルに基づくアジュバントであって、限定さ
40
れるわけではないが、不完全フロイントアジュバント(IFA)を含む、前記アジュバン
トを有するワクチンを含んでなる。デポ様特性を有するアジュバントの1つの利点は、こ
うしたアジュバントがなければ、体から迅速に一掃されるであろう小さい抗原の場合に、
非常に有効であることである。理論に縛られることなく、抗原を最初のデポに局在化させ
、そして抗原を流入領域リンパ節に散在させる傾向があるアジュバントは、流入領域リン
パ節において、抗原および樹状細胞の相互作用を増進し、そして続いてT細胞を活性化す
るため、有効である可能性がある。さらに、常在樹状細胞は、免疫部位で、または免疫部
位近傍で、抗原を内在化し、そして流入領域リンパ節に移動して、そしてT細胞が豊富な
領域に抗原を提示するか、またはエキソソームによって、抗原をリンパ節中の他の樹状細
胞に分散させ、これが続いてエキソソームを内在化し、そしてT細胞に抗原を提示する可
50
(13)
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能性がある。
【0023】
本明細書記載の方法を用いて、疾患、障害または感染性疾患を治療しそして/また防止
する、さらなる利点には、少なくとも部分的に、免疫原性が弱い抗原、例えば非常に精製
された抗原または組換え抗原などの免疫原性の増進;用いる抗原量の潜在的な減少;より
頻度の低い追加免疫;有効性の改善;細胞仲介免疫および/または体液性免疫の優先的な
刺激;および免疫応答の潜在的な標的化、例えば粘膜免疫のためのパイアー斑の精選細胞
の標的化が含まれる。
【0024】
用語「被験者」は、本明細書において、哺乳動物を指す。例えば、本発明に意図される
10
哺乳動物には、ヒト;霊長類;イヌ、ネコなどのすべての種類のペット;ヒツジ、ウシ、
ヤギ、ブタ、ウマ等の家畜動物;マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどの一般的な実
験動物;それとともに、動物園におけるような捕獲された動物または自由な野生動物が含
まれる。本明細書全体を通じて、用語、宿主は、被験者と交換可能に用いられる。
【0025】
抗原提示細胞またはAPCは、本明細書において、細胞表面上で、MHC分子と会合し
た、タンパク質抗原のペプチド断片を提示する細胞である。APCのあるものは、抗原特
異的T細胞を活性化することが可能である。APCの例には、限定されるわけではないが
、樹状細胞、マクロファージ、単球、B細胞等が含まれる。
【0026】
20
エフェクター細胞は、本明細書において、サイトカインおよび/またはケモカインを分
泌し、微生物を殺し、感染細胞または癌性細胞を認識し、そして場合によって殺し、それ
とともに抗体を分泌するなど、免疫応答中のエフェクター機能を行う細胞である。例には
、限定されるわけではないが、T細胞(細胞傷害性、ヘルパー、腫瘍浸潤)、B細胞、N
K細胞、好中球、マクロファージおよび樹状細胞が含まれる。
【0027】
本明細書において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに単
数形を指示しない限り、複数の対象を含む。したがって、例えば、「免疫(an imm
unization)」への言及には、複数のこうした免疫が含まれ、そして「細胞(t
he cell)」への言及には、1以上の細胞および当業者に知られるその同等物への
30
言及が含まれるなどである。本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、明ら
かに異なって示されない限り、本発明が属する当該技術分野の一般的な当業者に、一般的
に理解されるのと同一の意味を有する。
【0028】
本発明は、記載する特定の方法論、プロトコル、細胞株、動物種または属、構築物、お
よび試薬には限定されないと理解されるものとし、これは、こうしたものが多様でありう
るためである。また、本明細書において用いる専門用語は、特定の態様を記載する目的の
みのものであり、そして本発明の範囲を限定することは意図されず、本発明の範囲は、付
随する請求項によってのみ限定されるであろう。
【0029】
40
Flt3リガンド
本明細書において、用語Flt3リガンドは、本明細書に援用される米国特許第5,5
54,512号および米国特許第6,291,661号に記載されるポリペプチド類を指
す。本明細書に記載する方法で使用可能なFlt3リガンドの型には、限定されるわけで
はないが、ネズミおよびヒトFlt3リガンドが含まれる。ヒトFlt3リガンドcDN
Aは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、米国メリーランド州ロックビル
(ATCC)に、1993年8月6日に寄託され、そして寄託番号ATCC 69382
を割り当てられ、そしてマウスFlt3リガンドcDNAは、同じ日に寄託され、そして
寄託番号ATCC 69286を割り当てられた。寄託はブダペスト条約の条件下で行わ
れた。Flt3リガンドは、Immunex Corporation、ワシントン州シ
50
(14)
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アトルから商業的に入手可能である。Flt3リガンドは、上に引用する文書に記載され
る方法にしたがって作成可能である。限定されるわけではないが、ポリエチレングリコー
ルなどの1以上の水可溶性ポリマーを添加することによって、Flt3リガンドを修飾し
て、生物学的利用能および/または薬物動態学的半減期を増加させることが可能である。
別の態様において、本明細書に記載する免疫プロトコルにおいて、Flt3リガンドの生
物学的効果を模倣するFlt3結合タンパク質が使用可能である。例えば、WO95/2
7062は、Flt3に対するアゴニスト性抗体、Flt3リガンドの受容体を記載し、
これらから、多様なFlt3結合タンパク質が調製可能である。
【0030】
Flt3リガンドの特に好ましい型は、Flt3リガンドの生物学的に活性な可溶性型
10
であり、そして特に、細胞外ドメイン、または細胞外ドメインの1以上の断片を含んでな
る型である。Flt3リガンドの可溶性型は、発現される細胞から分泌されることが可能
なポリペプチドである。こうした型では、ポリペプチドが発現される細胞から完全に分泌
されるように、ポリペプチドの細胞内ドメインおよび膜貫通ドメインの一部またはすべて
が欠失している。本発明のポリペプチドの細胞内ドメインおよび膜貫通ドメインは、配列
情報からこうしたドメインを決定するための既知の技術にしたがって、同定可能である。
可溶性Flt3リガンドにはまた、細胞から分泌されることが可能であるとの条件で膜貫
通領域の一部を含み、そして好ましくはFlt3受容体に結合する能力を保持し、そして
その生物学的効果を達成するポリペプチドも含まれる。可溶性Flt3リガンドには、少
なくとも1つのFlt3リガンドポリペプチドの細胞外部分を含んでなるオリゴマーまた
20
は融合ポリペプチド、およびFlt3リガンドポリペプチド活性を有するこれらのポリペ
プチドいずれかの断片が、さらに含まれる。
【0031】
ヒトFlt3リガンドは、配列番号1のアミノ酸28∼Xaaからなる群より選択され
るアミノ酸配列を含んでなることが可能であり、ここでXaaはアミノ酸160∼235
である。別の態様は、配列番号1のアミノ酸27∼Xaaからなる群より選択されるアミ
ノ酸配列を含んでなり、ここでXaaはアミノ酸160∼235である。ネズミFlt3
リガンドは、配列番号2のアミノ酸28∼Yaaからなる群より選択されるアミノ酸配列
を含んでなることが可能であり、ここでYaaはアミノ酸163∼231である。可溶性
ヒトFlt3リガンドの態様には:配列番号1の残基27∼160(包括的)、配列番号
30
1の残基28∼160(包括的)、配列番号1の残基27∼179(包括的)、配列番号
1の残基27∼182(包括的)、配列番号1の残基28∼182(包括的)、配列番号
1の残基27∼235(包括的)および配列番号1の残基28∼235(包括的)のアミ
ノ酸配列が含まれる。可溶性ネズミFlt3リガンドの態様には:配列番号2の残基28
∼163(包括的)のアミノ酸配列、配列番号2の残基28∼188(包括的)のアミノ
酸配列および配列番号2の残基28∼231(包括的)のアミノ酸配列が含まれる。
【0032】
もちろん、本明細書記載の方法では、実質的に類似であり、そして匹敵する生物学的活
性を保持するFlt3リガンド変異体が使用可能である。用語「実質的に類似」は、好ま
しくは天然アミノ酸配列に少なくとも80%同一であり、最も好ましくは少なくとも90
40
%同一である変異体アミノ酸配列を意味する。2つのアミノ酸または2つの核酸配列の同
一性パーセントは、視覚的検査および数学的計算によって決定可能であるし、またはより
好ましくは、コンピュータプログラムを用いて配列情報を比較することによって、比較を
行う。典型的な好ましいコンピュータプログラムは、遺伝学コンピュータグループ(GC
G;ウィスコンシン州マディソン)ウィスコンシンパッケージ、バージョン10.0プロ
グラム、「GAP」(Devereuxら, 1984, Nucl. Acids R
es. 12:387)である。「GAP」プログラムの好ましいデフォルトパラメータ
には:(1)ヌクレオチドに関する単一(unary)比較マトリックス(同一に対し1
および非同一に対し0の値を含む)、並びにSchwartzおよびDayhoff監修
,Atlas of Polypeptide Sequence and Struc
50
(15)
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ture, National Biomedical Research Found
ation, pp.353−358, 1979に記載されるような、Gribsko
vおよびBurgess, Nucl. Acids Res. 14:6745, 1
986の加重アミノ酸比較マトリックス;または他の匹敵する比較マトリックスのGCG
実行;(2)アミノ酸配列の各ギャップに対する30のペナルティおよび各ギャップ中の
各記号に対しさらに1のペナルティ、またはヌクレオチド配列の各ギャップに対する50
のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対しさらに3のペナルティ;(3)末端ギャ
ップに対するペナルティなし;および(4)長いギャップに対する最大ペナルティなし、
が含まれる。配列比較の当業者に使用される他のプログラム、例えばNational Library of Medicineウェブサイトwww.ncbi.nlm.ni
10
h.gov/gorf/wblast2.cgiを介しての使用に利用可能なBLAST
Nプログラム、バージョン2.0.9、またはUW−BLAST 2.0アルゴリズムな
どもまた、使用可能である。UW−BLAST 2.0の標準的デフォルトパラメータ設
定は、以下のインターネットサイト:sapiens.wustl.edu/blast
/blast/#Featuresに記載される。さらに、該BLASTアルゴリズムは
、BLOSUM62アミノ酸スコア化マトリックスを用い、そして使用可能な、場合によ
るパラメーターは、以下のとおりである:(A)組成上の複雑さが低いクエリー配列のセ
グメント(WoottonおよびFederhen(Computers and Ch
emistry, 1993)のSEGプログラムによって決定されるようなもの;また
、WoottonおよびFederhen, 1996, Analysis of c
20
ompositionally biased region in sequence
database, Methods Enzymol. 266:554−71も参
照されたい)、または短い周期の内部反復からなるセグメント(Claverieおよび
States(Computers and Chemistry, 1993)のXN
Uプログラムによって決定されるようなもの)をマスクするフィルターの包含、および(
B)データベース配列に対するマッチを報告する、統計的有意性の閾値、またはEスコア
(KarlinおよびAltschul(1990)の確率論モデルによって、マッチが
単なる偶然によって見出されると予期される確率;マッチに割り当てられた統計的有意性
がこのEスコア閾値より高ければ、該マッチは報告されないであろう);好ましいEスコ
ア閾値は0.5であり、または優先性を増加させるため、0.25、0.1、0.05、
30
0.01、0.001、0.0001、1e−5、1e−10、1e−15、1e−20
、1e−25、1e−30、1e−40、1e−50、1e−75、または1e−100
である。
【0033】
Flt3リガンド変異体は、保存的置換配列、すなわち、規定のアミノ酸残基が、類似
の物理化学的特性を有する残基で交換されるものを含んでなることが可能である。保存的
置換の例には、1つの脂肪族残基の別のものでの置換、すなわちIle、Val、Leu
、またはAlaの互いの置換、あるいは1つの極性残基の別のものでの置換、例えばLy
sおよびArg間;GluおよびAsp間;またはGluおよびAsn間の置換が含まれ
る。他のこうした保存的置換、例えば類似の疎水性特性を有する全領域の置換が周知であ
40
る。天然存在変異体もまた、本発明に含まれる。こうした変異体の例は、選択的mRNA
スプライシング事象から生じるか、または天然タンパク質のタンパク質分解切断から生じ
る、天然生物学的特性が保持されているタンパク質である。
【0034】
当業者は、既知の技術を用いて、Flt3リガンドペプチドまたはFlt3リガンドD
NA配列中のさらなる修飾を行うことが可能である。ポリペプチド配列中の目的の修飾に
は、選択したアミノ酸の改変、置換、交換、挿入または欠失が含まれることが可能である
。例えば、1以上のシステイン残基を欠失させるかまたは別のアミノ酸と交換して、分子
のコンホメーションを改変することが可能であり、この改変は、フォールディングまたは
再生に際して、正しくない分子内ジスルフィド架橋の形成を防ぐことを伴いうる。こうし
50
(16)
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た改変、置換、交換、挿入または欠失のための技術は、当業者に周知である(例えば米国
特許第4,518,584号を参照されたい)。別の例として、Flt3リガンド細胞外
ドメインのN−グリコシル化部位を修飾して、グリコシル化を妨げてもよく、これによっ
て哺乳動物および酵母発現系における炭水化物減少類似体(analog)の発現が可能
になる。真核ポリペプチドのN−グリコシル化部位はアミノ酸トリプレットAsn−X−
Yにより特徴付けられ、ここでXはPro以外のいかなるアミノ酸でもよく、そしてYは
SerまたはThrである。これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列に対す
る適切な置換、付加または欠失の結果、Asn側鎖での炭水化物残基の付着が防止される
であろう。例えば、Asnが異なるアミノ酸によって交換されるように選択される、単一
のヌクレオチドの改変は、N−グリコシル化部位を不活性化するのに十分である。あるい
10
は、SerまたはThrを別のアミノ酸、例えばAlaと交換可能である。ポリペプチド
のN−グリコシル化部位を不活性化するための既知の方法には、米国特許第5,071,
972号およびEP 276,846に記載されるものが含まれる。本発明の範囲内のさ
らなる変異体には、グリコシル基、脂質、リン酸基、アセチル基等の他の化学部分と共有
コンジュゲートまたは凝集コンジュゲートを形成することによって修飾され、誘導体を生
成しうるポリペプチドが含まれる。共有誘導体は、アミノ酸側鎖上の官能基に、あるいは
ポリペプチドのN末端またはC末端に、化学部分を連結することによって、調製可能であ
る。好ましくは、こうした改変、置換、交換、挿入または欠失は、Flt3リガンドの生
物学的活性を減少させない。1つの例は、天然型と本質的に同一の結合親和性で結合する
変異体である。結合親和性は、例えば米国特許第5,512,457号に記載されるよう
20
に、そして本明細書に示すように、慣用法によって測定可能である。
【0035】
さらなるFlt3リガンド誘導体には、N末端またはC末端融合体としての組換え培養
における合成によるなどの、他のポリペプチドまたはポリペプチドと該ポリペプチドの共
有または凝集コンジュゲートが含まれる。融合ポリペプチドの例を、オリゴマーと関連し
て以下に論じる。さらに、融合ポリペプチドは、精製および同定を容易にするため付加す
るペプチドを含んでなることが可能である。こうしたペプチドには、例えば、ポリ−Hi
sまたは米国特許第5,011,912号およびHoppら, Bio/Technol
ogy 6:1204, 1988に記載される抗原性同定ペプチドが含まれる。こうし
たペプチドの1つはFLAG(登録商標)ペプチドであり、該ペプチドは抗原性が高く、
30
そして特異的なモノクローナル抗体が可逆的に結合するエピトープを提供し、発現した組
換えポリペプチドの迅速なアッセイおよび容易な精製を可能にする。4E11と称される
ネズミハイブリドーマは、米国特許第5,011,912号に記載されるように、特定の
二価金属陽イオンの存在下でFLAG(登録商標)ペプチドに結合するモノクローナル抗
体を産生する。4E11ハイブリドーマ細胞株は、寄託番号第HB9259号でアメリカ
ン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託されている。FLAG(登録商標)ペプチ
ドに結合するモノクローナル抗体は、Eastman Kodak Co., Scie
ntific Imaging Systems Division、コネティカット州
ニューヘブンより入手可能である。
【0036】
40
本明細書記載の方法で使用可能なFlt3リガンドのさらなる態様には、Flt3リガ
ンド、Flt3リガンドの1以上の断片、または本明細書に開示するとともに、上に列挙
する米国特許に開示される、Flt3リガンドの誘導体または変異体型のいずれかを含有
するオリゴマーまたは融合ポリペプチドが含まれる。特定の態様において、オリゴマーは
可溶性Flt3リガンドポリペプチドを含んでなる。オリゴマーは、二量体、三量体、ま
たはより高次のオリゴマーを含む、共有結合または非共有結合多量体型であることが可能
である。別の態様において、Flt3リガンドオリゴマーは、ポリペプチドに融合してい
るペプチドであって、オリゴマー化を促進する特性を有する前記ペプチド部分間の共有ま
たは非共有相互作用を介して連結されている、多数のFlt3リガンドポリペプチドを含
んでなる。以下により詳細に記載するように、付着するポリペプチドのオリゴマー化を促
50
(17)
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進することが可能なペプチドの中に、ロイシンジッパーおよび抗体由来の特定のポリペプ
チドがある。
【0037】
免疫グロブリンに基づくオリゴマー。可溶性Flt3リガンドおよびその断片を、免
疫グロブリンのFc部分に、直接、またはリンカー配列を通じて、融合させることが可能
である。Flt3リガンドを二価型にするため、こうした融合は、IgG分子のFc部分
に対しての融合であることが可能である。他の免疫グロブリンアイソタイプもまた用いて
、こうした融合体を生成することが可能である。例えば、ポリペプチド−IgM融合は、
本発明のポリペプチドの十価型を生成するであろう。本明細書において、用語「Fcポリ
ペプチド」には、抗体のFc領域のCHドメインのいずれかまたはすべてを含んでなるF
10
c領域で構成される、ポリペプチドの天然型および突然変異タンパク質(mutein)
型が含まれる。二量体化を促進するヒンジ領域を含有する、こうしたポリペプチドの一部
切除(truncated)型もまた含まれる。好ましいFcポリペプチドは、ヒトIg
G1抗体由来のFcポリペプチドを含んでなる。1つの代替物として、免疫グロブリン由
来のポリペプチドを用いて、オリゴマーを調製する。抗体由来ポリペプチドの多様な部分
(Fcドメインを含む)に融合している特定の異種ポリペプチドを含んでなる融合ポリペ
プチドの調製は、例えば、Ashkenaziら(PNAS USA 88:10535
, 1991);Byrnら(Nature, 344:677, 1990);並びに
HollenbaughおよびAruffo(“Construction of Im
munoglobulin Fusion Polypeptides”, Curre
20
nt Protocols in Immunology中, Suppl.4, 10
.19.1−10.19.11ページ, 1992)に記載されている。免疫グロブリン
に基づくオリゴマーの調製法および使用法は、当該技術分野に周知である。Flt3リガ
ンドの1つの態様は、Flt3リガンドを抗体由来のFcポリペプチドに融合することに
よって生成される2つの融合ポリペプチドを含んでなる二量体に関する。Flt3リガン
ド/Fc融合ポリペプチドをコードする遺伝子融合体を適切な発現ベクターに挿入する。
組換え発現ベクターで形質転換した宿主細胞でFlt3リガンド/Fc融合ポリペプチド
を発現し、そして抗体分子によく似た形で集合させ、その結果、Fc部分間に鎖間ジスル
フィド結合が形成され、二価分子を生じるのを可能にする。PCT出願WO 93/10
151に記載される1つの適切なFcポリペプチドは、ヒトIgG1抗体のFc領域のN
30
末端ヒンジ領域から天然C末端に渡る一本鎖ポリペプチドである。別の有用なFcポリペ
プチドは、米国特許第5,457,035号およびBaumら(EMBO J. 13:
3992−4001, 1994)に記載されるFc突然変異タンパク質である。この突
然変異タンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸19がLeuからAlaに変化し、アミノ
酸20がLeuからGluに変化し、そしてアミノ酸22がGlyからAlaに変化して
いることを除けば、WO 93/10151に示される天然Fc配列のものと同一である
。該突然変異タンパク質は、Fc受容体に対し、減少した親和性を示す。Fc部分を含ん
でなる上述の融合ポリペプチド(およびそれから形成されるオリゴマー)は、ポリペプチ
ドAまたはポリペプチドGカラム上のアフィニティークロマトグラフィーによる容易な精
製という利点を提供する。他の態様において、本発明のポリペプチドを、抗体重鎖または
40
軽鎖の可変部に対して置換することが可能である。融合ポリペプチドが抗体の重鎖および
軽鎖両方で作成されている場合、4つものFlt3リガンド細胞外領域を持つオリゴマー
を形成することが可能である。
【0038】
ペプチドリンカーに基づくオリゴマー。あるいは、オリゴマーは、ペプチドリンカー
(スペーサーペプチド)を含み、または含まず、多数のFlt3リガンドを含んでなる融
合ポリペプチドである。適切なペプチドリンカーの中には、米国特許第4,751,18
0号および第4,935,233号に記載されるものがある。適切な慣用的技術いずれか
を用いて、所望のペプチドリンカーをコードするDNA配列を、本発明のDNA配列間に
、そして該配列と同じ読み枠で挿入することが可能である。例えば、リンカーをコードす
50
(18)
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る、化学的に合成したオリゴヌクレオチドを、配列間に連結することが可能である。特定
の態様において、融合ポリペプチドは、ペプチドリンカーによって分離された、2∼4の
可溶性Flt3リガンドポリペプチドを含んでなる。適切なペプチドリンカー、他のポリ
ペプチドとの組み合わせ、およびその使用は、当業者に周知である。
【0039】
ロイシンジッパー。Flt3リガンドのオリゴマーを調製するための別の方法は、ロ
イシンジッパーの使用を伴う。ロイシンジッパードメインは、該ドメインが見られるポリ
ペプチドのオリゴマー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、元々、いくつ
かのDNA結合ポリペプチドで同定され(Landschulzら, Science 240:1759, 1988)、そして以来、多様な異なるポリペプチドで見出されて
10
きている。既知のロイシンジッパードメインの中には、二量体化または三量体化する天然
存在ペプチドおよび誘導体がある。ジッパードメイン(本明細書において、オリゴマー化
ドメインまたはオリゴマー形成ドメインとも称する)は、しばしば、他のアミノ酸が組み
入れられた4または5のロイシン残基を持つ、7アミノ酸反復を含んでなる。ロイシンジ
ッパーの使用およびロイシンジッパーを用いたオリゴマーの調製は、当該技術分野に周知
である。
【0040】
Flt3リガンドは、全能造血幹細胞および前駆細胞の増殖とともに、リンパ系および
骨髄系経路の細胞系譜数に影響を及ぼす。広い範囲のコロニー刺激因子、インターロイキ
ンおよび可溶性トロンボポエチンとともに、拘束された前駆細胞および原始的前駆細胞の
20
増殖およびコロニー形成を促進する相乗効果が立証されている。マウスにFlt3リガン
ドをin vivo投与すると、造血前駆細胞の有意な拡大が生じる。特に、Flt3リ
ガンドは、骨髄(5倍)および脾臓(100倍)で前駆細胞数に有意な増加を引き起こす
とともに、これらの組織における未成熟B細胞数を増加させる。処置後、末梢血において
、造血前駆細胞数の200∼500倍の増加が報告されている。Flt3リガンドは、単
独で、そして他のサイトカイン(IL−3、IL−6またはIL−7)と組み合わせて、
最も原始的な胸腺前駆細胞からのT細胞発展を優先的に刺激することが示されてきている
。さらに、in vitro研究によって、Flt3リガンドが、胎児肝臓、骨髄または
胸腺ナチュラルキラー(NK)細胞前駆体の拡大を誘導するとともに、前駆細胞からのC
D56+ NK細胞の生成を同時刺激する(IL−15のみと、またはIL−6/IL−
30
7/IL−15の組み合わせと)ことが示されている。Flt3リガンドはまた、NK細
胞活性、NK細胞増殖応答、およびリンパ球活性化キラー(LAK)細胞の生成を増加さ
せることも示されてきており、これによって、抗癌療法および抗ウイルス療法におけるF
lt3リガンドの潜在的な役割が示唆される。Flt3リガンドの概説には、“Flt3
−ligand and Its Influence on Immune Reac
tivity” Cytokine, vol.12, no.2, pp 97−10
0(2000)を参照されたい。
【0041】
Flt3リガンドの投与(in vivoおよびin vitro両方)によって、造
血幹細胞および前駆細胞の標的化された拡大が引き起こされ、多数の組織部位で、樹状細
40
胞(DC)の全身の拡大が生じる。樹状細胞は、別個の形態および広い組織分布を持つ異
種性細胞集団を含んでなる。樹状細胞系および免疫におけるその役割は、Steinma
n, R.M., Annu. Rev. Immunol., 9:271−296(
1991)に概説されており、そして該文献は本明細書に援用される。樹状細胞は、MH
C制限T細胞を感作するのに高い能力を有し、そしてT細胞発展および寛容中の自己抗原
、並びに免疫中の外来(foreign)抗原両方の抗原を、in situでT細胞に
提示するのに非常に有効である。
【0042】
本明細書において、樹状細胞またはDCは、リンパ組織または非リンパ組織に見られる
、形態学的に類似の細胞種の多様な集団のメンバーいずれかを指す。DCは、一種の「プ
50
(19)
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ロフェッショナル」抗原提示細胞であり、そしてMHC制限T細胞を感作する高い能力を
有する。細胞系譜および成熟段階に応じて、DCは、機能、または表現型、特に細胞表面
表現型によって、認識可能である。これらの細胞は、独特の形態、食作用能/エンドサイ
トーシス能、高レベルの表面MHCクラスII発現、およびT細胞、特に未刺激T細胞に
抗原を提示する能力によって特徴付けられる(Banchereauら, Annu. Rev. Immunol., 18:767−811, 2000およびUSPN 6
,274,378、前記文献は、こうした細胞の説明に関して、本明細書に援用される)
。例示目的のみのため、本明細書に記載するDCは、ベール様の突起、および細胞表面マ
+
+
+
+
ーカーCD1a 、CD4 、CD86 、またはHLA−DR の発現によって特徴付け可
+
能である。成熟DCは、典型的にはCD11c であり、一方、DCの前駆体には、表現
-
10
-
型CD11c 、IL−3Rα低を有するもの;およびCD11c IL−3Rα高であ
るものが含まれる。in vivoで、マウスにおいて、GM−CSFで処置すると、C
D11b高、CD11c高 DCが優先的に拡大され、一方、Flt3リガンドは、ヒト
+
-
において、CD11c IL−3Rα低 DCおよびCD11c IL−3Rα高 D
C前駆細胞を拡大することが示されている。機能的には、抗原提示の決定に関する、いか
なる好適なアッセイによって、樹状細胞を同定することも可能である。こうしたアッセイ
には、試験抗原の提示によって、初回抗原刺激されたT細胞または未刺激T細胞を刺激す
る能力を試験し、その後、T細胞増殖、IL−2の放出などを決定することが含まれる可
能性がある。
【0043】
20
ワクチン
ワクチンは、本明細書において、1以上のアジュバント、希釈剤、キャリアー等と配合
され、組み合わされ、混合され、これらに取り込まれ、そして/またはこれらとマトリッ
クス化された1以上の抗原を含んでなり、適切な経路いずれかによって被験者に投与され
て、該抗原に対する防御免疫応答および/または改善免疫応答を誘導する。ワクチンは、
疾患の防止用であることが可能であり、そして感染または疾患開始前に投与することが可
能である。あるいは、ワクチンは、被験者が疾患または感染と診断された後に、療法目的
で被験者に何回投与することも可能である。抗原を1以上のハプテンと複合体化すること
が可能である。ワクチンは、天然、誘導体化、合成、組換えまたは非組換え抗原を含んで
なることが可能である。さらに、ワクチンには、1以上の抗原をコードするポリヌクレオ
30
チド配列を含有する生ウイルスベクターが含まれる。生ウイルスベクターの例には、レト
ロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイル
ス、セムリキ森林ウイルスおよびシンビス(sinbis)ウイルスが含まれる。さらに
、ワクチンは、1以上の抗原をコードするポリヌクレオチド配列とともに、必要なプロモ
ーター、エンハンサーおよび他の必要な制御要素を含有するポリヌクレオチドワクチン(
一般的に、DNAワクチンと称される)などの非ウイルスベクターを含んでなることが可
能である。ポリヌクレオチドワクチンは、裸のポリヌクレオチドおよび/またはリポソー
ムに取り込まれたポリヌクレオチドおよび/または粒子仲介遺伝子輸送であることが可能
である。ポリヌクレオチドワクチンの搬送を容易にするのに使用可能な他の剤には、ポリ
ペプチド、ペプチド、多糖コンジュゲート、脂質等が含まれる。ポリヌクレオチドは、D
40
NAおよび/またはRNAであることが可能である。生ウイルスベクターおよびポリヌク
レオチドワクチンを、当該技術分野に周知のキャリアーまたは希釈剤と配合することが可
能である。
【0044】
以下は、いずれかの組み合わせで用いて、1以上のワクチンを形成可能である、アジュ
バントおよび抗原の態様であり、ワクチンは続いて、本明細書に記載するFlt3リガン
ド免疫プロトコルおよび治療法/防止法のあらゆる態様において使用可能である。
【0045】
A.Flt3リガンド免疫プロトコルで使用するアジュバントの態様
用語、アジュバントは、本出願の目的のため、ワクチンに取り込まれた際に、抗原に対
50
(20)
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する宿主の免疫応答を加速し、延長し、増進し、増大させ、そして/または増強するよう
に一般的に作用する、抗原とは異なる物質いずれかを指す。宿主の免疫応答には、抗原特
異的体液性免疫応答および細胞仲介免疫応答が含まれる。宿主の免疫応答にはまた、必ず
しも抗原特異的でないが、NK細胞、好中球、抗原提示細胞等の数の増加および/または
活性化など、抗原に対する防御免疫応答および/または改善免疫応答に関与する、免疫応
答も含まれる。アジュバントを記載するのに用いられる、当該技術分野のさらなる用語に
は、免疫調節剤、免疫増強剤および免疫増進剤が含まれる。本明細書において、アジュバ
ントには、用語、免疫調節剤、免疫増強剤および免疫増進剤に含まれるこうした組成物す
べてが含まれる。Flt3リガンド自体、免疫応答を増強する際の、そして特に癌に対す
る防御免疫応答を増強する際の役割がよく立証されているため、アジュバントとみなされ
10
ることが理解される。しかし、明確にし、そして混乱を避けるため、Flt3リガンドは
、本明細書において、アジュバントとは呼ばれないであろう。
【0046】
アジュバントは、1以上の機構によって、その生物学的影響を発揮すると考えられ、こ
の機構には、抗原の表面領域を増加させ;体における抗原の保持を延長し、こうしてリン
パ系が抗原にアクセスする時間を与え;抗原の放出を遅らせ;抗原をマクロファージに標
的化し;抗原取り込みを増加させ;抗原プロセシングを上方制御し;サイトカイン放出を
刺激し;B細胞スイッチングおよび成熟を刺激し、そして/または免疫抑制細胞を取り除
き;マクロファージ、樹状細胞、B細胞およびT細胞を活性化し;または別の方式で免疫
系の細胞の非特異的活性化を誘発することが含まれる(例えばWarrenら, 198
20
6 Annu Rev Immunol 4:369を参照されたい)。一般的に言って
、アジュバントは、非常に異質の化合物群を含んでなるが、当業者は、従来、油エマルジ
ョン(例えばフロイントのアジュバント)、ミネラル化合物(例えばミョウバン)、細菌
産物(例えば百日咳菌(Bordetella pertussis))、リポソームお
よび免疫刺激複合体(ISCOM)などの、いくつかの広いカテゴリーを認識してきた。
【0047】
Flt3リガンド免疫プロトコルで使用可能な、それとともに、治療法および/または
防止法で使用可能な、1以上のワクチンを作成するのに使用しうるアジュバントの例には
、限定されるわけではないが:ADJUMER
T M
(ポリホスファゼン);リン酸アルミニ
ウムゲル;藻類グルカン類;アルガミュリン(algammulin);水酸化アルミニ
30
ウムゲル(ミョウバン);高タンパク質吸着性(adsorbency)水酸化アルミニ
ウムゲル;低粘性水酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアレン(5%)、T
ween80(0.2%)、Pluronic L121(1.25%)、リン酸緩衝生
理食塩水pH7.4のエマルジョン);AVRIDINE
Y R1005
T M
T M
(プロパンジアミン);BA
((N−(2−デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピ
ラノシル)−N−オクタデシルドデカノイルアミド・ヒドロアセテート);CALCIT
RIOL
T M
T M
(1α,25−ジヒドロキシビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAP
(リン酸カルシウムナノ粒子);コレラ・ホロトキシン、コレラ毒素A1−プロテイン
A−D断片融合タンパク質、コレラ毒素Bサブユニット;CRL1005(ブロック・コ
ポリマーP1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(ジメチルジオクタデシル
40
アンモニウムブロミド);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミ
リストイル・ホスファチジルコリン);DMPG(ジミリストイル・ホスファチジルグリ
セロール);DOC/ミョウバン複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロイント
の完全アジュバント;フロイントの不完全アジュバント;ガンマ・イヌリン;Gerbu
アジュバント(以下の混合物:i)N−アセチルグルコサミニル−(Pl−4)−N−ア
セチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ii)ジメチルジオクタ
デシルアンモニウムクロリド(DDA)、iii)亜鉛L−プロリン塩複合体(ZnPr
o−8));GM−CSF;GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N
−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);Imiquimod(1−
(2−メチプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン);Imm
50
(21)
Ther
T M
JP 2005-528373 A 2005.9.22
(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イ
ソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV類(脱水−再水和小胞か
ら調製した免疫リポソーム);インターフェロン−γ;インターロイキン−1β;インタ
ーロイキン−2;インターロイキン−7;インターロイキン−12;ISCOMS
疫刺激複合体);ISCOPREP 7.0.3.
E
T M
T M
T M
(免
;リポソーム;LOXORIBIN
(7−アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント
T M
(大腸菌(E. coli)不安定内毒素プロトキシン);組成物いずれかの微小球体および微小粒子;M
F59
T M
;(スクアレン・水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51
製不完全フロイントアジュバント);MONTANIDE ISA 720
油アジュバント);MPL
T M
T M
T M
(精
(代謝可能
(3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリル脂質A);M
10
TP−PEおよびMTP−PEリポソーム((N−アセチル−L−アラニル−D−イソグ
ルタミニル−L−アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒ
ドロキシ−ホスホリルオキシ))エチルアミド、一ナトリウム塩);MURAMETID
E
T M
NE
(Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH3);MURAPALMITI
T M
およびD−MURAPALMITINE
T M
(Nac−Mur−L−Thr−D−イ
ソGln−sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼ−ガラク
トースオキシダーゼ);組成物いずれかのナノ球体またはナノ粒子;NISV類(非イオ
ン性界面活性剤小胞);PLEURAN
T M
(β−グルカン);PLGA、PGAおよびP
LA(乳酸およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー;ミクロ粒子/ナノ粒子
);PLURONIC L121
S
T M
T M
;PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODD
20
(オロテイノイド(oroteinoid)微小球体);ポリエチレンカルバメート
誘導体;ポリrA:ポリrU(ポリアデニル酸−ポリウリジル酸複合体);ポリソルベー
ト80(Tween 80);渦巻き型タンパク質(Protein Chochlea
tes)(Avanti Polar Lipids, Inc.、アラバマ州アラバス
ター);STIMULON
T M
(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);
S−28463(4−アミノ−オテック,−ジメチル−2−エトキシメチル−lH−イミ
ダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール);SAF−1
T M
(Syntexアジュバ
ント配合物);センダイ・プロテオリポソームおよびセンダイ含有脂質マトリックス;S
pan−85(トリオレイン酸ソルビタン);Specol(Marcol 52、Sp
an 85およびTween 85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(
30
登録商標)(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサンおよび2,6
,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22テトラコサ
ヘキサエン);ステアリルチロシン(オクタデシルチロシンヒドロクロリド);Ther
amide(登録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−A
la−D−イソGlu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);スレオニル−M
DP(Termurtide
T M
または[thr1]−MDP;N−アセチルムラミル−L
−スレオニル−D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子)
;Walter Reedリポソーム(水酸化アルミニウムに吸着させた脂質Aを含有す
るリポソーム)等が含まれる。
【0048】
40
1つの態様において、デポ様特性を有し、抗原をリンパ節に散在させるアジュバントを
ワクチン配合物中で用いて、これをその後、Flt3リガンド免疫プロトコル、並びに疾
患および/または感染を治療し、そして/または防止する関連方法において、用いる。さ
らに別の態様において、不完全フロイントアジュバントをワクチン配合物に用いて、そし
てFlt3リガンド免疫プロトコル、並びに疾患および/または感染を治療し、そして/
または防止する関連方法において、用いる。
【0049】
さらなる態様において、被験者のTヘルパー細胞を活性化してIL−2を分泌させる分
子、例えば1以上のMHC−IIエピトープを有する分子が、ワクチン配合物中に含まれ
ることが可能である。特にCD8+ CTL応答を増進するTヘルパー活性化分子は、ワ
50
(22)
JP 2005-528373 A 2005.9.22
クチン配合物のさらなる抗原として、Flt3リガンド免疫プロトコル中に含まれること
が可能である。例えばキーホールリンペット(keyhole limpet)ヘモシア
ニン(KLH)、または当該技術分野に知られる、他の適切なTヘルパー抗原とともに、
同種異系細胞などの全細胞が、ワクチン配合物中に含まれることが可能である。
【0050】
B.Flt3リガンド免疫プロトコル中で用いる抗原の態様
抗原は、本明細書において、抗体またはT細胞受容体に結合可能な分子いずれかを含ん
でなる。必要な場合、抗原をハプテンにカップリングして、これらを免疫原性にすること
が可能である。抗原は、本明細書において、免疫原を含み、免疫原は、被験者において、
免疫応答を誘導する抗原である。
10
【0051】
抗原は、アレルゲン、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫および他の感染性病原体由来の産
物であることが可能であり;自己免疫疾患を促進する分子、または腫瘍抗原、腫瘍、並び
に腫瘍性臓器および組織もまた、含まれる。より具体的には、抗原の例は、全不活性化生
物および細胞、生存弱毒化生物、全細胞(自己、同種異系および/または同系であること
が可能な生細胞または死細胞)、細胞断片、細胞成分分画、細胞膜等を含んでなる。タン
パク質、サブユニットタンパク質、多量体サブユニットタンパク質、ポリペプチド、ペプ
チド、合成ペプチド等の形とともに、炭水化物およびグリコシル化タンパク質の形である
ことが可能な、上述のカテゴリー由来の免疫原性部分またはエピトープが含まれると理解
される。抗原はまた、一般の当業者に周知の組換えDNA技術によっても産生可能である
20
。以下に記載するように、当該技術分野に知られるものから、1以上の種の癌または感染
細胞に特異的な抗原が選択可能である。また、抗原は、腫瘍抗原、あるいは細菌抗原また
はウイルス抗原などの、被験者に既に存在するものであることが可能である。イムノアッ
セイによって、または免疫応答を生じる能力によって決定されるように、上述の抗原は、
その抗原性または免疫原性に関して選択可能である。用語「免疫原性」は、抗原が免疫応
答を誘導する相対的な有効性を意味する。
【0052】
多様な態様に使用可能な抗原の典型的なものには、限定されるわけではないが、以下の
表1に記載するものが含まれる。潜在的に有用な抗原、またはその誘導体は、病原体の感
染性の中和における該抗原の関与(こうした病原体による感染を治療するかまたは防止す
30
ることが望ましい場合)(Norrby, 1985, Summary, Vacci
nes 85中, Lemerら(監修), Cold Spring Harbor Laboratory, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, pp.388
−389)、種または群特異性、被験者の抗血清または免疫細胞による認識、および/ま
たは抗原に特異的な抗血清または免疫細胞の防御効果の立証など、多様な規準で同定可能
である。
【0053】
別の態様において、本明細書に提示するFlt3リガンド免疫プロトコルは、癌の治療
または防止に使用可能である。ワクチンは、アジュバント、キャリアーおよび/または希
釈剤と配合した1以上の腫瘍抗原を含んでなることが可能である。腫瘍抗原(癌抗原とも
40
称される)は、単離されていることが可能である、すなわち部分的に精製された、細胞に
結合したまたは融合タンパク質のある型であることが可能である。癌抗原は、正常分化抗
原;イントロン配列;別のオープンリーディングフレーム;単一塩基突然変異;および、
発現の異常な転写後調節、染色体再配置またはプロセシングを有するタンパク質に由来す
ることが可能である。多数の腫瘍抗原が当該技術分野に周知であり、そしてFlt3リガ
ンド免疫プロトコルで使用可能であって、こうしたものには、Rosenberg, S
.A., Nature, vol.411, pp.380−384, 17 May
2001およびMinev, B.ら, Pharmacol. Ther., Vo
l.81, No.2, pp.121−139, 1999に記載されるものなどがあ
る。特定の態様において、ワクチンに使用される癌細胞および前腫瘍性細胞は、哺乳動物
50
(23)
JP 2005-528373 A 2005.9.22
起源のものであり、そして別の態様において、ヒト癌細胞を抗原の供給源として使用可能
である。癌細胞とともにその抗原または細胞成分分画いずれかは、自己または同種異系で
あることが可能である。異常に増殖する組織、循環白血病細胞、転移性病変とともに固形
腫瘍組織に見られる癌細胞が使用可能である。さらに、前腫瘍性病変、癌組織または癌細
胞由来の細胞株もまた、細胞または細胞株が、標的癌細胞上の抗原と共通の、少なくとも
1以上の抗原決定基を有するならば、使用可能である。
【0054】
当該技術分野に知られる方法いずれかによって、癌細胞および前腫瘍性細胞が同定可能
である。例えば、形態、酵素アッセイ、増殖アッセイ、細胞遺伝学的性質決定、DNAマ
ッピング、DNA配列決定、癌を引き起こすウイルスの存在、あるいは、突然変異誘発物
10
質または癌を引き起こす剤への曝露歴、画像化などによって、癌細胞を同定可能である。
癌細胞はまた、手術、内視鏡、または他の生検技術によって獲得可能である。癌細胞はま
た、限定されるわけではないが、アフィニティークロマトグラフィーおよび蛍光活性化細
胞分取などの、当該技術分野に知られる生化学的方法または免疫学的方法いずれかによっ
て、獲得または精製可能である。癌組織、癌細胞または細胞株は、単一個体から獲得可能
であるし、また数個体からプール可能である。癌細胞のクローン集団、均質な集団、また
は精製集団を用いることは必須ではない。ワクチンに用いる細胞上に、標的癌細胞上の少
なくとも1以上の抗原決定基が存在する限り、in vivoでの最終的な標的である細
胞(例えば意図されるレシピエントの腫瘍由来の細胞)を用いる必要もない。さらに、遠
位転移由来の細胞を用いて、原発性癌に対する免疫原性組成物を調製することが可能であ
20
る。混合物中のかなりの数の細胞が癌細胞であり、そして標的癌細胞と少なくとも1つの
抗原決定基を共有するならば、細胞混合物が使用可能である。
【0055】
抗体への結合を検出することによって、推定上の抗原の免疫原性または抗原性を決定す
るため、当該技術分野に知られる多様なイムノアッセイが使用可能であり、これらには、
限定されるわけではないが、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素連結免疫吸着アッ
セイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線測定アッセイ、ゲル拡散沈降素反
応、免疫拡散アッセイ、in vivoイムノアッセイ(例えばコロイド性金、酵素また
は放射性同位体標識を用いるもの)、ウェスタンブロット、免疫沈降反応、凝集アッセイ
(例えばゲル凝集アッセイ、赤血球凝集素アッセイ)、補体固定アッセイ、免疫蛍光アッ
セイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイなどの技術を用いた、競合的
アッセイ系および非競合的アッセイ系が含まれる。1つの側面において、一次抗体上の標
識を検出することによって、抗体結合を検出する。別の側面において、一次抗体に対する
二次抗体または試薬の結合を検出することによって、一次抗体を検出する。さらなる側面
において、二次抗体を標識する。イムノアッセイにおいて結合を検出する多くの手段が当
該技術分野に知られ、そして使用のために想定される。免疫原性を検出する1つの態様に
おいて、標準法、例えばin vitro細胞傷害性アッセイまたはin vivo遅延
型過敏性アッセイによって、T細胞が仲介する応答をアッセイすることが可能である。
【0056】
30
(24)
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【表1−1】
10
20
30
【0057】
40
(25)
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【表1−2】
10
20
30
40
【0058】
50
(26)
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【表1−3】
10
20
30
40
【0059】
50
(27)
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ワクチンにはまた、本明細書において、アジュバントに加えて、またはアジュバントで
はなく、希釈剤、賦形剤および/またはキャリアーとともに配合された抗原も含まれる。
投与に適した配合物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および配合物をレシピエントの
血液と等張にする溶質を含有可能な水性および非水性無菌注射溶液;並びに懸濁剤または
粘稠化剤を含有可能な水性および非水性無菌懸濁物が含まれる。抗原は、薬学的に有用な
組成物を調製するのに用いられる既知の方法にしたがって、配合可能である。これらを、
単一の活性成分として、または既定の徴候に適した他の既知の活性成分と共に、薬学的に
許容しうる希釈剤(例えば、生理食塩水、Tris−HCl、酢酸、およびリン酸緩衝溶
液)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可
溶化剤、アジュバントおよび/またはキャリアーと混合して組み合わせることが可能であ
10
る 。 薬 剤 組 成 物 に 適 し た 配 合 物 に は 、 R e m i n g t o n 's P h a r m a c e u t i
cal Sciences, 第16版, 1980, Mack Publishin
g Company, ペンシルバニア州イーストンに記載されるものが含まれる。さら
に、こうした組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体化して
いるか、またはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル類、デキストラン等のポリマー
化合物に取り込まれているか、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層
もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロブラストに取り込まれていることが
可能である。リポソーム配合に適した脂質には、限定なしに、モノグリセリド類、ジグリ
セリド類、スルファチド類、リゾレシチン、リン脂質類、サポニン、胆汁酸類等が含まれ
る。
20
【0060】
補助分子
補助分子は、本明細書において、癌、感染性疾患およびその症状の治療に使用可能な、
Flt3リガンド免疫プロトコルにおいて、場合によって被験者に投与する分子である。
補助分子は、いずれかの機構によって、抗原に対する宿主免疫応答を加速し、延長し、増
進し、増大させ、または増強するよう作用しうる。例えば、サイトカイン、増殖因子等は
、免疫応答をさらに増進するかまたは調節するのに有用であろう。サイトカインには、限
定されるわけではないが、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、
15、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−ア
ルファおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TN
30
Fファミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40
結合タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク
質、CpG配列、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるものが含まれる。
【0061】
典型的には、サイトカイン、ケモカインおよび細胞表面分子は、細胞表面上の同族体(
cognate)に結合し、そして細胞内シグナルを伝達することによって、その生物学
的効果を発揮する。したがって、Flt3リガンド免疫プロトコルにおいて、結合タンパ
ク質が使用可能である。結合タンパク質は補助分子の生物学的効果を模倣するアゴニスト
性分子である。例えば、抗体などの結合タンパク質は、適切な受容体に結合し、そして補
助分子と同等かまたは類似のシグナルを伝達する。さらに、Flt3リガンド免疫プロト
40
コルで用いる補助分子には、上述の分子の類似体であって、その天然アミノ酸配列に実質
的に類似のアミノ酸配列を有し、そしてその同族体に結合し、そして生物学的シグナルを
伝達することが可能な点で生物学的に活性である類似体が含まれる。当該技術分野に知ら
れ、そして本明細書に記載するような方法によって、こうした類似体を調製し、そして試
験することが可能である。
【0062】
療法適用
Flt3リガンド免疫プロトコルは、被験者において、疾患、障害および/または感染
を防止するかまたは治療するための組成物および方法を提供する。用語「治療する(tr
eat)」、「治療すること(treating)」および「治療(treatment
50
(28)
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)」には、本明細書において、治癒的、防御的(例えば予防的)、対症的および/または
改善的治療が含まれる。先に言及したように、Flt3リガンドおよび補助分子は、天然
ポリペプチド、変異体、誘導体、オリゴマー、および生物学的活性断片など、本明細書に
記載するいかなる型であることも可能である。特定の態様において、Flt3リガンドお
よび補助分子は、可溶性ポリペプチドまたは可溶性オリゴマー型を含んでなる。
【0063】
当業者は、典型的には、治療中の疾患に対して免疫学的に関連した抗原で被験者を免疫
することによって、免疫防御応答が疾患に対して生成されることが、免疫学およびワクチ
ン学の基本的な原理であることを認識する。したがって、癌、感染性疾患等を治療する方
法には、防止または治療しようとする疾患に対して免疫学的に関連した抗原を有するワク
10
チンが含まれる。例えば、癌ワクチンは、1以上の癌抗原およびアジュバントを含んでな
り、そしてより具体的には、前立腺癌ワクチンは、1以上の前立腺癌抗原およびアジュバ
ントを含んでなり、そして以下同様であろう。
【0064】
被験者および特にヒトへのin vivo投与のため、薬剤組成物を調製するのに用い
る既知の方法にしたがって、Flt3リガンドを配合可能である。Flt3リガンドを、
単一の活性成分として、または他の既知の活性成分と共に、薬学的に適切な希釈剤(例え
ば、Tris−HCl、アセテート、およびホスフェート)、保存剤(例えば、チメロサ
ール、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、アジュバントおよび/ま
たはキャリアーと混合して組み合わせることが可能である。用語、薬学的に許容しうる、
20
は、活性成分(単数または複数)の生物学的活性の有効性に干渉しない非毒性成分を意味
す る 。 適 切 な キ ャ リ ア ー お よ び そ の 配 合 物 は 、 R e m i n g t o n 's P h a r m a c
eutical Sciences, 第16版, 1980, Mack Publi
shing Co.に記載される。さらに、こうした組成物は、ポリエチレングリコール
(PEG)−もしくは溶解度および/または薬物動態学的半減期を増加させる他のこうし
た化合物、金属イオンと複合体化しているか、またはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒド
ロゲル類等のポリマー化合物に取り込まれているか、またはリポソーム、マイクロエマル
ジョン、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロブラストに取
り込まれているFlt3リガンドを含有することが可能である。こうした組成物は、Fl
t3リガンドの物理的状態、溶解度、安定性、in vivo放出速度、およびin v
30
ivoクリアランス速度に影響を及ぼすであろう。
【0065】
Flt3リガンド薬剤組成物は、局所、非経口、または吸入によるなどで、投与可能で
ある。用語「非経口」には、皮下注射、静脈内、筋内、槽内注射、または注入技術が含ま
れる。これらの組成物は、典型的には、Flt3リガンドの有効量を、単独でまたは他の
活性成分いずれかの有効量と組み合わせて含有するであろう。組成物に含有されるこうし
た投薬量および望ましい薬剤濃度は、意図される使用、被験者の体重および年齢、並びに
投与経路を含む、多くの要因に依存して変化する可能性がある。予備的用量は動物試験に
したがって決定可能であり、そしてヒト投与のための投薬量の見積もりを、当該技術分野
に認められる実施にしたがって、実行可能である。上記説明を心に留めて、Flt3リガ
40
ンドの典型的な投薬量は、平方メートルあたり約10μg∼平方メートルあたり約100
0μgの範囲であることが可能である。好ましい用量範囲は、平方メートルあたり約10
0μg∼平方メートルあたり約300μg程度である。
【0066】
Flt3リガンド免疫プロトコル、並びに治療方法および/または防止方法を実施する
際、Flt3リガンド、ワクチン、および場合によって補助分子の療法的有効量を被験者
に投与する。本明細書において、用語「有効量」は、被験者に意味のある利益、すなわち
免疫応答増進、関連する医学的状態(疾患、感染等)の治療、治癒、防止または改善、あ
るいはこうした状態の治療、治癒、防止または改善の速度の増加を示すのに十分な、各療
法剤(すなわちFlt3リガンド、ワクチン、および場合によって補助分子)または他の
50
(29)
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活性構成要素の総量を意味する。「有効量」を単独で投与する個々の療法剤に適用する際
、該用語は、療法剤単独を指す。組み合わせに適用する際、該用語は、組み合わせて、連
続して、または同時に投与する場合いずれであっても、療法効果を生じる成分を組み合わ
せた量を指す。本明細書において、句、療法剤の「有効量の投与」は、障害の重症度を反
映する少なくとも1つの指標において、改善、そして好ましくは持続した改善を誘導する
のに十分な量および時間、前記療法剤(単数または複数)で被験者を治療することを意味
する。患者が1日以上、または1週間以上離れた、少なくとも2回の機会に改善を示すな
らば、改善は「持続した」とみなされる。徴候または症状に基づいて改善の度合いを決定
し、そして決定はまた、生活の質(quality−of−life)アンケートなどの
、患者に実施されるアンケートを使用することも可能である。治療の量および期間が十分
10
であるかどうか決定するため、患者の疾病の度合いを反映する多様な指標を評価すること
が可能である。選択された単数または複数の指標に関するベースライン値は、療法剤(単
数または複数)の最初の用量の投与前に、患者を検査することによって、確立される。好
ましくは、ベースライン検査は、最初の用量投与の約60日以内に行う。急性症状を治療
するために療法剤(単数または複数)が投与される場合、最初の用量は、現実的にできる
だけ速やかに投与する。選択された単数または複数の指標のベースラインを越える改善を
被験者が明示するまで、療法剤を投与することによって、改善を誘導する。慢性状態を治
療する際、改善のこの度合いは、少なくとも1ヶ月以上、例えば、1、2、もしくは3ヶ
月またはそれより長い期間、あるいは無期限に、療法剤を反復投与することによって、得
られる。1∼6週間の期間、または単回用量であっても、特定の状態を治療するのに十分
20
である可能性がある。当業者は、被験者のニーズに適した治療を詳述するであろう。治療
後の被験者の疾病の度合いが、1以上の指標にしたがって、改善されているように見えた
としても、同一レベル、あるいは減少した用量または頻度で、無期限に治療を続けること
が可能である。ひとたび治療を減少させるかまたは中断したら、後に、症状が再出現した
場合、元来のレベルで治療を再開することが可能である。
【0067】
当業者は、適切な投薬量が、治療しようとする障害の性質および重症度、患者の体重、
年齢、全身状態、および以前の疾病および/または治療、並びに投与経路などの要因に応
じて、多様であろうことを認識するであろう。予備的用量は、動物試験にしたがって決定
可能であり、そしてヒト投与の投薬量決定は、標準的投薬量決定試験などの、当該技術分
30
野に認められた慣例にしたがって行われる。例えば、療法的有効用量は、最初に、細胞培
養アッセイから概算することが可能である。投薬量は、化合物の比活性に応じるであろう
し、そして日常的な実験によって、容易に決定可能である。用量は、動物モデルにおいて
、細胞培養で決定されるようなIC50(すなわち症状の最大阻害の半分を達成する試験
化合物の濃度)を含みつつ、毒性を最小限にする、循環血漿濃度範囲を達成するように、
配合可能である。こうした情報を用いて、ヒトにおいて、有用な用量を、より正確に決定
することが可能である。最終的には、主治医が、個々の患者各々を治療する、本発明のポ
リペプチドの量を決定するであろう。まず、主治医は、本発明のポリペプチドを低用量で
投与し、そして患者の反応を観察するであろう。患者に最適な療法効果が得られるまで、
本発明のポリペプチドをより多い用量で投与することが可能であり、そしてその時点でさ
40
らに用量を増やさない。本明細書記載の方法を実施するのに用いる療法剤は、kg体重あ
たり、約0.01ng∼約100mg(別の態様は約0.1ng∼約10mgを有し、そ
して他の態様は約0.1マイクログラム∼約1mgを有する)の本発明のポリペプチドを
含有すべきであると意図される。注射以外の投与経路を用いるならば、標準的な医学的実
施にしたがって、用量を適切に調節する。不治の慢性状態では、措置は、患者の医師によ
って、こうしたものが必要だと思われたならば、用量および頻度を調節したうえ、無期限
に続けることが可能である。
【0068】
薬剤組成物はまた、1以上の補助分子とともに、薬学的に許容しうる希釈剤、キャリア
ー、または賦形剤と組み合わせたFlt3リガンドを含んでなることも可能であり、こう
50
(30)
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した薬剤組成物が本発明に含まれる。あるいは、補助分子を別個の薬剤組成物として配合
することも可能である。投与に適した配合物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および
配合物をレシピエントの血液と等張にする溶質を含有可能な水性および非水性無菌注射溶
液;並びに懸濁剤または粘稠化剤を含有可能な水性および非水性無菌懸濁物が含まれる。
Flt3リガンドおよび/または補助分子は、薬学的に有用な組成物を調製するのに用い
られる既知の方法にしたがって、配合可能である。これらを、単一の活性成分として、ま
たは既定の徴候に適した他の既知の活性成分と共に、薬学的に許容しうる希釈剤(例えば
、生理食塩水、Tris−HCl、酢酸、およびリン酸緩衝溶液)、保存剤(例えば、チ
メロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、アジュバントおよ
び/またはキャリアーと混合して組み合わせることが可能である。薬剤組成物に適した配
10
合 物 に は 、 R e m i n g t o n 's P h a r m a c e u t i c a l S c i e n c e s
, 第16版, 1980, Mack Publishing Company, ペ
ンシルバニア州イーストンに記載されるものが含まれる。さらに、こうした組成物は、ポ
リエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体化しているか、またはポリ酢酸、
ポリグリコール酸、ヒドロゲル類、デキストラン等のポリマー化合物に取り込まれている
か、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球
ゴーストもしくはスフェロブラストに取り込まれていることが可能である。リポソーム配
合に適した脂質には、限定なしに、モノグリセリド類、ジグリセリド類、スルファチド類
、リゾレシチン、リン脂質類、サポニン、胆汁酸類等が含まれる。こうしたリポソーム配
合物の調製は、例えば、米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,72
20
8号;米国特許第4,837,028号;および米国特許第4,737,323号に開示
されるように、当該技術分野の技術レベルの範囲内である。こうした組成物は、物理的状
態、溶解度、安定性、in vivo放出速度、およびin vivoクリアランス速度
に影響を与えるであろうし、そしてしたがって、キャリアーの特性が、選択される投与経
路に応じるように、意図される適用にしたがって選択される。
【0069】
1つの態様において、Flt3リガンドおよび補助分子の持続放出型を用いる。開示す
る方法で使用するのに適した持続放出型には、限定されるわけではないが、緩慢溶解生体
適合性ポリマー(米国特許第6,036,978号に記載されるアルギン酸微小粒子など
)に被包されたFlt3リガンドおよび補助分子、このようなポリマー(局所適用ヒドロ
30
ゲル類を含む)と混合されたもの、および/または生体適合性半透性移植物中に入れられ
たものが含まれる。
【0070】
可溶性Flt3−L療法組成物を投与するのに使用可能な持続放出技術の1つの種類は
、ヒドロゲル材料、例えば光架橋可能ヒドロゲル(Sawhneyら, Macromo
lecules 26:581;1993)を利用するものである。類似のヒドロゲルは
、術後癒着形成を防止し(Hill−Westら, Obstet. Gynecol.
83:59, 1994)、そして血管傷害後の血栓症および血管狭窄を防止する(H
ill−Westら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91
:5967, 1994)のに用いられてきている。ポリペプチドをこうしたヒドロゲル
40
に取り込んで、活性剤の持続した局所の放出を提供することが可能である(Westおよ
びHubbel, Reactive Polymers 25:139, 1995;
Hill−Westら, J. Surg. Res. 58:759;1995)。ヒ
ドロゲルに取り込まれた際、Flt3−Lの持続した局所の放出は、Flt3−Lの長い
半減期によって、増幅されるであろう。
【0071】
本発明の化合物は、粒子サイズ約1mmの顆粒またはペレットの形で、細かいマルチ微
粒子(multiparticulate)として配合物に含まれることが可能である。
カプセル投与のための物質の配合物はまた、粉末、軽く圧縮されたプラグ、または錠剤と
してであることも可能である。療法剤は、圧縮によって調製可能である。
50
(31)
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【0072】
着色剤およびフレーバー剤もまた含まれることが可能である。例えば、タンパク質(ま
たは誘導体)を配合し(例えばリポソームまたは微小球体被包によって)、そしてその後
、さらに、食用製品、例えば着色剤およびフレーバー剤を含有させる冷蔵飲料内に含有さ
せることが可能である。
【0073】
本発明の化合物の体積を、不活性物質で希釈するか、または増加させることが可能であ
る。これらの希釈剤には、炭水化物、特にマンニトール、α−ラクトース、無水ラクトー
ス、セルロース、スクロース、修飾デキストランおよびデンプンが含まれることが可能で
ある。三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムを含む、特定の無機
10
塩もまた、充填剤として使用可能である。いくつかの商業的に入手可能な希釈剤は、Fa
st−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、EmcompressおよびAv
icellである。
【0074】
固体投薬型への療法剤の配合物中に、崩壊剤を含むことが可能である。崩壊剤として使
用される物質には、限定されるわけではないが、デンプンに基づく商業的な崩壊剤、Ex
plotabを含むデンプンが含まれる。デンプングリコール酸ナトリウム、Amber
lite、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン(ultra
mylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸カルボ
キシメチルセルロース、天然スポンジおよびベントナイトすべてが使用可能である。崩壊
20
剤の別の型は、不溶性陽イオン交換樹脂である。粉末化粘性物質を崩壊剤として、そして
結合剤として使用可能であり、そしてこれらには、寒天、カラヤ、またはトラガカントな
どの粉末化粘性物質が含まれることが可能である。アルギン酸およびそのナトリウム塩も
また、崩壊剤として有用である。
【0075】
結合剤を用いて、療法剤をともに保持して、硬い錠剤を形成することが可能であり、そ
して結合剤には、アラビアゴム(acacia)、トラガカント、デンプンおよびゼラチ
ンなどの天然産物由来の物質が含まれる。他のものには、メチルセルロース(MC)、エ
チルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。ポリ
ビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は
30
どちらも、アルコール性溶液中、療法剤を顆粒化するのに使用可能である。
【0076】
配合プロセス中の固着を防止するため、抗摩擦剤を療法剤の配合物中に含むことが可能
である。療法剤およびダイ壁の間の層として、潤滑剤を用いることが可能であり、そして
これらには、限定されるわけではないが:マグネシウム塩およびカルシウム塩を含むステ
アリン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油およびワ
ックスが含まれることが可能である。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウ
ム、多様な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000および6000
などの可溶性潤滑剤もまた使用可能である。
【0077】
40
配合物中の薬剤の流動特性を改善する可能性があり、そして圧縮中の再配置を補助する
、流動促進剤を添加可能である。流動促進剤には、デンプン、タルク、発熱性シリカおよ
び水和シリコアルミネートが含まれることが可能である。
【0078】
水性環境への本発明の化合物の溶解を補助するため、湿潤剤として界面活性剤を添加す
ることが可能である。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオク
チル・ナトリウムおよびスルホン酸ジオクチル・ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤
が含まれることが可能である。陽イオン性界面活性剤が使用可能であり、そしてこれには
、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムが含まれることが可能である。界面活
性剤として配合物中に含まれることが可能な潜在的な非イオン性界面活性剤のリストは、
50
(32)
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ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシエチレン水素化
カスターオイル10、50および60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート
40、60、65および80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースならびにカ
ルボキシメチルセルロースである。これらの界面活性剤は、単独で、または異なる比での
混合物として、タンパク質または誘導体の配合物中に存在することが可能である。
【0079】
化合物の取り込みを増進するため、添加剤も配合物中に含まれていることが可能である
。潜在的にこの特性を有する添加物は、例えば、脂肪酸、オレイン酸、リノール酸および
リノレン酸である。
【0080】
10
徐放配合物が望ましい可能性がある。拡散機構または浸出機構いずれかによる放出を可
能にする不活性マトリックス、例えばゴム中に、本発明の化合物を取り込むことが可能で
ある。ゆっくりと変性するマトリックス、例えばアルギネート、多糖もまた、配合物中に
取り込むことが可能である。本発明の化合物の徐放の別の型は、Oros療法剤系(Al
za Corp.)に基づく方法により、すなわち、水の進入を可能にし、そして浸透圧
効果で、単一の小さい開口部を通じて薬剤を押し出す、半透性膜に薬剤が被包される。い
くつかの溶腸性コーティングもまた、遅延放出効果を有する。
【0081】
他のコーティングを配合物に使用可能である。これらには、コーティング・パン中で適
用可能な多様な糖が含まれる。療法剤はまた、フィルムコーティングした錠剤でも投与可
20
能であり、そしてこの例で用いられる物質は、2群に分けられる。第一の群は、非溶腸性
物質であり、そしてメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
、メチルヒドロキシ−エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピル−メチルセルロース、カルボキシ−メチルセルロース・ナトリウム、プロビドン(
providone)およびポリエチレングリコールを含む。第二の群は、溶腸性物質か
らなり、この物質は通常、フタル酸のエステルである。
【0082】
最適なフィルムコーティングを提供するため、物質の混合物が使用可能である。フィル
ムコーティングは、パン・コーターまたは流動化ベッド中で、あるいは圧縮コーティング
によって、実行可能である。
30
【0083】
やはり本明細書に意図するのは、本タンパク質(またはその誘導体)の肺搬送である。
タンパク質(または誘導体)は、吸入されながら哺乳動物肺に搬送され、そして肺上皮裏
打ちを横断して、血流に乗る(この他の報告には、Adjeiら, Pharma. R
es.(1990)7:565−9;Adjeiら(1990), Internatl
. J. Pharmaceutics 63:135−44(酢酸ロイプロリド);B
raquetら(1989), J. Cardiovasc. Pharmacol.
13(suppl.5):s.143−146(エンドセリン−1);Hubbard
ら(1989), Annals Int. Med. 3:206−12(α1−アン
チトリプシン);Smithら(1989), J. Clin. Invest. 8
40
4:1145−6(α1−プロテイナーゼ);Osweinら(March 1990)
, “Aerosolization of Proteins”, Proc. Sy
mp. Resp. Drug Delivery II, コロラド州キーストーン(
組換えヒト成長ホルモン);Debsら(1988), J. Immunol. 14
0:3482−8(インターフェロンγおよび腫瘍壊死因子α)およびPlatzら、米
国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)が含まれる)。
【0084】
本発明の実施に使用が意図されるのは、療法製品の肺搬送のために設計された、広い範
囲の機械装置であり、これらには、限定されるわけではないが、すべて当業者に周知の、
ネブライザー、計量式吸入器、および粉末吸入器が含まれる。本発明の実施に適した、商
50
(33)
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業的に入手可能な装置のいくつかの特定の例は、Mallinckrodt, Inc.
、ミズーリ州セントルイス製造のUltraventネブライザー;Marquest Medical Products、コロラド州エングルウッド製造のAcorn II
ネブライザー;Glaxo Inc.、ノースカロライナ州リサーチトライアングルパー
ク製造のVentolin計量式吸入器;およびFisons Corp.、マサチュー
セッツ州ベッドフォード製造のSpinhaler粉末吸入器である。
【0085】
こうした装置はすべて、本発明の化合物を分配するのに適した配合物の使用を必要とす
る。典型的には、各配合物は、使用する装置の種類に特異的であり、そして療法に有用な
希釈剤、アジュバントおよび/またはキャリアーに加えて、適切な噴射剤物質の使用を伴
10
う可能性がある。
【0086】
本発明の化合物は、最も好適には、遠位肺への最も有効な搬送のため、10μm(また
はミクロン)、最も好ましくは0.5∼5μmの平均粒子サイズの微粒子型で調製すべき
である。
【0087】
薬学的に許容しうるキャリアーには、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ス
クロース、ラクトース、およびソルビトールなどの炭水化物が含まれる。配合物中で使用
する他の成分には、DPPC、DOPE、DSPCおよびDOPCが含まれる可能性があ
る。天然または合成の界面活性剤が使用可能である。PEGが使用可能である(タンパク
20
質または類似体を誘導体化する際の使用とは別)。シクロデキストランなどのデキストラ
ンが使用可能である。胆汁塩および他の関連増進剤が使用可能である。セルロースおよび
セルロース誘導体が使用可能である。緩衝配合物における使用など、アミノ酸が使用可能
である。
【0088】
また、リポソーム、微小カプセルまたは微小球体、封入複合体、または他の種類のキャ
リアーの使用もまた、意図される。
ジェットまたは超音波いずれかのネブライザーで用いるのに適した配合物は、典型的に
は、溶液mlあたりの生物学的活性タンパク質、約0.1∼25mgの濃度で水に溶解さ
れた本発明の化合物を含んでなるであろう。配合物にはまた、緩衝剤および単純な糖(例
30
えばタンパク質安定化および浸透圧の調節)も含まれることが可能である。ネブライザー
配合物はまた、エアロゾルを形成する際、溶液の噴霧化によって引き起こされる、表面で
誘導されるタンパク質の凝集を減少させるかまたは防止するために、界面活性剤もまた、
含有可能である。
【0089】
計量式吸入器で使用するための配合物は、一般的に、界面活性剤の補助で噴射剤に懸濁
された本発明の化合物を含有する細かく分割された粉末を含んでなるであろう。噴射剤は
、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタ
ノール、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン、またはその組み合わせを含む、
クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ま
40
たは炭化水素などの、この目的に使用される慣用的物質いずれであることも可能である。
適切な界面活性剤には、トリオレイン酸ソルビタンおよびダイズ・レシチンが含まれる。
オレイン酸もまた、界面活性剤として有用である可能性がある。
【0090】
粉末吸入器から分配するための配合物は、本発明の化合物を含有する細かく分割された
乾燥粉末を含んでなり、そしてまた装置から粉末が分散するのを容易にする量、例えば配
合物の重量50∼90%で、ラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ト
レハロース、またはキシリトールなどの充填剤を含むことも可能である。
【0091】
別の態様には、同一被験者に投与される1以上の他の補助分子と同時のFlt3リガン
50
(34)
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ドの投与がさらに含まれる。Flt3リガンドおよび補助分子(単数または複数)は、薬
剤組成物として投与されることが理解される。同時投与は、Flt3リガンドおよび/ま
たは補助分子との同時処置または連続処置を含み、それとともに、構成要素が交互に投与
されるプロトコル、または1つの構成要素を長期に投与し、そして他のもの(単数または
複数)を断続して投与するプロトコルを含む。構成要素、すなわちFlt3リガンドおよ
び1以上の補助分子は、同一または別個の組成物中で、そして同一または異なる投与経路
によって投与可能である。Flt3リガンドと同時に投与可能な補助分子の例には:免疫
応答をさらに増進するかまたは調節するのに有用であろうサイトカイン、増殖因子等が含
まれる。サイトカインには、限定されるわけではないが、インターロイキン1、2、3、
4、5、6、7、10、12、15、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−
10
CSF、インターフェロン−アルファおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSF
およびIL−3の融合体、TNFファミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶
性CD40リガンド、CD40結合タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパ
ク質、OX−40結合タンパク質、CpG配列、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0092】
投与経路。いかなる有効な投与経路を用いて、Flt3リガンド、1以上の補助分子
および1以上のワクチンを、療法的に投与することも可能である。非経口投与には、例え
ば、多量(bolus)注射によるか、または連続注入による、関節内、静脈内、筋内、
病巣内、腹腔内または皮下経路を介した、注射が含まれ、そしてまた、例えば疾患または
傷害部位での局所投与も含まれる。投与の他の適切な手段には、移植物からの持続放出;
20
エアロゾル吸入および/またはガス注入;点眼剤;膣または直腸座薬;頬側調製;丸剤(
ピル)、シロップ、ロゼンジ、アイスクリームまたはチューインガムを含む経口調製;お
よびローション、ゲル、スプレー、軟膏または他の適切な技術などの局所調製が含まれる
。また、細胞増殖を調節するため、あるいは細胞で所望の効果または活性を生じるため、
Flt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンの存在下で、ex viv
oで細胞を培養することも可能である。その後、処理した細胞を、療法目的のため、in
vivoで導入することが可能である。Flt3リガンド、1以上の補助分子および1
以上のワクチンを被験者に投与する際、これらは、同一のまたは異なる経路によって投与
可能であり、そして同時に、別個に、または連続して投与可能である。
【0093】
30
経口投与。Flt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンの療法的有
効量を経口投与する際、これらは、錠剤、カプセル、粉末、溶液またはエリキシル剤の形
であることが可能である。錠剤型で投与する際、Flt3リガンド、1以上の補助分子お
よび1以上のワクチンは、さらに、ゼラチンまたはアジュバントなどの固体キャリアーを
含有することが可能である。錠剤、カプセル、および粉末は、本発明のポリペプチドを約
5∼95%、そして好ましくは本発明のポリペプチドを約25∼90%含有する。本明細
書で使用に意図されるのは、本明細書にその全体が援用される、Remington’s
Pharmaceutical Sciences(1990), 第18版, Ma
ck Publishing Co. ペンシルバニア州イーストン 18042の第8
9章に一般的に記載される、経口固形投薬型である。固形投薬型には、錠剤、カプセル、
40
丸剤、トローチまたはロゼンジ、カシェ剤またはペレットが含まれる。また、リポソーム
被包またはプロテイノイド被包を用いて、本組成物を配合することも可能である(例えば
米国特許第4,925,673号に報告されるプロテイノイド微小球体として)。リポソ
ーム被包が使用可能であり、そしてリポソームを多様なポリマーで誘導体化することが可
能である(例えば米国特許第5,013,556号)。療法のためのありうる固形投薬型
の説明が、本明細書にその全体が援用される、Marshall, K., Moder
n Pharmaceutics(1979), G.S. BankerおよびC.T
. Rhodes監修の第10章に提供される。一般的に、配合物は、Flt3−L、お
よび胃環境に対する保護を可能にし、そして腸において生物学的活性成分の放出を可能に
する不活性成分を含むであろう。
50
(35)
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【0094】
やはり具体的に意図されるのは、上記本発明の化合物の経口投薬型である。必要であれ
ば、経口搬送が有効であるように、化合物を化学的に修飾することが可能である。一般的
に、意図される化学的修飾は、化合物分子自体への少なくとも1つの部分の付着であり、
前記部分は(a)タンパク質分解の阻害;および(b)胃または腸からの血流への取り込
みを可能にする。やはり望ましいのは、化合物全体の安定性増加および体内の循環時間の
増加である。本発明において、共有結合するビヒクルとして有用な部分はまた、この目的
にも使用可能である。こうした部分の例には、PEG、エチレングリコールおよびプロピ
レングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリプロリンが含まれる。例えば、Abuch
10
owskiおよびDavis, Soluble Polymer−Enzyme Ad
ducts, Enzymes as Drugs(1981), Hocenberg
およびRoberts監修, Wiley−Interscience, ニューヨーク
州ニューヨーク, pp.367−83;Newmarkら(1982), J. Ap
pl. Biochem. 4:185−9を参照されたい。使用可能な他のポリマーは
、ポリ−1,3−ジオキソランおよびポリ−1,3,6−トリオキソカンである。薬学的
使用に好ましいのは、上に示すように、PEG部分である。経口搬送投薬型には、本発明
の療法化合物の吸収を増進するキャリアーとしての、ナトリウムN−(8−[2−ヒドロ
キシベンゾイル]アミノ)カプリレート(SNAC)などの修飾脂肪族アミノ酸の塩を使
用することも可能である。SNACを用いたヘパリン配合物の臨床的有効性が、Emis
20
phere Technologiesが行った第II相試験で立証された。米国特許第
5,792,451号、“Oral drug delivery compositi
on and methods”を参照されたい。
【0095】
液体型で投与する際、水、石油、ピーナツ油、ミネラルオイル、ダイズ油、もしくはゴ
マ油などの動物もしくは植物起源の油、または合成油などの液体キャリアーが添加可能で
ある。Flt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンの液体型はさらに、
生理学的生理食塩溶液、デキストロースまたは他の糖類溶液、あるいはエチレングリコー
ル、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール類を含有する
ことが可能である。
30
【0096】
静脈内投与。Flt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンの療法的
有効量を、静脈内、皮膚または皮下注射によって投与する際、Flt3リガンド、1以上
の補助分子および1以上のワクチンは、発熱物質不含で非経口的に許容しうる水性溶液の
形であることが可能である。pH、等張性、安定性等を十分考慮した、こうした非経口的
に許容しうるポリペプチド溶液の調製は、当該技術分野の範囲内である。静脈内、皮膚、
または皮下注射のための好ましい薬剤組成物は、本発明のポリペプチドに加えて、塩化ナ
トリウム注射剤、リンゲル注射剤、デキストロース注射剤、デキストロースおよび塩化ナ
トリウム注射剤、乳酸リンゲル注射剤、または当該技術分野に知られるような他のビヒク
ルのような等張性のビヒクルを含有すべきである。本発明の薬剤組成物はまた、当業者に
40
知られる、安定化剤、保存剤、緩衝剤、酸化防止剤、または他の添加物も含有可能である
。本発明の薬剤組成物を用いた静脈内療法の期間は、治療する疾患の重症度、並びに個々
の患者各々の状態および潜在的な特異体質反応に応じて、多様であろう。本発明のポリペ
プチドの各適用期間は、連続静脈内投与12∼24時間の範囲内であろうと意図される。
最終的には、主治医が、本発明の薬剤組成物を用いた静脈内療法の適切な期間に関して、
決定するであろう。
【0097】
組織投与。本発明のFlt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンを
、局所的に、全身性に、あるいは移植物または装置として局在的に、投与することが可能
である。投与する際、Flt3リガンド、1以上の補助分子および1以上のワクチンは、
50
(36)
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もちろん、発熱物質不含で、生理学的に許容しうる型である。さらに、Flt3リガンド
、1以上の補助分子および1以上のワクチンは、望ましい部位に搬送するため、粘稠性型
で被包または注射可能である。Flt3リガンド、1以上の補助分子および/または1以
上のワクチンの局所投与もまた、Flt3リガンド免疫プロトコルの別の態様のために想
定される。
【0098】
レトロウイルス科(例えばヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1(HTLV−II
I、LAVまたはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIとも称される;およ
び他の単離体、例えばHIV−LP)); ピコルナウイルス科(例えばポリオウイルス
、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス、ライノウイルス
10
、エコーウイルス);カリチウイルス科(Calciviridae)(例えば胃腸炎を
引き起こす株);トガウイルス科(例えばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウ
イルス科(例えばデング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス
科(例えばコロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば水疱性口内炎ウイルス、狂犬病
ウイルス);フィロウイルス(例えばエボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えば
パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイ
ルス);オルトミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);ブニヤウイルス科
(例えばハンタンウイルス、ブンガウイルス(bunga virus)、フレボウイル
スおよびナイロウイルス(Nairo virus));アレナウイルス科(出血熱ウイ
ルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルスおよびロタウイルス);
20
ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パル
ボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノ
ウイルス科(大部分のアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(
HSV)1および2、水痘・帯状ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、
ヘルペスウイルス類);ポックスウイルス科(天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、ポ
ックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えばアフリカ・ブタ熱ウイルス);並び
に未分類のウイルス(例えば海綿状脳症の病因学的作用因子、デルタ肝炎の病原体(B型
肝炎ウイルスの不全付随体と考えられる)、非A非B肝炎の病原体(クラス1=体内感染
;クラス2=非経口感染(すなわちC型肝炎));ノーウォークウイルスおよび関連ウイ
ルス、並びにアストロウイルス(astrovirus))による感染を含む、ウイルス
30
感染の治療および/または防止に、Flt3リガンド免疫プロトコルが使用可能である。
【0099】
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)、ライム病ボ
レリア(Borelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィリア(
Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム属(Myco
bacteria)種(例えばヒト型結核菌(M. tuberculosis)、鳥型
結核菌(M. avium)、M.イントラセルラレ(M. intracellula
re)、M.カンサシ(M. kansaii)、M.ゴルドネ(M. gordona
e))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Ne
isseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meni
40
ngitidis)、単球症リステリア(Listeria monocytogene
s)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌
)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalac
tiae)(B群連鎖球菌)、連鎖球菌属(Streptococcus)(ビリダンス
群)、糞便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ウシ連鎖球菌
(Streptococcus bovis)、連鎖球菌属(嫌気性種)、肺炎連鎖球菌
(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属(
Campylobacter)種、腸球菌属(Enterococcus)種、インフル
エンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillu
s antracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium dipht
50
(37)
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heriae)、コリネバクテリウム種、ブタ丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ウエルシュ菌(Clostridium perfri
ngers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター
・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Kle
bsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasturel
la multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides)種、フソバ
クテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleatum)、スト
レプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus monilif
ormis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、トレポ
ネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトスピラ属(Le
10
ptospira)、およびイスラエル放線菌(Actinomyces israel
li)による感染を含む、細菌による感染の治療および/または防止に、Flt3リガン
ド免疫プロトコルが使用可能である。
【0100】
住血吸虫類;トリパノソーマ類;リーシュマニア属(Leishmania)種;フィ
ラリア性線形動物;トリコモナス症;肉胞子虫症;無鉤条虫(Taenia sagin
ata)、有鉤条虫(Taenia solium)、クリプトコッカス・ネオフォルマ
ンス(Cryptococcus neoformans)、煙色コウジ菌(Asper
gillus fumigatus)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histop
lasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidio
20
des immitis)、旋毛虫症、皮膚ブラストミセス(Blastomyces dermatitidis)、トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trac
homatis)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、熱帯熱マラ
リア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Pl
asmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium mal
ariae)、およびトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)等に
よる感染を含む、感染性単細胞生物に対して、被験者を治療するかまたは免疫するのに、
Flt3リガンド免疫プロトコルが使用可能である。
【0101】
さらなる態様において、Flt3リガンド免疫プロトコルは、限定されるわけではない
30
が:線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(
endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中
皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前
立腺癌、扁平上皮癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭状癌腫、乳頭
腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌腫、気管支癌腫、腎細胞癌腫、肝癌、胆管癌腫、絨毛癌、精上皮
癌、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、膀胱癌腫
、上皮癌腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽
細胞腫、聴神経腫、希突起神経膠芽腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫などの
哺乳動物肉腫および癌腫;急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血
病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、および赤白血病)などの白血
40
病;慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ性白血病);および
真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ワルデ
ンシュトレーム・マクログロブリン血症、および重鎖病などの癌に対して、被験者を治療
するか、または被験者にワクチン接種するのに使用可能である。多様なリンパ増殖性障害
もまた、治療可能であり、これらの障害には、自己免疫リンパ増殖症候群(ALPS)、
慢性リンパ芽球白血病、毛様細胞白血病、慢性リンパ性白血病、末梢T細胞リンパ腫、小
リンパ球性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、エプス
タイン−バーウイルス陽性T細胞リンパ腫、細網肉腫、ホジキン病、びまん性攻撃的リン
パ腫、急性リンパ性白血病、Tガンマリンパ増殖性疾患、皮膚B細胞リンパ腫、皮膚T細
胞リンパ腫(すなわち菌状息肉症)およびセザリー症候群が含まれる。
50
(38)
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【0102】
Flt3リガンド免疫プロトコルはまた、当該技術分野に知られる他の認識される治療
と組み合わせて使用可能である。例えば、癌の治療において、Flt3リガンド免疫プロ
トコルは、手術、化学療法、放射療法、養子免疫療法等と組み合わせて使用可能である。
根底にある1つの論理的説明は、腫瘍塊が最小限であり、そして/または腫瘍細胞が手術
中および手術後に循環内に抜け出し、そしてFlt3リガンド免疫プロトコルを通じた免
疫療法が、この状況でより有効でありうることである。特定の態様において、本発明の防
御的有用性および療法的有用性は、手術前、手術時、または手術後いずれかに癌の免疫適
格性を増進し、そして癌細胞に対する腫瘍特異的免疫を誘導することに向けられ、この目
的は癌を阻害することであり、そして最終的な臨床上の目的は癌の退化および/または根
10
絶である。
【0103】
腫瘍性疾患の進行に対するFlt3リガンド免疫プロトコルの影響は、限定されるわけ
ではないが:a)細胞免疫の評価としての過敏性の遅延;b)in vitroでの細胞
溶解性Tリンパ球の活性;c)腫瘍特異的抗原のレベル;d)コンピュータ断層撮影(C
T)スキャンなどの技術を用いた、腫瘍形態の変化;e)高リスクの個体における特定の
癌のリスクの推定上のバイオマーカーレベルの変化、およびf)腫瘍形態の変化を測定す
ることを含む、当業者に知られる方法いずれかによって監視可能である。あるいは、CT
Lアッセイ、増殖アッセイ、抗体捕捉アッセイ等の標準的技術を用いて、目的の抗原に対
する免疫応答を測定することが可能である。
20
【0104】
別の態様において、上述の抗原1以上で感作した抗原提示細胞(APC)を用いた養子
免疫療法と、Flt3リガンド免疫プロトコルを組み合わせることが可能である。養子免
疫療法は、感染性疾患または癌を治療する療法的アプローチを指し、ここで、免疫細胞が
、直接または間接的に、感染細胞または腫瘍細胞および/または抗原性構成要素に対する
特異的免疫を仲介し、そして感染性疾患の治療または癌の退化を生じることを目的として
、免疫細胞を宿主に投与する。1つの態様において、抗原感作APCを、ワクチン投与前
、投与と同時、または投与後に投与することが可能である。さらに、養子免疫療法の投与
様式は、限定されるわけではないが、例えば皮下投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋内投
与、皮内投与または粘膜投与を含めて、多様である可能性がある。
30
【0105】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、被験者を免疫する方法
であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなり、ここでFlt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同
時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そしてここで補助分子を、ワクチン
投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そし
てここで補助分子は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15
40
、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルフ
ァおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFフ
ァミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合
タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、
CpG配列、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記方法に関する。
【0106】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、癌、ウイルス感染、細
菌感染または単細胞生物による感染を患う被験者において、癌、ウイルス感染、細菌感染
または単細胞生物による感染を治療し、そして/または防止する方法であって:(a)被
験者にFlt3リガンドを投与し;(b)場合によって、補助分子を被験者に投与し;そ
50
(39)
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して(c)ワクチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0107】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、癌を患う患者において
、癌を治療する方法であって:(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;(b)場合に
よって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤組成物を被験者に投与し;そして(c)アジ
ュバント中に配合した1以上の癌抗原を含んでなるワクチンを被験者に投与する工程を含
んでなる、前記方法に関する。
【0108】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、ウイルス感染を患う被
験者において、ウイルス感染を治療する方法であって:(a)被験者にFlt3リガンド
10
を投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤組成物を被験者に投
与し;そして(c)アジュバント中に配合した1以上のウイルス抗原を含んでなるワクチ
ンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0109】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、細菌感染を患う被験者
において、細菌感染を治療する方法であって:(a)被験者にFlt3リガンドを投与し
;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤組成物を被験者に投与し;そ
して(c)アジュバント中に配合した1以上の細菌抗原を含んでなるワクチンを被験者に
投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0110】
20
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、単細胞生物による感染
を患う被験者において、単細胞生物による感染を治療する方法であって:(a)被験者に
Flt3リガンドを投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤組
成物を被験者に投与し;そして(c)アジュバント中に配合した単細胞生物由来の1以上
の抗原を含んでなるワクチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0111】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、癌を患う被験者におい
て、癌抗原に対する抗原特異的免疫応答を増進する方法であって:(a)被験者にFlt
3リガンドを投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤組成物を
被験者に投与し;そして(c)アジュバント中に配合した1以上の癌抗原を含んでなるワ
30
クチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0112】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、ウイルス感染を患う被
験者において、ウイルス抗原に対する抗原特異的免疫応答を増進する方法であって:(a
)被験者にFlt3リガンドを投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んで
なる薬剤組成物を被験者に投与し;そして(c)アジュバント中に配合した1以上のウイ
ルス抗原を含んでなるワクチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する
。
【0113】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、細菌感染を患う被験者
40
において、細菌抗原に対する抗原特異的免疫応答を増進する方法であって:(a)被験者
にFlt3リガンドを投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を含んでなる薬剤
組成物を被験者に投与し;そして(c)アジュバント中に配合した1以上の細菌抗原を含
んでなるワクチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0114】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、単細胞生物による感染
を患う被験者において、単細胞生物に対する抗原特異的免疫応答を増進する方法であって
:(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;(b)場合によって、1以上の補助分子を
含んでなる薬剤組成物を被験者に投与し;そして(c)アジュバント中に配合した単細胞
生物由来の1以上の抗原を含んでなるワクチンを被験者に投与する工程を含んでなる、前
50
(40)
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記方法に関する。
【0115】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、被験者において、抗原
に対する免疫応答を増進する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0116】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、被験者において、抗原
10
に対する抗原特異的細胞傷害性T細胞免疫応答を増進する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0117】
以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの1つの態様であり、被験者において、抗原
に対する抗原特異的Tヘルパー免疫応答を増進する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
20
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0118】
前述の各態様において、Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同
時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与することが可能であり、そして補助分子
を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて
投与することが可能である。さらに、前述の各態様において、補助分子は、インターロイ
キン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18および23、ケモカイン、G
M−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよびガンマ、c−kitリガン
ド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリーメンバー(TNF−α)、
30
TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパク質、可溶性CD83、4−
1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG配列、並びにそれらの組み合
わせからなる群より選択可能である。
【0119】
動物モデルおよび実験動物における抗原および/またはワクチンのin vivo評価
Flt3リガンド免疫プロトコルを用いる、前述の方法はすべて、動物モデルおよび実
験動物において、抗原および/またはワクチンをin vivo評価するのに受け入れや
すい。例えば、腫瘍関連抗原(TAA)および腫瘍特異的抗原(TSA)のリストが増大
中であることから、ヒトにおける第I相試験の前に動物実験で評価する必要がある。上に
列挙するものなど、癌に関連するもの以外の抗原を用いて、in vivoで抗原および
40
/またはワクチンの評価を行うことが可能である。
【0120】
したがって、動物モデルおよび/または実験動物(すなわち被験者)において、抗原に
対する免疫応答を評価する方法を提供する。以下は、Flt3リガンド免疫プロトコルの
1つの態様であり、該態様は、被験者において、抗原に対する免疫応答を評価する方法で
あって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;
(c)抗原を被験者に投与し、ここで、抗原は、場合によってアジュバントとともに配
合可能である;そして
50
(41)
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(d)抗原に対する被験者の免疫応答を評価する
工程を含んでなる、前記方法に関する。
【0121】
他の態様と同様に、Flt3リガンドおよび場合による補助分子を、ワクチン投与の前
に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与することが可能で
ある。補助分子は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、
18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファ
およびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファ
ミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タ
ンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、C
10
pG配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択可能である。
【0122】
被験者の免疫応答の評価は、限定されるわけではないが:a)細胞免疫の評価としての
過敏性の遅延;b)in vitroでの細胞溶解性Tリンパ球の活性;c)in vi
troでのTヘルパーリンパ球の増殖活性;d)抗原特異的抗体とともに、抗原特異的抗
体のアイソタイプのレベル;e)腫瘍などの組織形態の変化;e)特定の疾患または感染
の代理マーカーレベルの変化;およびf)抗原が誘導するサイトカインおよび/またはケ
モカイン産生、を測定することを含む、当該技術分野に知られる方法いずれによっても監
視可能である。
【0123】
20
アレルギーの治療におけるFlt3リガンド
Flt3−Lをアレルギーの治療に使用可能である。本明細書全体で記載するFlt3
−L免疫プロトコルは、アレルギーのアレルゲン特異的免疫療法に直接の有用性を有する
。アレルゲン特異的免疫療法は、原因アレルゲンへの続く曝露に関連する症状を改善する
のに有効な用量に到達するため、1以上のアレルギーを有する被験者に、増加する用量で
アレルゲンワクチンを投与することと定義される。アレルギーの免疫療法には、Flt3
−L免疫プロトコルおよびアレルギーのアレルゲン特異的免疫療法および/またはFlt
3−Lの投与を含むように修飾された脱感作療法が含まれる。
【0124】
アレルギー学的診断の技術分野に使用される適切なin vivoおよびin vit
30
ro技術いずれかを用いて、被験者を診断することが可能であり、これらには、限定され
るわけではないが、皮内連続終点試験(SET)、放射性アレルゲン吸着アッセイ(RA
ST)、RASTスポット試験、ヒスタミン放射性酵素(Radioensymatic
)アッセイ、in vitro IgEおよびIgGアッセイ、自発的合成アッセイとと
もに当該技術分野に知られる他のアッセイなどのより慣用的な試験が含まれる。
【0125】
アレルギーワクチンは当該技術分野に周知であり、そして一般的に、少なくとも1つの
アレルゲン、および適切なキャリアー、希釈剤、賦形剤、安定化剤および場合によるアジ
ュバントいずれかを含んでなると定義することが可能である。アレルゲンは、本明細書に
おいて、当該技術分野に認識されるアレルゲンいずれか;修飾アレルゲン(限定されるわ
40
けではないが、尿素、PEG/PVA、脱グリコシル化、多糖および/または光酸化など
の方法によって修飾);アレルゴイド(限定されるわけではないが、チロシン吸収を含む
、または含まない、グルタルアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド処理などの方法
によって修飾);一価同種異系抽出物;アレルゲンポリマー;コンジュゲート化アレルゲ
ン;アレルゲンのアレルゲン−ムラミルペプチド;アレルゲン・マイコロイルムラミルペ
プチドコンジュゲート;アレルゲン−プルラン化合物;アレルゲンおよびハプテン(単数
または複数)のコンジュゲート;アレルゲン、ハプテン(単数または複数)および親水性
ポリマーのコンジュゲート;尿素変性(denaturod)抗原;組換えアレルゲン;
突然変異誘発した組換えアレルゲン;低刺激性アレルゲン(hypoallergens
)および/または低刺激性アレルゲン性誘導体などの遺伝子操作アレルゲン(例えばIg
50
(42)
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E結合エピトープが減少しているが、T細胞エピトープおよび遮断抗体として働くことが
可能なIgG抗体を誘導するためのエピトープを保持する分子)と定義される。
【0126】
アレルギーワクチンおよびFlt3−Lを、本明細書に記載する有効な方式および経路
いずれかで投与することが可能である。アレルゲンワクチンおよびFlt3−Lの投薬お
よび投与は、資格のある医師によって決定可能である。
【0127】
Flt3−L免疫プロトコルは、治療可能なアレルギーいずれかに対するアレルギー免
疫療法で使用可能であり、これらには、限定されるわけではないが:昆虫アレルギーおよ
び昆虫咬傷および/または刺傷(チリダニ、アリ、クモ、ハエ、ハチ、スズメバチ、蚊、
10
ブヨ等);動物アレルギー(限定されるわけではないが:イヌ、ネコ、鳥、げっ歯類、ウ
シ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギ等の家畜および野生動物の毛皮、ふけ、排出物等);アレ
ルギー性気管支炎、バルサムアレルギー;カンジダ菌アレルギー;カーペットおよび/ま
たは織物アレルギー;食物アレルギーまたは敏感性;金属アレルギー;松脂アレルギー;
殺菌剤アレルギー;肥料アレルギー;ホルムアルデヒドアレルギー;ガスアレルギー;接
着剤アレルギー;同種異系血清アレルギー;宝飾品アレルギー;メルカプトアレルギー;
カビおよび/またはうどん粉菌アレルギー;ペンキアレルギー;紙アレルギー;パラベン
類アレルギー;香水アレルギー;殺虫剤アレルギー;プラスチックアレルギー;シャンプ
ーアレルギー;石鹸アレルギー;チウラムアレルギー;タバコアレルギー;コムギアレル
ギー;酵母アレルギー;アレルギー性皮膚炎;アレルギー性鼻炎;アスピリン感受性;喘
20
息;アトピー性皮膚炎;接触皮膚炎;化粧品アレルギー;牛乳アレルギー;皮膚炎;ほこ
りアレルギー;花粉アレルギー;湿疹;草アレルギー;サリチル酸感受性等が含まれる。
【0128】
上に詳細に記載するように、Flt3−Lは、アレルギーワクチンおよび場合による補
助分子の投与前に、投与と同時に、そして/または投与に続いて、投与可能である。1つ
の態様において、Flt3−Lは、ワクチン接種前に、ワクチン接種と同時に、そして/
またはワクチン接種に続いて、連続1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、
9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、1
9日、または20日間、被験者に一日一度、毎日または2日ごと、3日ごと、4日ごと、
5日ごと、6日ごとまたは7日ごとに投与される。もちろん、上述のFlt3−L免疫プ
30
ロトコルのすべての態様は、アレルギーの治療に適応可能である。さらに、当該技術分野
に知られる現存のアレルギー免疫措置を修飾して、Flt3−Lの投与を含むようにする
ことが可能である。
【0129】
1つの態様において、Flt3リガンド免疫プロトコルは、1以上のアレルギーを有す
る被験者において、アレルギーを治療する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)アレルギーワクチンを被験者に投与する
工程を含んでなり、ここでFlt3リガンドは、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同
40
時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そしてここで補助分子は、ワクチン
投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そし
てここで補助分子は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15
、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルフ
ァおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFフ
ァミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合
タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、
CpG配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記方法に関する。
【0130】
上述のように、Flt3−Lは、造血幹細胞および前駆細胞とともに、多様な種類の免
50
(43)
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疫細胞、特に樹状細胞を拡大させる。さらに、Flt3−Lは、Th1型樹状細胞を拡大
させる能力を有する。したがって、アレルギー免疫療法におけるFlt3−L免疫プロト
コルは、典型的なTh2応答からTh1型応答に、被験者の免疫応答を駆動することが可
能である。サイトカインプロフィールおよび免疫応答におけるこのシフトは、IgE産生
よりIgG産生を駆動し、IL−4の循環レベルを減少させ、好酸球の補充および活性化
を減少させるとともに、肥満細胞の増殖を減少させる。その結果、続くアレルゲン曝露は
アレルギー反応を引き起こさない。
【0131】
当該技術分野に知られる標準法および技術、例えば限定されるわけではないが、患者由
来のアレルゲン特異的IgGおよびIgE抗体の測定によって、Flt3−L免疫プロト
10
コルを用いたアレルゲン特異的免疫療法の有効性を評価することが可能である。Flt3
−L免疫プロトコルにおけるアレルゲン特異的免疫療法を受けている患者はまた、限定さ
れるわけではないが、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ステロイド、鎮痛剤、咳止め等の1
以上の慣用療法と組み合わせて治療可能である。
【0132】
本明細書に引用するすべての刊行物の相当する開示は、特に本明細書に援用される。以
下の例は、特定の態様を例示するために提供され、そして本発明の範囲を限定するために
提供されるのではない。
【実施例】
【0133】
20
実施例
(実施例1)
本実施例は、樹状細胞拡大にFlt3リガンドを用いる方法を記載する。細胞収集前に
、循環PBPCおよびPBSCを可動化するか、またはその数を増加させることが望まし
い可能性がある。可動化によって、PBPCおよびPBSC収集が改善される可能性があ
り、そして可動化は、こうした細胞の収集前に、患者にFlt3リガンドまたはサーグラ
モスティム(sargramostim)(Leukine(登録商標)、Immune
x Corporation、ワシントン州シアトル)を静脈内投与することによって達
成可能である。CSF−1、GM−CSF、c−kitリガンド、G−CSF、EPO、
IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、
30
IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15
、GM−CSF/IL−3融合タンパク質、LIF、FGFおよびそれらの組み合わせな
どの他の増殖因子を、Flt3リガンドと組み合わせて、連続して、または同時に投与す
ることが可能である。当該技術分野に知られるアフェレーシス法を用いて、可動化または
非可動化PBPCおよびPBSCを収集する。例えばBishopら, Blood, vol.83, No.2, pp.610−616(1994)を参照されたい。簡潔
には、慣用的な装置、例えばHaemoneticsモデルV50アフェレーシス装置(
Haemonetics、メリーランド州ブレインツリー)を用いて、PBPCおよびP
8
BSCを収集する。およそ6.5x10 単核細胞(MNC)/患者kgが収集されるま
で、典型的には週5回を越えずに、4時間の収集を行う。カルシウムまたはマグネシウム
40
を含まないハンクス平衡塩溶液(HBSS)でおよそ1:6に希釈し、そしてリンパ球分
離培地(Organon Teknika、ノースカロライナ州ダーハム)上に重層する
ことによって、顆粒球−マクロファージコロニー形成単位(CFU−GM)に関して、収
集したPBPCおよびPBSCのアリコットをアッセイする。遠心分離後、界面のMNC
を収集し、洗浄し、そしてHBSSに再懸濁する。およそ300,000MNCを含有す
る1ミリリットルアリコット、修飾マッコイ5A培地、0.3%寒天、200U/ml組
換えヒトGM−CSF、200U/ml組換えヒトIL−3、および200U/ml組換
えヒトG−CSFを、37℃、5%CO2中、完全に加湿した空気中で、14日間培養す
る。場合によって、Flt3リガンドまたはGM−CSF/IL−3融合分子(PIXY
321)を培養物に添加することが可能である。これらの培養物をライト染色液で染色
50
(44)
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し、そして実体顕微鏡を用いて、CFU−GMコロニーをスコア付けする(Wardら,
Exp. Hematol., 16:358(1988))。あるいは、Siena
ら, Blood, Vol.77, No.2, pp400−409(1991)の
CD34/CD33フローサイトメトリー法、または当該技術分野に知られる他の方法い
ずれかを用いて、CFU−GMコロニーをアッセイすることが可能である。
【0134】
CFU−GM含有培養物を速度管理フリーザー(例えばCryo−Med、ミシガン州
マウントクレメンス)中で凍結し、その後、液体窒素の気相に保管する。10%のジメチ
ルスルホキシドを凍結保護剤として使用可能である。患者からすべての収集を終えたら、
CFU−GM含有培養物を融解し、そしてプールする。融解した細胞コレクションを、上
10
述の他のサイトカインと組み合わせてFlt3リガンドと接触させる。Flt3リガンド
へのこうした曝露は、CFU−GMを樹状細胞系譜に駆動するであろう。樹状細胞を、患
者の静脈内に再注入する。
【0135】
(実施例2)
本実施例は、CD40Lで刺激した樹状細胞が、同種異系抗原を提示し、そしてしたが
ってT細胞増殖を引き起こす能力を例示する。ヒト・ドナーの骨髄からCD34+細胞を
得て、GM−CSF、IL−4、FLT3リガンド、幹細胞因子とともに、DC分化を促
進する当該技術分野に知られる他のサイトカインなどの1以上のサイトカインの存在下で
2週間培養し、そして実質的に実施例1に記載するようなフローサイトメトリーによって
20
単離した。混合リンパ球反応(MLR)に用いる前に、樹状細胞の増殖を支持するサイト
カインを含有するマッコイ増進培地中、CD40L(1μg/ml)の可溶性三量体型の
存在下または非存在下で、樹状細胞をさらに24時間培養した。
【0136】
2−アミノエチルイソチオウロニウムブロミド・ヒドロブロミド処理したヒツジ赤血球
とロゼット形成させることによって、非HLAマッチドナーの血液からT細胞を精製した
。製造者のプロトコルにしたがって、MACS(Milenyi Biotec、カリフ
ォルニア州サニーベール)を用いて、免疫磁気選択を用い、CD4+およびCD8+集団
をさらに精製した。力価決定した数の樹上細胞の存在下、RPMI(10%熱不活化ウシ
胎児血清(FBS))中の精製T細胞を用いて、37℃、10%CO2大気中で、細胞増
30
5
殖アッセイを行った。ウェルあたりおよそ1x10 のT細胞を、三つ組で、丸底96ウ
ェルマイクロタイタープレート(Corning)中、多様な数の非マッチ樹状細胞の存
在下で、7日間培養した。培養の最後の8時間、トリチウム化したチミジン(25Ci/
nmol、Amersham、イリノイ州アーリントンハイツ)1μCi/ウェルで細胞
をパルス処理した。
【0137】
自動化細胞採取装置を用いて、ガラスファイバーディスク上に細胞を採取し、そして液
体シンチレーション分光分析によって、取り込まれたcpmを測定した。結果によって、
MLRに使用する前にCD40Lに曝露されていない樹状細胞に比較して、CD40Lで
活性化された樹状細胞は、同等のT細胞増殖を刺激するのに3倍少ない数しか必要とされ
40
ないことが立証された。この増加は、同種異系応答性T細胞を刺激する細胞表面分子の発
現が増加しているためである可能性が最も高い。
【0138】
(実施例3)
本実施例は、樹状細胞が、T細胞の抗原特異的増殖を刺激する能力を例示する。破傷風
トキソイドに対して応答性であると考えられるヒト・ドナーの骨髄からCD34+細胞を
得て、選択したサイトカインの存在下で2週間培養し、そして実質的に実施例1に記載す
るように、フローサイトメトリーによって単離した。破傷風毒素(TTX)抗原提示アッ
セイに用いる前に、樹状細胞の増殖を支持するサイトカインを含有するマッコイ増進培地
中、CD40L(1μg/ml)の可溶性三量体型の存在下または非存在下で、樹状細胞
50
(45)
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をさらに24時間培養し、その後、37℃、10%CO2大気中、精製TTX(Conn
aught Laboratory Inc.、ペンシルバニア州スウィフトウォーター
)で24時間パルス処理した。
【0139】
精製TTXおよび低濃度のIL−2およびIL−7(それぞれ2ng/mlおよび5n
-
g/ml)の存在下で、CD34抗体カラムから溶出したCD34 細胞を2週間培養す
-
ることによって、自己破傷風トキソイド応答性T細胞を得た。CD34 集団は、ある割
合のT細胞(約5%)を含有し、この割合は、破傷風トキソイドとともに抗原提示細胞と
して作用する他の細胞種に対して応答性である。2週目までに、これらの細胞の解析によ
って、これらが約90% T細胞であり、その大部分が破傷風トキソイド特異的であり、
10
T細胞活性化マーカーレベルが低いことが示された。
【0140】
破傷風トキソイドでパルス処理した樹上細胞の存在下、10%熱不活化ウシ胎児血清(
-
FBS)を添加したRPMI中、上述のようなCD34 骨髄細胞由来のTTX特異的T
細胞を用いて、37℃、10%CO2大気中で、抗原特異的T細胞増殖アッセイを行った
5
。ウェルあたりおよそ1x10 のT細胞を、三つ組で、丸底96ウェルマイクロタイタ
ープレート(Corning)中、力価決定した数の樹状細胞の存在下で、5日間培養し
た。培養の最後の4∼8時間、トリチウム化したチミジン(25Ci/nmol、Ame
rsham、イリノイ州アーリントンハイツ)1□Ci/ウェルで細胞をパルス処理した
。自動化細胞採取装置を用いて、ガラスファイバーディスク上に細胞を採取し、そして液
20
体シンチレーション分光分析によって、取り込まれたcpmを測定した。図2に示す結果
によって、CD40Lと培養された樹状細胞は、CD40Lに曝露されていない樹状細胞
より、TTX特異的T細胞に対して抗原を提示するのに約10倍有効でないことが示され
た。
【0141】
(実施例4)
本実施例は、Flt3リガンドを用いて、in vivoで抗腫瘍免疫応答を増大させ
る方法を記載する。メスC57BL/10J(B10)マウス(The Jackson
Laboratory、メイン州バーハーバー)に、腹部正中線に総量50μlを皮内
5
注入することによって、5x10 の生存B10.2またはB10.5線維肉腫腫瘍細胞
30
を注入した。線維肉腫B10.2およびB10.5株は、B10起源のものであり、そし
て先に記載されてきている。本明細書に援用されるLynchら, Euro. J. Immunol., 21:1403(1991)を参照されたい。5mgのメチルコラ
ントレンを含有するパラフィンペレットを皮下移植することによって、線維肉腫B10.
2株を誘導し、そして紫外照射に長時間曝露することによって、B10.5株を誘導した
。5%FBS、2nM L−グルタミン、50U/mlペニシリンおよび50μg/ml
ストレプトマイシンを含有するα−修飾MEM中、腫瘍細胞株をin vitroで維持
した。総体積100μlを皮下注射することによって、19日間の期間に渡って(別に示
さない限り)、原則として毎日、組換えヒトFlt3リガンド(10μg/注射)を投与
した。対照マウスには、100ng MSAを含有する同様の体積の緩衝液を、同様に注
40
入した。腫瘍曝露後の時間に対して腫瘍サイズをプロットすることによって、腫瘍増殖速
度を決定した。カリパスで測定した2つの垂直な直径の積として、腫瘍サイズを計算し、
そして特定の処置群内の腫瘍を持つマウスのみの平均腫瘍サイズとして表す。実験終了時
、各処置群に関して、曝露した数に比較した、腫瘍を持つマウス数を以下のデータに示す
。
【0142】
表Iから、データは6つの異なる実験を編集したものであり、ここで腫瘍を持つマウス
をFlt3リガンドまたはMSAいずれかで処置した。完全な腫瘍退化は、MSAで処置
したマウスでは30匹のうち1匹であったのに比較して、Flt3リガンドで処置したマ
ウスでは50匹のうち19匹で観察された(フィッシャーの直接検定を用いるとp<0.
50
(46)
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0001)。Flt3リガンドで処置したマウスの腫瘍増殖速度(腫瘍曝露後、第5週の
2
腫瘍を持つマウスにおいて、平均腫瘍サイズは60+/−8mm であった)は、MSA
2
で処置したマウス(腫瘍曝露後、第5週の平均腫瘍サイズは185+/−17mm であ
った)に比較して有意に減少しているという観察もまた、確認された(分散分析によって
p.0001)。
【0143】
【表2】
10
20
【0144】
対照に比較して、Flt3リガンドを用いると、腫瘍サイズがはっきりと妨害された。
したがって、このデータによって、Flt3リガンドが、外来(foreign)抗原に
対する、そして特に癌に対する免疫応答の増大に重要なサイトカインであることが示され
る。
【0145】
(実施例5)
30
本実施例は、インターフェロン・アルファと組み合わせてFlt3リガンドを使用する
と、in vivoで抗腫瘍免疫応答が増大することを立証する。1つの研究において、
B10.2線維肉腫腫瘍細胞株(上述)を、第0日にC57BL/10J(B10)マウ
スに移植した。マウス1組(n=10)を、腫瘍曝露後、第10日∼第29日に、組換え
ヒトFlt3リガンド(50μg/日、皮下注射による)で処置した。別の組のマウス(
n=5)を、腫瘍曝露後、第21日∼第25日に、ヒト・インターフェロン・アルファ(
インターフェロン・アルファA/D;60,000U/日、皮下注射による)で処置した
。第3の組のマウス(n=5)を、第10日∼第29日にFlt3リガンドで、そしてま
た、第21日∼第25日にインターフェロン・アルファで処置した。対照マウスには、1
00ng MSAを含有する緩衝液を注射した。7週間の期間に渡って、腫瘍サイズを測
40
定することによって、腫瘍増殖速度を決定した。カリパスで測定した2つの垂直な直径の
2
積として、腫瘍サイズを計算し、そしてmm で平均腫瘍サイズとして表す。平均腫瘍サ
イズの決定には、各群内で腫瘍を持つマウスのみを考慮した。各処置群に関して、腫瘍の
発生率もまた決定した(すなわち曝露した数に比較した、腫瘍を持つマウスの数)。
【0146】
表3は、腫瘍を持つ動物の平均腫瘍サイズを示し、そして表4は、腫瘍の発生率を示す
。このデータによって、B10.2腫瘍モデルの免疫応答を増進する際に、インターフェ
ロン・アルファがFlt3リガンドと相乗作用を生じることが立証される。最も注目すべ
きことに、腫瘍拒絶率は、Flt3リガンド単独では40%であり、そしてFlt3リガ
ンドおよびインターフェロン・アルファを組み合わせると80%であった。
50
(47)
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【0147】
【表3】
10
20
【0148】
【表4】
30
40
【0149】
(実施例6)
本実施例は、CD40結合タンパク質と組み合わせてFlt3リガンドを使用すると、
in vivoで抗腫瘍免疫応答が増大することを立証する。1つの研究において、上の
50
(48)
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5
実施例3に記載するように、生存B10.2線維肉腫腫瘍細胞株5x10 細胞を、C5
7BL/10J(B10)マウス(The Jackson Laboratory、メ
イン州バーハーバー)に皮内注射し、そしてマウスを、各8匹を含有する4組にさらに分
けた。マウスの一組では、腫瘍注射と同じ日に始まって、総量100μlを皮下注射する
ことによって、20日間の期間に渡って、毎日、各マウスに組換えヒトFlt3リガンド
(10μg/注射/日)を投与した。別の組のマウスでは、各マウスに、各日、同じ体積
および量のCD40−Lを20日間注射した。第三の組では、各マウスに、1日あたり1
0μgのFlt3リガンドおよび10μgのCD40−Lの組み合わせを20日間注射し
た。対照マウスには、100ng MSAを含有する同様の体積の緩衝液を、同様に注射
した。腫瘍曝露後、6週間の期間に渡って、毎週、腫瘍サイズを測定して、腫瘍増殖速度
10
を決定した。カリパスで測定した2つの垂直な直径の積として、腫瘍サイズを計算し、そ
して平均腫瘍サイズとして表す。平均サイズの決定には、各群内で腫瘍を持つマウスのみ
を考慮した。腫瘍拒絶頻度もまた決定し、そして実験終了時、各処置群に関して、曝露し
た数に比較した、腫瘍を持たないマウスの数として表した。
【0150】
表5は、曝露後6週間の期間に渡って、週1回計算した、腫瘍を持つ動物における平均
腫瘍サイズの形で、データを提供する。表6は、曝露後6週間に渡る、各組のマウスの腫
瘍拒絶頻度パーセントを詳述する。該データによって、腫瘍を持つマウスに関して、Fl
t3リガンドで処置したマウス、およびCD40−Lと組み合わせてFlt3リガンドで
処置したマウスの平均腫瘍サイズが同等であり、そして腫瘍を持つ対照マウスの腫瘍サイ
20
ズより小さいことが立証される。しかし、重要なことに、併用療法を受けたマウスでは、
Flt3リガンドまたはCD40−Lを単独で投与されたマウスより、腫瘍拒絶頻度が有
意により高かった。より具体的には、曝露後、第6週、併用療法を受けたマウスの62.
5%が完全な腫瘍拒絶を経験した。対照的に、曝露後、第6週、Flt3リガンドを単独
で投与されたマウスの25%が完全腫瘍拒絶を経験し、そしてCD40−Lを単独で投与
されたか、またはMSAを投与されたマウスは、完全腫瘍拒絶をまったく経験しなかった
。
【0151】
【表5】
30
【0152】
40
(49)
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【表6】
10
【0153】
別の研究において、C3H/HeNマウスに、非常に侵襲性の高い腫瘍、87線維肉腫
腫瘍細胞株(C3H/HeN(MTV−)マウスを紫外照射に長期間曝露することによっ
5
て生成)5x10 細胞を皮内注射した。その後、マウスを、各10匹を含有する4組に
20
さらに分けた。マウスの一組では、腫瘍注射の後の日に始まって、皮下注射することによ
って、20日間の期間に渡って、毎日、各マウスに組換えヒトFlt3リガンド(10μ
g/注射/日)を投与した。別の組のマウスでは、各マウスに、各日、同じ体積および量
のCD40−Lを、第7日に始まって、そして第20日まで続けて注射した。第三の組で
は、各マウスに、CD40−LおよびFlt3リガンドの併用療法を行った。併用療法に
は、腫瘍注射翌日に始まって、そして第20日まで続く10μg/日のFlt3リガンド
、および第7日から始まって、そして第20日まで続く10μg/日のCD40−Lが含
まれた。対照群のマウスには、100ng MSAを含有する同様の体積の緩衝液を、同
様に注射した。腫瘍曝露後6週間の期間に渡って、毎週、腫瘍サイズを測定することによ
って、腫瘍増殖速度を決定した。カリパスで測定した2つの垂直な直径の積として、腫瘍
30
サイズを計算し、そして平均腫瘍サイズとして表す。平均サイズの決定には、腫瘍を持つ
マウスのみを考慮した。腫瘍拒絶頻度もまた決定し、そして実験終了時、各処置群に関し
て、曝露した数に比較した、腫瘍を持たないマウスの数として表した。
【0154】
表7は、曝露後6週間の期間に渡って、週1回計算した、腫瘍を持つ動物における平均
腫瘍サイズの形で、データを提供する。表8は、曝露後6週間の期間に渡る、各組のマウ
スの腫瘍拒絶頻度パーセントを詳述する。該データによって、腫瘍を持つマウスに関して
、CD40−Lと組み合わせてFlt3リガンドで処置したマウスの平均腫瘍サイズが、
腫瘍を持つ対照マウス、並びにFlt3リガンドのみおよびCD40Lのみを投与した群
の腫瘍を持つマウスの腫瘍サイズより有意に小さいことが立証される。重要なことに、併
40
用療法を受けたマウスでは、Flt3リガンドまたはCD40−Lを単独で投与されたマ
ウスより、腫瘍拒絶頻度が有意により高かった。より具体的には、曝露後、第6週、併用
療法を受けたマウスの50%が完全な腫瘍拒絶を経験した。対照的に、曝露後、第6週、
Flt3リガンドを単独で投与されたマウスの10%が完全腫瘍拒絶を経験し、そしてC
D40−Lを単独で投与されたか、またはMSAを投与されたマウスは、完全腫瘍拒絶を
まったく経験しなかった。
【0155】
上述の観察によって、Flt3リガンドおよびCD40−L併用療法が、in viv
oで抗腫瘍免疫応答を劇的に上方制御可能であることが立証される。このデータによって
、Flt3リガンドおよびCD40−L単独で用いた際は、腫瘍拒絶をほとんどまたはま
50
(50)
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ったく示さないことから、Flt3リガンドおよびCD40結合タンパク質、CD40−
Lの間に相乗作用が存在することが示される。併用では、拒絶は劇的である。研究によっ
て、相乗作用に加えて、CD40−LおよびFlt3リガンドの併用が、腫瘍において、
IL−12 mRNAの発現を誘導することも示された。
【0156】
【表7】
10
20
【0157】
【表8】
30
40
【0158】
(実施例7)
本実施例は、4−1BBと反応性である抗体と組み合わせてFlt3リガンドを使用す
ると、in vivoで抗腫瘍免疫応答が増大することを立証する。1つの研究において
5
、生存B10.2線維肉腫腫瘍細胞株5x10 細胞を、C57BL/10J(B10)
マウス(The Jackson Laboratory、メイン州バーハーバー)に皮
内注射した。マウスの一組では、腫瘍注射と同じ日に始まって、総量100μlを皮下注
射することによって、14日間の期間に渡って、毎日、各マウスに組換えヒトFlt3−
L(10μg/注射/日)を投与した。別の組のマウスでは、各マウスに、腫瘍曝露後、
第3日および第6日に、100μgのラット抗mu 4−1BB(クローンm6)をIP
50
(51)
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注射した。第三の組では、各マウスに、第13日および第16日に、100μgのラット
抗mu 4−1BBクローンm6を注射した。第四の組のマウスには、腫瘍曝露後、第1
日∼第14日に10μgのFlt3リガンドを、そして第13日および第16日に100
μgのラット抗mu 4−1BBクローンm6を組み合わせて注射した。対照マウスには
、100ng MSAを含有する緩衝液を注射した。腫瘍曝露後、5週間の期間に渡って
、毎週、腫瘍サイズを測定して、腫瘍増殖速度を決定した。カリパスで測定した2つの垂
2
直な直径の積として、腫瘍サイズを計算し、そしてmm で平均腫瘍サイズとして表す。
平均腫瘍サイズの決定には、各群内で腫瘍を持つマウスのみを考慮した。腫瘍発生数もま
た決定し、そして実験終了時、各処置群に関して、曝露した数に比較した、腫瘍を持つマ
ウスの数として表した。
10
【0159】
表9は、曝露後8週間の期間に渡って、週1回計算した、腫瘍を持つ動物における平均
腫瘍サイズの形で、データを提供する。表10は、曝露後8週間の期間に渡る、各組のマ
ウスの腫瘍発生パーセントを詳述する。該データによって、腫瘍を持つマウスに関して、
Flt3リガンド単独で処置したマウス、および抗4−1BB措置で処置したマウスの平
均腫瘍サイズは類似であることが立証される。しかし、4−1BBと反応性である抗体と
組み合わせてFlt3リガンドをマウスに投与すると、腫瘍を持つマウスの平均腫瘍サイ
ズが顕著に減少する。具体的には、曝露後、第5週、併用療法を受けたマウスは平均腫瘍
サイズが0であり、100%腫瘍拒絶を示した。このデータは、併用療法を受けたマウス
では、Flt3リガンドまたは4−1BB抗体を単独で投与されたマウスより腫瘍発生率
20
が有意に低かったことを立証する、表10の数字によって支持される。より具体的には、
曝露後、第5週、併用療法を受けたすべてのマウスが完全腫瘍拒絶(0%腫瘍発生)を経
験した。対照的に、曝露後、第5週、Flt3リガンドを単独で投与されたマウスの70
%が腫瘍を有し、そして4−1BB抗体を単独で投与されたマウスの50%および70%
が腫瘍を有した。このデータは、免疫応答を増進する際に、抗4−1BBがFlt3リガ
ンドと相乗作用する証拠を提供する。
【0160】
【表9】
30
40
【0161】
50
(52)
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【表10】
10
20
【0162】
(実施例8)
本実施例は、抗原特異的免疫応答を増進することが示されたFlt3リガンド免疫プロ
トコルの1つの態様を記載する。Flt3リガンド、PEG化GM−CSFおよびCD4
0Lがワクチンに対する免疫応答を増進するかどうかを決定する実験を設計した。
【0163】
以下の研究は、周知のOT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウスモデルを用
30
いた。該研究は、OT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウス由来の少数のT細
胞を、非トランスジェニック・コンジェニックマウスに静脈内移植することを伴う。該ト
ランスジェニックマウスは、MHCクラスIおよびIIの背景で、ニワトリ卵オボアルブ
ミン(OVA)由来の選択ペプチドを特異的に認識するT細胞受容体(TCR)を発現す
b
る。C57BL/6バックグラウンドを有するOT−Iマウスは、H−2K に結合した
、OVA257-264ペプチド(SIINFEKL−配列番号3)に特異的なTCRのα鎖お
よびβ鎖に関してトランスジェニックである(Hogquist, K.A.ら, Ce
ll, 76, 17−27, 1994)。やはりC57BL/6バックグラウンドを
b
有するOT−IIマウスは、IA の背景に提示されるOVA323-339ペプチド(ISQA
VHAAHAEINEAGR−配列番号4)に特異的なTCRに関してトランスジェニッ
40
クである(Barnden, M.J.ら, Immunol. Cell Biol.
, 76, 34, 1998)。
【0164】
OT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞
5
およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェニックマウスに移した(およそ4x10 C
D4+ T細胞およびCD8+ T細胞に相当する)。移植のおよそ24時間後、不完全
フロイントアジュバント(IFA−Difco/Becton Dickinson、ニ
ュージャージー州フランクリンレークス)中で乳化したOT−IおよびOT−IIペプチ
ド各25μgで、マウスを皮下(s.c.)免疫した。IFAはパラフィンオイルであり
、そしてペプチドのデポとして、それとともに炎症誘発性シグナルとして働くと考えられ
50
(53)
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る。
【0165】
処置群を表11に提示する。Flt3リガンドは、チャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞株中、周知の組換えDNA技術によって産生され、そしてImmunex Co
rporation、ワシントン州シアトルから入手可能である。第1群では、第11日
に、完全フロイントアジュバント(CFA)中に配合した卵ペプチドで免疫し、この群は
陽性対照として働いた。第2群では、第11日に、不完全フロイントアジュバント(IF
A)中に配合した卵ペプチドを投与した。第3群では、第11日に、リン酸緩衝生理食塩
水(PBS)中に配合した卵ペプチドを投与した。第4群では、連続10日間、襟首に1
日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に
10
配合した卵ペプチドで免疫した。第5群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μg
のFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合した卵ペプチ
ドで免疫し、そして第11日および第12日に、免疫部位で10μgのCD40Lをs.
c.投与した。第6群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガン
ドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合した卵ペプチドで免疫し、そし
て第11日∼第15日まで、免疫部位(襟首)から遠位の部位で、10μgのCD40L
をs.c.投与した。第7群では、第11日に、IFA中に配合した卵ペプチドで免疫し
、そして第11日および第12日に、免疫部位で、10μgのCD40Lをs.c.投与
した。第8群では、第11日に、IFA中に配合した卵ペプチドで免疫し、そして第11
日∼第15日に、免疫部位(襟首)から遠位の部位で、10μgのCD40Lをs.c.
20
投与した。第9群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドを
s.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合した卵ペプチドで免疫し、そして第
11日および第12日に、免疫部位で、5μgのPEG化GM−CSF(pGM−CSF
)をs.c.投与した。第10群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFl
t3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合した卵ペプチドで免
疫し、そして第11日∼第15日まで、免疫部位(襟首)から遠位の部位で、5μgのP
EG化GM−CSF(pGM−CSF)をs.c.投与した。第11群では、第11日に
、IFA中に配合した卵ペプチドで免疫し、そして第11日および第12日に、免疫部位
で、5μgのpGM−CSFをs.c.投与した。第12群では、第11日に、IFA中
に配合した卵ペプチドで免疫し、そして第11日∼第15日まで、免疫部位(襟首)から
遠位の部位で、5μgのpGM−CSFをs.c.投与した。
【0166】
30
(54)
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【表11】
10
20
30
【0167】
免疫後、第2日、第5日、および第9日、流入領域リンパ節から細胞を採取した(典型
的には、免疫部位から流出するリンパ節:2つの鼠径リンパ節および1つの副腋窩リンパ
節から)。単細胞懸濁物を調製し、そしてフローサイトメトリー解析(FACs)によっ
て、ドナーCD4+およびCD8+トランスジェニックT細胞の頻度を計算した。クラス
Iペプチドでパルス処理した標的細胞の特異的溶解を測定する、標準的な細胞傷害性T細
胞アッセイとともに、ELISPOT
T M
(Becton Dickinson、ニュージ
40
ャージー州フランクリンレークス)で測定されるような、OT−IIペプチドでのin vitro再刺激後のIFNγ産生によって、機能アッセイも行った。
【0168】
図1A∼E、2A∼Eおよび3A∼Eに示すように、マウスをFlt3リガンドで前処
置した際に、CD8+トランスジェニックT細胞の劇的な拡大が生じた。免疫後、第5日
、流入領域リンパ節(DLN)のトランスジェニックCD8+ T細胞数は、Flt3リ
ガンドを投与されないマウスにおけるより、IFA中に配合されたペプチドでの免疫前に
Flt3リガンドを投与されたマウスにおいて、およそ34倍高く、そしてPBS中に配
合されたペプチドのみを投与されたマウスより114倍高かった。免疫後にさらにpGM
−CSFを添加すると、Flt3リガンドに誘導されたCD8+ T細胞拡大が増大し、
50
(55)
JP 2005-528373 A 2005.9.22
そして延長されるようである。
【0169】
Flt3リガンド前処置およびIFAアジュバント中に配合された抗原での免疫の組み
合わせは、CTL生成に劇的な効果を有した。Flt3リガンド免疫プロトコルによって
拡大されたCD8+ T細胞は、OT−Iペプチドでパルス処理した標的でin vit
ro再刺激した5日後の標準的CTLアッセイ(CTL活性を測定するための慣用的なプ
ロトコル)によって測定されるように、機能性の、抗原特異的なエフェクター細胞であっ
た。免疫5日後、抗原特異的CTLは、DLN中のすべての細胞の25∼40%を構成す
6
るように拡大され、これは約2.5∼9x10 細胞(n=4実験)に等しかった。図4
Aおよび4Bは、免疫後にFlt3リガンドを投与され、そして場合によって、pGM−
10
CSFまたはCD40−Lなどの補助分子を投与された群が、抗原特異的CTL活性の最
高レベルを有したことを示す。
【0170】
著しいことに、免疫前にFlt3リガンドを投与され、そして場合によって、pGM−
CSFまたはCD40−Lなどの補助分子を投与された群は、DLNから直接単離された
T細胞集団においてCTL活性が測定されるほど、すなわち抗原特異的CTL活性を明ら
かにするのに、in vitro再刺激がまったく必要とされないほど増大した免疫応答
を有した(図5Aおよび5Bを参照されたい)。より具体的には、以下のようにCTLア
ッセイを行った。標準的
5 1
Cr放出アッセイにおいて、CTL活性を測定した。完全RP
6
MI培地中、1x10 細胞あたり50μCi 5 1
Cr(Amersham Biosc
20
iences、ニュージャージー州ピスカタウェイ)で、1μM OTIペプチド(SI
b
INFEKL、Immunex)を含み、または含まずに、C1498(H−2 )標的
細胞を37℃で1時間パルス処理した。標識した標的細胞を4回洗浄し、そして1x10
4
細胞をDLN細胞(エフェクター)の連続力価決定に添加した。エフェクター:標的比
は、100:1∼0.78:1の範囲であった。10%熱不活性化ウシ胎児血清(Gib
co Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)、100μM MEM
非必須アミノ酸(Gibco)、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、
55μM 2−メルカプトエタノール(Gibco)、50U/mlペニシリン(Cal
biochem、カリフォルニア州サンディエゴ)、50μg/mlストレプトマイシン
(Mediatech、バージニア州ハーンダン)、および2mM L−グルタミン(J
30
RH Bioscinences)を補充したRPMI−1640(JRH Biosc
iences、カンザス州レネクサ)を含有する完全RPMI培地中で、アッセイを行っ
た。37℃で6時間インキュベーションした後、25μlの細胞不含上清を取り除き、そ
してPackard LumaPlate(Packard BioSciences、
コネティカット州メリデン)に移した。Packard TopCount(Hewle
tt Packard、カリフォルニア州パロアルト)上、ウェルあたり60秒間、プレ
ートを読み取った。標的細胞に、それぞれ、アッセイ培地または0.1%Triton X−100(Pierce Chemical Company、イリノイ州ロックフォ
ード)を添加することによって、自発的および最大クロム放出を決定した。特異的溶解パ
ーセントは、100x(実験放出cpm−自発的放出cpm)/(最大放出cpm−自発
40
的放出cpm)として計算した。
【0171】
これらの結果によって、Flt3リガンドで前処置され、そして続いてワクチン接種さ
れたマウスで生じる、抗原特異的CD8+ CTL免疫応答は、ウイルス感染に対する急
性応答で生じるものと同程度に強力であったことが立証される。総合すると、これらの結
果によって、Flt3リガンド免疫プロトコルは、抗原特異的エフェクター細胞応答の度
合いおよび期間両方を増加させることが立証される。
【0172】
(実施例9)
Flt3リガンド免疫プロトコルにおけるTヘルパー細胞の役割を決定するため、これ
50
(56)
JP 2005-528373 A 2005.9.22
らの研究を行った。本態様において、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドを、
連続10日間、皮下投与した。OT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウス由来
のおよそ200万の脾臓細胞およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェニックマウスに移
5
した(およそ4x10 CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞に相当する)。移植
のおよそ24時間後、OT−I 25μgで、マウスを皮下(s.c.)免疫した。以下
により詳細に記載するように、いくつかの群には、Tヘルパー応答を促進するため、不完
全フロイントアジュバント(IFA)またはPBS中で乳化したOT−IIペプチド、あ
るいはキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)(Calbiochem、カリフ
ォルニア州サンディエゴ)を投与した。
【0173】
10
この研究の処置群を、以下の表12に提示する。第1群では、第11日に、IFA中に
配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫し、この群は陽性対照として働いた。
第2群では、第11日に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に配合したOT−Iおよび
OT−IIペプチドを投与した。第3群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μg
のFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−I
およびOT−IIペプチドで免疫した。第4群では、連続10日間、襟首に1日あたり1
0μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したO
T−Iペプチド単独で免疫した。第5群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μg
のFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−I
ペプチドおよび25μgのKLHで免疫した。第6群では、連続10日間、襟首に1日あ
20
たり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、PBS中に配合
したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。
【0174】
【表12】
30
40
【0175】
先の研究におけるように、Flt3リガンド前処置およびIFA中に配合された抗原で
の免疫の組み合わせは、抗原特異的CD8+ CTL生成に劇的な効果を有した。代替ヘ
ルパータンパク質としてKLHを含んだ場合、トランスジェニックCD8+細胞の割合に
驚くべき増加が誘発された(図6A∼6C)。したがって、IL−2を産生するTヘルパ
50
(57)
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ー細胞数を増加させ、続いてCD8+ CTL応答を増進させる、MHC−IIエピトー
プを有するタンパク質を、ワクチン配合物中のさらなる抗原として、Flt3リガンド免
疫プロトコルに含むことが可能である。図7A∼7Cは、免疫前にFlt3リガンドを投
与された第3群が劇的に高いレベルのトランスジェニックCD4+ T細胞を有したこと
を示す。機能的研究によって、標準的増殖アッセイおよびIFNγ産生(標準的ELIS
A技術によって測定)によって測定されるように、抗原特異的で生物学的に機能するTヘ
ルパー細胞が生成されることが示された。
【0176】
(実施例10)
これらの実験は、Flt3リガンド免疫プロトコルにおいて、多様なアジュバントを比
10
較した。試験したアジュバントには:IFA(不完全フロイントアジュバント)、MPL
T M
(3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリル脂質A−Ribi/Corixa Co
rp.、ワシントン州シアトル)、CpG 1826および1982(細菌および/また
はウイルスを模倣する非メチル化CpGヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド、J
. Immunol. 2000 164:1617を参照されたい)、ミョウバン(水
酸化アルミニウム)およびQuil−A(Quil−Aサポニン −ソープバーク(Qu
illaja saponaria)の樹皮から抽出、これは免疫刺激複合体−ISCO
MSの活性構成要素である)が含まれた。先と同様に、襟首に1日あたり10μgのFl
t3リガンドを、連続10日間、皮下投与した。OT−IおよびOT−IIトランスジェ
ニックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェ
20
5
ニックマウスに移した(およそ4x10 CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞に
相当する)。移植のおよそ24時間後:PBS、IFA、MPL
T M
、PBS中のCpG1
826またはPBS中のCpG1982と配合した/混合したOT−IおよびOT−II
ペプチド(各々25μg)で、マウスを皮下(s.c.)免疫した。
【0177】
この研究の処置群を、表13に提示する。第1群では、第11日に、PBS中に配合し
たOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第2群では、連続10日間、襟首に1
日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、PBS中に
配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第3群では、第11日に、IF
A中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第4群では、連続10日
30
間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に
、IFA中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第5群では、第1
1日に、MPL
T M
中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第6群で
は、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そ
して第11日に、MPL
T M
中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。
第7群では、第11日に、PBS中のCpG(1826)と混合したOT−IおよびOT
−IIペプチドで免疫した。第8群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのF
lt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、PBS中のCpG(1826)と
混合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第9群では、第11日に、PB
S中のCpG(1982)と混合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第
10群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投
与し、そして第11日に、PBS中のCpG(1982)と混合したOT−IおよびOT
−IIペプチドで免疫した。
【0178】
40
(58)
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【表13】
10
20
30
【0179】
図8Bおよび8Eに示すように、Flt3リガンド前処置およびIFA中に配合した抗
原での免疫の組み合わせは、MPL
T M
およびCpG配列と配合した/混合したOT−I&
IIペプチドに比較して、非常に高い抗原特異的CD8+ CTL応答を生成した。先の
研究でのように、Flt3リガンド/IFA群のCTLは、流入領域リンパ節から直接単
離したT細胞集団において、抗原特異的細胞溶解活性を示した。さらに、この群は、より
高いレベルのトランスジェニックCD4+ T細胞を有した(図9E)。機能的研究によ
40
って、OT−IIペプチドでパルス処理した標的の存在下で培養すると、これらのCD4
+ T細胞が抗原特異的増殖とともにIFNガンマ産生(ELISAによって測定)を示
すことが示された。さらに、Flt3リガンド前処置およびCpG(1826)/PBS
と混合した抗原での免疫を受けた群は、Flt3リガンド前処置を受けなかった群より、
トランスジェニックCD4+ T細胞数に増加を示し、それとともに、弱いOT−IIペ
プチド誘導IFNγ産生を示した。このデータによって、Flt3リガンド前処置および
異なるアジュバントの組み合わせは、免疫系の異なるアームに優先的に影響を及ぼし、そ
してまた、一時的な方式で、免疫系に影響を及ぼしうることが示唆される。
【0180】
Flt3リガンド免疫プロトコルにおいて、IFA、ミョウバン、およびQuil−A
50
(59)
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を比較するため、同様の研究を行った。先と同様に、襟首に1日あたり10μgのFlt
3リガンドを、連続10日間、皮下投与した。OT−IおよびOT−IIトランスジェニ
ックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェニ
5
ックマウスに移した(およそ4x10 CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞に相
当する)。移植のおよそ24時間後:IFA、ミョウバンまたはQuil−Aいずれかと
配合した/混合したOT−IおよびOT−IIペプチド(各25μg)で、マウスを皮下
(s.c.)免疫した。
【0181】
この研究の処置群を、表14に提示する。第1群では、連続10日間、襟首に1日あた
り10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、PBS中に配合し
10
たOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第2群では、第11日に、IFA中に
配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第3群では、連続10日間、襟
首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IF
A中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第4群では、第11日に
、ミョウバン中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第5群では、
連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.投与し、そして
第11日に、ミョウバン中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免疫した。第
6群では、第11日に、Quil−A中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで
免疫した。第7群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドを
s.c.投与し、そして第11日に、Quil−A中に配合したOT−IおよびOT−I
20
Iペプチドで免疫した。
【0182】
【表14】
30
40
【0183】
先の研究と一致して、Flt3リガンド前処置およびIFA中に配合された抗原での免
疫の組み合わせは、著しく増進した抗原特異的CD8+ CTL応答を生じた(図10B
50
(60)
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および10E)。Flt3リガンド/IFA群由来のCTLは、流入領域リンパ節から直
接単離されたT細胞集団において、抗原特異的細胞溶解活性を示した(図12)。重要な
ことに、Flt3リガンド前処置を受けた群は、アジュバント、すなわちIFA、ミョウ
バンまたはQuil−Aに関わりなく、第5日および第9日に、一貫してより高い免疫応
答を有した(それぞれ、図10B、10E、10Cおよび10F)。このデータによって
、Flt3リガンド免疫プロトコルが、多様なアジュバント中に配合された抗原に対する
免疫応答を増進させ、そしてFlt3リガンド免疫プロトコルが、アジュバント/抗原単
独で免疫した場合よりも、免疫応答を増進させることが立証される。さらに、Flt3リ
ガンド前処置を受け、そしてミョウバンまたはQuil−A中のOT−I&IIペプチド
をワクチン接種されたマウスは、第9日に、より高い割合のCD4+トランスジェニック
10
T細胞を示し、これによって、Flt3リガンド免疫プロトコルが、より長い期間、増大
した免疫応答を維持することが示唆される(図11F)。機能的研究によって、Flt3
リガンド前処置を受け、そしてIFA、ミョウバンまたはQuil−A中のOT−Iおよ
びIIペプチドをワクチン接種されたマウス由来のCD4+トランスジェニックT細胞が
、Flt3リガンド前処置を受けていないマウスより、増進したIFNγ産生の抗原特異
的誘導を示し、そしてFlt3リガンド前処置を受け、そしてIFAまたはミョウバン中
のOT−IおよびIIペプチドをワクチン接種されたマウスが、Flt3リガンド前処置
を受けていないマウスより、増進した抗原特異的CD4+ T細胞増殖を示すことが示さ
れた(図13)。これらのデータによって、Flt3リガンド免疫プロトコルが、標準的
ワクチン接種技術より、増大した抗原特異的免疫応答を生じることがさらに確認される。
20
【0184】
(実施例11)
以下の研究を行って、免疫後の抗原特異的CTLの生成に対するFlt3−L前処置の
多様な日数の影響を決定した。6群のマウスを免疫して、CTL(CD8+)拡大を達成
するのに、10日間のFL処置が必要かどうかを決定した。
【0185】
OT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞
5
およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェニックマウスに移した(およそ4x10 C
D4+ T細胞およびCD8+ T細胞に相当する)。移植のおよそ24時間後、不完全
フロイントアジュバント(IFA−Difco/Becton Dickinson、ニ
30
ュージャージー州フランクリンレークス)中で乳化したOT−IおよびOT−IIペプチ
ド各25μgで、マウスを皮下(s.c.)免疫した。
【0186】
第1群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンドをs.c.
投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチドで免
疫した。第2群では、連続8日間、襟首に^1日あたり10μgのFlt3リガンドをs
.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−IおよびOT−IIペプチ
ドで免疫した。第3群では、連続6日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガンド
をs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−IおよびOT−IIペ
プチドで免疫した。第4群では、連続4日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガ
ンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFA中に配合したOT−IおよびOT−I
Iペプチドで免疫した。第5群では、第11日に、IFA中に配合したOT−IおよびO
T−IIペプチドで免疫した。第6群では、連続10日間、襟首に1日あたり10μgの
Flt3リガンドをs.c.投与し、そして第11日に、IFAで免疫した。
【0187】
40
(61)
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【表15】
10
【0188】
免疫後、第6日、各群(3匹のマウス)からDLNを採取した。OTI CD8 T細
胞数を定量化し、そしてCTLアッセイで試験した。標準的
5 1
20
Cr放出アッセイにおいて
6
、CTL活性を測定した。完全RPMI培地中、1x10 細胞あたり50μCi 5 1
C
r(Amersham Biosciences、ニュージャージー州ピスカタウェイ)
で、1μM OTIペプチド(SIINFEKL、Immunex)を含み、または含ま
b
ずに、C1498(H−2 )標的細胞を37℃で1時間パルス処理した。標識した標的
4
細胞を4回洗浄し、そして1x10 細胞をDLN細胞(エフェクター)の連続力価決定
に添加した。エフェクター:標的比は、100:1∼0.78:1の範囲であった。10
%熱不活性化ウシ胎児血清(Gibco Invitrogen、カリフォルニア州カー
ルスバッド)、100μM MEM非必須アミノ酸(Gibco)、1mM MEMピル
ビン酸ナトリウム(Gibco)、55μM 2−メルカプトエタノール(Gibco)
30
、50U/mlペニシリン(Calbiochem、カリフォルニア州サンディエゴ)、
50μg/mlストレプトマイシン(Mediatech、バージニア州ハーンダン)、
および2mM L−グルタミン(JRH Bioscinences)を補充したRPM
I−1640(JRH Biosciences、カンザス州レネクサ)を含有する完全
RPMI培地中で、アッセイを行った。37℃で6時間インキュベーションした後、25
μlの細胞不含上清を取り除き、そしてPackard LumaPlate(Pack
ard BioSiences、コネティカット州メリデン)に移した。Packard
TopCount(Hewlett Packard、カリフォルニア州パロアルト)
上、ウェルあたり60秒間、プレートを読み取った。標的細胞に、それぞれ、アッセイ培
地または0.1%Triton X−100(Pierce Chemical Com
40
pany、イリノイ州ロックフォード)を添加することによって、自発的および最大クロ
ム放出を決定した。特異的溶解パーセントは、100x(実験放出cpm−自発的放出c
pm)/(最大放出cpm−自発的放出cpm)として計算した。
【0189】
図14Aおよび14Bに示すように、OTI CD8細胞拡大は、第1群で最も認めら
れたが、第2∼4群でも拡大が認められ、そしてより低い度合いで第5群でも認められた
。第1∼5群で、ex vivo CTL活性が認められた。これらの結果によって、F
lt3リガンドでの10日間の前処置が、免疫後のOTI CD8細胞拡大を誘導するに
は、最も有効であったが、8日間、6日間、および4日間の前処置もまた、対照群に比較
して有効であったことが示される。したがって、本明細書記載のFlt3リガンド免疫プ
50
(62)
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ロトコルにおいて、Flt3リガンドをある範囲の日数に渡って(1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30日またはそれより多く
、それとともに、限定されるわけではないが、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと
、6日ごと、7日ごと、またはそれより長い間隔など、何日かごとの組み合わせいずれか
)投与可能である。
【0190】
(実施例12)
これらの研究は、免疫優性ペプチドでの免疫に比較した際、抗原特異的CTL拡大が、
全オボアルブミンタンパク質での免疫後に起こることを示す。実施例8および9に記載す
10
るように、OT−IおよびOT−IIトランスジェニックマウス由来のおよそ200万の
脾臓細胞およびリンパ節細胞をLy5.1コンジェニックマウスに移した(およそ4x1
5
0 CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞に相当する)。移植のおよそ24時間後
、不完全フロイントアジュバント(IFA−Difco/Becton Dickins
on、ニュージャージー州フランクリンレークス)中で乳化したOT−IおよびOT−I
Iペプチド各25μgで、マウスを皮下(s.c.)免疫した。6群のマウスを以下に記
載するように免疫した。免疫後、第2日、第6日、第9日、3匹のマウスを屠殺した。D
LNを採取し、そしてex vivo CTLアッセイにおいて、OTI CD8細胞を
定量化し、そして試験した(実施例11に上述)。
【0191】
20
【表16】
30
【0192】
第6日の採取時、IFA中のペプチドで免疫したマウスで、OTI CD8+ CTL
40
細胞拡大が起こり、そしてFL処置後、IFA中の100μg OVAタンパク質で免疫
したマウスでも起こった。図15Aおよび15Bに示すように、これらの実験は、Flt
3−L前処置後、IFAアジュバント中の抗原で免疫することが、ペプチド抗原およびタ
ンパク質抗原両方に使用するのに有効であることを立証する。とりわけ、免疫に用いたO
VAタンパク質を解析し、そして遊離ペプチドをまったく含有しないことが示された。し
たがって、本明細書記載のFlt3リガンド免疫プロトコルを、上述のように、広い範囲
の抗原とともに使用することが可能である。
【0193】
(実施例13)
以下の研究によって、免疫後のインターロイキン15での処置が、抗原特異的エフェク
50
(63)
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ターCTL拡大を増大することが立証される。
【0194】
上述のように、マウスを免疫前に10日間、FLで処置し(例えば実施例8および9を
参照されたい)、簡潔には、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガン
ドをs.c.投与し、そして第11日に、IFAで免疫した。第10日、OT−Iおよび
OT−IIトランスジェニックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞およびリンパ節細
5
胞をLy5.1コンジェニックマウスに移した(およそ4x10 CD4+ T細胞お
よびCD8+ T細胞に相当する)。移植のおよそ24時間後、不完全フロイントアジュ
バント(IFA−Difco/Becton Dickinson、ニュージャージー州
フランクリンレークス)中で乳化したOT−IおよびOT−IIペプチド各25μgで、
10
マウスを皮下(s.c.)免疫した。第11日に、動物を、生理食塩水またはIFAいず
れかの中に配合したペプチドで免疫した。IL−15またはマウス血清アルブミン(MS
A)対照には、第3日、第4日、第5日、および第6日(免疫の日を第0日として数える
)、10μg/注射でi.p.搬送した。
【0195】
【表17】
20
30
【0196】
第1群では、免疫後、第2日、第5日、および第9日に採取した以外は、第5日および
第9日に、3匹のマウス/群から流入領域リンパ節を採取した。OTI CD8細胞を定
量化し、そしてex vivo CTLアッセイでCTL活性をアッセイした。
【0197】
標準的
6
5 1
Cr放出アッセイにおいて、CTL活性を測定した。完全RPMI培地中、1
x10 細胞あたり50μCi 5 1
Cr(Amersham Biosciences、
40
ニュージャージー州ピスカタウェイ)で、1μM OTIペプチド(SIINFEKL、
b
Immunex)を含み、または含まずに、C1498(H−2 )標的細胞を37℃で
4
1時間パルス処理した。標識した標的細胞を4回洗浄し、そして1x10 細胞をDLN
細胞(エフェクター)の連続力価決定に添加した。エフェクター:標的比は、100:1
∼0.78:1の範囲であった。10%熱不活性化ウシ胎児血清(Gibco Invi
trogen、カリフォルニア州カールスバッド)、100μM MEM非必須アミノ酸
(Gibco)、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、55μM 2−
メルカプトエタノール(Gibco)、50U/mlペニシリン(Calbiochem
、カリフォルニア州サンディエゴ)、50μg/mlストレプトマイシン(Mediat
ech、バージニア州ハーンダン)、および2mM L−グルタミン(JRH Bios
50
(64)
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cinences)を補充したRPMI−1640(JRH Biosciences、
カンザス州レネクサ)を含有する完全RPMI培地中で、アッセイを行った。37℃で6
時間インキュベーションした後、25μlの細胞不含上清を取り除き、そしてPacka
rd LumaPlate(Packard BioSciences、コネティカット
州メリデン)に移した。Packard TopCount(Hewlett Pack
ard、カリフォルニア州パロアルト)上、ウェルあたり60秒間、プレートを読み取っ
た。標的細胞に、それぞれ、アッセイ培地または0.1%Triton X−100(P
ierce Chemical Company、イリノイ州ロックフォード)を添加す
ることによって、自発的および最大クロム放出を決定した。特異的溶解パーセントは、1
00x(実験放出cpm−自発的放出cpm)/(最大放出cpm−自発的放出cpm)
10
として計算した。
【0198】
図16Aおよび16Bに示すように、これらの結果によって、マウスをFlt3リガン
ドで前処置し、そして生理食塩水中のペプチドで免疫すると、免疫後に投与したIL−1
5が、OTI CD8拡大および機能を増大させることが立証された(第3群および第6
群を比較されたい)。IFA中に配合されたペプチドで免疫した後にIL−15を投与す
ると(Flt3リガンド処置なし)、より小さい効果が見られ、すなわち第4群および第
7群を比較されたい。したがって、Flt3リガンド免疫プロトコルにおいて、補助分子
を投与する有用性および有効性が立証された。
【0199】
20
(実施例14)
以下の研究によって、免疫後、抗4−1BBアゴニスト性抗体またはIL−15を投与
すると、メモリーCD8+抗原特異的T細胞のプール生成が増大することが立証される。
【0200】
上述のように、マウスを免疫前に10日間、FLで処置し(例えば実施例8および9を
参照されたい)、簡潔には、連続10日間、襟首に1日あたり10μgのFlt3リガン
ドをs.c.投与し、そして第11日に、IFAで免疫した。第10日に、OT−Iおよ
びOT−IIトランスジェニックマウス由来のおよそ200万の脾臓細胞およびリンパ節
5
細胞をLy5.1コンジェニックマウスに移した(およそ4x10 CD4+ T細胞
およびCD8+ T細胞に相当する)。移植のおよそ24時間後、不完全フロイントアジ
30
ュバント(IFA−Difco/Becton Dickinson、ニュージャージー
州フランクリンレークス)中で乳化したOT−IおよびOT−IIペプチド各25μgで
、マウスを皮下(s.c.)免疫した。すべての動物を、生理食塩水(第1∼3群)また
はIFA(第4∼9群)中のOTIおよびOTIIペプチドで免疫した。
【0201】
各アジュバント群内で、1つの群では、免疫後、第3日および第6日、ラットIgGま
たはアゴニスト性抗4−1BB抗体(100μg/i.p.注射)を投与し、そして第三
の群では、第3日∼第6日、10μg/i.p.注射で、組換えヒトIL−15(商業的
に入手可能、例えばR&D Systems、ミネソタ州ミネアポリス)を投与した。
【0202】
40
(65)
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【表18】
10
20
【0203】
免疫後、第9週、第17週に3匹のマウスから、そして第18週に2匹のマウスから、
脾臓を採取した。先の実施例に記載するように、フローサイトメトリーによって、個々の
脾臓から、OTI CD8+ T細胞を定量化した。図17Aおよび17Bに示すように
、免疫直後にIL−15または抗4−1BBで処置すると、メモリーT細胞プールのサイ
ズが増大する。この効果は、Flt3リガンドに加えて、生理食塩水中に配合したペプチ
ドで免疫した後(第1∼3群)、またはFlt3リガンドに加えて、IFA中に配合した
ペプチドで免疫した後(第7∼9群)に認められたが、Flt3リガンドの非存在下で免
疫した後(第4∼6群)には認められなかった。
30
【0204】
(実施例15)
Flt3−Lをアレルギーの治療に使用可能である。本明細書全体で記載するFlt3
−L免疫プロトコルは、アレルギーのアレルゲン特異的免疫療法に直接の有用性を有する
。アレルゲン特異的免疫療法は、原因アレルゲンへの続く曝露に関連する症状を改善する
のに有効な用量に到達するため、1以上のアレルギーを有する被験者に、増加する用量で
アレルゲンワクチンを投与することと定義される。アレルギーの免疫療法には、Flt3
−L免疫プロトコルおよびアレルギーのアレルゲン特異的免疫療法および/またはFlt
3−Lの投与を含むように修飾された脱感作療法が含まれる。
【0205】
40
アレルゲン学的診断の技術分野に使用される適切なin vivoおよびin vit
ro技術いずれかを用いて、被験者を診断することが可能であり、これらには、限定され
るわけではないが、皮内連続終点試験(SET)、放射性アレルゲン吸着アッセイ(RA
ST)、RASTスポット試験、ヒスタミン放射性酵素アッセイ、in vitro I
gEおよびIgGアッセイ、自発的合成アッセイとともに当該技術分野に知られる他のア
ッセイが含まれる。
【0206】
アレルギーワクチンは当該技術分野に周知であり、そして一般的に、少なくとも1つの
アレルゲン、および適切なキャリアー、希釈剤、賦形剤、安定化剤および場合によるアジ
ュバントいずれかを含んでなると定義することが可能である。アレルゲンは、本明細書に
50
(66)
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おいて、当該技術分野に認識されるアレルゲンいずれか;修飾アレルゲン(限定されるわ
けではないが、尿素、PEG/PVA、脱グリコシル化、多糖および/または光酸化など
の方法によって修飾);アレルゴイド(限定されるわけではないが、チロシン吸収を含む
、または含まない、グルタルアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド処理などの方法
によって修飾);一価同種異系抽出物;アレルゲンポリマー;コンジュゲート化アレルゲ
ン;アレルゲンのアレルゲン−ムラミルペプチド;アレルゲン・マイコロイルムラミルペ
プチドコンジュゲート;アレルゲン−プルラン化合物;アレルゲンおよびハプテン(単数
または複数)のコンジュゲート;アレルゲン、ハプテン(単数または複数)および親水性
ポリマーのコンジュゲート;尿素変性(denaturod)抗原;組換えアレルゲン;
突然変異誘発した組換えアレルゲン;低刺激性アレルゲンおよび/または低刺激性アレル
10
ゲン性誘導体などの遺伝子操作アレルゲン(例えばIgE結合エピトープが減少している
が、T細胞エピトープおよび遮断抗体として働くことが可能なIgG抗体を誘導するため
のエピトープを保持する分子)と定義される。
【0207】
アレルギーワクチンおよびFlt3−Lを、本明細書に記載する有効な方式および経路
いずれかで投与することが可能である。アレルゲンワクチンおよびFlt3−Lの投薬お
よび投与は、適任である医師によって決定可能である。
【0208】
Flt3−L免疫プロトコルは、治療可能なアレルギーいずれかに対するアレルギー免
疫療法で使用可能であり、これらには、限定されるわけではないが:昆虫アレルギーおよ
20
び昆虫咬傷および/または刺傷(チリダニ、アリ、クモ、ハエ、ハチ、スズメバチ、蚊、
ブヨ等);動物アレルギー(限定されるわけではないが:イヌ、ネコ、鳥、げっ歯類、ウ
シ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギ等の家畜および野生動物の毛皮、ふけ、排出物等);アレ
ルギー性気管支炎、バルサムアレルギー;カンジダ菌アレルギー;カーペットおよび/ま
たは織物アレルギー;食物アレルギーまたは敏感性;金属アレルギー;松脂アレルギー;
殺菌剤アレルギー;肥料アレルギー;ホルムアルデヒドアレルギー;ガスアレルギー;接
着剤アレルギー;同種異系血清アレルギー;宝飾品アレルギー;メルカプトアレルギー;
カビおよび/またはうどん粉菌アレルギー;ペンキアレルギー;紙アレルギー;パラベン
類アレルギー;香水アレルギー;殺虫剤アレルギー;プラスチックアレルギー;シャンプ
ーアレルギー;石鹸アレルギー;チウラムアレルギー;タバコアレルギー;コムギアレル
30
ギー;酵母アレルギー;アレルギー性皮膚炎;アレルギー性鼻炎;アスピリン感受性;喘
息;アトピー性皮膚炎;接触皮膚炎;化粧品アレルギー;牛乳アレルギー;皮膚炎;ほこ
りアレルギー;花粉アレルギー;湿疹;草アレルギー;サリチル酸感受性等が含まれる。
【0209】
上に詳細に記載するように、Flt3−Lは、アレルギーワクチンおよび場合による補
助分子の投与前に、投与と同時に、そして/または投与に続いて、投与可能である。1つ
の態様において、Flt3−Lは、ワクチン接種前に、ワクチン接種と同時に、そして/
またはワクチン接種に続いて、連続1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、
9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、1
9日、または20日間、被験者に一日一度、毎日または2日ごと、3日ごと、4日ごと、
40
5日ごと、6日ごとまたは7日ごとに投与される。もちろん、上述のFlt3−L免疫プ
ロトコルのすべての態様は、アレルギーの治療に適応可能である。さらに、当該技術分野
に知られる現存のアレルギー免疫措置を修飾して、Flt3−Lの投与を含むようにする
ことが可能である。
【0210】
1つの態様において、Flt3リガンド免疫プロトコルは、1以上のアレルギーを有す
る被験者において、アレルギーを治療する方法であって:
(a)被験者にFlt3リガンドを投与し;
(b)場合によって、補助分子を投与し;そして
(c)アレルギーワクチンを被験者に投与する
50
(67)
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工程を含んでなり、ここでFlt3リガンドは、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同
時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そしてここで補助分子は、ワクチン
投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投与に続いて投与し、そし
てここで補助分子は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15
、18および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルフ
ァおよびガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFフ
ァミリーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合
タンパク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、
CpG配列、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記方法に関する。
【0211】
10
上述のように、Flt3−Lは、造血幹細胞および前駆細胞とともに、多様な種類の免
疫細胞、特に樹状細胞を拡大させる。さらに、Flt3−Lは、Th1型樹状細胞を拡大
させる能力を有する。したがって、アレルギー免疫療法におけるFlt3−L免疫プロト
コルは、典型的なTh2応答からTh1型応答に、被験者の免疫応答を駆動することが可
能である。サイトカインプロフィールおよび免疫応答におけるこのシフトは、IgE産生
よりIgG産生を駆動し、IL−4の循環レベルを減少させ、好酸球の補充および活性化
を減少させるとともに、肥満細胞の増殖を減少させる。その結果、続くアレルゲン曝露は
アレルギー反応を引き起こさない。
【0212】
当該技術分野に知られる標準法および技術、例えば限定されるわけではないが、患者由
20
来のアレルゲン特異的IgGおよびIgE抗体の測定によって、Flt3−L免疫プロト
コルを用いたアレルゲン特異的免疫療法の有効性を評価することが可能である。Flt3
−L免疫プロトコルにおけるアレルゲン特異的免疫療法を受けている患者はまた、限定さ
れるわけではないが、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ステロイド、鎮痛剤、咳止め等の1
以上の慣用療法と組み合わせて治療可能である。
【0213】
本明細書に引用するすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が
、具体的に、そして個々に、本明細書に援用されると示されるかのように、本明細書に援
用される。前述の本発明は、例示のためある程度詳細に記載し、そして理解を明確にする
目的で、例を記載しているが、一般の当業者には、本発明の解説に鑑み、付随する請求項
30
の精神または範囲から逸脱することなく、特定の変化および修飾を実行可能であることが
容易に明らかであろう。
【0214】
【表19】
40
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】図1A∼Eは、Flt3リガンド、PEG化GM−CSFおよびCD40Lが、
ワクチンに対する免疫応答を増進するかどうかに取り組む、Flt3リガンド免疫プロト
コルの免疫後第1日に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS(蛍光活性
化細胞分取)解析および細胞計数から得たデータを示す(実施例8を参照されたい)。図
50
(68)
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1A:流入領域リンパ節から単離した細胞の総数;図1B:OT−IIトランスジェニッ
クCD4+ T細胞のパーセント;図1C:OT−IIトランスジェニックCD4+ T
細胞の絶対数;図1D:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞のパーセント;お
よび図1E:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞の絶対数。
【図2】図2A∼Eは、Flt3リガンド、PEG化GM−CSFおよびCD40Lが、
ワクチンに対する免疫応答を増進するかどうかに取り組む、Flt3リガンド免疫プロト
コルの免疫後第5日に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および
細胞計数から得たデータを示す(実施例8を参照されたい)。図2A:流入領域リンパ節
から単離した細胞の総数;図2B:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞のパー
セント;図2C:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞の絶対数;図2D:宿主
10
動物由来のCD8+ T細胞のパーセント;および図2E:宿主動物由来のCD8+ T
細胞の絶対数。
【図3】図3A∼Eは、Flt3リガンド、PEG化GM−CSFおよびCD40Lが、
ワクチンに対する免疫応答を増進するかどうかに取り組む、Flt3リガンド免疫プロト
コルの免疫後第9日に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および
細胞計数から得たデータを示す(実施例8を参照されたい)。図3A:流入領域リンパ節
から単離した細胞の総数;図3B:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞のパー
セント;図3C:OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞の絶対数;図3D:宿主
動物由来のCD8+ T細胞のパーセント;および図3E:宿主動物由来のCD8+ T
細胞の絶対数。
20
【図4】図4A∼Bは、実施例8に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルからの、免
疫後第1日(図4A)および第5日(図4B)に単離した、OT−Iトランスジェニック
CD8+ T細胞の標準的CTLアッセイを示す。トランスジェニックCD8+ T細胞
をCTLアッセイに含める前に、OT−Iペプチドでパルス処理した標的と培養すること
によって、この細胞をin vitroで再刺激した。
【図5】図5A∼Bは、実施例8に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルからの、免
疫後第5日(図5A)および第9日(図5B)に単離した、OT−Iトランスジェニック
CD8+ T細胞の“ex vivo”CTLアッセイを示す。トランスジェニックCD
8+ T細胞を、in vitro拡大なしに、直接、CTLアッセイに用いた。
【図6】図6A∼Cは、実施例9に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第
30
5日に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得
たデータを示す。図6A:流入領域リンパ節から単離した細胞の絶対数;図6B:OT−
IトランスジェニックCD8+ T細胞のパーセント;および図6C:OT−Iトランス
ジェニックCD8+ T細胞の絶対数。
【図7】図7A∼Cは、実施例9に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第
5日に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得
たデータを示す。図7A:流入領域リンパ節から単離した細胞の絶対数;図7B:OT−
IIトランスジェニックCD4+ T細胞のパーセント;および図6C:OT−IIトラ
ンスジェニックCD4+ T細胞の絶対数。
【図8】図8A∼Fは、多様なアジュバント、およびワクチンに対する免疫応答を比較す
40
る、Flt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第1日、第5日、または第9日に採取した
流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得たデータを示す
(実施例10を参照されたい)。図8A:免疫後第1日のOT−IトランスジェニックC
D8+ T細胞のパーセント;図8B:免疫後第5日のOT−IトランスジェニックCD
8+ T細胞のパーセント;図8C:免疫後第9日のOT−IトランスジェニックCD8
+ T細胞のパーセント;図8D:免疫後第1日のOT−IトランスジェニックCD8+
T細胞の絶対数;図8E:免疫後第5日のOT−IトランスジェニックCD8+ T細
胞の絶対数;および図8F:免疫後第9日のOT−IトランスジェニックCD8+ T細
胞の絶対数。
【図9】図9A∼Fは、多様なアジュバント、およびワクチンに対する免疫応答を比較す
50
(69)
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る、Flt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第1日、第5日、または第9日に採取した
流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得たデータを示す
(実施例10を参照されたい)。図9A:免疫後第1日の流入領域リンパ節から単離した
細胞の絶対数;図9B:免疫後第5日の流入領域リンパ節から単離した細胞の絶対数;図
9C:免疫後第9日の流入領域リンパ節から単離した細胞の絶対数;図9D:免疫後第1
日のOT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数;図9E:免疫後第5日の
OT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数;および図9F:免疫後第9日
のOT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数。
【図10】図10A∼Fは、多様なアジュバント、およびワクチンに対する免疫応答をさ
らに比較する、Flt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第1日、第5日、または第9日
10
に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得たデ
ータを示す(実施例10を参照されたい)。図10A:免疫後第1日のOT−Iトランス
ジェニックCD8+ T細胞のパーセント;図10B:免疫後第5日のOT−Iトランス
ジェニックCD8+ T細胞のパーセント;図10C:免疫後第9日のOT−Iトランス
ジェニックCD8+ T細胞のパーセント;図10D:免疫後第1日のOT−Iトランス
ジェニックCD8+ T細胞の絶対数;図10E:免疫後第5日のOT−Iトランスジェ
ニックCD8+ T細胞の絶対数;および図10F:免疫後第9日のOT−Iトランスジ
ェニックCD8+ T細胞の絶対数。
【図11】図11A∼Fは、多様なアジュバント、およびワクチンに対する免疫応答をさ
らに比較する、Flt3リガンド免疫プロトコルの免疫後第1日、第5日、または第9日
20
に採取した流入領域リンパ節から単離した試料のFACS解析および細胞計数から得たデ
ータを示す(実施例10を参照されたい)。図11A:免疫後第1日の流入領域リンパ節
から単離した細胞の絶対数;図11B:免疫後第5日の流入領域リンパ節から単離した細
胞の絶対数;図11C:免疫後第9日の流入領域リンパ節から単離した細胞の絶対数;図
11D:免疫後第1日のOT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数;図1
1E:免疫後第5日のOT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数;および
図11F:免疫後第9日のOT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の絶対数。
【図12】図12は、実施例10に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルからの、免
疫後第5日に単離した、OT−IトランスジェニックCD8+ T細胞の“ex viv
o”CTLアッセイを示す。流入領域リンパ節から単離したトランスジェニックCD8+
30
T細胞を、in vitro拡大なしに、直接、CTLアッセイに用いた。
【図13】図13は、実施例10に記載するFlt3リガンド免疫プロトコルからの、免
疫後第5日に単離した、OT−IIトランスジェニックCD4+ T細胞の標準的T細胞
増殖アッセイを示す。
【図14】図14Aおよび14Bは、FLでの10日間の前処置が、免疫後、OTI C
D8+ T細胞の拡大を誘導するのに有効であったが、8日間、6日間、および4日間の
前処置もまた、対照群に比較して有効であったことを示す。
【図15】図15Aおよび15Bは、Flt3−L前処置後のIFAアジュバント中の抗
原での免疫が、ペプチド抗原およびタンパク質抗原両方で使用するのに有効であることを
例示する。
40
【図16】図16Aおよび16Bは、マウスをFlt3リガンドで前処置し、そして生理
食塩水中のペプチドで免疫した際、IL−15を免疫後に投与すると、OTI CD8+
CTL拡大および機能が増大したことを示す。
【図17】図17Aおよび17Bは、免疫直後にIL−15または抗4−1BBで処置す
ると、メモリーT細胞プールのサイズが増大することを例示する。この効果は、Flt3
リガンドに加えて、生理食塩水中に配合したペプチドで免疫した後(第1∼3群)、また
はFlt3リガンドに加えて、IFA中に配合したペプチドで免疫した後(第7∼9群)
には認められたが、Flt3リガンドの非存在下で免疫した後(第4∼6群)には認めら
れなかった。
【配列表】
50
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10
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(73)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
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(74)
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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(75)
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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(76)
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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(77)
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【図17】
【手続補正書】
【 提 出 日 】 平 成 16年 12月 21日 (2004.12.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者を免疫するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項2】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項1の医薬組成物。
【請求項4】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
(78)
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ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1の医薬組成物。
【請求項5】
アジュバントが、ADJUMER
T M
(ポリホスファゼン);リン酸アルミニウムゲル;
藻類グルカン類;アルガミュリン(algammulin);水酸化アルミニウムゲル(
ミョウバン);高タンパク質吸着性(adsorbency)水酸化アルミニウムゲル;
低粘性水酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアレン(5%)、Tween8
0(0.2%)、Pluronic L121(1.25%)、リン酸緩衝生理食塩水p
H7.4のエマルジョン);AVRIDINE
05
T M
T M
(プロパンジアミン);BAY R10
((N−(2−デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピラノシル)
−N−オクタデシルドデカノイルアミド・ヒドロアセテート);CALCITRIOL
(1α,25−ジヒドロキシビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAP
T M
T M
(リン酸
カルシウムナノ粒子);コレラ・ホロトキシン、コレラ毒素A1−プロテインA−D断片
融合タンパク質、コレラ毒素Bサブユニット;CRL1005(ブロック・コポリマーP
1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウ
ムブロミド);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミリストイル
・ホスファチジルコリン);DMPG(ジミリストイル・ホスファチジルグリセロール)
;DOC/ミョウバン複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロイントの完全アジ
ュバント;フロイントの不完全アジュバント;ガンマ・イヌリン;Gerbuアジュバン
ト(以下の混合物:i)N−アセチルグルコサミニル−(Pl−4)−N−アセチルムラ
ミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ii)ジメチルジオクタデシルアン
モニウムクロリド(DDA)、iii)亜鉛L−プロリン塩複合体(ZnPro−8))
;GM−CSF;GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);Imiquimod(1−(2−メチ
プロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン);ImmTher
T M
(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−
L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV類(脱水−再水和小胞から調製した
免疫リポソーム);インターフェロン−γ;インターロイキン−1β;インターロイキン
−2;インターロイキン−7;インターロイキン−12;ISCOMS
体);ISCOPREP 7.0.3.
T M
T M
(免疫刺激複合
;リポソーム;LOXORIBINE
アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント
T M
T M
(7−
(大腸菌(E. coli)
不安定内毒素プロトキシン);組成物いずれかの微小球体および微小粒子;MF59
(スクアレン・水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51
ロイントアジュバント);MONTANIDE ISA 720
ント);MPL
T M
T M
T M
T M
;
(精製不完全フ
(代謝可能油アジュバ
(3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリル脂質A);MTP−PE
およびMTP−PEリポソーム((N−アセチル−L−アラニル−D−イソグルタミニル
−L−アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシ−
ホスホリルオキシ))エチルアミド、一ナトリウム塩);MURAMETIDE
T M
c−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH3);MURAPALMITINE
びD−MURAPALMITINE
T M
(Na
T M
およ
(Nac−Mur−L−Thr−D−イソGln−
sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼ−ガラクトースオキ
シダーゼ);組成物いずれかのナノ球体またはナノ粒子;NISV類(非イオン性界面活
性剤小胞);PLEURAN
T M
(β−グルカン);PLGA、PGAおよびPLA(乳酸
およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー;ミクロ粒子/ナノ粒子);PLU
RONIC L121
T M
;PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODDS
T M
(オロ
テイノイド(oroteinoid)微小球体);ポリエチレンカルバメート誘導体;ポ
リrA:ポリrU(ポリアデニル酸−ポリウリジル酸複合体);ポリソルベート80(T
ween80);渦巻き型タンパク質(Protein Cochleates)(Av
anti Polar Lipids, Inc.、アラバマ州アラバスター);STI
MULON
T M
(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);S−28463
(79)
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(4−アミノ−オテック,−ジメチル−2−エトキシメチル−lH−イミダゾ[4,5−
c]キノリン−1−エタノール);SAF−1
T M
(Syntexアジュバント配合物);
センダイ・プロテオリポソームおよびセンダイ含有脂質マトリックス;Span−85(
トリオレイン酸ソルビタン);Specol(Marcol 52、Span 85およ
びTween 85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(登録商標)(2
,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサンおよび2,6,10,15,
19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22テトラコサヘキサエン);
ステアリルチロシン(オクタデシルチロシンヒドロクロリド);Theramide(登
録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソ
Glu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);スレオニル−MDP(Term
urtide
T M
または[thr1]−MDP;N−アセチルムラミル−L−スレオニル−
D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子);Walter
Reedリポソームからなる群より選択される、請求項1の医薬組成物。
【請求項6】
抗原が癌抗原である、請求項1の医薬組成物。
【請求項7】
癌抗原が、黒色腫−メラニン細胞分化抗原(MART−1/Melan A;gp10
0/pmel−17;チロシナーゼ;チロシナーゼ関連タンパク質−1;チロシナーゼ関
連タンパク質−2;メラニン細胞刺激ホルモン受容体);癌−精巣抗原(MAGE−1;
MAGE−2;MAGE−3;MAGE−12;BAGE;CAGE、NYESO−1)
;突然変異抗原(β−カテニン;MUM−1;CDK−4;カスパーゼ−8;KIA 0
205;HLA−A2−R1701);および癌で過剰発現される、非突然変異共有抗原
(α−フェトプロテイン;テロメラーゼ触媒タンパク質;G−250;MUC−1;癌胎
児抗原;p53;Her−2/neu)、非突然変異タンパク質(gp100;MAGE
−1;MAGE−3;チロシナーゼ;NY−ESO−1)に由来するエピトープ、および
突然変異タンパク質(トリオースリン酸イソメラーゼ;CDC−27;LDLR−FUT
)に由来するエピトープからなる群より選択される、請求項6の医薬組成物。
【請求項8】
抗原がウイルス抗原である、請求項1の医薬組成物。
【請求項9】
ウイルス抗原が、レトロウイルス科(例えばヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1
(HTLV−III、LAVまたはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIと
も称される;および他の単離体、例えばHIV−LP)); ピコルナウイルス科(例え
ばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス
、ライノウイルス、エコーウイルス);カリチウイルス科(Calciviridae)
(例えば胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイ
ルス);フラビウイルス科(例えばデング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス)
;コロナウイルス科(例えばコロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば水疱性口内炎
ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス(例えばエボラウイルス);パラミクソウ
イルス科(例えばパラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、麻疹ウイルス、
呼吸器合胞体ウイルス);オルトミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);
ブニヤウイルス科(例えばハンタンウイルス、ブンガウイルス(bunga virus
)、フレボウイルスおよびナイロウイルス(Nairo virus));アレナウイル
ス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルスおよび
ロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボ
ウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウ
イルス);アデノウイルス科(大部分のアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘ
ルペスウイルス(HSV)1および2、水痘・帯状ヘルペスウイルス、サイトメガロウイ
ルス(CMV)、ヘルペスウイルス類);ポックスウイルス科(天然痘ウイルス、ワクシ
ニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えばアフリカ・ブタ熱
(80)
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ウイルス);非A非B肝炎のウイルス病原体;ノーウォークウイルスおよび関連ウイルス
、並びにアストロウイルス(astrovirus))からなる群より選択される、請求
項8の医薬組成物。
【請求項10】
抗原が細菌抗原である、請求項1の医薬組成物。
【請求項11】
細菌抗原が、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)
、ライム病ボレリア(Borelia burgdorferi)、レジオネラ・ニュー
モフィリア(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム
属(Mycobacteria)種(例えばヒト型結核菌(M. tuberculos
is)、鳥型結核菌(M. avium)、M.イントラセルラレ(M. intrac
ellulare)、M.カンサシ(M. kansaii)、M.ゴルドネ(M. g
ordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseri
a meningitidis)、単球症リステリア(Listeria monocy
togenes)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(
A群連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、連鎖球菌属(Streptococcus)
(ビリダンス群)、糞便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、
ウシ連鎖球菌(Streptococcus bovis)、連鎖球菌属(嫌気性種)、
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロ
バクター属(Campylobacter)種、腸球菌属(Enterococcus)
種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(B
acillus antracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium
diphtheriae)、コリネバクテリウム種、ブタ丹毒菌(Erysipelo
thrix rhusiopathiae)、ウエルシュ菌(Clostridium perfringers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エン
テロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎
桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pa
sturella multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides
)種、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleat
um)、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus m
oniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidiu
m)、トレポネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトス
ピラ属(Leptospira)、およびイスラエル放線菌(Actinomyces israelli)からなる群より選択される、請求項10の医薬組成物。
【請求項12】
抗原が感染性単細胞生物由来である、請求項1の医薬組成物。
【請求項13】
抗原が、住血吸虫類;トリパノソーマ類;リーシュマニア属(Leishmania)
種;フィラリア性線形動物;トリコモナス症;肉胞子虫症;無鉤条虫(Taenia s
aginata)、有鉤条虫(Taenia solium)、クリプトコッカス・ネオ
フォルマンス(Cryptococcus neoformans)、煙色コウジ菌(A
spergillus fumigatus)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Hi
stoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Cocc
idiodes immitis)、旋毛虫症、皮膚ブラストミセス(Blastomy
ces dermatitidis)、トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、熱
帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原
虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium
(81)
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malariae)、およびトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondi
i)からなる群より選択される、請求項12の医薬組成物。
【請求項14】
癌を治療するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)癌抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項15】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項14の医薬組成物。
【請求項16】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項14の医薬組成物。
【請求項17】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14の医薬組成物。
【請求項18】
ウイルス感染を防止し、そして/または治療するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)ウイルス抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項19】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項18の医薬組成物。
【請求項20】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項18の医薬組成物。
【請求項21】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項18の医薬組成物。
【請求項22】
細菌感染を防止し、そして/または治療するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)細菌抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項23】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項22の医薬組成物。
【請求項24】
(82)
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補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項22の医薬組成物。
【請求項25】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項22の医薬組成物。
【請求項26】
抗原に対する免疫応答を増進するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項27】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項26の医薬組成物。
【請求項28】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項26の医薬組成物。
【請求項29】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項26の医薬組成物。
【請求項30】
抗原に対する抗原特異的細胞傷害性T細胞免疫応答を増進するための医薬組成物であっ
て:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項31】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項30の医薬組成物。
【請求項32】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項30の医薬組成物。
【請求項33】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項31の医薬組成物。
【請求項34】
抗原に対する抗原特異的Tヘルパー免疫応答を増進するための医薬組成物であって:
(83)
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(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)抗原およびアジュバントを含んでなるワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項35】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項34の医薬組成物。
【請求項36】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項34の医薬組成物。
【請求項37】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項34の医薬組成物。
【請求項38】
被験者における抗原に対する免疫応答の評価に用いる医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;
(c)抗原、ここで該抗原は、場合によってアジュバントとともに配合可能である;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項39】
Flt3リガンドを、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワ
クチン投与に続いて投与する、請求項38の医薬組成物。
【請求項40】
補助分子を、ワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/またはワクチン投
与に続いて投与する、請求項38の医薬組成物。
【請求項41】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項38の医薬組成物。
【請求項42】
1以上のアレルギーを治療するための医薬組成物であって:
(a)Flt3リガンド;
(b)場合により、補助分子;および
(c)アレルギーワクチン;
を組み合わせてなる、前記医薬組成物。
【請求項43】
Flt3リガンドを、アレルギーワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして
/またはワクチン投与に続いて投与する、請求項42の医薬組成物。
【請求項44】
補助分子を、アレルギーワクチン投与の前に、ワクチン投与と同時に、そして/または
ワクチン投与に続いて投与する、請求項42の医薬組成物。
【請求項45】
補助分子が、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、10、12、15、18
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および23、ケモカイン、GM−CSF、G−CSF、インターフェロン−アルファおよ
びガンマ、c−kitリガンド、GM−CSFおよびIL−3の融合体、TNFファミリ
ーメンバー(TNF−α)、TGF−β、可溶性CD40リガンド、CD40結合タンパ
ク質、可溶性CD83、4−1BB結合タンパク質、OX−40結合タンパク質、CpG
配列、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項42の医薬組成物。
(85)
【国際調査報告】
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171 A61P 31/16
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A61P 37/04
A61P 35/02
A61P 37/04
A61K 37/02
A61K 37/66
G
(81)指定国 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,
BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,
(88)
JP 2005-528373 A 2005.9.22
GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,
EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,M
W,MX,MZ,NI,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(74)代理人 100096013
弁理士 富田 博行
(74)代理人 100107386
弁理士 泉谷 玲子
(72)発明者 マッケーナ,ヒラリー・ジェイ
アメリカ合衆国ワシントン州98199,シアトル,サーティフィフス・アベニュー・ウエスト 2645
(72)発明者 レボウィッツ,デービット・エヌ
アメリカ合衆国カリフォルニア州95125,サン・ノゼ,マリーナ・ウェイ 1790
(72)発明者 マリスゼウスキー,チャールズ・アール
アメリカ合衆国ワシントン州98177,シアトル,ノース・ウエスト・ワンハンドレッドトゥエ
ンティエス 1014
Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 BA01 BA08 BA22 BA44 CA18 CA23 DA12 DA13
DA14 DA15 DA16 DA17 DA18 DA19 DA22 DA24 DA25 MA13
MA16 MA23 MA24 MA28 MA31 MA34 MA35 MA38 MA41 MA52
MA55 MA58 MA60 MA63 MA65 MA66 NA05 NA14 ZB091 ZB131
ZB261 ZB271 ZB331 ZB351 ZB371 ZB381 ZC551 ZC621
4C085 AA03 AA38 BA02 BA03 BA04 BA06 BA07 BA08 BA09 BA12
BA13 BA14 BA18 BA20 BA51 BA53 BA55 BA56 BA58 BA62
BA63 BA64 BA69 BA75 BA76 BA77 BA78 BA85 BA87 BA88
BA89 BA92 BB01 DD86 EE01 EE06 FF01 FF02 FF03 FF12
FF13 FF14 FF17 FF18 FF20 GG01 GG08 GG10