2924 よくわかる簿記シリーズ 合格テキスト&トレーニング 建設業経理士

2010/07/07
改 正 対 応 レ ジ ュ メ
建 設 業 経 理 士 検 定 講 座
科
合格テキスト&トレーニング
目 建設業経理士 1 級 財務諸表Ver2.0
日頃より弊社書籍をご利用くださいましてありがとうございます。
会計基準等の新設・改定により、本書は下記をご確認の上、訂正してお使いいただきますようお願い申し上げます。
TAC 出版
1.
税法の改正により、平成 20 年 4 月 1 日から工事進行基準により計上された未完成工事に対する完成工事未収入金にも
貸倒引当金を設定することになりましたので注意してください。
さらに、工事進行基準により計上された未完成工事に対する完成工事高にも完成工事補償引当金を設定することになり
ましたので、注意してください。
【改正前】
/ (貸)完 成 工 事 高
(借)完成工事未収入金
貸倒引当金の設定の対象にしない
【改正後】
(借)完成工事未収入金
完成工事補償引当金の設定の対象にしない
/ (貸)完 成 工 事 高
貸倒引当金の設定の対象にする
2.
完成工事補償引当金の設定の対象にする
「企業会計原則」の長期請負工事が「工事契約に関する会計基準」に変更されました。
(1) 工事契約に係る認識基準の変更
従来の企業会計原則では、長期の請負工事について工事進行基準と工事完成基準の選択適用を認めていました。
しかし、現在の「工事契約に関する会計基準」では、その工事の進捗部分について成果の確実性が認められる場合に
は、工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には、工事完成基準を適用することになりました。
成果の確実性が認められる場合とは、次の各要素について、信頼性をもって見積もることができることをいいます。
① 工事収益総額
② 工事原価総額
③ 決算日における工事進捗度
なお、計算方法に変更はございませんので、理論対策としておさえておいてください。
(2) 工事損失引当金の追加
「工事契約に関する会計基準」では、工事契約について、工事原価総額等(工事原価総額のほか、販売直接経費があ
る場合にはその見積額を含めた額)が、工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その超過すると見込まれる額(工
事損失といいます)を合理的に見積もることが出来る場合には、すでに計上された損益の額を控除した残額を工事損失
が見込まれた期の損失として処理し、「工事損失引当金」を計上することになりました。
工事損失引当金の取り扱いをまとめると次のようになります。
計上条件
工事原価総額等 > 工事収益総額
設定額
(工事原価総額等-工事収益総額)±計上済損益=見積工事損失のうち将来計上される部分
見積工事損失
表示区分
計上時
(注)計上済みの損失は控除し、利益は加算します。
工事損失引当金⇒B/S 流動負債(原則)、B/S 棚卸資産と相殺(容認)
(完 成 工 事 原 価) ×× (工事損失引当金) ××
工事損失引当金繰入
取崩時
(工事損失引当金) ×× (完 成 工 事 原 価) ××
工事損失引当金戻入
〈例〉次の資料により、工事契約に係る認識基準について、工事進行基準を適用した場合の各年度における完成工事高、完
成工事原価、完成工事損益および工事損失引当金の額を求めなさい。なお、工事損失になる場合には、金額の前に△印を
付すこと。
2010/07/07
(資料)
(1) 工事期間3年(×1 年度着工、×3年度引き渡し)
(2) 工事収益総額 75,000 円
(3) 各年度における発生した工事原価と、各期末現在見積もった完成までに要する工事原価は次のとおりである。
×1年度
×2年度
×3年度
各年度の発生工事原価
6,000 円
42,000 円
32,500 円
翌年度以降完成までに要する工事原価 54,000 円
32,000 円
(解答)
×1年度
×2年度
完成工事高
完成工事原価
完成工事損益
工事損失引当金
7,500 円
6,000 円
1,500 円
0円
×3年度
37,500 円
44,000 円
△6,500 円
2,000 円
30,000 円
30,500 円
△500 円
0円
本会計基準等の新設・改定に絡み、本書につきましては、以下を修正の上、ご利用ください。
ページ等
トレーニング
P22
問題 15-3
トレーニング
P50〈42〉
問題 15-3
(解答)
修正前
修正後
下から 2 行目
(5)・・・設定する。
下から 2 行目
(5)・・・設定する(Z 工事への分配は考
慮しない)
。
【修正後】精算表の一部を次のように修正してください。
整理記入
損益計算書
未成工事支出金
74
487,574
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
完成工事原価
487,574
517,138
貸借対照表
2,500
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
(略)
517,138
487,574
557,504
17,776
575,280
259,740
241,964
17,776
74
完成工事補償引当金
当期純(利益)
574
トレーニング
P51〈43〉
問題 15-3
(解答への道)
下から 4 行
本問では,・・・・・・注意すること。
P51〈44〉
問題 15-3
(解答への道)
【修正後】
(5)について次のように修正してください。
削除
(5)完成工事補償引当金の設定
完成工事高 (550,000+24,000)×0.1%=574〈完成工事補償引当金となる金額〉
引当金残高・・・・・・・・・・・・・・・ 500
74〈未成工事支出金〉
(未成工事支出金)
74
(完成工事補償引当金)
74
2010/07/07
P51〈44〉
問題 15-3
(解答への道)
【修正後】
(6)について次のように修正してください。
(6)未成工事支出金・完成工事原価の処理
決算整理前の未成工事支出金残高
490,000
決算整理による増加額
(+)
74
決算整理による減少額
(-)
0
決算整理後の未成工事支出金残高
2,500 487,574〈完成工事原価となる分〉
(完 成 工 事 原 価) 487,574
(未成工事支出金) 487,574
【以下、修正はございません】
P52〈45〉
問題 15-3
(解答への道)
【修正後】勘定連絡図について次のように修正してください。
未成工事支出金
T/B
(6)
490,000
487,574
B/S
2,500
(5) 74
完成工事原価
(6)
P/L
487,574
487,574